(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】医療注射器用の注射器ホルダーおよび医療注射器アセンブリを形成する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/24 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
A61M5/24
(21)【出願番号】P 2020523311
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2018079151
(87)【国際公開番号】W WO2019081578
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-05
(32)【優先日】2017-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596113096
【氏名又は名称】ノボ・ノルデイスク・エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クリトモーセ, ラーシュ ペータル
(72)【発明者】
【氏名】キレリッヒ, エベ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/071909(WO,A1)
【文献】特表2015-500071(JP,A)
【文献】特表2016-533219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器ホルダー(200)であって、
- 中央長軸方向軸に沿って延在し、注射器(100)のバレル(110)を受け取るように適合された本体(210)を備え、前記本体(210)が、前記中央長軸方向軸の周りに配置された少なくとも2つの本体部(240)を含み、前記本体部(240、240A、240B)が、前記注射器が前記注射器ホルダー(200)に対して遠位方向(D)に移動しないように前記注射器(100)を保持するために、前記注射器(100)の前記バレル(110)と前記注射器の針(130)を覆う針シールド(120)の間の円周方向の隙間(150)内に受け取られるように適合されたショルダー部(250)を持つ遠位端を有し、
前記本体(210)が、前記本体部(240、240A、240B)および拡張可能なコネクター配列(230)が前記本体(210)により保持される注射器(100)の前記バレル(110)の周りで円周方向に閉ループを形成するように、複数の前記拡張可能なコネクター配列(230)をさらに備え、前記拡張可能なコネクター配列(230)のそれぞれが前記少なくとも2つの本体部(240、240A、240B)の対を相互接続し、前記閉ループを維持する間に非保持位置と保持位置との間で前記本体部(240、240A、240B)が移動可能であるように前記拡張可能なコネクター配列(230)が構成さ
れ、
任意の2つの隣接する本体部(240A、240B)の長軸方向の縁部の間にあるそれぞれの拡張可能なコネクター配列(230)が少なくとも一つの連結部(230.8)として提供され、前記連結部(230.8)の対向する端部が、ヒンジ(230.8A、230.8B)によってそれぞれの本体部(240A、240B)に接続され、前記連結部(230.8)が、前記本体部(240A、240B)がその保持位置を取る時に円周方向に対して傾斜角度で傾斜する連結部セグメントを備え、前記本体部(240、240A、240B)が、互いに対して軸方向に移動する際に本体部が半径方向に移動されるように、前記本体部(240、240A、240B)が互いに対して軸方向に移動可能である、注射器ホルダー
(200)。
【請求項2】
前記複数の拡張可能なコネクター配列(230)が、前記本体部(240、240A、240B)の前記非保持位置から前記保持位置への円周方向の収縮を可能にするように形成される、請求項1に記載の注射器ホルダー(200)。
【請求項3】
前記複数の拡張可能なコネクター配列(230)が、前記本体部(240、240A、240B)の前記保持位置から前記非保持位置への円周方向の拡張を可能にするように形成される、請求項2に記載の注射器ホルダー(200)。
【請求項4】
それぞれの本体部(240、240A、240B)が、前記遠位端から近位端まで延在し、それぞれの本体部(240、240A、240B)の前記遠位端および前記近位端の両方が、前記少なくとも2つの本体部(240、240A、240B)のもう一方に対して半径方向に移動可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の注射器ホルダー(200)。
【請求項5】
前記本体部(240、240A、240B)が前記非保持位置において実質的に平行な構成を取り、前記保持位置において実質的に平行な構成を取るように個別に移動可能なように、前記本体部(240、240A、240B)が半径方向に移動可能であるように前記拡張可能なコネクター配列(230)が形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の注射器ホルダー(200)。
【請求項6】
任意の2つの隣接する本体部(240A、240B)の長軸方向の縁部の間にあるそれぞれの拡張可能なコネクター配列(230)が、前記本体部(240A、240B)に沿ってそれぞれの軸方向位置で長軸方向に配置された複数の個別の連結部(230.8)として提供される、請求項
1に記載の注射器ホルダー(200)。
【請求項7】
任意の2つの隣接する本体部(240A、240B)の間の前記複数の個別の連結部(230.8)が平行四辺形構成として構成される、請求項
6に記載の注射器ホルダー(200)。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の注射器ホルダー(200)を備え、バレル(110)および注射器(100)の針(130)を覆う針シールド(120)を有する前記注射器(100)をさらに備え、円周方向の隙間(150)が前記注射器(100)の前記バレル(110)と前記針シールド(120)との間に提供され、前記注射器(100)の前記バレル(110)が前記本体(210)内で受け取られ、前記ショルダー部(250)が前記円周方向の隙間(150)内に位置付けられる、医療注射器。
【請求項9】
前記医療注射器が、外側ハウジング(300)をさらに備え、前記外側ハウジングが、前記注射器ホルダー(200)を前記外側ハウジング(300)に対して位置付けるために前記注射器ホルダー(200)の界面形
状と係合する一つ以上の界面形状(330)を備え、前記ハウジング(300)の前記界面形状(330)が、前記注射器ホルダー(200)に締付力を加えて前記本体部(240、240A、240B)を前記保持位置に保持するよう作用する、請求項
8に記載の医療注射器。
【請求項10】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の注射器ホルダー(200)および注射器(100)を備える医療注射器アセンブリを形成する方法であって、前記方法が、
a)バレル(110)、前記バレル(110)の遠位端に取り付けられた針(130)、および前記注射器(100)の前記針(130)を覆う針シールド(120)を備える注射器(100)を提供する工程であって、円周方向の隙間(150)が前記バレル(110)と前記針シールド(120)との間に提供される工程と、
b)前記本体部(240)が前記非保持位置を取る状態の前記注射器ホルダー(200)を提供する工程と、
c)前記注射器(100)を前記注射器ホルダー(200)内に配置する工程と、
d)前記注射器が前記注射器ホルダー(200)に対して遠位方向(D)に移動するのを防止するために、前記ショルダー部(250)が前記注射器(100)の前記バレル(110)と前記注射器(100)の針(130)を覆う針シールド(120)との間の前記円周方向の隙間(150)内に受け取られるように、前記本体部(240)を前記非保持位置から前記保持位置に移動させる工程と、を含む方法。
【請求項11】
前記方法の工程b)が、少なくとも第一および第二のツール部品(500A、500B)を備えるツール(500)に対して前記注射器ホルダー(200)を位置付ける工程をさらに備え、前記方法の工程d)が、それぞれの前記少なくとも第一および第二のツール部品(500A、500B)の一つをそれぞれの前記少なくともの2つの本体部(240)の一つと係合させる工程と、前記少なくとも第一および第二のツール部品(500A、500B)を互いに対して位置付け、それにより前記本体部(240)を前記非保持位置から前記保持位置に移動させる工程と、をさらに備える、請求項
10に記載の医療注射器アセンブリを形成する方法。
【請求項12】
前記方法の工程b)が、少なくとも第一および第二のツール部品(500A、500B)を備えるツール(500)に対して前記注射器ホルダー(200)を位置付ける工程と、それぞれの前記少なくとも第一および第二のツール部品(500A、500B)の一つをそれぞれの前記少なくとも2つの本体部(240)の一つと係合させる工程と、前記少なくとも第一および第二のツール部品(500A、500B)を互いに対して位置付け、それにより前記本体部(240)を前記非保持位置に移動させる工程と、をさらに備える、請求項
10に記載の医療注射器アセンブリを形成する方法。
【請求項13】
請求項
10~12のいずれか一項に記載の医療注射器アセンブリを形成する方法であって、前記方法が、工程d)の後に、
e)外側ハウジング(300)を提供する工程であって、前記外側ハウジングが一つ以上の界面形状(330)を備える工程と、
f)前記ハウジング(300)の前記界面形状(330)が、前記本体部(240)を前記保持位置に維持するために、前記注射器ホルダー(200)の前記本体(210)と係合するように、前記注射器ホルダー(200)によって保持される前記注射器(100)を備えた前記注射器ホルダー(200)を前記外側ハウジング(300)に対して挿入する工程と、をさらに備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一回分またはそれ以上の用量の液剤を注射するための医療注射器用の注射器ホルダーに関連する。特に、本発明は、注射器ホルダーおよび、注射器ホルダー内に注射器を簡単に組み立てるための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
従来の手持ち式医療注射器の標準的な予め充填された注射器は、一次包装に使用されることが多い。医療注射器の特定の機能を提供するため、または注射器の取扱いや保護を容易にするために、予め充填された注射器は多くの場合、注射器ホルダー内に収容され、外側ハウジングに挿入される。使い捨て医療注射器は、特に使いやすくかつ安価な医療注射器を提供し、予め充填された注射器は、注射器をハウジングから取り外すことができないように、またそのため空の医療注射器の再利用ができないように、医療注射器のハウジング内に永久的に保持される。
