(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】流体接触分解ユニットバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 3/26 20060101AFI20230301BHJP
F16K 5/04 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
F16K3/26 B
F16K5/04 F
(21)【出願番号】P 2019545252
(86)(22)【出願日】2018-02-21
(86)【国際出願番号】 US2018018963
(87)【国際公開番号】W WO2018156587
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-22
(32)【優先日】2017-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518448194
【氏名又は名称】デルタバルブ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ラー,ルーベン エフ.
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0248359(US,A1)
【文献】特表2009-526178(JP,A)
【文献】米国特許第05181580(US,A)
【文献】特開2011-117717(JP,A)
【文献】特開昭59-093912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/00- 5/22
F16K 31/44-31/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体接触分解ユニット(FCCU)の中で使用するためのロータリーバルブであって、前記ロータリーバルブは、
入口部および出口部、ならびに、前記入口部と前記出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、前記流路は、流体接触分解材料が前記入口部と前記出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部と、
前記流路内の前記バルブ本体部の中に回転可能に配設されている第1のドラムであって、前記第1のドラムは、前記第1のドラムを通過する第1のドラムフローアパーチャーを含む、第1のドラムと、
前記第1のドラムに接続されている第1のシャフトであって、前記第1のシャフトは、前記バルブ本体部の内部から前記バルブ本体部の外部へ第1のシャフトアパーチャーを通って延在している、第1のシャフトと、
前記入口部と前記第1のドラムとの間で前記バルブ本体部の前記内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように構成されており、かつ、重力のみによって前記入口部エリアの中に固定されるように構成された耐火コーンと、を含み、
前記バルブ本体部の前記外部において前記第1のシャフトに印加される回転トルクにより、前記第1のドラムが前記バルブ本体部の中で回転し、前記流路および前記第1のドラムフローアパーチャーを通る材料のフローを制御する、ロータリーバルブ。
【請求項2】
前記ロータリーバルブは、第1のローテーターをさらに含み、
前記第1のローテーターは、前記バルブ本体部の前記外部において前記第1のシャフトに連結され、前記第1のシャフトに回転トルクを印加するように構成されており、
前記第1のローテーターは、油圧式ローテーター、電気式ローテーター、および電気油圧式ローテーターからなる群から選択される、請求項1に記載のロータリーバルブ。
【請求項3】
前記第1のドラムフローアパーチャーは、耐火材料表面を含む、請求項1に記載のロータリーバルブ。
【請求項4】
前記ロータリーバルブは、前記流路内の前記バルブ本体部の中に回転可能に配設されている第2のドラムをさらに含み、
前記第2のドラムは、
前記第1のドラムをその中に回転可能に受け入れるように構成されているボアと、
上流フローアパーチャーと、
下流フローアパーチャーと、を含み、
前記上流フローアパーチャーおよび前記下流フローアパーチャーは、前記第1のドラムおよび前記第2のドラムが回転され得るよう、前記第2のドラム上に位置し、したがって、前記上流フローアパーチャー、前記第1のドラムフローアパーチャー、および前記下流フローアパーチャーがアライメントされ、共通の軸線を共有する、請求項1に記載のロータリーバルブ。
【請求項5】
前記第2のドラムは、第2のシャフトに接続されており、
前記第2のシャフトは、前記バルブ本体部の前記内部から前記バルブ本体部の前記外部へ第2のシャフトアパーチャーを通って延在しており、
前記第2のシャフトアパーチャーは、前記第1のシャフトアパーチャーから前記バルブ本体部の反対側に配設されており、
前記バルブ本体部の前記外部において前記第2のシャフトに印加される回転トルクにより、前記第2のドラムが前記バルブ本体部の中で回転し、前記流路、前記上流フローアパーチャー、前記第1のドラムフローアパーチャー、および前記下流フローアパーチャーを通る材料のフローを制御する、請求項4に記載のロータリーバルブ。
【請求項6】
前記ロータリーバルブは、第2のローテーターをさらに含み、
前記第2のローテーターは、前記バルブ本体部の前記外部において前記第2のシャフトに連結され、前記第2のシャフトに回転トルクを印加するように構成されており、
前記第2のローテーターは、油圧式ローテーター、電気式ローテーター、および電気油圧式ローテーターからなる群から選択される、請求項5に記載のロータリーバルブ。
【請求項7】
前記第1のドラムおよび前記第2のドラムは、前記流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように構成されている、請求項4に記載のロータリーバルブ。
【請求項8】
前記上流フローアパーチャー、前記第1のドラムフローアパーチャー、および前記下流フローアパーチャーがアライメントされている位置から、前記第1のドラムおよび前記第2のドラムが、それぞれ
0度より大きく45度以下だけ逆回転させられているときに、前記ロータリーバルブは、閉じた状態を実現する、請求項7に記載のロータリーバルブ。
【請求項9】
前記ロータリーバルブは、前記入口部において入口部フランジをさらに含み、かつ、前記出口部において出口部フランジをさらに含み、それによって、
前記ロータリーバルブが、締結具を使用し、かつ、前記ロータリーバルブを既存のFCCUパイプラインに溶接することなく、対応するフランジを有する前記FCCUパイプラインに取り外し可能に取り付けられ得る、請求項1に記載のロータリーバルブ。
【請求項10】
流体接触分解ユニット(FCCU)の中で使用するためのロータリーバルブであって、前記ロータリーバルブは、
入口部および出口部、ならびに、前記入口部と前記出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、前記流路は、流体接触分解材料が前記入口部と前記出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部と、
前記流路内の前記バルブ本体部の中に回転可能に配設されている第1のドラムであって、
第2のドラムをその中に回転可能に受け入れるように構成されているボアと、
上流フローアパーチャーと、
下流フローアパーチャーと、を含む、第1のドラムと、
前記第1のドラムの前記ボアの中に回転可能に配設されている前記第2のドラムであって、前記第2のドラムは、前記第2のドラムを通過する第2のドラムフローアパーチャーを含む、前記第2のドラムと、
前記入口部と前記第1のドラムとの間で前記バルブ本体部の内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように構成されており、かつ、重力のみによって前記入口部エリアの中に固定されるように構成された耐火コーンと、を含み、
前記第1のドラムおよび前記第2のドラムが回転され得るよう、前記上流フローアパーチャーおよび前記下流フローアパーチャーが前記第1のドラム上に位置し、かつ、前記第2のドラムフローアパーチャーが前記第2のドラム上に位置し、したがって、前記上流フローアパーチャー、前記第2のドラムフローアパーチャー、および前記下流フローアパーチャーがアライメントされ、共通の軸線を共有する、ロータリーバルブ。
【請求項11】
前記第1のドラムに接続されている第1のシャフトであって、前記第1のシャフトは、前記バルブ本体部の内部から前記バルブ本体部の外部へ第1のシャフトアパーチャーを通って延在している、第1のシャフトと、
前記第2のドラムに接続されている第2のシャフトであって、前記第2のシャフトは、前記バルブ本体部の前記内部から前記バルブ本体部の前記外部へ第2のシャフトアパーチャーを通って延在しており、前記第2のシャフトアパーチャーは、前記第1のシャフトアパーチャーから前記バルブ本体部の反対側に配設されている、第2のシャフトと、をさらに含む、請求項1
0に記載のロータリーバルブ。
【請求項12】
前記バルブ本体部の前記外部において前記第1のシャフトに印加される回転トルクにより、前記第1のドラムが前記バルブ本体部の中で回転し、かつ、前記バルブ本体部の前記外部において前記第2のシャフトに印加される回転トルクにより、前記第2のドラムが前記第1のドラムの中で回転し、それによって、前記第1のドラムの回転および前記第2のドラムの回転が、前記流路を通る材料のフローを制御する、請求項1
1に記載のロータリーバルブ。
【請求項13】
前記第1のドラムおよび前記第2のドラムは、前記流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように構成されている、請求項1
2に記載のロータリーバルブ。
【請求項14】
前記上流フローアパーチャー、前記第2のドラムフローアパーチャー、および前記下流フローアパーチャーがアライメントされている位置から、前記第1のドラムおよび前記第2のドラムが、それぞれ
0度より大きく45度以下だけ逆回転させられているときに、前記ロータリーバルブは、閉じた状態を実現する、請求項1
3に記載のロータリーバルブ。
【請求項15】
前記ロータリーバルブは、前記入口部において入口部フランジをさらに含み、かつ、前記出口部において出口部フランジをさらに含み、それによって、
前記ロータリーバルブが、締結具を使用し、かつ、前記ロータリーバルブを既存のFCCUパイプラインに溶接することなく、対応するフランジを有する前記FCCUパイプラインに取り外し可能に取り付けられ得る、請求項1
1に記載のロータリーバルブ。
【請求項16】
流体接触分解ユニット(FCCU)の中で使用するためのロータリーバルブであって、前記ロータリーバルブは、
入口部および出口部、ならびに、前記入口部と前記出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、前記流路は、流体接触分解材料が前記入口部と前記出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部と、
