(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】有効成分を気化させる気化器
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20230301BHJP
A61J 1/00 20230101ALI20230301BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61J1/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021147504
(22)【出願日】2021-09-10
(62)【分割の表示】P 2017549079の分割
【原出願日】2016-03-17
【審査請求日】2021-10-07
(32)【優先日】2015-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516124616
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サービシーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】ライヒマン,ヨセフ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0139655(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0032145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルにおいて、
第一導電性メッシュと、
第二導電性メッシュと、
収容部材であって、前記第一導電性メッシュと前記第二導電性メッシュとの間に挟まれており、
環状の形状を有し、前記カプセルからの熱損失を低減するとともに前記カプセルの周辺のエリアの加熱を低減するように前記第一導電性メッシュ及び前記第二導電性メッシュよりも高い熱容量及び低い熱伝導率を有する材料から作られ、
前記収容部材の中央に空洞を有
し、前記空洞は円形の貫通穴である、
収容部材と、
前記
収容部材の前記空洞と重ならないように、前記第一導電性メッシュの端縁に沿って配置されている第一空間要素と、
前記
収容部材の前記空洞と重ならないように、前記第二導電性メッシュの端縁に沿って配置されている第二空間要素と、
を備える、カプセル。
【請求項2】
前記第一導電性メッシュ及び前記第二導電性メッシュは、抵抗加熱を受けるように構成されている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記第一導電性メッシュ及び前記第二導電性メッシュは、15~80ミクロンの開口部を有する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
少なくとも前記第一導電性メッシュ又は前記第二導電性メッシュの
前記端縁は、前記
収容部材の
外縁と
重なっている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項5】
前記第一導電性メッシュ、前記第二導電性メッシュ及び前記
収容部材は、円形であり、前記カプセルがディスク形状を有するように、
互いに積み重ねられている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項6】
前記第一導電性メッシュ、前記第二導電性メッシュ及び前記
収容部材は、前記カプセルが、少なくとも2つの直線状の側面と、当該2つの直線状の側面を接続する曲線状の側面とを有するように、
構成され、また、
互いに積み重ねられている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項7】
前記
収容部材の前記空洞内に植物材料を更に備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項8】
前記植物材料は、たばこを含む、請求項
7に記載のカプセル。
【請求項9】
前記第一導電性メッシュ及び前記
収容部材の間に第一接着剤を更に備えており、また、前記第二導電性メッシュ及び前記
収容部材の間に第二接着剤を更に備えている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項10】
前記第一導電性メッシュ、前記第二導電性メッシュ及び前記
収容部材は、前記第一空間要素と前記第二空間要素との間にある、請求項1に記載のカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、表題「Vaporizer for vaporizing an active ingredient」の2015年3月19日に出願されたRaichmanへの米国特許出願第14/662,607号の優先権を主張しており、その一部継続出願である。
【0002】
先に参照された出願は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0003】
本発明の幾つかの適用例は一般に、医療機器に関する。具体的には本発明の幾つかの適用例は、対象への有効成分送達のための気化器に関する。
【背景技術】
【0004】
カンナビスおよびその構成要素カンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)の医療的使用には、長い歴史がある。近代になりカンナビスは、AIDに罹患した患者、または化学療法処の置を受けている患者によって、それらの病気に関連する悪心および嘔吐を緩和するために用いられている。カンナビスはまた、疼痛緩和を提供するため、筋肉痙縮を処置するため、そして食欲を刺激するために医薬的手法で用いられている。
【0005】
医薬のカンナビスは、乾燥させた芽を気化または喫煙する、抽出物を摂食する、カプセルを摂取する、または経口スプレーを用いるなど、種々の方法を利用して投与され得る。カンナビスの医療的使用の合法性は、国際的に多様である。カンナビスの医療的使用が合法の国であっても、そのようなユーザーへのカンナビスの提供は、高度に規制されており、ほぼ全ての西欧諸国でカンナビスの娯楽的使用が非合法というのが実情である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の幾つかの適用例によれば、気化器が、植物材料などの材料の有効成分を加熱することにより該材料を気化させるために用いられる。例えば該気化器は、カンナビスの構 成要素カンナビノイド(例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)および/またはカンナビジオール(CBD))を気化させるのに用いられ得る。代わりまたは追加として、該気化器は、タバコ、および/または加熱により気化される有効成分を含有する他の植物もしくは化学物質を気化させるのに用いられ得る。
【0007】
典型的には該気化器は、複数のカプセルを収容しており、該カプセルのそれぞれが、有効成分を含有する植物材料を所与の量、含む。幾つかの適用例では、該気化器は、第一および第二の容器を画定する形状をとり、該容器のそれぞれは、複数のカプセルを積み重ねた構成で収容する形状をとる。該カプセルのそれぞれは、気化器内の気化場所に配設されるが、加熱要素は、カプセルを個別に加熱することによって、カプセル内の植物材料の有効成分を少なくとも部分的に気化させる。幾つかの適用例では、該加熱要素は、電流をカプセルの一部(例えば、カプセルの金属メッシュ内)に送ることにより、または電流を気化器内に収容された内部加熱要素に送ることにより、抵抗加熱を介してカプセルを加熱する1つまたは複数の電極を含む。典型的には、該気化器のカプセル移動メカニズムが、カプセルのそれぞれを第一の容器から気化場所へ、そして気化場所から第二の容器へ個別に移動させる。
【0008】
幾つかの適用例では、二段階加熱工程が、以下の通り該植物材料に適用される。気化器で第一の入力の受け取りに応答して、第一の加熱ステップが開始する。第一の加熱ステップが終了すると、植物材料の温度が典型的には有効成分の気化温度の95%未満である第一の温度に到達したという指示の検出に応答して、植物材料のさらなる加熱が保留される。次に、気化器での第二の入力の受け取りに応答して(例えば、ユーザーが気化器から吸入していることの検出に応答して、またはユーザーがボタンを押したことに応答して)、第二の加熱ステップにおいて、該植物材料が有効成分の気化温度まで加熱される。
【0009】
典型的には第一の加熱ステップは、第二の加熱ステップよりも急速な加熱速度で実施される。幾つかの適用例では、記載された通り二段階工程で加熱を実施することにより、以下の結果の1つまたは複数が実現される:
1)カプセルの温度が気化温度の95%未満に達したことに応答して加熱の第一(急速)段階を保留することによって、加熱がオーバーシュートしているとしても、植物材料は熱分解温度を超える温度まで加熱されないため、植物材料は熱分解されない。
2)加熱の第二段階は緩やかに実施されるため、加熱工程の第二段階には無視できる程度のオーバーシューティングが存在し、それゆえ該植物材料は、加熱工程の第二段階で熱分解されない。
3)加熱の第一段階の際、該植物材料は既に気化温度に相対的に近い温度まで加熱されているため、加熱の第二段階が緩やかであったとしても、第二の加熱段階の開始から植物を気化温度まで加熱するのに必要な時間は、相対的に短い(例えば、2秒未満)。
4)植物材料の低い熱伝導率により、植物材料が急速に加熱された場合、これは植物材料の非均一な加熱を起こし得る。これにより、植物材料の一部が熱分解され得、そして/または植物材料の他の部分が気化され得ない。第一の温度に達した後、そして第二の入力を受け取るまでに、植物材料のさらなる加熱を保留することにより、植物材料の任意の一部が気化温度まで加熱されてしまう前に、熱が植物を通して(第一の加熱段階と第二の加熱段階の合間に)放散し得る。さらに、第二段階の際の温度上昇は、相対的に小さいため、その温度上昇は、植物材料を通して相対的に急速に放散し得る。したがって植物材料の相対的に均一な加熱が実現され、それにより植物材料中の有効成分のほとんどが気化され、植物材料の実質的な熱分解がない。
【0010】
本発明の幾つかの適用例は、有効成分を含有する植物材料を参照して記載されることに留意されたい。しかし本発明の範囲は、有効成分を含有する任意の材料または物質に、必要な変更を加えて使用することを含む。