【0003】
従来の注射器ホルダーは、注射器のネックと係合して、注射器が注射器ホルダーから脱係合しないように適合されたショルダーを提供する。注射器には針を覆う剛直な針シールドが概して供給されており、これらの針シールドはショルダー間の直径よりも大きい直径を持つため、注射器を注射器ホルダー内に挿入する工程と、その後に剛直な針シールドを針に取り付ける工程という別個の組立工程が必要となる。
【0004】
参考文献の国際公開第2010/084306号は、注射器が挿入された後に一緒にクリップ留めされる個別の部品として形成される第一および第二のセクションから形成される注射器ホルダーに注射器を挿入し保持することを示唆している。この参考文献では、対向する長軸方向の縁の一つに沿って、ヒンジ、好ましくはリビングヒンジを介して互いに接続された第一および第二のセクションを持つ注射器ホルダーも開示されており、これによって開いたセクションの間で注射器が受け取られ、その後にセクションが注射器の周りで閉じられることが可能となる。
【0005】
さらに、参考文献の国際公開第2005/115507号、国際公開第2007/083115号および国際公開第2013/083614号は、注射器ホルダーおよび注射器キャリアの様々な設計の開示を含む。多くの設計は、ショルダー部を通過する針シールドの動きを可能にするために、針シールドを注射器ホルダーと接触させて注射器ホルダーの弾性のあるショルダー部を拡張させる原理に依拠している。これにより、注射器が注射器ホルダー内に適切に位置付けられ、ショルダー部が針シールドと注射器のバレルの間にある円周方向の隙間で受け取られるようになる。針シールドと注射器ホルダーの間の接触により、針シールドは注射器のバレルに対して移動させられる場合がある。これは、注射器の針領域の滅菌状態の維持に対して問題を生じさせる場合がある。さらに、図示された設計の多くは、大規模な製造の組立作業における使用には適していない。注射器ホルダーのさらなる例が、国際公開第01/08727号および独国実用新案第202016100531 U1号明細書で開示されており、そのどちらでも、注射装置内の注射器を軸方向に維持するために注射器のフィンガーフランジを使用して注射器が保持される注射装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2010/084306号
【文献】国際公開第2005/115507号
【文献】国際公開第2007/083115号
【文献】国際公開第2013/083614号
【文献】国際公開第01/08727号
【文献】独国実用新案第202016100531 U1号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、注射器ホルダーによって保持される注射器を保護し、製造性の改善を可能にする、改善された注射器ホルダーを提供することである。
【0008】
本発明の開示では、上記目的の一つ以上に対処する、または以下の開示および例示的な実施形態の説明から明らかな目的に対処する実施形態および態様が記載されている。
【0009】
第一の態様では、本発明は、
- 中央長軸方向軸に沿って延在し、注射器のバレルを受けるように適合された本体を備え、本体が、中央長軸方向軸の周りに配置された少なくとも2つの本体部を含み、本体部が、注射器が注射器ホルダーに対して遠位方向(D)に移動しないように注射器を保持するために注射器のバレルと注射器の針を覆う針シールドの間の円周方向の隙間内に受け取られるように適合されたショルダー部を持つ遠位端を有する、本体、を備え、
本体が、本体部および拡張可能なコネクター配列が本体により保持される注射器のバレル周りで円周方向に閉ループを形成するように、少なくとも2つの本体部の隣接する対を相互に接続する複数の拡張可能なコネクター配列をさらに備え、拡張可能なコネクター配列が、非保持位置と保持位置との間で本体部が移動可能であるように構成される、注射器ホルダーに関連する。
【0010】
第一の態様による注射器ホルダーおよび予め充填された注射器の組み合わせは、予め充填された注射器から一回分またはそれ以上の用量を放出するように構成されうる医療注射器の一部を形成する。
【0011】
第一の態様による注射器ホルダーについては、拡張可能なコネクター配列のために、各本体部の遠位端および近位端の両方が、少なくとも2つの本体部のうち他方から個別に半径方向に移動可能である。これにより、注射器ホルダーへの注射器の軸方向の挿入を可能にするための注射器ホルダーの取り扱いおよび操作のツールの使用が可能になり、一方で、注射器ホルダーへの注射器の軸方向の挿入中、針シールドは注射器ホルダーの本体部と接触しない状態が保たれる。従って、注射器が注射器ホルダーに挿入される際に針シールドが注射器のバレルに対して移動するようになるリスクが低減される。これにより、注射器の針の滅菌性が損なわれるリスクが低減される。
【0012】
注射器ホルダーは、拡張可能なコネクター配列のそれぞれが隣接する本体部のそれぞれの長軸方向に延在する縁に相互接続するように形成されうる。
【0013】
拡張可能なコネクター配列によって、本体部および拡張可能なコネクター配列は、本体部が保持位置を取る時に円周方向に閉ループを形成する。本体部が非保持位置を取るように注射器ホルダーが円周方向に拡張する場合でも、本体部および拡張可能なコネクター配列は円周方向に閉ループを形成する。
【0014】
一部の実施形態では、注射器ホルダーは、一体型の構成要素として、すなわち、少なくとも2つの本体部のすべてが、複数の拡張可能なコネクター配列と共に一体的に形成される。一部の実施形態では、注射器ホルダーは成形品を形成し、本体部および拡張可能なコネクター配列は永久的な閉ループを形成する。従って、注射器ホルダーの閉ループは、注射器が注射器ホルダー内に受け取られる前でさえも存在する。注射器ホルダーは、一部の実施形態では、高分子材料などの弾性のある変形可能な材料で作製されうる。
【0015】
拡張可能なコネクター配列は、閉ループの円周方向の拡張を可能にするために閉ループが拡張可能であり、および/または閉ループの円周方向の収縮を可能にするよう収縮可能であるように構成される。
【0016】
複数の拡張可能なコネクター配列は、本体部の非保持位置から保持位置への円周方向の収縮を可能にするよう形成されうる。
【0017】
注射器は、本体部が保持位置にある時に、保持された注射器のバレルに本体部が収縮力を提供するように形成されうる。従って、本体部が保持位置にある場合、注射器は注射器ホルダー内にしっかりと保持されうる。これにより、注射器が中でガタガタせず、注射器に優れた保護が提供される。
【0018】
また、一部の実施形態では、複数の拡張可能なコネクター配列は、本体部の保持位置から非保持位置への円周方向の拡張を可能にするよう形成されうる。
【0019】
それぞれの本体部は、ショルダー部を持つ前記遠位端から近位端まで延在するように形成されてもよい。注射器ホルダーの本体部は、注射器の円筒部分の実質的な部分に沿って延在するように形成されてもよい。例えば、本体部は、保持された注射器の管状部分の長さの50%超、例えば60%超、例えば70%超、例えば80%超、例えば90%超、注射器のネック部分から延在するように形成されてもよい。一部の実施形態では、注射器ホルダーの本体部は、本体部の近位リム部分とフィンガーフランジの間に1mm超、例えば2mm超、例えば3mm超の軸方向の自由空間が提供されるように、注射器のバレルの管状部分の実質的な部分に沿ってネック部分から近位側に延在するように形成される。他の実施形態では、本体部は、本体部の近位部分がフィンガーフランジと係合して、注射器のフランジを担持するように、または注射器ホルダーに対して注射器が近位方向に移動するのを防止するための把持機能を提供するように、保持された注射器のネック部分から近位方向に延在する。
【0020】
個別の本体部は、注射器のバレルを収容するために剛直なシェル部分を提供するように形成されうるが、本体部は注射器ホルダーへの注射器の挿入中に変形しない状態を維持する。
【0021】
拡張可能なコネクター配列は、本体部が保持位置において実質的に平行な構成を取り、また非保持位置においても実質的に平行な構成を取るために個別に移動できるように、本体部が半径方向に移動可能であるように形成されうる。
【0022】
特定の実施形態では、それぞれの拡張可能なコネクター配列は、注射器ホルダーの本体の円周方向に蛇腹構成で配置された2つ以上の連結部を備えるように形成される。
【0023】
連結部は、一部の実施形態では、ヒンジによって相互接続される剛直な連結部として形成される。連結部を相互接続する接続するヒンジおよび/または連結部を本体部と接続するヒンジは、一部の実施形態では、リビングヒンジとして形成される。ヒンジのそれぞれは、保持された注射器の長軸方向軸と平行な軸周りの旋回運動を提供しうる。
【0024】
さらなる実施形態では、各蛇腹構成は、3つ、4つ以上など、2つ以上の連結部を含みうる。さらに他の実施形態は、専用のヒンジ部によって相互接続された、剛直な連結部を含まない拡張可能なコネクター配列を組み込みうる。例えば、拡張可能なコネクター配列は、注射器ホルダー本体上に力がかけられた時に拡張可能なコネクター配列が伸張または収縮することを可能にする連続的に変形可能な蛇行部分または波型部分として提供されうる。
【0025】
一部の実施形態では、半径方向に内向きの力が拡張可能なコネクター配列にかかる時に、本体部が保持位置から非保持位置に移動するように、蛇腹構成が形成されうる。注射器ホルダーは、前記力が解除された時に、本体部が弾性的に保持位置に戻るように形成されうる。
【0026】
一部の実施形態では、注射器ホルダーは、単一の拡張可能なコネクターのみが2つの隣接する本体部の隣接した側部の間に位置付けられるように形成される。こうした実施形態では、拡張可能なコネクター配列は、拡張可能なコネクターがバレルの長さの実質的な部分、例えばバレルの管状部分の長さの40%超、50%超、または70%超などに沿って、延在し、受け取られた注射器のバレルに軸方向に重複する、長軸方向に延在するコネクターを含むように形成されてもよい。
【0027】
他の実施形態では、任意の2つの隣接する本体部の間にあるそれぞれの拡張可能なコネクター配列が、挿入された注射器の長さに沿ってそれぞれの軸方向位置で長軸方向に配置される、2つ以上の個別の連結部、例えば3つまたは4つの個別の連結部として提供される。
【0028】