前記流路内の前記バルブ本体部の中に回転可能に配設されている外側円筒形状ドラムであって、
内側円筒形状ドラムをその中に回転可能に受け入れるように構成されているボアと、
上流フローアパーチャーと、
下流フローアパーチャーと、を含む、外側円筒形状ドラムと、
前記外側円筒形状ドラムの前記ボアの中に回転可能に配設されている前記内側円筒形状ドラムであって、前記内側円筒形状ドラムは、前記内側円筒形状ドラムを通過する内側ドラムフローアパーチャーを含む、前記内側円筒形状ドラムと、
前記入口部と前記外側円筒形状ドラムとの間で前記バルブ本体部の内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように構成されており、かつ、重力のみによって前記入口部エリアの中に固定されるように構成された耐火コーンと、を含み、
前記外側円筒形状ドラムおよび前記内側円筒形状ドラムが回転され得るよう、前記上流フローアパーチャーおよび前記下流フローアパーチャーが前記外側円筒形状ドラム上に位置し、かつ、前記内側ドラムフローアパーチャーが前記内側円筒形状ドラム上に位置し、したがって、前記上流フローアパーチャー、前記内側ドラムフローアパーチャー、および前記下流フローアパーチャーがアライメントされ、共通の軸線を共有する、ロータリーバルブ。
【請求項17】
前記外側円筒形状ドラムおよび前記内側円筒形状ドラムは、前記流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように構成されている、請求項1
6に記載のロータリーバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油産業のためのバルブに関し、より具体的には、流体接触分解ユニットのためのバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
流体接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)は、石油産業において使用されている重要な変換プロセスであり、原油の高沸点の高分子量炭化水素留分をガソリンなどのようなより有益な製品へ変換する。接触分解は、おおむね熱分解に取って代わっている。流体接触分解ユニット(FCCU)への原材料は、高い温度および適度な圧力において、流動化された粉末状の触媒によって蒸発および接触され、高沸点の炭化水素液体の長鎖分子をより短い分子へ分解する。
【0003】
現代のFCCUは、ルーチンメンテナンスのための予定したシャットダウン同士の間で、最大で3年から5年にわたって、24時間営業で連続的に動作する。触媒ライザーに加えて(触媒ライザーでは、原材料が触媒と接触させられる)、FCCUは、反応器および触媒再生器を含み、反応器では、分解された製品蒸気および使用済み触媒が分離され、触媒再生器では、触媒の上に堆積されたコークを燃焼し尽くすことによって、触媒が再生される。使用中のFCCUの異なる設計が存在しており、2つの一般的なタイプは、「スタックト」タイプおよび「サイド-バイ-サイド」タイプであり、「スタックト」タイプでは、反応器および触媒再生器が単一の容器の中に含有されており、「サイド-バイ-サイド」タイプでは、反応器および触媒再生器が2つの別々の容器の中にある。
【0004】
図1は、代表的なFCCUのサイド-バイ-サイド構成のダイアグラムを提供している。反応器および再生器は、流体接触分解ユニットの心臓部であると考えられる。長鎖炭化水素分子からなる予熱された高沸点の石油原材料(約315℃から430℃)は、蒸留塔10の底部からのリサイクルスラリー油と組み合わせられ、触媒ライザー12の中へ注入され、触媒ライザー12において、それは、再生器14からの非常に高温の粉末状の触媒と接触および混合することによって蒸発させられ、蒸気のより小さい分子へ分解される。分解反応のすべては、2秒から4秒の期間内に触媒ライザー12の中で起こる。炭化水素蒸気は、粉末状の触媒を「流動化させ」、炭化水素蒸気および触媒の混合物は、上向きに流れ、約535℃の温度および約1.72barの圧力において、反応器16に進入する。
【0005】
反応器16の中では、分解された製品蒸気が、(a)反応器16の中の2段式サイクロンのセットを通って流れることによって、使用済み触媒から分離され、(b)使用済み触媒が、蒸気ストリッピングセクションを通って下向きに流れ、使用済み触媒が触媒再生器14に戻る前に、任意の炭化水素蒸気を除去する。再生器14への使用済み触媒のフローは、使用済み触媒ラインの中のバルブ18によって調整される。バルブ18は、従来は、スライドバルブであった。
【0006】
分解反応は、いくらかの炭素質材料(触媒コークと称される)を作り出し、炭素質材料は、触媒の上に堆積し、非常に急速に触媒反応性を低減させるので、触媒は、再生器14の中へ吹き込まれた空気によって、堆積されたコークを燃焼し尽くすことによって再生される。再生器14は、約715℃の温度および約2.41barの圧力において動作し、したがって、再生器14は、反応器16よりも高い約0.7bar圧力において動作する。コークの燃焼は、発熱性であり、それは、大量の熱を作り出し、熱は、再生された触媒によって部分的に吸収され、触媒ライザー12の中で起こる原材料の蒸発および吸熱分解反応に必要とされる熱を提供する。その理由のために、FCCUは、「熱バランスされている」と称されることが多い。
【0007】
再生器14を離れる高温の触媒(約715℃)は、触媒回収井戸(catalyst withdrawal well)の中へ流入し、触媒回収井戸において、任意の同伴された燃焼煙道ガスが逃げることおよび再生器14の上側部の中へ流れて戻ることを許容される。触媒ライザー12の下方の原材料注入ポイントへの再生触媒のフローは、再生触媒ラインの中のバルブ20によって調整される。また、このバルブ20は、従来は、スライドバルブであった。高温の煙道ガスは、同伴された触媒を煙道ガスから除去する2段式サイクロンの複数のセットを通過した後に、再生器14を出て行く。
【0008】
FCCUの中のバルブ18、20は、FCCUの中のそれらの場所および機能によって識別され得る制御バルブである。そのようなバルブは、再生触媒スライドバルブ、使用済み触媒スライドバルブ、冷却触媒スライドバルブ、および再循環触媒スライドバルブを含むことが可能である。再生スライドバルブ(たとえば、バルブ20)は、ライザー12への再生触媒のフローを調整し、スタンドパイプの中の圧力ヘッドを維持し、再生器14を逆流から保護する。使用済みスライドバルブ(たとえば、バルブ18)は、ストリッパー触媒レベルを制御し、再生器14への使用済み触媒のフローを調整し、反応器16および主分留装置を逆流から保護する。
【0009】
FCCU設計のバリエーションに起因して、それぞれのバルブは、それがその中で使用されるFCCUに関して特注設計されるということが典型的である。また、そのようなバルブは、典型的に、FCCUラインの中へ溶接されている。FCCUのバルブは、FCCUの中に存在する極端な温度および圧力を受け、それらが使用される環境に耐えるように設計されている。それにもかかわらず、そのようなバルブが最終的に摩滅し、補修または交換を必要とするということが典型的である。いくつかのバルブは、FCCUからバルブ本体部全体を除去することを必要とすることなく、バルブコンポーネントがアクセスおよび交換されることを可能にするが、FCCUのメンテナンスシャットダウン期間の間にバルブコンポーネントの交換または改修を完了することは、依然として困難である可能性がある。
【0010】
困難のいくつかは、さまざまなFCCUの中で使用されるバルブ設計の多様性に伴う固有のものである。バルブ設計の多様性は、交換されるかまたは修理されることとなるバルブコンポーネントが、問題のバルブのために特注されなければならないということを意味している。バルブのどのコンポーネントが、作業を行われることを必要とすることとなるかということを完全に知ることは不可能である可能性があるので、FCCUが補修のためにシャットダウンされた後に、追加的な困難に遭遇する可能性がある。補修プロセスの間に遭遇した困難から結果として生じ得る遅れは、製油所に対する大きなコスト負担で、FCCUが予期されるよりも長く運転停止のままになることを引き起こす可能性がある。
【0011】
FCCUの中で現在使用されているスライドバルブに固有の補修問題およびメンテナンス問題に加えて、そのようなスライドバルブは、それらに要求されるタスクにはもともと適していない。とりわけ、FCCUバルブは、一般に、スロットリング機能を実施し、FCCUの中に適正なバルブ前圧力およびバルブ後圧力ならびに/または圧力差を維持することが要求される。しかし、スライドバルブは、所望の機能をFCCUに提供するようにスロットリングを提供するには十分に適していない。実際に、スロットリングが望まれるときに、バルブは、典型的に、任意のスロットリングが起こる前に、かなりの距離を作動させられなければならず、所望のスロットリングレベルを実現すること、または、実現されたスロットリングレベルにわたって制御を維持することは、困難である可能性がある。結果として、スライドバルブの使用は、FCCUの中のフロー制御を確立するには非効率的である。
【0012】
加えて、スライドバルブがFCCU制御スロットリングにおいて使用される様式に起因して、スライドバルブは、FCCU内のフローの中に渦を生成させる。結果として生じる渦は、バルブの摩耗の増加、ならびにFCCUの周囲のコンポーネントの摩耗の増加を引き起こす。
図2は、FCCUの中で使用するように適合され得る代表的なコールドシェル設計スライドバルブのさまざまな状態の切り欠き図を図示している。スライドバルブは、ブラインド30を含み、ブラインド30は、バルブのアパーチャーを横切って、さまざまなポイント(そのうちの6つが、
図2に図示されている)のうちのいずれかへ、いずれかの方向にスライドして作動されるように適合されている(FCCUにおいて、スライドバルブは、典型的に、完全に閉じた位置では決して動作させられず、そのバルブは、単なる制御バルブであるということが留意されるべきである)。ブラインド30は、典型的に、たとえば、ヘックスメッシュ(hexmesh)タイプアンカーシステムの中などで、耐火ライニングによってカバーされており、また、耐火ライニングは、ブラインド30の上流側にも提供される。耐火ライニングは、追加的な摩耗能力をバルブに提供する。
【0013】
図2に示されているものなどのようなバルブをスライドさせることは、ブラインド30がその全スロー距離に沿って作動されることを可能にするのに十分な周囲の構造体を必要とし、さらに、その全スロー距離に沿って任意のポイントにおいてブラインド30およびその付随する構造体を支持するための十分な追加的な構造体を必要とする。したがって、スライドバルブのための作動構造体は、典型的に、バルブの前および後に、バルブの幅およびラインの幅の複数倍にわたって、バルブから外向きに延在している。たとえば、
図3は、その付随する制御構造体34とともに、代表的なスライドバルブ32の外部の図を図示している。この場合では、スライドバルブ32は、油圧式に制御されており、したがって、制御構造体34は、油圧ユニットを含む。また、スライドバルブは、電気式に制御されることも可能である。
