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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】車両検知システムのオーディオ処理
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/08 20200101AFI20230302BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230302BHJP
   H04R 1/08 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B60W50/08
H04R3/00 320
H04R1/08
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019559847
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 CA2018050525
(87)【国際公開番号】W WO2018201252
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】62/500,987
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/532,532
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519312658
【氏名又は名称】ソルターレ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーア、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ビエト
(72)【発明者】
【氏名】ブリゼル、ケン
(72)【発明者】
【氏名】エスファハニー、シアマク アクーラギー
(72)【発明者】
【氏名】シェイドワッサー、ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】サンデュー、アジェイ
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第19749372(DE,A1)
【文献】特開平08-156711(JP,A)
【文献】特開平10-042017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0110250(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0355125(US,A1)
【文献】特開2007-065832(JP,A)
【文献】特開2005-012309(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0125311(US,A1)
【文献】特表2004-511934(JP,A)
【文献】特開2016-012756(JP,A)
【文献】国際公開第2012/098844(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00
H04R 1/08,3/00
G01S 3/00,15/00
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両運転者または車両制御システムに聴覚由来の情報を提供するためのシステムであって、前記システムは、
(a)前記車両の外部の音波に反応してアナログ信号を生成するために前記車両内にまたは前記車両に搭載された少なくとも1つのマイクロフォンと、
(b)前記少なくとも1つのマイクロフォンに関連付けられそして車両データバスに接続された分析モジュールであって、前記分析モジュールは、
(i) 前記アナログ信号を音声のデジタル表現に変換し、対象の音があることを識別して任意のデジタル聴覚データではなく前記対象の音の識別からなるデジタル信号を生成し、そして
(ii)前記車両運転者または車両制御システムに前記車両データバスを介して前記デジタル信号通信する、ように構成されている、分析モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのマイクロフォンは、前記車両上の異なる位置に取り付けられた複数のマイクロフォンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、合成信号を生成するために前記複数のマイクロフォンの前記デジタル信号を組み合わせ、前記車両データバスの単一ノードに前記合成信号を提示する回路を備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマイクロフォンは、前記車両のライトアセンブリのハウジングと一体化されている、請求項1、2、または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのマイクロフォンは、前記車両のサイドミラーと一体化されている、請求項1、2、または3に記載のシステム。
【請求項6】
前記アナログ信号を増幅するために前記少なくとも1つのマイクロフォンに動作可能に接続された増幅器をさらに備える、請求項1、2、または3に記載のシステム。
【請求項7】
