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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
F24C7/02 501Z
F24C7/02 541M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019218445
(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公開番号】P2021089087
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 耐治
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-094507(JP,A)
【文献】特開平07-106062(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0043297(KR,A)
【文献】中国実用新案第201715578(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
H05B 6/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を入れて加熱するための加熱室と、前記被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱室の下方に設けられた機械室とを有し、前記加熱室、加熱手段及び機械室は本体内に配置されており、外部交流電源のノイズを濾過するフィルタ基板を有し、前記本体の外枠を構成する板に切欠を設け、前記フィルタ基板を前記切欠を介して本体内部と対向し且つ外側に突出するように配置し、前記外枠は本体下方の底板であることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
前記機械室に制御基板を配置し、前記フィルタ基板は前記制御基板の近傍に配置されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
請求項1に記載の加熱調理器において、
前記機械室には冷却風が流れるように構成されており、前記フィルタ基板は前記冷却風により冷却されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項1に記載の加熱調理器において、
前記底板を貫通するように前記フィルタ基板が配置されていることを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
レンジおよびオーブン等の加熱機能をもつ加熱調理器で、例えば交流電源に重畳するノイズを除去するためのフィルタ等の基板が必要となったときに、本体内部に配置するスペースが無い場合は、本体外部に専用の部品で覆って配置していた。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の加熱調理器では、本体背面にフィルタとしての基板を支持具を装着した状態で取付け、基板を覆うことで外から見えないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-94507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、絶縁距離確保のための支持具、また、基盤との絶縁距離のため、空間を大きく取った覆いを本体背面に取り付けなければならず、設置のための奥ゆきが長くなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、外部に基板を設置する場合に全体を小型化することができる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の加熱調理器は、被調理物を入れて加熱するための加熱室と、前記被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱室の下方に設けられた機械室とを有し、前記加熱室、加熱手段及び機械室は本体内に配置されており、外部交流電源のノイズを濾過するフィルタ基板を有し、前記本体の外枠を構成する板に切欠を設け、前記フィルタ基板を前記切欠を介して本体内部と対向し且つ外側に突出するように配置し、前記外枠は本体下方の底板としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、省面積での設置が可能となる加熱調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施形態の加熱調理器を斜め前方側から見た斜視図。
