(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ポンプ、及び流体をポンプの第1のポートから第2のポートへ移動させる方法
(51)【国際特許分類】
F04C 2/18 20060101AFI20230302BHJP
F04C 15/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
F04C2/18 311F
F04C15/00 J
(21)【出願番号】P 2020183814
(22)【出願日】2020-11-02
(62)【分割の表示】P 2016554645の分割
【原出願日】2015-03-02
【審査請求日】2020-12-01
(32)【優先日】2014-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516254245
【氏名又は名称】プロジェクト・フェニックス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】アフシャリ,トーマス
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第1991/013256(WO,A1)
【文献】特開平11-166496(JP,A)
【文献】国際公開第2011/035971(WO,A2)
【文献】特開平03-215143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/18
F04C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプであって、
内部域を画定し、前記内部域と流体連通する第1のポートと、前記内部域と流体連通する第2のポートを含むポンプケーシングと、
前記内部域内に配置され、第1のギヤ本体と前記第1のギヤ本体から径方向外側に突出する複数の第1のギヤ歯とを有する第1のギヤと、
前記内部域内に配置され、第2のギヤ本体と前記第2のギヤ本体から径方向外側に突出する複数の第2のギヤ歯とを有し、前記複数の第2のギヤ歯の少なくとも1つの歯の第2の面が前記複数の第1のギヤ歯の少なくとも1つの歯の第1の面と整列するように配置される第2のギヤと、
前記ポンプケーシングに収容されて第1のモータケーシング、第1の回転子、及び第1の固定子を含み、前記第1のギヤを前記第1のギヤの第1の軸方向中央線の周りで第1の方向に回転させるように駆動して流体を第1の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させるように構成された第1のモータと、
前記ポンプケーシングに収容されて第2のモータケーシング、第2の回転子、及び第2の固定子を含み、前記第2のギヤを前記第1のモータから独立して、前記第2のギヤの第2の軸方向中央線の周りで第2の方向に回転させるように駆動して前記第2の面を前記第1の面に接触させて前記流体を第2の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させるように構成された第2のモータとを備え、
前記第1のギヤ本体は、前記第1のモータケーシング、前記第1の回転子、及び前記第1の固定子を含む、前記第1のモータを受けるように構成されて前記第1の軸方向中央線に沿って第1の円筒形の開口を含み、前記第2のギヤ本体は、前記第2のモータケーシング、前記第2の回転子、及び前記第2の固定子を含む、前記第2のモータを受けるように構成されて前記第2の軸方向中央線に沿って第2の円筒形の開口を含み、
前記第1のモータは、前記第1のモータケーシング、前記第1の回転子、及び前記第1の固定子を含み、前記第2のモータは、前記第2のモータケーシング、前記第2の回転子、及び前記第2の固定子を含み、アウターロータ型モータであり、それぞれ前記第1の円筒形の開口及び前記第2の円筒形の開口内に配置され、
前記第1のモータケーシング及び前記第2のモータケーシングは、それぞれの前記第1の円筒形の開口及び前記第2の円筒形の開口の内面に結合され、
第1のモータケーシング及び第2のモータケーシングとそれぞれの前記内面との各結合は支持部材によって行われており、
前記結合は、前記支持部材とそれぞれの前記第1のモータケーシング及び前記第2のモータケーシングとの間、または前記支持部材とそれぞれの前記内面との間で、締まりばめ、圧入、ねじ、ボルト、接着剤、溶接、またははんだ付け方法の少なくとも1つを用いて行われ、
前記支持部材は、前記第1のギヤ及び前記第2のギヤに比べて、または前記第1のモータ及び前記第2のモータに比べて、最初に故障する犠牲要素として構成される、ポンプ。
【請求項2】
前記支持部材は、スリーブである、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
流体をポンプの第1のポートから第2のポートへ移動させる方法であって、前記ポンプは、中に内部域を画定するポンプケーシングを含み、前記ポンプケーシングに収容されて第1のモータケーシング、第1の回転子、及び第1の固定子を有する第1のモータと、前記ポンプケーシングに収容されて第2のモータケーシング、第2の回転子、及び第2の固定子を有する第2のモータと、複数の第1のギヤ歯を有する第1のギヤと、複数の第2のギヤ歯を有する第2のギヤとを更に含む、方法において、
前記第1のギヤの第1のギヤ本体の前記第1の軸方向中央線に沿って第1のモータケーシング、第1の回転子、及び第1の固定子を含む前記第1のモータを受けるように構成された第1の円筒形の開口を設けるステップと、
前記第2のギヤの第2のギヤ本体の前記第2の軸方向中央線に沿って第2のモータケーシング、第2の回転子、及び第2の固定子を含む前記第2のモータを受けるように構成された第2の円筒形の開口を設けるステップと、
前記第1のモータケーシング、前記第1の回転子、及び前記第1の固定子を含む、前記第1のモータを前記第1の円筒形の開口内に配置するステップと、
流体を前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させるように前記第1のギヤを回転駆動させるステップと、
前記第2のモータケーシング、前記第2の回転子、及び前記第2の固定子を含む、前記第2のモータを前記第2の円筒形の開口内に配置するステップと、
前記第1のギヤとは独立して、流体を前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させるように前記第2のギヤを回転駆動させるステップと、
前記第1のモータケーシングを前記第1の円筒形の開口の第1の内面に結合させるステップと、
前記第2のモータケーシングを前記第2の円筒形の開口の第2の内面に結合させるステップとを含み、
第1のモータケーシング及び第2のモータケーシングとそれぞれの前記内面との各結合は支持部材によって行われており、
前記結合は、前記支持部材とそれぞれの前記第1のモータケーシング及び前記第2のモータケーシングとの間、または前記支持部材とそれぞれの前記内面との間で、締まりばめ、圧入、ねじ、ボルト、接着剤、溶接、またははんだ付け方法の少なくとも1つを用いて行われ、
前記支持部材は、前記第1のギヤ及び前記第2のギヤに比べて、または前記第1のモータ及び前記第2のモータに比べて、最初に故障する犠牲要素として構成される、方法。
【請求項4】
前記支持部材は、スリーブである、請求項
3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
[0001]本願は、その全体が参照として本明細書に援用される、2015年2月28日付で出願された米国特許仮出願第61/946,374号、第61/946,384号、第61/946,395号、第61/946,405号、第61/946,422号、第61/946,433号に基づく優先権を主張する。
【0002】
[0002]本発明は一般にポンプ及びそのポンピング方法に関し、特にそれぞれが独立駆動される原動機と一体化される2つの流体ドライバを使用するポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]流体をポンピングするポンプは様々な構成で提供され得る。例えば、ギヤポンプは容積型ポンプ(つまり固定した排水量)であり、即ち回転毎に一定量の流体をポンピングし且つ例えば原油のような高粘度の流体をポンピングするのに特に適する。ギヤポンプは通常一対のギヤが配置された空洞を有するケーシング(又はハウジング)を備え、ギヤの一方は例えばエンジンや電気モータのような外部のドライバに取り付けられたドライブシャフトにより駆動される駆動歯車として知られ、他方は駆動歯車と係合する被動歯車(又は遊び歯車)として知られる。一方のギヤが外側に歯を有し他方が内側に歯を有するギヤポンプは内接ギヤポンプと呼ばれる。内側に歯を有するギヤ又は外側に歯を有するギヤの何れかは駆動歯車又は被動歯車である。通常、内接ギヤポンプのギヤの回転軸はオフセットされ、外側に歯を有するギヤは内側に歯を有するギヤより直径が小さい。
【0004】
或いは、両方のギヤが外側に歯を有するギヤポンプは外接ギヤポンプと呼ばれる。外接ギヤポンプは通常、意図する用途に応じて平歯車、はすば歯車又はへリングボーン歯車を使用する。従来の外接ギヤポンプは1つの駆動歯車と1つの被動歯車を備える。ロータに取り付けられた駆動歯車がエンジン又は電気モータにより回転可能に駆動されると、駆動歯車は被動歯車と係合し回転させる。この駆動歯車と被動歯車の回転動作はポンプの入口からポンプの出口まで流体を運ぶ。上記の従来のポンプにおいて、流体ドライバはエンジン又は電気モータ及び一対のギヤから成る。
【0005】
[0004]しかし、駆動歯車が被動歯車を回転させるために流体ドライバのギヤ歯が互いに連動するため、ギヤ歯は互いに擦り合わされ、オープンな又は閉じられた流体システムのどちらかにおいて、擦られたギヤからの剥ぎ取られた材料及び/又は他のソースからの汚染によりシステムに汚染問題が生じ得る。これらの剥ぎ取られた材料は例えばギヤポンプが動作する液圧システムのようなシステムの機能性に有害であるとして知られる。剥ぎ取られた材料は流体中に分散し、システムを通って移動し、例えばOリングや軸受のような極めて重要な動作要素に損害を与え得る。大多数のポンプは例えば液圧システムにおける汚染問題のために機能しなくなると考えられる。駆動歯車又はドライブシャフトが汚染問題のため機能しなくなれば、例えば全体の液圧システムのような全体のシステムが機能しなくなる恐れがある。よって、上記のように流体をポンピングするために機能する知られたドライバ-ドリブンギヤポンプ構成は汚染問題のため望ましくない難点を有する。
【0006】
[0005]従来の、伝統的な及び提案された方法の更なる限定及び欠点は、図面を参照して本開示の残りの部分に述べられた本発明の実施形態をその様な方法と比較することにより当業者により明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0007】
[0006]本発明の例示的な実施形態は少なくとも2つの流体ドライバを有するポンプ及びその少なくとも2つの流体ドライバを使用してポンプの入口からポンプの出口まで流体を搬送する方法に関する。流体ドライバの各々は原動機及び流体置換部材を含む。原動機は流体置換部材を駆動し、例えば電気モータ、液圧モータ又は他の流体駆動モータ、内燃機関、ガス又は他の種類のエンジン又は流体置換部材を駆動可能な他の同様の装置であり得る。流体置換部材は原動機により駆動されると流体を移動させる。流体置換部材は独立して駆動され、よってドライブ-ドライブ構成を有する。ドライブ-ドライブ構成は知られたドライバ-ドリブン構成の汚染問題を除去又は減少させる。
【0008】
[0007]流体置換部材は、流体を移動させる時、例えばポンプ壁、半月体又は他の同様の要素のような固定要素、及び/又は例えば他の流体置換部材のような可動要素と組み合わせて動作し得る。流体置換部材は、例えばギヤ歯を有する内歯車又は外歯車、突出部(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)を有するハブ(例えばディスク、シリンダ又は他の同様の要素)、窪み(例えば空洞、陥没、空隙又は他の同様の構造)を有するハブ(例えばディスク、シリンダ又は他の同様の要素)、ローブを有するギヤ本体、又は駆動時に流体を置換可能な他の同様の構造であり得る。ポンプにおける流体ドライバの構成は同じである必要はない。例えば、一つの流体ドライバが外接ギヤ型流体ドライバとして構成されても良く、もう一つの流体ドライバが内接ギヤ型流体ドライバとして構成されても良い。流体ドライバは例えば電気モータ、液圧モータ又は他の流体駆動モータ、内燃機関、ガス又は他の種類のエンジン又は流体置換部材を独立して動作可能な他の同様の装置により独立して動作される。しかし、流体ドライバは、例えば流体をポンピングする及び/又は逆の流路を封止するために、流体ドライバの接触が同期されるように動作される。即ち、流体ドライバの動作は、各流体ドライバの流体置換部材が他の流体置換部材と接触するように同期される。接触は少なくとも1つの接触点、接触線又は接触領域を含み得る。
