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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】自動再接続機能を有する電子時計
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/04 20130101AFI20230302BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20230302BHJP
【FI】
G04G21/04
G04G21/00 304N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019197744
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021071365
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】荒木 将之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 暁祥
(72)【発明者】
【氏名】金澤 誠人
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-103815(JP,A)
【文献】国際公開第2017/164179(WO,A1)
【文献】特開2012-122731(JP,A)
【文献】特開2005-12545(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152307(WO,A1)
【文献】特開2012-44515(JP,A)
【文献】特開2012-178663(JP,A)
【文献】特開2014-219835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と通信を行う通信部と、
携帯端末との接続状態を維持する所定時間を記憶する記憶部と、
1日のうち最初に携帯端末に接続してから前記所定時間を経過するまでは、携帯端末との通信が切断した際に、再接続を実行する通信制御部と、
を有することを特徴とする電子時計。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記所定時間の中で再接続を実行する周期を調整する、請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
ユーザの動きを検出するセンサをさらに備え、
前記センサの検出結果から、ユーザが身に着けていないと判断された場合には再接続を実行しない、
請求項1または2に記載の電子時計。
【請求項4】
前記センサがユーザの動きを検出した場合は、前記通信制御部は再接続を実行する、請求項3に記載の電子時計。
【請求項5】
前記通信制御部は、再接続を行う場合と、切断を行う場合とで異なる方法で通知する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項6】
前記記憶部は、再接続を実行しない時間帯を記憶し、
前記通信制御部は、前記時間帯に再接続を実行しない、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項7】
前記記憶部は、過去に通信が実行された時間帯を記憶し、
前記通信制御部は、前記時間帯において再接続を実行する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項8】
前記記憶部は、再接続の実施状況を記憶し、
前記通信制御部は、前記再接続の実施状況に基づいて、再接続を実行する時間を調整する、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関し、特に、自動再接続機能を有する電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、無線回線から切断された端末装置を自動で再接続することができる監視装置が報告されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、Bluetooth(登録商標)を用いて、切断中のタブレット端末に直接接続して再接続処理を実行させる方法が開示されている。特許文献1に開示された監視装置においては、端末装置を無線回線に再接続する時間に制限はない。
【0003】
