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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】一重項酸素消去剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/35 20060101AFI20230302BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20230302BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20230302BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20230302BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/185 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/695 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/277 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/618 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/125 20060101ALI20230302BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20230302BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A61K8/35
A61P39/06
A61P17/18
A61K31/216
A61Q19/08
A61Q17/04
A61K31/12
A61K8/46
A61K31/185
A61K8/40
A61K31/4184
A61K31/53
A61K8/37
A61K31/695
A61K31/277
A61K31/618
A61K31/125
A23L33/10
A61K8/49
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019526803
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2018022920
(87)【国際公開番号】W WO2019003963
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2017128316
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 和之
(72)【発明者】
【氏名】藤山 希
(72)【発明者】
【氏名】菊地 あづさ
(72)【発明者】
【氏名】八木 幹雄
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】LHIAUBET-VALLET Virginie 他,Photochemical & Photobiological Sciences,2010年,PP.552-558
【文献】ODA Hironori,Coloration Technology ,2011年,128(1),pp.68-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 31/33-33/44
A61K 31/00-31/327
A61P 1/00-43/00
A23L 5/00- 5/30
A23L 31/00-33/29
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1-(4-メトキシフェニル)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3-プロパンジオン、テレフタリリデン-3,3’-ジカンフル-10,10’-ジスルフォン酸塩、または4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルを有効成分とする一重項酸素消去剤。
【請求項2】
2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、サリチル酸オクチル、またはサリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシルを有効成分とする一重項酸素消去剤。
【請求項3】
ドロメリゾールトリシロキサン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、または4-メチルベンジリデンカンファーを有効成分とする一重項酸素消去剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一重項酸素消去剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人は酸素を利用して生きているが、一部の酸素は活性酸素となり、この活性酸素は種々の疾病や老化の原因になることが知られている。紫外線により発生する活性酸素種も皮膚の損傷や早期老化をもたらすものとして認知されている。そして、当該活性酸素種の消去作用を有する物質も知られており、例えば、ラジカル消去活性等を有するものとしてオトギリソウ科植物由来のベンゾフェノン誘導体(特許文献1)、植物エキス由来のフラボノイドやタンニン(特許文献2)、各種植物抽出物群や2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン-5-硫酸塩(特許文献3)等がある。
【0003】
ところで、活性酸素種はラジカルなものと非ラジカルなものに大別される。ラジカルなものとしては、反応性の高いものから、ヒドロキシラジカル(・OH)、アルコキシラジカル(LO・)、ペルオキシラジカル(LOO・)、ヒドロペルオキシラジカル(HOO・)、一酸化窒素(NO・)、二酸化窒素(NO・)、スーパーオキサイド(O ・)等がある。非ラジカルなものとしては、一重項酸素()、オゾン(O)、過酸化水素(H)、脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)等がある。すなわち、従来、活性酸素種と称されるものには、ラジカルなものと非ラジカルなものがあり、基底状態酸素とは電子の数が異なる、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカルおよび過酸化水素等の還元分子種もあれば、基底状態酸素と電子の数は同じであるが励起状態にある、励起分子種である一重項酸素もあり、その電子状態の違いに基づいて、狭義には固有の特性をそれぞれ有している。
【0004】
活性酸素種のうち、例えば、スーパーオキサイドやヒドロキシラジカルは、タンパク質と反応して容易にその断片化を引き起こすが、一重項酸素はタンパク質に架橋を形成し、タンパク質を重合させるという、スーパーオキサイド等のようなラジカルな活性酸素種とは全く異なる特異な反応性を示す。そして、タンパク質に変性作用を有することから、一重項酸素は、様々な皮膚トラブルの原因となる皮脂の過酸化を引き起していることも明らかとなってきている。しかし、活性酸素種は上記のとおりその種類によって固有の特性を有しており、例えば、特許文献3のようなラジカル系の活性酸素消去剤が、一重項酸素消去剤として機能するかどうかは予測すらできない。