図2図1のA-A断面図。
図3】実施形態の加熱調理器を斜め前下方から見た斜視図。
図4】実施形態の加熱調理器の本体から外枠を取り外した状態を斜め前下方から見た斜視図。
図5】実施形態の加熱調理器1の本体から外枠を取り外した状態での構造を斜め前下方から見た拡大斜視図。
図6】実施形態の加熱調理器1のフィルタとしての基板29の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る実施形態の加熱調理器1を斜め前方側から見た斜視図である。
【0012】
実施形態の加熱調理器1は、加熱室3の中に加熱する被調理物を入れ、マイクロ波やヒータ、水蒸気の熱を用いて被調理物を加熱調理する機器である。
【0013】
加熱調理器1は、前部に開口1h1を有する本体1hと、該開口1h1を開閉するドア2とを備えている。
【0014】
加熱調理器1の本体1hは、上下左右と奥に壁を備える加熱室3を有している。
【0015】
ドア2の上部には、取っ手24が取り付けられている。取っ手24は、ドア2の開閉に際して利用者に把持されるため、手で握りやすい形状になっている。ドア2は、上部が手前下方に開く構成である。
【0016】
ドア2は、加熱室3の内部に被調理物を出し入れする際に開閉される。
【0017】
ドア2を閉めることで、被調理物が入れられた加熱室3が密閉状態とされる。密閉状態により、被調理物を加熱するときに使用するマイクロ波の漏洩を防止し、また、ヒータで加熱する際に熱を加熱室3内に封じ込め、効率良く被調理物を加熱することを可能とする。
【0018】
ドア2には、調理中の被調理物の状態が目視確認できるようにガラス窓2gが取り付けられている。ガラス窓2gは、ヒータ等の発熱による高温に耐えるガラスを使用している。
【0019】
ドア2の前面下側の操作パネル4には、入力手段が設けられている。入力手段5は、表示部5aと操作部5bとで構成される。
【0020】
図2は、図1のA-A断面図である。
【0021】
操作部5b(図1参照)は、利用者がレンジ加熱手段(マグネトロン11(図4参照)等)、グリル加熱手段6、水蒸気発生手段7、オーブン加熱手段(熱風ユニット8等)な
どの加熱手段を選択し、加熱する時間等の調理条件や自動メニューを入力する。
【0022】
制御基板13は、電源コード33及びフィルタとしての基板29を介して商用電源の供給を受け、入力手段5から入力された内容に従って食品を加熱調理するように各加熱手段を動作させ、水蒸気発生手段7、オーブン加熱手段、マグネトロン11等のレンジ加熱手段等を制御するものである。
【0023】
制御基板13は、商用交流電源から供給された交流の電源を直流化する整流回路、さらには、該整流回路で整流された電源を平滑する電源平滑回路を含んで構成され、水蒸気発生手段7、オーブン加熱手段、マグネトロン11等のレンジ加熱手段等を制御するとともに、水蒸気発生手段7、オーブン加熱手段、マグネトロン11等のレンジ加熱手段等に食品を加熱するための電源を供給している。
【0024】
レンジ加熱手段は、マグネトロン11で発生するマイクロ波で被調理物を加熱する。グリル加熱手段6は、加熱室上面3uの外側に設けたヒータで被調理物を加熱する。
【0025】
水蒸気発生手段7は、水蒸気により被調理物を加熱する。
【0026】
オーブン加熱手段は、加熱室奥壁面3kの奥側に設けられている。オーブン加熱手段は、加熱室奥壁面3kの上方と下方に設けられた熱風ヒータ8a,8bをもつ熱風ユニット8によって発生する熱風で加熱室3を加熱する。
【0027】
表示部5aは、操作部5bから入力された内容や調理の進行状態を表示する。
【0028】
本体1hの前面下側には、水タンク9が設けられている。水タンク9は、水蒸気を作るのに必要な水を溜めておく容器である。水タンク9を、本体1の前面の水タンク保持部材9h(図1参照)から着脱可能な構造とすることで給水および排水が容易にできる構成である。
【0029】
図1に示す外枠1wは、加熱調理器1の本体1hの上下面と左右側面と後面を覆うキャビネットである。
【0030】
後板1u(図2参照)は、外枠1wの後面を形成する。後板1uの上部には、外部排気ダクト1d(図1参照)が取り付けられている。
【0031】
図3は、実施形態の加熱調理器1を斜め前下方から見た斜視図である。図4は、図3において、実施形態の加熱調理器1の本体1hから外枠1wを取り外した状態を斜め前下方から見た斜視図である。
【0032】
