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特許7235753予測モデリングを使用して待ち時間を推定するための方法、システム、および非一時的コンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】予測モデリングを使用して待ち時間を推定するための方法、システム、および非一時的コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20230301BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230301BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230301BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/06
G06Q50/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020534843
(86)(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2017067530
(87)【国際公開番号】W WO2019125426
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】505468864
【氏名又は名称】ビザ インターナショナル サービス アソシエーション
(74)【代理人】
【識別番号】100124327
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 勝博
(72)【発明者】
【氏名】ガーグ,リチャ
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】シャーマ,ヴァルン
(72)【発明者】
【氏名】カンダルー,ナンダクマール
(72)【発明者】
【氏名】アディチャ,スリジョイ
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6200041(JP,B1)
【文献】特表2017-501513(JP,A)
【文献】特開2009-295102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0180848(US,A1)
【文献】米国特許第09671230(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
少なくとも1つのプロセッサで、複数の加盟店のリストを、取引アカウント保有者のディスプレイデバイスに送信することと、
少なくとも一つのプロセッサで、前記ディスプレイデバイスから、前記リストから少なくとも1つの加盟店の選択と指定時間の入力とを受信することと、
少なくとも一つのプロセッサで、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信することであって、前記初期取引データは、前記複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含む、ことと、
少なくとも一つのプロセッサで、前記初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、前記サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、時間経過と共に完了した取引の割合を含む前記サブ間隔中のサービス率、前記サブ間隔中に完了した取引の数、前記サブ間隔中に完了した総取引額、前記サブ間隔中に完了した平均取引額、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む訓練データを生成することと、
少なくとも一つのプロセッサで、前記訓練データに基づいて少なくとも部分的に訓練され、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する到着率の出力を生成する予測モデルを生成することと、
少なくとも一つのプロセッサで、前記予測モデルを使用して、指定時間の新規到着者に対する予測待ち時間の推定を生成することであって、前記予測待ち時間の推定は、前記指定時間の平均サービス率に対する、前記指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づき、前記指定時間の前記列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、前記開店時間から前記指定時間までの各サブ間隔中の前記予測モデルから出力される前記到着率および前記平均サービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定される、ことと、
前記少なくとも1つの加盟店の選択と前記指定時間の入力を受信することに応答して、少なくとも1つのプロセッサで、生成された前記予測待ち時間の推定を提示のために前記ディスプレイデバイスへ送信することとを含む、方法。
【請求項2】
前記指定時間が現在時間であり、前記方法が更に、
少なくとも一つのプロセッサで、一つ以上の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間で、前記現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信することであって、前記新しい取引データは、前記一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含む、ことと、
少なくとも一つのプロセッサで、前記現在時間までの前記先行する時間間隔の平均取引額に対する、前記現在時間までの前記先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、前記平均サービス率を生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つのプロセッサで、一つ以上の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信することであって、前記新しい取引データは、前記一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含む、ことと、
少なくとも一つのプロセッサで、前記新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、前記訓練データ、前記予測モデル、および前記予測待ち時間の推定を再生成することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの加盟店について減額したサービスまたは製品価格のオファーを含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成し、前記少なくとも一つの加盟店システムへ送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも一つのプロセッサを含む、少なくとも一つのサーバコンピュータを備えたシステムであって、
前記少なくとも一つのサーバコンピュータは、
取引アカウント保有者のディスプレイデバイスに、複数の加盟店のリストを送信し、
前記ディスプレイデバイスから、前記リストから少なくとも1つの加盟店の選択と指定時間の入力とを受信し、
複数の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信し、前記初期取引データは、前記複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含み、
前記初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、前記サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、時間と共に完了した取引の割合を含む前記サブ間隔中のサービス率、前記サブ間隔中に完了した取引の数、前記サブ間隔中に完了した取引の総取引額、前記サブ間隔中に完了した取引の平均取引額、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成し、
前記訓練データに基づいて少なくとも部分的に訓練され、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する到着率の出力を生成する予測モデルを生成し、
前記予測モデルを使用して、指定時間の新規到着者に対する予測待ち時間の推定を生成し、前記予測待ち時間の推定は、前記指定時間の平均サービス率に対する、前記指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づき、前記指定時間の前記列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、前記開店時間から前記指定時間までの各サブ間隔中の前記予測モデルから出力される前記到着率および前記平均サービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定され、
前記少なくとも1つの加盟店の選択と前記指定時間の入力を受信することに応答して、生成された前記予測待ち時間の推定を提示のために前記ディスプレイデバイスへ送信するように構成される、システム。
【請求項8】
前記指定時間が現在時間であり、前記少なくとも一つのサーバコンピュータが更に、
一つ以上の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間で、前記現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信し、前記新しい取引データは、前記一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み、
前記現在時間までの先行する前記時間間隔の平均取引額に対する、前記現在時間までの先行する前記時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、前記平均サービス率を生成するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも一つのサーバコンピュータが更に、
