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特許7236045サーバ、方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】サーバ、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/14 20120101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018112199
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019215679
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】新井 朗
(72)【発明者】
【氏名】中村 博之
(72)【発明者】
【氏名】守岡 太郎
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-122026(JP,A)
【文献】特開2014-092876(JP,A)
【文献】特開2017-041240(JP,A)
【文献】特表2005-529385(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199415(WO,A1)
【文献】特開2017-079066(JP,A)
【文献】特開2015-018545(JP,A)
【文献】特開2005-196323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程を取得する手段と、
取得された旅程を前記ユーザに提示する手段と、を備え、
前記ユーザの反応履歴又は前記ユーザのライフログは、前記特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、
生成された前記特定の旅の旅程は、実行される予定と関連付けられており、且つ前記ユーザの嗜好性に応じて旅の構成要素の組み合わせが異なるように構成されるサーバ。
【請求項2】
前記ユーザの反応履歴又は前記ユーザのライフログと、別のユーザの反応履歴又は前記別のユーザのライフログとを含む単一のグループの反応履歴又はライフログに基づいて、前記ユーザと前記別のユーザとを含む前記単一のグループに対応する嗜好性を推定する手段をさらに備え、
前記取得する手段は、前記推定する手段によって推定された嗜好性を反映するよう生成された旅程を取得する請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記提示する手段は、取得された旅程を前記ユーザの端末にネットワークを介して送信し、
取得された旅程は前記ユーザの端末において、カレンダに関連付けて表示される請求項に記載のサーバ。
【請求項4】
前記ユーザの端末からネットワークを介して、旅程の構成要素に対する反応を受け付ける手段と、
受け付けた反応に応じて生成された新たな旅程を、前記ユーザに提示する手段と、をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記旅程は、前記ユーザの既存の予定との衝突を避けるよう生成される請求項から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記提示する手段は、取得された旅程の構成要素に対応するオブジェクトが配置された前記ユーザの予定を示すカレンダを前記ユーザの端末に表示させる表示情報を生成し、
前記提示する手段は、更に、取得された旅程の構成要素に対する前記ユーザの反応を前記ユーザの端末から受け付けた場合に、受け付けた反応に基づき更新された旅程の構成要素に対応するオブジェクトで前記カレンダの表示を更新した表示情報を生成し、
更新された旅程の構成要素に対応するオブジェクトは、前記反応に応じた態様で表示されるように構成される、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項7】
取得された旅程の構成要素に対する前記ユーザの反応は取得された旅程の構成要素に対する前記ユーザの評価であり、
前記反応に応じた態様でオブジェクトが表示される場合、更新された旅程の構成要素に対応するオブジェクトのうち、更新前に肯定的な評価を受けた構成要素に対応するオブジェクトは、そうでないオブジェクトとは異なる態様で表示されるように構成される請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
サーバにおいて各工程が実行される方法であって、
旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程を取得する工程と、
取得された旅程を前記ユーザに提示する工程と、を備え、
前記ユーザの反応履歴又は前記ユーザのライフログは、前記特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、
生成された前記特定の旅の旅程は、実行される予定と関連付けられており、且つ前記ユーザの嗜好性に応じて旅の構成要素の組み合わせが異なるように構成される方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、
旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程を取得する機能と、
取得された旅程を前記ユーザに提示する機能と、をサーバに実現させ、
前記ユーザの反応履歴又は前記ユーザのライフログは、前記特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、
生成された前記特定の旅の旅程は、実行される予定と関連付けられており、且つ前記ユーザの嗜好性に応じて旅の構成要素の組み合わせが異なるように構成されるコンピュータプログラム。
【請求項10】
旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程又は特定の旅の構成要素を取得する手段と、
取得された旅程又は旅の構成要素を前記ユーザに提示する手段と、を備え、
前記ユーザの反応履歴又は前記ユーザのライフログは、前記特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、
前記提示する手段は、取得された旅程を前記ユーザの端末にネットワークを介して送信し、
取得された旅程は前記ユーザの端末において、カレンダに関連付けて表示されるサーバ。
【請求項11】
旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程又は特定の旅の構成要素を取得する手段と、
取得された旅程又は旅の構成要素を前記ユーザに提示する手段と、を備え、
前記ユーザの反応履歴又は前記ユーザのライフログは、前記特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、
前記旅程は、前記ユーザの既存の予定との衝突を避けるよう生成されるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅程を提案するためのサーバ、方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで旅行をしたことがないという大人は希であろう。旅行は趣味の一分野として確立されている。実際、多くの出版社、企業から旅行を扱う雑誌が刊行されている(例えば、非特許文献1参照)。このような雑誌を読みながら、あれこれ旅行の計画を立てることで楽しい時間を過ごすことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】http://crea.bunshun.jp/category/traveller、2018年6月6日検索
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、いつか旅行に行こうと、色々な旅行雑誌のバックナンバーを溜め込んでいても、いざ旅行を計画しようとすると、どの雑誌に、どの都市の旅行記事が書いてあったか探せなくなることが多い。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、過去の雑誌記事などのコンテンツを活用することにより、現在はクレジットカード上級会員などのみに提供されている旅のコンシェルジュサービスを、より広範囲のユーザに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程を取得する手段と、取得された旅程をユーザに提示する手段と、を備え、ユーザの反応履歴又はユーザのライフログは、特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、生成された前記特定の旅の旅程は、実行される予定と関連付けられており、且つ前記ユーザの嗜好性に応じて旅の構成要素の組み合わせが異なるように構成される。
【0007】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、旅の構成要素に関するコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された特定の旅の旅程を取得する機能と、取得された旅程をユーザに提示する機能と、をサーバに実現させ、ユーザの反応履歴又はユーザのライフログは、特定の旅に関する属性が設定される前に収集された情報であり、生成された前記特定の旅の旅程は、実行される予定と関連付けられており、且つ前記ユーザの嗜好性に応じて旅の構成要素の組み合わせが異なるように構成される。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、過去の雑誌記事などのコンテンツを活用することにより、旅のコンシェルジュサービスをより広範囲のユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る旅程作成支援サーバで実現されるサービスの概要を示す模式図である。
図2図1の旅程作成支援サーバのハードウエア構成図である。
図3図1の旅程作成支援サーバの機能および構成を示すブロック図である。
図4図3のコンテンツ保持部の一例を示すデータ構造図である。
