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特許7236128粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/60 20060101AFI20230302BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20230302BHJP
   B01D 46/24 20060101ALI20230302BHJP
   B01D 46/42 20060101ALI20230302BHJP
   F24F 7/00 20210101ALI20230302BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65G53/60
B65G65/40 B
B01D46/24 Z
B01D46/42 A
F24F7/00 Z
F24F13/28
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018139872
(22)【出願日】2018-07-26
(65)【公開番号】P2020015590
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】木下 淳也
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-159116(JP,U)
【文献】特開2005-007229(JP,A)
【文献】特開平05-201539(JP,A)
【文献】特開2012-050979(JP,A)
【文献】特開2013-248578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/60
B65G 65/40
B01D 46/24
B01D 46/42
B01D 46/88
B01D 50/00
F24F 7/003
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に収容されるように設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、を備えており、
前記捕集器本体には、前記フィルターに設けられた被保持部を保持し、かつ該フィルターを、当該捕集器本体内において第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢との各姿勢に反転可能に保持する保持部が設けられていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記フィルターは、外周縁部に設けられた前記被保持部の内周側から前記輸送空気の通過方向に沿う第1方向に向けて延びるように設けられた第1筒状部と、該第1筒状部の先端部の内周側から前記第1方向とは逆側に向けて延びるように設けられた第2筒状部と、を備えていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記被保持部から前記第1筒状部の先端部までの前記輸送空気の通過方向に沿う寸法と、前記被保持部から前記第2筒状部の先端部までの同方向に沿う寸法と、を略同寸法としたことを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記第1筒状部及び前記第2筒状部は、先端側に向かうに従い縮径状に形成されていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記第1筒状部の先端部と前記第2筒状部の基端部との間には、空気の流通を阻止する封止部が環状に設けられていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記フィルターの反転時期を報知する報知部を備えていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項7】
請求項6に記載の粉粒体材料の捕集装置を用いた粉粒体材料の捕集方法であって、
前記フィルターを反転させる反転時期となれば報知することを特徴とする粉粒体材料の捕集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送される粉粒体材料を捕集する粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気輸送される粉粒体材料を捕集器本体内のフィルターによって輸送空気から分離し、捕集する捕集器が知られている。このような捕集器においては、フィルターが目詰まりすれば、輸送効率が低下するため、フィルターを定期的に清掃する必要があった。
