IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-冷蔵庫 図1
  • 特許-冷蔵庫 図2
  • 特許-冷蔵庫 図3
  • 特許-冷蔵庫 図4
  • 特許-冷蔵庫 図5
  • 特許-冷蔵庫 図6
  • 特許-冷蔵庫 図7
  • 特許-冷蔵庫 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20230301BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20230301BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
F25D23/00 301Q
F25D23/02 D
H05K7/20 G
F25D23/00 307
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021066476
(22)【出願日】2021-04-09
(62)【分割の表示】P 2017006416の分割
【原出願日】2017-01-18
(65)【公開番号】P2021105513
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2021-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】塚本 健一
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-056964(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105526766(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103426405(CN,A)
【文献】特開2014-122777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱性を有する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前面開口部を開閉する扉と、
前記扉の前面に設けられている表示部と、
前記扉における前記表示部の内面側に設けられる断熱材と、
を備え、
前記扉は、観音開きで前面開口部を開閉する左側の扉と右側の扉であり、
前記表示部は、前記左側の扉と前記右側の扉の両方に設けられ、
一方の扉の側面部には、前記一方の扉の前面に前記表示部を設置するための部材が設けられ、
前記一方の扉の前記部材には、他方の扉の側面部に対面した放熱用の孔が設けられ、
前記他方の扉の側面部には、前記他方の扉の前面に前記表示部を設置するための部材が設けられ、
前記他方の扉の前記部材には、前記一方の扉の側面部に対面した放熱用の孔が設けられ、
前記一方の扉の側面部の前記放熱用の孔と前記他方の扉の側面部の前記放熱用の孔は、前記冷蔵庫本体の奥行方向又は上下方向について、互いにずれた位置に設けられ、
前記他方の扉の側面部は、前記一方の扉の側面部の前記放熱用の孔の対面している部分が壁面になっていることを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の扉の面には、液晶表示部を備えているものがある。この液晶表示部では、例えば各種の情報等を表示や冷蔵庫の機能を操作することができる(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-333069号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この液晶表示部が、例えば扉の前面のほぼ全面にわたって設けられると、液晶表示部が熱を発生するので、扉の断熱材の厚みを大きくする必要がある。このため、冷蔵庫の扉の厚みが大きくなることから、庫内の容積を大きく確保しようとすると、冷蔵庫の小型化の妨げになる。
【0005】
また、冷蔵庫の大型化を避けるために、扉の断熱材の厚みをできるだけ小さくして庫内の容積を大きく確保しようとすると、液晶表示部が発生する熱が、扉を通じて庫内に漏えいするおそれがあり、庫内の温度を保つためには庫内を冷やすための電力がさらに必要になり、消費電力が増大する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、扉の前面に液晶表示部が配置されている場合に、消費電力を抑えることができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態の冷蔵庫は、断熱性を有する冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体の前面開口部を開閉する扉と、前記扉の前面に設けられている表示部と、前記扉における前記表示部の内面側に設けられる断熱材と、を備える。前記扉は、観音開きで前面開口部を開閉する左側の扉と右側の扉であり、前記表示部は、前記左側の扉と前記右側の扉の少なくとも一方の扉に設けられ、前記一方の扉の側面部には、前記一方の扉の前面に前記表示部を設置するための部材が設けられ、前記部材には、他方の扉の側面部に対面した放熱用の孔が設けられ、前記他方の扉の側面部は、前記放熱用の孔の対面している部分が壁面になっていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係わる冷蔵庫の全体を示す正面図である。