図3から見ることができるように、FCCUユニットは、それぞれのスライドバルブ32の側部から突出する大きい構造体を収容するように設計されなければならず、同様に、スライドバルブ32の大きい制御構造体34のための場所を提供するように設計されなければならない。4つのそのようなバルブを含む典型的なFCCUによって、そのようなバルブを組み込むこと、ならびに、補修の間にバルブのアクセスおよび修理に対処するようにFCCUを設計することに伴うサイズ制約および複雑性はかなりのものである。
【0014】
実際には、スライドバルブの設計および補修は、FCCUシャットダウンおよびルーチンメンテナンスプロセスにおいて重大な因子である。上記に議論されているように、それぞれのFCCUは、本質的に一意的なものであり、それぞれのFCCUのためのスライドバルブは、典型的に、そのFCCUの中に特注で構築およびインストールされる。バルブ交換および/または改修が企図されるときには、交換/改修のために特注で製造された新しいコンポーネントを有することが一般的である。そのようなコンポーネントの特注設計および構築は、交換およびメンテナンスプロセスのコストおよび複雑性をさらに増加させる。スライドバルブは、典型的に、適切な場所に溶接されており、スライドバルブの完全な交換は、適用可能なラインからそれらを切断すること、および、全く新しいバルブを溶接することを伴う。
【0015】
これらの理由および他の理由のために、FCCUの中で現在使用されているスライドバルブは、当産業によって依然として対処されなければならない複数の欠点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の実装形態は、流体接触分解ユニット(FCCU)の中で使用するためのロータリーバルブを提供する。そのようなバルブは、従来のスライドバルブ、たとえば、再生触媒バルブ、使用済み触媒バルブ、冷却触媒バルブ、および再循環触媒バルブなどを交換するように適合されている。本明細書で議論されているようなロータリーバルブは、同様のフロー容量を有するスライドバルブよりも著しくコンパクトである。ロータリーバルブは、スライドバルブよりも良好に、フロー制御またはスロットリングを提供するように適合されている。フロー制御またはスロットリングは、制御入力および回転に応答して、より大きい応答および精度によって起こる。ロータリーバルブによって実現されるサイズ低減に加えて、必要とされる制御、および/または、フロー変化を実現するために必要な油圧流体が、著しく低減され、油圧ユニットが必要とされないので、バルブに関するコストをさらに節約する。また、油圧ユニットの省略は、FCCUの中のバルブおよび/またはその付随する構造体のサイズを低減させる。
【0017】
また、ロータリーバルブの構成は、従来のスライドバルブと比較したときに、ロータリーバルブの内部エレメントをより良好に保護する。ロータリーバルブは、特定の標準的なサイズにしたがって製造され得、ロータリーバルブは、ロータリーバルブのサイズ/流量を修正するためにその中に交換される特定のコンポーネントを有するように適合され得、それによって、複数のFCCUにわたってコンポーネントを標準化する。コンポーネントの標準化は、ロータリーバルブがより迅速に補修および/または交換されることを可能にし、予定したメンテナンス停止のダウンタイムを低減させる。追加的に、ロータリーバルブは、端部フランジを備えたボルト-イン構造体として提供され得、バルブ全体が必要に応じて迅速に交換され得るようになっている。
【0018】
ロータリーバルブは、典型的なスライドバルブよりも長持ちし、同様に、有する問題も少ない。ロータリーバルブは、電気油圧式に作動され得るか、または、電気式に作動され得る。ロータリー駆動メカニズムに関連付けられたパッキングランドは、従来のスライディングバルブのスライディング駆動メカニズムに関連付けられた対応するグランドよりも少ない摩耗を受ける。ロータリーバルブは、制御コンポーネントの回転の量を単純に修正することによって、バルブ内部コンポーネントが摩耗を受けるときであっても、十分なフロー制御を提供し続けるように適合されている。ロータリーバルブの設計に起因して、従来のスライドバルブと同様に、改修/交換プロセスの間に(たとえば、関連の耐火ライニングの交換の間に)、パイプラインの内側に個人を有することを必要としない。ロータリーバルブの追加的な利点は、本明細書の追加的な議論から明らかになることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の実装形態によれば、FCCUの中で使用するためのロータリーバルブは、入口部および出口部、ならびに、入口部と出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、流路は、流体接触分解材料が入口部と出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部を含む。また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている第1のドラムであって、第1のドラムは、それを通過する第1のドラムフローアパーチャーを有する、第1のドラムと、第1のドラムに接続されている第1のシャフトであって、第1のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第1のシャフトアパーチャーを通って延在している、第1のシャフトとを含む。バルブ本体部の外部において第1のシャフトに印加される回転トルクは、第1のドラムがバルブ本体部の中で回転することを引き起こし、流路および第1のドラムフローアパーチャーを通る材料のフローを制御することが可能である。
【0020】
また、ロータリーバルブは、第1のローテーターを含むことが可能であり、第1のローテーターは、バルブ本体部の外部において第1のシャフトに連結されており、第1のシャフトに回転トルクを印加するように適合されている。第1のローテーターは、油圧式ローテーター、電気式ローテーター、または電気油圧式ローテーターであることが可能である。第1のドラムフローアパーチャーは、耐火材料表面を含むことが可能である。
【0021】
また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている第2のドラムを含むことが可能であり、第2のドラムは、第1のドラムをその中に回転可能に受け入れるように適合されているボアと、上流フローアパーチャーと、下流フローアパーチャーとを有している。第1のドラムおよび第2のドラムが回転させられ得、したがって、上流フローアパーチャー、第1のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが実質的に整合させられ、共通の軸線を共有するように、上流フローアパーチャーおよび下流フローアパーチャーは、第2のドラムの上に位置付けされ得る。第2のドラムは、第2のシャフトに接続され得、第2のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第2のシャフトアパーチャーを通って延在しており、第2のシャフトアパーチャーは、第1のシャフトアパーチャーからバルブ本体部の反対側に配設されている。バルブ本体部の外部において第2のシャフトに印加される回転トルクは、第2のドラムがバルブ本体部の中で回転することを引き起こし、流路、上流フローアパーチャー、第1のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーを通る材料のフローを制御することが可能である。第2のローテーターは、バルブ本体部の外部において第2のシャフトに連結され得り、第2のシャフトに回転トルクを印加するように適合され得る。第2のローテーターは、油圧式ローテーター、電気式ローテーター、または電気油圧式ローテーターであることが可能である。
【0022】
第1のドラムおよび第2のドラムは、流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように適合され得る。上流フローアパーチャー、第1のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが整合させられている位置から、第1のドラムおよび第2のドラムが、それぞれ45度以下だけ逆回転させられているときに、ロータリーバルブは、実質的に閉じた状態を実現することが可能である。
【0023】
また、ロータリーバルブは、耐火コーンを含むことが可能であり、耐火コーンは、入口部と第1および第2のドラムとの間で、または、入口部エリアと第1のドラムとの間で、バルブ本体部の内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように適合されており、また、主に重力によって入口部エリアの中に固定されるように適合されている。
【0024】
また、ロータリーバルブは、入口部において入口部フランジを、出口部において出口部フランジを含むことが可能であり、ロータリーバルブが、締結具を使用して、および、ロータリーバルブを既存のFCCUパイプラインに溶接することなく、対応するフランジを有するFCCUパイプラインに除去可能に取り付けられ得るようになっている。
【0025】
本発明のさらなる実装形態によれば、FCCUの中で使用するためのロータリーバルブは、入口部および出口部、ならびに、入口部と出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、流路は、流体接触分解材料が入口部と出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部を含む。また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている第1のドラムを含み、第1のドラムは、第2のドラムをその中に回転可能に受け入れるように適合されているボア、上流フローアパーチャー、および、下流フローアパーチャーを有している。また、ロータリーバルブは、第2のドラムを含み、第2のドラムは、第1のドラムのボアの中に回転可能に配設されており、それを通過する第2のドラムフローアパーチャーを有している。第1のドラムおよび第2のドラムが回転させられ得、したがって、上流フローアパーチャー、第2のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが実質的に整合させられ、共通の軸線を共有するように、上流フローアパーチャーおよび下流フローアパーチャーが第1のドラムの上に位置付けされ得、第2のドラムフローアパーチャーが第2のドラムの上に位置付けされ得る。
【0026】