例えば、下記特許文献1には、粉体発生装置において発生した粉体を、フィルターを介して吸引して捕集する捕集器が開示されている。この捕集器は、粉体を捕集する際の吸引方向とは逆側に向けてガス供給源からのガスをフィルターに対して噴射する管路をフィルターの上方側に設けた構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3-86232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された捕集器では、フィルターに対してガスを逆噴射させる機構を設ける必要があり、更なる改善が望まれる。また、フィルターに付着していた粉体が逆噴射によって捕集器内に落下するため、吸引側に切り換えた際にフィルターに再付着することも考えられる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構造とすることが可能でありながらも、フィルターのメンテナンス性を向上し得る粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に収容されるように設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、を備えており、前記捕集器本体には、前記フィルターに設けられた被保持部を保持し、かつ該フィルターを、当該捕集器本体内において第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢との各姿勢に反転可能に保持する保持部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集方法は、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置を用いた粉粒体材料の捕集方法であって、前記フィルターを反転させる反転時期となれば報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る粉粒体材料の捕集装置及びこれを用いた粉粒体材料の捕集方法は、上述のような構成としたことで、簡易な構造とすることが可能でありながらも、フィルターのメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図2】(a)、(b)は、同捕集装置が備えるフィルターの一例を模式的に示す概略斜視図である。
図3】(a)は、同フィルターの概略平面図、(b)は、同捕集装置が備える捕集器本体の一例を模式的に示す一部破断概略分解縦断面図である。
図4】(a)、(b)は、同捕集装置の一部破断概略縦断面図である。
図5】(a)、(b)は、同捕集装置に適用されるフィルターの一変形例を模式的に示す概略斜視図である。
図6】(a)は、同フィルターの概略平面図、(b)は、同フィルターの概略縦断面図である。
図7】(a)は、同捕集装置の一変形例の概略制御ブロック図、(b)は、同捕集装置を用いて実行される基本動作の一例としての本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の捕集方法の一例を模式的に示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の実施形態では、本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。また、各図では、各例のフィルターの貫通孔の図示を省略または簡略化して示している。
図1図7は、本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例及び変形例並びに同捕集装置を用いて実行される粉粒体材料の捕集方法の一例を模式的に示す図である。
【0011】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、図1に示すように、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体10と、この捕集器本体10内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルター30と、を備えている。
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
また、粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだ構成としてもよい。
【0012】
また、本実施形態では、捕集装置1は、吸引源2及び粉粒体材料の輸送元(材料元)4に接続され、吸引空気によって空気輸送される輸送元4からの粉粒体材料を吸引空気から分離させて捕集する構成とされている。
吸引源2としては、空気吸引管3を介して接続される吸引ブロワー等の空気吸引源であってもよい。このような吸引源2としては、当該捕集装置1専用のものに限られず、例えば、当該捕集装置1への輸送と他の装置への輸送とが切替弁等によって切り替えられる態様とされたものとしてもよい。また、このような吸引源2の上流側には、バグフィルターやサイクロンフィルター等の適宜のフィルターを備えた集塵装置が設けられている。
【0013】
輸送元4としては、材料輸送管5を介して接続される材料タンクや、乾燥ホッパー、粉粒体材料を計量する計量ホッパー、複数種の粉粒体材料を所定割合で配合する配合ホッパー等であってもよい。また、これら各種ホッパーの下流側に設けられる一時貯留部を輸送元4としてもよい。また、当該捕集装置1に接続される材料輸送管5を、単一の輸送元4に接続して一種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する態様に限られない。例えば、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の輸送元4に当該捕集装置1に接続される材料輸送管5を接続し、これら複数の輸送元4からの複数種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する態様としてもよい。
【0014】