前記アナログ信号の周波数をフィルタリングするために前記マイクロフォンに動作可能に接続された少なくとも電子フィルタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アナログ信号の振幅情報を決定するために前記少なくとも1つのマイクロフォンに動作可能に接続されたコンピュータプロセッサをさらに備え、前記車両データバスは、前記振幅情報を前記車両制御システムに転送するために前記コンピュータプロセッサに動作可能に接続されている、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記車両データバスは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスプロトコルまたはローカル相互接続ネットワーク(LIN)バスプロトコルにしたがって動作する、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記車両データバス上に接続された全ての前記マイクロフォンに同期パルスを周期的に送信するように構成された中央コンソールをさらに備え、前記同期パルスは各マイクロフォンに、前記マイクロフォンを同じ時間基準に同期するためにタイムカウンタをリセットさせる、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
各分析モジュールは、前記デジタル信号内にタイムスタンプを含むように構成されており、前記中央コンソールは、前記タイムスタンプに基づいて目的音の方向を判断するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
車両の車両運転者または車両制御システムに聴覚由来の情報を提供するための方法であって、前記方法は、
(a)前記車両の外部の音波に反応してアナログ信号を生成するために、前記車両の中または上に搭載された少なくとも1つの外向きマイクロフォンを使用するステップと、
(b)前記アナログ信号を各マイクロフォンに備えられて車両データバスに接続されている分析モジュールで音声のデジタル表現に変換し、対象の音があることを識別して任意のデジタル聴覚データではなく前記対象の音の識別からなるデジタル信号を生成するステップと、
(c)前記デジタル信号を前記車両運転者または車両制御システムに通信または転送するために、前記デジタル信号を前記車両データバスに通信するステップと、
を備える方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのマイクロフォンは、前記車両上の異なる位置に取り付けられ、各々が同じ車両バスに接続されている、複数のマイクロフォンを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
合成信号を生成するために前記複数のマイクロフォンの前記デジタル信号を組み合わせるステップと、前記車両データバスの単一ノードに前記合成信号を提示するステップと、をさらに備える、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記アナログ信号を増幅するステップをさらに備える、請求項1213、または14に記載の方法。
【請求項16】
前記アナログ信号の周波数を電子的にフィルタリングするステップをさらに備える、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記アナログ信号の振幅情報を決定するステップと、前記車両データバスを介して前記振幅情報を前記車両制御システムに転送するステップと、をさらに備える、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記車両データバスは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスプロトコルまたはローカル相互接続ネットワーク(LIN)バスプロトコルにしたがって動作する、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記バスに接続された全ての前記マイクロフォンに同期パルスを周期的に送信するさらなるステップを備え、前記同期パルスは各マイクロフォンに、前記マイクロフォンを同じ時間基準に同期するためにタイムカウンタをリセットさせる、請求項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも2つのマイクロフォンから目的音の検出の確認を受信するとすぐに、各マイクロフォンデジタル信号に含まれるタイムスタンプまたは時間基準に基づいて目的音の方向を判断するステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
車両運転者または車両制御システムに入力を提供するための車両聴覚感知システムであって、マイクロフォンによって生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換するように構成され、前記デジタル信号を前記車両運転者または前記車両制御システムに転送するために1Mbit/秒未満のボーレートで動作する車両データバスに前記デジタル信号を通信するように構成された分析モジュールに結合された少なくとも1つのマイクロフォンを備え、前記デジタル信号は、任意のデジタル聴覚データではなく目的音の識別からなる、車両聴覚感知システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのマイクロフォンへの音声を物理的にフィルタリングするための装置をさらに備え、前記装置は、
