(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】マルチゾーン循環および濾過を利用するガスエンクロージャシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H10K 71/13 20230101AFI20230302BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20230302BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20230302BHJP
B05C 15/00 20060101ALI20230302BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20230302BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20230302BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20230302BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230302BHJP
【FI】
H10K71/13
B05C5/00 101
B05C13/02
B05C15/00
B41J2/01 305
H01L21/68 K
H01L21/68 N
H10K59/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022004840
(22)【出願日】2022-01-17
(62)【分割の表示】P 2021018187の分割
【原出願日】2015-07-16
【審査請求日】2022-02-16
(32)【優先日】2014-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン マック
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソウ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】プラハラード アイアンガー
(72)【発明者】
【氏名】ディグビー プン
【審査官】岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0206058(US,A1)
【文献】特表2016-518675(JP,A)
【文献】特開2007-207762(JP,A)
【文献】特開2003-173871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 71/13
B05C 5/00
B05C 13/02
B05C 15/00
B41J 2/01
H01L 21/68
H01L 21/683
H10K 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷のためのシステムであって、前記システムは、
プリンタであって、前記プリンタは、
X-Y-Z直交座標系のY方向に伸びる基板支持装置と、
前記基板支持装置の上方に搭載され、前記X-Y-Z直交座標系のX方向に移動するプリントヘッドアセンブリと、を備え、前記システムは、さらに、
内部を画定するガスエンクロージャであって、前記プリンタは前記ガスエンクロージャの内部に配置される、ガスエンクロージャと、
前記基板支持装置を横切る第1ゾーンで前記X方向に層流でガスを循環および濾過し、前記プリントヘッドアセンブリの周囲の第2ゾーンで前記X-Y-Z直交座標系のZ方向にガスを循環および濾過し、前記第1ゾーンから前記第2ゾーンへの遷移ゾーンを介してガスを流すマルチゾーンガス循環濾過システムと、を備える、システム
【請求項2】
前記マルチゾーンガス循環濾過システムは、
前記第1ゾーンでガスを濾過するファンフィルタユニットと、
前記第2ゾーンでガスを濾過するファンフィルタユニットと、
を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1ゾーンでのガスの温度制御のための第1熱交換器と、
前記第2ゾーンでのガスの温度制御のための第2熱交換器と、
をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板支持装置によって支持された基板を前記Y方向に移動させる運動システムを、さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2ゾーンにおけるガス循環は、前記プリントヘッドアセンブリのキャリッジアセンブリに近接する上方向に
あり、前記キャリッジアセンブリは、前記プリントヘッドアセンブリを前記基板支持装置の上方のブリッジに搭載する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ガスを前記第2ゾーンから前記第1ゾーンへ指向するように配置された帰還ダクトを、さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記基板支持装置上を前記X方向に延在するブリッジであって、前記プリントヘッドアセンブリが前記ブリッジに移動可能に搭載されたブリッジと、
前記基板支持装置に支持された
基板を前記X方向に移動させる運動システムと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2ゾーンは、前記プリンタに動作可能に連結されたサービス束筐体のための排出システムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記マルチゾーンガス循環濾過システムは、サイズが2μmを上回るまたはそれと等しい粒子について1分あたり基板の1平方メートルにつき100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす低粒子環境を提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ガスエンクロージャは、不活性ガス環境を維持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記基板支持装置は、浮動式テーブルを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ガスエンクロージャに動作可能に連結されたガス精製システムをさらに備え、前記ガス精製システムは、前記ガスエンクロージャ内のガスを、水蒸気、溶剤蒸気、酸素、およびオゾンのうちの1つ以上のそれぞれの規定レベルより大きくないレベルに維持する、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記規定レベルは、100ppm以下である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記規定レベルは、10ppm以下である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記ガスエンクロージャと選択的に流体連通するように構成された補助エンクロージャと、
前記プリントヘッドアセンブリ上の保守および較正手順のうちの一つを行うように構成された少なくとも一つのデバイスであって、前記少なくとも一つのデバイスは、前記補助エンクロージャの中に収納されている、少なくとも一つのデバイスと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記プリントヘッドアセンブリは、有機材料インクを堆積させることにより、OLEDスタックの層を形成し、またはカプセル化層を形成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
マルチゾーンガス循環濾過システムは、前記第1
ゾーンのガス循環経路および前記第2
ゾーンのガス循環経路においてガスを循環させるための流動指向構造、バッフル、ダクト、およびプレナムの1つ以上を、さらに備える、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
前記補助エンクロージャは、前記ガスエンクロージャから隔離され得る、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2014年7月18日に出願された米国仮出願第62/026,242号および2014年8月7日に出願された米国仮出願第62/034,718号に対する利益を主張するものであり、これらの米国仮出願の各々は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ技術の可能性への関心が、高度に飽和した色を有し、高コントラスト、極薄、高速応答性、およびエネルギー効率的である、ディスプレイパネルの実証を含む、OLEDディスプレイ技術属性によって推進されてきた。加えて、可撓性ポリマー材料を含む、種々の基板材料が、OLEDディスプレイ技術の加工で使用されることができる。小型画面用途、主に、携帯電話のためのディスプレイの実証が、技術の可能性を強調する働きをしてきたが、高収率で一連の基板形式にわたって大量生産を拡大することにおいて課題が残っている。
【0003】
形式の拡大に関して、Gen 5.5基板は、約130cm×150cmの寸法を有し、約8枚の26インチフラットパネルディスプレイを生じることができる。比較すると、より大型の形式の基板は、Gen 7.5およびGen 8.5母ガラス基板サイズを使用することを含む。Gen 7.5母ガラスは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルディスプレイに切断されることができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルディスプレイに切断されることができる。より大型の形式へのOLEDディスプレイ製造の拡大において残る課題の1つの指標としては、Gen 5.5基板より大きい基板上の高収率でのOLEDディスプレイの大量生産は、実質的に困難であることが判明している。
【0004】
原則として、OLEDデバイスは、OLED印刷システムを使用して、基板上で種々の有機薄膜、ならびに他の材料を印刷することによって製造されてもよい。そのような有機材料は、酸化および他の化学プロセスによる損傷を受けやすくあり得る。種々の基板サイズのために拡大されることができ、不活性の実質的に低粒子の印刷環境内で行われることができる様式で、OLED印刷システムを収納することは、種々の技術的課題を提示し得る。例えば、Gen 7.5およびGen 8.5基板の印刷等の高スループット大判基板印刷のための製造ツールは、実質的に大型設備を必要とする。したがって、水蒸気および酸素等の反応性大気種、ならびに有機溶媒蒸気を除去するためにガス精製を必要とする、不活性雰囲気下で大型設備を維持すること、ならびに実質的に低粒子の印刷環境を維持することは、有意な課題を提示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、高収率で一連の基板形式にわたってOLEDディスプレイ技術の大量生産を拡大することにおいて課題が残っている。したがって、種々の実施形態について、不活性で実質的に低粒子の環境にOLED印刷システムを収納することができ、種々の基板サイズおよび基板材料上でのOLEDパネルの加工を提供するように容易に拡大されることができる、本教示のガスエンクロージャシステムの必要性が存在する。加えて、本教示の種々のガスエンクロージャシステムは、処理中の外部からOLED印刷システムへの即時アクセス、および最小限の休止時間を伴う保守のための内部への即時アクセスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の特徴および利点のさらなる理解が、本教示を限定するのではなく例証することを意図している、添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【
図1A】
図1Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの正面斜視図である。
図1Bは、
図1Aで描写されるようなガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の分解図を描写する。
図1Cは、
図1Bで描写される印刷システムの分解等角斜視図を描写する。
【
図1B】
図1Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの正面斜視図である。
図1Bは、
図1Aで描写されるようなガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の分解図を描写する。
図1Cは、
図1Bで描写される印刷システムの分解等角斜視図を描写する。
【
図1C】
図1Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの正面斜視図である。
図1Bは、
図1Aで描写されるようなガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の分解図を描写する。
図1Cは、
図1Bで描写される印刷システムの分解等角斜視図を描写する。
【
図2】
図2は、本教示の種々の実施形態による、カメラを具備された印刷システム内の印刷領域の近位の基板の配置の等角斜視図である。
【
図3A】
図3Aおよび
図3Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略正面断面図である。
【
図3B】
図3Aおよび
図3Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略正面断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略上面断面図である。
図5Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの縦断面概略図である。
【
図5B】
図5Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略上面断面図である。
図5Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの縦断面概略図である。
【
図6】
図6は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略正面断面図である。
【
図7A】
図7Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略上面断面図である。
図7Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの縦断面概略図である。
【
図7B】
図7Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略上面断面図である。
図7Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの縦断面概略図である。
【
図8】
図8は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図である。
【
図9】
図9は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図である。
【
図10A】
図10Aおよび
図10Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図である。
【
図10B】
図10Aおよび
図10Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図である。
【
図12】
図12は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの正面斜視図である。
【
図13A】
図13A-
図13Dは、本教示の種々の実施形態による、種々の動作中の精製システムとガスエンクロージャシステムとの間の流体連通を描写する。
【
図13B】
図13A-
図13Dは、本教示の種々の実施形態による、種々の動作中の精製システムとガスエンクロージャシステムとの間の流体連通を描写する。
【
図13C】
図13A-
図13Dは、本教示の種々の実施形態による、種々の動作中の精製システムとガスエンクロージャシステムとの間の流体連通を描写する。
【
図13D】
図13A-
図13Dは、本教示の種々の実施形態による、種々の動作中の精製システムとガスエンクロージャシステムとの間の流体連通を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本教示は、例えば、OLED基板を印刷するためのOLED印刷システムを収納することができる、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を開示する。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、実質的に低粒子である不活性ガス環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を提供し得る、制御された環境を用いてガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を形成するように、ガス循環および濾過システム、粒子制御システム、ガス精製システム、および熱調節システム、ならびに同等物を提供する、種々の構成要素と密閉可能に構築および統合されることができる。ガスエンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャと、ガスエンクロージャの印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離され得る、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築される補助エンクロージャとを有することができる。
【0008】
本教示のシステムおよび方法によると、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスが種々のゾーン内で循環させられて濾過され得る、ガス循環および濾過システムを有することができる。ガスエンクロージャシステムおよび方法の種々の実施形態では、ガス循環および濾過システムは、例えば、限定されないが、基板支持装置を横断するガスの交差流を提供する、トンネル循環および濾過ゾーンを有することができる。本教示のシステムおよび方法によると、マルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、基板支持装置を横断してガスを循環させ、基板移動の方向にわたる交差流循環経路を提供するように構成される、印刷システムバッフルアセンブリを有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、トンネル循環および濾過ゾーン内の基板支持装置を横断するガスの交差流は、実質的に層流であり得、それによって、トンネルエンクロージャ区分の全体を通して低粒子の環境を提供する。加えて、本教示のシステムおよび方法に関して、基板の近位の印刷領域中のガスの交差流は、種々の印刷システムデバイスおよび装置によって生成され得る、粒子を除去することができる。したがって、トンネルエンクロージャ区分の全体を通して低粒子の環境を提供することに加えて、基板の近位の印刷領域中のガスの交差流は、基板の近位の印刷領域中で低粒子の環境を提供する。
【0009】
本教示のマルチゾーン循環および濾過システムの種々の実施形態は、印刷システムブリッジならびに関連装置およびデバイスを通して、かつ印刷領域中の基板から離してガスの循環および濾過を提供し得る、ブリッジ循環および濾過ゾーンを有することができる。ガスエンクロージャの種々の実施形態について、トンネルバッフル板が、ガスエンクロージャのブリッジ循環および濾過ゾーンの中への遷移流ゾーンを作成する、トンネルバッフル板内の開口部を通してガス流を指向するために使用されることができる。したがって、ブリッジ循環および濾過ゾーンを通した遷移流ゾーンからのガス流は、印刷領域中の基板から粒子を離すことを提供し、それによって、低粒子の印刷環境を提供する。本教示による、マルチゾーン循環および濾過システムの種々の実施形態は、ブリッジバッフル板と、印刷システムブリッジならびに関連装置およびデバイスの周囲でガスを循環させ得る拡散器を伴うブリッジ循環および濾過出力プレナムとを有することができる。したがって、ブリッジ循環および濾過ゾーンを通したブリッジ循環および濾過出力プレナムからのガス流は、印刷領域中の基板から粒子を離すことを提供し、それによって、低粒子の印刷環境を提供する。
【0010】
したがって、本教示のマルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、印刷プロセス中に、ガスエンクロージャの種々の区分内の空中浮遊粒子状物質、ならびに基板の近位に生成される粒子状物質の両方を効果的に除去することができる。
【0011】
種々のOLEDデバイスの製造で使用されることができる基板サイズに関する、より明確な観点のために、何世代もの母ガラス基板サイズが、1990年初期頃からOLED印刷以外によって加工されたフラットパネルディスプレイのために進化してきた。Gen 1と指定される、第1世代の母ガラス基板は、約30cm×40cmであり、したがって、15インチパネルを生産することができた。1990年代中期頃に、フラットパネルディスプレイを生産するための既存の技術は、約60cm×72cmの寸法を有する、Gen 3.5の母ガラス基板サイズに進化した。比較すると、Gen 5.5基板は、約130cm×150cmの寸法を有する。
【0012】
世代が進歩するにつれて、Gen 7.5およびGen 8.5の母ガラスサイズが、OLED印刷以外の加工プロセスのために生産されている。Gen 7.5母ガラスは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルに切断されることができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルに切断されることができる。より本来の色、より高いコントラスト、薄さ、可撓性、透明度、およびエネルギー効率等の品質のためのOLEDフラットパネルディスプレイの将来性は、OLED製造が実用的にG3.5およびそれより小さいものに限定されることと同時に実現されている。現在、OLED印刷は、本制限を打破し、G3.5およびそれより小さい母ガラスサイズのためだけではなく、Gen 5.5、Gen 7.5、およびGen 8.5等の最大母ガラスサイズにおいて、OLEDパネル製造を可能にする最適な製造技術であると考えられる。OLEDパネルディスプレイ技術の特徴のうちの1つは、種々の基板材料、例えば、限定されないが、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料が使用されることができることを含む。その点に介して、ガラス系基板の使用から生じる用語で記載されるサイズは、OLED印刷で使用するために好適な任意の材料の基板に適用されることができる。
【0013】
原則として、大規模基板サイズを含む種々の基板サイズの印刷を可能にすることができる、製造ツールは、そのようなOLED製造ツールを収納するための実質的に大型の設備を必要とし得る。したがって、不活性雰囲気下で大型設備全体を維持することは、大量の不活性ガスの継続的精製等の工学的課題を提示する。ガスエンクロージャシステムの種々
