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特許7236408生産者タイアップ飲食店提供サービスシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】生産者タイアップ飲食店提供サービスシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230302BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/12
G16Y10/45
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020096498
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021189918
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】520195361
【氏名又は名称】アオイコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】塩本 崇公
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139723(JP,A)
【文献】特開2012-027714(JP,A)
【文献】特開2017-167929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が有する顧客携帯端末と、飲食店が有する飲食店端末と、管理サーバーと、がインターネットを介して接続され、
前記顧客携帯端末によって座席に貼られたQRコード(登録商標)が読み取られると、前記管理サーバーに座席情報が送信されるとともに前記管理サーバーから前記顧客携帯端末にメニュー情報が送信され、顧客携帯端末から飲食物の種類と数量からなる注文情報が前記管理サーバーに送信されると、前記管理サーバーから前記飲食店端末に前記注文情報が送信される生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムであって、
前記メニュー情報には、前記飲食物に関する素材の生産情報及び単価からなる素材情報が含まれ、
前記顧客携帯端末は、前記飲食店の内外を問わず、前記素材を選択し数量とともに前記管理サーバーに発注することができる素材発注手段を備え、
前記インターネットには、前記素材の生産者が有する生産者端末も接続され、
前記管理サーバーは、前記顧客携帯端末から前記発注を受け付けると、前記選択された素材とその数量に関する発注情報を、前記生産者端末に送信する発注情報送信手段を備えるとともに、前記発注情報を、前記飲食店端末にも送信する発注情報連絡手段を備え、
前記生産者端末は、生産者と飲食店との間の契約で定められた、前記発注情報に対応した対価を前記飲食店に支払う決済手段を備えることを特徴とする生産者タイアップ飲食店提供サービスシステム。
【請求項2】
顧客が有する顧客携帯端末と、飲食店が有する飲食店端末と、管理サーバーと、がインターネットを介して接続され、
前記顧客携帯端末によって座席に貼られたQRコード(登録商標)が読み取られると、前記管理サーバーに座席情報が送信されるとともに前記管理サーバーから前記顧客携帯端末にメニュー情報が送信され、顧客携帯端末から飲食物の種類と数量からなる注文情報が前記管理サーバーに送信されると、前記管理サーバーから前記飲食店端末に前記注文情報が送信される生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムであって、
前記メニュー情報には、前記飲食物に関する素材の生産情報及び単価からなる素材情報が含まれ、
前記顧客携帯端末は、前記飲食店の内外を問わず、前記素材を選択し数量とともに前記管理サーバーに発注することができる素材発注手段を備え、
前記インターネットには、前記素材の生産者が有する生産者端末も接続され、
前記管理サーバーは、前記顧客携帯端末から前記発注を受け付けると、前記選択された素材とその数量に関する発注情報を、前記生産者端末に送信する発注情報送信手段を備えるとともに、前記発注情報を、前記飲食店端末にも送信する発注情報連絡手段を備え、
前記生産者端末は、前記生産者と前記飲食店との間の契約で定められた、前記発注情報に対応した対価を前記飲食店に支払う決済手段を備え、
さらに前記飲食店は、素材の売れ行きに拘わらず前記素材情報を前記メニュー情報に追加するといった登録料を前記生産者に求めるようにしたことを特徴とする生産者タイアップ飲食店提供サービスシステム。
【請求項3】
