(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】容器用ホルダー及び容器セット
(51)【国際特許分類】
B65D 33/06 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
B65D33/06
(21)【出願番号】P 2020161206
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】濱野 裕
(72)【発明者】
【氏名】ミヘルス トーマス
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3080159(JP,U)
【文献】実開平05-061035(JP,U)
【文献】米国特許第04379578(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0065469(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0014454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/06
B65D 23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、容器本体の上部に設けられた注出口部とを有する容器を保持する容器用ホルダーであって、
注出口部を保持する保持部と、
容器本体の底部を支持する支持部と、
保持される容器の容器本体に沿って延設される取手部と、を備え、
前記保持部は、前記取手部側から、注出口部の保持位置がある前方向に向かって延び、前記保持位置の注出口部の左右方向の第1の側部側を通り、続いて当該注出口部の前部側に回り込んで注出口部の前部を覆い、当該注出口部の左右方向の第2の側部側に注出口部を出し入れするための開口部が形成されるように構成され
、
前記保持部は、容器用ホルダーに対する容器の回転を抑える回転抑制部を有する、容器用ホルダー。
【請求項2】
前記保持部は、前記注出口部の前部を覆う部分に、注出口部の前部の形状に合う係止部を有する、請求項1に記載の容器用ホルダー。
【請求項3】
前記保持部は、前記開口部から前記係止部に前記注出口部を誘導する誘導部を有する、請求項2に記載の容器用ホルダー。
【請求項4】
前記保持部は、前記注出口部の第1の側部側に位置する第1の部分と、前記注出口部の前部側に位置する第2の部分と、前記注出口部の第2の側部側に位置する第3の部分を有し、
前記第3の部分は、その後方側に前記開口部を有し、少なくとも前記注出口部の半径以上の前後方向の長さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器用ホルダー。
【請求項5】
前記回転抑制部は、前記開口部と反対の前記注出口部の第1の側部側に設けられている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の容器用ホルダー。
【請求項6】
前記回転抑制部は、板形状を有し、当該板面が前記注出口部の第1の側部に向くように設けられている、
請求項5に記載の容器用ホルダー。
【請求項7】
前記取手部と前記保持部の間に設けられ、前記容器本体の側部を前記取手部側から押さえる押さえ部を、さらに備えた、
請求項1~6のいずれか一項に記載の容器用ホルダー。
【請求項8】
前記押さえ部は、前記取手部よりも前方において容器本体の底部方向に突出する形状を有する、
請求項7に記載の容器用ホルダー。
【請求項9】
前記取手部は、少なくとも一部が前記支持部に対し前記容器本体の側部から離れる後方向に後退する形状を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の容器用ホルダー。
【請求項10】
前記支持部は、前記容器本体の底部に底から係脱自在に係合する直線状の突出部を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の容器用ホルダー。
【請求項11】
前記突出部は、前記容器本体の側部の底端部の内側に入り込んで前記容器本体の底部に係合する、
請求項10に記載の容器用ホルダー。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の容器用ホルダーと、前記容器用ホルダーに保持される容器とを備えた、容器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器用ホルダー及び容器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー液、リンス液、化粧液、薬剤、洗剤、柔軟剤、漂白剤などの液体を収容する容器として、軟質の容器本体と、容器本体の上部の注出口部を有する容器がある(特許文献1参照)。このような容器の本体は、例えば軟質のフィルム材(シート材)を用いて形成されている。
【0003】
