(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】販売処理プログラム、情報処理装置及び販売処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2022129789
(22)【出願日】2022-08-17
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2021182342
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300050242
【氏名又は名称】クーコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180758
【氏名又は名称】荒木 利之
(72)【発明者】
【氏名】西村 惠治
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185351(JP,A)
【文献】特開2020-021215(JP,A)
【文献】特開2013-080501(JP,A)
【文献】特開2009-223456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数の情報提供元から、商品サービス情報と、当該商品サービス情報の販売条件を定めた販売条件情報とをそれぞれ受け付ける受付手段と、
複数の前記販売条件情報のうち
、卸値、定価、割引率及びこれらに相当する他の値のうち少なくとも2つの組み合わせの形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する変換手段と、
前記商品サービス情報の内容のうち価格を、第1の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する表示処理手段として機能させる販売処理プログラム。
【請求項2】
前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報の表示態様を前記一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更する請求項1に記載の販売処理プログラム。
【請求項3】
前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報の出品者又は提供者の広告に関する情報の表示態様を前記一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更する請求項1に記載の販売処理プログラム。
【請求項4】
前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報の出品者又は提供者の広告発信態様を前記一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更する請求項1に記載の販売処理プログラム。
【請求項5】
前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報のうち、同一の商品又はサービスの内容を示す情報を統合して表示する請求項1に記載の販売処理プログラム。
【請求項6】
前記表示処理手段は、前記第2の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示した後、当該第2の利用者の購入申し込みを受け付けると、当該第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で、又は当該定価又は定価に相当する価格と前記卸値又は卸値に相当する価格とを表示する請求項1に記載の販売処理プログラム。
【請求項7】
複数の情報提供元から、商品サービス情報と、当該商品サービス情報の販売条件を定めた販売条件情報とをそれぞれ受け付ける受付手段と、
複数の前記販売条件情報のうち
、卸値、定価、割引率及びこれらに相当する他の値のうち少なくとも2つの組み合わせの形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する変換手段と、
前記商品サービス情報の内容のうち価格を、第1の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する表示処理手段とを有する情報処理装置。
【請求項8】
商品又はサービスの出品者又は提供者が操作する第1の端末と、
第1の利用者が操作する第2の端末と、
第2の利用者が操作する第3の端末と、
複数の情報提供元から、商品サービス情報と、当該商品サービス情報の販売条件を定めた販売条件情報とをそれぞれ受け付ける受付手段と、複数の前記販売条件情報のうち
、卸値、定価、割引率及びこれらに相当する他の値のうち少なくとも2つの組み合わせの形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する変換手段と、前記商品サービス情報の内容のうち価格を、第1の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する表示処理手段とを有する情報処理装置とを備えた販売処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売処理プログラム、情報処理装置及び販売処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、旅行会社等が常に商品を最安値で提供する情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された情報処理装置は、商品の割引設定情報を記憶する記憶手順と、商品のうち割引設定情報に基づいて抽出した割引対象商品の価格である割引対象価格と、検索条件が割引対象商品と同一の商品の価格である一般価格とを比較し、この一般価格よりも安い価格である割引変更価格に割引対象価格を変更する割引価格算出手順とを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した情報処理装置は、旅行会社等が最安値で商品を提供するものであるため、いたずらに価格競争を強いることとなって、定価に意味がなくなり割引価格のみが重視されるものとなり、サービスの提供者(商品の出品者)である宿側の意思を反映したものとは言えないものとなるおそれがある。
