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特許7235788地図座標処理方法、地図座標処理装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】地図座標処理方法、地図座標処理装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021041605
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2021099527
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】202010884513.9
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】董 健
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/127078(WO,A1)
【文献】特開2012-048523(JP,A)
【文献】特開2003-035553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00-29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標位置の地理座標を取得することと、
前記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することと、を含み、前記バッファ領域境界線が、地理座標と地図座標を第1の座標変換によって変換する領域である第1の領域を囲み、前記バッファ領域境界線外の領域が、地理座標と地図座標を第2の座標変換によって変換する領域であ
前記バッファ領域境界線を生成した後に、
前記バッファ領域境界線に基づいて、前記バッファ領域境界線を囲み、かつ前記バッファ領域境界線との最も近い距離が第1の閾値である最小外接矩形MBRを生成することをさらに含み、
前記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することは、
前記目標位置が前記MBR内に位置すれば、前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することと、
前記目標位置が前記MBR外に位置すれば、前記目標位置の地理座標に対して前記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、前記目標位置の地図座標として決定することと、をさらに含む、
ことを特徴とする地図座標処理方法。
【請求項2】
前記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することは、
前記目標位置の地理座標が前記バッファ領域境界線内に位置すれば、前記目標位置の地理座標に対して前記第1の座標変換を行って得られた第1の座標を、前記目標位置の地図座標として決定することと、
前記目標位置の地理座標が前記バッファ領域境界線外に位置し、かつ前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値以上であれば、前記目標位置の地理座標に対して前記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、前記目標位置の地図座標として決定することと、
前記目標位置の地理座標が前記バッファ領域境界線外に位置し、かつ前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値より小さければ、前記第1の座標、前記第2の座標、及び、前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離と前記第1の閾値とで決定されたバッファ因子に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の座標、前記第2の座標及びバッファ因子に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することは、
前記目標位置の地図座標を以下の式に従って計算することを含み、
P=P2+(P1-P2)*R
ここで、前記P1が前記第1の座標であり、前記P2が前記第2の座標であり、前記Rが前記バッファ因子であり、前記R=1-d/Dであり、ここで、前記dが前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離であり、前記Dが前記第1の閾値である、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記バッファ領域境界線は、前記第1の領域の境界線を囲む多角形であり、前記バッファ領域境界線の形状点の数は、第2の閾値以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
目標位置の地理座標を取得する取得モジュールと、
前記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定する決定モジュールと、を含み、前記バッファ領域境界線が、地理座標と地図座標を第1の座標変換によって変換する領域である第1の領域を囲み、前記バッファ領域境界線外の領域が、地理座標と地図座標を第2の座標変換によって変換する領域であ
前記バッファ領域境界線に基づいて、前記バッファ領域境界線を囲み、かつ前記バッファ領域境界線との最も近い距離が第1の閾値である最小外接矩形MBRを生成する生成モジュールをさらに含み、
前記決定モジュールは、具体的には、
前記目標位置が前記MBR内に位置すれば、前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定し、
