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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】包装フィルム切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/38 20060101AFI20230302BHJP
   B26F 1/22 20060101ALI20230302BHJP
   B26D 9/00 20060101ALI20230302BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20230302BHJP
   B65B 61/18 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B26D1/38 D
B26F1/22
B26D1/38 C
B26D9/00
B26D1/38 F
B26D7/26
B26D1/38 N
B65B61/18
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019138843
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021020282
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 豊
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-53218(JP,A)
【文献】実開昭61-161204(JP,U)
【文献】特開2009-7047(JP,A)
【文献】特開2002-284109(JP,A)
【文献】特開昭62-78037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/192738(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/38
B26F 1/22
B26D 9/00
B26D 7/26
B65B 61/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の包装フィルムを長手方向に繰り出す繰出しユニットと、
前記繰出しユニットにより繰り出された前記包装フィルムの所定位置に舌片状の開封摘み部を形成する開封摘み形成ユニットと、
前記開封摘み形成ユニットより下流側に設けられ、前記包装フィルムを挟んで相対向する動刃と固定刃とが協働して前記包装フィルムを前記開封摘み部の形成位置にて横方向に切断するカッターユニットと
を備え、
前記カッターユニットは、
前記動刃及び前記固定刃の少なくとも何れか一方に形成され、前記包装フィルムの切断に際し前記開封摘み部の切断を回避する逃げ溝と、
前記開封摘み部に前記逃げ溝を合致させるべく、前記動刃及び前記固定刃を前記横方向に移動させる移動機構と
を有する、包装フィルム切断装置。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記固定刃及び前記動刃が支持されるフレームと、
前記フレームを前記横方向に移動自在に支持する支持部材と、
前記支持部材に対する前記フレームの移動量を調整可能とする調整機構と
を有する、請求項1に記載の包装フィルム切断装置。
【請求項3】
前記動刃は回転刃であって、前記固定刃は前記回転刃の受け刃であり、
前記カッターユニットは、前記回転刃の軸部に連結された駆動軸を介して前記回転刃を単独で回転駆動するサーボモータを有する、請求項1又は2に記載の包装フィルム切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルム切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状の包装フィルムを長手方向に繰り出す繰出し手段(繰出しユニット)と、この繰出しユニットにより繰り出された包装フィルムの所定位置に舌片状の開封摘み部を形成する開封摘み形成手段(開封摘み形成ユニット)と、この開封摘み形成ユニットより下流側に設けられ、包装フィルムを挟んで相対向する回転刃(動刃)と受け刃(固定刃)とが協働して包装フィルムを横方向(包装フィルムの幅方向)に切断する主切断手段(カッターユニット)とを備えた包装フィルム切断装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
そして、特許文献1の包装フィルム切断装置は、開封摘み形成ユニットより形成した開封摘み部を動刃側に押し出す開封摘み押出手段を備える。この開封摘み押出手段は、カッターユニットによって包装フィルムを横方向に切断する前に、棒状又はピン状の押込み部材を開封摘み部へ突き当てることにより開封摘み部を動刃側に押し出し、或いは、ノズルから噴出するガスの圧力により開封摘み部を動刃側に押し出す。
【0004】
