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特許7235732プレート状の構造要素の貫通開口に導管を封止的に提供するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】プレート状の構造要素の貫通開口に導管を封止的に提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 9/02 20060101AFI20230301BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20230301BHJP
   F16L 23/02 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
F16B9/02 A
F16L1/00 A
F16L23/02 Z
【請求項の数】 44
(21)【出願番号】P 2020516645
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 EP2018075538
(87)【国際公開番号】W WO2019057855
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】2019583
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】515055166
【氏名又は名称】ベール エンジニアリング ベー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベール,ヨハネス アルフレッド
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-318398(JP,A)
【文献】米国特許第01689575(US,A)
【文献】特開平08-093012(JP,A)
【文献】実開昭61-146566(JP,U)
【文献】特開2007-333027(JP,A)
【文献】特開平10-082080(JP,A)
【文献】特許第3018177(JP,B1)
【文献】特開2004-116095(JP,A)
【文献】特開2006-328812(JP,A)
【文献】特開2013-221533(JP,A)
【文献】特開平9-111986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 9/02
F16L 1/00
F16L 23/02-23/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管を通じて延びることができるように、並びに、前記導管内の残留空間を封止した後に、プレート状の構造要素を通じる完全に密閉されたパイプ及び/又はケーブル貫通部が得られるように、前記プレート状の構造要素にある貫通開口に導管を封止的に提供するシステムであって、
当該システムは、機械的に取り付け可能であるようなシステムであり、
当該システムは、更に、前記プレート状の構造要素の一方の側のみから取り付け可能であるようなシステムであり、
当該システムは
記貫通開口から及び/又は前記貫通開口を通じて延びるための導管を有し、導管の外側に、前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側での配置のための円周方向に延在する部材を有する、導管部と、
前記貫通開口の周囲に沿う複数の位置における前記プレート状の構造要素の遠位側での配置のためのアンカ部と、
前記プレート状の構造要素と前記導管部との間の位置決めのための封止ガスケットと、
前記円周方向に延在する部材の少なくとも1つの貫通穴、前記封止ガスケットの少なくとも1つの貫通穴及び前記アンカ部の少なくとも1つの貫通穴を通じて延在して、前記導管部の前記円周方向に延在する部材を前記アンカ部と接続する少なくとも1つの接続要素とを含み、
前記アンカ部は、前記プレート状の構造要素の前記遠位側で、前記貫通開口を通じて、前記プレート状の構造要素の前記近位側から置かれるのに適し、前記導管部の前記円周方向に延在する部材を前記アンカ部と接続するための前記少なくとも1つの接続要素のうちの1つは、前記導管部に接続される間に、前記貫通開口の周囲に沿う前記複数の位置における前記プレート状の構造要素の前記遠位での前記アンカ部の配置を可能にする、
システム。
【請求項2】
当該システムは、前記プレート状の構造要素の近位側から操作している1人の作業者のみによって取り付け可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プレート状の構造要素が、前記導管部及び前記アンカ部によって挟み込まれることができるように、前記少なくとも1つの接続要素は、前記アンカ部を前記プレート状の構造要素の前記遠位側で前記貫通開口の周囲に沿う前記複数の位置に導きながら或いは前記貫通開口の周囲に沿う前記複数の位置を維持しながら、前記導管部を前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側に導くのに適する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンカ部は、単一部品のデバイスである、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記アンカ部は、C形状又はU形状であり