(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】直立プラスチック製保存袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/20 20060101AFI20230301BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20230301BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B65D30/20 F
B65D33/25 A
B65D33/00 Z
(21)【出願番号】P 2021123412
(22)【出願日】2021-07-28
(62)【分割の表示】P 2020030251の分割
【原出願日】2015-09-01
【審査請求日】2021-08-26
(32)【優先日】2015-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】ポーチア、 ジョゼ
(72)【発明者】
【氏名】バーグレン、 キーガン、 イー
(72)【発明者】
【氏名】ダイス、 ブライアン、 シー
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0245698(US,A1)
【文献】実開昭52-131310(JP,U)
【文献】特開2012-116498(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02759981(FR,A1)
【文献】特開2004-359255(JP,A)
【文献】特開2015-067295(JP,A)
【文献】再公表特許第2005/019052(JP,A1)
【文献】登録実用新案第3120623(JP,U)
【文献】実開昭61-117111(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存袋において、
(A)頂部分及び底部分を有する、第1の側壁であって、
前記第1の側壁が、
(a
)前記第1の側壁の前記底部分に提供された少なくとも1つの
シフトラインであって、前記第1の側壁が当該少なくとも1つのシフトラインにおいて折り畳まれる、少なくとも1つのシフトラインと、
(b)第1の側壁の前記頂部分に提供されるカフライ
ンと、
を含む第1の側壁と、
(B)開口部をもつ前記袋の内部を形成するために、前記袋の3つの辺に沿って前記第1の側壁に接続された第2の側壁であって、前記第2の側壁が、頂部分及び底部分を有し、前記第2の側壁が前記第2の側壁の前記頂部分に提供されたカフラインを含
む、第2の側壁と、
(C
)前記第1及び第2の側壁の前記頂部分の
上縁部の各々の下方の地点から前記第1及び第2の側壁の各々の前記カフラインまで延びる、カフ領域と、
を備え、
前記袋が、
(a)(i)前記第1の側壁と前記第2の側壁とが
全体的に接触するフラット構成と、(ii
)前記第1の側壁を前記少なくとも1つのシフトライン上で折り畳まれることにより前記袋が実質的に平坦な基底部を有するように、前記第1の側壁と前記第2の側壁とが互いから離隔している直立構成と、の間でシフトし、
(b
)前記第1の側壁と前記第2の側壁の各々の前記カフライン上で
前記カフ領域が外側へ折り返されることで、前記カフ領域が前記袋の開口部を形成し、
前記第1の側壁の前記少なくとも1つのシフトラインは、(i)前記第1の側壁の第1の隅角部の近くから延びる第1のシフトライン、(ii)前記第1の側壁の第1の隅角部の近くから延びる第2のシフトライン、(iii)前記第1の側壁の第2の隅角部の近くから延びる第3のシフトライン、及び(iv)前記第1の側壁の第2の隅角部の近くから延びる第4のシフトラインを含み、
前記直立構成では、前記袋に前記実質的に平坦な基底部が形成されるように、前記第1の側壁の前記第1、第2、第3及び第4のシフトライン上で前記第1の側壁が折り畳まれる、
保存袋。
【請求項2】
前記第1の側壁の前記カフライ
ンは、前記第1の側壁に形成されたスコアラインを含む、請求項1に記載の保存袋。
【請求項3】
前記第2の側壁の前記カフライ
ンは、前記第2の側壁に形成されたスコアラインを含む、請求項1に記載の保存袋。
【請求項4】
前記第1の側壁が、第1の相互係止クロージャ構造をさらに含み、前記第2の側壁が、第2の相互係止クロージャ構造をさらに含み、前記第1の相互係止クロージャ構造が、前記袋の前記開口部を封止するために前記第2の相互係止クロージャ構造と相互係止するように構成される、請求項1に記載の保存袋。
【請求項5】
前記第1の側壁上には、前記カフラインが前記第1の相互係止クロージャ構造の下方に配設され、前記第2の側壁上には、前記カフラインが前記第2相互係止クロージャ構造の下方に配設されている請求項4に記載の保存袋。
【請求項6】
前記第1の側壁上では、前記カフ領域が前記第1の側壁の前記第1の相互係止クロージャ構造から前記第1の側壁の前記カフラインまで延び、前記第2の側壁上では、前記カフ領域が、前記第2の側壁の前記第2の相互係止クロージャ構造から前記第2の側壁の前記カフラインまで延びる、請求項4に記載の保存袋。
【請求項7】
前記第1の側壁が、前記第1の相互係止クロージャ構造の下方に配設された第3の相互係止クロージャ構造をさらに含み、前記第2の側壁が、前記第2の相互係止クロージャ構造の下方に配設された第4の相互係止クロージャ構造をさらに含み、前記第3の相互係止クロージャ構造が、前記袋の前記開口部を封止するために前記第4の相互係止クロージャ構造と相互係止するように構成される、請求項4に記載の保存袋。
【請求項8】
前記第1の側壁上では、前記カフ領域が前記第1の側壁の前記第3の相互係止クロージャ構造から前記第1の側壁の前記カフラインまで延び、前記第2の側壁上では、前記カフ領域が前記第2の側壁の前記第4の相互係止クロージャ構造から前記第2の側壁のカフラインまで延びる、請求項7に記載の保存袋。
【請求項9】
前記第1及び第2の側壁の各々の前記カフラインが、第1の縁部から、対応する側壁の第2の縁部まで延びる直線を備える、請求項1に記載の保存袋。
【請求項10】
前記第1及び第2の側壁の各々の前記カフラインが、第1の縁部から、対応する側壁の第2の縁部まで延びる破線を備える、請求項1に記載の保存袋。
【請求項11】
前記第1及び第2の側壁の各々の前記カフラインが、第1の縁部から、対応する側壁の第2の縁部まで延びる曲線を備える、請求項1に記載の保存袋。
【請求項12】
前記カフ領域が、前記袋を折り畳むべき場所及び折り返すべき場所についてユーザに目印を提供するために、パターン帯を備える、請求項1に記載の保存袋。
【請求項13】
前記パターン帯は、(i)印刷パターン、及び(ii)
前記パターン帯を前記保存袋の他の領域と異ならせるための表面処理のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の保存袋。
【請求項14】
前記パターン帯が、エンボス加工によって形成された、請求項12に記載の保存袋。
【請求項15】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つの底部
分が、
前記第1の側壁及び前記第2の側壁の他の部分とは視覚的に異なるパターン区域を備える、請求項12に記載の保存袋。
【請求項16】
前記パターン帯及び前記パターン区域のうちの少なくとも1つが、エンボス加工によって形成された、請求項15に記載の保存袋。
【請求項17】
前記パターン帯が、前記パターン区域の前記パターンと同じパターンを備える、請求項15に記載の保存袋。
【請求項18】
前記パターン帯が、前記パターン区域の前記パターンとは異なるパターンを備える、請求項15に記載の保存袋。
【請求項19】
前記第2の側壁は
、少なくとも1つの
シフトラインをさらに含み、
前記第2の側壁は前記少なくとも1つのシフトライン上で折り畳み可能であり、前記少なくとも1つの
シフトラインは、前記第2の側壁の前記底部分に提供され
る、請求項1に記載の保存袋。
【請求項20】
前記第2の側壁の前記少なくとも1つの
