(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】無人運転車両を制御するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20230302BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230302BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230302BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20230302BHJP
【FI】
G08G1/16 F
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
(21)【出願番号】P 2020550098
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2019103252
(87)【国際公開番号】W WO2020103515
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】201811374621.0
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー ゼーリン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】リウ インナン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ ウェンロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジーチエ
(72)【発明者】
【氏名】ゴン ウェイ
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105976450(CN,A)
【文献】特開2018-134949(JP,A)
【文献】特開2018-063615(JP,A)
【文献】特開2018-141812(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107415602(CN,A)
【文献】特開2015-133050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
B60W 10/00 - 60/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人運転車両を制御するための方法であって、
無人運転車両から送信された、車外環境情報を含む環境情報を受信するステップと、
前記車外環境情報
に基づいて、前記無人運転車両による実行動作を予測して、予測動作を得、前記無人運転車両が実行している
実際の動作
と前記予測動作とが一致するかどうかに基づき、前記無人運転車両が異常な動作状態であるか否かを判定するステップと、
前記無人運転車両が異常な動作状態であると判定したことに応答して、前記無人運転車両を制動させるように制御するための制動制御指令と、前記無人運転車両に備えられたドライブレコーダのデータを取得するためのデータ取得指令とを、前記無人運転車両に送信するステップと、
を含
み、
前記データ取得指令を前記無人運転車両に送信することは、
前記予測動作と前記実際の動作との誤差が所定値より大きいことに応答して、前記無人運転車両に緊急制動用の制動制御指令を送信し、
前記予測動作と前記実際の動作との誤差が所定値以下であることに応答して、前記無人運転車両に緩制動用の制動制御指令を送信することを含む、方法。
【請求項2】
前記無人運転車両から送信された環境情報を受信するステップの前に、
無人運転車両から送信された車両制御要求を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、
前記方法は、
前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に所定の乗員がいるか否かを判断するステップと、
前記無人運転車両内に所定の乗員がいないと判断したことに応答して、警報情報の送信を前記無人運転車両が実行するように制御するための第1の制御指令を、前記無人運転車両に送信するステップと、を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無人運転車両内に所定の乗員がいると判断したことに応答して、前記所定の乗員が異常状態であるか否かを判断するステップと、
前記所定の乗員が異常状態であると判断したことに応答して、予め設定された提示情報の再生を前記無人運転車両が実行するように制御するための第2の制御指令を、前記無人運転車両に送信するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、
前記方法は、
前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいるか否かを判断するステップと、
