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特許7236368ワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体および熱加工機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体および熱加工機
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20230302BHJP
   B23K 26/10 20060101ALI20230302BHJP
   B23K 37/04 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B23K26/10
B23K37/04 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019198677
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021070046
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】高津 正人
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 隼
(72)【発明者】
【氏名】和家 功一
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】実開平7-37479(JP,U)
【文献】特開2001-314998(JP,A)
【文献】特開平4-8440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 37/04
B23K 26/00 - 26/70
B23Q 3/00 - 3/154、3/16 - 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる方向の炭素繊維で形成され、
前記炭素繊維の方向が長辺および短辺方向に対して斜めになるように形成されている
ワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体。
【請求項2】
上端部に三角形状または台形状の突起が設けられている
請求項1に記載のワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体。
【請求項3】
前記突起の斜辺が階段状に形成されている
請求項2に記載のワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体。
【請求項4】
他の板状部材を交差させて嵌め込むためのスリットが設けられている
請求項1~いずれか1項に記載のワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体。
【請求項5】
請求項1~いずれか1項に記載のワーク支持体が、床面に垂直な状態で、前記ワーク支持体の長辺方向が湾曲した状態でワーク・サポート・テーブルに設置されている熱加工機。
【請求項6】
請求項に記載の複数のワーク支持体が、メッシュ状に組み合わせられてワーク・サポート・テーブルに設置されている熱加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体および熱加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ加工機またはプラズマ加工機等の熱加工機のワーク・サポート・テーブルには、加工対象の板金(ワーク)を下面から支持する支持部材として、複数の板状のワーク支持体(ワーク・サポート・メンバ)が設けられている。この複数のワーク支持体は、板面が床面に垂直な状態で、ワーク・サポート・テーブルに所定間隔で並べて配列されている。
【0003】
上述したワーク支持体の一形態として、上端部に連続した三角形状の突起が形成されているものがある。このようなワーク支持体が複数配列されたワーク・サポート・テーブルに加工対象のワークを載せると、各ワーク支持体上端部の突起がワークの下面に当接、ワークが複数の点で点支持される。ワークが点支持されワークとワーク支持体との当接面積最小に抑えられることにより、熱加工によるワークとワーク支持体との溶着、ワーク支持体へのスパッタの堆積、ワーク支持体の破損等の発生を抑えることができる。ワーク支持体には、レーザビームで燃えず、低コストで交換可能な素材として、金属製のものが多く使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-314998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したようにワークが点支持されるように構成しても、熱加工によるワーク支持体の突起の消耗や損傷を完全に回避することはできない。つまり、金属製のワーク支持体とワークとは共に金属であるため、ワーク加工中に溶解した金属とワーク支持体とが金属結合すること、若しくは、ワーク支持体そのものをレーザ光が溶解してしまうことを防ぐことが出来ない。そのため、所定期間(例えば1ヶ月程度)使用するごとにワーク支持体を新たなものに交換する必要があり、この交換作業には多くのコストと手間と、時間とを要するという問題があった。
