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  • -あおり止め線連結具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】あおり止め線連結具
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/24 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
A01G9/24 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019090275
(22)【出願日】2019-05-11
(65)【公開番号】P2020184904
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390010814
【氏名又は名称】株式会社誠和
(74)【代理人】
【識別番号】100101742
【弁理士】
【氏名又は名称】麦島 隆
(72)【発明者】
【氏名】星野 隆
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-238370(JP,A)
【文献】実開昭59-141760(JP,U)
【文献】実開昭55-045713(JP,U)
【文献】実開昭58-018464(JP,U)
【文献】特開2005-168415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14- 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室内において所定の高さで設けられるカーテン部材の開閉方向に沿って前記カーテン部材の下側に張られる棚線を連結するための棚線連結用線状部材に係合可能な線状部材係合部と、
前記線状部材係合部から上方に延びる上方向突出部と
を有し、
前記上方向突出部に、前記カーテン部材の開閉方向に沿って前記カーテン部材の上側に張られるあおり止め線が連結されるあおり止め線連結部が設けられていることを特徴とするあおり止め線連結具。
【請求項2】
前記線状部材係合部から前記カーテン部材の開閉方向に延び、前記棚線に係合する棚線係合部を有する棚線張設方向突出部を備える請求項1記載のあおり止め線連結具。
【請求項3】
前記上方向突出部及び前記棚線張設方向突出部が、角部に位置する前記線状部材係合部を介して、側面視で略L字状に形成されている請求項2記載のあおり止め線連結具。
【請求項4】
前記上方向突出部は、正面視で前記線状部材係合部に向かうほど拡開する向きの略V字状をなす左右の側辺部を備えて形成され、その上部に前記あおり止め線連結部が設けられ、
前記棚線張設方向突出部は、平面視で前記線状部材係合部に向かうほど拡開する向きの略V字状をなす左右の側辺部を備えて形成され、前記左右の側辺部に前記棚線係合部が設けられている請求項3記載のあおり止め線連結具。
【請求項5】
前記線状部材係合部は、側面視で略L字状の内側に開口部を有する略環状に形成され、前記棚線連結用線状部材が前記開口部を介して挿入される請求項4記載のあおり止め線連結具。
【請求項6】
前記あおり止め線連結部は、前記上方向突出部の上部において、前記棚線張設方向突出部の突出方向に突出する連結用突出部からなる請求項4又は5記載のあおり止め線連結具。
【請求項7】
前記棚線張設方向突出部は、前記左右の側辺部の各先端部同士が分離されており、前記各先端部に、前記棚線に係合可能な前記棚線係合部が設けられている請求項4~6のいずれか1に記載のあおり止め線連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室内において所定高さに配置されるカーテン部材が風等によりあおられることを防止するあおり止め線を設置するために用いられるあおり止め線連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラスチックフィルム等からなる保温用、遮光用のカーテン部材を、温室内の上方空間に配置し、これを開閉して室内環境を調整する温室用カーテン装置が開示されている。特許文献1は、高さを異ならせて配置される第1及び第2のカーテン部材を有する2層式であるが、それぞれの基端縁が温室の側面に設けた鋼材やパイプ材等に固定され、その反対側の端縁(先端縁)に先導パイプが連結され、カーテン部材の開閉方向に沿って配設した駆動ワイヤーを先導パイプに連結して、駆動ワイヤーによって先導パイプを移動させて各カーテン部材を開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-325401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の第1及び第2カーテン部材は、それぞれ、温室の側面間に掛け渡される第1及び第2棚線上に支持され、開閉時には、各棚線上を先導パイプと共に移動する。その一方、各カーテン部材が風によってあおられてばたつくことを防止するため、各棚線に対応して、各カーテン部材の上方にあおり止め線が温室の側面間に掛け渡されている。
