(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】自律型監視システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230301BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H04N7/18 D
A01G7/00 603
(21)【出願番号】P 2021510169
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(86)【国際出願番号】 US2019048602
(87)【国際公開番号】W WO2020047121
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-23
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520449345
【氏名又は名称】キヤノンバージニア, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Canon Virginia, Inc.
【住所又は居所原語表記】12000 Canon Blvd., Newport News, Virginia, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊佐野 太輔
(72)【発明者】
【氏名】レスチンスキー, コーナー
(72)【発明者】
【氏名】エルサガー, ヘシャム
(72)【発明者】
【氏名】パスカル, レナード
(72)【発明者】
【氏名】ウィーレス, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】リスク, ポール
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-065965(JP,A)
【文献】特開2015-195786(JP,A)
【文献】特開2017-085989(JP,A)
【文献】特表2005-516868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間における植物を監視するためのシステムであって、
撮影手段と、
前記植物を取り囲む第1の光の照明状態を検出する検出手段と、
を有し、
前記
第1の光の照明状態が
所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを前記検出手段が検出した場合に、前記撮影手段が
移動を開始し、
前記撮影手段が所定の位置に到達した場合に、前記撮影手段が前記第1の光と異なる第2の光で照明された前記植物の撮影を行い、
前
記照明状態が
前記所定の明るさよりも明るい場合に、前記撮影手段が
前記第2の光で照明された前記植物の撮影を行わないことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記撮影手段が移動するレールユニットをさらに有し、
前記撮影
手段は、前記レールユニットに沿った複数の場所において、
前記第2の光で照明された前記植物を撮影することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記
第2の光は、前記
第1の光とは
スペクトルが異なる光であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記
第2の光は、白色光またはUV光を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記白色光または前記UV光のいずれかが、前記撮影中に点灯される
ことを特徴とする請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
タグを読み取る読取手段
をさらに有し、
前記撮影手段は、前記読取手段がタグを読み取った場合に、当該読み取られたタグの位置と対応する位置で画像を撮影することを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮影された画像は、前記読み取られたタグの情報と関連付けて格納されることを特徴とする請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の光を照射する少なくとも1つの照明手段が、前記撮影手段とともにレールユニットに沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記レールユニットに配置された少なくとも1つのRFチップと、
前記撮影手段、前記照明手段、及び、前記RFチップからの信号を読み取るRFリーダを含むキャリッジユニットと、
をさらに有し、
前記キャリッジユニットは、前記第1の光の前記照明状態が前記所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを前記検出手段が検出した場合に、前記レールユニットに沿って移動を開始し、
前記撮影手段は、前記キャリッジユニットの移動の開始後に前記RFリーダが前記少なくとも1つのRFチップからの信号を読み取った場合に、前記第2の光で照明された前記植物の撮影を行うことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記レールユニットに配置された少なくとも1つの磁石と、
前記撮影手段、前記照明手段、及び、前記少なくとも1つの磁石を検出する磁気センサを含むキャリッジユニットと、
をさらに有し、
前記キャリッジユニットは、前記第1の光の前記照明状態が前記所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを前記検出手段が検出した場合に、前記レールユニットに沿って移動を開始し、
