(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】センサ対応型創傷被覆材のための構成要素配置および応力緩和
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230301BHJP
A61F 13/00 20060101ALI20230301BHJP
A61M 27/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61F13/00 301C
A61F13/00 301Z
A61F13/00 355Z
A61M27/00
A61B5/00 M
(21)【出願番号】P 2019555440
(86)(22)【出願日】2018-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2018059333
(87)【国際公開番号】W WO2018189265
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-12
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エマ・リアン・コール
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ケネス・フレイジャー・グルージョン・ハント
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・クラレンス・キンタナル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・リー・スチュワード
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0116485(US,A1)
【文献】特表2017-502762(JP,A)
【文献】特表2015-523181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0306407(US,A1)
【文献】特表2012-532642(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0015962(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/01
A61F 13/00 -13/14
A61F 15/00 -17/00
A61F 2/82 - 2/97
A61M 25/00 -29/04
A61M 35/00 -36/08
A61M 37/00
A61M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷の監視及び治療のうち少なくとも1つを実施するための装置であって、
創傷に面する側および前記創傷に面する側に対向する非創傷面側を含む、実質的に伸縮可能な
単一の基材を含む創傷被覆材であって、前記基材の前記創傷に面する側が創傷と接触して位置付けられるように構成される、創傷被覆材を含み、
前記基材の前記創傷に面する側が、創傷の監視及び治療のうち少なくとも1つを実行するために利用される複数の電子構成要素および前記複数の前記電子構成要素の少なくとも一部を接続する複数の電子接続を支持し、
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する、前記基材の前記創傷に面する側が、前記複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持するまたは囲む実質的に非伸縮性の材料の領域を含み、前記少なくとも一つの電子構成要素が、前記複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する接着材料で、実質的に非伸縮性の材料の前記領域に取り付けられる、装置。
【請求項2】
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する前記基材の前記創傷に面する側が、前記少なくとも一つの電子構成要素及び前記複数の電子接続からの少なくとも一つの前記電子接続のうちの少なくとも一方を支持する、実質的に非伸縮性の材料のさらなる領域を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を覆う相似被覆をさらに含み、前記相似被覆が、流体が前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成され、任意で、前記相似被覆が、前記基材を被包している、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記基材が熱可塑性ポリウレタンで形成され、前記相似被覆がウレタンから形成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記基材が、陰圧が前記創傷に加えられた時に流体が前記基材を通過できるように構成された複数の穿孔を含む、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記複数の穿孔が、前記創傷から除去された流体が前記創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが前記基材を通過するのを可能にするようにさらに構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記基材の前記創傷に面する側が、前記創傷内の前記少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された接着材料の領域を含む、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの電子構成要素が、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数を備える、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
複数の電子接続が複数の電気トレースを含む、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記創傷被覆材と流体接続するように構成される陰圧源をさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記創傷被覆材が、前記基材の前記非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、前記吸収層の上に位置付けられた裏当て層と、を含む、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記基材が前記裏当て層に封止される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記裏当て層上のポートをさらに含み、前記ポートが、前記創傷被覆材を陰圧源に流体接続するように構成される、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月11日出願の米国特許出願第62/484,316号、2017年4月11日出願の米国特許出願第62/484,321号、2017年6月25日出願の米国特許出願第62/524,564号、および、2018年1月3日出願の英国特許出願第1800057.0号に対する優先権を主張し、そのそれぞれの開示全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、例えば、陰圧創傷療法または非陰圧創傷療法と組み合わせた被覆材を用いた、創傷を治療するための装置、システム、および方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
様々な種類の創傷被覆材が、ヒトまたは動物の治癒過程を補助するものとして公知である。様々な種類の創傷被覆材には、様々な種類の材料及び層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。局所陰圧(TNP)療法は、真空補助閉鎖療法、陰圧創傷療法(NPWT)、または減圧創傷療法とも称されることがあり、創傷の治癒率を改善するための有益な機構として広く認識されている。こうした療法は、切開創傷、開放創、及び腹部創などの広範な創傷に適用することができる。
【0004】
しかしながら、陰圧創傷療法または他の創傷療法において使用する、従来技術の被覆材によって、被覆材の下方にある創傷部位はほとんど可視化されず、またはその状態に関する情報はほとんど提供されない。このため、臨床医が創傷の治癒および状態を視診することを可能にするために、創傷が所望するレベルまで治癒する前に、または吸収性被覆材の場合は、被覆材の全吸収容量に達する前に、時期を早めて被覆材を交換する必要があり得る。現行の被覆材には、創傷の状態に関する情報を提供する方法または特徴が、限定されているまたは十分でないものがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の実施形態は、単に例示として、添付図面を参照して、ここで以下に記載される。
【0006】
【
図1】
図1Aは、いくつかの実施形態による、陰圧創傷療法システムを示す。
図1Bは、いくつかの実施形態による創傷被覆材を図示する。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、創傷被覆材に組み込まれるセンサの設置を示す、センサアレイを示す。
【
図3A】
図3Aは、一部の実施形態に従い、センサアレイ部分、尾部分およびコネクタパッド端部分を含む、可撓性センサアレイを示す。
【
図3B-1】
図3Bは、いくつかの実施形態による、様々なセンサアレイの幾何学形状を有する可撓性の回路基板を示す。
【
図3B-2】
図3Bは、いくつかの実施形態による、様々なセンサアレイの幾何学形状を有する可撓性の回路基板を示す。
【
図3D】
図3Dは、一部の実施形態に従い、穿孔創傷接触層に組み込まれる可撓性センサアレイを示す。
【
図3E-1】
図3Eは、一部の実施形態に従う、コントロールモジュールを示す。
【
図3E-2】
図3Eは、一部の実施形態に従う、コントロールモジュールを示す。
【
図3E-3】
図3Eは、一部の実施形態に従う、コントロールモジュールを示す。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図4E】
図4Eは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図4F】
図4Fは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図5C】
図5Cは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図5D】
図5Dは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を示す。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を作製するためのプロセスを示す。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を作製するためのプロセスを示す。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を作製するためのプロセスを示す。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材を作製するためのプロセスを示す。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、インデックス付けを示す。
【発明の概要】
【0007】
いくつかの実装では、創傷監視装置および/または治療装置は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む、実質的に伸縮可能な創傷接触層を有する創傷被覆材を含み、創傷接触層の創傷に面する側が創傷に接触して位置付けられるよう構成され、創傷接触層の創傷に面する側または非創傷面側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素のうちの少なくともいくつかを接続する複数の電子接続とを支持し、創傷接触層の創傷に面する側または非創傷面側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を含む複数の電子接続と、を支持する。少なくとも一つの電子構成要素は、接着材料を有する実質的に非伸縮性の材料の第一の領域に取り付けられうる。
【0008】
上記の段落に記載の装置は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する、創傷接触層の創傷に面する側または創傷に面しない側は、複数の電子接続からの少なくとも一つの電子接続を支持する、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を含み得る。創傷接触層が、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する基材と、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続を覆う相似被覆と、を含み、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素および複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成される。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成され得る。創傷接触層は、陰圧が創傷に加えられた時に流体が創傷接触層を通過できるように構成された複数の穿孔を含み得る。複数の穿孔が、創傷から除去された流体が創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが創傷接触層を通過するのを可能にするようにさらに構成され得る。
【0009】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、創傷内の少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された追加的な接着材料の領域を含み得る。複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する、創傷接触層の創傷に面する側または創傷に面しない側は、少なくとも一つの電子構成要素を囲む、実質的に非伸縮性の材料の第三の領域を含み得る。少なくとも一つの電子構成要素は、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数であってもよい。複数の電子接続は、複数の電気トレースを含み得る。装置は、創傷被覆材と流体接続するように構成される、陰圧源を含み得る。創傷被覆材は、創傷接触層の非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、吸収層の上に位置付けられた裏当て層とをさらに含み得る。創傷接触層は裏当て層に封止され得る。裏当て層は、創傷被覆材を陰圧源に流体接続するように構成されたポートを含み得る。接着材料または追加的接着材料のうちの少なくとも一つは、熱硬化性であり得る。創傷接触層の少なくとも創傷に面する側は、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持することができる。創傷接触層の少なくとも非創傷面側は、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持することができる。
【0010】
いくつかの実装では、創傷被覆材を製造する方法は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む実質的に伸縮可能な創傷接触層を提供することであって、創傷接触層の創傷に面する側が、創傷に接触して位置付けられるよう構成される、提供することと、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を創傷接触層の創傷に面する側または非創傷面側上に位置付けることと、接着材料を第一の領域の少なくとも一部分に位置付けることと、複数の電子構成要素および複数の電子接続を創傷接触層の創傷に面する側または非創傷面側上に位置付けることと、を含む。複数の電子構成要素からの少なくとも一つの電子構成要素が、実質的に非伸縮性の材料の第一の領域によって支持され、少なくとも一つの電子構成要素が接着材料で実質的に非伸縮性の材料の第一の領域に取り付けられうる。
【0011】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りに基材を穿孔することと、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、追加的接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することをさらに含み、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される。
【0012】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法はさらに、追加的接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することを含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することであって、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成されるように、適用することと、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔することと、をさらに含み得る。
【0013】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。方法はさらに、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を、創傷接触層の創傷に面する側または非創傷面側上に位置付けることと、第二の領域上の複数の電子接続から少なくとも一つの電子接続を支持することと、をさらに含み得る。
【0014】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する、創傷接触層の創傷に面する側または非創傷面側上に位置する、実質的に非伸縮性の材料の第三の領域によって、少なくとも一つの電子構成要素を囲むことをさらに含み得る。方法は、創傷接触層を少なくとも一つの切断線に沿って切断して、複数の電子構成要素および複数の電子接続を含む創傷接触層の領域を分離することと、創傷接触層の領域を、吸収層または裏当て層の一つまたは複数に取り付け、創傷被覆材を形成することと、をさらに含み得る。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成され得る。方法は、接着材料または追加的接着材料のうちの少なくとも一つを硬化させることをさらに含み得る。方法は、少なくとも一つの電子構成要素を、一つまたは複数の電子接続の少なくとも一つの電子接続にはんだ付けする間に、接着材料を熱硬化させることをさらに含み得る。複数の電子構成要素および複数の電子接続は、創傷接触層の少なくとも創傷に面する側上に位置付けられ得る。複数の電子構成要素および複数の電子接続は、創傷接触層の少なくとも非創傷面側上に位置付けられ得る。
【0015】
いくつかの実装では、創傷治療装置は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む、実質的に伸縮可能な創傷接触層を有する創傷被覆材を含み、創傷接触層の創傷に面する側が創傷に接触して位置付けられるよう構成され、創傷接触層の非創傷面側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素のうちの少なくともいくつかを接続する複数の電子接続とを支持し、創傷接触層の非創傷面側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を含む。
【0016】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の非創傷面側は、複数の電子接続からの少なくとも一つの電子接続を支持する実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を含み得る。創傷接触層が、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する基材と、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続を覆う相似被覆と、を含み、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素および複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成される。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成され得る。創傷接触層は、陰圧が創傷に加えられた時に流体が創傷接触層を通過できるように構成された複数の穿孔を含み得る。複数の穿孔が、創傷から除去された流体が創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが創傷接触層を通過するのを可能にするようにさらに構成され得る。創傷接触層の創傷に面する側は、創傷内の少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された接着材料の領域を含み得る。創傷接触層の非創傷面側は、少なくとも一つの電子構成要素を囲む実質的に非伸縮性の材料の第三の領域を含み得る。
【0017】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。少なくとも一つの電子構成要素は、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数を含む。複数の電子接続は、複数の電気トレースを含み得る。装置は、創傷被覆材と流体接続するように構成される、陰圧源を含み得る。創傷被覆材は、創傷接触層の非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、吸収層の上に位置付けられた裏当て層とをさらに含み得る。創傷接触層は裏当て層に封止され得る。装置は裏当て層上にポートをさらに含むことができ、ポートは、創傷被覆材を陰圧の源に接続するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材を製造する方法は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む実質的に伸縮可能な創傷接触層を提供することであって、創傷接触層の創傷に面する側が、創傷に接触して位置付けられるよう構成される、提供することと、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を創傷接触層の非創傷面側上に位置付けることと、複数の電子構成要素および複数の電子接続を、創傷接触層の非創傷面側上に位置付けることと、を含み、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素が、実質的に非伸縮性材料の第一の領域によって支持される。
【0019】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りに基材を穿孔することと、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することをさらに含み、接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される。方法はさらに、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。