ロータリーバルブは、第1のドラムに接続されている第1のシャフトであって、第1のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第1のシャフトアパーチャーを通って延在している、第1のシャフトと、第2のドラムに接続されている第2のシャフトであって、第2のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第2のシャフトアパーチャーを通って延在しており、第2のシャフトアパーチャーは、第1のシャフトアパーチャーからバルブ本体部の反対側に配設されている、第2のシャフトとをさらに含むことが可能である。バルブ本体部の外部において第1のシャフトに印加される回転トルクは、第1のドラムがバルブ本体部の中で回転することを引き起こすことが可能であり、バルブ本体部の外部において第2のシャフトに印加される回転トルクは、第2のドラムが第1のドラムの中で回転することを引き起こすことが可能であり、それによって、第1のドラムの回転および第2のドラムの回転は、流路を通る材料のフローを制御する。
【0027】
ロータリーバルブは、耐火コーンをさらに含むことが可能であり、耐火コーンは、入口部と第1のドラムとの間でバルブ本体部の内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように適合されており、また、主に重力によって入口部エリアの中に固定されるように適合されている。第1のドラムおよび第2のドラムは、流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように適合され得る。上流フローアパーチャー、第2のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが整合させられている位置から、第1のドラムおよび第2のドラムが、それぞれ45度以下だけ逆回転させられているときに、ロータリーバルブは、実質的に閉じた状態を実現することが可能である。また、ロータリーバルブは、ロータリーバルブは、入口部において入口部フランジを含むことが可能であり、出口部において出口部フランジを含むことが可能であり、ロータリーバルブが、締結具を使用して、および、ロータリーバルブを既存のFCCUパイプラインに溶接することなく、対応するフランジを有するFCCUパイプラインに除去可能に取り付けられ得るようになっている。
【0028】
本発明の追加的な実装形態によれば、FCCUの中で使用するためのロータリーバルブは、入口部および出口部、ならびに、入口部と出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、流路は、流体接触分解材料が入口部と出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部を含む。また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている外側円筒形状ドラムを含み、外側円筒形状ドラムは、内側円筒形状ドラムをその中に回転可能に受け入れるように適合されているボア、上流フローアパーチャー、および、下流フローアパーチャーを有している。また、ロータリーバルブは、内側円筒形状ドラムを含み、内側円筒形状ドラムは、外側円筒形状ドラムのボアの中に回転可能に配設されている。内側円筒形状ドラムは、それを通過する内側ドラムフローアパーチャーを含む。外側円筒形状ドラムおよび内側円筒形状ドラムが回転させられ得、したがって、上流フローアパーチャー、内側ドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが実質的に整合させられ、共通の軸線を共有するように、上流フローアパーチャーおよび下流フローアパーチャーが外側円筒形状ドラムの上に位置付けされ得、内側ドラムフローアパーチャーが内側円筒形状ドラムの上に位置付けされ得る。外側円筒形状ドラムおよび内側円筒形状ドラムは、流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように適合され得る。
【0029】
本発明の目的および特徴は、添付の図面に関連して見られる以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになることとなる。これらの図面は、本発明の単なる典型的な実施形態を示しており、したがって、その範囲を限定するように考えられるべきではないということを理解して、本発明は、添付の図面の使用を通して、追加的な特異性および詳細を用いて、記載および説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】代表的な流体接触分解ユニット(FCCU)の線図である。
【
図2】FCCUの中で使用するための代表的なスライドバルブの作動の図である。
【
図3】代表的なスライドバルブおよびその付随する制御ユニットの斜視図である。
【
図4】断面をとられた例示目的のロータリーバルブの斜視図である。
【
図5】
図4のロータリーバルブの回転コンポーネントの分解斜視図である。
【
図6】部分的に入れ子にされている
図5のコンポーネントの斜視図である。
【
図7】完全に入れ子にされている
図5のコンポーネントの斜視図であり、
図4のロータリーバルブの追加的なコンポーネントがそれに付着されている状態を示す図である。
【
図8】部分的な組み立ての段階にある
図4のロータリーバルブのコンポーネントの斜視図である。
【
図9】部分的な組み立ての段階にある
図4のロータリーバルブのコンポーネントの斜視図である。
【
図10】部分的な組み立ての段階にある
図4のロータリーバルブのコンポーネントの斜視図である。
【
図11】部分的な組み立ての段階にある
図4のロータリーバルブのコンポーネントの斜視図である。
【
図12】部分的な組み立ての段階にある
図4のロータリーバルブのコンポーネントの斜視図である。
【
図13】部分的な組み立ての段階にある
図4のロータリーバルブのコンポーネントの斜視図である。
【
図14】
図4の断面と直交して断面をとられた、
図4のロータリーバルブの斜視図である。
【
図15】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図16】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図17】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図18】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図19】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図20】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図21】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図22】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図23】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【
図24】ロータリーバルブの回転コンポーネントのさまざまな回転角度における
図4のロータリーバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、本発明の実施形態の説明が、図を参照して与えられることとなる。本発明は、多くの他の形態および形状をとることが可能であり、したがって、以下の開示は、例示目的のものであるいうことが意図されており、限定するものではないということが意図されており、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって決定されるべきであるということが予期される。
【0032】
本発明の実施形態によれば、FCCUの中で使用するためのロータリーバルブは、入口部および出口部、ならびに、入口部と出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、流路は、流体接触分解材料が入口部と出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部を含む。また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている第1のドラムであって、第1のドラムは、それを通過する第1のドラムフローアパーチャーを有する、第1のドラムと、第1のドラムに接続されている第1のシャフトであって、第1のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第1のシャフトアパーチャーを通って延在している、第1のシャフトとを含む。バルブ本体部の外部において第1のシャフトに印加される回転トルクは、第1のドラムがバルブ本体部の中で回転することを引き起こし、流路および第1のドラムフローアパーチャーを通る材料のフローを制御することが可能である。
【0033】
また、ロータリーバルブは、第1のローテーターを含むことが可能であり、第1のローテーターは、バルブ本体部の外部において第1のシャフトに連結されており、第1のシャフトに回転トルクを印加するように適合されている。第1のローテーターは、油圧式ローテーター、電気式ローテーター、または電気油圧式ローテーターであることが可能である。第1のドラムフローアパーチャーは、耐火材料表面を含むことが可能である。
【0034】
また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている第2のドラムを含むことが可能であり、第2のドラムは、第1のドラムをその中に回転可能に受け入れるように適合されているボアと、上流フローアパーチャーと、下流フローアパーチャーとを有している。第1のドラムおよび第2のドラムが回転させられ得、したがって、上流フローアパーチャー、第1のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが実質的に整合させられ、共通の軸線を共有するように、上流フローアパーチャーおよび下流フローアパーチャーは、第2のドラムの上に位置付けされ得る。第2のドラムは、第2のシャフトに接続され得、第2のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第2のシャフトアパーチャーを通って延在しており、第2のシャフトアパーチャーは、第1のシャフトアパーチャーからバルブ本体部の反対側に配設されている。バルブ本体部の外部において第2のシャフトに印加される回転トルクは、第2のドラムがバルブ本体部の中で回転することを引き起こし、流路、上流フローアパーチャー、第1のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーを通る材料のフローを制御することが可能である。第2のローテーターは、バルブ本体部の外部において第2のシャフトに連結され得、第2のシャフトに回転トルクを印加するように適合され得る。第2のローテーターは、油圧式ローテーター、電気式ローテーター、または電気油圧式ローテーターであることが可能である。
【0035】