一つ以上の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信し、前記新しい取引データは、前記一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み、
前記新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、前記訓練データ、前記予測モデル、および前記予測待ち時間の推定を再生成するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも一つのサーバコンピュータは更に、前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、前記少なくとも一つの加盟店について減額したサービスもしくは製品価格のオファーを含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも一つのサーバコンピュータは更に、前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成し、前記少なくとも一つの加盟店システムへ送信するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも一つのサーバコンピュータは更に、前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、前記少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
ログラム命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合に、前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサに、
複数の加盟店のリストを取引アカウント保有者のディスプレイデバイスに送信させ、
前記ディスプレイデバイスから、前記リストから少なくとも1つの加盟店の選択と指定時間の入力を受信させ、
複数の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信させ、前記初期取引データは、前記複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含み、
前記初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、前記サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、時間経過と共に完了した取引の割合を含む前記サブ間隔中のサービス率、前記サブ間隔中に完了した取引の数、前記サブ間隔中に完了した総取引額、前記サブ間隔中に完了した平均取引額、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成させ、
前記訓練データに基づいて少なくとも部分的に訓練され、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルを生成させ、
前記予測モデルを使用して、指定時間の新規到着者に対する予測待ち時間の推定を生成させ、前記予測待ち時間の推定は、前記指定時間の平均サービス率に対する、前記指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づき、前記指定時間の前記列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、前記開店時間から前記指定時間までの各サブ間隔中の前記予測モデルから出力される前記到着率および前記平均サービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定される、
前記少なくとも1つの加盟店の選択と前記指定時間の前記入力とを受信するのに応答して、前記生成された前記予測待ち時間の推定を、提示のために前記ディスプレイデバイスに送信させる、プログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記指定時間が現在時間であり、前記プログラム命令によって更に、前記少なくとも一つのプロセッサに、
一つ以上の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間で、前記現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信させ、前記新しい取引データは、前記一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み、
前記現在時間までの先行する前記時間間隔の平均取引額に対する、前記現在時間までの先行する前記時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、前記平均サービス率を生成させる、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項15】
前記プログラム命令によって更に、前記少なくとも一つのプロセッサに、
一つ以上の取引アカウントと前記少なくとも一つの加盟店との間で新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信させ、前記新しい取引データは、前記一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み、
前記新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、前記訓練データ、前記予測モデル、および前記予測待ち時間の推定を再生成させる、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項16】
前記プログラム命令によって更に、前記少なくとも一つのプロセッサに、前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、前記少なくとも一つの加盟店について減額したサービスまたは製品価格のオファーを含む通信を生成させ、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信させる、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項17】
前記プログラム命令によって更に、前記少なくとも一つのプロセッサに、前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成させ、前記少なくとも一つの加盟店システムへ送信させる、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項18】
前記プログラム命令によって更に、前記少なくとも一つのプロセッサに、前記予測待ち時間の推定が、前記少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、前記少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成させ、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信させる、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、概して、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのシステム、方法、ならびに非一時的コンピュータ可読媒体に関し、好ましい非限定的実施形態または態様では、予測モデリングを取引履歴データに適用することにより、予測待ち時間の推定を生成するためのシステム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ監視サービスおよび待ち時間のシステムでは、良く使用される待ち行列理論に基づいて分析するのが都合のよい場合があり、加盟店をシングルポイントサービス(single point of service)で分析するとき、M/M/1モデルが良好に適合するようである。しかしながら、この仮定は不正確で非効率的である。従来の待ち行列理論は、一定の/規則正しいサービス率(すなわち、単位時間当たりのサービスを受ける人数)および到着率(すなわち、単位時間当たりの到着する人数)を想定する。しかしこれは、実運用において加盟店では現実には発生しない。一つには、顧客の到着率は、時刻、季節、加盟店のタイプ、および/または同類のものを含む任意の数の要因に応じて、大幅に変化しうるからである。例として、レストランは朝食、昼食、および夕食時の特定の時間帯により混雑している可能性があるが、コーヒーショップは午前および午後の間により多くの人が出入りする場合がある。更に、サービス率、すなわち、単位時間当たりのサービスを受ける人数が、主に一定のままである場合があり、実際にはサービスを提供する人物のスピードが極端に異なることはありえないものの、サービス率は異なることがありうる。そのため、従来の待ち行列理論をそれだけで適用することは、正確で一貫性があり、効率的なコンピュータによる予測モデリングには不十分である。
【0003】
当技術分野は、顧客の到着、出発、およびサービスを直接観察する必要のない待ち時間推定モデルへのニーズがある。更に当技術分野は、予測待ち時間を監視し、待ち時間の推定が所定の閾値に合致するか、または閾値を通過すると、ユーザまたは加盟店に自動で通知するシステムへのニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明が概して提供するのは、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するための改善されたシステム、コンピュータ実装方法、ならびにコンピュータプログラム製品である。本発明が提供するのは、サンプル時間中の複数の取引を表す取引データを受信し、取引データに少なくとも部分的に基づいて訓練データを生成するためのシステム、コンピュータ実装方法、およびコンピュータプログラム製品である。また、本発明が提供するのは、少なくとも一つの時間パラメータに対する到着率の出力を生成する予測モデルを生成し、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成するためのシステム、コンピュータ実装方法、およびコンピュータプログラム製品である。
【0005】