図5図3のリコメンド反応履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図6図3のコンテンツ反応履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図7図3の移動履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図8図1の旅程作成支援サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図9】プラットフォームトップ画面の代表画面図である。
図10】記事画面の代表画面図である。
図11】旅程条件受付画面の代表画面図である。
図12】旅程提案画面の代表画面図である。
図13図12の旅程提案画面に表示される提案旅程に対するユーザの評価の一例を示す模式図である。
図14】代替旅程提案画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る旅程作成支援サーバ10で実現されるサービスの概要を示す模式図である。旅程作成支援サーバ10は、旅行等に関する記事の閲覧履歴を基に、対象のユーザ12に特化した旅のプランを自動的に生成し、ユーザ12に提供する。具体的には、旅行等に関する記事を保有している雑誌社からデジタルコンテンツを購入して旅程作成支援サーバ10に蓄積し、旅程作成支援サーバ10により提供されるサービスの会員向けに雑誌横断で行き先別(国別・都市別)に分類して検索できる機能を提供する。旅程作成支援サーバ10は、ユーザ12が「いきたい」を押した雑誌記事を、宿泊・食事・アクティビティ等に要素分解し、ユーザ12の嗜好に特化した旅程を自動組成する機能を提供する。なお、このように生成された旅程から飛行機の予約への動線を設けてもよい。
【0013】
旅程作成支援サーバ10のデータベースには以下の情報が登録される。
・雑誌記事のアーカイブ(閲覧記録、いきたいの有無、ハイライト、ブックマーク等を伴ってもよい)
・移動履歴
・クレジットカード利用履歴
・個人属性(男女の別、年代等)
・嗜好情報(アンケート情報等)
旅程作成支援サーバ10は、データベースに登録されているこれらの情報に基づいてユーザ12の嗜好を推定し、推定された嗜好に合った旅程を自動的に生成し、ユーザ12に提案する。
【0014】
ユーザ12は、提案された旅程をユーザ端末14のディスプレイで確認する。ユーザ12は、提案された旅程を気に入ればそのまま自分のカレンダに登録し、予約等の準備を行う。ユーザ12は、旅程に気に入らない部分があると、その部分を指定して旅程作成支援サーバ10に旅程の変更を要求する。旅程作成支援サーバ10は、その要求に応じて新たな旅程を生成し、生成された新たな旅程を応答としてユーザ端末14に返す。ユーザ端末14は、応答として受け取った新たな旅程をユーザ端末14のディスプレイに表示させる。ユーザ12は新たな旅程を確認する。
【0015】
このように、旅程作成支援サーバ10では、過去にユーザ12が雑誌記事につけた評価(いきたい等)に基づいて推定されたユーザ12の嗜好を反映するように旅程を生成し、生成された旅程をユーザ12に提示する。したがって、ユーザ12は、あたかも自分のことをよく知っているコンシェルジュから旅程の提案を受けているかのような体験をすることができる。
【0016】
また、一回提案して終わりではなく、提案された旅程に対するユーザ12の反応を受け付け、受け付けた反応に応じて新たな旅程を生成するので、ユーザ12との間でインタラクティブに適切な旅程生成を進めることができる。これにより、さらに豊かなユーザ体験が提供される。
【0017】
図2は、図1の旅程作成支援サーバ10のハードウエア構成図である。旅程作成支援サーバ10は、メモリ130と、プロセッサ132と、通信インタフェース134と、ディスプレイ136と、入力インタフェース138と、を含む。これらの要素はそれぞれバス140に接続され、バス140を介して互いに通信する。
【0018】
メモリ130は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ130に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ132は、メモリ130に記憶されているプログラムを実行することにより、旅程作成支援サーバ10における各種機能を実現する。通信インタフェース134は、旅程作成支援サーバ10の外部、例えばユーザ端末14、との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース134はネットワークにアクセスするためのインタフェースを含む。ディスプレイ136は、各種情報を表示するためのデバイスであり、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。入力インタフェース138は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力インタフェース138は、例えば、マウスやキーボードやディスプレイ138上に設けられたタッチパネルを含む。
【0019】
図3は、実施の形態に係る旅程作成支援サーバ10の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0020】