前記生産者端末は、前記発注情報に対応した対価を前記飲食店に支払った旨の報告を、前記飲食店端末に送信する対価支払通知手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の生産者タイアップ飲食店提供サービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムに関する。より詳細には飲食店に来客した顧客が、自分が有する携帯端末を利用して飲食物を注文することで受けられるサービスで、飲食店で提供される料理の素材に関する生産者がタイアップしたものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲食店に来客した顧客が、自分が有するスマホ(スマートフォン)などの携帯端末を利用して飲食物を注文し、その飲食物の代金の決済までスマホで行うことができるサービスシステムが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
これらに記載された発明によれば、飲食店に来客した顧客はサービスに関連したアプリをスマホにインストールして注文から代金の決済まで定員と接することなく行うことができるとともに、飲食店側も店員の手間が省けて飲食物をスピィーディに提供することができる。
また、飲食物の配膳及び片付けをセルフサービスとすれば、店内の無人化も可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-46710号公報
【文献】特開2019-139723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、顧客の受けられるサービスは、飲食物の注文と会計に関するものだけであるので、さらにサービスを追加したいという要求がある。
また顧客も飲食物の素材に関する情報を得て気に入った場合にはその素材を購入したいといった欲求もある。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、飲食物の素材に関する情報をさらに追加してさらに顧客の満足度をアップさせることの可能な生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムは、顧客が有する顧客携帯端末(10)と、飲食店が有する飲食店端末(20)と、管理サーバー(50)と、がインターネット(100)を介して接続され、
前記顧客携帯端末(10)によって座席に貼られたQRコード(登録商標)が読み取られると、前記管理サーバー(50)に座席情報が送信されるとともに前記管理サーバー(50)から前記顧客携帯端末にメニュー情報が送信され、顧客携帯端末(10)から飲食物の種類と数量からなる注文情報が前記管理サーバー(50)に送信されると、前記管理サーバー(50)から前記飲食店端末(20)に前記注文情報が送信される生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムであって、
前記メニュー情報には、前記飲食物に関する素材の生産情報及び単価からなる素材情報が含まれ、
前記顧客携帯端末(10)は、前記飲食店の内外を問わず、前記素材を選択し数量とともに前記管理サーバー(50)に発注することができる素材発注手段(10)を備え、
前記インターネットには、前記素材の生産者が有する生産者端末(30)も接続され、
前記管理サーバー(50)は、前記顧客携帯端末(10)から前記発注を受け付けると、前記選択された素材とその数量に関する発注情報を、前記生産者端末(30)に送信する発注情報送信手段(50)を備えるとともに、前記発注情報を、前記飲食店端末(20)にも送信する発注情報連絡手段(50)を備え、
前記生産者端末(30)は、前記発注情報に対応した対価を前記飲食店に支払う決済手段(30)を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、顧客が有する顧客携帯端末(10)と、飲食店が有する飲食店端末(20)と、管理サーバー(50)と、がインターネット(100)を介して接続され、
前記顧客携帯端末(10)によって座席に貼られたQRコード(登録商標)が読み取られると、前記管理サーバー(50)に座席情報が送信されるとともに前記管理サーバー(50)から前記顧客携帯端末にメニュー情報が送信され、顧客携帯端末(10)から飲食物の種類と数量からなる注文情報が前記管理サーバー(50)に送信されると、前記管理サーバー(50)から前記飲食店端末(20)に前記注文情報が送信される生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムであって、
前記メニュー情報には、前記飲食物に関する素材の生産情報及び単価からなる素材情報が含まれ、