、或いはC形状又はU形状を採用することができる、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記アンカ部は、前記アンカ部の最外側寸法によって定められる外側輪郭と、自由空間を画定する内側輪郭とを有し、前記アンカ部は、前記内側輪郭に近接して前記外側輪郭と前記内側輪郭との間に、前記接続要素のうちの少なくとも1つを介して前記導管の内周の外側にある前記導管部の部分と接続するための少なくとも1つの接続部を有することで、当該システムが取付け状態にあるときに、前記導管は前記アンカ部の前記自由空間内にあることができるか、或いは、前記導管の軸方向における前記導管の仮想的な広がりが前記アンカ部の前記自由空間内にあることができる、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記導管部の前記円周方向に延在する部材は、前記プレート状の構造要素と前記導管部との間の位置決めのための前記封止ガスケットのための第1のシートを含む、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記シートは、前記封止ガスケットを受け入れるために前記円周方向に延在する部材にある環状のキャビティを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの接続要素の各々は、前記導管部及び前記アンカ部がそれらの間に前記プレート状の構造要素を挟み込むために結合されるときに、前記円周方向に延在する部材に対する位置決めのための第2の封止ガスケットのための第2のシートを備える前記プレート状の構造要素の近位側で使用状態のままである側にある、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
各々の第2のシートは、前記第2の封止ガスケットを受け入れるための環状のキャビティを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記アンカ部は、前記貫通開口の周囲に沿う複数の位置で前記プレート状の構造要素の遠位側に対して前記アンカ部を少なくとも一時的に固定する固定具を備える、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記固定具は、前記貫通開口内に自動的に嵌まり込む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記固定具は、少なくとも1つのリップを含み、該リップは、前記アンカ部が前記貫通開口のリムに吊り下がるのを可能にするようにフック形状である、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記固定具は、接着テープ又は接着剤を含む、請求項11乃至13のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記アンカ部は、安定的な位置において、前記プレート状の構造要素の前記遠位側に位置付けられることができる一方で、前記導管部が前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側に位置付けられるときに、前記導管部に接続されるような、アンカ部である、請求項1乃至14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管を通じて延びることができるように、並びに、前記導管内の残留空間を封止した後に、プレート状の構造要素を通じる完全に密閉されたパイプ及び/又はケーブル貫通部が得られるように、前記プレート状の構造要素にある貫通開口に導管を封止的に提供するための方法であって、
当該方法は、前記導管を前記貫通開口に機械的に取り付けることを含むような方法であり、
当該方法は、更に、前記プレート状の構造要素の一方の側のみから取り付けることを含むような方法であり、
当該方法は、前記貫通開口から及び/又は前記貫通開口を通じて延びるための導管を有し、前記導管の外側に、前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側における配置のための円周方向に延在する部材を有する、導管部を提供することを含み、
当該方法は、前記貫通開口の周囲に沿う複数の位置での前記プレート状の構造要素の遠位側における配置のためのアンカ部を提供することを含み、
前記プレート状の構造要素と前記導管部との間の位置決めのための封止ガスケットを提供することを含み、
前記円周方向に延在する部材の少なくとも1つの貫通穴、前記封止ガスケットの少なくとも1つの貫通穴及び前記アンカ部の少なくとも1つの貫通穴を通じて延在して、前記導管部の前記円周方向に延在する部材を前記アンカ部と接続する少なくとも1つの接続要素を提供することを含み、該少なくとも1つの接続要素は、前記導管部の前記円周方向に延在する部材を前記アンカ部と接続するためにあり、前記アンカ部は、前記貫通開口を通じて、前記プレート状の構造要素の前記近位側から置かれ、前記プレート状の構造要素の遠位側で、前記導管部に接続されている間に、前記貫通開口の周囲に沿う前記複数の位置で、前記プレート状の構造要素の前記遠位側での前記アンカ部の配置を可能にする、
方法。
【請求項17】
当該方法は、前記プレート状の構造要素の近位側から操作する1人だけの作業者によって取り付けることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
