(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】凝固点抑制サイクル制御のシステム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
F28D 20/02 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
F28D20/02 Z
F28D20/02 E
(21)【出願番号】P 2020544525
(86)(22)【出願日】2019-02-23
(86)【国際出願番号】 US2019019323
(87)【国際公開番号】W WO2019165328
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-14
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516388311
【氏名又は名称】リバウンド テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】REBOUND TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドファーブムレン,ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】エリックソン,ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,ジョシュ
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特表昭58-501577(JP,A)
【文献】特開2002-333170(JP,A)
【文献】特開2007-038147(JP,A)
【文献】特開平11-264681(JP,A)
【文献】特開昭63-161333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0102672(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0199753(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝固点抑制サイクル制御の方法であって、
凝固点抑制剤と固体を組み合わせてタンク内で希釈凝固点抑制剤を形成するステップであって、前記凝固点抑制剤は前記固体を融解して液体を形成する、前記希釈凝固点抑制剤を形成するステップと、
前記液体を
前記タンクから第1のセンサにポンピングするステップと、
前記液体の凝固点抑制剤特性の指標値を、前記第1のセンサを利用して測定するステップと、
少なくとも前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への前記液体の流れを制御するステップであって、前記分離器は前記液体から濃縮凝固点抑制剤を形成する、前記制御するステップと、
前記分離器を利用して前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成するステップであって、前記濃縮凝固点抑制剤における前記凝固点抑制剤の濃度は、前記希釈凝固点抑制剤における前記凝固点抑制剤の濃度よりも高い、前記濃縮凝固点抑制剤を形成するステップと、
前記測定された前記液体の凝固点抑制剤特性の指標値に基づいて、前記濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定するステップと、
前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を、第2のセンサを利用して測定するステップと、
少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値、及び前記濃縮凝固点抑制剤の前記測定されたターゲット特性値に基づき、前記流れ制御装置を利用して、前記分離器への前記液体の流れを更に制御するステップと、
前記濃縮凝固点抑制剤を前記分離器から前記タンクに流すステップと、
前記分離器によって前記液体から分離された液体水から形成された固体と前記濃縮凝固点抑制剤を前記タンク内で組み合わせるステップであって、前記濃縮凝固点抑制剤は、前記分離器によって前記液体から分離された前記液体水から形成された前記固体を融解する、前記組み合わせるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第1のセンサを利用して、前記液体の温度値を測定することを含み、
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第2のセンサを利用して、前記濃縮凝固点抑制剤の温度値を測定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第1のセンサを利用して、前記液体の分光的特徴を測定することを含み、
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第2のセンサを利用して、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第1のセンサを利用して、前記液体の温度を測定することを含み、
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第2のセンサを利用して、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記分離器は蒸留容器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分離器は少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値として、少なくとも、前記液体の濃度値、前記液体の密度値、前記液体の伝導率値、前記液体のキャパシタンス値、前記液体の屈折率値、前記液体の温度値、前記液体の圧力値、前記液体の熱容量値、前記液体の凝固点値、又は前記液体の沸点値がある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記濃縮凝固点抑制剤の前記ターゲット特性値として、少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の濃度値、前記濃縮凝固点抑制剤の密度値、前記濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、前記濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、前記濃縮凝固点抑制剤の温度値、前記濃縮凝固点抑制剤の圧力値、前記濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は前記濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値として、少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の濃度値、前記濃縮凝固点抑制剤の密度値、前記濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、前記濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、前記濃縮凝固点抑制剤の温度値、前記濃縮凝固点抑制剤の圧力値、前記濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は前記濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記分離器を利用して前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成する前記ステップは、少なくとも、
前記液体から前記凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は
前記液体から前記融解した固体の少なくとも一部を分離すること
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記流れ制御装置は、前記蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記制御装置と結合された制御弁に前記濃縮凝固点抑制剤を流すステップを更に含み、前記制御装置は、前記融解した固体を再形成する為に、少なくとも、前記蒸留容器からの前記濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は前記蒸留容器からの液体の流れを制御する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
凝固点抑制サイクル制御システムであって、
凝固点抑制剤を固体と組み合わせて前記固体を融解し、希釈凝固点抑制剤を含む液体を形成するタンクと、
前記液体を前記タンクから少なくとも第1のセンサ又は流れ制御装置に送達するポンプと、
前記液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置された前記第1のセンサであって、前記液体は、前記融解した固体と前記凝固点抑制剤の混合物を含む、前記第1のセンサと、
分離器への前記液体の流れを制御する前記流れ制御装置と、
前記第1のセンサと前記流れ制御装置とに結合された制御装置であって、前記制御装置は、少なくとも前記液体の凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値に基づき、前記流れ制御装置を利用して、前記分離器への前記液体の流れを制御する、前記制御装置と、
前記分離器であって、前記液体から濃縮凝固点抑制剤を形成する前記分離器と、
前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置された第2のセンサであって、前記制御装置と結合されている前記第2のセンサと、を含み、