シフトラインは、(i)前記第2の側壁の第1の隅角部の近くから延びる
シフトライン、及び(ii)前記第2の側壁の第2の隅角部の近くから延びる
シフトラインを含み、
前記直立構成では、前記袋に対して実質的に平坦な基底部が形成されるように、前記第2の側壁の
シフトラインの各々
の上で前記第2の側壁が折り畳まれる、請求項
19に記載の保存袋。
【請求項21】
前記第2の側壁の前記少なくとも1つの
シフトラインは、(i)前記第2の側壁の第1の隅角部の近くから延びる第1の
シフトライン、(ii)前記第2の側壁の第1の隅角部の近
くから延びる第2の
シフトライン、(iii)前記第2の側壁の第2の隅角部の近くから延びる第3の
シフトライン、及び(iv)前記第2の側壁の第2の隅角部の近くから延びる第4の
シフトラインを含み、
前記直立構成では、前記袋に前記実質的に平坦な基底部が形成されるように、前記第2の側壁の第1、第2、第3及び第4の
シフトライン上で前記第2の側壁が折り畳まれる、請求項
19に記載の保存袋。
【請求項22】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁の各々が、前記第1及び第2の側壁の前記頂部分の縁部の各々の下方の地点から前記第1及び第2の側壁の各々の前記底部分までの間に少なくとも1つ設けられたパターン区域を備え、
前記第1及び第2の側壁の各々の前記パターン区域が、(i)前記第1及び第2の側壁の各々のカフラインを隠すこと、(ii)前記第1及び第2の側壁の各々の前記少なくとも1つの
シフトラインを隠すこと、(iii)前記第1及び第2の側壁の各々に剛性を加えること、及び(iv)前記袋を折り畳むべき場所及び折り返すべき場所についてユーザに目印を提供する、の少なくとも1つのために設けられる、請求項
19に記載の保存袋。
【請求項23】
前記パターン区域が、エンボス加工によって形成された、請求項
22に記載の保存袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年3月11日付で出願された同時係属中の米国特許出願第14/204,075号の一部継続出願である、2014年11月7日付で出願された同時係属中
の米国特許出願第14/535,667号の一部継続出願であり、これらの出願は、その
全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、保存袋に関する。より詳細には、本発明は、フラット構成と、当該袋を簡単に充填することができる直立構成との間でシフトすることができるプラスチック製保存袋に関する。
【背景技術】
【0003】
可撓性プラスチック材料で作製された保存袋がよく知られている。そのようなプラスチック製保存袋は、様々なサイズで提供され、食品、用具、衣類、工具などを含む様々な物品を収容するために使用することができる。これらの保存袋は、しばしば、袋の内部を取り外し可能に封止するためのジッパー様のクロージャ機構を含む。本出願の譲受人により、様々なタイプのクロージャ機構をもつプラスチック製保存袋がZIPLOC(登録商標)という名称で販売されている。
【0004】
袋を真っ直ぐに立て、かつ、ユーザが袋の上を保持する必要なく、ユーザが袋を開位置にセットすることができるように、プラスチック製保存袋を構成することが望ましい。つまり、プラスチック製保存袋は、そのクロージャ機構を開封した状態で、ユーザが袋を把持することなく、真っ直ぐに立っていることが望ましい。そのような真っ直ぐな開位置では、ユーザの手は自由に物品を袋に充填することができる。しかしながら、他の時には、プラスチック製保存袋は、できるだけ平坦であることが望ましい。たとえば、袋が使用されていないときには、平坦な袋は、よりコンパクトであり得る。
【0005】
ユーザが袋の上を保持することなく真っ直ぐに立つことができるプラスチック製保存袋を提供するために、袋の底部にヒダ又はマチを加えることがある。「ヒダ」又は「マチ」は、袋の他の部分の間に提供される付加材料、たとえば、袋を形成する材料をそれ自体の上に二重にすることによって形成される折り目を意味する。袋のそのようなヒダ/マチ配列の一例は、米国特許第3,738,565号において見ることができる。ヒダに加えて、保存袋は、真っ直ぐな姿勢でそれ自体をよりしっかりと支持するために、その辺及び底部全体にわたってより厚くすることができる。しかしながら、ヒダとより厚い袋の両方が、その袋を形成するために、付加材料の使用を必要とし、それにより、袋の製造に関連するコストを増大する。さらに、ヒダ及び付加材料は、たとえば、使用されていないとき、及び保管されているときに、袋を平坦にする能力を低減させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、本発明は、第1の側壁を含む保存袋を対象とし、第1の側壁は、第1の側壁の底部分に提供された少なくとも1つのシフト領域、及びカフラインを含む。開口部をもつ当該袋の内部を形成するために、第2の側壁が、当該袋の3つの辺に沿って第1の側壁に直接接続され、第2の側壁は、第2の側壁の底部分に提供された少なくとも1つのシフト領域、及びカフラインを含む。第1の側壁の頂縁部及び第2の側壁の頂縁部の下方に、カフ領域が配設され、カフ領域は、第1及び第2の側壁の頂縁部の各々の下方の地点から、第1及び第2の側壁の各々のカフラインまで延びる。当該袋は、(i)第1の側壁
と第2の側壁とが互いに隣接して配置されるフラット構成と、(ii)直立構成であって、第1の側壁の少なくとも1つのシフト領域及び第2の側壁の少なくとも1つのシフト領域に関してシフト可能である。直立構成では、当該袋のために実質的に平坦な基底部が形成される。当該袋は、さらに、当該袋をカフライン上で折り畳み、カフ領域が当該袋への開口部を形成している折り返し姿勢に当該袋をシフトさせることができるように、カフラインに関してシフト可能である。
【0007】
他の態様では、本発明は、第1の側壁を含む保存袋を対象とし、第1の側壁は、第1の側壁の底部分に提供された少なくとも1つのシフト領域を含む。開口部をもつ当該袋の内部を形成するために、第2の側壁が、当該袋の3つの辺に沿って第1の側壁に直接接続され、第2の側壁は、第2の側壁の底部分に提供された少なくとも1つのシフト領域を含む。第1の側壁の頂縁部及び第2の側壁の頂縁部の下方にカフ領域が配設され、カフ領域は、少なくとも1つのシフト領域を含む。当該袋は、(i)第1の側壁と第2の側壁とが互いに隣接して配置されるフラット構成と、(ii)直立構成であって、第1の側壁の少なくとも1つのシフト領域及び第2の側壁の少なくとも1つのシフト領域に関してシフト可能である。直立構成では、当該袋のために実質的に平坦な基底部が形成される。当該袋は、袋を少なくとも1つのシフト領域の上で折り畳み、カフ領域が袋への開口部を形成している折り返し姿勢に袋をシフトさせることができるように、カフ領域の少なくとも1つのカフ領域に関してシフト可能である。
【0008】
図面と併せて以下の説明から、これらの及び他の利点及び特徴が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】フラット構成における、本発明による袋の側面図である。
【
図2A】フラット構成における、本発明による袋の端面図である。
【
図3】直立構成における、本発明による袋の側部の斜視図である。
【
図4】直立構成における、本発明による袋の側部の斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態による袋の側面図である。
【
図6A】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図6B】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図6C】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図6D】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図6E】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図6F】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図6G】本発明の実施形態による袋の一部分の断面図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態による袋の側面図である。
