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特許7235896加熱式コンポーネントを有するレクリエーション用車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】加熱式コンポーネントを有するレクリエーション用車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 33/00 20060101AFI20230301BHJP
   B62D 1/06 20060101ALI20230301BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230301BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B62J33/00 A
B62D1/06
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021562928
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 US2020012527
(87)【国際公開番号】W WO2020146342
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/789,269
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/734,846
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505125314
【氏名又は名称】インディアン・モーターサイクル・インターナショナル・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】フックス,ベンジャミン・エス
(72)【発明者】
【氏名】ホルト,オースティン
(72)【発明者】
【氏名】シモネッタ,コーリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ホウエイス,シンシア・エル
(72)【発明者】
【氏名】ノターロ,ジョエル・エム
(72)【発明者】
【氏名】ウェッタールンド,マーカス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ラファティ,マイケル・ダブリュー
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0327320(US,A1)
【文献】特開2010-58674(JP,A)
【文献】特開2007-76550(JP,A)
【文献】特開2006-282041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094727(US,A1)
【文献】米国特許第1011574(US,A)
【文献】特表2016-539839(JP,A)
【文献】特開2016-124397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 33/00
B62D 1/06
H02J 50/10
H02J 7/00
H02J 50/10- 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラにより、温度設定を示すユーザ入力を受け取るステップと、
気温センサ及び周囲湿度センサから、気温及び周囲湿度に対応するセンサ情報を受け取るステップと、
前記温度設定及び前記センサ情報に基づいて、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量を特定するステップであって、前記第一のエネルギ伝達装置は、レクリエーション用車両のフレームに連結される、ステップと、
前記電流量に基づいて且つ前記コントローラにより、前記第一のエネルギ伝達装置に電流を提供するステップであって、前記第一のエネルギ伝達装置は、第二のエネルギ伝達装置に電力を無線で提供するように構成され、前記第二のエネルギ伝達装置は、前記電力を負荷に提供するように構成される、ステップと
を含み、
前記第一のエネルギ伝達装置は、第一の誘導コイルであり、前記第二のエネルギ伝達装置は、第二の誘導コイルであり、前記第一の誘導コイルは、第二の電流を誘導することに基づいて、前記第二の誘導コイルに前記電力を無線で提供するように構成され、
前記レクリエーション用車両は、ハンドグリップ又はステアリングホイールを有するステアリングアセンブリを含み、前記第一の誘導コイル及び前記第二の誘導コイルは、前記ハンドグリップ又はステアリングホイールの内側部分に配置される、
方法。
【請求項2】
前記負荷は、ユーザによって装着される物品であり、前記負荷は、前記物品に対応する加熱、冷却又は換気素子を含み、前記第二の誘導コイルは、前記物品に連結され、且つ前記加熱、冷却又は換気素子に前記第二の電流を提供して、前記物品を加熱するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コントローラにより、温度設定を示すユーザ入力を受け取るステップと、
気温センサ及び周囲湿度センサから、気温及び周囲湿度に対応するセンサ情報を受け取るステップと、
前記温度設定及び前記センサ情報に基づいて、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量を特定するステップであって、前記第一のエネルギ伝達装置は、レクリエーション用車両のフレームに連結される、ステップと、
前記電流量に基づいて且つ前記コントローラにより、前記第一のエネルギ伝達装置に電流を提供するステップであって、前記第一のエネルギ伝達装置は、第二のエネルギ伝達装置に電力を提供するように構成され、前記第二のエネルギ伝達装置は、前記電力を負荷に提供するように構成される、ステップと
を含み、
前記第一のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料であり、前記第二のエネルギ伝達装置は、第二の導電材料であり、前記第一の導電材料は、前記第一の導電材料と前記第二の導電材料との間の物理的接触に基づいて、前記第二の導電材料に伝導電流を提供する、
方法。
【請求項4】
前記負荷は、ユーザによって装着される物品であり、前記負荷は、前記物品に対応する加熱、冷却又は換気素子を含み、前記第二の導電材料は、前記物品に連結され、且つ前記加熱、冷却又は換気素子に前記電流を提供して、前記物品を加熱するように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第二のエネルギ伝達装置は、前記レクリエーション用車両とユーザとの間の接触点に連結される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
乗員状況センサを含み、前記センサ情報は、乗員状況を示す情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
コントローラにより、温度設定を示すユーザ入力を受け取るステップと、
少なくとも1つのセンサからセンサ情報を受け取るステップと、
前記温度設定及び前記センサ情報に基づいて、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量を特定するステップであって、前記第一のエネルギ伝達装置は、レクリエーション用車両のフレームに連結される、ステップと、
前記電流量に基づいて且つ前記コントローラにより、前記第一のエネルギ伝達装置に電流を提供するステップであって、前記第一のエネルギ伝達装置は、第二のエネルギ伝達装置に電力を無線で提供するように構成され、前記第二のエネルギ伝達装置は、前記電力を、体温センサを含む負荷に提供するように構成され、前記少なくとも1つのセンサは、無線周波数レシーバを含み、前記センサ情報は、ユーザの体温を示す情報を含む、ステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記第一のエネルギ伝達装置に提供する前記電流量を特定するステップは、
前記ユーザの前記体温が、前記温度設定に対応する温度未満であることに応答して、前記第一のエネルギ伝達装置に提供する前記電流量を増加させるステップ
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第一のエネルギ伝達装置に提供する前記電流量を特定するステップは、
前記ユーザの前記体温が、前記温度設定に対応する温度を上回ることに応答して、前記第一のエネルギ伝達装置に提供する前記電流量を減少させるステップ
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
レクリエーション用車両であって、
フレームと、
前記フレームを支持する前方地面係合部材及び後方地面係合部材と、
前記前方地面係合部材及び前記後方地面係合部材の1つに駆動的に連結されたパワートレインと、
前記車両を操縦するための、前記前方地面係合部材に連結されたステアリングアセンブリであって、ユーザ用グリップ又はホイールを有するステアリング部分を含み、前記ステアリング部分は、第一の誘導コイルを含み、前記ユーザ用グリップは、第二の誘導コイルを含む加熱回路構成を含む、ステアリングアセンブリと、
前記フレームに連結され、且つ温度設定を示すユーザ入力を提供するように構成されたユーザ入力装置と、
気温及び周囲湿度若しくは体温又は両方に対応するセンサ情報を生成する少なくとも1つのセンサと、
前記第一の誘導コイル、前記ユーザ入力装置及び前記少なくとも1つのセンサに連結された少なくとも1つのプログラム可能コントローラであって、
前記ユーザ用グリップの温度を、前記第一の誘導コイルに電流を提供することによって制御することであって、前記第一の誘導コイルは、前記第二の誘導コイルに前記電流を無線で伝達し、前記第二の誘導コイルは、加熱、冷却又は換気回路構成に前記ユーザ用グリップの前記温度を変化させる、制御すること
を行うように構成された少なくとも1つのプログラム可能コントローラと
を含むレクリエーション用車両。
【請求項11】
前記フレームに連結され、且つ温度設定を示すユーザ入力を前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成されたユーザ入力装置をさらに含み、
前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、前記ユーザ用グリップ又はホイールの前記温度を、前記温度設定を示す前記ユーザ入力に基づいて制御するように構成される、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記ユーザ入力装置は、アナログ温度セレクタ、タッチスクリーン及びデジタル入力装置の少なくとも1つである、請求項11に記載の車両。
【請求項13】
前記フレームに連結され、且つセンサ情報を前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含み、
前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、前記センサ情報に基づいて前記ユーザ用グリップの前記温度を制御するように構成される、請求項10に記載の車両。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサは、乗員状況センサを含む、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセンサは、乗員状況センサを含む、請求項13に記載の車両。
【請求項16】
前記第一の誘導コイルは、誘導電力伝達を用いて、前記第二の誘導コイルに前記電流を無線で伝達する、請求項10に記載の車両。
【請求項17】
第一の軸の回りに、前記第一の誘導コイル及び前記第二の誘導コイルが位置し、前記第一の誘導コイル及び前記第二の誘導コイルは、前記第一の軸の延びる方向に分離している、請求項16に記載の車両。
【請求項18】
前記フレームに連結されたバッテリと、
前記バッテリに電気的に連結された高周波数インバータであって、前記バッテリからの直流電流(DC)を交流電流(AC)に変換するように構成され、前記第一の誘導コイルへの前記電流は、前記高周波数インバータからの前記交流電流である、高周波インバータと
をさらに含む、請求項10に記載の車両。
【請求項19】
車両制御システムであって、
車両であって、
フレームと、
前記フレームを支持する前方及び後方地面係合部材と、
前記前方及び後方地面係合部材の1つに駆動的に連結されたパワートレインと、
前記フレームに連結されたバッテリと、
前記フレームによって支持される第一のエネルギ伝達装置と、
前記バッテリ及び前記第一のエネルギ伝達装置に電気的に連結された少なくとも1つのプログラム可能コントローラであって、
前記第一のエネルギ伝達装置に電流を提供すること
を行うように構成される少なくとも1つのプログラム可能コントローラと