【0011】
それゆえ、本発明の幾つかの適用例によれば、材料の少なくとも1種の有効成分を気化 させる気化器での使用方法であって、
第一の入力を該気化器で受け取ること;
該第一の入力の受け取りに応答して、第一の加熱ステップで該材料を加熱すること; 該材料の温度の指示を検出すること;
該材料の温度が第一の温度であることの指示の検出に応答して、該材料をさらに温度上昇させることの保留によって、第一の加熱ステップを終了するが、該第一の温度が有効成分の気化温度の95%未満であること;
続いて、該気化器で第二の入力を受け取ること;および
第二の入力の受け取りに応答して、第二の加熱ステップで、該材料を該有効成分の気化温度まで加熱すること、
を含む、方法が提供される。
【0012】
幾つかの適用例では、該材料の温度の指示を検出することは、光学温度センサーを用いて該材料の温度の指示を検出することを含む。
【0013】
幾つかの適用例では、該方法は、第一の加熱ステップが終了したことの指示を発生することをさらに含む。
【0014】
幾つかの適用例では、該材料をさらに温度上昇させることの保留によって第一の加熱ステップを終了することは、有効成分の熱分解を予防することを含む。
【0015】
幾つかの適用例では、該方法は、第二の加熱ステップに続いて、空気が気化器から所与の期間、吸入されなかったことの検出に応答して、該材料の温度を該材料の気化温度未満まで低下させることをさらに含む。
【0016】
幾つかの適用例では、該方法は、該材料の温度を一定に保持するのに必要なエネルギー量の指示を検出することにより、気化器を通る気流の速度を検出することをさらに含む。
【0017】
幾つかの適用例では、第一の加熱ステップで該材料を加熱することは、該材料を第一の加熱速度で加熱することを含み、第二の加熱ステップで該材料を加熱することは、第二の加熱速度で該材料を加熱することを含み、第一の加熱速度は、第二の加熱速度よりも大きい。
【0018】
幾つかの適用例では、該材料を第二の加熱速度で加熱することは、50℃/秒未満の速度で該材料を加熱することを含む。
【0019】
幾つかの適用例では、該材料を50℃/秒未満の速度で加熱することは、有効成分の熱分解を予防することを含む。
【0020】
幾つかの適用例では、該材料を第一の加熱速度で加熱することは、該材料を50℃/秒を超える速度で加熱することを含む。
【0021】
幾つかの適用例では、該材料を第一の加熱速度で加熱することは、該材料を100℃/秒を超える速度で加熱することを含む。
【0022】
幾つかの適用例では、該材料を第一の加熱速度で加熱することは、該材料を50℃/秒を超える速度で加熱することを含む。
【0023】
幾つかの適用例では、該材料を第一の加熱速度で加熱することは、該材料を100℃/秒を超える速度で加熱することを含む。
【0024】
幾つかの適用例では、第二の入力を受け取ることは、ユーザーが気化器から吸入していることの検出を含む。
【0025】
幾つかの適用例では、ユーザーが気化器から吸入していることの検出は、該材料の温度の指示を検出することを含む。
【0026】
幾つかの適用例では、ユーザーが気化器から吸入していることの検出は、該材料の温度を一定に保持するのに必要なエネルギー量の指示を検出することを含む。
【0027】
幾つかの適用例では、該材料はカンナビスを含み、第一の加熱ステップの終了は、該材料の温度が170℃未満の温度に達したことの指示の検出に応答して、該材料をさらに温 度上昇させることの保留を含む。
【0028】
幾つかの適用例では、第一の加熱ステップの終了は、該材料の温度が160℃未満の温度に達したことの指示の検出に応答して、該材料をさらに温度上昇させることの保留を含む。
【0029】
幾つかの適用例では、該材料の温度の指示を検出することは、該材料が収容されたカプセルの温度を検出することを含む。
【0030】
幾つかの適用例では、該カプセルは、金属メッシュを含み、該カプセルの温度を検出することは、該メッシュの電気抵抗を検出することを含む。
【0031】
本発明の幾つかの適用例によれば、少なくとも1種の有効成分を含む材料と使用するための機器であって、
該機器が、該材料の有効成分を気化させるように構成された気化器を含み、該気化器が、
該材料を加熱するように構成された加熱要素と;
該材料の温度の指示を検出するように構成された温度センサーと;
第一の入力を受け取り;
該第一の入力の受け取りに応答して、第一の加熱ステップで該加熱要素を駆動して、該材料を第一の加熱速度で加熱し;
該温度センサーからの、該材料の温度が第一の温度であるという指示の受け取りに応答して、加熱要素によって該材料をさらに温度上昇させることの保留により、第一の加熱ステップを終了するが、該第一の温度が該有効成分の気化温度の95%未満であり ;
続いて気化器で第二の入力を受け取り;そして
該第二の入力の受け取りに応答して、該加熱要素を駆動して、第二の加熱ステップで第一の加熱速度未満である第二の加熱速度で該材料を有効成分の気化温度まで加熱 するように、
構成された制御回路と;
を含む、
機器がさらに提供される。
【0032】
幾つかの適用例では、該制御回路は、該気化器から離脱されて、第二の気化器に連結されるように構成されている。
【0033】
幾つかの適用例では、該機器は、該カプセルに連結された相変化材料をさらに含み、該相変化材料は、該材料の熱分解温度未満の温度で相変化を受けるように構成されている。
【0034】
幾つかの適用例では、該カプセルは、少なくとも1つの中空ワイヤーを含み、該相変化材料は、該中空ワイヤーの内部に収容されている。
【0035】
本発明の幾つかの適用例によれば、
少なくとも第一および第二の容器を画定する形状をとる気化器であって、
複数のカプセルであって、該カプセルのそれぞれが有効成分を含有する材料を含み、該第一および第二の容器のそれぞれが、積み重ねた構成で該複数のカプセルを収容する形状をとる、複数のカプセルと;
該カプセルのそれぞれが該気化器内の気化場所に配設されて、該カプセルを個別に加熱することによって該カプセル内の材料の有効成分を少なくとも部分的に気化させるように構成された加熱要素と;
を含む気化器と、
該カプセルのそれぞれを該第一の容器から気化場所まで、そして該気化場所から該第二の容器まで個別に移動させるように構成されたカプセル移動メカニズムと、
を含む、
機器がさらに提供される。
【0036】
幾つかの適用例では、該カプセル移動メカニズムは、回転によってカプセルを移動させるように構成された回転カプセル移動メカニズムを含む。
【0037】
幾つかの適用例では、該第一および第二の容器と該気化場所は、互いに直線上に整列され、該カプセル移動メカニズムは、直線移動によってカプセルのそれぞれを移動させるように構成された直線上カプセル移動メカニズムを含む。
【0038】
幾つかの適用例では、該加熱要素は、電流を該カプセルの一部に送ることによって、抵抗加熱を介して該カプセルを加熱するように構成された1つまたは複数の電極を含む。
【0039】
幾つかの適用例では、該カプセルのそれぞれは、1つまたは複数の金属メッシュを含み、該1つまたは複数の電極は、電流をカプセルの1つまたは複数の金属メッシュに送ることによってカプセルを加熱するように構成されている。
【0040】
幾つかの適用例では、該気化器の幅は、9cm未満である。幾つかの適用例では、該気化器の深さは、6cm未満である。幾つかの適用例では、該気化器の高さは、20cm未満である。
【0041】
本発明の幾つかの適用例によれば、
少なくとも第一および第二の容器を画定する形状をとる気化器を準備することであって、複数のカプセルが該第一の容器の内部に積み重ねた構成で収容されており、該カプセルのそれぞれが有効成分を含有する材料を含む、準備すること;
該カプセルの第一のものを該気化器内で該第一の容器から気化場所まで個別に移動させるカプセル移動メカニズムを用いること;
該第一のカプセルが該気化器内の気化場所に配設されている時、該カプセルを個別に加熱することによって第一のカプセル内の材料の中の有効成分を少なくとも部分的に気化させること;および
第一のカプセルを気化場所から第二の容器まで個別に移動させる該カプセル移動メカニズムを用いることであって、第二の容器が複数のカプセルを積み重ねた構成で収容するように構成されている、カプセル移動メカニズムを用いること、
を含む方法がさらに提供される。
【0042】
本発明の幾つかの適用例によれば、気化器を含む機器であって、
該気化器が、
上部および下部メッシュと、
該上部メッシュと下部メッシュの間に収容されていて少なくとも1種の有効成分を含有する、所与の量の材料と、
を含む少なくとも1つのカプセルと、
制御回路と、
第一、第二、第三および第四の電極と、
を含み、
該制御回路が、
該下部メッシュを介して電流を該第一の電極から該第二の電極へ送ること、および
該上部メッシュを介して電流を該第三の電極から該第四の電極へ送ること、 によって該材料の少なくとも1種の有効成分を気化させるように構成されている、
機器がさらに提供される。
【0043】
本発明の幾つかの適用例によれば、
上部メッシュおよび下部メッシュを含むカプセルと、該上部メッシュと下部メッシュの間に収容された、少なくとも1種の有効成分を含有する、所与の量の材料と、を準備すること、ならびに
該下部メッシュを介して電流を第一の電極から第二の電極へ送ること、および 該上部メッシュを介して電流を第三の電極から第四の電極へ送ること、
によって
該材料の少なくとも1種の有効成分を気化させること、
を含む方法が追加的に提供される。
【0044】
本発明の幾つかの適用例によれば、
少なくとも1種の有効成分を含有する材料を含む少なくとも1つのカプセルと、 該カプセルを加熱することによって該カプセル内の該材料中の有効成分を少なくとも部分的に気化させるように構成された加熱要素と、
を含む、
気化器と、
該カプセルを振動させるように構成された振動器と、
を含む、
機器がさらに提供される。
【0045】
幾つかの適用例では、該振動器は、振動モーター、圧電性結晶、音波振動器、および超音波振動器からなる群から選択される振動器を含む。
【0046】
幾つかの適用例では、該振動器は、該カプセルを振動させることによって、該カプセルを通る気流を増加させるように構成されている。
【0047】
幾つかの適用例では、該振動器は、該カプセルを振動させることによって、該カプセル内の該材料を混合するように構成されている。