【0009】
[0008]流体ドライバのある例示的な実施形態では、流体ドライバは固定子及び回転子を有するモータを含み得る。固定子はサポートシャフトに固定して取り付けられ、回転子は固定子を囲み得る。流体ドライバはまた回転子から径方向外側に突出する複数のギヤ歯を有し、回転子により支持されるギヤを含み得る。ある実施形態では、支持部材は回転子とギヤの間に配置されてギヤを支持し得る。
【0010】
[0009]例示的な実施形態において、ポンプ及びポンピングの方法はポンプのコンパクトなデザインを提供する。例示的な実施形態において、ポンプは一対の流体ドライバを含む。一対の流体ドライバのそれぞれにおいて、流体置換部材は原動機と一体化される。一対の流体ドライバのそれぞれは互いに独立して回転可能に駆動される。例えば外接ギヤ型ポンプのようなある例示的な実施形態では、流体ドライバの流体置換部材は反対の方向に回転される。例えば内接ギヤ型ポンプのような他の例示的な実施形態では、流体ドライバの流体置換部材は同じ方向に回転される。どちらの回転の構想においても、回転は同期されて流体ドライバ間の接触を提供する。ある実施形態では、同期接触は一方の流体ドライバの表面が他方の流体ドライバの表面に接触するように一対の流体ドライバの一方を他方よりも速い速度で回転可能に駆動することを含む。
【0011】
[0010]他の例示的な実施形態において、ポンプは内部域を画定するケーシングを含む。ケーシングは内部域と流体連通する第1のポート及び内部域と流体連通する第2のポートを含む。第1の流体ドライバの第1の流体置換部材は内部域内に配置される。第2の流体ドライバの第2の流体置換部材もまた内部域内に配置される。第2の流体置換部材は第2の流体置換部材が第1の置換部材と接触するように配置される。第1のモータは第1の流体置換部材を第1の方向に回転させて流体を第1の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる。第2のモータは第2の流体置換部材を第1のモータから独立して第
2の方向に回転させ、流体を第2の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる。第1の置換部材と第2の置換部材との間の接触は第1と第2のモータの回転を同期させることにより同期される。ある実施形態では第1のモータ及び第2のモータは異なる毎分回転数(rpm)で回転される。ある実施形態では、同期接触はポンプの出口と入口の間の反対の流路(又は逆流路)を封止する。ある実施形態では、同期接触は第1の流体置換部材の少なくとも1つの突出部(凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)の表面と第2の流体置換部材の少なくとも1つの突出部(凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)又は窪み(空洞、陥没、空隙又は他の同様の構造)の表面との間になされ得る。ある実施形態では、同期接触はポンプの入口から出口まで流体をポンピングする助けとなる。ある実施形態では、同期接触は反対の流路(又は逆流路)を封止し、流体をポンピングする助けとなることの両方を行う。ある実施形態では、第1の方向及び第2の方向は同じである。他の実施形態では、第1の方向は第2の方向の反対である。ある実施形態では、第1の流路の少なくとも一部と第2の流路は同じである。他の実施形態では、第1の流路の少なくとも一部と第2の流路は異なる。
【0012】
[0011]他の例示的な実施形態では、ポンプは内部域を画定するケーシングを含み、ケーシングは内部域と流体連通する第1のポートと内部域と流体連通する第2のポートを含む。ポンプはまた第1の流体ドライバを含み、第1の流体ドライバは内部域内に配置されて複数の第1の突出部(又は少なくとも1つの第1の突出部)を有する第1の流体置換部材と、第1の流体置換部材を第1の流体置換部材の第1の軸方向中央線の周りで第1の方向に回転させて流体を第1の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる第1の原動機とを含む。ある実施形態では第1の流体置換部材は複数の第1の窪み(又は少なくとも1つの第1の窪み)を含む。ポンプはまた第2の流体ドライバを含み、第2の流体ドライバは内部域内に配置された第2の流体置換部材を含む。第2の流体置換部材は複数の第2の突出部(又は少なくとも1つの第2の突出部)及び複数の第2の窪み(又は少なくとも1つの第2の窪み)の少なくとも1つを有し、第2のギヤは、複数の第1の突出部の少なくとも1つ(又はその少なくとも1つの第1の突出部)の第1の表面が、複数の第2の突出部の少なくとも1つ(又はその少なくとも1つの第2の突出部)の第2の表面又は複数の第2の窪みの少なくとも1つ(又はその少なくとも1つの第2の窪み)の第3の表面と整列するように配置される。ポンプはまた、第2の流体置換部材を、第1の原動機から独立して、第2のギヤの第2の軸方向中央線の周りを第2の方向へ回転させ、第1の表面を対応する第2の表面又は第3の表面と接触させて流体を第2の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる第2の原動機を含む。
【0013】
[0012]他の例示的な実施形態では、ポンプは内部域を画定するケーシングを含む。ケーシングは内部域と流体連通する第1のポートと、内部域と流体連通する第2のポートとを含む。第1のギヤが内部域内に配置され、第1のギヤは複数の第1のギヤ歯を有する。第2のギヤも内部域内に配置され、第2のギヤは複数の第2のギヤ歯を有する。第2のギヤは複数の第2のギヤ歯の少なくとも1つの歯の表面が複数の第1のギヤ歯の少なくとも1つの歯の表面と接触するように配置される。第1のモータは第1のギヤを第1のギヤの第1の軸方向中央線の周りで回転させる。第1のギヤは第1の方向に回転されて流体を第1の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる。第2のモータは、第2のギヤを、第1のモータから独立して、第2のギヤの第2の軸方向中央線の周りで第2の方向に回転させ、流体を第2の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる。複数の第1のギヤ歯の少なくとも1つの歯の表面と複数の第2のギヤ歯の少なくとも1つの歯の表面との接触は第1と第2のモータの回転を同期させることにより同期される。ある実施形態では第1のモータと第2のモータは異なるrpmで回転される。ある実施形態では、第2の方向は第1の方向と反対であり同期接触はポンプの入口と出口の間の反対の流路を封止する。ある実施形態において、第2の方向は第1の方向と同じであり、同期接触
はポンプの入口と出口の間の反対の流路を封止することと、流体をポンピングすることを助けることの少なくとも1つを行う。
【0014】
[0013]他の例示的な実施形態は流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法に関し、ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体ドライバ及び第2の流体ドライバとを有する。その方法は第1の流体ドライバを第1の方向に回転可能に駆動するステップと、第2の流体ドライバを第1の流体ドライバから独立して第2の方向に同時に回転可能に駆動するステップとを含む。ある実施形態では、その方法は第1の流体ドライバと第2の流体ドライバとの間を同期接触させるステップも含む。
【0015】
[0014]他の例示的な実施形態は流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法に関し、ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体置換部材及び第2の流体置換部材とを有する。その方法は第1の流体置換部材を回転させるステップと第2の流体置換部材を回転させるステップとを含む。その方法は第1の流体置換部材と第2の流体置換部材との間を同期接触させるステップも含む。ある実施形態では、第1の及び第2の流体置換部材は同じ方向に回転され、他の実施形態では、第1及び第2の流体置換部材は反対方向に回転される。
【0016】
[0015]他の例示的な実施形態は流体をポンプの第1のポートから第2のポートへ移動させる方法に関し、ポンプは中に内部域を画定するポンプケーシングを含み、ポンプは更に第1の原動機、第2の原動機、複数の第1の突出部(又は少なくとも1つの第1の突出部)を有する第1の流体置換部材、及び複数の第2の突出部(又は少なくとも1つの第2の突出部)と複数の第2の窪み(又は少なくとも1つの第2の窪み)の少なくとも1つを有する第2の流体置換部材とを含む。ある実施形態では、第1の流体置換部材は複数の第1の窪み(又は少なくとも1つの第1の窪み)を有し得る。その方法は第1の原動機を回転させ、第1の流体置換部材を第1の方向に回転させて流体を第1の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させるステップと、第2の原動機を第1の原動機から独立して回転させ、第2の流体置換部材を第2の方向に回転させて流体を第2の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させるステップを含む。その方法はまた、第2の流体置換部材の速度を第1の流体置換部材の速度の99%から100%の範囲で同期させるステップと、複数の第1の突出部の少なくとも1つ(又は少なくとも1つの第1の突出部)の表面が、複数の第2の突出部の少なくとも1つ(又は少なくとも1つの第2の突出部)の表面又は複数の窪みの少なくとも1つ(又は少なくとも1つの第2の窪み)の表面と接触するように、第1の置換部材と第2の置換部材との間を同期接触させるステップとを含む。ある実施形態では、第2の方向は第1の方向と反対であり、同期接触はポンプの入口と出口との間の反対の流路を封止する。ある実施形態では、第2の方向は第1の方向と同じであり、同期接触はポンプの入口と出口との間の反対の流路を封止することと、流体をポンピングする助けとなることの少なくとも1つを行う。
【0017】
[0016]他の例示的な実施形態は流体をポンプの第1のポートから第2のポートへ移動させる方法に関し、ポンプは内部域を画定するポンプケーシングを含む。ポンプは更に第1のモータ、第2のモータ、複数の第1のギヤ歯を有する第1のギヤ及び複数の第2のギヤ歯を有する第2のギヤを含む。その方法は第1のモータを回転させ、第1のギヤを第1のギヤの第1の軸方向中央線の周りで第1の方向に回転させるステップを含む。第1のギヤの回転は流体を第1の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる。その方法はまた、第2のモータを第1のモータから独立して回転させ、第2のギヤを第2のギヤの第2の軸方向中央線の周りで第2の方向へ回転させるステップも含む。第2のギヤの回転は流体を第2の流路に沿って第1のポートから第2のポートへ移動させる。ある実施形態では、その方法は更に複数の第2のギヤ歯の少なくとも1つの歯の表面と複数の第1のギヤ歯の少なくとも1つの歯の表面との間を同期接触させるステップを含む。ある実施形
態では、同期接触は第1及び第2のモータを異なるrpmで回転させることを含む。ある実施形態では、第2の方向は第1の方向と反対であり、同期接触はポンプの入口と出口との間の反対の流路を封止する。ある実施形態では、第2の方向は第1の方向と同じであり、同期接触はポンプの入口と出口との間の反対の流路を封止することと、流体のポンピングの助けとなることの少なくとも1つを行う。
【0018】
[0017]発明の概要は本発明のある実施形態の一般的な導入として提供され、特定のドライブ-ドライブ構成又はドライブ-ドライブ型システムに制限されることを意図しない。発明の概要に記載された様々な特徴及び特徴の構成は任意の適切な方法で組み合わされ、本発明の任意の数の実施形態を形成し得ることが理解されるべきである。変形及び代替の構成を含むいくつかの追加の例としての実施形態は本明細書内で提示される。
