(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】工作機械における自動パレット交換装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 7/00 20060101AFI20230302BHJP
【ＦＩ】
B23Q7/00 E
【請求項の数】
5
(21)【出願番号】P 2019167466
(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公開番号】P2021041515
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】吉田 睦
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開平５－３１８２６０（ＪＰ，Ａ）
【文献】実開昭６３－９１３３８（ＪＰ，Ｕ）
【文献】特開２０００－３３１１２４（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６３－１３９７７２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００７－３２６２０１（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ２３Ｑ ７／００－７／１８；
Ｂ２３Ｐ １９／００；
Ｆ１６Ｈ １／２８
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットを複数列・複数段に収納するパレット収納部と、パレットを支持して前後方向に移動することでパレット収納部への搬入およびパレット収納部からの搬出を行う搬入出アームと、水平方向に移動することで搬入出アームをパレット収納部の所定列前に移動させる水平方向移動フレームと、上下方向に移動することで搬入出アームをパレット収納部の所定段前に移動させる昇降フレームと、搬入出アーム、水平方向移動フレームおよび昇降フレームを駆動する駆動装置とを備えており、工作機械本体との間で所要のパレットを搬入出する工作機械における自動パレット交換装置において、駆動装置は、いずれか一方を固定することで他方が駆動用の出力軸として機能する第１の出力軸および第２の出力軸を有する遊星減速機を備えており、第１の出力軸および第２の出力軸は、上下方向の軸線を有し、その一方が水平方向移動フレームを水平移動させるために使用され、同他方が搬入出アームを前後移動させるために使用されていることを特徴とする工作機械における自動パレット交換装置。
【請求項2】
遊星減速機の第１の出力軸に固定された第１の回転ギヤが、水平方向移動フレームと一体で移動するようになされているとともに、ベースフレームに固定された固定ギヤまたはラックに噛み合わされており、第１の回転ギヤが回転すると、第１の回転ギヤおよび水平方向移動フレームが一体で水平移動することを特徴とする請求項１の工作機械における自動パレット交換装置。
【請求項3】
遊星減速機の第２の出力軸に固定された第２の回転ギヤが、上下方向の軸線を有するスプライン軸に固定された第３の回転ギヤに噛み合わされており、スプライン軸に嵌められたスプラインナットの外周にピニオンギヤが一体に設けられ、該ピニオンギヤに噛み合わされて前後方向に延びるラックが搬入出アームに固定されており、第２の回転ギヤが回転すると、第３の回転ギヤ、スプライン軸、スプラインナットおよびピニオンギヤが一体で回転し、ラックおよび搬入出アームが一体で前後移動することを特徴とする請求項１または２の工作機械における自動パレット交換装置。
【請求項4】
第１の出力軸を固定する手段は、水平方向移動フレームに固定されたシリンダに水平方向移動可能に支持されたピストンと、ベースフレームに固定されたブロックに設けられてピストン先端部が嵌め入れられるピストン嵌入孔とによって形成されていることを特徴とする請求項１から３までのいずれかに記載の自動パレット交換装置。
【請求項5】
第２の出力軸を固定する手段は、遊星減速機を支持するケーシングに固定されたシリンダに上下移動可能に支持されたピストンと、第２の回転ギヤに設けられてピストン先端部が嵌め入れられるピストン嵌入孔とによって形成されていることを特徴とする請求項１から４までのいずれかに記載の工作機械における自動パレット交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、マシニングセンタなどの工作機械における自動パレット交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マシニングセンタなどの工作機械では、工作物を取り付けて供給するパレットを使用するとともに、工作物を取り付けたパレットを自動的に交換する自動パレット交換装置（ＡＰＣ）を使用するものが知られている。自動パレット交換装置としては、パレットを平面的に格納しておくものだけでなく、パレットを立体的に格納可能とした立体式ＡＰＣと称されているものも知られている（特許文献１）。