前記キャリッジユニットは、前記磁気センサが前記少なくとも1つの磁石を検出すると、停止して前記キャリッジユニットのバッテリの充電を行うことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
所定の空間における植物を監視するための
システムの制御方法であって、
前記植物を取り囲む第1の光が所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを検出した場合に、撮影手
段を移動し、
所定の位置に前記撮影手段が到達した場合に、前記第1の光と異なる第2の光で照明された前記植物の画像を撮影するよう前記撮影手段を制御し、
前記第1の光が前記所定の明るさである、または、前記所定の明るさよりも明るい場合に、
前記第2の光で照明された前記植物の撮影を行わないよう制御することを特徴とする
制御方法。
【請求項12】
前記撮影は
、レールユニットに沿った複数の場所において、前記
第2の光を用いて実行されることを特徴とする請求項11に記載の
制御方法。
【請求項13】
前記第2の光は、前記第1の光とはスペクトルが異なる光であることを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項14】
前記第2の光は、白色光またはUV光であることを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項15】
前記白色光または前記UV光のいずれかが、前記撮影中に点灯されることを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
農場の内容を監視するための方法であって、
前
記農場の内容を照明する環境照明を検出し、
前記環境照明がオフであることが検出されたことに応じて、前
記農場の内容の画像を撮影する撮影処理を開始し、
前記処理は、
第1の光で前
記農場の内容を照明し、
前記第1の光で照明された前記内容の画像を撮影し、
第2の光で前
記農場の内容を照明し、
前記第2の光で照明された前記内容の画像を撮影し、
前記撮影された前記第1の光
で照明された前記内容の画像と、前記撮影された前記第2の光
で照明された前記内容の画像とを送信し、
前記撮影された前記第1の光
で照明された前記内容の画像と、前記撮影された前記第2の光
で照明された前記内容の画像とを解析し、
前記撮影された前記第1の光
で照明された前記内容の画像と、前記撮影された前記第2の光
で照明された前記内容の画像の解析に基づいて、前
記農場の内容の状態を判断すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
植物を監視するためのシステムの制御方法であって、
第1の種類の光で前記植物を照明し、
前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像を撮影手段に撮影させ、
前記第1の種類と種類が異なる第2の種類の光で前記植物を照明し、
前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像を前記撮影手段に撮影させ、
前記撮影された前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像と、前記撮影された前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像との解析に基づいて、前記植物の状態を判断すること
を含み、
前記第1の種類の光、及び、前記第2の種類の光は、それぞれ環境光と異なる光であることを特徴とする制御方法。
【請求項18】
前記第2の種類の光は、前記第1の種類の光とスペクトルが異なる光であることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項19】
前記第1の種類の光は白色光であり、前記第2の種類の光はUV光であることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項20】
前記環境光の照明状態をさらに検出し、
前記環境光が所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを検出した場合に、前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像の撮影及び前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像の撮影を行うことを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項21】
前記環境光の照明状態をさらに検出し、
前記環境光が所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを検出した場合に、レールユニットに沿って前記撮影手段の移動を開始させ、
前記撮影手段が前記レールユニットに沿った所定の位置に到達した場合に、前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像及び前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像の撮影を行うことを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項22】
植物を監視するためのシステムであって、
第1の種類の光で前記植物を照明する第1の照明手段と、
前記第1の種類の光と種類が異なる第2の種類の光で前記植物を照明する第2の照明手段と、
前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像、及び、前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影された前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像と、前記撮影された前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像との解析に基づいて、前記植物の状態を判断する判断手段と