電子時計と携帯端末との間で通信を行う場合、不慮の切断(通信可能距離以上の離間や電子時計と携帯端末の間に通信を遮蔽する障害物が入り込んだりする場合など)が発生してしまう場合がある。このとき、電子時計と携帯端末との間で、自動的に再接続を常時行うこととすると、電子時計の電池に蓄えられた電力の消耗が早くなってしまうという問題があった。一方、自動的に再接続を行わない場合は、そのまま切断状態を維持するか、再接続のためのボタンを押す等の操作を行わなければ再接続を実行することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-056964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施形態に係る電子時計は、携帯端末との接続が切断された場合に自動的に再接続を実行する期間を確保しながら、接続による電力の消費を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係る電子時計は、携帯端末と通信を行う通信部と、携帯端末との接続状態を維持する所定時間を記憶する記憶部と、1日のうち最初に携帯端末に接続してから所定時間を経過するまでは、携帯端末との通信が切断した際に、再接続を実行する通信制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本開示の実施形態に係る電子時計において、通信制御部は、所定時間の中で再接続を実行する周期を調整することが好ましい。
【0008】
本開示の実施形態に係る電子時計において、ユーザの動きを検出するセンサをさらに備え、センサの検出結果から、ユーザが身に着けていないと判断された場合には再接続を実行しないようにしてもよい。
【0009】
本開示の実施形態に係る電子時計において、センサがユーザの動きを検出した場合は、通信制御部は再接続を実行することが好ましい。
【0010】
本開示の実施形態に係る電子時計において、通信制御部は、再接続を行う場合と、切断を行う場合とで異なる方法で通知するようにしてもよい。
【0011】
本開示の実施形態に係る電子時計において、記憶部は、再接続を実行しない時間帯を記憶し、通信制御部は、その時間帯に再接続を実行しないことが好ましい。
【0012】
本開示の実施形態に係る電子時計において、通信制御部は、再接続が成功しないことが明らかな場合は再接続を実行しないようにしてもよい。
【0013】
本開示の実施形態に係る電子時計において、記憶部は、過去に通信が実行された時間帯を記憶し、通信制御部は、その時間帯において再接続を実行することが好ましい。
【0014】
本開示の実施形態に係る電子時計において、記憶部は、再接続の実施状況を記憶し、通信制御部は、再接続の実施状況に基づいて、再接続を実行する時間を調整することが好ましい。
【0015】
本開示の実施形態に係る電子時計において、通信部及び通信制御部に電力を供給する電池をさらに有し、通信制御部は、通信部による携帯端末との再接続のタイミングを調整することにより、再接続によって消費される電力を抑制することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本開示の実施形態に係る電子時計によれば、携帯端末との接続が切断された場合に自動的に再接続を実行する期間を確保しながら、接続による電力の消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の実施例1に係る電子時計の構成図である。
図2】本開示の実施例1に係る電子時計の外観図である。
図3】本開示の実施例1に係る電子時計が携帯端末との再接続を実行する期間を説明するためのタイミングチャートである。
図4】本開示の実施例1に係る電子時計が携帯端末との再接続のタイミングを調整する方法を説明するためのタイミングチャートである。
図5】本開示の実施例1に係る電子時計が携帯端末との接続時間と再接続時間を調整する方法を説明するためのタイミングチャートである。
図6】本開示の実施例2に係る電子時計の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る電子時計について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0019】
[実施例1]
まず、本開示の実施例1に係る電子時計について説明する。図1に本開示の実施例1に係る電子時計の構成図を示す。図2に本開示の実施例1に係る電子時計の外観図を示す。電子時計101は、携帯端末200との間でブルートゥース(登録商標)等により通信を行う。本開示の実施例1に係る電子時計101は、通信部1と、記憶部2と、通信制御部3と、を有する。
【0020】
電子時計101は、発電手段であるソーラーセル9を備え、二次電池8を充電する。二次電池8は、通信部1、通信制御部3、及びマイコンIC30に電力を供給する。二次電池8として、例えば、チタン酸系リチウムイオン電池を用いることができる。電子時計101は、小型化及び薄型化を実現することが望まれるため、二次電池8の充電量の大容量化は難しい。そこで、電子時計101の省電力化を実現する必要がある。
【0021】
電子時計101の計時部は、水晶振動子10により駆動される。水晶振動子10が発生する信号は、変換機(A)51、変換機(B)52、及び変換機(D)53によって計時部を駆動するためのエネルギーに変換され、それぞれ、輪列(A)61、輪列(B)62、及び輪列(D)63を介して、秒針71、時分・24時間針72、及び機能針・日車73を駆動する。
