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特許7236449使い捨てバイオリアクタ/ミキサのための取り外し可能な溶存酸素センサインターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】使い捨てバイオリアクタ/ミキサのための取り外し可能な溶存酸素センサインターフェース
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/404 20060101AFI20230302BHJP
   G01N 27/28 20060101ALI20230302BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
G01N27/404 341R
G01N27/28 301A
G01N27/416 323
G01N27/404 341U
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020545098
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019781
(87)【国際公開番号】W WO2019168942
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】62/636,408
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/277,224
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ダーカー,アンドリュー・エス
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジンポー
(72)【発明者】
【氏名】ラッチ,タイレル・エル
(72)【発明者】
【氏名】サムラル,リック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アーメド,タウフィック
(72)【発明者】
【氏名】ボウルズ,ライアン・エル
(72)【発明者】
【氏名】アドキンス,マイケル・ジェイ・エー
(72)【発明者】
【氏名】メイスン,マーク・アール
(72)【発明者】
【氏名】シモン,ジョン・ダブリュー
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-530249(JP,A)
【文献】実開昭63-038053(JP,U)
【文献】実開昭51-163995(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0160677(US,A1)
【文献】特表2005-539244(JP,A)
【文献】特表2001-505662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26-27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DOセンサを使い捨て容器に結合させるためのDOセンサインターフェースであって、
使い捨て容器に動作可能に結合され、前記使い捨て容器内で少なくとも部分的にDOセンサを位置付けるように構成された溶存酸素(DO)窓膜と、
前記使い捨て容器の出入口に結合するように構成されたDO窓本体であって、前記使い捨て容器の出入口を通過して前記使い捨て容器内に配置されるように構成された前記DO窓膜を端部に実装しているDO窓本体と、
前記DO窓膜を前記DO窓本体にシーリングして結合するエンドキャップを含む、DOセンサインターフェース。
【請求項2】
前記DO窓本体にシールされ、前記DOセンサを受容するように構成されたセンサアダプタをさらに含む、請求項1記載のDOセンサインターフェース。
【請求項3】
前記DO窓本体内に配置されたDOセンサをさらに含み、
前記DOセンサは、前記DO窓膜に隣接して配置されたDOセンサ膜を有し、
前記DOセンサは、前記使い捨て容器内に、前記使い捨て容器の前記出入口に対して配置された温度感知素子を有している、請求項1記載のDOセンサインターフェース。
【請求項4】
前記エンドキャップは、スナップ動作を介して前記DO窓本体に結合するように構成されている、請求項1記載のDOセンサインターフェース。
【請求項5】
前記エンドキャップは、前記DO窓本体に溶接される、請求項1記載のDOセンサインターフェース。
【請求項6】
前記エンドキャップは、前記DO窓本体に螺合可能に係合するように構成されている、請求項1記載のDOセンサインターフェース。
【請求項7】
液密シールを生成するために前記エンドキャップと前記DO窓本体との間に配置されたシールリングをさらに含む、請求項1記載のDOセンサインターフェース。
【請求項8】
DOセンサを受容するように構成されたDO窓本体であって、バイオリアクタ容器フランジを通して延在するように構成された遠位端部分を有するDO窓本体と、