本発明の一つの非限定的実施形態または態様によると、提供するのは、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのコンピュータ実装方法である。本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信することを含む。この初期取引データは、複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含む。本発明に係る方法はまた、少なくとも一つのプロセッサで、初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、サブ間隔中のサービス率(すなわち、単位時間当たりのサービスを受ける人数)、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成することも含む。本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率(すなわち、単位時間当たりの到着する人数)の出力を生成する予測モデルを生成することを更に含む。本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、予測モデルを使用して、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成することを更に含む。予測待ち時間の推定は、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づく。指定時間の列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定される。
【0006】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、取引アカウント保有者または加盟店のディスプレイデバイスから、指定時間の入力を受信することを含むことができる。本発明に係る方法はまた、指定時間の入力を受信するのに応答して、少なくとも一つのプロセッサで、生成された予測待ち時間の推定を、提示のためにディスプレイデバイスへ送信することも含むことができる。本発明に係る方法は更に、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店を含む複数の加盟店を、提示および選択のためにディスプレイデバイスへ送信することを更に含むことができる。本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、ディスプレイデバイスから、少なくとも一つの加盟店の選択を受信することを更に含んでもよい。
【0007】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、上に示す指定時間が現在時間であり、本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信することを含んでもよい。この新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことができる。本発明に係る方法はまた、少なくとも一つのプロセッサで、現在時間までの先行する時間間隔の平均取引額に対する、現在時間までの先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、サービス率を生成することも含んでもよい。また、本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信することを更に含むことができる。この新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことができる。本発明に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサで、新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、訓練データ、予測モデル、および予測待ち時間の推定を再生成することを更に含んでもよい。
【0008】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係る方法は、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店について減額したサービスまたは製品価格のオファーを含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信することを含んでもよい。本発明に係る方法はまた、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成し、少なくとも一つの加盟店システムへ送信することも含んでもよい。本発明に係る方法は、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信することを更に含んでもよい。
【0009】
本発明の一つの非限定的実施形態または態様によると、提供するのは、予測モデリングを使用して、予測待ち時間の推定を生成および適用するためのシステムである。本発明に係るシステムは、少なくとも一つのプロセッサを含む、少なくとも一つのサーバコンピュータを含み、この少なくとも一つのサーバコンピュータは、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信するようにプログラムおよび/または構成される。この初期取引データは、複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含む。このサーバコンピュータはまた、初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、サブ間隔中のサービス率、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成するようにもプログラムおよび/または構成される。このサーバコンピュータは、サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルを生成するように更にプログラムおよび/または構成される。このサーバコンピュータは、予測モデルを使用して、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成するように更にプログラムおよび/または構成される。この予測待ち時間の推定は、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づく。この指定時間の列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定される。
【0010】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、取引アカウント保有者または加盟店のディスプレイデバイスから、指定時間の入力を受信するようにプログラムおよび/または構成されてもよい。この少なくとも一つのサーバコンピュータはまた、指定時間の入力を受信するのに応答して、生成された予測待ち時間の推定を、提示のためにディスプレイデバイスへ送信するようにもプログラムおよび/または構成されてもよい。また、本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、少なくとも一つの加盟店を含む複数の加盟店を、提示および選択のためにディスプレイデバイスへ送信するように更にプログラムならびに/または構成されてもよい。この少なくとも一つのサーバコンピュータは、ディスプレイデバイスから、少なくとも一つの加盟店の選択を受信するように更にプログラムおよび/または構成されてもよい。
【0011】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、上に示す指定時間は現在時間であってもよい。本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信するようにプログラムおよび/または構成することができる。この新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことができる。この少なくとも一つのサーバコンピュータは、現在時間までの先行する時間間隔の平均取引額に対する、現在時間までの先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、サービス率を生成するようにプログラムおよび/または構成することもできる。また、本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信するように更にプログラムおよび/または構成されてもよい。この新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことができる。この少なくとも一つのサーバコンピュータは、新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、訓練データ、予測モデル、および予測待ち時間の推定を再生成するように更にプログラムならびに/または構成されてもよい。
【0012】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店について減額したサービスもしくは製品価格のオファーを含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信するようにプログラムおよび/または構成されてもよい。また、本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成し、少なくとも一つの加盟店システムへ送信するようにプログラムおよび/または構成されてもよい。そして、本発明に係るシステムにおいて、少なくとも一つのサーバコンピュータは、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信するように更にプログラムおよび/または構成されてもよい。
【0013】