【0022】
電子時計101は種々の情報表示を実行することができる。例えば、秒針71が電子時計の文字盤周辺に表示された各マークの位置に停止することで、各種情報を通知することができる。例えば、マーク301及び302は、ブルートゥース(登録商標)の通信状態を示し、マーク301は通信が実行されている(ON状態)ことを示し、マーク302は通信が切断されている(OFF状態)ことを示す。マーク303(「ACT」)は、手動接続及び自動再接続を実行していることを示す。マーク304(「CALL」)は、携帯端末200に音声着信があったことを示す。マーク305(「INFO」)は、携帯端末200に音声着信以外の着信(メール、SNS等)があったことを示す。マーク306(「LL」)は、携帯端末200との通信の意図しない切断や、携帯端末200との接続が失敗したことを示す。マーク307及び308は、アラームの設定状態を示し、マーク307はアラームがON状態であることを示し、マーク308はアラームがOFF状態であることを示す。マーク309(「FIND」)は、携帯端末200を探している状態であることを示す。マーク310及び311は、フライトモードの設定状態を示し、マーク310はフライトモードがON状態であることを示し、マーク311はフライトモードがOFF状態であることを示す。
【0023】
電子時計101は、ユーザに振動により通知を行うための振動モーター13を有する。また、電子時計101は、ユーザが電子時計101を操作するための操作部14を有する。操作部14として、例えば、3時の位置に配置した竜頭81や、2時及び4時の位置に配置したプッシュボタン(PB)82、83を利用することができる。
【0024】
通信部1は、携帯端末200と通信を実行する。通信部1には、16[MHz]で動作する水晶振動子11及びアンテナブロック12が接続されている。
【0025】
記憶部2は、携帯端末200との接続状態を維持する所定時間を記憶する。例えば、朝の7時から夜の11時まで接続する場合は、所定時間を16時間として記憶する。ただし、所定時間はこのような例には限られず、任意の時間に設定することができる。任意の時間に設定する場合の例として、例えば、ユーザが開始時刻と終了時刻を設定する場合が挙げられる。
【0026】
通信制御部3は、1日のうち最初に携帯端末200に接続してから所定時間を経過するまでは、携帯端末200との通信が切断した際に、再接続を実行する。図3に、本開示の実施例1に係る電子時計が携帯端末との再接続を実行する期間を説明するためのタイミングチャートを示す。例えば、時刻t0において、1日のうち最初に携帯端末200に接続したものとする。また、時刻t0からt9までの期間を所定時間とし、時刻t0からt9の期間に、通信制御部3は、電子時計101と携帯端末200との間の通信が切断した際に、再接続を実行する。
【0027】
時刻t1において電子時計101と携帯端末200とが離間した場合、時刻t2において通信が切断される。その後、時刻t3において電子時計101が携帯端末200に接近した場合、時刻t3は所定時間内(t0≦t3≦t9)であるため、時刻t4において、通信制御部3は、自動的に電子時計101と携帯端末200との間の通信の再接続を実行する。
【0028】
同様に、時刻t5において電子時計101と携帯端末200とが離間した場合、時刻t6において通信が切断される。その後、時刻t7において電子時計101が携帯端末200に接近した場合、時刻t7は所定時間内(t0≦t7≦t9)であるため、時刻t8において、自動的に電子時計101と携帯端末200との間の通信の再接続を実行する。
【0029】
一方、時刻t10において電子時計101と携帯端末200とが離間した場合、時刻t11において通信が切断される。ここで、時刻t10は所定期間後(t10>t9)であるため、その後、時刻t12において電子時計101が携帯端末200に接近した場合であっても、自動的な電子時計101と携帯端末200との間の通信の再接続を実行しない。
【0030】
また、t9付近で離間が発生し、再接続実行中にt9となった場合、t9となった時点で、再接続動作を強制終了とする。以降は、自動的な再接続を実行しない。
さらに、t9となった時点で強制的に切断を行い、以降は、自動的な再接続を実行しない。
【0031】
電子時計101と携帯端末200とを再接続する期間を所定時間に制限することにより、所定時間内においては電子時計101と携帯端末200とが離間したとしても両者が接近すれば接続復帰が自動で可能になる一方で、消費電力を電子時計101の使用状況に適した環境下における必要最低限の値に抑えることができる。再接続を実行する際に消費する電力は、接続状態を維持した場合の消費電力よりも大きいため、再接続を実行する所定時間をユーザが電子時計101と携帯端末200との接続状態を維持することを望む時間帯に設定することにより、ユーザの利便性を維持しながら、電子時計の消費電力を抑制することができる。
【0032】