【
図8】本発明のさらなる実施形態による袋の側面図である。
【
図9A】本発明の他の実施形態による袋の部分側面図である。
【
図9B】本発明の他の実施形態による袋の部分側面図である。
【
図9C】本発明の他の実施形態による袋の部分側面図である。
【
図9D】本発明の他の実施形態による袋の部分側面図である。
【
図9E】本発明の他の実施形態による袋の部分側面図である。
【
図10A】直立構成における、
図9Aの実施形態による袋の斜視図である。
【
図11A】本発明の他の実施形態による袋の側面図である。
【
図11B】本発明のさらに他の実施形態による袋の側面図である。
【
図11C】本発明の他の実施形態による袋の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、フラット構成と直立構成との間で袋をシフトさせるための特徴を含むプラスチック製保存袋に関する。直立構成において、当該袋は、袋を簡単に充填することができるようにユーザが把持することなく、実質的に平坦な基底部の上に立っている。
【0011】
本明細書の記載から明らかであるように、用語「袋」及び「保存袋」は、物品を収容するように設計された幅広い範囲の構造を包含する。そのような袋構造体は、パウチ、封筒、包みなどとも称され得る。一般に、用語「袋」及び「保存袋」は、本明細書で使用される場合、単に、袋が任意の数の物品を担持することが可能であるように開口部をもつ、ある程度の可撓性を持つ容器を意味する。保存袋は、特定の用途のためにあつらえることができ、たとえば、いくつかの実施形態では、冷蔵庫で食品を保存するために袋が使用され得、あるいは、他の実施形態では、冷凍庫で食品を保存するために袋が使用され得る。
【0012】
図1A、
図1B及び
図2~
図4は、本発明の実施形態による保存袋100の図である。袋100は、側縁部106及び110に沿って、また、底縁部108に沿って接続される第1の側壁102と第2の側壁104とを含む。袋100の頂部には、そこを通して物品を袋100の内部に置くことができる開口部112が形成される。特に、袋100は、第1の側壁102と第2の側壁104との間の底部分118にヒダ又はマチを含まない。つまり、第1の側壁102及び第2の側壁104は、側壁102と104との間に提供された任意の種類の折り畳み構造又は拡張可能構造なしに、袋100の底縁部108に沿って互いに直接接続される。また、第1の側壁102及び第2の側壁104は、2つの側壁102と104とを接続する任意のヒダ又はマチなしに、側縁部106及び110に沿って直接接続される
【0013】
開口部112は、相互係止クロージャ構造114A、114B、116及び116Bにより封止され得る。プラスチック製保存袋のための相互係止クロージャ構造は、当技術分野でよく知られており、本出願の保存袋100とともに使用され得る相互係止部材の様々な形状及び構成の例は、米国特許第5,070,584号、米国特許第7,784,160号、米国特許第7,886,412号、米国特許第7,946,766号、及び米国特許第と8,061,898号、ならびに米国特許出願公開第2009/0324141号に見ることができ、これらの開示全体は、本明細書に参照として組み込まれる。クロージャ構造114A、114B、116A及び116Bの代替として、他の実施形態では、第1の側壁102及び第2の側壁104の頂縁部に沿って袋100の開口部112を封止するために、スライダ型クロージャ構造が使用され得る。スライダ型クロージャ構造の例は、米国特許第5,664,299号、米国特許第5,836,056号、及び米国特許第7,052,181号に見ることができ、これらの開示全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0014】
袋100を形成するために使用され得る例示的なプラスチック材料として、たとえば、ポリオレフィンプラストマー、ならびにその組合せ及びブレンドの中でも、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、メタロセンポリエチレン(mPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BPET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。使用され得るさらに他の材料として、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィンブレンド、エラストマー合金、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)のポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サランポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、イオノマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、芳香族ポリエステル、鎖状ポリエステル、ならびに熱可塑性ポリビ
ニルアルコールが挙げられる。当業者には、保存袋100を形成するために多種多様な他の材料も使用され得ることが認識されよう。当業者にはまた、上述したプラスチック材料を使用することによって、一定の範囲の色及び透明度で保存袋100を作製できることも認識されよう。
【0015】
プラスチック製保存袋100を形成するために、様々な製造技法が使用され得る。1つの具体的な例として、袋100の側壁102及び104は、1つのシートとして一緒に押出成形することができ、たとえば、熱可塑性溶接技法を使用して、第1の側壁102の一部分と第2の側壁104の一部分とを1つに接合して袋構造が形成される。別の例として、3つの縁部106、108及び110に沿って1つに接合される個別の構造体として第1の側壁102及び第2の側壁104を形成することができる。これらの文脈に沿うと、本明細書では側壁102と104とが1つに「接続されている」ものとして参照した場合、それらの側壁を一体に形成してもよく、あるいは代替的には、側壁102及び104は、接続部において1つに接合された個別の構造体でもよい。袋100の特定の追加の特徴の構成については後述する。
【0016】
本発明による保存袋100は、
図1A、
図1B及び
図2に示すようなフラット構成と
図3及び
図4に示すような直立構成との間でシフトさせることができる。袋100は、底縁部126に隣接してヒダ又はマチを含まない場合であっても、直立姿勢を維持する。その代わりに、袋100は、以下に説明する側壁102及び104の底部分118の固有の構成により、真っ直ぐに立つようになる。
【0017】
図1A及び
図3に示すように、第1の側壁102の底部分118に、複数のシフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、126及び128が形成される。
図1Bは、さらなるシフト領域125A、125B及び125Cを含む、