【0006】
一方、複数の宿泊予約仲介サービスの情報を比較して閲覧可能に表示するサービスが存在するが、宿泊予約仲介サービスの情報は、合計金額の比較がされているだけであり、これらの定価、割引率等の情報は比較されていない。これは、一般価格と割引価格の組み合わせ、手数料と卸値の組み合わせ、定価と割引率の組み合わせ…のように、複数の宿泊予約仲介サービスの情報の販売条件の形式が共通しないためであり、結果として利用者は定価、割引率等の情報を把握できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、提供者・出品者の意思を反映して適切な価格競争を促す販売処理プログラム、情報処理装置及び販売処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の販売処理プログラム、情報処理装置及び販売処理システムを提供する。
【0009】
[1]コンピュータを、
複数の情報提供元から、商品サービス情報と、当該商品サービス情報の販売条件を定めた販売条件情報とをそれぞれ受け付ける受付手段と、
複数の前記販売条件情報のうち、卸値、定価、割引率及びこれらに相当する他の値のうち少なくとも2つの組み合わせの形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する変換手段と、
前記商品サービス情報の内容のうち価格を、第1の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する表示処理手段として機能させる販売処理プログラム。
[2]前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報の表示態様を前記一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更する前記[1]に記載の販売処理プログラム。
[3]前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報の出品者又は提供者の広告に関する情報の表示態様を前記一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更する前記[1]に記載の販売処理プログラム。
[4]前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報の出品者又は提供者の広告発信態様を前記一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更する前記[1]に記載の販売処理プログラム。
[5]前記表示処理手段は、前記複数の商品サービス情報のうち、同一の商品又はサービスの内容を示す情報を統合して表示する前記[1]に記載の販売処理プログラム。
[6]前記表示処理手段は、前記第2の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示した後、当該第2の利用者の購入申し込みを受け付けると、当該第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で、又は当該定価又は定価に相当する価格と前記卸値又は卸値に相当する価格とを表示する前記[1]に記載の販売処理プログラム。
[7]複数の情報提供元から、商品サービス情報と、当該商品サービス情報の販売条件を定めた販売条件情報とをそれぞれ受け付ける受付手段と、
複数の前記販売条件情報のうち、卸値、定価、割引率及びこれらに相当する他の値のうち少なくとも2つの組み合わせの形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する変換手段と、
前記商品サービス情報の内容のうち価格を、第1の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する表示処理手段とを有する情報処理装置。
[8]商品又はサービスの出品者又は提供者が操作する第1の端末と、
第1の利用者が操作する第2の端末と、
第2の利用者が操作する第3の端末と、
複数の情報提供元から、商品サービス情報と、当該商品サービス情報の販売条件を定めた販売条件情報とをそれぞれ受け付ける受付手段と、複数の前記販売条件情報のうち、卸値、定価、割引率及びこれらに相当する他の値のうち少なくとも2つの組み合わせの形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する変換手段と、前記商品サービス情報の内容のうち価格を、第1の利用者に対して前記販売条件情報の前記一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して前記一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する表示処理手段とを有する情報処理装置とを備えた販売処理システム。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、7、8に係る発明によれば、提供者・出品者の意思を反映して適切な価格競争を促すことができる。
請求項2に係る発明によれば、複数の商品サービス情報の表示態様を一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更することができる。
請求項3に係る発明によれば、複数の商品サービス情報の出品者又は提供者の広告に関する情報の表示態様を一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更することができる。
請求項4に係る発明によれば、複数の商品サービス情報の出品者又は提供者の広告発信態様を一の形式のうち割引率に相当する値に応じて変更することができる。
請求項5に係る発明によれば、複数の商品サービス情報のうち、同一の商品又はサービスの内容を示す情報を統合して表示することができる。