第1のドラムおよび第2のドラムは、流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように適合され得る。上流フローアパーチャー、第1のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが整合させられている位置から、第1のドラムおよび第2のドラムが、それぞれ45度以下だけ逆回転させられているときに、ロータリーバルブは、実質的に閉じた状態を実現することが可能である。
【0036】
また、ロータリーバルブは、耐火コーンを含むことが可能であり、耐火コーンは、入口部と第1および第2のドラムとの間で、または、入口部エリアと第1のドラムとの間で、バルブ本体部の内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように適合されており、また、主に重力によって入口部エリアの中に固定されるように適合されている。
【0037】
また、ロータリーバルブは、入口部において入口部フランジをさらに含むことが可能であり、出口部において出口部フランジをさらに含むことが可能であり、ロータリーバルブが、締結具を使用して、および、ロータリーバルブを既存のFCCUパイプラインに溶接することなく、対応するフランジを有するFCCUパイプラインに除去可能に取り付けられ得るようになっている。
【0038】
本発明のさらなる実施形態によれば、FCCUの中で使用するためのロータリーバルブは、入口部および出口部、ならびに、入口部と出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、流路は、流体接触分解材料が入口部と出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部を含む。また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている第1のドラムを含み、第1のドラムは、第2のドラムをその中に回転可能に受け入れるように適合されているボア、上流フローアパーチャー、および、下流フローアパーチャーを有している。また、ロータリーバルブは、第2のドラムを含み、第2のドラムは、第1のドラムのボアの中に回転可能に配設されており、それを通過する第2のドラムフローアパーチャーを有している。第1のドラムおよび第2のドラムが回転させられ得、したがって、上流フローアパーチャー、第2のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが実質的に整合させられ、共通の軸線を共有するように、上流フローアパーチャーおよび下流フローアパーチャーが第1のドラムの上に位置付けされ得、第2のドラムフローアパーチャーが第2のドラムの上に位置付けされ得る。
【0039】
ロータリーバルブは、第1のドラムに接続されている第1のシャフトであって、第1のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第1のシャフトアパーチャーを通って延在している、第1のシャフトと、第2のドラムに接続されている第2のシャフトであって、第2のシャフトは、バルブ本体部の内部からバルブ本体部の外部へ第2のシャフトアパーチャーを通って延在しており、第2のシャフトアパーチャーは、第1のシャフトアパーチャーからバルブ本体部の反対側に配設されている、第2のシャフトとをさらに含むことが可能である。バルブ本体部の外部において第1のシャフトに印加される回転トルクは、第1のドラムがバルブ本体部の中で回転することを引き起こすことが可能であり、バルブ本体部の外部において第2のシャフトに印加される回転トルクは、第2のドラムが第1のドラムの中で回転することを引き起こすことが可能であり、それによって、第1のドラムの回転および第2のドラムの回転は、流路を通る材料のフローを制御する。
【0040】
ロータリーバルブは、耐火コーンをさらに含むことが可能であり、耐火コーンは、入口部と第1のドラムとの間でバルブ本体部の内部の中に延在する入口部エリアの中にセットされるように適合されており、また、主に重力によって入口部エリアの中に固定されるように適合されている。第1のドラムおよび第2のドラムは、流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように適合され得る。上流フローアパーチャー、第2のドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが整合させられている位置から、第1のドラムおよび第2のドラムが、それぞれ45度以下だけ逆回転させられているときに、ロータリーバルブは、実質的に閉じた状態を実現することが可能である。また、ロータリーバルブは、ロータリーバルブは、入口部において入口部フランジを含むことが可能であり、出口部において出口部フランジを含むことが可能であり、ロータリーバルブが、締結具を使用して、および、ロータリーバルブを既存のFCCUパイプラインに溶接することなく、対応するフランジを有するFCCUパイプラインに除去可能に取り付けられ得るようになっている。
【0041】
本発明の追加的な実施形態によれば、FCCUの中で使用するためのロータリーバルブは、入口部および出口部、ならびに、入口部と出口部との間に延在する流路を有するバルブ本体部であって、流路は、流体接触分解材料が入口部と出口部との間で選択的に流れるための経路を提供する、バルブ本体部を含む。また、ロータリーバルブは、流路の中にバルブ本体部の中に回転可能に配設されている外側円筒形状ドラムを含み、外側円筒形状ドラムは、内側円筒形状ドラムをその中に回転可能に受け入れるように適合されているボア、上流フローアパーチャー、および、下流フローアパーチャーを有している。また、ロータリーバルブは、内側円筒形状ドラムを含み、内側円筒形状ドラムは、外側円筒形状ドラムのボアの中に回転可能に配設されている。内側円筒形状ドラムは、それを通過する内側ドラムフローアパーチャーを含む。外側円筒形状ドラムおよび内側円筒形状ドラムが回転させられ得、したがって、上流フローアパーチャー、内側ドラムフローアパーチャー、および下流フローアパーチャーが実質的に整合させられ、共通の軸線を共有するように、上流フローアパーチャーおよび下流フローアパーチャーが外側円筒形状ドラムの上に位置付けされ得、内側ドラムフローアパーチャーが内側円筒形状ドラムの上に位置付けされ得る。外側円筒形状ドラムおよび内側円筒形状ドラムは、流路を通る材料のフローを制御するために逆回転させられるように適合され得る。
【0042】
図4は、その回転パーツの回転軸線を通過する平面に沿って断面をとられた代表的なロータリーバルブ40の斜視図を示している。
図4では、より詳細に下記に議論されることとなるように、ロータリーバルブ40の回転エレメントの回転軸線に沿って、断面がとられている。
図4に示されているように、バルブは、上部フランジ42および底部フランジ44を設けられ得、バルブが、たとえば、既存のFCCUパイプラインに溶接された対応するフランジ(図示せず)にボルト締めすることなどによって、既存のFCCUパイプラインに除去可能に連結され得るようになっている。したがって、新しいロータリーバルブ40を受け入れるように適合された場所において、古いスライドバルブを切り離すことによって、および、上部フランジおよび底部フランジを既存のFCCUパイプラインに溶接することによって、ロータリーバルブ40は、既存のスライドバルブを交換するように適合され得る。必要に応じて、既存のFCCUパイプラインの中へ溶接される対応するフランジは、既存のFCCUパイプラインとロータリーバルブ40との間のサイズ変化を提供するようにテーパーが付けられ得、それは、非標準的なサイズの既存のパイプラインの中に使用されながらも、ロータリーバルブ40が標準的なサイズのものとなることをさらに可能にすることができる。
【0043】
ロータリーバルブ40は、上部フランジ42と底部フランジ44との間に延在する本体部46を含む。したがって、上部フランジ42は、バルブ本体部46への入口部を画定しており、底部フランジ44は、バルブ本体部46への出口部を画定している。本体部46は、従来のプロセスを使用して、従来の材料から形成され得る。追加的に、本体部46の内側部分は、当技術分野で知られているように、ロータリーバルブ40の内側部分が曝され得る環境(熱、圧力、および石油製品)に耐えるように適合された材料によってライニングされ得る。本体部46は、上側フランジ42とロータリーバルブ40の特定の回転エレメントを含有するロータリーバルブ40の一部分との間におおよそ延在する上側入口部エリア48を含むことが可能である。この上側入口部エリアは、相補的な形状の耐火コーン50を受け入れるように適合されている概して円錐状の形状を有する内側表面を画定することが可能である。
【0044】
耐火コーン50は、当技術分野で知られているように、バルブ本体部46に対する保護を提供している。典型的なバルブの中に使用されている耐火ライニングとは対照的に、耐火コーン50は、重力だけを使用して、本体部46の中に、とりわけ、上側入口部エリア48の中に固定され得る。耐火コーン50は、本体部46と耐火コーン50との間のいかなる溶接も必要とすることなしに、上側入口部エリア48の中へ単純にセットされ得る。ロータリーバルブが補修されることとなるときには、および、既存の耐火コーン50が摩耗し、交換されることを必要とする場合には、ロータリーバルブ40は、FCCUパイプラインからボルト締めを外され、既存の耐火コーン50へのアクセスを許容するように脇へ移動させられ得、次いで、既存の耐火コーン50は、耐火コーン50の溶接は行われていないので、いかなる切断作業も必要とすることなく、ロータリーバルブ40から引き出され得、新しい耐火コーン50が、適切な場所にセットされ得、ロータリーバルブ40は、FCCUパイプラインの中のその場所に戻され得る。認識され得るように、この耐火コーン50交換手順の1つの結果は、製油所人員が、耐火コーン50を取り付けるか、除去するか、または補修するために、ロータリーバルブ40またはFCCUパイプラインに進入することを要求されないということである。
【0045】
図4において見られるように、本体部46は、概して十字形の円筒状の形状を有することが可能である。言い換えれば、本体部46は、概して垂直方向の第1の円筒形状の1次的な全体的形状を有することが可能であり、概して垂直方向の第1の円筒形状は、上部フランジ42と底部フランジ44との間に延在しており、概して水平方向の第2の円筒形状と交差している。第1および第2の一般的円筒形状は、本質的に互いに二分することが可能であり、または、一方もしくは両方の一般的円筒形状は、他方の中心点からオフセットされ得る。換言すれば、第1の一般的円筒形状は、第2の一般的円筒形状の上方および下方におおよそ等しく延在することが可能であり、または、第2の一般的円筒形状の上方および下方に異なる量だけ延在することが可能であり、第2の一般的円筒形状は、第1の一般的円筒形状のいずれかの側におおよそ等しく延在することが可能であり、または、第1の一般的円筒形状の異なる側に異なる量だけ延在することが可能である。第1の一般的円筒形状は、ロータリーバルブ40を通る材料のための一般的流路を画定しており、一方、第2の一般的円筒形状は、一般的に、ロータリーバルブ40を通って流れる材料に接触するロータリーバルブ40の回転式フロー制御部分を含有している。