本発明の一つの非限定的実施形態または態様によると、提供されるのは、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのコンピュータプログラム製品である。本発明に係るコンピュータプログラム製品は、少なくとも一つのプロセッサによって実行される場合に、少なくとも一つのプロセッサに、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信させるプログラム命令を含む、少なくとも一つの非一時的コンピュータ可読媒体を含む。この初期取引データは、複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含む。本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、サブ間隔中のサービス率、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成させる。本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルを生成させる。このプログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測モデルを使用して、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成させる。この予測待ち時間の推定は、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づく。この指定時間の列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定される。
【0014】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、取引アカウント保有者または加盟店のディスプレイデバイスから、指定時間の入力を受信させることができる。このプログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、指定時間の入力を受信するのに応答して、生成された予測待ち時間の推定を、提示のためにディスプレイデバイスへ送信させることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、少なくとも一つの加盟店を含む複数の加盟店を、提示および選択のためにディスプレイデバイスへ送信させることができる。このプログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、ディスプレイデバイスから、少なくとも一つの加盟店の選択を受信させることができる。
【0015】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、指定時間が現在時間であってもよく、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信させることができる。この新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことができる。このプログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、現在時間までの先行する時間間隔の平均取引額に対する、現在時間までの先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、サービス率を生成させることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信させることができる。この新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことができる。このプログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、訓練データ、予測モデル、および予測待ち時間の推定を再生成させることができる。
【0016】
本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店について減額したサービスまたは製品価格のオファーを含む通信を生成させ、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信させることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成させ、少なくとも一つの加盟店システムへ送信させることができる。そして、本発明に係るコンピュータプログラム製品は、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成させ、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の他の好ましい非限定的実施形態または態様は、以下の番号付きの項に記載される。
【0018】
第1項:予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのコンピュータ実装方法であって、少なくとも一つのプロセッサで、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信することであって、初期取引データは、複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含むことと、少なくとも一つのプロセッサで、初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、サブ間隔中のサービス率、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成することと、少なくとも一つのプロセッサで、サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルを生成することと、少なくとも一つのプロセッサで、予測モデルを使用して、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成することであって、予測待ち時間の推定は、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づき、指定時間の列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定されることとを含む方法。
【0019】
第2項:少なくとも一つのプロセッサで、取引アカウント保有者または加盟店のディスプレイデバイスから、指定時間の入力を受信することと、指定時間の入力を受信するのに応答して、少なくとも一つのプロセッサで、生成された予測待ち時間の推定を、提示のためにディスプレイデバイスへ送信することとを更に含む、第1項に記載の方法。
【0020】
第3項:少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店を含む複数の加盟店を、提示および選択のためにディスプレイデバイスへ送信することと、少なくとも一つのプロセッサで、ディスプレイデバイスから、少なくとも一つの加盟店の選択を受信することとを更に含む、第1または2項に記載の方法。
【0021】
第4項:指定時間が現在時間であり、方法は、少なくとも一つのプロセッサで、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信することであって、新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことと、少なくとも一つのプロセッサで、現在時間までの先行する時間間隔の平均取引額に対する、現在時間までの先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、サービス率を生成することと、を更に含む、第1~3項のいずれか一項に記載の方法。
【0022】
第5項:少なくとも一つのプロセッサで、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信することであって、新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含むことと、少なくとも一つのプロセッサで、新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、訓練データ、予測モデル、および予測待ち時間の推定を再生成することとを更に含む、第1~4項のいずれか一項に記載の方法。
【0023】
第6項:予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店について減額したサービスまたは製品価格のオファーを含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信することを更に含む、第1~5項のいずれか一項に記載の方法。
【0024】
第7項:予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成し、少なくとも一つの加盟店システムへ送信することを更に含む、第1~6項のいずれか一項に記載の方法。
【0025】
第8項:予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つのプロセッサで、少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信することを更に含む、第1~7項のいずれか一項に記載の方法。
【0026】
第9項:予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのシステムであって、システムは、少なくとも一つのプロセッサを含む少なくとも一つのサーバコンピュータを備え、少なくとも一つのサーバコンピュータは、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信し、初期取引データは、複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含み;初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、サブ間隔中のサービス率、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成し;サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルを生成し;予測モデルを使用して、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成し、予測待ち時間の推定は、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づき、指定時間の列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定されるようにプログラムおよび/または構成される、システム。