また、当該捕集装置1の供給先としては、当該捕集装置1において捕集した粉粒体材料を一時的に貯留する貯留タンクや貯留ホッパー等の貯留部を供給先としてもよく、また、粉粒体材料を乾燥する乾燥ホッパーを供給先としてもよい。また、例えば、射出成形機等の成形機を当該捕集装置1の供給先としてもよい。この場合は、当該捕集装置1を、成形機上に直接的に設置する態様としてもよい。なお、供給先としての成形機は、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機としてもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。また、当該捕集装置1において捕集された粉粒体材料の供給先としては、単一の供給先に限られず、複数の供給先としてもよい。
【0015】
捕集器本体10には、空気吸引管3を介して吸引源2に接続される吸引接続管22と、材料輸送管5を介して輸送元4に接続される材料導入管15と、が設けられている。また、捕集器本体10には、後記するフィルター30の被保持部33を保持する保持部25が設けられている。
本実施形態では、捕集器本体10は、上部側部位が略筒形状とされ、下部側部位が略逆錐形状とされたホッパー部11と、このホッパー部11の上端開口を開閉自在に覆う蓋体20と、を備えている。この捕集器本体10は、略角筒状とされたものでもよいが、本実施形態では、略円筒状とされたものとしている。なお、捕集器本体10としては、ホッパー状とされたものに限られず、タンク状やドラム状とされたものでもよい。また、捕集器本体10としては、上端部に設けられた捕集部よりも大容量の本体部を捕集部の下方側に設けたような構成とされたものでもよい。
【0016】
ホッパー部11の下端部には、排出部を構成する排出管14と、この排出管14の下端の排出口17を開閉する弁体18と、が設けられている。本実施形態では、この排出管14に、材料導入管15を接続した構成としている。材料導入管15は、排出管14の側周部に接続されており、排出管14の内周側において導入口16を開口させた構成とされている。図例では、略水平状に材料導入管15を設けた例を示しているが、このような態様に代えて、材料導入管15を、排出管14に向けて上り勾配状または下り勾配状に設けた態様等としてもよい。また、材料導入管15を排出管14に接続した態様に代えて、ホッパー部11の略逆錐形状とされた部位や略筒形状とされた部位等に接続した態様としてもよく、また、材料導入管15をホッパー部11内に導入させた構成等としてもよい。
【0017】
また、排出管14の下端面を、軸方向に対して傾斜する傾斜面としている。
この排出管14の下端の排出口17を開閉する弁体18は、支持部材19によって揺動自在に支持されている。この弁体18は、本実施形態では、吸引源2による吸引力の作用によって排出口17を閉鎖する一方、落下(流下)する粉粒体材料の荷重によって開放される構成とされている。また、図例では、吸引源2による吸引力及び粉粒体材料の荷重が弁体18に作用していない待機位置において、排出管14の傾斜面とされた下端面との間に隙間が形成される構成としている。なお、図例では、支持部材19を、一端部が弁体18の上端側に接続され、他端部が捕集器本体10に対して回転自在に保持されたアーム状とした例を示しているが、紐状(ワイヤー状)やチェーン状とされたものや、リンク状とされたものでもよい。
【0018】
また、排出口17を開閉する弁体18としては、上記のように吸引源2による吸引力によって閉鎖され、粉粒体材料の荷重によって開放される構成とされたものに限られない。閉鎖側及び開放側への移動の両方または一方が適宜の弁体駆動部によってなされるものでもよい。また、排出管14の下端面を、軸方向に対して傾斜する傾斜面とした態様に代えて、略直交する面としてもよい。この場合は、弁体18や弁体18を支持する支持部材19を適宜、変形するようにしてもよい。また、弁体18としては、排出管14に対して揺動(回動)して開閉する態様とされたものに限られず、排出管14の下端面に対して略直交方向や排出管14の軸方向に対して略直交方向にスライドされて開閉する態様とされたものでもよく、その他、種々の態様とされたものの採用が可能である。
【0019】
蓋体20は、図3(b)に示すように、ホッパー部11側に向けて開口し、上端が底部とされた有底筒状とされている。この蓋体20は、ホッパー部11の略筒形状とされた部位と概ね同径状とされている。図例では、蓋体20を、上端側に向かうに従い僅かに縮径状とした例を示している。
また、本実施形態では、この蓋体20に、吸引接続管22を接続した構成としている。吸引接続管22は、蓋体20の側周部に接続されており、蓋体20の内周側において吸引口23を開口させた構成とされている。この吸引接続管22は、蓋体20の側周部に対して略直交状に接続されたものに限られず、蓋体20の内周面に対して概ね接線方向に吸引口23が開口するように接続されたものでもよい。また、図例では、略水平状に吸引接続管22を設けた例を示しているが、上記同様、上り勾配状または下り勾配状に設けた態様等としてもよい。また、吸引接続管22を、蓋体20の側周部に接続した態様に代えて、底部を構成する上端部に接続した態様としてもよい。
【0020】
また、この蓋体20の下端の開口側周縁部には、ホッパー部11の上端部に載置されるフランジ部21が径方向外側に向けて突出するように全周に亘って設けられている。図例では、フランジ部21を、蓋体20の下端部に、図示省略のホッパー部11側に設けられたファスナー金具が引っ掛けられる係合凹部を構成する上方開口の環状溝が形成されるように屈曲状に形成した例を示している。また、フランジ部21に、この環状溝の外周側において下方側に向けて垂れ下がり、ホッパー部11の上端部の外周側を囲む筒状部を設けた例を示している。なお、ホッパー部11の上端開口に対して蓋体20を開閉自在とする態様としては、図例のように着脱自在とした態様に限られず、蝶番等の回転連結部材によって開閉自在に連結した態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