【0006】
本発明は、耐久性に優れた、ワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体および熱加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の異なる方向の炭素繊維で形成され、前記炭素繊維の方向が長辺および短辺方向に対して斜めになるように形成されているワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体を提供する。
【0008】
また、本発明は、複数の異なる方向の炭素繊維で長形の板状に形成され、前記炭素繊維の方向が長辺および短辺方向に対して斜めになるように形成されているワーク支持体が、床面に垂直な状態で、前記ワーク支持体の長辺方向が湾曲した状態でワーク・サポート・テーブルに設置されている熱加工機を提供する。
【0009】
また、本発明は、複数の異なる方向の炭素繊維で形成され、前記炭素繊維の方向が長辺および短辺方向に対して斜めになるように形成され、他の板状部材を交差させて嵌め込むためのスリットが設けられている複数のワーク支持体が、メッシュ状に組み合わせられてワーク・サポート・テーブルに設置されている熱加工機を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐久性に優れた、ワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体および熱加工機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態のワーク支持体を用いた熱加工機を示す外観斜視図である。
図2】一実施形態のワーク支持体の配置状態を示す外観斜視図である。
図3】一実施形態における第1形状のワーク支持体21-1の形状を示す正面図である。
図4】一実施形態における第1形状のワーク支持体21-1の織り方向が突起の縦方向と合っている場合に、突起が破損した状態を示す図である。
図5】一実施形態における第1形状のワーク支持体21-1を、平織りした炭素繊維の薄板から切り出す状態を示す図である。
図6】一実施形態における第1形状のワーク支持体21-1の織り方向が突起に対して斜め方向である場合に、突起が破損した状態を示す図である。
図7】一実施形態における第1形状のワーク支持体21-1の突起211が、(a)頂点の角度が30°の三角形である場合、(b)頂点の角度が60°の三角形である場合、(c)頂点の角度が90°の三角形である場合の形状を示す図である。
図8】一実施形態における第2形状のワーク支持体21-2の形状を示す正面図である。
図9】一実施形態における第2形状のワーク支持体21-2の織り方向が突起の縦方向と合っている場合に、突起の中央近くが破損した状態を示す図である。
図10】一実施形態における第2形状のワーク支持体21-2の織り方向が突起の縦方向と合っている場合に、突起の端部近くが破損した状態を示す図である。
図11】一実施形態における第2形状のワーク支持体21-2の織り方向が突起に対して斜め方向である場合に、突起の端部近くが破損した状態を示す図である。
図12】一実施形態における第1形状のワーク支持体21-2の突起212が、上底両端の角度が135°の台形である場合の形状を示す図である。
図13】(a)は、一実施形態における第3形状のワーク支持体21-3の織り方向が突起の縦方向と合っている場合の突起を示し、(b)は、(a)で示す突起が破損した状態を示す図である。
図14】(a)~(d)はそれぞれ、他の実施形態において、相互に交差させるためのスリットが設けられたワーク支持体21-4a~21-4dの形状を示す正面図である。
図15】他の実施形態において、ワーク支持体21-4a~21-4dがメッシュ状に組み合わせられた状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態によるワーク・サポート・テーブルに用いるワーク支持体が設けられた熱加工機であるレーザ加工機について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
本実施形態によるレーザ加工機1は切断加工を行うものであり、図1に示すように、ベース10上に加工対象のワークWを設置するためのワーク・サポート・テーブル20が設けられている。ワーク・サポート・テーブル20内には、複数のワーク支持体21がX方向に配列されている。各ワーク支持体21の素材および形状については、後述する。