の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの全体を通して実質的に低いレベルの反応種を有する、実質的に低粒子状物質の不活性ガスの連続循環をともに提供することができる、ガスエンクロージャの外部のガス精製システムと併せて、ガスエンクロージャアセンブリの内部に循環および濾過システムを有することができる。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。加えて、水蒸気、酸素、およびオゾン等の種々の反応大気ガス、ならびに種々の印刷プロセスから生成される有機溶媒蒸気の汚染を防止するように本質的に密封されている、大型設備を提供することは、工学的課題を提起する。本教示によると、OLED印刷設備は、水蒸気、酸素、およびオゾン等の種々の反応大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持するであろう。
【0014】
反応種のそれぞれのレベルが標的低レベルで維持されるはずである設備で、OLEDパネルを印刷する必要性が、表1で要約される情報を再検討する際に例証されることができる。表1で要約されるデータは、大型ピクセルのスピンコーティングされたデバイス形式で加工される、赤、緑、および青のそれぞれのための有機薄膜組成物を備える、試験クーポンのそれぞれの試験に起因した。そのような試験クーポンは、種々の調合物およびプロセスの急速評価の目的で、加工および試験することが実質的により容易である。試験クーポン試験は、印刷されたパネルの耐用年数試験と混同されるべきではないが、耐用年数への種々の調合物およびプロセスの影響を示すことができる。以下の表に示される結果は、窒素環境の代わりに空気中で同様に加工された試験クーポンと比較して反応種が1ppm未満であった、窒素環境で加工された試験クーポンのために、スピンコーティング環境のみが変動した、試験クーポンの加工におけるプロセスステップの変動を表す。
【0015】
異なる処理環境下で加工される試験クーポンの以下に示される表1内のデータの点検を通して、特に、赤および青の場合、反応種への有機薄膜組成物の暴露を効果的に低減させる環境での印刷が、種々のELの安定性、したがって、耐用年数に実質的な影響を及ぼし得ることが明白である。耐用年数仕様は、ディスプレイ製品寿命に直接相関するため、OLEDパネル技術にとって特に重要であり、OLEDパネル技術が満たすことが困難となっている、全てのパネル技術のための製品仕様である。必要耐用年数仕様を満たすパネルを提供するために、水蒸気、酸素、およびオゾン、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を用いて、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持されることができる。
【表1】
【0016】
不活性環境を提供することに加えて、OLED印刷のための実質的に低粒子の環境を維持することは、非常に小さい粒子でさえもOLEDパネル上の可視欠陥につながり得るため、特に重要である。ガスエンクロージャシステム内の粒子制御は、例えば、開放型高流動層流濾過フード下の大気条件で行われることができるプロセスのために提示されない、有意な課題を提示し得る。例えば、製造設備は、例えば、限定されないが、印刷システムを操作するために必要とされる光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、種々のシステムおよびアセンブリから動作可能に接続されることができる、種々のサービス束の実質的な長さを必要とし得る。印刷システムの動作で使用され、印刷のために位置付けられた基板の近位に位置する、そのようなサービス束は、継続中の粒子状物質源であり得る。加えて、摩擦ベアリングを使用するファンまたは線形運動システム等の印刷システムで使用される構成要素は、粒子生成構成要素であり得る。本教示のガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、粒子状物質を含有および排出するために、粒子制御構成要素と併せて使用されることができる。加えて、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気圧動作型ロボット、および同等物等の種々の本質的に低粒子生成の空気圧動作型構成要素を使用することによって、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための低粒子環境が維持されることができる。
【0017】
実質的に低粒子の環境を維持することに関して、マルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1からクラス5によって規定されるような、International Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999「Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness」の規格を満たす、空中浮遊粒子状物質のための低粒子不活性ガス環境を提供するように設計されることができる。しかしながら、例えば、限定されないが、印刷プロセス中に基板の近位に生成される粒子が、ガス循環および濾過システムを通して掃引されることができる前に、基板表面上に蓄積し得るため、空中浮遊粒子状物質を制御することだけでは、そのようなプロセス中に基板の近位に低粒子環境を提供するために十分ではない。
【0018】
したがって、ガス循環および濾過システムと併せて、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷ステップにおける処理中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる構成要素を含み得る、粒子制御システムを有することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための粒子制御システムは、マルチゾーンガス循環および濾過システムと、基板に対してプリントヘッドアセンブリを移動させるための低粒子生成X軸線形ベアリングシステムと、サービス束筐体排出システムと、プリントヘッドアセンブリ排出システムとを含むことができる。例えば、ガスエンクロージャシステムは、ガスエンクロージャアセンブリの内部にガス循環および濾過システムを有することができる。
【0019】
本教示のシステムおよび方法について、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、種々のゾーン内にガス循環および濾過を有することができる。例えば、ガスエンクロージャのトンネル循環ゾーンは、基板移動の方向にわたる交差流循環経路を提供するように、トンネル循環および濾過ゾーン内の基板支持装置を横断してガスの循環を提供することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、ガスエンクロージャのトンネル循環ゾーン内の基板支持装置を横断するガスの交差流は、実質的に層流であり得る。トンネル循環ゾーンを有する、ガスエンクロージャは、キャリッジアセンブリの下方に位置する基板からガスを引き離す、キャリッジアセンブリの近位の遷移流ゾーンを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムブリッジならびに関連装置およびデバイスの周囲でガスの循環および濾過を提供し得、遷移流ゾーンと流体連通している、ブリッジ循環および濾過ゾーンを有することができる。そのような内部濾過システムは、各ファンが、ガスの熱制御のための熱交換器および循環粒子状物質の制御を提供する濾過ユニットと直列流体連通し得る、空気の循環のための複数のファンを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、ファンフィルタユニットが、ガスを循環させて濾過するために使用されることができ、熱交換器は、各ファンフィルタユニットと流体連通することができる。循環および濾過システムによって生成されるガス流は、層流である必要はないが、ガスの層流は、内部の中のガスの徹底的かつ完全な転換を確実にするために使用されることができる。ガスの層流はまた、乱流を最小限にするために使用されることもでき、そのような乱流は、そのような乱流の領域中で環境内の粒子を集合させ、濾過システムが環境からこれらの粒子を除去することを妨げ得るため、望ましくない。
【0020】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、基板上堆積率仕様を超えない特定の着目サイズ範囲の粒子の平均基板上分布を提供する、実質的に低粒子の環境を維持することができる。基板上粒子堆積率仕様は、約0.1μmおよびそれを上回る~約10μmおよびそれを上回る着目粒径範囲のそれぞれのために設定されることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板上粒子堆積率仕様は、標的粒径範囲のそれぞれについて、1分あたり基板の1平方メートルにつき堆積させられる粒子の数の限界として表されることができる。
【0021】
基板上粒子堆積率仕様の種々の実施形態は、標的粒径範囲のそれぞれについて、1分あたり基板の1平方メートルにつき堆積させられる粒子の数の限界から、1分あたり1枚の基板につき堆積させられる粒子の数の限界に容易に変換されることができる。そのような変換は、例えば、具体的世代サイズの基板およびその基板世代の対応する面積の基板の間の公知の関係を通して、容易に行われることができる。例えば、以下の表2は、いくつかの公知の世代サイズの基板のアスペクト比および面積を要約する。アスペクト比、したがって、サイズのわずかな変動が、製造業者によって見られ得ることを理解されたい。しかしながら、そのような変動にもかかわらず、具体的世代サイズの基板の変換係数および平方メートル単位の面積が、種々の世代サイズの基板のうちのいずれかで得られることがで
きる。
【表2】
【0022】
加えて、1分あたり基板の1平方メートルにつき堆積させられる粒子の数の限界として表される基板上粒子堆積率仕様は、種々の単位時間表現のうちのいずれかに容易に変換されることができる。分に正規化される基板上粒子堆積率仕様は、公知の時間の関係を通して、例えば、限定されないが、秒、時間、日等の任意の他の時間の表現に容易に変換され得ることが、容易に理解されるであろう。加えて、特異的に処理に関する時間の単位が使用されることができる。例えば、印刷サイクルは、時間の単位と関連付けられることができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、印刷サイクルは、基板が、印刷のためにガスエンクロージャシステムの中へ移動させられ、次いで、印刷が完了した後にガスエンクロージャシステムから除去される、時間の周期であり得る。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、印刷サイクルは、プリントヘッドアセンブリに対する基板の整合の開始から、基板上への最後の放出されたインクの滴の送達までの時間の周期であり得る。処理の技術分野では、全平均サイクル時間またはTACTは、特定のプロセスサイクルのための時間の単位の表現であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態によると、印刷サイクルのTACTは、約30秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、印刷サイクルのTACTは、約60秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、印刷サイクルのTACTは、約90秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、印刷サイクルのTACTは、約120秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、印刷サイクルのTACTは、約300秒であり得る。
【0023】
空中浮遊粒子状物質およびシステム内の粒子堆積に関して、相当な数の変数が、任意の特定の製造システムについて、例えば、基板等の表面上の粒子落下率の値の近似値を十分
に算出し得る、一般モデルを開発することに影響を及ぼし得る。粒子のサイズ、特定のサイズの粒子の分布、基板の表面積、およびシステム内の基板の暴露の時間等の変数は、種々の製造システムに応じて変動し得る。例えば、粒子のサイズおよび特定のサイズの粒子の分布は、種々の製造システム内の粒子生成構成要素の源および場所による影響を実質的に受け得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に基づく計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、0.1μmおよびそれを上回るサイズ範囲内の粒子について、約100万より多い~約1000万より多い粒子であり得ることを示唆する。そのような計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、約2μmおよびそれを上回るサイズ範囲内の粒子について、約1000より多い~約10,000より多い粒子であり得ることを示唆する。
【0024】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境が維持されることができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境が維持されることができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約1000個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、サイズが0.3μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約1000個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境が維持されることができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約1000個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0025】
多種多様のインク調合物が、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の不活性で実質的に低粒子の環境内で印刷されることができると考慮される。OLEDディスプレイの製造中に、OLEDピクセルは、電圧が印加されたときに具体的ピーク波長の光を発することができる、OLEDフィルムスタックを含むように形成されることができる。アノードとカソードとの間のOLEDフィルムスタック構造は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、放出層(EL)、電子輸送層(ETL)、および電子注入層(EIL)を含むことができる。OLEDフィルムスタック構造のいくつかの実施形態では、ETL/EIL層を形成するように、電子輸送層(ETL)を電子注入層(EIL)が組み合わせられることができる。本教示によると、インクジェット印刷を使用して、OLEDフィルムスタックの種々のカラーピクセルELフィルム用のELのための種々のインク調合物が印刷されることができる。加えて、例えば、限定されないが、HIL、HT
L、EML、およびETL/EIL層は、インクジェット印刷を使用して印刷することができる、インク調合物を有することができる。
【0026】
さらに、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層が、OLEDパネル上に印刷されることができると考慮される。インクジェット印刷がいくつかの利点を提供することができるため、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層が印刷されることができると考慮される。第1に、そのようなインクジェットベースの加工が大気圧で行われることができるため、一連の真空処理動作が排除されることができる。加えて、インクジェット印刷プロセス中に、有機カプセル化層は、活性領域にわたってその近位にあるOLED基板の部分を覆って、活性領域の外側縁を含む活性領域を効果的にカプセル化するように限局されることができる。インクジェット印刷を使用する標的パターン化は、材料の無駄を排除するとともに、有機層のパターン化を達成するために典型的に必要とされる付加的処理を排除することをもたらす。カプセル化インクは、例えば、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、または他の材料を含むが、それらに限定されないポリマー、ならびに熱処理(例えば、焼付)、紫外線暴露、およびそれらの組み合わせを使用して硬化させられることができる、それらの共重合体および混合物を含むことができる。本明細書に使用されるように、ポリマーおよび共重合体は、インクに調合され、有機カプセル化層を形成するように基板上で硬化させられることができる、ポリマー成分の任意の形態を含むことができる。そのようなポリマー成分は、ポリマーおよび共重合体、ならびにそれらの前駆体、例えば、限定されないが、モノマー、オリゴマー、および樹脂を含むことができる。
【0027】
ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの輪郭を提供するように構築される種々のフレーム部材を有することができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、不活性ガス体積を最小限にするように作業空間を最適化し、また、処理中に外部からOLED印刷システムへの即時アクセスも可能にしながら、OLED印刷システムに適応することができる。その点に関して、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリは、輪郭形成されたトポロジおよび容積を有することができる。本明細書で後に詳細に議論されるように、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、その上に基板支持装置が搭載され得る、印刷システム基部の周囲で輪郭形成されることができる。さらに、ガスエンクロージャは、キャリッジアセンブリのX軸移動に使用されるブリッジ構造の周囲で輪郭形成されることができる。非限定的実施例として、本教示による、輪郭形成されたガスエンクロージャの種々の実施形態は、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを印刷することが可能な印刷システムの種々の実施形態を収納するために、約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。さらなる非限定的実施例として、本教示による、輪郭形成されたガスエンクロージャの種々の実施形態は、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズを印刷することが可能な印刷システムの種々の実施形態を収納するために、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。輪郭形成されたガスエンクロージャのそのような実施形態は、幅、長さ、および高さの非輪郭形成寸法を有する、非輪郭形成エンクロージャと比較して、体積が約30%~約70%節約され得る。
【0028】
図1Aは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、輪郭形成ガスエンクロージャアセンブリ1000の斜視図を描写する。ガスエンクロージャアセンブリ1000は、前パネルアセンブリ1200と、中央パネルアセンブリ1300と、後パネルアセンブリ1400とを含むことができる。前パネルアセンブリ1200は、前天井パネルアセンブリ1260と、基板を受容するための開口部1242を有し得る前壁パネルアセンブリ1240と、前基部パネルアセンブリ1220とを含むことができる。前パネルアセンブリ1200は、組み立てられたときに、基部によって支持される、ガスエンクロージャの第1のトンネルエンクロージャ区分を提供することができる。後パネルア
センブリ1400は、後天井パネルアセンブリ1460と、基板を除去するための開口部1442を有し得る後壁パネルアセンブリ1440と、後基部パネルアセンブリ1420とを含むことができる。後パネルアセンブリ1400は、組み立てられたときに、基部によって支持される、ガスエンクロージャの第2のトンネルエンクロージャ区分を提供することができる。中央パネルアセンブリ1300は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340と、中央壁および天井パネルアセンブリ1360と、第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380と、ならびに中央基部パネルアセンブリ1320とを含むことができる。中央パネルアセンブリ1300は、組み立てられたときに、基部によって支持される、ガスエンクロージャのブリッジエンクロージャ区分を提供することができる。
【0029】
加えて、
図1Aで描写されるように、中央パネルアセンブリ1300は、第1のプリントヘッド管理システムの実質的に低粒子の環境、ならびに補助ガスエンクロージャを提供する第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ(図示せず)を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築される補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの作業容積から密閉可能に隔離されることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約5%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しくあり得る。反応性ガスを含有する周囲環境への補助エンクロージャの開口部が、例えば、保守手順を行うために示されたならば、ガスエンクロージャの作業容積から補助エンクロージャを隔離することが、ガスエンクロージャの容積全体の汚染を防止することができる。さらに、ガスエンクロージャの印刷システムエンクロージャ部分と比較して、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、補助エンクロージャの回復時間は、印刷システムエンクロージャ全体の回復時間より有意に少ない時間を要し得る。
【0030】
図1Bで描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1000は、完全に構築されたときに、その上にOLED印刷システム2000が搭載され得る隣接基部またはパンを形成する、前基部パネルアセンブリ1220と、中央基部パネルアセンブリ1320と、後基部パネルアセンブリ1420とを含むことができる。
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100について説明されるものと同様に、ガスエンクロージャアセンブリ1000の前パネルアセンブリ1200と、中央パネルアセンブリ1300と、後パネルアセンブリ1400とを備える、種々のフレーム部材およびパネルは、印刷システムエンクロージャを形成するようにOLED印刷システム2000の周囲に接合されることができる。前パネルアセンブリ1200は、ガスエンクロージャの第1のトンネルエンクロージャ区分に搭載される印刷システム2000の周囲に輪郭形成されることができる。同様に、後パネルアセンブリ1400は、ガスエンクロージャの第2のトンネルエンクロージャ区分を形成するように、印刷システム2000の周囲に輪郭形成されることができる。加えて、中央パネルアセンブリ1300は、ガスエンクロージャのブリッジエンクロージャ区分を形成するように、印刷システム2000の周囲に輪郭形成されることができる。ガスエンクロージャアセンブリ1000等の完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリは、種々の環境制御システムと統合されたときに、OLED印刷システム2000等のOLED印刷システムの種々の実施形態を含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施