遠位端部分に配置されたDO窓膜と、
前記DO窓膜を前記DO窓本体にシーリングして結合するエンドキャップを含み、
前記DO本体の前記遠位端部分は、少なくとも1つの熱交換フィンを含む、DO窓アセンブリ。
【請求項9】
少なくとも1つの熱交換フィンが、前記DO窓本体の前記遠位端部分を取り囲む環状リングとして形成される、請求項8記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項10】
各々前記遠位端部分を取り囲む環状リングとして形成された複数の熱交換フィンをさらに含み、
前記複数の熱交換フィンは、前記DO窓本体の外部表面上で離間されている、請求項8記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項11】
前記DO窓本体内に配置されたDOセンサをさらに含み、
前記DOセンサは、少なくとも1つの熱交換フィンに近接して配置された温度感知素子を有している、請求項8記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項12】
DOセンサを受容するように構成されたDO窓本体であって、イオリアクタ容器フランジを通して延在するように構成された遠位端を有するDO窓本体と、
遠位端部分に配置されたDO窓膜と、
前記DO窓膜を前記DO窓本体にシーリングして結合するエンドキャップを含み、
スライドロックが係合された場合、前記DO窓本体に対する前記DOセンサの軸方向の移動を抑制するために前記DOセンサに係合するように構成された前記スライドロックと、
を含む、DOセンサ窓アセンブリ。
【請求項13】
前記スライドロックは、前記DOセンサが通過する開口部を含む、請求項12記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項14】
前記スライドロックは、前記DOセンサが前記DO窓本体に対して軸方向に回転して移動できる第1の位置と、前記DO窓本体に対する前記DOセンサの軸方向の回転移動が抑制される第2の位置と、を有する、請求項13記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項15】
前記スライドロックは、スライドすることによって前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動可能である、請求項14記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項16】
前記スライドロックは、前記DO窓本体上の一対の軸受台の間をスライドする、請求項15記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項17】
前記スライドロックは、前記スライドロックのスライド移動を制限するために、軸受台に配置された少なくとも1つのタブと相互作用する少なくとも1つのリッジを含む、請求項16記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【請求項18】
前記スライドロックは、前記第1の位置と前記第2の位置に対応する移動を示す表面表示を含む、請求項14~17のいずれかに記載のDOセンサ窓アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
酸素は、単に全ての生存生物のサイクルに由来するその役割により、著しい関心対象となる気体である。酸素濃度又は部分的な圧力の測定は、さまざまな幅広い用途において重要である。一部の用途では、気体酸素濃度が直接測定される。他の用途では、液体中に溶存する酸素濃度が測定される。「溶存酸素」という用語は、水中に溶存する気体酸素分子を指すことを理解することが重要であり、水分子(HO)中に見られる混合酸素原子と混同すべきではない。
【0002】
溶存酸素の測定について見込みある用途は、生物学的試料におけるものである。これらの生物学的試料は、実験室のインビトロ試料であってもよいし、又は患者のインビボ試料であってもよい。生物学的試料中の溶存酸素の測定は、医療提供者に対して重要な診断情報及び/又は特定の治療の有効性についての情報を提供する。しばしば、生物学的試料は、バイオリアクタ/ミキサ内に含有され、溶存酸素測定は、そこに含有される生物量の状態について重要な情報を提供する。
【0003】
生命科学産業は、広大な、所定の場所での洗浄(CIP)基盤を有するステンレス鋼から作られた資本集約的な大設備から、使い捨てバイオリアクタとして役目を果たすポリマーの袋又は容器を利用する、より小さな設備に移行している。使い捨てバイオリアクタ袋又は容器は、一度使用されたらその後廃棄される。使い捨てバイオリアクタを使用することは、工場で必要とされる資本コストを著しく低減させる。例えば、ステンレス鋼のCIP洗浄基盤を使用する既存の設備では、作動コストの90%までが、蒸気洗浄サイクルに耐えるように設計された非常に高級な機器装備を含むCIP洗浄基盤によるものであり得る。使い捨てバイオリアクタ容器に移行することによって、資本コストのCIP部分は取り除かれ得るし、設備はより柔軟ではるかに小さくなり得、ひいては、例えばより標的を定められた薬物療法や他の小規模な適用に必要とされる、より小さなバッチの生産を可能にする。
