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特許7235914回旋状厚紙製筒、当該回旋状厚紙製筒の製造装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】回旋状厚紙製筒、当該回旋状厚紙製筒の製造装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/10 20060101AFI20230301BHJP
   B65H 18/10 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
B65H75/10
B65H18/10
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022087721
(22)【出願日】2022-05-30
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】17/503,068
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522214314
【氏名又は名称】アブザック カナダ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ABZAC CANADA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエール ミシェル ダングラード
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-071081(JP,U)
【文献】特開2003-192237(JP,A)
【文献】実開平02-083854(JP,U)
【文献】特開昭60-079939(JP,A)
【文献】特開2004-338925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/00-75/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
300gsm以下の重さを有する複数の直巻き厚紙シートの層によって形成される筒状体壁を有する筒状体を含む回旋状厚紙製筒と、
前記回旋状厚紙製筒の周りで巻かれることで、前記筒状体壁上に10bar以上の半径方向圧縮力を生成する複数のプラスチックフィルム巻回体を前記回旋状厚紙製筒の周りに形成するプラスチックフィルムと、を備えるプラスチックフィルムロールであって、
前記厚紙シートは複数の繊維を含み、前記複数の繊維の全ては、前記筒状体に対する接線方向に整列することで、前記回旋状厚紙製筒が前記半径方向圧縮力に対する耐久性を持つことを可能にする、
プラスチックフィルムロール。
【請求項2】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体壁は約7.5mm未満の厚さを有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項3】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体壁に巻かれた前記プラスチックフィルムによって生じる前記半径方向圧縮力は、35bar以上である、プラスチックフィルムロール。
【請求項4】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、
前記壁の厚さは5mm未満で、
前記筒状体壁上での前記プラスチックフィルム巻回体によって生じる半径方向の圧縮力は、28bar以上である、
プラスチックフィルムロール。
【請求項5】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、60kg/mm以上の引張抵抗力を有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項6】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記厚紙シートは、約140gsm以下の重量を有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項7】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記直巻厚紙シートの前記複数の層は、6層~10層を含む、プラスチックフィルムロール。
【請求項8】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、
前記厚紙シートは、前記筒状体の外面上に肩部を画定する切断端部を含み、
前記肩部は、実質的に約1.2mm以下の高さを有する、
プラスチックフィルムロール。
【請求項9】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、7%以下の湿度レベルを有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項10】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、実質的に6%以下の湿度レベルを有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項11】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、実質的に4.5%に等しい湿度レベルを有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項12】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記厚紙シートは、トリミングされた厚紙から作られる、プラスチックフィルムロール。
【請求項13】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、
前記厚紙シートは、該厚紙シートの横方向に定義されるシート幅を有し、
前記シート幅は前記筒状体の長さに実質的に等しい、
プラスチックフィルムロール。
【請求項14】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記直巻厚紙シートの前記複数の層は、PVA、デキストリン、及びケイ酸塩からなる群から選択される接着剤を用いて接着される、プラスチックフィルムロール。
【請求項15】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、約40mm~200mmの内径を有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項16】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、約74mm~78mmの内径を有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項17】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記筒状体は、約76mmの内径を有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項18】
請求項1に記載のプラスチックフィルムロールであって、前記直巻厚紙シートは、約0.72mm~1.2mmのシート厚さを有する、プラスチックフィルムロール。