(a)前記マイクロフォンの前の前部エンクロージャであって、前記前部エンクロージャは前記マイクロフォンの前に音響チャンバを画定し、前記前部エンクロージャは少なくとも1つのポート開口部を画定して、前記音響チャンバ内へ前記マイクロフォンまで音波を進ませる、前部エンクロージャと、
(b)前記マイクロフォンに衝突する前に前記音響チャンバに侵入する音を吸収するために前記音響チャンバ内に設けられた消音材料と、
を備える、請求項1または21に記載のシステム。
【請求項23】
前記音響チャンバは円筒形の形状である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記音響チャンバは、前方向の長さおよび前記前方向に垂直な幅を有し、前記長さは前記幅よりも大きい、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記消音材料は、約500Hz未満の周波数を有する音波を減衰させる、請求項22から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記消音材料は、多孔質または繊維状材料を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記消音材料は、鉱物綿、グラスウール、セルロース、または綿を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記鉱物綿は玄武岩を備える、請求項27に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両検知システムでオーディオ信号を処理するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半自律または完全自律走行車両用の運転支援システムおよび感知システムは、効率的に車両がその周囲を感知できるようにするために、様々なセンサタイプを使用し得る。しかしながら、各センサタイプは欠点に関連している。画像を取得するカメラ、または反射光(ライダー)を取得する光学センサを使用する光学システムは、「見通し線」によって制限され、比較的高額であり、大量のデータを扱うための強力なプロセッサを必要とする。反射された電波を検出するレーダーシステムは、データ集約度は低いが、提供する情報ははるかに少ない。反射された超音波を検出するシステムは、短距離でのみ有用であり、駐車支援センサなどの用途に限定される。
【0003】
本発明者らの知る限り、車両周囲を表す追加データを提供するためにマイクロフォンまたはその他のオーディオセンサを使用する運転支援システムまたは自律走行車両システムは存在しない。これを行うために、克服すべき課題の1つは、オーディオセンサを運転支援システムまたは自律走行車両システムに組み込むことである。別の課題は、対象とする目的音を検出することを困難または不可能にする可能性がある、風または空気バフェットによって生じるノイズによって発生する。ノイズは音声サンプルから電子的にフィルタリングされ得るが、これは車両用途で必要とされるようなほぼリアルタイムの音声検出には実用的であり得ない程度まで、計算時間およびコストを増加させる。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、本発明は、車両運転者に聴覚由来の情報を提供するためのシステムであって、システムは、
(a)車両の外部の音波に反応してアナログ信号を生成するために車両内にまたは車両に搭載された少なくとも1つのマイクロフォンと、
(b)アナログ信号をデジタル信号に変換するために少なくとも1つのマイクロフォンに関連付けられた分析モジュールであって、分析モジュールは、車両運転者または車両制御システムにデジタル信号を通信または転送するための車両データバスにデジタル信号を通信するように構成されている、分析モジュールと、
を備えるシステムを備える。
【0005】
一実施形態では、車両運転者は人間の運転者であり、デジタル信号は運転者への通知をもたらす。別の実施形態では、車両運転者は、自律走行車両または半自律走行車両などの車両制御システムであり、デジタル信号は車両制御システムへの電子通知をもたらす。
【0006】
別の態様では、本発明は、車両運転者に聴覚由来の情報を提供するための方法であって、方法は、
(a)車両の外部の音波に反応してアナログ信号を生成するために、車両に少なくとも1つの外向きマイクロフォンを提供するステップと、
(b)アナログ信号をデジタル信号に変換して車両運転者にデジタル信号を転送するためにデジタル信号を車両データバスに通信するステップと、
を備える方法を備えてもよい。
【0007】
本明細書に示される図面では、類似の要素には類似の参照符号が割り当てられる場合がある。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理が強調されている。加えて、描写された実施形態の各々は、本発明の基本概念を利用するいくつかの可能な配置の1つに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】道路上を走行中の、本発明のシステムの実施形態を備えた車両と、サイレン音を発している緊急車両とを示す図である。