前記目標位置が前記MBR外に位置すれば、前記目標位置の地理座標に対して前記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、前記目標位置の地図座標として決定する、
ことを特徴とする地図座標処理装置。
【請求項6】
前記決定モジュールは、
前記目標位置の地理座標が前記バッファ領域境界線内に位置すれば、前記目標位置の地理座標に対して前記第1の座標変換を行って得られた第1の座標を、前記目標位置の地図座標として決定する第1の決定サブモジュールと、
前記目標位置の地理座標が前記バッファ領域境界線外に位置し、かつ前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値以上であれば、前記目標位置の地理座標に対して前記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、前記目標位置の地図座標として決定する第2の決定サブモジュールと、
前記目標位置の地理座標が前記バッファ領域境界線外に位置し、かつ前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値より小さければ、前記第1の座標、前記第2の座標、及び、前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離と前記第1の閾値とで決定されたバッファ因子に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定する第3の決定サブモジュールとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記第3の決定サブモジュールは、具体的には、
前記目標位置の地図座標を以下の式に従って計算し、
P=P2+(P1-P2)*R
ここで、前記P1が前記第1の座標であり、前記P2が前記第2の座標であり、前記Rが前記バッファ因子であり、前記R=1-d/Dであり、ここで、前記dが前記目標位置の地理座標と前記バッファ領域境界線との間の最も近い距離であり、前記Dが前記第1の閾値である、ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記バッファ領域境界線は、前記第1の領域の境界線を囲む多角形であり、前記バッファ領域境界線の形状点の数は、第2の閾値以下である、ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行可能で、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実行させることができる命令を記憶している、電子機器。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
プロセッサによって実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載の方法が実現されるコンピュータプログラムを含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、地図の技術分野に関し、具体的には、地図座標処理方法、地図座標処理装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
座標系は、地図データで示された基準参照である。現在の地図では、異なる領域の座標変換方式は、同一ではない可能性があり、例えば、いくつかの領域の座標がデータ暗号化を必要とする可能性があり、暗号化により座標ずれが生じ、真の座標とのばらつきが生じ、いくつかの領域の座標がデータ暗号化を必要としない可能性がある。異なる領域の座標変換方式が異なるため、地図における異なる領域の境界に座標の急変又は座標の重なりが生じやすいという問題をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
本願は、地図座標処理方法、地図座標処理装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。
【0004】
第1の態様では、本願に係る地図座標処理方法は、
目標位置の地理座標を取得することと、
前記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定することと、を含み、前記バッファ領域境界線が、地理座標と地図座標を第1の座標変換によって変換する領域である第1の領域を囲み、前記バッファ領域境界線外の領域が、地理座標と地図座標を第2の座標変換によって変換する領域である。
【0005】
第2の態様では、本願に係る地図座標処理装置は、
目標位置の地理座標を取得する取得モジュールと、
前記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、前記目標位置の地図座標を決定する決定モジュールと、を含み、前記バッファ領域境界線が、地理座標と地図座標を第1の座標変換によって変換する領域である第1の領域を囲み、前記バッファ領域境界線外の領域が、地理座標と地図座標を第2の座標変換によって変換する領域である。
【0006】
第3の態様では、本願に係る電子機器は、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、
メモリは、少なくとも1つのプロセッサに実行可能で、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに第1の態様におけるいずれか1項の方法を実行させることができる命令を記憶している。
【0007】