【0019】
[0018]本明細書に援用されその一部を構成する添付の図面は本発明の例示的な実施形態を示し、上記に示す大まかな記載と以下に示す詳細な記載と共に、本発明の特徴を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0019]本発明による外接ギヤポンプの実施形態の分解図である。
【
図2】[0020]
図1の外接ギヤポンプの上面断面図である。
【
図2A】[0021]外接ギヤポンプの
図2におけるA-A線に沿った側面断面図である。
【
図2B】[0022]外接ギヤポンプの
図2におけるB-B線に沿った側面断面図である。
【
図3】[0023]
図3は
図1の外接ギヤポンプによりポンピングされた流体の例示的な流路を示す図である。[0024]
図3Aは
図3の外接ギヤポンプ内の接触領域における2つのギヤ間の片側の接触を示す断面図である。
【
図4】[0025]本発明による外接ギヤポンプの様々な実施形態の側面断面図である。
【
図5】本発明による外接ギヤポンプの様々な実施形態の側面断面図である。
【
図6】本発明による外接ギヤポンプの様々な実施形態の側面断面図である。
【
図7】本発明による外接ギヤポンプの様々な実施形態の側面断面図である。
【
図8】本発明による外接ギヤポンプの様々な実施形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0026]本発明の例示的な実施形態は独立駆動される流体ドライバを有するポンプに関する。以下に更に詳細に論じる通り、様々な例示的な実施形態は少なくとも1つの原動機が流体置換部材の中に配置されるポンプ構成を含む。他の例示的な実施形態において、少なくとも1つの原動機が流体置換部材の外ではあるがポンプケーシングの中に配置され、更に例示的な実施形態では、少なくとも1つの原動機がポンプケーシングの外に配置される。これらの例示的な実施形態は、ポンプが2つの原動機を有する外接ギヤポンプであり、原動機がモータであり、流体置換部材がギヤ歯を有する外部の平歯車である実施形態を使用して記載されるであろう。しかし、2つの流体ドライバを有するモータで駆動される外接ギヤポンプに関する以下に記載する概念、機能及び特徴は、他のギヤデザイン(はすば歯車、ヘリングボーン歯車又は流体を駆動するようになされ得る他のギヤ歯のデザイン)の外接ギヤポンプ及び様々なギヤデザインを有する内接ギヤポンプや、2つ以上の流体ドライバを有するポンプや、例えば液圧モータ又は他の流体駆動のモータのような電気モータ以外の原動機、内燃機関、ガス又は他の種類のエンジン又は流体置換部材を駆動可能な他の同様の装置や、例えばギヤ歯を有する内歯車、突出部(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)を有するハブ(例えばディスク、シリンダ又は他の同様の要素)、窪み(例えば空洞、陥没、空隙又は同様の構造)を有するハブ(例えばディスク、シリンダ又は他の同様の要素)、ローブを有するギヤ本体、又は駆動時
に流体を置換可能な他の同様の構造のようなギヤ歯を有する外歯車以外の流体置換部材に容易に適用され得ると当業者は容易に認識するであろう。
【0022】
[0027]
図1は本開示によるポンプ10の実施形態の分解図である。ポンプ10は2つの流体ドライバ40、70を含み、それらはそれぞれモータ41、61(原動機)及びギヤ50、70(流体置換部材)を含む。この実施形態において、両方のポンプモータ41、61はポンプギヤ50、70の内部に配置される。
図1に見られるように、ポンプ10は容積型(又は固定した排水量の)ギヤポンプを表す。ポンプ10は端部プレート80、82及びポンプ本体83を含むケーシング20を有する。これら2つのプレート80、82及びポンプ本体83は複数の貫通ボルト113及びナット115により連結され得、内面26は内部域98を画定する。漏れを防止するため、Oリング又は他の同様の装置が端部プレート80、82とポンプ本体83の間に配置され得る。ケーシング20は内部域98と流体連通するポート22及びポート24(
図2も参照のこと)を有する。動作の間及び流れ方向に基づき、ポート22、24の一方はポンプ入口ポートであり他方はポンプ出口ポートである。例示的な実施形態において、ケーシング20のポート22、24はケーシング20の対向する側壁における丸い貫通孔である。しかし、その形状は制限的なものではなく、貫通孔は他の形状を有し得る。加えて、ポート22、44の一方又は両方はケーシングの上部又は下部の何れかに配置され得る。もちろん、ポート22、24は1つのポートがポンプの入口側に、1つのポートがポンプの出口側にあるように配置されなければならない。
【0023】
[0028]
図1に見られるように、一対のギヤ50、70が内部域98の中に配置される。ギヤ50、70のそれぞれはそれぞれのギヤ本体から径方向外側に延伸する複数のギヤ歯52、72を有する。ギヤ歯52、72は、例えば電気モータ41、61により回転されると、流体を入口から出口まで移動させる。ある実施形態では、ポンプ10は双方向である。よって、ギヤ50、70の回転方向に応じて、ポート22、24の何れかは入口ポートとなり得、他方のポートは出口ポートとなる。ギヤ50、70はそれぞれのギヤ本体の軸方向中央線に沿って円筒形の開口51、71を有する。円筒形の開口51、71はギヤ本体を部分的に、又はその全体の長さを貫通して延伸し得る。円筒形の開口は一対のモータ41、61を収容するような大きさである。各モータ41、61は、シャフト42、62、固定子44、64及び回転子46、66をそれぞれ含む。
【0024】
[0029]
図2は
図1の外接ギヤポンプ10の上面断面図である。
図2Aは外接ギヤポンプ10の
図2におけるA-A線に沿った側面断面図であり、
図2は外接ギヤポンプ10の
図2AにおけるB-B線に沿った側面断面図である。
図2から2Bに見られるように、流体ドライバ40、60はケーシング20内に配置される。流体ドライバ40、60のサポートシャフト42、62はケーシング20のポート22とポート24の間に配置され、一方の端部84において上部プレート80により支持され、他方の端部86において下部プレート82により支持される。しかし、シャフト42、62ひいては流体ドライバ40、60を支持する手段はこの設計に限定されず、シャフトを支持する他の設計も使用され得る。例えば、シャフト42、62はケーシング20により直接ではなく、ケーシング20に取り付けられたブロックにより支持され得る。流体ドライバ40のサポートシャフト42は流体ドライバ60のサポートシャフト62と平行に配置され、それぞれのギヤ50、70のギヤ歯52、72が回転時に互いに接触するように、2つのシャフトは適切な距離で離間する。
【0025】
[0030]モータ41、61の固定子44、64はそれぞれのサポートシャフト42、62と回転子46、66との間で径方向に配置される。固定子44、64はケーシング20に固定して連結されたそれぞれのサポートシャフト42、62に固定して連結される。回転子46、66は固定子44、64の径方向外側に配置され、それぞれの固定子44、64
を囲む。よって、本実施形態のモータ41、61はアウターロータ型モータデザイン(又は外部ロータ型モータデザイン)であり、それはモータの外側が回転しモータの中央が固定されることを意味する。反対に、インナーロータ型モータデザインにおいて、回転子は回転する中央シャフトに取り付けられる。例示的な実施形態において、電気モータ41、61は多方向のモータである。即ち、動作の必要性に応じて何れかのモータが動作し、時計回り又は反時計回りに回転動作を生成し得る。更に、例示的な実施形態において、モータ41、61は回転子ひいては取り付けられたギヤの速度が変化して様々な体積流量及びポンプ圧力を生成し得る可変速度のモータである。
【0026】
[0031]上記に論じたように、ギヤ本体はモータ41、61を収容する円筒形の開口51、71を含み得る。例示的な実施形態において、流体ドライバ40、60はそれぞれ、モータ41、61をギヤ50、70に結合させる時、及びギヤ50、70をモータ41、61で支持する時の助けになる外部支持部材48、68(
図2を参照のこと)を含み得る。支持部材48、68のそれぞれは例えば最初にモータ41、61の外側ケーシング又は円筒形の開口51、71の内面に取り付けられるスリーブであり得る。スリーブは締まりばめ、圧入、接着剤、ねじ、ボルト、溶接又ははんだ付け方法、又は支持部材を円筒形の開口に取り付け得る他の手段を使用することにより取り付けられ得る。同様に、支持部材48、68を使用したモータ41、61とギヤ50、70との最終結合は締まりばめ、圧入、ねじ、ボルト、接着剤、溶接又ははんだ付け方法、又はモータを支持部材に取り付ける他の手段を使用することによりなされ得る。スリーブは例えば異なる物理的大きさのモータ41、61をギヤ50、70に取り付けるのを容易にするため、又はその逆のため、異なる厚さであっても良い。加えて、モータケーシング及びギヤが例えば化学的又は他の点において互換性の無い材料から作製される場合、スリーブはギヤの組成及びモータケーシングの組成の両方に互換性のある材料で作製され得る。ある実施形態では、支持部材48、68は犠牲要素として設計され得る。即ち、支持部材48、68はギヤ50、70及びモータ41、61に比べて、例えば過度の圧迫、温度、又は他の故障の要因のため最初に故障するように設計される。これにより故障の際のポンプ10のより経済的な修理が可能になる。
本実施形態では、モータケーシングと支持部材48、68とは異なる部位として設けられているが、他のある実施形態では、外部支持部材48、68は離れた要素ではなくモータ41、61のケーシングの一体的部分又はギヤ50、70の円筒形の開口51、71の内面の一部であ
ってもよい。また、他の実施形態において、モータ41、61は外部支持部材48、68を必要とせずにギヤ50、70(及び複数の第1のギヤ歯52、72)をそれらの外面で支持し
ていてもよい。例えば、モータケーシングは締まりばめ、圧入、ねじ、ボルト、接着剤、溶接又ははんだ付け方法、又はモータケーシングを円筒形の開口に取り付ける他の手段を使用することによりギヤ50、70の円筒形の開口51、71の内面に直接結合され
ていてもよい。また、他のある実施形態では、モータ41、61の外側ケーシングは、例えば機械加工され、鋳造され、又は外側ケーシングを形作りギヤ歯52、72を成形する他の手段であ
ってもよい。さらに他の実施形態では、ギヤとロータの各組合せが1つの回転体を形成するように複数のギヤ歯52、72がそれぞれのロータ46、66と一体化され
ていてもよい。
【0027】
[0032]上記に論じた例示的な実施形態において、電気モータ41、61及びギヤ50、70を含む両方の流体ドライバ40、60は単一のポンプケーシング20内に一体化される。本開示の外接ギヤポンプ10のこの新規な構成はコンパクトなデザインを可能にし、様々な利点を提供する。第一に、従来のギヤポンプに比べて、上記に論じたギヤポンプの実施形態により占められた空間又は設置面積が、必要な要素を単一のポンプケーシング内に一体化することにより著しく減る。更に、上記の実施形態によるポンプシステムの総重量も、例えばモータをポンプに接続するシャフト及びモータ/ギヤドライバの別個の取り付け部品のような不要な部品を取り除くことにより減少される。更に、本開示のポンプ10はコンパクトなモジュール型のデザインであり、従来のギヤポンプが設置できなかった場所にも容易に設置可能であり、容易に交換できる。ポンピングの詳細な説明は次に述べる。
【0028】
[0033]
図3は外接ギヤポンプ10の例示的な実施形態の例示的な流体流路を示す。ポート22、24、及び複数の第1のギヤ歯52と複数のギヤ歯72との間の接触領域78は単一の真っ直ぐな流路に沿ってほぼ並んでいる。しかし、ポートの整列はこの例示的な実施形態に制限されず、他の整列も可能である。説明の目的で、ギヤ50はモータ41により時計回りに回転可能に駆動され74、ギヤ70はモータ61により反時計回りに回転可能に駆動される76。この回転構成で、ポート22はギヤポンプ10の入口側にあり、ポート24はギヤポンプ10の出口側にある。ある例示的な実施形態では、両方のギヤ50、70のそれぞれが別個に設けられたモータ41、61により独立して駆動される。
【0029】
[0034]
