(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】診断検査リーダーシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20230301BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20230301BHJP
G01N 37/00 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
G01N35/00 E
G01N35/02 F
G01N37/00 101
(21)【出願番号】P 2019540539
(86)(22)【出願日】2018-02-14
(86)【国際出願番号】 US2018018097
(87)【国際公開番号】W WO2018156395
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-01-07
(32)【優先日】2017-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515230154
【氏名又は名称】ゾエティス・サービシーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】バウ-マーセン,ニールス・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クリング,オーリ
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-171024(JP,A)
【文献】国際公開第2016/195896(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/203019(WO,A1)
【文献】特開2016-045739(JP,A)
【文献】特開2016-024194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリーダーモジュール及び少なくとも1つのマザーモジュールを含む複数のモジュールを備える診断検査リーダーシステムであって、前記リーダーモジュールのそれぞれが、一意のコードを有し、特定の検査カートリッジタイプを読み取るように構成され、前記リーダーモジュールのそれぞれが、前記マザーモジュールから命令を受け取るため、及び読み取った及び得たデータの少なくとも1つを前記マザーモジュールに送信するために前記マザーモジュールとデータ通信し、前記マザーモジュールが、前記リーダーモジュールのそれぞれと個別に通信するように構成され、
前記リーダーモジュールの少なくとも1つが、センサであって前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対す
る空間位置を表す位置データを検出するためのセンサを備え、前記少なくとも1つのリーダーモジュールの前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記それぞれの空間位置を含む前記位置データを前記マザーモジュールに送信するために構成され、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つが、前記センサにより検出可能な1つ以上の基準マークを有し、各リーダーモジュールが、前記センサにより検出可能な1つ以上の基準マークを有する、前記診断検査リーダーシステム。
【請求項2】
前記リーダーモジュールが、それぞれがそれぞれの診断検査を実行するための別々の電子回路及びドライバを有する物理的に別個のボックスであり、各リーダーモジュールが、それぞれの検査カートリッジを受け取るためのスロットを有する、請求項1に記載のリーダーシステム。
【請求項3】
前記リーダーモジュールの前記センサが、前記リーダーモジュールが並んだ構成またはスタック構成で配置されることによって、前記リーダーモジュールの前記少なくとも他の1つと物理的に接触するとき等、前記リーダーモジュールが最大で約10cmの距離の範囲内に配置されるときに、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対す
る空間位置を表す位置データを検出するために構成される、請求項1または2に記載のリーダーシステム。
【請求項4】
前記リーダーモジュールの前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つの前記一意のコードを検出するために構成され、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つの前記検出した一意のコードを前記マザーモジュールに送信するために構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項5】
前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対す
る空間位置を表す位置データを検出するため、前記リーダーモジュールの前記少なくとも他の1つの前記一意のコードを検知するため、及び近傍データの少なくとも1つの集合を送信するために構成され、近傍データの各集合が、前記リーダーモジュールの前記位置データ及び前記一意のコードを含む、請求項4に記載のリーダーシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のリーダーモジュールの前記セン
サが、前記それぞれのモジュール間の相対的な向きを表す向きデータを検出するため、及び前記向きデータを前記マザーモジュールに送信するために構成され、前記マザーモジュールが、前記向きデータに基づいて2つ以上のリーダーモジュール間の相対的な向きを決定するために構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項7】
近傍データの各集合が、
第2の前記リーダーモジュール
の一意のコードに関連付けられた
前記第2のリーダーモジュールに対する
第1の前記リーダーモジュールの第1の前記センサ
の空間位置を表す位置データ、及び前記
第1のセンサを備える前記
第1のモジュールと、
前記第2のリーダーモジュールとの間の相対的な向きを表す向きデータを含む、請求項5または請求項6に記載のリーダーシステム。
【請求項8】
前記リーダーモジュールの少なくとも2つが、前記センサを備え、前記それぞれのリーダーモジュールの前記それぞれのセンサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記それぞれの空間位置を表す位置データを含む前記位置データを前記マザーモジュールに送信するために構成される、
請求項1~7のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項9】
各センサが、
第2の前記リーダーモジュール
に対する空間位置を表す位置データを、前記
第2のリーダーモジュール
の前記一意のコードとともに検出するため、及び近傍データの少なくとも1つの集合を生成し、送信するために構成され、近傍データの各集合が、
前記第2のリーダーモジュールに対する前記センサの前記空間位置を表す前記位置データを含む、請求項8に記載のリーダーシステム。
【請求項10】
前記センサが触覚センサ、光学センサ、磁気センサ、またはチップセンサ(RFIDアクティブもしくはパッシブ)、ブルートゥース(登録商標)センサである電波センサ、または任意のその組み合わせである、請求項1~9のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項11】
前記センサが、送受信器を備え、それぞれの前記一意のコードを含んで、前記リーダーモジュールの1つ以上が、それぞれの前記一意のコードを含む1つ以上のパッシブチップを備える、
請求項1~10のいずれか1項に記載の前記リーダーシステム。
【請求項12】
前記
診断検査リーダーシステムが、少なくとも3つのリーダーモジュールを備える、
請求項1~11のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項13】
前記リーダーモジュールが、少なくとも2列でスタックされるように適応される、
請求項1~12のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項14】
前記マザーモジュールが、前記リーダーモジュールの相対的な空間位置を決定するために構成され、前記マザーモジュールが、前記リーダーモジュールの相対的な空間位置が、少なくとも1つの所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成され、前記少なくとも1つの所定の要件が、前記リーダーモジュールが所定の構成でスタックされるときに満たされ、前記少なくとも1つの所定の要件が、少なくとも1つの事前にプログラムされた要件及び/または少なくとも1つのユーザー選択可能な要件を含む、
請求項1~13のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項15】
前記マザーモジュールが、少なくとも部分的にそれぞれの前記リーダーモジュールの前記センサを介して前記リーダーモジュールの相対的な空間位置を決定するために構成される、請求項14に記載のリーダーシステム。
【請求項16】
前記マザーモジュールが、近傍データの1つ以上の集合を受け取るため、及び前記受け取った前記近傍データの集合に基づいて、前記リーダーモジュールの相対的な空間位置を決定するため、及び前記リーダーモジュールの相対的な空間位置が、前記所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成される、請求項14または請求項15に記載のリーダーシステム。
【請求項17】
前記マザーモジュールが、前記少なくとも1つの所定の要件が満たされない場合に警報を起動させるために構成され、前記警報が視覚警報及び/または可聴警報である、請求項14~16のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項18】
前記リーダーモジュールが、マイクロ流体検査カートリッジリーダーモジュール、側方流動検査カートリッジリーダーモジュール、鉛直流検査カートリッジリーダー