前記タンクは、前記分離器からの前記濃縮凝固点抑制剤を、前記分離器によって前記液体から分離された液体水から形成された固体と組み合わせ、前記濃縮凝固点抑制剤は、前記分離器によって前記液体から分離された前記液体水によって形成された前記固体を融解する、
システム。
【請求項14】
前記第1のセンサは温度センサを含み、前記第2のセンサは温度センサを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のセンサは分光計を含み、前記第2のセンサは屈折計を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のセンサは温度センサを含み、前記第2のセンサは屈折計を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記分離器は蒸留容器を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記分離器は少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御装置は、前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値を利用して、前記濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定する、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御装置は、少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値、又は前記濃縮凝固点抑制剤の前記測定されたターゲット特性値に基づき、前記流れ制御装置を利用して、前記分離器への前記液体の流れを制御する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記分離器は、少なくとも、
前記液体から前記凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は
前記液体から前記融解した固体の少なくとも一部を分離すること
によって前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記流れ制御装置は、前記蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記流れ制御装置は更に、前記制御装置と結合された制御弁を含み、前記制御装置は、前記融解した固体を再形成する為に、少なくとも、前記蒸留容器からの前記濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は前記蒸留容器からの液体の流れを制御する、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国政府のライセンス権
本発明は、全米科学財団により授与された契約1533939に基づく米国政府の支援によりなされましたものである。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明は、凝固点抑制サイクル制御のシステム、方法、及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷却及び/又はヒートポンプには様々なツール及び技術が利用可能である。性能及び/又は効率を高めることが可能な新しいツール及び技術が必要であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の技術における問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態によれば、凝固点抑制サイクル制御の方法、システム、及び装置が提供される。幾つかの実施態様は、冷却及びヒートポンプの分野で適用可能である。幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクルの制御に関係する。特に、幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクルが熱吸収可能になりうる温度を制御することに重点を置く。
【0005】
例えば、幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクル制御の方法を含む。本方法は、液体を第1のセンサに流すステップを含んでよく、液体は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含んでよい。本方法は、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を、第1のセンサを利用して測定するステップを含んでよい。本方法は、少なくとも液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れを制御するステップを含んでよく、分離器は液体から濃縮凝固点抑制剤を形成してよい。
【0006】
幾つかの実施形態では、本方法は更に、液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づいて濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定するステップ、第2のセンサを利用して、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップ、及び/又は、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の測定された指標値、及び濃縮凝固点抑制剤の測定されたターゲット特性値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れを更に制御するステップを含んでよい。
【0007】
幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第1のセンサを利用して液体の温度値を測定することを含み、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第2のセンサを利用して濃縮凝固点抑制剤の温度値を測定することを含み、第1のセンサとして温度センサがあってよく、第2のセンサとして温度センサがあってよい。幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第1のセンサを利用して液体の分光的特徴を測定することを含み、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第2のセンサを利用して濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含み、第1のセンサとして分光計があってよく、第2のセンサとして屈折計があってよい。幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第1のセンサを利用して液体の温度を測定することを含み、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第2のセンサを利用して濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含み、第1のセンサとして温度センサがあってよく、第2のセンサとして屈折計があってよい。
【0008】
幾つかの実施形態は、液体をタンクから第1のセンサにポンピングするステップを含んでよく、液体は、タンクにおいて、凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて融解した固体を形成することによって形成されてよい。幾つかの実施形態は、分離器を利用して液体から濃縮凝固点抑制剤を形成するステップを含んでよい。幾つかの実施形態は、濃縮凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて液体の一部を形成するステップを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、分離器は蒸留容器を含む。分離器は、少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含んでよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値として、少なくとも、液体の濃度値、液体の密度値、液体の伝導率値、液体のキャパシタンス値、液体の屈折率値、液体の温度値、液体の圧力値、液体の熱容量値、液体の凝固点値、又は液体の沸点値がある。幾つかの実施形態では、濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値として、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の濃度値、濃縮凝固点抑制剤の密度値、濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、濃縮凝固点抑制剤の温度値、濃縮凝固点抑制剤の圧力値、濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある。幾つかの実施形態では、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値として、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の濃度値、濃縮凝固点抑制剤の密度値、濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、濃縮凝固点抑制剤の温度値、濃縮凝固点抑制剤の圧力値、濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある。
【0011】
