(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】アトマイザ用液体タンク
(51)【国際特許分類】
B05B 15/00 20180101AFI20230301BHJP
B05B 5/00 20060101ALI20230301BHJP
B65D 25/42 20060101ALI20230301BHJP
G01F 23/02 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B05B15/00
B05B5/00
B65D25/42 B
G01F23/02 E
(21)【出願番号】P 2019557465
(86)(22)【出願日】2018-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2018060122
(87)【国際公開番号】W WO2018193070
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】102017108615.3
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】318011417
【氏名又は名称】ジェイ. ワグナー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バルテルメス ヤン
(72)【発明者】
【氏名】イェルチュ トマス
(72)【発明者】
【氏名】シュトル ホルガー
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-027658(JP,A)
【文献】特表2007-521950(JP,A)
【文献】国際公開第2011/037112(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/103116(WO,A1)
【文献】特表2013-522133(JP,A)
【文献】米国特許第04925066(US,A)
【文献】特表2013-544724(JP,A)
【文献】特開2006-035432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 15/00
G01F 23/02
B65D 25/42
B05B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用静電アトマイザのための液体タンクであって、
前記液体タンクは、液体のための収容空間と、前記収容空間の周辺領域に対する境界を定める境界壁と、を備え、
前記液体タンクは、前記アトマイザに接続するための自閉バルブを備え、
前記液体タンクは、前記液体タンクを識別またはコーディングするための手段を備え、
前記手段は
、RFIDマーキングの形態の電子的コーディング、または、接点を介して電気的な経路を形成するための電気的コーディング、として形成され、
前記電子的コーディングは、前記液体タンクに関する情報を送信し、または、読み出すために用いられ、且つ、前記液体タンクに関する情報を受信し、または、書き込むために用いられる、ことを特徴とする液体タンク。
【請求項2】
前記境界壁、及び/または、前記境界壁を包囲するハウジングは、絶縁材料により構成され、静電遮蔽を形成し、前記材料は、少なくとも30kVの絶縁耐力を有し、且つ/または、少なくとも1mmの壁厚を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の液体タンク。
【請求項3】
前記境界壁、及び/または、前記境界壁を包囲するハウジングは、高電圧源及び蓄電池の共通負極または共通グラウンド電位により提供される高電圧に対する基準電位への接点部を有し、前記接点部は、前記静電アトマイザに接続するための少なくとも1つの接点を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体タンク。
【請求項4】
前記境界壁は、柔軟性のある、潰れることが可能なバッグとして形成される、ことを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載の液体タンク。
【請求項5】
前記境界壁は、受動的に案内されるピストンヘッドを有するシリンダとして形成される、ことを特徴とする請求項1~
4の何れか一項に記載の液体タンク。
【請求項6】
さらなる液体のための少なくとも1つのさらなる収容空間と、前記収容空間の前記周辺領域及び最初の前記収容空間に対する境界を定める境界壁とを備える、ことを特徴とする請求項1~