【0021】
フィルター30は、捕集器本体10内において、導入口16と吸引口23との間に位置するように配される構成とされている。
このフィルター30には、図2及び図4に示すように、第1面31側を輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と第1面31側を輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢との各姿勢において捕集器本体10の保持部25に保持される被保持部33が設けられている。つまり、フィルター30は、図4(a)に示すように、第1面31側を輸送空気の通過方向上流側となる下方側に向かせ、かつ第2面32側を輸送空気の通過方向下流側となる上方側に向かせた第1姿勢と、図4(b)に示すように、第1面31側を上方側に向かせ、かつ第2面32側を下方側に向かせた第2姿勢と、の各姿勢において捕集器本体10に保持される構成とされている。
【0022】
このフィルター30は、輸送空気の通過方向(上下方向)に見て、つまり平面視して、捕集器本体10の内周形状に応じた形状とされている。つまり、本実施形態では、フィルター30は、図3(a)に示すように、平面視して、略円形状とされている。
また、本実施形態では、このフィルター30の被保持部33を、外周縁部に設けている。また、被保持部33を、フィルター30の外周縁部に全周に亘って設けた構成としている。この被保持部33は、本実施形態では、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される円環板状とされている。この被保持部33は、空気の流通不能な構成とされたものでもよい。
【0023】
また、フィルター30は、本実施形態では、この被保持部33の内周側から輸送空気の通過方向に沿う第1方向に向けて延びるように設けられた第1筒状部34と、この第1筒状部34の先端部の内周側から第1方向とは逆側に向けて延びるように設けられた第2筒状部36と、を備えている。つまり、フィルター30は、被保持部33の内周側から上下方向一方側に向けて延びる第1筒状部34と、この第1筒状部34の先端部の内周側から上下方向他方側に向けて延びる第2筒状部36と、を備えている。また、本実施形態では、フィルター30は、第2筒状部36の先端部の内周側から第1方向に向けて延びるように設けられた第3筒状部38を更に備えている。つまり、フィルター30は、第2筒状部36の先端部の内周側から上下方向一方側に向けて延びる第3筒状部38を備えている。
【0024】
被保持部33から第1筒状部34及び第3筒状部38の先端部までの輸送空気の通過方向(上下方向)に沿う寸法は、図4(a)に示すように、これら第1筒状部34及び第3筒状部38の先端部を上方側に向けてフィルター30が設置された状態(第1姿勢)で、これら第1筒状部34及び第3筒状部38の先端部が蓋体20に干渉しないように適宜の寸法とされている。図例では、第1筒状部34及び第3筒状部38の先端部を上方側に向けてフィルター30が設置された状態で、これら第1筒状部34及び第3筒状部38の先端部と蓋体20の下方側に向く内天面との間に隙間が形成される構成としている。
また、被保持部33から第2筒状部36の先端部までの輸送空気の通過方向(上下方向)に沿う寸法は、図4(b)に示すように、第2筒状部36の先端部を上方側に向けてフィルター30が設置された状態(第2姿勢)で、第2筒状部36の先端部が蓋体20に干渉しないように適宜の寸法とされている。図例では、上記同様、第2筒状部36の先端部を上方側に向けてフィルター30が設置された状態で、この第2筒状部36の先端部と蓋体20の下方側に向く内天面との間に隙間が形成される構成としている。
【0025】
換言すれば、捕集器本体10における被保持部33を保持する保持部25よりも上方側に、筒状部34,36,38の上方側に向けて延びるように配される部位を受け入れる空間を設けた構成としている。なお、捕集器本体10の粉粒体材料の貯留レベルの上限を、被保持部33を保持する保持部25よりも下方側に向けて延びるように配される筒状部34,36,38に粉粒体材料が接触しないレベルとしてもよい。つまりは、捕集器本体10の貯留可能容量を、このような筒状部34,36,38の収容空間を加味した容量としてもよい。
また、本実施形態では、図4に示すように、被保持部33から第1筒状部34の先端部までの輸送空気の通過方向(上下方向)に沿う寸法と、被保持部33から第2筒状部36の先端部までの同方向に沿う寸法と、を略同寸法としている。また、被保持部33から第1筒状部34の先端部までの同方向に沿う寸法と被保持部33から第3筒状部38の先端部までの同方向に沿う寸法とを略同寸法としている。つまりは、フィルター30が設置された状態で、第1筒状部34の先端部と第3筒状部38の先端部とは、略同高さに位置する構成とされている。
【0026】
また、本実施形態では、これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38のそれぞれを、先端側に向かうに従い縮径状に形成した構成としている。つまり、本実施形態では、これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38を、略円錐台状の筒状部としている。また、これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38は、円環板状とされた被保持部33と略同心円状(略同軸状)に設けられている。
これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38の傾斜角度は、ろ過面積を大きくする観点や粉粒体材料の接触効率を向上させる観点、清掃性の観点等から適宜の角度としてもよい。例えば、側面視(縦断面視)した状態で、これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38のそれぞれの対向する周壁部同士のなす角を、5度~45度程度としてもよく、図例では、25度程度とした例を示している。
【0027】
また、本実施形態では、図2(a)及び図3(a)に示すように、第1筒状部34の先端部と第2筒状部36の基端部とを、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される円環板状部35を介して連結した構成としている。また、図2(b)及び図3(a)に示すように、第2筒状部36の先端部と第3筒状部38の基端部とを、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される円環板状部37を介して連結した構成としている。また、これら円環板状部35,37を、空気の流通を阻止する封止部としている。つまり、これら円環板状部35,37は、空気の流通不能な構成とされている。
また、最内周側となる第3筒状部38の先端部に、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される円板状部39を設けた構成としている。また、この円板状部39を、空気の流通を阻止する封止部としている。
【0028】
上記した第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38は、フィルター部を構成し、輸送空気に加えて粉塵を通過させる一方、原料となる粉粒体材料の通過を阻止する構成とされている。なお、図例では、これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38を、多数の貫通孔が設けられたパンチングメタル状とした例を示しているが、メッシュ状(網状)とされたものでもよく、空気の流通が可能な多孔質状とされたものであれば、どのようなものでもよい。また、これら第1筒状部34、第2筒状部36及び第3筒状部38の貫通孔の孔径や開口率は、捕集する粉粒体材料や用途等によって適宜のものとすればよい。また、上記した円環板状部35,37は、個別に形成された各筒状部34,36,38を接続するように溶接等によって空気の流通不能な円環板状体を接続して形成されたものでもよく、または、一体的に形成された各筒状部34,36,38間の多孔質状部を封止するように溶接等によって接合されて形成されたものでもよく、その他、種々の態様によって形成されたものでもよい。
【0029】
上記構成とされたフィルター30を反転可能に保持する保持部25は、図1に示すように、ホッパー部11の上端部に設けられている。本実施形態では、この保持部25を、ホッパー部11の上端部に取り付けられ、ホッパー部11と蓋体20との間をシールするパッキン24に設けた構成としている。このパッキン24は、ホッパー部11の上端部に全周に亘って環状に設けられている。ホッパー部11の上端部には、図3(b)及び図4に示すように、このパッキン24が取り付けられる取付部としての鍔状部11aが径方向外側に向けて突出するように設けられている。パッキン24には、この鍔状部11aを受け入れる受入溝24aが径方向内側に向けて開口するように設けられている。
また、パッキン24に設けられた保持部25は、径方向内側及び上方側に向けて開口するように凹段部状とされている。この保持部25は、フィルター30の被保持部33が載置される上方側に向く平坦面状とされた載置部25aと、径方向内側に向く段壁部25bと、によって区画されている。段壁部25bは、フィルター30の被保持部33の外周端面に当接または近接して配される構成とされている。つまり、段壁部25bの内径は、フィルター30の被保持部33の外径に応じた径とされている。このような構成とすれば、フィルター30の水平方向への位置ずれを抑制することができる。
【0030】
上記したフィルター30の被保持部33は、保持部25の載置部25aと蓋体20のフランジ部21の載置部25aに対向される対向部21aとの間に挟まれるように保持される構成とされている。
なお、捕集器本体10に設けられる保持部25としては、このようなホッパー部11と蓋体20との間に設けられたものに限られない。例えば、ホッパー部11の内周面に、径方向内側に突出し、フィルター30の被保持部33を保持する突片部や内向き鍔状部を保持部25として設けたような態様としてもよい。この場合は、被保持部33の上側を押える押え部を設けた態様としてもよい。また、ホッパー部11側に保持部25を設けた態様に代えて、蓋体20側に保持部25を設けた態様としてもよい。
【0031】