形態を形成することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、ガスエンクロージャアセンブリによって画定される内部体積の環境制御は、例えば、具体的波長のライトの数および配置による、照明の制御、粒子制御システムの種々の実施形態を使用する粒子状物質の制御、ガス精製システムの種々の実施形態を使用する反応性ガス種の制御、および熱調節システムの種々の実施形態を使用するガスエンクロージャアセンブリの温度制御を含むことができる。
【0031】
図1Cにおいて拡大図で示される、
図1BのOLED印刷システム2000等のOLEDインクジェット印刷システムは、基板上の具体的な場所へのインク滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび装置から成ることができる。これらのデバイスおよび装置は、プリントヘッドアセンブリ、インク送達システム、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を提供するための運動システム、基板支持装置、基板装填および非装填システム、ならびにプリントヘッド管理システムを含むことができるが、それらに限定されない。
【0032】
プリントヘッドアセンブリは、制御された割合、速度、およびサイズでインクの液滴を放出することが可能な少なくとも1つのオリフィスを伴う、少なくとも1つのインクジェットヘッドを含むことができる。インクジェットヘッドは、インクをインクジェットヘッドに提供するインク供給システムによって送給される。
図1Cの拡大図に示されるように、OLEDインクジェット印刷システム2000は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置によって支持され得る、基板2050等の基板を有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板支持装置は、基板浮動式テーブルであり得る。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、
図1Cの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するために使用することができ、Y軸運動システムと併せて、基板2050の無摩擦運搬を提供する基板運搬システムの一部であり得る。本教示のY軸運動システムは、基板を保持するためのグリッパシステム(図示せず)を含み得る、第1のY軸トラック2351と、第2のY軸トラック2352とを含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれか一方によって提供されることができる。
図1Bおよび
図1Cに示されるOLEDインクジェット印刷システム2000の浮動式テーブル2200は、印刷プロセス中の
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ1000を通した基板2050の移動を画定することができる。
【0033】
図1Cは、概して、浮動を提供するように多孔性媒体を有することができる、基板の浮動運搬を含むことができる印刷システム2000用の基板浮動式テーブル2200の実施例を図示する。
図1Cの実施例では、コンベヤの上に位置するような基板浮動式テーブル2200の第1の領域2201中に基板2050を位置付けるために、ハンドラまたは他の運搬が使用されることができる。コンベヤは、機械的接触を使用して(例えば、ピン、トレイ、または支持フレーム構成のアレイを使用して)、または基板2050を制御可能に浮動させるためにガスクッション(例えば、「空気ベアリング」テーブル構成)を使用してのいずれか等で、印刷システム内の規定場所に基板2050を位置付けることができる。加工中に基板2050上に1つまたはそれを上回る層を制御可能に堆積させるために、基板浮動式テーブル2200の印刷領域2202が使用されることができる。印刷領域2202はまた、基板浮動式テーブル2200の第2の領域2203に連結されることもできる。コンベヤは、基板浮動式テーブル2200の第1の領域2201、印刷領域2202、および第2の領域2203に沿って延在することができ、基板2050は、種々の堆積タスクのために所望に応じて、または単一の堆積動作中に再配置されることができる。第1の領域2201、印刷領域2202、および第2の領域2203の近くの制御された環境は、一般的に共有されることができる。
図1Cの印刷システム2000の種々の実
施形態によると、第1の領域2201は、入力領域であり得、第2の領域2203は、出力領域であり得る。
図1Cの印刷システム2000の種々の実施形態について、第1の領域2201は、入力および出力領域の両方であり得る。さらに、例証のためだけに、入力、印刷、および出力等の領域2201、2202、および2203と関連して、機能が参照される。そのような領域は、1つまたはそれを上回る他のモジュールの中の基板の保持、乾燥、もしくは熱処理のうちの1つまたはそれを上回るものの間等の基板の運搬もしくは基板の支持等の他の処理ステップに使用されることができる。
【0034】
図1Cの印刷システム2000は、各プリントヘッドデバイスが、例えば、ノズル印刷、熱ジェット、もしくはインクジェットタイプの1つまたはそれを上回るプリントヘッドを有する、1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイス2505を含むことができる。1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイス2505は、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301等のオーバーヘッドキャリッジに連結され、または別様にそれを横断することができる。本教示の印刷システム2000の種々の実施形態について、1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイス2505の1つまたはそれを上回るプリントヘッドは、基板2050の「上向き」構成で基板2050上に1つまたはそれを上回るパターン化された有機層を堆積させるように構成されることができる。そのような層は、例えば、電子注入または輸送層、正孔注入または輸送層、遮断層、もしくは放出層のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。そのような材料は、1つまたはそれを上回る電気的機能層を提供することができる。
【0035】
図1Cに示される浮動方式によると、基板2050が独占的にガスクッションによって支持される実施例では、ガス陽圧および真空の組み合わせが、ポートの配列を通して、または分散多孔性媒体を使用して印加されることができる。圧力および真空制御の両方を有する、そのようなゾーンは、コンベヤと基板との間に流体ばねを効果的に提供することができる。陽圧および真空制御の組み合わせは、双方向剛性を伴う流体ばねを提供することができる。基板(例えば、基板2050)と表面との間に存在する間隙は、「飛行高度」と称されることができ、そのような高度は、陽圧および真空ポート状態を制御することによって、制御または別様に確立されることができる。このようにして、基板Z軸高度は、例えば、印刷領域2202中で慎重に制御されることができる。いくつかの実施形態では、基板がガスクッションによって支持されている間に基板の側方並進を制限するために、ピンまたはフレーム等の機械的保定技法が使用されることができる。そのような保定技法は、基板が保定されている間に基板の側面に入る瞬発力を低減させるため等に、ばね荷重構造を使用することを含むことができる。これは、側方並進基板と保定手段との間の高い力の衝撃が、基板の欠けまたは壊滅的な破損さえも引き起こし得るため、有益であり得る。
【0036】
飛行高度が精密に制御される必要がない場所等の概して
図1Cに図示されるような他の場所では、第1または第2の領域2201もしくは2203中のコンベヤに沿って、または他の場所等で、圧力単独浮動ゾーンが提供されることができる。真空ノズルに対する圧力の比が徐々に増加または減少する場所等の「遷移」浮動ゾーンが、提供されることができる。例証的実施形態では、公差内で、3つのゾーンが本質的に1つの面内に位置することができるように、圧力・真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力単独ゾーンの間に本質的に一様な高度があり得る。他の場所の圧力単独ゾーンにわたる基板の飛行高度は、基板が圧力単独ゾーン内で浮動式テーブルと衝突しないように十分な高度を可能にするため等に、圧力・真空ゾーンにわたる基板の飛行高度より大きくあり得る。例証的実施例では、OLEDパネル基板は、圧力単独ゾーンの上方約150マイクロメートル(μ)~約300μ、次いで、圧力・真空ゾーンの上方約30μ~約50μの飛行高度を有することができる。例証的実施例では、基板浮動式テーブル2200もしくは他の加工装置の1つまたはそれを上回る部分は、NewWay(R) Air Bearings(Aston, P
ennsylvania, United States of America)によって提供される「空気ベアリング」アセンブリを含むことができる。
【0037】
印刷、緩衝、乾燥、もしくは熱処理のうちの1つまたはそれを上回るものの間に、基板2050の浮動運搬または支持のための分散加圧ガスクッションを確立するために、多孔性媒体が使用されることができる。例えば、コンベヤの一部に連結される、または一部として含まれるような多孔性媒体「プレート」は、個々のガスポートの使用と同様に、基板2050を支持するように「分散」圧力を提供することができる。大型ガスポート開口を使用することがない、分散加圧ガスクッションの使用は、場合によっては、ガスクッションを作成するための比較的大型のガスポートの使用が、ガスクッションの使用にもかかわらず、非一様性に繋がる場合等で、一様性をさらに向上させ、ムラまたは他の可視欠陥の形成を低減させ、もしくは最小限にすることができる。
【0038】
基板2050の全体、またはディスプレイ領域もしくはディスプレイ領域の外側の領域等の基板の規定領域を占有するように規定される物理的寸法を有するような多孔性媒体が、Nano TEM Co., Ltd.(Niigata, Japan)から入手されることができる。そのような多孔性媒体は、ムラまたは他の可視欠陥形成を低減させ、または最小限にしながら、規定面積にわたって所望の加圧ガス流を提供するように規定される孔径を含むことができる。
【0039】
印刷は、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を必要とする。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸XYZシステムを用いて達成されることができる。プリントヘッドアセンブリが、静止基板の上を移動することができる(ガントリ型)か、または分割軸構成の場合、プリントヘッドおよび基板が両方とも移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、例えば、XおよびY軸で、実質的に静止し得、基板は、プリントヘッドに対してXおよびY軸で移動することができ、Z軸運動が、基板支持装置によって、またはプリントヘッドアセンブリと関連付けられるZ軸運動システムによってのいずれかで提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴が、基板上の所望の場所に堆積させられるように、正しい時間に放出される。基板が、基板装填および非装填システムを使用して、挿入され、プリンタから除去されることができる。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、運搬アセンブリを伴う基板浮動式テーブル、またはエンドエフェクタを伴う基板移送ロボットを用いて達成されることができる。プリントヘッド管理システムは、ノズル発射のチェックならびにプリントヘッド内の全ノズルからの滴体積、速度、および軌道の測定等のそのような測定タスクと、インクジェットノズル表面から過剰なインクを拭き取るまたは吸い取ること、インク供給からプリントヘッドを通して廃棄物容器の中へインクを放出することによってプリントヘッドを下準備してパージすること、およびプリントヘッドの交換等の保守タスクとを可能にする、いくつかのサブシステムから成ることができる。OLED印刷システムを備えることができる種々の構成要素を考慮すると、OLED印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。
【0040】
図1Cに関して、印刷システム基部2100は、ブリッジ2130が搭載される、第1のライザ2120と、第2のライザ2122とを含むことができる。OLED印刷システム2000の種々の実施形態については、ブリッジ2130は、ブリッジ2130を横断して、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の移動を制御することができる、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302を支持することができる。印刷システム2000の種々の実施形態については、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、本質的に低粒子生成である、線形空
気ベアリング運動システムを利用することができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態によると、X軸キャリッジは、その上に搭載されたZ軸移動プレートを有することができる。
図1Cでは、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301が、第1のZ軸移動プレート2310を伴って描写される一方で、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、第2のZ軸移動プレート2312を伴って描写される。
図1Cは、2つのキャリッジアセンブリおよび2つのプリントヘッドアセンブリを描写するが、OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のキャリッジアセンブリおよび単一のプリントヘッドアセンブリがあり得る。例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかが、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる一方で、基板2050の特徴を点検するためのカメラシステムは、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態は、単一のプリントヘッドアセンブリを有することができ、例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかが、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための紫外線ランプは、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のプリントヘッドアセンブリ、例えば、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載される第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかがあり得る一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための熱源は、第2のキャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。
【0041】
図1Cでは、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502等の各プリントヘッドアセンブリは、複数のプリントヘッドデバイス2505を描写する、第1のプリントヘッドアセンブリ2501の部分図で描写されるように、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に搭載された複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバイスは、例えば、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体および電子接続を含むことができるが、それらによって限定されず、各プリントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズでインクを放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。印刷システム2000の種々の実施形態について、プリントヘッドアセンブリは、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1~約30個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、約0.1pL~約200pLの液滴体積を放出することができる、約16~約2048個のノズルを有することができる。
【0042】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、非常に多くのプリントヘッドデバイスおよびプリントヘッドを考慮すると、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702は、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに種々の測定および保守タスクを行うために、印刷プロセス中に印刷システムエンクロージャから隔離され得る、補助エンクロージャに収納されることができる。
図1Cで見られることができるように、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッド管理システム装置2707、2709、および2711によって行われることができる、種々の測定および保守手順の即時実施のために、第1のプリントヘッド管理システム2701に対して位置付けられて見られることができる。装置2707、2709、および2011は、種々のプリントヘッド管理機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールのうちのいずれかであり得る。例えば、装置2707、2709、および2011は、滴測定モジュール、プリントヘッド交換モジュール、パージ容器モジュール、およびブロッタモジュールのうちのいずれかであり得る。
図1Cで描写されるように、第1のプリントヘッド管理システムは、第1のプリントヘッドアセンブ
リ2501に対して位置付けるために線形レール運動システム2705上に搭載され得る、装置2707、2709、および2711を有することができる。同様に、装置の類似保管物を有し得る、第2のプリントヘッド管理システム2702は、第1のプリントヘッドアセンブリ2502に対して位置付けるために線形レール運動システム2706上に搭載される、プリントヘッド管理装置を有することができる。
【0043】
第1の作業容積、例えば、印刷システムエンクロージャから閉鎖されるとともに、密閉可能に隔離されることができる、補助エンクロージャを有する、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に関して、再度、
図1Bを参照する。
図1Cで描写されるように、OLED印刷システム2000の上に4つのアイソレータ、すなわち、OLED印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200を支持する、第1のアイソレータセット2110(第2は対向側に示されていない)、および第2のアイソレータセット2112(第2は対向側に示されていない)があり得る。
図1Bのガスエンクロージャアセンブリ1000については、第1のアイソレータセット2110および第2のアイソレータセット2112は、中央基礎パネルアセンブリ1320の第1のアイソレータ壁パネル1325および第2のアイソレータ壁パネル1327等のそれぞれのアイソレータ壁パネルのそれぞれの中に搭載されることができる。
図1Bのガスエンクロージャアセンブリ1000については、中央基礎アセンブリ1320は、第1の補助エンクロージャ1330、ならびに第2の補助エンクロージャ1370を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリ1000の
図1Bは、第1の後壁パネルアセンブリ1338を含むことができる、第1の補助エンクロージャ1330を描写する。同様に、第2の後壁パネルアセンブリ1378を含むことができる、第2の補助エンクロージャ1370も描写されている。第1の補助エンクロージャ1330の第1の後壁パネルアセンブリ1338は、第2の後壁パネルアセンブリ1378について示されるように同様に構築されることができる。第2の補助エンクロージャ1370の第2の後壁パネルアセンブリ1378は、第2の後壁フレームアセンブリ1378に密閉可能に搭載された第2のシール支持パネル1375を有する、第2の後壁フレームアセンブリ1378から構築されることができる。第2のシール支持パネル1375は、基部2100の第2の端部(図示せず)の近位にある、第2の通路1365を有することができる。第2のシール1367は、第2の通路1365の周囲で第2のシール支持パネル1375の上に搭載されることができる。第1のシールが、同様に、第1の補助エンクロージャ1330のための第1の通路の周囲に位置付けられて搭載されることができる。補助パネルアセンブリ1330および補助パネルアセンブリ1370内の各通路は、通路を通過する
図1Cの第1および第2の保守システムプラットフォーム2703および2704等の各保守システムプラットフォームを有することに適応することができる。本明細書で後に詳細に議論されるように、補助パネルアセンブリ1330および補助パネルアセンブリ1370を密閉可能に隔離するために、
図1Bの第2の通路1365等の通路は、密閉可能でなければならない。印刷システム基部に添着された保守プラットフォームの周囲で
図1Bの第2の通路1365等の通路を密閉するために、膨張式シール、ベローズシール、およびリップシール等の種々のシールが使用されることができることが考慮される。
【0044】
第1の補助エンクロージャ1330および第2の補助エンクロージャ1370は、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を含むことができる。第1の床パネルアセンブリ1341は、中央パネルアセンブリ1300の第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340の一部として
図1Bで描写されている。第1の床パネルアセンブリ1341は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340および第1の補助エンクロージャ1330の両方と共通するパネルアセンブリである。第2の床パネルアセンブリ1381は、中央パネルアセンブリ1300の第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380の一部として
図1Bで描写
されている。第2の床パネルアセンブリ1381は、第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380および第2の補助エンクロージャ1370の両方と共通するパネルアセンブリである。