5の何れか一項に記載の液体タンク。
【請求項7】
前記収容空間内の前記液体の充填レベルを示すための少なくとも1つの充填レベルインジケータを備える、ことを特徴とする請求項1~
6の何れか一項に記載の液体タンク。
【請求項8】
前記液体タンク、及び/または、前記液体の周囲パラメータを検出するための少なくとも1つのセンサ素子を備え、前記センサ素子は、前記周囲パラメータを保存するための記憶素子を備える、ことを特徴とする請求項1~
7の何れか一項に記載の液体タンク。
【請求項9】
前記自閉バルブは、ダイアフラム、リップバルブ、ボールバルブ、または、スプリングバルブとして形成される、ことを特徴とする請求項1~
8の何れか一項に記載の液体タンク。
【請求項10】
前記液体タンクは、バヨネット要素または回転ボルト機構からなる第1機械的結合要素をハウジング上の前記バルブの周辺領域に備え、且つ、前記第1機械的結合要素に接続され得るように対応して形成される形状を有する第2機械的結合要素を、前記バルブと反対側の前記ハウジングの部分に備える、ことを特徴とする請求項1~
9の何れか一項に記載の液体タンク。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、アトマイザ用の液体タンクに関する。
特に家庭用品及び化粧品の分野のアトマイザは、一般に手動であるか、または、電動で与えられる圧力差により動作する。
【0002】
噴霧される媒体、一般的に液体は、ここでは、アトマイザ上の液体タンクに供給される。液体タンクが空にされた後で、タンクは新たな充填物の入ったタンクと交換され置き換えられる。液体タンクは、その後、廃棄されるか、または、リサイクルシステムに送られる。
【0003】
対応するシステムが、アトマイザで利用できる異なる液体の交換を許容しないとすれば不利である。
本発明は、液体用アトマイザ、特に静電アトマイザのための液体タンクを提供し、液体タンクは、液体のための収容空間と、収容空間の周辺領域に対する境界を定める境界壁と、を備える。本発明は、液体タンクが、アトマイザに接続するための自閉バルブを備えることを特徴とする。
【0004】
本発明の文脈において、静電噴霧化は、高電圧の影響下での効果を有する、液体を噴霧する全ての噴霧プロセスを含む。特に、電気流体力学的効果及び動電学的効果もまた、この種類の噴霧化の概念に含まれる。本発明の文脈において、静電噴霧化は、電気流体力学的噴霧化を意味するとして理解されてもよい。
【0005】
自閉バルブの使用は、完全に空にしなくても、液体タンクをアトマイザから取り外し、別の液体タンクを接続することを可能にし、特定の用途に応じて液体を交換することを可能にする。
【0006】
このことは、特に、本出願人の発明の主題である、いわゆる静電アトマイザに適している。特に、例えば、塗料またはラッカーだけでなく、例えば、化粧品用の特別な構造形態の異なる液体の塗布に適する静電アトマイザである場合に、例えば、異なる化粧品の特性または用いる仕様に対する柔軟な交換可能性は不可欠である。
【0007】
液体タンクは、バルブを介してアトマイザに接続されて、アトマイザの経路システムと連絡し、バルブが連絡しているときに、バルブを開放することにより液体の放出が可能になる。液体タンクがアトマイザから取り外されるとすぐに、バルブは自ら閉じる。さらなるカバー、例えば、ねじキャップ、は必要ではないが、さらに設けられてもよい。
【0008】
好適な実施形態において、自閉バルブは、ダイアフラムバルブ、リップバルブ、ボールバルブ、または、スプリングバルブとして形成される。
このようなバルブは、通常、外部の機械的な手段、特に、開放手段の作用を受けていない場合に閉じる非動作位置を有する。個別の事例において、例えば、ボールバルブまたはリップバルブの場合には、収容空間の内部から与えられる圧力により、シール効果がもたらされてもよく、その結果、アトマイザへの接続がなされるときに液体を放出するために、ボールは、この圧力に抗して、取り出される液体の通常の流れ方向とは反対に移動されなければならない。圧力は、ダイアフラムバルブまたはスプリングバルブにも同様に与えられてもよい。
【0009】
リップバルブは、通常の流れ方向に沿って配置されるバルブリップにより、一方向への流れを可能にする。通常の流れ方向とは反対の流れがあるときに、これらのバルブリップは、互いに押圧され、断面はシール閉鎖が生じるまで狭められる。このようなバルブの組み合わせは、例えば液体タンクに戻るべきでない余剰材料のための処理空間への還流があるときに分岐するといったような、異なる流れ方向を有する異なる流路も可能にする。