図2】処理要素を有する単一のマイクロフォンと、データバスを介して車両制御システムに動作可能に接続された関連する分析モジュールとを備える本発明のシステムの第1の実施形態の概略図である。
図3】本発明のシステムの実施形態による、複数のマイクロフォンを組み込んだ車両の正面図である。
図4】本発明のシステムの実施形態による、複数のマイクロフォンを組み込んだ車両の背面図である。
図5】本発明のシステムの実施形態による、マイクロフォンを組み込んだ車両ヘッドライトアセンブリを示す図である。
図6】本発明のシステムの実施形態による、マイクロフォンを組み込んだ車両サイドミラーアセンブリを示す図である。
図7】トランスデューサの形態のオーディオセンサ用の、本発明のエンクロージャの実施形態の分解斜視図である。
図8】複数のノードでデータバスに動作可能に接続された複数のマイクロフォンを備える、本発明のシステムの実施形態の概略図である。
図9】単一ノードでデータバスに動作可能に接続された複数のマイクロフォンを備える、本発明のシステムの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義。本明細書で明確に定義されていないいずれの用語または表現も、当業者によって理解されるその一般的に許容される定義を有するものとする。本明細書で使用される際に、以下の用語は以下の意味を有する。
【0010】
「オーディオセンサ」は、音波を検出して電気信号に変換する装置を指す。一実施形態では、オーディオセンサは、トランスデューサを備えるマイクロフォンであってもよい。
【0011】
「コンピュータプロセッサ」は、出力電子信号を生成するために入力電子信号を処理することが可能な電子装置を指す。実施形態では、コンピュータプロセッサは、一般にプログラマブルロジックコントローラ、プリント回路基板、集積回路、マイクロコントローラ、プロセッサなどと呼ばれる、1つ以上の装置を含んでもよい。「計算装置」は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備え、プロセッサによって実行可能な命令を含み得るコンピュータ可読メモリも含んでもよい。
【0012】
「非一時的コンピュータ可読メモリ」は、コンピュータプロセッサによって読み取り可能な形式でデータおよび/または命令を格納することが可能な有形の媒体を指す。実施形態では、非一時的コンピュータ可読メモリは、磁気媒体、光媒体、または固体媒体を含んでもよい。
【0013】
「目的音」は、検出される対象の特定の音を指す。目的音は、人間の可聴スペクトル内、または人間の可聴スペクトル外(たとえば、20kHzを超える超音波)であってもよい。非限定例として、移動車両の文脈では、目的音は、緊急車両のサイレン、別の車両のクラクション、視覚障害のある歩行者のための横断支援音、車両が制御を失ったことを示すタイヤの横滑り音、別の車両または物体と衝突する車両、動物の騒音、または人間の声によって生成される音であり得る。
【0014】
「車両」は、人および/または物を輸送するために使用される機械を指す。非限定例として、車両は、自動車、オートバイ、トラック、またはバスを含む、任意の自己動力の車輪付き車両であり得る。車両は、非自律走行、半自律走行、または完全自律走行であり得る。
【0015】
「車両制御システム」は、車両の力学のいずれかの側面を直接的または間接的に制御する、または車両の力学のいずれかの側面の制御に関連する情報を提供する、システムを指す。車両制御システムは、車両の運転者または乗客を楽しませるだけのために使用される車両エンターテインメントシステムとは区別される。たとえば、従来から「インフォテインメント」システムと呼ばれているものに衛星ナビゲーションシステムが組み込まれ得るとしても、GNSSまたはGPSナビゲーションシステムは、車両の位置および進行方向に関する有用な情報を運転者に提供するので、車両制御システムの一部と見なすことができる。車両制御システムは、ヒューマンインターフェースを有しても有さなくてもよい。
【0016】
大まかに言えば、本発明は、車両運転者または車両制御システムに入力を提供するための車両聴覚感知システムであって、マイクロフォンによって生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換するように、および車両運転者または車両制御システムにデジタル信号を通信するための車両データバスにデジタル信号を通信するように構成された分析モジュールに結合された少なくとも1つのマイクロフォンを備える、車両聴覚感知システムを備えてもよい。
【0017】
デジタル信号に含まれて本発明のオーディオセンサから得られた情報は、運転者、車両制御システム、または遠隔エンティティに通知を提供するために処理および使用され、および/または車両内の視覚または聴覚条件を調整するために処理および使用され、および/または人間の入力を伴わずにまたは人間の入力を無視して車両力学を制御するために使用され得る。
【0018】
システム。図1は、音波(16)によって描写されるようなサイレン音を発する緊急車両(14)が接近している道路(12)上の車両(10)を示す。車両(10)は、ゾーン(18)で示される検出範囲を有する、目的音としてのサイレン音を検出するための本発明のシステム(100)の実施形態を備えている。この例では、車両(10)は、それぞれゾーン(20)、(22)、および(24)で示される検出範囲を有する、光感知システム、レーダー感知システム、および超音波感知システムも備えている。システム(100)は、元の製造中に、または既存の車両データバスおよび車両制御システムとインターフェースするためのアフターマーケットシステムとして、車両(10)内に設置されてもよい。