幾つかの実施形態では、分離器を利用して液体から濃縮凝固点抑制剤を形成するステップは、少なくとも、液体から凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は液体から、融解した固体の少なくとも一部を分離することを含む。幾つかの実施形態では、流れ制御装置は、蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む。幾つかの実施形態は、制御装置と結合された制御弁に濃縮凝固点抑制剤を流すステップを含み、制御装置は、融解した固体を再形成する為に、少なくとも、蒸留容器からの濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は蒸留容器からの液体の流れを制御する。
【0012】
幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクル制御システムを含む。本システムは第1のセンサを含んでよく、第1のセンサは、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置されており、液体は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含んでよい。本システムは流れ制御装置を含んでよく、流れ制御装置は、分離器への液体の流れを制御する。本システムは、第1のセンサと流れ制御装置とに結合された制御装置を含んでよく、制御装置は、少なくとも液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れを制御してよい。本システムの幾つかの実施形態は第2のセンサを含んでよく、第2のセンサは、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置されており、第2のセンサは制御装置と結合されてよい。
【0013】
本システムの幾つかの実施形態では、第1のセンサは温度センサを含み、第2のセンサは温度センサを含む。幾つかの実施形態では、第1のセンサは分光計を含み、第2のセンサは屈折計を含む。幾つかの実施形態では、第1のセンサは温度センサを含み、第2のセンサは屈折計を含む。
【0014】
本システムの幾つかの実施形態は、少なくとも第1のセンサ又は流れ制御装置に液体を送達するポンプを含む。幾つかの実施形態は分離器を含み、分離器は、液体から濃縮凝固点抑制剤を形成することが可能である。分離器は蒸留容器を含んでよい。分離器は、少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含んでよい。本システムの幾つかの実施形態は、濃縮凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて液体の一部を形成する混合タンクを含む。
【0015】
本システムの幾つかの実施形態では、制御装置は、液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値を利用して、濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定する。幾つかの実施形態では、制御装置は、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の測定された指標値、及び濃縮凝固点抑制剤の測定されたターゲット特性値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れを制御する。
【0016】
本システムの幾つかの実施形態では、分離器は、少なくとも、液体から凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は液体から、融解した固体の少なくとも一部を分離することによって、液体から濃縮凝固点抑制剤を形成する。幾つかの実施形態では、流れ制御装置は、蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む。流れ制御装置は更に、制御装置と結合された制御弁を含んでよく、制御装置は、融解した固体を再形成する為に、少なくとも、蒸留容器からの濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は蒸留容器からの液体の流れを制御する。
【0017】
幾つかの実施形態は、本明細書に記載され、且つ/又は図面に示される方法、システム、及び/又は装置を含む。
【0018】
上記では、この後の詳細説明がよりよく理解されるように、本開示による実施形態の特徴及び技術的利点について、どちらかと言えば大まかに概説した。以下では更なる特徴及び利点について説明する。開示される概念及び具体的な実施形態は、本開示の同じ目的を実施する為の修正や他の構造の設計のベースとして容易に利用可能である。そのような等価な構築物は、添付の特許請求項の趣旨及び範囲から逸脱するものではない。本明細書に開示の概念の特徴であると考えられる各特徴については、それらの構成及び動作方法の両面に関して、関連付けられる利点とともに、以下の説明を添付図面と関連させて考察することにより、よりよく理解されるであろう。各図面は例示及び説明のみを目的としており、特許請求項の範囲を規定するものではない。
【0019】
以下の図面を参照することで、様々な実施形態の特性及び利点の更なる理解が可能であろう。添付図面では、類似の構成要素又は特徴に同じ参照ラベルを付けている場合がある。更に、同じタイプの様々な構成要素を、参照ラベルの後にダッシュと、類似構成要素同士を区別する第2のラベルとを付けて区別している場合がある。本明細書では、第1の参照ラベルのみを使用する場合、その記述は、第2の参照ラベルに関係なく、第1の参照ラベルが同じである全ての類似構成要素に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図2A】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図2B】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図2C】様々な実施形態による制御ロジックを示す図である。
【
図3A】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図3B】様々な実施形態による制御ロジックを示す図である。
【
図4A】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図4B】様々な実施形態による制御ロジックを示す図である。
【
図5A】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図5B】様々な実施形態による一システムを示す図である。
【
図5C】様々な実施形態による制御ロジックを示す図である。
【
図6A】様々な実施形態による特性アルゴリズムグラフを示す図である。
【
図6B】様々な実施形態による特性アルゴリズムグラフを示す図である。
【
図6C】様々な実施形態による特性アルゴリズムグラフを示す図である。
【
図6D】様々な実施形態による特性アルゴリズムグラフを示す図である。
【
図7A】様々な実施形態による一方法のフロー図である。
【
図7B】様々な実施形態による一方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書は実施形態を提供するが、本開示の範囲、適用可能性、又は構成を限定するものではない。むしろ、以下の説明は、本開示の実施形態の実施を可能にする説明を当業者に提供する。各要素の機能及び配置において様々な変更がなされてよい。
【0022】
従って、様々な実施形態が、必要に応じて様々な手続きや構成要素を省略したり、置き換えたり、追加したりしてよい。例えば、当然のことながら、方法は、説明された順序と異なる順序で実施されてよく、様々な段階が追加されたり、省略されたり、組み合わされたりしてよい。更に、特定の実施形態に関して説明された態様及び要素が、他の様々な実施形態において組み合わされてよい。更に当然のことながら、以下のシステム、装置、及び方法は、個別又は集合的に、より大きなシステムの構成要素であってよく、その場合は、他の手続きがそれらの適用よりも優先されてよく、そうでなければそれらの適用を変更してよい。
【0023】
様々な実施形態によれば、凝固点抑制サイクル制御の方法、システム、及び装置が提供される。幾つかの実施態様は、冷却及びヒートポンプの分野で適用可能である。幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクルの制御に関係する。特に、幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクルが熱吸収可能になりうる温度を制御することに重点を置く。
【0024】
幾つかの実施形態は、凝固点抑制サイクル内の低温の制御を提供する。幾つかの実施形態は、制御装置と結合された複数の構成要素の統合を含み、制御装置は、電子信号及び自動制御ループによりサイクル温度を自動制御することが可能である。
【0025】
幾つかの実施形態は、低濃度側センサ、流れ変調器、及び制御装置を含む。幾つかの実施形態は更に、高濃度側センサ及び1つ以上のポンプを含んでよい。
【0026】
制御装置(例えば、プロセッサ)は、1つ以上の構成要素から1つ以上の信号を受信してよく、1つ以上の構成要素に信号を送信してよく、それらの信号によって、例えば、凝固点抑制サイクルの混合タンク内の有効温度が維持されることが可能である。この温度は、具体的には、凝固点抑制サイクルで使用される固体の融点を下回っていれば有効であるとされてよい。幾つかの実施形態では、制御装置の目標は、ユーザ入力される、サイクルで使用される固体の純粋凝固点よりはるかに低い温度を維持することであってよく、これによって、純粋凝固点と、固体及び凝固点抑制剤の混合物によって与えられる凝固点との温度差による有効な冷却が行われることが可能である。
【0027】
制御装置によって用いられる物理プロセスは、分離システムを通る流れを変調することを含んでよく、これによって、混合タンク内の濃度を維持する為に凝固点抑制剤を濃縮することが可能である。これを目的として、制御装置は、(例えば、分離システムを適切に動作させて低温を維持する為の)サイクルの低濃度側及び高濃度側の条件を取り込んでよい。
【0028】
ここで