旅程作成支援サーバ10とユーザ端末14とはインターネットなどのネットワーク16を介して接続され、ネットワーク16を介して通信する。ユーザ端末14は、スマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCなどの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の端末であってもよい。本実施の形態におけるユーザ端末14の画面表示機能および情報入力機能は、ブラウザベースで実現されてもよいし、ネイティブアプリケーションプログラムにより実現されてもよい。
【0021】
旅程作成支援サーバ10は、旅行等の記事に対するユーザの反応履歴に基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう生成された旅程を取得し、取得された旅程をユーザに提示する。旅程作成支援サーバ10は、モデル旅程保持部102と、嗜好性推定モデル保持部104と、リコメンド反応履歴保持部106と、コンテンツ反応履歴保持部108と、移動履歴保持部110と、ユーザ活動履歴保持部112と、コンテンツ保持部114と、旅程表示制御部116と、コンテンツ表示制御部118と、嗜好性推定モデル生成部120と、を備える。
【0022】
図4は、図3のコンテンツ保持部114の一例を示すデータ構造図である。コンテンツ保持部114は、コンテンツ(例えば、雑誌の記事)を特定するコンテンツIDと、記事のタイトルと、記事が掲載されている雑誌の名前と、記事が掲載された年月と、記事に含まれる写真のファイルと、記事に関連する場所と、記事に関連する場所の最寄り空港と、記事の種類と、記事を特徴付けるキーワードと、記事のファイルと、を対応付けて保持する。記事の種類は例えば「食事」、「宿泊」、「アクティビティ」を含む。
【0023】
コンテンツ保持部114に登録する記事は、例えば旅にまつわるコンテンツ記事を保有する雑誌社から購入されてもよい。各社の過去5年程度の記事をデジタル化しキュレーション(行き先別(国別・都市別)に分類)し、デジタル地図上にマッピングしてもよい。コンテンツ保持部114に登録される記事の属性、例えばタイトル、雑誌名、掲載年月、写真、場所、最寄空港、種類、キーワード、は、人手で付与されてもよい。コンテンツは動画でもよい。
【0024】
図5は、図3のリコメンド反応履歴保持部106の一例を示すデータ構造図である。リコメンド反応履歴保持部106は、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザに提案した旅程を特定するリコメンドIDと、提案した旅程の構成要素(例えば、提案したホテル、レストラン、アクティビティ等)であるリコメンド対象と、リコメンド対象がユーザに採用されたか否かを示す採用可否と、を対応付けて保持する。本実施の形態において、構成要素の採用可否は構成要素に対するユーザの反応の一態様である。特にリコメンド対象がユーザに採用されることはリコメンド対象がユーザに肯定的に評価されることの一態様であり、採用されないことは否定的に評価されることの一態様である。
【0025】
本明細書において、旅の構成要素は以下を含むがそれらに限定されない。
・旅の目的地
・目的地への移動手段
・宿泊先
・食事
・アクティビティ
【0026】
図6は、図3のコンテンツ反応履歴保持部108の一例を示すデータ構造図である。コンテンツ反応履歴保持部108は、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザが閲覧したコンテンツを特定するコンテンツIDと、コンテンツのキーワードと、キーワードに対する「いきたい」の有無と、ユーザが記事をブックマークしたか否かを示す情報と、を対応付けて保持する。ユーザは記事を読んでその記事を良いまたは好むと評価した場合に、その記事全体に対する「いきたい」ボタンを押す。ユーザは記事のある側面に特に惹かれた場合には、その側面に対応するキーワードに対する「いきたい」ボタンを押す。ユーザは記事を自分のお気に入りに入れるために記事をブックマークする。
【0027】
図7は、図3の移動履歴保持部110の一例を示すデータ構造図である。移動履歴保持部110は、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザが搭乗した飛行機の便名または乗車した列車の号名と、搭乗日と、出発空港または駅と、到着空港または駅と、を対応付けて保持する。旅程作成支援サーバ10は、外部の航空会社のサーバや鉄道会社のサーバから、移動履歴保持部110に登録する情報を取得してもよい。
【0028】
本明細書において、ユーザのライフログは以下を含むがそれらに限定されない。
・過去の搭乗履歴
・宿泊先
【0029】
図3に戻り、ユーザ活動履歴保持部112は、クレジットカードの利用履歴など上記以外のユーザの活動履歴を保持する。モデル旅程保持部102、嗜好性推定モデル保持部104はそれぞれ後述のモデル旅程の情報、嗜好性推定モデルの情報を保持する。
【0030】