図1に示す外部排気ダクト1dは、機械室10(図2図4参照)を冷却した後の空気を外部排気口1e(図1参照)から排出する。
【0033】
機械室10は、加熱室底面3bと本体1hの底板1sとの間の空間部に設けられている。底板1s上には食品を加熱するためのマグネトロン11(図4参照)、マグネトロン11を接続した導波管12(図2参照)、制御基板13(図4参照)等の各種部品、これらの各種部品を冷却する冷却手段14(14a、14b)(図4等)が取り付けられている。
【0034】
マグネトロン11は、マイクロ波を発信する電気部品であり、マイクロ波を被調理物に放射して加熱する。マグネトロン11は、高電圧が印加されることから高温となる。
【0035】
図2に示すように、加熱室底面3bは、略中央部が凹状に窪んでいる。凹状の略中央部には、回転アンテナ16が設置されている。回転アンテナ16は、回転アンテナ駆動手段16kの出力軸16jに連結されている。回転アンテナ駆動手段16kには回転アンテナ16の位置を検出するアンテナ位置検出手段(図示せず)を備える。
【0036】
マグネトロン11から放射されるマイクロ波は、導波管12と回転アンテナ駆動手段16kの出力軸16jが貫通する結合穴17を通して回転アンテナ16の下面に流入する
。流入したマイクロ波は、回転アンテナ16で拡散されて加熱室3内に放射される。
【0037】
加熱室3の後部には熱風ユニット8が取り付けられている。熱風ユニット8は、加熱室奥壁面3kの後部外側に熱風ケース8cが設けられる。加熱室奥壁面3kと熱風ケース8cとの間に熱風ファン18とその外周側に位置するように熱風ヒータ8aおよび熱風ヒータ8bが設けられている。熱風ケース8cの後側に熱風モータ19を取り付け、熱風モータ19の軸を熱風ケース8cに設けた穴を通して熱風ファン18と連結している。
【0038】
熱風ユニット8は加熱室奥壁面3kに設けた空気の通り道となる熱風吸気孔3iと熱風吹出し孔3oとを通して連結されている。熱風ケース8c内の熱風ファン18を熱風モータ19により回転することで、加熱室3と熱風ユニット8との空気を循環し、上部の熱風ヒータ8aと下部の熱風ヒータ8bを循環する空気を加熱する。
【0039】
また、熱風ユニット8の代わりに、加熱室3の上面と下面にヒータを設けて加熱室3を加熱してもよい。
【0040】
図2に示す加熱室上面3uの外側には、ヒータよりなるグリル加熱手段6が取り付けられている。
【0041】
グリル加熱手段6は、下記のように構成されている。
【0042】
マイカ板にヒータ線を巻き付けて平面状にグリル加熱手段6が形成される。平面状のグリル加熱手段6は、加熱室上面3u(図2参照)の外側に押し付けて固定される。加熱室上面3uの外側のグリル加熱手段6は、加熱室上面3uを加熱することで、加熱室3内の被調理物を輻射熱によって焼く。
【0043】
図2に示す加熱室底面3bには、複数個の重量検出手段、例えば前側左右に右側重量センサ、左側重量センサ、後側中央に奥側重量センサ20が設けられている。複数個の重量検出手段の上には、テーブルプレート21が載置されている。
【0044】
テーブルプレート21は、食品を載置するためのプレートである。テーブルプレート21は、ヒータ加熱とマイクロ波加熱の両方に使用できるように耐熱性を有している。また、テーブルプレート21は、マイクロ波の透過性が良く、衛生面でも問題がない磁器等の材料で成形されている。
【0045】
加熱室3の後部上方には、加熱室3内の温度を検出する温度検出手段(図示せず)が設けられている。温度検出手段は、グリル加熱手段6および熱風ユニット8の熱風吹出し孔3oから加熱室3内に吹出される熱風の影響を直接受けない位置に設けられている。
【0046】
<スチームユニット>
スチームユニットは水蒸気発生手段7(図2参照)とポンプ手段(図示せず)により成る。
【0047】
水蒸気発生手段7は、加熱室左側面3lの外側面に取り付けられている。そして、水蒸気を噴出するスチーム噴出口7fは加熱室3内に臨んで設けられている。
【0048】
水蒸気発生手段7は、アルミニウム鋳造で作られ、鋳造時にシーズヒータを一体に埋め込んでいる。シーズヒータの消費電力は600W前後と大きく、水蒸気発生手段7は短時間で水を沸騰できる温度に加熱する。
【0049】
水蒸気発生手段7への水の供給は、図示しないポンプ手段を駆動することによって水タンク9から供給される。水は、水蒸気発生手段7で加熱されて沸騰し、水蒸気となってスチーム噴出口7f(図2参照)から加熱室3の内部に噴出される。
【0050】
<冷却手段14>
図4に示す冷却手段14は、第1ファン装置14aと第2ファン装置14bとを有している。