また、フィルター30の被保持部33としては、全周に亘って設けられたものに限られず、周方向に間隔を空けて設けられた複数の突片部としてもよい。また、被保持部33としては、厚さ方向を上下方向に沿わせて配される板状とされたものに限られず、上下方向両側に突出する突片部を設けたような構成とされたものでもよい。この場合は、捕集器本体10側の保持部25に、上下の突片部を受け入れる受入溝を設けたような構成等としてもよい。さらには、被保持部33としては、フィルター30の外周縁部に設けられたものに限られず、平面視中央部等の適所に設けられたものでもよい。この場合は、捕集器本体10の保持部25を、適宜、変形するようにすればよい。フィルター30の被保持部33及びこれを反転可能に保持する保持部25としては、その他、種々の変形が可能である。
【0032】
また、本実施形態では、図1に示すように、当該捕集装置1は、フィルター30の反転時期を報知する報知部13を備えている。当該捕集装置1を用いた粉粒体材料の捕集方法は、フィルター30を反転させる反転時期となれば、報知する構成とされている。
この報知部13は、本実施形態では、捕集器本体10に設けられた窓部12に設けられた目盛とされている。窓部12は、上下方向に長尺状に形成され、捕集器本体10内に捕集される粉粒体材料の貯留レベルの視認が可能とされている。報知部13は、この窓部12の比較的に低い位置を指すように設けられている。この報知部13の指す位置は、例えば、捕集器本体10の容量(貯留可能容量)の1/2以下の位置でもよく、図例では、捕集器本体10の容量の1/3程度の箇所を指すように設けた例を示している。
【0033】
このような報知部13は、当該捕集装置1において、輸送時間が予め定められて一定とされたバッチ輸送で空気輸送の実行がなされる場合に有効となる。
つまり、当該捕集装置1を稼働させ、吸引源2を所定の輸送時間が経過するまで駆動すれば、弁体18が閉鎖されて捕集器本体10内が負圧となり、吸引作用によって輸送元4から粉粒体材料が空気輸送(一バッチ輸送)される。空気輸送された粉粒体材料は、フィルター30において輸送空気と分離されて捕集器本体10内に捕集される。このような輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりし、輸送効率、つまり、一バッチ輸送毎の粉粒体材料の輸送量が徐々に少なくなる。このように一バッチ輸送における粉粒体材料の輸送量が低下し、報知部13において示す位置に低下すれば、フィルター30の反転時期となる。このように反転時期となれば、蓋体20を開放させ、フィルター30を第1姿勢から第2姿勢に、または第2姿勢から第1姿勢に反転させればよい。
【0034】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、上述のような構成としたことで、簡易な構造とすることが可能でありながらも、フィルター30のメンテナンス性を向上させることができる。
つまり、フィルター30に、第1面31側を輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と第1面31側を輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢との各姿勢において捕集器本体10の保持部25に保持される被保持部33を設けた構成としている。従って、第1姿勢において使用されて第1面31側に微粉や粉体が付着や目詰まりしたフィルター30を反転させて第2姿勢とすれば、第1面31側に付着や目詰まりした微粉や粉体を輸送空気によって除去することができる。これにより、逆噴射機構等を設ける必要がなく、また、フィルター30を定期的に取り外して清掃する必要性を低減させることができ、簡易な構造でありながらも、フィルター30のメンテナンス性を向上させることができる。つまりは、フィルター30を反転させれば、フィルター30の機能を回復させることができる。また、このように除去された微粉や粉体は、輸送空気の通過方向下流側を介して捕集器本体10外に排出させることができるので、再付着するようなことを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、フィルター30に、外周縁部の被保持部33の内周側から第1方向に向けて延びる第1筒状部34と、この第1筒状部34の先端部の内周側から第1方向とは逆側に向けて延びる第2筒状部36と、を設けた構成としている。従って、平板状とされたものや一方側のみに延びる筒状部を設けたものと比べて、第1筒状部34と第2筒状部36とによってフィルター30のろ過面積を効果的に大きくすることができ、メンテナンス頻度を低減することができる。
また、本実施形態では、第2筒状部36の先端部の内周側から第1方向に向けて延びる第3筒状部38を更に設けた構成としている。従って、フィルター30のろ過面積をより大きくすることができ、メンテナンス頻度をより低減することができる。なお、このように3つの筒状部34,36,38を上下に折り返し状に設けた態様に加えて、4つ以上の筒状部を上下に折り返し状に設けた態様としてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、被保持部33から第1筒状部34(及び第3筒状部38)の先端部までの輸送空気の通過方向に沿う寸法と、被保持部33から第2筒状部36の先端部までの同方向に沿う寸法と、を略同寸法としている。従って、被保持部33の輸送空気の通過方向両側(上下両側)のそれぞれにおいて延出するように筒状部34(,38),36が設けられることとなる。これにより、被保持部33からいずれか一方側のみに延出させるように筒状部を設けたものと比べて、フィルター30のろ過面積を効果的に大きくしながらも、第1姿勢及び第2姿勢のいずれの姿勢においても捕集器本体10内のスペースを有効に利用することができる。また、捕集器本体10に対してフィルター30を着脱させる際に、被保持部33の両側において延出する筒状部34(,38),36を把持して着脱させることもでき、別途に把持部を設ける必要がなく、構造の簡略化を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態では、第1筒状部34(、第3筒状部38)及び第2筒状部36を、先端側に向かうに従い縮径状に形成した構成としている。従って、各筒状部34(,38),36を直筒状としたものと比べて、各筒状部34(,38),36と粉粒体材料との接触がより効果的になされ、粉粒体材料に付着する粉塵等を効果的に除去することができる。また、材料替え等の際にフィルター30を清掃する際における清掃性を向上させることもできる。