図2図1に示す冷蔵庫の内部構造例を側面側から見た断面を有する模式図である。
図3図1図2に示す冷蔵庫の冷蔵庫本体の上部と、扉の構造例を示す斜視図である。
図4】扉の構造例を示す斜視図である。
図5図4に示す放熱用の孔の好ましい形状例を示す断面図である。
図6図3に示す冷蔵庫本体のR-R線における断面図である。
図7】本発明の第2実施形態を示す一部を省略した観音開き式の冷蔵庫の平面図である。
図8】本発明の第3実施形態を示す一部を省略した観音開き式の冷蔵庫の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係わる冷蔵庫の全体を示す正面図である。図2は、図1に示す冷蔵庫1の内部構造例を側面側から見た断面を有する模式図である。
【0011】
図1図2に示す冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2を有している。図2に示すように、この冷蔵庫1の冷蔵庫本体2は、外側側板からなる外箱2Rと、内側側板からなる内箱2Tを有し、その外箱2Rと内箱2Tの間には、例えばポリウレタンのような発泡断熱材である断熱材3が配置されている。このため、冷蔵庫本体2は、断熱性を有する。
【0012】
この冷蔵庫本体2の内部には、複数の貯蔵室が形成されている。複数の貯蔵室としては、例えば、冷凍温度帯に冷却可能な冷凍区画としての冷凍室4が上側に設けられ、この冷凍室4の下には、冷蔵温度帯に冷却可能な冷蔵区画としての冷蔵室5が設けられている。
【0013】
図2に示すように、片開き式の扉6が、冷凍室4の前面に設けられている。庫の扉6は、冷凍室4の前面開口部4Aを開閉するために、この扉6の端部が、図示しないヒンジにより、冷蔵庫本体2に対して、回転可能に取り付けられている。同様にして、扉7が、冷蔵室5の前面に設けられている。扉7は、冷蔵室5の前面開口部5Aを開閉するために、この扉7の端部が、図示しないヒンジにより、冷蔵庫本体2に対して、回転可能に取り付けられている。
【0014】
図1図2に示す例では、上に位置する扉6は、下に位置する扉7に比べて面積が小さいが、扉6,7はともに長方形である。扉6の前面には、液晶表示部10が設けられている。同様にして、扉7の前面には、液晶表示部11が設けられている。液晶表示部10,11は、例えば液晶表示パネル(LCD)である。液晶表示部10は、好ましくは扉6の前面のほぼ全領域もしくは全領域にわたって配置されている。同様にして、液晶表示部11は、好ましくは扉7の前面のほぼ全領域もしくは全領域にわたって配置されている。
【0015】
液晶表示部10,11は、液晶表示部10,11の内面側に、液晶を駆動するための回路基板12,13を有する。液晶表示部10は、例えば冷蔵庫1の冷凍室4の動作に関する情報や冷凍室4の動作を指示するための操作部の表示をカラー表示することができる。液晶表示部11は、例えば冷蔵庫1の冷蔵室5の動作に関する情報や冷蔵室5の動作を指示するための操作部の表示をカラー表示することができる。液晶表示部10と回路基板12は、表示装置を構成し、液晶表示部11と回路基板13は、表示装置を構成している。
【0016】
図1図2に示すように、液晶表示部10の内面側(背面側)には、真空断熱パネル14が配置され、液晶表示部11の内面側(背面側)には、真空断熱パネル15が配置されている。
【0017】
図1では、真空断熱パネル14,15の位置は、それぞれ破線で示している。真空断熱パネル14,15は、それぞれ長方形状の板状の断熱部材であり、厚みが薄くても高い断熱性を確保することができる。真空断熱パネル14,15の構造例を説明すると、真空断熱パネル14,15の板状のコア材としては、ポリウレタンフォームやガラスウールを用いており、そのコア材を覆う包装材としては、ラミネートフィルムを用いている。これにより、真空断熱パネル14,15は、厚みが薄くても高い断熱性を確保できる。
【0018】