【0004】
既知の溶存酸素センサが、米国特許第8,828,202号において提供されている。上記で識別される特許の設計では、センサ窓膜は容器の壁に配置され、溶存酸素(DO)センサは完全に容器の外にある。この構成は、使い捨て環境で溶存酸素を感知するのに有用であるが、改善がなされ得る。
【発明の概要】
【0005】
溶存酸素センサを使い捨てバイオリアクタ容器に結合させるためのインターフェースが提供される。溶存酸素(DO)窓膜は、使い捨て容器に動作可能に結合され、少なくとも部分的に使い捨て容器内でDOセンサを位置付けるように構成されている。いくつかの実施態様では、DO窓本体は、その遠位端にDO窓膜を実装する。DO窓本体は、DO窓本体内でのDOセンサの位置付けを促進するためのスライドロックを含み得る。さらに、DO窓本体は、少なくとも1つの熱交換用フィンを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】既知の設計(図1A)を本発明の実施態様による設計(図1B)と対比する概略断面図である。
図1B】既知の設計(図1A)を本発明の実施態様による設計(図1B)と対比する概略断面図である。
図2A】それぞれ、本発明の実施態様による溶存酸素センサの概略正面図及び断面図である。
図2B】それぞれ、本発明の実施態様による溶存酸素センサの概略正面図及び断面図である。
図3】本発明の実施態様による溶存酸素センサのロックフューチャーを示す概略平面図である。
図4A】本発明の実施態様によるDOセンサのためのスライドロックの概略図である。
図4B】本発明の実施態様によるDOセンサで使用されるスライドロックの概略図である。
図5A】本発明の実施態様によるDO窓に固定されるDO膜の概略図である。
図5B】本発明の実施態様によるDO窓に固定されるDO膜の概略図である。
図5C】本発明の実施態様によるDO窓に固定されるDO膜の概略図である。
図5D】本発明の実施態様によるDO窓に固定されるDO膜の概略図である。
図6A】本発明の実施態様による伸縮可能かつ弾性的な感知窓膜を通した従来のDOセンサのバイオリアクタ容器へのインターフェース接続の概略的な表示である。
図6B】本発明の実施態様による伸縮可能かつ弾性的な感知窓膜を通した従来のDOセンサのバイオリアクタ容器へのインターフェース接続の概略的な表示である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
例示的実施態様の詳細な説明
本明細書において記載する実施態様は、一般的に、センサ接続窓膜及び膜ホルダを介して溶存酸素センサを使い捨てバイオリアクタ容器に接続するシステム及び方法に関する。本システムは、一実施態様では、センサ接続窓膜及び溶存酸素センサを使い捨てバイオリアクタ容器内に延在させ、このことはより良い温度補償を提供すると思われる。本明細書において使用されるとき、使い捨てバイオリアクタ容器は、使い捨てプロセスのために適切な任意の容器又は保持容器を包含するように意図され、使用後に再使用ではなく廃棄される。好ましい例は、可撓性の高分子壁を有する袋である。さらに、いくつかの実施態様はまた、溶存酸素センサをセンサ窓に固定するためのロック機構を提供する。
【0008】
温度は、溶存酸素測定のための重要なパラメータである。これは、センサ膜の透過性及び水中の酸素の溶解度を変化させることによって、測定に影響を及ぼす。したがって、溶存酸素(DO)センサに組み込まれた内部温度素子がある。
【0009】
既知の溶存酸素(DO)センサ設計は、一般的に、センサ接続窓膜及び膜ホルダを介して使い捨てバイオリアクタ容器にDOセンサを取り付ける方法を提供する。しかしながら、センサ窓膜は典型的に容器の壁に設置され、DOセンサ(及びその内部温度素子)は完全に容器の外に配置される。このことは、温度補償に関する問題を潜在的に生成することがある。典型的なバイオリアクタ容器について、内部プロセスが36.5℃で制御されるのに対し、室温は通常20~25℃である。したがって、取り付けられた溶存酸素センサを通した温度勾配及び溶存酸素センサの温度補償は正確ではない。ある観測において、バイオリアクタ容器の温度は36.5℃であり、DOセンサの温度読み取りは28.1℃であった。この温度不一致は、著しい測定誤差を生じるおそれがある。
【0010】
この問題を扱うために、本明細書において記載する少なくともいくつかの実施態様は、使い捨て容器の中に延在するセンサ接続窓膜及び膜ホルダを提供することで、接続窓膜、DOセンサ膜、及びセンサ内部温度素子が、プロセスにより熱平衡に到達し得る。このことは、より良いセンサ温度補償を提供し、したがってより高い測定精度をもたらす。