図3に見られるように、ポンピングされる流体は矢印92により示されるようにポート22においてケーシング20に引き込まれ、矢印96により示されるようにポート24を経由してポンプ10から出される。流体のポンピングはギヤ歯52、72により達成される。ギヤ歯52、72が回転すると、接触領域78から出て回転するギヤ歯は各ギヤの隣接する歯の間に拡大する歯間域を形成する。これらの歯間域が拡大すると、各ギヤの隣接する歯間の空間は、この例示的な実施形態ではポート22である入口ポートからの流体で満たされる。その後流体は矢印94及び94’により示されるようにケーシング20の内壁90に沿って各ギヤと共に強制的に移動させられる。即ち、ギヤ50の歯52は流体を流路94に沿って強制的に流し、ギヤ70の歯72は流路94’に沿って流体を強制的に流す。各ギヤのギヤ歯52、72の先端間の大変小さい隙間及び対応するケーシング20の内壁90は歯間域内の流体を捕らえ、それは流体が漏れて入口ポートに戻ることを防止する。ギヤ歯52、72が回転し接触領域128に戻ると、他のギヤの対応する歯が隣接する歯間の空間に入るため、縮小する歯間域が各ギヤの隣接する歯の間で生じる。縮小する歯間域は、流体を隣接する歯間の空間から強制的に出して矢印96で示すようにポート24を通ってポンプ10から流れ出るようにする。ある実施形態では、モータ41、61は双方向でありモータ41、61の回転は逆にされ、ポンプ10を通る流体の流れの方向を逆にする、即ち、流体がポート24からポート22に流れるようにし得る。
【0030】
[0035]逆流、即ち出口側から入口側へ接触領域78を通して流体が漏れるのを防ぐため、接触領域78内の第1のギヤ50の歯と第2のギヤ70の歯の間の接触は逆流に対する封止を提供する。接触力は実質的な封止を提供するほど十分に大きいが、従来のシステムと異なり、接触力は他のギヤを著しく駆動するほど大きくはない。従来のドライバ-ドリブンシステムにおいて、駆動歯車により付与された力は被動歯車を回転させる。即ち、駆動歯車は被動歯車と係合(又は連動)し、被動歯車を機械的に駆動する。駆動歯車からの力は2つの歯間のインターフェース点で封止を提供するが、この力は被動歯車を機械的に駆動し、流体を望ましい流れ及び圧力で移動させるのに十分でなければならないため、封止に必要な力よりはるかに高い。この大きな力が従来のポンプにおいて材料が歯から剥ぎ取られる原因になる。これらの剥ぎ取られた材料は流体内に分散し、液圧システムを移動し、例えばOリングや軸受のような非常に重要な動作要素に損害を与え得る。その結果、全体のポンプシステムが故障しポンプの動作を中断する可能性がある。この故障及びポンプの動作の中断がポンプを修理する重大な動作不能時間につながり得る。
【0031】
[0036]しかし、ポンプ10の例示的な実施形態において、ポンプ10のギヤ50、70は歯52、72が接触領域78内に封止を形成する時に任意の著しい程度まで他のギヤを機械的に駆動しない。代わりに、ギヤ50、70はギヤ歯52、72が互いに擦れないように独立して回転可能に駆動される。即ち、ギヤ50、70は同期的に駆動されて接触を提供するが、互いに擦れることはない。具体的に、ギヤ50、70の回転は適切な回転速度で同期し、その結果ギヤ50の歯は第2のギヤ70の歯と接触領域128内で十分な力で接触し、実質的な封止を提供する、即ち接触領域128を通って出口ポート側から入口ポート側への流体の漏れが実質的に省かれる。しかし、上記に論じたドライバ-ドリブン
構成と異なり、2つのギヤの接触力は一方のギヤが機械的に他方のギヤを任意の著しい程度まで駆動するほど十分ではない。モータ41、61の精密制御は、ギヤの位置が動作の間互いに同期したままであることを確実にする。よって、従来のギヤポンプの剥ぎ取られた材料により生ずる上記の問題は効果的に回避される。
【0032】
[0037]ある実施形態において、ギヤ50、70の回転は、100%の同期がギヤ50、70の両方が同じrpm(毎分回転数)で回転することを意味する場合に少なくとも99%同期する。しかし、同期の割合は2つのギヤ50、70のギヤ歯の接触を介して実質的な封止が提供される限り変化し得る。例示的な実施形態において、同期の割合はギヤ歯52とギヤ歯72の間の隙間関係に基づき95.0%から100%の範囲になり得る。他の例示的な実施形態では、同期の割合はギヤ歯52とギヤ歯72の間の隙間関係に基づき99.0%から100%の範囲であり、更に他の例示的な実施形態では、同期の割合はギヤ歯52とギヤ歯72の間の隙間関係に基づき99.5%から100%の範囲である。繰り返すが、モータ41、61の精密制御はギヤの位置が動作の間互いに同期したままであることを確実にする。ギヤ50、70を適切に同期させることにより、ギヤ歯52、72は、例えば逆流又は漏水率のすべり係数が5%以下の範囲である実質的な封止を提供し得る。例えば、摂氏約48.9度(華氏約120度)の通常の液圧流体(hydraulicfluid)に対し、20.68MPa(3000psi(毎平方インチ当たりポンド))から34.47MPa(5000psi)の範囲のポンプ圧力に対するすべり係数は5%以下になり得、13.78MPa(2000psi)から20.68MPa(3000psi)の範囲のポンプ圧力に対するすべり係数は3%以下になり得、6.894MPa(1000psi)から13.78MPa(2000psi)の範囲のポンプ圧力に対するすべり係数は2%以下になり得、1000psiまでの範囲のポンプ圧力に対するすべり係数は1%以下になり得る。もちろん、ポンプの種類に応じて、同期接触は流体のポンピングの助けとなり得る。例えば、ある内接ギヤジェロータデザインでは、2つの流体ドライバ間の同期接触も対向するギヤの歯間に捕らえられる流体のポンピングを助ける。ある例示的な実施形態では、ギヤ50、70はモータ41、61を適切に同期させることにより同期する。複数のモータの同期は従来技術で知られており、よって詳細な説明は本明細書では省く。
【0033】
[0038]例示的な実施形態において、ギヤ50、70の同期はギヤ50の歯とギヤ70の歯の間の片側の接触を提供する。
図3Aは接触領域78における2つのギヤ50、70の間のこの片側の接触を例示する断面図である。例示の目的で、ギヤ50は時計回り74に回転可能に駆動され、ギヤ70はギヤ50から独立して反時計回り76に回転可能に駆動される。更に、ギヤ70はギヤ50よりほんの一瞬だけ、例えば0.01秒/回転だけ速く回転可能に駆動される。ギヤ50とギヤ70のこの回転速度の差が2つのギヤ50、70間の片側の接触を提供可能とし、それは2つのギヤ50、70のギヤ歯間の実質的な封止を提供して上述のように入口ポートと出口ポートの間を封止する。よって、
図4に示すように、ギヤ70の歯142は接触点152でギヤ50の歯144と接触する。回転方向74、76において前方に向くギヤ歯の面を前方(F)と規定すると、歯142の前方(F)は接触点152で歯144の後方(R)と接触する。しかし、ギヤ歯の寸法は歯144の前方(F)が、ギヤ70の歯142に隣接する歯である歯146の後方(R)に接触しない(即ち、離間する)ようになっている。よって、ギヤ歯52、72は、ギヤ50、70が駆動されると接触領域78に片側の接触が生じるように設計されている。ギヤ50、70が回転すると歯142と歯144が接触領域78から離れるため、歯142と歯144の間に形成された片側の接触は徐々に消える。2つのギヤ50、70の間の回転速度の差が存在する限り、この片側の接触はギヤ50の歯とギヤ70の歯の間で間欠的に形成される。しかし、ギヤ50、70が回転すると、それぞれのギヤの次に続く2つの歯が次の片側の接触を形成するため、常に接触が存在し接触領域78の逆流路は実質的に封止されたままである。即ち、片側の接触はポート22とポート24の間の封止を提供し、その
結果ポンプ入口からポンプ出口まで運ばれた流体が接触領域78を通ってポンプ入口まで逆流することが防止(又はほぼ防止)される。
【0034】
[0039]
図3Aにおいて、歯142と歯144の間の片側の接触は特定の点、即ち接触点152において存在すると示される。しかし、例示的な実施形態におけるギヤ歯間の片側の接触は特定の点における接触に制限されない。例えば、片側の接触は複数の点又は歯142と歯144の間の接触線に沿って発生し得る。もう一つの例では、片側の接触は2つのギヤ歯の表面領域間で発生し得る。よって、封止領域は片側の接触の間に歯142の表面の領域が歯144の表面の領域と接触する時に形成され得る。各ギヤ50、70のギヤ歯52、72は2つのギヤ歯間に片側の接触を達成するために歯の外形(又は曲面)を有するように構成され得る。このように、本開示の片側の接触は一点若しくは複数の点において、線に沿って、又は表面領域の上に発生し得る。従って、上記に論じた接触点152は接触の場所(又は複数の場所)の一部として提供され得、単一の接触点に限定されない。
【0035】
[0040]ある例示的な実施形態では、それぞれのギヤ50、70の歯は 接触領域128
内の歯間に過度の流体圧力を捕らえないように設計される。
図3Aに例示されるように、流体160は歯142、144、146の間で捕らえられ得る。捕らえられた流体160はポンプ入口とポンプ出口の間に封止効果を提供するが、過度の圧力が、ギヤ50、70が回転するにつれて蓄積し得る。好ましい実施形態では、ギヤ歯の外形は圧縮された流体を解放するためにギヤ歯144、146の間に小さな隙間(又は間隙)154が提供されるような形状である。そのようなデザインは過度の圧力が構築されないことを確実にしつつ封止効果を保持する。もちろん、接触の点、線又は領域は他方の歯面の側に接触する一方の歯面の側に制限されない。流体置換部材の種類に応じて、同期接触が、第1の流体置換部材の少なくとも1つの突出部の任意の表面(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)と第2の流体置換部材の少なくとも1つの突出部の任意の表面(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)又は窪み(例えば空洞、陥没、空隙又は他の同様の構造)との間でなされ得る。ある実施形態では、少なくとも1つの流体置換部材は例えばゴム、エラストマー材料や他の弾力材のような弾力材からなるか、それを含み得、その結果接触力はより確実な封止領域を提供する。
【0036】
[0041]上記に論じた実施形態では、原動機は流体置換部材の内側に配置される、即ち両方のモータ41、61は円筒形の開口51、71の内側に配置される。しかし、新規のポンプデザインの有利な特徴は両方の原動機が流体置換部材の本体の内側に配置される構成に限定されない。他のドライブ-ドライブ構成も本開示の範囲内である。例えば、
図4は外接ギヤポンプ1010の他の例示的な実施形態の側面断面図である。
図4に示すポンプ1010の実施形態は、本実施形態の2つのモータのうちの1つが対応するギヤ本体の外にあるが、なおポンプケーシングの中にある点でポンプ10(
図1)と異なる。ポンプ1010はケーシング1020、流体ドライバ1040及び流体ドライバ1060を含む。ケーシング1020の内面はモータキャビティ1084とギヤキャビティ1086とを含む内部域を画定する。ケーシング1020は端部プレート1080、1082を含み得る。これら2つのプレート1080、1082は複数のボルト(図示せず)によって連結され得る。
【0037】
[0042]流体ドライバ1040はモータ1041及びギヤ1050を含む。モータ1041はアウターロータ型モータデザインであり、ギヤキャビティ1086内に配置されるギヤ1050の本体内に配置される。モータ1041は回転子1044及び固定子1046を含む。ギヤ1050はギヤ本体から径方向外側に延伸する複数のギヤ歯1052を含む。当業者は流体ドライバ1040が流体ドライバ40と類似し、上記に論じた流体ドライ
バ40の構成及び機能が流体ドライバ1040に組み込まれ得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。従って、簡潔にするため、流体ドライバ1040は本実施形態を記載するのに必要な分を除いて詳細に論じられない。
【0038】
[0043]流体ドライバ1060はモータ1061及びギヤ1070を含む。流体ドライバ1060は流体ドライバ1040の隣に配置され、その結果それぞれのギヤ歯1072、1052がポンプ10について上記に論じた接触領域78におけるギヤ歯52、72の接触と同じ方法で互いに接触する。本実施形態では、モータ1061はインナーロータ型モータデザインであり、モータキャビティ1084に配置される。本実施形態では、モータ1061及びギヤ1070は共通のシャフト1062を有する。モータ1061の回転子1064はシャフト1062と固定子1066との間に径方向に配置される。固定子1066は回転子1064の径方向外側に配置され、回転子1064を囲む。インナーロータ型デザインは回転子1064に連結されたシャフト1062が回転し、一方固定子1066はケーシング1020に固定して連結されることを意味する。加えて、ギヤ1070もシャフト1062に連結される。シャフト1062は、例えば一端部1088でプレート1080内の軸受により支持され、且つ他端部1090でプレート1082内の軸受により支持される。他の実施形態では、シャフト1062はケーシング1020内の軸受により直接ではなく、ケーシング1020に固定して連結された軸受ブロックにより支持され得る。更に、共通のシャフト1062ではなく、モータ1061及びギヤ1070は知られた手段により共に結合されたそれら自身のシャフトを含んでも良い。
