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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】電力インタフェース
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20230302BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20230302BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20230302BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 F
G01R31/26 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020541510
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 KR2019001548
(87)【国際公開番号】W WO2019156490
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2018-0016201
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510149600
【氏名又は名称】ジュソン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンベ
(72)【発明者】
【氏名】クム ミンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ヨンテ
(72)【発明者】
【氏名】イ ギョングク
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-133330(JP,A)
【文献】特開平7-43384(JP,A)
【文献】特開2011-106980(JP,A)
【文献】特開平10-19991(JP,A)
【文献】特開平9-329625(JP,A)
【文献】米国特許第04649339(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06
G01R 1/04
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材に固定されて、上下方向に弾性力を与えるための弾性部材と、
前記弾性部材の上に配置される第1の接続端子と、
前記第1の接続端子と電気的に接続される第2の接続端子と、
前記弾性部材の歪み範囲を制限するように、前記弾性部材に固定される第1の領域と前記支持部材に固定される第2の領域を持つ可撓性シートと、
を備え、
前記可撓性シートは、可撓性シート全領域のうち前記弾性部材に固定される前記第1の領域と前記支持部材に固定される前記第2の領域を除く残りの領域において前記弾性部材及び支持部材と接触されないように配置され
前記弾性部材は、前記支持部材上において直立するように長さ及び幅が決定される、
電力インタフェース。
【請求項2】
前記第1の接続端子は、前記弾性部材の歪みにつれて移動自在となるように前記弾性部材の上に配置される請求項1に記載の電力インタフェース。
【請求項3】
前記可撓性シートは、前記第1の接続端子の移動につれて歪まれる請求項1に記載の電力インタフェース。
【請求項4】
前記第1の接続端子及び第2の接続端子は、前記可撓性シートの上に所定の接触面積を有するパッド状に形成される請求項1に記載の電力インタフェース。
【請求項5】
前記支持部材は、
前記可撓性シートの固定される位置が、前記弾性部材の固定される位置よりも上部となるように形成される段付き部を備える請求項1に記載の電力インタフェース。
【請求項6】
前記可撓性シートは、
前記弾性部材の上端の外側において下向きに折り曲げられて形成される請求項1に記載の電力インタフェース。
【請求項7】
支持部材と、
前記支持部材に固定されて、上下方向に弾性力を与えるための複数の弾性部材と、
前記複数の弾性部材の上にそれぞれ配置される複数の第1の接続端子と、
前記複数の第1の接続端子とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の接続端子と、
前記複数の弾性部材の歪み範囲を制限するように、前記複数の弾性部材に固定される第1の領域と前記支持部材に固定される第2の領域を持つ可撓性シートと、
を備え、
前記可撓性シートは、
可撓性シート全領域のうち前記複数の弾性部材に固定される前記第1の領域と前記支持部材に固定される前記第2の領域を除く残りの領域において前記複数の弾性部材及び支持部材と接触されないように配置され、
前記可撓性シートは、
前記複数の第1の接続端子の間においてそれぞれ少なくとも一部の領域が切り欠かれて形成される切欠部を備える
電力インタフェース。
【請求項8】