【0011】
図1A及び1Bは、既知の設計(図1A)を本発明の実施態様による設計(図1B)と対比する概略断面図である。図1Aにおいて、既知の溶存酸素実装システム100は、使い捨て容器104の側壁102に結合されている。システム100は、溶存酸素センサ108を受容するサイズの管状のセンサ受容部分106を含む。システム100はまた、使い捨て容器104の側壁102に実装されたフランジ部分110を含む。フランジ部分110はまた、容器を流体的にシーリングする酸素透過膜112を含み、他の点では、センサ108が容器104内の試料114のDO内容物を測定できるように、酸素が通過するのを可能にする。概略の目的で、温度センサ116は、温度に対するDO値を補償するためのセンサ108内に示されている。しかしながら、FIG1Aに見ることができるように、温度センサ116は容器104の外部にあり、したがって周囲温度118に影響されやすく、このことは、温度センサ116に試料114及び膜112の温度とは異なる値を読み取らせることがある。
【0012】
図1Bは、本発明の実施態様によるDOセンサホルダの概略図である。図1Bに示される要素の一部は図1Aのものと類似であり、同様の構成要素が類似して番号付けされている。より詳細には、システム100に結合された同一のDOセンサ108は、溶存酸素実装システム200に結合され得る。しかしながら、システム200は、センサを容器104内に移動させた位置にセンサ108を実装する。システム200は、DOセンサ108を受容するサイズの管状のセンサ受容スリーブ又は部分206を含む。部分206は、容器104の側壁102に結合するフランジ210に結合される。しかしながら、管状のセンサ受容部分206はまた、容器の内部から離れて延在するフランジ210の反対側の壁に一部分を含む。この方法で、管状のセンサ受容部分206の少なくとも一部分は、容器内に配置されて試料114によって囲まれるように構成されている。さらに、センサ108の温度感知素子116は、実装システム100においてよりも、試料114の近くに配置される。このことは、素子116が試料114及び/又は膜112の温度をより正確に示すことを確実にするのを支援する。
【0013】
図2A及び2Bは、それぞれ、本発明の実施態様による溶存酸素センサの概略正面図及び断面図である。DO窓本体250は、バイオリアクタ容器フランジ252内に挿入され、これは使い捨て容器の壁に固定されてシーリングされるフランジ部分253を含む。窓本体250は、窓本体250の外側の部分を覆う弾性的なプラスチックチューブ254(実体を示さず)によってバイオリアクタ容器フランジ252に固定されることが好ましい。シール溝264は、使い捨て容器からの試料漏れを防ぐために、Oリングを受容して保持するように構成されている。現在既知の又は後に開発される任意の適切なDOセンサであってもよいDOセンサが、DO窓本体250の中に挿入されて、センサアダプタ258を介して固定される。センサアダプタ258は、DOセンサ260の挿入及びアラインメントを促進するサムプレス262を含有する。一実施態様において、センサアダプタ258はまた、DOセンサ260が窓本体250内で回転するのを防ぐフューチャー262を含有する(図3により詳細に示す)。
【0014】
図2A及び2Bに示されるように、第2のシール要素(例えば、Oリング)256は、センサアダプタ258の底部に近接して設けられて、大気中の酸素がDOセンサ先端に到達して干渉を引き起こすのを防ぐ。DO窓膜272は、膜キャップ274を使用してDO窓本体の端部に固定され、これは、図5A図5Dに対してより詳細に記載される。DO窓本体250は、複数の熱交換フィン276を含んでもよいし又は含まなくともよい。図示した実施態様では、フィン276は、DO窓本体250を取り囲むいくつかの環状リングの形態で提供される。しかしながら、フィン276は、さらに又はあるいは、DO窓本体250の軸に沿って長手方向にあり得ることが明示的に意図される。熱交換フィン276は、試料114と直接接触して、DOセンサ内の温度感知素子(例えば素子116)への熱流れを改善するのを支援する。
【0015】
図3は、本発明の実施態様による溶存酸素センサのロックフューチャーを示す概略平面図である。スライドロック265は、第1の部分と第2の部分との間を矢印300の方向に移動可能である。第1の位置では、スライドロック265は、DOセンサ108が挿入されるか又はDO窓本体250から引き出されるのを可能にする。さらに、第1の位置では、DOセンサ108は、DO窓センサ本体250内で回転され得る。しかしながら、スライドロック265を第2の位置にスライドして移動させた場合、より小さな径302がDOセンサ108の一部分に係合して、軸方向の及び回転の移動を防ぐ。この方法により、DOセンサ108が所定の場所にロックされる。
【0016】