当該方法は、前記プレート状の構造要素が、前記導管部及び前記アンカ部によって挟み込まれることができるか或いは挟み込まれるように、前記アンカ部を前記プレート状の構造要素の前記遠位側で前記貫通開口の周囲に沿う前記複数の位置に導きながら或いは前記貫通開口の周囲に沿う前記複数の位置を維持しながら、前記導管部を前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側に導くことを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記アンカ部は、単一部品のデバイスである、請求項16乃至18のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記アンカ部は、C形状又はU形状であり、或いはC形状又はU形状を採用することができる、請求項16乃至19のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記アンカ部は、前記アンカ部の最外側寸法によって定められる外側輪郭と、自由空間を画定する内側輪郭とを有し、前記アンカ部は、前記内側輪郭に近接して前記外側輪郭と前記内側輪郭との間に、前記接続要素のうちの少なくとも1つを介して前記導管の内周の外側にある導管部の部分と接続するための少なくとも1つの接続部を有し、前記貫通開口への前記導管の取付けは、前記導管を前記アンカ部の前記自由空間内に置くこと、又は前記導管の軸方向における前記導管の仮想的な広がりが前記アンカ部の前記自由空間内にあるように前記導管を置くことを含む、請求項16乃至20のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
当該方法は、前記プレート状の構造要素と前記導管部との間に第1の封止ガスケットを位置付けることを含む、請求項16乃至21のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
当該方法は、前記封止ガスケットを受け入れるための前記円周方向に延在する部材にある環状のキャビティ内に前記第1の封止ガスケットを提供することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
当該方法は、前記導管部及び前記アンカ部がそれらの間に前記プレート状の構造要素を挟み込むために結合されるときに、前記プレート状の構造要素の近位側で使用中のままである側にある前記少なくとも1つの接続要素の各々と前記円周方向に延在する部材との間に、第2の封止ガスケットを提供することを含む、請求項16乃至23のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
当該方法は、前記導管部及び前記アンカ部がそれらの間に前記プレート状の構造要素を挟み込むために結合されるときに、前記円周方向に延在する部材に対して第2の封止ガスケットを位置付けるための第2のシート内に前記第2の封止ガスケットを提供することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
各々の第2のシートは、前記第2の封止ガスケットを受け入れるための環状のキャビティを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
当該方法は、前記アンカ部及び前記導管部を接続する前に、前記貫通開口の周囲に沿う複数の位置で前記プレート状の構造要素の遠位側に対して前記アンカ部を少なくとも一時的に固定することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
当該方法は、前記貫通開口内に前記アンカ部を自動的な嵌め込むことを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
当該方法は、前記プレート状の構造要素の前記遠位側で前記貫通開口のリムの周りに又は前記貫通開口のリムに前記アンカ部を固定することを含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
当該方法は、接着テープ、接着剤、又は少なくとも1つのリップを含む、固定具を提供することを含み、前記リップは、前記アンカ部が前記貫通開口のリムに吊り下がるのを可能にするようフック形状である、請求項27乃至29のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
当該方法は、前記導管部が前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側に位置付けられるときに、前記アンカ部が前記導管部に接続される間に、前記アンカ部を前記プレート状の構造要素の前記遠位側での安定的な位置に位置付けることを含む、請求項16乃至30のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管を通じて延びることができるように、並びに、前記導管内の残留空間を封止した後に、プレート状の構造要素を通じる完全に密閉されたパイプ及び/又はケーブル貫通部が得られるように、前記プレート状の構造要素の貫通開口に封止的に提供される導管を含む、導管アセンブリであって、
前記導管は、前記貫通開口に加えて、前記プレート状の構造要素を通じる更なる貫通開口を提供することを必要とせずに、前記貫通開口に機械的に取り付けられ、