【請求項19】
300gsm以下の重さを有する複数の直巻き厚紙シートの層によって形成される筒状体壁を有する筒状体を含む回旋状厚紙製筒であって、前記厚紙シートは、複数の繊維を含み、前記複数の繊維の全ては、前記筒状体に対する接線方向に整列することで、前記回旋状厚紙製筒が前記筒状体壁上での10bar以上の半径方向圧縮力に対する耐久性を持つことを可能にする、回旋状厚紙製筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、厚紙製筒及び芯に関し、より詳細には、回旋状厚紙製筒並びに当該回旋状厚紙製筒を製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックで作られることが多い伸縮性又は伸縮可能なフィルムなどのフィルムを巻くために使用される厚紙製筒は、半径方向圧縮力に対する耐久力を必要とする。伸縮性フィルムの巻取り用に作られた厚紙製筒は通常、厚紙のプライを複数枚積層し、その厚紙のプライを筒が所望の幅になるまで30度の角度で螺旋状に巻くことによって作られる。螺旋状の筒の幅は、巻き付けるフィルムの品質とフィルムロールの直径の関数である。
【0003】
厚紙製筒の開発の際に広く用いられる主なパラメータは、筒を形成するのに用いられる厚紙のリングクラッシュ抵抗力(厚紙の円筒の端に軸方向の潰し力を印加するときに厚紙製筒を潰すのに必要な力によって測定される)と厚紙の剥離抵抗力(厚紙製筒を厚さ方向で2つに分割するのに要する力によって測定される)である。これらのパラメータは、ペーパーロールを巻き取るための筒及びコアを開発する際によく使われるもので、ペーパーロールが筒に半径方向の圧縮ではなく、線方向の圧縮をかけるため、半径方向の圧縮を伴う用途で使用する筒の設計には適さない場合がある。さらに、螺旋状巻きのコアでは、連続した2本の紙片(又はプライ)の間に小さな空間が存在することが多い。この隙間は、半径方向の圧縮を受けたときに、コアの破損につながる可能性がある。
【0004】
これまで、プラスチックフィルム用に開発された厚紙製筒は、繊維が多方向に配向している厚紙を使用されてきた。この配置が筒の強度を高めると一般に考えられているからである。螺旋状筒の強度を上げるため、既知の方法は厚紙からなる複数層のプライを使用する必要とする。このことは、長さの短いロールでも筒の壁を厚くし、相対的に大きくする必要があることを意味する。他の既知の方法は、より耐性のある厚紙を使用することで構成される。この方法は、一般的にコストがかかるため、厚紙製筒の価格を上昇させる。
【0005】
螺旋状厚紙製筒は、もともとロール紙の巻取り用に設計されたものであり、伸縮性フィルム又はプラスチックフィルムの巻取りに使用するのは、主に、厚紙製筒及びコアの製造業者が、明らかに経済的な理由から、筒の製造時に単一の機械及び工程を用いることを好んだことに由来している。しかし、螺旋状の筒は、半径方向の圧縮に耐えられるように特別に設計されていないため、半径方向の圧縮を伴う用途には最適ではないと考えられる。
【0006】
厚紙製筒及びコアを製造する他の方法として、厚紙のウエブを直線的に巻き取る方法がある。この方法は、厚紙製筒の製造が始まった当初は一般的に使用されていたが、様々な長さのコアを製造することが困難であり、筒の強度を高めるには巻数を増やす必要があり、その結果、筒の直径及び重量が大幅に増加し、実用的又は経済的でない恐れがあるので、現在は使用されなくなっている。
【0007】
特許文献1には、紙・厚紙工場から拒否されたロールを、紙・厚紙産業用の直巻きコアに成形して再利用する方法が記載されている。この方法は、製紙工場内でリジェクトされたロールを再利用するという利点を提供するが、上述したストレートロールの欠点に悩まされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】加国特許第2590067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って安価で製造が相対的に容易でありながら、半径方向の圧縮に耐え得る、伸長性フィルム及び/又はプラスチックフィルムの巻取りに特別に適合した厚紙製筒を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様によれば、上述した必要性の少なくとも1つを満たす、改良された厚紙製筒が提供される。
【0011】
従って、直巻き厚紙シートの複数の層によって形成される厚さが約7.5mm未満の筒状体壁を有する筒状体を含む回旋状厚紙製筒と、前記回旋状厚紙製筒の周りで巻かれることで、前記筒状体壁上に15bar以上の半径方向圧縮力を生成する複数のプラスチックフィルム巻回体を前記回旋状厚紙製筒の周りに形成するプラスチックフィルムと、を備えるプラスチックフィルムロールが供される。前記厚紙シートは、複数の繊維を含み、前記複数の繊維の少なくとも多数は、前記筒状体に対して整列することで、前記回旋状厚紙製筒が前記半径方向圧縮力に対する耐久性を持つことを可能にする。
【0012】
少なくとも1つの実施形態において、前記壁の厚さは、実質的に7.2mmに等しい。
【0013】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体壁に巻かれた前記プラスチックフィルムによって生じる前記半径方向圧縮力は、35bar以上である。
【0014】
少なくとも1つの実施形態において、前記壁の厚さは5mm未満で、前記筒状体壁上での前記プラスチックフィルム巻回体によって生じる半径方向の圧縮力は、28bar以上である。
【0015】
少なくとも1つの実施形態において、前記プラスチックフィルム巻回体は、前記回旋状厚紙製筒の周りに機械で巻かれる。
【0016】
少なくとも1つの実施形態において、前記繊維の全ては、前記筒状体に対して接線方向に実質的に整列する。
【0017】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体は、60kg/mm以上の引張抵抗力を有する。
【0018】
少なくとも1つの実施形態において、前記厚紙シートは、約300gsm以下の重量を有する。
【0019】
少なくとも1つの実施形態において、前記厚紙シートは、約140gsm以下の重量を有する。
【0020】
少なくとも1つの実施形態において、前記直巻厚紙シートの前記複数の層は、6層~10層を含む。
【0021】
少なくとも1つの実施形態において、前記厚紙シートは、前記筒状体の外面上に肩部を画定する切断端部を含み、前記肩部は、実質的に約1.2mm以下の高さを有する。
【0022】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体は、7%以下の湿度レベルを有する。
【0023】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体は、実質的に6%以下の湿度レベルを有する。
【0024】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体は、実質的に4.5%に等しい湿度レベルを有する。
【0025】
少なくとも1つの実施形態において、前記厚紙シートは、トリミングされた厚紙から作られる。
【0026】
少なくとも1つの実施形態において、前記厚紙シートは、該厚紙シートの横方向に定義されるシート幅を有し、前記シート幅は前記筒状体の長さに実質的に等しい。
【0027】
少なくとも1つの実施形態において、前記直巻厚紙シートの前記複数の層は、PVA、デキストリン、及びケイ酸塩からなる群から選択される接着剤を用いて接着される。