モジュール、蛍光検査カートリッジリーダーモジュール、流水式検査カートリッジリーダーモジュール、フローサイトメトリーカートリッジリーダーモジュール、電気読み出し検査カートリッジリーダーモジュール、イメージング読み出しカートリッジリーダーモジュール、電気化学読み出しカートリッジリーダーモジュール、光吸収カートリッジリーダーモジュール、磁気補助カートリッジリーダーモジュール、スナップ型カートリッジ検査
モジュール、またはその組み合わせから選択された前記リーダーモジュールタイプの2つ以上を備える、
請求項1~17のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項19】
前記リーダーシステムが、同じリーダーモジュールタイプの2つ以上を備える、
請求項1~18のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項20】
前記リーダーシステムが、2つ以上の異なるリーダーモジュールタイプを備え、同じタイプの各リーダーモジュールが、前記リーダーモジュールタイプのための同一の視覚タグコーディングを備え、同じタイプの各リーダーモジュールが、前記リーダーモジュールタイプのための同一のカラーコーディングを備える、
請求項1~19のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項21】
前記マザーモジュールが、ユーザーインタフェースを伴い、画面、キーボード、可聴ユーザーインタフェース、タッチスクリーン及び/またはプリンタと組み合わされたグラフィックユーザーインタフェース等のビデオインタフェース及び/またはプリンタの少なくとも1つを備える、
請求項1~20のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項22】
前記マザーモジュールが、それぞれの前記リーダーモジュールが動作中であるかどうかを示す表示を含み、それぞれの動作中のリーダーが、前記リーダーの現在の動作をいつ終了すると予想されるのかを示す時間インジケータを含む前記リーダーモジュールのそれぞれのためにアイコンを備えるグラフィックユーザーインタフェースを有する画面を伴う、
請求項1~21のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項23】
前記マザーモジュールが、ユーザーデータベースとデータ通信し、前記ユーザーデータベースが、各ユーザーのためのユーザー識別及び関連付けられたユーザー認可を含み、前記ユーザー認可が、前記関連付けられたユーザー識別を有するユーザーが使用するための資格を与えられている少なくとも1つのリーダーモジュールの識別を含む、
請求項1~22のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項24】
前記リーダーモジュールの少なくとも1つが、ユーザーが、前記ユーザーデータベースに登録されたユーザー認可を有すること、及び前記ユーザーが、ピンコード、チップ、及び/またはバーコードの形をとるユーザーコードを提示することによって、前記マザーモジュールによって承認されることを必要とする、請求項23に記載のリーダーシステム。
【請求項25】
前記マザーモジュールがバーコードリーダーを備える、
請求項1~24のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項26】
前記マザーモジュールが、カートリッジデータベースとデータ通信し、前記カートリッジデータベースが、カートリッジ識別、及び前記マザーモジュールに対してカートリッジを識別するとき、前記マザーモジュールが、前記カートリッジを使用し、所与の検査を操作するためのリーダーモジュールを割り当てるように構成されることを提示する関連付けられたリーダーモジュールデータを含み、前記カートリッジの前記識別が、前記バーコードリーダーにより前記カートリッジと関連付けられたバーコードを読み取ることを含む、請求項25に記載のリーダーシステム。
【請求項27】
前記マザーモジュールが、患者データベースとデータ通信し、前記患者データベースが、複数の患者のための患者データと関連付けられた患者識別を含み、前記マザーモジュールが、特定の患者の検査結果を前記患者データベースに格納し、前記検査結果が前記特定の患者と関連付けられていることを保証するために構成される、
請求項1~26のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項28】
前記マザーモジュールが、前記患者データベースからデータを抽出し、検査を実行するために前記データをリーダーモジュールに送信するために構成される、請求項27に記載のリーダーシステム。
【請求項29】
前記マザーモジュールが、患者データベースからデータを抽出し、検査を実行するために前記データをリーダーモジュールに送信するために構成される、
請求項1~28のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【請求項30】
前記マザーモジュールが、インターネットと接続し、1つ以上のウェブデータベースと接触し、少なくとも前記患者データベースがウェブデータベースである、請求項29に記載のリーダーシステム。
【請求項31】
前記リーダーモジュールの少なくとも1つが、カートリッジが前記リーダーモジュールのスロットの中に挿入されていることを検知すると検査開始信号を送信するために構成され、前記リーダーモジュールが、前記カートリッジで実行中の検査の進行を含む検査ステータスを前記マザーモジュールに送信するために構成される、
請求項1~30のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばマイクロ流体検査カートリッジ、側方流動検査カートリッジ、蛍光検査カートリッジ、流水式検査カートリッジ、及び電気読み出し検査カートリッジ等の異なる検査カートリッジタイプを読み取るために適した診断検査リーダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒト及び動物の体液に対するバイオアッセイを実行するための多くの異なった高速診断検査方法及び装置が開発されてきた。高速診断検査タイプの例は、側方流動検査、マイクロ流体検査、または流水式検査タイプである。高速診断検査タイプは、通常、数秒から1時間以上続く。高速診断検査タイプの大部分にとって、必要とされる実行時間を短縮することが目標とされてきた。しかしながら、概して、高速診断検査タイプは、数分間、実行することが求められている。実験室において及び獣医の診療所、病院、または医師の診療所で、多くの異なる高速診断検査タイプは、通常、毎日数回、またはなおさらに頻繁に実行される。高速診断検査タイプの多くは、安全かつ正確な読み出しを保証するためにリーダーを必要とする。他の高速診断検査タイプの場合、医師または獣医は、時間を節約するためにリーダーを有することを好む。リーダーがないと、医師または獣医は、偽陰性または疑陽性の結果につながるであろう検査の破損がないことを保証するために検査の実行を観察する必要があるであろう。
【0003】
高速診断検査タイプは、通常、例えばメンブレン検査ストリップ(複数可)、流路(複数可)、固定化または非固定化結合パートナー(複数可)、必要とされる場合洗浄液、マーカー、電線、マイクロビーズ、電磁ビーズ等の診断アッセイを実行するために必要とされるアッセイ要素を含んだカートリッジを使用し、実行される。いくつかの検査タイプの場合、リーダーは、例えば洗浄液(複数可)等の流体を含んでよく、流体を加えるようにプログラムされてよい。多くの異なるタイプの高速診断検査タイプのため、診療所は、通常、サイズが異なり、機能が異なったいくつかの異なるタイプのリーダーを有することを必要とされる場合がある。多くの場合、助手が、異なったタイプのリーダーを区別することは困難であり、リーダーが混同される、または間違いのために誤用されることもある。また、ある患者の検査が別の患者の検査と混同される場合もある。
【0004】
リーダーは、多くの場合、相対的に小型であり、例えば診療所の清掃中あちこちに移動される場合がある。清掃者によるリーダーの移動は、さらなる間違いを生じさせる場合がある。
【0005】
米国第2015056719号は、異なるタイプの高速診断検査タイプに使用できる汎用的な高速診断検査リーダーを説明する。リーダーは、制御電子回路、デジタルカメラ構成要素、照明構成要素、筐体構成要素、及び高速診断検査トレイを含み、該トレイは、どの検査タイプが実行されるのかに応じて修正または交換できる。
【0006】
したがって、リーダーは、いくつかのタイプの検査を実行するためのすべての電子機器、リーダー機能性、及び構成要素を含む。概して、斯かる多機能リーダータイプは、それらが、通常の診断検査リーダーに比較してやや複雑化し、嵩張るという問題を有している。さらに、多機能リーダーが損傷を受ける、または修理を必要とする場合、診療所はまったく検査を実行することができない、またはいくつかの多機能リーダーを有する必要がある場合がある。さらに、リーダーのためのトレイの絶え間のない変更または修正、及び異なるタイプの検査を実行するための交換は、非常に複雑であり、トレイ(複数可)またはトレイ要素(複数可)の損傷または置き違えを生じさせる可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
上記の及び他の必要性は、一態様によれば、複数のリーダーモジュール及び少なくとも1つのマザーモジュールを含んだ、複数のモジュールを含んだ診断検査リーダーシステムを提供する本開示の態様により満たされる。リーダーモジュールのそれぞれは一意のコードを有し、特定の検査カートリッジタイプを読み取るために適応される。リーダーモジュールのそれぞれは、該マザーモジュールから指示を受け取るため、及び該マザーモジュールに読み取った及び/または得たデータを送信するためにマザーモジュールとデータ通信するように適応される。マザーモジュールは、該リーダーモジュールのそれぞれと個別に通信するために構成される。
【0008】
したがって、本開示の多様な態様は、それ以外の場合本明細書に詳説するように、優位点を提供する。
【0009】
本開示の多様な実施形態を一般的な用語で説明してきたが、ここで必ずしも原寸に比例して描画されているわけではない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一態様に係るリーダーモジュールの斜視図である。