【0051】
第1ファン装置14aは、インバータ基板15、制御基板13等を通風により冷却するためのファン装置である。インバータ基板15は、マグネトロン11を駆動するための電源を作るインバータ回路を搭載した基板であり、マグネトロン11のON/OFF制御を行う。そのため、インバータ基板15は高温となる。
【0052】
第2ファン装置14bは、マグネトロン11を通風により冷却するためのファン装置である。
【0053】
第1ファン装置14aは、風を送るファン14a1とファン14a1を駆動する
ファンモータ14a2とを有している。
【0054】
第1ファン装置14aは、冷却手段保持部材22に取り付けられ、上方からフタ22aが被せられる。
【0055】
第1ファン装置14aの下流には、インバータ基板15等が配置されている。
【0056】
第2ファン装置14bは、風を送るファン14b1とファン14b1を駆動するファンモータ14b2とを有している。
【0057】
第2ファン装置14bは、冷却手段保持部材23に取り付けられる。
【0058】
<機械室10の冷却構成>
次に、機械室10の冷却構成について説明する。
【0059】
図3に示すように、加熱調理器1の底板1sの前方に、第1吸気孔26iが複数の小孔で形成されている。第1ファン装置14aの稼動により、第1吸気孔26iから、機械室10における制御基板13等の冷却のために室内の空気が機械室10の内部に吸込まれる。
【0060】
また、底板1sの中央部には、第1排気孔26oが複数の小孔で形成されている。第1排気孔26oからは、第1吸気孔26iから吸込まれた機械室10の冷却後の空気が機外に排出される。
【0061】
加熱調理器1の本体1hの後側には第2吸気孔27iが複数の小孔で形成されている。第2ファン装置14bの稼動により、第2吸気孔
27iから、機械室10におけるマグネトロン11の冷却のために室内の空気が機械室10のマグネトロン11に向けて吸込まれる。
【0062】
図3に示すように、左側板1s1の下部と後上部には、第2排気孔27oが複数の小孔で形成されている。第2排気孔27oからは、第2吸気孔27iから吸込まれたマグネトロン11の冷却後の空気が外部に排出される。
【0063】
図4に示すように、ダクト28が制御基板13を有して形成されている。
ダクト28の前方には、機械室前壁10aが立設されている。
【0064】
図5は電源ノイズや放射電界強度対策のためのフィルタとしての基板29の組み付け位置示している。
【0065】
図6は、フィルタとしての基板29の構成を示している。フィルタとしての基板29について説明する。
【0066】
フィルタとしての基板29は、入力端子29-1及び29-2が電源コード33を介して商用交流電源に接続される。また、出力端子29-3及び29-4は制御基板13に接続され、出力端子29-5はアース導通用電線29aに接続される。
【0067】
入力端子29-1及び29-2と出力端子29-3及び29-4はトランスL501及びL502を介して接続される。入力端子29-1(及び29-2)とトランスL502の間は、入力端子29-1及び29-2に対して、抵抗R501、抵抗R502、コンデンサC501、コンデンサC502、コンデンサC503が並列に接続される。
【0068】
トランスL502と出力端子29-3(29-4)の間は、出力端子29-3及び29-4に対して、並列に、コンデンサC504とコンデンサC505の直列回路が接続される。コンデンサC504とコンデンサC505の接続点はコンデンサC506を介して出力端子29-5に接続される。
【0069】
底板1Sの制御基板13近傍にはフィルタとしての基板29と同等、または近しい大きさの切欠き34が開いている。フィルタとしての基板29はこの底板1Sの切欠き34を貫通して一点鎖線35に示されるよう設置されている。
【0070】
また、フィルタとしての基板29はフィルタ保持部材30に固定されており、
フィルタ保持部材30は底板1sやその他部品に固定されている。
【0071】
フィルタ保持部材30には制御基板13とフィルタとしての基板29を接続する制御基板接続コード(図示せず)を保持する構造になっており、底板1Sの切欠き部のエッジ等から保護している。
【0072】
フィルタとしての基板29の延焼防止のため、フィルタケース32、また絶縁用のフィルタふた31がフィルタ保持部材にかぶさるように設置されている。
【0073】
フィルタケース32は鉄板を使用しているが、不燃材での代用も可能である。
【0074】