を有し、
前記第1の種類の光、及び、前記第2の種類の光は、それぞれ環境光と種類が異なる光であることを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記第2の種類の光は、前記第1の種類の光とスペクトルが異なる光であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の種類の光は白色光であり、前記第2の種類の光はUV光であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記環境光の照明状態を検出する検出手段をさらに有し、
前記環境光が所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを前記検出手段が検出した場合に、前記撮影手段は、前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像及び前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像の撮影を行うことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記環境光の照明状態を検出する検出手段をさらに有し、
前記環境光が所定の明るさよりも暗い、またはオフであることを前記検出手段が検出した場合に、前記撮影手段はレールユニットに沿って移動を開始し、
前記撮影手段が前記レールユニットに沿った所定の位置に到達した場合に、前記撮影手段は、前記第1の種類の光で照明された前記植物の画像及び前記第2の種類の光で照明された前記植物の画像の撮影を行うことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食物/作物の自律型監視に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願へのクロスリファレンス)
本出願は、2018年8月30日に出願された米国仮特許出願62/7251377及び2019年3月14日に出願された米国仮特許出願62/818432の利益を主張するものであり、これらはいずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
世界の人口が増加し、耕作可能地が減少するにつれ、増え続ける食料需要を満たすことが難しくなっている。近年、耕作可能地が減少する中で十分な量の食料を生産するための解決策として提案されているのが「垂直農法」である。垂直農法とは、垂直方向に傾斜した面で食物を栽培/生産することである。つまり、畑や温室のような一面に野菜等を栽培/生産するのではなく、通常、輸送コンテナや倉庫等の収容エリア内に配置される、垂直方向に積み重ねられたレイヤ/ラックで野菜等を栽培/生産する(
図1参照)。
【0004】
他の農家と同様に、垂直農家も、害虫や病気、作物へのその他の環境上の脅威といった問題に対処しなければならない。植物/作物が病気や細菌、カビ、菌等に感染すると、これらの脅威はすぐに広がり得る。特に垂直農場のような密閉された環境では、拡散の速度は速くなる。高品質な作物を安定して大量に供給するためには、垂直農家は、植物/作物の健康状態を監視システムし、不要な廃棄を避ける必要がある。他の農家と同じように、垂直農家も作物の問題を早めに認識する必要がある。
【0005】
垂直農家は、他の農家と同様に、作物の健康状態を監視するだけでなく、作物の最適な収穫時期を見極める必要がある。これは、一般的に、作物の成長(サイズ)を測定することで行われる。屋外の環境では、この大部分は容易にできるが、垂直農法の環境では、垂直農場の物理的な構造のために、植物/作物の成長を観察することは困難である。例えば、垂直農場の高さ、レベル間の距離等による。
【0006】
垂直農場の照明は、白色光、青色光、赤色光等によって異なり得る。青色光や赤色光のような特定の照明状態下では、作物の病気や損傷の検査や判断が困難になることがある。
【0007】
監視システムに求められることは、垂直農場のような限られた場所でも、植物/作物の健康状態や成長を容易に監視できることである。
【発明の概要】
【0008】
所定の空間における植物を監視するためのシステムであって、撮影手段と、照明手段と、前記撮影手段及び前記照明手段が移動するレールユニットと、を含み、前記所定の空間の照明状態が第1の照明状態である場合に、前記撮影手段が前記植物の撮影を行い、前記所定の空間の照明状態が、前記第1の照明状態とは異なる第2の照明状態である場合に、前記撮影手段が撮影を行わない。
【0009】
本開示の、この態様及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面及び提供された特許請求の範囲と共に、以下の本開示の例示的な実施形態の詳細な説明を読むと明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、従来の垂直農場のレイヤ/ラックの例示的な構造である。
【
図2】
図2は、キャリッジユニットを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、ホーム充電ステーションを探索するプロセスを示している。
【
図5】
図5は、監視システムの処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、植物/作物の画像を確認するためのコンピュータの構成を示している。
【
図7B】
図7A及び7Bは、植物/作物の画像の表示例を示している。
【
図8】
図8は、植物/作物を検査するための植物/作物の画像の表例を示している。
【
図9B】
図9Bは、バッテリ移動期間及び充電期間を示す線グラフの一例である。
【
図10】
図10は、監視システムの処理の一般的な高レベルの例示的な描写である。