第4の態様では、本願に係る非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、第1の態様におけるいずれか1項の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶している。
【0008】
本願の技術によれば、ある領域の座標変換方式が他の領域とは異なる場合、該領域を囲むバッファ領域境界線を生成でき、ある位置の地理座標を取得した後に、該位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、該位置の地図座標を決定できることにより、バッファ領域境界線近傍の地図座標は、異なる座標変換方式による座標ずれ量を段階的に除去するため、異なる領域の座標変換方式が異なることに起因して地図における異なる領域の境界に座標の急変又は座標の重なりが生じるという問題を解決することができる。
【0009】
本部分で説明された内容は、本願の実施例の主要な又は重要な機能を特定することを意図するものではなく、本願の範囲を限定するものでもないことを理解されたい。本願の他の特徴は、以下の明細書により容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本技術案をよりよく理解するためのものであり、本願を限定するものではない。
【0011】
図1】本願の実施例1に係る地図座標処理方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例1に係る第1の領域のバッファ領域及びMBRの概略図である。
図3図2における破線枠に対応する拡大概略図である。
図4】本願の実施例2に係る地図座標処理装置の概略構成図である。
図5】本願の実施例に係る地図座標処理方法を実現する電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本願の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするために、本願の実施例の様々な詳細を含み、それらが例示的なものであると見なされるべきである。したがって、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明された実施例に対して様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者によって認識される。同様に、以下の説明では、明確さと簡潔さのために、公知の機能及び構造についての説明は省略される。
【0013】
実施例1
図1に示すように、本願に係る地図座標処理方法は、
目標位置の地理座標を取得するステップ101と、
上記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定するステップ102とを含み、上記バッファ領域境界線が、地理座標と地図座標を第1の座標変換によって変換する領域である第1の領域を囲み、上記バッファ領域境界線外の領域が、地理座標と地図座標を第2の座標変換によって変換する領域である。
【0014】
本願の実施例に係る地図座標処理方法では、実行主体は、地図座標処理装置、又は該地図座標処理装置における、地図座標処理方法を実行する制御モジュールであってもよい。該地図座標処理装置は、独立した装置であってもよく、電子機器における部材、集積回路又はチップであってもよい。該地図座標処理装置は、携帯電子機器であってもよく、非携帯電子機器であってもよい。該地図座標処理装置は、オペレーティングシステムを有する装置であってもよく、該オペレーティングシステムは、アンドロイド(Android/登録商標)オペレーティングシステムであってもよく、iOSオペレーティングシステムであってもよく、さらに他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本願は具体的に限定しない。
【0015】
本願の実施例では、地理座標は、真の座標であることが理解され、目標位置は、地図に設定される必要がある任意の地理的位置であってもよく、目標位置は、ある座標点であってもよく、該座標点の緯度経度が目標位置の地理座標である。
【0016】
目標位置を地図に設定しようとすれば、目標位置の地図座標を決定する必要があり、具体的には、目標位置の地理座標を目標位置の地図座標に変換する必要があり、これは、目標位置が所在する領域に対応する、地理座標から地図座標への座標変換方式を考慮する必要がある。しかしながら、現在の地図では、異なる領域の座標変換方式は異なる可能性があり、例えば、第1の領域では、第1の座標変換を用いて地理座標と地図座標との変換を行い、その他の領域は第2の座標変換を用いて地理座標と地図座標との変換を行い、異なる座標変換方式には異なる座標ずれが存在するため、地図において第1の領域と他の領域との境界に座標の急変又は座標の重なりが生じやすいという問題をもたらす。
【0017】
上記問題を解決するために、本願の実施例は、境界バッファ減衰方法を提供して、第1の領域の境界付近に位置する地図座標を該領域外の地図座標に段階的に近づけることにより、地図における領域境界での座標を緩やかに遷移させ、地図における領域境界に座標の急変又は座標の重なりが生じることを回避する。
【0018】
本願の実施例では、第1の領域を囲むバッファ領域境界線を予め生成でき、第1の領域の全ての領域は、いずれも該バッファ領域境界線内に位置し、該バッファ領域境界線外の領域は他の領域である。バッファ領域境界線を生成した後、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、目標位置の地図座標を決定することができる。ここでは、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係は、目標位置の地理座標がバッファ領域境界線内に位置するか、又はバッファ領域境界線外に位置するかを含んでもよく、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との距離関係を含んでもよい。