【0039】
[0044]
図4に示すように、ギヤ1070はケーシング1020内でモータ1061に近接して配置される。即ち、モータ1041と異なり、モータ1061はギヤ1070のギヤ本体内に配置されない。ギヤ1070はモータ1061からシャフト1062上で軸方向に離間する。回転子1064はシャフト1062の一方の側1088においてシャフト1062と固定して連結され、ギヤ1070はシャフト1062の他方の側1090においてシャフト1062と固定して連結され、その結果モータ1061により生成されるトルクがシャフト1062を介してギヤ1070に伝達される。
【0040】
[0045]モータ1061は自身のキャビティにモータケーシングとポンプケーシング1020との間に十分な許容差を有して嵌まるよう設計され、その結果動作の間に流体がキャビティに入ることが防止(又はほぼ防止)される。加えて、ギヤ1070が自由に回転するために十分な隙間がモータケーシングとギヤ1070との間に存在するが、その隙間は流体がなお効率的にポンピングされ得るものである。よって、本実施形態において、流体に関して、モータケーシングは
図1の実施形態のポンプケーシング壁の適切な部分の機能を果たすように設計される。ある実施形態において、モータ1061の外径はギヤ歯1072の根元部分の直径より小さい。よって、これらの実施形態では、ギヤ歯1072のモータ側でも歯が回転する時ポンプケーシング1020の壁に隣接するであろう。ある実施形態では、軸受1095はギヤ1070とモータ1061との間に挿入され得る。例えばワッシャ型の軸受であり得る軸受1095はギヤ1070が回転する時ギヤ1070とモータ1061との間の摩擦を減らす。ポンピングされる流体及び用途の種類に応じて、軸受は金属製、非金属製又は複合材料製であり得る。金属材料は、これに制限されないが、鋼鉄、ステンレス鋼、陽極酸化アルミ、アルミニウム、チタン、マグネシウム、真ちゅう及びそれら各々の合金を含み得る。非金属材料は、これに制限されないが、セラミック、プラスチック、複合材料、炭素繊維及びナノ複合材料を含み得る。加えて、軸受1095は、モータキャビティ1084のギヤキャビティ1086からの封止を助けるために開口するモータキャビティ1084に嵌まる大きさであり得、ギヤ1052、1072は流体をより効率的にポンピング出来るであろう。当業者は、動作時に流体ドライバ1040及び流体ドライバ1060がポンプ10について上記に開示したのと同じ方法で動作するであろうと認識することを理解すべきである。従って、簡潔にするため、ポンプ1010の
動作の詳細はこれ以上論じない。
【0041】
[0046]上記の例示的な実施形態では、ギヤ1070はモータ1061からシャフト1062の軸方向に沿って離間するとして示される。しかし、他の構成も本開示の範囲内である。例えば、ギヤ1070及びモータ1061は互いに完全に離間(例えば共通のシャフト無しに)、互いに部分的に重複、隣り合って並ぶ、上下に並ぶ又は互いにずれることがあっても良い。よって、本開示は上記で論じた位置的関係の全て及びケーシング1020内のギヤとモータの間の比較的近接した位置的関係の如何なる他の変形をもカバーする。更に、ある例示的な実施形態では、モータ1061はギヤ1070を回転させるよう適切に構成されたアウターロータ型モータデザインであり得る。
【0042】
[0047]更に、上記の例示的な実施形態では、モータ1061のトルクはシャフト1062を介してギヤ1070に伝達される。しかし、モータからギヤへトルク(又は力)を伝達する手段は、例えば上記に記載した例示的な実施形態におけるシャフト1062のようなシャフトに制限されない。代わりに、例えばシャフト、サブシャフト、ベルト、チェーン、継手、ギヤ、連結ロッド、カム又は他の動力伝達装置のような動力伝達装置の如何なる組合せも本開示の精神から逸脱せずに使用され得る。
【0043】
[0048]
図5は外接ギヤポンプ1110の他の例示的な実施形態の側面断面図である。
図5に示すポンプ1110の実施形態は、本実施形態の2つのモータのそれぞれがギヤ本体の外にあるが、なおポンプケーシングの中に配置されているという点でポンプ10と異なる。ポンプ1110はケーシング1120、流体ドライバ1140及び流体ドライバ1160を含む。ケーシング1120の内面はモータキャビティ1184及び1184’及びギヤキャビティ1186を含む内部域を画定する。ケーシング1120は端部プレート1180、1182を含み得る。これら2つのプレート1180、1182は複数のボルト(図示せず)により連結され得る。
【0044】
[0049]流体ドライバ1140、1160はそれぞれモータ1141、1161及びギヤ1150、1170を含む。モータ1141、1161はインナーロータ型デザインでありそれぞれモータキャビティ1184、1184’内に配置される。流体ドライバ1140のモータ1141及びギヤ1150は共通のシャフト1142を有し、流体ドライバ1160のモータ1161及びギヤ1170は共通のシャフト1162を有する。モータ1141、1161はそれぞれ、回転子1144、1164及び固定子1146、1166を含み、ギヤ1150、1170はそれぞれ、ギヤ本体から径方向外側に延伸する複数のギヤ歯1152、1172を含む。流体ドライバ1140は流体ドライバ1160の隣に配置され、その結果それぞれのギヤ歯1152、1172がポンプ10について上記に論じた接触領域78におけるギヤ歯52、72の接触と同じ方法で互いに接触する。軸受1195、1195’がモータ1141、1161とギヤ1150、1170との間にそれぞれ配置され得る。軸受1195、1195’は上記に論じた軸受1095とデザイン及び機能において同様である。当業者は流体ドライバ1140、1160が流体ドライバ1060と同様であり、上記に論じた流体ドライバ1060の構成及び機能がポンプ1110内の流体ドライバ1140、1160に組み込まれ得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。よって、簡潔さのため、流体ドライバ1140、1160は詳細に論じない。同様に、ポンプ1110の動作はポンプ10の動作と同様であり、よって、簡潔さのため、更に論じることはない。加えて、流体ドライバ1060と同様に、モータからギヤへトルク(又は力)を伝達する手段はシャフトに限定されない。代わりに、例えばシャフト、サブシャフト、ベルト、チェーン、継手、ギヤ、連結ロッド、カム又は他の動力伝達装置のような動力伝達装置の如何なる組合せも本開示の精神から逸脱せずに使用され得る。更に、ある例示的な実施形態では、モータ1141、1161はそれぞれギヤ1150、1170を回転させるよう適切に構成されたアウターロータ型モータデザイン
であり得る。
【0045】
[0050]
図6は外接ギヤポンプ1210の他の例示的な実施形態の側面断面図である。
図6に示すポンプ1210の実施形態は2つのモータのうちの1つがポンプケーシングの外に配置されるという点でポンプ10と異なる。ポンプ1210はケーシング1220、流体ドライバ1240及び流体ドライバ1260を含む。ケーシング1220の内面は内部域を画定する。ケーシング1220は端部プレート1280、1282を含み得る。これら2つのプレート1280、1282は複数のボルトにより連結され得る。
【0046】
[0051]流体ドライバ1240はモータ1241及びギヤ1250を含む。モータ1241はアウターロータ型モータデザインであり内部域に配置されたギヤ1250の本体内に配置される。モータ1241は回転子1244及び固定子1246を含む。ギヤ1250はギヤ本体から径方向外側に延伸する複数のギヤ歯1252を含む。当業者は流体ドライバ1240が流体ドライバ40と同様であり、上記に論じた流体ドライバ40の構成及び機能が流体ドライバ1240に組み込まれ得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。よって、簡潔さのため、流体ドライバ1240は本実施形態を記載するのに必要な分を除いて詳細に論じない。
【0047】
[0052]流体ドライバ1260はモータ1261及びギヤ1270を含む。流体ドライバ1260は流体ドライバ1240の隣に配置され、その結果それぞれのギヤ歯1272、1252がポンプ10について上記に論じた接触領域78におけるギヤ歯52、72の接触と同じ方法で互いに接触する。本実施形態では、モータ1261はインナーロータ型モータデザインであり、
図6に見られるように、モータ1261はケーシング1220の外側に配置される。モータ1261の回転子1264はモータシャフト1262’と固定子1266との間に径方向に配置される。固定子1266は回転子1264の径方向外側に配置され、回転子1264を囲む。インナーロータ型デザインは回転子1264に連結されたシャフト1262’が回転し、一方固定子1266は、例えばモータハウジング1287を介して直接的又は間接的にポンプケーシング1220に固定して連結されることを意味する。ギヤ1270は、一端部1290でプレート1282により支持され、且つ他端部1291でプレート1280により支持され得るシャフト1262を含む。ケーシング1220の外側へ延伸するギヤシャフト1262はシャフトハブのような継手1285等を介してモータシャフト1262’に連結され得、点1290から点1288へ延伸するシャフトを形成する。1つ又は複数のシール1293が流体の必要な封止を提供するため配置され得る。シャフト1262、1262’のデザイン及びモータ1261をギヤ1270へ結合する手段は本発明の精神から逸脱せずに変化され得る。
【0048】
[0053]
図6に示すように、ギヤ1270はモータ1261に近接して配置される。即ち、モータ1241と異なり、モータ1261はギヤ1270のギヤ本体内に配置されない。代わりに、ギヤ1270はケーシング1220内に配置され一方モータ1261はギヤ1270に近接するがケーシング1220の外側に配置される。
図6の例示的な実施形態では、ギヤ1270はシャフト1262及び1262’に沿って軸方向にモータ1261から離間する。回転子1266はシャフト1262に連結されたシャフト1262’に固定して連結され、その結果モータ1261により生成されるトルクがシャフト1262を介してギヤ1270に伝達される。シャフト1262及び1262’は1つ又は複数の場所で軸受により支持され得る。当業者は流体ドライバ1240、1260を含むポンプ1210の動作がポンプ10の動作と同様であることを認識するであろうことが理解されるべきであり、よって、簡潔さのため、更に論じない。
【0049】
[0054]上記の実施形態では、ギヤ1270はモータ1261からシャフト1262及び1262’の軸方向に沿って離間するとして示される(即ち、離間するが軸方向に整列す
る)。しかし、他の構成も本開示の範囲内である。例えば、ギヤ1270及びモータ1261は隣り合って並ぶ、上下に並ぶ又は互いにずれて位置決めされ得る。よって、本開示は上記で論じた位置的関係の全て及びギヤとケーシング1220の外側のモータとの間の比較的近接した位置的関係の如何なる他の変形をもカバーする。更に、ある例示的な実施形態では、モータ1261はギヤ1270を回転させるよう適切に構成されたアウターロータ型モータデザインであり得る。
【0050】
[0055]更に、上記の例示的な実施形態では、モータ1261のトルクはシャフト1262、1262’を介してギヤ1270に伝達される。しかし、モータからギヤへトルク(又は力)を伝達する手段はシャフトに制限されない。代わりに、例えばシャフト、サブシャフト、ベルト、チェーン、継手、ギヤ、連結ロッド、カム又は他の動力伝達装置のような動力伝達装置の如何なる組合せも本開示の精神から逸脱せずに使用され得る。更に、モータハウジング1287はケーシング1220とモータハウジング1287との間に振動絶縁装置(図示せず)を含み得る。更に、モータハウジング1287の取り付けは