通信制御部3は、所定時間の中で再接続を実行する周期を調整するようにしてもよい。図4に本開示の実施例1に係る電子時計が携帯端末との再接続のタイミングを調整する方法を説明するためのタイミングチャートを示す。例えば、まず動作(1)のように、電子時計101と携帯端末200との再接続を実行するための信号をΔt1の時間間隔でn回出力する。再接続信号を出力するための電力は接続状態を維持した場合の消費電力より大きいため、電子時計101と携帯端末200とが再接続されるまで再接続を実行するための信号を複数回送信すると、電子時計の二次電池に蓄えられた電力を多く消費してしまう。そこで、最初に送信する回数を所定の回数(例えば、n回)に制限しておく。
【0033】
次に、再接続信号をn回送信しても再接続が実行できなかった場合は、再接続信号を出力する周期を調整する。例えば、動作(2)に示すように、再接続を実行するための信号をΔt2の時間間隔で3回出力した後、時間tx後に再度Δt2の時間間隔で3回出力し、これを2回繰り返す。
【0034】
その結果、依然として再接続が実行できなかった場合は、さらに再接続信号を出力する周期を調整する。例えば、動作(3)に示すように、再接続を実行するための信号をΔt3の時間間隔で2回出力した後、時間ty後に再度Δt3の時間間隔で2回出力し、これを2回繰り返す。このように、再接続を実行する周期を調整することにより、再接続が実現するまで一定周期で連続して複数回再接続を試行する場合に比べて、電力の消費を抑制しつつ、電子時計と携帯端末とが再接続される可能性を向上させることができる。なお、再接続信号を連続して送信する回数や、再接続信号の送信を繰り返す回数は上記の例には限られない。また、再接続信号の時間間隔Δt1、Δt2、Δt3のそれぞれの値は同一でもよいし、再接続の試行回数に合わせて増加する(Δt1<Δt2<Δt3)ようにしてもよい。また、動作(3)を実行しても接続ができない場合は、再接続の動作は中止する。
【0035】
上記の例では、1日のうち最初に携帯端末200に接続してから所定時間を経過するまでは、携帯端末200との通信が切断した際に、再接続を実行するが、記憶部2は、再接続を実行しない時間帯を記憶し、通信制御部3は、再接続を実行しない時間帯として記憶した時間帯に再接続を実行しないようにしてもよい。例えば、ユーザが携帯端末200を使用しない時間帯が予め分かっている場合、そのような時間帯に電子時計101と携帯端末200とを接続しても無意味である。そのような時間帯には電子時計101と携帯端末200との間の通信が切断され、電子時計101と携帯端末200とが接近した場合であっても再接続を行わないようにすることにより、再接続による電力の消費を抑制することができる。また、ユーザが手動で切断した場合においても、再接続を行わないようにすることができる。
【0036】
一方、記憶部2は、過去に通信が実行された時間帯を記憶し、通信制御部3は、過去に通信が実行された時間帯において再接続を実行するようにしてもよい。即ち、ユーザが電子時計101と携帯端末200とを接続させた過去の実績を記憶し、そのような実績に基づいて、電子時計101と携帯端末200と間で再接続を実行する時間帯を決めるようにしてもよい。過去の実績から将来も同様の時間帯で電子時計101と携帯端末200と間で通信を行うことが予想されるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0037】
また、記憶部2は、再接続の実施状況を記憶し、通信制御部3は、再接続の実施状況に基づいて、再接続を実行する時間を調整するようにしてもよい。また、通信制御部3は、通信部1による携帯端末200との再接続のタイミングを調整することにより、再接続によって消費される電力を抑制することが好ましい。図5に本開示の実施例1に係る電子時計が携帯端末との再接続を行う時間を調整する方法を説明するためのタイミングチャートを示す。例えば、図5(a)に示すように、電子時計101のソーラーセル9が、接続状態を1日あたり6時間維持するだけの電力を発電することができるものとする。また、再接続を行う際の電力は接続状態を維持する場合の1.5倍の電力を消費するものとする。このとき、第1所定時間において、電子時計101と携帯端末200とが接続するものとすると、第1所定時間は約6時間である。
【0038】
次に、図5(b)に示すように、第1所定時間のうち、2時間だけ再接続を実行したものとする。この場合、再接続により接続時の1.5倍の電力を消費することから、再接続を実行する時間である第2所定時間を第1所定時間より短い、約5時間に設定することが好ましい。ソーラーセル9が1日あたり6時間接続状態を維持する発電量を賄える場合に、再接続を同じ6時間実行すると、充電収支(発電量と消費量の差)がマイナスになり、その状態が長時間持続すると、二次電池8の蓄電量が減り続け空になる恐れがあるためである。
【0039】