かかる容器は、プラスチックやガラスからなる硬質の容器に比べて、容器本体が軟質で変形しやすいため、内容物を注出する際、直接手で持ちにくく、また注出量も調整しにくい。このため、容器を間接的に持つための容器用ホルダーがあるとよい。
【0004】
上記容器用ホルダーの一種として、特許文献2には、把手本体と、容器の注出口部を狭持する狭持部と、容器本体の下部に係合する係合部とを備えた把手が開示されている(特許文献2の
図1、
図4、要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-003056号公報
【文献】実用新案登録第3080159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような容器用ホルダーは、注出時にユーザーが把手本体を持って前方に傾けたときに、その前方側に狭持部の開口があるため、容器の重みや振動、容器の自重による変形などにより、容器が狭持部から外れて落ちることがある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、注出時などにユーザーが取手を持って傾けても容器が外れない容器用ホルダー及び容器セットを提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る容器用ホルダーは、容器本体と、容器本体の上部に設けられた注出口部とを有する容器を保持する容器用ホルダーであって、注出口部を保持する保持部と、容器本体の底部を支持する支持部と、保持される容器の容器本体の側部に沿って延設される取手部と、を備え、保持部は、取手部側から、注出口部の保持位置がある前方向に向かって延び、保持位置の注出口部の左右方向の第1の側部側を通り、続いて当該注出口部の前部側に回り込んで当該注出口部の前部を覆い、当該注出口部の左右方向の第2の側部側に注出口部を出し入れするための開口部が形成されるように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザーが取手を持って傾けても容器が外れない容器用ホルダー及び容器セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】容器を取り付けた状態の容器用ホルダーを示す斜視図である。
【
図3】容器を取り付けた状態の容器用ホルダーを上方から見た上面図である。
【
図4】容器を取り付けた状態の容器用ホルダーの上部を示す斜視図である。
【
図6】容器本体の底部が支持部に支持された状態を示す説明図である。
【
図8】ユーザーが容器用ホルダーを手で持って前方に傾けた状態を示す斜視図である。
【
図9】ワイヤーからなる容器用ホルダーを示す斜視図である。
【
図10】ワイヤーからなる容器用ホルダーの回転抑制部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施の形態にかかる容器用ホルダー1の構成を示す斜視図である。
図2は、容器10を取り付けた状態の容器用ホルダー1を示す斜視図である。
図3は、容器10を取り付けた状態の容器用ホルダー1を上方から見た上面図である。
図4は、容器10を取り付けた状態の容器用ホルダー1の上部の図である。なお、本明細書において、「上」、「下」は、
図1、
図2に示すように容器10及び容器用ホルダー1を立てた状態、すなわち後述の保持部や注出口部を上にしたときの容器10及び容器用ホルダー1の姿勢に基づいている。
【0013】
先ず、容器用ホルダー1に保持される容器10の構成について説明する。なお、以下に示す容器10の構成は、あくまで一例であり、容器用ホルダー1に保持される容器10の構成はこれに限られるものではない。
【0014】
図2に示すように容器10は、液体等の内容物が貯留される軟質の容器本体20と、容器本体20の上部20aに設けられた注出口部21を有している。
【0015】
容器本体20は、例えば軟質の複数枚のフィルム材シートを接合することによって形成されている。フィルム材シートには、例えば合成樹脂のフィルム材シートや、合成樹脂層と金属層などの複数層からなるフィルム材シートが用いられている。フィルム材シートの合成樹脂には、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂等が用いられ、金属層には、アルミニウム等が用いられる。
【0016】
容器本体20は、例えば天面シート30と、側面シート31、32と、底面シート33により構成されている。天面シート30は、例えば略楕円形状若しくは略多角形形状を有し、容器本体20の上面を構成している。側面シート31、32は、例えば略方形状を有し、容器本体20の正面及び背面を構成している。側面シート31、32の側縁部は、互いに接合されている。この互いに接合された側面シート31、32の側縁部が、容器本体20の側部20b、20cを構成している。側面シート31、32の上縁部は、天面シート30に接合されている。
【0017】
底面シート33は、