前記複数の第1の接続端子の移動範囲を制限するように前記複数の第1の接続端子同士をそれぞれ連結する可撓性連結シートをさらに備える請求項に記載の電力インタフェース。
【請求項9】
前記可撓性連結シートは、
前記複数の第1の接続端子同士間の長さよりも長く形成される請求項に記載の電力インタフェース。
【請求項10】
前記支持部材に固定されて、前記複数の第2の接続端子にそれぞれ試験電流を印加するためのプリント回路基板をさらに備える請求項に記載の電力インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力インタフェースに係り、さらに詳しくは、被検査体と試験駆動機器とを電気的に接続するための電力インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子とは、化合物半導体の特性を用いて、電気的信号を赤外線または光に変換して信号を授受したり光源として用いられたりする装置のことをいう。
【0003】
発光素子は、照明及び薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD:thin film transistor liquid crystal display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:plasma display panel)、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diodes)などをはじめとするディスプレイパネルなど種々さまざまな応用製品に適用されている。この種の発光素子は、基板の上に写真(photo)、拡散(diffusion)、蒸着(deposition)、エッチング(etching)及びイオン注入(ion implant)などの工程が繰り返し行われて製造される。
【0004】
一般に、発光素子の製造過程の最中には、製造された発光素子が正常に駆動されるか否かを予め確認するために、信頼性テストのためのエージング工程を経る。
【0005】
このようなエージング工程には、基本的なパーティクル検査が含まれ、エージングチャンバ内に発光素子を搬送して据え付けた状態で、所定の時間の間に電気的な信号を印加して正常に作動するか否かを検査する。
【0006】
発光素子が正常に作動するか否か検査するために、被検査体である発光素子と試験駆動機器とを電気的に接続するための電力インタフェースが用いられる。このような電力インタフェースとして、従来より、バネを組み込んだ本体にピンが取り付けられる形態を有するポゴピン(pogo pin)を主として用いてきた。
【0007】
しかしながら、従来より発光素子の検査のために用いられてきたポゴピンは、本体内においてバネによりピンが移動することにつれて、本体とピンとが面対面で接触してしまい、このような面対面接触に伴う擦れ合いにより持続的にパーティクルが生じ続けるという不都合があった。これにより、製造される発光素子の接触不良の発生率及び検査時間が増加し、パーティクルを除去するための追加工程にも長時間がかかってしまう結果、発光素子の歩留まり率が低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国公開特許第10-2005-0017759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、被検査体を弾性支持して試験駆動機器と電気的に接続することのできる電力インタフェースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係る電力インタフェースは、支持部材と、前記支持部材に固定されて、上下方向に弾性力を与えるための弾性部材と、前記弾性部材の上に配置される第1の接続端子と、前記第1の接続端子と電気的に接続される第2の接続端子と、前記弾性部材の歪み範囲を制限するように、一方の側は前記弾性部材に固定され、他方の側は前記支持部材に固定される可撓性シートと、を備え、前記可撓性シートは、前記弾性部材及び支持部材にそれぞれ固定される領域を除く残りの領域において前記弾性部材及び支持部材と接触されないように配置される。
【0011】
前記第1の接続端子は、前記弾性部材の歪みにつれて移動自在となるように前記弾性部材の上に配置されてもよい。
【0012】
前記弾性部材は、前記支持部材上において直立するように長さ及び幅が決定されてもよい。
【0013】
前記可撓性シートは、前記第1の接続端子の移動につれて歪まされてもよい。
【0014】
前記第1の接続端子及び第2の接続端子は、前記可撓性シートの上に所定の接触面積を有するパッド状に形成されてもよい。
【0015】
前記支持部材は、前記可撓性シートの固定される位置が、前記弾性部材の固定される位置よりも上部となるように形成される段付き部を備えていてもよい。
【0016】
前記可撓性シートは、前記弾性部材の上端の外側において下向きに折り曲げられて形成されてもよい。
【0017】