【0010】
さらなる実施形態において、境界壁、及び/または、境界壁を包囲するハウジングは、絶縁材料により構成され、特に静電遮蔽を形成し、材料は、好ましくは、少なくとも30kVの絶縁耐力を有し、且つ/または、特に少なくとも1mmの壁厚を有する、ことが提供される。
【0011】
静電アトマイザの場合には、一般に、高電圧が用いられ、これは、とりわけ、貯蔵される液体を帯電させ得る。液体は、一般に、少なくともわずかに導電性があるので、噴霧化のために必要とされる高電圧は、液体タンク内の液体にも生じる。それゆえに、ユーザへの電気ショックまたは静電気放電を回避するために、外部に対する絶縁が必要とされる。具体的には、好ましくは、ポリプロピレン、ABS、PTFE、ポリエチレン、または、ポリエステルが、ハウジングの材料としてここで用いられてもよい。
【0012】
好ましくは、ハウジングは、例えば、内部空間を外部に対して通気するための通気口も有してもよい。
発展形においては、境界壁、及び/または、境界壁を包囲するハウジングは、高電圧に対する基準電位、例えば、高電圧源及び蓄電池の共通負極への接点部を有し、この接点部は、静電アトマイザに接続するための少なくとも1つの接点を有する、ことが提供されてもよい。ハウジングは、この目的のために、特に、接点部に取り付けられる導電性の外層を有してもよい。
【0013】
接点部により、追加的に、または、代替的に、上述したユーザに対する静電気放電を回避することが確実なものとされる。
1つの特定の実施形態において、液体タンクを識別(コーディング)するための少なくとも1つの手段が液体タンクに設けられ、この手段は、特に、好ましくはかみ合う係合を形成するための機械的コーディング、及び/または、特に液体タンクに関する情報を送信するための電子的コーディング、及び/または、特に接点を介して電気的な経路を形成するための電気的コーディング、として形成される。
【0014】
識別するための手段は、特に、RFIDマーキングなどとして形成されてもよく、RFIDマーキングは、アトマイザ、特にその制御電子機器により、読み取られ、完全にまたは部分的に書き込まれることの両方が可能であってもよい。特に、例えば、液体タンクの最初の開放日などの使用についてのデータ、または、取り出された液体の量に関するデータが保存されるたびに、書き込むことは有利である。それにより、液体タンクの交換可能性が最適化される。
【0015】
識別するための手段は、装置パラメータがアトマイザ上で予め選択されることを可能にする。さらに、場合によって使用が意図されていない液体タンクを識別することができ、それらの使用が回避され得る。また、液体タンクの識別により、場合によって必要とされるアトマイザの洗浄が、所望の結果を得るために、ユーザに示され得る。化粧品が用いられた後、例えば、装置は、消臭剤を含む液体タンクが用いられる前に洗浄されるべきである。装置は、液体タンクの識別がある場合には、このことに注意を向けられる。
【0016】
機械的コーティングは、例えば、穴、突起、または、切欠きにより実現されてもよい。例えば、抵抗、識別チップまたはRFIDを用いる電子的コーディングは、例えば、使用期限などを提供するさらなる情報を含んでもよい。純粋に電気的なコーディングは、例えば、経路または電気ブリッジの提供により実施されてもよい。
【0017】
特に好適な実施形態において、境界壁が、柔軟性のある、特に潰れることが可能なバッグとして形成されるか、または、境界壁が、受動的に案内される追従ピストンまたはピストンヘッドを好ましくは有するシリンダとして形成される、ことが提供される。
【0018】
境界壁の自己で潰れる設計は、収容空間を追加的に機械的に通気することなく空にすることが可能になるといった利点を提供する。受動的な追従ピストンの可能性は、さらなる機械的な影響または収容空間の開放の何れも引き起こすことなく、空にすることも可能にする。貯蔵される液体は、このようにして、常に周辺領域に対してシールされ、それゆえに、例えば衛生状態の観点から、対応する要求を満足することができる。
【0019】
本発明によれば、好ましくは、少なくとも1つのさらなる液体のための少なくとも1つのさらなる収容空間が液体タンクに設けられてもよい。この場合には、収容空間の、周辺領域及び最初の収容空間に対する境界を定める境界壁が同様に設けられる。
【0020】
さらなる収容空間は、液体タンクに複数の成分を供給することを可能にする。それゆえに、外観または作用に関する所望の効果に適合させるために、例えば、2つの色調の混合比を設定することにより塗料を適合してもよく、または、場合により、分散液と化粧成分とを混合することにより化粧品原料を適合してもよい。複数の成分を含む他の変形もまた想定される。
