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特許7236329車両のインサイドハンドル用ユニット連結体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】車両のインサイドハンドル用ユニット連結体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/12 20140101AFI20230302BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20230302BHJP
   E05B 79/06 20140101ALI20230302BHJP
   E05B 79/20 20140101ALI20230302BHJP
   E05B 79/22 20140101ALI20230302BHJP
【FI】
E05B85/12 B
B60J5/00 M
E05B79/06 A
E05B79/20
E05B79/22 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019105100
(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公開番号】P2020197097
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(72)【発明者】
【氏名】市川 慎治
(72)【発明者】
【氏名】小野 高志
(72)【発明者】
【氏名】西塚 三男
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-76658(JP,A)
【文献】特開2001-279981(JP,A)
【文献】特開2015-206234(JP,A)
【文献】特表2010-534589(JP,A)
【文献】特開2004-257233(JP,A)
【文献】特開2018-197428(JP,A)
【文献】特開2018-75863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00-49/04
E05B 77/00-85/28
B60J 5/00
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部にアウターケーブル内にインナーケーブルを移動自在に挿通させたケーブル装置を保持して形成され、操作ハンドルを含む操作部材を回転操作自在に連結したハンドルユニット部に連結して前記操作部材をケーブル装置に連結する車両のインサイドハンドル用ユニット連結体の製造方法であって、
前記本体部をアウターケーブルにアウトサート成形してケーブル装置と本体部を分離不能に一体形成し、
かつ、前記インナーケーブルは、本体部のアウターケーブルへのアウトサート成形後にアウターケーブル内に挿通させる車両のインサイドハンドル用ユニット連結体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のインサイドハンドル用ユニット連結体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のインサイドハンドル装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この従来例において、インサイドハンドル装置は、回転操作自在なインサイドハンドルとロッキングノブとを備えており、これら部材を操作することによりインナーケーブルを介してドアラッチ装置を操作するように構成される。
【0004】
インナーケーブルはアウターケーブル内に移動自在に挿通されており、該アウターケーブルは、一端がドアトリムに形成されるU字溝に係止されて保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-179233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来例において、アウターケーブルは係止状態でドアトリムに保持されているために、側方衝突等によりドアに衝撃力が加えられた際には、アウターケーブルがU字溝から外れる可能性がある。
【0007】
アウターケーブルがU字溝から離脱して自由に移動できるようになり、インナーケーブルの経路長が長くなる方向に移動すると、インナーケーブルに引張方向の力が発生し、結果、インナーケーブルにドアラッチ装置解除方向の操作力が発生してドアラッチ装置が不用意に解除される虞がある。
【0008】
これを防止するためには、アウターケーブルを離脱が発生しない程度に強固に連結する必要が生じるために、作業性が悪くなるという問題が発生する。
【0009】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、動作の信頼性が高く、かつ、組付け作業性の良好な車両のインサイドハンドル装置の部品である車両のインサイドハンドル用ユニット連結体を製造効率よく製造するための製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば上記目的は、