図1Aの領域Aの詳細を示している。シフト領域は、以下に詳細に記載するように、袋をフラット構成と直立構成との間で簡単にシフトさせることが可能になるように構成される。いくつかの実施形態では、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128は、袋100がその領域に関して簡単にシフトすることができるような深さとなるように作製された、袋100の側壁102及び104中に形成されたわずかな凹み、スコア又はクリンプである。ただし、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128は、袋100の一体性を実質的に弱める深さにはならない。当業者には、機械構造を用いた袋100の切断のような様々な技法を使用して、あるいは、他の例として超音波切断を使用することによって、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128を形成できることが認識されよう。さらに別の例として、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128は、シフト領域の形状の一部分を永続的に変形させるように側壁102及び104を圧迫することにより保存袋100の側壁102及び104の一部分を変形させることによって、形成されることができる。
【0018】
シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128を用いると、袋100は、
図1A、
図1B及び
図2に示すようなフラット構成と
図3及び
図4に示すような直立構成との間でシフト可能である。フラット構成では、第1の側壁102及び第2の側壁104は、互いに隣接して配置される。直立構成では、第1の側壁102及び第2の側壁104は、互いから離隔している。第1の側壁102と第2の側壁104とを離隔するために、袋の底部分118は、袋100を真っ直ぐにするために底部分118が実質的に平坦な
基底部を形成するように、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128に関して動く。このようにしてシフトさせることによって、隅角部120及び121と隣接している底部分118の端部は、三角形状の構成で外側に拡張する。それにより、袋100の底部分118は、シフト領域124A、124B、124C、124D、126及び128により概形が示される。フラット構成から直立構成にシフトするとき、袋100はまた、シフト領域122A及び122Bに関して動き、それにより、第1の側壁102の一部分130A及び130Bが、第1の側壁102の他の部分128A及び128B上でシフトする。直立構成へのシフトは、直立構成への袋100のシフトを自然に生じるヒンジとして実際には働く一部分130A及び130Bで袋100を把持することによって容易になる。
【0019】
図1A~
図4に示す実施形態では、シフト領域は、袋100の両側壁102及び104の底隅角部の両方に提供されている。詳細には、
図3及び
図4を見ると分かるように、第1の側部104に提供されたシフト領域124A、124B及び126に対応して、第2の側壁104に複数のシフト領域124C、124D及び128が提供される。「対応して」とは、シフト領域が第1の側壁102及び第2の側壁104の同じ相対位置にあることを意味することを留意されたい。ただし、他の実施形態では、より少数のシフト領域が提供されることもある。たとえば、側壁102及び104のうちの一方の1つの隅角部にのみにシフト領域を提供してもよい。さらに他の実施形態では、側壁102及び104のうちの一方の2つの底隅角部にシフト領域が提供され、側壁102及び104のうちの他方には提供されないこともある。さらに他の実施形態では、側壁102及び104のうちの一方の底隅角部にシフト領域が提供され得、他方の側壁102又は104の他方の側の底隅角部に他のシフト領域が提供され得、したがって、袋100の一方の側のシフト領域は、袋100の他方の側のシフト領域に対応しない。
【0020】
同様に、袋100は、図示のシフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128の全部ではなく、そのうちのいくつかを含んでもよい。たとえば、1つの実施形態では、袋100は、シフト領域122A、122B、124A及び124Bを含み得るが、他の図示のシフト領域123A、123B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128のうちのいずれかを含まないことがある。そのような実施形態では、シフト領域122A、122B、124A及び124Bは、袋100をフラット構成から直立構成にシフトさせるために、独立して機能する。また、図示の実施形態では、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128が実線で拡張するように示される。ただし、他の実施形態では、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128は連続していないことがある。たとえば、シフト領域のうちのいずれか1つは、複数の別個の線分、ドットなどとして形成することができる。当業者には了解されるように、本発明にしたがって袋に提供されるシフト領域の数及び連続性は、袋のシフトをいくぶん簡単にするために調整することができ、あるいは、シフト領域の数及び連続性は、袋の製造の美観及びコストのような他の因子に基づいて調整することができる。これらの文脈に沿うと、いくつかの実施形態では、袋は、シフト領域122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128のうちの1つのみを備えていてもよい。
【0021】
図1A及び
図1Bを見ると分かるように、シフト領域122A、122B、124A、124B、124C、124D、126及び128により、側縁部106及び110、底縁部108に対して2つの角度α及びβが形成される。さらに、基準線134A及び13
4Bを用いて、区域128A、128B、132A及び132Bが規定される。基準線134A及び134Bは、本発明を理解するために
図1A及び
図1Bに提供されているが、実際には袋100の構造でないことに留意されたい。図から明らかなように、角度α及びβの大きさが、区域128A、128B、132A及び132Bの相対的な大きさを決定する。一般的に言って、フラット構成から直立構成へのシフト運動を容易にするためには、区域128A及び128Bが、区域132A及び132Bにほぼ等しくなければならないことが分かった。さらに、角度α及びβが以下の式(1)を満たすときにシフトが大幅に容易になることが分かった。
【数1】
一般に、角度α及びβが式(1)の関係により定義されるとき、袋100をフラット
構成から直立構成へと簡単にシフトすることができる。ただし、式(1)を必ずしも満たさなければならないわけではなく、αもβも、袋100がフラット構成から直立構成へと簡単に動くことを依然として可能にしながら、その関係からわずかに変動することができる。たとえば、特定の角度αを仮定すると、角度βは、式(1)から算出される角度βの値から約±2度未満変動し得る。特定の角度βを仮定すると、角度αは、式(1)から算出される角度αの値から約±4度未満変動し得る。たとえば、特定の実施形態では、角度αは約14度から約16度であり、角度βは約37度から約39度である。ただし、袋100は、必ずしも任意の特定の角度α及び角度βには限定されないことを同じく留意されたい。
【0022】
水平シフト領域126及び128は、袋100の底縁部108の上方に高さHに延びる。この高さHは、実際には、袋100が直立構成であるときの袋100の平坦な基底部の幅を決定する。つまり、
図4に示すように、袋100の底部の幅は、袋の中央領域において約2Hである。本発明の実施形態では、高さHは、約1インチから約3.5インチ、より詳細には約1.5インチから約3インチに、さらに詳細には約2インチから約2.5インチである。袋の基底部の幅は、これらの高さの約2倍、すなわち、約2インチから約7インチ、より詳細には約3インチから約6インチ、さらに詳細には約4インチから約5インチになることになる。特定の実施形態では、高さHは約2インチであり、したがって、袋の基底部の幅は約4インチである。一般的に言って、そのような範囲の場合、食品を保存するためのものなど、標準的な大きさの保存袋を真っ直ぐに立つようにすることができる
【0023】
図1A~