【0019】
図2は、車両制御システム(116)に接続された車両データバス(114)に同様に動作可能に接続された、分析モジュール(112)に動作可能に接続された外部マイクロフォン(102)またはその他のオーディオセンサを使用して、車両制御システムに聴覚由来の情報を提供するための、本発明のシステム(100)の一実施形態の概略図を示す。実施形態では、システム(100)はまた、図7に示されるように、外部マイクロフォン用の音響フィルタリングまたは音響吸収装置も含み得る。システム(100)のコンポーネントは、以下により詳細に説明される。
【0020】
オーディオセンサ。少なくとも1つのマイクロフォン(102)は外向きであり、これは車両(10)の外部環境内の音波を検出し、これらをシステム(100)によって処理するためにアナログ信号に変換することを意味している。マイクロフォンは、外部に直接露出している場合、またはそれによって外部の音がマイクロフォンに到達できるチャネルが設けられている場合に、物理的に車両の上または中のどこにでも配置され得る。
【0021】
実施形態では、マイクロフォン(102)は、様々な方法および場所で車両(10)内に組み込まれ得る。好ましくは、4つ以上のマイクロフォン(102)があり、これによって車両の周囲に360°のカバレッジを提供する。たとえば、図3および図4に示されるように、マイクロフォン(102)は、サイドミラー内、バンパー内、および/または下部フェアリング内の、ヘッドライト、フォグランプまたは走行灯、テールライト、車幅灯または信号灯アセンブリなどの車両(10)の周囲のライトアセンブリと都合良く一体化されてもよい。別の例として、マイクロフォン(102)は、別個のディスクリートハウジング、図5に示されるようなヘッドライトハウジング(103)、または図6に示されるようなサイドミラーハウジング(105)内など、車両(10)に取り付けられたハウジング内に配置されてもよい。ハウジングは、カメラ、レーダー、ライダー、および超音波センサなどのその他の感知装置、またはサイドミラー、アンテナ、ヘッドライト、テールライト、バンパー、またはフラッシュ灯などの車両(10)の外側のその他の装置を含んでもよい。マイクロフォン(102)は同じハウジング内の別のセンサと物理的に一体化されてもよいが、データは、同じかまたは異なる車両データバスネットワークを使用して異なるマイクロフォンから送信されてもよい。
【0022】
オーディオセンサ用のエンクロージャ。システムの一実施形態では、マイクロフォン(102)のトランスデューサ(101)によって検出されるノイズの量を減少させるように、外部で環境に曝されているマイクロフォン(102)に衝突する音波を機械的にフィルタリングまたは吸収するために、音響フィルタリングまたは音響吸収装置が設けられてもよい。装置は、消音材料(206)で満たされたエンクロージャ(202)を備え、これは好ましくは低周波音、たとえば約500Hz未満の周波数を有する音を吸収するのに、比較的有効である。
【0023】
一実施形態では、図7に示されるように、装置は、トランスデューサ(101)の後の後部エンクロージャ(200)を含む。装置はまた、マイクロフォン(102)のトランスデューサ(101)の前に前部エンクロージャ(202)も含み、これは消音材料(206)を含んでトランスデューサ(101)の前に音響チャンバ(204)を形成する。前部エンクロージャ(202)内のポート開口部(208)は、音波を音響チャンバ(204)内に進ませ、トランスデューサに衝突させる。ポート開口部(208)は、ポート開口部(208)の周囲または内部への空気の移動によって引き起こされる共振周波数を回避するように構成されるべきである。
【0024】
一実施形態では、図7に示されるように、前部エンクロージャ(202)は円筒形であるが、放物線状、円錐状、または角柱状であってもよい。好ましくは、前部エンクロージャ(202)によって形成される音響チャンバ(204)は、音波がトランスデューサに到達する前に吸音材料を通ってある程度の距離を移動しなければならないように、その幅よりも大きい長さを有する。エンクロージャ(200、202)自体が、好ましくは、何らかの吸音特性を呈する音響材料である。あるいは、前部エンクロージャ(202)の内面および外面の一方または両方もまた、吸音特性を有する適切な材料で被覆されてもよい。
【0025】
移動車両によって発生する路面騒音および風切り音は、約500Hz未満の範囲内の実質的な成分を有する。一実施形態では、消音材料(206)は好ましくは、約500Hz未満の周波数を有する音波を減衰させる低密度の多孔質または繊維状材料である。低周波数での高吸収は、音響チャンバ(204)に低密度の繊維状または多孔質材料を挿入することによって実現される。低密度の消音材料(206)は、音波がポート開口部(208)のいずれかからトランスデューサ(101)に直接到達できないように、十分に曲がりくねった経路を提供する。
【0026】
一実施形態では、消音材料(206)は、好ましくは容易に成形可能であり、広い温度範囲を通じて安定であり、毒性または汚染物質であってはならない。消音材料(206)が容易にリサイクル可能であり、製造および処理するのに費用効率が高ければ、さらに好ましいだろう。
【0027】