図6に示されたものに制限されず、モータハウジングはケーシング1220の任意の適切な場所に取り付けられても良いし、又はケーシング1220から離間していても良い。
【0051】
[0056]
図7は外接ギヤポンプ1310の他の例示的な実施形態の側面断面図である。
図7に示すポンプ1310の実施形態は、2つのモータがギヤ本体の外側に配置され、一方のモータはなおポンプケーシングの内側に配置され、他方のモータはポンプケーシングの外側に配置される点でポンプ10と異なる。ポンプ1310はケーシング1320、流体ドライバ1340及び流体ドライバ1360を含む。ケーシング1320の内面はモータキャビティ1384及びギヤキャビティ1386を有する内部域を画定する。ケーシング1320は端部プレート1380、1382を含み得る。これら2つのプレート1380、1382は複数のボルトによりケーシング1320の本体に連結され得る。
【0052】
[0057]流体ドライバ1340はモータ1341及びギヤ1350を含む。本実施形態では、モータ1341はインナーロータ型モータデザインであり、
図7に見られるように、モータ1341はケーシング1320の外側に配置される。モータ1341の回転子1344はモータシャフト1342’と固定子1346との間に径方向に配置される。固定子1346は回転子1344の径方向外側に配置され、回転子1344を囲む。インナーロータ型デザインは回転子1344に連結されたシャフト1342’が回転し、一方固定子1346は、例えばモータハウジング1387を介して直接的又は間接的にポンプケーシング1320に固定して連結されることを意味する。ギヤ1350は、一端部1390で下部プレート1382により支持され、且つ他端部1391で上部プレート1380により支持され得るシャフト1342を含む。ケーシング1320の外側へ延伸するギヤシャフト1342はシャフトハブのような継手1385等を介してモータシャフト1342’に連結され得、点1384から点1386へ延伸するシャフトを形成する。1つ又は複数のシール1393が流体の必要な封止を提供するため配置され得る。シャフト1342、1342’のデザイン及びモータ1341をギヤ1350へ結合する手段は本発明の精神から逸脱せずに変化され得る。当業者は流体ドライバ1340が流体ドライバ1260と同様であり、上記に論じた流体ドライバ1260の構成及び機能が流体ドライバ1340に組み込まれ得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。よって、簡潔さのため、流体ドライバ1340は本実施形態を記載するのに必要な分を除いて詳細に論じない。
【0053】
[0058]更に、ギヤ1350及びモータ1341は隣り合って並ぶ、上下に並ぶ又は互いにずれて位置決めされ得る。よって、本開示は上記で論じた位置的関係の全て及びギヤとケーシング1320の外側のモータとの間の比較的近接した位置的関係の如何なる他の変形をもカバーする。また、ある例示的な実施形態では、モータ1341はギヤ1350を
回転させるよう適切に構成されたアウターロータ型モータデザインであり得る。更に、モータからギヤへトルク(又は力)を伝達する手段はシャフトに制限されない。代わりに、例えばシャフト、サブシャフト、ベルト、チェーン、継手、ギヤ、連結ロッド、カム又は他の動力伝達装置のような動力伝達装置の如何なる組合せも本開示の精神から逸脱せずに使用され得る。加えて、モータハウジング1387はケーシング1320とモータハウジング1387との間に振動絶縁装置(図示せず)を含み得る。更に、モータハウジング1387の取り付けは
図7に示されたものに制限されず、モータハウジングはケーシング1320の任意の適切な場所に取り付けられても良いし、又はケーシング1320から離間していても良い。
【0054】
[0059]流体ドライバ1360はモータ1361及びギヤ1370を含む。流体ドライバ1360は流体ドライバ1340の隣に配置され、その結果それぞれのギヤ歯1372、1352がポンプ10について上記に論じた接触領域128におけるギヤ歯52、72の接触と同じ方法で互いに接触する。本実施形態では、モータ1361はインナーロータ型モータデザインでありモータキャビティ1384内に配置される。本実施形態では、モータ1361及びギヤ1370は共通のシャフト1362を有する。モータ1361の回転子1364はシャフト1362と固定子1366との間に径方向に配置される。固定子1366は回転子1364の径方向外側に配置され、回転子1364を囲む。軸受1395がモータ1361とギヤ1370との間に配置され得る。軸受1395は上記に論じた軸受1095とデザイン及び機能において同様である。インナーロータ型デザインは回転子1364に連結されたシャフト1362が回転し、一方固定子1366はケーシング1320に固定して連結されることを意味する。更に、ギヤ1370もシャフト1362に連結される。当業者は流体ドライバ1360が流体ドライバ1060と同様であり、上記に論じた流体ドライバ1060の構成及び機能が流体ドライバ1360に組み込まれ得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。よって、簡潔さのため、流体ドライバ1360は本実施形態を記載するのに必要な分を除いて詳細に論じない。また、ある例示的な実施形態では、モータ1361はギヤ1370を回転させるよう適切に構成されたアウターロータ型モータデザインであり得る。更に、当業者は流体ドライバ1340、1360を含むポンプ1310の動作がポンプ10の動作と同様であると認識するであろうことが理解されるべきであり、よって、簡潔さのため、更に論じない。加えて、モータからギヤへトルク(又は力)を伝達する手段はシャフトに限定されない。代わりに、例えばシャフト、サブシャフト、ベルト、チェーン、継手、ギヤ、連結ロッド、カム又は他の動力伝達装置のような動力伝達装置の如何なる組合せも本開示の精神から逸脱せずに使用され得る。
【0055】
[0060]
図8は外接ギヤポンプ1510の他の例示的な実施形態の側面断面図である。
図8に示すポンプ1510の実施形態は両方のモータがポンプケーシングの外側に配置される点でポンプ10と異なる。ポンプ1510はケーシング1520、流体ドライバ1540及び流体ドライバ1560を含む。ケーシング1520の内面は内部域を画定する。ケーシング1520は端部プレート1580、1582を含み得る。これら2つのプレート1580、1582は複数のボルトによりケーシング1520の本体に連結され得る。
【0056】
[0061]流体ドライバ1540、1560はそれぞれモータ1541、1561及びギヤ1550、1570を含む。流体ドライバ1540は流体ドライバ1560の隣に配置され、その結果それぞれのギヤ歯1552、1572がポンプ10について上記に論じた接触領域78におけるギヤ歯52、72の接触と同じ方法で互いに接触する。本実施形態では、モータ1541、1561はインナーロータ型モータデザインであり、
図8に見られるように、モータ1541、1561はケーシング1520の外側に配置される。モータ1541、1561の各回転子1544、1564は、それぞれモータシャフト1542’、1562’と固定子1546、1566との間に径方向に配置される。固定子154
6、1566はそれぞれ回転子1544、1564の径方向外側に配置され、回転子1544、1564を囲む。インナーロータ型デザインは回転子1544、1564にそれぞれ連結されたシャフト1542’、1562’が回転し、一方固定子1546、1566は、例えばモータハウジング1587を介して直接的又は間接的にポンプケーシング1220に固定して連結されることを意味する。ギヤ1550、1570はそれぞれ、端部1586、1590でプレート1582により支持され、且つ端部1591、1597でプレート1580により支持され得るシャフト1542、1562を含む。ケーシング1520の外側へ延伸するギヤシャフト1542、1562はシャフトハブのような継手1585、1595等を介してモータシャフト1542’、1562’にそれぞれ連結され得、点1591、1590から点1584、1588へ延伸するシャフトをそれぞれ形成する。1つ又は複数のシール1593が流体の必要な封止を提供するため配置され得る。シャフト1542、1542’、1562、1562’のデザイン及びモータ1541、1561をそれぞれのギヤ1550、1570へ結合する手段は本開示の精神から逸脱せずに変化され得る。当業者は流体ドライバ1540、1560が流体ドライバ1260と同様であり、上記に論じた流体ドライバ1260の構成及び機能が流体ドライバ1540、1560に組み込まれ得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。よって、簡潔さのため、流体ドライバ1540、1560は本実施形態を記載するのに必要な分を除いて詳細に論じない。更に、当業者は流体ドライバ1540、1560を含むポンプ1510の動作もポンプ10の動作と同様であると認識するであろうことが理解されるべきであり、よって、簡潔さのため、更に論じない。加えて、モータからギヤへトルク(又は力)を伝達する手段はシャフトに限定されない。代わりに、例えばシャフト、サブシャフト、ベルト、チェーン、継手、ギヤ、連結ロッド、カム又は他の動力伝達装置のような動力伝達装置の如何なる組合せも本開示の精神から逸脱せずに使用され得る。また、ある例示的な実施形態では、モータ1541、1561はギヤ1550、1570をそれぞれ回転させるよう適切に構成されたアウターロータ型モータデザインであり得る。
【0057】
[0062]例示的な実施形態では、モータハウジング1587はプレート1580とモータハウジング1587との間に振動絶縁装置(図示せず)を含み得る。上記の例示的な実施形態では、モータ1541とモータ1561は同じモータハウジング1587内に配置され得る。しかし、他の実施形態では、モータ1541及びモータ1561は別個のハウジングに配置されても良い。更に、モータハウジング1587の取り付け及びモータの場所は
図8に示されたものに制限されず、モータ及び1つ又は複数のモータハウジングはケーシング1520の任意の適切な場所に取付けられても良いし、又はケーシング1520から離間していても良い。
【0058】
[0063]上述の実施形態はギヤ歯を有する平歯車を含む外接ギヤポンプデザインに関して記載されたが、以下に記載する概念、機能及び特徴は、他のギヤデザイン(はすば歯車、ヘリングボーン歯車又は流体を駆動するようになされ得る他のギヤ歯のデザイン)の外接ギヤポンプ及び様々なギヤデザインを有する内接ギヤポンプや、2つ以上の原動機を有するポンプや、例えば液圧モータ又は他の流体駆動のモータのような電気モータ以外の原動機、内燃機関、ガス又は他の種類のエンジン又は流体置換部材を駆動可能な他の同様の装置や、例えばギヤ歯を有する内歯車、突出部(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)を有するハブ(例えばディスク、シリンダ又は他の同様の要素)、窪み(例えば空洞、陥没、空隙又は他の同様の構造)を有するハブ(例えばディスク、シリンダ又は他の同様の要素)、ローブを有するギヤ本体、又は駆動時に流体を置換可能な他の同様の構造のようなギヤ歯を有する外歯車以外の流体置換部材に容易に適用され得ると当業者が容易に認識するであろうことが理解されるべきである。よって、簡潔さのため、様々なポンプデザインの詳細な記載は省かれる。加えて当業者は、ポンプの種類に応じて、同期接触は反対の流路を封止することの代わりに又はそれに加えて流体のポンピングの助けとなり得ることを認識するであろう。例えば、ある内接ギヤジェロータ
デザインでは、2つの流体ドライバ間の同期接触も対向するギヤの歯間に捕らえられる流体のポンピングを助ける。更に、上記の実施形態は外歯車デザインを有する流体置換部材を有するが、当業者は、流体置換部材の種類に応じて、同期接触は側面と側面の接触に限定されず、1つの流体置換部材の少なくとも1つの突出部(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)の任意の表面ともう一つの流体置換部材の少なくとも1つの突出部(例えば凸部、延長部、膨らみ、突起、他の同様の構造又はそれらの組合せ)又は窪み(例えば空洞、陥没、空隙又は他の同様の構造)の任意の表面との間でなされ得ることを認識するであろう。更に、上記の実施形態では2つの原動機が使用されて2つの流体置換部材をそれぞれ且つ独立して駆動するが、当業者は上記の実施形態のいくつかの利点(例えばドライバ-ドリブン構成に比べて汚染が減少する)は単一の原動機を使用して2つの流体置換部材を独立して駆動することにより達成され得ることを認識するであろうことが理解されるべきである。ある実施形態では、単一の原動機が、例えばタイミングギヤ、タイミングチェーン、又は2つの流体置換部材を独立して駆動し且つ動作の間互いの同期を維持する装置若しくは装置の組合せを使用することにより2つの流体置換部材を独立して駆動し得る。