【0019】
なお、該バッファ領域境界線は、必ずしも第1の領域の境界線と完全に重なっているわけではなく、あるいは、該バッファ領域境界線は、必ずしも第1の領域の境界線と同一であるわけではなく、このようにして、バッファ領域境界線内の領域は、必ずしも第1の領域の全ての領域のみを含むわけではなく、他の領域の小さい部分の領域を含む可能性がある。
【0020】
上記第1の領域は、国であってもよく、地域であってもよい。
【0021】
例として、現在の地図では、中国地域内に真の座標(即ち地理座標)をデータ暗号化する必要があり、中国地域内の地図座標は暗号化座標を用いる必要があり、座標を暗号化すると、座標がずれ、真の座標とのばらつきが生じる。中国地域外に真の座標をデータ暗号化する必要がなく、中国地域外の地図座標は、いずれもWGS84座標を用いる。したがって、中国国境付近では、中国地域と隣接地域の座標に重なり又は急変が生じ、かつ中国国境線が長く、形状点が非常に多いため、中国地域内外の判定を行う際に非常に時間がかかる。該例では、第1の領域が中国であってもよく、第1の座標変換は暗号化変換であってよく、第2の座標変換は非変換であってもよい。
【0022】
WGS84座標という用語は、WGS-84座標系(World Geodetic System-1984 Coordinate System)における座標であり、WGS-84座標系は、国際的に用いられる地心座標系であり、座標原点が地球の重心であり、地心空間の直交座標系のZ軸がBIH(国際時間サービス)1984.0で定義される慣用地球極(CTP)方向を指し、X軸がBIH 1984.0のゼロ子午線平面とCTP赤道との交点を指し、Y軸がZ軸、X軸に垂直に右手座標系を構成し、世界測地系1984と呼ばれる。
【0023】
本願の実施例では、ある領域の座標変換方式が他の領域とは異なる場合、該領域を囲むバッファ領域境界線を生成でき、ある位置の地理座標を取得した後に、該位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、該位置の地図座標を決定できることにより、バッファ領域境界線近傍の地図座標は、異なる座標変換方式による座標ずれ量を段階的に除去するため、異なる領域の座標変換方式が異なることに起因して地図における異なる領域の境界に座標の急変又は座標の重なりが生じるという問題を解決することができる。
【0024】
好ましくは、上記バッファ領域境界線を生成した後、上記方法は、
上記バッファ領域境界線に基づいて、上記バッファ領域境界線を囲み、かつ上記バッファ領域境界線との最も近い距離が第1の閾値であるMBRを生成するステップをさらに含み、
上記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定する上記ステップは、
上記目標位置が上記MBR内に位置すれば、上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定するステップと、
上記目標位置が上記MBR外に位置すれば、上記目標位置の地理座標に対して上記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、上記目標位置の地図座標として決定するステップと、をさらに含む。
【0025】
MBRという用語は、最小外接矩形(Minimum Bounding Rectangle、MBR)と解釈されてもよく、最小境界矩形、最小包含矩形又は最小外包矩形などに解釈されてもよい。MBRとは、二次元座標で表される複数の二次元形状(例えば、点、直線、多角形)の最大範囲、即ち、所定の二次元形状の各頂点における最大横座標、最小横座標、最大縦座標、最小縦座標を境界とする矩形である。このような矩形は、所定の二次元形状を含み、かつ辺が座標軸に平行である。MBRは、最小外接ボックス(minimum bounding box)の二次元形式であると理解されてもよい。
【0026】
本願の実施例では、MBRは、バッファ領域境界線に基づいて生成でき、理解を容易にするために、以下に、バッファ領域及びバッファ領域幅の2つの用語を導入し、バッファ領域幅の値は第1の閾値であり、バッファ領域境界線はバッファ領域の内境界線であると理解されてよく、バッファ領域境界線から第1の閾値の幅で外拡張されてバッファ領域の外境界線を形成でき、バッファ領域の内境界線とバッファ領域の外境界線との間の領域は、即ちバッファ領域である。MBRは、バッファ領域の外境界線の最小外接矩形であると理解されてよく、MBRはバッファ領域の外境界線を囲み、バッファ領域を囲み、バッファ領域境界線を囲み、かつバッファ領域境界線との最も近い距離が第1の閾値である。
【0027】
本願の実施例では、適切なバッファ領域幅を選択でき、つまり、適切な第1の閾値を決定でき、このようにして、計算領域を効果的に低減することができるとともに、バッファ領域の範囲内の幾何学的オブジェクトの長さ及び面積の変形が制御可能な範囲内にあることを保証することができる。バッファ領域幅は、例えば、20キロメートル、40キロメートルなどであってもよい。
【0028】
該バッファ領域は、第1の領域と他の領域との境界領域であると理解されてよく、本願の実施例に係る境界バッファ減衰方法を用いて、該バッファ領域内に位置する目標位置の地図座標を決定することができる。
【0029】
図2図3に示すように、図2は、領域A(即ち、第1の領域)のバッファ領域Bと、バッファ領域Bを囲むMBRを示す概略図であり、図2では、バッファ領域Bを囲む矩形枠は、領域AのMBRであり、図3は、図2における破線枠内のバッファ領域の拡大概略図であり、図3におけるCとDは、それぞれバッファ領域境界線とバッファ領域の外境界線を示している。