【0045】
本明細書で以前に議論されたように、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503に収納されることができ、第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504に収納されることができる。本教示のシステムおよび方法によると、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504は、印刷プロセス中に印刷のために種々のプリントヘッドアセンブリが位置付けられることができるように、周縁(図示せず)を有し得る開口部を底部に有することができる。加えて、筐体を形成する第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504の部分は、フレームアセンブリ部材およびパネルが密封エンクロージャを提供することが可能であるように、種々のパネルアセンブリについて以前に説明されたように構築されることができる。
【0046】
加えて、種々のフレーム部材の密封のために使用されることができる、圧縮性ガスケットが、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382のそれぞれの周囲に、または代替として、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504の周縁の周囲に、添着されることができる。
【0047】
本教示によると、圧縮性ガスケット材料は、例えば、限定されないが、当技術分野では膨張ゴム材料または膨張ポリマー材料とも称される、閉鎖セルポリマー材料の種類の中のいずれかから選択されることができる。簡潔には、閉鎖セルポリマーは、各離散セルがポリマー材料によって封入される、ガスが離散セルに封入される様式で調製される。フレームおよびパネル構成要素の気密密閉で使用するために望ましい圧縮性閉鎖セルポリマーガスケット材料の性質は、それらが広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して堅固である、優れた湿気障壁性質を保有する、広い温度範囲にわたって弾性である、および恒久的圧縮設定に対して耐性を持つことを含むが、それらによって限定されない。一般に、開放セル構造ポリマー材料と比較して、閉鎖セルポリマー材料は、より高い寸法安定性、より低い湿気吸収係数、およびより高い強度を有する。閉鎖セルポリマー材料が作製されることができる、種々のタイプのポリマー材料は、例えば、シリコーン、ネオプレン、エチレンポリエチレンジエンターポリマー(EPT)、エチレンポリエチレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されるポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々の共重合体および混合物を含むことができるが、それらによって限定されない。
【0048】
閉鎖セル圧縮性ガスケット材料に加えて、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの実施形態を構築する際に使用するための所望の属性を有する、一種の圧縮性ガスケット材料の別の実施例は、中空押出圧縮性ガスケット材料の種類を含む。一種の材料としての中空押出ガスケット材料は、それらが広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して堅固である、優れた湿気障壁性質を保有する、広い温度範囲にわたって弾性である、および恒久的圧縮設定に対して耐性を持つことを含んでもよいが、それらによって限定されない、望ましい属性を有する。そのような中空押出圧縮性ガスケット材料は、例えば、限定されないが、Uセル、Dセル、正方形セル、長方形セル、ならびに種々のカスタム形状因子中空押出ガスケット材料のうちのいずれか等の多種多様な形状因子で提供されることができる。種々の中空押出ガスケット材料は、閉鎖セル圧縮性ガスケット加工に使用されるポリマー材料から加工されることができる。例えば、限定されないが、中空押出ガスケットの種々
の実施形態は、シリコーン、ネオプレン、エチレンポリエチレンジエンターポリマー(EPT)、エチレンポリエチレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されるポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々の共重合体および混合物から加工されることができる。そのような中空セルガスケット材料の圧縮は、所望の属性を維持するために、約50%偏向を超えるべきではない。
【0049】
図1Bで描写されるように、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382の周囲に添着されることができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順中に、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、それぞれ、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302によって、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って位置付けられることができる。その点に関して、種々のプリントヘッド測定および保守手順について、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆うこと、または密閉することなく、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って位置付けられることができる。第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504を、それぞれ、第1の補助エンクロージャ1330および第2の補助エンクロージャ1370とドッキングすることができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順では、そのようなドッキングは、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉する必要なく、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を効果的に閉鎖してもよい。種々のプリントヘッド測定および保守手順について、ドッキングは、プリントヘッドアセンブリエンクロージャおよびプリントヘッド管理システムパネルアセンブリのそれぞれの間のガスケットシールの形成を含むことができる。
図1Bの第2の通路1365および相補的な第1の通路等の通路を密閉可能に閉鎖することと併せて、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504が、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉可能に閉鎖するように、第1の補助エンクロージャ1330および第2の補助エンクロージャ1370とドッキングされるとき、そのように形成された複合構造は密封される。
【0050】
加えて、本教示によると、
図1Bの第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382等の通路を密閉可能に閉鎖するために、構造的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャが、例えば、印刷システムエンクロージャ等の別の内部エンクロージャ容積、ならびにガスエンクロージャアセンブリの外部から隔離されることができる。本教示によると、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートが、空気圧、油圧、電気、または手動作動を使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用することができる、任意の構造的閉鎖であり得る。したがって、ゲートを使用して、
図1Bの第1
のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を可逆的に覆われ、または可逆的に密閉可能に閉鎖されることができる。
【0051】
図1CのOLED印刷システム2000の拡大図では、印刷システムの種々の実施形態は、基板浮動式テーブル基部2220によって支持される、基板浮動式テーブル2200を含むことができる。基板浮動式テーブル基部2220は、印刷システム基部2100上に搭載されることができる。OLED印刷システムの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するとともに、OLED基板の印刷中にガスエンクロージャアセンブリ1000を通して基板2050が移動させられることができる、移動を画定することができる。本教示のY軸運動システムは、基板を保持するためのグリッパシステム(図示せず)を含むことができる、第1のY軸トラック2351と、第2のY軸トラック2352とを含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれかによって提供することができる。その点に関して、運動システム、すなわち、
図1Cで描写されるように、Y軸運動システムと併せて、基板浮動式テーブル2200は、印刷システムを通して基板2050の無摩擦運搬を提供することができる。
【0052】
図2を参照すると、印刷システム2001は、
図1Cの印刷システム2000について以前に説明された要素の全てを有することができる。例えば、限定されないが、
図2の印刷システム2001は、サービス束から生成される粒子を含有して排出するためのサービス束筐体排出システム2400を有することができる。印刷システム2001のサービス束筐体排出システム2400は、サービス束を収納し得る、サービス束筐体2410を含むことができる。本教示によると、サービス束は、ガスエンクロージャシステム内の種々のデバイスおよび装置、例えば、限定されないが、印刷システムと関連付けられる種々のデバイスおよび装置を操作するために必要とされる、種々の光学、電気、機械、ならびに流体接続を提供するように、印刷システムに動作可能に接続されることができる。サービス束筐体排出システム2400を通した正の流量差は、サービス束筐体2410内のサービス束によって生成される粒子が、サービス束筐体排出プレナム2420の中へ、次いで、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422ならびにサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424を通して、ガス循環および濾過システムの中へ指向され得ることを確実にすることができる。
図2の印刷システム2001は、Y軸位置付けシステム2355を使用してY軸方向に精密に位置付けられ得る、基板2050を支持するための基板支持装置2250を有することができる。基板支持装置2250およびY軸位置付けシステム2355は両方とも、印刷システム基部2101によって支持される。基板支持装置2250は、Y軸運動アセンブリ2355上に搭載されることができ、例えば、限定されないが、機械ベアリングまたは空気ベアリングのいずれか一方を利用する、線形ベアリングシステムを使用して、レールシステム2360上で移動させられることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、空気ベアリング運動システムは、基板支持装置2250上に配置された基板のためのY軸方向への無摩擦運搬の促進に役立つ。Y軸運動システム2355はまた、随意に、再度、線形空気ベアリング運動システムまたは線形機械ベアリング運動システムによって提供される、二重レール運動を使用することもできる。
【0053】
種々のキャリッジアセンブリを支持する運動システムに関して、
図2の印刷システム2001は、その上に搭載されたプリントヘッドアセンブリ2500を有して描写される、第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aと、その上に搭載されたカメラアセンブリ2550を有して描写される、第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bとを有することができる。基板支持装置2250の上にある基板2050は、例えば、印刷プロセス中に、ブリッジ2130の近位の種々の位置に位置することができる。基板支持装置2250は、印刷システム基部2101上に搭載されることができる。
図2では、印刷システム2001は、ブリッジ2130上に搭載される、第1のX軸キャリッジアセンブリ2300
Aと、第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bとを有することができる。第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aはまた、プリントヘッドアセンブリ2500のZ軸位置付けのための第1のZ軸移動プレート2310Aを含むこともできる一方で、第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bは、カメラアセンブリ2550のZ軸位置付けのための第2のZ軸移動プレート2310Bを有することができる。その点に関して、キャリッジアセンブリ2300Aおよび2300Bの種々の実施形態は、それぞれ、プリントヘッドアセンブリ2500およびカメラアセンブリ2550用の基板支持体2250上に位置付けられた基板に対する精密X、Y位置付けを提供することができる。印刷システム2004の種々の実施形態について、第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aおよび第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bは、本質的に低粒子生成である、線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。
【0054】
図2のカメラアセンブリ2550は、高速高解像度カメラであり得る。カメラアセンブリ2550は、カメラ2552と、カメラマウントアセンブリ2554と、レンズアセンブリ2556とを含むことができる。カメラアセンブリ2550は、カメラマウントアセンブリ2556を介して、Z軸移動プレート2310B上の運動システム2300Bに搭載されることができる。カメラ2552は、非限定的実施例として、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイス、またはN型金属酸化膜半導体(NMOS)デバイス等の光学画像を電子信号に変換する任意の画像センサデバイスであり得る。種々の画像センサデバイスは、面走査カメラ用のセンサのアレイ、または線走査カメラ用の一列のセンサとして構成されてもよい。カメラアセンブリ2550は、例えば、結果を記憶、処理、および提供するためのコンピュータを含み得る、画像処理システムに接続されることができる。
図2の印刷システム2001について本明細書で以前に議論されたように、Z軸移動プレート2310Bは、基板2050に対してカメラアセンブリ2550のZ軸位置を制御可能に調節することができる。例えば、印刷およびデータ収集等の種々のプロセス中に、基板2050は、X軸運動システム2300BおよびY軸運動システム2355を使用して、カメラアセンブリ2550に対して制御可能に位置付けられることができる。
【0055】
したがって、
図2の分割軸運動システムは、任意の所望の焦点および/または高度において基板2050の任意の部分の上で画像データを捕捉するために、3次元で相互に対するカメラアセンブリ2550ならびに基板2050の精密位置付けを提供することができる。また、基板に対するカメラの精密XYZ運動が、面走査または線走査プロセスのいずれか一方のために行われることができる。本明細書で以前に議論されたように、ガントリ運動システム等の他の運動システムもまた、基板に対して、例えば、プリントヘッドアセンブリおよび/またはカメラアセンブリの間で、3次元での精密移動を提供するために使用されることができる。加えて、照明が、種々の位置に、すなわち、X軸運動システム上または基板の近位の基板支持装置上のいずれか一方、およびそれらの組み合わせで、搭載されることができる。その点に関して、照明が、種々の明視野および暗視野分析、ならびにそれらの組み合わせを行うことに従って、位置付けられることができる。運動システムの種々の実施形態は、基板2050の表面の一連の1つまたはそれを上回る画像を捕捉するように、連続または段階的運動もしくはそれらの組み合わせを使用して、基板2050に対してカメラアセンブリ2550を位置付けることができる。各画像は、1つまたはそれを上回るピクセルウェルと関連付けられる領域、関連電子回路構成要素、OLED基板の経路およびコネクタを包含することができる。画像処理を使用することによって、粒子の画像が取得されることができ、具体的サイズの粒子のサイズおよび数が判定されることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、約190mmの作業高度とともに約8192ピクセルを有し、約34kHzにおいて走査することが可能な線走査カメラが、使用されることができる。加えて、1つより多くのカメラが、印刷システムカメラアセンブリの種々の実施形態のためのX軸キャリッジアセンブリ上に搭載されること
ができ、各カメラは、視野および解像度に関して異なる仕様を有することができる。例えば、1つのカメラが、原位置粒子点検のための線走査カメラであり得る一方で、第2のカメラは、ガスエンクロージャシステム内の基板の規則的ナビゲーション用であり得る。規則的ナビゲーションに有用であるそのようなカメラは、約0.9Xの倍率を伴う約5.4mm×4mm~約0.45Xの倍率を伴う約10.6mm×8mmの範囲内の視野を有する、面走査カメラであり得る。なおもその他の実施形態では、1つのカメラが、原位置粒子点検のための線走査カメラであり得る一方で、第2のカメラは、ガスエンクロージャシステム内の基板の精密ナビゲーションに、例えば、基板整合に使用されることができる。精密ナビゲーションに有用であるそのようなカメラは、約7.2Xの倍率を伴う約0.7mm×0.5mmの視野を有する、面走査カメラであり得る。
【0056】
OLED基板の原位置点検に関して、
図2で描写される印刷システム2001のカメラアセンブリ2550等の印刷システムカメラアセンブリの種々の実施形態が、全平均サイクル時間(TACT)への有意な影響を伴わずにパネルを点検するために使用されることができる。例えば、Gen 8.5基板は、70秒未満で基板上粒子状物質について走査されることができる。OLED基板の原位置点検に加えて、印刷プロセスのためにガスエンクロージャシステムを使用することに先立って、ガスエンクロージャシステムのための十分に低粒子の環境が検証され得るかどうかを判定するために、試験基板を使用することによって、印刷システムカメラアセンブリが、システム有効性確認研究のために使用されることができる。
【0057】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスが種々のゾーン内で循環させられて濾過されることができる、ガス循環および濾過システムを有することができる。本教示のガスエンクロージャシステムおよび方法の種々の実施形態では、ガス循環および濾過システムは、それを通ってガスがブリッジ循環および濾過ゾーンに流入し得る、遷移流ゾーンを作成する開口部を通して、濾過されたガスの循環を指向するトンネルバッフル板を有することができる。トンネル循環および濾過システムは、基板支持装置を横断してガスの交差流を提供することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、トンネル循環および濾過ゾーン内の基板支持装置を横断するガスの交差流は、実質的に層流であり得る。トンネル循環および濾過ゾーンを有する、ガスエンクロージャシステムは、キャリッジアセンブリの下方に位置する基板からガスを引き離す、キャリッジアセンブリの近位の遷移流ゾーンを有することができる。遷移流ゾーンに引き込まれるガスは、トンネルバッフル板内の開口部を通して引き込まれることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムブリッジならびに関連装置およびデバイスの周囲でガスの循環および濾過を提供し得、遷移流ゾーンと流体連通している、ブリッジ循環および濾過ゾーンを有することができる。本教示のガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、印刷プロセス中に、空中浮遊粒子状物質、ならびに基板の近位に生成される粒子状物質の両方を効果的に除去することができる。
【0058】
図3Aおよび
図3Bは、概して、トンネル循環および濾過システム1500を図示する、第1のトンネルエンクロージャ区分1200の断面図を描写する、ガスエンクロージャシステム500Aの概略正面断面図である。加えて、視点および状況について、
図1Aのガスエンクロージャ1000、ならびに
図1Bおよび
図1Cの印刷システム2000の種々の実施形態について説明される特徴が、ブリッジエンクロージャ区分1300の一区分を通した透視図で描写される。ガスエンクロージャ1002の中に収納され得る、印刷システム2002は、
図3Aおよび
図3Bのアイソレータ2110Aならびに2110Bを含む、アイソレータセット2110等のアイソレータの少なくとも2つのセットによって支持され得る、印刷システム基部2100を有することができる。Y軸運動システムは、印刷システム基部2100上に搭載されることができ、Y軸トラック支持体2355によって支持されるY軸トラック2350を含むことができる。基板2050は、基板浮動式
テーブル2200によって浮動して支持されることができる。印刷システム基部2100は、その上にブリッジ2130が搭載され得る、第1のライザ2120および第2のライザ2122を支持することができる。印刷システムブリッジ2130は、その上にプリントヘッドアセンブリ2500が搭載され得る、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301と、その上にカメラアセンブリ2550が搭載され得る、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302とを支持することができる。
【0059】
加えて、ガスエンクロージャシステム500Aは、プリントヘッド管理システム2701を封入し得る、透視図で描写される補助エンクロージャ1330を有することができる。
図1Bの印刷システム2000は、第1の補助エンクロージャ1330と、第2の補助エンクロージャ1370とを有する、ガスエンクロージャを描写するが、
図3Aおよび
図3Bでは、補助エンクロージャ1330が示されている。したがって、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、1つの補助エンクロージャを伴うガスエンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、ガスエンクロージャは、2つの補助エンクロージャを有することができる。補助エンクロージャ1330は、プリントヘッドアセンブリ開口部1342を通してガスエンクロージャシステム500Aの印刷システムエンクロージャと流体連通することができ、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345上に第1のプリントヘッドアセンブリ2500をドッキングすることによって、非限定的実施例として、ガスエンクロージャ1002の残りの容積から密閉可能に隔離されることができる。本明細書で後にさらに詳細に議論されるように、本教示のマルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態について、