【
図2】本開示の一態様に係る診断検査リーダーシステムの概略図である。
【
図3】リーダーモジュールがスタックされる本開示に係る診断検査リーダーシステムの概略図である。
【
図4】リーダーモジュールが不正確にスタックされる本開示に係る診断検査リーダーシステムの概略図である。
【
図5】リーダーモジュールがスタックされるが、リーダーモジュールのうちの1つが不安定な位置に押されている本開示に係る診断検査リーダーシステムの概略図である。
【
図6】触覚センサ及び基準マークを有する2つのリーダーモジュールの部分を示す。
【
図7】リーダーモジュールが、それぞれ、送受信器、電気基準マーク、及び一意のコードを取り込んだ無線周波数センサを含み、マザーモジュールが無線周波数送受信器(radio frequency transceiver)を含む本開示に係る診断検査リーダーシステムの概略図である。
【
図8】バーコードリーダーを含んだマザーモジュールだけではなく、それぞれがバーコードでマーキングされたいくつかの異なる診断検査カートリッジを示す。
【
図9】それぞれ個別のリーダーモジュールの動作ステータスを示すインジケータ付きのリーダーモジュールのためのアイコンを含んだグラフィックユーザーインタフェースを有する画面を有するマザーモジュールを示す。
【
図12】診断検査カートリッジデータベースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の多様な態様は、ここで本開示のすべてではないがいくつかの態様を示す添付図面を参照して以下により完全に説明される。実際に、本開示は、多くの異なる形式で実施されてよく、本明細書に説明する態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が適用可能な法的必要条件を満たすように提供される。類似する番号は全体を通して類似する要素を参照する。
【0012】
本開示は、柔軟性があり、相対的に使用するのが簡単であり、2つ以上の高速診断検査カートリッジタイプを読み取るために使用できる診断検査リーダーシステムを提供する。多様な態様によれば、本開示は、上述された問題のうちの少なくとも1つを緩和する診断検査リーダーを提供し得る。診断検査リーダーシステムは、それぞれの診療所による使用のために適応されてよい。これらの及び他の問題は、以下に開示するように、本開示によって解決されている。
【0013】
本開示の診断検査リーダーシステムは、高速診断検査タイプの柔軟性及び簡単な取り扱いを提供し、それによって大規模な診療所だけではなくより小規模の診療所の両方にも大きな改善をもたらす。診断検査リーダーシステムは、リーダーのより効果的な使用を提供する。
【0014】
診断検査リーダーシステムは複数のモジュールを含んでよく、該モジュールは複数のリーダーモジュール及び少なくとも1つのマザーモジュールを含んでよい。用語複数のは、本明細書では、特別の定めのない限りまたは文脈から明らかでない限り、少なくとも2つを意味するために使用される。
【0015】
リーダーモジュールのそれぞれは一意のコードを有し、特定の検査カートリッジタイプを読み取るために適応される。リーダーモジュールのそれぞれは、マザーモジュールから命令を受け取るため、及び読み取った及び/または得たデータをマザーモジュールに送信するためにマザーモジュールとデータ通信するように適応されてよい。マザーモジュールは、リーダーモジュールのそれぞれと個別に通信するために構成されてよい。
【0016】
したがって、診断検査リーダーシステムのうちの1つの単一のマザーモジュールの使用によって、診断検査リーダーシステムの個々のリーダーモジュールのすべてが制御または操作されてよい。
【0017】
例えば、医師、獣医、または助手等の操作者は、このようにしてマザーモジュールによって、どのリーダーモジュールが空いているのか、知らされてよく、好ましくは、リーダーモジュールがいつ空くと予想されているのかを知るように、それぞれのリーダーモジュールの動作の状態についても知らされてよい。いくつかの例では、操作者は、選択したタイムスロットのためにリーダーモジュールを予約してよい。マザーモジュールは、次いで問題のタイムスロットのために予約済みとしてリーダーモジュールをマーキングしてよい。用語「ユーザー」は、操作者を含む。
【0018】
マザーモジュールは、有利なことに、特定のリーダーモジュールの一意のコードを介して診断検査リーダーシステムのリーダーモジュールのそれぞれを認識するために構成されてよい。有利なことに、マザーモジュールも、一意のコードを含んでよい。したがって、操作者は、マザーモジュール及びリーダーモジュールを別々に購入し、それらを結合してよく、これによりマザーモジュールは、各リーダーモジュールと関連付けられ、各リーダーモジュールは、マザーモジュールと関連付けられる。マザーモジュール及びリーダーモジュールは、それぞれ関連付けを実行し、マザーモジュールとリーダーモジュールとの間の関連付けを記憶するようにプログラムされたコンピュータを有してよい。有利なことに、マザーモジュール及び各リーダーモジュールは、例えばブルートゥース(登録商標)技術を使用し、無線通信のために構成されてよい。
【0019】
モジュールは、例えば1メートル以上、2メートル以上、10メートル以上等の事前に選択した距離の範囲内で他のモジュールを見つけ、操作者からの指示があると、複数のリーダーモジュールのそれぞれと相互に関連付けられた少なくとも1つのマザーモジュールを有する診断検査リーダーシステムを形成するために選択したモジュールをともにロックし、格納するようにプログラムされてよい。
【0020】
したがって、本開示の診断検査リーダーシステムの一態様では、システムは、複数のリーダーモジュールのそれぞれと相互に関連付けられた少なくとも1つのマザーモジュールを有してよく、相互の関連付けは、各リーダーモジュールが、マザーモジュールの一意のコードを格納し、マザーモジュールを認識し、マザーモジュールと通信するために構成され、マザーモジュールが、リーダーモジュールのそれぞれの一意のコードを格納し、リーダーモジュールのそれぞれと個別に通信するために構成されることを必然的に伴う。
【0021】
用語「実質的に」は、本明細書では、通常の製品の相違及び公差が含まれることを意味すると解釈されるべきである。
【0022】
用語「約」は、概して測定不確実性の範囲内にあることを含むために使用される。範囲で使用されるとき、用語「約」は、測定不確実性の範囲内にあることが範囲に含まれることを意味すると解釈されるべきである。
【0023】
用語「液体試料」または「試料」または「検査液」は、例えば、分散系及び懸濁液等の固形部分を含んだ液体試料を含んだ試料を含有した任意の液体を意味する。試料は、方法の実行時、液体を含む。
【0024】
明細書または特許請求の範囲を通して、別段の定めがない限り、または文脈により要求されない限り、単数形は複数形を包含する。
【0025】
用語「検査」及び「アッセイ」は、交換可能に用いられる。
【0026】
用語「ために構成される」または「するように構成される」は、本明細書では、問題の項目が問題の目的を実行するように特に構築される、設計される、またはプログラムされることを意味するために使用される。
【0027】
別の態様では、マザーモジュールは、例えば検査手順の実行を開始するための命令、事前に選択した方法でもしくは事前に選択したタイミングで検査手順を実行するための命令等の個々のリーダーモジュールごとの命令を送信するために構成されてよい。別の態様では、マザーモジュールは、リーダーモジュールの1つ以上のためのソフトウェア更新を受け取るために、及び選択されたリーダーモジュールごとにソフトウェア更新を送信するために構成されてよく、そのリーダーモジュール(複数可)は、操作者によって、または(つまり、同じソフトウェアタイプであるが、より初期のバージョンの)受け取ったソフトウェア更新によってソフトウェアを更新させることによって選択されてよい。マザーモジュールは、有利なことに事前に選択したソフトウェア更新タイムスロットの中で受け取ったソフトウェア更新を送信するようにプログラムされてよい。
【0028】
有利なことに、リーダーモジュールは、それぞれの診断検査を実行するための別々の電子回路及びドライバを含んだ物理的に別々のボックスであってよい。各リーダーモジュールは、それぞれの検査カートリッジを受け取るためのスロットを有してよい。通常、リーダーモジュールは、検査カートリッジを受け取るための1つの単一のスロットを有してよい。しかしながら、いくつかの例では、リーダーモジュールの1つ以上は、それぞれ診断検査カートリッジ、好ましくは同じタイプの診断検査カートリッジを受け取るための2つ以上のスロットを含んでよい。診断検査カートリッジを受け取るための2つ以上のスロットを有する斯かるリーダーモジュールは、有利なことに重複検査を実行するためまたは検査を多重化するために構成されてよい。
【0029】
各リーダーモジュールは、個々に可動であり、有利なことに最大約0.5×1×0.5mまでのサイズ(高さ、幅、及び奥行き)を有してよい。通常、リーダーモジュールは、それぞれ、例えば約0.08~約0.2m3等の約0.001~約0.25m3のサイズを有してよい。リーダーモジュールは、同じまたは異なるサイズを有してよい。いくつかの例では、リーダーモジュールは、異なるサイズの2つ以上のリーダーモジュールを含んでよい。
【0030】
有利なことに、リーダーモジュールの少なくとも1つは、リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するその空間位置を表す位置データを検出するためのセンサを含んでよい。少なくとも1つのリーダーモジュールのセンサは、好ましくはリーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するそれぞれの空間位置を含んだ位置データをマザーモジュールに送信するために構成されてよい。
【0031】
リーダーモジュールの少なくとも他の1つは、該センサによって検出可能な1つ以上の基準マークを含んでよい。いくつかの例では、各リーダーモジュールは、該センサによって検出可能な1つ以上の基準マークを有してよい。1つ以上の基準マークは、例えばリーダーモジュールのそれぞれのセンサの一部を形成してよい、またはそれぞれのセンサに組み込まれてよい。有利なことに、それぞれのリーダーモジュール(複数可)のセンサは、該少なくとも他の1つのリーダーモジュールの1つ以上の基準マークを検出することによってリーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するために構成されてよい。