図4に示した袋100の構成の場合、袋100は、追加的な構造的な特徴を要することなく、真っ直ぐ立つようにされ得る。たとえば、当該技術分野において既知の他の袋とは異なり、袋100は、第1の側壁102の底部分と第2の側壁104の底部分との間にヒダ又はマチを含む必要がない。さらに、ヒダ又はマチを必要としないために、袋100の側壁102及び104は、比較的一様な厚さで作製することができる。これらの文脈に沿うと、いくつかの実施形態では、側壁102及び104の厚さは、わずか約1.6milから約2.6milでよい。当業者には了解されるように、約1.6milの厚さは、多くのタイプの直立プラスチック製保存袋の厚さよりも実質的に薄くなる。
【0024】
袋100は、側壁102及び104が一様な厚さであるときには直立構成のままであるが、他の実施形態では、直立構成をさらに容易にするために袋100の特定の部分をより厚くする。1つの例では、袋100の側壁102及び104の底部分108の領域を袋100の残部よりも厚くする。具体的には、底部分108は、側壁102及び104の他の
部分の約2倍の厚さである。他の実施形態では、底部分108の領を、側壁102及び104の他の部分よりも約1mil厚くする。押出成形技法を使用して袋100を製造する場合、底部分108を形成するために使用される材料量を他の部分と比較して調整することによって、たとえば、底部分108を約1mil厚くする一方で、側壁102及び104の他の部分の厚さが約0.1mil低減するように押出成形するプロセスを調整するこ
とによって、底部分108をより厚くすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の側壁102及び第2の側壁104の底部分108は、第1の側壁102及び第2の側壁104の他の部分とは視覚的に異なるようにすることできる。たとえば、第1の側壁102の水平シフト領域126と第2の側壁104の水平シフト領域128との間の底部分108に、視覚的に異なるテクスチャが形成され得る。そのようなテクスチャは、シフトする底部分108を識別する際にユーザを補助することができる。さらに、テクスチャは、袋100が直立構成であるときに基底部の摩擦を増大させることができ、それにより、袋100がさらに安定化する。
【0026】
袋100の直立構成をさらに容易にするために、底部分108の上方の側壁102及び104の他の部分をより硬質にしてもよい。そのようなより硬質な部分の例は、
図1Aの第1の側壁102に140、142、144及び146と標示された区域である。図示されていないが、第2の側壁104に、対応するより硬質な区域を形成することができる。より硬質な部分140、142、144及び146は、袋を真っ直ぐに直立構成で維持するのを助けるための構造的支持を側壁102及び104に提供する。より硬質な区域140、142及び146が側壁102内に延びる一方で、より硬質な区域144は縁部106から側壁102の縁部110まで延びる。側壁102の全長にわたって延ばし、袋100の開口部112に隣接して配置することによって、より硬質な区域144は、袋100が直立構成であり、クロージャ構造114A、114B、116A及び116Bが封止されていないときに、第2の側壁104上の対応するより硬質な区域とともに、開口部112を開位置に維持するのを助ける。同時に、垂直のより硬質な区域140及び142、ならびに側壁104上の対応するより硬質な区域は、袋の側部を直立構成で押し出すのを助ける。したがって、ユーザが簡単に充填することができるように、袋100を真っ直ぐな姿勢で維持することができる。
【0027】
第1の側壁102上の区域140、142、144及び146、ならびに第2の側壁104上の対応部分が、側壁102及び104の他の部分よりも厚くなるように袋の側壁102及び104を押出成形することによって、より硬質な区域140、142、144及び146を形成することができる。代替的には、側壁102及び104上にさらなる材料を適用することによって、より硬質な区域140、142、144、及び146を形成することができる。
【0028】
本発明のさらに他の実施形態では、開口部112を開位置に維持するのを助けるために、袋の上側部分をより硬質にする。当業者には了解されるように、リップは、クロージャ構造の上方の袋の領域(すなわち、クロージャ構造116A/Bと
図1Aに示した袋の頂縁部との間の区域)である。いくつかの実施形態では、袋のリップの一方又は両方をより硬質にし、それにより、開口部112は、より容易に開位置にとどまるようになる。
【0029】
当業者には、袋のリップをより硬質にすることができる多くの異なる方法が認識されよう。たとえば、上述の区域140、142、144及び146を形成するためにさらなる材料を加える方法に類似した様式で、リップ区域にさらなる材料を加えてもよい。つまり、リップが袋の他の部分よりも厚くなるようにリップ区域にさらなる材料を提供することによって、リップをより硬質にすることができる。この点について、リップをより厚くすることは、たとえば、袋が開いているときに、リップをより把持しやすくするというさら
なる恩恵を有する。特定の例では、リップは、袋の他の部分よりも20%硬質になり、それにより、より容易に袋が開位置にとどまるようになり、リップがより把持しやすくなる。
【0030】
リップをより硬質にするために提供される付加材料は、袋の他の部分を形成するために使用される材料と同じ材料とすることができる。代替的には、異なる材料を使用して、リップを硬質化してもよい。たとえば、PEで袋を作製することができ、リップをより硬質にするためにリップ区域にHDPEを加えることができる。他の実施形態では、リップ自体を、袋の他の部分とは異なり、それよりも硬質な材料で少なくとも部分的に形成することができる。たとえば、袋を主にPEで形成する時には、HDPEで別個にリップを形成することができ、より高密度のHDPEは、リップを袋の他の部分よりも硬質にする。もちろん、リップ区域に加えられたリップを形成するために使用される材料、又はリップに加えられた付加材料は、袋を形成するために使用される他の材料と互換性のある任意の材料であってもよい。
【0031】
上記のように、袋の1つ又は複数のクロージャ構造が開口部の近くに配置される。したがって、リップをより硬質にすることに加えて、又は、その代替として、袋の1つ又は複数のクロージャ構造は、袋の他の部分よりも硬質な材料で形成することができ、それにより、(クロージャ構造が開口部を閉じるように機能していないときに)袋がより容易に開位置にとどまるようになる。より硬質なクロージャ構造を含む実施形態では、クロージャ構造がHDPEで作製される一方で、袋の残部はPEで作製される。
【0032】
図5は、本発明の他の実施形態による袋200の側面図である。袋200は、側壁202及び204ならびにクロージャ構造224A、224B、226A及び226Bを含めて、上述した実施形態で提供される特徴のうちのいくつかを含む。ただし、袋200では、シフト領域222A、222B、224A及び224Bは、隅角部220及び221全体には延びていない。その代わりに、シフト領域222A、222B、224A及び224Bは、隅角部220及び221に近接しているが、直接的には隣接しない位置から延びている。この点について、本発明の実施形態におけるシフト領域は、シフト領域が、
図1Aの袋100に示すように、隅角部に直接隣接する位置から、又は、隅角部「に近い」他の位置から延びる点で、また、シフト領域が、袋200に関して
図5に示すように、隅角部に近接する位置から延びる点で、隅角部「に近い」位置から延びることができる。
【0033】
袋500のシフト領域222A、222B、224A及び224Bは、直線でないが、代わりに曲線形状を有する。袋200は、上述したように袋100がフラット構成と直立構成との間でシフトする方法と同様に曲線状のシフト領域222A、222B、224A、224B及び226についてシフトすることによって、フラット構成と直立構成との間でシフト可能である。曲線上のシフト領域222B及び224Bを用いると、角度αは、辺210とシフト領域222Bの中間部分の点に対する接線である線T1との間で測定され、角度βは、底部208とシフト領域224Bの中間部分の点に対する接線である線T2との間で測定される。図示されていないが、シフト領域222A、224Aに接触する線と、側縁部206及び底縁部208との間で同様の角度α及びβを測定することができる。角度αとβとは、上述したように、式(1)の関係であり得る。