一実施形態では、消音材料(206)は、鉱物綿、グラスウール、セルロース、または綿などの断熱製品を備えてもよい。材料は、水を吸収せず、疎水性の表面を有するという点において、防水性であることが好ましい。代表的な材料は、Roxul Safe‘n’Sound(商標)(Roxul Inc.;カナダ、オンタリオ州ミルトン)などの石綿(玄武岩)製品を含み、これは約40kg/mの密度を有しする。以下の表1は、ASTM C423規格(ASTM International;米国、ペンシルベニア州ウェストコンショホッケン)にしたがってテストしたときの、異なる周波数における3インチ厚のRoxul Safe‘n’Sound(商標)断熱材の吸音率(SAC)を示す。表1では、騒音減少率(NRC)は6つの異なる周波数でのSACの平均である。
【表1】
【0028】
以下の表2は、やはり消音材料(208)に使用され得る他の材料の音響性能特性および密度をまとめたものである。Roxul(商標)ブランドの製品はカナダのオンタリオ州ミルトンにあるRoxul Inc.から入手可能であり、ATS Acoustics(商標)によるブランドの製品は米国イリノイ州パイパーシティにあるATS Acousticsから入手可能であり、Owens Corning(商標)ブランドの製品はカナダのアルバータ州エドモントンにあるOwens Corning Canada Inc.から入手可能であり、Applegate(商標)ブランドの製品は米国ミシガン州ウェバービルにあるApplegate Insulationから入手可能である。
【表2】
【0029】
一実施形態では、水および破片が消音材料および/またはマイクロフォンに到達するのを防ぐために、マイクロフォンエンクロージャまたはチャネルの前に外側保護カバー(図示せず)が設けられてもよい。カバーは依然として十分な音がマイクロフォンに届くようにする必要がある。一実施形態では、カバーは、ポリテトラフルオロエチレンポリマー(Gore-Tex(商標))で貼り付けられた堅く織られた布など、防水性または耐水性、および好ましくは防水性で通気性の、任意の膜材料から作製可能である。膜はまた、ラテックス、堅く織られた合成繊維材料、もしくはスパンボンドオレフィンまたはフラッシュスパンポリエチレン繊維(Tyvek(商標))のような不織布製品など、その他のポリマーまたはエラストマ材料から作製されてもよく、被覆されてもされなくてもよい。
【0030】
分析モジュール。従来の車両データバス(114)は、アナログ音声信号を送信することができない。したがって、本発明の各マイクロフォン(102)は、好ましくは、マイクロフォン(102)によって生成されたアナログ信号を音声のデジタル表現に変換するために、および一実施形態では、対象の音としてのデジタルサンプルを識別するために、分析モジュール(112)とまとめられる。したがって、車両データバスは、いずれのアナログまたはデジタル聴覚データでもなく、対象の音の確実な識別である信号を通信するだけでよい。
【0031】
音声のマルチビットデジタル符号化は、毎秒数百キロビットの範囲のデータのストリームを生成することができ、これは車両の従来のデータバスを圧倒できる。したがって、各マイクロフォンは、音声を表し管理可能なサイズを有するデジタル信号を生成するためのアルゴリズムを実装する計算装置(たとえば、単一の集積回路上にコンピュータプロセッサを提供するマイクロコントローラ)を備える分析モジュールに関連付けられており、これは、音に関する特性情報を担持するかまたは目的音の検出または識別の確認を備え、車両データバス(114)を通じて送信またはストリーミングされることが可能である。一実施形態では、マイクロコントローラはまた、電力および信号強度を決定するためにアナログ入力も分析でき、その場合、アナログ信号の振幅情報が導出され、車両制御システムとの通信用の車両データバスに転送される。
【0032】
車両データバス。「車両データバス」は、車両内のコンポーネントを相互接続する特殊な内部通信ネットワークを指す。ネットワークプロトコルは、メッセージ配信の保証、競合しないメッセージ、最短配信時間、低コスト、およびEMFノイズ耐性、ならびに冗長ルーティングおよびその他の特性など、車両制御に必要な特殊要件を考慮しなければならない。既知のプロトコルおよびバスは、コントローラエリアネットワーク(CAN)、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)などを含む。CANは、公称仕様の一部としての電源がある中間レベルの制御バスである。高速CANバスは40Kbit/sから1Mbit/secのボーレートを提供し、一方で低速/フォールトトレラントCANは40Kbit/sから125Kbits/secのボーレートを提供する。
【0033】
LINは、通常、サイドミラーなどのアクセサリを制御するために使用される、低性能の重要ではないバスである。LINバスなどの低速ネットワークは、特定の目的音の検出の通知のみを通信する車両制御システム用の通信経路として使用され得る。たとえば、(図6に示されるような)サイドビューミラー内に配置されたマイクロフォン(102)は、目的音検出に関して、周期的にポーリングされるか、または通知をプッシュしてもよい。
【0034】