【0032】
リーダーモジュール上のセンサは、有利なことにリーダーモジュール上の所定の位置に位置してよく、したがってセンサがリーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するとき、リーダーモジュール間の相対的な位置は位置データに基づいて決定されてよい。いくつかの例では、マザーモジュールは、位置データを受け取るため、及び位置データに基づいて2つ以上のリーダーモジュール間の相対的な位置を決定するために構成されてよい。
【0033】
有利なことに、リーダーモジュール上のセンサは、少なくとも他の1つのモジュールの一意のコードを検知するために構成されてよい。
【0034】
一態様では、少なくとも1つの及び好ましくは各リーダーモジュールのセンサは、リーダーモジュールの少なくとも他の1つの検出された一意のコードをマザーモジュールに送信するために構成されてよい。
【0035】
それぞれのリーダーモジュールのそれぞれの一意のコードは、有利なことにそれぞれのリーダーモジュールの既知の位置に位置してよい、チップに格納されてよい。リーダーモジュールの1つ以上の、またはすべては、有利なことにそれぞれのリーダーモジュール上の事前に選択した位置に位置するセンサチップセットを有してよく、マザーモジュールはデータベースを有してよい、またはそれぞれのリーダーモジュールのセンサチップセットの位置についての情報を格納するデータベースとデータ通信する。それぞれのリーダーモジュールのセンサチップセットの位置は、有利なことにそれぞれのチップに格納される一意のコードと関連付けられてよい。
【0036】
一態様では、少なくとも1つのリーダーモジュールのセンサは、リーダーモジュールが、例えば最高で約10cmの距離の範囲内で等、互いに対する所定の距離の範囲内にあるとき、リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するために構成されてよい。
【0037】
別の態様では、少なくとも1つのリーダーモジュールのセンサは、リーダーモジュールが、例えば並んだ構成でまたはスタック構成で配置されることによって互いに物理的に接触するとき、リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するために構成されてよい。別の態様では、各リーダーモジュールのセンサは、リーダーモジュールが、例えば最高で約10cmの距離の範囲内でまたは互いと物理的に接触して等、互いに対する所定の距離範囲内にあるとき、リーダーの1つ以上の他に対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するために構成されてよい。
【0038】
有利なことに、リーダーモジュールのセンサまたは各リーダーモジュールのセンサは、マザーモジュールに決定した位置データを送信するために構成されてよく、マザーモジュールは、診断検査リーダーシステムのリーダーモジュールの2つ以上またはすべての間で相対的な位置を決定するために構成されてよい。
【0039】
マザーモジュールは、次いでいつでもリーダーモジュールの相対的な位置を知ってよく、マザーモジュールは、したがって、例えばユーザーインタフェースを介して、所与の診断検査を実行するためにどのリーダーモジュールを使用するのか、及びこの特定のリーダーモジュールが、他のリーダーモジュールに対してどこに位置決めされるのかについて操作者に有利に知らせてよい。したがって、診断検査カートリッジを正しくないリーダーモジュールの中に挿入するリスクはきわめて削減され、多様なリーダーモジュールの使用の管理及び制御はきわめて改善される。
【0040】
有利なことに、マザーモジュールは、リーダーモジュールが異常である、修理中である、及び/またはソフトウェア更新中である場合に操作者に警告し、同時に問題のリーダーモジュールの位置について操作者に知らせ、リーダーモジュールがいつ再び動作の準備が完了すると予想されるのかを操作者に知らせるように構成されてよい。
【0041】
さらに、新しいリーダーモジュールが診断検査リーダーシステムに加えられ、マザーモジュールと相互に関連付けられる場合、マザーモジュールは、この新しく加えられたリーダーモジュールの位置について操作者に知らせてよい。
【0042】
有利なことに、センサまたは1つ以上のリーダーモジュールの各センサは、それぞれのモジュール間の相対的な向きを表す向きデータを検出するため、及び向きデータをマザーモジュールに送信するために構成されてよい。マザーモジュールは、向きデータに基づいて2つ以上のリーダーモジュール間の相対的な向きを決定するために有利に構成されてよい。
【0043】
センサが「位置データを検出する」ために構成されるという表現は、本明細書では、センサが、別のリーダーモジュール、通常は当該別のモジュール上のセンサ、またはリーダーモジュール上に位置決めされたもしくはリーダーモジュールの中に取り込まれた別の検出可能な基準マークの一部を検出するため、及びこれに基づいて、問題のセンサと、検知された基準マーク、例えば当該別のリーダーモジュールのセンサを保持するリーダーモジュールとの間の相対的な向きを表す位置データを生成するために構成されることを意味するために使用される。
【0044】
それぞれのリーダーモジュールの基準マークは、有利なことに、センサが基準マークの向きを検出し、したがってそれぞれのモジュール間の相対的な向きを表す向きデータを検出できるように、センサによって検出可能である向きを有するように構成されてよい。
【0045】
各リーダーモジュールは、任意選択で、基準マーク(複数可)を検出するように適応されたセンサに応じて、光学的に検出可能な基準マーク、電気的に検出可能な基準マーク、磁気的に検出可能な基準マークであってよい1つ以上の検出可能な基準マークを伝えてよい。有利なことに、規準マーク(複数可)は、リーダーモジュールのセンサの一部を形成する場合もあれば、リーダーモジュールのセンサと統合される場合もある。
【0046】
用語「基準マーク」は、本明細書では、例えば光学的に、電気的に、磁気的にセンサによって検出可能である、及び/またはセンサによって電子的に検出可能である基準マークを意味するために使用される。基準マーク(複数可)は、それぞれのリーダーモジュール(複数可)の外面上にある場合がある、及び/または基準マーク(複数可)はそれぞれのリーダーモジュール(複数可)と組み込まれる場合もあれば、統合される場合もある。
【0047】
センサは「向きデータを検出する」ために構成されるという表現は、本明細書では、センサが、別のリーダーモジュール、通常は当該別のモジュール上のセンサまたはリーダーモジュール上に位置決めされたもしくはリーダーモジュールの中に組み込まれた別の検出可能な基準マークの一部を検出するため、及びこれに基づいて、問題のセンサと、例えば当該別のリーダーモジュールのセンサ等、検知したノードを保持するリーダーモジュールとの間の相対的な向きを表す向きデータを生成するために構成されることを意味するために使用される。
【0048】
一態様では、リーダーモジュールの少なくとも1つの、及び好ましくはそれぞれのセンサは、リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出し、リーダーモジュールの少なくとも他の1つの同の一意のコードを検知し、近傍データの少なくとも1つの集合を送信するために構成され、近傍データの各集合は、位置データ及び同じリーダーモジュールの一意のコードを含む。一態様では、リーダーモジュールのセンサは、近傍データの少なくとも1つの集合を送信するために構成されてよく、近傍データの各集合は、他のリーダーモジュールの一意のコード及び位置データを有する。
【0049】
センサは、位置データ及び任意選択の向きデータの無線送信のための送信機を含んでよい。
【0050】
いくつかの例では、近傍データの各集合は、同じ他のリーダーモジュールの一意のコードと関連付けられた1つの他のリーダーモジュールに対するセンサの空間位置を表す位置データを含んでよい。
【0051】
他の例では、近傍データの各集合は、同じ他のリーダーモジュールの一意のコードと関連付けられた1つの他のリーダーモジュールに対するセンサの空間位置を表す位置データを含んでよい。一態様では、近傍データの各集合は、同じ他のリーダーモジュールの一意のコードと関連付けられた1つの他のリーダーモジュールに対するセンサの空間位置を表す位置データ、及びセンサを有するモジュールと一意のコードと関連付けられたリーダーモジュールとの間の相対的な向きを表す向きデータを含んでよい。
【0052】
一態様では、リーダーモジュールの少なくとも2つは、それぞれリーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するための、及び好ましくはリーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの相対的な向きを表す向きデータを検出するためのセンサを含んでよい。それぞれのリーダーモジュールのそれぞれのセンサは、検出された位置データ及び任意選択で検出された向きデータをマザーモジュールに送信するために構成されてよい。
【0053】
一態様では、各センサは、有利なことにリーダーモジュールの少なくとも他の1つの一意のコードとともにリーダーモジュールの少なくとも他の1つに対するセンサの空間位置を表す位置データを検出するため、及び近傍データの1つ以上の集合としてデータを生成し、送信するために構成されてよく、各集合は、同じ他のリーダーモジュールの一意のコードと関連付けられた他の1つのリーダーモジュールに対するセンサの空間位置を表す位置データを含む。有利なことに、近傍データの各集合は、上述したように向きエータを含んでもよい。
【0054】
リーダーモジュール(複数可)のセンサ(複数可)は、原則的に、例えば触覚センサ、光学センサ、磁気センサ、または例えばチップセンサ(RFIDアクティブもしくはパッシブ)またはブルートゥースセンサ等の電波センサ等の任意の種類の短距離センサであってよい。
【0055】