【0059】
[0064]例えば上記の実施形態におけるギヤのような流体置換部材は、全体に金属材料又は非金属材料の何れか1つにより作製され得る。金属材料は、これに制限されないが、鋼鉄、ステンレス鋼、陽極酸化アルミ、アルミニウム、チタン、マグネシウム、真ちゅう及びそれら各々の合金を含み得る。非金属材料は、これに制限されないが、セラミック、プラスチック、複合材料、炭素繊維及びナノ複合材料を含み得る。金属材料は例えば高圧に耐えるため頑健性を要するポンプに使用され得る。しかし、低圧の用途に使用されるポンプには、非金属材料が使用され得る。ある実施形態では、流体置換部材は例えばゴム、エラストマー材料のような弾力材からなり得、例えば封止領域をより強化する。
【0060】
[0065]或いは、例えば上記の実施形態におけるギヤのような流体置換部材は、異なる材料の組合せにより作製され得る。例えば、本体はアルミニウムで作製され得、例えば上記の例示的な実施形態でのギヤ歯のようなもう一つの流体置換部材と接触する部分は、用途の種類に基づき、高圧に耐えるため頑健性を要するポンプのための鋼鉄、低圧の用途のポンプのためのプラスチック、エラストマー材料、又は他の適切な材料から作製されても良い。
【0061】
[0066]上記の例示的な実施形態によるポンプは様々な流体をポンピング可能である。例えば、ポンプは、液圧流体、エンジンオイル、原油、血液、液剤(シロップ)、塗料、インク、樹脂、接着剤、溶融熱可塑性物質、瀝青、ピッチ、糖蜜、溶融チョコレート、水、アセトン、ベンゼン、メタノール又は他の流体をポンピングするように設計されても良い。ポンピングされる流体の種類により分かるように、ポンプの例示的な実施形態は、重工業の産業用機械、化学工業、食品工業、医療産業、商業的応用、住宅応用又はポンプを使用する他の産業のような様々な用途で使用可能である。流体の粘性、その用途のための望ましい圧力及び流量、流体置換部材のデザイン、モータの大きさ及び力、物理的な空間の検討、ポンプの重量、又はポンプのデザインに影響する他の要因といった要因はポンプのデザインにおいて役割を果たすであろう。用途の種類に応じて、上記に論じた実施形態によるポンプは、例えば1から5000rpmの一般的な範囲内の動作範囲を有し得ることが考えられる。もちろん、この範囲は制限的なものではなく他の範囲も可能である。
【0062】
[0067]ポンプの動作速度は、流体の粘性、原動機の容量(例えば電気モータ、液圧モータ又は他の流体駆動のモータの容量、内燃機関、ガス又は他の種類のエンジン又は流体置換部材を駆動可能な他の同様の装置)、流体置換部材の寸法(例えばギヤ、突出部を有するハブ、窪みを有するハブ又は駆動時に流体を置換可能な他の同様の構造の寸法)、望ましい流量、望ましい動作圧力及びポンプの耐荷重性のような要因を考慮して決定され得る
。例えば通常の産業液圧システムの用途に関する用途のような例示的な実施形態では、ポンプの動作速度は例えば300rpmから900rpmの範囲内であり得る。加えて、動作範囲もポンプの意図された目的に応じて選択され得る。例えば、上記の液圧ポンプの例では、1から300rpmの範囲内で動作するよう設計されたポンプが液圧システムに必要な補足の流量を提供する予備のポンプとして選択され得る。300から600rpmの範囲で動作するよう設計されたポンプは液圧システム内で継続した動作のために選択され得、一方600から900rpmの範囲で動作するよう設計されたポンプは最大流量動作のために選択され得る。もちろん、単一の一般的なポンプが3つの種類の動作全てを提供するように設計されても良い。
【0063】
[0068]更に、流体置換部材の寸法はポンプの用途に応じて変化し得る。例えば、ギヤが流体置換部材として使用される時、ギヤの円ピッチは工業用途において1mm未満(例えばナイロンのナノ複合材料)から数メートルの幅の範囲に亘っても良い。ギヤの厚さは用途のための望ましい圧力及び流量によって決定されるであろう。
【0064】
[0069]ある実施形態では、例えば一対のギヤのような流体置換部材を回転させる例えばモータのような原動機の速度は、ポンプからの流量を制御するため変化され得る。更に、ある実施形態では、例えばモータのような原動機のトルクはポンプの出力圧力を制御するために変化され得る。
【0065】
[0070]本発明は特定の実施形態を参照して開示されたが、添付の請求項で規定する通り、記載された実施形態への多数の修正、変形及び変化が本発明の領域及び範囲から逸脱せずに可能である。従って、本発明は記載された実施形態に限定されないが、以下の請求項及びその均等物の文言により規定された全範囲を有することが意図される。
(項目1)
ポンプであって、
内部域を画定し、前記内部域と流体連通する第1のポートと、前記内部域と流体連通する第2のポートを含むケーシングと、
前記内部域内に配置され、第1のギヤ本体と複数の第1のギヤ歯を有する第1のギヤと、
前記内部域内に配置され、第2のギヤ本体及び前記第2のギヤ本体から径方向外側に突出する複数の第2のギヤ歯を有し、前記複数の第2のギヤ歯の少なくとも1つの歯の第2の面が前記複数の第1のギヤ歯の少なくとも1つの歯の第1の面と整列するように配置される第2のギヤと、
前記第1のギヤを前記第1のギヤの第1の軸方向中央線の周りで第1の方向に回転させ、流体を第1の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる第1のモータと、
前記第2のギヤを前記第1のモータから独立して、前記第2のギヤの第2の軸方向中央線の周りで第2の方向に回転させ、前記第2の面を前記第1の面に接触させて前記流体を第2の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる第2のモータとを備えるポンプ。
(項目2)
前記第1のギヤ本体は前記第1のモータを収容するための前記第1の軸方向中央線に沿った第1の円筒形の開口を含み、
前記第1のモータはアウターロータ型モータであって前記第1の円筒形の開口内に配置され、前記第1のモータは第1の回転子を備え、
前記第1の回転子は前記第1のギヤと結合され、前記第1のギヤを前記第1の軸方向中央線の周りで前記第1の方向に回転させる、項目1に記載のポンプ。
(項目3)
前記第1のモータは、第1のモータシャフトが第1の回転子と共に回転するように前記第1のモータシャフトに結合される前記第1の回転子を備えるインナーロータ型モータであり、
前記第1のモータシャフトは前記第1のギヤと結合されて前記第1のギヤを前記第1の軸方向中央線の周りで前記第1の方向に回転させる、項目1に記載のポンプ。
(項目4)
前記第2のギヤ本体は前記第2のモータを収容するための前記第2の軸方向中央線に沿った第2の円筒形の開口を含み、前記第2のモータはアウターロータ型モータであって前記第2の円筒形の開口内に配置され、前記第2のモータは第2の回転子を備え、
前記第2の回転子は前記第2のギヤと結合され、前記第2のギヤを前記第2の軸方向中央線の周りで前記第2の方向に回転させる、項目2に記載のポンプ。
(項目5)
前記第2のモータは、モータシャフトが第2の回転子と共に回転するように前記モータシャフトに結合される前記第2の回転子を備えるインナーロータ型モータであり、
前記モータシャフトは前記第2のギヤと結合されて前記第2のギヤを前記第2の軸方向中央線の周りで前記第2の方向に回転させる、項目2に記載のポンプ。
(項目6)
前記第2のモータは前記内部域内に配置される、項目5に記載のポンプ。
(項目7)
前記第2のモータは前記ケーシングの外側に配置される、項目5に記載のポンプ。
(項目8)
前記第2のモータは、第2のモータシャフトが第2の回転子と共に回転するように前記第2のモータシャフトに結合される前記第2の回転子を備えるインナーロータ型モータであり、
前記第2のモータシャフトは前記第2のギヤと結合されて前記第2のギヤを前記第2の軸方向中央線の周りで前記第2の方向に回転させる、項目3に記載のポンプ。
(項目9)
前記第1のモータ及び前記第2のモータは前記内部域内に配置される、項目8に記載のポンプ。
(項目10)
前記第1のモータは前記内部域内に配置され、前記第2のモータは前記ケーシングの外側に配置される、項目8に記載のポンプ。
(項目11)
前記第1のモータ及び前記第2のモータは前記ケーシングの外側に配置される、項目8に記載のポンプ。
(項目12)
前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、項目1に記載のポンプ。
(項目13)
前記第2の方向は前記第1の方向と同じである、項目1に記載のポンプ。
(項目14)
前記第1の流路及び前記第2の流路は同じ流路である、項目1に記載のポンプ。
(項目15)
前記第1の流路及び前記第2の流路は異なる流路である、項目1に記載のポンプ。
(項目16)
前記接触は前記第2のポートと前記第1のポートとの間の流体路を実質的に封止する、項目1に記載のポンプ。
(項目17)
前記流体は液圧流体である、項目1に記載のポンプ。
(項目18)
前記流体は水である、項目1に記載のポンプ。
(項目19)
前記ポンプは1rpmから5000rpmの範囲で動作する、項目17に記載のポンプ。
(項目20)
前記ポンプは1rpmから5000rpmの範囲で動作する、項目18に記載のポンプ。
(項目21)
前記第1のモータ及び前記第2のモータは双方向である、項目1に記載のポンプ。
(項目22)
前記第1のモータ及び前記第2のモータは可変速度のモータである、項目1に記載のポンプ。
(項目23)
前記第1のモータ及び前記第2のモータは互いに異なる速度で動作され得る、項目1に記載のポンプ。
(項目24)
前記第1のギヤ及び前記第2のギヤの少なくとも1つは金属材料で作製される、項目1に記載のポンプ。
(項目25)
前記第1のギヤ及び前記第2のギヤの少なくとも1つは非金属材料で作製される、項目1に記載のポンプ。
(項目26)
前記金属材料は、鋼鉄、ステンレス鋼、陽極酸化アルミ、アルミニウム、チタン、マグネシウム、真ちゅう及びそれら各々の合金の少なくとも1つを備える、項目24に記載のポンプ。
(項目27)
前記非金属材料は、セラミック、プラスチック、複合材料、炭素繊維、ナノ複合材料、ゴム及びエラストマーの少なくとも1つを備える、項目25に記載のポンプ。
(項目28)
流体をポンプの第1のポートから第2のポートへ移動させる方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するポンプケーシングを含み、更に第1のモータ、第2のモータ、複数の第1のギヤ歯を有する第1のギヤ、複数の第2のギヤ歯を有する第2のギヤを含み、前記方法は、
前記第1のモータを回転させ、前記第1のギヤを前記第1のギヤの第1の軸方向中央線の周りで第1の方向に回転させて、流体を第1の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる、前記第1のモータを回転させるステップと、
前記第2のモータを、前記第1のモータから独立して回転させ、前記第2のギヤを前記第2のギヤの第2の軸方向中央線の周りで第2の方向に回転させて、前記流体を第2の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる、前記第2のモータを回転させるステップと、
前記第2のギヤの速度を前記第1のギヤの速度の99%から100%の範囲で同期させるステップと、
前記複数の第2のギヤ歯の少なくとも1つの歯の面と前記複数の第1のギヤ歯の少なくとも1つの歯の面との間を同期接触させるステップと、を備える方法。
(項目29)
前記第1のギヤのギヤ本体の前記第1の軸方向中央線に沿って第1の円筒形の開口を設けるステップと、
前記第1のモータを前記第1の円筒形の開口内に配置するステップと、
前記第1のモータの第1の回転子を前記第1のギヤに結合させるステップと、
前記第1のギヤを前記第1の軸方向中央線の周りで前記第1の方向に回転させるステップとを更に備え、
前記第1のモータはアウターロータ型モータである、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記第1のモータの第1のモータシャフトを前記第1のギヤに結合させるステップと、