前記顧客携帯端末(10)は、前記飲食店の内外を問わず、前記素材を選択し数量とともに前記管理サーバー(50)に発注することができる素材発注手段(10)を備え、
前記インターネットには、前記素材の生産者が有する生産者端末(30)も接続され、
前記管理サーバー(50)は、前記顧客携帯端末(10)から前記発注を受け付けると、前記選択された素材とその数量に関する発注情報を、前記生産者端末(30)に送信する発注情報送信手段(50)を備えるとともに、前記発注情報を、前記飲食店端末(20)にも送信する発注情報連絡手段(50)を備え、
前記生産者端末(30)は、前記発注情報に対応した対価を前記飲食店に支払う決済手段(30)を備え、
さらに前記飲食店は、素材の売れ行きに拘わらず前記素材情報を前記メニュー情報に追加するといった登録料を前記生産者に求めるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記生産者端末(30)は、前記発注情報に対応した対価を前記飲食店に支払った旨の報告を、前記飲食店端末(20)に送信する対価支払通知手段(30)を備えることを特徴とする。
【0013】
なお、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0014】
本発明の生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムによれば、飲食店の座席にはQRコード(登録商標)が貼られていて、それを飲食物に入店し座席に着いた顧客が所有する顧客携帯端末によって読み取ると、メニュー情報には通常のメニューに加えて飲食物に関する素材の生産情報及び単価からなる素材情報が表示される。
生産情報としては、例えば、農家など生産者の思いやこだわりが伝わるような動画や静止画があげられ、これにより、顧客は料理を一層楽しむことができる。
また、素材情報には、素材の単価が含まれ、顧客は気に入った素材を、飲食店の内外を問わず、その数量を指定して注文することができるので、素材を生産者から直接購入することができ顧客の満足度は向上する。素材については顧客が自分用に購入するものに限らず贈答用にすることもできる。
一方、生産者側は、生産した素材を広くPRすることができ、売り上げのアップを図ることができる。また、顧客に対して直接、素材を届けることができるので通常よりも高く売ることができる。
また、飲食店側としても売り上げをアップすることができるとともに、生産者から素材の発注情報に対応した対価を得ることができる。また、素材の発注数に応じた額に限らず、素材情報の提供にあたり生産者側から登録料を一律に得ることもできる。また、飲食店は、生産者の思いを伝えるアンテナショップ的役割も果たす。
【0015】
また、本発明によれば、インターネットには、素材の生産者が有する生産者端末も接続され、管理サーバーは、顧客携帯端末から発注を受け付けると、選択された素材とその数量に関する発注情報を、生産者端末に送信するので、生産者はすぐに発注情報を受け入れ顧客に注文された素材を短時間に発送することができる。
【0017】
また、本発明によれば、管理サーバーは、発注情報を、生産者端末に加えて飲食店端末にも送信するので、飲食店端末を有する飲食店は発注の状況を瞬時に把握することができる。
これにより、飲食店は素材を通して飲食物に対する顧客の声や人気度を知ることができその後の料理の創作や提供の参考にすることができる。
【0018】
また、本発明によれば、生産者端末は、発注情報に対応した対価を飲食店に支払うので、飲食店にも金銭的なメリットがある。
【0019】
また、本発明によれば、生産者端末は、発注情報に対応した対価を飲食店に支払った旨の報告を、飲食店端末に送信するので、支払いに関するエラーが生じ難い。
【0020】
なお、本発明の生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムのように、飲食店で席に着いた顧客が顧客携帯端末によって座席に貼られたQRコード(登録商標)を読み取ることにより表示されるメニュー情報にはメニューに加えて飲食物に関する素材の情報が表示され、顧客が気に入った素材を注文することができるようにシステム化した点は、上述した特許文献1,2には一切記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムの通信構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムにおけるメニュー注文から清算までの処理を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムにおける素材の発注に関する処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムにおけるメニュー注文から清算までの画面を表示した図である。