【0005】
各棚線との間に各カーテン部材を配置するため、あおり止め線は、各棚線から数cm上方に設けられている。具体的には、特許文献1の図2に示されているように、一方の棚線50が温室の各側面に設けた鋼材111,121の上部付近間に掛け渡され、各鋼材111,121の外側を被覆し、各鋼材111,121よりも上下に数cm突出するフランジ部を有する取り付けカバーのフランジ部上端付近間に一方のあおり止め線51が掛け渡されている。他方の棚線60は、取り付けカバーのフランジ部下端付近間に掛け渡されており、他方のあおり止め線61はその数cm上方に位置する各鋼材111,121の下部付近間に掛け渡されている。
【0006】
すなわち、カーテン部材の下方への垂れ下がりを防止するための、カーテン部材の下側を支持する棚線と、カーテン部材があおられてばたつくことを防止するための、カーテン部材の上側に配置されるあおり止め線とは、ともにカーテン部材の開閉方向である温室の両側面の対向方向に掛け渡されるものでありながら、各側面において、異なる高さの部材に連結する必要がある。そのため、特許文献1では、各鋼材111,121の上部及び下部と、取り付けカバーのフランジ部の上端及び下端とのそれぞれに、棚線やあおり止め線を連結する部材を設けている。
【0007】
特許文献1に限らず、このような棚線及びあおり止め線を配置する場合、カーテン部材の開閉方向が、通常、温室の両側面の対向方向であるため、各側面にワイヤーやパイプ材などの連結用線状部材を異なる高さで、カーテン部材の開閉方向に略直交する略水平方向に延びるように設け、そのそれぞれに棚線及びあおり止め線の各端部を連結している。すなわち、温室の各側面には、棚線用及びあおり止め線用の2つの連結用線状部材を設ける必要があり、温室の設置作業の煩雑化や設置コストの増加を招く要因にもなる。
【0008】
設置作業の簡略化等のため、側面に設ける連結用線状部材となるワイヤーを1本とし、その1本のワイヤーに棚線及びあおり止め線をともに連結する場合もある。しかし、その場合には、棚線及びあおり止め線間の隙間が狭くなり、カーテン部材の動きの円滑性が損なわれたり、側面に近づくほど隙間がより狭くなるため、カーテン部材をより側面に寄せようとする場合には、カーテン部材が両者に挟まれて傷ついたりする場合もある。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、従来、あおり止め線を連結するために、棚線連結用とは別に設けていた専用の連結用線状部材を不要とすることができ、もって温室の設置作業の簡略化、低コスト化を図ることができる一方で、あおり止め線を棚線よりも上方に離間して配置でき、両者間にカーテン部材が挟み込まれることによる損傷を来すことも防止できるあおり止め線連結具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するため、本発明のあおり止め線連結具は、
温室内において所定の高さで設けられるカーテン部材の開閉方向に沿って前記カーテン部材の下側に張られる棚線を連結するための棚線連結用線状部材に係合可能な線状部材係合部と、
前記線状部材係合部から上方に延びる上方向突出部と
を有し、
前記上方向突出部に、前記カーテン部材の開閉方向に沿って前記カーテン部材の上側に張られるあおり止め線が連結されるあおり止め線連結部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
前記線状部材係合部から前記カーテン部材の開閉方向に延び、前記棚線に係合する棚線係合部を有する棚線張設方向突出部を備えることが好ましい。
前記上方向突出部及び前記棚線張設方向突出部が、角部に位置する前記線状部材係合部を介して、側面視で略L字状に形成されていることが好ましい。
【0012】