当該導管アセンブリは
記貫通開口から及び/又は前記貫通開口を通じて延びる導管を有し、導管の外側に、前記貫通開口の周囲に平行な前記プレート状の構造要素の近位側に配置される円周方向に延在する部材を有する、導管部と、
前記貫通開口の周囲に沿う複数の位置で前記プレート状の構造要素の遠位側に配置されるアンカ部と、
前記プレート状の構造要素と前記導管部との間の位置決めのための封止ガスケットと、
前記円周方向に延在する部材の少なくとも1つの貫通穴、前記封止ガスケットの少なくとも1つの貫通穴及び前記アンカ部の少なくとも1つの貫通穴を通じて延在して、前記導管部の前記円周方向に延在する部材を前記アンカ部と接続する少なくとも1つの接続要素とを含み、
前記アンカ部は、前記プレート状の構造要素の前記遠位側で、前記貫通開口を通じて、前記プレート状の構造要素の前記近位側から置かれるのに適する、
導管アセンブリ。
【請求項33】
前記導管は、1人だけの作業者によって前記プレート状の構造要素の近位側から取り付け可能であるように、取り付けられる、請求項32に記載の導管アセンブリ。
【請求項34】
前記アンカ部は、単一部品のデバイスである、請求項32又は33に記載の導管アセンブリ。
【請求項35】
前記アンカ部は、C形状又はU形状であるか、或いはC形状又はU形状を採用することができる、請求項32乃至34のうちのいずれか1項に記載の導管アセンブリ。
【請求項36】
前記アンカ部は、前記アンカ部の最外側寸法によって定められる外側輪郭と、自由空間を画定する内側輪郭とを有し、前記アンカ部は、前記導管が前記アンカ部の前記自由空間内にあるか、或いは前記導管の軸方向における前記導管の仮想的な広がりが前記アンカ部の前記自由空間内にあるように、前記内側輪郭に近接して前記外側輪郭と前記内側輪郭との間に、前記接続要素のうちの少なくとも1つを介して前記導管の内周の外側にある導管部の部分と接続する接続部を有する、請求項32乃至35のうちのいずれか1項に記載の導管アセンブリ。
【請求項37】
前記導管部の前記円周方向に延在する部材は、前記プレート状の構造要素と前記導管部との間に位置付けられる封止ガスケットを保持する第1のシートを含む、請求項32乃至36のうちのいずれか1項に記載の導管アセンブリ。
【請求項38】
前記シートは、前記封止ガスケットを受け入れるための前記円周方向に延在する部材にある環状のキャビティを含む、請求項37に記載の導管アセンブリ。
【請求項39】
前記少なくとも1つの接続要素の各々は、前記円周方向に延在する部材に対して位置付けられる第2の封止ガスケットを保持する第2のシートを備える前記プレート状の構造要素の近位側で使用中のままである側にある、請求項32乃至38のうちのいずれか1項に記載の導管アセンブリ。
【請求項40】
前記第2のシートは、前記第2の封止ガスケットを受け入れるためにある環状のキャビティを含む、請求項39に記載の導管アセンブリ。
【請求項41】
前記アンカ部は、前記アンカ部を前記貫通開口の周囲に沿う複数の位置で前記プレート状の構造要素の遠位側に対して少なくとも一時的に固定する固定具を備える、請求項39に記載の導管アセンブリ。
【請求項42】
前記固定具は、前記貫通開口内に自動的に嵌まり込む、請求項41に記載の導管アセンブリ。
【請求項43】
前記固定具は、少なくとも1つのリップを含み、該リップは、前記アンカ部が前記貫通開口のリムに吊り下がるのを可能にするようフック形状である、請求項41又は42に記載の導管アセンブリ。
【請求項44】
前記固定具は、接着テープ又は接着剤を含む、請求項41乃至43のうちのいずれか1項に記載の導管アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレート状の構造要素の貫通開口に導管を封止的に提供するシステムに関し、プレート状の構造要素の貫通開口に導管を封止的に提供する方法に関し、プレート状の構造要素の貫通開口に封止的に提供される導管を含む導管アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の建造物及び石油リグ等のような沖合構造の建造物において、区画の間の壁、区画と環境との間の壁、天井及び甲板は、通常、金属プレート状の構造要素で作られる。パイプ及び/又はケーブルは、1つの区画から他の区画に又は外側から区画内に延びる必要があるので、そのような金属プレート状の構造要素は、しばしば貫通開口を備える。これらの開口は、円形、楕円形、丸みを帯びたエッジを備える正方形又は長方形であってよく、原理的には、任意の形状を有することができる。導管が貫通開口に封止的に提供されるのを保証するために、導管は、通常、フランジを備え、導管を貫通開口に又は貫通開口内に溶接するためにフランジを使用することができる。
【0003】
溶接は、熟練労働者を必要とし、熟練作業者は、相応して賃金が高く、よって、費用がかかる。これらの作業者は、溶接中に危険で比較的不健康な状態に曝されるので、溶接工は、今日、高給である。世界には良い溶接工の不足がある。また、これは溶接の仕事を成し遂げるための価格を押し上げる。溶接は、構造物の価格を上昇させるのみならず、溶接は、本来的に、金属プレート状構造要素の構造を局所的に変化させ、しばしば、構造物に弱点を導入する。腐食及び/又は疲労は、溶接部の引裂きをもたらすことがある。プレート状の構造要素にある貫通開口に導管を提供する代替的な方法が関心事であることは驚くにはあたらない。
【0004】