図1図2では、矢印のZ方向は冷蔵庫1の上下方向を示し、矢印のY方向は冷蔵庫1の左右方向(幅方向)を示し、矢印のX方向は冷蔵庫1の奥行方向を示している。例えば、真空断熱パネル14のZ方向の長さとY方向の長さは、液晶表示部10のZ方向の長さとY方向の長さとほぼ同じか少し小さい。例えば、真空断熱パネル15のZ方向の長さとY方向の長さは、液晶表示部11のZ方向の長さとY方向の長さとほぼ同じか少し小さい。
【0019】
図2に示すように、真空断熱パネル14は、扉6において、液晶表示部10と回路基板12と、冷蔵庫本体2の断熱材3との間に配置されている。同様にして、真空断熱パネル15は、扉7において、液晶表示部11と回路基板13と、冷蔵庫本体2の断熱材3との間に配置されている。
【0020】
これにより、液晶表示部10と回路基板12が動作の際に発熱しても、真空断熱パネル14は、液晶表示部10と回路基板12の熱が冷凍室4の断熱材3側へ伝わるのを、阻止する。同様にして、液晶表示部11と回路基板13が動作の際に発熱しても、真空断熱パネル15は、液晶表示部11と回路基板13の熱が冷蔵室5の断熱材3側へ伝わるのを、阻止する。
【0021】
断熱性の高い真空断熱パネル14が、液晶表示部10と回路基板12と冷蔵庫本体2の断熱材3との間に配置され、断熱性の高い真空断熱パネル15が、液晶表示部11と回路基板13と冷蔵庫本体2の断熱材3との間に配置されているので、真空断熱パネル14,15を配置しても、冷蔵庫本体2の貯蔵室である冷凍室4と冷蔵室5の内容積を確保できる。
【0022】
このように、扉6は、液晶表示部10と回路基板12と真空断熱パネル14を有し、扉7は、液晶表示部11と回路基板13と真空断熱パネル15を有しているが、扉6と扉7は、実質的に同じ構造を有しているので、以下の説明では、扉6の構造例を代表して説明する。
【0023】
図3は、図1図2に示す冷蔵庫1の冷蔵庫本体2の上部と、扉6の構造例を示す斜視図である。図4は、扉6の構造例を示す斜視図である。
【0024】
図3に示すように、扉6の片側の端部は、ヒンジ部20により、冷蔵庫本体2に対して回転可能に取り付けられている。扉6は、長方形状であり、その前面には液晶表示部10が配置されている。
【0025】
図3図4に示すように、扉6は、4つの端面に、それぞれ固定部材21,22,23,24を有する。固定部材21,22,23,24は、例えばプラスチック製の長い板状の部材であり、固定部材21は扉6の上側の端面に配置され、固定部材22は扉6の下側の端面に配置されている。そして、固定部材23は、扉6の左側の端面に配置され、固定部材24は、扉6の右側の端面に配置されている。
【0026】
図3図4に示すように、上側の固定部材21以外の下側と左右の固定部材22,23,24には、それぞれ複数の放熱用の孔25が設けられている。複数の放熱用の孔25は、各固定部材22,23,24の長手方向に沿って配列されている。これにより、各放熱用の孔25は、上側の固定部材21以外の下側と左右の固定部材22,23,24に設けられているので、水やほこり等が、放熱用の孔を通じて、液晶表示部11,12の内面側に侵入するのを防ぐことができる。
【0027】
また、扉6において、液晶表示部10と回路基板12が動作の際に発熱しても、液晶表示部10と回路基板12の熱は、これらの放熱用の孔25を通じて、扉6の外部に放出することができる。また、液晶表示部10と回路基板12が発熱することで、図2の真空断熱パネル14がこの熱を受けても、この熱もこれらの放熱用の孔25を通じて、外部に放出することができる。
【0028】
この放熱構造は、図2に示す扉7においても扉6と同様であり、液晶表示部11と回路基板13が動作の際に発熱しても、液晶表示部11と回路基板13の熱は、これらの放熱用の孔25を通じて、扉7の外部に放出することができる。また、液晶表示部11と回路基板13が発熱することで、図2の真空断熱パネル15がこの熱を受けても、この熱もこれらの放熱用の孔25を通じて、外部に放出することができる。
【0029】
図5は、図4に示す放熱用の孔25の好ましい形状例を示す断面図である。図6は、図3に示す冷蔵庫本体2のR-R線における断面図である。
【0030】
図5に示すように、左右の固定部材23,24の各放熱用の孔25は、水平面26と、斜め下向きの傾斜面27を有する。これにより、図2に示す液晶表示部10と回路基板12の熱は、図5の放熱用の孔25を通じて、図5において矢印Wで示すように斜め下向きに外部に放出することができる。また、図2の液晶表示部11と回路基板13の熱は、図5の放熱用の孔25を通じて、図5において矢印Wで示すように斜め下向きに外部に放出することができる。
【0031】