【0030】
MBRを生成した後に、まず、目標位置の地理座標がMBR内に位置するか否かを判定でき、目標位置の地理座標がMBR外に位置すれば、該目標位置は必ず第1の領域に属さず、かつバッファ領域外に位置し、よって目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、目標位置の地図座標を決定する必要がなく、第2の座標変換方式で地図座標を直接決定することができる。目標位置の地理座標がMBR内に位置する場合のみに、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、目標位置の地図座標をさらに決定する必要がある。
【0031】
このように、該実施形態では、MBRを生成することにより、MBR外にある大部分の位置の地図座標は、いずれも直接決定でき、MBR内にある小部分の位置の地図座標のみは、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて決定される必要があるため、地図座標の決定効率を向上させることができる。
【0032】
好ましくは、上記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定する上記ステップは、
上記目標位置の地理座標が上記バッファ領域境界線内に位置すれば、上記目標位置の地理座標に対して上記第1の座標変換を行って得られた第1の座標を、上記目標位置の地図座標として決定するステップと、
上記目標位置の地理座標が上記バッファ領域境界線外に位置し、かつ上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値以上であれば、上記目標位置の地理座標に対して上記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、上記目標位置の地図座標として決定するステップと、
上記目標位置の地理座標が上記バッファ領域境界線外に位置し、かつ上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値より小さければ、上記第1の座標、上記第2の座標、及び、上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離と上記第1の閾値とで決定されたバッファ因子に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定するステップと、を含む。
【0033】
該実施形態では、バッファ領域境界線内に位置する目標位置について、該目標位置が第1の領域に位置することが理解されてよく、第1の座標変換方式で地図座標を直接決定でき、バッファ領域境界線外に位置し、かつ地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値以上である目標位置について、該目標位置がバッファ領域外に位置することが理解されてよく、第2の座標変換方式で地図座標を直接決定でき、バッファ領域境界線外に位置し、かつ地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値より小さい目標位置について、該目標位置がバッファ領域に位置することが理解されてよく、バッファ領域に位置する目標位置について、境界バッファ減衰方法を用いて地図座標を決定することができる。
【0034】
該境界バッファ減衰方法は、バッファ因子を導入することにより実現でき、理解を容易にするために、バッファ因子はRで表されてよく、バッファ因子は、バッファ減衰因子とも呼ばれ、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離と、第1の閾値とで決定でき、第1の閾値は、バッファ領域幅に対応し、バッファ因子は、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係をよく表すことができる。
【0035】
該実施形態では、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離は、バッファ領域境界線における目標位置に最も近い線分を決定して、目標位置から該線分に垂線を引き、垂線の長さが目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離となるという方式で決定することができる。
【0036】
該実施形態では、バッファ因子を導入した後に、第1の座標、第2の座標及びバッファ因子に基づいて、目標位置の地図座標を決定でき、バッファ因子が導入されるため、バッファ領域内の第1の座標変換と第2の座標変換との差を段階的に縮小して、バッファ領域内に位置する地図座標をバッファ領域外の地図座標に段階的に近づけることにより、バッファ領域の座標を緩やかに遷移させて、地図における領域境界に座標の急変又は座標の重なりが生じることを回避することができる。
【0037】
好ましくは、上記第1の座標、上記第2の座標及びバッファ因子に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定する上記ステップは、
上記目標位置の地図座標を以下の式に従って計算するステップを含み、
P=P2+(P1-P2)*R
ここで、上記P1が上記第1の座標であり、上記P2が上記第2の座標であり、上記Rが上記バッファ因子であり、上記R=1-d/Dであり、ここで、上記dが上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離であり、上記Dが上記第1の閾値である。
【0038】