プレート状の構成要素に導管を取り付けることは、当技術分野において等しく知られている。それは、しばしば、貫通開口の周囲にある並びに貫通開口から僅かな距離にあるプレート状構造要素に追加的な穴を穿孔することを必要とする。それは、直接的な通信又は伝送を介した通信が問題となることがあるヤード内で建造されている船舶の船体内にしばしば下る、良い計画、作業者の間の調整及び通信をしばしば必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者間の通信を必要としない、プレート状構造要素の貫通開口に導管を封止的に提供するための簡単なシステム及び方法を提供することが、本開示の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様によれば、少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管を通じて延びることができるように、並びに、導管内の残留空間を封止した後に、プレート状の構造要素を通じる完全に密閉されたパイプ及び/又はケーブル貫通部が得られるように、プレート状の構造要素の貫通開口に封止的に導管を提供するためのシステムがある。システムは、機械的に取り付け可能であるようなシステムである。システムは、更に、プレート状の構造要素の一方の側のみから取り付け可能であるようなシステムである。有利には、それは作業者の存在を連絡及び調整するのがより一層容易である。何故ならば、作業者は、プレート状の構造要素の一方の側にあり得るからである。システムは、好ましくは、貫通開口から及び/又は貫通開口を通じて延びるための導管を有し、貫通開口の周囲に平行なプレート状の構造要素の近位側での配置のために導管の外側に円周方向に延在する部材を有する、導管部を含む。システムは、更に、好ましくは、貫通開口の周囲に沿う複数の位置でプレート状の構造要素の遠位側での配置のためのアンカ部を含む。システムは、好ましくは、導管部の円周方向に延在する部材をアンカ部と接続するための少なくとも1つの接続要素も含む。アンカ部は、好ましくは、プレート状の構造要素の遠位側で貫通開口を通じてプレート状の構造要素の近位側から置かれるのに適する。導管部の円周方向に延在する部材をアンカ部と接続するための少なくとも1つの接続要素のうちの1つは、導管部に接続される間に、貫通開口の周囲に沿う複数の位置でプレート状の構造要素の遠位端でのアンカ部の配置を可能にする。
【0007】
有利には、1人の人が取り扱い且つ実行することができる1つの位置決めステップを調整することによって、アンカ部分及び導管部を遠位側及び近位側にそれぞれ位置付けることが可能である。少なくとも1つの接続部又はその少なくとも1つの要素は、その位置決めの間にアンカ部及び導管部を既に接続している。
【0008】
有利には、アンカ部は、それが導管部に正確に位置決めされ且つ導管部にしっかり固定される前に、プレート状の構造要素の反対側に落下することができない。これは取付けの間にシステムの取扱いをとても簡単にする。
【0009】
ある例によれば、システムは、前記プレート状の構造要素の近位側から操作している1人の作業者のみによって取り付け可能である。有利には、プレート状の構造要素にある貫通開口部内にマス亜貫通開口を通じて単一の導管を一緒に取り付ける作業者間の連絡の要は全くない。何故ならば、1人の作業者のみが仕事を行うことができるからである。これは仕事を成し遂げるための費用も大幅に削減する。
【0010】
本開示の例によれば、システムは、貫通開口に加えて、プレート状の構造要素を通じ更なる貫通開口を提供することを必要とせずに、取り付け可能である。よって、追加の穴を穿孔する必要はなく、電源の必要がなく、仕事を簡単にし、比較的熟練していない作業者によって管理可能であるようにする。
【0011】
本開示の第2の態様によれば、少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管を通じて延びることができるように、並びに、導管内の残留空間を封止した後に、プレート状の構造要素を通じる完全に密閉されたパイプ及び/又はケーブル貫通部が得られるように、プレート状の構造要素の貫通開口に封止的に導管を提供するための方法がある。方法は、導管を貫通導管に機械的に取り付けることを含む。方法は、更に、プレート状の構造要素の一方の側のみから取り付けることを含むような方法である。方法は、好ましくは、導管部を提供することを含み、導管部は、貫通開口から及び/又は貫通開口を通じて延びるための導管を有し、導管の外側に、貫通開口の周囲に平行なプレート状の構造要素の近位側での配置のための円周方向に延在する部材を有する。方法は、更に、好ましくは、貫通開口の周囲に沿う複数の位置でのプレート状の構造要素の遠位側における配置のためのアンカ部を提供することを含む。方法は、好ましくは、導管部の円周方向に延在する部材をアンカ部と接続するための少なくとも1つの接続要素を提供することも含む。方法は、好ましくは、アンカ部が、プレート状の構造要素の遠位側で、貫通開口を通じて、プレート状の構造要素の近位側から置かれる、ステップを含む。導管部の円周方向に延在する部材をアンカ部と接続するための少なくとも1つの接続要素は、導管部に接続されている間に、貫通開口の周囲に沿う複数の位置で、プレート状の構造要素の遠位側でのアンカ部の配置を可能にする。システムについて上記で略述したような利点は、方法にも等しく当て嵌まる。
【0012】