また、図5(c)は、所定時間の略全てにおいて再接続を実行した例を示す。この場合、再接続により接続時の1.5倍の電力を消費することから、再接続を実行する時間である第3所定時間を第1及び第2所定時間より短い、約4時間に設定することが好ましい。このように、再接続の実施状況を記憶し、再接続の実施状況に基づいて、再接続を実行する時間を調整することにより、充電収支の悪化を防ぎ、電子時計の二次電池8の蓄電量が減り続けることを回避することができる。
【0040】
また、通信制御部3は、電子時計101と携帯端末200との間で、再接続を行う場合と、切断を行う場合とで異なる方法で通知することが好ましい。再接続時と切断時とで通知方法を変えることにより、ユーザは通知のみから再接続が実行されたのか、切断されたのかを認識することができる。ここで、通知方法を変える方法として、例えば、振動モーター13が連続して振動する回数を変えることができる。ただし、このような例には限られず、他の方法により、通知方法を変えるようにしてもよい。
【0041】
[実施例2]
次に、本開示の実施例2に係る電子時計について説明する。図6に、本開示の実施例2に係る電子時計の構成図を示す。実施例2に係る電子時計102が、実施例1に係る電子時計101と異なっている点は、ユーザの動きを検出するセンサ4をさらに備え、センサ4の検出結果から、ユーザが身に着けていないと判断された場合には再接続を実行しない点である。実施例2に係る電子時計102のその他の構成は、実施例1に係る電子時計101における構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0042】
センサ4として、例えば、チルトセンサを用いることができる。チルトセンサが電子時計102の傾斜の変化を検出しない場合は、ユーザが電子時計102を身に着けていないと判断することができるため、そのような場合に自動再接続を実行しないようにすることにより電力消費量を抑制することができる。
【0043】
また、センサ4として、ソーラーセル9の発電量の変化を検出する検出器を用いることもできる。検出器が検出する発電量が一定の場合は、ユーザは電子時計102を所持していないと推測することができるため、そのような場合に再接続を実行しないようにすることにより電力消費量を抑制することができる。
【0044】
一方、センサ4がユーザの動きを検出した場合は、通信制御部3は再接続を実行することが好ましい。センサ4がユーザの動きを検出した場合は、ユーザが電子時計102を身に着けたものと考えられるため、携帯端末200との再接続の要求が高い状態にあると考えられる。そこで、センサ4がユーザの動きを検出した場合に、再接続を実行することにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0045】
[実施例3]
本開示の実施例3に係る電子時計は、記憶部2が、電子時計と携帯端末とが通信を行った情報を接続情報として記憶し、過去の接続情報に基づいて、対応する時間帯に電子時計と携帯端末との間の再接続を実行する点を特徴とする。実施例3に係る電子時計の構成は、実施例1に係る電子時計101の構成と同様である。実施例3に係る電子時計によれば、ユーザの行動パターンから電子時計と携帯端末との間で通信を行う時間帯を決定することができるため、電子時計と携帯端末との間の通信履歴から、再接続が必要な時間帯を絞り込むことができ、電子時計の電力の消費を抑制することができる。
【0046】
ここで、電子時計と携帯端末との間の通信履歴(ログ)は、曜日毎に管理するようにしてもよい。例えば、過去の通信履歴に基づいて、月曜日に自動再接続を実行する時間帯を所定の時間帯に決めた場合、他の曜日は月曜日とは異なる時間帯に再接続を実行するようにしてもよい。あるいは、過去の通信履歴に基づいて、平日に再接続を実行する時間帯を休日に再接続を実行する時間帯とは異なる時間帯に設定するようにしてもよい。このように、曜日毎、あるいは平日であるか休日であるかに基づいて、再接続を実行する時間帯を設定することにより、ユーザの行動パターンに対応した最適な時間帯に再接続を実行することができる。
【0047】
また、再接続の時間帯を決定するために利用する過去の通信記録の記録日時は、ユーザの行動パターンに応じて適宜変更するようにしてもよい。例えば、n年間行動パターンに変更がない場合はn年間の通信記録の平均データから再接続を実行する時間帯を設定することができる。あるいは、例えば、mヶ月前に行動パターンに変更が生じた場合には、過去mヶ月の通信記録の平均データから再接続を実行する時間帯を設定するようにしてもよい。
【0048】
ここで、電子時計と携帯端末との通信記録は電子時計の記憶部に記憶してもよいし、携帯端末の記憶装置に記憶するようにしてもよい。電子時計と携帯端末の間の通信記録のデータ量が電子時計の記憶部の容量を超える場合には、携帯端末の記憶装置に記憶するようにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
1 通信部
2 記憶部
3 通信制御部
4 センサ
8 二次電池
101、102 電子時計
200 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6