請求項6に係る発明によれば、第2の利用者に対して販売条件情報の一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示した後、当該第2の利用者の購入申し込みを受け付けると、当該第2の利用者に対して一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で、又は当該定価又は定価に相当する価格と卸値又は卸値に相当する価格とを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る販売処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、利用者情報の構成の一例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、出品者・提供者情報の構成の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、商品・サービス情報、販売条件情報の構成の一例を示す概略図である。
【
図6】
図6(a)及び(b)は、商品・サービス情報、販売条件情報の構成の一例を示す概略図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置の表示処理による画面の構成例を示す概略図である。
【
図8】
図8は、情報処理装置の他社情報取得動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、情報処理装置の表示・販売動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態]
(販売処理システムの構成)
図1は、実施の形態に係る販売処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【0013】
この販売処理システムは、情報処理装置1と、他社サービスによる情報処理装置1a、1b…と、端末2a、2b…と、端末3a、3b…とをネットワーク4によって互いに通信可能に接続することで構成される。端末2a、2b…は、それぞれサービスの提供者(又は商品の出品者)5a、5b…によって操作され、端末3a、3b…は、それぞれサービスの提供を受ける利用者(又は商品を購入する利用者)6a、6b…によって操作される。提供者5a、5b…は、例えば、それぞれホテル7a、旅館7bにおいて宿泊サービスを提供する者である。また、利用者6a、6b…は、ホテル7a、旅館7bにおいて提供される宿泊サービスを受ける者である。
【0014】
情報処理装置1は、例えば、販売処理システムにおいて宿泊予約仲介サービスを提供するためのサーバ型の情報処理装置であり、端末2a、2b…、端末3a、3b…の要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPU(Central Processing Unit)やフラッシュメモリ等の電子部品を備える。図示していないが、情報処理装置1を管理する管理者・管理会社がいてもよい。
【0015】
情報処理装置1a、1b…は、情報処理装置1と異なる販売処理システムであるものの、同等の宿泊予約仲介サービスを提供するためのサーバ型の情報処理装置であり、端末2a、2b…、端末3a、3b…の要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。後述するように、情報処理装置1a、1b…で管理される商品・サービス情報はAPI(Application Programing Interface)等を介して情報処理装置1に共有される。また、当該APIを通じて、情報処理装置1a、1b…で管理される商品・サービス情報の申し込みや購入まで一気通貫して行う。
【0016】
端末2a、2b…(第1の端末)及び端末3a、3b…(第2の端末、第3の端末)は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ等の情報処理装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0017】
ネットワーク4は、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信網である。
【0018】
情報処理装置1は、一例として、提供者5a、5b…の操作する端末2a、2b…の要求に応じてホテル7a、旅館7b…にて提供するサービスに関する情報を登録するとともに、情報処理装置1が提供するサービスと異なるサービスを提供する情報処理装置1a、1b…から、情報処理装置1a、1b…で管理されるホテル7a、旅館7b…にて提供するサービスに関する情報の共有を受けて、利用者6a、6b…の操作する端末3a、3b…の表示部に当該情報を表示可能に提供する。利用者6a、6b…には、有料会員(第1の利用者)と無料会員(第2の利用者)が存在し、有料会員は販売処理システムの提供する宿泊予約仲介サービスの運営者に対して会費を支払っている利用者であり、無料会員は会費を支払っていない利用者である。ホテル7a、旅館7b…において提供されるサービスの価格に関する情報として、定価と、割引価格で販売する場合の割引率とが提供者5a、5b…によって販売条件として設定され(割引率の代わりに後述する手数料を設定するものでもよい。)、情報処理装置1は、有料会員に対して割引価格で販売し、無料会員には定価で販売して定価との差額を販売処理システムの運営者に手数料として分配される。なお、さらに情報処理装置1は、情報提供元としての情報処理装置1a、1b…から共有された情報について販売条件の形式が異なっている場合は形式を揃えて表示し、販売する。また、情報処理装置1は、一例として、提供者5a、5b…によって設定された割引率に基づいてサービスの表示順を定め、例えば、割引率の高いサービスから優先して利用者6a、6b…の操作する端末3a、3b…の表示部に表示処理するが、表示順に限らず強調表示等で他のサービスと差別化してもよいし、他の方法(広告表示や広告通知等)における優先度を変更してもよいし、割引率以外の項目に基づいて表示順を定めてもよい。以降、構成、動作、その他変形例の順で詳細に説明する。
【0019】
(情報処理装置の構成)
図2は、実施の形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
【0020】
情報処理装置1は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワーク4を介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0021】