【0048】
幾つかの適用例では、該振動器は、該カプセルを振動させることによって、該カプセル内の該材料の加熱の均一性を上昇させるように構成されている。
【0049】
本発明の幾つかの適用例によれば、
少なくとも1種の有効成分を含有する材料を含む少なくとも1つのカプセルを含む気化器を準備すること;
該気化器内の加熱要素を作動させ、該カプセルを加熱することによって該材料中の有効成分を少なくとも部分的に気化させること;および
該気化器内の振動器を作動させて該カプセルを振動させること、
を含む方法が追加的に提供される。
【0050】
本発明の幾つかの適用例によれば、
少なくとも1つの容器を画定する形状をとる気化器を含む機器であって、該気化器が
複数のカプセルであって、該カプセルのそれぞれが有効成分を含有する材料を含み、該容器が支持表面において積み重ねた構成で複数のカプセルを収容する形状をとる、複数のカプセルと;
該支持表面に螺合されたネジであって、それにより所与の方向での該ネジの回転に応答して、該支持表面が該容器の開口部に向かって進行することによって、該カプセルの1つを該開口部の外へ押し出すように該支持表面が構成される、ネジと、
を含む、
機器がさらに提供される。
【0051】
幾つかの適用例では、該機器は、該カプセルのそれぞれを該容器の開口部から、該気化器が該材料の有効成分を気化するように構成された気化場所まで、個別に移動させるように構成されたカプセル移動メカニズムをさらに含む。
【0052】
本発明の幾つかの適用例によれば、
気化器を含む機器であって、該気化器が、
該カプセルの外面の少なくとも一部を画定する少なくとも1つのメッシュと、
該カプセル内に収容されていて、少なくとも1種の有効成分を含有する材料と、
を含む、少なくとも1つのカプセルと;
少なくとも1つの電極と;
該電極を介して電流を該メッシュに送ることによって該材料の少なくとも1種の有効成分を気化させるように構成された制御回路と;
該電極を該メッシュに対して移動させるように構成された電極移動メカニズムと、
を含む、
機器が追加的に提供される。
【0053】
幾つかの適用例では、該機器は、該メッシュによって画定された該カプセルの外表面の少なくとも一部の上に配設されたコーティングをさらに含み、該電極移動メカニズムは、電極を該メッシュに対して移動させることによって該電極に該コーティングを透過させる ように構成されている。
【0054】
幾つかの適用例では、該電極移動メカニズムは、ユーザーによって押されるように構成されたボタンを含み、該電極移動メカニズムは、ユーザーが該ボタンを押すことに応答して該電極を該メッシュに対して移動させるように構成されている。
【0055】
幾つかの適用例では、該電極移動メカニズムは、蝶番を含む。
【0056】
幾つかの適用例では、該電極移動メカニズムは、該電極を該メッシュに対して移動させることによって、該メッシュからコーティングを除去するように構成されている。
【0057】
幾つかの適用例では、該電極移動メカニズムは、該電極を該メッシュに対して移動させることにより、該電極に該メッシュ上のコーティングを透過させるように構成されている。
【0058】
幾つかの適用例では、該電極移動メカニズムは、該電極を該メッシュと接触させながら、該メッシュによって画定されるカプセルの外表面で該電極を摺動するように構成されて いる。
【0059】
幾つかの適用例では、該電極は、鋭利な先端を画定する形状をとる。
【0060】
幾つかの適用例では、該電極は、刃を画定する形状をとる。
【0061】
本発明の幾つかの適用例によれば、
有効成分を含有する材料の塊を収納するように構成された気化器を含む機器であって、該気化器が、
表面と;
作動されることに応答して、該材料の塊から該材料の所与の容積用量(volumetric dose)を抽出して、該表面に該容積用量を配置するように構成された抽 出メカニズムと、
該容積用量が該表面に配設されている時、該表面を加熱することによって該材料の容積用量の少なくとも1種の有効成分を気化させるように構成された加熱要素と、 を含む、
機器が追加的に提供される。
【0062】
幾つかの適用例では、該気化器は、該材料の塊を収納するように構成された少なくとも1つの容器を画定する形状をとる。
【0063】
幾つかの適用例では、該表面はメッシュを含み、該加熱要素は、1つまたは複数の電極および制御回路を含み、該制御回路は、該1つまたは複数の電極を介して電流を該メッシュに送ることによって該材料の容積用量の少なくとも1種の有効成分を気化させるように構成されている。
【0064】
幾つかの適用例では、該材料の塊は、該材料を含有するシガレットを含み、該抽出メカニズムは、該シガレットの一部を切除することによって該材料の塊から該材料の所与の容積用量を抽出するように構成された刃を含む。
【0065】
本発明は、以下の実施形態の詳細な記載を図面と共に解釈することによって、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】
図1A~Cは、本発明の幾つかの適用例による、気化器の各外観の略図である。
【
図2A】本発明の幾つかの適用例による、
図1A~Cの気化器の分解図である。
【
図2B】本発明の幾つかの適用例による、
図1A~Cの気化器の分解図である。
【
図3A】本発明の幾つかの適用例による、
図1A~Cの気化器の上面図である。
【
図3B】本発明の幾つかの適用例による、
図1A~Cの気化器の断面図である。
【
図3C】本発明の幾つかの適用例による、
図1A~Cの気化器の断面図である。
【
図3D】本発明の幾つかの適用例による、
図1A~Cの気化器の断面図である。
【
図4】
図4A~Dは、本発明の幾つかの適用例による、有効成分を含む植物材を含有するカプセルの各面の略図である。
【
図5】本発明の幾つかの適用例による、有効成分を含む植物材料を含有するカプセルのメッシュと接触した気化器の電極の略図である。
【
図6】
図6A~Dは、本発明の幾つかの適用例による、気化器の電極の各構成の略図である。
【
図7】
図7A~Bは、本発明の幾つかの適用例による、直線上カプセル移動メカニズムを含む気化器の各見方の略図である。
【
図8】本発明の幾つかの適用例による、気化器を用いて植物材料を加熱する技術を示すグラフである。
【
図9】
図9A~Bは、本発明の幾つかの適用例による、気化器の部分の略図である。
【
図10A】本発明の幾つかの適用例による、電極の略図である。
【
図10B】本発明の幾つかの適用例による、電極移動メカニズムの略図である。
【
図11A】本発明の幾つかの適用例による、電極移動メカニズムの略図である。
【
図11B】本発明の幾つかの適用例による、電極移動メカニズムの略図である。
【
図11C】本発明の幾つかの適用例による、電極移動メカニズムの略図である。
【
図11D】本発明の幾つかの適用例による、電極移動メカニズムの略図である。
【
図12】
図12A~Bは、本発明の幾つかの適用例による、電極移動メカニズムの略図である。
【
図13A】本発明の幾つかの適用例による、気化器の容器内に配設された植物材料の塊から植物材料の所与の容積用量を自動的に抽出するように構成された気化器の略 図である。
【
図13B】本発明の幾つかの適用例による、気化器の容器内に配設された植物材料の塊から植物材料の所与の容積用量を自動的に抽出するように構成された気化器の略 図である。
【
図13C】本発明の幾つかの適用例による、気化器の容器内に配設された植物材料の塊から植物材料の所与の容積用量を自動的に抽出するように構成された気化器の略 図である。
【
図14】
図14A~Cは、本発明の幾つかの適用例による、気化器の容器内に配設された植物材料の塊から植物材料の所与の容積用量を自動的に抽出するように構成さ れた気化器の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器20の各外観の略図である
図1A~Cを参照する。典型的には気化器20は、植物材料などの材料の有効成分を気化させるのに用いられる。例えば気化器20は、カンナビスの構成要素カンナビノイド(例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)および/またはカンナビジオール(CBD))を気化させるのに用いられ得る。代わりまたは追加として、該気化器は、タバコ、および/または加熱により気化される有効成分を含有する他の植物もしくは化学物質を気化させるのに用いられ得る。本発明の幾つかの適用例が、有効成分を含有する植物材料を参照して記載されることに留意されたい。しかし本発明の範囲は、有効成分を含有する任意の物に、必要な変更を加えて使用することを含む。
【0068】
気化器20は、以下にさらに詳細に記載される通り、カプセルと、気化器の制御回路と、を収容する本体22を含む。該制御回路は、気化器の機能を制御する制御ユニットとして働くように構成されている。典型的には該気化器は、上面カバー24を追加的に含み、そこからマウスピース26が突出している。使用の際、ユーザーは典型的には、マウスピースを介して、気化された有効成分を吸入する。
【0069】
典型的には気化器20は、携帯可能に構成されており、使用の際、気化器はユーザーの片手で把握されるように構成されている。該気化器の寸法は、典型的には以下の通りである。
【0070】
気化器の本体22の高さH1(マウスピース26を除く)は典型的には、8cmを超え(例えば、10cmを超え)、そして/または15cm未満(例えば、12cm未満)、例えば8cm~15cmの間、または10~12cmの間である。
【0071】
マウスピース26の高さH2は典型的には、2cmを超え(例えば、2.5cmを超え)、そして/または6cm未満(例えば、3.5cm未満)、例えば2cm~6cmの間、または2.5~3.5cmの間である。
【0072】
典型的には、マウスピースを含む気化器の全高は、20cm未満、例えば15cm未満である。
【0073】
気化器の幅W1は典型的には、3cmを超え(例えば、4cmを超え)、そして/または9cm未満(例えば、6cm未満)、例えば3cm~9cmの間、または4cm~6cmの間である。
【0074】
気化器の奥行D1は典型的には、2cmを超え(例えば、3cmを超え)、そして/または6cm未満(例えば、5cm未満)、例えば2cm~6cmの間、または3cm~5 cmの間である。
【0075】
幾つかの適用例では、カプセル移動ホイール28が、上面カバーの外側に配設されている。該カプセル移動ホイールは、カプセル移動メカニズム44を制御する(