図5】本発明の実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムにおける素材の発注に関する画面を表示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムについて説明する。
この生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムは、図1に示すように、顧客が有する顧客携帯端末10と、飲食店が有する飲食店端末20と、生産者が有する生産者端末管理30と、管理サーバー50と、がインターネット100を介して接続されている。生産者とは、飲食店に提供する料理の材料(素材)を生産している者である。管理サーバー50は、本システム全
を管理している。
【0023】
顧客携帯端末10は、4G,5G等のモバイル通信技術やWifi接続などを用い、インターネット100に接続可能なスマートフォンやタブレットである。ここでは、スマートフォンを例にして説明する。
飲食店端末20,生産者端末管理30,管理サーバー50は、家庭や企業に広く普及している一般的なパソコン(タブレット端末などであってもよい)である。ウェブブラウザを使用してウェブページにアクセス可能であるとか、文書作成ソフトが動作可能であるという程度の性能を有していればよく、特に高速な処理が求められるものではない。管理サーバー50には、本実施形態に係る生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムに係るプログラムがインストールされており、主に顧客携帯端末10から送信される信号をトリガーとして、いくつかの制御がプログラムに沿って自動的に行われる。
【0024】
顧客携帯端末10には、この生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムを利用するために予め対応したアプリがインストールされていて、顧客に関する氏名,メールアドレス,パスワード等の顧客を識別するための各種情報が管理サーバー50に登録されている。
なお、顧客は、飲食店に来店し、座席に貼られたQRコード(登録商標)を顧客携帯端末10で読み取ることによって顧客を識別するための各種情報を登録して、本サービスが受けられるようにすることもできる。
【0025】
このように構成された生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムにおいて行われる制御について、図2及び図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0026】
まず、飲食店に来店した顧客が、自分の顧客携帯端末10で、座席に貼られたQRコード(登録商標)を読み取ると(ステップS101(以下、「ステップ」という語を省略する))、その顧客が着席したことが管理サーバー50に通知される(102)。
管理サーバー50は来店情報を受信する(201)、その情報を飲食店端末20に送信する(202)。飲食店端末20は来客情報を受信し(301)、これにより店内に従業員がいない場合であっても来客があったことを把握することができる。
なお、管理サーバー50には、複数の飲食店の情報が予め登録されていて、顧客携帯端末10からの着席通知によって、来店した飲食店と顧客が座った座席を記憶部(図示しない)から読み出して対応する飲食店が有する飲食店端末20に来店情報を送信するようになっている。
【0027】
飲食店の情報には、各メニューが画像及び単価とともに登録されていて、メニューの一部には、その料理の素材情報が登録されている。飲食店の情報は、飲食店端末20から管理サーバー50に送られ、素材情報は、メニューの情報に関連付けられ、生産者端末管理30から管理サーバー50に送られている。
【0028】
そして、管理サーバー50は、顧客が来店した飲食店のメニュー情報を顧客携帯端末10に送信する(203)。
これによって、顧客携帯端末10の画面には、図4(a)に示すように、各メニューと単価が表示される(103)。
【0029】
顧客によって、例えば、メニューのうちAが選択されると、顧客携帯端末10の画面は、図4(b)に示すように、Aに関する画像と単価が表示されるとともに、数量を選択することができるようになっている。
また、顧客携帯端末10の画面には、メニューのうちAに関する素材情報を選択することによって見ることができるようになっている。素材情報とは、料理に含まれる素材に関する情報であり、例えば、メニューのAをカレーとした場合、素材とは、じゃがいも(A1),にんじん(A2),たまねぎ(A3)などであり、その情報とは素材を生産する生産者から提供される素材の生産情報及び単価からなる情報である。