該実施形態は、目標位置の地図座標を計算するための式を提供し、該式において、バッファ因子Rの値の範囲が0~1である。目標位置がバッファ領域境界線に近いほど、Rは1に近くなり、目標位置の地図座標は第1の座標に近くなり、目標位置がバッファ領域境界線から離れるほど、Rは0に近くなり、目標位置の地図座標は第2の座標に近くなる。目標位置がバッファ領域境界線に位置する場合、Rは1に等しくなり、目標位置の地図座標は第1の座標となり、目標位置がバッファ領域の外境界線に位置する場合、Rは0に等しくなり、目標位置の地図座標は第2の座標となる。
【0039】
該実施形態では、上記式により、第1の座標変換と第2の座標変換との差を段階的に縮小することができる。
【0040】
上記式を用いる以外に、他の式を用いてもよく、式が異なる場合、バッファ因子の意味は異なってよい。例えば、バッファ因子がd/Dであって、PはP1+(P2-P1)*Rであってもよく、バッファ因子はd/Dのルート又は二乗であってもよい。
【0041】
好ましくは、上記バッファ領域境界線は、上記第1の領域の境界線を囲む多角形であり、上記バッファ領域境界線の形状点の数は、第2の閾値以下である。
【0042】
バッファ領域境界線の形状点の数が第2の閾値以下であることについて、バッファ領域境界線の形状点の数はできるだけ少なく、バッファ領域境界線の多角形の辺の数はできるだけ少なく、バッファ領域境界線の線分の数はできるだけ少ないことが理解されてよい。
【0043】
目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係を考慮する必要があるため、さらに、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離を考慮する必要があるため、バッファ領域境界線の形状点の数が少ない場合、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係をより簡単に決定することができ、目標位置の地理座標とバッファ領域境界線との間の最も近い距離をより簡単に決定することもできる。
【0044】
なお、本願の地図座標処理方法における様々な好ましい実施形態は、互いに組み合わせて実現されてもよく、単独で実現されてもよく、本願は限定しない。
【0045】
本願の上記実施例は、少なくとも以下の利点及び有益な効果を有する。
【0046】
本願では、ある領域の座標変換方式が他の領域とは異なる場合、該領域を囲むバッファ領域境界線を生成でき、ある位置の地理座標を取得した後に、該位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、該位置の地図座標を決定できることにより、バッファ領域境界線近傍の地図座標が、異なる座標変換方式による座標ずれ量を段階的に除去するため、異なる領域の座標変換方式が異なることに起因して地図における異なる領域の境界に座標の急変又は座標の重なりが生じるという問題を解決することができる。
【0047】
実施例2
図4に示すように、本願に係る地図座標処理装置200は、
目標位置の地理座標を取得する取得モジュール201と、
上記目標位置の地理座標と、予め生成されたバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定する決定モジュール202と、を含み、上記バッファ領域境界線が、地理座標と地図座標を第1の座標変換によって変換する領域である第1の領域を囲み、上記バッファ領域境界線外の領域が、地理座標と地図座標を第2の座標変換によって変換する領域である。
【0048】
好ましくは、地図座標処理装置200は、
上記バッファ領域境界線に基づいて、上記バッファ領域境界線を囲み、かつ上記バッファ領域境界線との最も近い距離が第1の閾値である最小外接矩形MBRを生成する生成モジュールをさらに含み、
決定モジュール202は、具体的には、
上記目標位置が上記MBR内に位置すれば、上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定し、
上記目標位置が上記MBR外に位置すれば、上記目標位置の地理座標に対して上記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、上記目標位置の地図座標として決定する。
【0049】
好ましくは、決定モジュール202は、
上記目標位置の地理座標が上記バッファ領域境界線内に位置すれば、上記目標位置の地理座標に対して上記第1の座標変換を行って得られた第1の座標を、上記目標位置の地図座標として決定する第1の決定サブモジュールと、
上記目標位置の地理座標が上記バッファ領域境界線外に位置し、かつ上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値以上であれば、上記目標位置の地理座標に対して上記第2の座標変換を行って得られた第2の座標を、上記目標位置の地図座標として決定する第2の決定サブモジュールと、
上記目標位置の地理座標が上記バッファ領域境界線外に位置し、かつ上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離が第1の閾値より小さければ、上記第1の座標、上記第2の座標、及び、上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離と上記第1の閾値とで決定されたバッファ因子に基づいて、上記目標位置の地図座標を決定する第3の決定サブモジュールと、を含む。
【0050】
好ましくは、上記第3の決定サブモジュールは、具体的には、
上記目標位置の地図座標を以下の式に従って計算し、
P=P2+(P1-P2)*R
ここで、上記P1が上記第1の座標であり、上記P2が上記第2の座標であり、上記R上記バッファ因子であり、上記R=1-d/Dであり、ここで、上記dが上記目標位置の地理座標と上記バッファ領域境界線との間の最も近い距離であり、上記Dが上記第1の閾値である。