【
図13】
図11、12及び13は、監視システムの処理のより詳細な例示的な描写である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1つの態様は、垂直農業環境における植物/作物の状態を監視する監視システムを提供する。
【0012】
以下、添付の図面を参照しながら、例示的な実施形態について詳細に説明する。以下の例示的な実施形態は例示にすぎず、個々の構造や適用可能な装置の諸条件に応じて適宜修正または変更することが可能である。故に、本開示は限定的なものとはみなされない。
【0013】
図2は、例示的な実施形態に係る電子装置の一例である、キャリッジユニット100の構成の一例を示すブロック図である。内部バス150には、中央演算処理装置(CPU)101、メモリ102、不揮発性メモリ103、画像処理部104、モータ105、NFCリーダ107、操作部材108、記録媒体インタフェース(I/F)109、通信I/F111、カメラユニット113、ワイヤレス充電器114、白色LEDユニット116、及びUV LEDユニット117が接続されている。これらの構成要素のそれぞれは、内部バス150を介して互いにデータ交換及び/または通信可能である。
【0014】
CPU101は、例えば、不揮発性メモリ103に格納されたプログラムまたは命令に基づき、メモリ102をワーキングメモリとして用いてキャリッジユニット100を制御するプロセッサである。メモリ102は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってよいが、RAMに限られるものではなく、本例示的な実施形態の実施を可能ならしめ得る任意のメモリが適用可能である。不揮発性メモリ103は、画像データ、音声データ、その他のデータ、及び、CPU101が後述の種々の動作を行うまたは実行するために用いられるプログラムまたは命令を記憶する。不揮発性メモリ103は、例えば、ハードディスク(HD)、読み取り専用メモリ(ROM)、またはフラッシュメモリを含む。
【0015】
画像処理部104は、CPU101による制御に基づいて、不揮発性メモリ103及び記録媒体110に格納された画像データ、通信I/F111を介して取得された画像データに対して、各種の画像処理を行う。当該画像処理は、アナログ・デジタル(A/D)変換処理、デジタル・アナログ(D/A)変換処理、画像データの符号化処理、圧縮処理、復号処理、拡大/縮小処理(リサイズ)、ノイズ除去処理、色変換処理を含む。画像処理部104は、特定の画像処理を行うための専用の回路ブロックであってもよい。別の実施形態では、画像処理の種類によっては、画像処理部104を用いずに、CPU101がプログラムに基づいて当該画像処理を行うこともできる。
【0016】
モータ105は、CPU101により生成されたモータ制御信号に基づいて、タイヤ、ギア、ドライブシャフトを含むがこれに限定されるものではない駆動系106を駆動する。
【0017】
近距離無線通信(NFC)リーダ107は、NFCチップ206からの信号を読み取る。別の例示的な実施形態では、NFCリーダ/チップの代わりに、無線周波数ID(RFID)リーダ/マーカを使用できる。別の例示的な実施形態では、NFCの使用した場合と同一の結果を得るために、メカニカルスイッチ、光学センシング、オーディオセンシング等を採用できる。
【0018】
ホール効果磁気センサ(以下、「マグセンサ」として言及)118は、キャリッジユニット100のホームステーションに配置された磁石120を検出する。マグセンサ118は、キャリッジユニット100の停止及び充電を可能にする。磁気センサ118は、メカニカルスイッチ、光学センサ、またはその他のタイプの位置センサであってよい。
【0019】
操作部材108は、ユーザ操作を受け付ける入力装置を含み得る。操作部材108は、ボタン、ダイアル、ジョイスティック等を含み得る。
【0020】
記録媒体I/F109は、メモリカード、コンパクトディスク(CD)、及びデジタル多用途ディスク(DVD)等の記録媒体110を装着できるように構成される。CPU101は、記録媒体I/F109を制御して、装着された記録媒体110からのデータの読み出しと、記録媒体110へのデータの書き込みを行う。通信I/F111は、外部装置やインターネットやイントラネット112と通信して、ファイルやコマンドのような各種データを送受信するためのインタフェースである。
【0021】
カメラユニット113は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含むレンズ群と、光学像を電気信号に変換するイメージセンサとを含む。イメージセンサは、電荷結合素子(CCD)センサや相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを含む。カメラユニット113は、オブジェクト画像データを生成できる。
【0022】
ワイヤレス充電器114は、バッテリ15に電力を供給する。バッテリ115は、内部バス150を介して、上述の各構成要素に駆動電力を供給する。バッテリ電流モニタ119は、バッテリ115の状態を監視する。
【0023】
白色発光ダイオード(LED)ユニット116は、例えば、植物/作物等のオブジェクトを照明するものであり、照明される領域はカメラユニット113によって撮影される領域よりも大きい。
【0024】
紫外線(UV)LEDユニット117は、例えば、植物/作物等のオブジェクトを照明するものであり、照明される領域はカメラユニット113によって撮影される領域よりも大きい。
【0025】
図3は、本例示的な実施形態の監視システムの説明図である。キャリッジユニット100は、例えば、高さ3cmの薄いボディを含む。この高さは一例に過ぎず、限定的なものとはみなされない。レール201は、ラック203の上面とLED202との間に設置され、キャリッジユニット100は当該レールに接続される。別の例示的な実施形態では、レールはLED202の下に設置されてもよい。