【0030】
ここで、顧客によって、素材情報を示す項目が押下されると、図5(a)に示すように、メニューAに関する素材情報が表示される(500)。
この素材情報に関する処理については、後述する。
【0031】
顧客は、数量を選択した後、「注文リストに追加」の項目を押下すると、顧客携帯端末10の画面には、図4(c)に示すように、それまでに選択したメニューと数量と、小計が表示される。この画面においてもメニューを個別に削除したり、数量を変更したりすることができるようになっている。また、メニューの画面(図4(a))に戻って他のメニューを選択することができるようになっている。
そして、「注文確定」の項目が押下されると注文が管理サーバー50側に送信される(104)。
【0032】
管理サーバー50は、注文を受信すると(204)、その内容をオーダーとして飲食店端末20に送信する(205)。飲食店端末20は、オーダーを受信すると(302)、料理を作り始める。
【0033】
料理ができると飲食店の従業員が来店情報として受信した座席まで料理を届ける。なお、ロボットや搬送装置などを使用して無人で料理を座席まで届けるようにすることもできる。また、予め定まった料理提供用の棚まで料理を提供し、料理が完成した旨を、管理サーバー50を介して顧客携帯端末10に通知するようにしてもよい。この場合、顧客はセルフサービスで料理提供用の棚まで料理を取りに行く。
【0034】
顧客は、食事が終了すると顧客携帯端末10の画面に清算ボタン(図示しない)を表示させて押下する(105)。なお、清算する前にデザートなどを注文することは可能であり、また清算ボタンを押下した後でも再度、メニューから料理を新たに注文することもできる。
管理サーバー50は、清算の開始情報を受信すると(206)、支払いの総計額と内訳からなる会計情報を顧客携帯端末10と飲食店端末20に送信する(207)。飲食店端末20は、会計情報を受信すると(303)、その顧客に対する料理の提供が一旦終了したことを認識することができる。
顧客携帯端末10の画面には、図4(d)に示すように、会計情報が表示され(106)、必要であれば内訳を確認することができる。
【0035】
次に、顧客は、画面に表示された支払方法を押下して、選択した支払方法を管理サーバー50に通知する(107)。
支払方法としては、飲食店で現金での支払,クレジットカードによる支払,プリペイドカードによる支払,スマホ決済などによるオフライン決済と、ネットバンキングなどによるオンライン決済があり、顧客はどの支払方法を利用するかを具体的に顧客携帯端末10を介して管理サーバー50に通知する。
管理サーバー50は、支払方法の情報を受信すると(208)、その情報を飲食店端末20に送信する(209)。
飲食店は、飲食店端末20で顧客の支払方法に関する情報を受信する(304)。
そして、顧客は選択した支払方法によって注文した料理の支払を行う。
【0036】
顧客によって、メニューAが選択されたとき、顧客携帯端末10の画面には、図4(b)に示すように、Aに関する画像と単価等に加えて、Aに関する素材情報を選択することができ、これを顧客が選択すると、図5(a)に示すように、メニューAに関する素材情報が表示される(500)。
この素材情報は、メニューAを注文するときの情報として利用されるが、図4(b)に示された情報は、顧客携帯端末10にインストールされた、本飲食店提供サービスシステムを利用するためのアプリを開くことで、顧客が料理を飲食しているときや、飲食店を出た後、例えば帰宅途中や自宅などにおいても素材情報を選択してみることができるようになっている。
【0037】
素材情報が表示されると、顧客は、見たい素材を選択する。例えば、じゃがいも(A1)が選択されると、図5(b)に示すような画面となり、選択することでじゃがいも(A1)の生産に関するPR動画を視ることができる。PR動画は、素材に対する生産者の思いやこだわりが伝わるように制作されている。なお、素材についてアピールするものであれば動画にかえて静止画であってもよい。
そして、顧客が希望すれば、素材である、じゃがいも(A1)を、その数量を指定してその生産者に発注することができるようになっている。図5(b)に示す画面には、じゃがいも(A1)の単価と、指定された数量から小計が表示され、発注を指定する項目が表示されている。
【0038】
顧客は、発注ボタンを押下すると、図5(c)に示すような、発注画面が表示される。ここでは、発注者の氏名,送り先の住所,アドレス,連絡先,支払方法の記入が要求され、それらを記載した後、発注確定ボタンを押下することで発注が管理サーバー50に送信される(501)。