【0046】
図4に見ることができるように、ロータリーバルブ40の一部分は、本体部46の概して水平方向の第2の一般的円筒形状部分のいずれかの側から延在しており、本体部46の中のロータリーバルブ40の回転式フロー制御部分に対して回転力を駆動する機能的な制御機械を提供する。しかし、
図4は、ロータリーバルブ40を使用してフロー制御を実施するために必要とされる構造体全体を示しており、別々の制御構造体に対する必要性、および、別々の油圧ユニットに対する必要性は存在しないので、他の外部構造体は必要ない。
図4と
図3とを比較することによって認識され得るように、ロータリーバルブ40およびそれに付随する構造体の全体的なサイズは、その付随する制御構造体34を備えたスライドバルブ32の全体的なサイズよりもはるかにコンパクトになっている。追加的に、外部制御構造体とロータリーバルブ40との間に走る油圧ラインに対する必要性は存在しない。その理由は、ロータリーバルブは、ロータリーバルブ40の上に直接的に装着された小さいタンクを介して供給され得るはるかに少ない油圧流体によって作動され得るからである。
【0047】
例示目的の実施形態におけるロータリーバルブ40は、電気油圧式に作動されるが、代替的なバルブは、電気式に作動され得る。したがって、ロータリーバルブ40は、第1の電気油圧式ローテーター52および第2の電気油圧式ローテーター54を含む。電気油圧式ローテーター52、54のそれぞれは、ラック-アンド-ピニオン駆動メカニズムを含むことが可能であり、ラック-アンド-ピニオン駆動メカニズムは、非常に少ない油圧流体によって、油圧式に駆動される線形運動を高トルクの回転運動へと変換する。第1の電気油圧式ローテーター52は、第1のシャフト56の回転を駆動し、第2の電気油圧式ローテーター54は、第2のシャフト58の回転を駆動する。第1のシャフト56は、内側円筒形状ドラム60に動作可能に接続されており、第2のシャフト56は、外側円筒形状ドラム62に動作可能に接続されている。
【0048】
内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62は、
図5の分解図に示されている。
図5から見ることができるように、内側円筒形状ドラム60は、その回転軸線に沿って概して中空ではないという点において、概して中実の構築体を有することが可能である。内側円筒形状ドラム60は、その回転軸線に対して垂直に内側円筒形状ドラム60を通過するフローアパーチャー64を含む。フローアパーチャー64は、形状が概して円筒形状になっており、内側円筒形状ドラム60を通してロータリーバルブ40を通過する材料のフローを許容する。したがって、フローアパーチャー64は、それが露出されることとなる環境(たとえば、熱、圧力、石油製品および/または触媒のフロー)に耐えるように適合された表面処理を提供され得、たとえば、耐火ライニング、セラミックタイル、および/または、セラミック/金属複合体構造体などをその上に有している。
【0049】
フローアパーチャー64は、内側円筒形状ドラム60の直径よりも小さい直径を有している。典型的に、フローアパーチャー64は、ロータリーバルブ40が取り付けられるパイプラインの内径におおよそ等しいかまたはわずかに大きい直径を有しており、それによって、ロータリーバルブ40が完全に開いているときには、ロータリーバルブ40は、フローアパーチャー64を通る本質的に制限されない材料のフローを提供する。
図5に示されているフローアパーチャー64は、内側円筒形状ドラム60のサイズに対して特定のサイズを有するように示されているが、内側円筒形状ドラム60に対するフローアパーチャー64の特定の相対的なサイズは、変化させられ得る。たとえば、標準的なサイズのロータリーバルブ40がさまざまなサイズの既存のFCCUの中で使用されることを可能にするために、
図5の内側円筒形状ドラム60は、より小さいフローアパーチャーを有するさまざまな異なる内側円筒形状ドラムのいずれかと交換され得、それによって、異なってサイズ決めされたFCCUパイプラインによって所望のフロー制御特性を提供するために、同じバルブ本体部46が使用されることを可能にする。さらに詳細に下記に議論されることとなるように、変更することを必要とするコンポーネントは、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62だけである。
【0050】
外側円筒形状ドラム62は、内側円筒形状ドラム60とは対照的に、概して中空の構築体を有しており、円筒形状のボア66が、外側円筒形状ドラム62の開放した第1の端部から、外側円筒形状ドラム62の一般的に閉鎖した第2の端部68へ延在している。外側円筒形状ドラム62は、上側フローアパーチャー70および下側フローアパーチャー72を含み、それらは互いに整合させられており、その回転軸線に対して垂直に外側円筒形状ドラム62を通過するようになっている。上側フローアパーチャー70および下側フローアパーチャー72は、内側円筒形状ドラム60のフローアパーチャー64のサイズに対応するようにサイズ決めされて設置されており、内側円筒形状ドラム60が外側円筒形状ドラム62の円筒形状のボア66の中に入れ子にされているときに、上側フローアパーチャー70、フローアパーチャー64、および下側フローアパーチャー72が、実質的に整合させられ、ロータリーバルブ40が取り付けられているパイプラインの内径におおよそ等しいかまたはわずかに大きい直径を有する実質的に途切れない流路を画定することができるようになっている。したがって、上側フローアパーチャー70、フローアパーチャー64、および下側フローアパーチャー72は、それらがロータリーバルブ40の中で完全に整合させられているときに、共有される対称軸線を有することが可能であるが、内側円筒形状ドラム60が外側円筒形状ドラム62に対して回転させられるときに(または、その逆も同様)、それぞれの対称軸線が整合されなくなることが可能である。
【0051】
内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62は、円筒形状ドラム60、62のそれぞれを本質的に対称的に二等分する二等分平面をそれぞれ有することが可能であるということが留意されるべきである。換言すれば、内側円筒形状ドラム60が外側円筒形状ドラム62に対してどの方向に回転させられるかにかかわらず、または、外側円筒形状ドラム62が内側円筒形状ドラム60に対してどの方向に回転させられるかにかかわらず、いずれかの方向への同様の量の相対的回転は、ロータリーバルブ40を通る流路の上側開口部および下側開口部のサイズの同様の量の変化を付与することとなる。同様に、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のうちの一方または両方は、依然として同様に機能しながら180度回転させられ得る。換言すれば、外側円筒形状ドラム62が180度回転させられる場合には、上側フローアパーチャー70は、今では、下側フローアパーチャー72と同様に機能することとなり、また、その逆も同様である。
【0052】
この内側円筒形状ドラム60の回転対称性、および、外側円筒形状ドラム62の回転対称性は、優れた摩耗機能性をロータリーバルブ40に提供する。具体的には、内側円筒形状ドラム60および/または外側円筒形状ドラム62の前縁部が使用の間に摩耗するときに、第1に、内側円筒形状ドラム60および/または外側円筒形状ドラム62を以前に使用された方向と反対側の方向に回転させることによって、次いで、第2に、内側円筒形状ドラム60および/または外側円筒形状ドラム62をそのオリジナル位置から180度回転させることによって(次いで、2つの利用可能な方向のそれぞれにおいて内側円筒形状ドラム60および/または外側円筒形状ドラム62を使用する)、他の前縁部がその代わりに使用され得る。効果的には、内側円筒形状ドラム60および/または外側円筒形状ドラム62は、優れた摩耗特性をロータリーバルブ40に提供するために、フロー制御において使用され得る4つの利用可能な前縁部をそれぞれ有している。
【0053】
内側円筒形状ドラム60のフローアパーチャー64と同様に、外側円筒形状ドラム62の上側フローアパーチャー70および下側フローアパーチャー72は、外側円筒形状ドラム62を通してロータリーバルブ40を通過する材料のフローを許容する。したがって、上側フローアパーチャー70および下側フローアパーチャー72は、それが露出されることとなる環境(たとえば、熱、圧力、石油製品および/または触媒のフロー)に耐えるように適合された表面処理をそれぞれ提供され得、たとえば、耐火ライニング、セラミックタイル、および/または、セラミック/金属複合体構造体などをその上に有している。
【0054】
内側円筒形状ドラム60は、
図6に図示されているように、外側円筒形状ドラム62の円筒形状のボア66の中に入れ子になって回転するように適合されており、
図6は、外側円筒形状ドラム62の中に部分的に入れ子にされている内側円筒形状ドラム60を示している。したがって、内側円筒形状ドラム60は、円筒形状のボア66の内側表面に一般的に接触するようにサイズ決めされた概して円筒形状の外側表面74を有している。同様に、外側円筒形状ドラム62は、
図4に図示されているように、ロータリーバルブ40の本体部46の中に入れ子になって回転するように適合されている。したがって、外側円筒形状ドラム62は、本体部46の概して水平方向の概して円筒形状の部分の内側表面に一般的に接触するようにサイズ決めされた概して円筒形状の外側表面76を有している。
【0055】
本体部の内側表面、外側円筒形状ドラム62の外側表面76、内側円筒形状ドラム60の外側表面74、および、円筒形状のボア66の内側表面は、それらが曝されることとなる環境(たとえば、熱、圧力、石油製品、触媒、および/またはその副産物への露出、これらのいずれかに対する変化)に耐えながら、それらの間の摩擦および摩耗を最小化するように適合された表面処理をそれぞれ提供され得、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が、摩滅することなく、および、ロータリーバルブ40のその中を通るフローを制御する能力に悪影響を及ぼすことなく、予想されるライフサイクルにわたって、互いに対して、および/または、ロータリーバルブ40の本体部46に対して回転することができるようになっている。したがって、これらの表面のそれぞれは、適用可能な表面処理を提供され得、たとえば、耐火ライニング、セラミックタイル、および/またはセラミック/金属複合体構造体などをその上に有している。
【0056】
FCCUの中のバルブは、一般的に、完全に閉じた状態で動作されることは決してないので、完全に閉した位置にあるときでも、ロータリーバルブ40がフローの完全な停止を実現することができるということが、必ずしも必要であるというわけではないということが留意されるべきである。別の言い方をすれば、内側円筒形状ドラム60と外側円筒形状ドラム62との間のサイズにおける、または、外側円筒形状ドラム62と本体部46との間のサイズにおける所定の量の許容度、および、ドラム60、62の周りのもしくはドラム60、62の間のいくらかの付随するリーケージは、特に、バルブ40が摩耗を受けるときに、フロー制御の観点から許容可能であり得るが、ロータリーバルブ40およびそのコンポーネントが摩耗に対してより抵抗力を持つことを可能にするために、一般的に厳しい公差が予想される。