図3Aおよび
図3Bにおいて部分的に透視図で示される、トンネルバッフル板2150は、ガスエンクロージャのブリッジエンクロージャ区分の中に水平に搭載されることができる。
【0060】
図3Aおよび
図3Bの概略正面断面図で描写されるように、トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態は、入口バッフル支持体2142を含み得る、入口バッフル2140を含むことができる。入口バッフル2140は、トンネルエンクロージャ1200と併せて、浮動式テーブル2200を横断してガス流を指向することができる。トンネル循環および濾過システム1500は、ファン1520、熱交換器1530、およびフィルタユニット1540が直列に搭載され得る、ガス吸気筐体1510を含むことができる。フィルタユニット1540は、
図3Aならびに
図3Bで描写されるように、フィルタユニット1540と直列にトンネル循環および濾過拡散器1545を有することができる。種々の実施形態では、トンネル循環および濾過拡散器1545は、制御された流量分布を生成するための穿孔金属板であり得る。トンネル循環および濾過拡散器1545の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、制御された流量分布を生成するための多孔性構造を有する、濾過材料であり得る。トンネル循環および濾過拡散器1545の種々の実施形態について、拡散器を通って流動するガスは、拡散器の出口側で制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供することができる。例えば、拡散器は、拡散器の出口側で一様な流量につながる、ダクト、バッフル、またはプレナム等の流動指向構造に進入する不均等な流量プロファイルを相殺するように設計されることができる。加えて、本教示による拡散器の種々の実施形態は、拡散器の出口側の特異的に制御された非一様な流量プロファイルのために設計されることができる。
【0061】
トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態について、ファン1520およびフィルタユニット1540が、ファンフィルタユニットに組み込まれることができる。トンネル循環および濾過ゾーンの種々の実施形態は、出口バッフル支持体2143を含み得る、出口バッフル2141を含むことができる。出口バッフル2141は、トンネルエンクロージャ1200と併せて、浮動式テーブル2200を横断して、かつ第1のトンネルエンクロージャおよび第2のトンネルエンクロージャ区分(
図1Bも参照)の中に
収納された印刷システムの一部の周囲で循環させられるように、下向き方向にガス流を指向し、それによって、第1のトンネルエンクロージャおよび第2のトンネルエンクロージャ区分の中に交差流経路を提供することができる。その点に関して、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、第1のトンネル循環および濾過ゾーン、ならびに第2のトンネル循環および濾過ゾーンを有することができる。トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムのトンネルゾーンを横断して循環する、濾過されたガスを提供することができる。
図3Aおよび
図3Bの断面図で描写されるように、トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態は、基板2050を横断して不活性ガスを指向する。ガスエンクロージャシステム500Aについて、入口バッフル2140および出口バッフル2141は、第1のトンネルエンクロージャ区分1200と併せて、ガスがガスエンクロージャシステム500Aを通して交差流経路の中で循環させられるように、濾過されたガス流を横方向に指向するために使用されることができる。
【0062】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、
図3Aならびに
図3Bのトンネル循環および濾過システム1500は、第1のトンネルエンクロージャ区分ならびに第2のトンネルエンクロージャ区分の両方のための循環および濾過を提供することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態によると、
図3Aならびに
図3Bの第1のトンネルエンクロージャ区分1200のトンネル循環および濾過システム1500について説明される構成要素を有する、第2のトンネル循環および濾過システムが、
図1Aの第2のトンネルエンクロージャ区分1400等の第2のトンネルエンクロージャ区分のために提供されることができる。
【0063】
本明細書で後に詳細に議論されるように、ガスエンクロージャシステム500Aは、ガスエンクロージャ精製システムと流体連通することができる。
図3Aで描写されるように、ガス精製の第1の出口ライン3131Aは、ガスエンクロージャシステム500Aとガス精製システムとの間に流体連通を提供することができる。同様に、ガス精製入口ライン3133は、ガス精製システムからガスエンクロージャシステム500Aに精製された不活性ガスを運ぶ、帰還ラインであり得る。例えば、印刷プロセス中に、
図3Aの第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342を通って補助エンクロージャ1330に流入するガスは、ガス精製の第1の出口ライン3131Aからガス精製システムに循環させられることができ、精製された不活性ガスは、ガス精製入口ライン3133を通してガスエンクロージャ1002の中へ戻るよう指向されることができる。そのようなプロセス中に、ガス精製の第2の出口ライン3131Bは、例えば、閉鎖位置における弁(図示せず)の使用によって、精製システムとの流体連通から隔離されることができる。
図3Bに示されるように、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342は、例えば、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345上に第1のプリントヘッドアセンブリ2500を位置付けることによって、ガスエンクロージャアセンブリの密閉可能区分として構築されることができる。本教示のシステムおよび方法によると、補助エンクロージャは、印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離されることができ、ガスエンクロージャアセンブリの外部の環境に対して開放されることができる。例えば、保守手順を行いながら、補助エンクロージャ1300は、ガスエンクロージャ1002の残りの容積を外部環境に暴露することなく、
図3Bで描写されるように環境に対して開放されることができる。
図3Bで描写されるように、そのようなプロセス中に、ガス精製の第2の出口ライン3131Bは、精製システムと流体連通し、精製された不活性ガスは、ガス精製入口ライン3133を通してガスエンクロージャ1002の中へ戻るよう指向されることができる。そのような手順中に、ガス精製の第1の出口ライン3131Aは、例えば、閉鎖位置における弁(図示せず)の使用によって、精製システムとの流体連通から隔離されることができる。
【0064】
図3Bに示されるように、
図4は、基板2050の近位のブリッジ2130の下に第1のトンネル循環および濾過システム1500Xのフィルタユニット1540を描写する、印刷システム2002の一区分の拡大図である。基板2050は、浮動式テーブル2200によって浮動して支持されるものとして
図4で描写されている。少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリを有する、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301は、精密移動システムを使用して、基板2050に対するX軸移動において制御可能に位置付けられる。印刷システム動作に不可欠な種々の構成要素、例えば、サービス束は、印刷のために位置付けられた基板2050の近位に位置し、継続的粒子状物質源であり得る。
図4に示されるように、第1のトンネルエンクロージャ区分1200と組み合わせた入口バッフル2140は、基板交差流循環経路10として示されるように、基板2050にわたって濾過されたガス流を指向するために使用されることができる。
図4で描写されるような基板交差流循環経路10は、X1およびX2によって画定される水平方向に断面寸法Xと、Y1およびY2によって画定される垂直方向に断面寸法Yとを有する。循環および濾過システム1500(
図3A参照)等の循環および濾過システムの流速は、ほぼY1において流れに進入する粒子が、基板交差流循環経路10を通して掃引され、それによって、基板2050と接触しないように、基板交差流循環経路10の最長水平寸法に従って設定される。
【0065】
以下に示される表3のデータは、
図4の基板交差流循環経路10を通して掃引されることができる、限界粒径を要約する。計算は、各世代の基板サイズの最長水平寸法、ならびに0.1~1m/秒の流速の範囲を考慮して、加えて、1000~9000kg/m3の範囲内の粒子の密度の変動を考慮して、行われた。表3で報告される直径の値(すなわち、≦)を含む、ミクロン[μ]単位の直径として報告される粒径の上限は、1)0.1m/秒の最低流速および9000kg/m3の粒子の最高粒子密度、ならびに2)1m/秒の最高流速および1000kg/m3の粒子の最低密度によって境界される、2つの場合を考慮して判定された。その点に関して、報告される直径は、これら2つの境界の間の値を表す。データの動向は、基板の最長水平寸法が極めて一定の流速の条件下で増加するにつれて、交差流循環経路10を通して効果的に掃引されることができる粒子の平均限界直径が減少することを示す。しかしながら、報告される最小粒径は、Gen 10基板用の最長交差流循環経路のためのものであり、実質的に着目粒径より大きい。したがって、表3で提示される計算の概要は、粒子が処理中に基板表面を汚染することを防止するために交差流を利用する、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態の有効性を実証する。
【表3】
【0066】
したがって、第1のトンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態の設計は、本教示の他の低粒子システムおよび方法と併せて、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための基板の近位に実質的に低粒子の環境を提供することができる。本明細書で以前に議論されたように、そのような実質的に低粒子の環境は、空中浮遊粒子状物質のため、ならびに基板上粒子状物質のための仕様を有することができる。本教示のマルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、例えば、印刷プロセス中に、ガスエンクロージャの種々の区分内の空中浮遊粒子状物質、ならびに基板の近位に生成される粒子状物質の両方を効果的に除去することができる。
【0067】
図5Aは、トンネル循環および濾過ゾーンの種々の実施形態、ならびにブリッジ循環および濾過ゾーンの種々の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステム500Aの概略上面断面図である。断面は、補助エンクロージャ1330の開口部1342の上方のガスエンクロージャ1002を通して得られる(
図1B参照)。本明細書で以前に議論されたように、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、1つの補助エンクロージャを伴うガスエンクロージャを有することができる。加えて、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、ガスエンクロージャは、2つの補助エンクロージャを有することができる。
図5Aの概略レンダリングでは、トンネル交差流循環経路20が、ガスエンクロージャシステム500Aの第1のトンネルエンクロージャ区分1200および第2のトンネルエンクロージャ区分1400について描写されている。
図5Aのトンネル交差流循環経路20は、浮動式テーブル2200を含み得る、印刷システムの周囲でガスを循環させる流路として描写されている(
図1B参照)。本教示のマルチゾーン循環および濾過システムの種々の実施形態によると、第1のトンネル循環および濾過システム1500Aは、第1のトンネルエンクロージャ区分1200のほぼ中間に位置付けられることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、ガスエンクロージャシステム500Aは、単一のトンネル循環および濾過システムを利用してもよい。
図5Aで描
写されるように、種々の本教示のシステムおよび方法は、2つのトンネル循環および濾過システムを利用することができ、第2のトンネルエンクロージャ区分1400のほぼ中間に位置付けられ得る、第2のトンネル循環および濾過システム1500Bを含むことができる。
【0068】
図5Aのガスエンクロージャシステム500Aについて、ブリッジエンクロージャ区分1300の中に搭載されるトンネルバッフル板2150は、第1のライザ2120に適応する第1のライザ開口部2152を有するとともに、第2のライザ2122に適応するための第2のライザ開口部2154を有することができる。加えて、トンネルバッフル板2150は、
図5Aで描写されるX軸キャリッジアセンブリ2301等の印刷システムブリッジ上に搭載され得る、種々のキャリッジアセンブリの移動を可能にし得る、キャリッジアセンブリ開口部2156を有することができる。トンネルバッフル板キャリッジアセンブリ開口部2156は、ブリッジ循環および濾過ゾーンの種々の実施形態と流体連通することができる。トンネルバッフル板キャリッジアセンブリ開口部2156は、遷移ゾーン流路30内の流動インジケータの方向によって示されるように、遷移ゾーン流路30を可能にすることができる。したがって、トンネルバッフル板2150は、トンネル循環および濾過ゾーンからブリッジ循環および濾過ゾーンまでの流体連通を提供する。
【0069】
図5Bは、ガスエンクロージャシステム500Aを通した概略縦断面図である。ガスエンクロージャシステム500Aは、アイソレータの第1のセット2110およびアイソレータの第2のセット2112によって支持されるとともに、印刷システム基部2100上に搭載される、浮動式テーブル2200を含み得る、印刷システムを有することができる。
図5Bでは、トンネル交差流循環経路20は、ガスエンクロージャシステム500Aのトンネル循環および濾過ゾーン内の濾過されたガスの交差循環経路を示す、流動方向インジケータとともに、ガスエンクロージャ1002の略縦断面図で描写されている。ガスエンクロージャ1002は、基板を受容するための入口開口部または入口ゲート1242、ならびにガスエンクロージャアセンブリ500Aから基板を遷移させるための出口開口部または出口ゲート1442を有することができる。ガスエンクロージャシステム500Aの種々の実施形態では、入口および出口ゲートの両方であり得る、単一のゲート1242のみがあってもよい。Y軸運動システムの種々の実施形態は、
図5Bで描写されるプリントヘッドアセンブリ2500等のその上に搭載された少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリを有し得る、ブリッジ2130上に搭載されたX軸キャリッジアセンブリ2301に対してY軸方向に基板を移動させることができる。
【0070】
ガスエンクロージャシステム500Aについて
図5Bで描写されるように、トンネルバッフル板キャリッジアセンブリ開口部2156は、遷移ゾーン流路30を可能にすることができる。その点に関して、トンネルバッフル板2150は、トンネル循環および濾過ゾーンとブリッジ循環および濾過ゾーンとの間に流体連通を提供することができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Aは、例えば、X軸キャリッジアセンブリ2301の周囲で上向き方向に濾過されたガスを引き出し得る、ブリッジ循環流路40を有することができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Aは、サービス束筐体2410を含み得る、サービス束筐体排出システム2400、ならびに流路40によって示されるように、サービス束筐体2410、概して、ブリッジエンクロージャ区分から排気し得る、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450を含むことができる。ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450は、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450の中へ制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供し得る、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器2455を有することができる。種々の実施形態では、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器2455は、制御された流量分布を生成するための穿孔金属板であり得る。ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器2455の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、制御された流量分布を生成するための多
孔性構造を有する、濾過材料であり得る。ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器24555の種々の実施形態について、拡散器を通って流動するガスは、拡散器の出口側で制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供することができる。例えば、拡散器は、拡散器の出口側で一様な流量につながる、ダクト、バッフル、またはプレナム等の流動指向構造に進入する不均等な流量プロファイルを相殺するように設計されることができる。加えて、本教示による拡散器の種々の実施形態は、拡散器の出口側の特異的に制御された非一様な流量プロファイルのために設計されることができる。
【0071】
ブリッジ循環および濾過システム1550Aは、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450と流体連通し得る、ブリッジ循環および濾過システム吸気ダクト1560を含むことができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Aは、ブリッジ循環および濾過システム吸気ダクト1560内に搭載され得る、ファン1570と、熱交換器1580と、フィルタ1590とを含むことができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Aの種々の実施形態について、ファン1570およびフィルタユニット1590は、ファンフィルタユニットに組み込まれることができる。ブリッジ循環および濾過システム吸気ダクト1560は、ブリッジ循環および濾過システム帰還ダクト1565と流体連通することができる。ブリッジ循環および濾過システム帰還ダクト1565は、
図5Bに示されるように、トンネルエンクロージャ区分と流体連通することができる。
図5Bのガスエンクロージャシステム500Aは、1つより多くのブリッジ循環および濾過帰還ダクトを有することができる。マルチゾーン循環および濾過システムの種々の実施形態について、ブリッジ循環および濾過システム帰還ダクトは、トンネル循環および濾過ゾーンとブリッジ循環および濾過ゾーンとの間の流体連通を完成させることができる。
【0072】
本教示のシステムおよび方法のための交差流設計の種々の実施形態は、流動指向構造を介して能動流体連通していないトンネル循環および濾過ゾーンならびにブリッジ循環および濾過ゾーンを提供するために、バッフル板、ダクト、およびプレナム等の流動指向構造の組み合わせを利用してもよい。例えば、
図6は、概して、実質的に独立したゾーンである、トンネル循環および濾過ゾーンならびにブリッジ循環および濾過ゾーンが、流動指向構造を介して指向流体連通していない、本教示の実施形態の断面図を図示する。
【0073】
図3Aおよび
図3Bのガスエンクロージャシステム500Aと同様に、
図6は、概して、ガスエンクロージャシステム500Bのトンネル循環および濾過システム1500Bを図示する。加えて、視点および状況について、
図1Aのガスエンクロージャ1000、ならびに
図1Bおよび
図1Cの印刷システム2000の種々の実施形態について説明される特徴が、ブリッジエンクロージャ区分1300の一区分を通した透視図で描写される。ガスエンクロージャシステム500Bは、ガスエンクロージャ1002の中に収納され得る、印刷システム2002を有することができる。印刷システム2002は、
図3Aおよび
図3Bのアイソレータ2110Aならびに2110Bを含む、アイソレータセット2110等のアイソレータの少なくとも2つのセットによって支持され得る、印刷システム基部2100を有することができる。Y軸運動システムは、印刷システム基部2100上に搭載されることができ、Y軸トラック支持体2355によって支持されるY軸トラック2350を含むことができる。基板2050は、基板浮動式テーブル2200によって浮動して支持されることができる。印刷システム基部2100は、その上にブリッジ2130が搭載され得る、第1のライザ2120および第2のライザ2122を支持することができる。印刷システムブリッジ2130は、その上にプリントヘッドアセンブリ2500が搭載され得る、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301と、その上にカメラアセンブリ2550が搭載され得る、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302とを支持することができる。
【0074】
加えて、
図6のガスエンクロージャシステム500Bは、プリントヘッド管理システム
2701を封入し得る、透視図で描写される補助エンクロージャ1330を有することができる。
図1Bの印刷システム2000は、第1の補助エンクロージャ1330と、第2の補助エンクロージャ1370とを有する、ガスエンクロージャを描写するが、
図6では、補助エンクロージャ1330が示されている。したがって、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、1つの補助エンクロージャを伴うガスエンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、ガスエンクロージャは、2つの補助エンクロージャを有することができる。補助エンクロージャ1330は、プリントヘッドアセンブリ開口部1342を通してガスエンクロージャシステム500Bの印刷システムエンクロージャと流体連通することができ、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1345上に第1のプリントヘッドアセンブリ2500をドッキングすることによって、非限定的実施例として、ガスエンクロージャ1002の残りの容積から密閉可能に隔離されることができる。本明細書で後にさらに詳細に議論されるように、本教示のマルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態について、
図6において部分的に透視図で示される、床パネルアセンブリ1341(