前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいると判断したことに応答して、第3の制御指令を前記無人運転車両に送信するステップであって、前記第3の制御指令は、予め設定された乗員の異常行動への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、ステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記環境情報は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び車内温度情報を有する車内環境情報を含み、
前記方法は、
前記車内映像情報、車内煙濃度情報、及び/又は車内温度情報に基づいて、前記無人運転車両内に物の燃焼があるかを判定するステップと、
前記無人運転車両内に物の燃焼があると判定に応答して、第4の制御指令を前記無人運転車両に送信するステップであって、前記第4の制御指令は、予め設定された物の燃焼への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、ステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無人運転車両を制御するための装置であって、
無人運転車両から送信された、車外環境情報を含む環境情報を受信するように構成された第1の受信手段と、
前記車外環境情報
に基づいて、前記無人運転車両による実行動作を予測して、予測動作を得、前記無人運転車両が実行している
実際の動作
と前記予測動作とが一致するかどうかに基づき、前記無人運転車両が異常な動作状態であるか否かを判定するように構成された第1の判定手段と、
前記無人運転車両が異常な動作状態であると判定したことに応答して、前記無人運転車両を制動させるように制御するための制動制御指令と、前記無人運転車両に備えられたドライブレコーダのデータを取得するためのデータ取得指令とを、前記無人運転車両に送信するように構成された送信手段と、
を備え
、
前記送信手段は、さらに
前記予測動作と前記実際の動作との誤差が所定値より大きいことに応答して、前記無人運転車両に緊急制動用の制動制御指令を送信し、
前記予測動作と前記実際の動作との誤差が所定値以下であることに応答して、前記無人運転車両に緩制動用の制動制御指令を送信するように構成される、装置。
【請求項8】
無人運転車両から送信された車両制御要求を受信するように構成された第2の受信手段を更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、
前記装置は、
前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に所定の乗員がいるか否かを判断するように構成された第2の判定手段と、
前記無人運転車両内に所定の乗員がいないと判断したことに応答して、警報情報の送信を前記無人運転車両が実行するように制御するための第1の制御指令を、前記無人運転車両に送信するように構成された第1の制御指令送信手段と、
を更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記無人運転車両内に所定の乗員がいると判断したことに応答して、前記所定の乗員が異常状態であるか否かを判断するように構成された第3の判定手段と、
前記所定の乗員が異常状態であると判断したことに応答して、予め設定された提示情報の再生を前記無人運転車両が実行するように制御するための第2の制御指令を、前記無人運転車両に送信するように構成された第2の制御指令送信手段と、
を更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、
前記装置は、
前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいるか否かを判断するように構成された第4の判定手段と、
前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいると判断したことに応答して、第3の制御指令を前記無人運転車両に送信するように構成された第3の制御指令送信手段であって、前記第3の制御指令は、予め設定された乗員の異常行動への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、第3の制御指令送信手段と、
を更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記環境情報は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び車内温度情報を有する車内環境情報を含み、
前記装置は、
前記車内映像情報、車内煙濃度情報、及び/又は車内温度情報に基づいて、前記無人運転車両内に物の燃焼があるかを判定するように構成された第5の判定手段と、
前記無人運転車両内に物の燃焼があると判定に応答して、第4の制御指令を前記無人運転車両に送信するように構成された第4の制御指令送信手段であって、前記第4の制御指令は、予め設定された物の燃焼への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、第4の制御指令送信手段と、
を更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
サーバであって、
1または複数のプロセッサと、