【0027】
第10項:少なくとも一つのサーバコンピュータは、取引アカウント保有者または加盟店のディスプレイデバイスから、指定時間の入力を受信し、指定時間の入力を受信するのに応答して、生成された予測待ち時間の推定を、提示のためにディスプレイデバイスへ送信するように更にプログラムおよび/または構成される、第9項に記載のシステム。
【0028】
第11項:少なくとも一つのサーバコンピュータは、少なくとも一つの加盟店を含む複数の加盟店を、提示および選択のためにディスプレイデバイスへ送信し、ディスプレイデバイスから、少なくとも一つの加盟店の選択を受信するように更にプログラムならびに/または構成される、第9または10項に記載のシステム。
【0029】
第12項:指定時間が現在時間であり、少なくとも一つのサーバコンピュータは、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信し、新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み;現在時間までの先行する時間間隔の平均取引額に対する、現在時間までの先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、サービス率を生成するように更にプログラムおよび/または構成される、第9~11項のいずれか一項に記載のシステム。
【0030】
第13項:少なくとも一つのサーバコンピュータは、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信し、新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み;新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、訓練データ、予測モデル、および予測待ち時間の推定を再生成するように更にプログラムおよび/または構成される、第9~12項のいずれか一項に記載のシステム。
【0031】
第14項:少なくとも一つのサーバコンピュータは、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店について減額したサービスもしくは製品価格のオファーを含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信するように更にプログラムおよび/または構成される、第9~13項のいずれか一項に記載のシステム。
【0032】
第15項:少なくとも一つのサーバコンピュータは、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成し、少なくとも一つの加盟店システムへ送信するように更にプログラムおよび/または構成される、第9~14項のいずれか一項に記載のシステム。
【0033】
第16項:少なくとも一つのサーバコンピュータは、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成し、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信するように更にプログラムおよび/または構成される、第9~15項のいずれか一項に記載のシステム。
【0034】
第17項:予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのコンピュータプログラム製品であって、少なくとも一つのプロセッサによって実行される場合に、少なくとも一つのプロセッサに、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信させ、初期取引データは、複数の取引の各取引に対して、取引時間および取引額を含み;初期取引データに少なくとも部分的に基づいて、サンプル時間の各サブ間隔中に、以下、サブ間隔中のサービス率、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、訓練データを生成させ;サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータを含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルを生成させ;予測モデルを使用して、指定時間に対する予測待ち時間の推定を生成させ、予測待ち時間の推定は、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づき、指定時間の列の長さは、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定される、プログラム命令を含む、少なくとも一つの非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
【0035】
第18項:プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、取引アカウント保有者または加盟店のディスプレイデバイスから、指定時間の入力を受信させ、指定時間の入力を受信するのに応答して、生成された予測待ち時間の推定を、提示のためにディスプレイデバイスへ送信させる、第17項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0036】
第19項:プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、少なくとも一つの加盟店を含む複数の加盟店を、提示および選択のためにディスプレイデバイスへ送信させ、ディスプレイデバイスから、少なくとも一つの加盟店の選択を受信させる、第17または18項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0037】
第20項:指定時間が現在時間であり、プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、現在時間までの先行する時間間隔中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを受信させ、新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み;現在時間までの先行する時間間隔の平均取引額に対する、現在時間までの先行する時間間隔中の総取引額の関係に少なくとも部分的に基づいて、サービス率を生成させる、第17~19項のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0038】
第21項:プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、一つ以上の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間で、新しいサンプル時間中に完了した、一つ以上の取引を表す新しい取引データを、所定の間隔で受信させ、新しい取引データは、一つ以上の取引の各取引について、取引時間および取引額を含み;新しい取引データに少なくとも部分的に基づいて、訓練データ、予測モデル、および予測待ち時間の推定を再生成させる、第17~20項のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0039】
第22項:プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店について減額したサービスまたは製品価格のオファーを含む通信を生成させ、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信させる、第17~21項のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0040】
第23項:プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の閾値待ち時間以上であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店システムに、対応するサービス率を増大する対策を講じさせるように構成されるアラートを含む通信を生成させ、少なくとも一つの加盟店システムへ送信させる、第17~22項のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0041】
第24項:プログラム命令によって更に、少なくとも一つのプロセッサに、予測待ち時間の推定が、少なくとも一つの加盟店に対する所定の最小待ち時間以下であるとの判定に応答して、少なくとも一つの加盟店についての広告を含む通信を生成させ、少なくとも一人の取引アカウント保有者へ送信させる、第17~23項のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0042】
本発明のこれらおよび他の特性および特徴、ならびに操作の方法、および構造の関連要素の機能、および部品の組み合わせ、および製造の経済性は、以下の説明と、添付の図面を参照して添付の特許請求の範囲とを考慮することでより明らかになり、そのすべては本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は、様々な図面中の対応する部分を示す。ただし、図面は、図示および説明の目的のためのものであり、本発明を限定する定義として意図されるものではないことは、明確に理解されるものとする。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するための改善されたシステム、コンピュータ実装方法、ならびにコンピュータプログラム製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の更なる利点および詳細は、添付の図面に示される例示的実施形態を参照して、以下でより詳細に説明されている。
【0045】
図1】予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのシステムならびに方法の、一つの非限定的実施形態または態様の概略図である。
図2】予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのシステムならびに方法の、一つの非限定的実施形態または態様のフロー図である。