【0028】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体は、約40mm~200mmの内径を有する。
【0029】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒状体は、約74mm~78mmの内径を有する。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、前記筒状体は、約76mmの内径を有する。
【0031】
少なくとも1つの実施形態において、前記直巻厚紙シートは、約0.72mm~1.2mmのシート厚さを有する。
【0032】
別の態様によれば、回旋状厚紙製筒を製造する回旋状筒製造装置も提供される。当該装置は、入力端と該入力端の反対側に位置する出力端との間で延びて、ロール軸を中心とした前記ロールの回転を可能にするように厚紙のロールを受けるように構成されるフレームと、該フレームに回転可能に接続され、筒ローラ軸を有し、該筒ローラ軸が前記ロール軸に実質的に平行になるような方位をとる筒形成ローラを備える。前記筒形成ローラは、回旋状厚紙製筒を形成するため、前記筒形成ローラが回転するときに前記筒形成ローラの周りで厚紙のロールを回旋するように前記厚紙の終端を係合する捕捉機構をさらに備える。
【0033】
少なくとも1つの実施形態において、当該装置は、前記の形成された回旋状厚紙製筒を前記筒形成ローラから除去するための筒除去アセンブリをさらに備える。
【0034】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒除去アセンブリは、前記筒ローラ軸に平行な移動経路に沿って移動可能な運搬台と、該運搬台に固定され、前記筒形成ローラの近位に位置するアバット部材を含む。
【0035】
少なくとも1つの実施形態において、前記アバット部材は、前記筒形成ローラについて同軸に延在する環状部材を含む。
【0036】
少なくとも1つの実施形態において、前記環状部材は、前記の形成された回旋状厚紙製筒の外径よりも小さい内径を有し、それにより前記運搬台が該運搬台の移動経路に沿って移動することで、前記環状部材は前記の形成された回旋状厚紙製筒を押す。
【0037】
少なくとも1つの実施形態において、前記捕捉機構は、前記筒形成ローラ内に画定された少なくとも1つの吸引口と、該少なくとも1つの吸引口に動作可能に接続されて、前記少なくとも1つの吸引口を通じて吸引する吸引アクチュエータとを含む。
【0038】
少なくとも1つの実施形態において、前記少なくとも1つの吸引開口部は、前記筒ローラ軸に実質的に平行に互いに整列した複数の吸引開口部を含む。
【0039】
少なくとも1つの実施形態において、前記筒成形ローラは、複数の吸引ノズル部材をさらに含み、各吸引ノズル部材は、対応する吸引開口内に受容され、各吸引ノズル部材は、前記吸引ノズル部材が前記対応する吸引開口から部分的に外側に延びる拡張位置と、前記吸引ノズル部材が前記筒成形ローラ内に完全に収納される収納位置との間で移動可能である。
【0040】
別の態様によれば、回旋状厚紙製筒を製造するための回旋状筒製造装置も提供される。当該装置は、入力端と該入力端の反対側に位置する出力端との間に延びるフレームと、該フレーム内に回転可能に受容され、ロール軸を中心に回転可能で、少なくとも多数が前記ロール厚紙に対して接線方向に整列している複数の繊維を含む、ロール厚紙と、前記フレームに回転可能に接続されて、筒ローラ軸を有し、筒形成ローラであって、前記筒形成ローラは前記筒ローラ軸がロール軸と実質的に平行になるような方位をとり、前記筒形成ローラは、該筒形成ローラが回転して、回旋状厚紙製筒の接線方向に整列した繊維を含む回旋状厚紙製筒を形成するために前記筒形成ローラの周りに前記厚ペーパーロールを回旋するように前記厚ペーパーロールの終端と係合する捕捉機構をさらに備える。
【0041】
さらに別の態様によれば、回旋状厚紙製筒の製造方法も供される。当該方法は、予め選択された厚紙のロールを、前記ロールに接する機械方向に配向した複数の繊維を含む予め選択された厚紙の前記機械方向にほどくことによって、巻かれていない厚紙シートを得る段階と、前記巻かれていない厚紙シートを直巻きして、前記機械方向に配向した繊維を含む回旋状厚紙製筒にする段階と、前記巻かれていない厚紙シートを該巻かれていない厚紙シートの幅に沿って切断する段階を有する。
【0042】
少なくとも1つの実施形態において、当該方法は、前記予め選択された厚紙のロールをほどく段階後、前記巻かれていない厚紙に接着剤を塗布する段階を更に有する。
【0043】
少なくとも1つの実施形態において、前記予め選択された厚紙は、トリミングされた厚紙を含む。
【0044】
少なくとも1つの実施形態において、前記巻かれていない厚紙シートを該巻かれていない厚紙シートの幅に沿って切断する段階は、前記巻かれていない厚紙シートを直巻きして前記回旋状厚紙製筒にした後に行われ、前記回旋状厚紙製筒を前記巻かれていない厚紙シートの残りの部分から分離させる。
【0045】
少なくとも1つの実施形態において、前記予め選択された厚紙は、60kg/mm以上の引張抵抗力を有する。
【0046】
少なくとも1つの実施形態において、当該方法は、前記筒が7%以下の湿度レベルを有するまで、回旋状厚紙製筒を乾燥させる段階をさらに有する。
【0047】
少なくとも1つの実施形態において、当該方法は、所望の長さの回旋状厚紙製筒を形成するために、少なくとも2つの回旋状厚紙製筒を接続する段階をさらに有する。
【0048】
少なくとも1つの実施形態において、当該方法は、所望の長さを有する少なくとも1つの回旋状厚紙製筒片を形成するために、回旋状厚紙製筒を該回旋状厚紙製筒の長さに沿って切断する段階をさらに有する。
【0049】
少なくとも1つの実施形態において、前記予め選択された厚紙のロールをほどく段階は、前記ロールを第1回転軸に沿って回転させる段階を含む。
【0050】
少なくとも1つの実施形態において、前記巻かれていない厚紙シートを直巻きする段階は、前記第1回転軸に平行な第2回転軸に沿って前記巻かれていない厚紙シートを回転させる段階を含む。
【0051】
少なくとも1つの実施形態において、前記予め選択された厚紙の前記ロールをほどく段階と、前記巻かれていない厚紙シートを直巻きする段階は、同時に行われる。
【0052】
以下に開示される回旋状厚紙製筒は、前記筒を形成するために必要な原材料を最小限に抑えつつ、前記筒に巻かれた伸長性フィルムによって前記筒に及ぼされる半径方向の力に対する抵抗力が大きくなるので、既存の螺旋状又は直巻き厚紙製筒よりも製造コストが低くなる。
【0053】
また、前記回旋状厚紙製筒を形成するための前記原材料は、トリミングされた厚紙のロール、すなわち拒否された厚紙のロールから得られるので、トリミングされた厚紙のロールは、通常そのような筒に使用されるロールよりも安価であるので、製造コストはさらに低減される。さらに前記原料とトリミングされたロール厚紙を使用は、新たなロール厚紙の製造を不要とすることで、温室効果ガスを削減するので、環境面でも望ましい効果が生じる。
【0054】