図1を参照すると、様々な実施形態によるシステム100が示されている。システム100は、凝固点抑制サイクル制御システムと呼ばれることがある。システム100は第1のセンサ108を含んでよく、第1のセンサ108は、液体113の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置されており、液体113は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含んでよい。システム100は流れ制御装置110を含んでよく、流れ制御装置110は、分離器117への液体113の流れを制御することに利用されてよい。システム100は、第1のセンサ108と流れ制御装置110とに結合された制御装置112を含んでよく、制御装置112は、少なくとも液体113の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づき、流れ制御装置110を利用して、分離器117への液体113の流れを制御してよい。幾つかの実施形態では、制御装置112は1つ以上のプロセッサを含んでよい。制御装置112は、様々な構成で(例えば、物理接続又は無線接続を介して)信号の送信及び/又は受信を行うことが可能なように、第1のセンサ108及び流れ制御装置110と結合されてよい。流れ制御装置110は、センサ108と分離器117の間に配置されているように図示されてよいが、システム100の他の場所に配置されてもよく、例えば、(例えば、分離器117に関連付けられた流れを制御する為に)分離器117とセンサ106の間に配置されてよく、分離器117の一部として配置されてもよい。
【0029】
システム100の幾つかの実施形態は第2のセンサ106を含み、第2のセンサ106は、濃縮凝固点抑制剤114の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置されており、第2のセンサ106は制御装置112と結合されてよい。幾つかの実施形態では、第1のセンサ108は温度センサを含み、第2のセンサ106は温度センサを含む。幾つかの実施形態では、第1のセンサ108は分光計を含み、第2のセンサ106は屈折計を含む。幾つかの実施形態では、第1のセンサ108は温度センサを含み、第2のセンサ106は屈折計を含む。幾つかの実施形態では、第1のセンサ108及び/又は第2のセンサ106として利用可能なセンサとして、例えば、温度、スペクトル、屈折率、密度、濃度、伝導率、キャパシタンス、圧力、熱容量、凝固点、及び/又は沸点を測定するか測定することを推進するように構成されたセンサの組み合わせ又は順列があってよい。
【0030】
システム100の幾つかの実施形態は、少なくとも第1のセンサ108又は流れ制御装置110に液体113を送達するように構成されたポンプを含む。液体113は、希釈凝固点抑制剤と呼ばれることもある。幾つかの実施形態は、液体113から濃縮凝固点抑制剤114を形成するように構成された分離器117を含んでよい。幾つかの実施形態では、分離器117は、少なくともサーマル分離器又はメカニカル分離器を含む。幾つかの実施形態では、分離器117は蒸留容器を含み、例えば、分離器117は蒸留塔を含んでよい。幾つかの実施形態では、分離器として、開放ケトルボイラ、再循環プレートボイラ及び分離器、及び/又は不規則充填式蒸留塔等が利用されてよい。
【0031】
分離器117は様々な分離ツール及び分離技術を利用してよく、そのようなものとして、逆浸透、ナノ濾過、フォトニック駆動沈殿、化学反応による沈殿、溶解度変化による沈殿、界面活性剤吸収、イオン交換、活性炭吸収、フラッシュ分離、蒸留、多重効用蒸留、蒸気圧縮蒸留、蒸発、膜蒸留、及び/又はガス透過性膜分離があり、これらに限定されない。幾つかの実施形態は、濃縮凝固点抑制剤114と固体とを組み合わせて液体113の一部を形成するように構成された混合タンクを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、制御装置112は更に、液体113の凝固点抑制剤特性の測定された指標値を利用して、濃縮凝固点抑制剤114のターゲット特性値を測定するように構成されている。幾つかの実施形態では、制御装置112は、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤114の凝固点抑制剤特性の測定された指標値、及び/又は濃縮凝固点抑制剤114の測定されたターゲット特性値に基づき、流れ制御装置110を利用して、分離器117への液体113の流れを制御するように構成される。
【0033】
システム100の幾つかの実施形態では、液体113の凝固点抑制剤特性の指標値として、少なくとも、液体の濃度値、液体の密度値、液体の伝導率値、液体のキャパシタンス値、液体の屈折率値、液体の温度値、液体の圧力値、液体の熱容量値、液体の凝固点値、又は液体の沸点値がある。幾つかの実施形態では、濃縮凝固点抑制剤114のターゲット特性値として、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の濃度値、濃縮凝固点抑制剤の密度値、濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、濃縮凝固点抑制剤の温度値、濃縮凝固点抑制剤の圧力値、濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある。幾つかの実施形態では、濃縮凝固点抑制剤114の凝固点抑制剤特性の指標値として、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の濃度値、濃縮凝固点抑制剤の密度値、濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、濃縮凝固点抑制剤の温度値、濃縮凝固点抑制剤の圧力値、濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある。幾つかの実施形態では、これらの特性に関して他の指標値を利用してよい。
【0034】
一般に、凝固点抑制剤として、水、アルコール、イオン液体、アミン、アンモニア、塩、非塩可溶固体、有機液体、無機液体、トリエチルアミン、シクロヘクソプリジン、混和性物質の混合物、及び/又は不混和性物質の界面活性剤安定化混合物があってよく、これらに限定されない。融解した固体は、全体又は一部が固形である水、有機物質、イオン液体、無機物質、及び/又はDMSO等であってよい固体(これらに限定されない)から形成されてよい。
【0035】
当業者であれば理解されるように、この実施形態は、制御アーキテクチャのシンプルな実施形態を表すものと考えられてよい。様々な実施形態によれば、複数タイプのセンサ、重複センサ、及び/又は重複する流れ変調方法を追加することによって、全体性能を向上させることが可能である。更に、提示される実施形態は、全般的には、制御アーキテクチャが様々なタイプのセンサ及び様々なタイプの分離機器とともにどのように動作しうるかを示している。従って、実施形態は、1つのタイプの分離機器、又は1つのタイプのセンサだけを有するシステムに限定されない。
【0036】
図2Aは、様々な実施形態によるシステム100-aを示す。
図2Aのシステム100-aは、
図1のシステム100の一例であってよい。混合容器101が固体102及び液体103を保持してよく、これは、融解した固体と凝固点抑制剤との混合物であってよい。液体103は、混合容器101(概してタンクと呼ばれることもある)からポンプ104によって希釈混合物113-a(概して液体、又は希釈凝固点抑制剤と呼ばれることがある)として抽出されてよい。ポンプ104は、制御装置112-aからの電子信号105に基づいて液体113-aの流れを生成してよい。液体113-aがこの管路を流れていてよい場合、液体113-aはセンサ108-aを通って流れてよく、センサ108-aの役割は、液体113-aの凝固点特性の指標値を制御装置112-aに報告することであってよい。この指標値は電子信号109によって送信されてよく、電子信号109は有線信号でも無線信号でもよい。液体113-aは、その後、分離システム115に流れてよく、そこでは、液体113-aは流れ制御装置110-aと相互作用してよく、流れ制御装置110-aは、電子信号111による制御装置112-aの制御下でその流れを規定してよい。なお、流れ制御装置110-aは分離システム115の一部として図示されてよいが、実施形態によっては分離システム115とは別個であってよい。この規定された流れにおいて、分離システム115は、分離器117-aにより、混合物113-aを、純粋な、又はより高純度の液体116と濃縮凝固点抑制剤114-aとに適切に分離することが可能であってよく、液体116は、実施形態によっては、再凝固して固体102になってよく、濃縮凝固点抑制剤114-aは分離システム115から出て第2のセンサ106-aに流入してよく、第2のセンサ106-aは、濃縮凝固点抑制剤114-aの凝固点特性の指標値を電子信号107によって制御装置112-aに報告してよい。幾つかの実施形態では、液体116は希釈凝固点抑制剤であってよい。濃縮凝固点抑制剤114-aは、高濃度側センサ106-aを通過した後、タンク101に戻ってよい。一般に、電子信号105、107、109、及び/又は111は、有線信号でも無線信号でもよい。
【0037】
図2Bは、凝固点抑制制御アーキテクチャの一特定実施形態であってよいシステム100-bを示しており、これは、単一速度ポンプ104-a、2つの温度センサ108-b、106-b、及び制御弁110-bを含んでよい。
図2Bのシステム100-bは、
図1のシステム100又は