図3】予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するシステムならびに方法の、一つの非限定的実施形態または態様のパフォーマンス出力図である。
図4】予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するシステムならびに方法の、一つの非限定的実施形態または態様のパフォーマンス出力図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以降、説明の目的で、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上部」、「底部」、「横」、「縦」という用語、およびそれらの派生語は、図面において方向づけるように、本発明に関連する。しかしながら、本発明では、明示的に反対の指定がない限り、様々な代替の変形およびステップの連続を仮定することができることは理解されるものとする。また、添付図面に示され、以下の明細書で説明される特定のデバイスおよびプロセスは、単に本発明の例示的実施形態であることも理解すること。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する、特定の寸法および他の物理的特性は、限定とみなされるべきではない。また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、その中にあるすべての部分範囲を含むことを意図することも理解されるべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載される1という最小値と記載される10という最大値との間(かつ両値を含む)、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する、すべての部分範囲を含むことを意図している。
【0047】
本明細書で使用される場合、「通信」および「通信する」という用語は、一つ以上の信号、メッセージ、コマンド、もしくは他のタイプのデータの受信または転送を指す。一つのユニット(例えば、任意のデバイス、システム、またはそれらのコンポーネント)が、別のユニットと通信するというのは、一つのユニットが直接もしくは間接的に、データを他方のユニットから受信および/またはデータを他方のユニットへ送信できることを意味する。これは、本質的に有線および/もしくは無線である、直接または間接的な接続を指してもよい。加えて、二つのユニットは、送信されるデータが、第一と第二のユニットとの間で変更、処理、遅延、リレー、および/またはルーティングされる場合があるとしても、互いに通信することができる。例えば、第一のユニットが受動的にデータを受信し、第二のユニットへ能動的にデータを送信しないとしても、第一のユニットは第二のユニットと通信することができる。別の例として、中間ユニットが一つのユニットからのデータを処理し、処理されたデータを第二のユニットへ送信する場合、第一のユニットは第二のユニットと通信することができる。多くの他の構成が可能であることは理解されるであろう。
【0048】
本明細書で使用される場合、「取引サービスプロバイダ」という用語は、加盟店または他の事業体から取引承認要求を受信し、場合によっては、取引サービスプロバイダと発行機関との間の同意によって、支払いの保証を提供する事業体を指すことができる。「取引サービスプロバイダ」および「取引サービスプロバイダシステム」という用語はまた、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する取引処理サーバなど、取引サービスプロバイダによって、またはそれに代わって運用される一つ以上のコンピュータシステムを指すこともできる。取引処理サーバは、一つ以上のプロセッサを含むことができ、一部の非限定的実施形態では、取引サービスプロバイダによってまたはそれに代わって運用することができる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「発行機関」という用語は、クレジットおよび/またはデビットでの支払いを開始するなど、支払い取引を行うために顧客にアカウントを提供する、銀行などの一つ以上の事業体を指すことができる。例えば、発行機関は、顧客と関連付けられた一つ以上のアカウントを一意に識別する、個人アカウント番号(PAN)などのアカウント識別子を、その顧客に提供することができる。アカウント識別子は、支払いカードなどの物理的な金融機器に表示されることがあり、かつ/または電子式であり電子決済に使用することができる。「発行機関」、「発行銀行」、および「発行者システム」という用語はまた、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するサーバコンピュータなど、発行機関によってまたはそれに変わって運用される、一つ以上のコンピュータシステムを指すこともできる。例えば、発行者システムは、支払い取引を承認するための一つ以上の承認サーバを含んでもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アカウント識別子」という用語は、顧客アカウントに関連付けられた一つ以上のPAN、トークン、または他の識別子を含んでもよい。「トークン」という用語は、PANなど、元のアカウント識別子の代用または代替識別子として使用される、識別子を指すことができる。アカウント識別子は、英数字、または文字および/もしくは記号の任意の組み合わせであってもよい。トークンは、元のアカウント識別子を直接使用することなく、取引を行うために使用できるように、一つ以上のデータベースでPANまたは他の元のアカウント識別子と関連付けることができる。一部の例では、PANなどの元のアカウント識別子は、異なる個人に対してまたは異なる目的のために、複数のトークンと関連付けられてもよい。発行機関は、銀行識別番号(BIN)、または他の発行機関の中から一意に識別する他の固有識別子と関連付けることができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「加盟店」という用語は、支払い取引などの取引に基づいて、商品および/もしくはサービス、または商品および/もしくはサービスへのアクセスを顧客に提供する、個人または事業体を指すことができる。「加盟店」または「加盟店システム」という用語はまた、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するサーバコンピュータなど、加盟店によってまたはそれに変わって運用される、一つ以上のコンピュータシステムを指すこともできる。本明細書で使用される「販売時点情報管理(POS)システム」は、一つ以上のカードリーダー、近距離通信(NFC)受信機、RFID受信機、および/もしくは他の非接触型送受信機もしくは受信機、接触型受信機、支払い端末、コンピュータ、サーバ、入力デバイス、ならびに/または支払い取引を開始するのに使用できる他の類似のデバイスを含む、顧客との支払い取引に携わるように加盟店により使用される一つ以上のコンピュータおよび/または周辺デバイスを指すことができる。
【0052】
本明細書で使用される場合、「モバイルデバイス」という用語は、一つ以上のネットワークと通信するように構成された、一つ以上の携帯型電子デバイスを指すことができる。例として、モバイルデバイスは、携帯電話(例えば、スマートフォンまたは標準的な携帯電話)、携帯型コンピュータ(例えば、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータなど)、ウェアラブルデバイス(例えば、腕時計、眼鏡、レンズ、衣類、および/または同類のもの)、携帯情報端末(PDA)、および/または他の類似のデバイスを含んでもよい。「クライアントデバイス」という用語は、本明細書で使用される場合、一つ以上のサーバ、または遠隔のデバイスおよび/もしくはシステムと通信するように構成される、任意の電子デバイスを指す。クライアントデバイスは、モバイルデバイス、ネットワーク対応電化製品(例えば、ネットワーク対応テレビ、冷蔵庫、サーモスタット、および/または同類のもの)、コンピュータ、POSシステム、および/またはネットワークと通信できる任意の他のデバイスもしくはシステムを含むことができる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「金融デバイス」という用語は、例として、携帯型支払いカード(例えば、クレジットカードまたはデビットカード)、ギフトカード、スマートカード、スマートメディア、ペイロールカード、ヘルスケアカード、リストバンド、アカウント情報を含む機械可読媒体、キーホルダーサイズのデバイスもしくはフォブ、RFIDトランスポンダ、小売店の割引カードもしくはポイントカード、電子ウォレットアプリケーションを実行するモバイルデバイス、携帯情報端末、セキュリティカード、アクセスカード、無線端末、および/またはトランスポンダを指すことができる。金融デバイスは、アカウント識別子またはアカウント保有者の名前などの情報を保存するための、揮発性または不揮発性メモリを含んでもよい。金融デバイスは、デジタルもしくは非デジタル表示で、デバイスにローカルでアカウント認証情報を保存することができるか、または接続ネットワークで金融デバイスがアクセス可能な媒体に保存された、アカウント認証情報へのアクセスを容易にすることができる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「サーバ」という用語は、一つ以上のプロセッサもしくはコンピュータ、記憶装置、もしくはインターネットなどのネットワーク環境で複数の当事者によって運用されるか、もしくは複数の当事者のために通信および処理を容易にする、同様のコンピュータ装置を指すか、または含むことができるものの、一つ以上の公衆またはプライベートネットワーク環境に渡って通信を容易にすることができ、様々な他の装置が可能であることは理解されるであろう。更に、複数のコンピュータ、例えば、サーバ、またはネットワーク環境で直接もしくは間接的に通信する他のコンピュータ化されたデバイス、例えば、POSデバイスは、加盟店のPOSシステムなどの「システム」を構成することができる。「サーバ」または「プロセッサ」への言及は、本明細書に使用される場合、前のステップもしくは機能を実施すると記載される、前に記載のサーバおよび/もしくはプロセッサ、異なるサーバおよび/もしくはプロセッサ、ならびに/またはサーバおよび/もしくはプロセッサの組み合わせを指すことができる。例えば、明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、第一のステップもしくは機能を実施すると記載される、第一のサーバおよび/または第一のプロセッサは、第二のステップもしくは機能を実施すると記載される、同じもしくは異なるサーバおよび/またはプロセッサを指すことができる。