一意のコードは、有利なことにセンサと組み込まれてよい、または関連付けられてよい。一態様では、センサは、センサ、及び/または診断検査リーダーシステムのリーダーモジュールの他のものに位置するセンサの位置及び/または向きを検出ために構成されてよい。別の態様では、リーダーモジュール(複数可)は、それぞれ2つ以上のセンサを含んでよい。これは、センサがリーダーモジュールの相対的な向きを表す向きデータを検出するために適応される場合、特に有利である。また、光学センサは、向きデータを検出するために適切である。
【0056】
一態様では、センサは、例えばタッチセンサ(例えば、ボタンまたは機械的なマイクロスイッチ)等の触覚センサを含んでよく、例えば触覚センサをもつリーダーモジュールと物理的に接触する近傍のリーダーモジュールから印加された力は、検出可能な力を印加する場合がある。触覚センサは、バイナリセンサまたはバイナリセンサのアレイである場合があり、作動したバイナリセンサは、バイナリセンサを作動させたリーダーモジュールの一意のコードを識別してよい。他のリーダーモジュールと接触して位置決めされた(例えば、触覚センサをもつリーダーモジュールの上にスタックされた)リーダーモジュールは、バイナリセンサの1つ以上を作動させるために構成された突起及び/またはくぼみのパターンの形をとる検出可能な基準マークを含んでよい。突起及び/またはくぼみのパターンの形をとる検出可能な基準マークは、それにより基準マークと接触すると、触覚センサによって検出可能である一意のコードを含んでよい。
【0057】
一態様では、センサは、1つ以上のフォトダイオードを有する光学センサであってよく、他のリーダーモジュールまたはリーダーモジュールのすべては、検出可能なカラーコードまたは光学センサによって検出可能なバーコード基準マークを保持する。カラーコード及び/またはバーコード(複数可)はまた、それぞれのリーダーモジュールの一意のコードを含んでよい。
【0058】
一態様では、センサは、例えばマイクロメカニカル(MEMS)センサ等の磁気センサであってよく、他のリーダーモジュール(複数可)は検出可能な磁場(複数可)を生成する基準マークを保持してよい。
【0059】
一態様では、センサは、例えばチップセンサ(RFID-アクティブもしくはパッシブ)またはブルートゥースセンサ等の電波センサであってよい。また、電波センサは、検出可能な基準マークを構成または提供してもよく、それぞれのリーダーモジュールの一意のコードを含んでもよい。
【0060】
当業者は、他のタイプのセンサまたはセンサの組み合わせが使用され得ることを認識する。それがそれぞれのリーダーモジュールを検出するために必要とされる場合、リーダーモジュールは、有利なことに上述したように1つ以上の検出可能な基準マークを保持してよい。
【0061】
一態様では、センサは、送受信器であってよい、または送受信器を含む。送受信器は、該それぞれの一意のコードを含んでよい。任意選択で、リーダーモジュールの1つ以上が、それぞれ一意のコードを含んだ1つ以上のパッシブチップを有してよい。
【0062】
診断検査リーダーシステムは、個々の診療所のために所望されるように多くのリーダーモジュールを有してよい。いくつかの例では、診断検査リーダーシステムの基本的なパッケージは、1つのマザーモジュール及び2つ以上のリーダーモジュールを含んでよい。診療所は、その後、多くのリーダーモジュールとして、所望されるように診断検査リーダーシステムを増加させる場合があり、リーダーモジュールのタイプは、個々の診療所のニーズに従って個々に選択されてよい。
【0063】
診断検査リーダーシステムは、少なくとも1つのマザーモジュールを含んでよい。しかしながら、所望される場合、診断検査リーダーシステムは、互いとデータ通信し、同期する場合がある2つ以上のマザーモジュールを含んでよい。
【0064】
一態様では、システムは、少なくとも3つのリーダーモジュール、少なくとも4つのリーダーモジュール、少なくとも5つのリーダーモジュール、または4~20個のリーダーモジュールを含んでよい。
【0065】
リーダーモジュールは、高速診断検査タイプを実行するために適した関連付けられたタイプの診断検査カートリッジを読み取るために適した任意のタイプのリーダーモジュールを含んでよい。診断検査カートリッジのタイプは、例えば、単一ステップ診断検査カートリッジ及び/または臨床現場診断検査カートリッジ等の2時間以下のうちに診断検査を実行するための任意のタイプの診断検査カートリッジを含むと定義される。多くの高速診断検査カートリッジタイプは、例えば、30分以下のうち、10分以下のうち、5分以下のうち、または1分以下のうち等診断検査を非常に速く実行するために適している。斯かるタイプの高速診断検査カートリッジタイプ用のリーダーモジュール(複数可)は、本開示に係る使用に特に好まれる。
【0066】
リーダーモジュールの例は、マイクロ流体検査カートリッジリーダーモジュール、側方流動検査カートリッジリーダーモジュール、鉛直流検査カートリッジリーダー、蛍光検査カートリッジリーダーモジュール、流水式検査カートリッジリーダーモジュール、フローサイトメトリーカートリッジリーダーモジュール、電気読み出し検査カートリッジリーダーモジュール、イメージング読み出しカートリッジリーダーモジュール、電気化学読み出しカートリッジリーダーモジュール、光吸収カートリッジリーダーモジュール、磁気補助カートリッジリーダーモジュール、スナップ型カートリッジ検査、またはその組み合わせを含むが、これに限定されるものではない。
【0067】
リーダーモジュールの1つ以上は、有利なことに、照明装置、及び例えばフォトダイオード等の光学式読取装置、または例えばCMOSもしくはCDDカメラ及び/またはビデオカメラ等のカメラを含んでよい。
【0068】
リーダーモジュールは、上述のリーダーモジュールタイプのうちの2つ以上を含んでよい。
【0069】
鉛直流検査カートリッジリーダータイプは、例えば、Oh Y.K.et al.Lab Chip 2013 Mar 7;13(5):768-72.doi:10.1039/c21c41016h.Epub 2013 Jan 9による「Vertical flow immunoassay(VFA) biosensor for a rapid one―step immunoassay」に説明される鉛直流検査カートリッジ用のリーダーであってよい。いくつかの例では、鉛直流検査カートリッジリーダータイプは、例えばMedMiraにより販売される、または米国第2011256638号に記載される高速鉛直流カートリッジ用のリーダーであってよい。
【0070】
鉛直流検査カートリッジリーダータイプは、例えばCompan An Med30(2015)132~138の「SNAP assay technology」Topicsの「Thomas P.O’Connorによって説明されるスナップ検査アッセイカートリッジ用のリーダー、及び/またはオランダのIDEXX Europe B.V.により販売されるスナップ検査アッセイカートリッジ用のリーダーであってよい。
【0071】
一態様では、診断検査リーダーシステムは、同じリーダーモジュールタイプの2つ以上を含んでよい。システムの柔軟性のため、診療所は、多くの同じタイプのリーダーモジュールとして、所望されるように診断検査リーダーシステムを増加させてよい。多くの獣医の診療所の場合、例えば、タンパク質(複数可)、ペプチド(複数可)、抗原性薬剤(複数可)、及び他の生体分子(複数可)等の多くの異なる標的分析物用の診断側方流動検査カートリッジが開発され、市販されているため、診断検査リーダーシステムが2つ以上の側方流動検査カートリッジリーダーモジュールを有することが所望される場合がある。
【0072】
一態様では、診断検査リーダーシステムは、2つ以上の異なるリーダーモジュールタイプ、少なくとも3つの異なるリーダーモジュールタイプ、または少なくとも4つの異なるリーダーモジュールタイプを有する。
【0073】
診断検査リーダーシステムは、例えばマザーモジュール、マイクロ流体検査カートリッジリーダーモジュール、側方流動検査カートリッジリーダーモジュール、及び鉛直流検査カートリッジリーダーを含んでよい。
【0074】
一態様では、同じタイプの各リーダーモジュールは、リーダーモジュールタイプに対して同一の視覚タグコーディングを有してよい。いくつかの例では、同じタイプの各リーダーモジュールは、リーダーモジュールタイプに対して同一のカラーコーディングを有してよい。
【0075】
視覚タグは、上述したように、センサによって検出可能な基準マークを形成する場合もあれば、基準マークの一部を形成する場合もある。それぞれのリーダーモジュールの一意のコードは、タグに組み込まれる場合もあれば、別の視覚タグ及び/またはチップに含まれる場合もある。
【0076】
有利なことに、リーダーモジュールは、例えば2列、3列、またはより多くの列でスタックされるように適応されてよい。それぞれのリーダーモジュール上のセンサ及び基準マークのため、マザーモジュールは、それぞれのリーダーモジュールの相対的な空間位置、ひいてはリーダーモジュールがどのようにしてスタックされるのか、ならびにリーダーモジュールのスタック内の各リーダーモジュールの相対的な位置及び好ましくは向きを決定するために構成されてよい。
【0077】
上述されたように、それぞれのリーダーモジュールは、等しいまたは異なったサイズを有し、任意選択で重量及び感度で異なる場合もあり、したがってリーダーモジュールが事前に選択した順序でスタックまたは位置決めされ、マザーモジュールが有利なことに、多様なリーダーモジュールの位置決めが受け入れ可能かどうかを制御し、それぞれのリーダーモジュールの受け入れ可能な動作を提供するように構成されることが重要である場合がある。
【0078】
有利なことに、診断検査リーダーシステムのリーダーモジュールは、幅が異なる場合もあるのに対し、同じ高さ及び/または同じ奥行きを有する場合がある。したがって、いくつかの例では、リーダーモジュールは同じ高さを有する場合がある。有利なことに、それぞれのリーダーモジュールの幅は、基本幅、または基本幅のX倍と呼ばれる最小幅のどちらかであってよく、Xは0.5または整数または整数+0.5である。それにより、リーダーモジュールの非常に安定したスタックは、リーダーモジュールのサイズが異なる場合にも設けられてよい。
【0079】