図2A)。以下にさらに詳細に記載される通り、該カプセル移動メカニズムは、(a)未使用のカプセルを気化器の本体内の第一の容器40A(
図2A)から気化場所46(
図2A)へ個別に移動させ、そこでカプセルが加熱されて有効成分を気化させるように、そして(b)使用されたカプセルを気化場所から気化器の本体内の第二の容器40B(
図2A)へ個別に移動させるように構成されている。幾つかの適用例では、該カプセル移動メカニズムは、
図2Aに示される通り回転可能なメカニズム、例えば回転可能な円盤である。幾つかのそのような適用例では、該カプセル移動ホイールは、回転可能なカプセル移動メカニズムを制 御するためにユーザーによって回される。代わりまたは追加として、該回転可能なカプセル移動メカニズム(または本明細書に記載された任意の他のカプセル移動メカニズム)は、電気モーター(図示しない)によって制御される。
【0076】
幾つかの適用例では、着脱自在のバックカバー30は、気化器20の本体22上に配設されている。図示される通り、幾つかの適用例では、バックカバーは、グリル32を画定する。グリル32は、以下にさらに詳細に記載される通り、気化器の本体への気流を可能とするように構成される。
【0077】
幾つかの適用例では、マウスピース26(および/または気化器の他の部分)の内面は、有効成分の気化生成物がマウスピースの内面に張り付くのを予防するように構成された親水性または疎水性コーティング27を含む。代わりまたは追加として、電荷が、気化器の表面(マウスピース26の内面など)に送られ、それにより電荷が表面に蓄積し、有効成分の気化生成物を表面に寄せ付けない。
【0078】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器20の分解図である
図2A~Bを参照する。
【0079】
図2Aを参照すると、典型的には気化器20は、有効成分を含有する植物材料を含むカプセル42を収容するように構成された第一および第二の容器40Aおよび40Bを含む。未使用のカプセルは、典型的には第一の容器の内部に積み重ねた構成で収容されており、使用されたカプセルは、第二の容器の内部に積み重ねた構成で収容されている。
【0080】
カプセル移動メカニズム44は、カプセルを第一の容器から第二の容器へ移動させるように構成されている。幾つかの適用例では、該カプセル移動メカニズムは、
図2Aに示される通り、回転可能なカプセル移動メカニズム(例えば、回転可能な円盤)である。典型的にはカプセル移動メカニズムは、(a)未使用のカプセルを第一の容器40Aから気化場所46へ個別に移動させ、そこでカプセルを加熱して有効成分を気化するように、そして(b)使用されたカプセルを気化場所から第二の容器40Bへ個別に移動させるように構成されている。
【0081】
幾つかのそのような適用例では、気化器20は、カプセル内の植物材料を加熱するように構成された(植物中の有効成分を気化すするためなど)1つまたは複数の加熱要素を含む。幾つかの適用例では、電極48は、電流をカプセル42へ送ってカプセル内の植物材料を加熱することによって、加熱要素として働くように構成されている。幾つかの適用例では、カプセル42は、1つまたは複数の金属メッシュ84(
図4A)を含む。該電極は、電流を1つまたは複数のメッシュへ送って抵抗加熱を介して1つまたは複数のメッシュを加熱することによって、植物を加熱する。代わりまたは追加として、電極は、電流を内部加熱要素の中へ送ることによって、気化器内に収容された該内部加熱要素を加熱する。典型的には、送られる電流は一定しており、そのため例えばカプセルの加熱は、電極とカプセルのメッシュとの接触の度合いの変動による影響を受けない。
【0082】
幾つかの適用例では、バネ49と押出要素51が、上面カバー24の一部25の下に配設されている。バネは、使用されたカプセルを第二の容器40Bの中へ押し出すように構 成されている。
【0083】
幾つかの適用例では、カプセル42の一部は、相変化材料47でコーティングまたは充填されている。該相変化材料は、カプセルを植物材料の熱分解温度未満に保持することにより植物材料が熱分解されるのを予防するように選択される。例えば相変化材料は、植物材料の気化温度と熱分解温度の間の温度で固-液相変化を受けることで、相変化材料がこの温度での溶解の潜熱として熱を吸収し得る。幾つかの適用例では、気化器の一部(例えば、気化場所46、容器40Aおよび/または容器40B)は、相変化材料47でコーティングされている。
【0084】
ここで、
図2Bを参照すると、典型的には電源50(例えば、電池)および制御回路52が、気化器20の本体の内部に収容されている。典型的には電源および/または制御回路は、接着剤、ネジ、クリップ、および/またはピンなどの連結要素53によって気化器の本体に連結されている。幾つかの適用例では、制御回路は、電源によって供給される電力を利用して、電極48を介して電流をカプセル内に送るように構成されている。
【0085】
幾つかの適用例では、バックカバー30は、着脱自在かつ再使用可能であり、制御回路52、電源50、および/または温度センサー54は、バックカバーに連結されている(例えば、バックカバー内に収容されていることによって)。典型的にはそのような適用例では、気化器内のカプセルの全てが気化されてしまった後、バックカバーが、バックカバーに連結された構成要素と共に取り外される。その後、バックカバーおよび構成要素は、 未使用のカプセルを含む異なる気化器へ移動および連結される。
【0086】
幾つかの適用例では、気化器20は、例えば加熱されているカプセルの温度を測定することによって、加熱されている植物材料の温度の指示を測定するように構成された温度センサー54を含む。例えば該温度センサーは、カプセルと接触せずにカプセルの温度を測定するように構成された、赤外温度センサーなどの光学温度センサーであり得る。この手法では、赤外温度センサーは、カプセルから熱を引き込むことによってカプセルの温度に影響を及ぼすことなく、カプセルの温度を測定する。幾つかの適用例では、温度センサーは、気化生成物が温度センサー上に沈着するのを防御する親水性または疎水性コーティング56で覆われている。幾つかの適用例では、異なる温度センサーが用いられる。例えば制御回路は、電極48を用いてカプセルの構成部品(例えば、カプセルのメッシュ84)の抵抗の変化を検出することによってカプセルの温度を検出し得る。
【0087】
先に記載された通り、典型的には未使用のカプセルが、第一の容器40Aの内部に収容され、使用されたカプセルが、容器40Bの内部に収容される。典型的にはバネ58および押出要素60が、気化器の底部カバー62に連結されている。該バネおよび押出要素は、カプセルを気化器の上面に向かって押すことによって、容器の内部のカプセルの積み重ねた構成を維持するように構成されている。
【0088】
ここで、
図3A~Dを参照する。
図3B~Dは、本発明の幾つかの適用例による、気化器20の略断面図である。
図3Aは、本発明の幾つかの適用例による、気化器20の上面図である。
図3Aは、それぞれ3B、3Cおよび3Dに示された断面の場所を示す線を含む。
【0089】
図3Bを参照すると、幾つかの適用例では、気化器20は、カプセルが加熱されている間、カプセル42を振動するように構成された振動器70を含む。気化器の使用の際、ユーザーは、マウスピース26を介して吸入する。これは、気流の矢印72に示される通り、空気をグリル32からカプセルを介してマウスピースへ流す。カプセルの加熱によって 、カプセルの植物材料中の有効成分が気化されて、気化器を通して流れている空気の中に導入される。幾つかの適用例では、カプセルを振動させることによって、カプセルが振動されなかった場合に比較して、振動器がカプセルを通る気流の遮断を低減し、そして/またはカプセルを通る気流を増加させる。幾つかの適用例では、カプセルの振動によって、カプセルが振動されなかった場合に比較して、より多量の有効成分が気化して気流に入る。代わりまたは追加として、カプセルの振動は、カプセルを横切る熱分布を改善し、そして/またはカプセル内の植物材料を混合する。
【0090】
各適用例によれば、振動器70としては、振動モーター、圧電性結晶、音波振動器、超音波振動器、および/または異なるタイプの振動器が挙げられる。幾つかの適用例では、振動器によって適用される振動の1つまたは複数のパラメータは、有効成分の気化効率を上昇させるように、カプセルを通る気流を増加させるように、気流遮断を低減するように、カプセルを横切る熱の分布を改善するように、そして/またはカプセル内の植物材料を混合するように、変動される。例えば振動の周波数、振幅および/または方向は、変動され得る。
【0091】
幾つかの適用例では、気化器20は、気化器を電力および/またはデータ入力の外部供給源に接続するポート74を含む。例えば電源50は、ポート74を介して気化器を外部電源に接続することによって再充電されるように構成され得る。代わりまたは追加として、制御回路52が、ポート74を介して、データ、例えば例えばプログラミングの指令を受け取り得る。
【0092】
幾つかの適用例では、医療専門家(例えば、薬剤師または医師)が、カプセルを通る所与の量の気流に適用される加熱速度を制御する制御回路に指令を入力することができる。単位気流あたりの加熱速度を制御することによって、気化器を通る単位気流あたりの気化される有効成分量を制御することができる。代わりまたは追加として、医療の専門家は、気化器の各使用時に許容される気化器を通る気流量、および/または所与の期間内に(例えば、時間あたり、または1日あたり)許容される気化器を通る気流量を制御する制御回路への指令を入力することができる。このように、医療専門家は、気化器の各使用の際、および/または所与の期間内に、ユーザーが受け取ることができる有効成分の投与量を制御し得る。幾つかの適用例では、該制御回路は、以下にさらに詳細に記載される通り、気化器を通る気流の速度および/または体積を自動的に決定するように構成される。
【0093】
ここで
図3Cを参照すると、図示される通り、未使用のカプセル42(即ち、植物材料の有効成分が気化されていないカプセル)が、容器40A内で積み重ねた構成で収容されている(即ち、気化器が直立型であれば、カプセルが上下に配列されている)。使用されたカプセルは、容器40B内で積み重ねた構成で収容されている。先に記載された通り、幾つかの適用例では、バネ58および押出要素60は、気化器の底部カバー62に連結され、カプセルを気化器の上部に向かって押すことによって容器内でカプセルの積み重ねた構成を維持するように構成されている。幾つかの適用例では、カプセルを積み重ねた構成で貯蔵することによって、気化器がユーザーによって快適に把握され得る(例えば、ユーザーの片手に)ような、気化器20の幅および深さの寸法であり得る。