図2Aのシステム100-aの一例であってよい。混合容器101-aが固体102-a及び液体103-aを保持してよく、これは、融解した固体と凝固点抑制剤との混合物であってよい。液体103-aは、混合容器101-a(タンクと呼ばれることもある)から単一速度ポンプ104-aによって希釈混合物113-b(液体と呼ばれることがある)として抽出されてよい。ポンプ104-aは、制御装置112-bからの電子信号105-aに基づいて液体113-b(液体103-aと考えられてもよい)の流れを生成してよい。液体がこの管路を流れていてよい場合、液体は温度センサ108-bを通って流れてよく、温度センサ108-bの役割は、液体113-bの温度を制御装置112-bに報告することであってよい。この、液体113-bの凝固点抑制剤特性の指標値は、電子信号109-aによって送信されてよい。液体113-bは、その後、分離システム115-aに流れてよく、そこでは、液体113-bは制御弁110-bと相互作用してよく、制御弁110-bは、電子信号111-aによる制御装置112-bの制御下でその流れを規定してよい。この規定された流れにおいて、分離システム115-a(この実施形態では蒸留容器117-bを含んでよい)は、混合物を、純粋な、又はより高純度の液体116-aと濃縮凝固点抑制剤114-bとに適切に分離することが可能であってよく、液体116-aは、実施形態によっては、再凝固して固体102-aになってよく、実施形態によっては、液体116-aは希釈凝固点抑制剤を含んでよい。濃縮凝固点抑制剤114-bは蒸留容器117-bから出て第2の温度センサ106-bに流入してよく、第2のセンサ106-bは、温度を電子信号107-aによって制御装置112-bに報告してよく、この温度は、濃縮凝固点抑制剤114-bの凝固点抑制剤特性の指標値であってよい。濃縮凝固点抑制剤114-bは、高濃度側センサ106-bを通過した後、タンク101-aに戻ってよい。
【0038】
図2Cは、様々な実施形態(例えば、
図2Bのシステム100-b)の凝固点抑制サイクルを制御する為に制御アーキテクチャによって使用可能な制御ロジック150を示す。例えば、
図2Bのシステム100-bに関して実施された場合、温度センサ108-bは、温度値を電子信号109-aによって制御装置112-bに報告してよい。受信された温度信号は、ポンプ104-aが動作しているべきかどうかを判断する為に使用されてよい。この判断の結果として電子信号105-aがポンプ104-aに送信されてよい。温度信号は、制御装置112-bが、濃度値121を返すことが可能な特性ベースアルゴリズム122を使用して解釈してもよい。この濃度値121は、その後、第2の特性ベースアルゴリズム123にフィードされてよく、アルゴリズム123は主比例積分形微分制御ループ118にターゲット情報120を返すことが可能である。このループは、第2の温度センサ106-bからのフィードバック制御を利用してよく、フィードバック制御は、電子信号107-aによって送信されてよく、特性ベースアルゴリズム119を使用して解釈されてよい。この制御ループの結果として電子信号111-aが制御弁110-bに送信されてよく、これによって、混合容器の入口においてターゲット濃度を達成する為に、蒸留容器への希釈凝固点抑制剤の流れが変調されてよく、その設備の正常動作が維持されることが可能である。
【0039】
図3Aは、凝固点抑制制御アーキテクチャの為のシステム100-cを示しており、これは、可変速度ポンプ104-b、分光計108-c、屈折計106-c、及び制御装置112-cを含んでよい。
図3Aのシステム100-cは、
図1のシステム100及び/又は
図2Aのシステム100-aの一例であってよい。混合容器101-b(タンクと呼ばれることもある)が固体102-b及び液体103-bを保持してよく、これは、融解した固体と凝固点抑制剤との混合物であってよい。液体103-bは、タンク101-bから可変速度ポンプ104-bによって希釈混合物113-c(液体と呼ばれることがある)として抽出されてよい。ポンプ104-bは、制御装置112-cからの電子信号105-bに基づいて液体113-bの流れを生成してよく、或いは生成しなくてよいが、この信号105-bはポンプの速度の設定を必ずしも行わなくてよい。液体113-cがこの管路を流れていてよい場合、液体113-cは分光計センサ108-cを通って流れてよく、分光計センサ108-cの役割は、液体113-cの分光的特徴を制御装置112-cに報告することであってよい。この指標値は電子信号109-bによって送信されてよい。液体113-cは、その後、分離システム115-bに流れてよく、そこでは液体113-cの流量がモータ速度制御装置110-cによって規定されてよく、モータ速度制御装置110-cは、電子信号130をポンプ104-bの可変速度モータに送信してよく、分離システム115-bを通る液体113-cの流量を設定してよい。この流れ制御において、分離システム115-b(この実施形態では蒸留容器117-cを含んでよい)は、混合物を、純粋な、又はより高純度の液体116-bと濃縮凝固点抑制剤114-cとに適切に分離することが可能であってよく、液体116-bは、実施形態によっては、再凝固して固体102-bになってよく、実施形態によっては、液体116-bは希釈凝固点抑制剤を含んでよい。濃縮凝固点抑制剤114-cは、蒸留容器117-cから出て屈折計106-cに流入してよく、屈折計106-cは屈折率を電子信号107-bによって制御装置112-cに報告してよい。濃縮凝固点抑制剤114-cは、高濃度側センサ106-cを通過した後、タンク101-bに戻ってよい。
【0040】
図3Bは、様々な実施形態(例えば、
図3Aのシステム100-c)の凝固点抑制サイクルを制御する為に制御アーキテクチャによって使用可能な制御ロジック150-aを示す。例えば、
図3Aのシステム100-cに関して実施された場合、分光計108-cは、分光信号を電子信号109-bによって制御装置112-cに報告してよい。受信された分光信号は、特性ベースアルゴリズム122-aを使用して解釈されてよく、濃度値121-aを生成してよい。この濃度値121-aは、混合容器の温度、並びにポンプ104-bをオンにすべきかオフにすべきかを判定する為に、別の特性ベースアルゴリズム126によって使用されてよい。この判定は、電子信号105-bに取り込まれてよく、ポンプ104-bに送信されてよい。更に、この濃度値121-aは、その後、第2の特性ベースアルゴリズム123-aにフィードされてよく、アルゴリズム123-aは主比例積分形微分制御ループ118-aにターゲット情報120-aを返すことが可能である。このループ118-aは、屈折計センサ106-cからのフィードバック制御を含んでよく、フィードバック制御は、電子信号107-bによって送信されてよく、特性ベースアルゴリズム119-aを使用して解釈されてよい。この制御ループ118-aの結果として電子信号111-bが速度制御装置110-cに送信されてよく、これによって、混合容器の入口においてターゲット濃度を達成する為に、蒸留容器への希釈凝固点抑制剤の流れが可変速度ポンプ104-bによって変調されてよく、その設備の正常動作が維持されることが可能である。
【0041】
図4Aは、凝固点抑制制御アーキテクチャの為のシステム100-dの一実施形態を示しており、これは、単一速度ポンプ104-c、温度センサ108-d、屈折計106-d、及び制御弁110-dを含んでよい。
図4Aのシステム100-dは、
図1のシステム100及び/又は
図2Aのシステム100-aの一例であってよい。混合容器101-c(タンクと呼ばれることがある)が固体102-c及び液体103-cを保持してよく、これは、融解した固体と凝固点抑制剤との混合物であってよい。液体103-cは、タンク101-cから単一速度ポンプ104-cによって希釈混合物113-d(液体103-cの一部であってよい)として抽出されてよい。ポンプ104-cは、制御装置112-dからの電子信号105-cに基づいて液体113-dの流れを生成してよい。液体113-dがこの管路を流れている場合、液体113-dは温度センサ108-dを通って流れてよく、温度センサ108-dの役割は、液体113-dの温度を制御装置112-dに報告することであってよい。この指標値は電子信号109-cによって送信されてよい。液体113-dは、その後、分離システム115-cに流れてよい。液体113-dは、制御弁110-dと相互作用する前にまず逆浸透膜117-dを通ってよく、逆浸透膜117-dでは高圧下で液体113-dが、適切に濃縮された凝固点抑制剤114-dと、純粋な、又はより高純度の液体116-cとに分離されてよく、凝固点抑制剤114-dは、実施形態によっては、再凍結されて固体102-cを形成してよく、液体116-cは、実施形態によっては、希釈凝固点抑制剤を含んでよい。圧力は制御弁110-dによって維持されてよく、制御弁110-dは電子信号111-cによって制御されてよい。適切に濃縮された凝固点抑制剤114-dは、その後、屈折計106-dを通り抜けて混合容器101-cに戻ってよく、屈折計106-dは、その屈折率を電子信号107-cによって制御装置112-dに報告してよい。
【0042】
図4Bは、様々な実施形態(例えば、
図4Aのシステム100-d)の凝固点抑制サイクルを制御する為に制御アーキテクチャによって使用可能な制御ロジック150-bを示す。例えば、
図4Aのシステム100-dに関して実施された場合、温度センサ108-dは、温度値を電子信号109-cによって制御装置112-dに報告してよい。受信された温度信号は、ポンプ104-cが動作しているべきかどうかを判断する為に使用されてよい。この判断の結果として電子信号105-cがポンプ104-cに送信されてよい。温度信号は、制御装置112-dが、濃度値121-bを返すことが可能な特性ベースアルゴリズム122-bを使用して解釈してもよい。この濃度値121-bは、その後、第2の特性ベースアルゴリズム123-bにフィードされてよく、アルゴリズム123-bは主比例積分形微分制御ループ118-bにターゲット情報120-bを返すことが可能である。このループ118-bは、屈折計センサ106-dからのフィードバック制御を含んでよく、フィードバック制御は、電子信号107-cによって送信されてよく、特性ベースアルゴリズム119-bを使用して解釈されてよい。この制御ループ118-bの結果として電子信号111-cが制御弁110-dに送信されてよく、これによって、混合容器の入口においてターゲット濃度を達成する為に、逆浸透膜への希釈凝固点抑制剤の流れが変調されてよく、その設備の正常動作が維持されることが可能である。
【0043】
図5Aは、凝固点抑制制御アーキテクチャの為の様々な実施形態によるシステム100-eを示しており、これは、単一速度ポンプ104-d、2つの温度センサ108-e、106-e、及び可変速度圧縮機110-eを含んでよい。