一部の実施形態では、注射器ホルダーは、2つの対向する本体部が長軸方向軸周りに対称的に配置された状態で形成されうる。こうした実施形態では、2つの本体部の4つの長軸方向の縁部のそれぞれが、拡張可能なコネクター配列によって隣接する長軸方向の縁部に相互接続される。このようにして、2つの本体部の実施形態については、2つの拡張可能なコネクター配列が提供される。2つの拡張可能なコネクター配列は両方とも注射器ホルダーの同一の特定の軸方向位置に配置されてもよく、そのため一対の拡張可能なコネクター配列を形成する。拡張可能なコネクター配列が注射器ホルダーの軸方向長さの一部のみに延在するコネクターを形成する実施形態では、拡張可能なコネクターの複数の対が、例えば注射器ホルダーの遠位端に対を配置させ、注射器ホルダーの近位端に対を配置させることで、注射器ホルダーの異なる軸方向位置に配置されてもよい。
【0029】
一部の実施形態では、それぞれの個別の連結部が2つの隣接する連結部の間に単一の連結ビームのみを含むように連結部が形成されてもよく、連結ビームの対向する端部はヒンジによってそれぞれの本体部に接続される。こうした実施形態では、各連結ビームは、本体部がその保持位置を取る時に円周方向に対してある角度で延在するように形成されうる。本体部がその非保持位置を取る時は、本体部がその保持位置を取る時と比較して前記角度が低減される。こうした実施形態では、2つの本体部は、本体部が非保持位置から保持位置(またはその逆)へと移動する際に互いに対して軸方向に移動する。
【0030】
一部の実施形態では、任意の2つの隣接する本体部の長軸方向の縁部の間に配置されたそれぞれの拡張可能なコネクター配列は、少なくとも1つの連結部として提供され、連結部の対向する端は、ヒンジによってそれぞれの本体部に接続される。連結部は、本体部がその保持位置を取る時に円周方向に対して傾斜角度で傾斜して延在する連結部セグメントを備える。連結部はヒンジ連結されているため、本体部が互いに対して軸方向に移動する際に本体部が半径方向に移動することを強いられるよう、本体部は互いに対して軸方向に移動可能である。
【0031】
本体部が相対的に軸方向に移動し、本体部が非保持位置から保持位置に移動するにつれて、連結部セグメントと円周方向の間の前記傾斜角度は増大する。
【0032】
一部の実施形態では、注射器ホルダーの本体部が保持位置を取る時、連結部と円周方向の間の前記傾斜角度は10度以上、例えば20度以上、または30度以上などである。一部の実施形態では、注射器ホルダーの本体部が保持位置を取る時、連結部と円周方向の間の前記傾斜角度は40~50度以内の間隔である。
【0033】
一部の実施形態では、本体部が保持位置を取る時、連結部は、注射器ホルダーによって保持される注射器の周りにらせん状に延在する。
【0034】
一部の実施形態では、任意の2つの隣接する本体部の長軸方向の縁部の間にあるそれぞれの拡張可能なコネクター配列が、本体部に沿ってそれぞれの軸方向位置で長軸方向に配置される複数の個別の連結部として提供されるように、注射器ホルダーが提供される。
【0035】
一部の実施形態では、複数の個別の連結部は、本体部が互いに対して軸方向に移動する時に、本体部が互いに対して軸方向に移動する際に本体部の遠位部分が互いに対して半径方向に移動し、本体部の近位部分が互いに対して軸方向に移動するように構成される。
【0036】
一部の実施形態では、任意の2つの隣接する本体部の間の複数の個別の連結部が平行四辺形構成として構成される。
【0037】
第二の態様では、本発明は、第一の態様に関連して定義された注射器ホルダーを備え、またバレルおよび注射器の針を覆う針シールドを持つ注射器をさらに備える医療注射器に関し、円周方向の隙間が注射器のバレルと針シールドの間に提供され、注射器のバレルは本体内に受け取られ、またショルダー部は円周方向の隙間内に位置付けられる。
【0038】
医療注射器は、外側ハウジングをさらに備えてもよく、外側ハウジングは、注射器ホルダーを外側ハウジングに対して配置するために注射器ホルダーの界面形状を係合させる一つ以上の界面形状を備える。
【0039】
こうした医療注射器では、それぞれの拡張可能なコネクター配列が、注射器ホルダーの本体の円周方向に蛇腹構成で配置された2つ以上の連結部を備えるように、注射器ホルダーが提供されうる。外側ハウジングの一つ以上の界面形状は、本体部が保持位置に保持されるように、蛇腹構成の2つ以上の連結部を互いに向かって締め付けるために拡張可能なコネクター配列の協働する締付表面を係合するよう構成された締付構造を備えるように形成されうる。
【0040】
一部の実施形態では、注射器のバレルは、バレルの壁から半径方向に延在する近位側に配置されたフィンガーフランジを備え、フィンガーフランジは近位方向に面する表面および遠位方向に面する表面を含む。注射器ホルダーは、注射器のバレルが注射器ホルダーの本体内で受け取られた時に、ショルダー部が円周方向の隙間内に位置付けられ、フィンガーフランジの遠位方向に面する表面が注射器本体から軸方向に離間するように構成されうる。
【0041】
医療注射器は、一部の実施形態では自己注射器として構成されてもよい。他の実施形態では、医療注射器は手動の注射器として構成されてもよい。一部の実施形態では、医療注射器は使い捨て注射器として構成され、予め充填された注射器は、医療注射器によって画定されるハウジング内に永久的に、すなわち、保持された注射器のハウジングからの取り外しを防止するような方法で保持される。
【0042】
第三の態様では、本発明は、第一および第二の態様に関連して上述したいずれかの変形形態に従って定義された注射器ホルダーを備える医療注射器アセンブリを形成する方法に関連する。方法は、
a) バレル、バレルの遠位端に取り付けられた針、および注射器の針を覆う針シールドを提供する工程であって、円周方向の隙間がバレルと針シールドの間に提供される工程と、
b) 本体部が非保持位置を取る状態において、第一の態様による注射器ホルダーを提供する工程と、
c) 注射器を注射器ホルダー内に配置する工程と、
d) 注射器が注射器ホルダーに対して遠位方向に(d)移動しないように、ショルダー部が注射器のバレルと注射器の針を覆う針シールドの間にある円周方向の隙間内に受け取られるように、本体部を非保持位置から保持位置に移動させる工程と、を含む。
【0043】
一部の実施形態では、方法の工程b)は、少なくとも第一および第二のツール部品を備えるツールに対して注射器ホルダーを配置する工程をさらに備える。方法の工程d)は、少なくとも第一および第二のツール部品のそれぞれの一つを少なくとも2つの本体部のそれぞれの一つと係合させる工程と、少なくとも第一および第二のツール部品を互いに対して配置し、それによって本体部を非保持位置から保持位置へと移動させる工程と、をさらに備える。
【0044】
方法の工程b)は、工程c)の前に、保持位置から非保持位置に本体部を係合および移動するためのツール部品を使用する工程をさらに備えうる。
【0045】
他の実施形態では、方法の工程B)は、注射器ホルダーを少なくとも第一および第二のツール部品を備えるツールに対して位置付ける工程と、少なくとも第一および第二のツール部品のそれぞれの一つを少なくとも2つの本体部のそれぞれの一つと係合させる工程と、少なくとも第一および第二のツール部品を互いに対して配置し、それによって本体部を非保持位置へと移動させる工程と、をさらに備える。
【0046】
注射器ホルダーが円周方向に対して傾斜を持つ連結部セグメントを備える特定の形態では、本体部を保持位置から非保持位置へと移動する(またはその逆)工程(複数可)は、本体部が互いに対して半径方向に移動するように、本体部を互いに対して軸方向に移動する工程を備える。
【0047】
さらなる実施形態では、方法は、工程d)の後に、
e) 外側ハウジングを提供する工程であって、外側ハウジングが一つ以上の界面形状を備える工程と、
f) 本体部を保持位置に維持するために、ハウジングの界面形状が注射器ホルダーの本体と係合するように、注射器ホルダーによって保持される注射器を備えた注射器ホルダーを外側ハウジングに対して挿入する工程と、をさらに含む。
【0048】
第四の態様では、本発明は、
- 中央長軸方向軸に沿って延在し、注射器のバレルを受けるように適合された本体を備え、本体が、中央長軸方向軸の周りに配置された少なくとも二つの本体部を含み、本体部が、注射器が注射器ホルダーに対して遠位方向(D)に移動しないように注射器を保持するために注射器のバレルと注射器の針を覆う針シールドの間の円周方向の隙間内に受け取られるように適合されたショルダー部を持つ遠位端を有する、本体と、を備え、
本体部が、ショルダー部が半径方向に外向きかつ半径方向に内向きに位置付け可能であるように、半径方向に弾性的に移動可能であり、ショルダー部が半径方向に外向きの位置を取る時に注射器に取り付けられた針シールドがショルダー部の間で軸方向に通過するよう移動してもよく、ショルダー部が半径方向に内向きの位置を取る時にはショルダー部が円周方向の隙間内に位置付けられ、受け取られて、注射器を保持し、
本体部はそれぞれ、らせん状の圧縮ばねと協働するために半径方向に外向きに面するばね座を備え、前記らせん状の圧縮ばねが本体部のばね座と係合して配置される時に、らせん状の圧縮ばねの一つ以上の巻きが本体部を取り囲み、ショルダー部が半径方向に内向きの位置から遠ざかるように移動しないようにする、注射器ホルダーに関する。
【0049】
一部の実施形態では、第四の態様による注射器ホルダーが注射器ホルダーアセンブリの一部として提供され、注射器ホルダーアセンブリは、注射器の針を覆う針シールドが取り付けられ、注射器のバレルと針シールドの間に注射器のバレルのショルダー部と係合して配置される円周方向の隙間を持つ注射器をさらに備える。
【0050】
さらなる実施形態では、注射器ホルダーアセンブリは、本体部のばね座と係合して配置されたらせん状の圧縮ばねをさらに備え、らせん状の圧縮ばねは、半径方向に内向きの締付力を本体部に加える。
【0051】
さらなる実施形態では、注射器ホルダーアセンブリは針シュラウドをさらに備え、針シュラウドは、注射器の針が針シュラウドを通して突出する折り畳まれた近位位置から針シュラウドが針を覆う伸長された遠位位置へと並進的に移動可能であり、らせん状の圧縮ばねが注射器ホルダーと針シュラウドの間に軸方向に配置され、針シュラウドを遠位方向に伸長された位置に向けて促すよう付勢力を提供する。
【0052】
さらなる実施形態において、らせん状の圧縮ばねは、開いた巻きを持つ少なくとも一部分および閉じた巻きを持つ少なくとも一部分を含み、らせん状の圧縮ばねの閉じた巻きを持つ少なくとも一部分の複数の巻きが本体部に対して半径方向に内向きの締付力を提供するように、閉じた巻きを持つ前記少なくとも一部分が本体部と係合して配置されている。
【0053】
本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、液体、溶液、ゲルまたは微細懸濁液などの制御された様式でカニューレまたは中空針などの送達手段を通過することができる任意の薬剤含有流動性医薬品または別個に保持された複数の薬剤含有流動性医薬品の組み合わせを包含することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
以下において、本発明を、図面を参照しながらさらに説明する。
【
図1】
図1は、先行技術の標準的な予め充填された注射器100の側面斜視図を示す。
【
図2a】