トリミングされた厚ペーパーロールは、プラスチックフィルムの巻回に一般的に必要とされる筒の長さに対応する長さ、すなわち15インチから21インチの間にあるので、トリミングされた厚ペーパーロールからの厚紙は、一般的にその長さに沿って切断する必要がなく、本発明の回旋状厚紙製筒の製造に必要なステップを減少させることができる。また、前記所望の長さの回旋状筒を形成するために、複数の筒を連結する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1Aは、プラスチックフィルム又は伸張性プラスチックフィルムを巻くために使用される従来技術に係る螺旋状厚紙製筒の斜視図である。図1Bは、図1の従来技術に係る螺旋状厚紙製筒の正面図である。
図2図2Aは、本発明の一実施形態による、回旋状厚紙製筒の斜視図で、プラスチックフィルムが巻かれた回旋状厚紙製筒を示している。図中、半径方向の力が筒を圧縮している。図2Bは、図2Aに図示された筒の正面図である。図2Cは、本発明の好適実施形態による回旋状厚紙製筒の別の斜視図である。
図3】リングクラッシュテストの間の厚紙のリングを示す斜視図である。
図4】一実施形態による回旋状厚紙製筒製造装置の斜視図である。
図5A図4に示される回旋状筒製造装置の一部を示す斜視図で、筒形成ローラ及び切断アセンブリの詳細を示す。
図5B図5Aの透視図の領域Bから撮影された拡大部分で、筒除去アセンブリの詳細を示している。
図6図4に示される回旋状筒製造装置の側部断面図である。
図7】領域Aから撮影された図6の側面断面図の拡大部分で、厚ペーパーロールの終端を係合する捕捉機構の詳細を示す。
図8図8Aは、第1位置をとる図7に例示された筒成形ローラの側部断面図を示す概略図である。第1位置では、吸引ノズル部材が伸長位置にあり、吸引アクチュエータが作動して吸引ノズル部材が厚ペーパーロールの終端と係合して保持することができる。図8Bは、第2位置をとる図7に図示された筒形成ローラの側面断面図を示す概略図である。第2位置では、筒形成ローラは、回旋状厚紙製筒の第1巻回が筒形成ローラの周りに部分的に形成されるように第1位置に対して部分的に回転する。図8Cは、第3位置をとる図7に例示された筒形成ローラの側断面図を示す概略図である。第3位置では、回旋状厚紙製筒の第1巻回が筒形成ローラの周りに完全に形成される。
図9図9Aは、図5に図示された装置の出力端の方に位置する部分の斜視図である。ペーパーロールの終端が筒形成ローラと上部保持ローラとの間に配置され、上部保持ローラは終端から上方に離間している。図9Bは、図5に図示された装置の一部の斜視図である。上部保持ローラが筒形成ローラに向かって下降して、上部保持ローラと筒形成ローラとの間に終端を保持する。図9Cは、図5に図示された装置の一部の斜視図である。捕捉機構が、筒形成ローラが回転する際に筒形成ローラに対して終端を保持する作動している。図9Dは、図5に図示された装置の一部の斜視図である。回旋状厚紙製筒が筒形成ローラ上に形成され、上部保持ローラが依然として下降して回旋状厚紙製筒と接している。図9Eは、図5に図示された装置の一部の透視図である、上部保持ローラが、回旋状厚紙製筒の上に持ち上がることで、回旋状厚紙製筒を解放している。図9Fは、図5に図示された装置の一部の斜視図である。回旋状厚紙製筒が、筒除去アセンブリによって筒形成ローラから部分的に除去されている。
【0056】
本発明は例示的な実施形態と関連して説明されるが、本発明の範囲はそのような実施形態に限定されるべきではないことは理解されるであろう。それどころか、本明細書に含まれ定義され得る全ての代替物、修正物及び等価物を網羅することが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下の説明において、図面における同様の特徴には、同様の参照数字が付されている。明確にするために、特定の参照数字が既に先行する図において特定されている場合には、図から省略されている。
【0058】
半径方向の力に対する筒の抵抗力は、紙及び厚紙産業用に特別に設計された測定システムで測定することができる。
【0059】
本出願人は、いくつかの実験を通じて、直巻きされた厚紙製筒又は回旋状に巻かれた厚紙製筒が、一般に使用される螺旋状の厚紙製筒よりも半径方向の力に対する抵抗力が良好であることを明らかにした。
【0060】
「厚紙」という用語は、使用目的に応じて厚さ及び剛性が変化する紙系材料を指称する。
【0061】
「回旋状厚紙製筒」という用語は、螺旋状に巻かれた筒とは対照的に、直巻きされた筒又は直線状に巻回された筒を指称する。回旋状筒の壁の各「層」は、厚紙シートの単一の巻回体を意味する。
【0062】
具体的には、少なくとも一部の状況において、回旋状厚紙製筒と、同じ壁厚を有する従来の螺旋状筒との間で、少なくとも約21%の半径方向力抵抗力の改善が観測された。
【0063】
また、ある状況下では、半径方向の力に対する直巻筒の抵抗力は、以下のパラメータの1つ以上の関数である可能性があることが判明した。* 引張抵抗力(単位はkg/mm)* 厚紙の繊維の長さ及び/又は配向* 筒を形成する壁内の湿度レベル
【0064】
さらなる実験により、引張抵抗力が60kg/mm又は約5900bar・mm以上であれば、半径方向の圧縮に対する直巻厚紙製筒の抵抗力は十分であることが示された。この比率を求める試験は、例えば5mm(幅)×100mm(長さ)の厚紙シートの上端を取り付ける段階と、その反対側の下端に、シートが破裂するまで荷重を加える段階からなる。比率は、荷重(kg)をシートの厚さ(mm)で割ることで得られる。
【0065】
異なる種類の厚紙から作られたいくつかの筒の半径方向の圧縮を試験することによって、多方向に配向した繊維を有する厚紙シートから作られた筒はより耐性があるという一般的な考えとは逆に、その繊維の大部分又はすべての繊維は、実質的に筒が巻かれる方向(すなわち筒に対する接線方向)に配向した厚紙から作られた筒が半径方向の力に対して最も耐性があることも明らかになった。
【0066】
場合によっては、厚紙筒内の湿度レベルが、その全体的な抵抗力にさらに影響を与えることがある。フラットクラッシュテスト(筒が2枚の圧縮板の間に設けられ、2枚の圧縮板は筒の長手方向軸に垂直に筒の壁に圧力を加える)を行ったところ、筒の湿度レベルが1%異なると、筒の圧壊力に対する抵抗力が4~5%低下することが判明した。例えば筒内での湿度が5%の場合、筒を平らに押しつぶすのに10barの圧力が必要だが、湿度が6%の場合、筒を平らに押しつぶすのに必要な圧力は約9.5barとなる。
【0067】
本出願人が行った実験は、(上記のように直線又は垂直方向に圧縮する場合ではなく)筒に対して半径方向に力が加えられる半径方向圧縮に対する筒の抵抗力を試験する場合、筒内の湿度レベルに1%の差があると、筒の抵抗力が10~12%喪失することを示した。出願人により行われた他の実験は、筒内の湿度レベルが7%未満、より具体的には6%未満のときに筒が十分な半径方向の圧縮抵抗力を有し、湿度レベルが約4.5%のときにその抵抗力が安定することを示した。
【0068】
図1を参照すると、従来の螺旋状の厚紙製筒10と、筒10に巻かれたプラスチックフィルム又は伸長性フィルム12を備える従来のプラスチックフィルムロール5が示されている。プラスチックフィルム12は、その伸長特性のために、筒10に対して放射状に、筒10の長手方向中心軸に向かって概ね全周に分布する半径方向圧縮力Fによって巻かれている筒を圧縮する。対照的に、異なる特性を有する材料-たとえば実質的に伸長可能でない紙-が巻かれている筒は、半径方向の力を受けないであろう。その代わりに、筒が受ける主な力は、筒にかかる紙の重量による下向きの力であり、これは、筒を圧縮又は曲げる傾向があるだろう。
【0069】