1または複数のコンピュータプログラムが記憶された記憶装置と、を備え、
前記1又は複数のコンピュータプログラムが前記1又は複数のプロセッサにより実行されると、請求項1~6のいずれかに記載の方法を前記1又は複数のプロセッサに実行させる、サーバ。
【請求項14】
コンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、請求項1~6のいずれかに
載の方法を実行させる、コンピュータ可読記録媒体。
【請求項15】
前記車両外部環境情報に基づいて、前記無人運転車両により実行される動作を予測した予測動作と、前記動作情報に関連する実際の動作とは一致しないことに応答して、前記無人運転車両が異常の動作状態であると判定する、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本願は、2018年11月19日に提出され、出願番号が201811374621.0、出願人がバイドゥ・オンライン・ネットワーク・テクノロジー(ベイジン)・カンパニー・リミテッド、発明の名称が「無人車両を制御する方法と装置」の中国特許出願に基づく優先権を主張する。当該出願の全文は、本願に援用されている。
【技術分野】
【0002】
本出願の実施例はコンピュータ技術分野に関し、具体的には、無人運転車両を制御するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無人運転車両技術の進歩に伴い、無人運転車両は、ますます注目されている。無人運転車両は、人為的なミス(例えば、飲酒運転、スピード違反、過労運転など)に起因する問題を低減することができ、また、車両運転者の仕事強度を軽減することができる。
【0004】
無人運転車両の安全走行を保証して、乗員の命と財産の安全を確保し、損失を低減するために、車両の状態をリアルタイムに監視し、且つ、車両に異常が発生した時に適時に緊急措置をとる必要がある。また、無人運転車両に異常が発生した場合、異常を分析するなどの処理を行うための無人運転車両のブラックボックスデータを迅速的に取得する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、無人運転車両を制御するための方法及び装置を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、無人運転車両を制御するための方法であって、無人運転車両から送信された、車外環境情報を含む環境情報を受信するステップと、前記車外環境情報と前記無人運転車両が実行している動作の動作情報に基づき、前記無人運転車両が異常な動作状態であるか否かを判定するステップと、前記無人運転車両が異常な動作状態であると判定したことに応答して、前記無人運転車両を制動させるように制御するための制動制御指令と、前記無人運転車両に備えられたドライブレコーダのデータを取得するためのデータ取得指令とを、前記無人運転車両に送信するステップと、を含む方法を提供する。
【0007】
幾つかの実施例において、前記無人運転車両から送信された環境情報を受信するステップの前に、無人運転車両から送信された車両制御要求を受信するステップを含む。
【0008】
幾つかの実施例において、前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、前記方法は、前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に所定の乗員がいるか否かを判断するステップと、前記無人運転車両内に所定の乗員がいないと判断したことに応答して、警報情報の送信を前記無人運転車両が実行するように制御するための第1の制御指令を、前記無人運転車両に送信するステップと、を更に含む。
【0009】
幾つかの実施例において、前記無人運転車両内に所定の乗員がいると判断したことに応答して、前記所定の乗員が異常状態であるか否かを判断するステップと、前記所定の乗員が異常状態であると判断したことに応答して、予め設定された提示情報の再生を前記無人運転車両が実行するように制御するための第2の制御指令を、前記無人運転車両に送信するステップと、を含む。
【0010】
幾つかの実施例において、前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、前記方法は、前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいるか否かを判断するステップと、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいると判断したことに応答して、第3の制御指令を前記無人運転車両に送信するステップであって、前記第3の制御指令は、予め設定された乗員の異常行動への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、ステップと、を更に含む。
【0011】