【0020】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することであって、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成されるように、適用することと、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔することと、をさらに含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。方法はさらに、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。
【0021】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を、創傷接触層の非創傷面側上に位置付けることと、第二の領域上の複数の電子接続から少なくとも一つの電子接続を支持することと、をさらに含み得る。方法は、創傷接触層の非創傷面側上に位置する実質的に非伸縮性の材料の第三の領域によって少なくとも一つの電子構成要素を囲むことをさらに含み得る。方法は、創傷接触層を少なくとも一つの切断線に沿って切断して、複数の電子構成要素および複数の電子接続を含む創傷接触層の領域を分離することと、創傷接触層の領域を、吸収層または裏当て層の一つまたは複数に取り付け、創傷被覆材を形成することと、をさらに含み得る。基材は熱可塑性ポリウレタンであってもよく、また相似被覆はウレタンから形成され得る。
【0022】
いくつかの実装では、創傷治療装置は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む、実質的に伸縮可能な創傷接触層を有する創傷被覆材を含み、創傷接触層の創傷に面する側が創傷に接触して位置付けられるよう構成され、創傷接触層の創傷に面する側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素のうちの少なくともいくつかを接続する複数の電子接続とを支持し、創傷接触層の創傷に面する側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を含む。
【0023】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、複数の電子接続からの少なくとも一つの電子接続を支持する実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を含み得る。創傷接触層が、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する基材と、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続を覆う相似被覆と、を含み、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素および複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成される。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成され得る。創傷接触層は、陰圧が創傷に加えられた時に流体が創傷接触層を通過できるように構成された複数の穿孔を含み得る。複数の穿孔が、創傷から除去された流体が創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが創傷接触層を通過するのを可能にするようにさらに構成され得る。
【0024】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、創傷内の少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された接着材料の領域を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、少なくとも一つの電子構成要素を囲む実質的に非伸縮性の材料の第三の領域を含み得る。少なくとも一つの電子構成要素は、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数を含み得る。複数の電子接続は、複数の電気トレースを含み得る。装置は、創傷被覆材と流体接続するように構成される、陰圧源をさらに含み得る。創傷被覆材は、創傷接触層の非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、吸収層の上に位置付けられた裏当て層とを含み得る。創傷接触層は裏当て層に封止され得る。装置は裏当て層上にポートをさらに含むことができ、ポートは、創傷被覆材を陰圧の源に接続するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材を製造する方法は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む実質的に伸縮可能な創傷接触層を提供することであって、創傷接触層の創傷に面する側が、創傷に接触して位置付けられるよう構成される、提供することと、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、複数の電子構成要素および複数の電子接続を、創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、を含み、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素が、実質的に非伸縮性材料の第一の領域によって支持される。
【0026】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りに基材を穿孔することと、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することを含み、接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される。方法は、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。
【0027】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することであって、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成されるように、適用することと、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔することと、を含み得る。方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。方法は、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。
【0028】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法は、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を、創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、第二の領域上の複数の電子接続から少なくとも一つの電子接続を支持することと、を含み得る。方法は、創傷接触層の創傷に面する側上に位置する実質的に非伸縮性の材料の第三の領域によって少なくとも一つの電子構成要素を囲むことを含み得る。方法は、創傷接触層を少なくとも一つの切断線に沿って切断して、複数の電子構成要素および複数の電子接続を含む創傷接触層の領域を分離することと、創傷接触層の領域を、吸収層または裏当て層の一つまたは複数に取り付け、創傷被覆材を形成することと、を含み得る。基材は熱可塑性ポリウレタンであってもよく、また相似被覆はウレタンから形成され得る。
【0029】
いくつかの実装では、創傷治療装置は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む、実質的に伸縮可能な創傷接触層を有する創傷被覆材を含み、創傷接触層の創傷に面する側が創傷に接触して位置付けられるよう構成され、創傷接触層の創傷に面する側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素のうちの少なくともいくつかを接続する複数の電子接続とを支持し、創傷接触層の創傷に面する側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を含み、少なくとも一つの電子構成要素が、接着材料を有する実質的に非伸縮性の材料の第一の領域に取り付けられる。
【0030】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、複数の電子接続からの少なくとも一つの電子接続を支持する実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を含み得る。創傷接触層が、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する基材と、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続を覆う相似被覆と、を含み、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素および複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成される。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成され得る。創傷接触層は、陰圧が創傷に加えられた時に流体が創傷接触層を通過できるように構成された複数の穿孔を含み得る。複数の穿孔が、創傷から除去された流体が創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが創傷接触層を通過するのを可能にするようにさらに構成され得る。
【0031】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、創傷内の少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された追加的な接着材料の領域を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、少なくとも一つの電子構成要素を囲む実質的に非伸縮性の材料の第三の領域を含み得る。少なくとも一つの電子構成要素は、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数を含み得る。複数の電子接続は、複数の電気トレースを含み得る。装置は、創傷被覆材と流体接続するように構成される、陰圧源をさらに含み得る。創傷被覆材は、創傷接触層の非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、吸収層の上に位置付けられた裏当て層とを含み得る。創傷接触層は裏当て層に封止され得る。装置は裏当て層上にポートをさらに含むことができ、ポートは、創傷被覆材を陰圧の源に接続するように構成される。接着材料は熱硬化性でありうる。
【0032】
いくつかの実装では、創傷被覆材を製造する方法は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む実質的に伸縮可能な創傷接触層を提供することであって、創傷接触層の創傷に面する側が、創傷に接触して位置付けられるよう構成される、提供することと、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、複数の電子構成要素および複数の電子接続を、創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、を含み、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素が、実質的に非伸縮性材料の第一の領域によって支持され、少なくとも一つの電子構成要素が、接着材料を有する実質的に非伸縮性の材料の第一の領域に取り付けられる。
【0033】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りに基材を穿孔することと、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。
【0034】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法は、追加的接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することをさらに含み、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される。方法はさらに、追加的接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することを含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することであって、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成されるように、適用することと、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔することと、をさらに含み得る。
【0035】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。方法はさらに、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。
【0036】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法は、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を、創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、第二の領域上の複数の電子接続から少なくとも一つの電子接続を支持することと、をさらに含み得る。方法は、創傷接触層の創傷に面する側上に位置する実質的に非伸縮性の材料の第三の領域によって少なくとも一つの電子構成要素を囲むことをさらに含み得る。方法は、創傷接触層を少なくとも一つの切断線に沿って切断して、複数の電子構成要素および複数の電子接続を含む創傷接触層の領域を分離することと、創傷接触層の領域を、吸収層または裏当て層の一つまたは複数に取り付け、創傷被覆材を形成することと、をさらに含み得る。基材は熱可塑性ポリウレタンであってもよく、また相似被覆はウレタンから形成され得る。接着材料は熱硬化性でありうる。
【0037】
いくつかの実装では、創傷監視および/または治療装置は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを有する、実質的に伸縮可能な創傷接触層を有する創傷被覆材を含み、創傷接触層の創傷に面する側が創傷に接触して位置付けられるよう構成され、創傷接触層の少なくとも創傷に面する側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素のうちの少なくともいくつかを接続する複数の電子接続とを支持し、創傷接触層の創傷に面する側が、複数の電子構成要素と、複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を含む。少なくとも一つの電子構成要素は、接着材料を有する実質的に非伸縮性の材料の第一の領域に取り付けられうる。
【0038】
上記の段落に記載の装置は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、複数の電子接続からの少なくとも一つの電子接続を支持する実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を含み得る。創傷接触層が、複数の電子構成要素および複数の電子接続を支持する基材と、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続を覆う相似被覆と、を含み、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素および複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成される。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成される。創傷接触層は、陰圧が創傷に加えられた時に流体が創傷接触層を通過できるように構成された複数の穿孔を含み得る。複数の穿孔が、創傷から除去された流体が創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが創傷接触層を通過するのを可能にするようにさらに構成され得る。
【0039】
上記のいずれかの段落に記載の装置は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、創傷内の少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された追加的な接着材料の領域を含み得る。創傷接触層の創傷に面する側は、少なくとも一つの電子構成要素を囲む実質的に非伸縮性の材料の第三の領域を含み得る。少なくとも一つの電子構成要素は、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数であってもよい。複数の電子接続は、複数の電気トレースを含み得る。装置は、創傷被覆材と流体接続するように構成される、陰圧源を含み得る。創傷被覆材は、創傷接触層の非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、吸収層の上に位置付けられた裏当て層とをさらに含み得る。創傷接触層は裏当て層に封止され得る。裏当て層は、創傷被覆材を陰圧源に流体接続するように構成されたポートを含み得る。接着材料または追加的接着材料のうちの少なくとも一つは、熱硬化性であり得る。
【0040】
いくつかの実装では、創傷被覆材を製造する方法は、創傷に面する側と、創傷に面する側に対向する非創傷面側とを含む実質的に伸縮可能な創傷接触層を提供することであって、創傷接触層の創傷に面する側が、創傷に接触して位置付けられるよう構成される、提供することと、実質的に非伸縮性材料の第一の領域を創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、接着材料を第一の領域の少なくとも一部分に位置付けることと、複数の電子構成要素および複数の電子接続を創傷接触層の少なくとも創傷に面する側上に位置付けることと、を含む。複数の電子構成要素からの少なくとも一つの電子構成要素が、実質的に非伸縮性の材料の第一の領域によって支持され、少なくとも一つの電子構成要素が接着材料で実質的に非伸縮性の材料の第一の領域に取り付けられうる。
【0041】
上記の段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りに基材を穿孔することと、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、追加的接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することをさらに含み、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される。
【0042】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法はさらに、追加的接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することを含み得る。創傷接触層は基材を含み得、方法は、少なくとも複数の電子構成要素および複数の電子接続上に相似被覆を適用することであって、相似被覆が、流体が複数の電子構成要素と複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することとをさらに含み得る。方法は、接着材料の領域を、創傷接触層の創傷に面する側に適用することであって、追加的接着材料が創傷内に少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成されるように、適用することと、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔することと、をさらに含み得る。
【0043】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法はさらに、複数の電子構成要素および複数の電子接続の周りで基材を穿孔する前に、基材上の複数の電子構成要素および複数の電子接続の複数の場所を識別することを含み得る。方法はさらに、接着材料の領域を適用する前に、少なくとも一つの電子構成要素の位置を識別することをさらに含み得る。複数の位置を識別することは、基材上に位置するRFIDチップもしくはアンテナの位置、または基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含み得る。方法は、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を、創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けることと、第二の領域上の複数の電子接続から少なくとも一つの電子接続を支持することと、をさらに含み得る。
【0044】
上記のいずれかの段落に記載の方法は、次の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法は、創傷接触層の創傷に面する側上に位置する実質的に非伸縮性の材料の第三の領域によって少なくとも一つの電子構成要素を囲むことをさらに含み得る。方法は、創傷接触層を少なくとも一つの切断線に沿って切断して、複数の電子構成要素および複数の電子接続を含む創傷接触層の領域を分離することと、創傷接触層の領域を、吸収層または裏当て層の一つまたは複数に取り付け、創傷被覆材を形成することと、をさらに含み得る。基材は熱可塑性ポリウレタンから形成され、相似被覆はウレタンから形成される。方法は、接着材料または追加的接着材料のうちの少なくとも一つを硬化させることをさらに含み得る。方法は、少なくとも一つの電子構成要素を、一つまたは複数の電子接続の少なくとも一つの電子接続にはんだ付けする間に、接着材料を熱硬化させることをさらに含み得る。
【0045】
監視および/または治療システム実施形態および/または以下に開示される創傷被覆材実施形態のいずれも含むがこれらに限定しないものとし、本出願に開示された配置または実施形態のいずれかの特徴、構成要素、または詳細のいずれも、新しい配置および実施形態を形成するよう本明細書に開示された配置または実施形態のいずれかのその他の特徴、構成要素、または詳細のいずれとも相互に組み合わせ可能である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書に開示する実施形態は、例えば、陰圧の源、ならびに創傷被覆材構成要素および装置を含む、減圧して、もしくは減圧せずに創傷を治療する装置および方法に関する。創傷オーバーレイおよびパッキング材料、または、存在する場合には内層を含む、装置および構成要素は、時に総称して被覆材と呼ばれる。一部の実施形態では、創傷被覆材は、減圧せずに利用されるように提供され得る。
【0047】