図1Bも参照)は、補助エンクロージャ1330の中へ空気流を指向するための補助エンクロージャバッフル構造として構成されることができる。
【0075】
図3Aについて説明されているものと同様に、概して、
図6によって図示されるシステムおよび方法の種々の実施形態は、例えば、
図1Aの第1のトンネルエンクロージャ区分1200および第2のトンネルエンクロージャ区分1400として、第1のトンネルエンクロージャ区分と、第2のトンネルエンクロージャ区分とを有することができる。種々の実施形態では、各トンネルエンクロージャ区分は、トンネルエンクロージャ区分の周囲に交差流を提供する、トンネル循環および濾過システムを有することができる。
図6のトンネル循環および濾過システムの種々の実施形態は、第1のトンネルエンクロージャ区分ならびに第2のトンネルエンクロージャ区分の両方のための交差流を提供する、トンネル循環および濾過システムを有することができる。概して、
図6の概略正面断面図で図示されるように、トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態は、入口バッフル支持体2142を含み得る、入口バッフル2140を含むことができる。入口バッフル2140は、トンネルエンクロージャ1200と併せて、浮動式テーブル2200を横断してガス流を指向することができる。トンネル循環および濾過システム1500は、ファン1520、熱交換器1530、およびフィルタユニット1540が直列に搭載され得る、ガス吸気筐体1510を含むことができる。フィルタユニット1540は、
図6で描写されるように、フィルタユニット1540と直列にトンネル循環および濾過拡散器1545を有することができる。種々の実施形態では、トンネル循環および濾過拡散器1545は、制御された流量分布を生成するための穿孔金属板であり得る。トンネル循環および濾過拡散器1545の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、制御された流量分布を生成するための多孔性構造を有する、濾過材料であり得る。トンネル循環および濾過拡散器1545の種々の実施形態について、拡散器を通って流動するガスは、拡散器の出口側で制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供することができる。例えば、拡散器は、拡散器の出口側で一様な流量につながる、ダクト、バッフル、またはプレナム等の流動指向構造に進入する不均等な流量プロファイルを相殺するように設計されることができる。加えて、本教示による拡散器の種々の実施形態は、拡散器の出口側の特異的に制御された非一様な流量プロファイルのために設計されることができる。
【0076】
トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態について、ファン1520およびフィルタユニット1540が、ファンフィルタユニットに組み込まれることができる。トンネル循環および濾過ゾーンの種々の実施形態は、出口バッフル支持体2143を含み得る、出口バッフル2141を含むことができる。出口バッフル2141は、トンネルエンクロージャ1200と併せて、浮動式テーブル2200を横断して、かつ第1のトンネルエンクロージャおよび第2のトンネルエンクロージャ区分(
図1Bも参照)の中に
収納された印刷システムの一部の周囲で循環させられるように、下向き方向にガス流を指向し、それによって、第1のトンネルエンクロージャおよび第2のトンネルエンクロージャ区分の中に交差流経路を提供することができる。その点に関して、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、第1のトンネル循環および濾過ゾーン、ならびに第2のトンネル循環および濾過ゾーンを有することができる。トンネル循環および濾過システム1500の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムのトンネルゾーンを横断して循環する、濾過されたガスを提供することができる。
【0077】
概して、
図6によって図示される種々のシステムおよび方法について、
図3A、
図3B、ならびに
図4について本明細書で以前に議論されたように、トンネル循環および濾過システム1500A等のトンネル循環および濾過システムは、基板2050を横断して不活性ガスを指向することができる。ガスエンクロージャシステム500Aについて、入口バッフル2140および出口バッフル2141は、第1のトンネルエンクロージャ区分1200と併せて、ガスがガスエンクロージャシステム500Aを通して交差流経路内で循環させられるように、濾過されたガス流を横方向に指向するために使用されることができる。加えて、概して、
図6によって図示される種々のシステムおよび方法について、
図4および表3について本明細書で以前に議論されたように、基板の近位の印刷領域中のガスの交差流は、種々の印刷システムデバイスおよび装置によって生成され得る粒子を除去することができる。したがって、トンネルエンクロージャ区分の全体を通して低粒子の環境を提供することに加えて、基板の近位の印刷領域中のガスの交差流は、基板の近位の印刷領域中で低粒子の環境を提供する。
【0078】
図7Aは、トンネル循環および濾過ゾーンの種々の実施形態、ならびにブリッジ循環および濾過ゾーンの種々の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステム500Bの概略上面断面図である。断面は、
図7Aに示されるように、補助エンクロージャ1330の中へ空気流を指向するための補助エンクロージャバッフル構造として構成されることができる、ほぼ床パネルアセンブリ1341(
図1Bも参照)の高さで、ガスエンクロージャ1002を通して得られる。補助エンクロージャバッフル構造1341は、その周囲にガスケット1345が搭載され得る、補助エンクロージャ1330の開口部1342(
図1B参照)を有することができる。本明細書で以前に議論されたように、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、1つの補助エンクロージャを伴うガスエンクロージャを有することができる。加えて、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、ガスエンクロージャは、2つの補助エンクロージャを有することができる。
図7Aの概略レンダリングでは、トンネル交差流循環経路20が、ガスエンクロージャシステム500Bの第1のトンネルエンクロージャ区分1200および第2のトンネルエンクロージャ区分1400について描写されている。
図7Aの交差流循環経路20は、浮動式テーブル2200を含み得る、印刷システムの周囲でガスを循環させる流路として描写されている(
図1B参照)。本教示のマルチゾーン循環および濾過システムの種々の実施形態によると、第1のトンネル循環および濾過システム1500Aは、第1のトンネルエンクロージャ区分1200のほぼ中間に位置付けられることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、ガスエンクロージャシステム500Bは、単一のトンネル循環および濾過システムを利用してもよい。
図6で描写されるように、種々の本教示のシステムおよび方法は、2つのトンネル循環および濾過システムを利用することができ、第2のトンネルエンクロージャ区分1400のほぼ中間に位置付けられ得る、第2のトンネル循環および濾過システム1500Bを含むことができる。
【0079】
図7Aのガスエンクロージャシステム500Bは、その上にキャリッジアセンブリ2301が搭載され得る、ブリッジ2130(
図6参照)を支持するための第1のライザ2120および第2のライザ2122を有することができる。
図7Aのガスエンクロージャシステム500Bのブリッジ循環および濾過システム1550Bは、ブリッジエンクロージ
ャ区分出力プレナム1568の中へ循環するガスを指向し得る、ブリッジエンクロージャ区分の第1の帰還ダクト1566およびブリッジエンクロージャ区分の第2の帰還ダクト1568を有することができる。ブリッジエンクロージャ区分出力プレナム1568は、ブリッジ循環および濾過拡散器1569を有することができる。種々の実施形態では、ブリッジ循環および濾過拡散器1569は、制御された流量分布を生成するための穿孔金属板であり得る。ブリッジ循環および濾過拡散器1569の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、制御された流量分布を生成するための多孔性構造を有する、濾過材料であり得る。ブリッジ循環および濾過拡散器1569の種々の実施形態について、拡散器を通って流動するガスは、拡散器の出口側で制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供することができる。例えば、拡散器は、拡散器の出口側で一様な流量につながる、ダクト、バッフル、またはプレナム等の流動指向構造に進入する不均等な流量プロファイルを相殺するように設計されることができる。加えて、本教示による拡散器の種々の実施形態は、拡散器の出口側の特異的に制御された非一様な流量プロファイルのために設計されることができる。ブリッジ循環および濾過拡散器1569が位置する壁に対向する、ブリッジエンクロージャ区分1300の壁の上には、ブリッジエンクロージャ壁と併せて、印刷システムブリッジならびに関連装置およびデバイスの周囲でガスを上方に指向し得る、ブリッジエンクロージャ区分バッフルが搭載されることができる(図示せず)。その点に関して、
図7Aのブリッジ循環および濾過システムの種々の実施形態は、印刷システムブリッジならびに関連装置およびデバイスの周囲で、かつ印刷領域中の基板から離れて、ガスを上方に指向し得る、バッフルに向かってガス流を指向し得る、流量拡散器を伴う出力プレナムと流体連通している第1および第2の帰還ダクト等の流動指向構造を有することができる。
【0080】
ガスエンクロージャシステム500Bについて
図7Bで描写されるように、ブリッジエンクロージャ区分バッフル2157は、上方に、かつプリントヘッドアセンブリ2500の周囲でガスを指向することができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Bは、例えば、X軸キャリッジアセンブリ2301の周囲で上向きの方向に濾過されたガスを引き出し得る、ブリッジ循環流路40を有することができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Bは、サービス束筐体2410を含み得る、サービス束筐体排出システム2400、ならびに流路40によって示されるように、サービス束筐体2410、概して、ブリッジエンクロージャ区分から排気し得る、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450を含むことができる。ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450は、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450の中へ制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供し得る、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器2455を有することができる。種々の実施形態では、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器2455は、制御された流量分布を生成するための穿孔金属板であり得る。ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器2455の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、制御された流量分布を生成するための多孔性構造を有する、濾過材料であり得る。ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト拡散器24555の種々の実施形態について、拡散器を通って流動するガスは、拡散器の出口側で制御された流量をもたらし得る、所望の制御された圧力降下を提供することができる。例えば、拡散器は、拡散器の出口側で一様な流量につながる、ダクト、バッフル、またはプレナム等の流動指向構造に進入する不均等な流量プロファイルを相殺するように設計されることができる。加えて、本教示による拡散器の種々の実施形態は、拡散器の出口側の特異的に制御された非一様な流量プロファイルのために設計されることができる。
【0081】
ブリッジ循環および濾過システム1550Bは、ブリッジエンクロージャ区分排気ダクト2450と流体連通し得る、ブリッジ循環および濾過システム吸気ダクト1560を含むことができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Aは、ブリッジ循環および濾過システム吸気ダクト1560内に搭載され得る、ファン1570と、熱交換器1580
と、フィルタ1590とを含むことができる。ブリッジ循環および濾過システム1550Aの種々の実施形態について、ファン1570およびフィルタユニット1590は、ファンフィルタユニットに組み込まれることができる。ブリッジ循環および濾過システム吸気ダクト1560は、ブリッジ循環および濾過システムの第1の帰還ダクト1564、ならびにブリッジ循環および濾過システムの第2の帰還ダクト1566と流体連通することができる。ブリッジ循環および濾過システムの第1の帰還ダクト1564、ならびにブリッジ循環および濾過システムの第2の帰還ダクト1566は、
図7Bに示されるように、ブリッジエンクロージャ区分出力プレナム1568と流体連通することができる。次いで、循環ガスは、ブリッジ循環および濾過拡散器1569を通って流動することができ、次いで、ブリッジエンクロージャ区分バッフル2157に向かって指向されることができ、それによって、ブリッジ循環流路40を完成させる。
【0082】
本教示によると、概して、
図3A-7Bについて描写および図示されるように、マルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、トンネルエンクロージャ区分およびブリッジエンクロージャ区分等のガスエンクロージャの種々の区分内の空中浮遊粒子状物質を効果的に除去することができる。加えて、本教示のマルチゾーンガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、ブリッジ循環および濾過システムとともに、トンネル循環および濾過システムの種々の実施形態を利用することによって、例えば、印刷プロセス中に、基板の近位に生成される粒子状物質を除去することができる。
【0083】
図8は、ガスエンクロージャシステム501を示す、概略図である。本教示による、ガスエンクロージャシステム501の種々の実施形態は、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリ1003と、ガスエンクロージャアセンブリ1003と流体連通しているガス精製ループ3130と、少なくとも1つの熱調節システム3140とを備えることができる。加えて、ガスエンクロージャシステム501の種々の実施形態は、OLED印刷システム用の基板浮動式テーブル等の種々のデバイスを操作するための不活性ガスを供給することができる、加圧不活性ガス再循環システム3000を有することができる。加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態は、後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態の供給源として、圧縮機、送風機、および2つの組み合わせを利用することができる。加えて、ガスエンクロージャシステム501は、ガスエンクロージャシステム501の内部に循環および濾過システムを有することができる(図示せず)。
【0084】
例えば、
図3A、
図3B、
図5、
図5B、
図6、
図7A、および
図7Bで描写されるように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、2ゾーントンネル循環および濾過システム、ならびにブリッジ循環および濾過システムの設計は、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のために連続的に濾過され、内部で循環させられる不活性ガスから、ガス精製ループ3130を通して循環させられる不活性ガスを分離することができる。ガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1003から溶媒除去構成要素3132まで、次いで、ガス精製システム3134までのガス精製出口ライン3131を含む。次いで、溶媒ならびに酸素、オゾン、および水蒸気等の他の反応性ガス種が精製された不活性ガスが、ガス精製出口ラインから精製ガスを受容する、ガスエンクロージャガス精製入口ライン3133を通して、ガスエンクロージャアセンブリ1003に戻される。ガス精製ループ3130はまた、適切な導管および接続、ならびにセンサ、例えば、酸素、オゾン、水蒸気、および溶媒蒸気センサを含んでもよい。ファン、送風機、またはモータ、および同等物等のガス循環ユニットは、別個に提供され、または例えば、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるように、ガス精製システム3134に組み込まれることができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、
図8に示される概略図で別個のユニットとして示されているが、溶媒除去システム3132お
よびガス精製システム3134は、単一の精製ユニットとしてともに収納されることができる。
【0085】
図8のガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1003から循環させられる不活性ガスが、ガス精製出口ライン3131を介して溶媒除去システム3132を通過するように、ガス精製システム3134の上流に配置された溶媒除去システム3132を有することができる。種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132は、
図8の溶媒除去システム3132を通過する不活性ガスから溶媒蒸気を吸着することに基づく、溶媒閉じ込めシステムであってもよい。例えば、限定されないが、活性炭、分子篩、および同等物等の1つまたは複数の吸着剤層が、多種多様の有機溶媒蒸気を効果的に除去してもよい。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、溶媒除去システム3132内の溶媒蒸気を除去するために、冷却トラップ技術が採用されてもよい。本明細書で以前に議論されたように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、
図8のガスエンクロージャシステム501等のガスエンクロージャシステムを通って連続的に循環する不活性ガスからのそのような種の効果的な除去を監視するために、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサ等のセンサが使用されてもよい。溶媒除去システムの種々の実施形態は、1つまたは複数の吸着剤層が再生もしくは交換されることができるように、活性炭、分子篩、および同等物等の吸着剤が容量に達したときを示すことができる。分子篩の再生は、分子篩を加熱すること、分子篩をフォーミングガスと接触させること、それらの組み合わせ、および同等物を伴うことができる。酸素、オゾン、水蒸気、および溶媒を含む、種々の種を閉じ込めるように構成される分子篩は、加熱し、水素を含むフォーミングガス、例えば、約96%窒素および4%水素を含むフォーミングガスに暴露することによって、再生されることができ、該割合は、体積または重量による。活性炭の物理的再生は、不活性環境下で、類似加熱手順を使用して行われることができる。
【0086】
任意の好適なガス精製システムが、
図8のガス精製ループ3130のガス精製システム3134に使用されることができる。例えば、MBRAUN Inc.(Statham, New Hampshire)またはInnovative Technology(Amesbury, Massachusetts)から入手可能なガス精製システムが、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に組み込むために有用であり得る。ガスエンクロージャシステム501内の1つまたはそれを上回る不活性ガスを精製するため、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ内のガス雰囲気全体を精製するために、ガス精製システム3134が使用されることができる。本明細書で以前に議論されたように、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるために、ガス精製システム3134は、ファン、送風機、またはモータ、ならびに同等物等のガス循環ユニットを有することができる。その点に関して、ガス精製システムを通して不活性ガスを移動させるための体積流量を定義することができる、エンクロージャの容積に応じて、ガス精製システムが選択されることができる。最大約4m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約84m3/時間で移動することができる、ガス精製システムが使用されることができる。最大約10m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約155m3/時間で移動することができる、ガス精製システムが使用されることができる。約52~114m3の容積を有するガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、1つよりも多くのガス精製システムが使用されてもよい。
【0087】
任意の好適なガスフィルタまたは精製デバイスが、本教示のガス精製システム3134に含まれることができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、デバイスのうち1つが、保守のためにラインから外されることができ、他方のデバイスが、中断することなくシステム動作を継続するために使用されることができるように、2つの並列精製デ
バイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、ガス精製システムは、1つまたはそれを上回る分子篩を備えることができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、分子篩のうちの1つが不純物で飽和するか、またはそうでなければ十分効率的に動作していないと見なされるとき、飽和した、もしくは非効率的な分子篩を再生しながら、システムが他方の分子篩に切り替わることができるように、少なくとも第1の分子篩および第2の分子篩を備えることができる。各分子篩の動作効率を判定するため、異なる分子篩の動作を切り替えるため、1つまたはそれを上回る分子篩を再生するため、もしくはそれらの組み合わせのために、制御ユニットが提供されることができる。本明細書で以前に議論されたように、分子篩は、再生および再使用されてもよい。
【0088】