を含む車両と、
ユーザによって装着される物品であって、
温度回路構成であって、
前記第一のエネルギ伝達装置から前記電流を受け取るように構成された第二のエネルギ伝達装置と、
前記第二のエネルギ伝達装置に連結され、且つ前記第二のエネルギ伝達装置からの前記電流を使用して、前記ユーザによって装着される前記物品の温度を制御するように構成された加熱素子と
を含む温度回路構成
を含む物品と
を含み、
前記車両は、
前記車両を操縦するための、前記前方地面係合部材に連結されたステアリングアセンブリであって、ユーザ用グリップ又はホイールを有するステアリング部分を含み、前記ユーザ用グリップ又はホイールは、前記第一のエネルギ伝達装置を含み、前記ユーザによって装着される前記物品は、グローブである、ステアリングアセンブリ
をさらに含み、
前記第一のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料であり、前記第二のエネルギ伝達装置は、第二の導電材料である、
車両制御システム。
【請求項20】
前記車両は、
前記フレームに連結され、且つ温度設定を示すユーザ入力を前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成されたユーザ入力装置
をさらに含み、
前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、前記温度設定を示す前記ユーザ入力に基づいて、前記第一のエネルギ伝達装置に前記電流を提供するように構成される、請求項19に記載の車両制御システム。
【請求項21】
前記車両は、
前記フレームに連結され、且つセンサ情報を前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサ
をさらに含み、
前記少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、前記センサ情報に基づいて、前記第一のエネルギ伝達装置に前記電流を提供するように構成される、請求項19に記載の車両制御システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセンサは、周囲状況センサを含前記周囲状況センサは、温度センサ、湿度センサ、空気速度センサ及び日光センサから選択される1つ又は複数のセンサである、請求項21に記載の車両制御システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのセンサは、気温及び周囲湿度センサを含む、請求項21に記載の車両制御システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つのセンサは、乗員状況センサを含前記乗員状況センサは、温度センサ、湿度センサ、空気速度センサ及び心拍数センサから選択される1つ又は複数のセンサである、請求項21に記載の車両制御システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのセンサは、周囲状況センサ及び乗員状況センサを含前記周囲状況センサは、温度センサ、湿度センサ、空気速度センサ及び日光センサから選択される1つ又は複数のセンサであり、前記乗員状況センサは、温度センサ、湿度センサ、空気速度センサ及び心拍数センサから選択される1つ又は複数のセンサである、請求項21に記載の車両制御システム。
【請求項26】
前記車両は、前記フレームに連結された床板をさらに含み前記床板は、前記第一のエネルギ伝達装置に連結され、前記ユーザによって装着される前記物品は、ブーツである、請求項19に記載の車両制御システム。
【請求項27】
車両充電システムであって、
レクリエーション用車両であって、
フレームと、
前記フレームを支持する前方及び後方地面係合部材と、
前記前方及び後方地面係合部材の1つに駆動的に連結されたパワートレインと、
前記フレームに連結されたバッテリと、
前記フレームによって支持される第一のエネルギ伝達装置と
を含むレクリエーション用車両と、
充電装置であって、
電源コンセントに連結され、且つ電流を提供するように構成されたコンセントコンポーネントと、
前記コンセントコンポーネントに連結され、且つ前記コンセントコンポーネントから前記電流を受け取るように構成された第二のエネルギ伝達装置と
を含む充電装置と
を含み、
前記第二のエネルギ伝達装置は、前記第一のエネルギ伝達装置に前記電流を伝達し、前記第一のエネルギ伝達装置は、前記バッテリに前記電流を提供して、前記バッテリを充電するように構成される、車両充電システム。
【請求項28】
前記充電装置は、充電マット又はドッキングステーションの1つを含む、請求項27に記載の車両充電システム。
【請求項29】
前記第一のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料であり、及び前記第二のエネルギ伝達装置は、第二の導電材料である、請求項27に記載の車両充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年1月6日に出願された米国特許出願公開第16/734,846号明細書に対する優先権を主張し、また2019年1月7日に出願された米国仮特許出願第62/789,269号明細書の利益を主張するものである。本願は、2020年1月6日に出願された米国特許出願公開第16/735,077号明細書に関連する。上述の特許出願の開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、車両のためのシステム及び方法に関し、特に車載及び/又は車外コンポーネント(例えば、加熱式ハンドルグリップ、シート及び/又はユーザの衣服)に電力を無線で伝達するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両は、屋根及び/又は外部筐体を含まない開放型車両であり得る。車両周辺の気温が低下すると、その車両のユーザは、寒いと感じ得る。そのため、ユーザにさらに快適性を提供するために、加熱式機構が提供され得る。しかしながら、加熱式機構は、多くの配線及び/又は追加的な加熱コンポーネントを含み得る。例えば、加熱式衣服又は物品は、バッテリパック、コントローラ及び/又はその他など、ユーザに熱を提供するための配線されたコンポーネントを含み得る。これらのコンポーネントを加熱式衣服に加えると、ユーザにとって車両がより運転しづらくなり得る。
【0004】
さらに、幾つかの例において、オフロード及びオンロード車両は、ハンドルバー及び/又はハンドグリップ等、1つ又は複数のステアリング入力を有するステアリングシステムを含み得る。ハンドグリップは、コントローラ及び/又はバッテリに接続された配線及び/又は他の回路構成を用いて加熱され得る。しかしながら、配線は、ユーザが二輪車を操作するためにハンドグリップを連続的に回転させるにつれて摩損し得る。結局、ユーザは、配線及び/又はハンドグリップを交換して、ハンドグリップのための加熱式機構の故障を防止する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、車両のバッテリを充電するために、ユーザは、配線接続を介して車両を充電用電源に物理的につなぐ必要があり得る。これは、特に日常的に運転されていない車両の場合、ユーザにとってさらに面倒であり得る。加えて、配線接続を提供するには、車両を充電するために複数の異なる充電用コンポーネント及び/又はステップが必要となる。したがって、上述の欠点の1つ又は複数に対処するための1つ又は複数の改良された方法又はシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の代表例において、エネルギ伝達装置に電流を提供する方法が提供される。例えば、コントローラは、温度設定を示すユーザ入力を受け取り、その温度設定に基づいて、第一のエネルギ伝達装置であって、レクリエーション用車両のフレームに動作可能に連結される第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量を特定し、特定された電流量に基づいて且つコントローラにより、第一のエネルギ伝達装置に電流を提供する。第一のエネルギ伝達装置は、第二のエネルギ伝達装置に電力を無線で提供するように構成され、第二のエネルギ伝達装置は、電力を負荷に提供するように構成される。
【0007】
幾つかの場合、第一のエネルギ伝達装置は、第一の誘導コイルである。第二のエネルギ伝達装置は、第二の誘導コイルである。第一の誘導コイルは、第二の電流を誘導することに基づいて、第二の誘導コイルに電力を無線で提供するように構成される。幾つかの例において、レクリエーション用車両は、ハンドグリップを有するステアリングアセンブリを含む。第一の誘導コイル及び第二の誘導コイルは、ハンドグリップの内側部分に配置される。幾つかの変形形態において、負荷は、ユーザによって装着される物品である。負荷は、その物品に対応する気象制御要素を含む。第二の誘導コイルは、物品に動作可能に連結され、且つ加熱素子に第二の電流を提供して、物品の気象を制御するように構成される。
【0008】
幾つかの場合、第一のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料であり、第二のエネルギ伝達装置は、第二の導電材料である。第一の導電材料は、第一の導電材料と第二の導電材料との間の物理的接触に基づいて、第二の導電材料に伝導電流を提供する。幾つかの例において、負荷は、ユーザによって装着される物品であり、負荷は、物品に対応する加熱素子を含む。第二の導電材料は、物品に動作可能に連結され、且つ気象制御要素に電流を提供して、物品の気象を制御するように構成される。
【0009】
幾つかの変形形態において、第二のエネルギ伝達装置は、レクリエーション用車両とオペレータとの間の接触点に動作可能に連結される。幾つかの場合、コントローラは、少なくとも1つのセンサからセンサ情報を受け取る。コントローラは、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量がセンサ情報に基づくことを特定する。幾つかの例において、少なくとも1つのセンサは、車両速度センサを含み、センサ情報は、車両速度を示す情報を含む。幾つかの変形形態において、少なくとも1つのセンサは、バッテリ電圧センサを含み、センサ情報は、バッテリ電圧を示す情報を含む。幾つかの場合、少なくとも1つのセンサは、気温センサを含み、センサ情報は、気温を示す情報を含む。
【0010】
幾つかの例において、負荷は、体温センサを含み、少なくとも1つのセンサは、無線周波数レシーバを含み、センサ情報は、ユーザの体温を示す情報を含む。幾つかの変形形態において、コントローラは、ユーザの体温が、温度設定に対応する温度未満であることに応答して、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量を増加させる。幾つかの変形形態において、コントローラは、ユーザの体温が、温度設定に対応する温度を上回ることに応答して、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流量を減少させる。
【0011】
本開示の他の代表例において、レクリエーション用車両が提供される。レクリエーション用車両は、フレームと、フレームを支持する前方及び後方地面係合部材と、前方及び後方地面係合部材の1つに駆動的に連結されたパワートレインと、車両を操縦するための、前方地面係合部材に連結されたステアリングアセンブリであって、ユーザ用グリップ又はステアリングホイールを有するステアリング部分を含み、ステアリング部分は、第一の誘導コイルを含み、ユーザ用グリップ又はステアリングホイールは、第二の誘導コイルを含む気象制御回路構成を含む、ステアリングアセンブリと、第一の誘導コイルに動作可能に連結された少なくとも1つのプログラム可能コントローラであって、ユーザ用グリップ又はステアリングホイールの温度を、第一の誘導コイルに電流を提供することによって制御するように構成された少なくとも1つのプログラム可能コントローラとを含む。第一の誘導コイルは、第二の誘導コイルに電流を無線で伝達し、第二の誘導コイルは、ユーザ用グリップ又はステアリングホイールの温度を変化させる。
【0012】
幾つかの場合、車両は、フレームに動作可能に連結され、且つ温度設定を示すユーザ入力を少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成されたユーザ入力装置をさらに含む。少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、ユーザ用グリップ又はステアリングホイールの温度を、温度設定を示すユーザ入力に基づいて制御するように構成される。幾つかの例において、ユーザ入力装置は、アナログ温度セレクタ、タッチスクリーン及びデジタル入力装置の少なくとも1つである。幾つかの変形形態において、車両は、フレームに動作可能に連結され、且つセンサ情報を少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む。少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、センサ情報に基づいてユーザ用グリップの温度を制御するように構成される。