【0094】
バネ49および押出要素51は典型的には、使用されたカプセルを容器40B内へ押すことにより、使用されたカプセルがカプセル移動メカニズム44の移動平面より下に保持される。このように、容器40B内に配置されたカプセルは、カプセル移動メカニズムが移動していても、容器40B内に入ったままである。
【0095】
幾つかの適用例では、 カプセルは、円形断面を有し、容器40Aおよび40Bは、カプセルを収容する円筒管を画定する。あるいはカプセル42は、異なる形状を有し得、容器40Aおよび40Bは、カプセルの形状に順応する形状をとる中空空間を画定し得る。
【0096】
図3Dを参照すると、先に記載された通り、幾つかの適用例では、温度センサー54は、カプセルと接触せずにカプセルの温度を測定するように構成された赤外温度センサーなどの光学温度センサーである。
図3Dは、加熱されたカプセル42から光のビーム80を受け取るセンサー54を示している。センサー54は、受け取った光に基づいて、カプセル42の温度を測定するように構成されている。
【0097】
図3Dに示される通り、幾つかの適用例では、電極48は、少なくとも4つの電極48A、48B、48C、および48Dを含む。カプセル内に含有される植物材料は、カプセル42の下部メッシュを介して電流を第一の電極48Aから第二の電極48Bへ送ることによって加熱される。代わりまたは追加として、カプセル内に含有される植物材料は、カプセル42の上部メッシュを介して電流を第三の電極48Cから第四の電極48Dへ送ることによって加熱される。幾つかの適用例では、前述の手法で植物材料を加熱することによって、例えば単極電極が上部または下部メッシュの場所に電流を送ることになる場合よりも、カプセル内の植物材料が均一に加熱される。幾つかの適用例では、カプセル42は、より上部および下部メッシュの代わりまたは追加として、内部加熱要素(例えば、内部メッシュ(図示しない))を含む。該内部加熱要素は、上部および下部メッシュに関して記載されたものと類似の手法で加熱されるように構成される。
【0098】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、有効成分を含む植物材料82を含有するカプセル42の各見方の略図である
図4A~Dを参照する。先に記載された通り、幾つかの適用例では、植物材料は、カンナビスであり、有効成分は、カンナビスの構成要素カンナビノイド(例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)および/またはカンナビジオール(CBD))である。代わりまたは追加として、該植物材料は、タバコ、および/または加熱により気化される有効成分を含有する他の植物もしくは化学物質であり得る。
【0099】
幾つかの適用例では、植物材料82は、上部金属メッシュ84と下部金属メッシュ84の間に収容される。幾つかの適用例では、該メッシュのそれぞれは、15ミクロンを超える(例えば、20ミクロンを超える)、および/または80ミクロン未満(例えば、50ミクロン未満)、例えば15~60ミクロンまたは20~50ミクロンの開口部を有する。典型的には該メッシュは、カプセルの中央部分86(例えば、図示される通り中央の円盤)に連結され、該中央部分が穴を画定する。例えば該メッシュは、高温耐性にかわまたは両面接着剤などの接着剤88を介して該中央部分に連結され得る。典型的には、該接着剤が200℃を超える温度などの高温に供された場合でも、接着剤が煙霧を発生しないように、該接着剤が構成されている。典型的には該植物材料は、メッシュの間の、カプセルの中央部分によって画定される穴の中に収容されている。
【0100】
典型的には、(a)植物材料がカプセル内に適合するほど十分に小さな切片であり、該植物材料のより大きな表面積が気化器を通って気流に暴露されるように、(b)植物材料の切片が該メッシュを通過しないほど十分に大きいように、そして(c)有効成分がその能力を保持するように、植物材料82が粉砕されている。幾つかの適用例では、該植物材料は、極低温で粉砕および/または粉末化されている。
【0101】
幾つかの適用例では、空間要素90が、メッシュの一方または両方の外側に連結されている。カプセルが気化器の内部に積み重ねた構成で配設されている時に、カプセルの上部メッシュと隣接するカプセルの下部メッシュの間に空間が存在するように、該空間要素が構成されている。該空間要素は、メッシュおよび/または植物材料を通る気流を遮断することなく、そして電極48とメッシュ84の間の接触を妨害することなく、前述の機能を実施するような形状をとる。幾つかの適用例では、該空間要素は、片面の接着テープである。幾つかの適用例では、抗接着性コーティング材料が、空間要素として用いられる。未使用のカプセルが容器40Aの中に収容されている時に、未使用のカプセルが互いにくっ つくのを予防するように、抗接着性コーティング材料が構成されている。
【0102】
幾つかの適用例では、カプセル42の中央部分86は、蒸発工程の間にカプセルから周囲エリアへの熱損失を低減し、周辺エリアの加熱を低減するように、高い熱容量および/または低い熱伝導率を有する材料で作製されている。幾つかの適用例では、メッシュ84のワイヤーの少なくとも1つは、中空であり、相変化材料が、該中空ワイヤーの内部に配設されている。該相変化材料は、カプセルを取り囲むエリアに対してカプセルに熱を優先的に吸収させることによって、カプセルからの熱損失を低減する。代わりまたは追加として、相変化材料は、カプセルに連結され、例えばカプセルをコーティングすることによる、異なる手法である。先に記載された通り、典型的には該相変化材料は、カプセルを植物材料の熱分解温度未満に保持し、植物材料が熱分解されるのを予防するように選択される 。
【0103】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、カプセル42のメッシュ84と接触した気化器20の電極48の略図である
図5を参照する。図示される通り、電極48は、空間要素90が該メッシュの外側に配設されたとしても、メッシュと接触している。
【0104】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器20の電極48の各構成の略図である
図6A~Dを参照する。
図6Aは、本発明の幾つかの適用例による、電極48Aおよび48Bの実施例を示す。図示される通り、幾つかの適用例では、電極の表面92は、電気的接触物として働き、それを介してカプセルのメッシュと電気的接触がなされる。
図6B~Dは、本発明の幾つかの適用例による、電極48の実施例を示す。幾つかの適用例では、該電極は、電極の表面92から突出した接触部94を含む。図示される通り、該接触部は、平板(
図6B)としての、または複数の点、例えば2点(
図6C)もしくは3点(
図3D)としての形状をとり得る。
【0105】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器20、直線上メカニズムである気化器のカプセル移動メカニズム44の各見方の略図である
図7A~Bを参照する。
【0106】
図7A~Bに示される通り、幾つかの適用例によれば、カプセル42は、円形でない形状をとる。例えば
図7A~Bに示される通り、カプセルは、レーストラック形の断面を有し得る。そのような適用例では、容器40Aおよび40Bは、カプセルの形状に順応する 形状をとる中空空間を画定している。
【0107】
幾つかの適用例では、容器40Aの最上部と、容器40Bの最上部と、カプセルが加熱される気化場所とが、互いに整列されている(例えば、
図7A~Bに示される通り、気化器の幅にわたって)。直線上カプセル移動メカニズム44は、未使用のカプセルを容器40Aからカプセルが加熱される気化場所46まで、そして気化場所から第二の容器40Bまで押し出すように構成される。幾つかの適用例では、該直線上カプセル移動メカニズムは、上記の手法でカプセルを移動させるように構成されたプッシャーを含み、該プッシャーは、軸上を所与の方向に押し出される。幾つかの適用例では、バネ102は、プッシャーに連結され、該バネは、所与の方向でのプッシャーの移動に逆らってプッシャーに力を加えるように構成されている。
【0108】
図7Bを参照すると、幾つかの適用例では、ポンプ200(
図7Bに概略的に示される)は、気化器を通る気流を制御するために用いられる。幾つかの適用例では、該気化器は、気化されているカプセルを介さずにマウスピースの外側から気流を提供する補充気流チャネル201を画定する形状をとる。このように、ユーザーによる大きな吸入に応答して、気化器が、ユーザーに提供される有効成分の投与量を増加させずに、ユーザーに気流を提供することができる。幾つかの適用例では、弁203(
図7Bに概略的に示される)は、補充気流チャネル内に配設され、補充気流チャネルを通して気流を制御するように構成されている。
【0109】
幾つかの適用例では、気化器20は、気流センサー、例えば弁202(
図7Bに概略的に示される)を含む。該弁は、気化器を通る気流を測定するように構成されている。幾つかの適用例では、該測定された気流は、制御回路に入力として受け取られ、該制御回路は、検出された気流に応答して加熱パラメータを変動させる。
【0110】
上記の段落に記載された差異は別として、
図7A~Bに示された気化器20およびその一部は、
図1A~6Dを参照して記載された気化器およびその一部と概ね類似している。本発明の範囲は、
図7A~Bを参照して記載された気化器およびその一部の特色を、
図1A~6Dを参照して記載された気化器およびその一部の特色と組み合わせること、そしてその逆も同様に含む。
【0111】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器20などの気化器を用いて植物材料を加熱する各技術を例示したグラフである
図8を参照する。該グラフのx軸は、時間(秒で測定)を示し、y軸は、本明細書に記載された植物材料を含有するカプセルの温度(℃で測定)を示す(それゆえ、カプセル内の植物材料の温度を示す)。