本体部8にアウターケーブル3内にインナーケーブル4を移動自在に挿通させたケーブル装置5を保持して形成され、操作ハンドル1を含む操作部材2を回転操作自在に連結したハンドルユニット部7に連結して前記操作部材2をケーブル装置5に連結する車両のインサイドハンドル用ユニット連結体10の製造方法であって、
前記本体部8をアウターケーブル3にアウトサート成形してケーブル装置5と本体部8を分離不能に一体形成し、
かつ、前記インナーケーブル4は、本体部8のアウターケーブル3へのアウトサート成形後にアウターケーブル3内に挿通させる車両のインサイドハンドル用ユニット連結体の製造方法を提供することにより達成される。
車両のインサイドハンドル用ユニット連結体10は、操作ハンドル1を含む操作部材2を回転操作自在に連結したハンドルユニット部7に連結して車両のインサイドハンドル装置を製造する際に使用される。
インナーケーブル4を、本体部8のアウターケーブル3へのアウトサート成形後にアウターケーブル3内に挿通させると、製造効率が向上する。
本発明により製造されたインサイドハンドル用ユニット連結体を使用することにより、
操作ハンドル1を含む操作部材2への操作力をアウターケーブル3内にインナーケーブル4を移動自在に挿通させて形成されるケーブル装置5を介してドアに固定されたドアラッチ装置6に伝達し、該ドアラッチ装置6を遠隔操作する車両のインサイドハンドル装置であって、
前記操作部材2を回転操作自在に保持したハンドルユニット部7と、
前記ハンドルユニット部7に連結可能で、かつ、前記アウターケーブル3に分離不能に一体形成される本体部8を備え、該本体部8のハンドルユニット部7への連結により前記インナーケーブル4の先端に形成された連結子9を操作部材2に係止可能なユニット連結体10と、
を有する車両のインサイドハンドル装置を構成することができる。
【0012】
このように構成された車両のインサイドハンドル装置は、操作ハンドル1を含む操作部材2を保持するハンドルユニット部7にケーブル装置5を保持するユニット連結体10を連結して形成される。ユニット連結体10のハンドルユニット部7への連結によりケーブル装置5のインナーケーブル4の先端に形成される連結子9は操作部材2に係止し、連結後、操作部材2への操作力はケーブル装置5を介して該ケーブル装置5の他端に連結されたドアラッチ装置6に伝達され、該ドアラッチ装置6を遠隔操作する。
【0013】
ユニット連結体10をケーブル装置5のアウターケーブル3に分離不能に一体形成する本発明において、衝突時の衝撃力等によりケーブル装置5がユニット連結体10から離脱することがないために、アウターケーブル3の連結端が不用意に移動することがなくなり、ドアラッチ装置6の誤動作を防止することができる。
【0014】
また、ユニット連結体10のハンドルユニット部7への連結によりケーブル装置5のインナーケーブル4を操作部材2に係止させて連結するように構成すると、車両への取付状態でのインナーケーブル4の操作部材2への連結操作が不要となるために、組み立て作業性が向上する。
【0015】
さらに、一端をドアラッチ装置6に連結する必要があるケーブル装置5をハンドルユニット部7と別体に構成するために、すべてを一体に構成する場合に比して、組み立て、保管等の効率が向上する。
【0016】
また、ユニット連結体10をアウターケーブル3に本体部8をアウトサート成形して形成する場合には、全体を一体に形成する場合に比して、成形金型の構造を簡単にすることができる。
【0017】
また、前記連結子9はユニット連結体10に移動自在、かつ、離脱不能に保持されるとともに、
連結子9は、ユニット連結体10のハンドルユニット部7からの離脱に伴って操作部材2との係止が解除する車両のインサイドハンドル装置を構成した場合には、衝撃負荷時にユニット連結体10がハンドルユニット部7から離脱しても、連結子9はアウターケーブル3に対して一体のユニット連結体10から離脱することがない。
【0018】
この結果、アウターケーブル3に対するインナーケーブル4の相対移動が発生することがないため、インナーケーブル4が作動してドアラッチ装置6が作動することがない。
【0019】
さらに、前記ユニット連結体10の本体部8は、前記アウターケーブル3にアウトサート成形されるように構成すると、連結強度を高めることが可能な上に、製造効率も向上させることができる。
【0020】
また、以上の車両のインサイドハンドル装置は、
ハンドルベース11に操作ハンドル1を含む操作部材2を回転操作自在に連結したハンドルユニット部7と、
アウターケーブル3内に移動自在に挿通させたインナーケーブル4の先端に形成された連結子9を本体部8に移動自在に保持して形成され、前記ハンドルユニット部7に連結されるユニット連結体10とを有し、
前記ユニット連結体10は、前記アウターケーブル3に本体部8をアウトサート成形して形成される車両のインサイドハンドル装置の製造方法により製造することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、動作の信頼性を高めることができ、かつ、組付け作業性も良好にすることが可能なインサイドハンドル装置に使用されるインサイドハンドル用ユニット連結体の製造効率を高めることができる