これにより、カッターユニットによって包装フィルムを横方向に切断する際、開封摘み部の切断を回避することができる。また、被包装物の大きさに応じて包装フィルムの横幅が変わり、それに応じて開封摘み部の横方向における形成位置が変更された場合であっても、開封摘み押出手段の位置を変更することにより、開封摘み部の切断を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3681227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開封摘み押出手段は、棒状又はピン状の押込み部材、或いはノズルであって、包装フィルム切断装置において比較的小形をなす部材である。従って、このような小形部材を包装フィルムにおいて同じく小形をなす部位である開封摘み部の形成位置に合致するように移動することは精密な調整を要し、作業効率向上を阻害する要因となる。また、開封摘み押出手段を作動させるための複雑な機構を要するため、設備コストがかかる。
【0007】
一方、特許文献1に記載の従前のように、カッターユニットの動刃又は固定刃に開封摘み部の切断を回避するための切欠きを設け、包装フィルムの仕様に応じて切欠き位置を異ならせた各種の動刃又は固定刃を用意すると、設備コストがかかる。しかも、動刃又は固定刃の交換に際し、切欠きを開封摘み部の形成位置に合わせるための位置決め作業をしなければならない。
【0008】
この位置決め作業では、開封摘み部に切欠きを精密に合致させるととともに、固定刃に対する動刃の刃合わせをし直さなければならない。従って、この作業も手間と熟練とを必要とし、作業効率向上を阻害する要因となる。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、被包装物の大きさに応じて包装フィルムの横幅が変わり、それに応じて開封摘み部の横方向における形成位置が変更された場合であっても、包装フィルムを横方向に切断する際に、動刃又は固定刃を交換することなく開封摘み部の切断を低コストで容易に回避することができ、開封摘み部の形成位置の変更に係る作業効率を向上することができる包装フィルム切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するべく、本発明の包装フィルム切断装置は、帯状の包装フィルムを長手方向に繰り出す繰出しユニットと、繰出しユニットにより繰り出された包装フィルムの所定位置に舌片状の開封摘み部を形成する開封摘み形成ユニットと、開封摘み形成ユニットより下流側に設けられ、包装フィルムを挟んで相対向する動刃と固定刃とが協働して包装フィルムを開封摘み部の形成位置にて横方向に切断するカッターユニットとを備え、カッターユニットは、動刃及び固定刃の少なくとも何れか一方に形成され、包装フィルムの切断に際し開封摘み部の切断を回避する逃げ溝と、開封摘み部に逃げ溝を合致させるべく、動刃及び固定刃を横方向に移動させる移動機構とを有する。
【発明の効果】
【0011】
従って、本発明の包装フィルム切断装置によれば、包装フィルムを横方向に切断する際に、動刃又は固定刃を交換することなく開封摘み部の切断を低コストで容易に回避することができ、開封摘み部の形成位置の変更に係る作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る包装フィルム切断装置が組み込まれた上包み包装装置の模式的な斜視図である。
図2】(a)包装フィルム切断装置を側方から見た構成図と、(b)包装フィルムの切断作業の流れとを対応させた説明図である。
図3】上包み包装装置によって包装された製品の斜視図である。
図4】カッターユニットの斜視図である。
図5】(a)カッターユニットを図4のA方向から見た側面図、(b)カッターユニットを図4のB-B方向から見た断面図である。
図6】(a)図5(a)における受け刃と包装フィルムとの位置関係図、(b)図6(a)の領域Dの拡大図である。
図7】(a)図6の領域Cにおいて包装フィルムを横方向に切断する際の回転刃及び受け刃の側面図、(b)図6の領域Dにおいて開封摘み部の切断を逃げ溝により回避する際の回転刃及び受け刃の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る包装フィルム切断装置を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る包装フィルム切断装置10が組み込まれた上包み包装装置1の斜視図を示す。上包み包装装置1は、被包装物2の表面に包装フィルム3を自動包装する。包装フィルム切断装置10は、破線矢印で示す方向に繰り出される帯状の包装フィルム3をその長手方向において所定長さに切断し、包装位置P1に自働供給する。
【0014】
実線矢印で示す方向に搬送される被包装物2は、図示しない押出し部材により1個ずつ包装位置P1に押し出される。包装フィルム3は、一対のフィルムリール4の何れか一方から繰り出され、この際、ティアテープ(開封テープ)リール6から繰り出された開封テープ7が包装フィルム3の所定位置にヒータなどにより融着される。
【0015】
開封テープ7が融着された包装フィルム3が包装フィルム切断装置10によって所定の長さに切断されて包装位置P1に供給される。包装位置P1では、包装フィルム切断装置10により切断された包装フィルム3が被包装物2の押し出し方向と交差する方向、本実施形態では鉛直下方に供給され、包装フィルム3が包装位置P1を通過する被包装物2の表面に巻き付けられる。
【0016】
包装フィルム3が巻き付けられた被包装物2は、搬送された折り込み位置P2にて、被包装物2の各端から延出する包装フィルム3のサイド及びフラップが順次折り込まれる。この折り込みの際、重なり合う包装フィルム3にシールが適宜施される。こうして、包装フィルム3によって被包装物2の表面全体が包み込まれ、上包み包装装置1から包装済みの製品5が排出される。