前記弾性部材、第1の接続端子及び第2の接続端子はそれぞれ複数配備され、前記複数の第1の接続端子は、前記複数の弾性部材の上にそれぞれ配置され、前記複数の第2の接続端子は、前記複数の第1の接続端子とそれぞれ電気的に接続されてもよい。
【0018】
前記可撓性シートは、前記複数の第1の接続端子の間においてそれぞれ少なくとも一部の領域が切り欠かれて形成される切欠部を備えていてもよい。
【0019】
前記電力インタフェースは、前記複数の第1の接続端子の移動範囲を制限するように前記複数の第1の接続端子同士をそれぞれ連結する可撓性連結シートをさらに備えていてもよい。
【0020】
前記可撓性連結シートは、前記複数の第1の接続端子同士間の長さよりも長く形成されてもよい。
【0021】
前記電力インタフェースは、前記支持部材に固定されて、前記複数の第2の接続端子にそれぞれ試験電流を印加するためのプリント回路基板をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態に係る電力インタフェースによれば、被検査体と電気的に接続される接続端子を弾性部材と可撓性シートとにより移動自在にすることができて、接続端子の移動に伴う擦れ合いが生じないようにし、これにより、パーティクルが生じることを防ぐことができる。
【0023】
また、被検査体と試験駆動機器との間の電気的な接続が可撓性シートに形成される導電パターンにより行われることから、電気的な接続経路を最短化させることができ、可撓性シートに接続端子を形成して被検査体及び試験駆動機器との間の電気的な接触面積を向上させてテスト電流の印加に伴う内部抵抗もまた効率よく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一般的に用いられるポゴピンの様子を示す図。
図2】本発明の一実施形態に係る電力インタフェースの様子を示す図。
図3】本発明の一実施形態に係る電力インタフェースが動作する様子を示す図。
図4】本発明の他の実施形態に係る電力インタフェースの様子を概略的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0026】
明細書の全般に亘って、「上部」または「下部」などの相対的な言い回しは、図示のごとく、他の要素に対するある要素の相対的な関係を述べるためにこの開示において用いられてもよい。相対的な言い回しは、図中に描かれる方向に加えて、素子の他の方向を網羅することを意図するものと理解され得る。ここで、同一の符号は、同一の要素を指し示す。
【0027】
図1は、一般的に用いられるポゴピンの様子を示す図である。ここで、図1(a)は、バネ30が伸びた状態の様子を示し、図1(b)は、バネ30が縮んだ状態の様子を示す。
【0028】
図1を参照すると、一般に用いられるポゴピンは、本体として用いられ、中空状の内部を有するバレル10(barrel)と、前記バレル10の内部の上端に配置される接触ティップ20(tip)と、前記バレル10の内部において前記接触ティップ20と連結されて縮み及び伸びの弾性力を与えるバネ30及び前記接触ティップ20と連結されたバネ30の反対側に連結されてピストン運動を行うプランジャ40(plunger)からなる。
【0029】
このようなポゴピンは、バネ30の縮み及び伸びによりプランジャ40と接触ティップ20とが機械的な衝撃を吸収しながら、被検査体、例えば、照明素子の連結端子と試験駆動機器との間を電気的に接続して電気的な機能検査を行う。
【0030】
しかし、このようなポゴピンは、バネ30の縮み及び伸びにより接触ティップ20及びプランジャ40が上下動しながらバレル10の内部と面対面で接触(図1における点線の部分)する。このような接触ティップ20及びプランジャ40とバレル10との内部の面対面接触により、接触ティップ20及びプランジャ40とバレル10は摩耗され、接触ティップ20及びプランジャ40とバレル10が摩耗されることにより、ポゴピンから持続的にパーティクルが生じ続ける。
【0031】
これにより、製造される照明素子の短絡及び接触不良の不良率が高くなり、基本的なパーティクル検査が含まれるエージング工程において照明素子の電気的な機能の検査にかかる時間が長引くだけではなく、パーティクルを除去するための追加工程にも長時間がかかって製造される照明素子の歩留まり率が各段に低下してしまうという不都合があった。
【0032】
このため、本発明の実施形態に係る電力インタフェースは、被検査体を弾性支持して試験駆動機器と電気的に接続するに当たって、弾性運動に伴う面対面での擦れ合いを防ぎ、これによるパーティクルの発生を極力抑えることのできる技術的な特徴を提示する。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態に係る電力インタフェースの様子を示す図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る電力インタフェースが動作する様子を示す図である。ここで、図3(a)は、弾性部材200が伸びた状態の様子を示し、図3(b)は、弾性部材200が縮んだ状態の様子を示す。