前記上方向突出部は、正面視で前記線状部材係合部に向かうほど拡開する向きの略V字状をなす左右の側辺部を備えて形成され、その上部に前記あおり止め線連結部が設けられ、前記棚線張設方向突出部は、平面視で前記線状部材係合部に向かうほど拡開する向きの略V字状をなす左右の側辺部を備えて形成され、前記左右の側辺部に前記棚線係合部が設けられていることが好ましい。
【0013】
前記線状部材係合部は、側面視で略L字状の内側に開口部を有する略環状に形成され、前記棚線連結用線状部材が前記開口部を介して挿入される構成であることが好ましい。
前記あおり止め線連結部は、前記上方向突出部の上部において、前記棚線張設方向突出部の突出方向に突出する連結用突出部からなることが好ましい。
前記棚線張設方向突出部は、前記左右の側辺部の各先端部同士が分離されており、前記各先端部に、前記棚線に係合可能な前記棚線係合部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のあおり止め線連結具は、棚線連結用線状部材に係合される線状部材係合部と、その上方に延び、あおり止め線連結部を備えた上方向突出部とを有している。線状部材係合部を、略水平方向に延びる棚線連結用線状部材に係合させれば、棚線連結用線状部材よりも上方に、あおり止め線連結部を位置させることができる。このあおり止め線連結部にあおり止め線を連結することで、棚線に対して上方に離間した位置にあおり止め線を容易に配設することができる。
【0015】
従って、あおり止め線専用の連結用線状部材を温室に設ける必要がなくなり、温室の設置作業の簡略化、設置コストの低減を図ることができる。しかも、あおり止め線を、棚線連結用線状部材に連結するわけではないため、あおり止め線と棚線との間隔が狭くなり、それらがカーテン部材に接触して損傷を来すといった不都合もない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一の実施形態に係るあおり止め線連結具の斜視図である。
図2図2は、上記実施形態のあおり止め線連結具の正面図である。
図3図3は、上記実施形態のあおり止め線連結具の左側面図である。
図4図4は、上記実施形態のあおり止め線連結具の平面図である。
図5図5は、上記実施形態のあおり止め線連結具の使用方法を説明するための斜視図である。
図6図6は、上記実施形態のあおり止め線連結具の使用方法を説明するための左側面図である。
図7図7は、本発明の他の実施形態に係るあおり止め線連結具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に示した実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1図6は、本発明の一の実施形態に係るあおり止め線連結具1を説明するための図である。
【0018】
図に示したように、本実施形態のあおり止め線連結具1は、線状部材係合部21,22、上方向突出部30、及び棚線張設方向突出部40を有している。本実施形態のあおり止め線連結具1は、所定径の金属製の線材1本を折り曲げ加工して形成されている。全体としては、側面視で、線状部材係合部21,22が角部に位置する略L字状(図3参照)となり、かつ、上方向突出部30が上方向に延び、正面視で開口側が下向きの略V字状(図2参照)となり、棚線張設方向突出部40が、カーテン部材の開閉方向(略水平方向)に延び、平面視で開口側が外向きの略V字状(図4参照)となる形状を有している。
【0019】
本実施形態のあおり止め線連結具1は、上記のように、1本の金属製の線材を折り曲げ加工して形成されているため、上方向突出部30の略V字状をなす左右の側辺部(上方向突出部側辺部)31,32及び棚線張設方向突出部40の略V字状をなす左右の側辺部(棚線張設方向突出部側辺部)41,42は、それぞれ略V字の開口側に位置する端部31a,41a同士及び端部32a,42a同士がつながっており、その間に、線状部材係合部21,22が形成されている。
【0020】
線状部材係合部21,22は、一方側の上方向突出部側辺部31と棚線張設方向突出部側辺部41との間、他方側の上方向突出部側辺部32と棚線張設方向突出部側辺部42との間のそれぞれに形成されている。従って、線状部材21,22は、互いに所定間隔をおいて左右一対設けられている。線状部材係合部21,22は、図3に示したように側面視で、上方向突出部30よりも外方で棚線張設方向突出部40よりも下方に、すなわち、斜め下外方に膨出する略環状に形成され、内側に開口部21a,22aを有している。
【0021】