図2A及び図2Bを参照すると、一実施形態に係るプラスチックフィルムロール15が示されている。プラスチックフィルムロール15は、回旋状厚紙製筒20と、回旋状厚紙製筒20の周りに巻かれたプラスチックフィルム50とを含む。具体的には、プラスチックフィルム50は、回旋状厚紙製筒20の周囲に複数のプラスチックフィルム巻回体を形成する。プラスチックフィルムの巻回により、回旋状厚紙製筒20に径方向圧縮力Fが生じ、回旋状厚紙製筒20は、この径方向圧縮力Fに抵抗するように設計される。回旋状厚紙製筒20は、直巻厚紙シートの複数の層26により形成された筒状体壁24により規定されている筒状体22を備える。具体的には、筒20の本体22は、厚紙又は紙系材料の連続シートを回旋状又は直巻きにすることによって作られる。「回旋」又は「直巻き」の工程は、最初の巻回の後の各巻回が、筒20の長手方向軸に対して実質的に垂直である巻回方向で前の巻回に重ね合わされることを意味する。したがってこの構成では、筒20の壁24の厚さは、厚紙シートの厚さに巻かれた回数を乗じたものに実質的に対応する。
【0070】
一実施形態では、直巻厚紙シートは、約0.72mmから1.2mmの間のシート厚さを有し、筒状体22は、6層~10層の直巻厚紙シートを含む。したがって、壁24は、7.5mm未満の壁厚、より具体的には7.2mm未満の壁厚を有してよい。あるいは、直巻厚紙シートは、任意の他の適切な厚さを有し得て、筒状体22は、壁24が任意の他の適切な壁厚さを有し得るように、上記以外の層数の直巻厚紙シートを含み得る。
【0071】
一実施形態では、直巻厚紙シートは、約300gsmすなわち300g/m2以下、より具体的には約140gsmすなわち140g/m2以下の重量を有する。あるいはその代わりに、直巻厚紙シートは、任意の他の適切な重量を有し得る。
【0072】
一実施形態では、筒状体22は、約40mm~200mmの内径、より具体的には約74mm~78mm、さらに具体的には約76mmの内径を有する。代替的に、筒状体22は、任意の他の適切な内径を有してもよい。
【0073】
図示された実施形態では、厚紙シートは切断端部60を含む。切断端部60は、厚紙シートが切断されるとき、又は回旋状厚紙製筒20を形成する前若しくは厚紙回旋状筒20が形成された後に形成される。厚紙製回旋状筒20における厚紙シートの最外側の巻きの端部に相当する。切断端部60は、筒状本体22の外面上に固定され、厚紙シートの厚さに起因して、筒状体22の外面上に段差又は肩部62を画定する。したがって、肩部62は、厚紙シートのシート厚に実質的に対応する高さを有してよい。例えば、一実施形態では、肩部62は、実質的に約1.2mm以下、より具体的には約0.72mm~1.2mmの高さを有する。あるいはその代わりに、肩部62は、任意の他の適切な高さを有してもよい。
【0074】
一実施形態では、厚紙シートの層は、PVA、デキストリン、及びケイ酸塩からなる群から選択される接着剤を用いて一緒に接着される。代替的に、厚紙シートの層は、任意の他の適切な接着剤又は任意の他の適切な固定技術を用いて一緒に固定され得る。
【0075】
図2Cに示されるように、厚紙シート28は、筒状体22の円周方向に実質的に配向している繊維30を含む。言い換えれば、繊維30は、厚紙シート28の巻回方向、すなわち、巻かれていない連続シート28の長さに沿って(すなわち、筒20に対する接線方向に)配向している。また、繊維30は、箱及び袋に使用される厚紙又は紙系シートに一般的に見られるような、長いものであることが好ましい。一実施形態では、厚紙シート28の繊維30の全てが、厚紙シート28の巻回方向に整列されている。あるいは、全てではないが大部分の繊維が、厚紙シート28の巻回方向に整列されている。
【0076】
図示された実施形態では、筒20を形成するために使用される厚紙は、実質的に約60kg/mm以上の引張抵抗力比によって特徴付けられる。あるいはその代わりに、筒20を形成するために使用される厚紙は、約60kg/mmとは異なる引張抵抗力比を有し得る。図3は、厚紙シート32のような厚紙シートの引張抵抗力比を測定する方法の一例を示している。この例では、一端に所定の厚さt、長さl及び幅wを有する厚紙シート32又は厚紙シート32の一部を貼り付け、その他端に厚紙シート32に張力を生じさせる荷重34を固定して、引張抵抗力比を測定する。荷重は、シート32が破断又は破裂するまで増加される。
【0077】
一実施形態では、筒状本体22の壁24内で測定される、回旋状厚紙製筒20の湿度レベルは、実質的に約7%以下で、より具体的には実質的に約6%以下で、更に具体的には4.5である。少なくともいくつかの状況において、7%以下、より具体的には6%以下の湿度レベルは、筒20に半径方向の圧縮に対する改善された耐性を与えることが観測されている。あるいはその代わりに、回旋状厚紙製筒20は、約7%を超える湿度レベルを有し得る。
【0078】
筒20を形成するために使用される厚紙シート32は、この目的のために特別に製造されてもよいが、厚紙シート28は、好ましくは、トリミングされた厚紙のロールから得られる。言い換えれば、厚紙製筒20を形成するために使用される原料は、製紙工場からの不合格紙から得られる。これは、筒20の全体的なコストを直接的に低減するので、半径方向圧縮が生じる用途向けの厚紙製筒20を製造するために使用される原料のコストに関して、多大な利点を提供する。あるいはその代わりに、厚紙シート28は、トリミングされた厚紙のロールから得られるのではなく、代わりに他の種類の厚紙を含んでもよい。
【0079】
一実施形態では、回旋状厚紙製筒20は長さLtを有し、厚紙シート32は長さLtに対応する長さLrを有するロールから得られる。厚紙シート32のこの特性により、筒20の製造時にその長さに沿ってシートを切断する必要性が不要になる。また、所望の長さの回旋状厚紙製筒を形成するために、複数の筒を接続する必要もなくなる。実際、トリミングされた厚紙Lrのロールは、一般に、15~21インチの長さであり、これは、有利となるように、伸長性フィルムを巻くために用いられる厚紙製筒の長さLtに対応する。
【0080】
代わりに別の実施形態では、トリミングされた厚紙Lrのロールは、厚紙製筒の必要な又は所望の長さLtよりも長くなり得る。この実施形態では、最初の厚紙製筒が形成され、その後、必要な又は所望の長さLtを有する1つ以上の厚紙製筒に切断され得る。
【0081】
あるいは、厚紙シートロールの長さLrが、回旋状厚紙製筒20の所望の長さに正確に対応しない場合、筒20は、接着剤、雄雌接合部、又は接合した筒の周りに仕上げバンドを螺旋状に巻くことなど、任意の適切な方法によって互いに接続した少なくとも2つの回旋状厚紙製筒によって形成することが可能である。
【実施例1】
【0082】
以下の表1は、第1の組の回旋状厚紙製筒について実施した試験の結果を、従来の螺旋状筒について実施した同様の試験の結果と比較した結果を含む。具体的には、各試験は、150mmの長さを有する筒に対して行われた。試験は、筒の全周にわたって半径方向内側に均一に力を加えることからなり、筒が破損するまで徐々に増加させた。この試験により,筒の直径と長さに依存しない最終半径方向圧縮強度を求めることができる。
【表1】
【0083】
表1の結果から、試験したすべての厚紙厚さについて、回旋状厚紙製筒の半径方向圧縮強度は対応する螺旋状筒よりも大きいことがわかる。少なくとも1つの場合(すなわち、4.6mmの厚紙厚さ)において、回旋状厚紙製筒は、対応する螺旋状筒に対して半径方向圧縮強度で約21%の改善さえ示している。
【実施例2】
【0084】