幾つかの実施例において、前記環境情報は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び車内温度情報を有する車内環境情報を含み、前記方法は、前記車内映像情報、車内煙濃度情報、及び/又は車内温度情報に基づいて、前記無人運転車両内に物の燃焼があるかを判定するステップと、前記無人運転車両内に物の燃焼があると判定したことに応答して、第4の制御指令を前記無人運転車両に送信するステップであって、前記第4の制御指令は、予め設定された物の燃焼への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、ステップと、を更に含む。
【0012】
第2の態様によれば、無人運転車両を制御するための装置であって、無人運転車両から送信された、車外環境情報を含む環境情報を受信するように構成された第1の受信手段と、前記車外環境情報と前記無人運転車両が実行している動作の動作情報に基づき、前記無人運転車両が異常な動作状態であるか否かを判定するように構成された第1の判定手段と、前記無人運転車両が異常な動作状態であると判定したことに応答して、前記無人運転車両を制動させるように制御するための制動制御指令と、前記無人運転車両に備えられたドライブレコーダのデータを取得するためのデータ取得指令とを、前記無人運転車両に送信するように構成された送信手段と、を備える、装置を提供する。
【0013】
幾つかの実施例において、無人運転車両から送信された車両制御要求を受信するように構成された第2の受信手段を更に備える。
【0014】
幾つかの実施例において、前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、前記装置は、前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に所定の乗員がいるか否かを判断するように構成された第2の判定手段と、前記無人運転車両内に所定の乗員がいないと判断したことに応答して、警報情報の送信を前記無人運転車両が実行するように制御するための第1の制御指令を、前記無人運転車両に送信するように構成された第1の制御指令送信手段と、を更に備える。
【0015】
幾つかの実施例において、前記無人運転車両内に所定の乗員がいると判断したことに応答して、前記所定の乗員が異常状態であるか否かを判断するように構成された第3の判定手段と、前記所定の乗員が異常状態であると判断したことに応答して、予め設定された提示情報の再生を前記無人運転車両が実行するように制御するための第2の制御指令を、前記無人運転車両に送信するように構成された第2の制御指令送信手段と、を更に備える。
【0016】
幾つかの実施例において、前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、前記装置は、前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいるか否かを判断するように構成された第4の判定手段と、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいると判断したことに応答して、第3の制御指令を前記無人運転車両に送信するように構成された第3の制御指令送信手段であって、前記第3の制御指令は、予め設定された乗員の異常行動への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、第3の制御指令送信手段と、を更に備える。
【0017】
幾つかの実施例において、前記環境情報は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び車内温度情報を有する車内環境情報を含み、前記装置は、前記車内映像情報、車内煙濃度情報、及び/又は車内温度情報に基づいて、前記無人運転車両内に物の燃焼があるかを判定するように構成された第5の判定手段と、前記無人運転車両内に物の燃焼があると判定したことに応答して、第4の制御指令を前記無人運転車両に送信するように構成された第4の制御指令送信手段であって、前記第4の制御指令は、予め設定された物の燃焼への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、第4の制御指令送信手段と、を更に備える。
【0018】
第3の態様によれば、サーバであって、1または複数のプロセッサと、1または複数のコンピュータプログラムが記憶された記憶装置と、を備え、前記1又は複数のコンピュータプログラが前記1又は複数のプロセッサにより実行されると、第1の態様に記載の方法を前記1又は複数のプロセッサに実行させるサーバを提供する。
【0019】
第4の態様によれば、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、第1の態様に記載の方法を実行させるコンピュータ可読記録媒体を提供する。
【0020】
第五態様によれば、コンピュータプログラムであって、プロセッサに実行される時に第一態様に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願の他の特徴、目的及び利点は、以下の図面を参照してなされる非限定的な実施例に係る詳細な説明を読むことにより、より明らかになる。
【
図1】本願の一実施例を適用可能な例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本願に係る無人運転車両を制御するための方法の一実施例を示すフローチャートである。
【
図3】本願に係る無人運転車両を制御するための方法の適用シーンの概略図である。
【