上方向突出部30は、上記のように、正面視で略V字状に形成され、左右一対の上方向突出部側辺部31,32が線状部材係合部21,22に向かうほど拡開している。上方向突出部側辺部31,32の各上端31b,32b同士は所定の間隔を有しており、上方向突出部30は、各上端から略水平に延びて両者間を接続する上辺部33を有している。この上辺部33の略中央部には、棚線張設方向突出部40と同方向である温室の内方に向かって平面視で略U字状に突出する連結用突出部33aが湾曲形成されており、この連結用突出部33aがあおり止め線連結部となっている。なお、あおり止め線のずれを抑制するためには、本実施形態の連結用突出部33aのように略U字状等に突出させた形状とすることが好ましいが、あおり止め線300を強固に固定できれば、このような連結用突出部33aを形成せずに直線状の上辺部33自体をあおり止め線連結部とすることも可能である。
【0022】
棚線張設方向突出部40は、上記のように、平面視で略V字状に形成され、左右一対の棚線張設方向突出部側辺部41,42が線状部材係合部21,22に向かうほど拡開している。棚線張設方向突出部側辺部41,42の各先端部41b,42b同士は、分離されている。各先端部41b,42bには、開口側が互いに逆方向となる向きで略U字状に形成された棚線係合部41c,42cが設けられている。また、棚線張設方向突出部側辺部41,42は長さ(端部41a,42aから先端部41b,42bまでの長さ)を若干異ならせ(図3及び図4参照)、各棚線係合部41c,42c同士が、棚線張設方向突出部側辺部41,42間の中心線(棚線張設方向突出部40を平面視で三角形とみなした場合の左右一対の線状部材係合部21,22同士を結ぶ仮想線の二等分線)X上にほぼ整列可能に設けられている。また、常態においては、図4に示したように、各棚線係合部41c,42c同士が上記の中心線X上に整列せず、若干離間した状態となるように、左右一対の線状部材係合部21,22同士を結ぶ仮想線に対する棚線張設方向突出部側辺部41,42の立ち上げ角度が調整されている。
【0023】
本実施形態のあおり止め線連結具1は次のように使用される。図5及び図6に基づいて説明する。まず、温室内には、所定の高さで、その上方空間を仕切るために開閉されるカーテン部材が設けられている。このカーテン部材は、通常、温室の両側面の対向方向に沿って開閉するように設けられている。カーテン部材の下側に配設される棚線200は、温室の各側面に沿って、略水平方向に延びるように張設されたサイドワイヤー400に、各端部が連結され、両側面間に掛け渡される。温室の各側面に略水平に設けられるサイドワイヤー400が棚線連結用線状部材となる。
【0024】
あおり止め線連結具1は、まず、サイドワイヤー400の外方から近づけ、開口部21a,22aを介して、該サイドワイヤー400を左右2個の線状部材係合部21,22内に位置させる。次いで、棚線張設方向突出部40の棚線張設方向突出部側辺部41,42同士を接近方向に押圧する力を付与し、2つの棚線係合部41c,42cをともに棚線200に係合させる。これにより、棚線係合部41c,42cは、ともに上記の中心線Xにほぼ沿って整列することになるが、棚線張設方向突出部側辺部41,42同士を接近方向に押圧する力を解除すると、常態においては両者は離間しているため、その状態へ復元しようとして、棚線係合部41c,42cは、棚線200をその直径方向に互いに逆方向から押圧して係合する。
【0025】
その結果、あおり止め線連結具1は、棚線連結用線状部材であるサイドワイヤー400及び棚線200に、左右2個の線状部材係合部21,22と、ほぼ一列になっている棚線係合部41c,42cとの計3点で安定して支持され、上方向突出部30が上方に延びる姿勢となる。
【0026】
この状態で、上方向突出部30の上部に位置するあおり止め線連結部である連結用突出部33aに、カーテン部材の上側に配置されるあおり止め線300の端部を連結する。これにより、あおり止め線300は、棚線200に対して、上方向突出部30の線状部材係合部21,22からの突出高さに相当する分上方の位置に配設される。カーテン部材の開閉動作時に、カーテン部材があおり止め線300に押し付けられて損傷を来さないようにするため、上方向突出部30の突出高さ、すなわち、上辺部33及び連結用突出部33aの線状部材係合部21,22からの高さは、カーテン部材の大きさ等にもよるが約30~100mm程度とすることが好ましい。
【0027】
