(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20230302BHJP
H01R 9/00 20060101ALN20230302BHJP
【FI】
H01R4/48 C
H01R9/00 Z
(21)【出願番号】P 2021099044
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】521257640
【氏名又は名称】尊田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】尊田 浩二
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-183775(JP,U)
【文献】実開昭57-095770(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第00216289(GB,A)
【文献】特開昭54-050987(JP,A)
【文献】特開平06-140088(JP,A)
【文献】特開2009-140665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48
9/00
9/15- 9/28
11/11-11/12
25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片側にY型端子と呼ばれる導電性の端子形状
(2)もしくは丸型端子と呼ばれる導電性の端子形状
(3)を有し、反対側に電気機器用ケーブル(12)の絶縁被覆が取り除かれて表に出ている導体(7)の接続と絶縁被覆(8)の保持を同時にできる導体を接続する導電性バネ(5)と絶縁被覆を保持するバネ(13)を持ってい
て、
導体(7)を接続する導電性バネ(5)と絶縁被覆(8)を保持させるバネ(13)を同時に押し下げる構造(6)を持って
おり、
さらに、絶縁カバー(4)を有し、
同時に押し下げる構造(6)で導電性バネ(5)と絶縁被覆(8)を保持させるバネ(13)を押し下げたとき
Y型端子と呼ばれる導電性の端子形状
(2)もしくは
丸型端子と呼ばれる導電性の端子形状
(3)と絶縁カバー(4)の間で変形が起きないように、ネジ式の端子台へ絶縁カバー(4)が押し付けられ変形を防ぐ形状になっていることを特徴とする部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品に関する分野である。
【背景技術】
【0002】
電気機器用ケーブル12をネジ式端子台10に接続する場合、丸型端子もしくはY型端子と呼ばれる圧着端子を圧着機と呼ばれる専用工具を用いて、電気機器用ケーブル12と圧着端子を接続した上でネジ式端子台10に電気機器用ケーブル12を接続する。
【0003】
上記圧着機と呼ばれる専用工具が不要となる方法として、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台を使用する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-140665
【文献】特開2009-170207
【文献】特開2003-346941
【文献】特開平11-250960
【文献】特開平9-259962
【文献】特開2014-18888
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら既存の生産設備等において既にネジ式の端子台10が取り付けられており圧着端子を用いた電気機器用ケーブル12の接続が完了している場合、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台へ変更するためには、全ての接続済み電気機器用ケーブル12をネジ式の端子台10から取り外し、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台へ端子台を変更する作業を行った後、再び全ての電気機器用ケーブル12を接続し直さなければならない。この作業に多くの時間を要し、誤接続を起こす問題もあり変更作業は大変困難である。
【0006】
また、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台を既存の生産設備等に取り付けられるスペースが確保できるかという問題がある。
【0007】
全ての接続済み電気機器用ケーブル12ではなく一部の電気機器用ケーブル12のみネジ式端子台10から、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台へ変更することも考えらるが、ネジ式端子台10はネジ式端子台全体を一本のネジで一体化して固定しておりネジ式端子台の一部のみを簡単に取り外せないという問題がある。
【0008】
ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台は、電気機器用ケーブルは導体7と絶縁被覆8でできており、電気機器ケーブル12の絶縁被覆8をワイヤーストリッパーと呼ばれる工具で取り除き導体7を表に出し、導体7をワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台と接続する。
【0009】
しかしながら絶縁被覆8は保持されないため、電気機器用ケーブル12の荷重はワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台と接続している導体7に全てかかることになり、導体7と絶縁被覆8の境目で断線しやすくなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための発明は、
図1に示すように片側にY型端子と呼ばれる導電性の端子形状2もしくは丸型端子と呼ばれる導電性の端子形状3を有し、反対側に電気機器用ケーブル12の絶縁被覆が取り除かれて表に出ている導体7を接続する導電性バネ5と絶縁被覆8の保持を行うバネ13を持ち、導体7の接続と絶縁被覆8の保持を同時に行うための導電性バネ5とバネ13を同時に押し下げる構造6を持ち、構造6は押し下げる箇所に絶縁樹脂16が取り付けられており、導電性バネ5とバネ13は絶縁カバー4で覆われており、構造6を押し下げたとき導電性の端子形状2もしくは導電性の端子形状3と絶縁カバー4の間で変形が起きないようネジ式端子台10へ絶縁カバー4を押し付けて変形を防ぐ形状11を持ち、さらに導電性の端子形状1もしくは導電性の端子形状2を持った個所と、導体7を接続する導電性のバネ5が電気的に繋がっている部品を提供する。