以下の表2は、2組目の回旋状厚紙製筒について実施した試験結果を、従来の螺旋状・筒について実施した同様の試験結果と再び比較した結果を示している。この試験は、再び、筒の全周にわたって均一な方法で半径方向内側に力を加えることからなり、筒が破損するまで徐々に増加させた。従来の螺旋状筒と厚紙厚の異なる回旋状厚紙製筒を選択し、各厚紙厚の回旋状厚紙製筒3本で試験を繰り返した。この例では、従来の螺旋状筒及び回旋状厚紙製筒は、いずれも重量160gsm、湿度約5%の厚紙製である。
【表2】
【0085】
本例では、実施例1と同様に各筒の最終半径方向圧縮強度を求めるとともに、単位板厚あたりの最終半径方向圧縮強度を求めた。その結果、ここに開示したように構成された回旋状厚紙製筒の最終径方向圧縮強度は、同じ厚さの筒について、従来の螺旋状筒の最終径方向圧縮強度より一貫して高いことが示された。
【0086】
[回旋状筒製造装置]
次に、図4から図7に目を向けると、一実施形態による、回旋状厚紙製筒20のような回旋状巻筒を製造するための回旋状筒製造装置100が示されている。この実施形態では、装置100は、紙が装置100に提供される入力端104と、入力端106の反対側に位置する出力端106とを有するフレーム102を含む。フレーム102は、出力端106に向かって用紙を供給するために、入力端104で用ペーパーロール150を受け取るように構成されている。具体的には、ペーパーロール150は、ペーパーロール150から、ある長さの紙をほどく、すなわち巻かれていない厚紙シート160を得るように、ロール軸R1を中心に回転可能である。巻かれていない厚紙シート160は、入力及び出力端104、106の間に配置された複数の中間ローラ110によって出力端106に向かって機械方向Mに移動させられる終端152(図7に最もよく示されている)を含む。一実施形態では、中間ローラ110はさらに、対応するアクチュエータによって上方及び下方に選択的に移動可能であり、ユーザが巻かれていない厚紙シート160に所望の張力を設定することを可能にする。
【0087】
「機械方向」Mは、入力端104から出力端106までの、巻かれていない厚紙シート160装置100を通って移動方向を意味する。この方向は、ペーパーロールの接線方向でもあり、ロール軸R1に対して垂直である。「横方向」Tは、機械方向に対して実質的に垂直である方向を意味する。
【0088】
装置100は、フレーム102に回転可能に接続され、筒ローラ軸R2を中心に回転可能な筒形成ローラ112をさらに含む。筒形成ローラ104は、ペーパーロール150の終端152に係合するように構成され、ペーパーロール150を筒形成ローラ104の周りに巻き付けるか、又は回旋するように回転する。具体的には、装置100は、巻き戻された用紙の終端を係止するための捕捉機構200を含む。これにより、巻かれていない用紙の終端152は、筒形成ローラ104の周りの円形経路に沿って案内され、回旋状筒の第1巻回を形成することができる。一旦筒の第1巻回が形成されると、終端152は、回旋状筒上に巻かれている最中である巻かれていないシートの下に割り込まれるため、捕捉機構200を解除することができる。あるいはその代わりに、捕捉機構200は、回旋状厚紙製筒20の形成全体の間、作動したままとすることも可能である。
【0089】
筒形成ローラ104は、回旋状厚紙製筒20の内径に実質的に等しい直径を有する。一実施形態では、筒形成ローラ104は、約40mm~200mmで、より具体的には約74mm~78mmの間で、さらに具体的には約76mmの直径を有する。あるいはその代わりに、筒成形ローラ104は、上記以外の値の直径を有し得る。
【0090】
従ってこの構成では、ペーパーロール150からの紙をほどくことと、巻かれていない厚紙シート160の筒形成ローラ112の周囲への巻き付けすなわち回旋の両方が、1つの連続した動作で実行され得る。具体的には、筒形成ローラ112は、ペーパーロール150がフレーム102上に受け取られたとき、筒ローラ軸R2とロール軸R1とが互いに平行になるように配向される。したがって、巻かれていない厚紙シート160は、ペーパーロール150からほどかれるとき、及び、筒形成ローラ112に巻かれて回旋状厚紙製筒20を形成するとき、機械方向に移動し続ける。
【0091】
回旋状厚紙製筒が複数の繊維を含み、そのうちの少なくとも大多数が回旋状厚紙製筒20に対して接線方向に整列している実施形態では、ペーパーロール150は、ペーパーロール上の厚紙がペーパーロール150に対して接線方向、すなわち機械方向にも配向している繊維を含むように選択される。したがって、繊維は、巻かれていない厚紙シート160が入力端104から出力端106に移動する際に、機械方向Mに整列したままである。
【0092】
図示された実施形態では、装置100は、筒形成ローラ112に巻かれている巻き戻し厚紙シート160に接着剤を塗布するための接着剤塗布アセンブリをさらに含む。一実施形態では、接着剤塗布アセンブリは、巻かれていない厚紙シート160が下の前の巻回体の上に巻回体を形成するように巻かれると同時に、巻かれていない厚紙シート160が前の巻回体上に接着されるように、筒形成ローラ112の上流で、巻かれていない厚紙シート160の下面に接着剤を塗るように構成される。別の実施形態では、接着剤塗布アセンブリは代わりに、接着剤塗布アセンブリが筒形成ローラ112の周りを一回転して、これから筒形成ローラ112上に新しい巻回体を形成する巻かれていない厚紙シート160の下に移動されると、各巻回体の外側側面に接着剤を塗布し、それによって巻回体を巻かれていない厚紙シート160の下側に接着するように構成され得る。一実施形態では、接着剤は、PVA、デキストリン、及びシリケートからなる群から選択され得る。代替的に、接着剤は、任意の他の適切な接着剤を含み得る。
【0093】
図示された実施形態では、回旋状厚紙製筒20を形成する厚紙シートの部分は、回旋状厚紙製筒20が形成されると、巻かれていない厚紙シート160の残りの部分から分離されるだけである。具体的には、装置100は、筒形成ローラ112の上流に、入力端104に向かって配置された切断アセンブリをさらに含む。巻かれていない厚紙シート160が所望の回数巻かれて、所望の巻数及び所望の厚さの回旋状厚紙製筒20を形成すると、切断アセンブリは、巻かれていない厚紙シート160に向かって移動されて、形成された回旋状厚紙製筒20を巻かれていない厚紙シート160の残りの部分から分離してよい。したがってこの構成では、装置100は、複数の別個の部分ではなく、単一の部分、すなわち巻かれていない厚紙シート160を操作し、これにより、製造工程が簡略化される。
【0094】
あるいは、回旋状厚紙製筒20を形成する厚紙シートのうち、回旋状厚紙製筒20を形成するために使用される部分を、回旋状厚紙製筒20の形成前に、巻かれていない厚紙シート160の残りの部分から分離することも可能である。
【0095】
ここで、図7図8Cに目を向けると、捕捉機構200は、筒形成ローラ112に画定された複数の吸引口202を含む。具体的には、筒形成ローラ112は中空であり、吸引開口部202と流体連通している内側チャネル204を含む。内側チャネル204は、さらに、ポンプなどの真空源に動作可能に接続され、吸引開口部202を介して吸引を生じさせる。具体的には、生じた吸引は、筒形成ローラ112に対して終端152を保持するのに十分である。
【0096】
図示された実施形態では、吸引開口部202は、筒ローラ軸R2に実質的に平行となるように互いに整列される。あるいはその代わりに、吸引開口部202は、任意の他の適切なパターンで配置され得る。さらに図示された実施形態では、各吸引開口部202は実質的に円形であるが、代わりに、吸引開口部202は細長いか又は任意の他の形状を有し得る。
【0097】