コンテンツ表示制御部118について説明する。図9は、プラットフォームトップ画面200の代表画面図である。コンテンツ表示制御部118は、コンテンツ保持部114を参照してプラットフォームトップ画面200を生成する。コンテンツ表示制御部118は、ネットワーク16を介してユーザ端末14のディスプレイに、プラットフォームトップ画面200を表示させる。プラットフォームトップ画面200は、それぞれが対応する記事の概要を表示する複数の記事パネル206を含むパネル表示領域204と、パネル表示領域204に表示する記事のカテゴリを選択可能に構成されたカテゴリ選択領域202と、を有する。
【0031】
ユーザがパネル表示領域204に表示される複数の記事パネル206のうちのひとつを指定すると、ユーザ端末14は指定された記事パネル206に対応する記事を特定する情報をネットワーク16を介して旅程作成支援サーバ10に送信する。コンテンツ表示制御部118は、受信した情報で特定される記事をコンテンツ保持部114から取得し、記事画面208を生成する。
【0032】
図10は、記事画面208の代表画面図である。コンテンツ表示制御部118は、ネットワーク16を介してユーザ端末14のディスプレイに、記事画面208を表示させる。記事画面208は、記事の内容と共に、記事の全体に対する「いきたい」ボタンである全体いきたいボタン210と、記事の各キーワードに対する「いきたい」ボタンであるキーワード別いきたいボタン212と、を有する。記事全体またはキーワードに対して「いきたい」ボタンが押されるということは、ユーザが記事全体またはキーワードに興味や関心を持っていることを示す。
【0033】
ユーザが記事画面208に表示される「いきたい」ボタンのうちのひとつを指定すると、ユーザ端末14は指定された「いきたい」ボタンに対応する記事全体またはキーワードを特定する情報をネットワーク16を介して旅程作成支援サーバ10に送信する。コンテンツ表示制御部118は、受信した情報でコンテンツ反応履歴保持部108の項目「いきたい有無」を更新する。例えば、図6の例では、ユーザID「U001」のユーザがコンテンツID「A11」の記事に併せて表示されるキーワード「ディナー」に対するキーワード別いきたいボタンを押すと、コンテンツ表示制御部118はコンテンツ反応履歴保持部108のキーワード「ディナー」に対応するいきたい有無を「無」から「有」に更新する。
【0034】
ユーザは、キーワード別いきたいボタン212に示されるキーワード以外に気になるワードを発見した場合、記事中の該当ワードをカーソル240で指定することでハイライト化する。コンテンツ表示制御部118は、ハイライト化されたワード242に関連付けて、いきたい付与を可能とするダイアログ244を表示させる。ユーザがダイアログ244でいきたい付与を指示すると、コンテンツ表示制御部118はハイライト化されたワード242をいきたい「有」としてコンテンツ反応履歴保持部108に新規登録する。
【0035】
図3に戻り、嗜好性推定モデル生成部120は、コンテンツ反応履歴保持部108に保持される履歴、リコメンド反応履歴保持部106に保持される履歴、移動履歴保持部110に保持されるライフログおよびユーザ活動履歴保持部112に保持される他の履歴やライフログのうちの少なくともひとつに基づき、ユーザの嗜好性を推定するモデルを生成する。特に嗜好性推定モデル生成部120は、少なくともコンテンツ反応履歴保持部108に保持される履歴のうちいきたいまたはブックマークが有る記事またはキーワードに基づいて、ユーザの嗜好性を推定するモデルを生成する。このモデルは例えば統計モデルや機械学習モデルであってもよい。
【0036】
例えば、嗜好性推定モデル生成部120は移動履歴保持部110を参照し、ユーザが同じ場所を何度も訪れる傾向を有するか否か(リピータか否か)を判定する。嗜好性推定モデル生成部120は、該傾向を有するユーザには以前に訪れたことがある場所への旅行に係る旅程を生成し、有さないユーザにはこれまで訪れたことのない場所への旅行に係る旅程を生成する。また、嗜好性推定モデル生成部120はコンテンツ反応履歴保持部108を参照し、ユーザがキーワード「山」に関する多くの記事にいきたいを付与している場合、トレッキングツアーに係る旅程を生成する。さらに、そのユーザがキーワード「バーベキュー」に関する多くの記事をブックマークしている場合、嗜好性推定モデル生成部120は生成する旅程の食事をバーベキューに設定する。また、嗜好性推定モデル生成部120はリコメンド反応履歴保持部106を参照し、ユーザがイタリアンのレストランを不採用としている場合、新たに生成する旅程の食事の選択肢からイタリアンを除外する。
【0037】
以下、モデルの例を説明する。
嗜好性推定モデル生成部120で用いる履歴データを以下の様に表す。
・コンテンツへの反応履歴:{c1,c2,c3,・・・}
・移動履歴:{m1,m2,m3,・・・}
・その他履歴:{o1,o2,o3,・・・}
例えば、c1はある記事に対応し、該記事にいきたいが有れば1、無ければ0となる二値のパラメータである。あるいはまた、c1はある記事に対応し、該記事にいきたいが有りかつブックマークされていれば3、いきたいは無いがブックマークされていれば2、いきたいは有るがブックマークが無ければ1、いきたいもブックマークもなければ0となるパラメータである。
【0038】
モデル旅程保持部102に保持されるモデル旅程の一例を以下の様に表す。