図2aは、注射器ホルダー200の第一の実施形態の正面断面図を示し、注射器ホルダーは付勢されていない状態で示されている。
【
図2b】
図2bは、類似する
図2aの注射器ホルダー200を示すが、注射器ホルダーは組立作業中に付勢された状態で図示されている。
【
図3a】
図3a~3fは、
図2aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。
【
図3b】
図3a~3fは、
図2aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。
【
図3c】
図3a~3fは、
図2aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。
【
図3d】
図3a~3fは、
図2aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。
【
図3e】
図3a~3fは、
図2aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。
【
図3f】
図3a~3fは、
図2aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。
【
図4a】
図4aは、第二の実施形態の注射器および注射器ホルダーのアセンブリの側面斜視図を示す。
【
図4b】
図4bおよび4cは、第二の実施形態の注射器ホルダー200の第一および第二の側面断面図であり、
図4cの図は、
図4bに示す図に対して90度で図示したものである。
【
図4c】
図4bおよび4cは、第二の実施形態の注射器ホルダー200の第一および第二の側面断面図であり、
図4cの図は、
図4bに示す図に対して90度で図示したものである。
【
図4d】
図4dは、注射器ホルダーの窓部分を通した軸方向位置での第二の実施形態の注射器ホルダー200の軸方向断面図である。
【
図5a】
図5aおよび5bは、第三の実施形態の注射器100および注射器ホルダー200のアセンブリの斜視図であり、
図5aおよび5bはそれぞれ、組立中の付勢された状態および付勢されていない状態での注射器ホルダーを示す。
【
図5b】
図5aおよび5bは、第三の実施形態の注射器100および注射器ホルダー200のアセンブリの斜視図であり、
図5aおよび5bはそれぞれ、組立中の付勢された状態および付勢されていない状態での注射器ホルダーを示す。
【
図6a】
図6a~6fは、
図4aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール配置500と共に示す一連の斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図6b】
図6a~6fは、
図4aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール配置500と共に示す一連の斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図6c】
図6a~6fは、
図4aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール配置500と共に示す一連の斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図6d】
図6a~6fは、
図4aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール配置500と共に示す一連の斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図6e】
図6a~6fは、
図4aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール配置500と共に示す一連の斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図6f】
図6a~6fは、
図4aの注射器ホルダー200を注射器100およびツール配置500と共に示す一連の斜視図を図示し、一連の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図7a】
図7aは、第二の実施形態の注射器ホルダーアセンブリ100/200を挿入前の状態での注射装置の外側ハウジング300と共に示す後面斜視図を示す。
【
図7b】
図7b~7dは、
図7aに示す構成要素の一連の側面斜視図を図示し、一連の図は注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の外側ハウジング300への挿入中の異なる状態を示す。
【
図7c】
図7b~7dは、
図7aに示す構成要素の一連の側面斜視図を図示し、一連の図は注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の外側ハウジング300への挿入中の異なる状態を示す。
【
図7d】
図7b~7dは、
図7aに示す構成要素の一連の側面斜視図を図示し、一連の図は注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の外側ハウジング300への挿入中の異なる状態を示す。
【
図8a】
図8aおよび8bは、第四の実施形態の注射器100および注射器ホルダー200の斜視図であり、
図8aおよび8bはそれぞれ、組立前の付勢された状態および付勢されていない状態での注射器ホルダーを示す。
【
図8b】
図8aおよび8bは、第四の実施形態の注射器100および注射器ホルダー200の斜視図であり、
図8aおよび8bはそれぞれ、組立前の付勢された状態および付勢されていない状態での注射器ホルダーを示す。
【
図9a】
図9aおよび9bは、第四の実施形態の注射器100および注射器ホルダー200のアセンブリの斜視図であり、
図9aおよび9bはそれぞれ、組立中の付勢された状態および付勢されていない状態での注射器ホルダーを示す。
【
図9b】
図9aおよび9bは、第四の実施形態の注射器100および注射器ホルダー200のアセンブリの斜視図であり、
図9aおよび9bはそれぞれ、組立中の付勢された状態および付勢されていない状態での注射器ホルダーを示す。
【
図10a】
図10a~10bは、第四の実施形態の注射器ホルダー200の2つの遠位端面図を示し、付勢されていない状態および付勢された状態の注射器ホルダーをそれぞれ示す。
【
図10b】
図10a~10bは、第四の実施形態の注射器ホルダー200の2つの遠位端面図を示し、付勢されていない状態および付勢された状態の注射器ホルダーをそれぞれ示す。
【
図10c】
図10c~10dは
図10a~10bの図に対応するが、注射器ホルダーに挿入された注射器を追加的に示している。
【
図10d】
図10c~10dは
図10a~10bの図に対応するが、注射器ホルダーに挿入された注射器を追加的に示している。
【
図11a】
図11a~11fは、
図8aの注射器ホルダー200をツール配置500および注射器100と共に示す概略図であり、個々の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図11b】
図11a~11fは、
図8aの注射器ホルダー200をツール配置500および注射器100と共に示す概略図であり、個々の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図11c】
図11a~11fは、
図8aの注射器ホルダー200をツール配置500および注射器100と共に示す概略図であり、個々の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図11d】
図11a~11fは、
図8aの注射器ホルダー200をツール配置500および注射器100と共に示す概略図であり、個々の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図11e】
図11a~11fは、
図8aの注射器ホルダー200をツール配置500および注射器100と共に示す概略図であり、個々の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図11f】
図11a~11fは、
図8aの注射器ホルダー200をツール配置500および注射器100と共に示す概略図であり、個々の図は組立作業中の異なる状態を示す。
【
図12a】
図12aは、第四の実施形態の注射器ホルダーアセンブリ100/200を挿入前の状態での注射装置の外側ハウジング300と共に示す後面斜視図を示す。
【
図12b】
図12b~12dは、
図12aに示す構成要素の一連の斜視図であり、一連の図は注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の外側ハウジング300への挿入中の異なる状態を示す。
【
図12c】
図12b~12dは、
図12aに示す構成要素の一連の斜視図であり、一連の図は注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の外側ハウジング300への挿入中の異なる状態を示す。
【
図12d】
図12b~12dは、
図12aに示す構成要素の一連の斜視図であり、一連の図は注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の外側ハウジング300への挿入中の異なる状態を示す。
【
図13a】
図13aは、第五の実施形態による注射器ホルダー200を有する注射装置の主要構成要素の側面断面図を示す。
【
図13b】
図13bおよび13cは、異なる組立状態での
図13aの注射装置のアセンブリの一部切断された斜視図を示す。
【
図13c】
図13bおよび13cは、異なる組立状態での
図13aの注射装置のアセンブリの一部切断された斜視図を示す。
【0055】
対応する参照文字は、いくつかの図全体を通して対応する部品を示す。図面は本発明の実施形態を表すが、本発明をより良く図示し説明するために、図面は必ずしも縮尺に従っておらず、一部の図面では、ある特定の特徴が誇張または省略されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示の文脈において、添付の図面における「遠位端」という用語は、通常注射針を担持する注射装置の端部を指すことを意味するのに対して、「近位端」という用語は、注射針から遠ざかる注射装置の反対の端を指すことを意味すると定義するのが便利であり得る。示される図は、概略表現であり、そのため、異なる構造の構成だけでなく相対的寸法も、例示的な目的のみで機能することが意図される。
【0057】
図1は、業界で幅広く使用されている標準的な予め充填された注射器(PFS)を示す。第二の実施形態による注射器ホルダーを追加的に備えるアセンブリの一部としての予め充填された注射器の側面断面図を提供する