制御部10は、後述する販売処理プログラム110を実行することで、利用者登録手段100、出品者・提供者登録手段101、受付手段としての商品・サービス登録手段102、受付手段としての販売条件受付手段103、販売条件変換手段103a、商品・サービス表示処理手段104、販売手段105、相場確認手段106等として機能する。
【0022】
利用者登録手段100は、端末3a、3b…(利用者6a、6b…)の要求に応じて、利用者6a、6b…に関する情報の登録を受け付けて利用者情報111として記憶部11に格納する。
【0023】
出品者・提供者登録手段101は、端末2a、2b…(提供者(又は商品の出品者)5a、5b…)の要求に応じて、ホテル7a、旅館7b…に関する情報の登録を受け付けて出品者・提供者情報112として記憶部11に格納する。
【0024】
商品・サービス登録手段102は、端末2a、2b…(提供者(又は商品の出品者)5a、5b…)の要求に応じて、商品・サービスに関する情報の登録を受け付けて商品・サービス情報113として記憶部11に格納する。また、商品・サービス登録手段102は、情報処理装置1a、1b…から共有された商品・サービスに関する情報の登録を受け付けて商品・サービス情報113a、113b…として記憶部11に格納する。なお、商品・サービス情報113a、113b…に販売条件情報114a、114b…が含まれているものとする。
【0025】
販売条件受付手段103は、端末2a、2b…(提供者(又は商品の出品者)5a、5b…)の要求に応じて、商品・サービスの販売条件に関する情報の登録を受け付けて販売条件情報114として記憶部11に格納する。
【0026】
販売条件変換手段103aは、商品・サービス情報113a、113b…の販売条件情報114a、114b…が販売条件情報114の形式と異なる場合に形式を揃える。形式の詳細については後述する。
【0027】
商品・サービス表示処理手段104は、端末3a、3b…(利用者6a、6b…)の要求に応じて、商品・サービス情報113、113a、113b…の内容を、当該利用者6a、6b…の利用者情報111及び販売条件情報114、114a、114b…を参照して端末3a、3b…の表示部に表示処理する。
【0028】
販売手段105は、端末3a、3b…(利用者6a、6b…)の要求に応じて、商品・サービス情報113、113a、113b…の商品・サービスを、当該利用者6a、6b…の利用者情報111及び販売条件情報114、114a、114b…を参照して販売処理する。
【0029】
相場確認手段106は、商品・サービス情報113の定価や割引率の相場を確認するため、商品・サービス情報113a、113b…の定価や割引率と照合する。また、相場確認は、商品・サービス情報113a、113b…以外の他の販売処理システムにおける相場を参照してもよい。相場確認手段106は、商品・サービス情報113の定価や割引率が相場から大きく外れていないことを確認し、販売条件情報114の登録内容に不正がないか判断する。
【0030】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100-106として動作させる販売処理プログラム110、利用者情報111、出品者・提供者情報112、商品・サービス情報113、商品・サービス情報113a、113b…、販売条件情報114、販売条件情報114a、114b…、相場情報115等を記憶する。
【0031】
図3は、利用者情報111の構成の一例を示す概略図である。
【0032】
利用者情報111は、利用者を識別するための利用者ID、利用者名、有料会員か否かを示す有料会員、利用者の連絡先、決済方法等の情報を示す利用者詳細情報を有する。
【0033】
図4は、出品者・提供者情報112の構成の一例を示す概略図である。
【0034】
出品者・提供者情報112は、出品者を識別するための出品者ID、出品者名称、出品者の連絡先、施設情報及び法人情報等の情報を示す出品者詳細情報を有する。なお、施設情報は、例えば、施設名、エリア、住所、電話番号、FAX番号、メール、築年数、改築年、部屋数、収容数、経度・緯度情報、決済方法、銀行コード、支店コード、口座情報、SNSに関する情報等である。また、法人情報は、例えば、法人名、法人住所、請求先電話番号、請求先FAX番号、担当者情報等である。
【0035】
図5は、商品・サービス情報113、販売条件情報114の構成の一例を示す概略図である。
【0036】
商品・サービス情報113は、商品を識別するための商品ID、商品名称、商品の定価、有料会員に対して販売する場合の定価に対する割引率である割引率、商品の部屋名称、コース内容、その他の詳細等の情報である商品詳細情報を有する。なお、その他の詳細の情報は、例えば、施設紹介文、予約に関する注意点、施設に関する画像情報、プランの画像情報、部屋名称、部屋の収容人数情報、プランの紹介文、食事条件、決済方法、ポイント情報、キャンセル料情報、手仕舞い情報(予約可能期限)、プランの定価、プランの販売価格、プランの割引率、プランのオプション情報等である。また、定価と割引率を販売条件情報114として扱うものとする。また、割引率は、有料会員に対して商品を販売する際に定価に対して割り引く率を示すものであり、割引後の価格が提供者5a、5b…に配分され、無料会員に対して商品を販売する際は定価で販売して、割引後の価格が提供者5a、5b…に、定価から割引後の価格を差し引いた額が手数料として宿泊予約仲介サービスの運営者に配分されるものであるため、割引率を当該手数料の額に置き換えてもよい。
【0037】
なお、上記のように販売条件情報114として定価と割引率が設定される例は最も単純なものであり、割引率に該当する価格に、宿泊予約仲介サービスの運営者に配分される手数料と、実際に定価から割り引かれる割引額とが含まれるものであってもよいし、発明の趣旨を逸脱しない範囲でさらに他の手数料や他の割引額が含まれるものであってもよい。
【0038】
図6(a)及び(b)は、商品・サービス情報113a、113b、販売条件情報114a、114bの構成の一例を示す概略図である。
【0039】
図6(a)に示すように、商品・サービス情報113aは、商品・サービス情報113と同様に商品ID、商品名称、商品詳細情報を有し、商品の卸値、手数料を有する点で異なる。卸値と手数料を販売条件情報114aとして扱うものとする。また、卸値は、有料会員に対して商品を販売する際の価格を示すものであり、卸値が提供者5a、5b…に配分され、無料会員に対して商品を販売する際は卸値に手数料を加えた価格で販売して、卸値が提供者5a、5b…に、手数料が宿泊予約仲介サービスの運営者に配分されるものである。