【0112】
先に記載された通り、幾つかの実施例では、気化器20は、カンナビス中の有効成分を気化するために用いられる。カンナビスは典型的には、180℃の気化温度を有し、220℃で熱分解され始める。それゆえ典型的には、カンナビスを190℃~210℃の間の温度に加熱することが望ましい。カンナビスを加熱する所望の温度範囲の上限および下限は、190℃および210℃の2つの水平の実線によって
図8のグラフに示される。さらに典型的には、カンナビスの熱分解を予防するために、記載された温度よりも高い温度にカンナビスを加熱しないことが望ましい。植物が加熱されるべき所望の温度は、気化器で用いられる植物材料の特徴に応じて変動するであろうが、典型的には、気化器がカンナビ ス以外の植物材料で用いられる場合には、類似の判断事項が適用可能である。
【0113】
植物材料を所望の温度に加熱するための1つの可能な方法は、8秒を超える期間にわたって植物材料が所望の温度に加熱されていることを示す斜めの破線で表された通り、緩徐な加熱による。植物材料を加熱するための別の可能な方法は、
図8の点線の曲線によって表された通り、急速な加熱による。典型的には、植物材料が急速に加熱される場合、最初、植物が加熱される温度にオーバーシュートがある。例えばこれは、植物材料が所望の温度に達する時間と、所望の温度に達したことを制御回路が検出し、検出された温度に応答して植物材料をさらに温度上昇させるのを保留させる時間との間に、タイムラグが存在するためであろう。これは、所望の温度範囲内で安定状態になる前に、点線の曲線が最初220℃を超えて上昇することを示している
図8に示される。オーバーシュートにより、植物材料の一部は、熱分解され得る。
【0114】
本発明の幾つかの適用例によれば、二段階の加熱工程が、例えば
図8に示された曲線の実線に示される通り、気化器内の植物に適用される。典型的には、気化器での最初の入力の受け取りに応答して(例えば、ユーザーが気化器でのONスイッチを押したことに応答して)、気化器の制御回路が、第一の加熱ステップを開始する。典型的には第一の加熱ステップは、急速な加熱ステップである(例えば、植物材料を含有するカプセルが50℃/秒を超える、または100℃/秒を超える速度で加熱される加熱ステップ)。さらに典型的には、気化器の制御回路は、カプセルの温度(植物材料の温度の指標)が第一の温度に達したことの検出に応答して、カプセルをさらに温度上昇させるのを保留することにより第一の加熱ステップを終了するように構成されている。典型的には第一の温度は、植物材料の気化温度の95%未満、例えば90%未満、または80%未満である。例えば気化器がカンナビスを気化させるのに用いられる場合、気化器の制御回路は、カプセルの温度が、170℃未満(例えば、160℃未満)である第一の温度、例えば140~170℃の温度または150~160℃の温度に達したことの検出に応答して、カプセルをさらに温度上昇させるのを保留するように構成され得る。
【0115】
制御回路を上記のような第一の急速な加熱段階を終了するように構成することによって、オーバーシュートがあって、第一の加熱段階が終了されるようにプログラムされた温度を超えてカプセルの温度が上昇したとしても、カプセルの温度は、典型的には植物材料の熱分解温度を超えて上昇することはない。例えば
図8に示される通り、制御回路は、カプセルの温度がおよそ160℃に達したことの検出に応答して、カプセルをさらに温度上昇させるのを保留するように構成されている。最初(およそ0.5秒目)、オーバーシュートがあり、カプセルの温度がおよそ180℃に達する。しかし、カプセルの温度はその後、約1秒目におよそ160℃の安定状態に達する。幾つかの適用例では、気化器の制御回路は、加熱の第一段階が終了したことをユーザーに示す出力を発生する。例えば該制御回路は、指示光を照光することができ、気化器を振動させることができ、そして/または自動シグナル(例えば、ビープ音)を発することができる。
【0116】
次に、気化器への第二の入力に応答して、気化器の制御回路は、第二の加熱ステップを開始する(
図8の実線曲線で示され、およそ3秒目に開始する)。典型的には加熱工程の第一段階の終了と加熱工程の第二段階の開始の間、制御回路がカプセルの温度を第一の温度に保持する。幾つかの適用例では、加熱の第二段階は、ユーザーによる気化器からの空気の吸入に応答して、自動的に開始する。あるいは加熱工程の第二段階は、ユーザーによる異なる入力(例えば、ユーザーがONボタンを再度押すこと)に応答して、開始され得る。
【0117】
第二の加熱ステップの際、制御回路は典型的には、加熱工程の第一段階よりも緩やかな速度でカプセルを加熱する。例えば加熱工程の第二段階では、気化器のカプセルのメッシュは、50℃/秒未満、例えば40℃/秒未満の速度で加熱され得る。
図8に示される通り、加熱工程の第二段階(3秒~5秒)では、カプセルはおよそ160℃から200℃へと加熱される。
【0118】
加熱工程の第二段階では、制御回路は、カプセルの温度が植物材料の気化温度と植物材料の熱分解温度の間であることの検出に応答して、カプセルをさらに温度上昇させるのを保留するように構成されている。例えば、気化器がカンナビスを気化するのに用いられる場合、気化器の制御回路は、カプラセルの温度が180℃を超える(例えば、190℃を超える)、そして/または220℃未満の(例えば、210℃未満の)、例えば180~ 220℃の間、または190~210℃の第二の温度に達したことの検出に応答して、カプセルをさらに温度上昇させるのを保留するように構成されている。
【0119】
幾つかの適用例では、先に記載された二段階工程で加熱を実施することによって、以下の結果の1つまたは複数が実現される:
1)カプセルの温度が気化温度の95%未満に達したことに応答して加熱の第一(急速な)段階を終了することによって、加熱がオーバーシュートしたとしても、植物材料が熱 分解温度を超える温度まで加熱されないため、植物材料は熱分解されない。
2)加熱の第二段階は緩やかに実施されるため、加熱工程の第二段階では無視できる程のオーバーシュートがあり、それゆえ植物材料は、加熱工程の第二段階で熱分解されない。
3)加熱の第一段階の際、植物材料は、気化温度に相対的に近い温度まで既に加熱されているため、加熱の第二段階が緩やかであっても、第二の加熱段階の開始から植物材料を気化温度まで加熱するのに必要な時間は、比較的短い(例えば、2秒未満)。
4)植物材料の低い熱伝導率により、植物材料が急速に加熱されると、これが植物材料の不均一な加熱を生じ得る。これは、加熱要素(複数可)(例えば、電極(複数可))の付近の植物材料の一部を熱分解させる可能性があり、そして/または加熱要素(複数可)から離れた植物材料の一部を気化させない可能性がある。第一の温度に達した後、そして第二の入力を受けるまで、植物材料のさらなる加熱を保留することによって、植物材料の任意の一部が気化温度まで加熱されてしまう前に(第一の加熱段階と第二の加熱段階の合間に)、植物材料を通して熱を放散することができる。その上、第二の段階の際の温度上昇は、相対的に小さいため、温度上昇は、植物材料を通して相対的に急速に放散し得る。したがって、植物材料の熱分解が実質的に存在せずに、植物材料中の有効成分のほとんどが気化されるように、植物材料の比較的均一な加熱が実現される。
【0120】
幾つかの適用例では、ユーザーによる気化器の吸入は、制御回路によって自動的に検出される。加熱の第一段階の後、典型的には、周囲温度と植物材料を含有するカプセルの温度の間には大きな差が存在する。先に記載された通り、加熱工程の第一段階の終了時と加熱工程の第二段階の開始時の間、制御回路は、カプセルの温度を第一の温度に保持する。周囲温度とカプセルの温度の間に大きな差が存在するため、カプセル(およびその中の植物材料)を一定温度に保持するのに必要なエネルギーは、ユーザーが気化器から吸入している時の方が、ユーザーが吸入していない時よりも大きい。それゆえ、幾つかの適用例では、制御回路は、カプセル(およびその中の植物材料)の温度を一定に保持するのに必要となるエネルギー量の指示を検出することによって、ユーザーが気化器から吸入していることを検出する。例えば制御回路は、カプセル(およびその中の植物材料)を加熱するのに用いられるデューティサイクルの変動を検出し得る。代わりまたは追加として、制御回路は、カプセルの温度を直接検出することによって、ユーザーが気化器から吸入していることを自動的に検出し得る。加熱の第一段階の後、周囲温度とカプセルの温度の間に大きな差が存在するため、カプセルを通る気流が、カプセルの温度の測定可能な変化を起こし得る。先に記載された通り、幾つかの適用例では、加熱工程の第二段階は、ユーザーによる気化器からの吸入の検出に応答して、自動的に開始される。
【0121】
先に記載されたものと概ね類似した技術を利用して、幾つかの適用例で、制御回路が、カプセル(およびその中の植物材料)の温度を一定に保持するのに必要なエネルギー量の指示を検出することによって、気化器を通る気流の速度および/または体積を検出する。幾つかの適用例では、気化器を通る気流の検出された速度に応答して、制御回路は、対象に投与された活性物質の投与量を計算する。先に記載された通り、幾つかの適用例では、医療の専門家は、気化器の各使用時に許容される気化器を通る気流量、および/または所与の期間内に(例えば、時間あたり、または1日あたり)許容される気化器を通る気流量を制御する制御回路へ指令を入力することができる。代わりまたは追加として、制御回路は、先に記載された通り、単位気流あたりの加熱速度を制御し得る。
【0122】
幾つかの適用例では、所与の期間(例えば、0.5秒~3秒の間の期間)にわたって吸入が起こっていないことの検出に応答して、カプセルの温度は、植物材料の気化温度未満に低減される。例えば気化器の使用の際、ユーザーは、咳により、そして/または植物材料により生じた刺激により、所与の期間、吸入を停止し得る。ユーザーが有効成分の処方された投与量を受け得るように、温度を気化温度未満に低減することによって、この期間の有効成分の浪費が低減される。
【0123】