【0014】
レーザ加工機1は、ワーク・サポート・テーブル20を跨ぐように配置された門型のフレーム30を備える。フレーム30は、サイドフレーム31、32と上部フレーム33とを有する。
【0015】
上部フレーム33内には、Y方向に移動自在のキャリッジ40が設けられている。キャリッジ40には、レーザを射出するレーザヘッド41が取り付けられている。フレーム30がX方向に移動し、キャリッジ40がY方向に移動することによって、レーザヘッド41は、ワークWの上方で、XおよびY方向に任意に移動するように構成されている。
【0016】
フレーム30には、レーザ加工機1を制御するためのNC装置50が取り付けられている。NC装置50は、ワークWを加工するための加工データ(NCデータ)に従ってレーザ加工機1を制御する。NC装置50は、レーザ加工機1を制御する制御装置である。
【0017】
NC装置50の制御によりレーザヘッド41がX方向またはY方向に移動しながら、ワークWに対してレーザを照射することにより、ワークWは切断加工される。
【0018】
ワーク・サポート・テーブル20に設置されるワーク支持体21について説明する。各ワーク支持体21は、紐状の炭素繊維、例えば炭素繊維強化炭素複合材(C/Cコンポジット材)を平織りした薄板から長形に切り出されて形成される。平織りとは、繊維を縦と横とで1本ごとに交差させる織り方である。
【0019】
炭素繊維は融点が3550℃であり、一般的な金属のワークWの融点1580℃に比べて非常に高温である。そのため、ワーク支持体21の素材として炭素繊維を用いることにより、ワークWの切断加工の際に、レーザビームの照射によるワークWとワーク支持体21との溶着を防止することができる。また、切断加工で飛散したスパッタがワーク支持体21にほとんど溶着しないため堆積し難くなり、仮に堆積しても剥がれ落ち易く除去作業が容易になる。
【0020】
また、C/Cコンポジット材は織り込まれた炭素繊維に各種物質を含浸することで繊維強化されているため、薄板状に形成することで弾性が生じる。これを利用して、ワーク支持体21は図2に示すように、板面が床面に垂直な状態で長辺方向がS字形状に湾曲した状態で、ワーク・サポート・テーブル20の長辺両端のテーブルフレーム22に設置される。
【0021】
ワーク支持体21が湾曲した状態で設置されることにより、ワークWが直線的に切断加工される際にワーク支持体21の上部に連続的にレーザビームが照射されることが回避され、スパッタの堆積やワーク支持体21の破損が抑えられる。
【0022】
ワーク支持体21の形状の具体例として、第1形状のワーク支持体21-1、第2形状のワーク支持体21-2、および第3形状のワーク支持体21-3について、図面を用いて説明する。
【0023】
[第1形状のワーク支持体21-1]
第1形状のワーク支持体21-1は、図3に示すように、上端部に三角形状の突起211が連続的に設けられている。このようなワーク支持体21-1をワーク・サポート・テーブル20に複数配列し、その上にワークWを載せると、各ワーク支持体21-1上端部の三角形状の突起211がワークWの下面に当接し、ワークWが複数の点で点支持される。ワークWが点支持されることにより、ワークWが切断加工される際にワーク支持体21-1の上部にレーザビームが当たる確率が低減され、ワーク支持体21-1の破損が抑えられる。
【0024】
従来は、金属板の上端部に三角形状の突起を連続的に設けたワーク支持体が用いられていたが、このような金属板のワーク支持体は融点がワークWと同等であり、切断加工で生じたスパッタが溶着して堆積してしまう。そのため、スパッタがある程度堆積してもワーク支持体上部の突起の形状が維持されるように、隣り合う突起同士の間の溝を深くしていた。
【0025】
しかし、第1の形状のワーク支持体21-1は、上述したように融点の高い炭素繊維で形成されており、スパッタが発生してもワーク支持体21-1に溶着せずに容易に剥がれ落ちるため、隣り合う突起211の間の溝を浅くすることができる。突起211の間の溝を浅くすることで、小物のワークWが溝に落下することを防止することができる。
【0026】
また、上述したワーク支持体21-1の平織りの織り方向が、ワーク支持体21-1の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向になっていると、ピアス加工などによる高エネルギのレーザビームが突起211に当たって破損した場合に、図4に示すように突起211の先端に針のような鋭利な形状が形成される可能性が高くなる。このような鋭利な形状が形成されると、ワーク支持体21-1の交換作業の際に作業員がこの先端に接触しないように注意を払う必要がある。
【0027】