【0034】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る電力インタフェースは、支持部材100と、前記支持部材100に固定されて、上下方向に弾性力を与えるための弾性部材200と、前記弾性部材200の上に配置される第1の接続端子310と、前記第1の接続端子310と電気的に接続される第2の接続端子320と、前記弾性部材200の歪み範囲を制限するように、一方の側は前記弾性部材200に固定され、他方の側は前記支持部材100に固定される可撓性シート300と、を備える。
【0035】
支持部材100は、下部に配置されて、弾性部材200及び可撓性シート300の一部の領域を固定する。支持部材100は、一方向に延びるプレート状に形成されてもよく、前記支持部材100の上面には、弾性部材200が固定される。ここで、支持部材100は、弾性部材200及び可撓性シート300の一部の領域を固定するためのものであって、伝導性を有さないプラスチックなど合成樹脂の素材から形成されてもよい。
【0036】
弾性部材200は、前記支持部材100に下端が固定され、上部に向かって直立して上下方向に弾性力を与える。後述するように、第1の接続端子310は、弾性部材200の歪みにつれて移動自由となるように弾性部材200の上に配置されてもよい。したがって、弾性部材200は、第1の接続端子310を支持し、縮み及び伸びにより前記第1の接続端子310を上下に移動させることができなければならないため、弾性部材200は、支持部材100上において直立するようにその長さ及び幅が決定される。すなわち、弾性部材200は、長さが短くなればなるほど、かつ、幅が広くなればなるほど、支持部材100上において側方向に離脱することなく直立可能であるため、弾性部材200の長さ及び幅は、第1の接続端子310に弾性力を与える範囲内において最大限に短くなった長さと広くなった幅とを有するように決定されてもよい。
【0037】
弾性部材200としては、上部に向かって弾性力を与えるに当たって、面対面接触が行われない種々の部材が用いられてもよい。図面には、弾性部材200としてバネが用いられる一例が示されているが、弾性部材200としては、バネを用いることに何ら限定されることなく、屈曲形成されて、または折曲げ形成されて上部に向かって伸びたり縮んだりして弾性力を与える種々の部材を用いてもよいことはいうまでもない。
【0038】
ここで、弾性部材200の下端は、支持部材100の上面に固定され、上端は、可撓性シート300の底面に固定される。ここで、弾性部材200の下端と支持部材100の上面との間には、支持部材100の上面に弾性部材200を容易に結合するための第1の固定部材210が設けられてもよい。第1の固定部材210は、弾性部材200を嵌合させるための突起状に形成されてもよく、支持部材100の上面に対応する接触面を提供する形状に形成されてもよい。また、弾性部材200の上端と可撓性シート300の底面との間には、可撓性シート300を平らに支持するための第2の固定部材220が設けられてもよい。これらの第1の固定部材210及び第2の固定部材220は、支持部材100または可撓性シート300と一体に形成されてもよく、支持部材100または可撓性シート300と接着されて設けられてもよいことはいうまでもない。
【0039】
第1の接続端子310は、弾性部材200の上に配置され、第2の接続端子320は、前記第1の接続端子310と電気的に接続される。ここで、第1の接続端子310は、弾性部材200の上に延びた可撓性シート300の一方の側の上面に配置されて弾性部材200の歪みにつれて移動自在となるように弾性部材200の上に配置されてもよい。ここで、「弾性部材200の歪みにつれて移動自在」とは、移動に際して弾性部材200の歪みの他に、移動方向を制御する別途の構造体により直接的に支持されないような構造を意味し、このように、第1の接続端子310を弾性部材200の歪みにつれて移動自在とするように弾性部材200の上に配置する場合、第1の接続端子310の移動に伴う擦れ合いが生じなくなり、これにより、パーティクルが生じることを防ぐことが可能になる。
【0040】
また、第2の接続端子320は、前記第1の接続端子310と電気的に接続される。ここで、第2の接続端子320は、支持部材100に固定される可撓性シート300の他方の側の上面に配置されてもよく、第2の接続端子320は、第1の接続端子310とは、可撓性シート300の上面または内部に形成される導電パターンにより電気的に接続されてもよい。
【0041】
ここで、第1の接続端子310と、第2の接続端子320及び可撓性シート300は、前記第1の接続端子310と第2の接続端子320とを電気的に接続する回路パターンが組み込まれた軟性プリント回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board)から形成されてもよい。すなわち、第1の接続端子310と、第2の接続端子320及び可撓性シート300は、軟性フィルムに銅箔から導電パターンが形成されて可撓性を有する軟性回路基板から形成されてもよい。