しかも、図5の各放熱用の孔25は、左右の固定部材23,24において、斜め下向きに熱を放出するように形成されている。このため、各放熱用の孔が水平に向いている場合に比べて、水やほこり等が、放熱用の孔25を通じて、図2の扉6の液晶表示部10と回路基板12の内面側に侵入するのをさらに阻止できる。このため、扉6の液晶表示部10と回路基板12が、水やほこり等の侵入によりショートするのを防ぐことができる。同様にして、各放熱用の孔が水平に向いている場合に比べて、水やほこり等が、放熱用の孔25を通じて、図2の扉7の液晶表示部11と回路基板13の内面側に侵入するのをさらに阻止できる。このため、扉7の液晶表示部11と回路基板13が、水やほこり等の侵入によりショートするのを防ぐことができる。
【0032】
図4に戻ると、上側の固定部材21には、Y方向に沿って細長い形状の凹部30が設けられている。この長い凹部30には、複数のLED(発光ダイオード)を有する光照射部31がはめ込まれている。この光照射部31の上面は、細長い長方形状の蓋部材32により覆われている。
【0033】
図6には、光照射部31と蓋部材32が、上側の固定部材21の凹部30内に取り付けられている構造例を示している。光照射部31は、複数のLED31Lと基板31Mを有する。複数のLED31Lが、この光照射部31の基板31Mの下面において、間隔をおいて配列されている。
【0034】
図4図6に示すように、上側の固定部材21の凹部30内には、複数の貫通孔30Hが設けられている。図6に示すように、各LED31Lは、上側の固定部材21の対応する位置の貫通孔30H内に、それぞれはめ込まれている。このように、光照射部31の光源として好ましくはLED(発光ダイオード)を用いると、消費電力が少なく、動作の際の熱容量も抑えることができる。
【0035】
図6に示すように、光照射部31は、上側の固定部材21の凹部30内に配置されており、光照射部31のLED31Lは、Z1方向に沿って下向きに取り付けられていて、LED31は、照明用の光をZ1方向に向けて発生する。
【0036】
蓋部材32は、複数の爪部32Tを有している。蓋部材32が、上側の固定部材21の凹部30にはめ込まれると、各爪部32Tは、上側の固定部材21の係合用の凹部分41にかみ合う。これにより、蓋部材32は、上側の固定部材21の凹部30にはめ込むだけで、爪32T,32Tを用いて、上側の固定部材21に対して簡単に固定され、蓋部材32は光照射部31を覆うことができる。
【0037】
小型化を図った光照射部31が上側の固定部材21内に配置されているので、別途照明用のバックライトを液晶表示部10,11の内面側(背面側)に配置して用いる場合に比べて、扉6,7の小型化を図ることができる。
【0038】
図6に示すように、液晶表示部10の上端部10Aは、上側の固定部材21の保持用の凹部分42にはめ込まれることで、扉6の前面において固定されている。図示を省略しているが、液晶表示部10の下端部と左右端部も同様にして、下側の固定部材22と左右の固定部材23,24の保持用の凹部分にそれぞれはめ込まれることで、扉6の前面において固定されている。
【0039】
図6に示すように、扉6において、液晶表示部10の内面側(背面側)には、導光部50が配置されている。導光部5のさらに内面側(背面側)には、反射フィルム51が配置されている。反射フィルム51の内面側(背面側)には、真空断熱パネル14が配置されている。
【0040】
例えば、この導光部50と反射フィルム51のZ方向とY方向の寸法は、液晶表示部10のZ方向とY方向の寸法と比べて、ほぼ同じか同じである光学部品である。例えば、導光部50の上側の光導入用端部52は、光照射部31のLED31Lに対面している。真空断熱パネル14のZ方向とY方向の寸法は、導光部50と反射フィルム51のZ方向とY方向の寸法と比べて、やや小さいか同じである。このような構造は、扉7においても同様である。
【0041】
液晶表示部10,11に光を照射する光照射部31は、真空断熱パネル14の位置とは異なる位置に設けられている。これにより、光照射部31は、真空断熱パネル14があっても、液晶表示部10,11側に照明用の光を供給できる。光照射部31は、液晶表示部10,11を照明する、いわゆるエッジライトとして用いることができる。
【0042】
扉6においては、光照射部31の各LED31Lは、Z1方向に沿って光を発生すると、導光部50は、各LED31Lからの光を、光透過性を有する回路基板12を通じて、液晶表示部10の内面側に導いて、内面側から液晶表示部10を照明する。この際に、各LED31Lからの光は、反射フィルム51により液晶表示部10に向けて反射される。これにより、液晶表示部10は、エッジライトとしての光照射部31の各LED31Lからの光を内面側からまんべんなく受けることができるので、液晶表示部10は、全面にわたってむらなく表示できる。このことは、扉7においても同様である。
【0043】
なお、図1図2に示す扉6の構造例と、扉7の構造例は、同様であるので、扉7の対応する箇所には、扉6の対応する箇所と同じ符号を付けて、その説明を省略する。
【0044】