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明を示す図で、(a)は正面図、(b)は正面方向から見た斜視図である。
図2図1(a)の2A-2A線断面図である。
図3図1(a)の3A-3A線断面図である。
図4】ハンドルユニット部を示す図で、(a)は正面方向から見た斜視図、(b)は正面図である。
図5】操作部材を示す図で、(a)は操作ハンドルを示す図、(b)はロックノブの側面図、(c)はロックノブの斜視図である。
図6】ケーブルユニットを示す図で、(a)は正面方向から見た斜視図、(b)は正面図である。
図7】ケーブルユニットの要部を示す図で、(a)はケーブル装置を示す図、(b)は図6(b)の7B-7B線断面図である。
図8】インナーケーブルの挿通状態を示す図で、(a)はドアラッチ装置側先端を挿通させて押し込んだ状態を示す図、(b)は挿通操作完了状態を示す図である。
図9】ケーブルユニットの連結操作を示す説明図である。
図10】ケーブルユニットの連結工程を示す図4(b)の10A-10A線断面図で(a)は第1係止部を係止させた状態を示す図、(b)は連結完了状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示すように、インサイドハンドル装置は、ハンドルユニット部7の裏面にユニット連結体10を連結して形成される。以下、本明細書において、車両への取り付け姿勢を基準に、図1(a)における左側を「前方」、図1(a)における紙面手前側を「表面」、紙面奥側を「裏面」とする。

【0026】
ハンドルユニット部7は、ハンドルベース11に操作部材2としての操作ハンドル1、およびロックノブ12を回転中心(C)周りに回転操作自在に連結して形成される。
【0027】
操作ハンドル1、およびロックノブ12は、図2、3に示す初期回転位置と、回転中心(C)周りに反時計回りに回転操作した作動回転位置との間で回転操作され、操作ハンドル1には、図外のトーションスプリングにより初期回転位置側への付勢力が与えられる。
【0028】
また、図5(a)、(b)に示すように、操作ハンドル1、およびロックノブ12には各々後述するユニット連結体10の連結子9が嵌合可能な連結凹部13が設けられ、操作ハンドル1等への回転操作に伴って連結凹部13も回転中心(C)周りに回転移動する。
【0029】
これら連結凹部13は操作部材2が初期回転位置にあるときにユニット連結体10のハンドルユニット部7への装着方向に向けて開放されており、ユニット連結体10の装着操作に伴って後述するケーブル装置5の連結子9が係止し、装着離脱に伴って係止が解除する。
【0030】
図5(c)に示すように、ロックノブ12は図外の回転軸が挿通するヒンジ孔12aが開設されるヒンジ片12bの表面側周縁からカバー部12cを延設して形成されており、上記連結凹部13は、上記ヒンジ片12bの一端に形成される。また、上記連結凹部13の近傍には、ヒンジ孔12aに対して平行方向に突出する駆動突部12dが設けられる。
【0031】
一方、図4に示すように、ハンドルベース11にはドアパネル14への固定用開口11aと、後述するユニット連結体10の第1係止部15が係止する係止開口11bが設けられる。
【0032】
これに対し、図6に示すように、ユニット連結体10は、インナーケーブル4をアウターケーブル3内に移動自在に挿通させた所定長のケーブル装置5と、本体部8とを有し、上記インナーケーブル4の先端には連結子9が固定される。
【0033】
本例においてケーブル装置5は、操作ハンドル1とロックノブ12に対応して2組配置され、各々のインナーケーブル4の先端には球状の連結子9が固定される。図7に示すように、上記連結子9は、中央部が太く、両端に行くに従って漸次縮径される樽形形状に形成され、両端面にはガイド突起9aが突設される。
【0034】
また、本体部8には、上記ハンドルユニット部7への連結手段となる第1、第2係止部15、16が設けられる。第1係止部15は、本体部8の前端縁裏面から後方に延設された後、表面側に延ばされ、その先端を後方に突出させたフック形状に形成される。この第1係止部15は弾性変形可能に形成され、本例では、本体部8を合成樹脂材により形成することにより、その弾性が利用される。
【0035】
一方、第2係止部16は、本体部8の本体部8の後端縁部から表面側に突設されるとともに、その自由端から前方に向かって突部を突出させて形成される。後述するように、この第2係止部16はハンドルユニット部7への連結操作時の回転中心を形成するもので、容易に弾性変形、あるいは破断をしないように適宜の容積を有するように形成される。
【0036】
さらに、図6に示すように、本体部8には、ケーブル保持部17が設けられる。ケーブル保持部17は、ハンドルユニット部7に連結した状態でハンドルユニット部7の操作ハンドル1、およびロックノブ12を操作した際の連結凹部13の移動経路に沿って各々一対のガイド片17aを立設して形成される。ガイド片17a間には、上記連結子9の両端面間の間隔に比してやや大寸の間隙が設定されており、各ガイド片17aにはガイド孔17bが開設される。
【0037】