【0051】
好ましくは、上記バッファ領域境界線は、上記第1の領域の境界線を囲む多角形であり、上記バッファ領域境界線の形状点の数は、第2の閾値以下である。
【0052】
本願に係る地図座標処理装置200は、上記地図座標処理方法の実施例における各プロセスを実現し、かつ同じ有益な効果を達成することができ、重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0053】
本願の実施例によれば、本願は、電子機器及び可読記憶媒体をさらに提供する。
【0054】
図5に示すように、本願の実施例に係る地図座標処理方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及びその他の適切なコンピュータなどの、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを意図する。電子機器は、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器及びその他の類似の計算装置などの、様々な形態のモバイル装置を表してもよい。本明細書で示された部材、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、単なる例に過ぎず、本明細書で説明及び/又は要求された本願の実現を限定することを意図しない。
【0055】
図5に示すように、該電子機器は、1つ以上のプロセッサ601と、メモリ602と、各部材を接続する高速インタフェース及び低速インタフェースとを含む。各部材は、異なるバスを用いて互いに接続され、かつ共通マザーボード上に取り付けられてもよく、又は必要に応じて他の方式で取り付けられてもよい。プロセッサは、電子機器内で実行された、外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合された表示機器)上にGUIのグラフィック情報を表示するようにメモリ内又はメモリ上に記憶されている命令を含む命令を処理することができる。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリ及び複数のメモリと共に使用してよい。同様に、複数の電子機器を接続してよく、各機器は、必要な動作の一部を提供する(例えば、サーバアレイ、一組のブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)。図5では、1つのプロセッサ601を例とする。
【0056】
メモリ602は、本願に係る非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに実行可能で、少なくとも1つのプロセッサに本願に係る地図座標処理方法を実行させる命令を記憶している。本願の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、本願に係る地図座標処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶している。
【0057】
メモリ602は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュール、例えば、本願の実施例における地図座標処理方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図4に示す取得モジュール201及び決定モジュール202)を記憶する。プロセッサ601は、メモリ602内に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することにより、地図座標処理装置の様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行して、上記方法の実施例における地図座標処理方法を実現する。
【0058】
メモリ602は、オペレーティングシステム及び機能に必要な少なくとも1つのアプリケーションプログラムを記憶可能なプログラム記憶領域と、地図座標処理方法に係る電子機器の使用により作成されたデータなどを記憶可能なデータ記憶領域とを含んでよい。また、メモリ602は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスクメモリ素子、フラッシュメモリ素子又は他の非一時的な固体メモリ素子などの非一時的なメモリを含んでもよい。いくつかの実施例では、メモリ602は、好ましくは、プロセッサ601に対して遠隔に配置されたメモリを含み、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して地図座標処理方法の電子機器に接続することができる。上記ネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0059】
地図座標処理方法の電子機器は、入力装置603及び出力装置604をさらに含んでもよい。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603及び出力装置604は、バス又は他の方式で接続でき、図5では、バスによる接続を例とする。
【0060】
入力装置603は、入力された数字又は文字情報を受信するとともに、地図座標処理方法の電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ以上のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置604は、表示機器、補助照明装置(例えば、LED)及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを含んでよい。該表示機器は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ及びプラズマディスプレイなどを含んでよいが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示機器は、タッチスクリーンであってよい。