【0017】
図2は、(a)包装フィルム切断装置10を側方から見た構成図と、(b)包装フィルム3の切断作業の流れとを対応させた説明図とを示す。包装フィルム切断装置10は、包装フィルム3の供給方向の上流側から順に、小口カッター11及びその受けローラ12(開封摘み形成ユニット)、一対の繰出しローラ(繰出しユニット)13,14、及びカッターユニット20を備えている。また、繰出しローラ13,14の下流側にはサクションベルト15が設けられている。
【0018】
繰出しローラ13,14によって連続して繰り出される包装フィルム3は、サクションベルト15により吸着されながら下流側に供給される。この際、包装フィルム3の所定位置、すなわち開封テープ7の融着位置に、小口カッター11によって図2(b)に示す舌片状の開封摘み部16が切り込まれる。
【0019】
カッターユニット20は、小口カッター11及び繰出しローラ13,14よりも下流側であって、サクションベルト15における搬送経路の途中位置に設けられ、包装フィルム3を挟んで相対向する回転刃(動刃)21と受け刃(固定刃)22とを備えている。回転刃21は、回転ドラム23に取り付けられ、回転ドラム23の外周面にはその軸方向に複数のガイド24が突設されている。包装フィルム3が繰り出される際、隣り合うガイド24間の空隙に開封テープ7及び開封摘み部16が位置付けられる。
【0020】
回転刃21及び受け刃22が互いに協働して包装フィルム3の長手方向と交差する包装フィルム3の幅方向、換言すると横方向に包装フィルム3を切断する。具体的には、回転ドラム23が回転することにより、回転刃21が切断周期ごとに包装フィルム3に近接し、受け刃22と協働して包装フィルム3を切断する。この包装フィルム3の切断位置は、横方向において、包装フィルム3における開封摘み部16の形成位置と合致する。
【0021】
図3は、上包み包装装置1によって包装された製品5の斜視図を示す。開封摘み部16を摘まんで開封テープ7に沿って包装フィルム3を引き裂くことにより、製品5から被包装物2を取り出すことができる。
図4は、カッターユニット20の斜視図を示し、図5は、(a)カッターユニット20を図4のA方向から見た側面図、(b)カッターユニット20を図4のB-B方向から見た断面図を示す。
【0022】
本実施形態のカッターユニット20は、回転刃21及び受け刃22を横方向に移動させる移動機構30を備えている。移動機構30は、カッターユニット20の本体をなすフレーム31と、フレーム31を横方向に移動自在に支持する一対の支持部材32と、一対の支持部材32に対するフレーム31の移動量を調整可能とする調整機構33とを備える。フレーム31及び支持部材32は、包装フィルム3の幅方向、すなわち横方向に延設されている。
【0023】
フレーム31には、受け刃22が固定されるとともに、回転刃21が受け刃22に対して周期的に接近可能に支持されている。詳しくは、回転刃21が取り付けられる回転ドラム23の軸部23aがフレーム31の両側部に回転可能に支持されている。一対の支持部材32は、それぞれ横方向に延設されたガイド34を備え、各ガイド34はフレーム31の両側部に横方向に延設されたレール35を直動自在に支持している。すなわち、一対のガイド34と、これらを支持する一対のレール35とは、それぞれリニアスライダーを構成している。
【0024】
調整機構33は、ねじが形成されたシャフト36、シャフト36の一端に固定されたカッターユニット20の移動用ハンドル37、シャフト36を移動用ハンドル37側で支持しながら、カッターユニット20の移動量を表示するインジケータ部38、及びシャフト36を移動用ハンドル37とは反対側で支持する螺合部39を備えている。シャフト36は、インジケータ部38に回転可能に貫通され、螺合部39に螺進可能に貫通されている。螺合部39は、フレーム31の長手方向端部に連結された後述する駆動ユニット40の側壁40aに形成されている。
【0025】
図5(a)に示すように、一対の支持部材32とインジケータ部38とは、包装フィルム切断装置10の側壁10aに固定されている。側壁10aのフレーム31の側部が対向する領域には開口41が形成されている。移動用ハンドル37を回転することにより、螺合部39と駆動ユニット40と側壁40aが固定された側壁10aとを起点とし、開口41を入出しながら駆動ユニット40が横方向に移動し、これに伴いフレーム31も横方向に移動する。さらに、移動用ハンドル37による回転量(カッターユニット20の移動量)がインジケータ部38に表示されるため、後述する逃げ溝47の位置を容易に調整可能である。
【0026】
すなわち、本実施形態では、包装フィルム切断装置10においてカッターユニット20が移動機構30及び調整機構33により横方向に移動可能であり、フレーム31に支持された回転刃21及び受け刃22も横方向に移動可能である。フレーム31の上部には回転刃21と受け刃22との空隙に包装フィルム3を通過させるためのガイドバー42が設けられている。フレーム31の移動用ハンドル37と反対側の側部には回転刃ハンドル43が設けられている。
【0027】
回転刃ハンドル43は、回転ドラム23の軸部23aの一端に接続され、駆動ユニット40が停止している状態で回転刃ハンドル43を回転することにより、回転ドラム23が回転し、受け刃22に対する回転刃21の刃合わせが可能となる。