【0021】
好適な実施形態において、収容空間内の液体の充填レベルを示すための少なくとも1つの充填レベルインジケータを備える、ことが提供される。
充填レベルインジケータは、例えば、覗き窓により機械的に、または、例えば、体積流量センサにより電気的に実現されてもよい。例えば、ポンプの形状が既知の場合、ポンプモータの稼働時間または回転数などのポンプパラメータのログ(記録)を取ることによるなど、取り出される液体の量の他の種類の検出方法も想定される。
【0022】
さらに、液体タンク、及び/または、液体の周囲パラメータを検出するための少なくとも1つのセンサ素子を備え、センサ素子は、特に、周囲パラメータを保存するための記憶素子を備える、ことも提供される。
【0023】
センサ、例えば温度センサなどは、液体に対する周囲パラメータの影響の検出を可能にする。例えば、高過ぎる温度または低過ぎる温度で貯蔵される場合に、液体は変性することがあり、これは、ユーザに対して示される。記憶素子の任意の使用により、この情報が、後に、処理されるか、且つ/または、提供されるかまたは補完されることを可能にする。例えば、充填レベルセンサと、液体コンテナの最初の開放からの時間を記録するメータと、の間でセンサ素子が相互に連携することもまた想定される。
【0024】
センサデータは、インタフェースを介してアトマイザに送信されてもよく、インタフェースは、その後、評価を実施するか、または、さらなる使用のためにデータを保存するものであってもよい。対応するインタフェースも同様に、本発明による液体タンクの好適な実施形態に含まれる。
【0025】
本発明の改良において、液体タンクは、第1機械的結合要素、特に、バヨネット要素(差し込み要素)または回転ボルト機構を、ハウジング上のバルブの周辺領域に設ける。このようにして、液体タンクは、アトマイザ上に容易に且つ確実に配置され、プロセスの信頼性を確実にする方法で固定される。好ましくは、第1機械的結合要素と接続され得るように対応して形成される形状を有する第2機械的結合要素が、バルブとは反対側のハウジングの部分にさらに設けられる。このようにして、液体タンクは、互いに結合され得る。このことは、例えば、貯蔵を容易にするために役立つか、または、結合要素が適切に安定した形状である場合には、例えばハンドルの長さを延長するために役立ち得る。液体タンク自体もまた、アトマイザのハンドルとして、または少なくともハンドルの一部として役立ち得る。
【0026】
本発明の文脈において、静電噴霧化は、電気流体力学的噴霧化を意味するとして理解されてもよい。
本発明の文脈において、液体は、あらゆる種類の液体を意味するとして理解されるべきである。本発明の文脈において、特に、液体は化粧品であることが提供される。液体は、液体塗料またはラッカーなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明による液体コンテナの例示的な実施形態は、以下の図に概略的に表現される。
【
図1】バルブを備える第1の液体タンクを斜視図にて示す。
【
図2】バルブ及び平らな底部を備える液体タンクを断面図にて示す。
【
図3】バルブ及び底部の結合要素を備える液体タンクを、拡大断面図にて示す。
【
図4】バルブ、結合要素、及び、受動的な追従ピストンを備える第2の液体タンクを拡大断面図にて示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、液体タンク1の第1実施形態を詳細に示す。本例の液体タンク1は、ハウジング2及びハウジングカバー3を備える。ハウジング2は、一方の側に開口4を有し、開口4を通して、ハウジング2内に配置される、液体を収容するためのバッグ5を視認可能である。バッグ5の充填レベルは、開口4を通して読み取られ得る。
【0029】
ハウジングカバー3の中央に、本例では、リップバルブの形態のバルブ6が配置される。バルブ6は、中央に、開放手段(図示なし)のための入口開口7を有する。開放手段はアトマイザに設けられ、液体タンク1の使用時に入口開口7に進入する。
【0030】
バルブ6の周囲に結合手段8が配置され、本例における結合手段8は、回転式結合部として形成される。本例において、アトマイザ上に配置される突起が、溝9A,9B内部に到達し、チャネル11に沿う方向10への回転運動によってかみ合うように係合される。このようにして、アトマイザに対する、液体タンク1の、簡単且つ、自動的にセンタリングする配置が確実になされる。ハウジングカバー3はまた、機械的、及び/または、電気的、または、電子的コーディングのための手段も備える。機械的コーディングは、例えば、アトマイザのラッチが係合する切欠き開口12により実現されてもよい。電気的コーディングは、導電性ブリッジ、例えば、導電性ハウジングカバー3、を設けることにより実現されてもよい。電子的コーディングのために、チップまたは他のデータキャリア上の情報が、1つ以上の素子13A,13B内に備えられてもよい。ワイヤレス情報、例えば、RFIDもまた想定される。