【0026】
ラック203は、多層構造でも単層構造でもよい。多層構造では、各層にキャリッジユニット100を設置したり、単一のキャリッジユニット100が層間から移動したりできる。
【0027】
LED202によって提供される垂直農業エリアの照明は、例えば、昼間のパターンを模倣するために、予め定められた間隔でオンとオフを繰り返すようにプログラムされるか、またはその他の方法で循環させることができる。また、植物/作物の成長やその他の望ましい結果を促進するために、照明を最適な間隔で制御することもできる。本例示的な実施形態では、垂直農法エリアの照明がオフの間、監視システムはアクティブである。
【0028】
キャリッジユニット100は、駆動システム106を介してレール201上を移動する。レール201の隣には、充電ステーション205が設置される。本例示的な実施形態では、充電ステーション205は、ワイヤレス充電システムである。ワイヤレス充電システムは、例えば、植栽床からの水の飛散により発生し得る、スパークや短絡の可能性から保護される。
【0029】
レール201の横には、近距離無線通信(NFC)チップ206が設置される。NFCチップ206は、NFCリーダ107と通信する。NFCチップ206は、レール201に沿った複数の場所に設置される。当該場所は、ラック203上のすべての植物/作物を撮影可能に選択される。
【0030】
図4は、充電場所を見つけるプロセスを示す。マグセンサ118は、ワイヤレス充電器114が、ワイヤレス送信機121と整列することを可能にする位置で、レール201上の磁石120の存在を感知するために用いられる。換言すれば、磁石120とワイヤレス送信機121は、充電ステーション205に配置される。
【0031】
キャリッジユニット100がレール201上を移動する際、CPU101は、マグセンサ118を継続的に監視する。マグセンサ118は、磁石120の磁界に近づくとCPU101に割り込みを送信し、その結果、CPU101はモータ105に駆動系106を停止させるコマンドを発行する。これにより、キャリッジユニット100は充電ステーション105で正確に停止することができ、ワイヤレス送信機121とワイヤレス受信機114との間で最大電流の授受が可能となる。
【0032】
磁石120、マグセンサ118、ワイヤレス充電、及びNFCロケータを使用することで、キャリッジユニット100は、密閉され、露出された接点や機械的な接点を要しないため、垂直農業環境によく見られる湿気や飛沫に対する保護を提供する。
【0033】
バッテリ電流モニタ119は、バッテリ115の継続的な状態読み取りをCPU101に提供する。バッテリ電流モニタ119は、バッテリ115の充電時に正の読み取り値を提供する。これにより、ワイヤレス充電器114が正常に機能していることが確認できる。キャリッジユニット100が動いている場合、バッテリ電流モニタ119は負の読み取り値を示し、これはバッテリ115が放電していることを示す。キャリッジユニット100がスタックする等の機械的な障害が発生した場合には、バッテリ電流モニタ119は高い負の読み取り値を示し、CPU101はユーザにエラー状態を通知することができる。
【0034】
図5は、本例示的な実施形態に係る監視システムの処理のフローチャートである。当該処理は、CPU101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムを抽出し、メモリ102に格納し、実行することで実現される。
図10は、
図5に示された処理の一般的な高レベルの例示的な描写である。
図11、12及び13は、
図5に示された処理のより詳細な例示的な描写である。
【0035】
図5に注目すると、S1で、CPU101は、予め定められた時刻、例えば午前12時に、レール201上を走行開始するようにキャリッジユニット100を制御する。このとき、LED202による照明は消灯される。1つの例示的な実施形態では、CPU101は、LED202だけでなく、白色LEDライトユニット116とUV LEDライトユニット117の両方を制御できる。別の例示的な実施形態では、LED202によって提供される照明が消灯されると、光センサ(不図示)は照明が消灯されたことを検出し、その後、CPU101は、走行を開始するようキャリッジユニット100を制御する。
【0036】
S2で、NFCリーダ107がNFCチップ206を検出したか否かが判断される。NFCリーダ107がNFCチップ206の信号を検出した場合、処理はS3に進む。NFCチップ206が検出されていない場合、S2の判定処理は繰り返す。
【0037】
S3で、キャリッジユニット100は走行を停止する。そしてS4で、白色LEDユニット116が点灯される。次に、S5で、カメラユニット113は、植物/作物の画像を撮影する。当該画像は、植物/作物の色がはっきりと見えるように、白色LEDを用いて撮影される。撮影された画像が解析される、または植物/作物の状態を確認するために表示される場合、同様の照明色条件で解析を行うため、光の影響が低減される。撮影された画像は、植物/作物の状態を判断するための既知の方法で分析される。
【0038】
垂直農場の照明は、白色光、または青色及び赤色光の混合等の他の色の間で変更可能であり、照明の種類は、植物/作物の種類または使用される技術の種類に依存する。白色光を除いた照明の下で、植物/作物の色の変化である病気や損傷を判断することは非常に困難であり得る。植物/作物の病気や、植物/作物に付着した菌は、植物/作物の白い斑点や黒い斑点等で認識できる。従って、本来の色を有する画像は、病気等の正しい診断を実現するために有用である。キャリッジユニット100によって撮影されたすべての画像は、毎回同一の照明状態下で、すべての垂直農場環境で取得される。このように、環境によって異なるスペクトルの光が使用されるため、白色光でさえも色は関係ない。
【0039】