【0055】
「アカウントデータ」という用語は、本明細書で使用される場合、一人以上のユーザに対して一つ以上のアカウントに関する、任意のデータを指す。アカウントデータとしては、例えば、一つ以上のアカウント識別子、ユーザ識別子、取引履歴、残高、信用限度額、発行機関識別子、および/または同類のものを挙げることができる。
【0056】
本発明の非限定的実施形態または態様では、本発明は、直接観察することの効率的な代用として取引データを使用することで、列の長さおよび待ち時間を判定することによって、従来の技術のシステム上で改善する。取引履歴データを収集および分析し、機械学習技術を適用することによって、取引の頻度、額、およびタイミングに影響を与える変数を抽出することができる。更に、取引データをフィルタリングして個々の加盟店を分析し、修正された待ち行列理論モデルを適用することによって、説明されるシステムは、ユーザおよび加盟店のために、有用なメトリック、通信、およびフィードバックを生成することができる。追加の通信プロセスを自動化して、待ち時間の推定が異常に低いか、または異常に高い場合、ユーザおよび/または加盟店に、自動的に通知することを可能にすることができ、これにより、更に反応時間を減らし、ユーザおよび/または加盟店が処置を講じる可能性を増大させ、ユーザ販売促進キャンペーンまたは加盟店のサービス時間の有効性を高める。加えて、金融デバイス、POS端末、取引処理サーバ、および通信デバイスの組み合わせまたは下位組み合わせを含む、非限定的実施形態に記載されるネットワークアーキテクチャの固有の配置によって、システムがリアルタイムで動作し、再帰的に改善するためのフィードバックループを作成することが可能になる。
【0057】
図1を特に参照して、本発明の非限定的実施形態または態様において、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するためのシステム100が提供される。システム100では、一人以上のアカウント保有者102が、一つ以上の加盟店104と対話することができる。アカウント保有者102は、加盟店104の(POS)端末108を介して商品および/またはサービスの支払いをするために、取引アカウントと関連付けられた金融デバイス106を使用することによって、加盟店104との取引を完了することができる。当該取引の要求は、アカウント保有者102と加盟店104との間の取引の取引データを保存するための、取引データのデータベース112へ通信接続される、取引処理サーバ110またはシステム100によって受信および処理することができる。取引データには、取引日付、取引時間、加盟店識別、加盟店の場所、取引額、および/または同類のものを含むことができるが、これらに限定されない。取引処理サーバ110は、予測モデリングサーバ114へ通信接続されてもよい。また取引処理サーバ110は、予測モデリングサーバ114と同じサーバであってもよいことも理解されるであろう。予測モデリングサーバ114は、取引データのデータベース112および/または取引処理サーバ110と直接通信して、アカウント保有者102と加盟店104との間の完了した取引の取引データを取得することができる。予測モデリングサーバ114はまた、予測モデルを保存することができるモデルデータベース116にも接続することができる。なお、他の構成が可能であることは理解されるであろう。
【0058】
図1を更に参照すると、本発明の更なる非限定的実施形態または態様では、当該加盟店104と過去に取引を行ったアカウント保有者102を含むことができるユーザ(例えば、見込み顧客)に、予測モデリングサーバ114と通信するように、ユーザアプリケーションプログラミングインターフェース(API)118を提供してもよい。ユーザAPI118を介して、ユーザは、予測モデリングサーバ114からの予測待ち時間データを要求し、当該予測待ち時間データを受信し、ならびに/またはユーザプロファイルと関連付けられた優先傾向および設定を保存することができる。ユーザには、選択元の一つ以上の加盟店104のリストを提示することができ、加盟店リストは、地理的領域、営業時間、加盟店タイプ、商品/サービスタイプ、商品/サービス価格、ユーザとの近さ、および/または同類のものに基づいてフィルタリングすることができる。予測モデリングサーバ114は、加盟店104の選択を受信し、選択された加盟店104について予測待ち時間の推定を生成し、および/またはユーザへ送信することができる。加盟店104にはまた、予測モデリングサーバ114と通信するように、加盟店API120を提供することもできる。加盟店API120を介して、加盟店104は、予測モデリングサーバ114からの予測待ち時間データを要求し、当該予測待ち時間データを受信し、ならびに/または加盟店104のプロファイルと関連付けられた優先傾向および設定を保存することができる。予測モデリングサーバ114は、一つ以上の加盟店104について取引履歴データを使用して、所与の加盟店104のサービス率履歴を判定するだけでなく、所与の加盟店104での顧客の到着率の予測モデルを作成することができる。予測モデルは、少なくとも一つ以上の時間パラメータの入力に対して、到着率の出力を有するように構成される。予測モデルは、一つの加盟店104、加盟店104の一群(例えば、加盟店タイプなど、同様の特性を持つ加盟店)、またはすべての加盟店104に固有なように生成されてもよい。他の構成が可能であることは理解されるであろう。
【0059】
図1を更に参照すると、本発明の更に好ましい非限定的実施形態または態様では、システム100は、取引処理サーバ110および/または予測モデリングサーバ114へ通信接続することができる、通信サーバ122を含んでもよい。また通信サーバ122は、取引処理サーバ110および/または予測モデリングサーバ114と同じサーバであってもよいことも理解されるであろう。通信サーバ122、予測モデリングサーバ114、モデルデータベース116、取引処理サーバ110、および取引データのデータベース112はすべて、取引サービスプロバイダ128と関連付けられ、および/またはそれによって制御されてもよい。通信サーバ122は、ユーザ通信デバイス124および/または加盟店通信デバイス126と通信するように構成される。通信サーバ122からの通信は、ユーザもしくは加盟店104に関連する予測待ち時間の推定に関係するデータ、メッセージ、アラート、通知、および/または同類のものを含んでもよい。一つの非限定的な例では、通信サーバ122は、顧客に対する予測待ち時間の推定および/または到着率が、加盟店104によって加盟店プロファイルに設定される閾値、または待ち時間および/もしくは到着率履歴の最大値として自動的に判定される閾値など、待ち時間および/もしくは到着率の閾値に合致するか、またはそれを超えるアラートを含む、アラートを生成し加盟店104へ送信することができる。更なる非限定的な例によって、通信サーバ122は、一つ以上の加盟店104についての広告を生成し、一人以上のユーザへ送信することができる。広告は、ユーザと宣伝される加盟店104との近さ、低い予測待ち時間の推定値および/もしくは到着率、加盟店104のプロファイルと関連付けられた広告キャンペーン設定、ならびに/または同類のものなど、一つ以上のパラメータに基づいて、通信サーバ122によってトリガーされて自動的に送られ得る。将来の取引行動に影響を与えることを意図するようなやり方で、ユーザおよび加盟店へ通信を送信することによって、システムで再帰的フィードバックが提供されることは理解されるであろう。顧客は、何時が最も列が短いかを学習する可能性がより高く、そのため、列の長さおよび待ち時間の予測不可能性ならびに変動性は減少するであろう。加盟店は、サービス速度が不必要に早いか、または非効率なほど遅い時間に反応する可能性がより高く、それによって更に、列の長さおよび待ち時間の予測不可能性ならびに変動性が減少する。他の構成が可能であることは理解されるであろう。
【0060】
図2を特に参照して、本発明の非限定的実施形態または態様において、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するための方法200が提供される。方法200は、通信サーバ122、予測モデリングサーバ114、取引処理サーバ110、またはそれらの任意の組み合わせによって実行されてもよい。方法200は、ステップ202で、複数の取引アカウントと少なくとも一つの加盟店との間でサンプル時間中に完了した、複数の取引を表す初期取引データを受信することを含む。取引データには、取引日付、取引時間、加盟店識別、加盟店の場所、取引額、および/または同類のものを含むことができるが、これらに限定されない。ステップ204では、訓練データはサンプル時間の各サブ間隔中に生成される。サブ間隔は、1分以上、1時間以上、1日以上、1週間以上、1か月以上、1シーズン以上、または1年以上を単位とすることができる。訓練データは、初期取引データに少なくとも部分的に基づいて生成され、以下、サブ間隔中のサービス率、サブ間隔中の取引の数、サブ間隔中の総取引額、サブ間隔中の平均取引額、年、月、曜日、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含んでもよい。ステップ206では、サンプル時間の訓練データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの時間パラメータ、例えば、一つ以上のサブ間隔を含む入力に対する、到着率の出力を生成する予測モデルが生成される。予測モデルは、一つ以上の加盟店に固有なように生成されてもよい。ステップ208では、一つ以上の加盟店のリストを、選択のためにユーザへ送信することができる。加盟店リストは、地理的領域、営業時間、加盟店タイプ、商品/サービスタイプ、商品/サービス価格、ユーザとの近さ、および/または同類のものを含む、一つ以上のパラメータに基づいて生成またはフィルタリングすることができる。ステップ210では、ユーザによる加盟店リストからの一つ以上の加盟店の選択が受信される。ステップ212では、入力指定時間を受信することができ、これを予測モデルへ入力して、予測待ち時間の推定を生成することができる。入力指定時間は、現在時間、選択された未来の時間、または現在時間と、ユーザの現在の場所から加盟店の場所までの移動時間とから判定される未来の時間から決定されてもよい。多くの構成が可能であることは理解されるであろう。