【0003】
立体式の自動パレット交換装置においては、パレットを複数列・複数段に収納するパレット収納部に対して所要のパレットを搬入出するための構成として、パレットを支持してパレット収納部への搬入およびパレット収納部からの搬出を行う搬入出アームと、水平方向に移動することで搬入出アームをパレット収納部の所定列前に移動させる旋回フレームと、上下方向に移動することで搬入出アームをパレット収納部の所定段前に移動させる昇降フレームとが必須の構成要素となる。従来、搬入出アーム、旋回フレームおよび昇降フレームは、それぞれがモータを備えた異なる駆動装置によって駆動されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平９－３０９０３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立体式の自動パレット交換装置は、多くのパレットを格納することで、工作機械による加工作業の効率の向上を図ることができるメリットがあるものの、装置が大型化してコストが掛かるという課題があり、その課題の解決が望まれている。
【0006】
この発明の目的は、小型化およびコストダウンを可能とする工作機械における自動パレット交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の工作機械における自動パレット交換装置は、パレットを複数列・複数段に収納するパレット収納部と、パレットを支持して前後方向に移動することでパレット収納部への搬入およびパレット収納部からの搬出を行う搬入出アームと、水平方向に移動することで搬入出アームをパレット収納部の所定列前に移動させる水平方向移動フレームと、上下方向に移動することで搬入出アームをパレット収納部の所定段前に移動させる昇降フレームと、搬入出アーム、水平方向移動フレームおよび昇降フレームを駆動する駆動装置とを備えており、工作機械本体との間で所要のパレットを搬入出する工作機械における自動パレット交換装置において、駆動装置は、いずれか一方を固定することで他方が駆動用の出力軸として機能する第１の出力軸および第２の出力軸を有する遊星減速機を備えており、第１の出力軸および第２の出力軸は、上下方向の軸線を有し、その一方が水平方向移動フレームを水平移動させるために使用され、同他方が搬入出アームを前後移動させるために使用されていることを特徴とするものである。
【0008】
この発明の工作機械における自動パレット交換装置によると、１つの遊星減速機およびこれを駆動する１つのモータを使用して、水平方向移動フレームの水平移動および搬入出アームの前後移動の両方を駆動することができ、水平方向移動フレームの水平移動および搬入出アームの前後移動のそれぞれを別のモータを使用して駆動している従来のものに比べて、小型化およびコストダウンが可能となる。
【0009】
遊星減速機の第１の出力軸に固定された第１の回転ギヤが、水平方向移動フレームと一体で移動するようになされているとともに、ベースフレームに固定された固定ギヤまたはラックに噛み合わされており、第１の回転ギヤが回転すると、第１の回転ギヤおよび水平方向移動フレームが一体で水平移動することがある。
【0010】
遊星減速機の第２の出力軸に固定された第２の回転ギヤが、上下方向の軸線を有するスプライン軸に固定された第３の回転ギヤに噛み合わされており、スプライン軸に嵌められたスプラインナットの外周にピニオンギヤが一体に設けられ、該ピニオンギヤに噛み合わされて前後方向に延びるラックが搬入出アームに固定されており、第２の回転ギヤが回転すると、第３の回転ギヤ、スプライン軸、スプラインナットおよびピニオンギヤが一体で回転し、ラックおよび搬入出アームが一体で前後移動することがある。
【0011】
第１の出力軸を固定する手段は、水平方向移動フレームに水平方向移動可能に支持されたピストンと、ベースフレームに固定されたブロックに設けられてピストン先端部が嵌め入れられるピストン嵌入孔とによって形成されていることがある。
【0012】