【0038】
また、本実施形態では、第1筒状部34の先端部と第2筒状部36の基端部との間(及び第2筒状部36の先端部と第3筒状部38の基端部との間)に、空気の流通を阻止する封止部を構成する円環板状部35(37)を設けた構成としている。従って、清掃し難い第1筒状部34の先端部と第2筒状部36の基端部との間(及び第2筒状部36の先端部と第3筒状部38の基端部との間)における微粉や粉体の付着や目詰まりを抑制することができ、清掃性を向上させることができる。
また、本実施形態では、最内周側となる第3筒状部38の先端部に、空気の流通を阻止する封止部を構成する円板状部39を設けた構成としている。従って、3つ以上の筒状部34,36,38を上下に折り返し状に設けて最内周側の先端部を構成する円板状部39が小径状となり、清掃し難くなる場合にも、当該部位における微粉や粉体の付着や目詰まりを抑制することができ、清掃性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、フィルター30の反転時期を報知する報知部13を設けた構成としている。従って、報知部13によってフィルター30の反転時期をユーザーに認識させることができる。このような捕集装置1を用いた捕集方法によれば、フィルター30の反転時期を報知することができるので、メンテナンス性をより向上させることができる。
【0040】
次に、上記構成とされた捕集装置1のフィルターの一変形例について図5及び図6を参照して説明する。
なお、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、上記した例と同様の動作や作用等についても説明を省略または簡略に説明する。
【0041】
本変形例では、フィルター30Aは、図5及び図6に示すように、第3筒状部38を設けていない点が上記した例とは主に異なる。
つまり、本変形例では、フィルター30Aは、第1筒状部34と第2筒状部36とを備えた構成とされている。また、本変形例では、最内周側となる第2筒状部36の先端部の円板状部37Aを、空気の流通可能なフィルター部としている。このような構成とすれば、上下に折り返し状に2つの筒状部34,36を有した簡易な構造とすることが可能でありながらも、上記したものと比べて大径状になる傾向がある最内周側の先端部を構成する円板状部37Aもフィルター部として機能させることができる。
また、このようなフィルター30Aを備えた捕集装置1においても、上記した例と同様の効果を奏する。
【0042】
なお、本変形例におけるフィルター30Aの円板状部37Aを、上記同様、空気の流通を阻止する封止部としてもよい。また、本変形例におけるフィルター30Aの円環板状部35、上記したフィルター30の円環板状部35,37のうちの少なくとも一つを、空気の流通可能なフィルター部としてもよい。
また、上記した例では、各筒状部34,36,38を、略円錐台状とした例を示しているが、捕集器本体10の内周形状に応じた形状とすればよく、略角錐台状とされたものでもよい。また、上記した例では、各筒状部34,36,38同士の間に円環板状部35,37を設けた例を示しているが、このような円環板状部35,37を設けずに折り返し状に形成されたものでもよい。また、上記した例では、最内周側の先端部に円板状部39,37Aを設けた例を示しているが、このような円板状部39,37Aを設けずに、尖頭状とした態様としてもよい。
【0043】
また、各筒状部34,36,38を先端側に向かうに従い縮径状とした態様に代えて、少なくとも一つが略直筒状とされたものでもよい。また、上下に折り返し状に設けられた筒状部34,36,38を、平面視して略同心状に設けた態様に代えて、並列状に設けたり、格子状に設けたりしたような態様等としてもよい。さらには、このように被保持部33から上下の両方または一方に突出する部位が存在するフィルター30,30Aに限られず、フィルター部が概ね全体に亘って略平板状とされたものでもよい。本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1に設けられるフィルター30,30Aとしては、その他、種々の変形が可能である。
【0044】
次に、本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一変形例について図7を参照して説明する。
なお、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、上記した例と同様の動作や作用等についても説明を省略または簡略に説明する。また、以下では、上記したフィルター30を備えた捕集装置1Aについて説明するが、変形例に係るフィルター30Aを用いることも可能である。