図示された実施形態では、捕捉機構200は、複数の吸引ノズル部材220をさらに含む。各ノズル部材220は、対応する吸引開口部202に受容され、筒形成ローラ112に対して相対的に移動可能である。具体的には、各吸引ノズル部材220は、吸引ノズル部材220が対応する吸引開口202から部分的に外側に延びる伸長位置と、吸引ノズル部材220が筒形成ローラ112内に完全に格納される格納位置との間で選択的に可動である。
【0098】
図示された実施形態では、各吸引ノズル部材220は、ソレノイドアクチュエータ又は電磁石のようなノズル部材アクチュエータ222に接続されており、このアクチュエータが作動すると、吸引ノズル部材220を格納位置から伸張位置へ移動させる。さらに図示された実施形態では、吸引ノズル部材220は、吸引ノズル部材220を格納位置に向かって付勢するばね部材224にさらに接続されている。この実施形態では、ノズル部材アクチュエータ222が非活性化されると、ばね部材224は、吸引ノズル部材220を伸張位置から格納位置へ戻すように移動させる。あるいは、ノズル部材アクチュエータ222は、代わりに、吸引ノズル部材220を格納位置から伸張位置へ、及び伸張位置から格納位置へ両方移動させ得る二方向アクチュエータを含み得る。
【0099】
図8Aに示されるように、吸引ノズル部材220は、最初に、終端152又は終端152に近接して巻かれていない厚紙シート160に係合するために、伸長位置にある。この位置において、真空源は、吸引ノズル部材220を通して吸引を提供するためにさらに作動される。図8Bに示されるように、筒形成ローラ112が前方に回転させられると、吸引ノズル部材220は、筒形成ローラ112に対して巻かれていない厚紙シート160を維持する。その後、図8Cに示すように、終端152が巻かれていない厚紙シート160の下に挟まれ第1巻回体が形成されるまで、筒形成ローラ112をさらに回転させる。この時点で、真空源は動作停止され得、吸引ノズル部材220は、残りの巻回体が形成されるにつれて引っ込んだ位置に移動され得る。一実施形態では、真空源は作用されたままであり得、吸引ノズル部材220は、最初のいくつかの巻線が形成されるにつれて、吸引ノズル部材220を格納位置に動かす前に巻回体が筒形成ローラ112からほどけるのを防ぐために巻回体の間に十分な摩擦があるように、伸長位置にとどまり得る。
【0100】
一実施形態では、筒成形ローラ112は、(複数の)第1巻回体を成形するときに第1回転速さで回転させ、残りの巻回体を成形するときに第1回転速さよりも大きな第2回転速さで回転させる。あるいは、筒形成ローラ112は、代わりに、すべての巻回体の形成を通じて一定の速さで回転させることもできる。
【0101】
さらに図示された実施形態において、装置100は、フレーム102に回転可能に接続され、筒形成ローラ112の上方に配置された上部保持ローラ300をさらに含む。具体的には、上側押さえローラ300は、筒形成ローラ112に対して概ね平行に延び、実質的に垂直に移動可能である。上部保持ローラ300は、上部保持ローラ300が筒形成ローラ112から上方に間隔を空けているアイドル位置と、上部保持ローラが筒形成ローラ112に向かって下降して巻かれていない厚紙シート160を筒形成ローラ112に対して保持する保持位置との間で上部保持ローラ300を選択的に移動するための上部保持ローラクチュエータにさらに操作可能に接続される。あるいは、装置100は、上部保持ローラ300を包含していなくてもよい。
【0102】
図示された実施形態では、装置100は、一旦形成された回旋状厚紙製筒20を筒形成ローラ112から除去するための筒除去アセンブリ400をさらに含む。具体的には、筒除去アセンブリ400は、筒ローラ軸R2に平行な移動経路に沿って移動可能な運搬台402と、運搬台402に固定され、筒形成ローラ112の近位に位置するアバット部材404を含む。
【0103】
図5A及び図5Bに示されているように、運搬台402は、管形成ローラ112の下方に延び、それに沿って移動可能な運搬台軌道406上に動作可能に取り付けられている。アバット部材404は、運搬台402とアバット部材404との間で実質的に垂直に延びる支持部材408を介して運搬台402に接続されている。図示された実施形態では、アバット部材404は、筒形成ローラ112の周囲に同軸に延びる環状部材410を含む。具体的には、環状部材410は、形成された回旋状厚紙製筒20の外径よりも小さい内径を有する。この構成において、運搬台軌道406上の移動経路に沿った運搬台402の移動は、環状部材410を筒形成ローラ112に沿って移動させ、筒形成ローラ112から完全に除去されるまで、形成された回旋状厚紙製管20をチューブ形成ローラ112の一端に向かって押し出すようにする。その後、運搬台402は、その初期位置に戻って移動することができ、その後、新しい回旋状厚紙製筒20を筒形成ローラ112上に形成することができる。
【0104】
上述した装置100は、回旋状厚紙製筒20のような回旋状厚紙製筒を製造する比較的高速かつ完全に自動化された方法を提供することが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、装置100は、約1m/s~約2m/sの速さで、巻かれていない厚紙シート160を巻いて回旋状厚紙製筒20を形成し、1分間に平均で約3個の回旋状厚紙製筒20を形成するように構成され得る。さらに、少なくとも過半数が接線方向、すなわち機械方向Mに配列された繊維を含むロール紙を用いることにより、形成された回旋状厚紙製筒20は、過半数が接線方向にも配列された複数の繊維を含むので、上記説明のとおり、回旋状厚紙製筒20の径方向の圧縮抵抗力が強化されている。
【0105】
巻かれていない厚紙シート160を単一方向、すなわち機械方向Mに移動させることは、例えば、その後独立して横方向に移動される、巻かれていない厚紙シート160を切断するのとは異なり、製造工程をさらに簡略化し、加速させることができる。
【0106】
[回旋状厚紙製筒の製造工程]
ここで図9A図9Fに目を向けると、一実施形態による、回旋状厚紙製筒20のような回旋状厚紙製筒を製造するための方法が示されている。以下の方法は、上述した装置100に関連して説明されているが、これは例示としてのみ提供されており、代わりに、この方法は異なる装置で実行され得ることが理解されよう。
【0107】
ペーパーロール150のようなペーパーロールがまず提供され、ほどかれる。具体的には、ペーパーロールは、1つの所望の特性に従って予め選択された厚紙を含む。例えば、ペーパーロール150は、ペーパーロール150に対して接線方向に実質的に整列している複数の繊維を含む、予め選択された厚紙を含む。
【0108】
図示された実施形態では、ペーパーロール150は、図4に示されるように、入力端104に向かって、フレーム102上に設置される。そして、ロール紙150を機械方向Mにほどいて、巻かれていない厚紙シート160を形成することができる。次いで、終端152は、筒形成ローラ112に係合するまで、出力端106に向かって移動される。
【0109】
巻かれていない厚紙シート160は、その後、直巻されるか、又は、回旋された、回旋状厚紙製筒20が機械方向Mに整列した繊維を含むように、回旋状厚紙製筒20を形成し得る。 一実施形態では、巻かれていない厚紙シート160は、約1~3m/秒の間の速さで巻かれ得る。代替的に、巻かれていない厚紙シート160は、上記とは異なる速さで巻かれ得る。
【0110】