本明細書に開示する一部の実施形態は、ヒトまたは動物の体に対する創傷療法に関する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。開示された技術実施形態は、生理学的組織または生体組織への損傷を防止するかまたは最小化すること、あるいは、損傷した組織(例えば、本明細書に記載される創傷など)の治療に関し得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「創傷」という表現は、切創、殴打、または皮膚が切断または損傷される典型的なものといった、その他の衝撃によって引き起こされ得る、生体組織に対する負傷を含み得る。創傷は、慢性または急性損傷であり得る。急性創傷は、手術または外傷の結果として生じる。これらは、予測される期間内に、段階的な治癒を経ていく。慢性創傷は一般的に、急性創傷から始まる。急性創傷は、段階的な治癒を経ず、結果的に回復が延びることになる場合に、慢性創傷となり得る。当然のことながら、患者の免疫力が損なわれたことによって、急性創傷から慢性創傷への移行が起こり得る。
【0049】
慢性創傷には、例えば、慢性創傷の大部分を占め、主に高齢者に影響する静脈性潰瘍(脚で発生するものなど)、糖尿病性潰瘍(例えば、足または足首潰瘍)、周辺動脈疾患、褥瘡、または、表皮解析球症(EB)を含み得る。
【0050】
その他の創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0051】
創傷には深部組織損傷も含まれ得る。深部組織傷害は、米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)によって提唱された用語であり、褥瘡の特異な形態を記述するものである。これらの潰瘍は長年、紫色圧潰瘍、悪化する可能性が高い潰瘍、骨張った骨突起部上の打撲、といった用語を用いて臨床医によって説明されてきた。
【0052】
創傷はまた、本明細書に記載されるように、創傷になる恐れのある組織を含み得る。例えば、恐れのある組織は、骨性突起にわたる組織(深部組織損傷/傷害の恐れのある)、または、(例えば、関節置換/外科的修正/復元のために)切断される可能性を有し得る術前組織(例えば、膝部組織)を含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される技術を、高度な履物、患者を回転させる、オフロードする(例えば、糖尿病性足潰瘍をオフロードする、など)、感染症の治療、システミックス(systemix)、治療の処理、抗菌物質、構成物質、外科手術、組織の除去、血流への影響、理学療法、運動、入浴、栄養摂取、水分補給、神経刺激、超音波、電子刺激、酸素療法、マイクロ波療法、活性剤オゾン、抗生物質、抗菌物質、等のうちの一つまたは複数と併用して創傷を治療する方法に関する。
【0054】
あるいは、またはさらに、創傷は、局所陰圧、および/または、印加された陰圧を使用することによって補助されない、従来の高度な創傷治療(非陰圧療法と呼ばれる場合もある)を使用して治療され得る。
【0055】
高度な創傷治療には、吸収被覆材の使用、閉塞被覆材、創傷被覆材または付属物内における抗菌剤および/または創傷清拭剤の使用、パッド(例えば、靴下や包帯といった、緩衝または圧縮療法)、等が含まれ得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、そのような創傷の治療は、従来の創傷治療を使用して実施され得、創傷の治癒を促進および促進するために、創傷に被覆材が適用され得る。
【0057】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示されるように創傷被覆材を提供することを含む創傷被覆材を製造する方法に関する。
【0058】
開示された技術と併せて利用され得る創傷被覆材は、当該技術分野において既知の任意の被覆材を含む。本技術は、非陰圧療法治療と同じく、陰圧療法治療に適用可能である。
【0059】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、一つまたは複数の吸収性層を含む。吸収性層は、発泡体または超吸収性であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、多糖類または修飾多糖類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、コラーゲン、ゼラチン、またはそれらの混合物を含む被覆材層を含み得る。挙げられたポリマーを含む被覆材層は、陰圧療法または非陰圧療法のいずれかのための創傷被覆材層を形成するために有用であるとして、当技術分野で公知である。
【0061】
いくつかの実施形態では、ポリマーマトリクスは、多糖類または修飾多糖類であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ポリマーマトリクスは、セルロースであってもよい。セルロース材料は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロース(CEC)、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルスルホネートセルロース、セルロースアルキルスルホネート、またはそれらの混合物といった、親水性修飾セルロースを含み得る。
【0063】
特定の実施形態では、セルロース材料はセルロースアルキルスルホネートであってもよい。アルキルスルホネート置換基のアルキル部分は、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどの、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を有してもよい。アルキル部分は、分枝または非分枝であってもよく、従って、好適なプロピルスルホネート置換基は、1-または2-メチル-エチルスルホネートであってもよい。ブチルスルホネート置換基は、2-エチル-エチルスルホネート、2,2-ジメチル-エチルスルホネート、または1,2-ジメチル-エチルスルホネートであってもよい。アルキルスルホネート置換基は、エチルスルホネートであってもよい。セルロースアルキルスルホネートは、国際特許第10061225号、米国特許第2016/114074号、米国特許第2006/0142560号、または米国特許第5,703,225号に記載されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0064】
セルロースアルキルスルホナートは、様々な度合いの置換、セルロース骨格構造の鎖長、およびアルキルスルホナート置換基の構造を有してもよい。溶解性および吸収性は、置換の程度により、置換の程度が増大するほど、セルロースアルキルスルホナートはますます溶解性になる。溶解性が増加するにつれ、吸収性が増加するということになる。
【0065】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材はまた、上部またはカバー層を含む。
【0066】
本明細書に開示される創傷被覆材の厚さは、1mm~20mm、または2mm~10mm、または3mm~7mmであり得る。
【0067】
非陰圧創傷被覆材
いくつかの実施形態では、開示された技術は、非陰圧被覆材と併せて使用され得る。創傷部位に保護をもたらすのに好適な非陰圧創傷被覆材は、
【0068】
創傷滲出液を吸収するための吸収性層と、
【0069】
使用時に吸収性層によって吸収される創傷滲出物の視界を少なくとも部分的に遮断するための遮蔽要素と、を含み得る。
【0070】
遮蔽要素は部分的に半透明であってもよい。
【0071】
遮蔽要素はマスキング層であってもよい。
【0072】
非陰圧創傷被覆材は、吸収性層を見ることができるように遮蔽要素内またはそれに隣接した領域をさらに含み得る。例えば、遮蔽要素層は、吸収性層の中央領域の上には提供されるが、吸収層の境界領域の上には提供されなくてもよい。いくつかの実施形態では、遮断要素が親水性材料であるか、または親水性材料で被覆されている。
【0073】
遮蔽要素は、三次元編みスペーサ織物を含み得る。スペーサ織物は当該技術では既知であり、編みスペーサ織物層を含み得る。
【0074】
遮蔽要素は、被覆材を変更する必要性を示すためのインジケータをさらに含み得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、遮蔽要素は、少なくとも部分的に吸収性層の上に、使用中には吸収性層よりも創傷部位から遠くに、層として提供される。
【0076】
非陰圧創傷被覆材は、流体を、それを通して移動させることを可能にするための遮蔽要素に複数の開口部をさらに含み得る。遮蔽要素は、所定のサイズまたは重量の分子の通過を選択的に許容または防止するための、サイズ排除特性を有する材料を含んでもよく、またはその材料で被覆されてもよい。
【0077】
遮蔽要素は、600nm以下の波長を有する光放射を少なくとも部分的にマスクするように構成され得る。
【0078】
遮蔽要素は、50%以上、光吸収を減少させるように構成され得る。
【0079】
遮蔽要素は、CIEのL*値50以上、および必要に応じて70以上をもたらすように構成され得る。いくつかの実施形態では、遮蔽要素は、CIEのL*値70以上をもたらすように構成され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材は、創傷接触層、発泡層、臭気抑制要素、耐圧層、およびカバー層のうちの少なくとも一つをさらに含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、カバー層が存在し、カバー層は半透明フィルムである。通常、半透明フィルムは、24時間で500g/m2以上の透湿性を有する。
【0082】
半透明膜は細菌バリアであってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される非陰圧創傷被覆材は、創傷接触層を含み、吸収性層が創傷接触層の上にある。創傷接触層は、創傷部位の上に実質的に流体密封シールを形成するための接着部分を担持する。
【0084】
本明細書に開示される非陰圧創傷被覆材は、単一層として提供される遮断要素および吸収性層を含み得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される非陰圧創傷被覆材が発泡層を含み、遮断要素は、遮蔽要素の移動によって移動または破壊され得る構成要素を含む材料である。
【0086】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材が臭気抑制要素を含み、別の実施形態では、被覆材は臭気抑制要素を含まない。存在する場合、臭気抑制要素は、吸収性層または遮蔽要素内またはそれに隣接して分散されてもよい。あるいは、存在する場合、臭気抑制要素が、発泡層と吸収性層との間に挟まれた層として提供されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材のために開示された技術は、創傷被覆材を製造する方法を含み、その方法は、創傷滲出液を吸収するための吸収性層を提供することと、使用中に吸収性層によって吸収された創傷滲出液の視界を少なくとも部分的に遮断するための遮蔽要素を提供することと、を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材は、創傷部位での保護を提供することに好適であってもよく、創傷滲出液を吸収するための吸収性層と、吸収性層の上に、吸収性層よりも創傷被覆材の創傷に面する側から離れて提供される遮蔽層とを含む。遮蔽層は、吸収性層の上に直接提供されてもよい。いくつかの実施形態では、遮蔽層は、三次元スペーサ織物層を含む。
【0089】
遮蔽層は、被覆材に印加される圧力が25%以上移動される範囲、または、適用の初期範囲を増加させる。例えば、遮蔽層は、被覆材に印加される圧力が50%以上、必要に応じて100%以上、および必要に応じて200%以上、移動される範囲を増加させる。
【0090】
遮蔽層は、二つ以上のサブ層を含み得、第一のサブ層が貫通穴を含み、さらなるサブ層が貫通穴を含み、第一のサブ層の貫通穴がさらなるサブ層の貫通穴からずらされている。
【0091】
本明細書に開示される非陰圧創傷被覆材は、気体および蒸気を通過させることを可能にする透過性カバー層をさらに含んでもよく、カバー層が遮蔽層の上に提供され、カバー層の貫通穴が遮蔽層の貫通穴からずらされている。
【0092】
非陰圧創傷被覆材は、褥瘡の治療に好適であり得る。
【0093】
上記本明細書に開示される非陰圧被覆材のより詳細な説明は、国際特許第2013/007973号に提供され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材は、創傷部位から滲出液を吸収するための繊維質吸収性層と、創傷被覆材の少なくとも一部分の収縮を低減するよう構成された保持層とを含む、多層の創傷被覆材であってもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される多層の創傷被覆材は、液体不透過性フィルム層をさらに含み、保持層は吸収性層とフィルム層との間に配置される。
【0096】
本明細書に開示される保持層は、ネットを含み得る。ネットは、それを通って延在する複数の実質的に幾何学的なアパーチャを有する幾何学的構造を含み得る。幾何学的構造は、例えば、ポリマー鎖の間に実質的に幾何学的なアパーチャを形成するよう、ポリマー鎖によって実質的に均等に離間し、結合された複数のボスを含み得る。
【0097】
ネットは、高密度ポリエチレンから形成され得る。
【0098】
アパーチャは、0.005~0.32mm2の面積を有し得る。
【0099】
保持層は、0.05Nm~0.06Nmの引張強度を有し得る。
【0100】
保持層は50μm~150μmの厚さを有し得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、保持層は、吸収性層に直接隣接して配置される。通常、保持層は、吸収性層の頂面の繊維に結合される。保持層は、結合層をさらに含んでもよく、保持層は、結合層を介して吸収性層内の繊維に熱積層される。結合層は、エチレンビニルアセテート接着剤などの低融点接着剤を含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される多層の創傷被覆材は、フィルム層を保持層に接着させる接着層をさらに含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される多層の創傷被覆材は、創傷に隣接して位置付けるための、吸収層に隣接して配置される創傷接触層をさらに含む。多層の創傷被覆材は、創傷から離れて吸収性層へと滲出液を移動させるため、創傷接触層と吸収性層との間に流体輸送層をさらに含み得る。
【0104】
上記本明細書に開示される多層の創傷被覆材のより詳細な説明は、出願番号GB1618298.2を用いて2016年10月28日に出願された、GB特許出願において提供され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
いくつかの実施形態では、開示された技術が創傷被覆材に組み込まれてもよく、その創傷被覆材は、材料の吸収層の第一の層と、材料の第二の層とを含む垂直重複材料を含み、第一の層は、不織布繊維のうちの少なくとも一つの層から構築され、不織布繊維は、複数の折り目に折り畳まれてひだのある構造を形成する。いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、材料の第一の層に一時的に、または永久的に接続された、材料の第二の層をさらに含む。
【0106】
通常、垂直重複材料は、切り込みが入れられている。
【0107】
いくつかの実施形態では、第一の層は、ひだの深さによって、または、切り込みの幅によって決められた深さを有する、ひだのある構造を有する。材料の第一の層は、成形可能、軽量、繊維系材料、材料または組成物層の混合であってもよい。
【0108】
材料の第一の層は、合成、天然、または無機ポリマーで製造された繊維、セルロース性、タンパク質性、または鉱物源の天然繊維のうちの一つまたは複数を含み得る。
【0109】
創傷被覆材は、互いの上に積み重ねられた材料垂直重複材料の吸収性層のうちの二つ以上の層を含んでもよく、二つ以上の層は、同一または異なる密度または組成を有する。
【0110】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、材料垂直重複材料の吸収性層のうちの一つの層のみを含み得る。
【0111】
材料の吸収性層は、天然または合成、有機または無機繊維、および結合剤繊維、または、特定温度で軟化し、全体的な混合の結合剤として作用する、低溶融温度PETコーティングを用いた、バイコンポーネント繊維、通常PETの混合である。
【0112】
いくつかの実施形態では、材料の吸収性層は、5%~95%の熱可塑性ポリマー、および、5wt%~95wt%のセルロースまたはその誘導体であってもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される創傷被覆材は、発泡体または被覆材固定剤を含む第二の層を有する。
【0114】
発泡体は、ポリウレタン発泡体であってもよい。ポリウレタン発泡体は、開放または閉鎖孔構造を有してもよい。
【0115】
被覆材固定剤は、包帯、テープ、ガーゼ、または裏当て層を含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるように、創傷被覆材は、ラミネーションまたは接着剤によって第二の層に直接接続された材料の吸収性層を含み、第二の層は被覆材固定層に接続される。接着剤は、アクリル接着剤、またはシリコン接着剤であってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるように、創傷被覆材は、超吸収性繊維、またはビスコース繊維またはポリエステル繊維の層をさらに含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるように、創傷被覆材は、裏当て層をさらに含む。裏当て層は、透明または不透明なフィルムであってもよい。通常、裏当て層は、ポリウレタンフィルム(通常、透明ポリウレタンフィルム)を含む。
【0119】
上記本明細書に開示される多層創傷被覆材の詳細な説明は、出願番号GB1621057.7で2016年12月12日に出願された、および、出願番号GB1709987.0で2017年6月22日に出願されたGB特許出願において提供され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材は、創傷被覆材のための吸収性構成要素を含み得、構成要素が、発泡層に結合されたゲル形成繊維を含む創傷接触層を含み、発泡層が、接着剤、ポリマー系溶融層、フレームラミネーション、または超音波.炎ラミネーション、または超音波によって創傷接触層に直接結合させる。
【0121】
吸収性構成要素は、シート形態であってもよい。
【0122】
創傷接触層は、織りまたは不織り、あるいは編みゲル形成繊維の層を含み得る。
【0123】
発泡層は、開放細胞発泡体、または閉鎖細胞発泡体であってもよく、通常は開放細胞発泡体である。発泡層は、親水性発泡体である。
【0124】
創傷被覆材は、被覆材を創傷に接着する接着剤の周辺によって囲まれた、創傷と直接接触する島を形成する構成要素を含み得る。接着剤は、シリコンまたはアクリル接着剤であってもよく、通常はシリコン接着剤である。
【0125】
創傷被覆材は、創傷から最も遠い被覆材の表面において、フィルム層によって覆われ得る。
【0126】
本明細書の本タイプの創傷被覆材のより詳細な説明は、EP2498829に提供されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材は、高レベルの滲出物を生成する創傷で使用する多層創傷被覆材を含んでもよく、被覆材が、少なくとも24時間で300gm2のMVTRを有する透過層と、滲出液を吸収し、保持することができるゲル形成繊維を含む吸収性コアと、滲出液を吸収性コアに送るゲル形成繊維を含む創傷接触層と、吸収性コア上に位置付けられるキーイング層とを含むことで特徴付けられる。
【0128】
創傷被覆材は、24時間で被覆材の10cm2あたりの流体のうち、少なくとも6g(または8g~15g)に対応する能力を有し得る。
【0129】
創傷被覆材は、布の形態で化学修飾されたセルロース系繊維であるゲル形成繊維を含み得る。繊維は、カルボキシメチル化セルロース繊維を含み得、通常は塩化カルボキシメチルセルロース繊維である。
【0130】
創傷被覆材は、横方向の吸い上げ量が毎分5mm~毎分40mmの創傷接触層を含み得る。創傷接触層は、35gm2など、25gm2~55gm2の繊維密度を有し得る。
【0131】
吸収性コアは、少なくとも10g/gの滲出物の吸収性を有し得、通常、横方向の吸い上げ量は、毎分20mmより少ない。
【0132】
吸収性コアは、重量で最大25%のセルロース系繊維、および重量でゲル形成繊維の75%~100%の範囲の混合物を有し得る。
【0133】
あるいは、吸収性コアは、重量で最大50%のセルロース系繊維、および重量でゲル形成繊維の50%~100%の範囲の混合物を有し得る。例えば、混合物は、重量で50%のセルロース系繊維および重量で50%のゲル形成繊維の範囲内である。
【0134】
吸収性コアの繊維密度は、150gm2~250gm2、または約200gm2であってもよい。
【0135】
濡れた場合の創傷被覆材は、その元のサイズ/寸法の25%未満または15%未満の収縮を有し得る。
【0136】
創傷被覆材は、透過層を含み得、層は発泡体である。透過層は、ポリウレタンフィルムにラミネートされたポリウレタン発泡体であってもよい。
【0137】
創傷被覆材は、可溶性薬剤フィルム層、臭気吸収性層、拡散層、および追加的接着剤層を含む群から選択される、一つまたは複数の層を含み得る。
【0138】
創傷被覆材は、厚さ2mm~4mmであってもよい。
【0139】
創傷被覆材は、キーイング層が吸収性コアを隣接する層に結合するという点で特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、キーイング層は、吸収性コアの創傷に面する側、または、吸収性コアの非創傷面側のいずれかに位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、キーイング層は、吸収性コアと創傷接触層との間に位置付けられる。キーイング層はポリアミドウェブである。
【0140】
本明細書の本タイプの創傷被覆材のより詳細な説明は、EP1718257に提供されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0141】
いくつかの実施形態では、非陰圧創傷被覆材は、圧迫包帯であってもよい。圧迫包帯は、例えば下肢の、浮腫およびその他の静脈障害およびリンパ系障害の治療に使用されることが周知である。
【0142】
圧迫包帯システムは、通常、皮膚と圧迫層との間のパディング層を含む複数層を用いる。圧迫包帯は、静脈性脚潰瘍を処置する、といった、創傷に有用であり得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、圧迫包帯は、内側の皮膚に面する層と、弾性外層を含む包帯システムを備え得、内層は、発泡体の第一の層と、吸収性不織りウェブの第二の層とを含み、内層および外層は、患者の手足周りに巻かれることができるよう、十分細長い。本タイプの圧迫包帯は、国際特許第99/58090号において開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
いくつかの実施形態では、圧迫包帯システムは、a)(i)細長い弾性基板と、
【0145】
(ii)細長い発泡層と、を含む内側の皮膚に面した、細長い弾性包帯であって、発泡層が基板の面に取り付けられ、基板の面を横断方向に33%以上横切って、および、基板の面を長手方向に67%以上横切って延在する、弾性包帯と、b)外側の、細長い、ノンテープ式の弾性包帯であって、包帯が、延在されると圧縮力を有し、使用時には、内側包帯の発泡層が皮膚に面し、外側包帯が内側包帯の上にある、弾性包帯と、を含む。本タイプの圧迫包帯は、国際特許第2006/110527号において開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0146】
いくつかの実施形態では、米国特許第6,759,566号および米国特許第2002/0099318号に開示されているものなど、その他の圧迫包帯システムがそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0147】