図4bがさらに参照される。注射器100は、遠位に位置するネック部分115を有する管状バレル110を備え、ネック部分115はバレル100の直径と比較してより小さい直径を持つ。注射針130はネック部分115に取り付けられ、剛直な針シールド(RNS)120の形態で提供される取外し可能なキャップは、針シールド120が針130を密閉かつ滅菌した状態で密封するようにネック115に取り付けられる。バレル110の内部には、摺動可能に配置されるピストン140が配置される。薬剤は、ピストン140と針130の間のバレル内に収容されうる。示された注射器は単一のピストン140のみを組み込んでいるが、その他の構成は、投与前に再構成される薬剤を含めた一つ以上の薬剤の収容および放出のために複数のピストンを組み込みうる。
図1に図示した注射器100は、バレル110の壁から半径方向に延在する近位側に配置されたフィンガーフランジ117を含み、フランジは一連のアラインメント機能118をさらに含む。示された注射器では、円周方向の隙間150は、注射器100のバレル110と針130を覆う針シールド120の間に存在する。
【0058】
図2aおよび2bは、各図面の第一の実施形態の注射器ホルダー200の断面図を概略的に示し、各図は2つの異なる状態のうちの1つにおける注射器ホルダーを図示している。注射器ホルダー200は、
図1に示すタイプの注射器100を収容することが意図されている。注射器ホルダー200はまた、
図2aおよび2bに示した状態に対応する正面斜視図を示す
図3aおよび3bでも図示されている。また、
図3aおよび3bに示すように、注射器ホルダー200に挿入されることが意図される注射器100が示されている。
【0059】
注射器ホルダー200は、保持された注射器100の針130に隣接して遠位方向に向いて配置された遠位リム部分220を持つ管状の外側シェルとして概して形成された本体210を含む。本体210の管状の外壁は、注射器100を受け取るように配置された近位側開口部を含む。管状の外壁は、長軸方向に延びるセグメント230によって各側面で相互接続された2つの対向する長軸方向に延在する本体部240を含み、セグメントはそれぞれが拡張可能なコネクター配列を形成する。注射器ホルダー200の内側に注射器100を保持するために、本体210の外壁の本体部240は、半径方向に面した内部表面上に、本体210の管状の外壁の遠位リム部分220の近くで、軸方向位置に半径方向に内向きに向いた対向するショルダー部250を持つ対の担持構造242を備える。2つの担持構造242は、管状の外壁の内側の同一の軸方向位置で対称的に配置され、2つの担持構造242は、2つの担持構造242の間に円周方向に自由空間を残して離間している。ショルダー部250のそれぞれは、保持された注射器100のバレル110と針シールド120の間の隙間150内で受け取られる、すなわち、ショルダー部がバレル110のネック部分115と係合するように形成された弓状の表面部分を画定する。示される実施形態では、注射器ホルダー200は2つの対向するショルダー部250を含む。ただし、別の実施形態は、2つ以上、例えば3つまたは4つのショルダー部を含みうる。ショルダー部250は、保持位置(
図2aに図示)と非保持位置(
図2b)との間で移動可能である。
【0060】
図2bに示す図は、図で示された場所において、外部からかけられる対向する力Fが本体210のセグメント230に半径方向に内向きに加えられた、付勢された状態の注射器ホルダー200を示す。
図2aにおいて、注射器ホルダー200は、力Fが解除され、本体210の管状シェルが円形構成を取る、付勢されていない状態で示されている。
【0061】
図3a~3fは、注射器ホルダー200を注射器100およびツール500と共に示す一連の正面斜視図で、一連の図は組立作業中の異なる状態を表す。ツール500は、注射器ホルダー200に注射器100を挿入する間にセグメント230に力Fをかけるように構成されている。外力Fは、担持構造242の間の対称軸に沿って、本体210の両側にかけられる。その結果、管状シェルのセグメント230は、ツール500が内向きに押す位置で局所的に内向きに変形され、結果的に本体210の本体部240が半径方向に外向きに押し出される。従って、本体210の管状シェルは楕円形の構成を取り、担持構造242は広がっている。
【0062】
図2bおよび3bに示すように、ショルダー部250の間の距離は、ツール500によって力Fがかけられるにつれて増す。これにより、針シールド120が取り付けられた注射器100が、本体210の近位端から軸方向に挿入される余地が生まれる(
図3cを参照)。注射器ホルダー200への注射器100の軸方向の挿入を制御することによって、注射器の隙間150がショルダー部250と軸方向に整合するように注射器が位置付けられうる(
図3dを参照)。力Fを中止すると、
図3eに示すように、本体210の管状シェルは再び円形の構成を取り、それゆえショルダー部250が半径方向に互いに向かって移動し、ショルダー部250と注射器のネック部分115の間に確固としたグリップを確立することになり、ショルダー部250の近位方向に面する表面が注射器100のバレル110と係合する。
図3fは、アセンブリがツール500から取り外された後の注射器100および注射器ホルダー200によって形成されたアセンブリを示し、注射器100は注射器ホルダー200に対して遠位方向に移動することが防止されている。
【0063】
示される実施形態では、注射器ホルダー210は、弾性的に変形可能であり、かつ力Fが解除されるにつれて本体210の管状の壁とショルダー部250が元の形状および位置に戻ることを可能にする材料から作製される。
【0064】
別の方法として、注射器ホルダー210は、例えば、担持構造242を保持する本体部240で管状の壁のそれぞれの側に半径方向に内向きに力をかけることにより、
図2Bに示す形状から
図2Aに示す形状に変形可能な材料から作製されうる。注射器ホルダーへの注射器の挿入後、注射器ホルダーのショルダー部を含むセクションは、外部の固定手段によって保持位置を維持するよう強制されうる。別の方法として、注射器ホルダーが可塑性の変形可能な材料から作製される場合、可塑性の変形は、注射器が適切に挿入された後に、注射器ホルダーを保持位置においてショルダー部に維持するために利用されうる。
【0065】
示される実施形態では、注射器ホルダー200は、医療注射器の外側ハウジングを形成することが意図されている。医療注射器は、注射器100内に含まれる薬剤の一回分またはそれ以上の用量を放出するための放出機構、ならびに異なる機能を提供するためのさまざまなその他の構成要素をさらに含みうる。示される実施形態では、注射器はそれゆえ、外側ハウジングによって直接保持される。従って、設計は、注射器を外側ハウジング内に保持するため、例えば、外側ハウジングに対して遠位方向の制御されない移動を防止するためのさらなる専用構成要素を持つという要件を省くことになる。
【0066】
他の図示されていない実施形態では、
図2a~3fに示す一般原理に従って提供される注射器ホルダー200は、注射装置の内部構成要素を画定するよう意図された専用注射器ホルダーを形成するように設計されうる。注射器ホルダーは、注射器ホルダーによって保持される注射器との組み合わせにより、それゆえ、軸方向に固定した関係または軸方向に摺動可能な関係のいずれかで別個に形成された外側ハウジングに挿入されることが意図されるサブアセンブリを画定しうる。
【0067】
図4aは、注射器100と組み合わせた第二の実施形態の注射器ホルダー200のアセンブリの側面斜視図を示し、図は注射器が注射器ホルダーによって保持されるように保たれた状態を示す。
図4bは、第一の断面図におけるアセンブリの平面側面図を図示し、
図4cは、
図4bに示す図に対して直交する断面図を示す。注射器ホルダーの軸方向断面図を
図4dに示す。示された断面は、注射器ホルダー200の窓領域を通して提供され、窓は切り抜き260によって画定される。
【0068】
図7aに示すように、第二の実施形態の注射器ホルダー200は、注射装置の内部構成要素を画定するよう意図された専用注射器ホルダーを形成することを意図する。注射器ホルダー200は、注射器ホルダー200によって保持される注射器100との組み合わせにより、それゆえ、軸方向に固定した関係または軸方向に摺動可能な関係のいずれかで別個に形成された外側ハウジング300に挿入されることが意図されるサブアセンブリを画定しうる。しかしながら、図示されていないが、注射器ホルダーが医療注射器の外側ハウジングを形成する代替的な実施形態において、一般原理を用いてもよい。
【0069】
注射器ホルダー200は、中央長軸方向軸に沿って延在する概して管状の外側シェルとして形成され、保持された注射器100のバレル110を受け取るのに適切な円筒形の開いた空間を画定するように形作られる本体210を含む。本体210は、中央長軸方向軸周りに対向して対称的に配置された2つの長軸方向に延在する本体部240Aおよび240Bを含む。それぞれの本体部240A/240Bは、ショルダー部250が注射器100のバレル110と注射器の針130を覆う針シールド120の間の円周方向の隙間150と係合するように適合された遠位端を持つ。示された状態では、ショルダー部250は保持位置を取り、それぞれのショルダー部250の近位方向に面する表面がバレル110のネック部分115と係合し、それゆえ、注射器100が注射器ホルダー200に対して遠位方向(d)に移動しないようにする。本体部240A/240Bのそれぞれは、遠位端に配置されたショルダー部から本体210の近位端に平行に走る2つの長軸方向に延在する側縁を画定する。示される実施形態では、注射器ホルダー200によって注射器100が保持される時、本体部240A/240Bの近位端は、注射器100のフィンガーフランジ117から距離を置いて位置付けられる。
【0070】
2つの本体部240A/240Bは、その長軸方向に延在する縁で2つの本体部240A/240Bを接続する拡張可能なコネクター230によって、半径方向に互いに対して個別に移動可能である。示される実施形態では、2つの本体部240 A/240Bの隣接した長軸方向に延在する縁は、保持された注射器のバレル110の実質的な部分に沿って延在する拡張可能なコネクター230によって相互接続される。拡張可能なコネクター230は本体210のそれぞれの長軸方向に延在する縁に配置されるため、注射器ホルダーは、保持された注射器のバレルを囲むために円周方向に閉ループを形成する。ところが、拡張可能なコネクター230のために、本体210は、2つの本体部240A/240Bを、またそれゆえショルダー部250を動かし、非保持位置から保持位置にするために円周方向に収縮可能である。示される実施形態では、本体210は円周方向に拡張可能かつ収縮可能である。従って、2つの本体部240A/240Bは、非保持位置から保持位置へと可逆的に移動可能である。第二の実施形態では、注射器ホルダー200が付勢されていない状態を取る時、ショルダー部250は