図4】本願に係る無人運転車両を制御するための方法の他の実施例を示すフローチャートである。
【
図5】本願に係る無人運転車両を制御するための装置の一実施例の概略構成図である。
【
図6】本願に係る実施例のサーバを実現するのに好適なコンピュータシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面及び実施例を参照しながら本出願をより詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、関連する発明を説明するためのものに過ぎず、当該発明を限定するものではないことを理解されたい。また、説明の便宜上、図面には発明に関連する部分のみが示されていることに留意されたい。
【0023】
なお、なお、本願の実施例及び実施例における特徴は、矛盾を生じない限り、相互に組み合わせることができる。以下、図面及び実施例を参照しながら本出願を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本願の一実施形態に係る無人運転車両を制御するための方法または装置を適用可能なシステムアーキテクチャ100を示す図である。
【0025】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、無人運転車両101、 102、103と、ネットワーク104と、サーバ105とを含むことができる。ネットワーク104は、無人運転車両101、102、103とサーバ105との間で通信リンクを提供する媒体である。ネットワーク104には、有線通信又は無線通信の回線や、光ファイバケーブル等の各種の接続方式が含まれていてもよい。
【0026】
無人運転車両101、102、103は、ネットワーク104を介してサーバ105とインタラクションして、メッセージ等を受送信する。無人運転車両101、102、103には、画像収集装置、二眼カメラ、レーダ検出器、センサ等の各種の情報収集装置が搭載されていてもよい。上記の情報収集装置は、無人運転車両101、102、103の車外環境情報及び車内環境情報の収集に用いられる。無人運転車両101、102、103に、車載人工知能が取り付けられてもよい。車載人工知能は、上記の情報収集装置により収集された情報を受信し、且つ、情報に対して分析などの処理を実行し、その後、処理の結果に基づいて、無人運転車両101、102、103を処理の結果に対応する動作(例えば走行継続、緊急停止などの動作)を実行するように制御する。
【0027】
無人運転車両101、102、103は、様々な車種の車両であってもよく、大型乗用車、トラクター、市内バス、中型乗用車、大型トラック、小型乗用車等を含むが、これらに限定されない。
【0028】
サーバ105は、例えば、無人運転車両101、102、103から送信された環境情報を処理するバックグラウンドサーバなど、様々なサービスを提供するサーバであってよい。バックグラウンドサーバは、受信した環境情報に対して各種の分析処理を行い、そして、処理結果に基づいて、無人運転車両101、102、103を制御するための指令を無人運転車両101、102、103に送信する。
【0029】
なお、サーバ105は、ハードウェアであってもよく、ソフトウェアであってもよい。サーバがハードウェアの場合、複数のサーバからなる分散型サーバクラスタとして実施されてもよく、単一のサーバとして実施されてもよい。サーバがソフトウェアの場合、複数のソフトウェア又は複数のソフトウェアモジュール(例えば分散サービスを提供するために用いられる)として実施されてもよく、単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実施されてもよい。ここで特に限定するものではない。
【0030】
なお、本願の実施例による無人運転車両を制御するための方法は、一般的にサーバ105によって実行され、これに応じて、無人運転車両を制御するための装置は、一般的にサーバ105に設けられる。
【0031】
なお、
図1の端末装置、ネットワーク、サーバの数は、ただの一例である。必要に応じて、端末装置、ネットワーク及びサーバを任意の数設けても良い。
【0032】
次に、
図2を参照する。
図2は、本願に係る無人運転車両を制御するための方法の一実施例のフロー200を示している。該無人運転車両を制御するための方法は、以下のステップを含む。
【0033】
ステップ201において、無人運転車両から送信された環境情報を受信する。
【0034】
本実施例において、無人運転車両を制御するための方法の実行主体(例えば
図1に示すサーバ105)は、無線接続を介し、無人運転車両から送信された環境情報を受信することができる(例えば、
図1の示すように無人運転車両101、102、103を制御する)。ここで、上記の環境情報は、無人運転車両の車外環境情報を含むことができる。前記車外環境情報は、無人運転車両に搭載の各種情報収集装置により収集された車外環境の情報であってもよい。例えば、無人運転車両に搭載の二眼カメラやレーダ探知機により収集された車外環境の情報であってもよい。
【0035】
ステップ202において、車外環境情報と無人運転車両が実行している動作に基づき、無人運転車両が異常動作状態であるか否かを判定する。
【0036】