陰圧創傷被覆材
いくつかの実施形態では、そのような創傷の治療は、陰圧創傷療法を使用して実施することができ、減圧または陰圧が、創傷の治癒を容易にして促進するように、創傷に印加され得る。本明細書に開示される創傷被覆材および方法は、身体の他の部分に適用されてもよく、創傷の治療に必ずしも限定されないことも、理解されるであろう。
【0148】
本開示の実施形態は、概して、局所陰圧(「TNP(topical negative pressure)」)療法システムで使用するように適用可能であることは理解されるであろう。手短に言えば、陰圧創傷治療は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを補助し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を低減してもよい。加えて、治療によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNP治療システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援してもよい。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片及びフラップにおいて見出すことができる。
【0149】
陰圧療法は、大きすぎて自然には閉じられない、もしくはそうでなければ、創傷の部位への陰圧の適用では治癒しない、開放創または慢性創傷の治療に使用され得る。局所陰圧(TNP)療法または陰圧創傷療法(NPWT)は、創傷の上に流体に対して不透過性または半透過性の被覆を置くことと、創傷を囲む患者の組織に対して被覆を封止する、様々な手段を使用することと、陰圧を被覆の真下に作り出し維持するような手法で、陰圧の源(真空ポンプなど)を被覆に接続することとを伴う。そのような陰圧は、有害なサイトカインまたは細菌を包含する場合がある、過度の流体を除去しながら同時に、創傷部位で肉芽組織の形成を容易にし、平常の体内炎症プロセスを支援することによって、創傷の治癒を促進すると考えられる。
【0150】
NPWTに使用される被覆材のいくつかは、様々な種類の材料及び層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。多層創傷被覆材の一例は、NPWTで創傷を治療する、キャニスタなしのシステムを提供するように、裏当て層の下方に創傷接触層および超吸収層を含む、Smith&Nephewから市販されているPICO被覆材である。創傷被覆材は、被覆材から流体を汲み上げるか、またはポンプから創傷被覆材へ陰圧を伝達するように使用されてもよい、長いチューブへの接続を提供する、吸引ポートに封止されてもよい。加えて、Smith&Nephewから市販されているRENASYS-F、RENASYS-G、RENASYS-ABおよびRENASYS-F/ABも、NPWT創傷被覆材およびシステムのさらなる例である。多層創傷被覆材の別の例は、陰圧を使用せずに創傷を治療するのに使用される、湿潤創傷環境被覆材を含む、Smith&Nephewから市販されているALLEVYN Life被覆材である。
【0151】
本明細書に使用する通り、-XmmHgなど、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。加えて、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低い)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、気圧からより離れた圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高い)。いくつかの実施形態では、局所的な周囲気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。
【0152】
本開示の一部の実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHg、または約-20mmHgから-200mmHgの間であり得る。これらの圧力は、760mmHgであり得る、平常の周囲気圧に対して相対的であることには留意されたい。それゆえ、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHgと-150mmHgとの間であり得る。代替として、最高-75mmHg、最高-80mmHgまたは-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧デバイスにより供給され得る。
【0153】
本明細書に記載する創傷閉鎖デバイスの一部の実施形態では、創傷収縮の増加が、囲んでいる創傷組織における組織拡張の増加につながり得る。この影響は、場合により、創傷閉鎖デバイスの実施形態によって創傷に適用される引張力の増加と連動して、組織に適用される力を変化させること、例えば、時間と共に創傷に適用される陰圧を変化させることによって増大する場合がある。一部の実施形態では、例えば、正弦波、方形波を使用して、または一つ以上の患者の生理学的指標(心拍など)と同期して、時間と共に陰圧を変化させてもよい。前述に関するさらなる開示を見つけることができる、そのような適用の例には、2012年8月7日に発行された名称「Wound treatment apparatus and method」の米国特許第8,235,955号、および2010年7月13日に発行された名称「Wound cleansing apparatus with stress」の米国特許第7,753,894号を含む。これら両特許の開示は、参照することによりその全体が本明細書に援用される。
【0154】
本明細書に記載する創傷被覆材、創傷被覆材構成要素、創傷治療装置および方法の実施形態はまた、2013年5月22日に国際出願番号第PCT/IB2013/001469号で出願され、2013年11月28日に国際公開第2013/175306号2として公開された、名称「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」、2015年1月30日に米国特許出願第14/418,908号で出願され、2015年7月9日に米国特許出願公開第2015/0190286号として公開された、名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、それらの開示は、参照することによりその全体が本明細書に援用される。本明細書に記載する創傷被覆材、創傷被覆材構成要素、創傷治療装置および方法の実施形態はまた、2011年4月21日に米国特許出願第13/092,042号で出願され、米国特許第2011/0282309号として公開された、名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF USE」、および2015年5月18日に米国特許出願第14/715,527号で出願され、2016年11月24日に米国特許出願公開第2016/0339158 A1号として公開された、名称「FLUIDIC CONNECTOR FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、それらの各開示は、創傷被覆材の実施形態、創傷被覆材の構成要素および原理、ならびに創傷被覆材に使用される材料に関するさらなる詳細を含め、参照することによりその全体が本明細書に援用される。
【0155】
加えて、本明細書に記載するポンプまたは関連電子機器と組み合わせて、創傷被覆材を含むTNP創傷治療に関係する一部の実施形態はまた、2016年4月26日に国際出願第PCT/EP2016/059329号で出願され、2016年11月3日に国際公開2016/174048号として公開された、名称「REDUCED PRESSURE APPARATUS AND METHODS」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、その開示が本明細書全体において参照によって組み込まれる。
【0156】
NPWTシステムの概要
図1Aは、創傷くぼみ110であって、創傷カバー120によって封止された創傷くぼみの内部に置かれた創傷充填材130を含む、陰性のまたは低減された圧力創傷治療(またはTNP)システム100の実施形態を示す。創傷カバー120と組み合わされた創傷充填材130は、創傷被覆材として言及され得る。単一または複数の内腔管または導管140は、創傷カバー120と、減圧圧力を供給するように構成されるポンプ組立品150とを接続する。創傷カバー120は、創傷くぼみ110に流体連通することができる。
図1Aに示される実施形態のような本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、ポンプアセンブリは、キャニスタレスポンプアセンブリ(滲出液が、創傷被覆材に集められる、または別の位置に集めるために管140を介して運ばれることを意味する)であることができる。しかし、本明細書で開示されるいくつかのポンプアセンブリの実施形態は、キャニスタを含むまたは支持するように構成され得る。追加的に、本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、いくつかのポンプアセンブリの実施形態は、被覆材に取付けられ、もしくは被覆材によって支持され、または被覆材に隣接することができる。
【0157】
創傷充填材130は、例えば、親水性または疎水性発泡体、ガーゼ、膨張可能なバッグ等の任意の適切なタイプであることができる。創傷充填材130は、それが実質的にくぼみを充填するように、創傷くぼみ110に適合することができる。創傷カバー120は、創傷くぼみ110を覆う実質的に流体不浸透性のシールを提供することができる。創傷カバー120は、上面および下面を有することができ、下面は、創傷くぼみ110を粘着的に(または任意のその他の適切な手法において)封止する。本明細書で開示される導管140もしくは内腔またはいくつかのその他の導管もしくは内腔は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコン、または任意のその他の適切な材料から形成され得る。
【0158】
創傷カバー120の一部の実施形態は、導管140の端を受けるように構成される、ポート(図示せず)を有し得る。例えば、ポートは、Smith&Nephewから入手可能なRenays Soft Portであることができる。その他の実施形態では、導管140は、別のやり方では、創傷くぼみ内に所望のレベルの減圧圧力を維持するように、減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するために創傷カバー120を通り抜けるまたはその下にあることができる。導管140は、ポンプアセンブリ150によって提供される減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するように、ポンプアセンブリ150と創傷カバー120との間に少なくとも実質的に密封された流体流路を提供するように構成される、任意の好適な物品であることができる。
【0159】
創傷カバー120および創傷充填材130は、単一な物品または一体型の単一なユニットとして提供され得る。いくつかの実施形態では、創傷充填材が提供されずに、創傷カバーがそれ自体として創傷被覆材とみなされてもよい。ついで、創傷被覆材は、導管140を介して、ポンプアセンブリ150といった陰圧源に接続され得る。ポンプアセンブリ150は小形化され、持ち運び可能とすることができるが、より大きな従来のそのようなポンプがまた使用されてもよい。
【0160】
創傷カバー120は、治療されることになる創傷部位の上に置かれ得る。創傷カバー120は、創傷部位を覆う実質的に密封されたくぼみまたはエンクロージャを形成することができる。いくつかの実施形態では、創傷カバー120は、過剰流体の蒸発を可能にする高い水蒸気浸透性を持つフィルムを有するように構成されることができ、また創傷滲出液を安全に吸収するためにその中に含まれる超吸収性材料を有することができる。本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。この点において、創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、急性創傷、慢性創傷、外科切開およびその他の切開、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、外科創傷、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に記載のTNPシステムの構成要素は、少量の創傷滲出液を滲出する切開創傷に特に適し得る。
【0161】
システムの一部の実施形態は、滲出液キャニスタを使用することなく動作するように設計される。いくつかの実施形態は、滲出液キャニスタを支持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、管材料140がポンプアセンブリ150から迅速にかつ容易に取り除かれ得るようにポンプアセンブリ150および管材料140を構成することは、必要な場合、被覆材またはポンプを交換するプロセスを容易にする、または改善することができる。本明細書で開示されるいくつかのポンプの実施形態は、管材料とポンプとの間の任意の好適な接続を有するように構成され得る。
【0162】
ポンプ組立品150は、一部の実装において、およそ-80mmHg、または約-20mmHg~200mmHgの陰圧を供給するように構成され得る。これらの圧力は、正常な大気圧に対する相対値であり、つまり、-200mmHgは、実際に則した用語において、約560mmHgであり得ることに留意されたい。圧力範囲は約-40mmHgから-150mmHgの間であり得る。代替として、最高-75mmHg、最高-80mmHgまたは-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。別の方法として、およそ-100mmHgまたはさらに150mmHgより上の圧力範囲が、ポンプアセンブリ150により供給され得る。
【0163】
動作時に、創傷充填材130は、創傷くぼみ110内に挿入され、創傷カバー120は、創傷くぼみ110を密封するように配置される。ポンプアセンブリ150は、創傷充填材130を介して創傷くぼみ110に送られる陰圧源を創傷カバー120に提供する。流体(例えば、創傷滲出液)は、導管140を通して引き出され、キャニスタ内に貯蔵され得る。いくつかの実施形態では、流体は、創傷充填材130または一つまたは複数の吸収性の層(図示せず)によって吸収される。
【0164】
本出願のポンプ組立品およびその他の実施形態とともに利用され得る創傷被覆材は、Smith&Nephewから入手可能なRenasys-F、Renasys-G、Renasys ABおよびPico被覆材を含む。本出願のポンプ組立品およびその他の実施形態とともに使用され得る陰圧創傷療法システムのこうした創傷被覆材およびその他の構成要素のさらなる説明は、米国特許公開第2011/0213287号、第2011/0282309号、第2012/0116334号、第2012/0136325号および第2013/0110058号において見出され、それらの全体が参照により援用される。その他の実施形態では、その他の好適な創傷被覆材が利用され得る。
【0165】
創傷被覆材の概要
図1Bは、いくつかの実施形態による、創傷被覆材155を通る断面図を図示する。
図1Bはまた、いくつかの実施形態による、流体コネクタ160を図示する。創傷被覆材155は、国際特許公開WO2013/175306A2に記載される創傷被覆材と類似している場合があり、これは参照によりその全体が組み込まれる。あるいは、創傷被覆材155は、明細書に開示するいずれの創傷被覆材の実施形態、または、本明細書に開示する創傷被覆材の実施形態のいずれの数の特徴のいかなる組み合わせでもあり得、治療される創傷部位の上に置かれ得る。創傷被覆材155は、創傷空洞110といった創傷の上に密封された空洞を形成するために配置されてもよい。いくつかの実施形態では、創傷被覆材155は、最上層もしくは被覆層、または任意の創傷接触層222に取り付けられる裏当て層220を含むことが好ましく、それらについて以下により詳細に記載する。これら二つの層220、222は、内部空間またはチャンバを画定するために、共に接合または封止され得る。この内部空間またはチャンバは、陰圧を分配または伝達し、創傷滲出液および創傷から除去された他の流体を貯蔵するように適応してもよい追加構造と、以下により詳細に説明するであろう他の機能とを備えてもよい。以下に記載するそのような構造の例は、透過層226および吸収層221を含む。
【0166】
本明細書で使用される通り、上部層、最上層または上方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面から最も遠い層を指す。したがって、下面、下部層、最下層または下方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面に最も近い層を指す。
【0167】
創傷接触層222は、ポリウレタン層、ポリエチレン層、又は、例えばホットピンプロセス、レーザアブレーションプロセス、又は超音波プロセスを介すか、又はその他のいくつかの方法でパーフォレートされた、あるいは別の方法で液体及び気体が透過するようにしたその他の柔軟性のある層であってもよい。創傷接触層222は、下表面224(例えば、創傷と向かい合う)および上表面223(例えば、創傷から見て外を向く)を有する。穿孔225は、創傷接触層222の中に貫通孔を含むことができ、流体が層222を通って流れることが可能になる。創傷接触層222は、創傷被覆材の他の材料中への組織内殖を防ぐのに役立つ。一部の実施形態では、穿孔は、流体が穿孔を通って流れることを依然として可能にしながら、この要件を満たすほど充分に小さい。例えば、0.025mmから1.2mmの範囲の寸法を有するスリットまたは孔として形成された穿孔は、創傷滲出液が被覆材内に流れるのを可能にしつつ、創傷被覆材内に組織が内部成長するのを防止する一助となるには十分小さいと考えられる。一部の構成では、創傷接触層222は、陰圧を創傷に維持するために、吸収性パッドの周りに気密状態をも作り出しながら、被覆材155全体の完全性を維持するのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、創傷接触層は、陰圧が創傷に加えられるとき、創傷接触層を通る流体の、単向性または実質的に一方向または単向性の流れを許可するように構成される。例えば、創傷接触層は、流体が、創傷接触層を通して創傷から流れるのは許可するが、流体が創傷に向かって戻ることは許可しない。特定の事例では、創傷接触層の穿孔は、創傷接触層を通る流体のこうした一方向または単向性の流れを許容するように構成される。
【0168】
創傷接触層222の一部実施形態はまた、任意の上部および下部接着層(図示せず)用の担体として働いてもよい。例えば、下部感圧接着剤が、創傷被覆材155の下面224上に提供されてもよい一方、上部感圧接着層は、創傷接触層の上面223上に提供されてもよい。シリコン、ホットメルト、親水コロイドもしくはアクリルをベースとする接着剤、または他のそのような接着剤であってもよい感圧接着剤は、創傷接触層の両側面上、もしくは任意で選択された片側面上に形成されてもよく、または創傷接触層のどちらの側面上に形成されなくてもよい。下部感圧接着層を利用することが、創傷被覆材155を創傷部位の周りの皮膚に接着させる助けになってもよい。一部の実施形態では、創傷接触層は穿孔ポリウレタンフィルムを含んでもよい。フィルムの下面はシリコン感圧接着剤を提供されてもよく、上面はアクリル感圧接着剤を提供されてもよく、それによって被覆材がその完全性を維持するの助けてもよい。いくつかの実施形態では、ポリウレタンフィルム層の上面および下面の両面上に接着層を提供してもよく、全三層は共に穴加工されていてもよい。
【0169】
多孔質材料の層226は、創傷接触層222の上方に置かれ得る。この多孔質層または透過層226により、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。特に、透過層226によって、吸収層がかなりの量の滲出液を吸収したときでさえ、外気チャネルが、創傷範囲全体に陰圧を伝えるように維持され得ることを保証できる。層226は、好ましくは、上述の通り、陰圧創傷療法時に適用されることになる通常の圧力の下で開放されたままになるべきであり、それによって、創傷部位全体が等しい陰圧を受ける。層226は、三次元構造を有する材料から形成されてもよい。例えば、編みもしくは織りスペーサ布(例えば、Baltex 7970の横編みポリエステル)、または不織布が使用され得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、透過層226は、84/144で織られたポリエステルである最上層(すなわち、使用中、創傷床から遠位の層)と、10デニールの平坦なポリエステルである最下層(すなわち、使用中、創傷床に近接して置かれる層)と、編みポリエステルビスコース、セルロースまたは類似のモノフィラメント繊維により画定される領域である、これら二つの層の間に挟まれて形成される第三層とを含む、3Dポリエステルのスペーサ布層を含む。他の材料、および他の線質量密度の繊維ももちろん使用され得る。
【0171】
本開示を通して、モノフィラメント繊維への言及がなされるものの、もちろん多糸の代替物が利用され得ることは理解されるであろう。それゆえ、最上部スペーサ布は、それを形成するのに使用される一本の糸において、最下部スペーサ布層を形成するのに使用される糸を構成するフィラメントの数よりも多くのフィラメントを有する。
【0172】
間隔を置いて配置された層におけるフィラメント数のこの差は、透過層を横切る水分の流れを制御する一助となる。具体的には、最上層のフィラメント数をより多くすることによって、すなわち、最上層が、最下層に使用される糸よりも多くのフィラメントを有する糸から作られることによって、液体は、最下層よりも最上層に沿ってより多く吸われる傾向がある。使用中、この差異によって、液体が創傷床から引き離され、被覆材の中心領域中に引き寄せられるようになり、中心領域では、吸収層221が液体を閉じ込めるのに役立つか、または液体を放出させ得る被覆層に向かって、それ自体で液体を前方へ吸い上げる。
【0173】
一部の実施形態では、透過層226を横切る(すなわち、最上部および最下部スペーサ層の間に形成されるチャネル領域と垂直に)液体の流れを改善するために、3D織物は、ドライクリーニング剤(限定するものではないが、パークロロエチレンなど)で処理されて、透過層の親水能力を邪魔する可能性がある、前に使用された鉱油、油脂またはワックスなどの、いかなる工業製品をも除去するのに役立ってもよい。続いて、3Dスペーサ布が親水性剤(限定するものではないが、Rudolph Groupから市販されている30g/lのFeran Iceなど)で洗われる、追加の製造ステップに進んでもよい。このプロセスステップは、水などの液体が3D編物に接触するとすぐに織物に進入し得るほど、材料の表面張力が低くなることを保証するのに役立つ。またこのステップは、いかなる滲出液の液状侵襲成分(liquid insult component)の流れを制御するのにも役立つ。
【0174】
吸収性材料の層221は、透過層226の上に提供され得る。発泡体もしくは不織りの自然または合成材料を含み、任意で超吸収材を含んでもよい吸収材は、流体、具体的には、創傷部位から除去される液体用の貯留部を形成する。一部の実施形態では、層221もまた、流体を裏当て層220の方へ引き寄せるのに役立ってもよい。
【0175】