そこで、平織りした炭素繊維の薄板から第1形状のワーク支持体21-1を切り出す際に、図5に示すように、当該ワーク支持体21-1の長辺-短辺方向が織り方向に対して0°-90°方向と合致しない斜め方向、例えば45°-45°方向になるように切り出すことで、突起211の三角形状に対しても織り方向が斜めになる。このようにワーク支持体21-1を形成すると、レーザビームが突起211に当たって破損した場合に、図6に示すように突起211の先端が繊維方向に斜めに折れて、鋭利な形状が形成されることが回避される。
【0028】
また、ワーク支持体21-1の平織りの織り方向が、ワーク支持体21-1の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向になっていると、突起211に対する上方向からの負荷および横方向からのモーメントに対して、縦方向または横方向のいずれか一方の繊維は全く対抗することができない。そのため、当該ワーク支持体21-1の強度が低くなり、破損しやすい状態になってしまう。
【0029】
これに対し、上述したように、ワーク支持体21-1の平織りの織り方向を、ワーク支持体21-1の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向と合致しない斜め方向、例えば45°-45°方向にすることで、上方向および横方向のいずれからの負荷に対しても、突起211の縦方向および横方向の繊維が対抗することができるようになる。これにより、当該ワーク支持体21-1の強度が高くなる。
【0030】
さらに、ワーク支持体21-1の突起211の三角形の斜辺が平織りの織り方向と平行であるときに、突起211に対する上方向からの負荷および横方向からのモーメントに対して繊維が対抗する力が最大になる。そのため、突起211の頂点の角度を、図7(a)に示すような30°程度、図7(b)に示すような60°程度等にするよりも、図7(c)に示すように90°に近い形状とすることが望ましい。
【0031】
[第2形状のワーク支持体21-2]
第2形状のワーク支持体21-2は、図8に示すように、上端部に台形状の突起212が連続的に設けられている。このワーク支持体21-2をワーク・サポート・テーブル20に複数配列し、その上にワークWを載せると、各ワーク支持体21-2上部の台形状の突起212の各上面がワークWの下面に当接され、ワークWが支持される。第2形状のワーク支持体21-2を用いると、第1形状のワーク支持体21-1を用いる場合よりもワークWとの当接面積が広くなり、ワークWが安定して支持される。
【0032】
然し乍、ワーク支持体21の上端部に突起を設けずに直線状にすると、ワークWがさらに安定して支持されるが、この形状では、加工処理を行う際に発生するアシストガスの逃げ場が制限されるため好ましくない。そのため、台形状の突起212を設けることで、ワークWを安定して支持しつつ、アシストガスの逃げ場を確保することができる。
【0033】
この台形状の突起212それぞれの上面は、レーザビームの照射を受けて破損する可能性があることを考慮して、ある程度の広さを確保して形成することで、破損部分が生じてもワークWの支持に支障をきたさないようにすることができる。突起212の上面をある程度広くしておいても、突起212の上面にレーザビームが当たり破損部分が生じた場合には、当該部分がアシストガスの逃げ場となる。
【0034】
また、上端部の突起212を台形状にすることで、当該ワーク支持体21-2の織り方向がワーク支持体21-2の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向になっていても、図9に示すように、突起212の中央近くにレーザビームが当たって破損した場合には、鋭利な形状が形成されることが回避される。
【0035】
しかし、上端部の突起212を台形状にしても、当該ワーク支持体21-2の織り方向がワーク支持体21-2の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向になっていると、突起212の端部近くにレーザビームが当たって破損した場合には、図10に示すように、端部側に鋭利な形状が形成されてしまう可能性がある。
【0036】
これに対応するため、第2形状のワーク支持体21-2においても、上述した第1形状のワーク支持体21-1と同様に、当該ワーク支持体21-2の長辺-短辺方向が織り方向に対して斜めの例えば45°-45°方向になるように切り出すことで、突起212に対しても織り方向が斜めになり、突起212の端部近くにレーザビームが照射されて破損した場合に、図11に示すように端部側の細い部分が繊維方向に斜めに折れて、鋭利な形状が形成されることが回避される。
【0037】