【0045】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Aは、図7に示すように、フィルター30の反転時期を検知する反転時期検知部29と、この反転時期検知部29が反転時期を検知すれば、報知部13Aに報知させる制御を実行する制御部27と、を備えている。当該捕集装置1Aを用いた粉粒体材料の捕集方法においても、図7(b)に示すように、フィルター30を反転させる反転時期となれば、報知する構成とされている。
このような制御部27は、CPU等から構成されており、当該捕集装置1Aの適所や離間した箇所に設置された制御盤26に設けられたものでもよい。この制御盤26には、制御部27に信号線等を介して接続され、後記する各動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件、各種データテーブル等が格納され、各種メモリ等から構成された記憶部28が設けられている。なお、制御盤26に、制御部27に信号線等を介して接続され、各種設定などを設定、入力したり、表示したりするための表示部及び操作部を構成する表示操作部を更に設けた構成としてもよい。
【0046】
また、制御盤26には、上記した吸引源2、報知部13A及び反転時期検知部29が信号線等を介して接続されている。
報知部13Aとしては、上記のような貯留レベルの低下の判別が可能な目盛ではなく、点灯や表示、鳴動等によって報知する構成とされたランプや、表示部、音響出力部等であってもよい。
また、反転時期検知部29としては、捕集器本体10において捕集された一バッチ輸送量が所定レベルに低下したことを検出するレベル計としてもよい。つまり、上記同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりし、一バッチ輸送における粉粒体材料の輸送量が低下する。このような一バッチ輸送によって輸送された粉粒体材料の貯留レベルが予め定められた所定レベルに低下すれば、制御部27において反転時期と判断し、報知部13Aに報知させる態様としてもよい。
【0047】
また、反転時期検知部29としては、輸送元4から吸引源2までの管路5,3や捕集器本体10内の圧力を検出する圧力計としてもよい。つまり、上記と概ね同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりするため、一バッチ輸送毎の系内の圧力が変動する。この圧力が予め定められた閾値を超えれば、制御部27において反転時期と判断し、報知部13Aに報知させる態様としてもよい。
また、上記のように一バッチ輸送毎の輸送時間が予め定められて一定とされた空気輸送態様に代えて、捕集器本体10に満レベルを検出する上限レベル計を設けた構成とし、反転時期検知部29を、満レベルとなるまでに要する輸送時間を計時する計時部(クロック部)としてもよい。つまり、上記と概ね同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりするため、一バッチ輸送において満レベルになるまでに要する時間が長期化する。この一バッチ輸送毎に要する所要時間が予め定められた所定時間を超えれば、制御部27において反転時期と判断し、報知部13Aに報知させる態様としてもよい。
【0048】
また、反転時期検知部29としては、捕集器本体10に粉粒体材料を空気輸送する際に駆動される吸引源2の総稼働時間を計時する計時部としてもよい。つまりは、吸引源2の総稼働時間が予め定められた所定時間を超えれば、制御部27において反転時期と判断し、報知部13Aに報知させる態様としてもよい。
また、反転時期検知部29としては、捕集器本体10への輸送回数を計数する計数部(カウンター部)としてもよい。つまりは、捕集器本体10への輸送回数が予め定められた所定回数を超えれば、制御部27において反転時期と判断し、報知部13Aに報知させる態様としてもよい。なお、これらの場合、報知部13Aに報知させた後、所定時間が経過すれば、または適宜のリセット操作がなされれば、計時した総稼働時間や計数した輸送回数をリセットするようにしてもよい。
【0049】
なお、上記した反転時期検知部29のうちの複数を備えた態様としてもよい。また、フィルター30の反転時期を検知する反転時期検知部29としては、上記のようなものに限られず、例えば、フィルター30を撮像する撮像部等とし、画像認識等によって反転時期を検知する態様とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。
また、上記した例では、吸引源2による吸引作用によって空気輸送する態様とした例を示しているが、このような態様に代えて、輸送元4側に高圧の輸送空気を導入する圧縮空気源を設けて圧送する態様としてもよい。この場合は、捕集器本体10のフィルター30,30Aの下流側に、排気管や、塵埃等を補足する集塵部等を設けた構成等としてもよい。また、この場合は、弁体18や弁体18を開閉する開閉機構等を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。本実施形態に係る捕集装置1,1Aが備える各部材の具体的構成及びこれを用いて実行される捕集方法としては、上記した構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1,1A 粉粒体材料の捕集装置
10 捕集器本体
13,13A 報知部
25 保持部
30,30A フィルター
31 第1面
33 被保持部
34 第1筒状部
35 円環板状部(封止部)
36 第2筒状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7