支払方法としては、料理に関する支払と同様に、飲食店で現金での支払,クレジットカードによる支払,プリペイドカードによる支払,スマホ決済などによるオフライン決済と、ネットバンキングなどによるオンライン決済があり、顧客はどの支払方法を利用するかを具体的に記入する。
【0039】
管理サーバー50は、顧客から素材の発注を受信すると(601)、その旨を支払方法も含めて飲食店端末20及び生産者端末30に送信する(602)。飲食店端末20及び生産者端末30は素材の発注情報を受信する(701,801)。生産者は、発注された素材をその数量分、顧客に発送することができるか否かを判断し、発送可能な程、素材が整っていれば受注したことを生産者端末30から管理サーバー50と飲食店端末20に送信する(802)。管理サーバー50及び飲食店端末20は生産者端末30から受注情報を受信する(603,702)。これに対応して管理サーバー50は、顧客携帯端末10に確認メールを送信し(604)、顧客携帯端末10はそれを受信する(502)。
なお、生産者は発注に対して受注できない場合、例えば、素材の在庫がない場合や品質の保証ができない場合などは、生産者端末30は、管理サーバー50及び飲食店端末20に受注ができない旨をその理由とともに送信し、管理サーバー50はこれを顧客携帯端末10に送信する。
【0040】
その後、生産者は受注に応じた対価を飲食店に支払う処理を実行する(803)。この支払処理は、生産者と飲食店との間で予め定められた支払方法によって行われる。また、受注に応じた対価の額は、生産者と飲食店との間の契約で定められる。飲食店は、素材の売れ行きに拘わらず素材情報をメニューに追加することにおいて登録料を生産者に求めることもできる、
【0041】
生産者は、素材に関する対価の支払いが完了すると飲食店端末20に報告し(804)、その報告を飲食店端末20は受信する(703)。
【0042】
このように構成された、生産者タイアップ飲食店提供サービスシステムによれば、飲食店の座席にはQRコード(登録商標)が貼られていて、それを飲食物に入店し座席に着いた顧客が所有する顧客携帯端末10によって読み取ると、メニュー情報には通常のメニューに加えて飲食物に関する素材の生産情報及び単価からなる素材情報が表示され、これにより、顧客は料理を一層楽しむことができる。
また、素材情報には、素材の単価が含まれ、顧客は気に入った素材を、飲食店の内外を問わず、その数量を指定して注文することができるので、素材を生産者から直接購入することができ顧客の満足度は向上する。素材については顧客が自分用に購入するものに限らず贈答用にすることもできる。
一方、生産者側は、生産した素材を広くPRすることができ、売り上げのアップを図ることができる。また、顧客に対して直接、素材を届けることができるので通常よりも高く売ることができる。
また、飲食店側としても売り上げをアップすることができるとともに、生産者から素材の発注情報に対応した対価を得ることができるのでメリットは大きい。飲食店は素材を通して飲食物に対する顧客の声や人気度を知ることができその後の料理の創作や提供の参考にすることができる。
また、飲食店は、生産者の思いを伝えるアンテナショップ的役割も果たす。
【0043】
また、管理サーバー50は、顧客携帯端末10から発注を受け付けると、選択された素材とその数量に関する発注情報を、生産者端末30に送信するので、生産者はすぐに発注情報を受け入れ顧客に注文された素材を短時間に発送することができる。
【0044】
また、顧客携帯端末10は、発注に関する支払いをスマホ決済で生産者に支払うことができるので、このような方法を利用すれば、支払いは正確かつ迅速で手間もかからない。
【0045】
なお、本実施形態では、インターネット100には生産者端末30も接続され、情報の入力出を行うようにしたが、生産者端末30をインターネット100から省いて素材情報だけを生産者から飲食店側に個別に提供して、飲食店側がメニュー情報として素材情報が取り込まれたものを管理サーバー50に送信して登録するようなものであってもよい。
【0046】
また、顧客から生産者側に素材の発注をする際には管理サーバー50を介して生産者端末30に発注情報を送信するようにしていたが、管理サーバー50を介することなく生産者端末30に、あるいは他の通信手段を介して送信するようにしてもよい。
【0047】
なお、図4及び図5に示したスマホ画面や、図2及び図3に示したフローチャートは一例を示したものであるので本願発明は、これらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
10 顧客携帯端末(素材発注手段,決済手段)
20 飲食店端末
30 生産者端末(決済手段,対価支払通知手段)
50 管理サーバー(発注情報送信手段,発注情報連絡手段)
100 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5