フィルタふた31は樹脂をしようしているが、フィルタとしての基板29とフィルターケース32の絶縁が確保できる材料であれば代用可能である。また、フィルタとしての基板29とフィルターケース32の絶縁距離が充分確保できている場合は、フィルタふたは廃止してもよい。
【0075】
図3では電源コード33が3相であるため、アース導通用電線33aが底板に接続されているが、2相の電源コードであったり、アース導通用電線33aを別の箇所に接続してもよい。
【0076】
図3ではフィルタとしての基板29にアース導通用電線29aが採用されているため底板に接続されているが、なくてもよい。
【0077】
上記構成によれば、フィルタとしての基板29が機械室10やその他外郭から見えない箇所に設置できない場合でも、制御基板13とフィルタとしての基板29を接続する制御基板接続コード(図示せず)の長さを短くできるため、原価低減が可能である。
【0078】
また、本体後方や側方へフィルタとしての基板29を採用すると、本体奥ゆきや幅が大きくなってしまい、設置スペースが広く必要になってしまうが、
低面に設置したことで、設置スペースを広げることなく、フィルタとしての基板29を採用することができる。
【0079】
また、本体後方や側方へフィルタとしての基板29を採用すると、設置した際の意匠性に大きな影響を与えてしまうが、低面に採用したことにより、通常使用では目に触れないため、意匠性を確保したまま、フィルタとしての基板29を採用することができる。
【0080】
また、上記実施形態によるところの後方に採用されている熱風ユニット8(または熱風ユニット8の代わりに、加熱室3の上面と下面にヒータを設けて加熱室3を加熱してもよい。)の近傍や、機械室10内にフィルタとしての基板を配置すると、ヒータ等からの熱による温度上昇軽減のため、冷却構造にフィルタとしての基板29を組み込まなければならないが、本事例では、ヒータ等の熱を発生させる部品から離れているため、冷却が最低限で済み、冷却が必要なその他の部品に効率よく冷却風を供給することができる、つまりは
冷却手段14を安価品にて採用することができ、原価低減が可能である。
【0081】
以上説明したとおり、本実施例によれば、省面積での設置が可能であり、配線を最短に抑え、側面からの意匠性を確保し、本体高さを抑えることができる。
【0082】
<その他の実施形態>
1.前記実施形態では、加熱調理器1が複数のファン装置を備える例として、第1ファン
装置14aと第2ファン装置14bを備える場合を例示して説明したが、3つ以上のファ
ン装置を備える構成としてもよい。
2.前記実施形態、実施例等は、本発明を分かり易く説明するために詳細に記載したもの
であり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、実施形態の構
成の一部について、他の構成の追加・削除・置換することが可能である。
3.また、本発明は、特許請求の範囲に記載した範囲内で様々な変形形態、具体的形態が
可能であり、説明した実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0083】
1 加熱調理器
1d 外部排気ダクト
1e 外部排気口
1h 本体
1h1 開口
1s 底板
1s1 左側板
1u 後板
1w 外枠
2 ドア
2g ガラス窓
3 加熱室
3b 加熱室低面
3i 熱風吸気孔
3k 加熱室奥壁面
3l 加熱室左側面
3o 熱風吹出し孔
3u 加熱室上面
4 操作パネル
5 入力手段
5a 表示部
5b 操作部
6 グリル加熱手段
7 水蒸気発生手段
7f スチーム噴出孔
8 熱風ユニット
8a 熱風ヒータ(上)
8b 熱風ヒータ(下)
8c 熱風ケース
9 水タンク
9h 水タンク保持部材
10 機械室
10a 機械室前壁
11 マグネトロン
12 導波管
13 制御基板
14 冷却手段
14a 第1ファン装置
14a1 ファン
14a2 ファンモータ
14b 第2ファン装置
14b1 ファン
14b2 ファンモータ
15 インバータ基板
16 回転アンテナ
16j 出力軸
16k 回転アンテナ駆動手段
17 結合穴
18 熱風ファン
19 熱風モータ
20 奥側重量センサ
21 テーブルプレート
22 冷却手段保持部材
22a フタ
23 冷却手段保持部材
24 取っ手
26i 第1吸気孔
26o 第1排気孔
27i 第2吸気孔
27o 第2排気孔
28 ダクト
29 フィルタとしての基板
29a アース導通用電線
30 フィルタ保持部材
31 フィルタふた
32 フィルタケース
33 電源コード
33a アース導通用電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6