【0013】
幾つかの例において、第一の誘導コイルは、第一の誘導コイルと第二の誘導コイルとの間の分離に基づいて、第二の誘導コイルに電流を無線で伝達する。幾つかの例において、第一の誘導コイルは、第一の軸の周囲で半径方向に位置付けられ、第二の誘導コイルは、第一の軸の周囲で半径方向に位置付けられ、分離は、第一の軸に沿った距離である。幾つかの変形形態において、車両は、フレームに動作可能に連結されたバッテリと、バッテリに電気的に連結された高周波数インバータとをさらに含む。高周波数インバータは、バッテリからの直流電流(DC)を交流電流(AC)に変換するように構成され、第一の誘導コイルへの電流は、高周波数インバータからの交流電流である。
【0014】
本開示の他の代表例において、車両制御システムが提供される。車両制御システムは、車両と、ユーザによって着用される物品とを含む。車両は、フレームと、フレームを支持する前方及び後方地面係合部材と、前方及び後方地面係合部材の1つに駆動的に連結されたパワートレインと、フレームに動作可能に連結されたバッテリと、フレームによって支持される第一のエネルギ伝達装置と、第一のエネルギ伝達装置に電流を提供するように構成される、バッテリ及び第一のエネルギ伝達装置に電気的に連結された少なくとも1つのプログラム可能コントローラとを含む。ユーザによって装着される物品は、第一のエネルギ伝達装置から電流を受け取るように構成された第二のエネルギ伝達装置と、第二のエネルギ伝達装置に動作可能に連結され、且つユーザによって着用される物品の温度を、第二のエネルギ伝達装置からの電流を用いて制御するように構成された加熱素子とを含む加熱回路構成を含む。
【0015】
幾つかの場合、車両は、フレームに動作可能に連結され、且つ温度設定を示すユーザ入力を少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成されたユーザ入力装置をさらに含む。少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、温度設定を示すユーザ入力に基づいて、第一のエネルギ伝達装置に電流を提供するように構成される。幾つかの例において、車両は、フレームに動作可能に連結され、且つセンサ情報を少なくとも1つのプログラム可能コントローラに提供するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む。少なくとも1つのプログラム可能コントローラは、センサ情報に基づいて、第一のエネルギ伝達装置に電流を提供するように構成される。
【0016】
幾つかの場合、車両は、車両を操縦するための、前方地面係合部材に連結されたステアリングアセンブリをさらに含み、ステアリングアセンブリは、ユーザ用グリップを有するステアリング部分を含む。ユーザ用グリップは、第一のエネルギ伝達装置を含み、ユーザによって装着される物品は、グローブである。幾つかの例において、第一のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料であり、第二のエネルギ伝達装置は、第二の導電材料である。幾つかの変形形態において、車両は、フレームに動作可能に連結された床板をさらに含む。床板は、第一のエネルギ伝達装置に動作可能に連結され、ユーザによって装着される物品は、ブーツである。幾つかの場合、第一のエネルギ伝達装置は、第一の誘導コイルであり、第二のエネルギ伝達装置は、第二の誘導コイルである。
【0017】
本開示の他の代表例において、車両充電システムが提供される。車両制御システムは、車両と充電装置とを含む。車両は、フレームと、フレームを支持する前方及び後方地面係合部材と、前方及び後方地面係合部材の1つに駆動的に連結されたパワートレインと、フレームに動作可能に連結されたバッテリとを含む。充電装置は、電源コンセントに動作可能に連結され、且つ電流を提供するように構成されたコンセントコンポーネントと、コンセントコンポーネントに動作可能に連結され、且つコンセントコンポーネントから電流を受け取るように構成された第二のエネルギ伝達装置とを含む。第二のエネルギ伝達装置は、第一のエネルギ伝達装置に電流を伝達し、第一のエネルギ伝達装置は、バッテリに電流を提供して、バッテリを充電するように構成される。
【0018】
本開示の1つの態様において、車両のための、長さ方向軸を有するシートアセンブリは、シートパンと、シートパンに隣接するカバーサポートと、上面並びに第一の長さ方向に延びる側面及び第二の長さ方向に延びる側面を有するシートカバーとを有する。加熱冷却モジュールは、少なくとも一部がカバーサポート内に配置される。吸気口は、加熱冷却モジュールと連通する。通気口は、シートカバー内のポートから加熱冷却モジュールに空気を連通させる。周囲状況センサは、周囲状況信号を生成する。ユーザインタフェースは、快適状況に対応するユーザの設定を生成する。コントローラは、周囲状況センサ及び加熱冷却モジュールに連結される。コントローラは、ユーザの設定及び周囲状況信号に応答して加熱冷却モジュールを制御する。
【0019】
本開示のさらなる態様において、シートを制御する方法は、周囲状況センサから周囲状況信号を生成するステップと、乗員状況センサから乗員状況信号を生成するステップと、ユーザインタフェースで快適状況に対応するユーザ設定を生成するステップと、ユーザ設定及び周囲状況信号に応答して加熱冷却モジュールを制御するステップとを含む。
【0020】
幾つかの場合、充電装置は、充電マット又はドッキングステーションである。幾つかの例において、第一のエネルギ伝達装置は、第一の誘導コイルであり、第二のエネルギ伝達装置は、第二の誘導コイルである。幾つかの変形形態において、第一のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料であり、第二のエネルギ伝達装置は、第一の導電材料である。
【0021】
本開示の他の特徴は、本明細書で理解される本発明を実行するための最善の態様を例示する解説のための例の以下の詳細な説明を考慮すれば、当業者に明らかとなるであろう。
【0022】
本願のシステム及び方法の上記の態様及び多くの他の特徴は、後述の詳細な説明を下記の添付の図面と共に参照することにより、より容易にわかり且つよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の車両の後方右側斜視図である。
図2】誘導コイルを備える車両制御システムのブロック図を示す。
図3】導電材料を備える車両制御システムのブロック図を示す。
図4】誘導コイルを備える車両制御システムの他のブロック図を示す。
図5】導電材料を備える車両制御システムの他のブロック図を示す。
図6】負荷の温度を制御するためのコントローラの動作を説明するフローチャートを示す。
図7図6のコントローラにより制御されるステアリング入力の後方斜視図である。
図8図7のステアリング入力の分解図である。
図9図7のステアリング入力の前方斜視図である。
図10図7のステアリング入力の断面図である。
図11】ステアリング入力の他の斜視図である。
図12A】ユーザにより装着される、図11のステアリング入力と共に使用するための物品の例を示す。
図12B】ユーザにより装着され、且つ図1の車両と共に使用される物品の他の例を示す。
図12C】1つ又は複数の誘導コイル及びユーザにより装着される物品の例を示す。
図13A】車両制御システムのエネルギ源の再充電の例を示す。
図13B】車両制御システムのエネルギ源の再充電の他の例を示す。
図14】装置を制御するための快適性管理システムである。
図15】乗員センサのブロック図である。
図16A】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16B】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16C】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16D】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16E】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16F】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16G】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16H】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図16I】快適性制御システムの制御における各種スクリーンのスクリーン表示である。
図17】快適性制御システムの動作方法の簡略的フローチャートである。
図18】快適性制御システムの動作方法の詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の原理の理解を深めるために、ここで、図面に描かれている例を参照し、それについて以下に説明する。下で開示される例は、網羅的であることも、又は以下の詳細な説明で開示されるとおりの形態に限定されることも意図されていない。むしろ、これらの例は、当業者がそれらの教示を利用できるように選択及び説明される。
【0025】
加熱素子の加熱が説明されているが、装置の環境を変えるために冷却素子又は換気素子がエネルギを伝達し得、それが加熱であるか、冷却であるか又は換気であるかを問わない。
【0026】
図1は、1つのタイプのレクリエーション用車両100、例えば二輪車を示す。しかしながら、例えば、車両100は、舗装道路上、山道及び/又はそれらの両方で使用され得る二輪車、三輪車、四輪車及び/又は他の種類のレクリエーション用車両等、何れの車両でもあり得る。レクリエーション用車両100の幾つかの例としては、オートバイ、全地形万能車(ATV)、サイドバイサイドレクリエーション用車両、スノーモービル及びユーティリティ車両が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
レクリエーション用車両100の例に関するさらなる詳細は、米国特許第8,827,019号明細書(2013年12月18日に出願され、SIDE-BY-SIDE VEHICLEという名称)、米国特許第9,211,924号明細書(2014年3月25日に出願され、SIDE-BY-SIDE VEHICLEという名称)、米国特許第8,544,587号明細書(2012年3月21日に出願され、THREE-WHEELED VEHICLEという名称)、米国特許出願公開第15/387,504号明細書(2016年12月21日に出願され、TWO-WHEELED VEHICLEという名称)、米国特許第9,738,134号明細書(2016年6月23日に出願され、UTILITY VEHICLEという名称)及び米国特許第9,809,195号明細書(2013年11月22に出願され、SNOWMOBILEという名称)において提供され、全て本願の譲受人に譲渡されたものであり、それらの開示の全体が参照により本明細書に明確に援用される。
【0028】
図1に示されるように、レクリエーション用車両100は、複数の地面係合部材102を含む。例示的な地面係合部材102は、車輪、トレッド、スキー及び車両100を地面に関して支持する他の適当な手段を含む。レクリエーション用車両100は、複数の地面係合部材102によって支持されるフレーム104をさらに含む。
【0029】
前輪及び/又は後輪102は、車両100をその動作中に推進させるためのパワートレインアセンブリ114に連結される。パワートレインアセンブリ114は、エンジンとトランスミッションとの両方を含む。トランスミッションは、エンジンに連結され、前輪及び/又は後輪102に電力を提供する。
【0030】
シート106は、フレーム104によって動作可能に支持される。例示的なシート106には、ストラドルシート、ベンチシート、バケットシート、他の適当な支持部材が含まれる。シート106に加えて、レクリエーション用車両100は、パッセンジャシートをさらに含み得る。例示的なパッセンジャシートには、ストラドルシート、ベンチシート、バケットシート及び他の適当な支持部材が含まれる。幾つかの場合、パッセンジャシートは、ユーザ用シートの直接後方に位置付けられる。1つ又は複数の床板112は、フレーム104によって支持される。車両床板112は、ユーザが車両100を操作しているときにユーザの下端を支持するようになされる。例えば、ユーザがシート106に座っているとき、ユーザは、自らの靴、ブーツ及び/又は他のアクセサリを床板112の上に載せ得る。
【0031】