図5に示すように例えば略楕円形状或いは六角形状を有し、容器本体20の底面を構成している。底面シート33の外縁部は、例えば側面シート31、32の内周面における底端部40よりも上の位置に接合され、この結果、容器本体20の底部20dには、上に凹んだ凹み41が形成されている。
【0018】
図2に示すように注出口部21は、例えば容器本体20の上部20aから上方に突出する円筒状の口部50と、口部50に螺着されるキャップ部51と、口部50の下端に接続され、容器本体20の内部に配置されるフランジ部52(
図10に示す。)等を備えている。注出口部21は、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)などの合成樹脂等によって形成されている。
【0019】
容器10には、液体等の内容物が貯留される。内容物の例としては、シャンプー液、リンス液、化粧液、薬剤、洗剤、柔軟剤、漂白剤などが挙げられる。
【0020】
次に、容器用ホルダー1の構成について説明する。
図1乃至
図3に示すように容器用ホルダー1は、保持部60と、取手部62及び支持部63を備えている。本実施の形態にかかる容器用ホルダー1は、更に押さえ部61を備えている。保持部60と、押さえ部61と、取手部62及び支持部63は、一体で帯状の板形状を有し、この順に連続している。容器用ホルダー1の材質は、例えばアルミニウム、ステンレスなどの金属製が好ましいが、樹脂製等であってもよい。なお、本明細書において、容器用ホルダー1に関し、
図1及び
図2に示すように容器用ホルダー1を立てた状態で、保持した容器10に対し取手部62がある側を「後方」(
図1乃至
図4におけるR方向)とし、取手部62に対し、保持した容器10や保持部60がある側を「前方」(
図1乃至
図4におけるF方向)とする。また、容器用ホルダー1の前後方向(
図1乃至
図4におけるX方向)に対し直角をなす水平方向を左右方向(
図1乃至
図3におけるY方向)とする。
図1及び
図2に示すように容器用ホルダー1を立てた状態で、保持した容器10の注出口部21や保持部60がある方向を「上方」とし、保持した容器10の底部や支持部63がある側を「下方」または「容器本体の底部方向」とする。
【0021】
図1及び
図2に示すように取手部62は、容器本体20の後方向Rの側部20cに沿って上下方向に延設されている。取手部62は、一定の幅と一定の厚みを有する帯状の板形状を有している。取手部62は、例えば支持部63から上方向に直線的に延びる直線部80と、直線部80の上端から後方向Rに凸に湾曲する湾曲部(後方後退部)81を有している。すなわち、湾曲部81は、支持部63や直線部80に対し容器本体20の側部20cから後方向Rに後退する形状を有し、取手部62と本体容器20との間には、ユーザーの手を入れる空間が形成されている。湾曲部81は、より具体的には、直線部80の上端から斜め上方の後方向Rに延びる傾斜部81aと、傾斜部81aの上端から上方に延びる垂直部81bと、垂直部81bの上端から前方向Fの水平方向に延びる水平部81cを有している。湾曲部81はこの形状に制限されず、例えば垂直部81bを有さず、全体的に円弧状となっていてもよい。水平部81cは、完全に水平である必要はなく、水平部81cには、水平に対する俯角或いは仰角がおよそ10度以下のものも含まれる。この結果、注出口部21を保持する保持部60と取手部62の上端(水平部81c)が同じ高さになり、容器用ホルダー1に保持された容器10の注出口部21から液体を注ぎやすくなる。
【0022】
支持部63は、例えば取手部62の下部に設けられている。支持部63は、
図6に示すように、例えばL字形状を有し、取手部62の直線部80の下端から前方向Fに延びる平坦部90と、平坦部90の前方向Fの端から上方に延びる直線状の突出部91を有している。突出部91は、取手部62の直線部80との間に隙間92を形成し、容器本体20の底部20dに下(底)から係脱自在に係合する。
図6に示すように容器本体20の側部20cの底部である側面シート31、32の底端部40を、支持部63の隙間92に入れることで、突出部91は、凹み41に入り込み容器本体20の底部20dに下から係合する。なお、直線状の突出部91は、屈曲せずに一方向に延びるものであればよい。要するに、突出部91の先端は、係合方向である上方に向いている。
【0023】
図1及び
図2に示すように押さえ部61は、取手部62と保持部60との間に設けられ、容器本体20の側部20cを取手部62側から押さえるように形成されている。また、押さえ部61は、取手部62よりも前方において下方向(容器本体20の底部方向)に突出する形状を有している。本実施の形態の容器用ホルダー1では、押さえ部61は、略V字形状を有し、例えば取手部62の前端(水平部81cの前端)から前方向Fに向かって一旦下がる第1の傾斜部100と、第1の傾斜部100から続いて上がる第2の傾斜部101を有している。
【0024】
図1乃至