また、第２の出力軸を固定する手段は、遊星減速機を支持するケーシングに上下移動可能に支持されたピストンと、第２の回転ギヤに設けられてピストン先端部が嵌め入れられるピストン嵌入孔とによって形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明の工作機械における自動パレット交換装置によると、１つの遊星減速機およびこれを駆動する１つのモータを使用して、水平方向移動フレームの水平移動および搬入出アームの前後移動の両方を駆動することができ、小型化およびコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の自動パレット交換装置の１実施形態について、図面に基づいて説明する。以下の説明において、搬入出アームがパレットに近づく側（図１の右側）を前、パレットから遠ざかる側（図１の左側）を後といい、図２の上下を上下というものとする。また、左右は、後方から前方に向かっていうものとする。
【0016】
【0017】
工作機械本体(1)は、パレット(P)に取り付けられた工作物(W)の加工を行う横形マシニングセンタであり、パレット(P)の受け渡しを行うパレット受け渡し装置(3)、パレット(P)を移動させるテーブル(4)、工作物(W)を加工する加工装置(5)などを備えている。
【0018】
自動パレット交換装置(2)は、パレット(P)を周方向に複数列および上下方向に複数段収納するパレット収納部(11)を有する立体式のものであり、工作機械本体(1)との間でパレット(P)を搬入出する。パレット収納部(11)は、平面から見てＣ字状を成すように形成されている。
【0019】
自動パレット交換装置(2)は、パレット(P)を支持してパレット収納部(11)への搬入およびパレット収納部(11)からの搬出を行う搬入出アーム(12)と、水平方向に移動することで搬入出アーム(12)をパレット収納部(11)の所定列前に移動させる旋回フレーム（水平方向移動フレーム）(13)と、上下方向に移動することで搬入出アーム(12)をパレット収納部(11)の所定段前に移動させる昇降フレーム(14)と、搬入出アーム(12)および旋回フレーム(13)を移動させる旋回・搬入出駆動装置（水平方向移動・搬入出駆動装置）(15)と、昇降フレーム(14)を移動させる昇降駆動装置(16)とを備えている。
【0020】
【0021】
自動パレット交換装置(2)は、固定部分として、ベースフレーム(17)と、ベースフレーム(17)上に固定された旋回中心軸(18)と、旋回中心軸(18)に同心状に固定された固定ギヤ(19)とを備えている。
【0022】
搬入出アーム(12)は、前後方向に延びる左右１対の平行板からなり、昇降フレーム(14)に前後方向（図３では、紙面の表側から裏側へまたは紙面の裏側から表側へ向かう方向、図４および図５では左右方向）に移動可能に支持されている。
【0023】
旋回フレーム(13)は、４本の縦フレーム(13a)と、４本の縦フレーム(13a)の上端部同士および下端部同士を上から見てコの字状となるように連結している横フレーム(13b)とを備えている。
【0024】
昇降フレーム(14)は、略Ｕ字状をなし、旋回フレーム(13)の前側の２本の縦フレーム(13a)に上下移動可能に支持されている。
【0025】
搬入出アーム(12)は、昇降フレーム(14)と一体で上下移動し、最下段のパレットの底面に対応する位置から最上段のパレットの底面に対応する位置までの間で上下移動可能とされている。
【0026】
旋回・搬入出駆動装置(15)は、旋回フレーム(13)の旋回と搬入出アーム(12)の前後移動の両方の駆動を行うことができるように構成されており、昇降装置(16)は、昇降フレーム(14)の昇降の駆動を行うように構成されている。
【0027】
旋回・搬入出駆動装置(15)は、図３に示すように、モータ(21)によって回転させられる入力軸(22)と、第１の出力軸(25)および第２の出力軸(26)とを有する遊星減速機(20)を備えている。
【0028】
遊星減速機(20)は、内部構造の図示を省略するが、太陽歯車とこれに噛み合う複数の遊星歯車およびこれら遊星歯車が内周で噛み合う内歯歯車を備え、モータ(21)による高速回転を減速させて第１の出力軸(25)または第２の出力軸(26)で出力する減速機である。
【0029】
遊星減速機(20)は、第１の固定手段(23)によって第２の出力軸(26)が回転しないようにすることで、第１の出力軸(25)を回転させることができ、第２の固定手段(24)によって第１の出力軸(25)が回転しないようにすることで、第２の出力軸(26)を回転させることができる。
【0030】