レクリエーション用車両100は、ステアリングシステム138をさらに含む。ステアリングシステム138は、地面係合部材102の少なくとも1つに連結され、一般に、車両100のユーザが掴むようになされたユーザ入力又はステアリング部材108を含む。例示的なステアリング部材108としては、ハンドルバー及び/又はステアリングホイールが含まれる。加えて及び/又は代わりに、ステアリング部材108は、1つ又は複数のユーザ用グリップ110を含む。例示的なユーザ用グリップ110は、ハンドグリップ(例えば、オートバイハンドグリップ)である。
【0032】
図2~5は、車両制御システム200、例えば車両制御システム200及び/又は車両エネルギ源充電システムの例示的なブロック図を示す。図2及び3を参照すると、車両100は、コンポーネント、サブシステム及び/又は車両制御システム200のコンポーネント、サブシステム及び/又は装置を含む。例えば、車両制御システム200及び/又は車両100は、エネルギ源202、ユーザインタフェース204、1つ又は複数のセンサ206、コントローラ(例えば、アクセサリコントローラ)207、ネットワークコントローラ226、高周波数インバータ208、電流制限回路構成210、プロセッサ212、メモリ214、第一のエネルギ伝達装置(例えば、図2に示されるような第一の誘導コイル216及び/又は図3に示される第一の導電材料222)、第二のエネルギ伝達装置(例えば、図2に示される第二の誘導コイル218及び/又は図3に示される第二の導電材料224)及び/又は負荷220を含む。負荷220は、加熱、冷却又は換気装置であり得る。
【0033】
図4及び5に関して、幾つかの例において、車両100は、車両制御システム200の幾つかのコンポーネント、サブシステム及び/又は装置、例えば第二のエネルギ伝達装置(例えば、図4に示される第二の誘導コイル218及び/又は図5に示される第二の導電材料224)及び/又は負荷220を含まず、むしろこれらのコンポーネント又はシステムは車両100の外部にある。幾つかの例において、後述するように、第二の誘導コイル218、第二の導電材料224及び/又は負荷220は、車両100の外部の第二のコンポーネント及び/又はシステム、例えばユーザによって装着される物品(例えば、ジャケット、シャツ、上着、パンツ、靴、ブーツ、ヘルメット、グローブ、半ズボン及び/又は他の種類の装着可能物/衣類/衣服)及び/又は充電サブシステム若しくは装置(例えば、充電マット、充電パック、スタンド及び/又は他の種類の充電装置)内に含まれる。
【0034】
図2及び4に関して、電流制限装置210は、任意選択による。これがある場合、電流制限装置210は、エネルギ源202から第一の誘導コイル216への電流、電圧及び/又は電力を制限することにおいて高周波数インバータ208を支援する。図3及び5に関して、高周波数インバータ208は、任意選択による。これがある場合、高周波数インバータ208は、エネルギ源202から第一の導電材料222への電流、電圧及び/又は電力を制限することにおいて電流制限装置210を支援する。高周波数インバータ208及び電流制限装置210について、後にさらに詳細に説明する。
【0035】
図2~5に関して、車両制御システム200は、少なくとも1つのエネルギ源(例えば、バッテリ、ステータ、レギュレータ、鉄心及び/又は他の種類のエネルギ源)202を含む。エネルギ源202は、電力(例えば、12又は14ボルト)を車両制御システム200の1つ又は複数のコンポーネント、装置及び/又はサブシステムに提供する。幾つかの例において、エネルギ源202は、1つ又は複数のエネルギ伝達装置(例えば、エネルギ伝達回路構成)、例えば第一の誘導コイル216、第二の誘導コイル218、第一の導電材料222及び/又は第二の導電材料224に電力を提供する。加えて及び/又は代わりに、車両100のエネルギ源202は、第二のコンポーネント及び/又はシステム、例えばユーザによって着用される物品内の負荷220に電力を提供する。
【0036】
ユーザ入力装置204には、1つ又は複数のデジタル入力装置(例えば、ステアリング部材108のスイッチ及び/又は音声コマンド装置)、物理スイッチ、押しボタン、レバー、ノブ、ハードキー、ソフトキー、温度セレクタ(例えば、アナログ又はデジタル)、ユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ及び/又はタッチスクリーン)及び/又はユーザからのユーザ入力を受け取ることができる他の種類の装置が含まれる。加えて及び/又は代わりに、ユーザ入力装置204は、音声コマンド装置、例えばヘッドセット及び/又はマイクロフォンアレイである。例えば、ユーザは、ヘッドセット及び/又はマイクロフォンアレイを用いて音声コマンドを提供し得る。ヘッドセット及び/又はマイクロフォンアレイは、音声コマンド(例えば、1つ又は複数の温度設定)をプロセッサ212に提供する。
【0037】
ネットワークコントローラ226は、レクリエーション用車両100と他の装置との間の通信を、1つ又は複数のネットワークコンポーネントを用いて制御する。幾つかの場合、レクリエーション用車両100のネットワークコントローラ226は、無線ネットワーク上において、(例えば、無線又はWiFiチップを介して)ペアとなる装置と通信する。例示的な無線ネットワークは、BLUETOOTHプロトコルを利用した無線周波数ネットワークである。この例では、ネットワークコントローラ226は、無線周波数アンテナに動作可能に連結され且つ/又はそれを含む。ネットワークコントローラ226は、装置、他のレクリエーション用車両及び/又はレクリエーション用車両100とのペアリング及びレクリエーション用車両100とリモートデバイス又は他のレクリエーション用車両との間の通信を制御する。さらに、ネットワークコントローラ226は、コントローラ207と通信し、例えばプロセッサ212から情報を受け取り、且つ/又はプロセッサ212に情報を提供する。
【0038】
車両制御システム200は、車載車両コンポーネント間及び/又は車載コンポーネントと車外コンポーネントとの間でエネルギを伝達するように構成される。例えば、1つの例において、車両制御システム200は、特にライダ又はユーザがより寒冷な天候で車両100を運転しているとき及び車両100の開放性から、ライダの快適性を増大させるために各種の車両コンポーネントに熱エネルギの形態のエネルギ伝達を提供するように構成される。より具体的には、車両制御システム200は、ハンドグリップ110、ユーザによって装着される物品/衣服及び車両100の、ユーザと接触し且つ/又はそれに近接する他の何れかのコンポーネントに熱エネルギを提供するように構成され得る。熱伝達に加えて、車両制御システム200は、外部のエネルギ源を用いて車両コンポーネントに代替的なエネルギ伝達を提供するように構成される。例えば、このような場合、車両制御システム200は、外部充電スタンド、ステーションマット、パック又は他の同様の装置と、エネルギ源202等の車両コンポーネントとの間のエネルギ伝達を通して車両コンポーネントに無線で充電するように構成され得る。車両制御システム200のこれらの機能のさらに詳細な開示を本明細書で開示する。
【0039】
加熱するように構成された車両制御システム
車両システム200及び/又は図6において後述する方法300を使用して各種のコンポーネントを加熱することは、「ツイストスロットル」(例えば、ユーザ用グリップ110を捻る)の場合に有益であり得る。例えば、誘導コイル216及び218を使用することにより、ワイヤ疲労の問題が軽減及び/又は排除され得る。これにより、腐食の問題もなくなり得、それは、コンポーネントが熱可塑性エラストマ(TPE)又は他の軟質ゴム系材料で形成され得るからである。換言すれば、ハンドグリップ内の誘導コイルを使用することにより、コンポーネントの疲労、腐食の問題及び/又は顧客が取り付ける接続がほとんど又は全くなくなり得る。
【0040】
さらに、誘導及び/又は導電電力伝達を用いて、ユーザによって装着される物品を加熱することにより、物品は、物品の表面を超えて加熱され、且つ/又はより良好な加熱をユーザに提供し得る。物品は、車載電源を必要とせず、これは、例えば、バッテリ及び/又はコントローラであり、これらは、重量、嵩又は物品に電源供給するコードを増やすことになる可能性がある。換言すれば、図11~13において後述するように、車両エネルギ源202を使用することにより、ユーザの衣服を加熱でき、それにより多くの加熱用コンポーネントが衣服から取り除かれ得る。
【0041】
車両制御システム200を用いて様々なコンポーネントを加熱することに関して、ユーザ入力装置204は、車両制御システム200内の1つ又は複数のコンポーネント及び/又はシステムの温度を制御するように構成され得る。例えば、図1~5の例では、ユーザ入力装置204は、ステアリング部材108及び/又はハンドグリップ110の一部に提供され得、それにより何れかの入力(例えば、スイッチ、ボタン、レバー等)がユーザ入力を受け取るように構成される。幾つかの場合、ユーザ入力装置204の物理スイッチは、車両ハンドグリップ110の温度を昇降させ得る。加えて及び/又は代わりに、物理スイッチは、ユーザによって装着される物品の温度を昇降させ得る。幾つかの例において、ユーザ入力装置204は、タッチスクリーンディスプレイを含み、コントローラ207は、入力としてのタッチスクリーンディスプレイの各種のタッチを解釈して、タッチスクリーンディスプレイ上に表示された内容を制御する。これについて後に詳細に説明する。
【0042】
センサ206は、車両100又は車両100の周囲環境の各種のパラメータを示すセンサ情報を検出、特定、モニタ及び/又は提供する1つ又は複数のセンサ及び/又は装置を含む。センサの種類及び/又はセンサの動作について後述する。
【0043】
コントローラ207(例えば、アクセサリコントローラ及び/又はステアリングアセンブリ138のためのコントローラ)は、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ212)、メモリ(例えば、メモリ214)、高周波数インバータ208及び/又は電流制限装置210を含む。コントローラ207は、単独の装置又は分散型装置であり得、コントローラ207(例えば、プロセッサ212)の機能は、ハードウェアにより且つ/又はメモリ214等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータ命令として実行され得る。幾つかの場合、コントローラ207は、メモリ、処理及び通信ハードウェアを有する1つ又は複数のコンピューティングデバイスを含む処理サブシステムの一部を形成する。コントローラ207は、代替的に、1つ又は複数の特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ハードワイヤロジック又それらの組合せを含み得る。
【0044】
メモリ214は、揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体であり、リムーバブル、非リムーバブル、コンビネーション及び/又は非一時的である。コンピュータ可読媒体の例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、光若しくはホログラフ媒体、磁気記憶装置及び/又は情報を保存するために使用でき、プロセッサ212等の電子装置によりアクセス可能な他のあらゆる媒体が含まれる。加えて及び/又は代わりに、メモリ214は、複数のメモリを表す。
【0045】
図2~5に関して、これがある場合、高周波数インバータ208は、DC電流と交流電流(AC)との間の変換を行う何れかの種類の回路構成である。例えば、エネルギ源202は、DC電流をコントローラ207に提供する。第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)は、AC電流を用いてエネルギを第二のエネルギ伝達装置(例えば、第二の誘導コイル218及び/又は第二の導電材料224)に伝達し得る。高周波数インバータ208は、エネルギ源202からのDC電流をAC電流に変換して、AC電流を電流制限回路構成210及び/又は第一のエネルギ伝達装置に提供する。
【0046】
これがある場合、電流制限装置210は、エネルギ伝達装置に提供される電流を制限する1つ又は複数の装置及び/又は回路構成を含む。例えば、電流制限装置210は、電流、電力及び/又は電圧を制限する何れかの種類の回路構成及び/又は装置である。電流制限装置210は、プロセッサ212に動作可能に連結される。プロセッサ212は、第一及び第二のエネルギ伝達装置に出力される電流を制限するための信号、命令及び/又は他の指示を電流制限装置210に提供する。
【0047】
幾つかの変形形態において、電流制限装置210は、高周波数インバータ208内に含まれる。例えば、図2~4に関して、高周波数インバータ208は、DC電流をAC電流に変換し、プロセッサ212からの命令に基づいて電流及び/又は電圧を制限する。電流の変換及び/又は制限後、高周波数インバータ208は、第一の誘電コイル216等の第一のエネルギ伝達装置に電流を提供する。
【0048】