第2の態様の例によれば、方法は、プレート状の構造要素の近位側から操作する1人だけの作業者によって取り付けることを含む。やはり、システムの対応する例に関して提示された利点は、方法の例に等しく当て嵌まる。
【0013】
本開示の第2の態様の別の例によれば、方法は、貫通開口に加えて、プレート状の構造要素を通じる更なる貫通開口を提供することがない。ここでも、対応するシステムについての上述の利点は、開示の第2の態様の例に等しく当て嵌まる。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管を通じて延びることができるように、並びに、導管内の残留空間を封止した後に、プレート状の構造要素を通じる完全に密閉されたパイプ及び/又はケーブル貫通部が得られるように、プレート状の構造要素の貫通開口に封止的に提供される導管を含む、導管アセンブリが提供される。導管は、貫通開口に加えて、プレート状の構造要素を通じる更なる貫通開口を提供することを必要とせずに、貫通開口に機械的に取り付けられる。導管アセンブリは、好ましくは、導管部を含み、導管部は、貫通開口から及び/又は貫通開口を通じて延びる導管を有し、貫通開口の周囲に平行なプレート状の構造要素の近位側に配置される円周方向に延在する部材を導管の外側に有する。導管アセンブリは、更に、好ましくは、貫通開口の周囲に沿う複数の位置でプレート状の構造要素の遠位側に配置されるアンカ部を含む。導管アセンブリは、好ましくは、導管部の円周方向に延在する部材をアンカ部と接続する少なくとも1つの接続要素も含む。アンカ部自体は、好ましくは、プレート状の構造要素の遠位側で、貫通開口を通じて、プレート状の構造要素の近位側から置かれるのに適する。
【0015】
本開示及び本開示の利点は、図面を参照して更に記載され且つ説明される非限定的な例による。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の例の分解斜視図を示している。
図2】取り付けられた状態における本開示の例を示している。
図3】取り付けられた状態における本開示の例の半断面図及び半分解図を示している。
図4図2に示す例の別の図である。
図5a】本開示のシステムの部分の例である。
図5b】別の側から見た図5aに示す部分であり、示されるような断面図である。
図6】本開示に従った方法の例の4つのステップを示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面において、同等の部分は、同様の参照によって言及される。
【0018】
図1は、貫通開口2を有するプレート状の構造要素1を示している。明確性のために、プレート状の構造要素1は、円形の要素であるように示されている。しかしながら、実際には、そのようなプレート状の構造要素は、しばしば、容器又はオイルプラットフォームのような金属構造における壁の一部である。プレート状の構造要素は、任意の更なる形状を有してよく、構造の任意の部分であってよい。図1は、導管3を示している。プレート状の構造要素1とは別に、図1に示す部品は、それぞれ、プレート状の構造要素1の貫通開口2に封止的に導管を提供するためのシステムの例の部分であるので、少なくとも1つのパイプ及び/又はケーブルが導管3を通じて延び、そして、導管3内の残りの空間を封止した後に、プレート状の構造要素1を通じる完全に密封されたパイプ及び/又はケーブル貫通部を得ることができる。図1において顕著であるように、システムは、機械的に取り付け可能であるようなシステムである。更なる説明がなければ、システムが、更に、プレート状の構造要素の一方の側のみから取り付け可能であるようなシステムであることは、図1から顕著でない。この点に関する更なる説明が後続する。システムが、プレート状の構造要素1の近位側から操作している1人だけの作業者によって取り付け可能であるようなシステムであることも、同様に図1から顕著でない。本開示を通じて、近位側Pは、導管3を貫通開口2に取り付けるときに、1人の作業者が操作する側である。遠位側は、プレート状の構造要素の他の型である。
【0019】
システムは、貫通開口2から延びる及び/又は貫通開口2を通じて延びる導管3を有し、貫通開口2の周囲に平行なプレート状の構造要素1の基端側Pでの配置のための円周方向に延在する部材5を導管3の外側に有する、導管部4を含む。円周方向に延在する部材の大部分は、図1に示すように、単に導管3に接続されたフランジ5である。システムは、更に、貫通開口2の周囲に沿った複数の位置にプレート状の構造要素の遠位側Dでの配置のためのアンカ部6を含む。システムは、更に、導管部4の円周方向に延在する部材5をアンカ部6と接続するための少なくとも1つの接続要素7を含む。殆どの例において、接続部は、ネジ山を有するボルトであり、接続要素7をその軸の周りで迅速に回転させることができるツールへの連結のためのヘッド8を有する。ボルトのネジ山付き端は、理想的には、均等にネジ山が付けられ且つアンカ部6内にある貫通穴9に接続される。次に、その接続要素は、好ましくは、ガスケット17内の貫通穴及びフランジ10を通じて、並びに封止ガスケット12内の貫通穴を通じて等しく延在する。導管部4の円周方向に延在する部材5をアンカ部6と接続するための接続部材7のうちのその1つは、導管部4と接続されながら、貫通開口2の周囲に沿った多数の位置におけるプレート状の構造要素1の遠位側Dでのアンカ部6の配置を可能にする。これを視覚化するために、読者は、図6の画像A、B、及びCを参照のこと。画像A及びBは、アンカ部6が、接続要素7によって導管部4に接続されることを示している。