【0031】
図2は、
図1に対応する液体タンク1を通る断面を示す。ハウジング3は、本例では、さらなる開口20を有し、これは、バッグ5が液体の取り出しにより潰れるときに放出される体積が、ハウジングの内部に負圧を生じ得ないように、ハウジング2の内部空間を通気するのに役立つ。
【0032】
バッグ5は、接続領域21を介して、ハウジングカバー3の出口チャネル22に接続される。この接続は、弾性変形によるか、または、クランプ手段、具体的にはクリップまたはリングを用いることによる何れかにてシールされてもよい。
【0033】
出口チャネル22の上方端部に、バルブリップ23A,23Bが配置されるリップバルブ6が載置される。開放手段が、その後、開口7を通して方向24に挿入されると、開放手段は、バルブリップ23A,23Bを貫通し、バッグ5内部からの液体の取り出しを可能にする。開放手段が引き抜かれると、バッグ5内部からの材料の流れは、バルブリップ23A,23Bに対して圧力をもたらし、それにより、バルブリップは閉じられる。対応する材料の圧力をもたらすために、バッグ5は、例えばゴム風船の形態で、ある程度の弾性またはプレストレスを有してもよい。
【0034】
図3は、本発明による液体タンク100のさらなる実施形態を、分解図にて示す。上述した実施形態との対比では、液体タンク100の実施形態は、追加的な閉じカバー101を備え、これは、対応する結合要素102を介して、上述の機械的な回転式結合要素内に導入され得る。
【0035】
さらに、液体タンク101は、その底部104の領域に、適合且つ対応する結合要素110を有する。結合要素110の幾何学的設計は、ハウジングカバー103の結合要素108と上述した態様で係合可能であるように選択される。このようにして、複数の液体タンク101が、前後に配置されてもよく、互いに固定されてもよい。液体タンク101のさらなる構成部品は、上述の構成部品に対応し、同じ参照符号で示される。
【0036】
図4は、液体タンク201の別の実施形態を、分解図にて示す。液体タンク201は、ハウジング202、ハウジングカバー203、及び、リップバルブ206を順に備える。液体を保持するためのバッグの代わりに、ハウジング202の内部空間205が、ここでは、液体を収容するように形成される。液体が、リップバルブ206を通して取り出されるとき、液体は例えば吸引ポンプにより吸引されるので、受動的に引き込まれる追従ピストン207は、液体の残りの体積に追従する。最初に、液体タンクが完全に充填されるとき、追従ピストン207は、下方ハウジング底部209の領域に配置される。時間が経過するにつれて、ピストンは、ハウジングカバー203の出口チャネル222に向かう方向240に移動する。ハウジングカバー203の下方突起223は、本例では、液体タンク201を可能な限り完全に空にすることを可能にするために、追従ピストン207の隙間224に進入してもよい。
【0037】
ハウジングカバー203の領域において、液体タンク201は、結合手段208を同様に有し、これは、別の液体タンク201の対応する結合手段210に対応して係合することができ、その結果、液体タンク201は、同様に、相互に配置され得る。さらに、閉じカバー230もまた、上述の実施形態に対応する態様で設けられてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…液体タンク、2…ハウジング、3…ハウジングカバー、4…開口、5…バッグ、6…バルブ、8…結合手段、9A,9B…溝、10…回転方向、11…チャネル、12…切欠き開口、13A,13B…コーディング素子、20…開口、21…接続領域、22…出口チャネル、23A,23B…バルブリップ、100…液体タンク、101…閉じカバー、102…結合要素、103…ハウジングカバー、104…底部、110…結合要素、108…結合要素、201…液体タンク、202…ハウジング、203…ハウジングカバー、205…内部空間、206…リップバルブ、207…追従ピストン、208…結合手段、209…ハウジング底部、210…結合手段、222…出口チャネル、223…突起、224…隙間、240…移動方向、230…閉じカバー