図5Aのシステム100-eは、
図1のシステム100及び/又は
図2Aのシステム100-aの一例であってよい。混合容器101-d(タンクと呼ばれることがある)が固体102-d及び液体103-dを保持してよく、これは、融解した固体と凝固点抑制剤との混合物であってよい。液体103-dは、タンク101-dから単一速度ポンプ104-dによって希釈混合物113-e(液体103-dの一部であってよい)として抽出されてよい。ポンプ104-dは、制御装置112-eからの電子信号105-dに基づいて液体113-eの流れを生成してよい。液体113-eがこの管路を流れていてよい場合、液体113-eは温度センサ108-eを通って流れてよく、温度センサ108-eの役割は、液体113-eの温度を制御装置112-eに報告することであってよい。この指標値は電子信号109-dによって送信されてよい。液体113-eは、その後、分離システム115-dに流れてよく、そこでは、液体113-eは、可変速度圧縮機110-eが発生させる吸引によって蒸留容器117-eに入ってよく、可変速度圧縮機110-eは、流れ制御装置として動作可能であり、制御装置112-eからの電子信号111-dによって制御されてよい。この規定された流れにおいて、分離システム115-d(この実施形態では蒸留容器117-eを含んでよい)は、混合物を、純粋な、又はより高純度の液体116-dと濃縮凝固点抑制剤114-eとに適切に分離することが可能であってよく、液体116-aは、実施形態によっては、再凝固して固体102-dになってよく、実施形態によっては、液体116-dは希釈凝固点抑制剤を含んでよい。濃縮凝固点抑制剤114-eは、蒸留容器117-e内の第2のパスを通り、第2の温度センサ106eを通って流れてよく、第2の温度センサ106eは別の温度を電子信号107-dによって制御装置112-eに報告してよく、制御弁110-fは、濃縮凝固点抑制剤114-eの流れを促進することが可能である。濃縮凝固点抑制剤114-eは、高濃度側センサ106-eを通過した後、タンク101-dに戻ってよい。
【0044】
図5Bは、
図5Aのシステム100-eの一変形形態をシステム100-e-1として示しており、これは、凝固点抑制制御アーキテクチャの別の特定実施形態を実現するものであり、単一速度ポンプ104-d、2つの温度センサ108-e、106-e、及び可変速度圧縮機110-e-1を含んでよい。混合容器101-dが固体102-d及び液体103-dを保持してよく、これは、融解した固体と凝固点抑制剤との混合物であってよい。液体は、タンク101-dから単一速度ポンプ104-dによって希釈混合物113-dとして抽出されてよい。ポンプ104-dは、制御装置112-eからの電子信号105-dに基づいて液体の流れを生成してよい。液体がこの管路を流れている場合、液体は温度センサ108-eを通って流れてよく、温度センサ108-eの役割は、液体の温度を制御装置112-eに報告することであってよい。この指標値は電子信号109-dによって送信されてよい。液体は、その後、分離システム115-d-1に流れてよく、そこでは、液体は、可変速度圧縮機110-e-1が発生させる吸引によって蒸留容器117-e-1に入ってよく、可変速度圧縮機110-e-1は、制御装置112-eからの電子信号111-d-1によって制御されてよい。この規定された流れにおいて、分離システム(この実施形態では蒸留容器の形態であってよい)は、混合物を、純粋な液体116-d-1と濃縮凝固点抑制剤114-e-1とに適切に分離することが可能であってよく、液体116-d-1は再凝固して固体102-dになってよい。濃縮凝固点抑制剤114-e-1は第2の温度センサ106-eを通って流れてよく、第2の温度センサ106-eは別の温度を電子信号107-dによって制御装置112-eに報告してよい。濃縮凝固点抑制剤114-e-1は、高濃度側センサ106-eを通過した後、タンク101-dに戻ってよい。可変速度圧縮機110-e-1は、第2のパスで蒸留容器117-e-1を通過する流れを生成してよい。これにより、このパスから出て制御弁110-f-1を通って流れる純粋な液体116-d-1が形成されてよい。
【0045】
図5Cは、様々な実施形態(例えば、
図5Aのシステム100-e及び/又は
図5Bのシステム100-e-1)の凝固点抑制サイクルを制御する為に制御アーキテクチャによって使用可能な制御ロジック150-cを示す。例えば、
図5Aのシステム100-e又は
図5Bのシステム100-e-1に関して実施された場合、温度センサ108-eは、温度値を電子信号109-dによって制御装置112-eに報告してよい。受信された温度信号は、ポンプ104-dが動作しているべきかどうかを判断する為に使用されてよい。この判断の結果として電子信号105-dがポンプ104-dに送信されてよい。温度信号は、制御装置112-eが、濃度値121-cを返すことが可能な特性ベースアルゴリズム122-cを使用して解釈してもよい。この濃度値121-cは、その後、第2の特性ベースアルゴリズム123-cにフィードされてよく、アルゴリズム123-cは主比例積分形微分制御ループ118-cにターゲット情報120-cを返すことが可能である。このループ118-cは、第2の温度センサ106-eからのフィードバック制御を含んでよく、フィードバック制御は、電子信号107-dによって送信されてよく、特性ベースアルゴリズム119-cを使用して解釈されてよい。この制御ループ118-cの結果として電子信号111-d(又はシステム100-e-1の場合は111-d-1)が可変速度圧縮機110-e(又はシステム100-e-1の場合は110-e-1)に送信されてよく、これによって、混合容器の入口においてターゲット濃度を達成する為に、蒸留容器117-e(又はシステム100-e-1の場合は117-e-1)への希釈凝固点抑制剤の流れが変調されてよく、その設備の正常動作が維持されることが可能である。電子信号111-d(又は111-d-1)は、制御弁110-f(又は110-f-1)にも送信されてよい。
【0046】
これらの実施形態は全般的に、複数のセンサタイプ及び複数の分離技術に対して一貫した、制御用ハードウェア及びソフトウェアの適用を示している。この制御ロジック及びハードウェアインテグレーションストラテジは、センサタイプや分離技術の如何に関わらず、混合容器内の濃度及び温度の特性を維持して、固体の凝固点より低い温度で有効な冷却を実施することに適用可能である。
【0047】
次に
図6A、
図6B、
図6C、及び
図6Dを参照すると、
図2C、
図3B、
図4B、及び/又は
図5Cに大まかに関連付けられた様々な実施形態による特性アルゴリズムグラフの例が示されている。例えば、
図6Aに示されたグラフ610は、凝固点を濃度に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図2Cの特性アルゴリズム122、
図4Bの特性アルゴリズム122-b、及び/又は
図5Cの特性アルゴリズム122-cを表すものであってよい。グラフ620は濃度を飽和点に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図2Cの特性アルゴリズム123、
図2Cの特性アルゴリズム119、
図5Cの特性アルゴリズム119-c、及び/又は
図5Cの特性アルゴリズム123-cを表すものであってよい。
図6Bに示されたグラフ630は、透過率を波長に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図3Bの特性アルゴリズム122-aを表すものであってよい。グラフ640は、濃度を飽和点に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図3Bの特性アルゴリズム123-aを表すものであってよい。
図6Cに示されたグラフ650は、濃度を凝固点に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図3Bの特性アルゴリズム109-bを表すものであってよい。グラフ660は、屈折率を濃度に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図3Bの特性アルゴリズム119-a及び/又は
図4Bの特性アルゴリズム119-bを表すものであってよい。
図6Dに示されたグラフ670は、濃度を浸透圧に関連付けることが可能であり、このグラフは、
図4Bの特性アルゴリズム123-bを表すものであってよい。グラフ610、620、630、640、650、660、及び670は、様々な実施形態において利用可能な特性アルゴリズムの例を示しているに過ぎず、実施形態によっては別の特性アルゴリズムが利用されてよい。
【0048】
【0049】
ブロック710で、液体が第1のセンサに流れてよく、液体は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含んでよい。ブロック720で、液体の凝固点抑制剤特性の指標値が、第1のセンサを利用して測定されてよい。ブロック730で、少なくとも液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れが制御されてよく、分離器は液体から濃縮凝固点抑制剤を形成してよい。幾つかの実施形態では、分離器は、液体から凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離することによって液体から濃縮凝固点抑制剤を形成してよく、これによって、希釈凝固点抑制剤も形成されてよい。幾つかの実施形態では、分離器は、液体から、融解した固体の少なくとも一部を分離することによって液体から濃縮凝固点抑制剤を形成してよく、実施形態によっては、これによって、純粋な、又はより高純度の融解した固体が形成されてよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、方法700は、液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づいて濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定するステップ、第2のセンサを利用して、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップ、及び/又は、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の測定された指標値、及び濃縮凝固点抑制剤の測定されたターゲット特性値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れを更に制御するステップを含んでよい。