【0040】
また、
図6(b)に示すように、商品・サービス情報113bは、商品・サービス情報113と同様に商品ID、商品名称、定価、割引率、商品詳細情報を有する。
【0041】
なお、販売条件情報114a、114bに示したように、これらの項目は卸値、手数料の組み合わせ、定価、割引率の組み合わせに限らず、卸値、定価の組み合わせ、卸値、割引率の組み合わせ、定価、手数料の組み合わせであってもよいし、同等の価格を示す他の項目(ネット価格やグロス価格等)及び組み合わせを用いてもよい。
【0042】
また、上記した商品・サービス情報113a、113b(販売条件情報114、114a、114b)は、主に宿泊のプラン情報について説明したが、宿の施設に関する情報や共用施設に関する施設情報をさらに含んでいてもよいし、別途他の情報として有していてもよい。
【0043】
(情報処理装置の動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)準備動作、(2)表示・販売動作に分けて説明する。
【0044】
(1)準備動作
(1-1)自社サービス登録
まず、利用者6a、6b…は、情報処理装置1の提供する宿泊予約仲介サービスを利用するために利用者情報を登録すべく、端末3a、3b…を操作する。端末3a、3b…は、利用者情報の登録要求を情報処理装置1に送信する。
【0045】
次に、情報処理装置1の利用者登録手段100は、端末3a、3b…(利用者6a、6b…)の要求に応じて、利用者6a、6b…に関する情報の登録を受け付けて
図3に示すように利用者情報111として記憶部11に格納する。
【0046】
また、提供者5a、5b…は、それぞれホテル7a、旅館7b…の情報を利用者6a、6b…に利用可能に登録するため端末2a、2b…を操作する。端末2a、2b…は、ホテル7a、旅館7b…の情報の登録要求を情報処理装置1に送信する。
【0047】
次に、情報処理装置1の出品者・提供者登録手段101は、端末2a、2b…5a、5b…の要求に応じて、ホテル7a、旅館7bに関する情報の登録を受け付けて
図4に示すように出品者・提供者情報112として記憶部11に格納する。
【0048】
また、提供者5a、5b…は、それぞれホテル7a、旅館7b…において提供するサービスに関する情報を利用者6a、6b…に利用可能に登録するため端末2a、2b…を操作する。端末2a、2b…は、ホテル7a、旅館7b…において提供するサービスに関する情報の登録要求を情報処理装置1に送信する。
【0049】
次に、情報処理装置1の商品・サービス登録手段102は、端末2a、2b…(提供者5a、5b…)の要求に応じて、商品・サービスに関する情報の登録を受け付けて
図5に示すように商品・サービス情報113として記憶部11に格納する。
【0050】
また、提供者5a、5b…は、それぞれホテル7a、旅館7b…において提供するサービスの販売条件を利用者6a、6b…に利用可能に登録するため端末2a、2b…を操作する。端末2a、2b…は、ホテル7a、旅館7b…において提供するサービスの販売条件の登録要求を情報処理装置1に送信する。
【0051】
販売条件受付手段103は、端末2a、2b…(提供者5a、5b…)の要求に応じて、商品・サービスの販売条件の登録を受け付けて
図5に示すように販売条件情報114として記憶部11に格納する。
【0052】
(1-2)他社サービス登録
また、提供者5a、5b…は、それぞれホテル7a、旅館7b…の情報を利用者6a、6b…に利用可能に登録するため端末2a、2b…を操作する。端末2a、2b…は、ホテル7a、旅館7b…の情報の登録要求を他社の宿泊予約仲介サービスを提供する情報処理装置1a、1b…に送信する。なお、他社とは、情報処理装置1a、1b…の提供する宿泊予約仲介サービスと、情報処理装置1の提供する宿泊予約仲介サービスとがそれぞれ存在していることを指しており、一般的にはそれぞれの運営主体が異なるものであるが、必ずしもそれぞれの運営主体が異なっていなくともよく、同一の会社が運営していても本願発明の目的は達成される。
【0053】
また、提供者5a、5b…は、それぞれホテル7a、旅館7b…において提供するサービスに関する情報を利用者6a、6b…に利用可能に登録するため端末2a、2b…を操作する。端末2a、2b…は、ホテル7a、旅館7b…において提供するサービスに関する情報の登録要求を情報処理装置1a、1b…に送信する。
【0054】
次に、情報処理装置1a、1b…は、端末2a、2b…(提供者5a、5b…)の要求に応じて、商品・サービスに関する情報の登録を受け付けて商品・サービス情報113a、113bとして記憶部11に格納する。
【0055】
また、提供者5a、5b…は、それぞれホテル7a、旅館7b…において提供するサービスの販売条件を利用者6a、6b…に利用可能に登録するため端末2a、2b…を操作する。端末2a、2b…は、ホテル7a、旅館7b…において提供するサービスの販売条件の登録要求を情報処理装置1a、1b…に送信する。
【0056】
情報処理装置1a、1b…は、端末2a、2b…(提供者5a、5b…)の要求に応じて、商品・サービスの販売条件の登録を受け付けて販売条件情報114a、114b…として記憶部11に格納する。
【0057】
(1-3)他社情報取得
図8は、情報処理装置の他社情報取得動作を説明するためのフローチャートである。
【0058】
次に、情報処理装置1の商品・サービス登録手段102は、情報処理装置1a、1b…と通信し、情報処理装置1a、1b…から共有された商品・サービスに関する情報を取得して(S1)、登録を受け付けて商品・サービス情報113a、113b…として記憶部11に格納する。
【0059】
また、情報処理装置1の販売条件変換手段103aは、商品・サービス情報113a、113b…の販売条件情報114a、114b…が販売条件情報114の形式と異なる場合(S2;Yes)に形式を揃える(S3)。
【0060】
具体的には、販売条件変換手段103aは、