モータ(21)および遊星減速機(20)は、ケーシング(27)に支持されており、ケーシング(27)は、旋回フレーム(13)に固定されて、旋回フレーム(13)の旋回に伴って、一体で旋回するようになされている。
【0031】
旋回フレーム(13)は、旋回中心軸(18)の軸線回りに回転可能なように旋回中心軸(18)に支持されており、複数のベアリング(31)を介してベースフレーム(17)上に設けられた軌道面(17a)上を旋回中心軸(18)の軸線回りに旋回することができる。
【0032】
旋回・搬入出駆動装置(15)は、旋回フレーム(13)を旋回させる構成として、固定ギヤ(19)に噛み合いかつ遊星減速機(20)の第１の出力軸(25)に固定されている旋回用ギヤ（第１の回転ギヤ）(32)を備えている。旋回用ギヤ(32)は、固定が解除されている場合には、固定ギヤ(19)の外周を回転しながら旋回することができる。
【0033】
搬出入アーム(12)の下面には、ガイドレール(42)が固定され、ガイドレール(42)は、昇降フレーム(14)上に固定されたガイドブロック(41)上を移動するようになされている。搬入出アーム(12)には、前後にのびるラック(43)が設けられている。
【0034】
旋回・搬入出駆動装置(15)は、搬入出アーム(12)を前後移動させる構成として、上下方向の軸線を有し、遊星減速機(20)の第２の出力軸(26)に固定されたスプライン軸駆動用ギヤ（第２の回転ギヤ）(44)を備えている。
【0035】
スプライン軸駆動用ギヤ(44)には、上下に延びるスプライン軸(45)の下端部に嵌め入れられて固定されたスプライン軸従動用ギヤ（第３の回転ギヤ）(46)が噛み合わされている。スプライン軸(45)は、回転自在に支持されて、搬入出アーム(12)の近傍を通って、旋回フレーム(13)の縦フレーム(13a)に平行に延びるように設けられている。
【0036】
スプライン軸(45)には、スプラインナット(47)が上下移動可能に嵌められている。スプラインナット(47)には、搬入出アーム(12)のラック(43)に噛み合わされたピニオンギヤ(48)が一体に形成されている。
【0037】
スプラインナット(47)は、ブラケット(49)を介して、昇降フレーム(14)の垂直部(14a)に固定されており、昇降フレーム(14)が上下移動した際には、これに伴って、ブラケット(49)、スプラインナット(47)および搬入出アーム(12)（ガイドブロック(41)、ガイドレール(42)、ラック(43)を含む）が一体で上下移動する。
【0038】
第１の固定手段(23)は、ケーシング(27)に固定されたシリンダ(51)に上下移動可能に支持された搬入出駆動固定用ピストン(52)と、スプライン軸駆動用ギヤ(44)に形成され、ピストン(52)の下端部（先端部）が嵌め入れられるピストン嵌入孔(53)とからなる。
【0039】
第２の固定手段(24)は、旋回フレーム(13)に固定されたシリンダ(54)に左右移動可能に支持された旋回固定用ピストン(55)と、ピストン(55)の左端部（先端部）が嵌め入れられるピストン嵌入孔(56a)を有し、ベースフレーム(17)に固定されたブロック(56)とからなる。
【0040】
昇降駆動装置(16)は、旋回フレーム(13)の縦フレーム(13a)に固定されたガイドレール(61)と、ガイドレール(61)と平行になるように旋回フレーム(13)の縦フレーム(13a)に固定されたラック(62)と、昇降フレーム(14)に固定されてガイドレール(61)に沿って移動するガイドブロック(63)と、ラック(62)に回転可能に噛み合わされて昇降フレーム(14)と一体で上下移動するピニオンギヤ(64)とを備えている。
【0041】
昇降駆動装置(16)によると、図示省略したモータによってピニオンギヤ(64)を回転させると、ピニオンギヤ(64)がラック(62)に沿って上下移動し、これにより、昇降フレーム(14)が旋回フレーム(13)に対して上下移動する。
【0042】
旋回・搬入出駆動装置(15)による旋回フレーム(13)の旋回は、次のようにして行われる。
【0043】
第２の出力軸(26)が第１の固定手段(23)によって固定されるとともに、第２の固定手段(24)による第１の出力軸(25)の固定が解除され、これにより、旋回用ギヤ(32)が回転可能な状態とされる。この状態で、入力軸(22)がモータ(21)によって回転させられると、旋回用ギヤ(32)が回転し、旋回フレーム(13)が旋回する。旋回フレーム(13)の旋回に伴って、図３においては、固定部分(17)(18)(19)(56)以外の全ての構成要素が一体で旋回させられる。
【0044】