幾つかの例において、前述のように、高周波数インバータ208は、任意選択による。例えば、図3及び5に関して、これがある場合、高周波数インバータ208は、DC電流をAC電流に変換し、電流を電流制限装置210に提供する。それがない場合、エネルギ源202は、DC電流を電流制限装置210に提供する。プロセッサ212からの命令に基づき、電流制限装置210は、電流及び/又は電圧を制限し、第一の導電材料222等の第一のエネルギ伝達装置に出力を提供する。幾つかの場合、電流制限装置210は、バックコンバータ(例えば、DC-DC変換器)及び/又はスリップリングである。
【0049】
コントローラ207は、車両100の装置、コンポーネント及び/又はサブシステムに動作可能に連結され、それらと通信し且つ/又はそれらを制御する。例えば、コントローラ207は、エネルギ源202、ユーザ入力装置204及び/又はセンサ206と通信する。幾つかの場合、コントローラ207は、エネルギ源202から電流を受け取る。電流は、DC電流であり得る。高周波数インバータ208は、DC電流をAC電流に変換して、AC電流を電流制限装置210に提供する。
【0050】
幾つかの例において、コントローラ207(例えば、プロセッサ212)は、ユーザ入力装置204からユーザ入力を受け取る。幾つかの変形形態において、コントローラ207(例えば、プロセッサ212)は、センサ206からセンサ情報を受け取る。幾つかの場合、センサ情報及び/又はユーザ入力に基づいて、コントローラ207(例えば、プロセッサ212)は、1つ又は複数のエネルギ伝達装置に電流を提供し、且つ/又はそれを制限する。例えば、プロセッサ212は、エネルギ伝達装置に電流を提供し、且つ/又はそれを制限するための信号を電流制限装置210に提供する。換言すれば、加熱式ハンドグリップ及び/又はユーザによって装着される物品に電力を提供するために、プロセッサ212は、車両100と車両100のコンポーネント(例えば、ハンドグリップ110)との間及び/又は車両100と車両100の外部のコンポーネント(例えば、ユーザによって装着される物品)との間のエネルギ伝達の動作を制御、モニタ及び/又は管理し得る。
【0051】
幾つかの変形形態において、コントローラ207は、車両100の動作を制御するアクセサリコントローラである。他の変形形態では、コントローラ207は、スイッチキューブコントローラ等のステアリングアセンブリ138のためのコントローラである。例えば、コントローラ207は、ステアリングアセンブリ138内の1つ又は複数のコントローラ、例えばステアリング部材108内の1つ又は複数のコントローラを含む。コントローラは、情報(例えば、ユーザ入力及び/又はセンサ情報)を受け取り、負荷220、例えばユーザ用グリップ110)の温度を制御するための電力を提供し得る。コントローラ207及び/又はプロセッサ212の動作について、後にさらに詳細に説明する。
【0052】
例示的な車両制御システム200及び/又は車両100は、本開示の例の使用又は機能性の範囲に関するいかなる限定も示唆するものではない。また、例示的な車両制御システム200及び/又は車両100は、その中に示されている何れの単一のコンポーネント及び/若しくはシステム又はコンポーネント及び/若しくはシステムの組合せに関するいかなる依存性又は要求事項も有すると解釈されるべきではない。加えて、図1~5に描かれている例としての各種のコンポーネント及び/又はシステムは、その中に描かれている他のコンポーネント及び/又はシステム(及び/又は図示されていないコンポーネント及び/又はシステム)の様々な1つと統合され得る。車両制御システム200及び/又は車両100の機能性について後述する。
【0053】
エネルギ伝達装置、例えば第一の誘導コイル216、第二の誘導コイル218、第一の導電材料222及び第二の導電材料224は、エネルギを無線で(例えば、ワイヤ接続せずに)伝達する何れかの種類の装置である。例えば、エネルギ伝達装置は、車両100(例えば、エネルギ源202)からのエネルギを車両100内の1つ若しくは複数のコンポーネント及び/若しくはシステム、例えば加熱式ハンドグリップ110並びに/又は車両100の外部の1つ若しくは複数のコンポーネント及び/若しくはシステム、例えばユーザによって装着される物品に伝達し得る。加えて及び/又は代わりに、エネルギ伝達装置は、エネルギ源202を充電するために使用され得る。換言すれば、プラグ及び/又はコンセントは、電力(例えば、電流及び/又は電圧)をエネルギ伝達装置に提供するために使用され得る。エネルギ伝達装置は、車両100内の他のエネルギ伝達装置に電流を提供し、その後、それが電流をエネルギ源202に提供する。
【0054】
例えば、第一の誘導コイル216は、インダクタンス(例えば、誘導電力伝達)を用いてエネルギ(例えば、電流)を第二の誘導コイル218に伝達する。例えば、電流を第一の誘導コイル216に提供することにより、第一の誘導コイル216は、磁場を発生させる。第二の誘導コイル218を第一の誘導コイル216(例えば、発生した磁場)に十分に近接するように近付けることにより、磁場は、第二の誘導コイル218に負荷220に電流を提供させる。換言すれば、コントローラ207から第一の誘導コイル216に電流を提供することにより、第一の誘導コイル216は、第二の誘導コイル218上に電流を誘導する。第二の誘導コイル218は、電流を負荷220に提供する。幾つかの場合、誘導を使用して、第一の誘導コイル216は、第二の誘導コイル218にエネルギを伝達するために第二の誘導コイル218と物理的に接触する必要がない(例えば、コイル216、218は、特定の距離だけ分離している)。幾つかの例において、第一の誘導コイル216及び/又は第二の誘導コイル218は、1つ又は複数のコイルを含み得る。換言すれば、第一及び第二の誘導コイル216及び218は、電力を負荷220に供給し、且つ/又はエネルギ源202を再充電するために使用される複数の誘導コイル(例えば、3つのコイル)を含み得る。コントローラ207は、電流及び/又は電圧を1つ又は複数の第一の誘導コイル216及び第二の誘導コイル218に提供し得る。
【0055】
さらに、第一の導電材料222は、コンダクタンス(例えば、伝導電力伝達)を用いてエネルギを第二の導電材料224に伝達する。第一の導電材料222は、電力伝送体であり、電力を第二の導電材料224(例えば、レシーバ)に送達する。例えば、第一の導電材料222が第二の導電材料224と物理的に接続されると、第一の導電材料222は、電流をエネルギ源202から第二の導電材料224に伝達する。第二の導電材料224は、電流を負荷220に提供する。第一及び第二の導電材料222、224は、何れかの種類の導電材料であり、これには、銅線、アルミニウム、鋼鉄、金、鉄心及び/又は他の種類のワイヤが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
幾つかの例において、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)は、車両100のフレーム104に動作可能に連結される。例えば、第一のエネルギ伝達装置は、車両100上の何れの場所にも配置され得、これには、車両のステアリング部材108、車両のユーザ用グリップ110、シート106、床板112、車両100のバックレスト及び/又は車両のサイドスタンドが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
幾つかの変形形態において、第二のエネルギ伝達装置(例えば、第二の誘導コイル218及び/又は第二の導電材料224)は、フレーム104及び/又は負荷220に動作可能に連結される。例えば、第二のエネルギ伝達装置は、車両100上(例えば、車両のハンドグリップ110)及び負荷220の何れの場所にも配置され得る。加えて及び/又は代わりに、第二のエネルギ伝達装置は、ユーザと車両100との接触点に配置され、且つ/又はそれに動作可能に連結され得、これには、車両のステアリング部材108、車両のハンドグリップ110、シート106、床板112、車両100のバックレスト及び/又は車両のサイドスタンドなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
負荷220は、第二の誘導コイル218及び/又は第二の導電材料224から電流を受け取る。負荷220は、第二のエネルギ伝達装置からの電流を用いて負荷の温度を上げる加熱回路構成及び/又は素子を含む。幾つかの場合、負荷220は、電気(例えば、電流)を熱に変換する1つ又は複数のコンポーネント、装置、ワイヤ及び/又はサブシステムを含む。例えば、負荷220は、ユーザによって装着される物品(図4及び5に示される)及び/又は1つ若しくは複数の車両のハンドグリップ、例えばハンドグリップ110(図2及び3に示される)である。負荷220は、電流を変換して物品及び/又はハンドグリップ110を加熱する。幾つかの例において、負荷220は、非加熱用回路構成及び/又はコンポーネントを含む。例えば、負荷220は、USB、ライト(例えば、物品に動作可能に連結されたライト)及び/又は換気ヘルメットである。プロセッサ212は、電流及び/又は電圧を第一及び第二のエネルギ伝達装置に提供して、非加熱用回路構成及び/又はコンポーネントに電源供給し得る。
【0059】
図6は、コントローラ207(例えば、プロセッサ212)が負荷220の温度を制御する方法300を説明する例示的なフローチャートを示す。動作中、ステップ302では、プロセッサ212は、ユーザ入力装置204からユーザ入力を受け取る。幾つかの例において、ユーザ入力装置204は、アナログ温度セレクタ、例えば1つの又は複数の物理スイッチ及び/又はボタンである。例えば、ユーザは、ユーザ入力装置204を用いて負荷220の熱設定を設定し得る。ユーザがボタン、レバー及び/又はスイッチを押し且つ/又は作動させたことに応答して、ユーザ入力装置204は、作動を示すユーザ入力をプロセッサ212に提供する。プロセッサ212は、入力装置204からユーザ入力を受け取り、その後、ユーザ入力に基づいて電流出力を変更する。例えば、ユーザ入力装置204は、負荷220の温度を制御し得る。幾つかの場合、複数の異なる温度設定(例えば、0、1、2、...等)があり得る。例えば、0は、負荷220を加熱しないことを示し得、1は、低温設定を示し得、2は、中温設定を示し得、3は、高温設定を示し得る。ユーザ入力装置204を作動させ、且つ/又は押すことにより(例えば、ボタンを押す)、プロセッサ212は、第一の温度設定(例えば、低温設定)を第二の温度設定(例えば、高温設定)に変化させる。
【0060】
幾つかの変形形態において、ユーザ入力装置204は、デジタル温度セレクタ、例えばタッチスクリーン、ユーザインタフェース及び/又は表示装置である。例えば、ユーザ入力装置204は、現在の熱設定(例えば、加熱式グリップの現在のレベル)を示す画像及び/又はプロンプトが表示されるようにし得る。ユーザは、ユーザ入力装置204を用いて新たな熱設定(例えば、加熱式グリップの新しいレベル)を設定し得る。ユーザ入力装置204は、新しい熱設定を得、新しい熱設定をプロセッサ212に提供する。幾つかの例において、ユーザが選択できる複数の異なる熱設定があり得る。
【0061】
ステップ304では、プロセッサ212は、1つ又は複数のセンサ、コンポーネント及び/又はシステムからセンサ情報を受け取る。例えば、プロセッサ212は、複数の異なるセンサ206、コンポーネント及び/又はシステム、例えば気温センサ、車両速度センサ、バッテリ電圧センサ(例えば、エネルギ源センサ)及び/又は1つ又は複数の体温センサからセンサ情報を受け取る。例えば、車両速度センサは、車両速度を示す情報をプロセッサ212に提供する。車両速度センサは、車両100の車両速度を検出する何れかの種類のセンサである。
【0062】
バッテリ電圧センサは、バッテリ電圧(例えば、エネルギ源202の電荷状態)を示す情報をプロセッサ212に提供する。バッテリ電圧センサは、エネルギ源202に動作可能に連結され得、エネルギ源202の電荷状態を検出する何れの種類のセンサでもあり得る。例えば、バッテリ電圧センサは、エネルギ源202の電荷をモニタ及び検出/特定するバッテリモニタセンサである。
【0063】
気温センサは、検出された気温の読取値を示す情報をプロセッサ212に提供する。幾つかの例において、気温読取値は、車両100の周囲環境の温度読取値である。
【0064】
体温センサは、ユーザの1つ又は複数の体温を示す情報をプロセッサ212に提供する。例えば、1つ又は複数の体温センサは、ユーザによって装着される物品及び/又はユーザの体に取り付けられ得る。体温センサは、取り付けられた箇所の温度読取値(例えば、ユーザの体温)を検出及び/又は特定し得る。体温センサは、ある通信方法(例えば、有線並びに/又はWiFiプロトコル及び/若しくはBLUETOOTH等の無線)を介して温度読取値をプロセッサ212に提供し得る。幾つかの場合、コントローラ207は、無線周波数レシーバを含む。コントローラ207は、無線周波数レシーバを用いて温度読取値を受け取り、温度読取値をプロセッサ212に提供する。幾つかの場合、ユーザによって装着される物品は、物品内の様々な箇所にある複数の体温センサを含む。例えば、物品は、ジャケット、シャツ、パンツ及び/又はグローブ等の衣類である。衣類の各物品は、体温センサを含み、それは、無線周波数レシーバを介して体温読取値をプロセッサ212に提供する。