【0057】
本体部46、外側円筒形状ドラム62、および内側円筒形状ドラム60のさまざまな表面処理は、いくつかの場合には、本質的に比較的に壊れやすい可能性があるので、さまざまなコンポーネントの重量がそれらのより壊れやすい表面によってまたはその上に支承されることなく、内側円筒形状ドラム60は、円筒形状のボア66の中に支持され得、外側円筒形状ドラム62は、本体部46の中に支持され得る。したがって、たとえば、
図4に示されているように、内側円筒形状ドラム60は、支持突出部78によって一方の端部の上にフィットされ得、支持突出部78は、対応する支持受容部80の中に受け入れられるように適合されており、支持受容部80は、外側円筒形状ドラム62の閉じた端部68の内側表面に取り付けられているか、またはその上に形成されている。他方の端部において、
図5に示されているように、内側円筒形状ドラム60は、取り付けポイント82を設けられており、第1のシャフト56が、取り付けポイント82に取り付けられ得、内側円筒形状ドラム60を支持するために使用され得、ならびに第1の電気油圧式ローテーター52によって第1のシャフト56に供給される回転力を内側円筒形状ドラム60に伝達するために使用され得る。したがって、内側円筒形状ドラム60は、外側円筒形状ドラム62の中の両方の端部において回転可能に支持されている。
【0058】
同様に、外側円筒形状ドラム62は、本体部46の中の両方の端部において回転可能に支持されている。
図4に見ることができるように、外側円筒形状ドラム62は、プレート84を介して、閉じた端部68において第2のシャフト58に取り付けられており、プレート84は、第2のシャフト58および支持受容部80から外側円筒形状ドラム62の外側縁部へ半径方向に延在している。第2のシャフト58は、内側円筒形状ドラム60の取り付けポイント82と同様の取り付けポイント(図示せず)を介して、外側円筒形状ドラム62に取り付けられ得る。そのような取り付けポイントは、第2のシャフト58が外側円筒形状ドラム62を支持することを可能にし、また、第2の電気油圧式ローテーター54によって第2のシャフト58に供給される回転力を外側円筒形状ドラム62に伝達することを可能にする。
【0059】
外側円筒形状ドラム62の他方の端部において、外側円筒形状ドラム62は、取り付けポイント86を設けられており、支持プレート88が、取り付けポイント86に固定され得る。
図7は、ロータリーバルブ40の内側コンポーネントの部分的に分解された図を示しており、内側円筒形状ドラム60が、外側円筒形状ドラム62の中に完全に入れ子にされており、第1のシャフト56が、内側円筒形状ドラム60に取り付けられており、第2のシャフト58が、外側円筒形状ドラム62に取り付けられている。この図では、支持プレート88は、外側円筒形状ドラム62から取り外されて示されており、第1のシャフト56に沿って部分的に引き出されている。見ることができるように、支持プレート88は、中央アパーチャー90を含み、中央アパーチャー90は、第1のシャフト56をその中に受け入れるようにサイズ決めされており、第1のシャフト56が中央アパーチャー90の中で回転することを可能にするようになっている。このように、支持プレート88および取り付けられている外側円筒形状ドラム62は、内側円筒形状ドラム62に対してユニットとして一緒に回転することが可能であり(または、その逆も同様である)、一方、外側円筒形状ドラム62は、支持プレート88および第1のシャフト56の組み合わせによって、第1のシャフト56に近接した端部に支持されている。
【0060】
ドラム60、62およびそれらの付随するパーツのこの設計の1つの結果は、ドラム60、62が、ロータリーバルブ40の組み立ての間にドラムユニットとして組み立てられ得、完全なドラムユニットとしてバルブ本体部46の中へ挿入され得るということである。ロータリーバルブ40の組み立ての1つの方法が、
図5~
図13に図示されている。
図5~
図6に図示されているように、準備された内側円筒形状ドラム60および準備された外側円筒形状ドラムを一緒に持ってくることによって、ならびに、次いで、内側円筒形状ドラム60の支持突出部78が外側円筒形状ドラム62の支持受容部80の中に受け入れられるまで、外側円筒形状ドラム62の円筒形状のボア66の中に内側円筒形状ドラム60を挿入することによって、組み立てが始まる。
【0061】
この時点において、
図7に図示されているように、第1のシャフト56は、内側円筒形状ドラム60に取り付けられ得、第2のシャフト58は、外側円筒形状ドラム62に取り付けられ得る。次いで、支持プレート88は、第1のシャフト56の上を通され、中央アパーチャー90が第1のシャフト56をその中に受け入れている状態になっており、支持プレート88が、取り付けポイント86において、外側円筒形状ドラム62に付着される。この段階において、第1のシャフト56、第2のシャフト58、内側円筒形状ドラム60、外側円筒形状ドラム62、および支持プレート88は、
図8に示されているように、完全なドラムアッセンブリ92を形成している。
【0062】
ドラムアッセンブリ92は、次いで、本体部46の一方の側に提供されているドラムアッセンブリアパーチャー94を通して、バルブ本体部46の中へ挿入され得る。ドラムアッセンブリ92が本体部46の外側で組み立てられ得るので、本体部46は、単一のドラムアッセンブリアパーチャー94だけを必要とし、また、本体部46の他方の側は、第2のシャフト58がその中を通過することを可能にするのに十分なサイズの第2のシャフトアパーチャー(図示せず)だけを必要とする。したがって、ドラムアッセンブリ92が、
図9に示されているように、本体部46の中へ挿入されるときに、第2のシャフト58は、
図10に示されているようにドラムアッセンブリ92が本体部46の中に完全に着座させられるまで、本体部46の第2のシャフトアパーチャーを通過する。そうするとすぐに、ボンネット96が、また
図10に示されているように、第1のシャフト56の上方に設置され得、ボンネット96が、本体部46に付着され得、ドラムアッセンブリアパーチャー94をシールするようになっている。当技術分野で知られているように、適当な軸受、グランドパッキン、およびグランドフォロワーが、第1のシャフト56および第2のシャフト58が通過する残りの開口部の周りに所望のシールを実現するために使用され得る。
【0063】
ドラムアッセンブリが本体部46の中に固定され、ボンネット96が本体部に付着されると、耐火コーン50が、
図11および
図12に示されているように、上側入口部エリア48の中へセットされ得る。
図11に見ることができるように、耐火コーン50の下側部分は、外側円筒形状ドラム62の外側表面に対応するように形状決めされ得る。上記に議論されているように、ロータリーバルブは、バルブ本体部46、内側円筒形状ドラム60、および外側円筒形状ドラム62の全体的なサイズを修正することなく、内側円筒形状ドラム60のフローアパーチャー64のサイズ、ならびに、外側円筒形状ドラム62の上側フローアパーチャー70および下側フローアパーチャー72のサイズを低減させることによって、より小さいパイプラインサイズを有するFCCUとともに使用され得る。しかし、同様に、それに対応して、耐火コーン50の内径を低減させることも望ましい可能性がある。いずれにしても、耐火コーン50が適切な場所になると、バルブ40は、上部フランジ42および底部フランジ44を、バルブ40の上方および下方においてFCCUパイプラインに取り付けられている対応するフランジに固定することによって、FCCUパイプラインに取り付けられ得る。その後に、第1の電気油圧式ローテーター52を伴って
図13に図示されているように、第1の電気油圧式ローテーター52および第2の電気油圧式ローテーター54が、それぞれ、第1のシャフト56および第2のシャフト58に取り付けられ得る。代替的に、バルブ40がFCCUパイプラインに取り付けられる前に、第1の電気油圧式ローテーター52および第2の電気油圧式ローテーター54は、それぞれ、第1のシャフト56および第2のシャフト58に取り付けられ得る。
【0064】
ロータリーバルブ40の分解は、上記に概説されたステップを逆にすることによって進行することが可能である。
【0065】
図14は、
図4の断面に直交して断面をとられた、完全に組み立てられたロータリーバルブ40の斜視図を示している。この図は、耐火コーン50、内側円筒形状ドラム60のフローアパーチャー64、ならびに、外側円筒形状ドラム62の上側フローアパーチャー70および下側フローアパーチャー72が、どのように、ロータリーバルブ40を通る材料流路を形成する役割を一緒に果たすかということを示す役割を果たしている。
【0066】
図15~
図24は、
図14に示されている同じ断面に沿ってとられたロータリーバルブ40の断面図を示している。これらの図は、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が、ロータリーバルブ40によってフロー制御を提供するために、どのように逆回転するかということを示している。
図15は、その完全に開いた状態におけるロータリーバルブ40を示しており、その完全に開いた状態では、ドラム60、62のそれぞれの流路は、完全に垂直方向になっており、それぞれの後続の図は、直前の図とは対照的に、追加的に5度だけ回転させられた内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62を示している。したがって、
図16は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に5度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図17は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に10度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図18は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に15度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図19は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に20度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図20は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に25度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図21は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に30度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図22は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に35度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図23は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に40度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示しており、