旋回・搬入出駆動装置(15)による搬入出アーム(12)の前後移動は、次のようにして行われる。
【0045】
第１の出力軸(25)が第２の固定手段(24)によって固定されるとともに、第１の固定手段(23)による第２の出力軸(26)の固定が解除され、これにより、スプライン軸駆動用ギヤ(44)が回転可能な状態とされる。この状態で、入力軸(22)がモータ(21)によって回転させられると、スプライン軸駆動用ギヤ(44)が回転し、これに伴い、スプライン軸従動用ギヤ(46)、スプライン軸(45)、スプラインナット(47)およびピニオンギヤ(48)が一体で回転し、ピニオンギヤ(48)が回転することによって、ラック(43)および搬入出アーム(12)が一体で前後移動する。
【0046】
こうして、旋回・搬入出駆動装置(15)によると、旋回フレーム(13)の旋回および搬入出アーム(12)の前後移動が１つのモータ(21)および１つの遊星減速機(20)を用いて駆動される。ここで、昇降駆動装置(16)による昇降フレーム(14)の昇降は、旋回・搬入出駆動装置(15)による旋回フレーム(13)の旋回と同時に行うことができ、旋回・搬入出駆動装置(15)による搬入出アーム(12)の搬入出は、昇降駆動装置(16)による昇降フレーム(14)の昇降および旋回・搬入出駆動装置(15)による旋回フレーム(13)の旋回が完了した後に行うものとされる。
【0047】
上記の自動パレット交換装置(2)によると、１つの遊星減速機(20)およびこれを駆動する１つのモータ(21)を使用して、旋回フレーム(13)の旋回および搬入出アーム(12)の前後移動の両方を駆動することができるので、旋回フレーム(13)の旋回駆動用のモータおよび搬入出アーム(12)の前後移動駆動用のモータをそれぞれ使用している従来のものに比べて、駆動部の小型化とモータサーボアンプの削減ができ、コストダウンも可能となる。
【0048】
この発明の工作機械における自動パレット交換装置によると、１つの遊星減速機およびこれを駆動する１つのモータを使用して、水平方向移動フレームの水平移動および搬入出アームの前後移動の両方を駆動することができ、小型化およびコストダウンが可能となる。
【0049】
なお、図示省略するが、上記の自動パレット交換装置は、スタッカクレーンによりパレットを搬入出するとともに、パレットを直線状に並べたシステムに適用することもできる。このようにするには、固定ギヤ(19)に代えてラックを使用し、旋回用ギヤ(32)をラックに沿って直線移動するピニオンギヤとすることで、旋回フレーム(13)に代わる直線移動フレームを直線移動させるようにすればよい。
【符号の説明】
【0050】
(1)：工作機械本体
(2)：自動パレット交換装置
(11)：パレット収納部
(12)：搬入出アーム
(13)：旋回フレーム（水平方向移動フレーム）
(14)：昇降フレーム
(15)：旋回・搬入出駆動装置
(16)：昇降駆動装置
(17)：ベースフレーム
(19)：固定ギヤ
(20)：遊星減速機
(23)：第１の固定手段
(24)：第２の固定手段
(25)：第１の出力軸
(26)：第２の出力軸
(27)：ケーシング
(32)：旋回用ギヤ（第１の回転ギヤ）
(43)：ラック
(44)：スプライン軸駆動用ギヤ（第２の回転ギヤ）
(45)：スプライン軸
(46)：スプライン軸従動用ギヤ（第３の回転ギヤ）
(47)：スプラインナット
(48)：ピニオンギヤ
(51)：シリンダ
(52)：ピストン
(53)：ピストン嵌入孔
(54)：シリンダ
(55)：ピストン
(56)：ブロック
(56a)：ピストン嵌入孔
(P)：パレット
(2)：自動パレット交換装置
(11)：パレット収納部
(12)：搬入出アーム
(13)：旋回フレーム（水平方向移動フレーム）
(14)：昇降フレーム
(15)：旋回・搬入出駆動装置
(16)：昇降駆動装置
(17)：ベースフレーム
(19)：固定ギヤ
(20)：遊星減速機
(23)：第１の固定手段
(24)：第２の固定手段
(25)：第１の出力軸
(26)：第２の出力軸
(27)：ケーシング
(32)：旋回用ギヤ（第１の回転ギヤ）
(43)：ラック
(44)：スプライン軸駆動用ギヤ（第２の回転ギヤ）
(45)：スプライン軸
(46)：スプライン軸従動用ギヤ（第３の回転ギヤ）
(47)：スプラインナット
(48)：ピニオンギヤ
(51)：シリンダ
(52)：ピストン
(53)：ピストン嵌入孔
(54)：シリンダ
(55)：ピストン
(56)：ブロック
(56a)：ピストン嵌入孔
(P)：パレット
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】