一態様では、マザーモジュールは、リーダーモジュールの相対的な空間位置及び任意選択で向きを決定するために構成されてよく、マザーモジュールは、相対的な空間位置及びリーダーモジュールの任意選択の向きが少なくとも1つの所定の要件を満たすかどうかを判断するようにさらに構成される。少なくとも1つの所定の要件は、リーダーモジュールが所定の構成でスタックされるとき満たされてよい。少なくとも1つの所定の要件は、少なくとも1つの事前にプログラムされた要件及び/または少なくとも1つのユーザー選択可能な要件を含んでよい。
【0080】
所定の要件(複数可)が、診断検査リーダーシステムを診療所の操作者(複数可)のニーズに適応させるための診断検査リーダーシステムの高い柔軟性を保証するだけではなく、安全かつ安定的なスタックを保証するためにも、診療所の操作者によって選択されることが所望される場合がある。いくつかのリーダーモジュールが、例えば振動のために他のリーダーモジュールよりもより敏感であり、いくつかのリーダーモジュールは他よりも重く、いくつかのリーダーモジュールは、診断検査カートリッジが他よりもより高い力でそのスロットの中に押し込まれることを必要とする場合があることが判明している。斯かる相違点は、所定の要件(複数可)を選択するとき考慮に入れてよい。所定の要件(複数可)は、所望されるスタック構成でリーダーモジュールを配置し、スタックモードのプログラミングにマザーモジュールを設定し、マザーモジュールに、現在のスタック構成が所望されるスタック構成であり、マザーモジュールが所望されるスタック構成を表すスタックデータを記憶してよいことを指示し、これらのスタックデータを所定の要件(複数可)として使用することによって、マザーモジュールに提出されてよい。
【0081】
一態様では、マザーモジュールは、それぞれのリーダーモジュールのセンサを介して少なくとも部分的にリーダーモジュールの相対的な空間位置を決定するために構成されてよい。
【0082】
一態様では、マザーモジュールは、近傍データの1つ以上の集合を受け取るため、及び受け取った近傍データの集合に基づいて、リーダーモジュールの相対的な空間位置を決定するため、及びリーダーモジュールの相対的な空間位置が所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成されてよい。
【0083】
一態様では、マザーモジュールは、少なくとも1つの所定の要件が満たされない場合、警報を起動させるために構成されてよく、警報は、視覚警報及び/または可聴警報である。
【0084】
したがって、リーダーモジュールが、リーダーモジュールのスタックの不正確な位置に位置決めされる場合、2つのリーダーモジュールが位置を切り替えられる場合、リーダーモジュールが紛失している場合、及び/またはリーダーモジュールの配列が崩れる場合、またはスタックから抜け落ちそうな場合、警報がトリガされてよい。リーダーモジュールがリーダーモジュールのスタックから取り除かれる場合、マザーモジュールによって記憶された所定の要件は一時的に修正されてよい。
【0085】
有利なことに、マザーモジュールは、データを要求するため及び/またはデータを記憶するための1つ以上のデータベースとデータ通信してよい。1つ以上のデータベースは、ウェブベースのデータベースである場合もあれば、局所的に格納されたデータベースである場合もある。
【0086】
一態様では、マザーモジュールはユーザーインタフェースを伴ってよい。ユーザーインタフェースは、例えば画面、キーボード、可聴ユーザーインタフェース、例えばタッチスクリーン及び/または好ましくはプリンタと組み合わされたグラフィックユーザーインタフェース等のビデオインタフェース及び/またはプリンタの少なくとも1つを含んだインタフェース等の任意の種類のユーザーインタフェースであってよい。ユーザーインタフェースは、少なくとも1つの画面を含んでよい。
【0087】
一態様では、マザーモジュールは、それぞれのリーダーモジュールが動作中であるかどうかを示す表示を含んだリーダーモジュールのそれぞれのためのアイコンを有するグラフィックユーザーインタフェースを有する画面を伴ってよく、それぞれの動作中のリーダーがいつその現在の動作を終了すると予想されるのかを示す時間インジケータを含んでよい。
【0088】
「リーダーモジュールは動作中である」または「動作中」という表現は、検査が実行中であること、開始されそうであること、及び/または診断検査カートリッジがリーダーモジュールのスロットに挿入されていることを意味する。
【0089】
一態様では、マザーモジュールは、ユーザーデータベースとデータ通信してよい。ユーザーデータベースは、ユーザーごとにユーザー識別及び関連付けられたユーザー認可を含んでよく、ユーザー認可は、好ましくは関連付けられたユーザー識別を有するユーザーが使用するための資格を与えられている少なくとも1つのリーダーモジュールの表示を含む。
【0090】
一態様では、検査モジュールの少なくとも1つは、ユーザーがユーザーデータベースに登録されたユーザー認可を有すること、及びユーザーが、例えばピンコード、チップ、及び/またはバーコードの形をとるユーザーコードを提示することによってマザーモジュールによって承認されていることを判断してよい。
【0091】
マザーモジュールは、バーコードリーダーを含む場合もあれば、バーコードリーダーとデータ通信してもよい。バーコードリーダーは、例えばユーザーバーコード、患者バーコード、及び/または診断検査カートリッジバーコードを読み取るために適用されてよい。バーコードを読み取った後、マザーモジュールは、データベースからの読み取られたバーコードと関連付けられたデータを要求するために構成されてよい。
【0092】
一態様では、マザーモジュールは、カートリッジデータベースとデータ通信してよい。カートリッジデータベースは、カートリッジ識別、及びマザーモジュールに対してカートリッジを識別するとき、マザーモジュールが、カートリッジを使用し、所与の検査を実行するためのリーダーモジュールを割り当てるために構成されることを提示する関連付けられたリーダーモジュールデータを含んでよい。好ましくは、カートリッジの識別は、バーコードリーダーによってカートリッジと関連付けられたバーコードを読み取ることを含んでよい。
【0093】
一態様では、マザーモジュールは、患者データベースとデータ通信してよい。患者データベースは、複数の患者の患者データと関連付けられた患者識別を含んでよい。マザーモジュールは、患者データベースに特定の患者の検査結果を格納するため、及び検査結果が特定の患者と関連付けられていることを提示するために構成されてよい。検査結果は、検査を実行したリーダーモジュールによってマザーモジュールに送信されてよい。
【0094】
一態様では、マザーモジュールは、患者データベースからデータを抽出するため、及び検査を実行するためにリーダーモジュールにデータを送信するために構成されてよい。
【0095】
一態様では、マザーモジュールは、一般的な統計患者データベースからデータを抽出し、検査を実行するためにリーダーモジュールにデータを送信するために構成されてよい。
【0096】
一態様では、マザーモジュールは、インターネットと接続し、1つ以上のウェブデータベースと接触してよく、少なくとも1つの一般的な統計患者データベースはウェブデータベースである。
【0097】
一態様では、リーダーモジュールの少なくとも1つは、カートリッジがリーダーモジュールのスロットに挿入されたことを検知すると、検査開始信号を送信するために構成されてよい。リーダーモジュールは、カートリッジ上で実行する検査の進行を含んだ検査ステータスをマザーモジュールに送信するために構成されてよい。
【0098】
範囲及び好ましい範囲を含んだ本開示のすべての特徴は、斯かる特徴を結合しない明確な理由がない限り、本開示の範囲内で多様な方法で結合できる。
【0099】
図1のリーダーモジュールは、本開示の態様に係る診断検査リーダーシステムのリーダーモジュール14の例を示す。リーダーモジュールは、平坦な上部、底部、及び側部を有する。続く例に示すように、この平坦な面は、容易なスタックを保証する場合があり、さらに触覚センサ及び基準マークにサポートを提供してよい。図示するように、リーダーモジュールは、幅W、高さH、及び奥行きDを有してよい。リーダーモジュールは、検査手順を実行するための診断検査カートリッジの挿入用にスロット1を有してよい。
【0100】
図2は、診断検査リーダーシステム100のいくつかのリーダーモジュール14a、14b、14c、14d、及びマザーモジュール12を示す。この例では、診断検査リーダーシステムは、第1のタイプの2つのリーダーモジュール14a、及び3つの他のタイプのリーダーモジュール14b、14c、14dのそれぞれの1つを有してよい。
【0101】
リーダーモジュール14a、14b、14c、14dのそれぞれは、少なくとも1つのスロット11を含んでよく、リーダーモジュール14bの1つは、上述したように平行検査を伝えるための2つのスロットを有してよい。
【0102】
リーダーモジュール14a、14b、14c、14dは、正面図で見られ、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dが幅で異なる場合があるのに対し、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dが等しい高さを有する場合があることがわかる。リーダーモジュール14a、14bのいくつかは、基本幅と呼ばれる最小の幅を有してよい。リーダーモジュール14cのうちの1つは、基本幅の1.5倍に相当する幅を有してよく、リーダーモジュール14dのうちの1つは、基本幅の2倍に相当する幅を有してよい。それによって、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dは、非常に安定した配置でスタックされてよい。
【0103】
リーダーモジュール14a、14b、14c、14dの奥行きは、異なる場合もあれば、異ならない場合もある。有利なことに、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dの奥行きは、最小奥行きの50%の変動の範囲内、または好ましくは最小奥行きの25%の変動の範囲内にあってよい。
【0104】
リーダーモジュールのそれぞれは、一意のコードを含んでよく、特定の検査カートリッジタイプを読み取るために適応されてよい。
【0105】
マザーモジュール12は、ユーザーインタフェースを提供する画面12aを含んでよい。
【0106】