吸収層221の材料はまた、創傷被覆材155に収集された液体が、被覆材内を自由に流れるのを妨げてもよく、被覆材内に収集されるいかなる液体をも包含するように働き得る。吸収層221はまた、流体を創傷部位から引き寄せ、吸収層中に渡って貯蔵するように、吸い上げ作用によって層全体に流体を分配するのを助ける。これによって、吸収層の範囲における凝集を防止するのを補助する。吸収材の容量は、陰圧を適用するとき、創傷の滲出液が流れる速度を管理するのに充分でなくてはならない。使用中、吸収層は陰圧を経験するため、吸収層の材料は、そのような状況下で液体を吸収するように選ばれる。例えば、超吸収体材料といった、陰圧下にあるとき液体を吸収できる、いくつかの材料が存在する。吸収層221は通常、ALLEVYN(商標)発泡体のFreudenberg114-224-4またはChem-Posite(商標)11C-450より製造されてもよい。一部の実施形態では、吸収層221は、超吸収性粉末、セルロースなどの繊維材料、および結合繊維を含む複合材を含んでもよい。一部の実施形態では、複合材はエアレイドの熱的に結合された複合材である。
【0176】
一部の実施形態では、吸収層221は、層中に渡って分散する乾燥粒子の形態である超吸収性材料を有する、不織りセルロース繊維の層である。セルロース繊維の使用によって、被覆材により吸収される液体を素早くかつ均等に分配するのに役立つ、高速吸い上げ要素が導入される。多数の撚糸様繊維を並列させることが、液体を分配するのに役立つ繊維パッドの、強い毛細管作用につながる。このように、超吸収材に液体を効率的に供給する。また、吸い上げ作用によって、被覆材の蒸散率を増加させるのに役立つように、液体を上部カバー層と接触させるように支援する。
【0177】
陰圧を被覆材155に印加することが可能になるように、隙間、孔またはオリフィス227が裏当て層220に提供される。いくつかの実施形態では、流体コネクタ160は、被覆材155の中に作られるオリフィス227の上で、裏当て層220の最上部に取り付けられるか、または封止され、オリフィス227を通って陰圧を伝える。長いチューブが、被覆材から流体を汲み上げることが可能になるように、第一端部で流体コネクタ160に、第二端部でポンプユニット(図示せず)に連結されてもよい。流体コネクタが創傷被覆材の最上層に接着する場合、長いチューブは、チューブまたは導管が、流体コネクタから離れて平行に、または実質的に被覆材の最上表面へ延在するような、流体コネクタの第一端部で連結されてもよい。流体コネクタ160は、アクリル、シアノアクリレート、エポキシ、UV硬化性またはホットメルト接着剤などの接着剤を使用して、裏当て層220に接着および封止してもよい。流体コネクタ160は、ショアAスケールで30から90の硬度を有する、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコンまたはポリウレタンといった柔らかいポリマーから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体コネクタ160は、柔らかい材料または適合する材料から作られてもよい。
【0178】
いくつかの実施形態では、吸収層221は、流体コネクタ160の下にあるように配置される、少なくとも一つの貫通孔228を含む。貫通孔228は、一部の実施形態では、裏当て層の開口部227と同じサイズであってもよく、またはより大きいもしくは小さくてもよい。
図1Bに示す通り、単一の貫通孔は、流体コネクタ160の基礎を成す開口部を生み出すように使用され得る。複数の開口部が、代替として利用され得ることは理解されるであろう。加えて、二つ以上のポートが、本開示の特定の実施形態に従って利用されるべき場合、一つまたは二つ以上の開口部が、各流体コネクタと位置を合わせて、吸収層および不明瞭化層に作られてもよい。本開示の特定の実施形態には必須ではないものの、超吸収層に貫通孔を使用することで、吸収層が飽和に近いとき特に、遮断されないままの流体流路を提供してもよい。
【0179】
隙間または貫通孔228は、
図1Bに示す通り、オリフィスが透過層226に直接接続するように、オリフィス227の下方の吸収層221に提供され得る。これによって、流体コネクタ160に適用される陰圧を、吸収層221を通過することなく、透過層226へ伝えることが可能になる。これで、吸収層が創傷滲出液を吸収しても、創傷部位に適用される陰圧が、吸収層によって阻害されないことが保証される。他の実施形態では、隙間は吸収層221に提供されなくてもよく、または、代替として、オリフィス227の下にある複数の隙間が提供されてもよい。さらなる代替の実施形態では、別の透過層などの追加層、または参照することによりその全体が援用される、国際特許出願公開第2014/020440号に記載されるような不明瞭化層が、吸収層221の上および裏当て層220の下方に提供されてもよい。
【0180】
裏当て層220は、気体を透過させないが、水蒸気を透過させることができ、創傷被覆材155の幅を横切って延在し得る。例えば、片方の側面に感圧接着剤を有するポリウレタンフィルム(例えば、Elastollan SP9109)であってもよい、裏当て層220は、気体に対して不透過性であり、それゆえ、この層は創傷を被覆し、上に創傷被覆材が置かれる創傷空洞を封止するように動作する。このように、効果的なチャンバが、陰圧が確立され得る、裏当て層220と創傷部位との間に作られる。裏当て層220は、被覆材の外周の周りの境界領域で、創傷接触層222に封止することができ、例えば、接着技術または溶接技術によって、空気が境界範囲を通って引き込まれることを保証する。裏当て層220によって、創傷が外部の細菌汚染から保護され(細菌バリア)、層を通って創傷滲出液からの液体を移動させ、フィルム外表面から蒸発させることが可能になる。裏当て層220は、ポリウレタンフィルムと、フィルム上に広がる接着パターンとの二つの層を含み得る。ポリウレタンフィルムは透湿性を持つことができ、濡れたときに水透過速度が高まる材料から製造されてもよい。一部の実施形態では、裏当て層が濡れると、裏当て層の透湿性が増大する。濡れた裏当て層の透湿性は、乾いた裏当て層の透湿性の最大約10倍であってもよい。
【0181】
吸収層221は、透過層226の縁と重複するように、透過層226よりも大きい範囲から成ってもよく、それによって、透過層が裏当て層220に接触しないことを保証する。これにより、創傷接触層222と直接接触する、吸収層221の外側チャネルが提供され、滲出液の吸収層へのより急速な吸収に役立つ。さらに、この外側チャネルによって、液体が創傷空洞の外周に貯留できないことが保証され、そうでない場合には、被覆材の周囲の封止部から染み出して、漏出の形成につながる場合がある。
図1Bに図示する通り、吸収層221によって、境界線または境界領域が、吸収層221の端と裏当て層220の端との間に画定されるように、裏当て層220の周囲よりも小さい周囲を画定してもよい。
【0182】
図1Bに示す通り、創傷被覆材155の一実施形態は、流体コネクタ160の下方に置かれる吸収層221に、隙間228を含む。使用中、例えば、陰圧が被覆材155に適用されるとき、流体コネクタの創傷に面する部分は、透過層226と接触してもよく、それゆえ、吸収層221が創傷流体で満たされているときでさえ、創傷部位に陰圧を伝達するのに役立ち得る。一部の実施形態によって、裏当て層220を透過層226に少なくとも一部接着させてもよい。一部の実施形態では、隙間228は、流体コネクタ11の創傷に面する部分またはオリフィス227の直径よりも、少なくとも1~2mm大きい。
【0183】
例えば、単一流体コネクタ160および貫通孔を伴う実施形態では、流体コネクタ160および貫通孔が、中心から外れた位置に置かれるのが好ましい場合がある。そのような場所では、流体コネクタ160が被覆材155の残余部と比較して持ち上げられるように、被覆材155を患者の上に配置することが可能になってもよい。そのように配置すると、流体コネクタ160およびフィルタ214は、創傷部位への陰圧の伝達を減じるために、時期を早めてフィルタ214を閉塞させ得る創傷流体と、接触する可能性が低くなる場合がある。
【0184】
ここで流体コネクタ160を参照すると、一部の実施形態は、封止面216と、近位端(陰圧源により近い)および遠位端140を有するブリッジ211と、フィルタ214とを含む。密封面216は、創傷被覆材の最上表面に封止される、アプリケータを形成し得る。一部の実施形態では、流体コネクタ160の最下層は、密封表面216を含んでもよい。流体コネクタ160はさらに、一部の実施形態では、流体コネクタの別個の上部層により画定される、密封表面216から垂直に間隔を空ける上表面を含んでもよい。他の実施形態では、上面および下面は、材料の同じ一片から形成されてもよい。一部の実施形態では、密封表面216は、創傷被覆材と連通するように、その中に少なくとも一つの隙間229を含んでもよい。一部の実施形態では、フィルタ214は、封止面の開口部229を横切って配置されてもよく、開口部229全体にわたってもよい。密封表面216は、創傷被覆材のカバー層に流体コネクタを封止するように構成されてもよく、接着剤または溶接部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、密封面216は、フィルタ214と透過層226との間にギャップを作るよう構成された、任意のスペーサ要素215を有する、カバー層のオリフィスの上に配置され得る。他の実施形態では、密封表面216は、カバー層のオリフィスおよび吸収層220の隙間の上に位置してもよく、流体コネクタ160によって透過層226を通る気流を提供することが可能になる。一部の実施形態では、ブリッジ211は、陰圧の源と連通する第一の流体通路212を含んでもよく、第一の流体通路212は、3D編み材料など、前に記載した多孔質層226と同じでもよく、または異なってもよい、多孔質材料を含む。ブリッジ211は、近位端および遠位端を有し、第一の流体通路212を囲むように構成される、少なくとも一つの可撓性フィルム層208、210によって被包することができ、可撓性フィルムの遠位端は、密封表面216に接続する。フィルタ214は、創傷滲出液がブリッジに入ることを実質的に防止するように構成され、スペーサ要素215は、流体コネクタが透過層226に接触するのを防ぐように構成される。これらの要素については、以下により詳細に記載する。
【0185】
一部の実施形態はさらに、第一の流体通路212の上方に位置する、任意の第二の流体通路を備えてもよい。例えば、一部の実施形態によって、第一の流体通路212および被覆材155中への空気経路を提供するように構成され、最上層の近位端に配置される可能性がある、空気漏れ部を提供してもよく、これは、参照することによって全体が援用される、米国特許第8,801,685号に記載する吸引アダプタに類似する。
【0186】
一部の実施形態では、流体通路212は、スペーサがねじれるかまたは折り重なる場合でも、流体が通過することを可能にする、可撓性のある、規格に準拠した材料から構築される。流体通路212の好適な材料には、ポリエチレンまたはポリウレタン発泡体など、連続気泡発泡体を含む発泡体、メッシュ、3D編み繊維、不織材料および流体チャネルを含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、流体通路212は、透過層226に関して上に記載したものと、類似の材料から構築されてもよい。有利なことに、流体通路212に使用されるそのような材料によって、患者の快適性をより増すことが可能になるだけでなく、ねじれるか、または曲がっている間でも、依然として流体通路212が流体を創傷から陰圧の源の方へと移動できるような、より大きなねじれ抵抗を提供してもよい。
【0187】
一部の実施形態では、流体通路212は、例えば、編みもしくは織りスペーサ布(ポリエステルで編み3D織物Baltex 7970(登録商標)またはGehring 879(登録商標))といったウィッキング生地、または不織布から成ってもよい。選択されたこれらの材料は、創傷滲出液を創傷から離すように導き、陰圧または吐出された空気を創傷部位へ伝達するために置くことができ、また、ある程度のねじれ抵抗または閉塞抵抗を、流体通路212に与えてもよい。いくつかの実施形態では、ウィッキング生地は、いくつかの事例では、流体の吸い上げまたは陰圧の伝達に役立つ場合がある、三次元構造を有してもよい。特定の実施形態では、ウィッキング生地を含むある実施形態では、これらの材料は、開放されたままで、例えば、-40から-150mmHgの間の陰圧療法で使用される通常圧力下において、変わらず陰圧を創傷範囲に伝えることができる。一部の実施形態では、ウィッキング生地は、互いの上に積み重なった、または積層された材料のいくつかの層を含んでもよく、一部の場合には、陰圧印加状況下において、流体通路212が崩れるのを妨げるのに有用であってもよい。その他の実施形態では、流体通路212に使用されるウィッキング生地は、1.5mmと6mmとの間であってもよく、より好ましくは、ウィッキング生地は、3mmと6mmとの間の厚さであってもよく、一つまたはいくつかの個別のウィッキング生地層から成ってもよい。他の実施形態では、流体通路212は1.2~3mmの間の厚さであってもよく、好ましくは1.5mmよりも厚い。一部の実施形態、例えば、創傷滲出液などの液体を保持する被覆材と共に使用される吸引アダプタは、流体通路212に疎水性の層を用いてもよく、気体のみが流体通路212を通って動いてもよい。加えて、前に記載した通り、システムに使用される材料は、適合する柔らかいものであることができ、患者の皮膚に対して圧力を加える創傷治療システムに起因する場合がある、褥瘡および他の合併症を回避するのに役立つ場合がある。
【0188】
一部の実施形態では、フィルタ要素214は、液体に対して不透過性であるが、気体に対しては透過性があり、液体バリアとして働き、液体が創傷被覆材155から漏れ出ることができないことを保証するように提供される。フィルタ要素214はまた、細菌バリアとして機能してもよい。通常、管孔サイズは0.2μmである。フィルタ要素214のフィルタ材料に好適な材料には、MMT範囲からの0.2ミクロンのGore(商標)拡張PTFE、PALL Versapore(商標)200RおよびDonaldson(商標)TX6628を含む。より大きな管孔サイズも使用され得るが、これらは、二次フィルタ層が、完全な生物汚染の封じ込めを保証することを必要とする場合がある。創傷流体は脂質を含有するため、必須ではないものの、例えば、0.2ミクロンのMMT-323の前に1.0ミクロンのMMT-332といった、撥油性フィルタ膜を使用することが好ましい。これにより、脂質が疎水性フィルタを遮断するのを防げる。フィルタ要素は、オリフィスの上のポートもしくはカバーフィルムに取り付けられ得るか、または封止され得る。例えば、フィルタ要素214は、流体コネクタ160に成型されてもよく、または限定するものではないが、UV硬化接着剤などの接着剤を使用して、被覆層の最上部および吸引アダプタ160の最下部の一方または両方に接着してもよい。
【0189】
他のタイプの材料がフィルタ要素214に使用され得ることは、理解されるであろう。より広くは、薄く平坦な一枚のポリマー材料である、微多孔膜を使用することができ、これは数十億もの微細な管孔を包含する。選んだ膜に応じて、これらの管孔は、0.01マイクロメートルから10マイクロメートルより大きいサイズの範囲にあり得る。微多孔膜は、親水性(水のフィルタリング)および疎水性(撥水)形態の両方で利用可能である。一部の実施形態では、フィルタ要素214は、支持層と、支持層上に形成されるアクリルコポリマー膜とを含む。いくつかの実施形態では、特定の実施形態による創傷被覆材155は、疎水性微多孔膜(MHM:microporous hydrophobic membrane)を使用する。多数のポリマーを用いて、MHMを形成してもよい。例えば、MHMは、PTFE、ポリプロピレン、PVDFおよびアクリルコポリマーの一つまたは複数から形成されてもよい。これら任意のポリマーのすべてが、疎水性および撥油性の両方であり得る、特定の表面特性を得るために処理され得る。これらによって、マルチビタミン注入物、脂質、界面活性剤、油および有機溶媒など、表面張力の低い液体を追い払うであろう。
【0190】
MHMは、空気が膜を通って流れることを可能にしながら、液体を遮断する。MHMはまた、潜在的感染エアロゾルおよび粒子を排除する、非常に効率的なエアフィルタである。MHMの単一片は、機械式バルブまたはベントを交換する選択肢として、よく知られる。それゆえ、MHMの組込みによって製品組立費を削減し、利益、および患者に対する費用/利得の割合を改善し得る。
【0191】
フィルタ要素214はまた、例えば、活性炭、炭素繊維布もしくはVitec Carbotec-RT Q2003073発泡体、または類似のものといった臭気吸収材を含んでもよい。例えば、臭気吸収材は、フィルタ要素214の層を形成してもよく、またはフィルタ要素内の疎水性微多孔膜間に挟まれてもよい。それゆえ、フィルタ要素214によって、オリフィスを通して気体を排出することが可能になる。しかしながら、液体、微粒子および病原体は被覆材に包含される。
【0192】
創傷被覆材155は、流体コネクタ160およびフィルタ214と併せてスペーサ要素215を含み得る。こうしたスペーサ要素215を追加することで、流体コネクタ160およびフィルタ214は、吸収性層220または透過層226と直接接触しないよう支持され得る。吸収性層220はまた、フィルタ214を透過層226に接触させないようにする、追加的なスペーサ要素として作用してもよい。したがって、使用中に、フィルタ214が透過層226および創傷流体との接触するこのような構成は、最小化され得る。
【0193】
上記の創傷被覆材の実施形態に類似して、一部の創傷被覆材は、皮膚接触面上にシリコン接着剤、および裏面上にアクリル接着剤を伴う穿孔創傷接触層を含む。この縁取られた層の上方には、透過層または3Dスペーサ布パッドが存在する。透過層の上方には吸収層が存在する。吸収層は超吸収不織(NW:non-woven)パッドを含み得る。吸収層は、周囲をおよそ5mm越えて透過層に接し得る。吸収層は、一つの端部の方に向かう隙間または貫通孔を有し得る。隙間は直径約10mmであり得る。透過層および吸収層の上に、裏当て層がある。裏当て層は、アクリル接着剤で被覆された模様である、高水蒸気透過率(MVTR)フィルムであり得る。高MVTRフィルムおよび創傷接触層は、透過層および吸収層を被包して、およそ20mmの周囲境界を作り出す。裏当て層は、吸収層の隙間の上に重なる、10mmの隙間を有し得る。孔の上方には、前述した隙間の上に重なる、液体不透過性、気体透過性の半透過性膜(SPM:semi-permeable membrane)またはフィルタを含む、流体コネクタを結合し得る。
【0194】
センサ付き創傷被覆材
多数のセンサを組み込む創傷被覆材は、創傷が治癒するにつれて、その創傷の特性を監視するために利用することができる。良好に治癒する創傷、および、治癒しない創傷からのデータを収集することは、創傷が治癒軌道上にあるかどうかを示すための測定基準を特定するための有用な洞察を提供できる。
【0195】
いくつかの実装では、いくつかのセンサ技術が、創傷被覆材、または創傷被覆材装置全体の一部を形成する一つ以上の構成要素で使用され得る。例えば、いくつかの実施形態によるセンサアレイを有する創傷被覆材250および320を示す
図2および
図3Dに示す通り、一つまたは複数のセンサは、
図3Dに示す通りの穿孔創傷接触層であってもよい、創傷接触層上へまたは創傷接触層中へ組み込まれ得る。
図2および
図3Dの創傷接触層は、四角形を有するように示されるが、創傷接触層が、例えば、長方形、円形、楕円形などの他の形を有してもよいことは理解されるであろう。一部の実施形態では、センサ統合型創傷接触層は、創傷面積の上に設置される個々の材料層として提供され、その後、創傷被覆材装置、創傷被覆材装置の構成要素、例えば、ガーゼ、発泡体または他の創傷パッキング材料、超吸収層、ドレープ、PicoまたはAllevyn Life被覆材のような完全統合型被覆材など、によって被覆され得る。他の実施形態では、センサ統合型創傷接触層は、ここに記載するような、単一ユニット被覆材の一部であってもよい。
【0196】
センサ統合型創傷接触層は、創傷と接触して設置でき、流体が創傷の中の組織への損傷を全くまたはほとんど起こさずに、接触層を通過することが可能になるであろう。センサ統合型創傷接触層は、シリコンなどの可撓性材料から作ることができ、抗菌剤、または当該技術分野で知られる他の治療薬を組み込み得る。一部の実施形態では、センサ統合型創傷接触層は、湿組織または乾燥組織に接着する接着剤を組み込み得る。一部の実施形態では、センサ、またはセンサアレイは、上に記載した吸収層またはスペーサ層など、創傷被覆材の他の構成要素内に取り込まれ得るか、または被包され得る。
【0197】
図2および
図3Dに示す通り、例えば、温度(例えば、25個のサーミスタセンサ、配列5×5、ピッチ~20mm)、酸素飽和度またはSpO2(例えば、4個または5個のSpO2センサ、創傷接触層の中心から縁まで単一直線、ピッチ10mm)、組織色、(例えば、10個の光学センサ、配列2×5、ピッチ~20mm;配列の各列5個のセンサすべてが整列する必要はない)、pH(例えば、pH感受性パッドの色を測定することによって、組織の色用と同じ光学センサを任意で使用)、および伝導度(例えば、9個の伝導性接触部、配列3×3、ピッチ~40mm)用センサを含む、5個のセンサが使用され得る。
図3Aに示す通り、SpO2センサは、創傷接触層の中心からまたは中心付近から、創傷接触層の縁への単一直線状に配設され得る。SpO2センサの直線によって、センサが、様々な領域間の変化を測定するように、創傷の真ん中で、縁もしくは創傷で、または無傷の皮膚上で測定値を得ることが可能になり得る。一部の実施形態では、創傷接触層またはセンサアレイは、創傷の全体表面範囲だけでなく周囲の無傷の皮膚も被覆するように、創傷のサイズよりも大きくなり得る。より大きなサイズの創傷接触層および/またはセンサアレイ、および複数のセンサによって、センサが創傷の中心にのみ設置されていた場合、または一度に範囲の一箇所ずつの場合よりも、創傷範囲についてより多くの情報を提供し得る。
【0198】
センサは、様々なフルオロポリマー(FEP)およびコポリマー、または当技術分野で知られている任意の材料と共に、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンナフタレート(PEI)を含む可撓性のポリマーから形成される、可撓性の回路基板に組み込むことができる。センサアレイは2層の可撓性回路の中に組み込まれ得る。一部の実施形態では、回路基板は、多層の可撓性回路基板であり得る。一部の実施形態では、これらの可撓性回路は、創傷被覆材のいかなる層の中にも組み込まれ得る。一部の実施形態では、可撓性回路は、創傷接触層の中に組み込まれ得る。例えば、可撓性回路は、
図1Bを参照して記載した創傷接触層に類似する、創傷接触層の中に組み込まれ得る。創傷接触層は、創傷接触層の下表面から突出し、創傷範囲に直接接触する、一つ以上のセンサを可能にする、切り取り部またはスリットを有し得る。
【0199】
一部の実施形態では、センサ統合型創傷接触層は、創傷接触層材料の2層の間に挟まれる可撓性回路基板を伴う、第一のおよび第二の創傷接触層を含み得る。第一の創傷接触層は、創傷と接触するように意図する下表面と、可撓性回路基板と接触するように意図する上表面とを有する。第二の創傷接触層は、可撓性回路基板と接触するように意図する下表面と、創傷被覆材、または創傷被覆材装置全体の一部を形成する、一つ以上の構成要素と接触するように意図する上表面とを有する。第一の創傷接触層の上表面および第二の創傷接触層の下表面は、2層の間に挟まれる可撓性回路基板と共に接着され得る。
【0200】
一部の実施形態では、可撓性回路基板の一つ以上のセンサは、創傷の中の水分または流体との接触を妨げるように、創傷接触層によって完全に被包または被覆され得る。一部の実施形態では、第一の創傷接触層は、下表面から突出し、創傷範囲に直接接触する、一つ以上のセンサを可能にする、切り取り部またはスリットを有し得る。例えば、
図3Dに示す通りの一つ以上のSpO2センサは、創傷接触層の最下表面から突出して示されている。一部の実施形態では、SpO2センサは、第一の創傷接触層の下表面上に直接載置され得る。センサと電気もしくは電子構成要素の一部またはすべては、埋められてもよく、または、ポリマー、例えば、シリコンまたはエポキシベースのポリマーで、被包されてもよい(例えば、防水または防液の状態にする)。ポリマーで被包することで、流体進入、および構成要素からの化学物質浸出を防ぎ得る。一部の実施形態では、創傷接触層材料は、水が進入したり化学物質が浸出したりしないように、構成要素を密閉し得る。
【0201】
一部の実施形態では、創傷に関係する情報を集めて処理する際に、センサアレイ、コントロールまたは処理モジュール、およびソフトウェアを含む、三つの構成要素を利用し得る。三つの構成要素について、本明細書により詳細に記載する。