【0061】
ここで説明されたシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な実施形態は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行及び/又は解釈されてよい1つ以上のコンピュータプログラムにおいて実施されるものを含んでよく、該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信するとともに、データ及び命令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置及び該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0062】
これらの計算プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、かつ高レベルなプロセス及び/又はオブジェクト指向のプログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語により実施することができる。本明細書で使用されるように、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに供給する任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD))を意味し、機械可読信号としての機械命令を受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに供給するための任意の信号を意味する。
【0063】
ユーザとの対話を供給するために、コンピュータ上で、ここで説明されたシステム及び技術を実施でき、該コンピュータは、ユーザに情報を表示する表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティング装置(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、該キーボード及び該ポインティング装置により、入力をコンピュータに供給することができる。他の種類の装置も、ユーザとの対話を供給してよく、例えば、ユーザに供給されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック又は触覚フィードバック)であってよく、また、任意の形式(音響入力、音声入力又は触覚入力を含む)を用いてユーザからの入力を受信することができる。
【0064】
ここで説明されたシステム及び技術は、バックエンド部材を含む計算システム(例えば、データサーバとする)、ミドルウェア部材を含む計算システム(例えば、アプリケーションサーバ)、フロントエンド部材を含む計算システム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、該グラフィカルユーザインタフェース又は該ウェブブラウザを介して、ここで説明されたシステム及び技術の実施形態と対話することができる)、或いはこのようなバックエンド部材、ミドルウェア部材又はフロントエンド部材の任意の組み合わせを含む計算システムにおいて実施することができる。システムの部材は、任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)により互いに接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット及びブロックチェーンネットワークを含む。
【0065】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含んでよい。クライアントとサーバは、一般的に、互いに離れ、かつ、通常通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、対応するコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生成される。
【0066】
本願の実施例の技術手段によれば、ある領域の座標変換方式が他の領域とは異なる場合、該領域を囲むバッファ領域境界線を生成でき、ある位置の地理座標を取得した後に、該位置の地理座標とバッファ領域境界線との相対的な位置関係に基づいて、該位置の地図座標を決定できることにより、バッファ領域境界線近傍の地図座標は、異なる座標変換方式による座標ずれ量を段階的に除去するため、異なる領域の座標変換方式が異なることに起因して地図における異なる領域の境界に座標の急変又は座標の重なりが生じるという問題を解決することができる。
【0067】
上記様々な形式のプローを用いて、ステップを再順序付けたり、追加したり、削除したりしてよいことを理解されたい。例えば、本願に記載された各ステップは、並列的に実行されてもよく、順次実行されてもよく、異なる順序で実行されてもよく、本願に開示された技術手段の所望の結果を達成できる限り、本明細書はここで限定しない。
【0068】
上記発明を実施するための最良の形態は、本願の保護範囲を限定しない。設計要件及びその他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、部分組み合わせ及び置換を行うことができることは、当業者に理解されるところである。本願の精神及び原則内に行われる任意の修正、同等置換及び改善などは、いずれも本願の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5