図24は、それらのそれぞれの流路が垂直方向から反対側方向に45度の位置にある状態に回転させられたドラム60、62を示している。当然のことながら、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のうちのいずれかまたは両方は、流路の所望のフロー特性を提供するために望まれる任意の途中の回転位置まで回転させられ得るということが認識されることとなる。
【0067】
内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が逆回転するときに、それぞれのドラム60、62の前縁部98が、FCCUパイプラインを通って流れる材料に、より完全に露出され、前縁部98は、より多くの摩耗を受けるようになる。一方、それらのそれぞれの開口部を隔てて前縁部98の向かい側にあるそれぞれのドラム60、62の縁部100(
図16に識別されている)は、比較的に保護されており、したがって、前縁部98よりも少ない摩耗を受ける。同様に、それぞれのドラム60、62の下側縁部102(また、
図16に識別されている)は、また、前縁部98よりも少ない摩耗を受ける。したがって、内側円筒形状ドラム60および/もしくは外側円筒形状ドラム62を、
図16~
図24に示されている方向とは反対側の方向に回転させることによって、または、内側円筒形状ドラム60および/もしくは外側円筒形状ドラム62を、
図15に示されている位置から180度回転させ、次いで、
図16~
図24に示されている様式で、および/もしくは、反対側方向に、それぞれのドラム60、62を回転させることによって、より保護された縁部100、102が、後に前縁部98になることが可能である。したがって、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62の対称性は、ロータリーバルブ40が時間の経過に伴う摩耗により良好に対処することができるメカニズムを提供する。
【0068】
摩耗が起こるときでも、ロータリーバルブ40は、前縁部98の摩耗を考慮するために、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62の逆回転を単純に修正することによって、そのような摩耗を補償するように調整され得り、また、バルブの所望のフロー制御を実現するように調整され得る。この追加的な理由のために、ロータリーバルブ40は、摩耗に起因する機能性の損失に極めて抵抗力があり、製油所オペレーターに追加的な節約を提供することとなる。
【0069】
図15~
図24に見ることができるように、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が回転させられているときに、材料流路の上側開口部および下側開口部は、比較的に急速に制限され、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62を通る流路が、より複雑になる。これらの効果の組み合わせは、かなりのフロー制御能力をロータリーバルブ40に提供する。追加的に、ロータリーバルブ40が、典型的には、完全にオフの位置(たとえば、
図24)において使用されることとはならないということが予想されるとしても、フローは、内側円筒形状ドラム60と外側円筒形状ドラム62との間の45度の逆回転のみによって、ロータリーバルブ45の中で本質的に完全に中断されるということが、
図15~
図24から留意され得る。上側フローアパーチャー70、フローアパーチャー64、および下側フローアパーチャー72が、FCCUパイプライン内径に適合するようにサイズが低減されている場合では、フローの完全な中断が、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のより少ない逆回転でも実現されることとなるということが留意されるべきである。したがって、フロー制御を修正するために必要とされる比較的に最小の逆回転は、ロータリーバルブ40が最小入力流体または動力によって動作されることを可能にし、上記に議論されているように、ロータリーバルブ40を動作させるために必要とされる動作機械を低減させる。
【0070】
ロータリーバルブ40は、バルブ40、内側円筒形状ドラム60、および外側円筒形状ドラムの状態をオペレーターに伝えるために、適当な感覚的で信号を発する特徴を含むことが可能である。たとえば、電子的なフィードバックセンサーまたは他の装置は、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が、それぞれ、たとえば、全開流路から22度の角度にあるということを、制御システムに知らせることが可能である。制御システムは、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のそれぞれを調節するために、そのような情報を使用することが可能である。追加的にまたは代替的に、制御システムは、随意的に、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62について受信される情報を使用し、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が、それらが回転させられているどのような角度においても、それぞれ等しい量だけ回転させられるということを保証することが可能である。
【0071】
内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62の位置に関する情報を提供するために、ロータリーバルブ40の中に含まれている電子センサーまたは他のセンサーに加えて、または、代替的に、物理的なマーキングが、ロータリーバルブ40の一部分に提供され、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62の位置の迅速な物理的な目視検査を可能にすることができる。たとえば、マーキングは、第1のシャフト56、第2のシャフト58、第1の電気油圧式ローテーター52、および/または第2の電気油圧式ローテーター54の視覚的な部分に行われ得、それは、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のそれぞれの角度の素早い視覚的確認を可能にする。
【0072】
内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62が、
図15~
図24に示されているように、常に等しい量だけ逆回転させられるように、ロータリーバルブ40は使用され得るが、外側円筒形状ドラム62が回転させられている量とは異なる量だけ、内側円筒形状ドラム60が回転させられる状態で、ロータリーバルブ40が異なって使用され得るということが認識されるべきである。追加的に、ロータリーバルブ40のフロー制御は、応答性が良いようなものではない可能性があるが、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のうちの一方だけが回転させられることを必要とするか、または、両方が、逆回転させられる代わりに同じ方向に回転させられることも可能である。
【0073】
ロータリーバルブ40がそのさまざまなコンポーネントの特定の形状およびサイズに関して説明されてきたが、さまざまなコンポーネントの形状およびサイズが、同様の機能を維持しながら変更され得るということが認識されるべきである。たとえば、内側円筒形状ドラム60は、すべての実施形態において、厳格に円筒形状である必要はない。その代わりに、内側円筒形状ドラム60は、第1のシャフト56に取り付けられている端部においてわずかに大きい直径を有するように、わずかにテーパーが付けられ得る。そのような実施形態では、円筒形状のボア66は、内側円筒形状ドラム60をその中にぴったりと受け入れるように、それに対応して形状決めされることとなる。そのようなテーパーを付けることは、ドラムアッセンブリ92の組み立ての間の内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のアライメントを促進させることが可能である。同様に、内側円筒形状ドラム60の端部は四角にされる必要はなく、たとえば、ドラムアッセンブリ92の組み立ての間の内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62のアライメントを促進させるために、または、内側円筒形状ドラム60の重量を低減させるためなどに、異なる形状を有することも可能である。
【0074】
同様の方式で、外側円筒形状ドラム62は、すべての実施形態において、厳格に円筒形状である必要はない。その代わりに、外側円筒形状ドラム62は、第2のシャフト58に取り付けられている端部においてわずかに小さい直径を有するように、わずかにテーパーが付けられ得る。そのような実施形態では、本体部46は、外側円筒形状ドラム62を(ドラムアッセンブリ92の一部として)その中にぴったりと受け入れるように、それに対応して形状決めされることとなる。そのようなテーパーを付けることは、バルブ40の組み立ての間のドラムアッセンブリ92および本体部46のアライメントを促進させることが可能である。同様に、外側円筒形状ドラム62の端部は四角にされる必要はなく、たとえば、外側円筒形状ドラム62の重量を低減させるためなど、任意の所望の理由のために、異なる形状を有することも可能である。
【0075】
例示目的のロータリーバルブ40は、内側円筒形状ドラム60および外側円筒形状ドラム62の両方を含むが、ロータリーバルブの特定の実施形態は、単一の円筒形状ドラムだけを有することも可能である。そのような実施形態は、本明細書で図示および議論されているロータリーバルブ40の利点のすべてを提供しない可能性があるが、そのような実施形態は、依然として、従来のスライドバルブを上回るかなりの利点を提供することが可能である。
【0076】
本発明は、その要旨または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。説明されている実施形態は、単なる例示目的のものであり、限定的ではないものとして、すべての点において考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、先述の説明によってというよりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の均等性の意味および範囲の中に入るすべての変化は、それらの範囲の中に包含されるべきである。