【0202】
図3Aは、一部の実施形態に従い、センサアレイ部分301、尾部分302、およびコネクタパッド端部分303を含む、可撓性センサアレイ回路基板300を示す。センサアレイ部分301は、センサおよび関連回路を含み得る。センサアレイの回路基板300は、センサアレイ部分301から延在する、長い尾部分302を含み得る。コネクタパッド端部分303は、センサアレイ回路からデータを受信するように、コントロールモジュールもしくは他の処理ユニットに接続することが可能になり得る。長い尾部分302によって、コントロールモジュールを、例えば、創傷から離れた、より都合の良い場所などの、創傷から遠くに配置することが可能になり得る。
【0203】
図3Bは、いくつかの実施形態による、様々な四つのセンサアレイの幾何学形状301A、301B、301C、301Dを有する可撓性の回路基板の実施形態を示す。図示した実施形態は、尾部分302A、302Bを含む。302C、および302D。いくつかの実施形態では、四つの異なるセンサアレイ形状は、可撓性回路に実装され得る。
図3Bは、四つの異なるセンサアレイ形式および構成を示すが、設計301Bおよび302Bは、スポンサーアレイ301Bとコントロールモジュールとの間の電気または電子接続を提供するように構成されたコネクタパッド端部分303も含む。301A、301C、または301Dの設計のうちの一つまたは複数は、部分303といった、コネクタパッド端部分を含み、可撓性回路基板301A、301C、または301Dがコントロールモジュールまたはその他の処理ユニットと通信できるようにする。いくつかの実施形態では、センサアレイはコントロールモジュールと無線通信し、尾部分は省略されてもよい。
【0204】
図3Cは、
図3Bに示すセンサアレイ設計のセンサアレイ部分301Bを、より詳細に示す。
図2または
図3A~
図3Dの実施形態のうちのいずれか一つまたは複数では、センサアレイ部分が、創傷接触層などの創傷被覆材構成要素の周囲近辺、または創傷被覆材構成要素の外縁から内向きのいずれかに延在する複数の部分を含み得る。例えば、図示する実施形態は、創傷被覆材構成要素の縁に平行で、一部の実施形態では、創傷被覆材構成要素の全体周囲を辿ってもよい、複数の直線延在部分を含む。一部の実施形態では、センサアレイ部分は、第二の複数の平行な直線延在部分と垂直である、第一の複数の平行な直線延在部分を含み得る。これらの直線延在部分はまた、異なる長さを有してもよく、創傷被覆材構成要素の内部の中で、内向きに異なる場所へ延在してもよい。センサアレイ部分は、創傷被覆材構成要素全体を被覆しないことが好ましく、そのため、センサアレイの複数部分間に割れ目が形成される。
図2に示す通り、これにより、一部、および場合により大多数の創傷被覆材構成要素のカバーを、センサアレイによって取ることが可能になる。例えば、
図2および
図3Dに示す通りの穿孔創傷接触層に対して、センサアレイ部分301は、創傷接触層の大多数の穿孔を遮断しなくてもよい。一部の実施形態では、センサアレイはまた、流体の流れへの穿孔の遮断を最小化するために、創傷接触層の穿孔に合致するように穿孔されてもよく、または形作られてもよい。
【0205】
図3Dは、一部の実施形態に従い、穿孔創傷接触層320に組み込まれる可撓性センサアレイを示す。示す通り、センサアレイは、二つのフィルムまたは創傷接触層の間に挟まれ得る。創傷接触層は、創傷滲出液が被覆材の中へ流れるのが可能になる一方で、創傷被覆材の中への組織内殖を妨げるのに役立つほど充分小さい、上に記載した通りのスリットまたは孔として形成される穿孔を有し得る。一部の実施形態では、創傷接触層は、統合型センサアレイを伴う創傷接触層の可撓性を増大させる、一つ以上のスリットを有し得る。一部の実施形態では、創傷接触層のうちの一つは、センサが皮膚に直接接触し得るように、センサを収容する余分な切り取り部を有し得る。
【0206】
センサアレイの接続性は、利用される様々なセンサおよびセンサアレイ設計によって変化し得る。一部の実施形態では、例えば
図3Bに示す通り、総計79個の接続部を使用して、センサアレイの構成要素を接続し得る。センサアレイは、40本、ピッチ0.5mmの平行フラットフレキシブルケーブル(FFC)の二つの接触表面で終端することができ、最上表面上に端子を伴い、Molex 54104-4031などのFFCコネクタに接続するように設計される。
【0207】
いくつかの実施形態では、サーミスタ、導電率センサ、Spo2センサ、または色センサのうちの一つまたは複数を、センサアレイ上で使用して、創傷の状態に関連する情報を提供することができる。センサアレイおよび個々のセンサは、創傷の治癒を監視する際に、臨床医を支援し得る。一つ以上のセンサは、創傷および創傷治癒特性に関係するデータを提供するように、個々にまたは互いと連携して動作し得る。
【0208】
温度センサは、温度を測定するために、熱電対またはサーミスタを使用し得る。サーミスタは、基礎を成す創傷の温度、もしくは創傷被覆材内の熱環境を測定または追跡するように使用され得る。温度計は較正することができ、センサから得られるデータは、創傷環境についての情報を提供するように処理され得る。いくつかの実施形態では。周囲空気温度を測定する周囲センサは、環境温度シフトに関連する問題の排除を支援するためにも使用できる。
【0209】
光学センサを使用して、照射源のあるRGBセンサを使用して、創傷の外観を測定することができる。一部の実施形態では、RGBセンサおよび照射源の両方は、皮膚に押し付けることができ、光が組織中に透過し、組織自体のスペクトル特性を呈するであろう。
【0210】
組織の中の光伝播は、二つの主要な現象である、散乱および減弱によって支配され得る。減弱に対して、光が組織を通過するとき、組織の様々な構成要素による吸収のために、光の強度が損なわれる場合がある。青色光は、大きく減衰する傾向がある一方、スペクトルの赤末端の光は、最も減衰が少ない傾向がある。
【0211】
散乱過程はより複雑である場合があり、考慮しなくてはならない様々な「レジーム」を有し得る。散乱の第一の態様は、入射光の波長と比較した、散乱中心のサイズに基づく。散乱中心が光の波長よりもかなり小さい場合、レイリー散乱が想定され得る。散乱中心が光の波長ほどである場合、より詳細なミー散乱の定式化を考慮しなくてはならない。散乱光に関与する別の要素は、散乱媒質の投入と排出との間の距離である。光の平均自由行程(散乱事象間の距離)が、動く距離よりもかなり長い場合、弾道的光子輸送が想定される。組織の場合、スキャット事象はおよそ100ミクロン離れているため、1mmの行程距離により、光子の方向を効果的にランダム化し、システムは拡散性レジームに入るであろう。
【0212】
超高輝度発光ダイオード(LED)、RGBセンサ、およびポリエステル光フィルタを光学センサの構成要素として使用して、組織色分化を通して測定する。例えば、表面の色は反射光から測定し得るため、色は、所与の形状に対して最初に組織を通過した光から測定され得る。これは、皮膚と接触するLEDからの、拡散した散光色からの色感知を含み得る。一部の実施形態では、LEDは、組織を通って拡散した光を検出するように、すぐ近くのRGBセンサと共に使用され得る。光学センサは、拡散した内部の光または表面反射光で撮像し得る。
【0213】
加えて、光学センサが、自己蛍光を測定するように使用され得る。組織は一つの波長で光を吸収し、別の波長で放出しているため、自己蛍光が使用される。加えて、死んだ組織は自己蛍光を発することができないため、これは、組織が健康か否かに関する非常にはっきりとした指標となり得る。そのような浅い侵入深さを有する青色光(または、さらにUV光)によって、例えば、非常に特有の波長で自己蛍光を発するであろう健康な組織に対して、バイナリテストとして働くように、すぐ近くの赤に敏感なフォトダイオード(または、一部の他の波長をシフトする周波数帯)によるUV光を有することは、非常に有用である場合がある。
【0214】
伝導度センサは、生きている組織と死んだ組織との間の差を判定するか、または病的組織の中で開いている創傷による、インピーダンスの変化を示すかに使用され得る。伝導度センサは、Ag/AgCl電極およびインピーダンス分析器を含み得る。伝導度センサは、周囲の組織/範囲のインピーダンスを測定することによって、創傷が大きくなった領域のインピーダンスの変化を測定するように使用され得る。一部の実施形態では、センサアレイは、創傷サイズまたは創傷の形の変化による、周囲の電極上の伝導度の変化を測定するように、伝導度センサを利用し得る。一部の実施形態では、伝導度センサは、創傷床の中でまたは創傷の周囲で使用され得る。
【0215】
一部の実施形態では、pHが変化するパッドがpHセンサとして使用され得る。分光計、および広帯域の白色光源は、pH色素のスペクトル応答を測定するように使用され得る。照明および撮像は、創傷と接触している創傷被覆材の表面上と、流体適用と同じ側面にある最下表面上とに提供され得る。代替として、一部の実施形態では、照明および撮像源は、最下表面に対向し、流体適用から離れた創傷被覆材の表面、または被覆材の最上表面上に提供され得る。
【0216】
一部の実施形態では、パルスオキシメトリSpO2センサが使用され得る。血液がどのように酸素化され、拍動血がどのように流れるのかを計測することを、観察することができる。パルスオキシメトリ測定は、二つの異なる光波長で、光吸収/透過の時間分解測定を行うことによって機能する。ヘモグロビンが酸素化されるとき、その吸収スペクトルが非酸素化血液に関して変化する。二つの異なる波長で測定を行うことによって、一方で、血液を酸素化する方法の比率を用いた測定尺度を得る。
【0217】
センサアレイの中の構成要素は、複数の接続によって接続され得る。一部の実施形態では、サーミスタは、5個一組で配設され得る。各サーミスタは名目上10kΩであり、5つの各グループは共通の接地を有する。5組のサーミスタがあり、全部で30個の接続部を供給する。一部の実施形態では、9個の伝導性端子が存在し得る。各伝導性端子は一つの接続部を必要とし、全部で9個の接続部を供給する。一部の実施形態では、5個のSpO2センサが存在し得る。SpO2センサは、電力および接地(これらは別途被覆される)に加え三つの接続部を必要とし、全部で15個の接続部を供給する。一部の実施形態では、10色のpHセンサが存在し得る。各色センサは、RGB LEDおよびRGBフォトダイオードを含む。各色センサは6個の接続部を必要とするが、しかしながら、これらのうちの5個は全センサに共通し、全部で15個の接続部を供給する。電力および設置は別途考慮される。一部の実施形態では、5個のpHセンサが存在し得る。pHセンサは色が変化するディスクであることができ、上に記載した色センサを使用して感知され得る。そのため、pHセンサは追加の接続部を必要としない。三つの電源レールおよび7個の接地リターン信号があり、全部で10個の共通接続部を供給し得る。いくつかの実施形態には、25サーミスタ(Murata NCP15WB473E03RC)、9導電率端子、5Spo2(ADPD144RI)、10RGB LED(KPTF-1616RGBC-13など)、10個のRGB色センサ、10FET、プリント回路基板(PCB)、および組立品を含み得る。
【0218】
コントロールモジュールは、センサアレイと連動するように使用され得る。一部の実施形態では、コントロールモジュールは、センサを駆動するように、バッテリなどの電源および電子機器を包含し得る。またコントロールモジュールにより、適切な間隔でデータのログを取り、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部コンピュータデバイスへの、データ転送が可能となり得る。コントロールモジュールは、センサアレイで使用されるセンサと、センサにより収集されるデータとによって、様々な特徴部を有するようにカスタマイズされ得る。一部の実施形態では、コントロールモジュールは、数週間継続して身に着けられるほど、充分快適で小型であり得る。一部の実施形態では、コントロールモジュールは、創傷被覆材近くまたは創傷被覆材上に位置し得る。一部の実施形態では、コントロールモジュールは、創傷被覆材および付随のセンサアレイから遠隔の場所に位置し得る。コントロールモジュールは、被覆材上、被覆材近くまたは創傷被覆材から遠隔に位置していても、電線を介してまたは無線通信によって、センサアレイおよび創傷被覆材と通信し得る。一部の実施形態では、コントロールモジュールは、異なるセンサアレイと共に利用されるように適応することができ、センサアレイの容易な交換が可能となり得る。
【0219】
一部の実施形態では、コントロールモジュールは、以下の表1に列挙する特徴を含むが限定はされない、様々な要件および特徴の組み合わせを含み得る。
【0220】
【0221】
図3Eは、一部の実施形態に従う、コントロールモジュールのブロック
図330を示す。コントロールモジュールのブロック図は、伝導度ドライバの特徴を表示する、伝導度ドライバボックス391を含む。ボックス392は、サーミスタインターフェースの特徴を示し、ボックス393は光インターフェースの特徴を示す。コントロールモジュールは、ボックス394に示されるものと類似の特徴を伴う、コントローラまたはマイクロプロセッサを含み得る。リアルタイムクロック(RTC)、状態LED、USBコネクタ、シリアルフラッシュおよびデバッグコネクタは、
図3Eに示す通り、コントロールモジュールの特徴部として含まれ得る。
【0222】
一部の実施形態では、マイクロプロセッサは、次の特徴のうちの一つ以上を有し得る。2.4GHz、もしくは別の他の好適な周波数無線(統合型または外付けのいずれか);供給するBluetooth(登録商標)ソフトウェアスタック;SPIインターフェース;USB(または外付けUSBドライバ用UART);I2C;3チャネルPWM;32GPIO;または6チャネルADC。一部の実施形態では、デバイスは、盛り上がりを作る制限から、少なくとも48個のI/Oピン、または場合によりそれ以上を必要とし得る。Bluetooth(登録商標)スタックは通常、20kB未満の搭載フラッシュを必要とするため、最低32kBが必要とされ得る。一部の実施形態では、複雑なデータ処理を考慮する場合には、64kBが必要とされ得る。プロセッサコアは、ARM Cortex M4または類似のプロセッサコアであり得る。一部の実施形態では、部品は、外部無線機、もしくは統合無線機を含むNXPのKinetis KWクラスを必要とし得る、STのSTM32L433LCまたはSTM32F302R8を含むだろう。
【0223】
一部の実施形態では、コントロールモジュールは、メモリ構成要素を含むことができ、ローカルストレージの量は、センサのサンプル速度および解像度による。例えば、推定されるデータ要件である256Mb(32MB)は、いくつかの製造業者(Micron、Spansion)のシリアルフラッシュデバイスを使用することによって満たされ得る。
【0224】
コントロールモジュールは、一つ以上のアナログスイッチを利用し得る。一部の実施形態では、優れたオン抵抗および合理的な帯域幅を伴うアナログスイッチが使用され得る。例えば、Analog DevicesのADG72またはNXPのNX3L4051HRが使用され得る。初期システムアーキテクチャに基づき、これらのうちの八つが必要となる。
【0225】
コントロールモジュールは、バッテリなどの電源を組み込み得る。例えば、300mWh/日のバッテリが使用され得る。7日間で2100mWhである。これは、10日間分の非充電式ER14250(直径14.5mm×25mm)LiSOCl2セル、または7日間分の充電式Li 14500(直径14.5mm×500mm)Li-Ionにより提供され得る。
【0226】
コントロールモジュールは、リアルタイムクロック(RTC)を組み込み得る。RTCは、結晶を伴ういずれのRTCデバイスより選ばれ得る。コントロールモジュールはまた、種々の抵抗器、コンデンサ、コネクタ、充電コントローラおよび他の電力供給部も含み得る。
【0227】
コントロールモジュールのPCBは、およそ50mm×20mmまたは25mm×40mmの4層基板であり得る。使用されるPCBのタイプは、センサアレイへの接続要件によって大部分駆動され得る。
【0228】
コントロールモジュールの筺体は、センサアレイまたはバッテリを充電するために、容易にアクセスが可能になるクリップ特徴部を伴う、二つの部分から成る成形品であり得る。
【0229】
センサアレイを通して収集されるデータは、コントロールモジュールを通過し、ホストソフトウェアにより処理され得る。ソフトウェアは、処理デバイス上で実行されてもよい。処理装置は、PC、タブレット、スマートフォン、またはホストソフトウェアを実行可能な他のコンピュータであってもよい。ソフトウェアを実行する処理デバイスは、電線を通してまたは無線通信によって、コントロールモジュールと通信し得る。一部の実施形態では、ソフトウェアは、ビッグデータ解析を実施するのではなく、コントロールモジュール上に保管するデータへのアクセスを提供するように構成されてもよい。ホストソフトウェアは、Bluetooth(登録商標)またはUSBを介した、コントロールモジュールに対するインターフェースを含み得る。一部の実施形態では、ホストソフトウェアは、コントロールモジュールの状態読み取り、コントロールモジュールからのログデータのダウンロード、コントロールモジュールへのサンプル速度制御のアップロード、コントロールモジュールデータのビッグデータ解析エンジンによる処理に好適な形式への変換、または解析エンジンによる処理用クラウドへのデータのアップロードを行い得る。
【0230】
ソフトウェアは、PC(Windows/Linux(登録商標))、タブレットもしくはスマートフォン(Android/iOS)、または複数のプラットフォーム向けに開発されてもよい。
【0231】
一部の実施形態では、陰圧の源(ポンプなど)、ならびに電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(例えば、ボタン、スイッチ、スピーカ、画面など)および同類のものなど、局所陰圧システムの他の構成要素の一部またはすべては、創傷被覆材と一体化し得る。一部の実施形態では、構成要素は、裏当て層の最上部下方、最上部内、最上部上、または裏当て層に隣接して統合され得る。一部の実施形態では、創傷被覆材は、創傷被覆材の層、および統合された構成要素のいずれの上に、位置決め用第二のカバー層または第二のフィルタ層を含み得る。第二のカバー層は、被覆材の一番上の層であることができ、または局所陰圧システムの統合された構成要素を取り囲んでいた、別個の外皮であり得る。
【0232】
本明細書で使用される通り、上部層、最上層または上方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面から最も遠い層を指す。したがって、下面、下部層、最下層または下方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面に最も近い層を指す。
【0233】
構成要素の位置決めおよび/または応力緩和
いくつかの実施形態では、センサ、接続部、等といった電気または電子構成要素は、一つまたは複数の創傷被覆材構成要素上に配置または位置決めされるか、または埋め込まれ得、その創傷被覆材構成要素は、創傷、皮膚、または創傷および皮膚の両方の中または上に配置され得る。例えば、一つまたは複数の電子構成要素は、
図1Bの創傷接触層222の下面224といった、創傷に面する創傷接触層側に位置決めされ得る。別の例として、一つまたは複数の電子構成要素は、
図1Bの創傷接触層222の上面223といった、創傷から離れて面する創傷接触層側に位置決めされ得る。創傷接触層は、創傷に適合するか、または覆うために可撓性、弾性、または伸縮性、もしくは、実質的に可撓性、弾性、または伸縮性であってもよい。例えば、創傷接触層は、様々なフルオロポリマー(FEP)およびコポリマー、または別の好適な材料と共に、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)のうちの一つまたは複数といった、伸縮性または実質的に伸縮性のある材料から作製され得る。いくつかの実例では、一つまたは複数の電子構成要素は、あるいは、またはさらに、透過層、吸収性層、裏当て層、または創傷被覆材のその他任意の好適な層のうちの、いずれか一つまたは複数に位置決めまたは埋め込まれ得る。
【0234】
いくつかの実装では、創傷により良く適合するか、または創傷を覆うように、創傷接触層に伸縮性があることが望ましい場合があるが、電子構成要素のうちの少なくともいくつかに伸縮性または可撓性がなくてもよい。こうした事例では、創傷が創傷被覆材で被覆され、創傷接触層が創傷の中、または上に位置決めされると、電子構成要素の支持領域または取付部上といった、一つまたは複数の電子構成要素上に、望ましくないまたは過剰な、局所的な歪みまたは応力が加えられ得る。例えば、このような応力は、患者の動き、創傷の形状またはサイズの変化(その治癒のため)などに起因することがある。このような応力は、一つまたは複数の電子構成要素の移動、脱落、または誤作動(例えば、ピンまたは別のコネクタが接続解除されることによる開回路の発生)を引き起こす場合がある。一つまたは複数の電子構成要素によって回収された測定値が、創傷の、同一または実質的に同一の配置または領域における経時変化を正確に捕えるよう、創傷に対して(例えば、創傷に接触して、創傷接触層上で同一または実質的に同一の配置または領域に一つまたは複数のセンサといった、一つまたは複数の電子構成要素の位置を維持することが望ましい場合がある。伸縮可能な創傷接触層の表面は、例えば、患者が動くと移動し得るが、創傷に対して同一配置または領域に配置された一つまたは複数の電子構成要素を有することが望ましい場合がある。
【0235】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、非伸縮性または実質的に非伸縮性材料の一つまたは複数の領域といった、一つまたは複数の固く、剛性があり、非伸縮性の、または、実質的に固く、剛性があり、非伸縮性の領域は、一つまたは複数の電子構成要素を支持するための創傷接触層(または別の好適な創傷被覆材構成要素)上に取り付けられ得るか、位置決めされ得るか、または配置され得る。一つまたは複数の非伸縮性または実質的に非伸縮性領域に一つまたは複数の電子構成要素を取り付けること、位置決めすること、または配置することは、創傷に対して一つまたは複数の電子構成要素の位置を維持することに伴って、局所的な応力または助力が形成されることを防止し得る。いくつかの実例では、あるいは、またはさらに、一つまたは複数の電子構成要素は、一つまたは複数の可撓性材料上に取り付けられるか、または印刷されるか、またはそれによって支持されるなど、可撓性であってよい。例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル、シリコン、等といった、可撓性プラスチックシートまたは基板が使用されてもよい。
【0236】
図4A~
図4Fは、いくつかの実施形態による、複数の電子構成要素を有する創傷被覆材400を示す。示されるように、シートまたは基板430は、複数のコネクタ404および複数の電子接続410を有する電子構成要素またはモジュール402を含む一つまたは複数の電子構成要素と、非伸縮性または実質的に非伸縮性領域422および424を支持するよう構成される。基板430は、本明細書に記載されるように、伸縮可能または実質的に伸縮可能な創傷接触層であってもよい。電子モジュール402は、センサ、光源(LED、温度センサ、光センサ、等)、コントローラ、またはプロセッサ(通信プロセッサ、等)、等といった、本明細書に記載される任意の電子構成要素であってもよい。電子接続410は、導電性銅、導電性インク(銀インク、銀インク、銀/銀クロリドインク、銅インク、黒鉛インク、炭素インク、誘電インク、等)を使用するなど、基板430上に印刷されたトラックであってもよい。電子接続410の少なくともいくつかは、可撓性または伸縮可能であるか、または、実質的に可撓性または伸縮可能であってもよい。一つまたは複数のコネクタ404は、電子モジュール402を電子接続410に電子接続するよう構成され得(
図4Bに示すように)、さらに、基板430上、創傷被覆材の他の構成要素上または中、または、創傷被覆材の外側に位置決めされたその他の電子モジュール(図示なし)に接続され得る。コネクタ404は、ピン、リード線、突起、パッド等であってもよい。さらに、またはあるいは、ソケットを使用して、電子モジュール402を支持、および電子接続することができる。