【0042】
このように、本発明の一実施形態に係る電力インタフェースは、第1の接続端子310及び前記第1の接続端子310と電気的に接続される第2の接続端子320が可撓性シート300の上に位置して、被検査体50と試験駆動機器とを可撓性シート300上において電気的に接続することにより、内部抵抗を最小化させることができる。すなわち、前述したように、ポゴピンを電力インタフェースとして用いる場合、被検査体50と試験駆動機器とを電気的に接続する経路は、接触ティップ20とプランジャ40との間のバレル10及びバネにより形成される。これに対し、本発明の一実施形態に係る電力インタフェースは、バレル10及びバネを介して被検査体50と試験駆動機器とを電気的に接続するわけではなく、可撓性シート300の上に配置される第1の接続端子310と第2の接続端子320により被検査体50と試験駆動機器を電気的に接続することから、電気的な接続経路を最短化させることができるだけではなく、これに伴う内部抵抗もまた効率よく低減することが可能になる。
【0043】
第1の接続端子310及び第2の接続端子320は、接触性を向上させるために、所定の接触面積を有するパッド状に形成されてもよい。すなわち、第1の接続端子310は、被検査体50の接続端子55との接触性を向上させるためのパッド状に形成され、第2の接続端子320は、被検査体50の電気的な特性を検査するための試験駆動機器のプリント回路基板との接触性を向上させるためにパッド状に形成されてもよい。図示はしないが、第1の接続端子310及び第2の接続端子320の上面には複数の突起が形成されて、被検査体50及び試験駆動機器との接触性をさらに向上させることができる。
【0044】
可撓性シート300は、弾性部材200の歪み範囲を制限するように、一方の側は前記弾性部材200に固定され、他方の側は前記支持部材100に固定される。すなわち、可撓性シート300は、一方の側が弾性部材200の上端に固定され、他方の側が支持部材100に固定されるように延設される。ここで、可撓性シート300は、弾性部材200の縮み及び伸びに伴う第1の接続端子310の移動及び弾性部材200の側方向への歪みに伴う第1の接続端子310の移動につれて歪まされるとともに、弾性部材200の歪み範囲を制限する。このような可撓性シート300は、外部から圧力が加えられる場合、柔軟に撓む性質を有するフィルム状に形成され、可撓性シート300の素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなど弾力性のある種々さまざまな合成樹脂の素子を用いることができる。
【0045】
ここで、可撓性シート300は、一方の側が弾性部材200の上端に固定され、他方の側が支持部材100に固定されて、弾性部材200の上端及び支持部材100にそれぞれ固定される領域を除く残りの領域において弾性部材200及び支持部材100と接触されないように配置される。可撓性シート300は、一方の端が弾性部材200の上端に固定され、他方の端が支持部材100に固定されるように形成されてもよく、図示はしないが、両端が支持部材100にそれぞれ固定され、両端間の一部の領域が弾性部材200の上端に固定されるように形成されてもよいことはいうまでもない。なお、可撓性シート300は、一方の端が弾性部材200の上端に固定され、他方の端が弾性部材200の下端における支持部材100に固定されるように形成されるなど弾性部材200の歪み範囲を制限する範囲内において種々に配置されてもよいことはいうまでもない。
【0046】
さらに、可撓性シート300は、一部の領域が支持部材100の上面に固定されてもよい。すなわち、支持部材100において、弾性部材200が固定される領域を第1の領域Aとし、可撓性シート300が固定される領域を第2の領域Bとしたとき、第1の領域A及び第2の領域Bは、それぞれ支持部材100の上面に形成されてもよい。この場合、可撓性シート300は、弾性部材200に固定される領域と、支持部材100に固定される領域とが側方向に配置されて、弾性部材200が縮んだり伸びたりする場合であっても、弾性部材200と接触されないことが可能になる。
【0047】
ここで、可撓性シート300は、弾性部材200の縮みまたは伸びを許容する範囲内において弾性部材200が側方向に歪んだり離脱したりすることを制限する役割を果たす。このため、支持部材100は、可撓性シート300が固定される位置である第2の領域Bが弾性部材200が固定される位置である第1の領域Aに比べて上部に位置するように形成される段付き部110を備えていてもよい。段付き部110は、支持部材100の上面から上部へと突設され、このように、支持部材100に第2の領域Bが第1の領域Aに比べて上部に位置するように段付き部110が形成される場合、第2の領域Bが第1の領域Aと面一になるように配置される場合に比べて、弾性部材200及び支持部材100の間において延びる可撓性シート300の長さを短くすることができ、これにより、弾性部材200が側方向に歪んだり離脱したりすることをさらに容易に制限することが可能になる。