S6で、白色LEDユニット116がOFFにされる。S7で、撮影された画像は、NFC IDとともにリモートサーバ(不図示)に送信される。NFC IDは、場所を特定するために使用される固有のNFCシリアル番号、及び該画像が取得された際のタイムスタンプである。S8で、UV LED117ユニットがONにされる。
【0040】
S9で、カメラユニット113は、UV LEDユニット117によって照明された植物/作物の画像を撮影する。暗闇において植物/作物にUV光を照射することで、UV光に対する自家蛍光反応により、植物/作物に存在する菌及び/またはカビの、より簡単な認識が可能になる。また、UV光を照射したことにより生じる散乱光によって、菌及び/またはカビを認識することもできる。カメラユニット113は、蛍光及び/または散乱光を検出することができる。
【0041】
S10で、UV LEDユニット116がOFFにされる。S11で、撮影された画像は、NFC ID及びタイムスタンプとともにリモートサーバ(不図示)に送信される。
【0042】
S12で、NFCリーダ107がNFCチップ206からの「END」信号を検出したか否かの判断がなされる。当該信号が検出された場合、処理は終了する。当該信号が検出されていない場合、処理はS2に戻る。
【0043】
S13で、磁気センサ118が磁石120を検出しているか否かの判定がなされる。磁石102が検出された場合、処理はS14に進む。磁石102が検出されていない場合、処理はS15に進む。
【0044】
S14で、キャリッジユニット100は、充電ステーション205に移動するか、充電ステーション205で走行を停止する。そして、ワイヤレス充電器114により、バッテリ115は充電される。バッテリ115の充電が完了すると、処理はS1に戻る。
【0045】
S14の処理と並行して、S16で、CPU101は、バッテリ電流モニタ119からの出力値を確認する。正常な状態では、バッテリ115が充電されると、バッテリ電流モニタ119は正の値を出力する。バッテリ115の充電時にバッテリ電流モニタ119が負の値を出力した場合、CPU101はエラーが発生したと判断する。CPU101は、現在の動作を停止し、エラーの通知をユーザに提供する。換言すれば、マグセンサ118が磁石120を検出すること、及びバッテリ115が充電された場合にバッテリ電流モニタ119が正の値を出力すること、の2つの条件が満たされたときに、バッテリ115は充電され続けることができる。
【0046】
S15で、キャリッジユニット100は、次のNFC206の位置に移動される。その後、処理はS2に戻る。
【0047】
1つの例示的な実施形態では、S7及びS11で送信される画像、NFC ID及びタイムスタンプは、キャリッジユニット100がレール201に沿って走行している間に送信されるものであってよい。別の例示的な実施形態では、キャリッジユニット100が充電ステーション205にいる間に、画像、NFC ID及びタイムスタンプが送信されるものであってよい。さらに別の例示的な実施形態では、撮影された画像、NFC ID及びタイムスタンプが不揮発性メモリ103に格納され、キャリッジユニット100が充電ステーション205に到達したときに、当該格納された画像、NFC ID及びタイムスタンプをリモートサーバが送信され、不揮発性メモリ103から削除されるものであってよい。
【0048】
植物/作物を監視するために、カメラはおそらく最良の解決策を提供するが、垂直農場環境における各棚の一般的な高さ(例えば60cm)に起因して、鮮明な画像を撮影するにはカメラのレンズと植物/作物との距離が近すぎる可能性がある。そのため、植物/作物の「上面」画像を取得するために、広角レンズカメラを使用することで、より使いやすい画像を得ることができます。
【0049】
1つの例示的な実施形態では、LED202が再度ONにされる前に、各NFCチップ206の位置で2つの画像が撮影される。LED202は午前12時にOFFにされるものとして上述しているが、この時間は限定的なものとみなされず、LED202はいつでも消灯されるものであってよい。LED202がOFFの時間の長さは、自動的に制御されるものであってもよいし、ユーザにより制御されるものであってもよい。
【0050】
上記のS1の説明では、キャリッジユニット100は、LED202がOFFのときに移動を開始した。別の例示的な実施形態では、キャリッジユニット100の移動を開始するために、LED202を完全にOFFにする必要はない。また、照明状態が通常よりも暗かったり、低かったりする場合には、撮影された画像に含まれる赤色光、青色光、白色蛍光灯が少なくなるため、効果を得ることができる。
【0051】
上記のS3及びS13の説明では、キャリッジユニット100は走行を停止した。別の例示的な実施形態では、CPU101は、モータ105を停止する代わりに、モータ105の速度を減速させることができ、キャリッジユニット100は、停止することなく、減速して移動を続けることができる。カメラユニット113は、キャリッジユニット100が非常に遅い速度で移動する際に、植物/作物の画像を撮影できる。
【0052】
上記のS16の説明では、CPU101は、バッテリ115が充電されている場合に、バッテリ電流モニタ119からの出力値を確認する。別の例示的な実施形態では、CPU101は、バッテリ115が放電されている場合に、出力値を確認できる。通常の状態では、バッテリ115が放電されると、電池電流モニタ119は負の値を出力する。バッテリ115が放電しているときに、バッテリ電流モニタ119が正の値を出力する場合、CPU101はエラーが発生したと判断する。CPU101は、動作を停止し、ユーザにエラーの通知を行う。なお、CPU101は、モータ105の回転状態を検出するためのセンサ(不図示)を用いて、バッテリ115が放電されている期間を判定できる。
【0053】
上述の例示的な実施形態における処理は、CPU101により行われるものとして説明したが、別の例示的な実施形態では、処理は、複数の処理ユニットによって分担して行われるものであってもよい。
【0054】