ガイド孔17bは、本体部8をハンドルユニット部7に連結した状態で操作ハンドル1、およびロックノブ12を操作した際の連結凹部13の移動軌跡に一致する円弧形状に形成される。ガイド孔7bは連結子9のガイド突起9aが移動自在に嵌合可能な幅寸法の溝形状に形成されており、連結子9はこれら一対のガイド孔17bに両端のガイド突起9aを挿入した状態で装着される。
【0038】
上記連結子9のガイド突起9aをガイド孔17bに導入するために、ガイド片17aには導入開口17cが開設される(図6(a)参照)。
【0039】
この結果、ケーブル保持部17に連結子9を装着した状態で、連結子9はガイド孔17bにガイドされた状態で移動自在であり、かつ、両端がガイド片17aの壁面に当接していることからガイド孔17bからの離脱が規制される。
【0040】
以上のユニット連結体10のハンドルユニット部7への連結は、まず、連結操作に先立って、ケーブル装置5の他端にドアラッチ装置6を連結した状態で行われる。ドアラッチ装置6を連結することにより、連結子9はガイド孔17aの後端位置に移動し、操作ハンドル1、およびロックノブ12の初期回転位置における連結凹部13の位置に対応する。
【0041】
ハンドルユニット部7への連結操作は、図10に示すように、第2係止部16をハンドルベース11の後端縁に裏面側から係止させた後、図10(a)において反時計回りに回転操作し、第1係止部15を係止開口11bに弾発的に係止させて行われる。
【0042】
ユニット連結体10への回転操作により、操作ハンドル1に対応する連結子9は、トーションスプリングにより初期回転位置に保持される操作ハンドル1の連結凹部13に嵌合し、以後、操作ハンドル1の操作力はインナーケーブル4を経由してラッチ装置のラッチ操作部を作動させてラッチ解除動作が行われる。
【0043】
これに対し、ハンドルユニット部7単体状態では回転位置が決定されないロックノブ12の連結凹部13への対応する連結子9の嵌合を確実にするために、本体部8には、駆動片8aが設けられる(図6(a)参照)。
【0044】
駆動片8aは、連結体の移動軌跡に沿って端縁が位置するように庇状に設けられ、図10(a)に示すように、ユニット連結体10の回転操作時にロックノブ12が初期回転位置にない場合、駆動片8aは上述したロックノブ12の駆動突部12dに当接してロックノブ12を初期回転位置に移動させ、その後、連結子9がロックノブ12の連結凹部13に嵌合する。
【0045】
以上のユニット連結体10は、アウターケーブル3に本体部8をアウトサート成形して製造され、アウトサート成形された本体部8は、アウターケーブル3に対して分離不能に一体とされる。
【0046】
インナーケーブル4を挿通させた状態でのアウターケーブル3へのアウトサート成形に伴う作業性の低下を防止するため、本例においては、図8に示すように、まず、インナーケーブル4を挿通させない状態でアウターケーブル3に本体部8をアウトサート成形する。
【0047】
この後、本体部8のケーブル保持部17に連結子9を装着した後、インナーケーブル4の反対端、すなわち、ドアラッチ装置6への連結端からアウターケーブル3に挿通させる。インナーケーブル4のアウターケーブル3への挿入操作を容易にするために、アウターケーブル3、および本体部8のアウターケーブル3への連結部にテーパ18を形成することができる。
【0048】
以上のインサイドハンドル装置の車両への取り付けは、まず、ハンドルユニット部7をドアパネル14に固定した後、予めケーブル装置5の他端をドアラッチ装置6に連結したユニット連結体10をハンドルユニット部7に連結して行われる。
【0049】
上述したように、ハンドルユニット部7における操作部材2の連結凹部13はユニット連結体10の連結操作時における連結子9の移動経路に向けて開口しているために、ユニット連結体10の連結に伴って各連結子9は対応する操作部材2に係止し、以後、操作部材2への操作によりドアラッチ装置6の遠隔操作が可能になる。
【0050】
したがって本例において、車両の側方衝突等による衝撃力が加えられた際にも、アウターケーブル3がハンドル装置から離脱することがないために、インナーケーブル4のみに操作力が加えられることがなく、不用意なドアラッチ装置6の解除が防止される。
【0051】
また、衝撃力によりユニット連結体10がハンドルユニット部7から離脱した際には、連結子9と操作部材2との連結が解除するために、連結解除後のユニット連結体10が移動しても、アウターケーブル3に対する連結子9、すなわち、インナーケーブル4の相対位置が変化しないために、不用意なドアラッチ装置6の解除が防止される。
【0052】
さらに、分離後のユニット連結体10において連結子9は離脱不能にケーブル保持部17に保持されているために、本体部8から連結子9が離脱して、例えば、他の部材に引っ掛かってインナーケーブル4のみに力が加わることもないために、不用意なドアラッチ装置6の解除が防止される。
【符号の説明】
【0053】
1 操作ハンドル
2 操作部材
3 アウターケーブル
4 インナーケーブル
5 ケーブル装置
6 ドアラッチ装置
7 ハンドルユニット部
8 本体部
9 連結子
10 ユニット連結体
11 ハンドルベース


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10