また、ワーク支持体21-2の平織りの織り方向を、ワーク支持体21-2の長辺-短辺方向に対して斜めの45°-45°方向にすることで、上方向および横方向からの負荷に対して突起212の繊維が対抗することができるようになり、当該ワーク支持体21-2の強度が強化される。このとき、ワーク支持体21-2の突起212を、図12に示すように上底両端の角度が135°に近い台形にすることで、突起212の斜辺が平織りの織り方向と平行になり、当該ワーク支持体21-2の強度が高くなる。
【0038】
[第3形状のワーク支持体21-3]
第3形状のワーク支持体21-3は、第1形状のワーク支持体21-1と同様に上端部に三角形状の突起213が連続的に設けられているが、当該ワーク支持体21-3の長辺-短辺方向が織り方向に対して斜めの0°-90°方向であり、図13(a)に示すように、三角形状の突起213の斜辺が階段状に形成されている。
【0039】
このようなワーク支持体21-3がワーク・サポート・テーブル20に設置され、レーザビームが突起213に照射されて破損した場合、図13(b)に示すように突起213の先端が平らになる確率が高くなり、鋭利な形状が形成される確率が低くなる。同様にして、第2形状のワーク支持体21-2に設けられた台形状の突起212の斜辺を階段状に形成してもよい。
【0040】
上述した第1形状~第3形状のワーク支持体21-1~21-3は、ワーク・サポート・テーブル20内に複数枚がX方向に平行に配列される。他の形態として、複数枚のワーク支持体が相互に交差して設置される場合について説明する。
【0041】
この形態で用いるワーク支持体について、図14を参照して説明する。図14(a)のワーク支持体21-4aは、上端部に台形状の突起214が連続的に設けられるとともに、下端部に他の板状部材であるワーク支持体を挟むためのワーク支持体板厚相当のスリット215が所定間隔で設けられている。図14(b)のワーク支持体21-4bは、上端部に、台形状の突起214が連続的に設けられるとともに、スリット216が所定間隔で設けられている。図14(c)のワーク支持体21-4cは、上端部はフラット状態であり、下端部にスリット215が所定間隔で設けられている。図14(d)のワーク支持体21-4dは、上端部に所定間隔でスリット216が設けられ、下端部はフラット状態になっている。
【0042】
このように構成された複数のワーク支持体21-4a~21-4dが適宜用いられ、ワーク支持体21-4aまたはワーク支持体21-4cの下端部の各スリット215に、ワーク支持体21-4bまたはワーク支持体21-4dの各スリット216が嵌め込まれる。これにより、複数のワーク支持体21-4a~21-4dの板面が床面に垂直な状態で相互に交差されて、メッシュ状に組み合わせられる。
【0043】
メッシュ状に組み合わせたれたワーク支持体21-4a~21-4dは、図15に示すように、ワーク・サポート・テーブル20に配置される。このようにワーク支持体21-4a~21-4dが配置されることで、さらにワークWが安定して支持される。
【0044】
以上の実施形態によれば、ワーク支持体21-1~21-3、21-4a~21-4dは、炭素繊維を用いて形成されているため、耐久性に優れ、従来の金属製のワーク支持体を用いていた場合に比べて大幅に交換頻度を減少させることができる。
【0045】
上述した実施形態では、ワーク支持体が、平織りされた炭素繊維で板状に形成された場合について説明したが、平織りには限定されず、異なる方向の炭素繊維を含んで板状に形成されていれば、同様にワーク支持体として用いることが可能である。この場合にも、ワーク支持体の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向と合致しない斜め方向になっている炭素繊維を含んでいれば、レーザビームが突起211に当たって破損した場合に突起の先端に鋭利な形状が形成されることが回避され、また、当該ワーク支持体の強度が高くなる。
【0046】
上述した実施形態では、ワーク支持体が、平織りされた炭素繊維で板状に形成された場合について説明したが、平織りには限定されず、複数の異なる方向(少なくとも2つの方向)の炭素繊維を含んで板状に形成されていれば、同様にワーク支持体として用いることが可能である。この場合にも、ワーク支持体の長辺-短辺方向に対して0°-90°方向と合致しない斜め方向になっている炭素繊維を含んでいれば、レーザビームが突起211、212、または214に当たって破損した場合に突起の先端に鋭利な形状が形成されることが回避される。また、ワーク支持体の強度が高くなる。
【符号の説明】
【0047】
1 レーザ加工機
10 ベース
20 ワーク・サポート・テーブル
21、21-1~21-3、21-4a~21-4d ワーク支持体
22 テーブルフレーム
30 フレーム
31、32 サイドフレーム
33 上部フレーム
40 キャリッジ
41 レーザヘッド
50 NC装置
211、212、213、214 突起
215、216 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15