上述の例示的な実施形態では、カメラを使用する場合について説明したが、本開示はこの例に限定されない。本開示の実施を可能にせしめる任意の撮像装置が適用可能である。
【0055】
図6は、キャリッジユニット100により撮影された植物/作物の画像の確認をユーザに可能ならしめる、コンピュータ300の構成を示している。コンピュータ300は、CPU101、RAM302、ROM303、入力部304、外部インタフェース305、及び出力部306を含む。
【0056】
CPU301は、RAM302またはROM303に格納されたコンピュータプログラム及びデータを介して、コンピュータ300を制御する。コンピュータ300は、1以上の専用ハードウェア部品や、CPU101とは異なるグラフィックスプロセシングユニット(GPU)を含むことができ、GPUや専用ハードウェア部品は、CPU301により実行される処理の一部または全部を実行することができる。専用ハードウェアの例には、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等が含まれる。RAM302は、ROM303から読み出されたコンピュータプログラムやデータ、外部インタフェース305を介してコンピュータ300から外部に供給されたデータを一時的に格納する。ROM303は、変更を必要としないコンピュータプログラムやデータを格納する。
【0057】
入力部304は、例えば、ジョイスティック、ジョグダイヤル、タッチパネル、キーボード、マウス等であってよく、ユーザ操作を受け付け、CPU301に各種の指示を提供する。外部インタフェース305は、サーバ等の外部機器と通信する。外部インタフェース305は、キャリッジユニット100と直接通信可能である。外部機器との通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)ケーブル、シグナルデジタルインタフェース(SDI)ケーブル等を用いた有線インタフェースを介して行われるものであってもよいし、Wi-Fi(登録商標)接続のような無線インタフェースであってもよい。出力部306は、例えば、ディスプレイ等の表示部306a、及びスピーカ等の音声出力部306bであってよく、ユーザがコンピュータ300を操作可能なようにグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の表示、及びガイド音の出力を行う。
【0058】
図7A及び7Bは、表示部306aに表示される画像の例を示している。
図7A及び7Bは、表示部306aに表示された植物の画像をユーザが選択可能な選択画面400を示している。
図7Aでは、選択画面400は、レール画像401、「レールを選択」ドロップダウンリスト402、及び「画像を選択」ドロップダウンリスト403を含む。説明のために、本例では、1本のレール201に対して1つのキャリッジユニット100のみが存在する。ユーザは、ドロップダウンリスト402から1本のレール201を選択できる。
【0059】
図7Bでは、ユーザがドロップダウンリスト402から「第1レール」を選択した場合、レール画像401上に矩形404が表示される。レール画像401上には、5つの矩形404が表示されている。矩形404の位置は、各レール201に異なっていてもよい。矩形404はNFCチップ206に対応しているため、「第1レール」には、キャリッジユニット100が植物/作物の画像を撮影する場所が5か所存在している。ユーザは、5つの矩形404のうちから1つの矩形404を選択できる。換言すれば、ユーザは、5か所の撮影場所のうちから1つの撮影場所を選択できる。ユーザは、ドロップダウンリスト403から植物/作物の画像を1枚選択できる。ドロップダウンリスト403は、選択された撮影場所でキャリッジユニット100が撮影した複数の植物/作物の画像を含んでいる。複数の植物/作物の画像は、撮影のタイミングで異なっている。
【0060】
1つの例示的な実施形態によれば、植物/作物の画像は、以下の手順で表示される:
(a)ユーザがドロップダウンリスト402から1つのレール201を選択すると、レール画像401に矩形404が表示される。
【0061】
(b)ユーザが、2以上の矩形404の中から1つの矩形404を選択する。
【0062】
(c)ユーザがドロップダウンリスト403から1つの植物/作物の画像を選択すると、選択された植物/作物の画像が表示される。
【0063】
上述の手順は、1つの例示的な実施形態に係る植物/作物の画像の表示方法を提供するものである。なお、この手順は限定的なものとはみなされるものでなく、植物/作物の画像の表示を可能ならしめる手順のバリエーションが適用可能である。
【0064】
図8は、表示部306aへの植物/作物の画像の表示例である。より詳しくは、
図8は、植物/作物の画像の検査をユーザに可能ならしめるチェック画面500を示している。チェック画面500は、ユーザが選択画面400において植物/作物の画像を選択した際に表示される。チェック画面500は、メイン部501、棒グラフ部502、線グラフ部503、環境情報部504、ID情報部505、周期情報部506、及びログ情報部507を含む。
【0065】
メイン部501は、キャリッジユニット100により撮影された植物/作物の画像を表示する。棒グラフ部502は7つの棒グラフを含み、線グラフ部503は7つの線グラフを含む。棒グラフと線グラフの1つのセットは、1つのキャリッジユニット100のバッテリ115に対応する。棒グラフは、対応するバッテリ115の残率(残量)及び状態を示す。線グラフは、対応するバッテリ115の残率履歴を示す。棒グラフ部502及び線グラフ部503については後述する。
【0066】
環境情報部504は、温度、湿度及びチップ温度を示す。温度及び湿度は、植物/作物の周辺環境をユーザに把握可能ならしめるための情報である。温度及び湿度は、例えば、垂直農場やレール201に設置されたセンサにより検出される。チップ温度は、チップの過熱を防ぐための情報である。チップはキャリッジユニット100に搭載される。ID情報部505は、各キャリッジユニット100のIDの一覧を示すものである。選択されたキャリッジユニット100のIDはハイライト表示される。周期情報部506は、キャリッジユニット100からの情報が更新される周期を示す。ログ情報部507は、コンピュータ300がキャリッジユニット100から受信した過去の情報を示す。