駆動ユニット40は、回転ドラム23の軸部23aの他端が連結される駆動軸44と、駆動軸44がカップリング45を介して連結されるサーボモータ46とを備えている。
【0028】
サーボモータ46は、駆動軸44を介して回転ドラム23の軸部23aひいては回転刃21を単独で回転駆動する。サーボモータ46を備えることにより、回転ドラム23の回転周期、ひいては所定速度で繰り出される包装フィルム3の切断周期を独立に制御することができる。
【0029】
図6は、(a)図5(a)における受け刃22と包装フィルム3との位置関係、(b)図6(a)の領域Dの拡大図を示す。本実施形態の受け刃22には、包装フィルム3の横方向の切断に際し、小口カッター11によって形成された開封摘み部16の切断を回避する逃げ溝47が形成されている。
【0030】
被包装物2の大きさに応じて包装フィルム3の横幅や包装フィルム3の仕様が変わり、それに応じて、図6に二点鎖線矢印で示すように、開封テープ7の横方向における形成位置、ひいては開封摘み部16の横方向における形成位置が変更された場合を想定する。この場合であっても、移動用ハンドル37を操作して、フレーム31、ひいては受け刃22を一点鎖線矢印で示すように横方向に移動させることにより、開封摘み部16に受け刃22の逃げ溝47を合致させ、開封摘み部16の切断を回避可能である。
【0031】
図7は、(a)図6の領域Cにおいて包装フィルム3を横方向に切断する際の回転刃21及び受け刃22の側面図と、(b)図6の領域Dにおいて開封摘み部16の切断を逃げ溝47により回避する際の回転刃21及び受け刃の側面図とを示す。図7(a)に示すように、開封摘み部16の形成位置を含まない包装フィルム3の領域Cでは、刃合わせされた回転刃21及び受け刃22の協働により包装フィルム3が横方向に切断される。
【0032】
一方、図7(b)に示すように、開封摘み部16の形成位置を含む包装フィルム3の領域Dでは、開封摘み部16は回転刃21に接触しないため、切断されずに残存する。この際、逃げ溝47が開封摘み部16の退避領域として使用される。逃げ溝47は、受け刃22の下端に垂直面として形成される刃先22aを下方に切り欠いて形成され、開封摘み部16の平面積よりも大きな面積の溝底47aを有する。これにより、逃げ溝47において開封摘み部16の切断を確実に回避可能である。
【0033】
以上のように、本実施形態の包装フィルム切断装置10は、受け刃22に逃げ溝47を有するとともにカッターユニット20の移動機構30を備えている。これにより、包装フィルム3を横方向に切断する際に、回転刃21又は受け刃22を交換することなく開封摘み部16の切断を低コストで容易に回避することができ、開封摘み部16の形成位置の変更に係る作業効率を向上することができる。
【0034】
より詳しくは、カッターユニット20自体を移動機構30により移動可能としたことにより、移動対象が小形部材である場合の精密な移動調整や、その移動のための複雑な機構は不要であり、また、交換用の回転刃21又は受け刃22を用意する必要はない。
【0035】
また、移動機構30は、回転刃21又は受け刃22が支持されるフレーム31と、フレーム31を横方向に移動自在に支持する支持部材32と、支持部材32に対するフレーム31の移動量を調整可能とする調整機構33とを有する。これにより、回転刃21及び受け刃22を互いの位置関係を維持しながら一括で移動することができる。従って、回転刃21と受け刃22との刃合わせのし直しは不要であり、包装フィルムの仕様に応じて調整機構33を操作するだけの簡単な作業により、開封摘み部16に逃げ溝47を容易に合致させることができる。
【0036】
また、カッターユニット20は、回転刃21の軸部23aに連結された駆動軸44を介して回転刃21を単独で回転駆動するサーボモータ46を有する。サーボモータ46を備えることにより、包装フィルムの仕様に応じて回転ドラム23の回転周期、ひいては所定速度で繰り出される包装フィルム3の切断周期を独立に制御することができる。また、サーボモータ46ひいては駆動ユニット40をカッターユニット20の移動とともに移動することができるため、開封摘み部16の形成位置の変更に係る作業効率をさらに向上することができる。
【0037】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、受け刃22に逃げ溝47を形成しているが、回転刃21に逃げ溝47を形成しても良いし、回転刃21及び受け刃22の双方に形成しても良い。
また、移動機構30及び調整機構33の構成は前述したものに限定されない。
【0038】
また、前述した回転刃21及び受け刃22の代わりに、異なる構成の動刃及び固定刃を設けても良い。
【符号の説明】
【0039】
3 包装フィルム
10 包装フィルム切断装置
13、14 繰出しローラ(繰出しユニット)
16 開封摘み部
11 小口カッター(開封摘み形成ユニット)
12 受けローラ(開封摘み形成ユニット)
20 カッターユニット
21 回転刃(動刃)
22 受け刃(固定刃)
23a 軸部
30 移動機構
31 フレーム
32 支持部材
33 調整機構
44 駆動軸
46 サーボモータ
47 逃げ溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7