【0051】
方法700の幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第1のセンサを利用して液体の温度値を測定することを含み、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第2のセンサを利用して濃縮凝固点抑制剤の温度値を測定することを含み、第1のセンサとして温度センサがあってよく、第2のセンサとして温度センサがあってよい。幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第1のセンサを利用して液体の分光的特徴を測定することを含み、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第2のセンサを利用して濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含み、第1のセンサとして分光計があってよく、第2のセンサとして屈折計があってよい。幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第1のセンサを利用して液体の温度を測定することを含み、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定するステップは、第2のセンサを利用して濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含み、第1のセンサとして温度センサがあってよく、第2のセンサとして屈折計があってよい。
【0052】
方法700の幾つかの実施形態において第1のセンサ及び第2のセンサとして利用可能なセンサとして、例えば、温度、スペクトル、屈折率、密度、濃度、伝導率、キャパシタンス、圧力、熱容量、凝固点、又は沸点を測定するか測定することを推進するように構成されたセンサの組み合わせ又は順列があってよい。
【0053】
方法700の幾つかの実施形態は、液体をタンクから第1のセンサにポンピングするステップを含んでよく、液体は、タンクにおいて、凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて融解した固体を形成することによって形成されてよい。幾つかの実施形態は、分離器を利用して液体から濃縮凝固点抑制剤を形成するステップを含んでよい。幾つかの実施形態は、濃縮凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて液体の一部を形成するステップを含む。
【0054】
幾つかの実施形態では、分離器は蒸留容器を含み、例えば、幾つかの実施形態は蒸留塔を利用してよい。分離器は、少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含んでよい。幾つかの実施形態では、分離器として、開放ケトルボイラ、再循環プレートボイラ及び分離器、及び/又は不規則充填式分配塔等が利用されてよい。
【0055】
様々な分離技術が方法700において利用されてよく、そのような技術として、逆浸透、ナノ濾過、フォトニック駆動沈殿、化学反応による沈殿、溶解度変化による沈殿、界面活性剤吸収、イオン交換、活性炭吸収、フラッシュ分離、蒸留、多重効用蒸留、蒸気圧縮蒸留、蒸発、膜蒸留、及び/又はガス透過性膜分離があり、これらに限定されない。
【0056】
方法700の幾つかの実施形態では、液体の凝固点抑制剤特性の指標値として、少なくとも、液体の濃度値、液体の密度値、液体の伝導率値、液体のキャパシタンス値、液体の屈折率値、液体の温度値、液体の圧力値、液体の熱容量値、液体の凝固点値、又は液体の沸点値がある。幾つかの実施形態では、濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値として、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の濃度値、濃縮凝固点抑制剤の密度値、濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、濃縮凝固点抑制剤の温度値、濃縮凝固点抑制剤の圧力値、濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある。幾つかの実施形態では、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値として、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の濃度値、濃縮凝固点抑制剤の密度値、濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、濃縮凝固点抑制剤の温度値、濃縮凝固点抑制剤の圧力値、濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある。
【0057】
方法700の幾つかの実施形態では、分離器を利用して液体から濃縮凝固点抑制剤を形成するステップは、少なくとも、液体から凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は液体から、融解した固体の少なくとも一部を分離することを含む。幾つかの実施形態では、流れ制御装置は、蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む。幾つかの実施形態は、制御装置と結合された制御弁に濃縮凝固点抑制剤を流すステップを含み、制御装置は、融解した固体を再形成する為に、少なくとも、蒸留容器からの濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は蒸留容器からの液体の流れを制御する。
【0058】
【0059】
ブロック710-aで、液体が第1のセンサに流れてよく、液体は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含む。ブロック720-aで、液体の凝固点抑制剤特性の指標値が、第1のセンサを利用して測定されてよい。ブロック740で、濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値が、液体の凝固点抑制剤特性の測定された指標値に基づいて測定されてよい。ブロック750で、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値が、第2のセンサを利用して測定されてよい。ブロック730-aで、少なくとも、濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の測定された指標値、及び濃縮凝固点抑制剤の測定されたターゲット特性値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への液体の流れが制御されてよい。
【0060】
これらの実施形態は、材料及びプロセス設備の全ての組み合わせ及び順列を取り込む必要はない。但し、これらの実施形態は、方法、装置、及び/又はシステムの適用可能性の範囲を示してよい。様々な実施形態が、記載された段階より多い段階又は少ない段階を利用してよい。
【0061】
当然のことながら、上述の方法、システム、及び装置は単なる例であるものとする。強調されるべきこととして、様々な実施形態が、必要に応じて様々な手続きや構成要素を省略したり、置き換えたり、追加したりしてよい。例えば、当然のことながら、代替実施形態では、方法は、説明された順序と異なる順序で実施されてよく、様々な段階が追加されたり、省略されたり、組み合わされたりしてよい。更に、特定の実施形態に関して説明された特徴が、他の様々な実施形態において組み合わされてよい。実施形態の様々な態様及び要素も同様に組み合わされてよい。更に、強調されるべきこととして、技術は進化しており、従って、要素の多くは本質的に例示的であり、実施形態の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0062】
本明細書では、実施形態が十分理解されるように、具体的な詳細を示している。しかしながら、当業者であれば理解されるように、実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施可能である。例えば、よく知られた回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技術については、実施形態が不明瞭にならないように、不要な詳細を省略して示した。
【0063】
更に又、実施形態は、フロー図又はブロック図又は段階として描かれることが可能なプロセスとして記載されてよい。各実施形態は動作を順次プロセスとして示しているが、動作の多くは並行して又は同時に実施されてよい。更に、動作の順序は並べ替えられてよい。プロセスは、図面に含まれない更なる段階を有してよい。
【0064】
幾つかの実施形態を説明してきたが、当業者であれば理解されるように、様々な実施形態の趣旨から逸脱しない限り、様々な修正形態、代替構造、及び等価物が用いられてよい。例えば、上述の各要素は、単に、より大きなシステムの構成要素であってよく、その場合は、他のルールが様々な実施形態の適用よりも優先されてよく、そうでなければそれらの実施形態の適用を変更してよい。又、上述の要素の考慮前、考慮中、又は考慮後に幾つかの段階が開始されてよい。従って、上述の説明は、様々な実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
〔付記1〕
凝固点抑制サイクル制御の方法であって、