棚線連結用線状部材として設けられるサイドワイヤー400に本実施形態のあおり止め線連結具1を配設すれば、あおり止め線300を配設するために従来必要であった専用の連結用線状部材を温室の側面に設けることなく、あおり止め線300を棚線200の上方に配設することができる。しかも、あおり止め線連結具1は、上記のように、棚線連結用線状部材として設けられるサイドワイヤー110に簡単に支持させることができるため、温室の設置作業の簡略化、設置コストの低減に資する。
【0028】
図7は、他の実施形態に係るあおり止め線連結具100を示す。このあおり止め線連結具100は、合成樹脂により、線状部材係合部121,122、上方向突出部130、及び棚線張設方向突出部140を一体成形している。また、上方向突出部130を構成する左右の上方向突出部側辺部131,132及び棚線張設方向突出部140を構成する左右の棚線張設方向突出部側辺部141,142等、いずれも所定幅、所定厚さの板状体として成形されている。
【0029】
上方向突出部130及び棚線張設方向突出部140がいずれも略V字状をなす形状で形成されていることは上記実施形態と同様である。線状部材係合部121,122は、斜め下外方に突出するのではなく、一方の上方向突出部側辺部131と棚線張設方向突出部側辺部141との境界の内面、他方の上方向突出部側辺部132と棚線張設方向突出部側辺部142との境界の内面に、それぞれ内側に開口部121a,122aを有する略環状となるように一体成形されている。
【0030】
また、あおり止め線連結部である連結用突出部133aは、上部突出部130の上辺部133の略中央部に、温室の内方に向かって平面視で鈎状に突出するように形成されている。また、棚線張設方向突出部140の棚線張設方向突出部側辺部141,142に形成される棚線係合部141c,142cは、下方に開口を有する略U字状に形成されている。
【0031】
本実施形態のあおり止め線連結部100も、上記実施形態と全く同様に、線状部材係合部121,122を棚線連結用線状部材となるサイドワイヤー400に係合させると共に、棚線張設方向突出部140の棚線係合部141c,142cを棚線200に係合させて配置する。そして、上方向突出部130の上辺部133に形成した鈎状の連結用突出部133aにあおり止め線300を連結する。これにより、あおり止め線連結用のサイドワイヤーを温室に設けることなく、あおり止め線を棚線の上方に離間して配置することができ、あおり止め線を配設する作業の簡略化、コストの低減化を図ることができる。
【0032】
このように本実施形態のあおり止め線連結具100も上記実施形態のあおり止め線連結具1と同様の作用、効果を発揮できるが、金属製の線材で形成した上記実施形態のあおり止め線連結具1は、より低コストで、かつ、耐久性も高いため好ましい。
【0033】
また、上記いずれの実施形態も、棚線張設方向突出部40,140を設けている。棚線張設方向突出部40,140を設け、それらに形成した棚線係合部41c,42c,141c,142cを棚線200に係合させることで、上方向突出部30,130の内方への倒れを防止し、安定した姿勢とすることができる。そのため、棚線張設方向突出部40,140を設けた構造が好ましい。しかしながら、線状部材係合部21,22,121,122をサイドワイヤー400等の棚線連結用線状部材に係合させるだけで、上方向突出部30,130が安定して上方に延びる姿勢になる場合、例えば、棚線連結用線状部材が長尺な所定径のパイプ材からなり、線状部材係合部21,22,121,122がこのパイプ材に嵌合して配設され、それだけで、温室の内方への倒れが防止されるような場合には、棚線張設方向突出部40,140を省略した構造のあおり止め線連結具とすることもできる。
【0034】
また、従来技術の項で取り上げた特許文献1は、2層式のカーテン部材であるが、本発明のあおり止め線連結具は、このような複層式のカーテン部材に限らず、単層式のカーテン部材など、カーテン部材の形式に拘わらず、あおり止め線の連結に用いることができることはもちろんである。
【符号の説明】
【0035】
1,100 あおり止め線連結具
21,22,121,122 線状部材係合部
30,130 上方向突出部
31,32,131,132 上方向突出部側辺部
33a,133a 連結用突出部(あおり止め線連結部)
40,140 棚線張設方向突出部
41,42,141,142 棚線張設方向突出部側辺部
41c,42c,141c,142c 棚線係合部
200 棚線
300 あおり止め線
400 サイドワイヤー(棚線連結用線状部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7