前記第1のギヤを前記第1の軸方向中央線の周りで前記第1の方向に回転させるステップとを更に備え、
前記第1のモータはインナーロータ型モータである、項目28に記載の方法。
(項目31)
前記第2のギヤのギヤ本体の前記第2の軸方向中央線に沿って第2の円筒形の開口を設けるステップと、
前記第2のモータを前記第2の円筒形の開口内に配置するステップと、
前記第2のモータの第2の回転子を前記第2のギヤに結合させるステップと、
前記第2のギヤを前記第2の軸方向中央線の周りで前記第1の方向に回転させるステップとを更に備え、
前記第2のモータはアウターロータ型モータである、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記第2のモータの第2のモータシャフトを前記第2のギヤに結合させるステップと、
前記第2のギヤを前記第2の軸方向中央線の周りで前記第2の方向に回転させるステップとを更に備え、
前記第2のモータはインナーロータ型モータである、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記第2のモータを前記内部域内に配置するステップを更に備える、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記第2のモータを前記ケーシングの外側に配置するステップを更に備える、項目32に記載の方法。
(項目35)
前記第2のモータの第2のモータシャフトを前記第2のギヤに結合させるステップと、
前記第2のギヤを前記第2の軸方向中央線の周りで前記第2の方向に回転させるステップとを更に備え、
前記第2のモータはインナーロータ型モータである、項目30に記載の方法。
(項目36)
前記第1のモータ及び前記第2のモータを前記内部域内に配置するステップを更に備える、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記第1のモータを前記内部域内に配置するステップと、
前記第2のモータを前記ケーシングの外側に配置するステップとを更に備える、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記第1のモータ及び前記第2のモータを前記ケーシングの外側に配置するステップを更に備える、項目35に記載の方法。
(項目39)
前記接触は前記第2のポートと前記第1のポートとの間の流体路を実質的に封止する、項目28に記載の方法。
(項目40)
液圧流体をポンピングするステップを更に備える、項目28に記載の方法。
(項目41)
水をポンピングするステップを更に備える、項目28に記載の方法。
(項目42)
前記ポンピングは1rpmから5000rpmの動作範囲でなされる、項目40に記載の方法。
(項目43)
前記ポンピングは1rpmから5000rpmの動作範囲でなされる、項目41に記載の方法。
(項目44)
前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、項目28に記載の方法。
(項目45)
前記第2の方向は前記第1の方向と同じである、項目28に記載の方法。
(項目46)
前記第1の流路及び前記第2の流路は同じ流路である、項目28に記載の方法。
(項目47)
前記第1の流路及び前記第2の流路は異なる流路である、項目28に記載の方法。
(項目48)
前記第1のモータ及び前記第2のモータはどちらかの方向に回転され得る、項目28に記載の方法。
(項目49)
前記第1のモータ及び前記第2のモータは可変速度である、項目28に記載の方法。
(項目50)
ポンプであって、
内部域を画定し、前記内部域と流体連通する第1のポートと、前記内部域と流体連通する第2のポートとを含むケーシングと、
第1の流体ドライバとを備え、前記第1の流体ドライバは、
前記内部域内に配置され、複数の第1の突出部を有する第1の流体置換部材と、
前記第1の流体置換部材を前記第1の流体置換部材の第1の軸方向中央線の周りで第1の方向に回転させて、流体を第1の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる第1の原動機とを含み、
前記ポンプは更に、
第2の流体ドライバを備え、前記第2の流体ドライバは、
前記内部域内に配置され、複数の第2の突出部及び複数の窪みの少なくとも1つを有する第2の流体置換部材であって、前記複数の第1の突出部の少なくとも1つの第1の表面が前記複数の第2の突出部の少なくとも1つの第2の表面又は前記複数の窪みの少なくとも1つの第3の表面と整列するように配置される第2の流体置換部材と、
前記第2の流体置換部材を、前記第1の原動機から独立して、前記第2の流体置換部材の第2の軸方向中央線の周りで第2の方向に回転させ、前記第1の表面を前記対応する第2の表面又は第3の表面に接触させて前記流体を第2の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる第2の原動機を含む、ポンプ。
(項目51)
前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、項目50に記載のポンプ。
(項目52)
前記第2の方向は前記第1の方向と同じである、項目50に記載のポンプ。
(項目53)
前記第1の流路及び前記第2の流路は同じ流路である、項目50に記載のポンプ。
(項目54)
前記第1の流路及び前記第2の流路は異なる流路である、項目50に記載のポンプ。
(項目55)
前記接触は前記第2のポートと前記第1のポートとの間の流体路を実質的に封止する、項目50に記載のポンプ。
(項目56)
前記流体は液圧流体である、項目50に記載のポンプ。
(項目57)
前記流体は水である、項目50に記載のポンプ。
(項目58)
前記ポンプは1rpmから5000rpmの範囲で動作する、項目56に記載のポンプ。
(項目59)
前記ポンプは1rpmから5000rpmの範囲で動作する、項目57に記載のポンプ。
(項目60)
前記第1の原動機及び前記第2の原動機は双方向である、項目50に記載のポンプ。
(項目61)
前記第1の原動機及び前記第2の原動機は可変速度である、項目50に記載のポンプ。
(項目62)
前記第1の原動機及び前記第2の原動機は互いに異なる速度で動作され得る、項目50に記載のポンプ。
(項目63)
流体をポンプの第1のポートから第2のポートへ移動させる方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するポンプケーシングを含み、更に第1の原動機、第2の原動機、複数の第1の突出部を有する第1の流体置換部材及び複数の第2の突出部及び複数の窪みの少なくとも1つを有する第2の流体置換部材を含み、前記方法は、
前記第1の原動機を回転させて、前記第1の流体置換部材を第1の方向に回転させて流体を第1の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる、第1の原動機を回転させるステップと、
前記第2の原動機を前記第1の原動機から独立して回転させて、前記第2の流体置換部材を第2の方向に回転させて前記流体を第2の流路に沿って前記第1のポートから前記第2のポートへ移動させる、第2の原動機を回転させるステップと、
前記第2の流体置換部材の速度を前記第1の流体置換部材の速度の99%から100%の範囲に同期させるステップと、
前記複数の第1の突出部の少なくとも1つの表面が前記複数の第2の突出部の少なくとも1つの表面又は前記複数の窪みの少なくとも1つの表面と接触するように、前記第1の置換部材と前記第2の置換部材との間を同期接触させるステップとを備える方法。
(項目64)
前記接触は前記第2のポートと前記第1のポートとの間の流体路を実質的に封止する、項目63に記載の方法。
(項目65)
液圧流体をポンピングするステップを更に備える、項目63に記載の方法。
(項目66)
水をポンピングするステップを更に備える、項目63に記載の方法。
(項目67)
前記ポンピングは1rpmから5000rpmの動作範囲でなされる、項目65に記載の方法。
(項目68)
前記ポンピングは1rpmから5000rpmの動作範囲でなされる、項目66に記載の方法。
(項目69)
前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、項目63に記載の方法。
(項目70)
前記第2の方向は前記第1の方向と同じである、項目63に記載の方法。
(項目71)
前記第1の流路及び前記第2の流路は同じ流路である、項目63に記載の方法。
(項目72)
前記第1の流路及び前記第2の流路は異なる流路である、項目63に記載の方法。
(項目73)
前記第1の原動機及び前記第2の原動機はどちらかの方向に回転され得る、項目63に記載の方法。
(項目74)
前記第1の原動機及び前記第2の原動機は可変速度である、項目63に記載の方法。
(項目75)
流体ドライバであって、
サポートシャフトと、
前記サポートシャフトに固定して連結される固定子と、
前記固定子の径方向外側から前記固定子を囲む回転子と、
前記回転子の径方向外側に配置され、前記回転子により支持される外部支持部材と、
前記外部支持部材から径方向外側に突出する複数のギヤ歯を有し、前記外部支持により支持されるギヤとを備える流体ドライバ。
(項目76)
流体ドライバであって、
サポートシャフトと、
前記サポートシャフトに固定して連結される固定子と、
前記固定子の径方向外側から前記固定子を囲む回転子と、
前記回転子から径方向外側に突出する複数のギヤ歯を有し、前記回転子により支持されるギヤとを備える流体ドライバ。
(項目77)
流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体ドライバ及び第2の流体ドライバとを有し、前記方法は、
前記第1の流体ドライバを第1の方向に回転可能に駆動するステップと、
前記第2の流体ドライバを前記第1の流体ドライバから独立して第2の方向に回転可能に同時に駆動するステップとを備える方法。
(項目78)
前記第1の流体ドライバと前記第2の流体ドライバとの間を同期接触させるステップを更に備える、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記第2の方向は前記第1の方向と同じである、項目78に記載の方法。
(項目81)
流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体ドライバ及び第2の流体ドライバとを有し、前記方法は、
前記第1の流体ドライバ及び前記第2の流体ドライバを互いに反対方向に回転させるステップと、
前記第1の流体ドライバと前記第2の流体ドライバとの間を同期接触させるステップを備える方法。
(項目82)
前記同期接触は前記第2の流体ドライバの速度を前記第1の流体ドライバの速度の99%から100%の範囲に同期させるステップを備える、項目81に記載の方法。
(項目83)
流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体ドライバ及び第2の流体ドライバとを有し、前記方法は、
前記第1の流体ドライバ及び前記第2の流体ドライバを互いに同じ方向に回転させるステップと、
前記第1の流体ドライバと前記第2の流体ドライバとの間を同期接触させるステップを備える方法。
(項目84)
前記同期接触は前記第2の流体ドライバの速度を前記第1の流体ドライバの速度の99%から100%の範囲に同期させるステップを備える、項目83に記載の方法。
(項目85)
流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体置換部材及び第2の流体置換部材とを有し、前記方法は、 前記第1の流体置換部材及び前記第2の流体置換部材を互いに反対方向に回転させるステップと、
前記第1の流体置換部材と前記第2の流体置換部材との間を同期接触させるステップを備える方法。
(項目86)
前記同期接触は前記第2の流体置換部材の速度を前記第1の流体置換部材の速度の99%から100%の範囲に同期させるステップを備える、項目85に記載の方法。
(項目87)
流体をポンプの入口から出口まで搬送する方法であって、前記ポンプは中に内部域を画定するケーシングと、第1の流体置換部材及び第2の流体置換部材とを有し、前記方法は、
前記第1の流体置換部材及び前記第2の流体置換部材を互いに同じ方向に回転させるステップと、
前記第1の流体置換部材と前記第2の流体置換部材との間を同期接触させるステップを備える方法。
(項目88)
前記同期接触は前記第2の流体置換部材の速度を前記第1の流体置換部材の速度の99%から100%の範囲に同期させるステップを備える、項目87に記載の方法。