図8のおよそ7秒以降9.5秒までの間の実線曲線によって示される通り、制御回路は、カプセルの温度を気化温度未満まで低下させている。これは、所与の期間(先に記載された通り)にわたり吸入が起こらなかったことの検出に応答して、そして/またはユーザーの入力に応答して(例えば、ユーザーがボタンを押すことに応答して)実施され得る。およそ9.5秒から12.5秒までの間で、カプセルが再度、気化温度まで加熱されている。これは、吸入が再開されたことの検出に応答して、そして/またはユーザーの入力に応答して(例えば、ユーザーがボタンを押すことに応答して)実施され得る。およそ14秒以降16秒までの間、制御回路は再度、カプセルの温度を気化温度未満まで低下させている。これは、所与の期間(先に記載された通り)にわたり吸入が起こらなかったことの検出に応答して、そして/またはユーザーの入力に応答して(例えば、ユーザーがボタンを押すことに応答して)実施され得る。
【0124】
気化器20は、カプセル42を加熱するための電極(複数可)48の抵抗加熱を利用すると記載されたが、幾つかの適用例では、代わりのまたは追加の加熱要素および加熱技術が、カプセルを加熱するのに用いられる。例えばレーザー発光器が、カプセルを加熱するためにレーザビームをカプセルに向けることにより加熱要素として働き得る。幾つかの適用例では、気化器の内部に収容された別の加熱要素が、伝導、対流および/または放射加 熱をカプセルに提供するために、気化場所の付近で加熱される。
【0125】
幾つかの適用例では、気化器は、未使用のカプセルが気化器内に幾つ収容されているかをユーザーに示す指示器を含む。典型的には気化器は、医療専門家(例えば、医師または薬剤師)によって開放および/または再充填のみが可能となるように構成される。幾つかの適用例では、気化器が再充填されるように構成されているというよりむしろ、気化器の制御的構成要素の一部が、リサイクル可能であり、先に記載された通り未使用の気化器に移動可能である。幾つかの適用例では、所与のユーザーに提供されるべきカプセルのサイズおよび/または各カプセル中の植物材料の量は、医療専門家によって決定され得る。加えて、先に記載された通り、気化器は典型的には、有効成分の特定投与量のみが、使用ごとに、または所与の期間内に放出され得るように、プログラム可能である。この手法では、気化器内で用いられる植物が、規制された物質(例えば、カンナビス)である場合、該物質の使用に関する制御が維持され得る。幾つかの適用例では、該気化器およびカプセルの使用の調節および制御を容易にするように、該気化器および/または該カプセルは、マーカーまたはタグ(例えば、RFIDまたはバーコード)を識別することを含む。
【0126】
ここで、本発明の幾つかの実施例による、気化器20の一部の略図である
図9A~Bを参照する。幾つかの適用例では、未使用のカプセル42は、支持表面110での容器40A内で積み重ねた構成で貯蔵される。
図9Aおよび9Bは、例示目的で、該容器の壁が存在しない支持表面を示している。
図9Aは、任意のカプセルが存在しない支持表面を示し、
図9Bは、支持表面と、そこに配設されたカプセルの積み重ねを示している。
【0127】
典型的にはバネ112が、支持表面の下に配設される。幾つかの適用例では、ユーザーがカプセル移動ホイール114を所与の方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)に回転させるのに応答して、カプセル移動ホイールに連結されたネジ113が、所与の方向に回転される。典型的には支持表面は、スクリューに螺合されている(直接的または間接的)。例えば図示される通り、支持表面110は、バネ112を介して第二の表面116に連結され得、第二の表面は、ネジに直接螺合されている。所与の方向でのネジの回転に応答して、支持表面は、容器40Aの開口部に向かって進行し、それにより最上のカプセルを該容器の開口部から押し出す。
【0128】
カプセル移動ホイール114が、先に記載されたカプセル移動ホイール28の形状と異なる形状をとることに留意されたい。典型的には、カプセル移動ホイール28に関して記載された通り、カプセル移動ホイール114は、カプセル移動メカニズムを制御するように構成され、該メカニズムも、(a)未使用のカプセルを容器40Aから気化場所46まで個別を移動させて、そこで有効成分を気化させるようにカプセルを加熱し、そして(b)使用されたカプセルを気化場所から第二の容器40Bまで個別に移動させるように、構成されている。
【0129】
典型的には
図9A~Bに示されたメカニズムを利用することで、容器がどれほど充填されているかにかかわらず、容器40Aを通ってカプセルを進行させる力が実質的に一定になることに留意されたい。幾つかの適用例では、
図9A~Bに示されたメカニズムを利用すれば、例えば
図3Cおよび7Bに示される通り構成された第一の容器で典型的に用いられるよりも小さなバネを用いて、第一の容器4Aからカプセルを押し出すことができる。これは、第一の容器の中身がより空けば、支持表面110が第一の容器を通して上に進むためである。対照的に、例えば
図3Cおよび7Bに示された適用例では、第一の容器が相対的に空いている場合に、バネが第一の容器の高さのほとんどに沿って伸長して、未使用のカプセルに圧力を発する程十分に、バネ58が大きくなければならない。それゆえ、幾つかの適用例では、
図9A~Bに示されたメカニズムを利用することによって、所与の高さの容器内に、他のメカニズムが用いられた場合に可能な数よりも多数のカプセルが、収納され得る。
【0130】
幾つかの適用例では、時には、例えば1つまたは複数のカプセルと容器40Aの壁の間の接着により、カプセル移動ホイールの回転に応答して、カプセルが容器40Aを出ない場合がある。幾つかの適用例では、そのような例では、カプセル移動ホイール114は、さらに回転される。これは典型的には、バネ112によってカプセルの積み重ねの上に発揮される力を増強し、それによりカプセルを放出する。
【0131】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、電極48と、それを使用するメカニズムの略図である
図10A~B、11A~D、および12A~Bを参照する。先に記載された通り、幾つかの適用例では、カプセルの外面は、1つまたは複数のメッシュによって画定されている。電極48は、電流を1つまたは複数のメッシュに送って抵抗加熱を介してカプセルの1つまたは複数のメッシュを加熱することにより、カプセル内部の植物材料を加熱する。典型的には、そのような適用例では、電極とカプセルのメッシュとの高品質および低抵抗の電気的接触が望ましい。しかし幾つかの適用例では、非伝導性コーティングが、カプセルが用いられる前にメッシュの表面に展延される。例えばこれは、植物材料中の有効成分による蒸気の発生および/または酸化による可能性がある。幾つかの適用例では、メッシュの外面の少なくとも一部は、柔軟な透過性保護コーティング(ワックスなど)で覆われている。コーティングは、メッシュの表面で非伝導性コーティング(例えば、酸化による)の展延を減少させる(例えば予防する)。
【0132】
幾つかの適用例では、
図10A~B、11A~D、および12A~Bに示された電極およびそれを用いるメカニズムは、他の可能な構成に比較して電極がメッシュ上で発揮する圧力を上昇させることによって(例えば、電極がメッシュ上で発揮する力を増加させることにより、そして/または電極とメッシュの間の接触面積を減少させることにより)、電極とカプセルのメッシュの間の高品質および低抵抗の電気的接触を容易にする。幾つかの適用例では、
図10A~B、11A~D、および12A~Bに示された電極およびそれを用いるメカニズムは、先に記載された通り、メッシュの表面に展延されたコーティング、および/またはメッシュの表面を覆った保護コーティングを、電極に透過させることによって、電極とカプセルのメッシュの間の高品質および低抵抗の電気的接触を容易にする。
【0133】
ここで
図10A~Bを参照すると、幾つかの適用例では、電極48の1つまたは複数は、鋭利な先端を有する。例えば
図10Aに示された通り、電極は、刃の形状をとり得る。典型的には刃の先端は、0.05mmを超える(例えば、0.1mmを超える)、および/または0.4mm未満(例えば、0.3mm未満)、例えば0.05mm~0.4mmの間、または0.1mm~0.3mmの間の厚さを有する。
【0134】
幾つかの適用例では、電極移動メカニズム120は、カプセル42のメッシュに対して電極の少なくとも一部を移動させるように構成されている。例えば電極移動メカニズムは、電極をメッシュと接触させながら、電極をメッシュのより近くへ移動させ得、そして/またはメッシュに対して電極を移動させ得る(例えば、電極をメッシュの表面で摺動させることによる)。この手法では、電極は典型的には、メッシュの表面に展延されたコーティングの少なくとも一部を除去し、そして/または該コーティングを透過する。
【0135】
幾つかの適用例では、該電極移動メカニズム120は、電極の少なくとも幾つかをカプセルのメッシュに向かって押し出すバネ131を含む。電極は、ボタン122にも接続されている。幾つかの適用例では、メッシュからコーティングを除去するためにバネが電極をメッシュに押しあてながら、ユーザーがカプセルのメッシュ表面で電極を摺動させる。代わりまたは追加として、ユーザーは、ボタンを用いて、電極を下向きに押す(バネによって電極に加えられる力に逆らって)。ボタンが解放されると、電極がバネの力でメッシュに向かって上方に押し出される。幾つかの適用例では、ユーザーは、ボタン122を繰り返し下方へ押し、それによりバネが突きの動作でメッシュに逆らう力を電極に繰り返し加える。
【0136】
幾つかの適用例では、上部の電極は、静置されたままであり、メッシュの表面で電極が発揮する圧力によって、電極が接触するメッシュの表面にある任意のコーティングを透過するように構成されている。例えば
図10Bに示された実施例において、上部の電極は、カプセルの上部メッシュが電極の鋭利な先端に押しあてられるため、カプセルの上部メッシュの表面の任意のコーティングを透過し得る。幾つかの適用例では、ボタン122は追加として、押すことにより気化器を操作するように構成されている。例えばボタン122は、押すことにより操作スイッチをオンにして、本明細書に記載された技術を利用して制御回路にカプセルのメッシュを加熱させ得るように構成され得る。
【0137】
ここで、
図11A~Dを参照すると、幾つかの適用例では、電極移動メカニズム120は、1つまたは複数の蝶番130およびボタン132を含む。幾つかのそのような適用例では、電極48は、
図10Aに関連して先に記載された形状をとる。
図11Aは、気化器20の一部の中に配設されたメカニズムを示し、
図11Bは、気化器の任意の追加的部分が存在しないメカニズムの三次元略図であり、