図8は、マイクロフォン(112aから112d)と物理的に一体化された関連する分析モジュールを各々が有する、複数のマイクロフォン(102aから102d)を有するシステム(100)の実施形態の概略図を示す。好ましくは、マイクロフォン(102aから102d)は、マイクロフォンが配置された場所に物理的に近接する場所で車両データバス(114)に接続される。たとえば、ヘッドライトアセンブリの一部として設置されたマイクロフォン(102a、102b)はヘッドライトアセンブリの付近の車両データバス(114)の場所に接続され、一方で車両サイドミラー上に設置されたマイクロフォン(102c、102d)はサイドビューミラーの付近の車両データバスの場所に接続される。データバスは、必ずしも同じデータバスでなくてもよい。具体的には、追加配線を追加することを回避するために、既存の車両データバス(114)に直接接続することが有利であろう。
【0035】
その他の既知の装置またはシステムは、従来の方法でバス(114)に接続されてもよく、サウンドシステム(ステレオシステムまたはチャイム)またはディスプレイシステム(ダッシュボードまたはディスプレイ画面)の場合、車両運転者に通知を送達するために使用される可能性がある。その他のセンサおよび制御システム(たとえばECU)は、当該技術分野で周知のように、バスに接続されてもよい。
【0036】
図9は、複数のマイクロフォン(102aから102d)を有するシステム(100)の代替実施形態の概略図を示す。一実施形態では、システムは、合成信号を生成するために複数のマイクロフォン/分析モジュールのデジタル信号を組み合わせ、車両データバスの単一ノードに合成信号を提示する回路を備えてもよい。場合によっては、マイクロフォン(102)に別のバスを提供することが有利であるかもしれない。一実施形態では、複数のマイクロフォン(102aから102c)および関連する回路は、センサに電力を供給し、それらの出力信号を組み合わせ、これを車両データバス(114)上の単一ノードとして提示する単一のモジュールまたはボックス(118)から、電力供給される。
【0037】
追加の処理コンポーネント。一実施形態では、図2に示されるように、システム(100)は、第1アナログフィルタ(104)と、第2アナログフィルタ(106)と、マイクロフォン(102)によって生成されたアナログ信号を処理するための、対数増幅器であり得る増幅器(108)と、を含む。次に、アナログ信号は、アナログ-デジタル(A/D)コンバータとして効果的に機能する電圧レベル検出器内でアナログ形式がデジタル信号に変換される比較器(110)によって受信される。増幅器(108)、第1アナログフィルタ(104)、および第2アナログフィルタ(106)は、図2に示されるものとは異なる順序で信号を処理するように配置されてもよい。次に分析モジュール(112)は、処理された信号が対象のいずれかの音を含むか否かを確認し、その識別および存在を、車両データバスインターフェース(114)を介して車両運転者または車両制御システム(116)に通信する。他の重要な特性(タイミングおよび信号強度など)もまた、識別および通信されてもよい。
【0038】
システム(100)は、対象の特定の音を検出して運転者または車両制御システムに報告するように調整されてもよい。このような音の非限定的なリストは、緊急車両のサイレン、別の車両のクラクション、視覚障害のある歩行者のための横断支援音または歩行者に関するその他の音、車両が制御を失ったことを示す可能性のあるタイヤの横滑り音、別の車両または障害物と衝突する車両に関連する音を含み得る。例示的なシステムは、2018年3月1日に出願された同時係属中の米国特許出願第15/909,709号明細書に記載されるようなサイレン検出システムを含み、その全内容は、許可される場合、参照により本明細書に組み込まれる。一般に、このようなシステムは、デジタル信号とテンプレートとの類似度を判断するために、アナログ-デジタルコンバータによって生成されたデジタル信号を格納されたデジタル目的音テンプレートと比較し、類似度が閾値を超えた場合に出力信号を生成するように構成された、コンピュータプロセッサを含む。
【0039】
複数のマイクロフォンから受信した感覚データは、主要なまたは冗長な知覚センサとして車両周囲に関する指向性、地理的間隔、または識別の情報を導出するために、車載計算装置と同期し得る。オーディオ感知装置間の同期は、車載計算装置を通してもよく、車両ネットワーク内で自己同期してもよく、またはピアツーピア同期によって同期してもよい。一実施形態では、中央モジュール(118)は周期的に、たとえば数秒ごとに、バス上の全てのマイクロフォンに同期パルスを送信する。この同期パルスを受信すると、マイクロフォンは、基本的に同じ時間基準に同期して各マイクロフォン内のクロック間ドリフトを回避するために、タイムカウンタをリセットする。マイクロフォンは信号を検出した時を示すタイムスタンプを中央モジュールに送信するが、これらのタイミングの差は、中央モジュールが方向を計算するために使用するものである。
【0040】