【0048】
すなわち、図2の場合において、可撓性シート300は、弾性部材200が左側の向きに傾く場合、引っ張り力を与えて歪んだり離脱したりすることを防ぐ。図示はしないが、可撓性シート300の両端が支持部材100に固定され、両端間の一部の領域が弾性部材200の上端に固定されるように形成される場合、可撓性シート300は、弾性部材200が左側及び右側の向きに傾く場合、引っ張り力を与えて歪んだり離脱したりすることを防ぐことができる。また、可撓性シート300は、一定の幅を有するように形成されるので、弾性部材200が前面または後面に傾く場合であっても引っ張り力を与えることが可能になる。この場合、可撓性シート300は、弾性部材200の側方向への歪みを完全に防ぐことはできないが、パーティクルの発生によるより深刻な問題が引き起こされ、被検査体50の接続端子55の幅及びピッチが比較的に大きく形成される照明素子などに適用するに当たっては、弾性部材200の歪み範囲を所定の範囲に制限することにより、むしろ構成の単純化及び製造コストの節減化を両立させることが可能になる。
【0049】
さらにまた、可撓性シート300は、弾性部材200の上端の外側において下向きに折り曲げられて形成されてもよい。すなわち、第1の接続端子310は、弾性部材200の上端の上に配置されて上部に露出されるため、第1の接続端子310のみを上部に露出させ、第1の接続端子310と第2の接続端子320とを電気的に接続する導電パターンが上部に露出されることを極力抑えて、被検査体50の接続端子55と第1の接続端子310とが接続されるように、可撓性シート300は、弾性部材200の上端の外側、すなわち、第1の接続端子310の外側において下向きに折り曲げられるように形成されてもよい。
【0050】
このような本発明の一実施形態に係る電力インタフェースは、弾性部材200の縮みまたは伸びにつれて可撓性シート300の上に形成された第1の接続端子310が上下に移動するに当たって、面対面接触が省略されたような構造を有する。
【0051】
すなわち、第1の接続端子310は、可撓性シート300により移動範囲が制限された状態で支持部材100が載置される治具Zなどが被検査体50を押し付けることにより、前記可撓性シート300の下部に配置された弾性部材200の弾性力により上下に移動し、第1の接続端子310の移動につれて弾性部材200及び支持部材100とのいかなる面対面接触も行われない。これにより、弾性部材200の弾性力により第1の接続端子310が移動するに当たって、擦れ合いに起因してパーティクルが生じることを防ぐことが可能になる。
【0052】
また、前述した本発明の一実施形態に係る電力インタフェースは複数配備され、複数の電力インタフェースは隣り合うように配置されてもよい。すなわち、被検査体50の複数の接続端子55とそれぞれ電気的に接続されるために、前記電力インタフェースは、一定の間隔を隔てて複数配置されてもよく、この場合、それぞれの電力インタフェースは、支持部材100が嵌着されるための溝が刻設される別途の構造物に嵌入して配置されてもよい。なお、電力インタフェースは、一部の構造が一体に形成されて被検査体50の複数の接続端子55とそれぞれ電気的に接続されるように形成されてもよく、これに伴う本発明の他の実施形態に係る電力インタフェースについては、以下において詳しく説明する。
【0053】
図4は、本発明の他の実施形態に係る電力インタフェースの様子を概略的に示す斜視図である。
【0054】
図4を参照すると、本発明の他の実施形態に係る電力インタフェースは、前述した本発明の一実施形態に係る電力インタフェースにおいて、弾性部材200、第1の接続端子310及び第2の接続端子320はそれぞれ複数配備され、前記複数の第1の接続端子312、314、316は、前記複数の弾性部材200の上にそれぞれ配置され、前記複数の第2の接続端子322、324、326は、前記複数の第1の接続端子312、314、316とそれぞれ電気的に接続されて構成される。
【0055】
すなわち、本発明の他の実施形態に係る電力インタフェースは、前述した本発明の一実施形態に係る電力インタフェースと比較するとき、一体化した支持部材100及び可撓性シート300を有する点で相違点がある。前記一体化した支持部材100及び可撓性シート300と関連する内容を除いては、本発明の一実施形態に係る電力インタフェースと関連して前述した内容がそのまま適用可能であるため、これについての重複する説明は省略する。
【0056】
支持部材100は、下部に配置されて、複数の弾性部材200及び前記複数の弾性部材200の上端を固定する可撓性シート300の一部の領域を固定する。支持部材100は、可撓性シート300の一部の領域を固定するための一方向及び複数の弾性部材200が配列される他方向にそれぞれ延びるプレート状に形成されてもよい。ここで、複数の弾性部材200が固定される領域を第1の領域とし、可撓性シート300が固定される領域を第2の領域としたとき、第1の領域は、複数の弾性部材200が配列される方向に沿って延び、第2の領域は、複数の第2の接続端子320が配列される方向に沿って延設されてもよい。なお、前述したように、支持部材100は、伝導性を有さないプラスチックなどの合成樹脂の素材から形成されてもよい。