図4a~4dに示す保持位置を取る。ところが、他の実施形態では、ショルダー部250は、注射器ホルダー200が付勢されていない状態を取る時に非保持位置を取ってもよい。さらに他の実施形態では、注射器ホルダーが付勢されていない状態にある時、ショルダー部は保持位置と非保持位置の間の中間位置を取りうる。
【0071】
図4dから最も明瞭に見ることができるように、拡張可能なコネクター配列230はそれぞれ、その端にヒンジを含む対の連結を含む。示される実施形態では、拡張可能なコネクター配列230は、リビングヒンジ230.3によって互いに対して接続された第一および第二の連結部230.1Aおよび230.1Bを含む。第一の連結部230.1Aは、リビングヒンジ230.1Aによって第一の(上側)本体部240Aにさらに連結され、第二の連結部230.1Bは、リビングヒンジ230.2Bによって第二の(下側)本体部240Bにさらに連結されている。すべての前記リビングヒンジにより、図の平面において、すなわち、注射器ホルダー200に挿入された注射器100を通る中央長軸方向軸に直角の、旋回運動が可能となる。拡張可能なコネクター230の示された設計により、注射器ホルダー本体を円周方向に拡張させることで本体部240A/240Bを互いに対して半径方向に移動させることが可能となる。
【0072】
示される実施形態では、連結構成は、2つの連結部230.1Aおよび230.1Bによって、本体210の周りに蛇腹構成を円周方向に形成して提供される。しかし、別の実施形態は2つ以上の連結部を含みうる。さらに他の実施形態は、専用のヒンジ部によって相互接続された連結を含まない他の設計の拡張可能なコネクター配列を組み込みうる。例えば、拡張可能なコネクター配列は、力がかけられた時に、拡張可能なコネクター配列が伸張または収縮することを可能にする、連続的に変形可能な蛇行部分または波型部分として提供されうる。
【0073】
また、他の実施形態では、拡張可能なコネクター配列230の設計は異なる形で形成されうる。例えば、2つの本体部240を接続する
図4aに示す単一の連続的な連結構成は、保持された注射器100のバレル110の長さに沿って異なる軸方向位置に分布された一連の個別のコネクターによって置き換えられてもよい。
【0074】
示される実施形態では、本体210は、2つの対向する本体部によって提供され、それぞれの本体部の隣接する長軸方向の縁は、2つの拡張可能なコネクター配列230が対向して配置されるように、拡張可能なコネクター配列230によって相互接続される。他の実施形態では、本体部の数は、保持された注射器の円周の周りに分布された3つ以上のセクションとして提供されてもよく、隣接する本体部の長軸方向の縁は拡張可能なコネクター配列によって相互接続される。
【0075】
図5aおよび5bは、ショルダー部250がバレル110と針シールド120の間に形成された隙間150に軸方向に整列するように、軸方向に挿入された保持された注射器100と組み合わせた注射器ホルダー200の第三の実施形態を示す。図示された注射器ホルダー200は概して第二の実施形態の注射器ホルダーに対応するが、複数のアラインメント機能261は、連結部230.1Aおよび230.1Bの近位端から近位方向に突出するように形成される。アラインメント機能261は、注射器のフィンガーフランジ117上に形成されたアラインメント機能118と協働して、注射器ホルダー200に対して注射器100を回転して整列させるために使用されうる案内面を形成する。
【0076】
図5aは、ツール配置によって提供される外部からかけられる対向する力(F)が、リビングヒンジ230.3の近くの位置で、拡張可能なコネクター配列230に対して半径方向に内向きに加えられた、付勢された状態の注射器ホルダー200を示す。かけられた力は本体部240A/240Bを半径方向に外向きに移動させるが、これは、
図5aから明らかなように、バレル110と本体部240A/240Bの内部表面の間に隙間が形成され、ショルダー部250が隙間150の半径方向外側に位置付けられることを意味する。かけられた力によって、セクション240A/240Bは非保持位置にあり、これにより注射器の注射器ホルダーへの軸方向の挿入が許容される。
【0077】
図5bは、以前にかけられた半径方向に内向きの力(F)が止まった、付勢されていない状態での注射器ホルダー200を示す。図からわかるように、バレル110と本体部240A/240Bの内部表面の間の上述の隙間はなくなり、ショルダー部250は、バレル110と針シールド120の間に形成された隙間150内の半径方向に位置付けられる。この状態では、ショルダー部250が、バレル110のネック部分115と係合し、遠位の移動を防止することから、注射器が遠位側に移動することが防止される。
【0078】
図6a~6fは、注射器100およびツール配置500と共に示す第二の実施形態による注射器ホルダー200の一連の側面斜視図を示し、一連の図は組立作業中の様々な状態を概略的に提供する。ツール500は、注射器ホルダー200に注射器100を挿入する間、力Fを拡張可能なコネクター配列230にかけるように構成されている。
【0079】
図6aに示す状態の前に、注射器ホルダー200はツール500へと軸方向に挿入されている。
図6bでは、ツール500の2つの把持部分は、注射器ホルダー200の中央長軸方向軸に対して直交する方向に、すなわち2つのリビングヒンジ230.3を通る軸に沿った方向に、わずかに移動されている。
図6bに示すように、ショルダー部250の間の距離は、力(F)がツール500の把持部分にかけられる結果増大した。これにより、針シールド120が取り付けられた注射器100が、本体210の近位端から軸方向に挿入される余地が生まれる(
図6cを参照)。注射器ホルダー200への注射器100の軸方向の挿入を制御することによって、注射器の隙間150がショルダー部250と軸方向に整合するように注射器が位置付けられうる(
図6dを参照)。
図6eに示されるように、力Fをかけることを止めると、すなわち、ツール500の把持部分を初期位置に戻すと、本体210の管状シェルは再び付勢されていない状態を取り、ショルダー部250はその保持位置を取る。それゆえ、ショルダー部250は半径方向に互いに向かって移動し、ショルダー部250と注射器のネック部分115の間に確固としたグリップを確立することになり、ショルダー部250の近位方向に面する表面が注射器100のバレル110のショルダー部と係合する。
図6fは、アセンブリがツール500から取り外された後の注射器100および注射器ホルダー200によって形成されるアセンブリを示す。アセンブリ100/200では、注射器100は、注射器ホルダー200に対して遠位方向に移動することが防止される。
【0080】
アセンブリ100/200は、医療注射器アセンブリの一部を形成する他の構成要素と組み合わせて使用されてもよい。
図7aに示すように、また
図7b~7dにさらに示すように、注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200は、別個に形成された外側ハウジング300に挿入されうる。外側ハウジング、注射器ホルダー、および注射器によって形成されるアセンブリは、任意選択で、追加的な構成要素と組み合わされて自己注射器などの医療注射器を形成する。示された外側ハウジング300は、ハウジング330の外側シェル部分310から半径方向に内向きに突出する複数の界面形状を備え、界面形状は、注射器ホルダー200の一連の協働する界面形状と係合するように構成される。
【0081】
図7Bに示されるように、外側ハウジング300の界面形状は、そのそれぞれが中央長軸方向軸と平行に長軸方向に延在するように形成される4つの別個のガイド330を含む。さらに、外側ハウジングの内の注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の軸方向位置を制御するために、表示されていない界面形状が提供されうる。
【0082】
示される実施形態では、4つのガイド330は、2つの締付構造332を画定するために対で配置されている(
図7aを参照)。それぞれの対のガイド330は、注射器ホルダーの拡張可能なコネクター配列230のうちの一つの協働する締付表面230.6A/230.6Bと係合するように構成される(
図4dを参照)。示される実施形態では、注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200が外側ハウジング300の近位開口部を通して遠位方向に挿入された時、締付構造332のそれぞれは、ショルダー部250が保持位置の状態で注射器ホルダー200の2つの本体部240A/240Bが保持されるように、それぞれの蛇腹構成の2つの連結部230.1A、230.1Bに締付力をかけ、2つの連結部が互いに向かうように促す。従って、2つの本体部240A/240Bは、外側ハウジングとの協働によって互いから遠ざかるように移動することが防止され、ショルダー部250が保持位置の状態で固定的に位置付けられる。典型的には医療注射器の使用時など、例えば、遠位方向にかけられた力が注射器100内の摺動可能なピストン140にかけられる投与中に、力が注射器に遠位方向にかけられる時でも、または装置を誤って硬い表面上に落下したことによって生じうる衝撃が起きた後でも、この状態は維持される。
【0083】
図面に示すように、外側ハウジング300は、注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200が外側ハウジング300に適切に挿入された時に、注射器ホルダー200の窓開口部260と整列する窓開口部360を画定するように形成されうる。これにより、ユーザーは注射器内に含まれる薬剤を目視点検できるようになる。
【0084】
図8aおよび8bは、注射器ホルダーによって保持される注射器100と組み合わせた第四の実施形態による注射器ホルダー200の2つの側面斜視図を示す。
図8aは、注射器ホルダーによって注射器ホルダー内への注射器の保持を可能にする付勢されていない状態の注射器ホルダー200を図示する。
図8bは、注射器ホルダーへの注射器の挿入を可能にする付勢された状態または開いた状態の注射器ホルダーを示す。
【0085】
図9aでは、注射器ホルダーが開いた状態(すなわち、非保持状態)で示されており、注射器100は注射器ホルダー200の近位開口部を通して軸方向に挿入されている。注射器ホルダーは、注射器100が注射器ホルダー200に対して軸方向に保持されていない、付勢された状態のままである。
図9bは、付勢されていない状態の注射器ホルダー200を示し、注射器ホルダーの本体の2つのショルダー部250は、バレル110と針シールド120の間に形成された隙間150と軸方向に整列し、それゆえ前述の実施形態に概して対応する方法での注射器の軸方向の保持を提供する。
【0086】