【0067】
次に、棒グラフ部502について説明する。棒グラフの各々は、左部502aと右部502bの2つの棒パーツからなる。左部502aの長さは、現在のバッテリパーセンテージを示す。左部502aの長さは、バッテリ115の電圧値または電流値を示すことができる。右部502bの色やパターンは、バッテリ115の現在の状態を示す。本例では、右部502bの色は、緑色、赤色、または黄色になり得る。色が緑色の場合、キャリッジユニット100が充電ステーション205に停止し、バッテリ115が充電され、バッテリパーセンテージが上昇中である状態を示している。色が赤色の場合、キャリッジユニット100が移動し、バッテリパーセンテージが減少中の状態を示している。色が黄色の場合、バッテリ115が以前に充電された、またはキャリッジユニット100と充電ステーション205との接触不良が発生している状態であり、バッテリパーセンテージが変化していない状態を示している。
【0068】
次に、線グラフ部503について説明する。各線グラフの横軸は時間軸であり、該時間軸は左から右に時間が経過することを示している。各線グラフの縦軸は、バッテリパーセンテージである。当該線グラフにより、ユーザは、充電ステーション205においてバッテリ115が適切に充電されているか否かを確認することができる。当該線グラフにより、ユーザは、バッテリ115の状態を確認することができる。これらの確認により、ユーザは、バッテリ115が劣化しているか否かを判断することができる。
【0069】
図8の線グラフは1つの波形を示しているが、線グラフは2つ以上の波形を示すものであってもよい。
図9Aは、線グラフが2つの波形を示している例である。実際の波形600と理想波形601がある。実際の波形600は、バッテリ115の実際のパーセンテージ履歴を示している。理想波形601は、比較用の理想(仮想)のパーセンテージ履歴を示している。「理想」とは、バッテリ115が適切に充電され、バッテリ115が劣化していないことを意味する。ユーザは、実際の波形600と理想波形601とを比較することで、バッテリ115に関するエラーを容易に確認することができる。換言すれば、理想波形601は基準として機能する。
【0070】
一般に、バッテリ115が充電される充電期間は、バッテリ115が動作する動作期間よりも短いことが多い。故に、線グラフは、充電期間が省略された波形を示すものであってもよい。
図9Bは、動作期間部602と充電期間部603を含む線グラフの一例である。このような表示を用いることで、必要な情報を強調表示することができる。
【0071】
上述したチェック画面500は、ユーザが選択画面400において植物/作物の画像を選択したときに表示される。しかしながら、このような構成は限定的なものとはみなされない。別の例示的な実施形態では、チェック画面500は、ユーザがすべての画像を見ることが可能なよう、すべての場所からの特定の日のスライドショーのような画像のセットを、自動的に表示できる。選択画面400がツール画面であるのに対し、チェック画面500はメイン画面である。チェック画面500は、ユーザが植物/作物及びバッテリ状態を確認できるように、常に表示されるものであってもよい。選択画面400は、ユーザがツールバーを用いて特定のエリアにある植物/作物を確認する場合にのみ表示される。
【0072】
次に、警告システムについて説明する。警告システムは、表示部306aへの画像やメッセージの表示、音声出力部306bからの音声出力、または画像/メッセージの表示及び音声出力により、ユーザにバッテリ115のエラーを通知する。本例示的な実施形態では、以下の条件に基づいて警告を出力する:
【0073】
本例示的な実施形態では、4つの警告レベルが存在している。レベル1の場合、対応する棒グラフと線グラフのセットの背景色がオレンジ色になる。背景の色やパターンは変更可能である。レベル2の場合、表示部306aがエラー画像やエラーメッセージを表示する、または音声出力部306bがアラーム音を発する。レベル3の場合、表示部306aがエラー画像やエラーメッセージを表示し、音声出力部306bがアラーム音を発する。レベル4の場合、ユーザが許可しない限り、キャリッジユニット100は充電ステーション205から移動しない。しかしながら、キャリッジユニット100は、バッテリパーセンテージが20%以下になった際でも、次の移動タイミングまでの時間が長い場合には、警告を出力せずに移動を続けることができる。
【0074】
上述した例示的な実施形態に加えて、別の例示的な実施形態では、周期情報部506において定義されたタイミングでコンピュータ300がキャリッジユニット100から情報を受信しない場合、対応する棒グラフと線グラフのセットの背景色が黄色になる。キャリッジユニット100がネットワーク経由で応答していない場合、対応する棒グラフと線グラフのセットの背景色が赤色になる。警告は、温度や湿度等、バッテリパーセンテージ以外の情報に基づいて出力されるものであってもよい。
【0075】
以上説明した例示的な実施形態は、垂直農法環境が暗く、植物/作物が白色LEDライトで照明されている状態でも動作可能な垂直農法環境の監視システムを提供し、これにより同様の照明状態下での画像の撮影を可能にせしめる。また、UV光を用いて植物/作物が照明されることで、菌やカビ等の検出も可能である。
【0076】
以上説明した例示的な実施形態は、磁気センサを使用し、ワイヤレス受信機を備えたキャリッジがワイヤレス送信機と完全に整列しラインナップし、当該キャリッジのバッテリに最適な充電電流を供給可能にせしめるワイヤレス給電システムを提供する。また、電流モニタによりバッテリの監視が可能になり、キャリッジが充電場所を確認し、当該キャリッジが最大充電電流に最適な場所に在ることを確認できる。