【0057】
ここで、複数の弾性部材200は第1の領域にそれぞれ固定され、可撓性シート300は第2の領域に固定されるため、第1の領域及び第2の領域は、それぞれ支持部材100の上面に形成されてもよい。また、支持部材100は、第2の領域が第1の領域に対して上部に位置するように形成される段付き部110を備えていてもよい。このように、既述したように、第1の領域と第2の領域とをそれぞれ支持部材100の上面に形成することにより、複数の弾性部材200を固定する領域と可撓性シート300を固定する領域とを側方向に配置することが可能になって、各弾性部材200が縮んだり伸びたりする場合であっても、可撓性シート300が弾性部材200と接触されないことが可能になり、第2の領域を第1の領域に比べて上部に位置させることにより、可撓性シート300の長さを短くすることができるだけではなく、各弾性部材200が側方向に離脱することをさらに容易に制限することができる。
【0058】
弾性部材200は、それぞれ支持部材100に下端が固定され、上部に向かってそれぞれ弾性力を与える。弾性部材200は、縮んだり伸びたりするに当たって、面対面接触構造を与えないバネを用いることが好ましいが、これに加えて、屈曲形成されるか、あるいは、折曲げ形成されて上部に向かって縮んだり伸びたりして弾性力を与える種々さまざまな部材を用いてもよいことはいうまでもない。なお、図4には、複数の弾性部材200が一方向に沿って配列されて支持部材100にそれぞれ下端が固定されることが示されているが、各弾性部材200は、被検査体の接続端子の配列に応じて、これとは異なるように配列されて固定されてもよいことはいうまでもない。
【0059】
可撓性シート300は、複数の弾性部材200の上端及び支持部材100にそれぞれ固定されるように延び、可撓性シート300の上面には、各弾性部材200の上端の上に配置されて上部に露出される複数の第1の接続端子312、314、316及び前記複数の第1の接続端子312、314、316とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の接続端子322、324、326が配置される。
【0060】
すなわち、可撓性シート300は、一部の領域が各弾性部材200の上端に一体に固定され、他の一部の領域が支持部材100に固定され、各弾性部材200の上端及び支持部材100にそれぞれ固定される領域を除く残りの領域において弾性部材200及び支持部材100と離れるように配置される。ここで、可撓性シート300は、弾性部材200の縮みまたは伸びを許容する範囲内において弾性部材200が側方向に離脱することを制限する役割を果たす。なお、可撓性シート300は、外部から圧力が加えられる場合、柔軟に撓む性質を有するフィルム状に形成され、可撓性シート300の上に露出される複数の第1の接続端子312、314、316及び第2の接続端子322、324、326は、導電パターン332、334、336によりそれぞれ電気的に接続される。ここで、複数の第1の接続端子312、314、316は、図示のごとく、複数の第2の接続端子322、324、326とそれぞれ一対一で対応するように電気的に接続されてもよいが、複数の第1の接続端子312、314、316の一部が一つの第2の接続端子に電気的に接続されるように導電パターンが形成されてもよいことはいうまでもない。なお、このように、可撓性シート300の上に複数の第1の接続端子312、314、316、複数の第2の接続端子322、324、326及び各導電パターン332、334、336を容易に形成するために、回路パターンが組み込まれた軟性プリント回路基板を用いることができることは上述した通りである。
【0061】
ここで、第1の接続端子が各弾性部材200の上端の上に配置される場合、可撓性シート300は各弾性部材200の上端に一体に固定されるため、各第1の接続端子は、下部に配置される弾性部材200の縮み及び伸びにつれて他の第1の接続端子に対して個別的に上下動するに当たって制約を受けてしまう。このため、可撓性シート300は、複数の第1の接続端子312、314、316の間の少なくとも一部の領域が切り欠かれるように形成される複数の切欠部350を備えていてもよい。ここで、各切欠部350は、隣り合う第1の接続端子の間において可撓性シート300を一部切り欠くことにより形成されてもよく、これにより、各第1の接続端子312、314、316は、下部に配置される弾性部材200の縮み及び伸びにつれて個別的に上下動することが可能になる。
【0062】