液体を第1のセンサに流すステップであって、前記液体は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含む、前記流すステップと、
前記液体の凝固点抑制剤特性の指標値を、前記第1のセンサを利用して測定するステップと、
少なくとも前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値に基づき、流れ制御装置を利用して、分離器への前記液体の流れを制御するステップであって、前記分離器は前記液体から濃縮凝固点抑制剤を形成する、前記制御するステップと、
を含む方法。
〔付記2〕
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値に基づいて、前記濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定するステップと、
前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を、第2のセンサを利用して測定するステップと、
少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値、及び前記濃縮凝固点抑制剤の前記測定されたターゲット特性値に基づき、前記流れ制御装置を利用して、前記分離器への前記液体の流れを更に制御するステップと、
を更に含む、付記1に記載の方法。
〔付記3〕
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第1のセンサを利用して、前記液体の温度値を測定することを含み、
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第2のセンサを利用して、前記濃縮凝固点抑制剤の温度値を測定することを含む、
付記2に記載の方法。
〔付記4〕
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第1のセンサを利用して、前記液体の分光的特徴を測定することを含み、
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第2のセンサを利用して、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含む、
付記2に記載の方法。
〔付記5〕
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第1のセンサを利用して、前記液体の温度を測定することを含み、
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値を測定する前記ステップは、前記第2のセンサを利用して、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率を測定することを含む、
付記2に記載の方法。
〔付記6〕
前記液体をタンクから前記第1のセンサにポンピングするステップであって、前記液体は、前記タンクにおいて、前記凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて前記融解した固体を形成することによって形成される、前記ポンピングするステップを更に含む、付記1に記載の方法。
〔付記7〕
前記分離器を利用して前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成するステップを更に含む、付記1に記載の方法。
〔付記8〕
前記濃縮凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて前記液体の一部を形成するステップを更に含む、付記7に記載の方法。
〔付記9〕
前記分離器は蒸留容器を含む、付記7に記載の方法。
〔付記10〕
前記分離器は少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含む、付記7に記載の方法。
〔付記11〕
前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値として、少なくとも、前記液体の濃度値、前記液体の密度値、前記液体の伝導率値、前記液体のキャパシタンス値、前記液体の屈折率値、前記液体の温度値、前記液体の圧力値、前記液体の熱容量値、前記液体の凝固点値、又は前記液体の沸点値がある、付記1に記載の方法。
〔付記12〕
前記濃縮凝固点抑制剤の前記ターゲット特性値として、少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の濃度値、前記濃縮凝固点抑制剤の密度値、前記濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、前記濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、前記濃縮凝固点抑制剤の温度値、前記濃縮凝固点抑制剤の圧力値、前記濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は前記濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある、付記2に記載の方法。
〔付記13〕
前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記指標値として、少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の濃度値、前記濃縮凝固点抑制剤の密度値、前記濃縮凝固点抑制剤の伝導率値、前記濃縮凝固点抑制剤のキャパシタンス値、前記濃縮凝固点抑制剤の屈折率値、前記濃縮凝固点抑制剤の温度値、前記濃縮凝固点抑制剤の圧力値、前記濃縮凝固点抑制剤の熱容量値、前記濃縮凝固点抑制剤の凝固点値、又は前記濃縮凝固点抑制剤の沸点値がある、付記2に記載の方法。
〔付記14〕
前記分離器を利用して前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成する前記ステップは、少なくとも、
前記液体から前記凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は
前記液体から前記融解した固体の少なくとも一部を分離すること
を含む、
付記7に記載の方法。
〔付記15〕
前記流れ制御装置は、前記蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む、付記9に記載の方法。
〔付記16〕
前記制御装置と結合された制御弁に前記濃縮凝固点抑制剤を流すステップを更に含み、前記制御装置は、前記融解した固体を再形成する為に、少なくとも、前記蒸留容器からの前記濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は前記蒸留容器からの液体の流れを制御する、付記15に記載の方法。
〔付記17〕
凝固点抑制サイクル制御システムであって、
液体の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置された第1のセンサであって、前記液体は、融解した固体と凝固点抑制剤の混合物を含む、前記第1のセンサと、
分離器への前記液体の流れを制御する流れ制御装置と、
前記第1のセンサと前記流れ制御装置とに結合された制御装置であって、前記制御装置は、少なくとも前記液体の凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値に基づき、前記流れ制御装置を利用して、前記分離器への前記液体の流れを制御する、前記制御装置と、
を含むシステム。
〔付記18〕
濃縮凝固点抑制剤の凝固点抑制剤特性の指標値を測定する為に配置された第2のセンサであって、前記制御装置と結合されている前記第2のセンサ
を更に含む、付記17に記載のシステム。
〔付記19〕
前記第1のセンサは温度センサを含み、前記第2のセンサは温度センサを含む、付記18に記載のシステム。
〔付記20〕
前記第1のセンサは分光計を含み、前記第2のセンサは屈折計を含む、付記18に記載のシステム。
〔付記21〕
前記第1のセンサは温度センサを含み、前記第2のセンサは屈折計を含む、付記18に記載のシステム。
〔付記22〕
前記液体を少なくとも前記第1のセンサ又は前記流れ制御装置に送達するポンプを更に含む、付記18に記載のシステム。
〔付記23〕
前記分離器を更に含み、前記分離器は前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成する、付記18に記載のシステム。
〔付記24〕
前記濃縮凝固点抑制剤と固体とを組み合わせて前記液体の一部を形成する混合タンクを更に含む、付記23に記載のシステム。
〔付記25〕
前記分離器は蒸留容器を含む、付記23に記載のシステム。
〔付記26〕
前記分離器は少なくともメカニカル分離器又はサーマル分離器を含む、付記23に記載のシステム。
〔付記27〕
前記制御装置は、前記液体の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値を利用して、前記濃縮凝固点抑制剤のターゲット特性値を測定する、付記18に記載のシステム。
〔付記28〕
前記制御装置は、少なくとも、前記濃縮凝固点抑制剤の前記凝固点抑制剤特性の前記測定された指標値、又は前記濃縮凝固点抑制剤の前記測定されたターゲット特性値に基づき、前記流れ制御装置を利用して、前記分離器への前記液体の流れを制御する、付記27に記載のシステム。
〔付記29〕
前記分離器は、少なくとも、
前記液体から前記凝固点抑制剤の少なくとも一部を分離すること、又は
前記液体から前記融解した固体の少なくとも一部を分離すること
によって前記液体から前記濃縮凝固点抑制剤を形成する、
付記23に記載のシステム。
〔付記30〕
前記流れ制御装置は、前記蒸留容器に対して吸引を発生させる可変速度圧縮機を含む、付記25に記載のシステム。
〔付記31〕
前記流れ制御装置は更に、前記制御装置と結合された制御弁を含み、前記制御装置は、前記融解した固体を再形成する為に、少なくとも、前記蒸留容器からの前記濃縮凝固点抑制剤の流れ、又は前記蒸留容器からの液体の流れを制御する、付記30に記載のシステム。