解釈。本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して説明され得る。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施され得ることが、理解されるだろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内で指定された機能/行為を実施する手段を作成するように、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0041】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能な命令を備える、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表し得る。また、いくつかの代替実装では、ブロックに記載された機能は図に示される順序と無関係に発生する場合があることにも注意すべきである。たとえば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックは、関連する機能に応じて、逆の順序で実行される場合もある。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能または行為、または特殊用途向けハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する特殊用途向けハードウェアベースのシステムによって実施され得ることにも注意されたい。
【0042】
本明細書に添付される請求項の全ての手段またはステップおよび機能要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、具体的に請求された他の請求項の要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことが意図される。
【0043】
明細書における「一実施形態」、「実施形態」などの言及は、記載された実施形態が特定の態様、特徴、構造、または特性を含み得るが、しかし全ての実施形態が必ずしもその態様、特徴、構造、または特性を含むとは限らないことを示す。また、このようなフレーズは、明細書の他の部分で言及されたのと同じ実施形態を指してもよいが、必ずしもそうとは限らない。さらに、特定の態様、特徴、構造、または特性がある実施形態に関連して説明されるとき、明確に記載されていてもいなくても、このようなモジュール、態様、特徴、構造、または特性に影響を及ぼし、または他の実施形態と関連付けることは、当業者の知識の範囲内である。言い換えると、明確なまたは内在的な不適合がない限り、または具体的に除外されない限り、いずれのモジュール、要素、または特徴も、異なる実施形態の他の任意の要素または特徴と組み合わせられてもよい。
【0044】
請求項は、任意選択的な要素を実行するために作成され得ることに、さらに留意されたい。そのため、この記述は、請求要素の引用または「否定的」限定の使用に関連して、「唯一(solely)」、「のみ(only)」などのような排他的用語の使用の前例の役割を果たすように意図される。用語「好ましくは」、「好ましい」、「好む」、「任意選択的に」、「してもよい(may)」、および類似の用語は、言及されているアイテム、条件、またはステップが本発明の任意選択的な(必須ではない)特徴であることを示すために使用される。
【0045】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別途指示しない限り、複数の参照を含む。用語「および/または」は、この用語が関連するアイテムのいずれか、アイテムの任意の組み合わせ、またはアイテムの全てを意味する。フレーズ「1つ以上」は、特にその使用の文脈で読まれたときに、当業者によって容易に理解される。
【0046】
用語「約」は、指定された値の±5%、±10%、±20%、または±25%のばらつきを指すことができる。たとえば、「約50」パーセントは、いくつかの実施形態では、45から55パーセントのばらつきを伴ってもよい。整数範囲では、用語「約」は、範囲の両端で引用された整数よりも1または2大きいおよび/または小さい整数を含むことができる。本明細書で別途支持されない限り、用語「約」は、構成または実施形態の機能に関して同等の引用された範囲に近い値および範囲を含むように意図される。
【0047】
当業者によって理解されるように、ありとあらゆる目的のために、特に書面による説明の提供に関して、本明細書で引用される全ての範囲はまた、ありとあらゆる可能なその部分範囲および部分範囲の組み合わせ、ならびにその範囲を構成する個々の値、特に整数値も含む。引用された範囲は、範囲内の各特定の値、整数、小数、または同一性を含む。引用された範囲は、範囲内の各特定の値、整数、小数、または同一性を含む。列挙されたいずれの範囲も、同じ範囲を十分に説明し、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、または10分の1に分割できると、容易に認識され得る。非限定例として、本明細書で論じられた各範囲は、下3分の1、真ん中の3分の1、および上3分の1などに容易に分割され得る。
【0048】
やはり当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より少ない」、「より多い」、「以上」、などのような言語は全て引用された数値を含み、このような用語は、実質的に上述のような部分範囲に分割され得る範囲を指す。同様に、本明細書で引用される全ての比は、より広範な比の範囲内の全ての部分も含む。
図1
図2
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図4
図5
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図7
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図9