【0005】
このような観点から特に一重項酸素消去剤に特化した検討もなされている。例えば、特許文献4にはポリビニルピロリドンを含有する白金やロジウムのコロイドが、特許文献5にはローズマリー抽出物が、特許文献6には腐植土抽出物が、特許文献7にはアロエ液汁が一重項酸素消去剤としてそれぞれ記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-121044号公報
【文献】特開2003-26560号公報
【文献】特開2001-122765号公報
【文献】特許4763460号公報
【文献】特許5770428号公報
【文献】特許5883226号公報
【文献】特開2013-173681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、一重項酸素消去剤として知られているものは、その物質自体の化学的安定性が悪いために経時保存中に劣化し、一重項酸素消去能が低下するものが多く、効果の持続性の点で改良が望まれている。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、一重項酸素消去能の高い一重項酸素消去剤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一重項酸素消去剤は、第一に、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、1-(4-メトキシフェニル)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3-プロパンジオン、テレフタリリデン-3,3’-ジカンフル-10,10’-ジスルフォン酸塩、4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、または2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシルを有効成分とするものである。
【0010】
本発明の一重項酸素消去剤は、第二に、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、4,4’,4’’-[(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(イミノ)]トリス安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)、サリチル酸オクチル、またはサリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシルを有効成分とするものである。
【0011】
本発明の一重項酸素消去剤は、第三に、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-(ソジオオキシスルホニル)ベンゾフェノン、ドロメリゾールトリシロキサン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、または4-メチルベンジリデンカンファーを有効成分とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一重項酸素消去剤は一重項酸素消去能が高いため、一重項酸素が関与する様々な反応を抑制するために利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一重項酸素消去剤について詳細に説明する。
第一に、本発明の一重項酸素消去剤はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、1-(4-メトキシフェニル)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3-プロパンジオン、テレフタリリデン-3,3’-ジカンフル-10,10’-ジスルフォン酸塩、4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、または2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシルを有効成分とするものである。
【0014】
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは、CAS No.302776-68-7であり、ユビナールAプラスとしてBASF社より市販されている。
1-(4-メトキシフェニル)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3-プロパンジオンは、CAS No.70356-09-1であり、パルソール1789としてDSM社より、市販されている。
テレフタリリデン-3,3’-ジカンフル-10,10’-ジスルフォン酸塩はCAS No.92761-26-7であり、メキゾリルSXとしてCHIMEX社より、あるいはエカムスル(ecamsule)としてSIGMA-ALDRICH社より市販されている。
4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルは、CAS No.5466-77-3であり、パルソール(Parsol)MCXとしてDSM社より、ユビナールMC80としてBASF社より、それぞれ市販されている。
2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシルは、CAS No.6197-30-4であり、パルソール340としてDSM社より、あるいはユビナールN539TとしてBASF社より、あるいはオーソレックスOCRとしてMERCK社より、市販されている。
【0015】
第二に、本発明の一重項酸素消去剤は、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、4,4’,4’’-[(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(イミノ)]トリス安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)、サリチル酸オクチル、またはサリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシルを有効成分とするものである。
【0016】
2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸は、CAS No.27503-81-7であり、オーソレックス(Eusolex)232としてMERCK社より、あるいはパルソールHSとしてDSM社より市販されている。
4,4’,4’’-[(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(イミノ)]トリス安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)は、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン)とも称され、CAS No.88122-99-0であり、ユビナール(Uvinul)T150としてBASF社より市販されている。