図4に示すように保持部60は、取手部62側から(本実施の形態では、押さえ部61から)、注出口部21の保持位置Pがある前方向Fの水平方向に向かって延び、保持位置Pに保持される注出口部21の左右方向Yの第1の側部21a側を通り、続いて注出口部21の前部21b側に回り込んで注出口部21の前部21bを覆うように構成されている。保持部60の注出口部21の左右方向Yの第2の側部21c側(第1の側部21aの反対側)には、当該注出口部21を出し入れするための開口部110が形成されている。
【0025】
例えば保持部60は、
図3に示すように、押さえ部61から前方向Fに延びる基部120と、基部120の前端から前方向Fに延びるフック部121を備えている。フック部121は、例えば注出口部21の第1の側部21a側を迂回し、前部21b側に回り込むような形状を有している。すなわち、フック部121は、基部120から注出口部21の前方まで一続きで繋がっており、注出口部21の第1の側部21a及び前部21bの全体を囲んで覆うことができる。
【0026】
フック部121は、注出口部21の第1の側部21a側に位置する第1の部分121aと、注出口部21の前部21b側に位置する第2の部分121bと、注出口部21の第2の側部21c側に位置する第3の部分121cを有する。第3の部分121cは、その後方R側に開口部110を有し、少なくとも注出口部21(口部50)の外径の半径r以上の前後方向Xの長さL1を有している。
【0027】
フック部121は、注出口部21が係止される係止部(内周部)130を有している。係止部130は、湾曲形状を有している。係止部130は、フック部121の前部において、注出口部21の前部21bの形状に合致している。すなわち、係止部130は、注出口部21の前部21bの円弧形状と同じ径の円弧形状を有している。係止部130は、
図7に示すように円弧の円心Oを通り前後方向Xに延びる仮想線Aと、円弧の円心Oとフック部121の先端とを結んだ仮想線Bとの間の中心角αが、好ましくは90°以上、110°以下、さらに好ましくは、100°以下になるように形成されている。上記範囲であることにより、フック部121が注出口部21に引っ掛かり易くなりまた注出口部21が容易に後方にズレることを防ぎ、且つフック部121に注出口部21を容易に装着できるようになっている。
【0028】
フック部121は、さらに開口部110から係止部130に注出口部21を誘導する誘導部131を有している。誘導部131は、開口部110から係止部130に連続的に形成された湾曲形状を有している。
【0029】
図1及び
図2に示すようにさらに保持部60は、容器用ホルダー1に対する容器10の回転を抑える回転抑制部140を有している。回転抑制部140は、開口部110と反対の注出口部21の第1の側部21a側に設けられている。回転抑制部140は、方形の板形状を有し、その板面が左右方向Y(注出口部21の第1の側部21a側)に向けられている。回転抑制部140は、その上端がフック部121に接続され、フック部121から下方である容器本体20の底部20d側に向けて延びている。注出口部21が回転しようとすると、注出口部21の一部、例えばフランジ(図示せず)や容器本体20が回転抑制部140に当たることで、回転抑制部140は、注出口部21や容器本体20の回転を抑制することができ、この結果、容器用ホルダー1に対する容器10の回転を抑制することができる。なお、以上のように構成された容器用ホルダー1と容器10を合わせたものを容器セットとする。
【0030】
次に、容器用ホルダー1の使用時の作用について説明する。先ず、容器10が容器用ホルダー1に取り付けられ保持される。このとき、容器本体20の底部20dが支持部63に支持される。注出口部21は、保持部60の開口部110から保持位置Pに挿入され、フック部121に引っ掛けられて、少なくとも前部21bが係止部130aに保持される。
【0031】
そして、
図8に示すように取手部62がユーザーの手で持たれ、注出口部21のキャップ部51が外されたのち、容器用ホルダー1及び容器10が例えば前方に傾けられて、内容物が注出口部21から注出される。このとき、注出口部21の口部50は、保持部60のフック部121に係止されている。また、容器本体20の底部20dは、支持部63の突出部91が容器本体20における側部20cの底端部40に内側から係合することによって、支持部63に支持されている。なお、ユーザーは、容器用ホルダー1及び容器10を前方に傾けて使用するだけでなく、例えば開口部110のない左方向に傾けて使用してもよい。
【0032】
本実施の形態によれば、容器10の注出口部21の前部21bが保持部60により覆われ保持されるので、容器用ホルダー1を前方に傾けたときに容器10が外れて落ちることを防止することができる。また、注出口部21の取り付けを、手元に近い保持部60の開口部110から左右方向Yに行うことができるので、容器10を容器ホルダー1に取り付けやすい。
【0033】
保持部60は、注出口部21の前部21bを覆う部分に、注出口部21の前部21bの形状に合致する係止部130を有しているので、注出口部21の前部21bをしっかり保持することができる。これにより、保持部60から容器10が外れることをより確実に防止することができる。