【0061】
図2を更に参照すると、本発明の更に好ましい非限定的実施形態または態様では、ステップ214で予測モデルを使用して、予測待ち時間が入力指定時間に対して生成される。予測待ち時間の推定は、ステップ216で、指定時間のサービス率に対する、指定時間の列の長さの関係に少なくとも部分的に基づくことができる。更に、指定時間の列の長さは、ステップ218で、開店時間における初期の列の長さと、開店時間から指定時間までの各サブ間隔中の到着率およびサービス率の差とによって、少なくとも部分的に判定することができる。ステップ220では、予測待ち時間の推定を所定の閾値待ち時間と比較することができる。ステップ222では、予測待ち時間の推定と所定の閾値待ち時間との比較に少なくとも部分的に基づいて、通信が生成され、一人以上のユーザおよび/または一つ以上の加盟店へ送信されうる。非限定的な例では、所定の閾値待ち時間は、最小待ち時間である場合があり、通信は、予測待ち時間が最小待ち時間以下である場合に生成され、ユーザへ送信され、ユーザに所与の加盟店に対する短い待ち時間について警告することができる。別の非限定的な例として、所定の閾値待ち時間は、最大待ち時間である場合があり、予測待ち時間が最大待ち時間以上である加盟店に対して、通信を生成および送信することができ、加盟店は、対応するサービス率を上げるように処置を講じる(例えば、別のPOSを起動する、POS端末の操作者へ通信を送る、および/または同類のもの)ことができる。ステップ224では、新しい取引データを受信してもよく、システムによって、新しい取引データに基づいてステップ204~222を繰り返すことができ、そのため、予測モデルは時間経過とともに改善および精緻化される。多くの構成が可能であることは理解されるであろう。
【0062】
[予測モデルの形成および適用]
一つの非限定的な例では、待ち時間を推定するための予測モデルは、直接観察することの代用として取引データを使用することによって、生成することができる。予測モデルを生成する基礎として、μはサービス率を示し、λは到着率を示し、ρは列の長さを示し、ρは間隔開始時の列の長さを示す。したがって、通常の行列の挙動は以下の数1によって表すことができる。
【数1】
【0063】
数1は、到着率からサービス率を差し引くことによって、一間隔における列の長さの変化を求めることができることを示す。それゆえ、任意の所与の間隔単位(例えば、分)nでは、以下の数2によって列の長さを表せる。
【0064】
【数2】
【0065】
数2は、開店時の列の長さに、開店以降の間隔ごとの列の長さの変化を足すことによって、列の長さを求めることができることを示す。多くのモデルでは、開店時の列の長さは、営業日を始めるときの加盟店の初期の列の長さを表す、ゼロとすることができる。それゆえ、時間n後の待ち時間Wは以下の数3によって表すことができる。
【0066】
【数3】
【0067】
数3は、サービス率で割った各間隔の列の長さの合計を、合計時間で割ることによって、待ち時間を求めることができることを示す。実際には、全間隔の平均待ち時間である。
【0068】
一つの非限定的な例では、12か月のサンプル期間にわたる金融取引データを、生成された予測モデル、例えば、機械学習アルゴリズム用の訓練データセット作成のために収集することができる。取引サービスプロバイダによって管理されるシステムでは、金融取引データは、取引処理サーバによって処理された後、取引データのデータベースに保存することができる。未加工の取引データには、取引日付、取引時間、加盟店識別、加盟店の場所、取引額、および/または同類のものなどの情報を含むことができる。未加工の取引データは、訓練データおよびテスト特徴ベクトルを生成するように処理することができる。各特徴ベクトルは、サービス率、曜日、時刻、サブ間隔(例えば、分)での取引数、先行サブ間隔での取引数、サブ間隔での取引額、先行サブ間隔での取引額、加盟店で顧客一人当たりが費やす平均額、および/または同類のものなどのフィールドを含む。曜日は取引日付から直接判定することができ、時刻は取引時間から判定することができる。サブ間隔での取引数は、サブ間隔に含まれる取引日付および取引時間により、取引の数から判定することができる。先行サブ間隔での取引数は、先行サブ間隔に含まれる取引日付および取引時間により、取引の数から判定することができる。サブ間隔での取引額は、サブ間隔に含まれる取引日付および取引時間により、全取引の総取引額から判定することができる。先行サブ間隔での取引額は、先行サブ間隔に含まれる取引日付および取引時間により、全取引の総取引額から判定することができる。加盟店で顧客一人当たりが費やす平均額は、所与の加盟店について、総取引額をすべての取引に対する一意の取引アカウント数で割って求めることができる。特徴ベクトルのこれらのフィールドは、訓練データの独立変数を形成する。多くの構成が可能であることは理解されるであろう。
【0069】
予測モデル(すなわち、機械学習モデル)の訓練用に完全な訓練データセットを生成するには、訓練ラベルセットを生成しなくてはならない。予測モデルは、例えば、線形回帰モデルであってもよく、この場合、特徴ベクトルのデータセットは、線形回帰モデルに対する入力として機能し、到着率が線形回帰モデルの出力であってもよい。訓練ラベルセットの生成には、到着率である、従属変数データの生成が含まれる。これらの訓練ラベルを推定するために、修正したパレート分布モデルなど、到着推定モデルを使用することができる。この非限定的な例では、nが所与の時間に最適な列の長さを示し、tが列の長さnを形成するのにかかる時間である場合、修正したパレート分布を適用することによって、列のサイズの半分であるn/2は、時間間隔の平方根「√t」の間に構築されるといえる。その後、これを使用して、到着率をモデル化することができる。大部分の顧客は、列が成長する最初の部分で列に加わり、その後、列の長さが再び短くなるまで、新規の到着数は減少し続けるため、修正したパレート分布によって、到着率のモデル化に対する適合が改善される。これは、人には待ち時間が少なく、および/または列の長さが短い列に惹かれる傾向があるためである。それゆえ列が短いと、より多くの人が加わるが、待ち時間および/または列の長さが相当なものになると、人は列に加わるのを躊躇する。状況によっては、待ち時間が長すぎる場合、列を放棄する人が出てくる場合もある。サービスまたは放棄のいずれかによって、列の長さが再び減少すると、新しく列に加わる人の数がもう一度増加し始める。実際の人間の行動により正確に合致する、このサイクルを繰り返すと、予測モデルの変動が生じる。
【0070】
上記を考慮して、予測モデルの生成には、サービス率の判定を含んでもよい。サービス率は、単位時間当たりのサービス(例えば、1分当たりのサービス)を受ける人数として表される場合がある。一つの非限定的な例では、サービス率は、1分間の取引の数を直接計算することによって求めることができる。別の非限定的な例によれば、サービス率は、所与の加盟店について、ある間隔(例えば、分)の取引総額を、一人当たりの平均(例えば、平均値、中央値、最頻値)費用で割ることによって求めることができ、これによって、その間隔中にサービスを受けたおおよその人数が提供される。これを、複数の間隔(例えば、5分)にわたるこれらの近似値の平均化と組み合わせて、分散を低減することができる。最後に、サンプルデータが、所与の取引サービスプロバイダと提携する取引アカウントを捕捉するのみなど、取引アカウントの集団全体の一部分のみを捕捉することが分かっている場合、集団全体に対する待ち時間は、取引サービスプロバイダの市場占有率に基づいて、推定を増減させることによって推定することができる。例えば、取引サービスプロバイダが処理する取引が、すべての金融取引のうちの70%を占める場合、一つの時間間隔当たりに完了した取引の推定数は、0.70で割ることによって増大することができる。
【0071】
上記のサービス率推定プロセスと組み合わせた、上記の到着推定モデルを使用して、予測モデル、例えば、線形回帰モデルを生成することができる。未来の指定時間について予測待ち時間を生成するには、未来の指定時間がどんな状態であるかを最も近く概算する、テスト特徴ベクトル(入力)を準備する。取引履歴データが既に収集されているため、特徴ベクトルは、同じ平日、同月、月の同じ週、および/または同類のものに発生した取引に基づいて生成できる。到着率およびサービス率を導き出す上記の方法を使用して、線形回帰予測モデルをテスト取引データに適用した例示的出力を、図3および4に示す。図3は、上に示した数1および数2によって求められる、予測される列の長さを示す。図示されるように、本明細書で説明される方法によって、実際の列の長さと非常に相関性が高い、より分散の少ない列の長さの推定が生み出される。さらに、図4は、上に示した、予測モデルと数3の結果との最終出力である、予測待ち時間を示す。図示されるように、本明細書で説明される方法によって、実際の待ち時間と非常に相関性が高い、より分散の少ない待ち時間の推定が生み出される。他の構成が可能であることは理解されるであろう。
【0072】
本発明は、現在最も実用的で好ましい非限定的実施形態とみなされるものに基づいて、例示目的のため詳細に説明されているものの、そのような詳細はその目的に限られ、本発明は、開示される実施形態に限定されないが、それに対して、添付された特許請求の範囲の精神および範囲内にある、修正ならびに同等の構成をカバーすることを意図することは理解されるものとする。例えば、本発明が、可能な限り任意の実施形態の一つ以上の特徴を、任意の他の実施形態の一つ以上の特徴と組み合わせることができると企図することは理解されるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る方法、システム、ならびにコンピュータプログラム製品によれば、予測モデリングを使用して予測待ち時間の推定を生成および適用するための改善を図ることができる。従って、本発明は、顧客の到着、出発、およびサービスを直接観察する必要のない待ち時間推定モデルへのニーズに応えることができる。
【符号の説明】
【0074】
100 システム
102 アカウント保有者
104 加盟店
106 金融デバイス
108 (POS)端末
110 取引処理サーバ
112 データベース
114 予測モデリングサーバ
116 モデルデータベース
118 ユーザ(API)
120 加盟店API
122 通信サーバ
124 ユーザ通信デバイス
126 加盟店通信デバイス
128 取引サービスプロバイダ
図1
図2
図3
図4