ウェーブWで示されるように、マザーモジュールは、さらに上述したように、リーダーモジュールのそれぞれと個別に通信するために構成されてよい。
【0107】
図3は、所望される配置でスタックされるリーダーモジュール14a、14b、14c、14dを示す。わかるように、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dのスタックは、非常に安定している場合がある。いくつかの例では、マザーモジュール12は、スタック内にあるのではなく、例えばデスクにおいて等、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dのスタックから少し離れて位置決めされてよい。
【0108】
図4は、望ましくないまたは正しくない配置でスタックされたリーダーモジュール14a、14b、14c、14dを示す。
【0109】
マザーモジュール12は、リーダーモジュールの関連性のある空間位置を決定するため、及びリーダーモジュールの相対的な空間位置が少なくとも1つの所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成されてよく、このことは例えば、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dが、
図3でのようにスタックされるべきであることを含んでよい。マザーモジュール12が、スタックが間違いであることを検出すると、マザーモジュール12は、可聴警報を送出してよい。マザーモジュール12は、可聴警報の代わりにまたは可聴警報に加えて、マザーモジュール12の画面12aに視覚警報を送出してよい。
【0110】
図5は、所望される配置でスタックされたリーダーモジュール14a、14b、14c、14dを示すが、リーダーモジュール14aのうちの1つが、不安定な位置に押されている。
【0111】
マザーモジュール12は、リーダーモジュールの相対的な空間位置を決定するため、及びリーダーモジュール14a、14b、14c、14dが
図3でのようにスタックされるべきであることを含んだ、リーダーモジュールの相対的な空間位置が少なくとも1つの所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成されてよいので、マザーモジュール12は、リーダーモジュール14aが不安定な位置に押されていることを直ちに検出し、図示するように可聴警報を送出してよい。
【0112】
図6は、遠近法によってリーダーモジュール14d、14aのうちの2つの部分を示す。リーダーモジュール14d、14aは、その上面及び側面において、そのそれぞれのリーダーモジュール14d、14a及び近傍のリーダーモジュールの基準マークを検知するための触覚センサ15a、16aのための基準マーク15、16コーディングを有することが分かる。また、リーダーモジュール14d、14aは、その図示しない側面に、及びその底面に触覚センサ及び基準マークも有する。左側面の触覚センサは、右側の基準マークを検知するために位置決めされ、右側面の触覚センサは、右側の基準マークを検知するために位置決めされ、底部触覚センサは、上部基準マークを検知するために位置決めされ、上部触覚センサは、底部基準マークを検知するために位置決めされる。
【0113】
図7は、リーダーモジュール14a、14b、14c、14dが、それぞれ送受信器を組み込んだそれぞれ電波センサ17a、電気基準マーク、及び一意のコードを含み、マザーモジュールが無線周波数送受信器を含む態様を示す。
【0114】
基準マークは、センサが基準マークの向きを検出し、このようにしてそれぞれのモジュール間の相対的な向きを表す向きデータを検出し得るように、他のリーダーモジュールのセンサによって検出可能である向きを有するように構成されてよい。
【0115】
マザーモジュール12は、それぞれのリーダーモジュール14a、14b、14c、14dと個別に通信するための送受信器17bを有してよい。
【0116】
一態様では、センサは、例えばチップセンサ(RFIDアクティブもしくはパッシブ)またはブルートゥースセンサ等の電波センサを含んでよい。また、電波センサは、検出可能な基準マークを構成または提供してもよく、それぞれのリーダーモジュールの一意のコードを含んでもよい。
【0117】
マザーモジュール12は、有利なことに
図8に示されるバーコードリーダー12を含んでよい。バーコードリーダー12bは、有利なことに、図示されるようなバーコードを保持する多様な診断検査カートリッジ18a、18b、18c、18d、18e、18f等のそれぞれの診断検査カートリッジのバーコードを読み取るように適応されてよい。
【0118】
図9に示されるマザーモジュール12は、リーダーモジュールのそれぞれのためのアイコン19aを有するグラフィックユーザーインタフェースを有する画面12aを有する。それぞれのアイコン19aの下方で、画面は、それぞれの個々のリーダーモジュールの動作ステータスを示すインジケータ19bを表示する。それによって、ユーザーは、リーダーモジュールが動作中であるかどうか、リーダーモジュールのステータス、及びリーダーモジュールがいつ進行中の手順を終了すると予想されるのかを即座に観察し得る。
【0119】
図10~
図13は、マザーモジュールが、上述したようにデータ通信中であってよいデータベースの例を示す。
【0120】
本明細書に説明される本開示の多くの修正形態及び他の態様は、上述の説明及び関連付けられた図面に提示される教示の利点を有する本開示が関連する当技術分野の当業者に思い浮かぶであろう。したがって、本開示が、開示されている特定の態様に限定されるべきではないこと、ならびに修正形態及び他の態様が添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図することを理解されたい。本明細書では特定の用語が利用されているが、特定の用語は、制限のためではなく、一般的及び記述的な意味でのみ使用される。
(項目1)
複数のリーダーモジュール及び少なくとも1つのマザーモジュールを含む複数のモジュールを備える診断検査リーダーシステムであって、前記リーダーモジュールのそれぞれが、一意のコードを有し、特定の検査カートリッジタイプを読み取るように構成され、前記リーダーモジュールのそれぞれが、前記マザーモジュールから命令を受け取るため、及び読み取った及び得たデータの少なくとも1つを前記マザーモジュールに送信するために前記マザーモジュールとデータ通信し、前記マザーモジュールが、前記リーダーモジュールのそれぞれと個別に通信するように構成される、前記診断検査リーダーシステム。
(項目2)
前記リーダーモジュールが、それぞれがそれぞれの診断検査を実行するための別々の電子回路及びドライバを有する物理的に別個のボックスであり、各リーダーモジュールが、それぞれの検査カートリッジを受け取るためのスロットを有する、項目1に記載のリーダーシステム。
(項目3)
前記リーダーモジュールの少なくとも1つが、センサであって前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記センサの空間位置を表す位置データを検出するための前記センサを備え、前記少なくとも1つのリーダーモジュールの前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記それぞれの空間位置を含む前記位置データを前記マザーモジュールに送信するために構成され、好ましくは前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つが、前記センサにより検出可能な1つ以上の基準マークを有し、より好ましくは、各リーダーモジュールが、前記センサにより検出可能な1つ以上の基準マークを有する、項目1または項目2に記載のリーダーシステム。
(項目4)
前記リーダーモジュールの前記センサが、例えば前記リーダーモジュールが、例えば並んだ構成またはスタック構成で配置されることによって、前記リーダーモジュールの前記少なくとも他の1つと物理的に接触するとき等、前記リーダーモジュールが最大で約10cmの距離の範囲内に配置されるときに、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記センサの空間位置を表す位置データを検出するために構成される、項目3に記載のリーダーシステム。
(項目5)
前記リーダーモジュールの前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つの前記一意のコードを検出するために構成され、好ましくは前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つの前記検出した一意のコードを前記マザーモジュールに送信するために構成される、項目3及び4のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目6)
前記センサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記センサの空間位置を表す位置データを検出するため、前記リーダーモジュールの前記少なくとも他の1つの前記同の前記一意のコードを検知するため、及び近傍データの少なくとも1つの集合を送信するために構成され、近傍データの各集合が、前記同リーダーモジュールの前記位置データ及び前記一意のコードを含む、項目5に記載のリーダーシステム。
(項目7)
前記1つ以上のリーダーモジュールの前記センサまたは各センサが、前記それぞれのモジュール間の前記相対的な向きを表す向きデータを検出するため、及び前記向きデータを前記マザーモジュールに送信するために構成され、好ましくは前記マザーモジュールが、前記向きデータに基づいて2つ以上のリーダーモジュール間の前記相対的な向きを決定するために構成される、項目3~6のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目8)
近傍データの各集合が、他の1つのリーダーモジュールに対する、前記同他のリーダーモジュールの前記一意のコードと関連付けられた前記センサの前記空間位置を表す位置データを含み、好ましくは近傍データの各集合が、前記同他のリーダーモジュールの前記一意のコードに関連付けられた他の1つのリーダーモジュールに対する前記センサの前記空間位置を表す位置データ、及び前記センサを備える前記モジュールと、前記一意のコードと関連付けられた前記リーダーモジュールとの間の前記相対的な向きを表す向きデータを含む、項目6または項目7に記載のリーダーシステム。