図9Aを参照すると、一実施形態による巻かれていない厚紙シート160を回旋することで回旋状厚紙製筒20を形成するために、終端152は筒形成ローラ112の上に位置決めされる。上部保持ローラ300は、筒形成ローラ112から上方に間隔を空けるようなアイドル位置にあり、終端152は筒形成ローラ112と上部保持ローラ300との間に位置決めされる。
【0111】
図9Bに示すように、上部保持ローラ300は、次に、筒形成ローラ112の上方で巻かれていない厚紙シート160に接する保持位置まで下げられる。次いで、真空源が係合されて、吸引開口202を通して吸引を生じさせ、終端152を筒形成ローラ112に対して保持する。吸引ノズル部材220は、さらに、伸長位置に位置決めされてもよい。
【0112】
図9Cに示されているように、筒形成ローラ112は、その後、終端152を筒形成ローラ112に対して保持したまま、第1巻回体を形成するために前方に回転されてもよい。その後、筒形成ローラ112は、残りの巻回体を形成するために、同じ速さ以上で、さらに回転されてもよく、その間に、真空源が動作停止されてもよく、吸引ノズル部材220が格納位置へ戻されてもよい。PVA、デキストリン、又はケイ酸塩などの接着剤は、上述したように、筒形成ローラ112が回転する際にさらに提供される。一実施形態では、筒形成ローラは、合計で6回~10回回転され、6層~10層の厚紙を有する回旋状厚紙製筒20を形成する。あるいはその代わりに、筒形成ローラは、合計で上記以外の回数だけ回転されてもよい。
【0113】
図9Dは、筒形成ローラ112の周りに形成された回旋状厚紙製筒20を示し、上部保持ローラ300は回旋状厚紙製筒20に接している。図9Eに示されるように、その後、上部保持ローラ300は、アイドル位置に戻って上昇される。巻かれていない厚紙シート160は、筒形成ローラ112に近接した位置で幅方向に切断され、回旋状厚紙製筒20を巻かれていない厚紙シート160の残りの部分から分離させる。一実施形態では、巻かれていない厚紙シート160は、上部保持ローラ300が上昇する前に切断されるが、あるいはその代わりに、上部保持ローラ300が上昇した後に切断されることもあり得る。
【0114】
図9Fに示すように、その後、回旋状厚紙製筒20は、筒形成ローラ112から除去することができる。図示された実施形態では、回旋状厚紙製筒20は、筒除去アセンブリ400を使用して除去される。具体的には、運搬台402は、環状部材110が回旋状厚紙製筒20を筒形成ローラ112の端部に向かって押し、筒形成ローラ112から完全に外すように運搬台トラック406に沿って移動される。
【0115】
巻き戻された厚紙シート160が切断された位置は、今や、巻き戻された厚紙シート160の新しい終端を規定し、それは、次に、捕捉機構200によって係合されて新しい回旋状厚紙製筒20を形成できることが理解されるであろう。
【0116】
一実施形態では、その後、接着剤が付着される。具体的には、接着剤は、単にある時間を待つことによって付着され得る。あるいは、接着剤は、紫外線、熱、又は任意の他の適切な技術を使用するなどの能動的な接着剤セット技術を使用して付着又は硬化され得る。
【0117】
一実施形態では、回旋状厚紙製筒20はまた、その湿度レベルを所望の湿度レベルまで下げるために乾燥され得る。これは、実質的に等約7%以下で、より具体的には約4.5%の湿度レベルとなり得る。乾燥は、回旋状厚紙製筒20を比較的乾燥した環境に一定時間放置することによって行われ得るし、乾燥装置を用いて行われ得る。あるいは、回旋状厚紙製筒20は、乾燥されなくてもよい。
【0118】
一実施形態では、次に、プラスチックフィルム50のようなフィルムが、回旋状厚紙製筒20に巻かれて、プラスチックフィルムロール15を形成することができる。具体的には、プラスチックフィルム50を回旋状厚紙製筒20に巻き付けることは、回旋状厚紙製筒20の製造と同じ設備、すなわちプラスチックフィルムロール製造設備で実施され得る。例えば、装置100を用いて回旋状厚紙製筒20を製造する場合、装置100は、プラスチックフィルムロール製造施設に設けられてもよい。これにより、回旋状厚紙製筒20の製造とプラスチックフィルムロール15の製造との間の時間、操作回数、及び環境の変化の可能性を低減し、回旋状厚紙製筒20を所望の湿度レベルに維持することに寄与し得る。あるいは、回旋状厚紙製筒20は、回旋状厚紙製筒製造施設などの第1施設で製造され、後にプラスチックフィルムロール製造施設などの第2施設に搬送されて、プラスチックフィルム50が回旋状厚紙製筒20の周りに巻かれることも可能である。
【0119】
理解できるように、本発明の回旋状筒20は、その原料としてトリミングされた又はリジェクトされた厚紙を使用するので(実際、トリミングされた厚紙のロール、又はリジェクトロールは、回旋状筒又は螺旋状巻筒又はマンドレルの製造にこれまで使用されてきた厚紙のコストに対して比較的安い)、当技術分野で知られているものよりも製造コストが低いだけではなく、特定の特性(重量、引張り耐性、湿気レベル、繊維の配向)の厚紙を選択したことにより、筒を形成するのにより少ない材料を必要とするので、より安価なものとなる。また、本発明は、筒を作るために特別に厚紙を製造する必要がなく、トリミングされた厚紙を原料として使用することにより、温室効果を低減することができる。また、伸縮性フィルムやプラスチックフィルムを使用するような、半径方向の圧縮を伴う用途のニーズに特に適応している。有利なことに、螺旋状のコアの場合のように、連続する巻かれたストリップ又はプライとの間に間隔がないため、コアは、半径方向に圧縮されたときに破損する可能性が低くなる。
【0120】
さらに、回旋状厚紙製筒が、対応する従来の螺旋状の筒よりも薄い壁を有しながら、対応する従来の螺旋状の筒よりも同じ半径方向の圧縮力に耐え得るという事実は、さらなる利点を有し得る。例えば、巻かれた厚紙製筒は、よく筒形成ローラを回転させたときに巻回体に生じたかもしれないわずかな張力のために、接着剤が完全に固まる前に最終巻回体層における厚紙製筒の切断端が動く傾向がある「リバウンド」効果を受ける場合がある。より低い壁厚を有する筒を形成することは、この反発効果を低減し、それによって、接着剤が固まる間に筒の残りの部分に対する切断端の移動を防止するのに寄与することが観測されている。
【0121】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で詳細に説明され、添付の図面に示されているが、本発明はこれらの正確な実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくそこに様々な変更及び修正を及ぼすことができることが理解されよう。
【要約】      (修正有)
【課題】安価で製造が相対的に容易でありながら、半径方向の圧縮に耐え得る、伸長性フィルム及び/又はプラスチックフィルムの巻取りに特別に適合した厚紙製筒を提供する。
【解決手段】プラスチックフィルムロールは、300gsm以下の重さを有する複数の直巻き厚紙シートの層によって形成される筒状体壁を有する筒状体を含む回旋状厚紙製筒と、前記回旋状厚紙製筒の周りで巻かれることで、前記筒状体壁上に10bar以上の半径方向圧縮力を生成する複数のプラスチックフィルム巻回体を前記回旋状厚紙製筒の周りに形成するプラスチックフィルムと、を備える。前記厚紙シートは、複数の繊維を含み、前記複数の繊維の少なくとも多数は、前記筒状体に対する接線方向に整列することで、前記回旋状厚紙製筒が前記半径方向圧縮力に対する耐久性を持つことを可能にする。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図9-3】