【0065】
ステップ306では、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)に提供する電流量を特定する。例えば、ユーザ入力及び/又はセンサ情報に基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ装置に提供する電流量を特定する。幾つかの例において、プロセッサ212は、第一のエネルギ装置に提供する電圧及び/又は電力量を特定する。
【0066】
ステップ308では、プロセッサ212は、特定された量の電流、電圧及び/又は電力を第一のエネルギ伝達装置に提供する。換言すれば、プロセッサ212は、特定された電流量に基づいて、高周波数インバータ208を介したエネルギ源202からの電流、電圧及び/又は電力を制限するための信号及び/又はコマンドを電流制限装置210に提供する。例えば、プロセッサ212が第一のエネルギ伝達装置に提供する電流を2アンペアと特定した場合、プロセッサ212は、信号又はコマンドを電流制限装置210に提供する。電流制限装置210は、電流の大きさが2アンペアとなるようにAC電流を制限する。
【0067】
幾つかの変形形態において、特定された電流、電圧及び/又は電力を第一のエネルギ伝達装置に提供した後、第一のエネルギ伝達装置が第二のエネルギ伝達装置に近接していることに基づいて、第一のエネルギ伝達装置は、電流、電圧及び/又は電力を第二のエネルギ伝達装置に伝達し得る。例えば、第二のエネルギ伝達装置(例えば、第二の誘導コイル218及び/又は第二の導電材料224)を含む物品を装着したユーザが第一のエネルギ伝達装置(例えば、車両100のコンポーネント、例えば第一のコイル216及び/又は第一の材料222)の特定の近接範囲内で移動すると、第一のエネルギ伝達装置は、エネルギを第二のエネルギ伝達装置に伝達し得る。換言すれば、第一及び第二の導電材料222及び224が物理的に接触している場合、第一の導電材料222は、エネルギを第二の導電材料224に伝達し得る。加えて及び/又は代わりに、第二のコイル218が第一のコイル216からの特定の近接範囲及び/又は距離内にある場合、第一のコイル216は、エネルギを第二のコイル218に伝達し得る。
【0068】
幾つかの場合、熱設定を示すユーザ入力に基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)への電流、電圧及び/又電力の量を特定及び/又は提供する。例えば、低温設定の場合、プロセッサ212は、1~1.5アンペアを提供する。高温設定の場合、プロセッサ212は、2~2.6アンペアを提供する。
【0069】
加えて及び/又は代わりに、車両速度に基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)への電流、電圧及び/又は電力の量を特定及び/又は提供する。例えば、車両速度が1つ又は複数の閾値(例えば、10mph超、20mph超)を満たしたことに基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置に提供する異なる量の電流を特定する。加えて及び/又は代わりに、プロセッサ212は、ある関数及び/又はアルゴリズムと車両速度とを用いて、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流の量を特定する。幾つかの場合、車両速度が上昇すると、プロセッサ212は、電流の量を増やし、これにより負荷220の温度を上昇させる。
【0070】
加えて及び/又は代わりに、気温に基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)への電流、電圧及び/又は電力の量を特定及び/又は提供する。例えば、気温が1つ又は複数の閾値(例えば、50度未満、30度未満)を満たしたことに基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置に提供する異なる量の電流を特定する。加えて及び/又は代わりに、プロセッサ212は、ある関数及び/又はアルゴリズムと気温とを用いて、第一のエネルギ伝達装置に提供する電流の量を特定する。幾つかの場合、気温が低下すると、プロセッサ212は、電流の量を増やし、これにより負荷220の温度を上昇させる。
【0071】
加えて及び/又は代わりに、バッテリ電圧に基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)への電流、電圧及び/又は電力の量を特定及び/又は提供する。例えば、バッテリ電圧が1つ又は複数の閾値を満たしたことに基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置に提供する異なる量の電流を特定する。例えば、バッテリ電圧がある閾値より低くなると、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置に提供される電流を特定し且つ/又は減少させる。
【0072】
加えて及び/又は代わりに、1つ又は複数の体温読取値に基づいて、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216及び/又は第一の導電材料222)への電流、電圧及び/又は電力の量を特定及び/又は提供する。例えば、ユーザ入力は、低、中又は高温設定等の熱設定を示し得る。各熱設定は、対応する体温を含み得る。プロセッサ212は、体温読取値と、ユーザ入力された熱設定とを比較し得る。体温読取値が、ユーザ入力された熱設定より高い場合、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置への電流を減らし得る。体温読取値が、ユーザ入力された熱設定より低い場合、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置への電流を増やし得る。それが等しい場合、プロセッサ212は、第一のエネルギ伝達装置への電流を保持し得る。
【0073】
幾つかの例において、ユーザによって装着される物品は、最高温度限界スイッチを含む。例えば、最高温度限界スイッチは、負荷220と第二の誘導コイル218及び/又は第二の導電材料224との間に含まれ得る。最高温度限界スイッチは、負荷220(例えば、ユーザによって装着される物品)の温度を検出及び/又はモニタし得る。温度が最高温度限界より高い場合、最高温度限界スイッチが負荷220までの回路を開く(例えば、負荷220の加熱機能をオフにする)。
【0074】
図7~10は、方法400及び車両制御温度システム200の例示的な実装を示す。換言すれば、図7~10は、負荷220(例えば、車両のハンドグリップ110)に電源供給するために第一及び第二のエネルギ伝達装置に電流、電圧及び/又は電力を提供するプロセッサ212の動作を示す。例えば、図7は、ハンドグリップ110及びユーザ入力装置204(例えば、アナログ温度セレクタ)を示す。前述のように、ユーザは、アナログ温度セレクタ204を用いて、負荷220、例えばハンドグリップ110及び/又はハンドグリップ内の加熱素子のための温度設定を変化させ得る。図8は、図7のハンドグリップ110及びユーザ入力装置204の分解図を示す。例えば、図8は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の誘導コイル216)及び第二のエネルギ伝達装置(例えば、第二の誘導コイル218)を示す。
【0075】
図9は、組み立てられた状態のユーザ入力装置204及びハンドグリップ110の内部を示す。例えば、図のように、第一及び第二の誘導コイル216及び218は、これらの間の分離(例えば、数ミリメートルの分離)があるように位置付けられる。幾つかの例において、コイル216及び218は、円形の形状であり、何れも第一の軸に関して巻かれる。図10は、ハンドグリップ110の断面図を示す。図のように、2つのコイル216及び218は、特定の距離だけ分離されている。さらに、第二の誘導コイル218は、負荷220に動作可能に連結される(例えば、接続される)。例えば、負荷220は、1つ又は複数のワイヤ、加熱式回路構成、材料、加熱素子及び/又はハンドグリップ110の内部に配置された他のコンポーネントを含む。
【0076】
第一の誘導コイル216及び第二の誘導コイル218は、フレーム104に動作可能に連結され、ハンドグリップ110に位置付けられる。動作中、第一の誘導コイル216は、コントローラ217から電流を受け取る。第一の誘導コイル216は、誘導式の電力及び/又は電流伝達を用いて、受け取った電流を第二の誘導コイル218に提供する。第二の誘導コイル218は、負荷220に電流を提供し、それにより、負荷は、ハンドグリップ110に熱を提供する。
【0077】
図11、12A及び12Bは、方法400及び車両制御温度システム200の他の例示的実装を示す。例えば、図11は、第一のエネルギ伝達装置(例えば、第一の導電材料222)及びハンドグリップ110を示す。第一の導電材料222は、ハンドグリップ110(例えば、ハンドグリップ110の表面又は外部)に配置され、フレーム104に動作可能に連結される。図12Aは、第二のエネルギ伝達装置(例えば、第二の導電材料224)を示す。第二の導電材料224は、ユーザによって装着される物品(例えば、グローブの外側)に配置され且つ/又は取り付けられる。動作中、物品(例えば、第二の導電材料224)を装着しているユーザは、ハンドグリップ110(例えば、第一の導電材料222)に触れ、接続し、相互作用し、且つ/又は物理的に接触し得、それにより伝導式の電力伝達が行われる。換言すれば、コントローラ217により提供される電流は、第二の導電材料224(例えば、グローブ)に伝達される。
【0078】
図12Bは、負荷220を示す。例えば、負荷220には、グローブ(例えば、第二の導電材料224)、パンツ、靴及びジャケットが含まれる。負荷220は、第二の導電材料224からの電力を負荷220全体(例えば、ジャケット、パンツ、靴及び/又はグローブ)に提供する1つ又は複数のワイヤも含み得る。幾つかの例において、靴、パンツ及び/又はジャケットは、第二の導電材料224を含み得る。このような例において、車両100の床板112及び/又は他の部分は、第二の導電材料224に電力を提供する第一の導電材料222を含み得る。
【0079】
幾つかの場合、ユーザによって装着される物体は、第一及び第二の誘導コイル216及び218を用いて電源供給される。例えば、前述のものと同様に、第一の誘導コイル216は、ハンドグリップ110及び/又は車両100の他の部分に配置され得る。第二の誘導コイル218は、ユーザによって装着される物品、例えばパンツ、グローブ、ジャケット及び/又は靴内にあり得る。
【0080】
物品は、装着される物品の1つ又は複数の箇所に乗員状況センサ221を含み得る。乗員の周囲又は乗員の装着用物品内の様々な領域の加熱及び冷却の個別の制御が行われ得る。以下に詳細に説明されるとおりである。
【0081】
図12Cは、第一及び第二の誘導コイル216及び218を用いて、ユーザによって装着される物品に電源供給する例を示す。例えば、1つ又は複数の第一の誘導コイル216は、床板112内に配置され得る。1つ又は複数の第二の誘導コイル218は、ユーザによって装着される物品内、例えばブーツ、靴及び/又はユーザによって装着される他の履物内に配置され得る。動作中、第一のコイル216は、電力を第二のコイル218に伝達して負荷220(例えば、履物内の加熱素子)を加熱する。加えて及び/又は代わりに、負荷220は、ユーザによって着用される他の物品内、例えばユーザによって着用される1つ又は複数のグローブ、パンツ及び/又はジャケット内に追加の加熱素子を含み得る。
【0082】
幾つかの例において、第一の誘導コイル216及び第二の誘導コイル218は、ハンドグリップ110内に配置される。例えば、前述のように、第一の誘導コイル216は、ハンドグリップを加熱するために第二の誘導コイル218に電流、電圧及び/又は電力を提供する。加えて及び/又は代わりに、第二の誘導コイル218は、ハンドグリップ110内に配置された第一の誘導電材料222(例えば、図11に示される)に電流、電圧及び/又は電力を提供する。物品(例えば、第二の導電材料224)が第一の導電材料222と物理的に接触すると、第一の導電材料222からの電流(第二の誘導コイル218によって第一の誘導コイル216を介して提供される)が第二の導電材料224に伝達される。第二の導電材料224は、電流を負荷220に提供する(例えば、図12Bに示される)。換言すれば、図7~12Bに示される例が組み合わされて、エネルギ源202から提供される電流が加熱式ハンドグリップから負荷220(例えば、図12Bに示されるジャケット、パンツ、靴及び/又はグローブ)に伝達される。
【0083】
充電するように構成された車両制御システム