図6(a)に示す商品・サービス情報113aのように販売条件情報114aが定価、割引率の組み合わせではなく、卸値、手数料の組み合わせとなっている場合、当該卸値「12,000円」、手数料「3,000円」を定価「15,000円」、割引率「20%」に変更して形式を揃える。なお、当該変更は、各形式間に予め用意した計算式を用いて行ってもよいし、文脈を解析して計算を行うものであってもよい。
【0061】
また、商品・サービス登録手段102は、商品・サービス情報113と、商品・サービス情報113a、113b…との間で同一又は同一と推測される商品・サービスがある場合(S4;Yes)、価格、食事の有無、食事の内容、チェックイン・アウトの内容、部屋タイプ、部屋の広さ、部屋番号、プラン名、特典内容、サービス内容、人数条件、宿泊条件(県内在住者限定等)、画像内容、商品紹介テキスト内容、子供料金情報、キャンセル規定、客室設備、禁煙/喫煙、支払条件…等のプラン情報をリスト化するとともに(S5)、後述する基本情報については商品詳細情報を統合する(S6)。プラン情報については、同一又は同一と推測される商品・サービスを後述するようにリスト表示する。基本情報については、具体的には、例えば、ホテル、旅館の外観や部屋の内観等の画像、名称、所在、コメント、口コミ、評価点等の情報についてこれらをマージし、不足している項目を他社の充実している項目で補う。
【0062】
また、情報処理装置1の相場確認手段106は、商品・サービス情報113の定価や割引率の相場を確認するため、商品・サービス情報113a、113b…の定価や割引率と照合する。また、相場確認は、商品・サービス情報113a、113b…以外の他の販売処理システムにおける相場を参照してもよい。相場確認手段106は、商品・サービス情報113の定価や割引率が相場から大きく外れていないことを確認し、販売条件情報114の登録内容に不正がないか判断する。これは、定価を他の宿泊施設仲介サービスにおける定価より高く設定すれば、割引後の価格を安くせずとも実質的に割引率を大きくすることができてしまうためであり、提供者5a、5b…の意図的な価格操作を防ぐためである。相場確認手段106は、宿泊施設仲介サービスのポリシーに従って定価のみを確認してもよいし、割引後の価格のみを確認してもよいし、いずれも確認してもよいが、定価を確認することで上記価格操作を効果的に防ぐことができる。また、価格の差は予め定めた範囲に収まればよく、必ずしも同一である必要はない。また、相場確認手段106は、予め定めた範囲を超えた価格設定がなされた場合は、提供者5a、5b…の価格設定画面にアラートを表示してもよいし、宿泊施設仲介サービスの管理者に通知するようにしてもよいし、販売不能にしてもよい。
【0063】
次に、情報処理装置1は、上記動作で登録した情報に基づいて、利用者6a、6b…の操作する端末3a、3b…に対して提供者5a、5b…の提供するサービスの内容を表示処理し、販売する。以下、表示・販売動作について詳しく説明する。
【0064】
(2)表示・販売動作
まず、利用者6a、6b…は、提供者5a、5b…の提供するサービス内容の表示を要求するため、端末3a、3b…を操作する。端末3a、3b…は、表示要求を情報処理装置1に送信する。
【0065】
図9は、情報処理装置の表示・販売動作を説明するためのフローチャートである。
【0066】
情報処理装置1の商品・サービス表示処理手段104は、端末3a、3b…(利用者6a、6b…)の表示要求に応じて、商品・サービス情報113の内容を、販売条件情報114を参照して、割引率順で端末3a、3b…の表示部に表示処理する(S11)。端末3a、3b…の表示部には、以下に示すような画面が表示される。なお、割引率順以外の表示態様については後述する。
【0067】
図7は、情報処理装置の表示処理による画面の構成例を示す概略図である。
【0068】
表示画面104aは、端末3a、3b…の表示部に表示される画面の一例であり、ヘッダー104a1、宿泊予約仲介サービスを表示する宿泊タグ104a2、その他のサービスを表示するタグ104a3、宿泊予約仲介サービスの検索条件を入力する検索条件入力欄104a4、検索結果表示欄104a5とを有する。
【0069】
検索結果表示欄104a5は、サービス情報のうち基本情報104a51、104a55とプラン情報104a52~104a54、104a56、104a57とを有し、一例として、プラン毎に割引率順で表示される。基本情報104a51、104a55は、ホテル、旅館の外観や部屋の内観等の画像、名称、所在、コメント、口コミ、評価点等の情報を表示し、プラン情報104a52~104a54、104a56、104a57は、プランの割引率、具体的な内容、定価である標準価格、割引後の価格(割引済みの価格)である有料会員価格と、詳細の確認や予約実行のための詳細・予約ボタンとを有する。
【0070】
プラン情報104a
52~104a
54は、同内容のプランであり、情報処理装置1で管理されるサービスのプランと、情報処理装置1a、1b…で管理されるサービスのプランが併記される。また、プラン情報104a
56、104a
57は、同内容のプランであり、情報処理装置1で管理されるサービスのプランと、情報処理装置1a、1b…で管理されるサービスのプランが併記される。
図7では、プラン情報104a
52~104a
54の価格が同一であるが、プラン情報104a
56、104a
57は、定価が異なり、この場合、表示態様として、同内容のプランの並び順は、割引率で並べて表示されるが、その他、価格、評価(口コミ)、割引額、予約数、距離、部屋の広さ、口コミの多さ、評価レベル等の昇降いずれで並べてもよいし、これらの複合項目によって並べてもよいし、割引率が同一の場合は情報処理装置1で管理されるサービスのプランを優先して表示するようにしてもよい。
【0071】
なお、商品・サービス表示処理手段104は、例えば、表示態様として、デフォルトでは割引率順で表示するが、利用者6a、6b…が他の並び順(価格順、新着順、五十音順、地域順、(利用者からの)距離順等)を選択した場合、当該並び順で並び替えて表示してもよいし、当該並び替え順の中で、第2に優先する並び替え方法として割引率順で表示するようにしてもよい。
【0072】
なお、商品・サービス表示処理手段104は、利用者6a、6b…の利用者情報111を参照して、無料会員には定価を、有料会員には割引価格のみを表示するようにしてもよい。無料会員にも割引価格を表示する場合であって、無料会員が割引価格での購入を希望して操作した場合、有料会員への登録画面を表示処理するようにしてもよい。