【0034】
上述した実施形態では、本発明による袋は、袋の凹みとして形成されるシフト領域を備えるものとして説明されている。しかしながら、他の実施形態では、袋がフラット構成と直立構成との間でそれに関してシフトする場所は、袋の側部にさらなるポリマー材料を提供することによるものなど、異なる様式で形成され得る。たとえば、袋の上述のシフト領域と同じ位置において袋の側部にポリエチレンを提供してもよい。当業者には、そのような付加材料を適用するために使用され得る様々な技法、たとえば、シフト領域のパターン
に迅速に材料を堆積させるためにオン及びオフするノズルが了解されよう。他の実施形態では、袋がそれに関してシフトすることができる場所は、袋の側部における厚さ、高さなどを変動させる領域として提供される。この点について、
図6A~
図6Gは、本発明の実施形態による袋の一部分の断面図であり、断面は、異なるシフト領域600Aから600Gを含む。シフト領域600Aから600Gのうちのいずれかは、上述した実施形態におけるシフト領域の位置のような、袋をフラット構成と直立構成との間でそれに関してシフトさせることができる場所に提供され得る。したがって、シフト領域600Aから600Gは、袋が直立構成であるときに底部を提供し、袋は、袋の底部に側壁間に形成されたヒダ又はマチを含む必要はない。
【0035】
図7は、
図6Bに全般的に示したようなシフト領域を本発明による袋においてどのように使用することができるかに関する具体例を示す。袋700は、シフト領域727A、727B、724A、724B、726及び728を含む(領域728は、図示の側壁702と対向する側壁704上に提供される)。この実施形態では、シフト領域726及び728はビード様構成を有する。ビード型シフト領域726及び728は、それらの位置において、上記に示した袋100のシフト領域126及び128に対応することに留意されたい。したがって、シフト領域は、袋を直立構成にシフトさせたときに袋700の基底部の縁部を形成する。
【0036】
ビード形状のシフト領域726及び728は、たとえば、具体的には、シフト領域726及び728が、ビード形状で形成されるように側壁702及び704を形成する材料を押出成形することによって、袋の材料と同じ材料で形成することができる。代替的には、ビード型シフト領域726及び728は、側壁702及び704を形成すると同時に、異なる材料を使用してシフト領域726及び728を形成し、異なる材料を使用して袋の側壁を形成することによって、あるいは、側壁702及び704を形成した後に、異なる材料を加えてシフト領域726及び728を形成することによって形成することができる。この点について、シフト領域726及び728は、上記に論じたプラスチック材料のうちのいずれかで形成することができる。他の例として、ビード型シフト領域726及び728を形成するために使用される材料は、接着剤、インク又はワックス材料であり得る。いくつかの場合には、ビード型シフト領域726及び728を形成するために使用される付加材料は、袋の側壁702及び704に直接取り付けられるのではなく、ビード型シフト領域726及び728と側壁702及び704との間に1つ又は複数の中間層が形成される。さらに他の実施形態では、ビード領域726及び728自体が、1つ又は複数の材料の複数の層で形成される。
【0037】
ビード型シフト領域726及び728は、それらの領域が上述したように袋のシフトを容易にするように、任意の厚さに形成することができる。ただし、いくつかの実施形態では、ビード型シフト領域726及び728は、袋の側壁702及び704よりも約2~約20倍の厚さである。さらに特定の実施形態では、ビード型シフト領域726及び728は、袋の側壁702及び704よりも約2~約10倍の厚さである。そして、特定の実施形態では、ビード型シフト領域726及び728は、側壁702及び704の表面から約15mil延びている。
【0038】
ビード型シフト領域726及び728は側壁702及び704の外側表面に示されているが、本明細書で説明するシフト領域のすべての場合のように、ビード型シフト領域726及び728の一方又は両方を、側壁702及び704の内側表面上に(すなわち、袋の内部に)提供してもよいことを留意されたい。また、ビード型シフト領域726及び728は、
図6Bに示すように全体的に丸みを帯びた形状を有するが、ビード型シフト領域726及び728は、示されているよりも丸みを帯びていても、丸みを帯びていなくてもよいことを留意されたい。実際には、ビード型シフト領域726及び728は、丸みを帯び
ていなくてもよく、任意の形状で、たとえば、方形、矩形又は三角形で形成してもよい。
【0039】
図7に示した実施形態では、側壁702のビード型シフト領域726は、袋700がフラット構成であるときにビード型シフト領域726及び728が互いに直に隣接して配置されるように、側壁704の対応するビード型シフト領域728からわずかにオフセットしている。このオフセットは必要ではないが、オフセットは、漏出の生成を最小限に抑えることができ、シフト領域726及び728は、袋の辺106及び110に接する。もちろん、全般的に上述したように、いくつかの実施形態では、ビード型シフト領域726及び728は、辺106及び110まで延びておらず、袋の側壁702及び704の長さの一部のみにわたって延びている。さらに、全般的に上述したように、ビード型シフト領域726及び728は、連続していても、あるいは連続していなくてもよい。
【0040】
本発明のさらなる実施形態を
図8に示す。この実施形態は、袋800の側壁804及び804の下側部分及び上側部分に追加のシフト領域を含む。底部分に関して、7つのシフト領域822A、824A、826A、828A、830A、832A及び834Aのパターンが、側壁804の底隅角部のうちの一方の近くに提供され、7つのシフト領域822B、824B、826B、828B、830B、832B及び834Bの同様のパターンが、側壁804の他方の隅角部に提供される。これらシフト領域822A、824A、826A、828A、830A、832A、834A、822B、824B、826B、828B、830B、832B及び834Bは、上述した形態、たとえば、凹み、スコア、ビードなどのいずれかをとることができる。特に、これらのシフト領域のパターンは、シフト領域のうちのいくつかが他のシフト領域のうちの1つ又は複数と交差するようになっている。たとえば、シフト領域828Aは、シフト領域830A及びシフト領域832Aと交差する。別の例として、シフト領域824Aは、シフト領域826A、828A及び830Aと交差する。少なくとも1つのシフト領域が別のシフト領域と交差するようなパターンは、シフト機能を容易し、それにより、フラット構成と直立構成との間で袋を動かしやすくなることが分かった。また、複数のシフト領域を2つ以上のシフト領域と交差させることにより、シフト機能が向上する。
図8には示されていないが、袋800の対向する側壁804の2つの底部隅角部に、シフト領域の同様のパターンが形成できることに留意されたい。さらに、袋の隅角部にそのようなシフト領域の任意の組合せを形成することができ、たとえば、側壁802の1つの隅角部及び側壁804の1つの隅角部にのみシフト領域が提供される。また、図示したパターンは、シフト領域のうちの1つ又は複数を省略する、あるいは1つ又は複数の追加のシフト領域を提供するように変更してもよい。
【0041】