図12aに示すように、第四の実施形態の注射器ホルダー200は、注射装置の内部構成要素を画定するよう意図された専用注射器ホルダーを形成することを意図する。注射器ホルダー200は、注射器ホルダー200により固定的に保持されている注射器100との組み合わせによりサブアセンブリを画定してもよく、サブアセンブリは、外側ハウジング300に対して軸方向に固定した関係または軸方向に摺動可能な関係のいずれかで、別個に形成された外側ハウジング300に挿入されるように画定されうる。
【0087】
上述の第二および第三の実施形態による注射器ホルダーと同様に、第四の実施形態の注射器ホルダー200は、中央長軸方向軸に沿って延在する概して管状の外側シェルとして形成され、保持された注射器100のバレル110を受け取るのに適切な円筒形の開いた空間を画定するように形作られる本体210も含む。本体210は、中央長軸方向軸周りに対向して対称的に配置された2つの長軸方向に延在する本体部240Aおよび240Bを含む。それぞれの本体部240A/240Bは、ショルダー部250が注射器100のバレル110と注射器の針130を覆う針シールド120(RNSなど)の間で円周方向の隙間150と係合するように適合された遠位端を持つ。
図9bで示された状態では、ショルダー部250は保持位置を取り、それぞれのショルダー部250の近位方向に面する表面がバレル110のネック部分115と係合し、それゆえ、注射器100が注射器ホルダー200に対して遠位方向(d)に移動しないようにする。本体部240A/240Bのそれぞれは、遠位端に配置されたショルダー部250から本体210の近位端に概して平行に走る2つの長軸方向に延在する側縁を画定する。示される実施形態では、注射器ホルダー200によって注射器100が保持される時、本体部240A/240Bの近位端は、注射器100のフィンガーフランジ117から距離を置いて位置付けられる。この状態では、2つのショルダー部250は両方とも円周方向の隙間150と軸方向に整列する。
【0088】
図8aおよび8bを参照すると、2つの本体部240A/240Bは、本体部240A/240Bの片側に配置された拡張可能なコネクター230によって半径方向の移動を提供するように互いに対して個別に移動可能である。拡張可能なコネクター230のそれぞれは、その長軸方向に延在する縁で2つの本体部240A/240Bを相互接続する。ここでも、第四の実施形態では、2つの本体部240A/240B、および従ってショルダー部250は、保持位置から非保持位置へと可逆的に移動可能である。示された第四の実施形態では、拡張可能なコネクター230は、本体部240A、240Bに沿ってそれぞれの軸方向位置で長軸方向に配置された複数の個別の連結部230.8の形態で提供される。それぞれの連結部230.8の対向する端は、リビングヒンジとして形成されたヒンジ230.8A/230.8Bによって、それぞれの本体部240A、240Bに連結する。それぞれの連結部230.8は、本体部240A、240Bが
図9bに示す保持位置を取る時に、それぞれの連結部230.8が円周方向に対して傾斜した軸に沿って延びるように形成される。示される実施形態では、それぞれの連結部230.8について、それぞれの連結部の対向する端を通って走る軸は、円周方向に対して傾斜し、傾斜角度は約40~45度である。他の実施形態では、傾斜角度は、この角度間隔以外の値として設計されてもよい。示される実施形態は概して円筒形の構成を持つ注射器ホルダーを提供するため、連結部は、保持された注射器のバレルの周りに堅固に、らせん状に延在するように概して配置される。
【0089】
第四の実施形態は、連結部のそれぞれの端部において縮小した材料部分の形態での専用ヒンジを含む連結部を示しているが、連結部は、特許請求の範囲に従い、また「ヒンジ」という用語に従い、専用の縮小した材料部分が提供されていなくても、連結部を形成する材料部分の弾性を利用することによってヒンジとして作用しうる連結部を含みうることに注意されたい。
【0090】
図8Aの実施形態に示すように、本体部のそれぞれの長軸方向の側縁は、ヒンジを介して、2つの個別の連結部230.8によって他方の本体部のうちの一つの他方の隣接する側縁に相互接続する。示される実施形態では、第一の個別の連結部は、本体210の遠位端に配置され、第二の個別の連結部は、近位側の本体210の半分の箇所に配置される。示される実施形態では、本体部240A、240Bの任意の2つの隣接する端の間の拡張可能なコネクター230の対は、平行四辺形構成として構成される。従って、本体部は、一つの本体部が隣接する本体部に対して軸方向に移動する時に、互いに対して半径方向に移動することができる。
【0091】
拡張可能なコネクター230、すなわち連結部230.8が本体210のそれぞれの長軸方向に延在する縁に配置されるという事実により、注射器ホルダーは円周方向に閉ループを形成する。拡張可能なコネクター230のために、本体210は、2つの本体部240A/240Bを移動させるように円周方向に拡張可能かつ収縮可能であり、従ってショルダー部250は、保持位置から非保持位置へと、また非保持位置から再び保持位置へと、半径方向に移動する。示される実施形態では、本体210は円周方向に拡張可能かつ収縮可能である。従って、2つの本体部240A/240Bは、保持位置から非保持位置へと可逆的に移動可能である。第四の実施形態では、注射器ホルダー200が付勢されていない状態を取る時、ショルダー部250は
図8aおよび9bに示す保持位置を取る。ところが、他の実施形態では、ショルダー部250は、注射器ホルダー200が付勢されていない状態を取る時に非保持位置を取ってもよい。さらに他の実施形態では、ショルダー部250は、注射器ホルダーが付勢されていない状態にある時に、保持位置と非保持位置との間の中間位置を取りうる、または別の方法としては、注射器が注射器ホルダーの本体210内に収容された状態でショルダー部が保持位置を取る時に、半径方向に内向きの締付力を提供するよう構成されうる。
【0092】
示される実施形態では、本体210は、2つの対向する本体部によって提供され、それぞれの本体部の隣接する長軸方向の縁は、2つの拡張可能なコネクター配列230が対向して配置されるように、拡張可能なコネクター配列230によって相互接続される。他の実施形態では、本体部の数は、保持された注射器の円周の周りに分布された3つ以上のセクションとして提供されてもよく、隣接する本体部の長軸方向の縁は拡張可能なコネクター配列によって相互接続されている。
【0093】
第四の実施形態による注射器ホルダー200が
図10a~10bにさらに示されており、それらは注射器ホルダーの2つの遠位端面図であり、それぞれ付勢されていない状態と付勢された状態の注射器ホルダーを示し、
図10c~10dは対応する図を示し、注射器ホルダーに挿入された針シールド120を持つ注射器100を追加的に示す。
【0094】
図10aおよび
図9aおよび
図9bを参照すると、本体部240Aは、長軸方向に走るリブ230.6Aを含み、リブ230.6Aはその長さの実質的な部分に沿って半径方向に外向きに本体部240Aから突出する。対応するリブ230.6Bは、本体部240Bから半径方向に外向きに突出するように形成される。
図10aから、長軸方向軸に直交する断面で見た時、リブ230.6Aおよび230.6Bはそれぞれ、本体部に半径方向に内向きに接続し、自由かつ拡張したヘッド部に半径方向に外向きに接続する狭い接続部分を持つように形成されることが明らかである。
【0095】
図11a~11fは、ツール配置500A/500Bと共に示す第四の実施形態による注射器ホルダー200の一連の側面斜視図であり、一連の図は組立作業中の様々な段階を概略的に表示する。ツール配置は、2つの本体部を互いに対して半径方向に外向きに移動させて、注射器の注射器ホルダー内への挿入を可能にするように、本体部240Aに対して本体部240Bを軸方向に移動させて注射器ホルダー200を操作するように構成される。
【0096】
図11aを参照すると、ツール配置は、第一および第二のツール部品、すなわち、第一の本体部器具500Aおよび第二の本体部器具500Bを備える。第一の本体部器具500Aは、ツールホルダー500Aの近位端で軸方向に開いた長軸方向のトラックを含む。軸方向の開いたトラックは、挿入された注射器ホルダーの本体部240Aの長軸方向のリブ230.6Aを受け取るように構成される。第一の工程として、注射器ホルダー200は、本体部ホルダーの軸方向に開いたトラックの中へと遠位方向で軸方向に移動される。
【0097】
図11bに示すように、注射器ホルダー200は、第一の本体部器具500Aに挿入され、軸方向と半径方向の移動の両方に関して固定的に保持される。第二の本体部器具500Bは、挿入された注射器ホルダーの本体部240Bの長軸方向のリブ230.6Bを受け取るように構成されている軸方向に延在する窪みを含む。軸方向に延在する窪みは、注射器ホルダーの長軸方向のリブ230.6Bに形成された窪み230.6B’内に受け取られるように構成された突起500B’で終端する。第二の本体部器具500Bは、突起500B’が窪み230.6B’内に受け取られるように、保持された注射器ホルダー200に向かって半径方向に移動される。この状態を
図11cに示す。次に、第二の本体部器具500Bは、注射器ホルダー200の連結部230.8によって画定される動きと一致して、軸方向の移動と半径方向の移動を組み合わせた形で、第一の本体部器具500Aに対して遠位方向で軸方向に移動される。従って、本体部240Aおよび240Bは、互いから遠ざかるように半径方向に移動される。
【0098】
図11dでは、注射器100は、隙間150が本体部240Aのショルダー部250と軸方向に整列するまで、開いた注射器ホルダー200の中へと遠位方向に挿入される。これは、
図11eに図示された段階に示されており、第二の本体部器具500Bは次に、またしても注射器ホルダー200の連結部230.8によって指定される動きと一致して、軸方向の移動と半径方向の移動を組み合わせた形で、第一の本体部器具500Aに対して、近位方向で軸方向に移動される。従って、本体部240Aおよび240Bは、両方のショルダー部250が隙間150と軸方向に整列し、保持された注射器のバレルとの間の係合が両方のショルダー部250によって係合されるまで、半径方向に互いに向かって移動される。
図11fに示すように、第二の本体部器具500Bが保持された注射器ホルダー200から半径方向に遠ざかるように移動された後、アセンブリ100/200を近位方向に移動することによって、注射器ホルダー200および注射器100のアセンブリを、第一の本体部器具500Aから取り外してもよい。アセンブリ100/200では、注射器100は注射器ホルダー200に対して遠位方向に移動することが防止され、その後はアセンブリを1つのユニットとして安全に取り扱うことができる。
【0099】
アセンブリ100/200は、医療注射器アセンブリの一部を形成する他の構成要素と組み合わせて使用されてもよい。
図12aに示すように、また