画像Cでは、画像Dに既に示されている接続要素7がアンカ部6を既に接続している一方で、そのアンカ部6は、プレート状の構造要素1の遠位側Dに配置されていることが示されている。ここではそれぞれ接続要素7’と呼ぶ他の接続要素7は、アンカ部6がプレート状の構造要素1の遠位側Dに配置される間に、その時点では円周方向に延在する部材5及びアンカ部6を未だ接続していない。明らかに、少なくとも1つの接続要素7、7’の各々は、プレート状の構造要素1の近位側Pにある導管部4を貫通開口2の周囲に平行に導く一方で、アンカ部6をプレート状の構造要素1の遠位側Dにある貫通開口2の周囲に沿う多数の位置に導くか或いはそのような位置を維持するのに適している。その結果、プレート状の構造要素1は、導管部4及びアンカ部6によって「挟み込まれる(clamped in)」ことができる。実際には、プレート状の構造要素のこの「挟込み(clamping-in)」は、接続要素(この例では、各ボルト)をその軸7、7’の周りで回転させることによって起こる。図6に示す事象、特に画像A、B及びCのシーケンスは、先ず、1つの接続要素7が円周方向に延在する部材5の貫通穴を通じて置かれ、封止ガスケット11の貫通穴を通じて置かれ、次に、アンカ部6の貫通穴9内に置かれる。(封止ガスケット17は、ヘッド8のシート内に既に配置されていると推定される)。次に、図6の画像Bに示すように、連結されながら、アンカ部6は、貫通開口2を通じて置かれ、プレート状の構造要素1の遠位側Dに配置される。次に、他の接続要素7’は、貫通穴10,12,9内に均等に挿入され(次に、それらは互いに対して整列して置かれ)、導管部4及びアンカ部6は、接続要素7,7’の各々をその軸の周りで回転させることによって結合される。1つの接続要素のみがその時に回転していることが可能である。貫通開口2への導管3の全体的な取付けをプレート状の構造要素1の一方の側だけから行い得る。近位側Pから操作している1人の作業者だけが取付けを行い得ることが更に明らかである。
【0020】
アンカ部6は、貫通開口2を通じてプレート状の構造要素1の近位側Pから、プレート状の構造要素1の遠位側Dに配置されるのに適している。図示の例において、アンカ部6は、C形状又はU形状である。また、アンカ部6がC形状字形又はU形状を採用することも等しく可能である。
【0021】
貫通開口2に封止的に提供されるように導管の視覚化を更に支援するために、図2図3及び図4を参照する。
【0022】
我々は次にアンカ部6の好ましい構成に目を向ける。好ましくは、アンカ部6は、アンカ部6の最外側寸法によって画定される外側輪郭13を有する。アンカ部6は、好ましくは、自由空間15を画定する内部輪郭14も有する。アンカ部6は、外側輪郭13と内側輪郭14との間に、好ましくは、内側輪郭14により近くに、接続要素7のうちの少なくとも1つを介して導管3の内周の外側にある導管部4の一部と接続するための、少なくとも1つの接続部9を有する。理想的には、これは、システムの取付け状態において導管3がアンカ部6の自由空間15内にあることができるようなものであり、或いはシステムの取付け状態において導管3の仮想延長がその軸方向においてアンカ部6の自由空間15内にあることができるようなものである。
【0023】
アンカ部6は、任意的にアンカ部6と導管部4とを接続する前に、アンカ部6を少なくとも一時的に貫通開口2の周囲に沿う多数の位置でプレート状の構造要素1の遠位側Dに固定するための固定具(fixator)を備えるのが好ましい。位置の数は1に制限されてよい。固定具は、貫通開口2に自動的に嵌まり込んで(self-clamping)よい。固定具は、少なくとも1つのリップ16も含んでよく、リップ16は、アンカ部6が貫通開口2のリムに吊り下がるのを可能にするように、好ましくは、フック形状であってよい。代替的に又は追加的に、固定具は、接着テープ又は接着剤を含んでよい。固定具がリップ16を含むことが好ましい。何故ならば、これは、導管部4とアンカ部6とを結合してプレート状の構造要素1を「挟み込む」間に、貫通開口2の周囲に沿う多少の移動を可能にするからである。しかしながら、本開示は、貫通開口を通じてプレート状の構造要素の遠位側にアンカ部を置きながらアンカ部と導管部とを接続する1つの接続要素7を考慮して、そのような固定が必要でないことを想定する。
【0024】
好ましくは、その導管部4が貫通開口2の周囲に平行なプレート状の構造要素1の近位側Pに位置付けられるときに、アンカ部6が導管部4に接続可能であるか或いは接続されるように、アンカ部6は、プレート状の構造要素に対する安定的な位置でプレート状の構造要素1の遠位側Dに位置付けられることができるようにされる。よって、任意的に、アンカ部6は、先ず貫通開口2を通じて置かれ、次に、アンカ部が安定的であり且つ導管部4に接続可能であるように位置付けられる。代替的に、好ましくは、貫通開口2の周囲に平行な遠位側Dでの配置のために貫通開口を通じてアンカ部を置く前に、アンカ部6及び導管部4は接続される。貫通開口を通じて置く前に接続することは、アンカ部が遠位側Dで落下し得ないという利点を有する。
【0025】
プレート状の構造要素のそれぞれの側での初期配置の後に、アンカ部と導管部とを結合するために、1つだけの接続要素が回転させられるときに、アンカ部の回転を阻止するための専用の手段を提供するのは不要であることが判明した。アンカ部がプレート状の構造要素に対して幾分しっかりと配置されるや否や、アンカ部の回転は起こらず、アンカ部と導管部との間の距離が減少するように接続要素を前進させることを可能にする。器用な作業者は、システムを自分自身で簡単に取り付けることができる。他方、回転阻止器(ブロッカ)を適用することは可能なままである。アンカ部自体は、必ずしも封止式に遠位側に置かれるとは限らない。何故ならば、近位側で完了するまで封止を確立することができるからである。