袋800の上側部分に関して、シフト領域836A及び838Aは、側壁804上のクロージャ構造814A/B及び816A/Bの下に提供され、シフト領域836A及び836Bが袋800の辺806から延びている。同様に、シフト領域836B及び838Bは、辺810から延びて提供される。追加のシフト領域836A、836B、838A及び838Bは、袋800を開いたときに袋800の一部分をシフト領域836A、836B、838A及び838Bに沿って偏向させることによって、袋の開口部812を開位置に維持するのを助ける。これらのシフト領域836A、836B、838A及び838Bは、上述したシフト領域の形態、たとえば、凹み、スコア、ビード、などのうちのいずれかをとることができる。また、シフト領域836A、836B、838A及び838Bは、辺806及び808の近くの上側部分の全体的な区域のどこに提供してもよい。ただし、特定の実施形態では、シフト領域836A及び836Bは、辺806及び810に沿って測定して、クロージャ構造814A/Bの約1インチ下方であり、シフト領域838A及び838Bは、辺806及び810に沿って測定して、シフト領域836A及び836Bの約1/2インチ下方(クロージャ構造814A/Bの約1.5インチ下方)である。
特定の実施形態では、シフト領域836A、836B、838A及び838Bは、辺806及び810から線垂線で測定して、側壁804に沿って約1インチ延びる。
【0042】
いくつかの実施形態では、シフト領域836A、836B、838A及び838Bに対応するシフト領域が、袋800の第2の側壁804に提供される。当業者には、より多くの又はより少数のシフト領域を、836A、836B、838A及び838Bと同様に側壁804及び804の上側部分のいずれかに提供してもよいことが認識されよう。
【0043】
袋800に提供されたシフト領域のいずれかを、本明細書で説明するような本出願の袋の他の実施形態のいずれかと組み合わせることができる。たとえば、シフト領域836A、836B、838A及び838Bが、上述した袋100及び200に提供され得る。さらに、他の本明細書に記載された実施形態による特徴を袋800に備えることもできる。たとえば、所望される場合、上述した視覚的に異なるテクスチャを、袋800の底部分に提供してもよい。より一般的には、当業者には完全に了解されるように、特定の実施形態に関して本明細書で説明する特徴のいずれかを、別の特定の実施形態の特徴と組み合わせても、あるいはそれと置換してもよい。たとえば、本発明による袋は、(1)袋100に関連して説明したような、より硬質な部分140、142、144及び146、(2)袋200に関連して説明したような、曲線状のシフト領域222A、222B、224A及び224B、(3)袋700に関連して説明したような、ビーズ型シフト領域、ならびに(4)袋800に関連して説明したような、シフト領域836A、836B、838A及び838Bの組み合わせで形成され得る。
【0044】
図9Aは、本発明の他の実施形態による袋300の部分側面図である。袋300は、側縁部306及び310に沿って接続された側壁302及び304、ならびに相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bを含めて、上述した実施形態で提供される特徴のうちのいくつかを含む。
図9Aには示されていないが、この実施形態の袋300の底部は、種々の上述した実施形態による、袋300をフラット構成と直立構成との間でシフトさせることを可能にする複数のシフト領域(図示せず)を含む。袋300は、底縁部に隣接してヒダ又はマチを含まない場合であっても、直立姿勢を維持する。その代わりに、袋300は、上述し、たとえば、
図1A~
図8に示した固有の構成により、真っ直ぐに立つようになっている。
【0045】
図9Aの実施形態の袋は、カフライン322から袋300の頂縁部324の又はそれよりも下の地点まで、たとえば、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bの又はそれよりも下の地点まで延びるカフ領域320をさらに含む。カフ領域320のカフライン322は、上述した実施形態のシフト領域を形成するために使用されたもののような、袋300の側壁302及び304に形成され、カフライン322に関して袋300を簡単に折り畳むことができるような深さのわずかな凹み、スコアライン又はクリンプを備える。ただし、カフライン322は、袋300の完全性を実質的に弱める深さにはならない当業者には、機械構造を用いた袋300の切断のような様々な技法を使用して、あるいは、超音波切断を使用することによって、カフライン322を形成できることが認識されよう。代替的には、カフライン322は、破線(たとえば
図9Bの322’を参照)、曲線(たとえば、
図9Cの322’’を参照)、又は袋300の長さ全体には伸びない部分線(たとえば、
図9Dの322’’’を参照)を備えることができる。カフ領域320は、ユーザによるカフ動作を始動する際に支援するために、上述した実施形態で説明したもののような複数のシフト領域又は屈曲領域(たとえば、
図9Eの323A~323Gを参照)をさらに備えることができる。
【0046】
カフ領域320、カフライン322、322’、322’’、322’’’及び/又はシフト領域323A~323Gは、ユーザが、カフ領域320、カフライン322、322’、322’’、322’’’及び/又はシフト領域323A~323Gに関して袋300を簡単に折り返す又は折り畳むことを可能にし、それにより、特に袋300が直立構
成であるときに(たとえば、
図10A及び
図10Bを参照)より充填しやすく、さらに、袋を充填するときのジッパーの汚れを防止する広い開放口と、袋の中から内容物を簡単に流出する能力とが袋に提供される。カフライン322、322’、322’’、322’’’は、袋に沿って、ユーザが袋300を折り返す又は折り畳むための所望の位置に配置することができる。1つの実施形態では、カフライン322、322’、322’’、322’’’は、下側クロージャ構造314A及び314Bの下方約1/8インチから約2インチに配置される。1つの好適な実施形態では、カフライン322、322’、322’’、322’’’は、下側クロージャ構造314A及び314Bの下方約5/8インチに配置される。
【0047】
同じく
図9Aに示すように、カフ領域320は、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bとカフライン322との間に提供されたパターン帯326を備える。パターン帯326は、様々な印刷技法によって形成されたプリントパターンを備えることができる。パターン帯326はまた、代替的に、たとえば、エンボス加工、押出成形、サンドジェット又はウォータージェットを用いた超音波成形及びブラスト加工、レーザー又は他の手段を用いた表面のスクラッチングなどを含む様々な技法によって形成され得るテクスチャを備えることができる。パターン帯326は、カフライン322、ならびにユーザによるカフ動作を始める際に支援する任意のシフト領域又は屈曲領域を覆うことができる。また、パターン帯326は、カフ領域320にいくらかの剛性を加えることができ、たとえば、袋300を折り返したときに(
図10Bを参照)袋の広い開放口300を維持する際に支援する。パターン帯326はさらに、カフ領域320に沿ってどこで折り畳むべきか、カフライン322に沿ってどこで袋300を折り返すべきかについて、ユーザに目印を提供することができる。パターン帯326は、任意の幅とすることができ、カフライン322の上方、カフライン322の下方、又はカフライン上にさらに延びることができる。1つの個的な実施形態では、パターン帯は、下側クロージャ構造314A及び314Bから(あるいは、下側クロージャ構造314A及び314Bの直ぐ下の地点から)カフライン322まで延びる。
図9Aの袋300はさらに、グラフィック領域350を含み、そこに、カフ領域320及び/又はカフライン322に沿って袋300を折り返すことができることを示す、メッセージ又は画像のような目印をユーザに表示することができる。グラフィック領域350は、様々な印刷技法によって形成することができる。
【0048】
図10Aは、直立構成における
図9Aの実施形態の袋300を示す。
図3に関して上述したように、袋300が直立構成であるとき、第1の側壁302と第2の側壁304とは互いから離隔している。