【0073】
次に、利用者6a、6b…は、
図6に示したような、提供者5a、5b…の提供するサービスのうち所望のサービスを選択し、当該サービスの購入を要求するため、端末3a、3b…を操作する。端末3a、3b…は、購入要求を情報処理装置1に送信する。
【0074】
情報処理装置1の販売手段105は、端末3a、3b…(利用者6a、6b…)の要求に応じて、商品・サービス情報113の商品・サービスを販売処理するため、まず当該利用者6a、6b…の利用者情報111を参照する(S12)。
【0075】
販売手段105は、当該利用者6a、6b…が有料会員である場合(S13;Yes)、割引価格で販売処理する(S14)。具体的には、決済して利用者6a、6b…から割引価格の金銭を受け取り、提供者5a、5b…へ予約要求の送信をする等の動作をする。
【0076】
次に、販売手段105は、販売処理により利用者6a、6b…から受け取った割引価格分の金銭を提供者5a、5b…に分配する(S15)。
【0077】
また、販売手段105は、当該利用者6a、6b…が有料会員でない場合(無料会員の場合)(S3;No)、定価で販売処理する(S16)。
【0078】
次に、販売手段105は、販売処理により利用者6a、6b…から受け取った定価から割引価格を差し引いた額の金銭を運営手数料として差し引いて(S17)、割引価格分の金銭を提供者5a、5b…に分配する(S15)。
【0079】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、提供者5a、5b…からサービスの定価と割引率の入力を受け付け、当該割引率の順で利用者6a、6b…にサービスを表示して提示するとともに、有料会員には割引価格で販売し、無料会員には定価で販売して定価と割引価格との差額を運営側の手数料としたため、定価と実際の販売額という提供者・出品者の意思を反映して商品の表示順を定めることができ、販売価格で表示順が定まるような販売価格のみの競争を防止して、適切な価格競争を促すことができる。また、割引率の順で表示するようにしたため、利用者6a、6b…には相対的な価値が高いサービスの順で提示することができる。
【0080】
また、情報処理装置1で管理されている商品・サービス情報113だけでなく、情報処理装置1a、1b…で管理されている商品・サービス情報113a、113b…を取得し、販売条件の形式が異なるものについては同様の形式となるように変換し、商品・サービス情報113、113a、113b…を表示するようにしたため、利用者6a、6b…は、商品・サービス情報113、113a、113b…を縦断的に閲覧できるだけでなく、それぞれの定価や割引率等の情報を把握でき、例えば、同一内容の複数プランを利用者6a、6b…の立場で比較検討することが容易となる。さらに各宿泊予約仲介サービスのウェブサイトへ移動することなく予約が可能となり、利用者6a、6b…の利便性が向上する。
【0081】
また、卸値で価格を提供している場合、その価格に手数料を載せた定価の両方を記載することによって、利用者にとっては、卸値又は定価の双方での比較検討ができるようになる。また、定価で提供している場合にも、その価格から手数料を引いた卸値の両方を記載することによって、利用者にとっては、定価又は卸値の双方での比較検討ができるようになる。
【0082】
また、相場確認手段106によって商品・サービス情報113の商品・サービスについて、他の宿泊施設仲介サービスにおける同商品・サービスの相場を取得して、販売条件情報114の定価、割引後の価格に大きな差がないか確認するようにしたため、提供者5a、5b…の意図的な価格操作を防ぐことができ、定価を他の宿泊施設仲介サービスにおける定価より高く設定して、割引後の価格を安くせずに実質的に割引率を大きくするような行為を防止することができる。
【0083】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0084】
例えば、上記した例では、ホテル、旅館の宿泊予約を例に挙げたが、民泊、ワーケーション、キャンプ場、グランピング等の予約であってもよい。宿泊施設仲介サービスを例に挙げたが、レンタカー仲介サービス、ツアー仲介サービス、航空券販売サービスであってもよいし、物販を行うEC(Electronic Commerce)サイトであってもよい。また、物販は、実在する物に限らず映像や電子書籍等の電子媒体の商品販売であってもよいし、サービスは、水道光熱費、家賃、福利厚生サービス、情報配信サービス等のようなサービスであってもよい。
【0085】
また、上記した実施の形態では、無料会員に対して販売した場合にのみ、定価と割引後の価格との差額を手数料とする例を示したが、有料会員から手数料を受け取ってもよいし、割引後の価格から手数料を差し引いて提供者5a、5b…に分配してもよく、宿泊施設仲介サービスのポリシーによって定めることができる。また、無料会員に対して販売した場合に、定価と割引後の価格との差額をすべて手数料とする必要はなく、一部を提供者5a、5b…に分配したり、利用者6a、6b…に還元したりしてもよい。
【0086】
また、第1の利用者は、有料会員として会費を支払う者に限らず、会費を支払う代わりに宿泊予約仲介サービスが提示する広告を閲覧する者であってもよい。この場合、例えば、広告主から支払われる広告料が会費に充当される。また、さらに広告を閲覧させる代わりに、例えば、クレジットカードを利用させるものであってもよいし、他の決済システムを利用させるものであってもよい。この場合、クレジットカード発行会社、決済システム運営会社から支払われる費用が会費に充当される。その他サービスであっても、第1の利用者が当該サービスを利用することで他社から支払われる金銭がある場合、同様に当該仕組みを利用できる。さらに、他社から支払われる金銭がない場合であっても、第1の利用者から宿泊予約仲介サービスの運営者側への何らかの役務提供がある場合に、同様に当該有料会員と同様の機能を提供してもよい。また、第2の利用者は会費を全く支払わない者に限らず、第1の利用者に比べて支払う会費を少なくした者であってもよいし、上記したような第1の利用者が利用する他のサービスと差を設けたサービスを利用するものであってもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、商品・サービス情報113、113a、113b…の表示態様として、割引率が高い場合に優先的に表示する例を示したが、その他、以下のようにしてもよい。