本発明の第1実施形態の冷蔵庫1では、好ましくは液晶表示部10,11が、例えば扉6,7の前面のほぼ全領域もしくは全領域にわたって設けられている。液晶表示部10,11とその回路基板が発生する熱は後方に伝導するが、この熱は、真空断熱パネル14により遮断でき(ストップでき)る。従って、液晶表示部10,11とその回路基板12,13が発生して後方に伝導した熱と、真空断熱パネル14で遮断された(ストップされた)熱は、真空断熱パネル14において、溜まる。このように真空断熱パネル14で溜まった熱は、扉6,7の下側と左右の固定部材22,23,24へ移動して、固定部材22,23,24の放熱用の孔25から、扉6,7の外部へ放出することができる。
【0045】
このため、図2に示す扉6,7における断熱材3の断熱厚を大きくする必要がなく、冷蔵庫1の扉6,7の厚みが大きくならないので、扉6,7の前面に液晶表示部10,11がそれぞれ配置されている場合に、庫内の容積を確保しながら、冷蔵庫の小型化に寄与できる。液晶表示部10,11とその回路基板12,13が発生する熱と、真空断熱パネル14で遮断した熱は、庫内である冷凍室4と冷蔵室5内に漏えいしないので、庫内の温度を保つことが容易にでき、消費電力の増大を避けることができる。
【0046】
次に、本発明の別の実施形態を説明する。
【0047】
図7は、本発明の第2実施形態を示す一部を省略した観音開き式の冷蔵庫1Aの平面図である。図8は、本発明の第3実施形態を示す一部を省略した観音開き式の冷蔵庫1Aの正面図である。
【0048】
<第2実施形態>
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
【0049】
図7に示す冷蔵庫1Aの冷蔵庫本体2Aは、観音開き式の2枚の扉61,62を備えている。左右の扉61,62は、冷蔵庫本体2Aの例えば冷凍室63の前面開口部64を、ヒンジ部65,66を用いて開閉可能に閉じている。左右の扉61,62の前面には、好ましくはほぼ全領域にもしくは全領域において、それぞれ液晶表示部71,72が設けられている。左右の扉61,62の構造は、上述した第1実施形態の扉6,7と同様の構造を有している。
【0050】
左側の扉61は上側と下側と左右の固定部材81を有しており、右側の扉62は上側と下側と左右の固定部材82を有している。下側と左右の固定部材81,82には、それぞれ放熱用の孔25が設けられている。
【0051】
ただし、左側の扉61の右側の固定部材81に設けられた放熱用の孔25の位置は、右側の扉62の左側の固定部材82に設けられた放熱用の孔25の位置に対して、冷蔵庫本体2Aの奥行方向であるX方向について、互いにずれた位置に設けられている。すなわち、対面している左側の扉61の右側の固定部材81と、右側の扉62の左側の固定部材82にそれぞれ設けられている放熱用の孔25,25は、X方向について、互いにずれた位置に設けられている。
【0052】
これにより、放熱用の孔25同士は同じ位置で対面しないので、それぞれの放熱用の孔25から排出される熱が、反対側の放熱用の孔25に入り込んでしまうのを防ぐことができる。このため、扉61,62における放熱能力が阻害されることがない。
【0053】
<第3実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
【0054】
図8に示すように、左側の扉61の右側の固定部材81に設けられた放熱用の孔25の位置は、右側の扉62の左側の固定部材82に設けられた放熱用の孔25の位置に対して、冷蔵庫本体2Aの上下方向であるZ方向について、互いにずれた位置に設けられている。これにより、放熱用の孔25同士は同じ位置で対面しないので、それぞれの放熱用の孔25から排出される熱が、反対側の放熱用の孔25に入り込んでしまうのを防ぐことができる。このため、扉61,62における放熱能力が阻害されることがない。
【0055】
なお、上述した図7に示す本発明の第2実施形態と、図8に示す第3実施形態と、を組み合わせることができる。すなわち、左側の扉61の右側の固定部材81に設けられた放熱用の孔25の位置は、右側の扉62の左側の固定部材82に設けられた放熱用の孔25の位置に対して、図7に示すように、冷蔵庫本体2Aの奥行方向であるX方向について、互いにずれた位置に設けられ、しかも図8に示すように、冷蔵庫本体2Aの上下方向であるZ方向についても、互いにずれた位置に設けられる。
【0056】
これにより、対面する右側の固定部材81と左側の固定部材82が対面する場合に、それぞれの放熱用の孔25の位置を、X方向とZ方向にずらして配置することで、それぞれの放熱用の孔25から排出される熱が、反対側の放熱用の孔25に入り込んでしまうのを防ぐことができる。このため、扉61,62における放熱能力が阻害されることがない。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施形態の冷蔵庫1は、断熱性を有する冷蔵庫本体2と、冷蔵庫本体2の前面開口部を開閉する扉6,7と、扉6,7の前面に設けられている液晶表示部10,11と、扉6,7における液晶表示部10,11の内面側に設けられる真空断熱パネル14を備える。