また、複数の切欠部350は、弾性部材200の上端から下向きに延設されてもよい。すなわち、複数の切欠部350は、複数の第1の接続端子312、314、316の間の少なくとも一部の領域から下部に向かって延びた領域に対して可撓性シート300を切り欠くことにより形成されてもよい。ここで、可撓性シート300は、複数の弾性部材200の上端、すなわち、複数の第1の接続端子312、314、316の外側において下向きに折り曲げられて形成されてもよく、この場合、複数の第1の接続端子312、314、316が一方向に沿って配置されない場合であっても、複数の切欠部350を弾性部材200の上端から下向きに延設することにより、可撓性シート300が弾性部材200の上端においてそれぞれ下向きに折り曲げられるように形成することが可能になる。
【0063】
さらに、本発明の実施形態に係る電力インタフェースは、複数の第1の接続端子310の間をそれぞれ連結する可撓性連結シート400をさらに備えていてもよい。すなわち、複数の切欠部350により可撓性シート300の複数の第1の接続端子312、314、316の間の少なくとも一部の領域が切り欠かれる場合、可撓性連結シート400は、切り欠かれた一部の領域内において複数の第1の接続端子312、314、316同士間をそれぞれ連結する。ここで、可撓性連結シート400は、第1の接続端子の移動範囲を制限するように、すなわち、各第1の接続端子が弾性部材200の側方向に傾くことにつれて側方向に移動することを防ぐために配備され、この場合、可撓性連結シート400は、複数の第1の接続端子312、314、316同士間のそれぞれの長さよりも長く形成されてもよく、この場合、前記可撓性連結シート400は、前記複数の第1の接続端子312、314、316の間においてそれぞれ下向きに屈曲するように形成されてもよい。すなわち、可撓性連結シート400を複数の第1の接続端子312、314、316同士間の長さに等しくする場合、複数の第1の接続端子312、314、316の間に切欠部350が形成されない状態と同様になり、この場合、各第1の接続端子は、それぞれ別々に移動する上で制約を受けてしまう。しかしながら、可撓性連結シート400を複数の第1の接続端子312、314、316同士間の長さよりもそれぞれ長く形成することにより、各第1の接続端子は、他の第1の接続端子との干渉なしにそれぞれ別々に移動することが可能になり、可撓性連結シート400の長さを調節して各第1の接続端子が側方向に移動することを所定の範囲において制限することが可能になる。このように、本発明の実施形態に係る電力インタフェースによれば、可撓性シート300の一部の領域を弾性部材200の側方向へと離間させて固定し、複数の第1の接続端子312、314、316の間に形成される切欠部350の一部の領域を可撓性連結シート400により連結することにより、各第1の接続端子の両側面だけではなく、前面と背面への移動まで制限することが可能になって、各第1の接続端子が捩じれたり離脱したりすることを防ぐことが可能になる。
【0064】
さらにまた、本発明の他の実施形態に係る電力インタフェースは、可撓性シート300の上に配置された複数の第2の接続端子322、324、326にそれぞれ試験電流を印加するための回路パターンが組み込まれたプリント回路基板(図示せず)をさらに備えていてもよい。ここで、プリント回路基板は、試験駆動機器から印加される試験電流を複数の第2の接続端子322、324、326に印加するための構成要素であり、プリント回路基板は、組み込まれた回路パターンが支持部材100上において可撓性シート300の上に配置された複数の第2の接続端子322、324、326に電気的に接続されるように支持部材100に固定されてもよい。プリント回路基板は、ボルトなどにより支持部材100の上に締め付けられてもよく、支持部材100にプリント回路基板を直接的に締め付けることにより、プリント回路基板が第2の接続端子322、324、326との電気的な接続を保ちながら強固に結合されることが可能になる。
【0065】
このように、本発明の実施形態に係る電力インタフェースによれば、被検査体と電気的に接続される接続端子を弾性部材200と可撓性シート300とにより移動自在にすることができて、接続端子の移動に伴う擦れ合いが生じないようにし、これにより、パーティクルが生じることを防ぐことができる 。
【0066】
また、被検査体と試験駆動機器との間の電気的な接続が可撓性シート300に形成される導電パターンにより行われることから、電気的な接続経路を最短化させることができ、可撓性シート300に接続端子を形成して被検査体及び試験駆動機器との間の電気的な接触面積を向上させてテスト電流の印加に伴う内部抵抗もまた効率よく低減することができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態が特定の用語を用いて説明及び図示されたが、これらの用語は、単に本発明を明確に説明するためのものに過ぎず、本発明の実施形態及び記述された用語は、特許請求の範囲の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び変化が加えられるということは明らかである。これらの変形された実施形態は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明の特許請求の範囲内に属するものといえるべきである。
図1
図2
図3
図4