例えば、表示態様として、割引率に応じて宿泊予約仲介サービスのウェブサイト内でサービス情報の強調表示(例えば、サービス情報への囲いの付与、アイコンの付与等)を行うようにしてもよい。また、割引率に応じて宿泊予約仲介サービスのウェブサイト内で広告枠を提供、又は広告の優先表示等を行うようにしてもよい(広告に関する情報の表示態様)。また、割引率に応じてメールマガジンの配信頻度を増加するようにしてもよい。また、広告発信態様として、割引率に応じてSNS(Social Networking Site)における投稿や広告の掲載量を増加するようにしてもよい。また、広告発信態様として、割引率に応じて宣伝の強化(例えば、割引率が高い場合、ウェブサイト以外のデジタルサイネージなどにサービス情報を宣伝する。)を行うようにしてもよい。また、割引率に応じて販売支援費を提供者、出品者、他社サービス、OTA(Online Travel Agent)、ホールセラーに提供(割引率によって予め定めた支援費を付与する。)するようにしてもよい。
【0088】
上記実施の形態では制御部10の各手段100~106の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【0089】
また、本発明の他の態様は、上記目的を達成するため、以下の販売処理プログラム、情報処理装置及び販売処理システムを提供する。
【0090】
[1]コンピュータを、
出品者又は提供者による複数のサービス又は商品の定価及び割引率又は手数料の入力を受け付ける受付手段と、
第1の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を前記割引率による割引済みの販売価格又は前記定価から前記手数料を差し引いた販売価格で表示し、第2の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を前記定価で表示する表示処理手段として機能させる販売処理プログラム。
[2]前記表示処理手段は、前記複数のサービス又は商品を前記割引率又は前記手数料の順で表示する前記[1]に記載の販売処理プログラム。
[3]前記第1の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を前記割引済みの販売価格又は前記手数料を差し引いた販売価格で販売し、前記第2の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を前記定価で販売して、前記第2の利用者に前記定価で販売した場合、前記定価から前記割引済みの販売価格を差し引いた額又は前記手数料を徴収する販売手段としてさらに機能させる前記[1]又は[2]に記載の販売処理プログラム。
[4]前記販売手段は、前記第1の利用者から会費を徴収する前記[3]に記載の販売処理プログラム。
[5]前記販売手段は、前記第1の利用者に対して広告を閲覧させる前記[3]に記載の販売処理プログラム。
[6]前記表示処理手段は、前記第2の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を割引率又は手数料の順で前記定価とともに前記割引済みの価格を表示する前記[1]又は[2]に記載の販売処理プログラム。
[7]他の販売処理システムにおいて前記サービス又は商品が販売されている額を取得し、前記定価と当該販売されている額との差額が予め定めた値以内であることを確認する確認手段としてさらに機能させる前記[1]から[3]のいずれかに記載の販売処理プログ
ラム。
[8]出品者又は提供者による複数のサービス又は商品の定価及び割引率又は手数料の入力を受け付ける受付手段と、
第1の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を割引率又は手数料の順で割引済みの販売価格を表示し、第2の利用者に対して前記複数のサービス又は商品を割引率又は手数料の順で前記定価を表示する表示処理手段とを有する情報処理装置。
[9]サービス又は商品の出品者又は提供者が操作する第1の端末と、
第1の利用者が操作する第2の端末と、
第2の利用者が操作する第3の端末と、
前記第1の端末から複数のサービス又は商品の定価及び割引率又は手数料の入力を受け付ける受付手段と、前記第2の端末に対して前記複数のサービス又は商品を割引率又は手数料の順で割引済みの販売価格を表示し、前記第3の端末に対して前記複数のサービス又は商品を割引率又は手数料の順で前記定価を表示する表示処理手段とを有する情報処理装置とを備えた販売処理システム。
【符号の説明】
【0091】
1、1a、1b :情報処理装置
2a、2b :端末
3a、3b :端末
4 :ネットワーク
5a、5b :提供者
6a、6b :利用者
7a :ホテル
7b :旅館
10 :制御部
11 :記憶部
12 :通信部
100 :利用者登録手段
101 :出品者・提供者登録手段
102 :商品・サービス登録手段
103 :販売条件受付手段
103a :販売条件変換手段
104 :商品・サービス表示処理手段
105 :販売手段
106 :相場確認手段
110 :販売処理プログラム
111 :利用者情報
112 :提供者情報
113 :商品・サービス情報
113a、113b:サービス情報(他社)
114 :販売条件情報
114a、114b:販売条件情報(他社)
115 :相場情報
【要約】 (修正有)
【課題】提供者・出品者の意思を反映して適切な価格競争を促す販売処理プログラム、情報処理装置及び販売処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、複数の情報提供元から、販売条件情報114、114a、…と商品サービス情報113、113a…とをそれぞれ受け付ける商品・サービス登録手段102及び販売条件受付手段103と、複数の販売条件情報114、114a…のうち形式が異なるものが存在する場合、当該形式の異なる販売条件情報を一の形式に変換する販売条件変換手段103aと、商品サービス情報113、113a…の内容のうち価格を第1の利用者に対して一の形式のうち卸値又は卸値に相当する価格で表示し、第2の利用者に対して一の形式のうち定価又は定価に相当する価格で表示する商品・サービス表示処理手段104と、を有する。
【選択図】
図2