図8の熱調節システム3140は、冷却剤をガスエンクロージャアセンブリの中へ循環させるための流体出口ライン3141と、冷却剤を冷却装置に戻すための流体入口ライン3143とを有する、少なくとも1つの冷却装置3142を含むことができる。ガスエンクロージャシステム501内のガス雰囲気を冷却するために、少なくとも1つの流体冷却装置3142が提供されることができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、流体冷却装置3142は、冷却された流体をエンクロージャ内の熱交換器に送達し、そこで不活性ガスが、エンクロージャの内部の濾過システムに渡される。少なくとも1つの流体冷却装置もまた、ガスエンクロージャシステム501内に封入される装置から発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム501に提供されることができる。例えば、限定されないが、少なくとも1つの流体冷却装置もまた、OLED印刷システムから発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム501に提供されることができる。熱調節システム3140は、熱交換またはペルチェデバイスを備えることができ、種々の冷却能力を有することができる。例えば、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、冷却装置は、約2kW~約20kWの冷却能力を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、1つまたはそれを上回る流体を冷却することができる、複数の流体冷却装置を有することができる。いくつかの実施形態では、流体冷却装置は、冷却剤としていくつかの流体、例えば、限定されないが、熱交換流体として水、不凍剤、冷媒、およびそれらの組み合わせを利用することができる。関連導管およびシステム構成要素を接続する際に、適切な漏出しない係止接続が使用されることができる。
【0089】
以前に議論されたように、本教示は、第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを含むことができる、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を開示する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの密閉可能区分として構築され得る、補助エンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法によると、補助エンクロージャは、印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離されることができ、印刷システムエンクロージャを外部環境に暴露することなく、ガスエンクロージャアセンブリの外部の環境に対して開放されることができる。例えば、限定されないが、種々のプリントヘッド管理手順を行うための補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子状物質汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除し、または最小限にするように行われることができる。プリントヘッドアセンブリ上の測定および保守手順を含み得る、種々のプリントヘッド管理手順は、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに行われることができ、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限にし、または排除する。
【0090】
第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを有する、ガスエンクロージャシステムについては、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに、不活性で実質的に低粒子の環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができるガスエンクロージャシステムを形成するように、
両方の容積が、ガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合されることができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの全容積より実質的に小さい容積であり得、外部環境への暴露後に不活性の低粒子環境を急速に回復させることができ、それによって、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く提供しない補助エンクロージャシステムを形成するように、ガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合されることができる。
【0091】
本教示のシステムおよび方法によると、ガスエンクロージャアセンブリの区分として構築される印刷システムエンクロージャおよび補助エンクロージャの種々の実施形態は、別個に機能するフレーム部材アセンブリ区分を提供する様式で構築されることができる。
図9のガスエンクロージャシステム502は、例えば、
図3Aおよび
図3Bのガスエンクロージャシステム500A、ならびに
図8のガスエンクロージャ501について開示される、全ての要素を有することができる。加えて、
図9のガスエンクロージャシステム502は、ガスエンクロージャアセンブリ1004の第1の容積を画定する、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S1と、ガスエンクロージャアセンブリ1004の第2の容積を画定する、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S2とを有することができる。全ての弁V1、V2、V3、およびV4が開放される場合には、ガス精製ループ3130は、本質的に
図9のガスエンクロージャアセンブリおよびシステム1003について以前に説明されたように動作する。V3およびV4の閉鎖により、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S1のみが、ガス精製ループ3130と流体連通している。本弁状態は、例えば、限定されないが、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S2が雰囲気に対して開放されることを要求する、種々の測定および保守手順中に、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S2が密閉可能に閉鎖され、それによって、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S1から隔離されるときに、使用されてもよい。V1およびV2の閉鎖により、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S2のみが、ガス精製ループ3130と流体連通している。本弁状態は、例えば、限定されないが、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S2が雰囲気に対して開放された後の本区分の回復中に使用されてもよい。
図9に関係付けられる本教示について本明細書で以前に議論されたように、ガス精製ループ3130の要件は、ガスエンクロージャアセンブリ1003の全容積に関して規定される。したがって、ガス精製システムの資源を、
図9のガスエンクロージャシステム502がガスエンクロージャ1004の全容積より容積が有意に小さくなるために描写される、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1004-S2等のガスエンクロージャアセンブリ区分の回復に専念させることによって、回復時間が実質的に短縮されることができる。
【0092】
加えて、補助エンクロージャの種々の実施形態は、照明、ガス循環および濾過、ガス精製、および温度自動調節構成要素等の専用の一式の環境調節システム構成要素と容易に統合されることができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に隔離されることができる、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積と一様であるように設定される、制御された環境を有することができる。さらに、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として密閉可能に隔離されることができる、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積の制御された環境とは異なるように設定される、制御された環境を有することができる。
【0093】
図10Aおよび10Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照
される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスの供給を含むことができるような、非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合して制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
図11Aおよび11Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ、例えば、浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスおよび少なくとも部分的真空を提供する送風機ループを含むことができるような、非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合して制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
図11Cは、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するため等に、1つまたはそれを上回るガスもしくは空気源を統合して制御するためのシステムのさらなる実施例を図示する。
【0094】
本教示のガスエンクロージャシステムの実施形態で利用される、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を最小限にし、同時に、OLED印刷システム設計の種々の設置面積に適応するための作業容積を最適化する、輪郭形成様式で構築されることができることを思い出されたい。例えば、本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、例えば、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを覆う、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、例えば、限定されないが、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズのOLED印刷に有用であり得る、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。補助エンクロージャの種々の実施例は、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築され、不活性な実質的に低粒子の環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続し得るガスエンクロージャシステムを形成するように、ガス循環および濾過、ならびに精製構成要素と容易に統合されることができる。
【0095】
図10Aおよび
図11Aに示されるように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、加圧不活性ガスエンクロージャシステム3000を含むことができる。加圧不活性ガス再循環ループの種々の実施形態は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせを利用することができる。
【0096】
本教示によると、ガスエンクロージャシステム内の加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態を提供するために、いくつかの工学的課題が対処された。第1に、加圧不活性ガス再循環システムを伴わないガスエンクロージャシステムの典型的動作下では、任意の漏出がガスエンクロージャシステム内で発生したならば、内部に進入する外部ガスまたは空気を防ぐために、ガスエンクロージャシステムが、外圧に対してわずかに正の内圧で維持されることができる。例えば、典型的動作下では、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、ガスエンクロージャシステムの内部は、例えば、少なくとも2mbargのエンクロージャシステムの外部の周辺雰囲気に対する圧力で、例えば、少なくとも4mbargの圧力で、少なくとも6mbargの圧力で、少なくとも8mbargの圧力で、またはより高い圧力で維持されることができる。
【0097】
ガスエンクロージャシステム内の加圧不活性ガス再循環システムを維持することは、同時に加圧ガスをガスエンクロージャシステムに連続的に導入しながら、ガスエンクロージャシステムのわずかに正の内圧を維持することに関して、動的な継続中の平衡を保つ行為を提起するため、困難であり得る。さらに、種々のデバイスおよび装置の可変要求が、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの不規則な圧力プロファイルを生成し得る。そのような条件下で外部環境に対してわずかに正の圧力で保持されるガスエンクロージャシステムのために動的圧力平衡を維持することは、継続中のOLED印刷
プロセスの完全性を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、本教示による加圧不活性ガス再循環システムは、圧縮機、アキュムレータ、および送風機、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを利用し得る、加圧不活性ガスループの種々の実施例を含むことができる。加圧不活性ガスループの種々の実施形態を含む、加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態は、安定した定義された値において本教示のガスエンクロージャシステム内で不活性ガスの内圧を提供し得る、特別に設計された圧力制御バイパスループを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、加圧不活性ガス再循環システムは、加圧不活性ガスループのアキュムレータ内の不活性ガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、圧力制御バイパスループを介して加圧不活性ガスを再循環させるように構成されることができる。閾値圧力は、例えば、約25psig~約200psigの範囲内、またはより具体的には、約75psig~約125psiの範囲内、もしくはより具体的には、約90psig~約95psigの範囲内であり得る。その点に関して、特別に設計された圧力制御バイパスループの種々の実施形態とともに加圧不活性ガス再循環システムを有する、本教示のガスエンクロージャシステムは、密封ガスエンクロージャ内に加圧不活性ガス再循環システムを有することの平衡を維持することができる。
【0098】
本教示によると、種々のデバイスおよび装置は、ガスエンクロージャシステムの内部の中に配置され、加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態と流体連通することができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。ガスエンクロージャシステムの中に配置され、種々の加圧不活性ガスループと流体連通し得る、例示的デバイスおよび装置は、例えば、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができるが、それらによって限定されない。基板浮動式テーブル、ならびに空気ベアリングは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態による、OLED印刷システムを操作する種々の側面のために使用されることができる。例えば、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルは、プリントヘッドチャンバの中の定位置に基板を移送するため、ならびにOLED印刷プロセス中に基板を支持するために使用されることができる。
【0099】
例えば、
図10Aおよび
図11Aに示されるように、ガスエンクロージャシステム503Aおよびガスエンクロージャシステム504Aの種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステム503Aおよびガスエンクロージャシステム504Aの動作の種々の側面で使用するために、不活性ガス源3201ならびに清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための外部ガスループ3200を有することができる。ガスエンクロージャシステム503Aおよびガスエンクロージャシステム504Aはまた、以前に説明されたように、内部粒子濾過およびガス循環システムの種々の実施形態、ならびに外部ガス精製システムの種々の実施形態を含むこともできる。ガスエンクロージャシステムのそのような実施形態は、不活性ガスから種々の反応種を精製するためのガス精製システムを含むことができる。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本教示によるガス精製システムの種々の実施形態は、水蒸気、酸素、およびオゾン等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。不活性ガス源3201ならびにCDA源3203を統合して制御するための外部ループ3200に加えて、ガスエンクロージャシステム503Aおよびガスエンクロージャシステム504Aは、ガスエンクロージャシステム503Aおよびガスエンクロージャシステム504
Aの内部に配置され得る、種々のデバイスおよび装置を操作するための不活性ガスを供給し得る、圧縮機ループ3250を有することができる。
【0100】
図10Aの圧縮機ループ3250は、流体連通するように構成される、圧縮機3262と、第1のアキュムレータ3264と、第2のアキュムレータ3268とを含むことができる。圧縮機3262は、ガスエンクロージャアセンブリ1005から引き出される不活性ガスを所望の圧力に圧縮するように構成されることができる。圧縮機ループ3250の入口側は、弁3256および逆止弁3258を有するライン3254を通して、ガスエンクロージャアセンブリ出口3252を介してガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通することができる。圧縮機ループ3250は、外部ガスループ3200を介して、圧縮機ループ3250の出口側でガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通することができる。アキュムレータ3264は、圧縮機3262と、外部ガスループ3200との圧縮機ループ3250の接合部との間に配置されることができ、5psigまたはそれより高い圧力を生成するように構成されることができる。第2のアキュムレータ3268は、約60Hzでの圧縮機ピストン循環による減退変動を提供するために、圧縮機ループ3250の中にあり得る。圧縮機ループ3250の種々の実施例について、第1のアキュムレータ3264が、約80ガロン~約160ガロンの間の容量を有することができる一方で、第2のアキュムレータは、約30ガロン~約60の間の容量を有することができる。ガスエンクロージャシステム503Aの種々の実施形態によると、圧縮機3262は、ゼロ進入圧縮機であり得る。種々の種類のゼロ進入圧縮機は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の中へ大気ガスを漏出させることなく動作することができる。ゼロ進入圧縮機の種々の実施形態は、例えば、圧縮不活性ガスを必要とする種々のデバイスおよび装置の使用を利用して、OLED印刷プロセス中に連続的に実行されることができる。
【0101】
アキュムレータ3264は、圧縮機3262から圧縮不活性ガスを受容して蓄積するように構成されることができる。アキュムレータ3264は、ガスエンクロージャアセンブリ11005の中で必要に応じて圧縮不活性ガスを供給することができる。例えば、アキュムレータ3264は、限定されないが、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等のガスエンクロージャアセンブリ1005の種々の構成要素のための圧力を維持するように、ガスを提供することができる。ガスエンクロージャシステム503Aについて
図10Aに示されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1005は、その中に封入されたOLED印刷システム2000を有することができる。
図10Aで概略的に描写されるように、インクジェット印刷システム2000は、花崗岩ステージであり得る、印刷システム基部2100によって支持されることができる。印刷システム基部2100は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置を支持することができる。本教示の種々の実施形態では、基板支持装置は、
図10Aに示される基板浮動式テーブル2200等の基板浮動式テーブルであり得る。基板浮動式テーブル2200は、基板の無摩擦支持に使用されることができる。低粒子生成浮動式テーブルに加えて、基板の無摩擦Y軸運搬のために、印刷システム2000は、空気ブッシングを利用するY軸運動システムを有することができる。
【0102】
加えて、印刷システム2000は、低粒子生成X軸空気ベアリングアセンブリによって提供される運動制御とともに、少なくとも1つのX、Z軸キャリッジアセンブリを有することができる。例えば、種々の粒子生成線形機械ベアリングシステムの代わりに、X軸空気ベアリングアセンブリ等の低粒子生成運動システムの種々の構成要素が、使用されることができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができると
ともに、維持するのにあまり手がかからない。圧縮機ループ3250は、加圧不活性ガスをガスエンクロージャシステム503Aの種々のデバイスおよび装置に連続的に供給するように構成されることができる。不活性加圧ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用するインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200はまた、弁3274が開放位置にあるときに、ライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通している、真空システム3270も利用する。
【0103】
本教示による加圧不活性ガス再循環システムは、使用中に加圧ガスの可変要求を補うように作用し、それによって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための動的平衡を提供する、圧縮機ループ3250について