図4A及び4Bは、それぞれ、本発明の実施態様によるDOセンサのためのスライドロック及びDOセンサで使用されているスライドロックの概略図である。スライドロック265は、軸受台322内でスライドする側壁320を含む。スライド移動はまた、軸受台322のタブ326と相互作用するスライドロック265上のリッジ324によって制約される。さらに、図4Aにおいて示すように、スライドロック265はまた、ロックされた/ロックされていない位置に対応するスライド方向の指示をユーザに提供する表示を含んでもよい。
【0017】
スライドロック265は、操作中、所定の場所にDOセンサ108を固定するのを支援して、エンドユーザにロックアウト/タグアウト能力を提供する。ロックアウト/タグアウトは、危険性のある機械が適切に遮断されてメンテナンスや修理の完了まで再び始動できないことを確実にする安全性手順である。本実施態様では、スライドロック265は、特定の向きにスライドロック265を維持するために機械的ロックを固定する開口部を含んでもよい。機械的ロックがスライドロック265において開口部を通して固定された場合、スライドロック265は、位置を切り替えなくてもよい。したがって、DOセンサは、所望のようにロックインされても又はロックアウトされてもよい。この方法で、スライドロック265における開口部は、機械的ロックのスライドロック265への結合を促進することにより、ロックアウト/タグアウトを促進する。スライドロック265はまた、DOセンサ108が正確な長さでDO窓本体250中に挿入されるのを確実にすることから、DOセンサ108の酸素感知先端は、DO窓膜272と適切にインターフェース接続し得る(図2A及び2Bに示す)。
【0018】
図5A~5Dは、本発明の実施態様によるDO窓に固定されたDO膜の概略図である。DO窓膜272は、DO窓本体250に結合されたキャップ350を介してDO窓本体250に固定される。キャップ350は、任意の適切な方法で取り付けられてもよい。例えば、図5Bに示すように、キャップ350は、DO窓本体250に超音波溶接されてもよい。あるいはまた、図5Cに示すように、キャップ350は、DO窓本体250に螺合されてもよい。さらに、図5dに示すように、キャップ350はまた、DO窓本体250にスナップ嵌めされてもよい。しかしながら、すべての図示した実施態様において、さらなるシーリング要素(Oリング352)が圧縮されて、DO窓膜272及びキャップ350をDO窓本体250にシールする。
【0019】
図6A及び6Bは、本発明の実施態様による伸縮可能かつ弾性的な感知窓膜を通した従来のDOセンサのバイオリアクタ容器へのインターフェース接続の概略的な表示である。本発明の別の実施態様にしたがうと、DOセンサをバイオリアクタにインターフェース接続するために、伸縮可能かつ弾性的な感知窓膜を使用してもよい。図6A及び6Bは、伸縮可能かつ弾性的な感知窓膜402を通した従来のDOセンサ108のバイオリアクタ容器400へのインターフェース接続の概略的な表示である。本実施態様において、DOセンサ窓本体及びキャップは取り除かれるが、DOセンサ108は、伸縮可能かつ弾性的な感知窓膜402を使用してバイオリアクタ容器とインターフェース接続する。DOセンサが存在しない場合、膜はその弛緩形態にあるが、依然として容器の内部を外側の環境から隔離する。(図6Bに示すように)DOセンサ108が感知窓膜402内に配置された場合、膜402は、伸縮されて、したがって、示されるようにDOセンサ108の周りを包む。膜402は、酸素に対して非常に透過性があることを示す材料から構成され、酸素が試料/プロセスからDOセンサ108の酸素感知先端に到達するのを可能にする。しかしながら、膜402はまた、破断を防ぐのに十分強くて耐性があるように(材料選択及び/又は厚さを通して)設計されている。
【0020】
上述のように、本明細書において記載した実施態様は、一般的に、容器の壁面に沿って設置されるよりもむしろ容器の中に挿入される、DO窓本体、DO膜、及びDOセンサの温度素子を提供する。また、少なくともいくつかの実施態様は、DO窓本体の底部にフィン状のフューチャーを提供して、DO窓本体のより良い熱交換特性を可能にする。さらに、いくつかの実施態様は、DO酸素センサの選択可能な挿入又は引き出しを可能にするためにスライドロックを提供する。実施態様はまた、これらのフューチャーの組み合わせも同様に含む。
【0021】
本発明は、好ましい実施態様を参照して記載されているが、当業者は、発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において変更がなされてもよいことを認識するであろう。例えば、容器フランジは、DOセンサが、容器フランジと相互作用するセンサハウジングに付加された機械的フューチャーを有する場合に提供され得る。容器は、適用中に加圧されるため、関心対象の接続点のみが容器への取付け部となる。これは、センサが所定の場所に保持されるのを確実にするためのプラスチック締付けデバイス(結束バンド等)を排除するであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B