図10Aに同じく示すように、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bもまた互いから離隔しており、したがって、袋300の内部へのアクセスを提供する開口部312が、袋300の頂縁部324に沿って形成される。第1の側壁302と第2の側壁304とを離隔するために、袋の底部分318は、底部分318が真っ直ぐな袋300のために実質的に平坦な基底部を形成するように、シフト領域(たとえば、
図3の122A、122B、123A、123B、124A、124B、124C、124D、125A、125B、125C、126及び128)に関して動く。それにより、袋300の底部分318は、シフト領域(たとえば、
図3の124A、124B、124C、124D、126及び128)により概形が示される。上記で論じたように、袋300の直立構成へのシフトは、直立構成への袋300のシフトを自然に生じるヒンジとして実際には働く袋300の底部分のある一部分(たとえば、
図3の130A及び130B)で袋300を把持することによって容易になる。ただし、
図10Aの袋300は、直立構成ではあるが、まだユーザに折り返されていない。換言すると、
図10Aのカフ領域320は、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bの下方に位置し、袋300の開口部312は依然として、袋300の頂縁部324に沿って形成されている。
【0049】
図10Bは、直立構成であり、ユーザが折り返した後の
図10Aの袋300を示し、カフ領域320は、カフライン322上で折り畳まれている。
図10Bの折り返しポジションでは、袋300のカフ領域320ならびにパターン帯326は、袋300の頂部に位置している。
図10Bに同じく示すように、袋300が折り返し姿勢であるときには、カフ領域320は、カフライン322の上で折り畳まれているので、カフライン322は、この時、袋300の内部へのアクセスを提供する開口部312を形成する袋300の頂部の最終縁部を形成する。カフ領域320をカフライン322上で折り畳むと、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bは、袋300の外部に沿って位置し、したがって、袋を充填する間の相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bの汚れを防止することができる。さらに、カフライン322の上でカフ領域320を折り畳むことによって袋300を折り返すと、より充填しやすい広い開口部312、ならびに袋300の中から内容物を注ぎやすい能力が生じる。
【0050】
図11Aは、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bとカフライン322との間に第1のパターン区域360(たとえば、パターン帯326)が提供され、第1の側壁302及び第2の側壁304の底部分318に第2のパターン区域370が提供される、袋300の1つの実施形態を示す。パターン区域360、370は、たとえば、印刷技法、エンボス加工、押出成形、サンドジェット又はウォータージェットを用いた超音波成形及びブラスト加工、レーザー又は他の手段を用いた表面のスクラッチングなどによって、第1の側壁302及び第2の側壁304の他の部分とは視覚的に異なるようにすることができる。
図11Aに示すもののような1つの実施形態では、第1のパターン区域360は、第2のパターン区域370のパターンと同一又は実質的に同一であるパターンを備える。代替的には、第1のパターン区域360及び第2のパターン区域370は、たとえば、異なるパターンを備えていてもよい(
図11Bの360’及び370を参照)。
【0051】
上記で論じたように、第1のパターン区域360は、(i)カフライン322を覆うために、(ii)カフ領域320にいくらかの剛性を加えるために、及び/又は(iii)カフ領域320に沿って折り畳み、カフライン322に沿って袋300を折り返すべき場所についてユーザに目印を提供するために、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316Bとカフライン322との間に提供される。
図1Aの実施形態に関しても上記で論じたように、第2のパターン区域370又はテクスチャは、第1の側壁302及び第2の側壁304の水平シフト領域との間の第1の側壁302及び第2の側壁304の底部分318に形成することができる。そのようなパターン区域370又はテクスチャは、シフトする底部分318を識別する際にユーザを補助することができる。さらに、パターン区域370又はテクスチャは、袋300が直立構成であるときに基底部の摩擦を増大ささせることができ、それにより、袋300がさらに安定化する。
【0052】
図11Cは、パターン区域380が袋300の大部分にわたって拡がっている袋300の代替実施形態を示す。詳細には、
図11Cの実施形態では、パターン区域380は、相互係止クロージャ構造314A、314B、316A及び316B下方から袋300の底縁部308まで拡がり、カフライン320と底部分318のシフト領域の両方を覆っている。上記で論じたように、パターン区域380は、たとえば、印刷技法、エンボス加工、押出成形、サンドジェット又はウォータージェットを用いた超音波成形及びブラスト加工、レーザー又は他の手段を用いた表面のスクラッチングなどによって、第1の側壁302及び第2の側壁304の他の部分とは視覚的に異なるようにすることができる。
【0053】
上記の論じた種々のパターン区域(たとえば、326、360、360’、370、380)に関して、これらの区域を生成するために様々なパターン及び/又はテクスチャが
使用され得る。さらに、パターン区域は、たとえば、平行の線、交差する線、断続的な線、クロスハッチング、曲線、対角線、ダイヤモンド形、円形形状、三角形の形状、X形状、S形状、雲形、花形、星形、ハート形など、及び任意のそれらの組み合わせを含む、様々なデザイン及び/又は形状を備え得る。パターン区域(たとえば、326、360、360’、370、380)は、たとえば、ダイプレスを用いた超音波エンボス加工又はエンボス加工により生成される隆起部分をさらに備えてもよい。さらに、パターン区域(たとえば、326、360、360’、370、380)は、袋300の側壁302及び304と同じ又は実質的に同じ厚さを有し得る。他の実施形態では、袋300のパターン区域(たとえば、326、360、360’、370、380)は、(たとえば、
図10Bに示したような)直立構成、ならびに袋300の折り返しをさらに容易にするためにより厚くされる。
【0054】
本発明による袋は、ユーザが保持することなく真っ直ぐに立つようにすることができるので非常に機能的である。それにより、当該袋は、平面上にセットして、ユーザにより簡単に充填することができる。この直立構成は、袋の底部分にヒダ、マチ又は他の追加の構造を使用せずに達成される。したがって、当該袋は、使用しないときには実質的に平坦になり、それにより、コンパクトに保管することができる。さらに、底部分に追加の構造を含まないことによって、当該袋は、当該技術分野において既知の他の直立袋よりも実質的に少ない材料で作製することができる。当業者には、上記の説明に基づいて本出願の袋の数多くの他の利点が認識されよう。
【0055】
特定の具体的な例示的な実施形態において本発明を説明してきたが、当業者には、本開示に照らして多くのさらなる修正形態及び変更形態が明らかであろう。したがって、具体的に記載したもの以外に本発明を実施し得ることを理解されたい。したがって、本発明の例示的な実施形態は、すべての点において例示的なものであり、限定的なものではないと考えるべきであり、本発明の範囲は、上記の記載によってではなく、本発明によってサポート可能な任意の請求項及びその均等物によって判断すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本明細書に記載した発明は、保存袋の商業生産において使用することができる。かかる保存袋は、食品、薬剤又は他の物質を保存するための利用のような、多種多様な用途を有する。