図10Aに示されるような圧力制御バイパスループ3260を有することができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、バイパスループが、エンクロージャ1005内の圧力を乱すこと、または変化させることなく、アキュムレータ3264内で一定の圧力を維持することができる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260が使用されない限り閉鎖される、バイパスループの入口側の第1のバイパス入口弁3261を有することができる。バイパスループ3260はまた、第2の弁3263が閉鎖されるときに使用され得る、背圧調節器3266を有することもできる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260の出口側に配置された第2のアキュムレータ3268を有することができる。ゼロ進入圧縮機を利用する圧縮機ループ3250の実施形態について、バイパスループ3260は、ガスエンクロージャシステムの使用中に経時的に発生し得る、圧力のわずかな偏差を補償することができる。バイパスループ3260は、バイパス入口弁3261が開放位置にあるときに、バイパスループ3260の入口側で圧縮機ループ3250と流体連通することができる。バイパス入口弁3261が開放されたとき、圧縮機ループ3250からの不活性ガスが、ガスエンクロージャアセンブリ1005の内部内で要求されていない場合、バイパスループ3260を通して分流される不活性ガスが、圧縮機に再循環させられることができる。圧縮機ループ3250は、アキュムレータ3264内の不活性ガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、バイパスループ3260を通して不活性ガスが分流するように構成される。アキュムレータ3264の事前設定された閾値圧力は、少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約25psig~約200psig、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約50psig~約150psig、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約75psig~約125psig、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約90psig~約95psigであり得る。
【0104】
圧縮機ループ3250の種々の実施形態は、可変速度圧縮機、もしくはオンまたはオフ状態のいずれか一方であるように制御され得る圧縮機等のゼロ進入圧縮機以外の種々の圧縮機を利用することができる。以前に議論されたように、ゼロ進入圧縮機は、いかなる大気反応種もガスエンクロージャシステムに導入されることができないことを確実にする。したがって、大気反応種がガスエンクロージャシステムに導入されることを防止する、任意の圧縮機構成が、圧縮機ループ3250に利用されることができる。種々の実施形態によると、ガスエンクロージャシステム503Aの圧縮機3262は、例えば、限定されないが、密封筐体の中に収納されることができる。筐体内部は、不活性ガス源、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ1005のための不活性ガス雰囲気を形成する同一の不活性ガスと流体連通して構成されることができる。圧縮機ループ3250の種々の実施形態について、圧縮機3262は、一定の圧力を維持するように、一定の速度で制御されることができる。ゼロ進入圧縮機を利用しない圧縮機ループ3250の他の実施形態では、圧縮機3262は、最大閾値圧力に達したときにオフにされ、最小閾値圧力に達したときにオンにされることができる。
【0105】
ガスエンクロージャシステム504Aの
図11Aでは、真空送風機3290を利用する
送風機ループ3280が、ガスエンクロージャアセンブリ1005に収納されるインクジェット印刷システム2005の基板浮動式テーブル2200の動作のために示されている。圧縮機ループ3250について以前に議論されたように、送風機ループ3280は、加圧不活性ガスを印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200に連続的に供給するように構成されることができる。
【0106】
加圧不活性ガス再循環システムを利用し得るガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用する、種々のループを有することができる。ガスエンクロージャシステム504Aの
図11Aでは、圧縮機ループ3250は、高消費マニホールド3225、ならびに低消費マニホールド3215のための不活性ガスの供給に使用され得る、外部ガスループ3200と流体連通することができる。ガスエンクロージャシステム504Aについて
図11Aに示されるような本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々のデバイスおよび装置に不活性ガスを供給するために、高消費マニホールド3225が使用されることができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、限定されないが、アイソレータ、および空気圧アクチュエータ、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々の装置およびデバイスに不活性ガスを供給するために、低消費3215が使用されることができる。
【0107】
図11Aのガスエンクロージャシステム504Aの種々の実施形態について、送風機ループ3280が、加圧不活性ガスを基板浮動式テーブル2200の種々の実施形態に供給するために利用されることができる一方で、外部ガスループ3200と流体連通している圧縮機ループ3250は、加圧不活性ガスを、例えば、限定されないが、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツールのうちの1つまたはそれを上回るもの、ならびにそれらの組み合わせに供給するために利用されることができる。加圧不活性ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用する、OLEDインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200は、弁3294が開放位置にあるときに、ライン3292を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と連通している、送風機真空3290も利用する。送風機ループ3280の筐体3282は、不活性ガスの加圧源を基板浮動式テーブル2200に供給するための第1の送風機3284、およびガスエンクロージャアセンブリ1005内の不活性ガス環境に収納される基板浮動式テーブル2200のための真空源の役割を果たす、第2の送風機3290を維持することができる。基板浮動式テーブルの種々の実施形態のための加圧不活性ガスまたは真空源のいずれか一方として使用するために送風機を好適にすることができる属性は、例えば、それらが高い信頼性を有する、それらを維持するのにあまり手がかからなくする、可変速度制御を有する、広範囲の流量を有する、約100m3/時間~約2,500m3/時間の間の流速を提供することが可能な種々の実施形態を含むが、それらに限定されない。送風機ループ3280の種々の実施形態は、加えて、圧縮機ループ3280の入口端部に第1の隔離弁3283、ならびに送風機ループ3280の出口端部に逆止弁3285および第2の隔離弁3287を有することができる。送風機ループ3280の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、ゲート、バタフライ、針、またはボール弁であり得る、調整可能な弁3286、ならびに規定温度で送風機ループ3280から基板浮動式テーブル2200への不活性ガスを維持するための熱交換器3288を有することができる。
【0108】
図11Aは、
図10Aのガスエンクロージャシステム503Aおよび
図11Aのガスエンクロージャシステム504Aの動作の種々の側面で使用するために、不活性ガス源3201ならびに清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための
図11Aでも
示されるような外部ガスループ3200を描写する。
図10Aおよび
図11Aの外部ガスループ3200は、少なくとも4つの機械弁を含むことができる。これらの弁は、第1の機械弁3202と、第2の機械弁3204と、第3の機械弁3206と、第4の機械弁3208とを備える。これらの種々の弁は、不活性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)等の空気源の両方の制御を可能にする、種々の流動ラインの中の位置に位置する。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであり得る。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。内蔵不活性ガス源3201から、内蔵不活性ガスライン3210が延在する。内蔵不活性ガスライン3210は、低消費マニホールド3215と流体連通している、低消費マニホールドライン3212として直線的に延在し続ける。交差線の第1の区分3214は、内蔵不活性ガスライン3210、低消費マニホールドライン3212、および交差線の第1の区分3214の交点に位置する、第1の流動接合点3216から延在する。交差線の第1の区分3214は、第2の流動接合点3218まで延在する。圧縮機不活性ガスライン3220は、圧縮機ループ3250のアキュムレータ3264から延在し、第2の流動接合点3218で終端する。CDAライン3222は、CDA源3203から延在し、高消費マニホールド3225と流体連通している高消費マニホールドライン3224として継続する。第3の流動接合点3226は、交差線の第2の区分3228、清浄乾燥空気ライン3222、および高消費マニホールドライン3224の交点に位置付けられる。交差線の第2の区分3228は、第2の流動接合点3218から第3の流動接合点3226まで延在する。高消費マニホールド3225を用いて、高消費である種々の構成要素を保守中にCDAに供給することができる。弁3204、3208、および3230を使用して圧縮機を隔離することにより、酸素、オゾン、および水蒸気等の反応種が、圧縮機およびアキュムレータ内の不活性ガスを汚染することを防止することができる。
【0109】
図10Aおよび11Aと対照的に、
図10Bおよび11Bは、概して、圧力モニタPに連結された弁を使用して等、ガスエンクロージャアセンブリ1005の内側のガスの圧力が所望または規定範囲内で維持されることができる、構成を図示し、弁は、圧力モニタから取得される情報を使用して、ガスが別のエンクロージャ、システム、またはガスエンクロージャアセンブリ1005を囲繞する領域に排出されることを可能にする。そのようなガスは、本明細書に説明される他の実施例のように回収されて再処理されることができる。上記のように、加圧ガスもガスエンクロージャシステムに同時に導入されるため、そのような調節は、ガスエンクロージャシステムのわずかに正の内圧を維持することに役立つことができる。種々のデバイスおよび装置の可変要求は、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの不規則な圧力プロファイルを生成し得る。したがって、それぞれ、ガスエンクロージャシステム503Bおよび504Bについて
図10Bならびに11Bに示されるアプローチは、エンクロージャを囲繞する環境に対してわずかな陽圧で保持されるガスエンクロージャシステムの動的圧力平衡を維持することに役立つため等に、本明細書に説明される他のアプローチに加えて、またはその代わりに、使用されることができる。
【0110】
図11Cは、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するため等に、1つまたはそれを上回るガスもしくは空気源を統合して制御するための印刷システム504Cのさらなる実施例を図示する。
図1C、ならびに
図10Aから
図11Bの実施例と同様に、
図11Cは、概して、浮動式テーブル2200を図示する。加えて、
図11Cの例証的実施例には、第1の領域2201、印刷領域2202、および第2の領域2203が示されている。
図11Cの印刷システム504Cの種々の実施形態によると、第1の領域2201は、入力領域であり得、第2の領域2203は、出力領域であり得る。
図11Cの印刷システム504Cの種々の実施形態について、第1の領域2201は、入力および出力領域の両方であり得る。例証のためだけに、入力、印刷、および出力等
の領域2201、2202、および2203と関連して、機能が参照される。そのような領域は、1つまたはそれを上回る他のモジュールの中の基板の保持、乾燥、もしくは熱処理のうちの1つまたはそれを上回るものの間等の基板の運搬もしくは基板の支持等の他の処理ステップに使用されることができる。
図11Cの説明図では、第1の送風機3284Aは、浮動式テーブル装置の入力または出力領域2201もしくは2203のうちの1つまたはそれを上回るものの中で加圧ガスを提供するように構成される。そのような加圧ガスは、第1の熱交換器1502Aに連結された第1の冷却装置142Aを使用して等、温度制御されることができる。そのような加圧ガスは、第1のフィルタ1503Aを使用してフィルタ処理されることができる。温度モニタ8701Aが、第1の冷却装置142(または他の温度コントローラ)に連結されることができる。
【0111】
同様に、
図11Cで描写されるように、第2の送風機3284Bは、浮動式テーブルの印刷領域2202に連結されることができる。別個の冷却装置142Bは、第2の熱交換器1502Bと、第2のフィルタ1503Bとを含む、ループに連結されることができる。第2の温度モニタ8701Bは、第2の送風機3284Bによって提供される加圧ガスの温度の独立調節を提供するために使用されることができる。本例証的実施例では、
図1Cについて本明細書で以前に説明されたように、第1および第2の領域2201ならびに2203は、陽圧を供給されるが、印刷領域2202は、基板位置に対する精密制御を提供するように、陽圧および真空制御の組み合わせの使用を含むことができる。例えば、陽圧および真空制御のそのような組み合わせを使用して、基板は、印刷領域2202によって画定されるゾーン内でガスエンクロージャシステム504Cによって提供される浮動ガスクッションを使用して、独占的に制御されることができる。真空は、送風機筐体3282内の第1および第2の送風機3284Aまたは3284Bのための補給ガスの少なくとも一部も提供されるような第3の送風機3290によって確立されることができる。
【0112】
図12は、第1のモジュール4400と、印刷モジュール4500と、第2のモジュール4600とを含むことができる、本教示の種々の実施形態による、OLED印刷ツール4000の斜視図を描写する。第1のモジュール4400等の種々のモジュールは、規定機能を有する種々のチャンバに適応するように、第1の移送チャンバ4410の各側面のためのゲート4412等のゲートを有し得る、第1の移送チャンバ4410を含むことができる。
図12で描写されるように、第1の移送チャンバ4410は、第1の移送チャンバ4410との第1のロードロックチャンバ4450の統合のためのロードロックゲート(図示せず)、ならびに第1の移送チャンバ4410との第1のバッファチャンバ4460の統合のためのバッファゲート(図示せず)を有することができる。第1の移送チャンバ4410のゲート4412は、限定されないが、ロードロックチャンバ等の移動可能であり得るチャンバまたはユニットに使用されることができる。第1の移送チャンバ4410の観察窓4402および4404、ならびに第1のバッファチャンバ4460の観察窓4406等の観察窓は、例えば、エンドユーザがプロセスを監視するために提供されることができる。印刷モジュール4500は、第1のパネルアセンブリ4520と、印刷システムエンクロージャアセンブリ4540と、第2のパネルアセンブリ4560とを有し得る、ガスエンクロージャアセンブリ4510を含むことができる。
図1Bのガスエンクロージャアセンブリ1000と同様に、ガスエンクロージャアセンブリ4510は、印刷システムの種々の実施形態を収納することができる。第2のモジュール4600は、規定機能を有する種々のチャンバに適応するように、第2の移送チャンバ4610の各側面のためのゲート4612等のゲートを有し得る、第2の移送チャンバ4610を含むことができる。
図12で描写されるように、第2の移送チャンバ4610は、第2の移送チャンバ4610との第2のロードロックチャンバ4650の統合のためのロードロックゲート(図示せず)、ならびに第2の移送チャンバ4610との第2のバッファチャンバ4660の統合のためのバッファゲート(図示せず)を有することができる。第2の移送チャンバ4610のゲート4612は、限定されないが、ロードロックチャンバ等の移動可能であ
り得るチャンバまたはユニットに使用されることができる。第2の移送チャンバ4610の観察窓4602および4604等の観察窓は、例えば、エンドユーザがプロセスを監視するために提供されることができる。
【0113】
第1のロードロックチャンバ4450および第2のロードロックチャンバ4650は、それぞれ、第1の移送チャンバ4410および第2の移送チャンバ4610と添着可能に関連付けられることができ、またはチャンバの近位で使用するために容易に位置付けられ得るように、車輪上またはトラックアセンブリ上等で移動可能であり得る。ロードロックチャンバは、支持構造に搭載されることができ、少なくとも2つのゲートを有することができる。例えば、第1のロードロックチャンバ4450は、第1の支持構造4454によって支持されることができ、第1のゲート4452、ならびに第1の移送モジュール4410との流体連通を可能にし得る第2のゲート(図示せず)を有することができる。同様に、第2のロードロックチャンバ4650は、第2の支持構造4654によって支持されることができ、第2のゲート4652、ならびに第2の移送モジュール4610との流体連通を可能にし得る、第1のゲート(図示せず)を有することができる。
【0114】
本明細書で以前に議論されたように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの密閉可能区分として構築され得る、補助エンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法によると、補助エンクロージャは、印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離されることができ、印刷システムエンクロージャを外部環境に暴露することなく、ガスエンクロージャアセンブリの外部の環境に対して開放されることができる。例えば、限定されないが、種々のプリントヘッド管理手順を行うための補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子状物質汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除し、または最小限にするように行われることができる。プリントヘッドアセンブリ上の測定および保守手順を含み得る、種々のプリントヘッド管理手順は、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに行われることができ、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限にし、または排除する。
【0115】
例えば、
図13Aから
図13Dで描写されるように、ガスエンクロージャシステム505は、基板を受容するための入口ゲート1242を有し得る、第1のトンネルエンクロージャ区分1200、およびブリッジエンクロージャ区分1300、ならびにガスエンクロージャシステム505の残りの容積から密閉可能に隔離され得る、補助エンクロージャ1330を有することができる。
図3Aおよび
図3Bについて本明細書で以前に議論されたように、
図8および
図9の精製システム3130等の精製システムからの精製された不活性ガスは、
図3A、
図3B、
図6、
図8、および
図9のガス精製入口ライン3133等のガス精製入口ラインから、ガスエンクロージャシステム505の中へ、例えば、ブリッジエンクロージャ区分1300の中へ循環することができる。
図13Aで描写されるように、例えば、印刷手順中に、不活性ガスは、
図3Aのガス精製出口ライン3131A等のガス精製出口ラインから、
図8および
図9の精製システム3130等のガス精製システムに循環させられることができる。
図13Bで描写されるように、例えば、保守手順中に、補助エンクロージャ1330は、ガスエンクロージャシステム505の残りの容積から密閉可能に隔離された後に、アクセスのために外部環境に対して開放されることができる。そのような手順中に、不活性ガスは、
図3Bのガス精製出口ライン3131B等のガス精製出口ラインから、
図8および
図9の精製システム3130等のガス精製システムに循環させられることができる。精製された不活性ガスは、
図3A、
図3B、
図6、
図8、および
図9のガス精製入口ライン3133等のガス精製入口ラインから、
図8および
図9の精製システム3130等のガス精製システムからガスエンクロージャシステム505に戻されることができる。
【0116】
図13Cで描写されるように、保守手順等の手順が完了した後、補助エンクロージャ1330は、外部環境から隔離されることができる。例えば、アクセスのために外部環境に対して開放された後の補助エンクロージャ1330の回復手順中に、
図10Aおよび
図11Aの不活性ガス源3201等の不活性ガス源からの不活性パージガスは、補助エンクロージャ1330が依然としてガスエンクロージャシステム505の残りの容積から密閉可能に隔離されている間に、それを通して循環させられることができる。そのような手順中に、不活性ガスは、
図3Bのガス精製出口ライン3131B等のガス精製出口ラインから、
図8および
図9の精製システム3130等のガス精製システムに循環させられることができる。精製された不活性ガスは、
図3A、
図3B、
図8、および
図9のガス精製入口ライン3133等のガス精製入口ラインから、
図8および
図9の精製システム3130等のガス精製システムからガスエンクロージャシステム505に戻されることができる。最終的に、
図13Dで描写されるように、いったん補助エンクロージャ1330が描写されるように完全に回復させられると、ガスエンクロージャシステム505は、
図13Aについて説明されるものと同一の流体連通経路に戻されることができる。
【0117】
本明細書で説明される本開示の実施形態の種々の代替案が、本開示を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。例えば、化学、生物工学、高度技術、および医薬分野等の大きく異なる技術分野が、本教示から利益を享受し得る。OLED印刷は、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の有用性を例示するために使用される。OLED印刷システムを収納し得るガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、限定されないが、輪郭形成エンクロージャ容積内の制御された低粒子の環境、および処理中ならびに保守中の外部から内部への即時アクセス等の特徴を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のそのような特徴は、限定されないが、処理中に低レベルの反応種を維持することの容易性を提供する構造的完全性、ならびに保守サイクル中の休止時間を最小限にする急速エンクロージャ容積転換等の機能性に影響を及ぼし得る。したがって、OLEDパネル印刷のための有用性を提供する、種々の特徴および仕様もまた、利益を種々の技術分野に提供し得る。
【0118】
本開示の実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。ここで、多数の変化例、変更、および置換が、本開示から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。以下の請求項は、本開示の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの同等物の範囲内の方法および構造は、それによって対象とされることが意図される。