・マッターホルン:M={M1,M2}
・マッターホルン1:M1={フライトF1、フライトF2、アクティビティA1、宿泊H1、食事B1、食事B2、食事B3}
・マッターホルン2:M2={フライトF2、フライトF4、アクティビティA2、宿泊H2、食事B4、食事B5、食事B6}
【0039】
この場合、嗜好性推定モデル生成部120で生成される嗜好性推定モデルの一例は以下の様に表される。
効用関数U=βc1c1+βc2c2+βc3c3+・・・+βm1m1+・・・+βo1o1+・・・
上記のように、コンテンツへの反応履歴、移動履歴、その他履歴に基づき効用関数を定義し、反応履歴を教師データとして係数βを推定する。効用関数が最大になる旅程群「マッターホルン:M」をリコメンドする。
【0040】
嗜好性推定モデル生成部120で生成される嗜好性推定モデルの別の例は以下の様に表される。
効用関数UM1=βF1F1+βF2F2+βA1A1+・・・
上記のように、他の人へのリコメンドへの反応の結果(リコメンド反応履歴保持部106から取得される)に基づき効用関数を定義し、反応履歴を教師データとして係数βを推定する。効用関数が最大になる旅程「マッターホルン1:M1」をリコメンドする。
【0041】
嗜好性推定モデル生成部120は、係数βなどの生成されたモデルの情報を嗜好性推定モデル保持部104に格納する。
【0042】
旅程表示制御部116について説明する。図11は、旅程条件受付画面214の代表画面図である。旅程表示制御部116は、ユーザの既存の予定を参照して旅程条件受付画面214を生成する。旅程表示制御部116は、ネットワーク16を介してユーザ端末14のディスプレイに、旅程条件受付画面214を表示させる。旅程条件受付画面214は、旅行の期間の入力を受け付ける期間入力領域216と、作成ボタン218と、ユーザの既存の予定に対応する既存予定オブジェクト222が配置された電子カレンダを表示するカレンダ表示領域220と、を有する。本実施の形態では、既存の予定には優先度が付与されており、各既存予定オブジェクト222は、対応する既存の予定の名前と、付与されている優先度と、を表示する。なお、期間入力領域216に代えてまたは加えて、希望の旅行先の入力を受け付ける旅行先入力領域を設けてもよい。あるいはまた、期間入力領域216も旅行先入力領域も設けず、反応履歴のみから旅程を提案するよう構成してもよい。
【0043】
ユーザが期間入力領域216に旅行の期間を入力し、作成ボタン218を押すと、ユーザ端末14は入力された旅行の期間をネットワーク16を介して旅程作成支援サーバ10に送信する。旅程表示制御部116は、受信した旅行の期間と嗜好性推定モデル保持部104に保持される嗜好性推定モデルとモデル旅程保持部102に保持されるモデル旅程とに基づいて、ユーザに提案する旅程(以下、提案旅程という)を生成する。このように生成される提案旅程は、記事に対するユーザの反応履歴に基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映する。さらに旅程表示制御部116は、優先度がしきい値(例えば、優先度が0~100のときの50)以上の既存の予定との衝突を避けるよう提案旅程を生成する。または、旅程と衝突する既存の予定の優先度の合計値を最小化するように提案旅程を生成してもよい。旅程表示制御部116は、提案旅程の生成の際に、飛行機の空席情報や会員情報を参照してもよい。旅程表示制御部116は、生成された提案旅程を表す旅程提案画面224を生成する。
【0044】
図12は、旅程提案画面224の代表画面図である。旅程表示制御部116は、ネットワーク16を介してユーザ端末14のディスプレイに、旅程提案画面224を表示させる。旅程提案画面224は、提案旅程のおおよその予算を表す予算表示領域226と、提案旅程を電子カレンダに関連付けて表示するカレンダ表示領域228と、を有する。カレンダ表示領域228には、既存予定オブジェクト222に加えて、提案旅程の構成要素に対応する提案旅程オブジェクト230が電子カレンダ上に表示される。
【0045】
図12の例では、提案旅程は優先度が「100」の既存の予定と重ならないように生成されるが、優先度が「20」の既存の予定は優先度が低いので提案旅程の生成の際に無視される。これにより、ユーザの既存の予定への影響を最小化または低減しつつ適切な旅程を提案することができる。
【0046】
旅程表示制御部116は、提案旅程の構成要素の属性や状態に応じて対応するオブジェクトの表示態様(色、テクスチャ、透過率など)を異ならせる。例えば、旅程表示制御部116は、食事や宿泊先に対応するオブジェクトについて、対応するレストランやホテルが現存することが確認されている場合とそうでない場合とで表示態様を異ならせる。旅程表示制御部116は、フライトや宿泊先に対応するオブジェクトについて、対応する便やホテルの空席数/残室数に応じて表示態様を変える。図12の例では、提案旅程の構成要素「フライトF1」、「食事B1」、「アクティビティA1」、「食事B3」に対応するオブジェクトは同じ態様で表示される(以下、表示態様1という)。提案旅程の構成要素「食事B2」に対応するオブジェクトの表示態様と、構成要素「宿泊先H1」に対応するオブジェクトの表示態様と、表示態様1と、は互いに異なる。これは、「食事B1」、「食事B3」のレストランは現存が確認される一方、「食事B2」のレストランは現存が確認されていないこと、および、「フライトF1」の空席数は十分あるが、「宿泊先H1」の残室数は残りわずかであることを示す。これにより、ユーザは構成要素の属性や状態を容易に把握することができる。