【0058】
これにより、扉の前面に液晶表示部が配置されている場合に、液晶表示部10,11とその回路基板が発生する熱は、真空断熱パネル14により遮断して、その熱が冷凍室4や冷蔵室5内に侵入するのを防ぐことができる。このため、冷蔵庫本体2の庫内の断熱材の厚みを大きくする必要がないので、庫内の容積を確保しながら、消費電力を抑えることができる。
【0059】
液晶表示部10,11に光を照射する光照射部31は、真空断熱パネル14の位置とは異なる位置に設けられている。これにより、光照射部31は、真空断熱パネル14があっても、液晶表示部10,11側に照明用の光を供給できる。光照射部31は、液晶表示部10,11を照明する、いわゆるエッジライトとして用いることができる。光照射部31の光源として好ましくはLED(発光ダイオード)を用いると、消費電力が少なく、熱容量も抑えることができる。
【0060】
液晶表示部10,11は、扉6,7の前面において、液晶表示部10,11を固定する固定部材21,22,23,24により固定され、光照射部31は、例えば上側の固定部材21に配置されている。これにより、光照射部31が上側の固定部材21に配置されているので、別途照明用のバックライトを、液晶表示部10,11の内面側に配置して用いる場合に比べて、扉6,7の小型化を図ることができる。
【0061】
扉6,7の上方の端面以外の端面にある固定部材22,23,24には、放熱用の孔25が設けられている。これにより、水やほこり等が、放熱用の孔25を通じて扉6,7の内部に侵入するのを防止できる。液晶表示部10,11と回路基板12,13が発熱しても、液晶表示部10,11と回路基板12,13の熱は、これらの放熱用の孔25を通じて、外部に放出することができる。
【0062】
冷蔵庫1Aの扉が、観音開き式で前面開口部を開閉する左側の扉61と右側の扉62である場合には、左側の扉61の放熱用の孔25と右側の扉62の放熱用の孔25は、冷蔵庫本体2の奥行方向であるX方向について、互いにずれた位置に設けられている。これにより、放熱用の孔25同士は対面しない位置にあるので、それぞれの放熱用の孔25から排出される熱が、反対側の放熱用の孔25に入り込んでしまうのを防ぐことができる。このため、扉61,62における放熱性が阻害されることがない。
【0063】
また、冷蔵庫1Aの扉は、観音開き式で前面開口部を開閉する左側の扉61と右側の扉62である場合には、左側の扉61の放熱用の孔25と右側の扉62の放熱用の孔25は、冷蔵庫本体2の上下方向であるZ方向について、互いにずれた位置に設けられている。これにより、放熱用の孔25同士は対面しないので、それぞれの放熱用の孔25から排出される熱が、反対側の放熱用の孔25に入り込んでしまうのを防ぐことができる。このため、扉61,62における放熱性が阻害されることがない。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0065】
図1図2に示す冷蔵庫1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。
【0066】
図1図2に示すように、液晶表示部10は、好ましくは扉6の前面において、扉6の前面のほぼ全領域あるいは全領域にわたって配置されている。同様にして、液晶表示部11は、好ましくは扉7の前面において、扉7の前面のほぼ全領域あるいは全領域にわたって配置されている。しかし、液晶表示部が、扉の前面の一部の領域に設けられる場合にも、本発明は適用できる。
【0067】
光照射部31は、真空断熱パネル14の位置とは異なる位置であって、扉6,7の上方の端面以外の端面にある固定部材22,23,24に設けられてもよい。
【0068】
図示の実施形態では、下側と左右の固定部材22,23,24にそれぞれ放熱用の孔25が設けられているが、これに限らず、左右の固定部材23,24だけに放熱用の孔25を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 冷蔵庫
1A 冷蔵庫
2 冷蔵庫本体
2A 冷蔵庫本体
2R 外箱
2T 内箱
3 断熱材
4 冷凍室
5 冷蔵室
6 扉
7 扉
10 液晶表示部
11 液晶表示部
12 回路基板
13 回路基板
14 真空断熱パネル
21から24 固定部材
25 放熱用の孔
31 光照射部
32 蓋部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8