【0026】
更に、本開示のシステムの例は、これらが、貫通開口に加えて、プレート状の構造要素を通じる更なる貫通開口を提供することなく、取り付け可能であるようなものである。簡単に言うと、これはボルトがプレート状の構造要素の貫通開口2を通じて延びるときに可能であるので、プレート状の構造要素1に特殊な貫通穴を設ける必要はない。
【0027】
次に、貫通開口2に導管3を封止的に提供することを可能にする構成に着目する。その目的のために、導管部4の円周方向に延在する部材5は、プレート状の構造要素1と導管部4との間の位置決めのための封止ガスケット12のための第1のシートを含む。議論した例において、シートは、この封止ガスケットを受け入れる(host)ために、円周方向に延在する部材5内に環状形状のキャビティを含む。封止ガスケット12の厚さは、導管部4及びアンカ部6がプレート状の構造要素1内にどれだけしっかりクランプされても、導管部4が、又はいずれにしてもその円周方向に延在する部材5が、プレート状の構造要素1に触れないような厚さである。
【0028】
少なくとも1つの接続要素7の各々は、それらのヘッドにおいて、第2の封止ガスケット17のための第2のシートを有する。理想的には、使用中、このヘッドは、プレート状の構造要素1の近位側Pで使用されているままの側にある。次に、プレート状の構造要素1を「挟み込む」ために導管部4及びアンカ部6を結合するときに、第2の封止ガスケット17を円周方向に延在する部材5に対して位置決めすることができる。第2のシートは、好ましくは、封止ガスケット17を受け入れるための環状形状のキャビティを含む。第2のシートの形状及び寸法に対する封止ガスケット17の厚さは、導管部4及びアンカ部6がプレート状の構造要素1内にしっかりクランプされるときでさえも、シートが導管部4の円周方向に延在する部材5に触れないような暑さである。
【0029】
上記で説明したように、プレート状の構造要素1の貫通開口2に封止的に導管を設ける方法は、それがプレート状の構造要素1の一方の側のみから取り付けることを含むような方法であることができる。しかしながら、所望であれば、図2図3、及び図4に示すように、遠位側Dで突き出るボルトのネジ山端は、もちろん、取り付けられるときに導管を更に固定し、ボルトのそれらの端に近づき過ぎてボルトのそれらの端に偶発的に当たるときに、人がそれらの端によって怪我をするのを防止する、キャップ付きナット(図示せず)又は任意の他のデバイスを備えることができる。しかしながら、これは取付自体の必要な部分でなく、後に行われることができる。
【0030】
特に図3に見ることができるように、本開示は、貫通開口2に加えて、プレート状の構造要素1を通じる更なる貫通開口を提供することを必要とせずに、プレート状の構造要素1の貫通開口2に機械的に取り付けられた、導管アセンブリを提供する。
【0031】
これまでのところ、本開示は円形断面を有する導管に主に言及しているが、添付の特許請求の範囲によって取り込まれるような本開示の技術的着想は、非円形断面を有する導管での適用も可能にする。よって、導管は、楕円形であってよく、長方形であってよく、丸みを帯びたエッジを有してよく、或いは任意の他の形状を有してよい。それらの状況において、アンカ部6は、常にそれ自体で閉じることが可能であり、プレート状の構造要素1の近位側から貫通開口2を通じて遠位側Dに依然として置かれることができる。そのような状況において、アンカ部6は、貫通開口2の全周でプレート状の構造要素1に当接することができる。導管が円形断面を有する場合にのみ、C形状又はU形状のアンカ部6を有することが必要な場合がある。示したように、C形状又はU形状を採用し得るアンカ部6を有することも可能である。例えば、アンカ部6は、ヒンジ付け可能な接続部を用いて接続される円のセグメントで構成されてよいので、セグメントの一部は、半径方向に内向きに移動させられることができ、よって、アンカ部6は、全体的に一時的にC形状又はU形状を採用する。その状態において、アンカ部は、円形の貫通開口2を通じて置かれることができる。
【0032】
議論したような例において、片側のみからの一人の作業者による取付けを可能にするのは、接続要素の数及びその各々の接続要素の長さである。システムを簡単にマウントするのは、若干のトレーニングを必要とする。しかしながら、器用な作業者は、ある程度のトレーニングの後に、光が殆ど利用可能でない状況においても、確実にシステムを日常的に取り付けることができる。換言すれば、接続要素を回転させるためのバッテリ保持電気ドライバが単に利用可能であるだけで、電気ワイヤを周囲に有することなく、システムを使用して、それを成功裏に取り付けることが可能である。その他の部品又はツールは必要とされない。4つの接続要素の代わりに、2つの接続要素のみを使用することも可能であり、或いは、導管の直径に依存して、5つ又は6つの接続要素を使用することも可能であり、更に多くの接続要素を使用することも可能である。
【0033】
実際、添付のように、特許請求の範囲の枠内では、他の多くの例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6A
図6B
図6C
図6D