図11C~Dは、メカニズムがそれぞれ非作動および作動構成にある場合の、メカニズムの二次元プロファイルを示している。
【0138】
幾つかの適用例では、気化器のカプセル移動メカニズムは、ボタン132を押すように構成されている。例えば回転可能なカプセル移動メカニズム(
図2Aに示される)は、回転の途中では、ボタン132に自動的に押しあてるように構成され得る。ボタンが押されることに応答して、電極48がカプセルのメッシュに接触しながら、電極が(a)カプセルのメッシュにより近く移動するように(例えば、図示された実施例では上方へ)、そして/または(b)カプセルのメッシュに沿って移動する(例えば、摺動する)ように、電極48がヒンジ130を中心に枢動する。ボタン132が押されることによるメカニズムの移行が、
図11Cから
図11Dへの移行に示される。
【0139】
ここで
図12A~Bを参照すると、幾つかの適用例では、蝶番に基づく電極移動メカニズムの異なるタイプが用いられている。
図12A~Bに示される実施例において、ユーザーがボタン140を下方に押すことに応答して、蝶番142が回転し、それによりカプセルの上方メッシュに向かって電極48を上方へ移動させる。代わりまたは追加として、バネ(図示しない)は、ボタン140を自動的に下方に押すように構成されており、ユーザーは、例えばカプセルを放出するために、ボタン140を能動的に解放する。
図12Aは、気化器20の一部の中に配設されるメカニズムを示しており、
図12Bは、気化器の任意の追加的部分の存在しないメカニズムの三次元略図である。幾つかの適用例では、ボタン140は追加的に、押されることにより気化器を操作させるように構成される。例えばボタン140は、押されることにより操作スイッチをオンにするように構成され得、それが本明細書に記載された技術を利用して制御回路にカプセルのメッシュを加熱させ得る。
【0140】
幾つかの適用例では、
図10A~12Bを参照して記載されたメカニズムが、電極とカプセルのメッシュの間の接触を増強するために用いられる。代わりまたは追加として、電極とカプセルのメッシュの間に適当な電気的接触を確実に得るための技術が、用いられる。例えば制御回路は、電流がメッシュに送られることに応答して、カプセルのメッシュの抵抗を測定し得る。閾値抵抗を超える抵抗に応答して、制御回路が、電極とメッシュの間の電気的接続に問題があることを決定することができ、それに応答して指示を発生することができる。代わりまたは追加として、制御回路は、小さなパルスの電流をカプセルのメッシュに送り、得られたカプセルの温度上昇を測定することができる。温度上昇が閾値温度よりも低いことに応答して、制御回路が、電極とメッシュの間の電気的接続に問題があることを決定することができ、それに応答して指示を発生することができる。
【0141】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器内(例えば、気化器の容器152内)に配設された植物材料の塊から植物材料82(先に記載された通り有効成分を含有する)の所与の容積用量を自動的に抽出するように構成された気化器150の略図である
図13A~Cを参照する。典型的には植物材料の塊は、1つの本体の中に配設された植物材料の容積用量を複数含有し、容積用量に分離されていない(例えば、先に記載された通り容積用量が個々のカプセル内に配設されることによる)。例えば、容器152の断面図を示す
図13Bに示される通り、植物材料を含有するシガレット154が、容器内に配置され得る。
【0142】
気化器150は典型的には、抽出メカニズム156を含む。ユーザーが抽出メカニズムを作動することに応答して、抽出メカニズムは、植物材料の塊から植物材料の所与の容積用量を抽出するように構成されている。例えば
図13A~Cに示される通り、抽出メカニズムは、ボタン158および刃160を含み得る。ボタンがユーザーによって押されると、これにより刃が回転し、植物材料の塊から容積用量が切断される。
【0143】
図13Cを参照すると、幾つかの適用例では、ボタン158が、距離X1だけ進むと、これが、バネ164を介して刃に接続された蝶番162に力を加える。この力が、蝶番を回転させ、それにより刃が回転して、植物材料の塊から容積用量を切断する。
図13Cに示された気化器の実施例および配列において、ボタンによる距離X1の進行は、容積用量を収容する容器166に向かって刃を反時計回りに回転させる。典型的には、植物材料の容積用量を抽出した後、刃は、容器166内の容積用量の下側を支持する。
【0144】
ボタン158のさらなる進行は典型的には、抽出された容積用量を、先に記載された気化場所として働く表面168に進行させる。加熱要素は、容積用量が表面に配設される間に表面を加熱することによって、植物材料の容積用量の少なくとも1種の有効成分を気化させるように構成されている。典型的には表面168は、メッシュであり、それは先に記載された通り、1つまたは複数の電極を介して電流をメッシュに送る制御回路を用いて加熱される。幾つかの適用例では、上部のメッシュ170は、抽出された容積用量の上に配設され、類似の手法で加熱される。幾つかの適用例では、植物材料を加熱するための他の技術(例えば、先に記載される)が用いられる。幾つかの適用例では、センサーが、植物材料の温度をモニタリングするために用いられる。例えば、先に記載された光学温度センサー(例えば、赤外温度センサー)が、用いられ得る。幾つかの適用例では、二段階工程が、先に記載された植物材料の加熱に用いられる。
【0145】
有効成分が、気化されている間、ユーザーは典型的には、気道チューブ172およびマウスピース174を介して空気を吸入する。空気は、植物材料を通過し、気化された植物材料からの蒸気が、該空気に入る。幾つかの適用例では、植物材料の加熱に続いて、ボタン158がさらに進められる。これにより、植物材料の使用された容積用量を廃物容器176に押し出される。続いてボタン158は、開始位置に後退する(手動または自動で)。その後、バネ178が、植物材料の次の容積用量を、刃160によって切断される位置まで押し出す。幾つかの適用例では、バネは、押出要素180を、植物材料を含有するシガレット154の下側に押しあてる。
【0146】
幾つかの適用例では、ボタン158は追加的に、押し出されることにより気化器を操作させるように構成されている。例えばボタン158は、押し出されることにより操作スイッチをオンにするように構成させることができ、それにより先に記載された技術を利用して制御回路にカプセルのメッシュを加熱させることができる(気化器150の制御回路は図示されていないが、
図14Aに示されたような制御回路が、典型的には気化器150の収容部の内部に収容されていることに留意されたい)。
【0147】
ここで、本発明の幾つかの適用例による、気化器内(例えば、気化器の容器183内)に配設された植物材料の塊(例えば、シガレット154)から植物材料の所与の容積用量を自動的に抽出するように構成された気化器の略図である
図14A~Cを参照する。気化器182は、以下に記載される差異を除けば、
図13A~Cを参照して記載された気化器150と概ね類似している。
【0148】
気化器182は典型的には、抽出メカニズム184を含む。ユーザーが抽出メカニズムを作動することに応答して、抽出メカニズムは、植物材料の塊から所与の容積用量を抽出するように構成されている。例えば
図14A~Cに示される通り、気化器は、ボタン185および刃186を含み得る。ボタンがユーザーによって押されると、これにより刃が進み、植物材料の塊から容積用量が切断される。ボタンをさらに押すことで、容積用量を、先に記載された気化場所として働く表面187の上に押す。加熱要素は、容積用量が表面に配設される間、表面を加熱することによって、植物材料の容積用量の少なくとも1種の有効成分を気化させるように構成されている。典型的には表面187は、メッシュであり、それは先に記載された通り、1つまたは複数の電極を介して電流をメッシュに送る制御回路188を用いて加熱される。幾つかの適用例では、上部メッシュ189は、抽出された容積用量の上に配設され、類似の手法で加熱される。幾つかの適用例では、植物材料を加熱するための他の技術(例えば、先に記載される)が用いられる。幾つかの適用例では、センサーが、植物材料の温度をモニタリングするために用いられる。例えば、先に記載された光学温度センサー(例えば、赤外温度センサー)190が、用いられ得る。幾つかの適用例では、二段階工程が、先に記載された植物材料の加熱に用いられる。
【0149】
有効成分が、気化されている間、ユーザーは典型的には、気道チューブ191およびマウスピース192を介して空気を吸入する。空気は、植物材料を通過し、気化された植物材料からの蒸気が、該空気に入る。容積用量が表面187に進行されるのに続いて、ボタン185は、開始位置に後退する(典型的にはバネ193によって自動で)。その後、バネ194が、植物材料の次の容積用量を、刃186によって切断される位置まで押し出す。幾つかの適用例では、バネは、押出要素195を、植物材料を含有するシガレット154の下側に押しあてる。典型的には、気化器が用いられる次の回に、次の容積用量が使用 された容積用量を表面から廃物容器196内に押し出すことにより、使用された容積用量が表面から除去される。
【0150】
幾つかの適用例では、ボタン185は追加的に、押されることにより気化器を操作させるように構成されている。例えば図示される通りボタン185は、押すことにより操作スイッチ197に押しあてるように構成させることができ、それにより先に記載された技術を利用して制御回路にカプセルのメッシュを加熱させることができる。
【0151】
植物材料の容積用量が植物材料の塊から抽出されることによる
図13A~Cおよび14A~Cを参照して記載された適用例が、必要な変更を加えて、他の図のいずれかを参照して先に記載された適用例のいずれかと組み合わせられ得ることに留意されたい。例えば、先に記載された光学温度感知(例えば、赤外温度感知)および/または二段階加熱工程が、
図13A~Cおよび14A~Cに示された気化器で用いられ得る。
【0152】
本発明が先に詳細に図示および記載されたものに限定されないことは、当業者に理解されよう。むしろ本発明の範囲は、前述の説明を読むことによって当業者に考案される、先 に記載された様々な特色の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびに先行技術 にはない変更および改良を含む。