【0237】
電子モジュール402は、一つまたは複数のコネクタ404を介して基板430上の所定位置に保持され得る。例えば、コネクタ404は、電子接続410にはんだ付けされ得るか、または、そうでなければ電気接続され得る。こうした配置は、創傷被覆材が創傷内に位置決めされるときに、電子モジュール402が使用中に脱落するリスクがある。特に電子モジュール402は非常に小さい場合があるため、電子モジュール402の脱落、および創傷(創傷空洞、等)内へそれが落下することは、患者の安全性に弊害をもたらすだろう。いくつかの実施形態では、接着剤406は、電子モジュール402を基板430にしっかりと貼り付けるか、または取り付けられるよう、適用され得る。
図4Aに示すように、接着剤406は、電子モジュール402を領域422にしっかりと貼り付けるか、または取り付け得る。接着剤406は、一つまたは複数のコネクタ404によって提供される補強材に追加的に機械的補強材を提供できる。接着剤406は、エポキシまたはその他任意の好適な接着剤であってもよい。接着剤406は、熱硬化可能であるか、または、その他任意の好適な方法によって硬化可能であり得る。
【0238】
例えば、基板430は、本明細書に記載されるように、可撓性回路基板を含むことができる。コネクタ404をはんだ付けする前に、電子モジュール402は、熱硬化性エポキシなどの接着剤406を使用して、回路基板に貼り付けられ得る。接着剤406は、はんだ付け前に、またはそれと同時に、硬化され得る。例えば、波はんだ付けが使用される場合、接着剤406は、波はんだ付けによって生成される熱の結果として硬化され得る。いくつかの事例では、可撓性回路基板は、二重層回路基板であってもよく、追加的な電子モジュールは、回路基板のもう一方の側に同様に貼り付けられ得る。いくつかの実施形態では、コネクタ404の代わりに、またはコネクタ404に加えて、導電性接着剤を使用することができる。
【0239】
追加的な電子構成要素は、同様に取り付けるか、または貼り付けることができる。特定の実施形態では、一つまたは複数の電子トラック410はまた、接着剤を使用して同様に取り付けられるか、または貼り付けられてもよい。いくつかの実装では、創傷から離れて面する創傷被覆材400の側面上に位置決めされた、一つまたは複数の電子構成要素またはトラックは、接着剤を使用して同様に取り付けられるか、または貼り付けられてもよい。
【0240】
いくつかの事例では、本明細書に記載したように、一つまたは複数の電子構成要素またはコネクタを貼り付けるための接着剤を使用することにより、静電気放電(ESD)によって創傷被覆材400の電子機器が損傷するのを防止するのに役立ち得る。ESDは、例えば、電気的除細動によって引き起こされ得、また、創傷被覆材400の導電性要素の間のアーチングとして現れ得る。接着剤は、電子構成要素から離れて(例えば、接地面に)電荷を供給して、電子機器への損傷を防止し得る。
【0241】
図4Aを参照すると、領域422および424は、接着剤、エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、PET、PBT、または高いヤング率を有する別のタイプの材料のうちの一つまたは複数といった、非伸縮性または実質的に非伸縮性材料を含み得る。領域422および424のうちの一つまたは複数を、基板430上に印刷することができる。本明細書で使用されるように、基板上に材料を印刷することは、ラミネートすること、接着させること、またはその他好適な技術のうちの一つまたは複数を含み得る。いくつかの実装では、領域422上に可撓性回路基板が位置決めされ得る。
【0242】
図4Bは、基板430上に位置決めされた構成要素(
図4Aに図示)を示す。示されるように、電子モジュール402は、領域422に取り付けられるか、またはそれによって支持される。電子接続410の一部分または一部は、領域424に取り付けられるか、またはそれによって支持される。また、一部の実施形態により、基板430に形成されたスリット、穴、または穿孔が図示されている。本明細書に記載されるように、基板430は、冷ピン穿孔、温ピン穿孔、レーザー切除穿孔、超音波または超音波穿孔、等のうちの一つまたは複数を使用して穿孔されて、創傷接触層を液体および気体に対して浸透性とすることができる。いくつかの実装では、一つまたは複数の利用された穿孔プロセスは、穴周りの平坦な、または実質的に平坦な基板か、不均等な表面(ドーナツ形状面、等)のいずれかを生成できる。相似被覆が適用される(本明細書に記載されるような、スプレー、ブラシ、押出料、等を介して、等)場合、平坦な、または実質的に平坦な基板を有することは、均質な層を生成することを支援することができる。さらに、構成要素の周りに穿孔が行われるとき、基板の表面を不均等に、または実質的に不均等のまま残す穿孔プロセスを使用することによって、電子接続410または電子モジュール402などの一つまたは複数の構成要素が除去されるリスクが大きくなり得る。
【0243】
特定の実施では、電子接続410、電子モジュール402、または領域422または424といった、基板430上に配置された一つまたは複数の構成要素周りに穿孔が作製されるか、またはパターン化される。本明細書で説明したように、構成要素のインデックスを使用して、一つまたは複数の構成要素が穿孔によって損傷されないように、基板430上の一つまたは複数の構成要素の位置を自動的に配置することができる。いくつかの実施形態では、基材上に配置されている、
図4Aに示された一つまたは複数の構成要素の前に、基板を穿孔することができる。
【0244】
図4Cおよび
図4Fは、いくつかの実施形態による、被覆440または一つまたは複数の接着剤領域452、454、456のうちの一つまたは複数の任意の適用を図示する。
図4Cは、創傷に面する基板430の側面上に位置付けられた、一つまたは複数の電子モジュールを備えた創傷被覆材400を図示する。
図4Fは、創傷から離れて面する基板430の側面上に位置付けられた、一つまたは複数の電子モジュールを備えた創傷被覆材400を図示する。被覆440は、電子接続410または電子モジュール402といった、基板430または基板によって支持される構成要素のうちの一つまたは複数を封入または被覆するよう構成された、相似被覆であってもよい。被覆440は、生体適合性を提供するか、電子機器が流体等と接触することから遮断または保護し得る。被覆440は、好適なポリマー、1165または1072MのUV、光、または熱硬化性または硬化した接着剤といった接着剤、Optimax接着剤(NovAchem Optimax 8002-LV、等)、パリレン(パリレンC、等)、シリコンポキシ、ウレタン、アクリル化ウレタン、または別の好適な生体適合性および伸縮性材料のうちの一つまたは複数で有り得る。被覆440は、厚さ約100ミクロン、約100ミクロンよりも薄い、または約100ミクロンよりも厚い、といった薄さであってもよい。被覆440は、UV、光、または熱硬化のうちの一つまたは複数を使用して適用および硬化され得る。いくつかの実装では、特に基板が流体に対して不透過性でない場合、基板430(または創傷から離れて構成要素に面する側)の他方の側に、被覆440を適用することができる。特定の実施では、特に基板が流体に対して不透過性でない場合、基板430(または創傷に面する側)の他方の側に被覆440を適用することができる。いくつかの実施形態では、被覆は任意である。
【0245】
一つまたは複数の接着剤パッド、トラック、または領域452、454、456は、
図4Cおよび
図4Fに示すように、基板430の創傷に面する側または被覆440の創傷に面する側に適用され得る。
図4Cを参照すると、いくつかの実施形態では、創傷と接触する、またはそれに対する第一の特定また特有の範囲、領域、または位置といった、創傷の第一の特定または特有の部分に接触する、またはそれに対する電子モジュール402を貼り付けられるよう、第一の接着剤領域452を形状付け、サイズ決めし、位置決めすることができる。接着領域452は、モジュールを創傷内の特有の位置に貼り付けられるように、領域422または電子モジュール402を同様に形状拭けし、サイズ決めすることができる。
図4Fを参照すると、接着剤領域452は、領域422または電子モジュール402と同様に形状付けされ、サイズ決めされ得るが、領域452は、創傷接触層の反対側の、創傷に面する側上にある領域422または電子モジュール402に、過度に位置付けられて、創傷の特定の位置にモジュールを貼り付けるか、または位置付けることができる。同様に、第二の接着剤領域454は、創傷に接触する、またはそれに対する第二の特定または特有の範囲、領域、または位置など、創傷の第二の特定または特有部分に対して、領域424によって保持される電子接続410の一部分または一部を貼り付けるように、形状付けられ、サイズ決めされ、または位置付けられ得る。接着剤456の別の(第三の)領域が図示されており、創傷に接触する、またはそれに対する別の(第三の)特定または特有の範囲、領域、または配置といった、創傷の別の(第三)の特定または特有の部分に、創傷接触層の別の部分を貼り付けることができる。接着材料は、二成分シリコン、一成分シリコン、ゲル、エポキシ、アクリルベース材料、または別の好適な材料といった、シリコンのうちの一つまたは複数であってもよい。接着剤は、UV、光、または熱硬化のうちの一つまたは複数を使用して適用および硬化され得る。例えば、接着剤は印刷、スプレー、被覆、等をされ、UV、光、熱硬化、触媒、水蒸気、等によって硬化され得る。いくつかの実施形態では、接着剤は任意である。
【0246】
いくつかの実施形態では、一つまたは複数の接着剤領域は、基板430が応力または歪み下にあっても、創傷と接触する、または創傷に対する特有の範囲、領域、または位置に特定の構成要素を位置付けまたは貼り付けるよう、パターン化され得る。基板は接着剤領域間で歪み得るが、センサといった電子モジュール402は、(接着剤領域452のために)創傷に接触する、または創傷に対して同じ位置に留まることになり、これにより、最も繰り返し可能な信号が維持され、基板430が歪みを受けるときに、電子接続410が(接着剤領域454のために)創傷を横切って引きずられないように、電子接続410の一部分または一部が、創傷に接触する、または創傷に対して同じ位置に留まることになる。さらに、電子モジュール402の支持範囲または取付部は、身体(例えば、皮膚であり、約20%歪む場合がある)が応力のいくらかを緩和することになるため、大きな応力下に置かれることはなく(例えば、一つまたは複数の接着剤領域によって創傷接触層を創傷に取り付けるため)、基板が電子モジュールの周りでたわむことになる。同様の応力緩和が、接着剤領域454によって覆われる電子接続410の部分に提供され得る。これにより、一つまたは複数の電子構成要素の誤作動を防止できる。
【0247】
特定の実施形態では、接着剤領域のパターンは、本明細書に記述されるインデックス付けを使用して決定できる、一つまたは複数の電子構成要素の位置決めに基づいてもよい。本明細書で説明した通り、創傷接触層上の応力または歪みを均一化するために接着剤をパターン化することが望ましい場合がある。一つまたは複数の電子構成要素が置かれる領域といった、特定の範囲または領域を強化または支持しつつ、応力を分散させるか、または、一つまたは複数の電気構成要素が歪むのを回避するよう、その他の領域を弱める(または剛性を下げる)よう、接着剤がパターン化され得る。例えば、接着剤とともに、創傷接触層の創傷に面する表面の少なくとも50%以上を覆うことが望ましい場合がある。特定の実装では、接着剤は、創傷接触層の創傷に面する側全体を覆う、または実質的に覆うように適用され得る。
【0248】
いくつかの実施形態では、一つまたは複数の接着剤領域を形成するために使用される接着材料は、非伸縮性または実質的に非伸縮性であり得る。領域422および424といった、非伸縮性または実質的に非伸縮性材料の一つまたは複数の領域は使用されない、または、一つまたは複数の接着剤領域とは異なるようサイズ決めまたは形状付けられ得る。
【0249】
いくつかの実装では、一つまたは複数の接着剤領域のいずれかまたはすべてが、被覆440と基板430との間、一つまたは複数のモジュール402と基板430との間(基板に一つまたは複数のモジュールを貼り付ける、等)、または、一つまたは複数のモジュール402と被覆440との間において、被覆440上に位置決めされ得る。
【0250】
図4Dおよび
図4Eは、いくつかの実施形態による、一つまたは複数の電子モジュール402の基板430への取付けを図示する。
図4Dは、基板430に取り付ける前の様々な構成要素を図示し、
図4Eは、基板430に取り付けた後の様々な構成要素を図示する。示されるように、一つまたは複数の領域470を基板430上に含めるか、または形成することができる。例えば、領域470は、電子モジュール402が基板430上に位置付けられることが意図されている領域のおよそ中心において形成され得る。その後、電子モジュール402は、領域470上にしっかりと取り付けられるか、またはそれによって支持されてもよい。領域470は、シリコン(例えば、二成分シリコン、一成分シリコン、等)、ゲル、エポキシ、アクリルベース材料、または別の好適な材料のうちの一つ又は複数とといった、接着剤材料から形成されてもよい。接着剤は、UV、光、または熱硬化のうちの一つまたは複数を使用して適用および硬化され得る。例えば、接着剤は印刷、スプレー、被覆、等をされ、UV、光、熱硬化、触媒、水蒸気、等によって硬化され得る。
【0251】
いくつかの実装では、領域470は、熱硬化性であるエポキシから形成され、はんだ(
図4Eでは480として図示)が溶融されて、電子モジュールのコネクタ404を基板430上に位置付けられたコネクタ480に接続されるとき、硬化する(例えば、リフロー炉)。コネクタ480は、一つまたは複数の電子接続410への電気接続を提供するように構成される。
【0252】
特定の実装では、一つまたは複数の電子モジュールによって生成された熱を放散するために、一つまたは複数の領域470は、一つまたは複数の電子モジュール402から基板430へ熱導電性経路を提供する。一つまたは複数の領域470は、さらに、またはあるいは、電気アイソレータとして機能することができる。一つまたは複数の領域470は、本明細書に記載されるような、被覆440の追加の前に、一つまたは複数の電子モジュール402が正しく且つしっかりと取り付けられていることを確実にすることができる。いくつかの事例では、被覆440は、硬化する前に一つまたは複数の電子モジュール402の下に流れるように設計されてもよいが、基板430上に一つまたは複数の領域470を含むことにより、被覆440が流れるのに必要な距離を減少させ、気泡が一つまたは複数の電子モジュール402の下に残る可能性を最小にすることができる。
【0253】
いくつかの実施形態では、一つまたは複数の領域470は、基板403上の一つまたは複数の電子接続410の一部分または全体を取付けるか、または位置決めするよう、同様に使用され得る。いくつかの事例では、一つまたは複数の領域470は同様に機能し、
図4Aに図示され、本明細書に記載される接着剤領域406と類似の利点を提供する。
【0254】
単一の電子モジュール402および領域470が
図4A~
図4Eに図示されているが、特定の実装では、複数の電子モジュールおよび領域を使用できる。追加の電子モジュール、または、電子モジュール402と追加の電子モジュールを相互接続する一つまたは複数の電子接続410のうちの一つまたは複数を、一つまたは複数の追加の非伸縮性または実質的に非伸縮性領域上に配置することができる。さらに、またはあるいは、接着剤領域は、本明細書に記載されるように、創傷と接触するか、またはそれに対して、一つまたは複数の電子モジュールまたは電子接続をさらに貼り付けるように配置されうる。
【0255】
図5Aは、いくつかの実施形態による複数の構成要素を有する創傷被覆材500Aを図示する。示されるように、創傷被覆材500Aは、電子モジュール402および電子接続410を含む。モジュール402を支持するための領域422を含む代わりに、またはそれに加えて、非伸縮性または実質的に非伸縮性の領域550は、モジュール402を囲むまたは実質的に囲む、モジュール402の周辺に形成され得る。領域550は、領域422または424と同一または異なる材料から形成することができる。領域550は、モジュール402を歪みに曝すのではなく、歪みを吸収または維持することができる。いくつかの実装では、領域550は、モザイク式または実質的にモザイク式の形状(例えば、実質的な間隔または重複する部分のない単一形状)に形成するよう構成され得る。これは、一つまたは複数の電子構成要素上の歪みを減少させながら、領域550上または領域550を横切って歪みを分配することを助けることができる。例えば、被覆材に加えられる特定の全体的な歪みについて、局所歪みは、全体歪み値を超えて(領域550上または領域550を横切って)および全体歪み値を下回って(一つまたは複数の電子構成要素上またはそれを横切って)変化することになる。
【0256】
図5Bは、歪みまたは応力が被覆材に印加されたときの、線A-Aに沿った創傷被覆材500Aの断面図を示す。示されるように、領域550が距離dによってモジュール402から分離される場合、基板430は、創傷または皮膚上のモジュール402によって加えられる圧力を最小にするため、z平面(例えば、矢印560によって示されるように、創傷から下向きに離れて)モジュール402を歪ませ、移動させることができる。モジュール402は、創傷から離れるように押され得るが、創傷または皮膚との接触を維持するか、または創傷または皮膚に接触し得る。これにより、創傷内のモジュール402の所望の位置決めを維持しながら、基板430が歪みを受けるときに、モジュール402が創傷に食い込むことによる患者の不快感を防止または抑制できる。
【0257】
いくつかの実施例では、領域550は、モジュールの一つまたは複数の側面は囲まれていないままにする等、モジュール402を完全には囲まなくてもよい。特定の事例では、領域550をモジュール402から分離する距離dは、モジュール402の周辺で変化し得る。特定の事例では、領域550などの、一つまたは複数のその他の領域を使用することができる。例えば、別の領域を利用して、領域424によって支持される電子接続410の一部を囲むかまたは実質的に囲むことができる。こうした別の領域は、追加的に、または領域424の代わりに使用することができる。
【0258】
いくつかの実装では、直線電子接続410を使用するのではなく、今サーティーナの形態の接続部を使用できる。これにより、例えば、トラックが基板の比率を大きく占めることになる、トレードオフのある個別接続トラックのより小さい局所的な歪みのために、基板のより大きな、全体的な歪みを許容し得る。いくつかの事例では、一つまたは複数のより薄いトラックを歪みゲージとして使用して、意図的に固定された(例えば、接着剤によって)硬い点の間の歪みを特定し得る。
【0259】
特定の実施形態では、一つまたは複数の歪みゲージ(トラックまたは別の歪みゲージであってもよい)を使用して、創傷被覆材が取り除かれたかどうか、または、領域452、454、または456などの、接着剤の一つまたは複数の領域が失敗した(例えば、外れた)かどうかを特定できる。例えば、予想される移動および対応する歪みの喪失は、一つまたは複数の接着剤領域の除去または剥離を特定し得る。測定された歪みは、被覆材の取り外れ(例えば、被覆材全体上の歪みがほとんどまたは全く示されていないことを示す)、一つまたは複数の接着剤領域の脱落(例えば、脱落した特定の領域において歪みがほとんどまたは全く示されていないことを示す)、等にそれぞれ対応する、一つまたは複数の閾値と比較され得る。
【0260】
いくつかの実施形態では、シルバー粒子を有するエポキシといった半弾性導電性接着剤、異方性接着剤、または別の好適な接着剤を使用して、基板430上に一つまたは複数の電子構成要素を取り付けることができる。これにより、応力が創傷被覆材に印加される場合に、取付けに対する横方向の柔軟性を可能にし得る。いくつかの事例では、こうした取付けは、本明細書に記載の非伸縮性または実質的に非伸縮性の領域への取付けに加えて、またはその代わりに使用できる。
【0261】
図5Cおよび
図5Dは、
図5Aおよび
図5Bに図示される被覆材と類似するが、創傷から離れた基板430の側面上に、一つまたは複数の電子構成要素を含む、創傷被覆材500Bを図示する。
図5Dに示されるように、領域550が距離dによってモジュール402から分離される場合、基板430は、創傷または皮膚上のモジュール402によって加えられる圧力を最小にするため、z平面(例えば、矢印560によって示されるように、創傷から上向きに離れて)モジュール402を歪ませ、移動させることができる。モジュール402は、創傷から離れるように押され得る。
【0262】
図6Aは、いくつかの実施形態による、創傷被覆材400または500Aといった創傷被覆材を製造または作製するためのプロセス600Aを示す。単一の被覆材に関連付けられた創傷接触層の単一の領域が示されているが、プロセス600Aを使用して、複数の被覆材のための複数の創傷接触層を平行または実質的に平行に製造することができる(
図8参照)。プロセス600Aは、アセンブリまたは製造機械によって実施され得る。
【0263】
プロセス600Aは、基材が提供されるステップまたはブロック602から開始することができる。基板をエラストマー(例えば、TPU)から作製することができる。ブロック604では、一つまたは複数の非伸縮性または実質的に非伸縮性領域を基板上に配置または位置決めできる。こうした一つまたは複数の領域を基板上に印刷して、一つまたは複数の構成要素に対する応力または歪みの緩和を提供することができる。ブロック606では、一つまたは複数の導電性電子接続を基板上に位置決めまたは配置することができる(例えば、一つまたは複数のトラックを導電性インクで印刷できる)。ブロック608では、一つまたは複数の電子構成要素を基板上に取り付けるか、またはその上に位置付けることができる。一つまたは複数の電子構成要素または接続部は、本明細書に記載されるように、接着剤を使用して基板にしっかりと貼り付けられ得る。示すように、電子モジュールは、非伸縮性または実質的に非伸縮性の領域上に取り付けられるか、または位置決めされ得る。
【0264】
ブロック610では、穿孔は基板内で行うことができ、これは本明細書に記載のインデックス付けを使用して実施され得る。ブロック612では、被覆は、任意で、一つまたは複数の電子構成要素(モジュールまたは接続部など)または基板のその他の領域に適用され得る。被覆は相似被覆とすることができる。例えば、被覆は、UV、光、または熱硬化のうちの一つまたは複数を使用して適用および硬化されるウレタン被覆であってもよい。特定の実装では、相似被覆を適用する前に基板を穿孔することで、相似被覆(厚さ約100ミクロンであってもよい)が一つまたは複数の穿孔穴を通って流れ、基板の内側(例えば、相似被覆の硬化中)に結合することを可能にする。これにより、被覆または封入欠陥の可能性を低減または最小限にできる。
【0265】
ブロック614では、接着剤の一つまたは複数の領域が任意で適用され、これは、本明細書に記載されるようなインデックス付けを使用して実施され得る。例えば、接着剤はシリコンであってもよく、UV、光、または熱硬化のうちの一つまたは複数を使用して適用および硬化され得る。ブロック616では、個々の被覆材(例えば、システム)のための創傷接触層は、複数の他の被覆材のための創傷接触層を含む創傷接触層のシートまたはウェブから切断または分離できる。こうした切断は、本明細書に記載のインデックス付けを使用して実施され得る。
【0266】
図6Bは、いくつかの実施形態による、創傷被覆材400または500Bといった創傷被覆材を製造または作製するためのプロセス600Bを示す。プロセス600Bは、ブロック614の接着剤が、基板の、一つまたは複数の電子構成要素を支持する側に対向する、基板の創傷に面する側に適用されるという点で、プロセス600Aとは異なる。
【0267】
図7Aは、いくつかの実施形態による、創傷被覆材400または500Aといった創傷被覆材を製造または作製するためのプロセス700Aを示す。単一の被覆材に関連付けられた創傷接触層の単一の領域が示されているが、プロセス700Aを使用して、複数の被覆材のための複数の創傷接触層を平行または実質的に平行に製造することができる(
図8参照)。プロセス700Aは、アセンブリまたは製造機械によって実施され得る。