サリチル酸オクチルはCAS No.118-60-5であり、ネオヘリオパンOSとして、サリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシルはCAS No.118-56-9であり、ネオヘリオパンHMSとしてシムライズ社よりそれぞれ市販されている。
【0017】
第三に、本発明の一重項酸素消去剤は、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-(ソジオオキシスルホニル)ベンゾフェノン、ドロメリゾールトリシロキサン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、または4-メチルベンジリデンカンファーを有効成分とするものである。
【0018】
2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-(ソジオオキシスルホニル)ベンゾフェノンは、CAS No.6628-37-1であり、ユビナールMS40としてBASF社より市販されている。
ドロメリゾールトリシロキサンは、CAS No.155633-54-8であり、Drometrizole trisiloxaneとしてSIGMA-ALDRICH社より、市販されている。
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンは、ベンゾフェノン3とも称され、CAS No.131-57-7であり、BASF社より市販されている。
4-メチルベンジリデンカンファーはCAS No.36861-47-9であり、パルソールMBCとしてDSM社より市販されている。
【0019】
本発明の一重項酸素消去剤の一重項酸素消去能は、一重項酸素消光速度定数により評価することができる。一重項酸素消光速度定数をkQ、一重項酸素消去剤の濃度を[Q]、一重項酸素消去剤無添加および添加溶液での一重項酸素の寿命をそれぞれτおよびτとすると、シュテルン-ホルマー式(Stern-Volmer equation)は次式となる。
τ/τ = 1 + τ kQ [Q]
[Q]に対してτ/τをプロット(シュテルン-ホルマープロット、Stern-Volmer plot)すると直線が得られ,その傾きとτの値からkQを求めることができる。なお、τ/τが効果をしめした式、実験から速度定数を求めるときはτ/τを使用する。
【0020】
本発明の一重項酸素消去剤は、単独で、または1種以上の公知の添加剤とともに常法に従って医薬品、化粧料(薬用化粧料を含む)、サプリメント、食品等に配合することができる。一重項酸素は、常に酸素に接触し紫外線に暴露されている皮膚表面上に多く存在するので、本発明の一重項酸素消去剤は、皮膚外用剤の適用により有用である。また、一重項酸素の消去によって抑制される反応は、皮膚の老化、皮膚の黒化、皮膚の損傷の一因となる反応であるので、その様な反応を抑制できる本発明の一重項酸素消去剤は、皮膚の老化防止、美白、美肌を目的とする皮膚用化粧料として特に有用である。
【0021】
本発明の一重項酸素消去剤の配合量は、剤形、使用目的等の他、一重項酸素消去剤の一重項酸素消去能によっても異なるが、一般的には最終組成物中の一重項酸素消去剤は0.01~20質量%が好ましく、より好ましくは0.1~10質量%である。この範囲内であれば一重項酸素消去剤を安定に配合することができ、優れた一重項酸素消去能を発揮することができる。
【0022】
本発明の一重項酸素消去剤の形態は目的に応じた適切なものを選択することができ、液状でもよいし、乾燥させた固体であってもよい。固体は、固形状であってもよいし、粉末状であってもよい。固体の場合は、適当な液体に溶解するかもしくは分散させ、または、適当な粉末担体と混合するかもしくはこれに吸着させ、場合によっては、さらにこれらに乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、安定剤等を添加し、乳剤、油剤、水和剤、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤等の製剤として使用することができる。
【0023】
皮膚外用剤や化粧料などの場合には液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状、パウダー状等のいずれであってもよく、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗顔料、メーキャップ化粧料、毛髪化粧料等に使用可能である。
【実施例
【0024】
本発明の一重項酸素消去剤の一重項酸素消去能について、一重項酸素消光速度定数kQを以下の手法により測定し、評価した。
<測定機器>
(1)検出器
近赤外光電子増倍管モジュール,浜松ホトニクス(株)
型式:H10330A-45,波長範囲:950~1400nm
(2)分光器
小型分光器,(株)島津製作所
型式:SPG-120IR,波長範囲:700~2500nm
(3)光源
Nd:YAGレーザー,Continuum(コンティニュアム社,アメリカ)
型式:Surelite I,波長範囲:1064,532,355,266nm
(4)データ処理
デジタルオシロスコープ,Tektronix(テクトロニクス社,アメリカ)
型式:TDS 3012C,周波数帯域:100MHz
【0025】
<測定手順>
(試料調製)
一重項酸素を生成させる光増感剤として赤色色素であるローズベンガル(RB)を溶媒(アセトニトリル、アセトンあるいは重水のうち溶解性の良いものを適宜選択)に溶解させた。532nmにおける吸光度を0.4~0.5程度になるようにRB濃度を設定した。このRB溶液に、表1に示す各一重項酸素消去剤が所定の濃度となるように溶媒に溶解して溶液を調整し下記測定に供した。また、表2に示す物質についても同様に調整して下記測定に供した。
【0026】
(測定)
Nd:YAGレーザー(イットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶にNd+3イオンをドープした構造体)からの波長532nm光を用いてRBを励起させ、RBから酸素分子へのエネルギー移動により一重項酸素を生成させた。532nmの光を吸収するのはRBのみであり、一重項酸素消去剤は吸収しない。一重項酸素消去剤混合溶液から発する光を小型分光器で分光し、一重項酸素固有の1274nmの近赤外りん光を近赤外光電子増倍管モジュールで検出し、デジタルオシロスコープ上に記録させた。得られた一重項酸素からの近赤外りん光の減衰曲線を解析し、添加した一重項酸素消去剤の各濃度における一重項酸素の寿命τを求めた。なお、これとは別に一重項酸素消去剤を添加していない溶液(一重項酸素消去剤無添加溶液)で一重項酸素の寿命τを求めた。
【0027】
一重項酸素消去剤の各濃度[Q]、一重項酸素消去剤無添加の寿命τおよび添加溶液での一重項酸素の寿命τより、上記シュテルン-ホルマー式から、一重項酸素消光速度定数kQを求めた。求めた結果を表1に示す。
一重項酸素消光速度定数kQが大きいほど、一重項酸素消去能が大きい。
【0028】
【表1】
【0029】
表1および下記表2から明らかなように、本発明の一重項酸素消去剤は一重項酸素消去能が高いことがわかる。
【0030】
【表2】