【0034】
保持部60は、開口部110から係止部130に注出口部21を誘導する誘導部131を有している。これにより、ユーザーが容器10の注出口部21を係止部130aに係止しやすくなる。
【0035】
保持部60は、注出口部21の第1の側部21a側に位置する第1の部分121aと、注出口部21の前部21b側に位置する第2の部分121bと、注出口部21の第2の側部21c側に位置する第3の部分121cを有し、第3の部分121cは、その後方R側に開口部20を有し、少なくとも注出口部21の半径r以上の前後方向Xの長さL1を有している。これにより、容器10の注出口部21が保持部60から外れにくくなる。
【0036】
保持部60は、容器用ホルダー1に対する容器10の回転を抑える回転抑制部140を有しているので、例えばユーザーがキャップ部51を外したり取り付ける際に、回転力が付与され注出口部21が回転することを抑制することができる。これにより、例えばキャップ部51の供廻りが抑制され、容器用ホルダー1に保持された容器10を取り扱いやすくなる。
【0037】
回転抑制部140は、開口部110と反対の注出口部21の第1の側部21a側に設けられているので、注出口部21の取出しを行う動線を妨げることなく、注出口部21の回転を抑制することができる。
【0038】
回転抑制部140は、板形状を有し、当該板面が注出口部21の第1の側部21aに向くように設けられているので、例えば回転抑制部140が容器本体20の正面を支えることもできる。また、ユーザーが回転抑制部140に指を置くこともでき、容器用ホルダー1や容器10を取り扱いやすくなる。
【0039】
容器用ホルダー1が、取手部62と保持部60の間に設けられ容器本体20の側部20cを取手部62側から押さえる押さえ部61を備えているので、例えば容器本体20の側部20cの上部が取手部62側に突出している場合や取手部62側に近い場合であっても、ユーザーの手が容器本体20に当たって取手部62を持ちにくくなることを抑制することができる。
【0040】
押さえ部61は、取手部62よりも前方において下方向に突出する形状を有するので、ユーザーの手が容器本体20に当たることを好適に抑制することができる。
【0041】
取手部62は、支持部63に対し容器本体20の側部20cから離れる後方向Rに後退する形状を有しているので、ユーザーが取手部62を持ちやすくなる。
【0042】
支持部63は、容器本体20の底部20dに底から係脱自在に係合する直線状の突出部91を有するので、容器本体20に対する支持部63の係脱を簡単に行いことができる。また、突出部91は、容器本体20の側部20cの底端部40の内側に入り込んで容器本体20の底部20dに係合するので、容器セットを前方に傾けたときにも係合が外れにくい。
【0043】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0044】
例えば容器用ホルダー1の形状や構造は、上記実施の形態のものに限られない。例えば上記実施の形態において容器用ホルダー1は、一続きの帯状のものであったが、
図9に示すように細いワイヤー状のものであってもよい。かかる場合、容器用ホルダー1の保持部60、押さえ部61、取手部62及び支持部63がワイヤーによって形成されている。また、この場合、例えば
図10に示すように回転抑制部140は、注出口部21の第2の側部21c側において、ワイヤーの端部を下方に曲げることで構成されていてもよい。
【0045】
また、支持部60、押さえ部61、取手部62及び支持部63の形状も上記実施の形態のものに限られない。例えば保持部60は、
図3に示したように前方向Fに対し注出口部21の左側を通って注出口部21の前部21bに至っているが、注出口部21の右側を通って注出口部21の前部21bに至るようにしてもよい。また、容器用ホルダー1は、例えば押さえ部61を備えていなくてもよく、かかる場合、取手部62と保持部60が直接接続されていてもよい。さらに保持部60は、回転抑制部140を備えていなくてもよい。
【0046】
容器用ホルダー1に保持される容器10は、他の形状、構造を有するものであってよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ユーザーが取手を持って傾けても容器が外れない容器用ホルダーを提供する際に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 容器用ホルダー
10 容器
20 容器本体
20d 底部
21 注出口部
21a 第1の側部
21b 前部
21c 第2の側部
60 保持部
61 押さえ部
62 取手部
63 支持部
91 突出部
110 開口部
121 フック部
121a 第1の部分
121b 第2の部分
121c 第3の部分
130 係止部
131 誘導部
140 回転抑制部
F 前方向
R 後方向
X 前後方向
Y 左右方向