図13A及び13Bは、車両制御システム200の他の例示的実装を示す。しかしながら、エネルギ源202から負荷220に電力を提供する代わりに、図15及び16は、車両100のエネルギ源202を充電する方法を示す。幾つかの場合、バッテリ状態は、乗車間で低下する。そのため、無線充電マップを使用することは、充電をより容易にするのに役立ち、乗車間に電池を充電するための充電装置と車両との間の配線をほとんど又は全てなくし得る。
【0084】
図13A及び13Bに関して、ACコンセント230(例えば、家庭用コンセント又は電気コンセント)が充電装置に連結され得る。充電装置は、ACコンセントに動作可能に連結されるコンセントコンポーネント(例えば、プラグ、ソケット)を含み得る。充電装置は、1つ又は複数のワイヤも含み得、これらは、コンセントコンポーネントを第二の導電コイル218に電気的に接続する。第二の誘導コイル218は、車両100の外部に配置される。例えば、第二の誘導コイル218は、充電マット(例えば、無線充電マット)、ドッキングステーション、充電プラットフォーム、パッド及び/又は誘導コイルを含み得る他の材料、装置又は物体内に配置される。
【0085】
第一の誘導コイル216は、車両100に配置され、そこに動作可能に連結され、且つ/又はそこに取り付けられる。例えば、第一の誘導コイル216は、車両100のサイドスタンド内にある。加えて及び/又は代わりに、第一の誘導コイル216は、車両100の一部に(例えば、車両100のうち、充電装置に最も近い部分)に配置される。
【0086】
動作中、ACコンセント230は、コンセントコンポーネントを介して第二の誘導コイル218に電源供給し、且つ/又は電流を提供し得る。第二の誘導コイル218は、第一の誘導コイル216に誘導によって電力を伝達する(例えば、電流を提供する)。したがって、図4に関して、第一の誘導コイル216は、コントローラ207を介してエネルギ源202に電流を提供する。幾つかの例において、電流は、コントローラ207をバイパスし、エネルギ源202に提供され得る。
【0087】
幾つかの場合、エネルギ源202は、第一及び第二の導電材料222、224を用いて充電され得る。例えば、誘導コイル216及び218の代わりに、ACコンセント230は、第二の導電材料224に電源供給し、電流を提供し得る。第二の導電材料224は、電流を第一の導電材料222、その後、エネルギ源202に提供し得る。第二の導電材料224は、充電マット(例えば、無線充電マット)、ドッキングステーション、充電プラットフォーム、パッド及び/又は導電材料を含み得る他の材料又は物体内に配置され得る。第一の導電材料222は、車両100のサイドスタンド及び/又は他の部分(例えば、車両100のうち、充電装置に最も近い部分)に配置され得る。
【0088】
次に、図14に関して、快適性管理システム1400を用いて、ユーザ入力及び車両の1人又は複数の乗員内及びその周囲の周囲状況又は乗員本人の状況等の他の入力に応答して、シート又は他の装置を制御し得る。コントローラ1410は、様々な機能を実行するようにプログラムされたマイクロプロセッサ型コントローラであり得る。この例において、コントローラ1410は、周囲状況センサ1420及び装置1430と通信する。乗員状況センサ1440は、乗員状況データを有する乗員状況信号を生成するために使用される。ユーザインタフェース1450は、ユーザがコントローラ1410に通信する所望の設定のためのデータを提供する方法を提供する。ユーザインタフェース1450は、図12及び13A~13Cに示される各種のユーザインタフェースも使用し得る。
【0089】
ユーザインタフェースは、タッチスクリーンディスプレイ1470でも実装され得、これは、コントローラエリアネットワークを通して通信する。タッチスクリーンディスプレイ1470は、ユーザインタフェースを提供することに加えて、ユーザのための様々な説明なども提供し得る。当然のことながら、ディスプレイ1470は、ラジオ、ナビゲーション及び車両状況等の他の機能のために使用され得る。
【0090】
周囲状況センサ1420は、各種の状況を制御するためにコントローラ1410によって使用される1つ又は複数のセンサであり得る。この例において、周囲気温センサ1422は、車両又はその中の周囲気温に対応するデータを有する周囲気温センサ信号を生成する。周囲気温センサ1422は、1人又は複数の乗員の付近に配置され得る。周囲湿度センサ1424は、周囲湿度に対応するデータを有する周囲湿度信号を生成する。周囲湿度は、乗員の周囲又は車両の周囲で特定され得る。空気速度センサ1426は、乗員又は車両内又は周囲の空気の速度に対応するデータを有する空気速度信号を生成する。日光センサ1428は、センサに向けられる直射日光の量に対応するデータを有する日光信号を生成する。
【0091】
1つの周囲気温センサ1422、1つの周囲湿度センサ1424、1つの空気速度センサ1426及び1つの日光センサ1428が示されているが、複数のセンサがシステム内に提供され得る。例えば、多くの車両において、乗員のための複数の車両位置が提供されている。周囲状況センサ1420は、したがって、乗員の1人又は複数のところ又はその付近に提供され得る。周囲状況1420は、車両の様々な場所にも配置され得る。例えば、ある周囲状況センサは、乗員の足先の周囲(例えば、フットウェル)に配置され得、他の周囲状況センサは、車両乗員の頭部又は胴体部に向かって配置され得る。
【0092】
装置1430は、シート又は他の種類の装置、例えばハンドグリップ、フットレスト又は前述のように乗員が装着する衣類であり得る。
【0093】
乗員状況センサ1440は、乗員又はその周囲の状況に対応する信号を生成する。乗員状況センサ1440は、温度センサ1442、湿度センサ1444、空気速度センサ1446及び心拍数センサ1448から選択される1つ又は複数のセンサであり得る。温度センサ1442は、乗員状況センサの位置の温度に対応するデータを有する温度信号を生成する。温度センサ信号からのデータは、コントローラ1410によって使用され得る。湿度センサ1444は、乗員状況センサの位置、すなわち乗員に関する位置における湿度に対応するデータを有する湿度信号を生成する。
【0094】
空気速度センサ1446は、乗員における空気の速度に対応するデータを有する空気速度信号を生成する。空気速度により、コントローラ1410は、風の冷却効果を補償することができる。
【0095】
心拍数センサ1448は、乗員の心拍数に対応するデータを有する信号を生成する。心拍数が上昇することにより、コントローラは、加熱を弱めるか、冷却を強めるか又は換気を強め得る。
【0096】
乗員状況センサ1440は、様々な位置に配置され得る。シートにおいて、乗員状況センサ1440は、着座位置又はその付近に配置され得る。乗員状況センサ1440は、乗員が装着している衣類にも配置され得る。1つ又は複数の乗員状況センサは、衣類の物品の1つに提供され得る。例えば、乗員状況センサ1440は、ヘルメット、シャツ若しくは上着、パンツ、ソックス又はグローブ内に配置され得る。当然のことながら、乗員状況センサ1440のための他の位置が提供され得る。
【0097】
ユーザインタフェース1450は、ユーザ入力をシステムに提供するための1つ又は複数の方法を提供し得る。スイッチ1452、1454及び1456の集合1451は、様々な機能を制御するために使用され得る。スイッチ1452は、加熱を制御するために使用される。スイッチ1454は、冷却を制御するために使用され、スイッチ1456は、換気を制御するために使用される。この例では、システムは、スイッチ1452で熱の提供及び熱の増減を制御し得る。スイッチ1454は、冷却の量を増減するために使用される。スイッチ1456は、通気を増減させるために使用される。換気は、周囲空気又は調整されていない空気を加熱又は冷却せずに乗員に提供し得る。
【0098】
加熱又は冷却モジュール1490の応答は、スイッチ1458で提供され得る。システムの応答は、システムがどの程度迅速に周囲状況センサからの入力に応答するか又はそれに基づいて変化するかを指す。すなわち、応答は、システムが、周囲状況センサ1420又は乗員状況センサ1440から検知された状況に応答して提供する加熱、冷却又は換気の量又はその迅速さを指す。高速応答は、高速応答ボタン1460を選択することによって得られ、これは、加熱冷却モジュール1490からの迅速な応答を提供する。中速応答ボタン1462を選択することにより、高速応答ボタン1460より遅い応答を提供する。低速応答ボタン1464は、中速応答ボタン1462より遅い応答を提供する。異なるボタン1460~1464の違いは、タイマ又はその他を用いて特定され得、これについて後に説明する。したがって、加熱冷却モジュールのコンポーネントの1つを作動させるまでより長い遅延が提供され得る。
【0099】
スライドダイヤル応答セレクタ1466は、提供され得る他の可能な種類のスイッチである。この例において、スライドダイヤル1468は、適当なレベルの応答が提供されるようにするために車両乗員によって選択され得る。スライドダイヤル1468は、多くの位置を有し、したがって高位置、低位置又はそれらの間の何れかの位置に対応する異なる入力がコントローラ1410に提供され得る。前述のユーザインタフェース1450の一部は、ハードワイヤスイッチとして実装され得、これは、車両又は装置自体に配置される。ユーザインタフェース1450は、タッチスクリーン内にも実装され得、これについて後述する。
【0100】
タッチスクリーン1470は、快適性管理ボタン1472を含む各種の入力を有する。快適性管理ボタン1472は、快適性管理システムのための動作及びフィードバックを開始し得る。当然のことながら、ユーザインタフェースには、ボタン1474における車両状況、エンターテインメントシステム1476、ナビゲーションシステム1478及びモバイル機器インタフェース1480に対応する他のボタンが提供され得る。ボタン1472~1480は、ハードスイッチ又はタッチスクリーンコマンドとして実装され得る。
【0101】
コントローラ1410は、応答モジュール1411を含み、これは、ユーザインタフェースから所望の応答を受け取り、信号又は遅延時間を比較モジュール1412に提供する。閾値モジュール1413は、比較モジュール1412が使用する閾値を提供する。閾値モジュール1413は、ユーザインタフェース1450又はタッチスクリーン1470から閾値を受け取り得る。閾値は、例えば、直接的なユーザ入力によって特定され得る。閾値モジュール1413は、例えば、所望の温度であり得る。閾値1413は、乗員内及びその周囲の湿度、周囲湿度、車両内及び周囲の空気速度並びに乗員内及びその周囲の空気速度を考慮に入れ得る。閾値1413は、応答モジュール1411により調節され得る。例えば、閾値の周囲に所望の応答に対応する帯が提供され得、帯が広いほど遅い応答に対応する。システムは、例えば、具体的な温度設定が満たされなかったときではなく、帯から外れたときに応答する。帯は、パーセンテージで設定され得、5パーセント、10パーセント、15パーセントは、例えば、高速応答、中速応答及び低速応答に対応し得る。比較モジュール1412は、タイマ1414及びクロック1416と共に動作する。応答を実装する他の方法において、タイマ1414は、状況変化の時間を計測し得、比較モジュール1412からの状況変化からの時間が変化を示した後まで応答を提供しなくてもよい。その時間の経過後、加熱冷却モジュール1490によるより速い又は遅い応答が望ましい。比較モジュール1412は、したがって、乗員により増減され得る遅延を提供し得る。加熱冷却モジュール1490に関するコントローラ1410の応答の変化は、走行中にトンネルに入るとき、走行しながら日なたに出入りするとき(森林エリア)又は他の一時的に低温若しくは高温のエリアを走行するとき等、ごく短時間の状況が生じた場合、システムが過剰に動作しない点で有利である。
【0102】
コントローラ1410は、ワイヤコネクタ1417及び/又はトランシーバ1418も含み得る。ワイヤコネクタ1417は、ハードワイヤを通して各種のユーザインタフェース又はタッチスクリーンディスプレイ1470と通信する。配線コネクタ1417は、乗員状況センサ1440と通信するためにも使用され得る。トランシーバ1418は、ディスプレイ1470、ユーザインタフェース1450及び乗員状況センサ1440と無線で通信するために使用され得る。トランシーバは、コントローラ1410とデータ信号の送受信を行う。
【0103】
加熱冷却モジュール1490は、ヒータ1492、クーラ1494又は通気口1496を含み得る。ヒータ1492は、ダクトを通して吹き込む空気を加熱するために使用される加熱素子を含む様々な方法で実装され得る。クーラ1494は、システムのダクト内で空気から熱を取り除くことにより、空気の冷却を提供し得る。通気口1496は、移動する空気を、空気を加熱又は冷却せずに提供する。ヒータ1492は、加熱する装置1430内の抵抗ワイヤでも実装され得る。装置1492~1496の何れも、伝導により提供される電力を用いて実装され得る。
【0104】