【0047】
ユーザはカレンダ表示領域228に表示される提案旅程を確認し、各構成要素を評価する。ユーザが評価対象の構成要素に対応する提案旅程オブジェクト230をカーソル246で指定すると、その構成要素に対するユーザの評価を受け付けるためのダイアログ248が表示される。なお、ユーザ端末14がタッチパネルを備える場合は、カーソル246での指定に代えて、提案旅程オブジェクト230に対するタップを検出してもよい。ユーザはダイアログ248に表示される肯定的な評価「○」および否定的な評価「×」のうちひとつを選択する(「○」、「×」の選択は構成要素に対するユーザの反応であるとも言える)。ユーザ端末14は評価対象の構成要素を特定する情報と選択された評価とをネットワーク16を介して旅程作成支援サーバ10に送信する。旅程表示制御部116は、受信した情報でリコメンド反応履歴保持部106を更新する。例えば、ユーザID「U001」のユーザがリコメンドID「R001」の提案旅程の構成要素である「○○ホテル」の評価として「○」を選択した場合、旅程表示制御部116は、図5に示されるリコメンド反応履歴保持部106のユーザID「U001」、リコメンドID「R001」、リコメンド対象「○○ホテル」の組に対応する採用可否に「採用」を登録する。
【0048】
図13は、図12の旅程提案画面224に表示される提案旅程に対するユーザの評価の一例を示す模式図である。上述の通り、ユーザ端末14はこれらのユーザの評価をネットワーク16を介して旅程作成支援サーバ10に送信する。旅程表示制御部116は、受信した評価に応じて新たな旅程(以下、代替旅程という)を生成する。例えば、旅程表示制御部116は、肯定的な評価を受けた構成要素は維持し、否定的な評価を受けた構成要素を他の構成要素で置き換えることで、代替旅程を生成する。旅程表示制御部116は、構成要素を置き換える際に、嗜好性推定モデル保持部104に保持される嗜好性推定モデルとモデル旅程保持部102に保持されるモデル旅程とを再度用いてもよい。このように生成される代替旅程は、ユーザから受け付けた評価に基づき元の提案旅程を更新することにより得られる旅程である。旅程表示制御部116は、生成された代替旅程を表す代替旅程提案画面232を生成する。
【0049】
図14は、代替旅程提案画面232の代表画面図である。旅程表示制御部116は、ネットワーク16を介してユーザ端末14のディスプレイに、代替旅程提案画面232を表示させる。代替旅程提案画面232は、予算表示領域226と、代替旅程を電子カレンダに関連付けて表示するカレンダ表示領域234と、を有する。予算表示領域226は、提案旅程の予算に代えて、代替旅程のおおよその予算を表す。カレンダ表示領域234には、代替旅程の構成要素に対応する確定旅程オブジェクト236および代替旅程オブジェクト238が電子カレンダ上に表示される。カレンダ表示領域234は、評価を付与する前のカレンダ表示領域228(例えば、図12に示されるもの)の表示を、代替旅程の構成要素に対応する確定旅程オブジェクト236および代替旅程オブジェクト238で更新することで生成されてもよい。
【0050】
確定旅程オブジェクト236は、提案旅程の構成要素のうち肯定的な評価を受けた構成要素に対応するオブジェクトである。代替旅程オブジェクト238は、提案旅程の構成要素のうち否定的な評価を受けた構成要素と置き換えられた構成要素に対応するオブジェクトである。旅程表示制御部116は、代替旅程の構成要素に対応するオブジェクトを、対応する提案旅程の構成要素に対する反応に応じた態様で表示させる。特に、旅程表示制御部116は、確定旅程オブジェクト236の表示態様と代替旅程オブジェクト238の表示態様とを異ならせる。これにより、ユーザは一目でどの構成要素が置き換えられたかを把握することができる。
【0051】
ユーザが代替旅程オブジェクト238をカーソルで指定すると、その構成要素に対するユーザの評価を受け付けるためのダイアログが表示される。ユーザが確定旅程オブジェクト236をカーソルで指定すると、対応する予約サイトが表示される。例えば、構成要素「フライトF1」の確定旅程オブジェクト236が指定されると、対応する航空会社の飛行機予約サイトへのアクセスが発生してもよい。あるいはまた、ユーザは自分で電話等により予約を行ってもよい。
【0052】
以上の構成による旅程作成支援サーバ10の動作を説明する。
図8は、旅程作成支援サーバ10における一連の処理の流れを示すフローチャートである。旅程作成支援サーバ10は、記事などのコンテンツへの反応履歴を収集する(S802)。並行して旅程作成支援サーバ10は、ユーザの移動履歴や他の履歴を収集する(S804)。旅程作成支援サーバ10は、収集された履歴に基づいて嗜好性推定モデルを生成する(S806)。旅程作成支援サーバ10は、生成された嗜好性推定モデルとモデル旅程とに基づいて旅程をリコメンドする(S808)。リコメンドされた旅程に対してユーザが修正を要求した場合(S810のY)、旅程作成支援サーバ10は、修正の要求に基づいて旅程を修正する(S812)。旅程作成支援サーバ10は、修正の要求をリコメンドへの反応履歴として登録し(S816)、処理をステップS808に戻す。リコメンドされた旅程に対してユーザが修正を要求しない場合(S810のN)、旅程作成支援サーバ10は旅程を確定する(S814)。