図12b~12dにさらに示すように、注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200は、別個に形成された外側ハウジング300に挿入されうる。外側ハウジング、注射器ホルダー、および注射器によって形成されるアセンブリは、任意選択で、追加的な構成要素と組み合わされて自己注射器などの医療注射器を形成する。示された外側ハウジング300は、ハウジング330の外側シェル部分310から半径方向に内向きに突出する複数の界面形状を備え、界面形状は、注射器ホルダー200の長軸方向のリブ230.6Aおよび230.6Bを係合および受け取るように構成される。
【0100】
図12bに示すように、外側ハウジング300の界面形状は、それぞれが中央長軸方向軸と平行に延在するように形成される4つの別個のガイド330を含む。示される実施形態では、4つのガイド330は、狭い軸方向に伸びる隙間がレール間に配置された長軸方向に延在するレールを画定するように、対で配置されている(
図12aも参照)。それぞれの対のガイド330は、それぞれのリブの狭い接続部分および自由に拡張したヘッド部がレール間の隙間内に受け取られるように、それゆえレールと協働することで半径方向に固定されるように、挿入された注射器ホルダー200の長軸方向のリブ230.6Aおよび230.6Bのそれぞれの一つと係合するように構成される。注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200は、
図12cおよび12dに示すように、外側ハウジング300の近位開口部を通して遠位方向に挿入される。組み立てられた状態において、ガイド330と協働することにより、注射器ホルダー200の2つの本体部240A/240Bは、ショルダー部250が保持位置にある状態で保たれる。ショルダー部250の近傍で本体部240Aおよび240Bの遠位方向に面する表面エリアを係合することにより、外側ハウジング内の注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200の軸方向位置を制御するために、さらなる界面形状が提供されている。従って、2つの本体部240A/240Bは、互いから遠ざかるように移動することが防止され、保持位置においてショルダー部250により固定的に位置付けられる。典型的には医療注射器の使用時など、例えば、遠位方向にかけられた力が注射器100内の摺動可能なピストン140にかけられる投与中に、力が注射器に遠位方向にかけられる時でも、または装置を誤って硬い表面上に落下したことによって生じうる衝撃が起きた後でも、この状態は維持される。
【0101】
図面に示すように、外側ハウジング300は、注射器および注射器ホルダーアセンブリ100/200が外側ハウジング300に適切に挿入された時に、注射器ホルダー200の窓開口部260と整列する窓開口部360を画定するように形成されうる。これにより、ユーザーは注射器内に含まれる薬剤を目視点検できるようになる。
【0102】
図13aは、第五の実施形態による注射器ホルダー200を有する注射装置の主要構成要素の断面図を概略的に示す。注射器ホルダー200は再び、
図1に示すタイプの注射器100を収容する。第五の実施形態において、注射器ホルダーはハウジングと一体的に形成され、従って注射装置のハウジング内に注射器を直接保持する。典型的には、注射装置は、放出アセンブリに関連する構成要素などの追加的な構成要素を含むが、明確にするために、これらの構成要素は図から除外されている。
【0103】
注射器ホルダー200は、保持された注射器100の針130に隣接して遠位方向に向いて配置された遠位リム部分220を持つ管状の外側シェルとして概して形成された本体210を含む。本体210の管状の外壁は、注射器100を受け取るように配置された近位開口部を含む。注射器ホルダー200の内側に注射器100を保持するために、本体210の外壁は、半径方向に面した内部表面上に、それぞれが本体210の管状の外壁の遠位リム部分220の近くの軸方向位置に半径方向に内向きに向いたショルダー部250を有する、一連の担持構造242を備える。担持構造242のそれぞれは、管状の外壁の内側の同一の軸方向位置で円形構成に配置される4つの個別の担持構造として形成された実施形態において、注射器ホルダーの本体部を提供する。ショルダー部250のそれぞれは、保持された注射器100のバレル110と針シールド120の間の隙間150内に受け取られるように形成された、すなわち、注射器が注射器ホルダー内に適切に保持された時にショルダー部がバレル110のネック部分115と係合するように、弓状の表面部分を画定する。示される第五の実施形態では、注射器ホルダー200は4つの個別のショルダー部250を含む。しかし、別の実施形態は、2つ、3つ、または4つ以上など、より低い数またはより多い数の個別の担持構造242またはショルダー部250を含みうる。
【0104】
上述の別の実施形態と同様に、ショルダー部250は、注射器ホルダー200内に位置付けられた時、注射器100を保持する役割を果たす。ショルダー部250は、ショルダー部250が半径方向に内向きの位置を取る保持位置(
図13aに表示)とショルダー部が半径方向に外向きの位置を取る非保持位置(図示せず)の間で4つの個別の担持構造242の固有の弾性のために、可動である。半径方向に外向きの位置では、針シールド120が取り付けられた注射器は、軸方向に挿入可能であり、円周方向の隙間150が位置付けられ、ショルダー部250と軸方向に整列する。半径方向に内向きの位置において、ショルダー部250は注射器のバレルのネック部分115と係合し、注射器の座を提供する。
【0105】
第五の実施形態では、注射器ホルダー200および注射器100に加え、注射装置の示された主要構成要素には、針シュラウド400および針シュラウドのばね410も含む。示される実施形態では、針シュラウド400は、注射器100の針の端を取り囲む管状スリーブとして形成される。針シュラウドは、注射部位に対して保持されるように構成された遠位端面をさらに備える。遠位端面の中央部分は、注射器100の針130が突出するように構成された針開口部を含む。
【0106】
針シュラウド400は、ハウジングの中心軸に沿って並進的に移動可能であり、従って注射器ホルダー200および保持された注射器100に対して軸方向に移動可能である。
図13aでは、針シュラウド400は、針シュラウドが針を覆う遠位方向に伸長された位置を取る。針シュラウド400の遠位端面に加えられる近位方向の力によって、針シュラウドは、注射針130が針開口部を通して突出する、図示されていない近位方向の折り畳まれた位置へと移動可能である。
【0107】
その遠位端における針シュラウド400は、針シュラウドのばね410の第一のばね座として機能する近位方向に面する環状表面をさらに含む。担持構造242のそれぞれは、担持構造の半径方向の外部表面上に配置された軸方向に延在するリブ243を含み、軸方向に延在するリブ243は組み合わされて、針シュラウドのばね410のための第二のばね座を提供する。針シュラウドのばね410は、両端に材料の閉じた巻きを持ち、その間に開いた巻きを持つ、らせん状の圧縮ばねとして提供される。針シュラウドのばね410は、第一のばね座と第二のばね座との間で軸方向に圧縮されて配置される。針シュラウドのばねは従って、第一のばね座に付勢力を提供し、針シュラウド400が遠位方向に伸長された位置に向かって促される。
【0108】
図13bおよび13cは、注射器100と共に示す注射器ホルダー200の一連の一部切断された斜視図を示し、2つの図は注射装置の組立中の2つの異なる状態を代表する。
【0109】
図13bに示す状態では、針シュラウドのばね410および針シュラウド400は、注射器ホルダー200にまだ組み立てられていない。ところが、針シールド120が取り付けられた注射器100は、注射器ホルダー内に移動されて、ショルダー部250が注射器のバレルのネック部分115と係合する半径方向に内向きの位置を取る位置に移動されている。この状態では、ショルダー部250は、注射器が注射器ホルダーに対して遠位方向に強制される場合、担持構造242の弾性によって、半径方向に外向きに移動可能である。
【0110】
図13cに示す状態では、針シュラウドのばね410は、針シュラウドのばね410の近位部分が、軸方向に延在するリブ243を取り囲む針シュラウドのばねの複数の閉じた巻きにより担持構造242を取り囲むように、注射器ホルダー200に対して適切に配置される。さらに、
図13cでは、針シュラウド400は、注射器ホルダー200の本体210と摺動係合するように挿入されており、針シュラウド400が遠位方向に伸長された位置に対してさらに遠位方向に移動するのを防止するための、図示されていない保持機構が確立されている。担持構造242の軸方向に延在するリブ243と係合する針シュラウドのばね410の複数の巻きは、担持構造に半径方向に内向きの圧縮力を供給し、ショルダー部250がその半径方向に内向きの位置を取る位置に担持構造を停止させる役割を果たす。
図13cに示すアセンブリ状態を参照すると、大きな遠位方向の力が注射器100の上にかかる時、ショルダー部250自体には、ショルダー部が屈曲しないで注射器100をしっかり保持するのに十分な剛性があり、注射器100が注射器ホルダーに対して遠位方向に移動するのが防止される。これにより、最初に針シールド120が注射器100から取り外され、その後の注射器100からの薬剤の放出手順が実行され、これらの手順の両方により実質的な遠位方向の力が保持された注射器にもたらされる。
【0111】
示される設計では、第五の実施形態による注射器ホルダー200は、医療注射器の外側ハウジングを形成することが意図される。示される実施形態では、注射器はそれゆえ、外側ハウジングによって直接保持される。従って、設計は、注射器を外側ハウジング内に保持するため、例えば、外側ハウジングに対して遠位方向の制御されない移動を防止するためのさらなる専用構成要素を持つという要件を省くことになる。
【0112】
他の図示されていない実施形態では、
図13a~13cに示す一般原理に従って提供される注射器ホルダーは、注射装置の内部の個別構成要素を画定するように意図された専用の注射器ホルダーを形成するように設計されうる。注射器ホルダーは、注射器ホルダーによって保持される注射器との組み合わせにより、それゆえ、軸方向に固定した関係または軸方向に摺動可能な関係のいずれかで別個に形成された外側ハウジングに挿入されることが意図されるサブアセンブリを画定しうる。
【0113】
当業者によって容易に認識されるように、上述の医療注射器は、異なる機能を提供するさまざまな他の構成要素も含みうる。図に関する上記の説明は、さまざまなタイプの注射装置での使用に適した例示的な注射器ホルダーの使用に関して背景情報を提供するために提供されてきた。しかし、本開示で触れた例示的な注射装置は、本発明による原理と共に利用できる多くの異なる市販の注射装置の一部である。本発明は示された実施形態および前述の変形に限定されることなく、以下の特許請求の範囲内および残りの開示内に定義された主題内のその他の方法で具体化されうることが強調される。