(項目9)
前記リーダーモジュールの少なくとも2つが、それぞれ、センサであって前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記センサの空間位置を表す位置データを検出するための前記センサを備え、前記それぞれのリーダーモジュールの前記それぞれのセンサが、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つに対する前記それぞれの空間位置を表す位置データを含む前記位置データを前記マザーモジュールに送信するために構成される、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目10)
各センサが、前記リーダーモジュールの前記少なくとも他の1つに対する前記センサの空間位置を表す位置データを、前記リーダーモジュールの少なくとも他の1つの前記一意のコードとともに検出するため、及び近傍データの少なくとも1つの集合を生成し、送信するために構成され、近傍データの各集合が、同じ他のリーダーモジュールの前記一意のコードと関連付けられた他の1つのリーダーモジュールに対する前記センサの前記空間位置を表す前記位置データを含む、項目9に記載のリーダーシステム。
(項目11)
前記センサが触覚センサ、光学センサ、磁気センサ、または例えばチップセンサ(RFIDアクティブもしくはパッシブ)、ブルートゥース(登録商標)センサ等の電波センサ、または任意のその組み合わせである、項目3~10のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目12)
項目3~11のいずれか1項に記載のリーダーシステムであって、前記センサが、送受信器を備え、好ましくはそれぞれの前記一意のコードを含んで、任意選択で前記リーダーモジュールの1つ以上が、それぞれの前記一意のコードを含む1つ以上のパッシブチップを備える、前記リーダーシステム。
(項目13)
前記システムが、少なくとも3つのリーダーモジュール、例えば少なくとも4つのリーダーモジュール、例えば少なくとも5つのリーダーモジュール、例えば4~20個のリーダーモジュールを備える、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目14)
前記リーダーモジュールが、好ましくは少なくとも2列、例えば3列等でスタックされるように適応される、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目15)
前記マザーモジュールが、前記リーダーモジュールの前記相対的な空間位置を決定するために構成され、前記マザーモジュールが、前記リーダーモジュールの前記相対的な空間位置が、少なくとも1つの所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成され、好ましくは前記少なくとも1つの所定の要件が、前記リーダーモジュールが所定の構成でスタックされるときに満たされ、前記少なくとも1つの所定の要件が、少なくとも1つの事前にプログラムされた要件及び/または少なくとも1つのユーザー選択可能な要件を含む、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目16)
前記マザーモジュールが、少なくとも部分的にそれぞれの前記リーダーモジュールの前記センサを介して前記リーダーモジュールの前記相対的な空間位置を決定するために構成される、項目15に記載のリーダーシステム。
(項目17)
前記マザーモジュールが、近傍データの1つ以上の集合を受け取るため、及び前記受け取った前記近傍データの集合に基づいて、前記リーダーモジュールの前記相対的な空間位置を決定するため、及び前記リーダーモジュールの前記相対的な空間位置が、前記所定の要件を満たすかどうかを判断するために構成される、項目15または項目16に記載のリーダーシステム。
(項目18)
前記マザーモジュールが、前記少なくとも1つの所定の要件が満たされない場合に警報を起動させるために構成され、前記警報が好ましくは視覚警報及び/または可聴警報である、項目15~17のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目19)
前記リーダーモジュールが、マイクロ流体検査カートリッジリーダーモジュール、側方流動検査カートリッジリーダーモジュール、鉛直流検査カートリッジリーダー、蛍光検査カートリッジリーダーモジュール、流水式検査カートリッジリーダーモジュール、フローサイトメトリーカートリッジリーダーモジュール、電気読み出し検査カートリッジリーダーモジュール、イメージング読み出しカートリッジリーダーモジュール、電気化学読み出しカートリッジリーダーモジュール、光吸収カートリッジリーダーモジュール、磁気補助カートリッジリーダーモジュール、スナップ型カートリッジ検査、またはその組み合わせから選択された前記リーダーモジュールタイプの2つ以上を備える、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目20)
前記リーダーシステムが、同じリーダーモジュールタイプの2つ以上を備える、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目21)
前記リーダーシステムが、例えば少なくとも3つの異なるリーダーモジュールタイプ、例えば少なくとも4つの異なるリーダーモジュールタイプ等、2つ以上の異なるリーダーモジュールタイプを備え、好ましくは同じタイプの各リーダーモジュールが、前記リーダーモジュールタイプのための同一の視覚タグコーディングを備え、好ましくは同じタイプの各リーダーモジュールが、前記リーダーモジュールタイプのための同一のカラーコーディングを備える、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目22)
前記マザーモジュールが、ユーザーインタフェースを伴い、好ましくは画面、キーボード、可聴ユーザーインタフェース、例えばタッチスクリーン及び/または好ましくはプリンタと組み合わされたグラフィックユーザーインタフェース等のビデオインタフェース及び/またはプリンタの少なくとも1つを備える、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目23)
前記マザーモジュールが、それぞれの前記リーダーモジュールが動作中であるかどうかを示す表示を含み、好ましくはそれぞれの動作中のリーダーが、前記リーダーの現在の動作をいつ終了すると予想されるのかを示す時間インジケータを含む前記リーダーモジュールのそれぞれのためにアイコンを備えるグラフィックユーザーインタフェースを有する画面を伴う、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目24)
前記マザーモジュールが、ユーザーデータベースとデータ通信し、前記ユーザーデータベースが、各ユーザーのためのユーザー識別及び関連付けられたユーザー認可を含み、前記ユーザー認可が、好ましくは、前記関連付けられたユーザー識別を有するユーザーが使用するための資格を与えられている少なくとも1つのリーダーモジュールの識別を含む、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目25)
前記検査モジュールの少なくとも1つが、ユーザーが、前記ユーザーデータベースに登録されたユーザー認可を有すること、及び前記ユーザーが、例えばピンコード、チップ、及び/またはバーコードの形をとるユーザーコードを例えば提示することによって、前記マザーモジュールによって承認されることを必要とする、項目24に記載のリーダーシステム。
(項目26)
前記マザーモジュールがバーコードリーダーを備える、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目27)
前記マザーモジュールが、カートリッジデータベースとデータ通信し、前記カートリッジデータベースが、カートリッジ識別、及び前記マザーモジュールに対してカートリッジを識別するとき、前記マザーモジュールが、前記カートリッジを使用し、所与の検査を操作するためのリーダーモジュールを割り当てるように構成されることを提示する関連付けられたリーダーモジュールデータを含み、好ましくは前記カートリッジの前記識別が、前記バーコードリーダーにより前記カートリッジと関連付けられたバーコードを読み取ることを含む、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目28)
前記マザーモジュールが、患者データベースとデータ通信し、前記患者データベースが、複数の患者のための患者データと関連付けられた患者識別を含み、前記マザーモジュールが、好ましくは特定の患者の検査結果を前記患者データベースに格納し、前記検査結果が前記特定の患者と関連付けられていることを保証するために構成される、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目29)
前記マザーモジュールが、前記患者データベースからデータを抽出し、検査を実行するために前記データをリーダーモジュールに送信するために構成される、項目28に記載のリーダーシステム。
(項目30)
前記マザーモジュールが、一般的な統計患者データベースからデータを抽出し、検査を実行するために前記データをリーダーモジュールに送信するために構成される、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目31)
前記マザーモジュールが、前記インターネットと接続し、好ましくは1つ以上のウェブデータベースと接触し、好ましくは少なくとも前記一般的な統計患者データベースがウェブデータベースである、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。
(項目32)
前記リーダーモジュールの少なくとも1つが、カートリッジが前記リーダーモジュールのスロットの中に挿入されていることを検知すると検査開始信号を送信するために構成され、好ましくは前記リーダーモジュールが、前記カートリッジで実行中の検査の進行を含む検査ステータスを前記マザーモジュールに送信するために構成される、先行項目のいずれか1項に記載のリーダーシステム。