【0053】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0054】
本実施の形態に係る旅程作成支援サーバ10によると、コンテンツに対するユーザの反応の履歴を収集して旅程作成に活用することで、ユーザに特化した(すなわち、「あなただけの」)旅程を提案できる旅のコンシェルジュサービスをより広範囲のユーザに提供できる。
【0055】
また、本実施の形態に係る旅程作成支援サーバ10では、コンテンツ反応履歴保持部108に保持される記事の閲覧履歴のうちユーザの反応があった記事、言い換えるといきたいやブックマークされた記事を用いて嗜好性推定モデルが生成される。したがって、閲覧履歴のみを考慮する場合と比較して、嗜好性の推定の精度を高めることができる。
【0056】
以上、実施の形態に係る旅程作成支援サーバ10の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
【0057】
実施の形態では、嗜好性の推定および提案旅程、代替旅程の作成を旅程作成支援サーバ10が自動的に行う場合を説明したが、これに限られず、それらはいずれもオペレータ(人)により行われてもよい。
【0058】
実施の形態では、図12の旅程提案画面224に示される提案旅程を変更するために各構成要素に対する評価を受け付ける場合について説明したが、これに限られない。例えば、旅程提案画面224上で変更対象の提案旅程オブジェクト230をドラッグアンドドロップすることによりカレンダ上の所望の位置に動かしてもよい。この場合、当該移動に伴い他の提案旅程オブジェクト230が変更されてもよい。図12の例では、例えば「食事B1」を「食事B3」の上までドラッグしてドロップすると、それらが入れ替わる。さらに、「食事B3」、「食事B2」がいずれもフレンチである場合、当該移動に伴って「食事B2」が例えば和食のレストランでの食事に置き換えられる。
【0059】
実施の形態では、旅程は行きのフライトから帰りのフライトまでで構成される場合を説明したが、これに限られず、例えば行きのフライトの前の、飛行場までの交通手段や、帰りのフライトの後の、家までの交通手段を含めてもよい。
【0060】
実施の形態では、あるユーザの反応履歴やそのユーザのライフログに基づきそのユーザの嗜好性を推定し、推定で得られた嗜好性を反映するよう旅程や旅の構成要素を生成する場合について説明したが、これに限られない。例えば、関係の有る複数のユーザの好みを合成してもよい。嗜好性推定モデル生成部120における合成の仕方は少なくとも二通りあり、ひとつは各ユーザの嗜好性を推定した後、推定で得られた複数の嗜好性に基づいて旅程や旅の構成要素を生成すること、もうひとつは複数のユーザの反応履歴やライフログに基づいて単一の嗜好性を推定し、推定で得られた単一の嗜好性に基づいて旅程や旅の構成要素を生成すること、である。後者について、推定で得られる単一の嗜好性は、複数のユーザからなる組に対応する嗜好性である。
【0061】
例えば、夫婦で本サービスを利用している場合、夫と妻のそれぞれが電子旅雑誌に「いきたい」をつけ、それがそれぞれの反応履歴としてコンテンツ反応履歴保持部108に蓄積される。夫婦で旅行の計画を立てる際、本サービスを用いると、まずスライドバー等のユーザインタフェースを介して、夫婦間の嗜好性の重み付けを指定することができる。例えば、スライドバーを操作することで、夫:30%、妻:70%に設定することができる。嗜好性推定モデル生成部120は、夫および妻の反応履歴およびライフログを基に、設定された重み付けにしたがい夫婦(夫と妻からなる組)の嗜好性を推定する。
【0062】
実施の形態では、旅程提案画面224のカレンダ表示領域228に表示されるカレンダはあるユーザのスケジュールを示す場合について説明したが、これに限られず、カレンダ表示領域228に複数のユーザのスケジュールを示すカレンダを表示するようにしてもよい。この場合、複数のユーザのスケジュールの論理積をとった結果が表示されてもよい。
【0063】
実施の形態では、旅程作成支援サーバ10はユーザに旅程を提案する場合について説明したが、これに限られず、例えば旅程作成支援サーバ10はコンテンツに対するユーザの反応履歴又は旅の構成要素に関する該ユーザのライフログに基づき推定された該ユーザの嗜好性を反映するよう旅の構成要素を生成し、該ユーザに提案してもよい。例えば、ユーザがイタリアンのレストランに多くのいきたいを付与している場合に、そのユーザが今度行く旅行のレストランとしてイタリアンのレストランを提案してもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 旅程作成支援サーバ、 12 ユーザ、 14 ユーザ端末、 16 ネットワーク。
図1
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