【発明の効果】
【0011】
発電所等重要施設で電気配線用にネジ式端子台10を用いている場合、長時間滞在すると人体に影響がある過酷な環境となるような重大な事故が発生し、その過酷な環境のもとで断線した電気機器用ケーブル12の復旧や、故障したセンサ類を交換作業しなければならないことが起こったとき、現場で圧着端子および圧着工具を用いる時間的余裕がなく、応急処置として電気機器用ケーブル12の絶縁被覆8を取り除き導体7を表に出し、導体7をそのままネジ式端子台に接続するということが想定される。この場合導体7に電気機器用ケーブル12の荷重がかかることになり、電気機器用ケーブルの導体7と絶縁被覆8の境目で断線し再度復旧作業が発生する可能性がある。
【0012】
自動車や飲料品や半導体の量産ラインの既存の生産設備等にて電気機器用ケーブル12接続用にネジ式端子台10を用いている場合、センサ類やエアシリンダーなどのアクチュエータ類の故障が発生したときは、素早い故障部品の交換作業が必要となるが、圧着端子および圧着工具を用いた作業となり生産ラインの停止時間がのびるという問題がある。
【0013】
また自動車や飲料品や半導体の量産ラインの既存の生産設備等では、ネジ式端子台10に接続された全てのセンサ類やエアシリンダーなどのアクチュエータ類において故障の頻度は個別的な差異がある。頻繁に故障する一部のセンサ類やエアシリンダーなどのアクチュエータ類のために、全ての接続済み電気機器用ケーブル12とネジ式端子台10を取り外し、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台へ変更することは非効率で非現実的である。
【0014】
この発明は上記の問題を解決する方法を提供する。発明品である電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品1を用いることにより、既存の生産設備等に取り付けてあるネジ式端子台10を交換せずにそのまま使えてなおかつワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台のように配線作業が簡便になることを提供する。
【0015】
発明品である電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品1は、電気機器用ケーブル12の導体7の接続と、絶縁被覆8の保持を同時に行っており、導体7に電気機器用ケーブルの荷重が掛からず断線しにくい利点が生まれる。
【0016】
発明品である電気機器用ケーブルとネジ式端子台との間に接続する部品1は、ネジ式端子台10の中の一か所のみの使用からでも用いることができる。
【0017】
ネジ式端子台10の中で、発明品である電気機器用ケーブルとネジ式端子台1の間を接続する部品に取り換えた箇所は、取り換えたあと後しばらくして再びセンサ類の故障により配線作業が発生しても、ワンタッチ式あるいはスクリューレス方式あるいはイモネジ式と呼ばれる端子台のように配線作業が簡便になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】 電気機器用ケーブルとその電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品で片側にY型端子と呼ばれる導電性の端子形状を有する部品とネジ式端子台の図。
【
図2】 電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品で片側に丸型端子と呼ばれる導電性の端子形状を有する部品の図。
【
図3】 電気機器用ケーブルとその電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品とネジ式端子台が接続している図。
【
図4】 導体を接続する導電性バネと絶縁被覆を保持するバネとY型端子と呼ばれる導電性の端子形状を抽出した図。
【
図5】 電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品で片側にY型端子と呼ばれる導電性の端子形状を有する部品の断面図。
【
図6】 電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品で片側にY型端子と呼ばれる導電性の端子形状を有する部品に電気機器用ケーブルの導体を接続し絶縁被覆を同時に保持するため精密ドライバ16で導電性バネ5と絶縁被覆を保持するバネ13を押し下げているところの断面図。
【
図7】 電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品に電気機器用ケーブルの導体を接続し絶縁被覆を保持しネジ式端子台に接続している断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図3は本発明による電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品1の実施使用例を示す。電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品1の片側に付いているY型端子と呼ばれる導電性の端子形状2もしくは丸型端子と呼ばれる導電性の端子形状3でネジ式端子台と接続し、導電性の端子形状の反対側で電気機器用ケーブル12を接続する。
【0020】
図3において電気機器用ケーブル12と、電気機器用ケーブルとネジ式端子台の間に接続する部品1と、ネジ式端子台10は電気的に接続する。
【符号の説明】
【0021】
1 ネジ式端子台と電気配線の間を接続する部品
2 Y型端子と呼ばれる導電性の端子
3 丸型端子と呼ばれる導電性の端子
4 導体を接続する導電性バネと絶縁被覆を保持するバネを覆う絶縁カバー
5 導体を接続する導電性バネ
6 導体を接続する導電性バネと絶縁被覆を保持するバネを押し下げる構造
7 導体
8 絶縁被覆
9 ネジ式端子台の接続用導電押さえ板
10 ネジ式端子台
11 ネジ式端子台へ絶縁カバーを押し付ける形状
12 電気機器用ケーブル
13 絶縁被覆を保持するバネ
14 ネジ式端子台の接続用ネジ
15 ネジ式端子台の導電板
16 絶縁樹脂
17 精密ドライバー