【0268】
プロセス700Aは、基材が提供されるステップまたはブロック702から開始することができる。基板をエラストマー(例えば、TPU)から作製することができる。ブロック704では、一つまたは複数の非伸縮性または実質的に非伸縮性領域を基板上に配置または位置決めできる。こうした一つまたは複数の領域を基板上に印刷して、一つまたは複数の構成要素に対する応力または歪みの緩和を提供することができる。ブロック706では、一つまたは複数の導電性電子接続を基板上に位置決めまたは配置することができる(例えば、一つまたは複数のトラックを導電性インクで印刷できる)。ブロック708では、一つまたは複数の電子構成要素を基板上に取り付けるか、またはその上に位置付けることができる。一つまたは複数の電子構成要素または接続部は、本明細書に記載されるような接着剤を使用して基板に貼り付けられ得る。示すように、電子モジュールは、非伸縮性または実質的に非伸縮性の領域上に取り付けられるか、または位置決めされ得る。
【0269】
ブロック710では、被覆は、任意で、一つまたは複数の電子構成要素(モジュールまたは接続部など)または基板のその他の領域に適用され得る。被覆は相似被覆とすることができる。例えば、被覆はウレタン被覆とすることができる。ブロック712では、接着剤の一つまたは複数の領域が任意で適用され、これは、本明細書に記載されるようなインデックス付けを使用して実施され得る。例えば、接着剤はシリコンであり得る。ブロック714では、被覆または接着剤のうちの一つまたは複数を結合する、強化する、または固めるために、硬化を実施することができる。例えば、UV、光、または熱硬化のうちの一つまたは複数を実施することができる。
【0270】
ブロック716では、穿孔は基板内で行うことができ、これは本明細書に記載のインデックス付けを使用して実施され得る。穿孔は、適用可能である場合(例えば、接着剤が一つまたは複数の電子構成要素を超過しない場合)、接着剤を通して作製され得る。いくつかの事例では、相似被覆を適用した後に基板を穿孔することで、基板から被覆が剥離する分離が生じ得る。例えば、ホットピン穿孔を使用すると、剥離の原因となり得る。これは、相似被覆が一つまたは複数の穴内にあることによって、一つまたは複数の穴の直径が小さくなることを考慮した、サイズの大きい穴を(ホットピン穿孔中に過度にボーリングすること等によって)作製することによって、または、超音波またはレーザー穿孔といった、ラミネーションを引き起こさない別の穿孔技術を使用することによって、防止され得る。こうした実施形態では、または本明細書に記述した任意のその他の実施形態では、接着剤被覆は、個々の穿孔の周りにパターン化され得る。
【0271】
特定の実装では、穿孔の前に接着剤を適用することで、接着剤を穿孔の位置上に被覆することができ、これによって、接着剤範囲を増加させ、創傷と接触する、または創傷に対する一つまたは複数の電子構成要素の位置要件を緩和することができる。いくつかの事例では、超音波穿孔が利用されるときに、中間層または犠牲層を超音波変換器またはソノトロードの上方で使用してもよい。こうした犠牲層(PETまたは別の好適な材料であってよい)は、穿孔の間に取り除かれた基板に融合されることができるため、剥がれた場合は、取り除かれた基板はすべて、犠牲層が伴うことになる。第一の犠牲層を超音波変換器と創傷接触層との間に配置することができ、第二の犠牲層を創傷接触層とアンビルとの間に配置することができる。さらに、またはあるいは、基材および相似被覆は、超音波またはレーザー穿孔が使用される場合、超音波またはレーザーパルスによって一緒に結合またはカルテリングされ得る。
【0272】
また、ブロック716では、個々の被覆材(例えば、システム)のための創傷接触層は、複数の他の被覆材のための創傷接触層を含む創傷接触層のシートまたはウェブから切断または分離できる。こうした切断は、本明細書に記載のインデックス付けを使用して実施され得る。
【0273】
図7Bは、いくつかの実施形態による、創傷被覆材400または500Bといった創傷被覆材を製造または作製するためのプロセス700Bを示す。プロセス700Bは、ブロック712の接着剤が、基板の、一つまたは複数の電子構成要素を支持する側に対向する、基板の創傷に面する側に適用されるという点で、プロセス700Aとは異なる。
【0274】
いくつかの実施形態では、プロセス600A、600B、700A、または700Bにあるように、創傷接触層のウェブの取り扱いは、ベッド、ソフトローラー、創傷に面する、または創傷から離れて面する基板の側の上で剥離ライナーとしておかれる、犠牲的、相互的、または循環的軟層、側面マウントおよびスライド、または、構成要素と整列するようセクションが取り除かれたローラー(例えば、一つまたは複数の電子接続はローラーコンタクトをとるが、電子モジュールはとらない)、のうちの一つまたは複数を使用して実施され得る。あるいは、またはさらに、これらの装置を保持するウェブが常に、引張を維持しながら、創傷に面する、または創傷から離れて面する基板側にあるローラー上で動作することを確実にするために、側面取扱いバーが使用され得る。
【0275】
図8は、いくつかの実施形態による、インデックス付けを示す。被覆材400、500A、または500Bなどの複数の創傷被覆材800が、創傷接触層シート上に示されている。垂直および水平方向の切れ目線810は、個々の創傷被覆材に関連付けられた個々の創傷接触層またはプラットフォームを分離する。シートは、矢印840によって示される方向(または反対方向)に創傷包帯を製造するアセンブリまたは製造機械を通して移動または供給することができる。機械は、切れ目線810に沿った切れ目を作製し、シートが機械を通して供給されるにつれ、被覆材800を分離することができる。
【0276】
いくつかの実装では、位置、または、一つまたは複数の電子モジュールまたは接続部といった一つまたは複数の電子構成要素の識別は、インデックス付けを使用して自動的に実施され得る。インデックス付けは、製造機械の一つまたは複数のプロセッサまたはコントローラといった、製造機械によって実施され得る。例えば、接続部820といった、複数の電子接続は、創傷被覆材の境界を決定するために特定され、使用され得る。複数の電子接続820は、コントローラといった、創傷接触層または被覆材の外部にある電子構成要素を接続する(例えば、
図3に示すコネクタパッド端部分303を介して)ために使用され得る。あるいは、またはさらに、チップまたはアンテナなどの一つまたは複数のRFIDインジケータ830は、所定の、特有の、または周知の位置のうちの一つまたは複数の中に埋め込むことができ、シートおよび一つまたは複数のインジケータの一つまたは複数の位置は、機械によって識別され得る。導電性、光学、容量、または誘導測定値、または複数の電子接続820の位置を識別する方法。RFIDリーダーを使用して、RFIDインジケータの位置を決定することができる。複数の電子接続820またはRFIDインジケータの位置決め情報を使用して、個々の創傷被覆材800、および、個々の創傷被覆材上の一つまたは複数の電子構成要素の位置を決定できる。
【0277】
いくつかの実施形態では、位置決め情報を使用して、基板を穿孔するか、または一つまたは複数の接着剤領域を適用することができる。例えば、位置決め情報を使用して、一つまたは複数の電子構成要素または接続部の位置を決定することができ、また、本明細書に記載するような、一つまたは複数の電子構成要素または接続部の周りに穿孔を作製することができる。さらに、またはあるいは、一つまたは複数の接着剤領域は、本明細書に記載されるような、一つまたは複数の電子構成要素または接続部の位置に従ったパターンに適用され得る。
【0278】
特定の実施では、シリコンなどのパターン化された接着剤は、プログラム可能なパターン化されたドラムまたはロボットによって置かれ得る。二成分の接着剤が熱硬化されてもよい。あるいは、またはさらに、一成分の接着剤が創傷接触層の創傷に面する側全体、または実質的に全体に適用されてもよく、対象の位置のみが硬化されて、一つまたは複数の接着剤領域を形成するように、一つまたは複数のUV、光、または熱硬化を、マスクを使用して適用することができる。
【0279】
他の変形
特定の実施形態が、創傷接触層の創傷に面する側上に位置付けられている一つまたは複数の電子モジュールおよび/または接続部の観点から説明されているが、本明細書に記載の技術は、一つまたは複数の電子モジュールおよび/または接続部が反対側の非創傷面側上に代替的または追加的に位置付けられる、創傷被覆材、創傷接触層にも同様に適用可能である。
【0280】
本明細書で提供される閾値、限界値、期間などの値は、絶対的なものであることを意図するものではなく、したがっておおよそのものでありうる。さらに、本明細書で提供される任意の閾値、限界値、期間などは、自動的にまたはユーザによって、固定されるかまたは変えられうる。さらに、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の参照値を超えることは、参照値以上であることを包含することができる。その上、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値に関連した、下にある、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。また、種々のプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを判定することに関して説明されうるが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に解釈されうる。
【0281】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のすべて、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのすべては、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が、互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0282】
一定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。実施形態によっては、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なりうることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、図に示した様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装されてもよい。コントローラ、プロセッサ、ASIC、FPGAおよび類似ものなど、ハードウェア構成要素は論理回路を含み得る。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
【0283】
本開示には、特定の実施形態、実施例、及び用途が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形及びその等価物にまで及び、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定されうる。
【0284】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、一定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」等の用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、及び動作等を排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0285】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを伝えるのに一般的に用いられる文脈と共に、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つとを含むことを必要とするという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0286】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、一定の実施形態において、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
【0287】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義されうる。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
創傷監視および/または療法装置であって、
創傷に面する側および前記創傷に面する側に対向する非創傷面側を含む、実質的に伸縮可能な創傷接触層を含む創傷被覆材であって、前記創傷接触層の前記創傷に面する側が創傷と接触して位置付けられるように構成されるように、創傷被覆材を含み、
前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側が、複数の電子構成要素および前記複数の前記電子構成要素の少なくとも一部を接続する複数の電子接続を支持し、
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する、前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側が、前記複数の電子構成要素から少なくとも一つの電子構成要素を支持する実質的に非伸縮性の材料の第一の領域を含み、前記少なくとも一つの電子構成要素が、接着材料で、実質的に非伸縮性の材料の前記第一の領域に取り付けられる、創傷監視および/または療法装置。
[付記項2]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側が、前記複数の電子接続からの少なくとも一つの前記電子接続を支持する、実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を含む、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記創傷接触層が、前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する基材と、少なくとも前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を覆う相似被覆と、を含み、前記相似被覆が、流体が前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続と接触するのを防ぐように構成される、付記項1または2のいずれかに記載の装置。
[付記項4]
前記基材が熱可塑性ポリウレタンで形成され、前記相似被覆がウレタンから形成される、付記項3に記載の装置。
[付記項5]
前記創傷接触層が、陰圧が前記創傷に加えられた時に流体が前記創傷接触層を通過できるように構成された複数の穿孔を含む、付記項1~4のいずれかに記載の装置。
[付記項6]
前記複数の穿孔が、前記創傷から除去された流体が前記創傷に向かって流れ戻ることを防止するために、実質的に一方向の流体の流れが前記創傷接触層を通過するのを可能にするようにさらに構成される、付記項5に記載の装置。
[付記項7]
前記創傷接触層の前記創傷に面する側が、前記創傷内の前記少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成された追加的な接着材料の領域を含む、付記項1~6のいずれかに記載の装置。
[付記項8]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する、前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側が、少なくとも一つの前記電子構成要素を囲む、実質的に非伸縮性の材料の第三の領域を含む、付記項1~7のいずれかに記載の装置。
[付記項9]
前記少なくとも一つの電子構成要素が、センサ、発光体、プロセッサ、または通信コントローラの一つまたは複数を備える、付記項1~8のいずれかに記載の装置。
[付記項10]
複数の電子接続が複数の電気トレースを含む、付記項1~9のいずれかに記載の装置。
[付記項11]
前記創傷被覆材と流体接続するように構成される陰圧源をさらに含む、付記項1~10のいずれかに記載の装置。
[付記項12]
前記創傷被覆材が、前記創傷接触層の前記非創傷面側の上に位置付けられた吸収層と、前記吸収層の上に位置付けられた裏当て層と、を含む、付記項1~11のいずれかに記載の装置。
[付記項13]
前記創傷接触層が前記裏当て層に封止される、付記項12に記載の装置。
[付記項14]
前記裏当て層上のポートをさらに含み、前記ポートが、前記創傷被覆材を陰圧源に流体接続するように構成される、付記項12に記載の装置。
[付記項15]
前記接着材料または前記追加的接着材料のうちの少なくとも一つが、熱硬化性である、付記項1~14のいずれかに記載の装置。
[付記項16]
前記創傷接触層の少なくとも前記創傷に面する側が、前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する、付記項1~15のいずれかに記載の装置。
[付記項17]
前記創傷接触層の少なくとも前記非創傷面側が、前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する、付記項1~15のいずれかに記載の装置。
[付記項18]
創傷に面する側および前記創傷に面する側に対向する非創傷面側を含む、実質的に伸縮可能な創傷接触層を提供することあって、前記創傷接触層の前記創傷に面する側が創傷と接触して位置付けられるように構成されるように、提供することと、
実質的に非伸縮性の材料の第一の領域を、前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側上に位置付けることと、
接着材料を前記第一の領域の少なくとも一部分に位置付けることと、
複数の電子構成要素および複数の電子接続を前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側上に位置付けることであって、前記複数の電子構成要素からの少なくとも一つの電子構成要素が、実質的に非伸縮性の材料の前記第一の領域によって支持され、少なくとも一つの電子構成要素が前記接着材料で実質的に非伸縮性の材料の前記第一の領域に取り付けられるように、位置付けることと、を含む、創傷被覆材を製造する方法。
[付記項19]
前記創傷接触層が基材を含み、前記方法が、
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の周りで前記基材を穿孔することと、
少なくとも前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の上に相似被覆を適用することであって、前記相似被覆が、流体が前記複数の電子構成要素と前記複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することと、をさらに含む、付記項18に記載の方法。
[付記項20]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の周りで前記基材を穿孔する前に、前記基材上の前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の複数の位置を識別することをさらに含む、付記項19に記載の方法。
[付記項21]
前記複数の位置を識別することが、前記基材上に位置付けられたRFIDチップもしくはアンテナの位置または前記基材の外部の電子構成要素に接続されるように構成された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含む、付記項20に記載の方法。
[付記項22]
追加的接着材料の領域を、前記創傷接触層の前記創傷に面する側に適用することをさらに含み、前記追加的接着材料が前記創傷内に前記少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される、付記項19~21のいずれかに記載の方法。
[付記項23]
前記追加的接着材料の領域を適用する前に、前記少なくとも一つの電子構成要素の位置をさらに識別する、付記項22に記載の方法。
[付記項24]
前記創傷接触層が基材を含み、前記方法が、
少なくとも前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の上に相似被覆を適用することであって、前記相似被覆が、流体が前記複数の電子構成要素と前記複数の電子接続と接触することを防ぐように構成される、適用することをさらに含む、付記項18に記載の方法。
[付記項25]
接着材料の領域を、前記創傷接触層の前記創傷に面する側に適用することであって、前記接着材料が前記創傷内に前記少なくとも一つの電子構成要素を位置付けるように構成される、適用することと、
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の周りで前記基材を穿孔することと、をさらに含む、付記項24に記載の方法。
[付記項26]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の周りで前記基材を穿孔する前に、前記基材上の前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続の複数の位置を識別することをさらに含む、付記項25に記載の方法。
[付記項27]
前記接着材料の領域を適用する前に、前記少なくとも一つの電子構成要素の位置をさらに識別する、付記項26に記載の方法。
[付記項28]
前記複数の位置を識別することが、前記基材上に位置付けられたRFIDチップもしくはアンテナの位置または前記基材の外部の電子構成要素に接続された電子接続の位置の一つまたは複数を識別することを含む、付記項26または27のいずれかに記載の方法。
[付記項29]
実質的に非伸縮性の材料の第二の領域を、前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側上に位置付けることと、
前記複数の電子接続からの少なくとも一つの電子接続を前記第二の領域上に支持することと、をさらに含む、付記項18~28のいずれか記載の方法。
[付記項30]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を支持する、前記創傷接触層の前記創傷に面する側または前記非創傷面側上に位置する、実質的に非伸縮性の材料の第三の領域によって、前記少なくとも一つの電子構成要素を囲むことをさらに含む、付記項18~29のいずれかに記載の方法。
[付記項31]
前記創傷接触層を少なくとも一つの切断線に沿って切断して、前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続を含む前記創傷接触層の領域を分離することと、
前記創傷接触層の前記領域を、吸収層または裏当て層の一つまたは複数に取り付け、創傷被覆材を形成することと、をさらに含む、付記項18~28のいずれかに記載の方法。
[付記項32]
前記基材が熱可塑性ポリウレタンで形成され、前記相似被覆がウレタンから形成される、付記項19~21のいずれかに記載の方法。
[付記項33]
前記接着材料または前記追加的接着材料のうちの少なくとも一つを熱硬化させることをさらに含む、付記項18~32のいずれかに記載の方法。
[付記項34]
前記少なくとも一つの電子構成要素を、前記一つまたは複数の電子接続の少なくとも一つの電子接続にはんだ付けする間に、前記接着材料を熱硬化させることをさらに含む、付記項18~33のいずれかに記載の方法。
[付記項35]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続が、前記創傷接触層の少なくとも前記創傷に面する側上に位置付けられる、付記項18~34のいずれかに記載の方法。
[付記項36]
前記複数の電子構成要素および前記複数の電子接続が、前記創傷接触層の少なくとも前記非創傷面側に位置付けられる、付記項18~34のいずれかに記載の方法。