次に、図15に関して、乗員センサ1440がハウジング1510内に示されている。ハウジング1510は、車両上又は乗員の衣類内に配置され得る。例えば、温度センサ1442、湿度センサ1444、空気速度センサ1446及び心拍数センサ1448は、1つのハウジング1510内に配置され得る。離散的センサも提供され得る。ハウジング1510は、衣類又は乗員に取外し可能に連結され得る。衣類に関して、センサは、衣類又はその中に永久的に取り付けられ得る。トランシーバ1512は、コントローラ1510との無線通信のためにハウジング1510内に提供され得る。より具体的には、トランシーバ1512は、図14に示されるトランシーバ1418と通信し得る。乗員センサを取り付ける他の例には、腕時計、携帯機器又はウェアラブルデバイスが含まれ得る。グローブ、靴、靴下、下着、上着、ベース層等の衣類の物品である。
【0105】
ワイヤコネクタ1514も提供され得、これを通して、ワイヤは、ワイヤによって図14に示されるワイヤコネクタ1417に連結され得る。
【0106】
前述のように、乗員状況センサの1つ又は複数を有する1つ又は複数のハウジング1510が提供され得る。複数のハウジング1510が提供される場合、センサ1442~1448の全てがその中に提供されないことがあり得る。また、ハウジング1510は、1つのセンサのみを含み得る。温度センサ1442、湿度センサ1444、空気速度センサ1446又は心拍数センサ1448の何れかが提供され得る。しかしながら、複数のセンサがハウジング内に又は個別に提供され得る。
【0107】
次に、図16A~16Iに関して、シート等の装置を制御するための複数のスクリーン表示が示されている。スクリーン表示は、装置を調整し、様々なユーザの設定を設定し、他のデータを乗員に提供するための方法に対応する。
【0108】
ここで、特に図16Aに関して、快適性管理システムは、オンボタン1610及びオフボタン1612を有し得、これは、ディスプレイ1470上に表示される快適性管理システムをオン及びオフするために使用される。スクリーン表示1608は、図14に示される快適性管理ボタン1472が選択されると表示され得る。オンボタン1610は、快適性管理システムをオンにし、したがって、ユーザは、様々なユーザ設定を提供するためのモードを入力することができる。オフボタン1612は、快適性管理システムをオフにする。制御のための装置が複数提供される場合、個々システムのための個別の制御手段が提供され得る。
【0109】
次に、図16Bに関して、ディスプレイ1470のスクリーン表示1620は、快適性管理システムが上記の表示1610上で「オン」にされると表示され得る。スクリーンディスプレイ1470は、制御する快適性管理システムの各種のコンポーネントを選択するために使用され得る。1つの態様において、足部ボタン1622は、快適性制御システムを調節し、足、ブーツ又は足先システムを制御するために使用され得る。手部ボタン1624は、乗員のためのグリップ又はグローブを制御するために使用され得る。上半身ボタン1626は、乗員の上半身又は胸部の温度を制御するために使用され得る。下半身ボタン1628は、乗員の臀部周囲の領域を制御するために使用され得る。頭部ボタン1630は、乗員に関連する頭部、ヘルメット又は帽子の周囲の温度を制御するために使用され得る。シートボタン1632は、車両のシートの加熱、冷却又は換気を制御するために使用される。
【0110】
次に、図16に関して、スクリーン表示1640が示されている。この例では、上向きボタン1642と下向きボタン1644とを有するシート制御手段が示されている。中央の表示1646は、温度を表示するために使用される。上向きボタンを選択することにより、表示1646内の温度が変化する。表示1646内の温度は、所望の温度に対応する。ボタン1644は、表示1646内の温度を下げる。シート制御手段は、スクリーン表示1640に示されているが、同様のインタフェースは、図16Bに示されるもの等の他の様々な位置についても使用できる。
【0111】
次に、図16Dに関して、スクリーン表示1650が示されている。スクリーン表示1650により、加熱冷却モジュールの加熱部分、加熱冷却モジュールの冷却部分又は加熱冷却モジュールの換気部分を手で選択できる。そのために、加熱ボタン1652により、加熱冷却モジュール1490の加熱制御を選択できる。冷却ボタン1654により、加熱冷却モジュール1490の冷却部の制御が可能となる。換気ボタン1656を選択すると、加熱冷却モジュール1490の換気を制御できる。
【0112】
「オート」ボタン1658は、所望の動作を自動的に選択するために使用される。例えば、オートボタン1658の選択により、システムは、前述の表示1646に示される温度等の所望の温度を探すために加熱と冷却とを切り替えることができる。前述のシステムの応答を切り替えることにより、システムは、加熱、冷却及び換気動作の急速で不効率な切り替えを行わないようにされる。
【0113】
次に、図16Eに関して、提供される加熱、冷却又は換気の量を増減させるためのスクリーン表示1660が示されている。スクリーン表示1660は、図16Dに示される加熱、冷却又は換気ボタン1652~1656の1つを選択すると表示され得る。この例において、「マイナス」ボタン1662と「プラス」ボタン1664とが提供され得る。インディケータ1666は、提供される加熱、冷却及び換気の量の強度を示すために表示され得る。スクリーン表示1660は、スクリーン表示1650上で加熱が選択されると「加熱」という用語を表示し得、スクリーン表示1650上で冷却ボタン1654が選択されると「冷却」を、スクリーン表示1650でセレクタ1656が選択されると「換気」を表示し得る。
【0114】
次に、図16Fに関して、スクリーン表示1670が示されている。スクリーン表示1670は、温度管理システムの応答性能を選択するために使用される。高速応答セレクタ1670、中速応答セレクタ1674又は低速応答セレクタ1676は、加熱冷却モジュール1490が所望の温度に応答するように命令される速度を制御するために作動され得る。インディケータ1678は、何れのセレクタ1672~1676が選択されたかに対応して点灯され得る。選択を知らせる他の方法は、スクリーンタッチティスプレイ1470のセレクタ1670~1676をハイライトするか又は異なる色にすることによる。
【0115】
次に、図16Gに関して、システムの応答性能を制御する別の方法として、スクリーン表示1680が示されている。この例では、ボタン1682は、ボックス1684内で所望の応答に移動され得る。例えば、スクリーンの、ボックス1684の「低」側に近い位置をタッチすることにより、ボタン1682は、タッチスクリーン上のタッチの対応する位置に移動される。
【0116】
次に、図16Hに関して、システムの故障状態を表示するためのスクリーン表示1686が示されている。この例では、「オーケー」ボタン1687及び「エラー」ボタン1688がオーケー状態又はエラー状態の何れかを表示するために使用される。エラー状態は、エラー源に関する表示又は特定の故障に対応する数字若しくは英数字コードと共に提供され得る。警告及び指示もエラーボタン1688内又はその付近に提供され得る。
【0117】
次に、図16Iに関して、スクリーン表示1690は、車両内の各種のシステムを同期させるための同期スクリーンを示す。この例において、シートボタン1692A、手部ボタン1692B、上半身ボタン1692C、下半身ボタン1692D、シートボタン1692D及び頭部ボタン1692Eは、快適性制御システムを他のシステムと同期させるために選択され得る。例えば、足部と手部とは、温度及び応答性能が同じになるように選択され得る。各種の加熱冷却モジュールの同期を選択するか又は選択を解除することにより、改善された乗り心地が得られる。スクリーン表示1690において、同期されたシステムは、ボタン1692A~1692Eを、これらが同期されたことを示すためにハイライトするか、色を付けるか又は他に変化させ得る。
【0118】
次に、図17に関して、加熱冷却モジュールを制御する高度な方法が示されている。ステップ1720では、車両又はユーザの周囲の周囲状況が特定される。図14に示されるセンサが使用され得る。ステップ1722では、ユーザ設定が特定される。前述のように、ユーザ設定は、ユーザインタフェースを通して提供され得、これは、ユーザのデータと共にユーザ設定信号を生成する。ユーザインタフェースは、単独のスイッチ又はタッチスクリーンであり得る。設定は、どの程度の加熱、冷却又は換気が望ましいかを示し得る。設定は、所望の温度又は湿度も示し得る。ステップ1724では、乗員の状況が特定される。これは、乗員の状況が加熱冷却モジュールの制御ために考慮される場合の任意選択の設定である。乗員の状況は、ブーツ若しくは靴、パンツ、ジャケット、シャツ、ヘルメット又はその他等の衣類内又は表面に提供されるセンサから特定され得る。
【0119】
ステップ1726では、システムの所望の応答がユーザ設定によって特定される。前述のように、システムの応答は、乗員が、システムに、所望又は標的の温度又は湿度に適合しようとしてどの程度迅速に変化することを望むかに対応する。例えば、ユーザが湿度を感じたくない(汗ばみたくない)場合、ユーザをそのようにするために換気システム又は冷却システムが増大され得る。
【0120】
ステップ1728では、加熱冷却モジュールは、周囲状況、ユーザ設定、乗員の状況及びシステムの応答に応答して制御される。温度に関して、温度が十分に高くない場合、加熱が提供される。温度が高すぎる場合、加熱は、オフにされ得る。同様に、過剰な水分が検出された場合、換気又は冷却が提供され得る。また、気温が変化すると、加熱の量と冷却の量は、乗員を所望の快適性に保つために増減され得る。
【0121】
次に、図18に関して、システムの全体的な動作が示されている。ステップ1810では、快適性管理システムが作動される。前述のように、これは、個別のスイッチ又はPolaris(登録商標)Ride Command(登録商標)System等のようなタッチスクリーンを用いて行われ得る。ステップ1812では、制御する乗員システムが選択される。車両の中には、シートのみを制御でき得るものがある。したがって、ステップ1812は、1つの制御システムのみが提供されている場合、行う必要がない。ステップ1814では、快適性制御システムのためのユーザ設定が提供される。ユーザ設定は、例えば、所望の温度を提供し得る。ステップ1816では、応答性能もユーザによって選択される。幾つかのシステムでは、応答性能が提供されなくてよい。前述のように、応答は、所望のユーザ設定を取得するためにシステムがどの程度迅速に制御されるかである。ステップ1818では、乗員の周囲の周囲状況が特定される。これらのステップは、1人の乗員のために行われるか、又はその車両内に何人の乗員がいても個別に行われ得る。周囲状況は、温度、風速、日光の量及び湿度を含み得る。例えば、車両が高速で走行しているとき、ドライバは、「風冷え」を体験し得る。この効果は、車両が低速であるとより少ない。
【0122】
乗員が個別の乗員状況センサを有する場合、乗員状況が検知されてコントローラに提供される。前述のように、特定の状況では、乗員の衣類は、その中にセンサを有し得る。センサは、コントローラにフィードバックを提供し、それにより加熱冷却モジュールに適切な変更が行われ得る。ステップ1822では、乗員状況がユーザ設定と比較される。乗員状況がユーザ設定と同じ又はほぼ同じである場合、ステップ1818及び1820が行われる。「ほぼ」という用語は、ステップ1822では、応答の量を示すために使用される。例えば、温度が所望の温度の特定の範囲内にある場合、加熱又は冷却モジュールにより提供される加熱又は冷却の量の変化は、調整されなくてよい。これは、システムの応答の一部である。
【0123】
ステップ1822では、乗員状況がユーザ設定と等しくないか、又はユーザ設定の周囲の範囲から外れている場合、加熱冷却システムは、ステップ1824で所望のユーザ設定を求めるように操作される。
【0124】
本開示を完全なものとし、その範囲を当業者に十分に伝えるために、例が提供されている。本開示の例の十分な理解を提供するために、特定のコンポーネント、装置及び方法の例等、多くの具体的な詳細が示されている。具体的な詳細が使用される必要はなく、例は、様々な形態で実施され得、また本開示の範囲を限定するように解釈されるべきではないことが当業者に明らかであろう。幾つかの例において、よく知られているプロセス、よく知られている装置の構造及びよく知られている技術は、詳細に説明されていない。
【0125】
上記の例の説明は、例示及び説明を目的として提供されている。これは、網羅的であること又は本開示を限定することを意図されていない。特定の例の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の例に限定されず、適当であれば互換可能であり、具体的に図示又は説明されていなくても、選択された例で使用できる。これらは、様々な方法で変更され得る。このような変更形態は、本開示からの逸脱とみなされず、そのような改変形態の全てが本開示の範囲に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図16I
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図18