本実施形態において、無人運転車両は、走行中に加速、減速、ブレーキ、旋回等の様々な動作を実行する必要がある。無人運転車両は、実行している動作の動作情報(例えば、旋回方向及び角度、ブレーキ力等の情報)をリアルタイムに上記の実行主体に送信することができる。このようにして、前記実行主体は、ステップ201において受信した車外環境情報と無人運転車両の実行している動作の動作情報に基づき、前記無人運転車両が異常動作状態であるか否かを判断することができる。
【0037】
上記の実行主体には、例えば、車外環境情報と動作との対応関係が予め記憶されていてもよく、また、車外環境情報に基づいて動作を決定するための決定規則が予め記憶されていてもよい。このようにして、上記の実行主体は、無人運転車両から送信された車外環境情報に基づいて、無人運転車両による実行動作を予測し、且つ、予測された動作を予測動作とすることができる。その後、上記の実行主体は、予測動作が無人運転車両から送信された動作情報の対応する動作(すなわち実際の動作)と一致するか否かを判定することができる(例えば、同一又は類似する)。一致しない場合、無人運転車両は、異常動作状態であると考えられる。例えば、車外環境情報には、障害物(例えば、建物、歩行者、その他の車両など)の体積、障害物との距離情報などの障害物情報が含まれているものとする。上記の実行主体は、障害物情報に基づいて、障害物を回避するための無人運転車両による実行動作(例えば、ある方向に、ある角度を回転すること)を予測することができる。その後、予測動作と無人運転車両の実際の動作とが一致するか否かを判断することができる。例えば、予測動作が「ある方向にある角度だけ回転」であるのに、無人運転車両の実際の動作が「加速前進」であるような、一致しない場合、無人運転車両が異常動作状態である。
【0038】
ステップ203において、無人運転車両が異常動作状態であると判定したことに応答して、制動制御指令及びデータ取得指令を無人運転車両に送信する。
【0039】
本実施例では、無人運転車両が異常動作状態であると判定したことに応答して、上記の実行主体は、制動制御指令及びデータ取得指令を無人運転車両に送信することができる。
【0040】
ここで、前記制動制御指令は、前記無人運転車両を制動させるように制御することができる。例えば、上記の実行主体は、予測動作と実際の動作との差異の大きさに応じて、異なる制動制御指令を無人運転車両に送信してもよい。例えば、予測動作と実際の動作との誤差が大きい場合には、無人運転車両に緊急制動用の制動制御指令を送信するようにしてもよい。予測動作と実際の動作との誤差が小さい場合、無人運転車両に緩制動用の制動制御指令を送信するようにしてもよい。実際には、上記の実行主体は、さらに、様々な方法(例えば、高精度地図を検索すること)により、距離が最も近い駐車点を探し、無人運転車両を安全位置に停車させるように制御するようにしてもよい。
【0041】
ここで、上記のデータ取得指令は、無人運転車両内のドライブレコーダのデータを取得するために用いられてもよい。自動車ドライブレコーダは、自動車ブラックボックスとも呼ばれ、車両の走行速度、時間、走行距離及び車両の走行に関する他の状態情報を記録、記憶するものであって、インタフェースによってデータ出力を実現することができるデジタル電子記録装置である。無人運転車両内のドライブレコーダのデータを取得した後、上記の実行主体は、取得したデータを、例えば、無人運転車両の異常動作状態に対し分析及び処理をする技術者の使用する端末のような、所定の装置に転送することができる。上記の実行主体は、さらに、取得したデータを解析処理し、無人運転車両の異常動作の原因を得、得られた原因を表示させ、又は所定装置に送信するようにする。
【0042】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、上記環境情報は、車内環境情報を含み、上記車内環境情報は、車内映像情報を含むようにしてもよい。ここで、上記の車内映像情報は、上記の無人運転車両内に取り付けられた映像収集装置による収集映像であってもよい。上記の無人運転車両を制御するための方法は、さらに以下のステップを含むようにしてもよい。
【0043】
まず、上記の実行主体は、上記の内映像情報に基づいて、上記の無人運転車両に所定の乗員がいるか否かを判断するようにしてもよい。
【0044】
本実現形態では、上記の所定の乗員は、例えば、保安要員のような、無人運転車両における無人運転車両の安全を担当する勤務者であってもよい。実際には、公共場所の安全を確保するために、市内バス、バス等の交通機関において、一般的に、統一的な製服を着る保安要員が務める。例えば、上記の実行主体には、所定の乗員の顔情報が記憶されていてもよい。このようにして、上記の実行主体は、車内映像情報における乗員に対して、顔検出や、顔認識等の処理を行うことができる。この処理結果に基づいて、無人運転車両に所定の乗員がいるか否かが判断される。なお、顔検出や、顔識別等の処理は、現在広く研究及び応用されている公知技術であり、ここでは説明を省略する。
【0045】
続けて、上記の実行主体は、上無人運転車両に所定の乗員がいないと判定したことに応答して、第1の制御指令を無人運転車両に送信するようにしてもよい。
【0046】
本実施形態では、上記の実行主体は、無人運転車両に所定の乗員がいないと判定したことに応答して、第1の制御指令を無人運転車両に送信するようにしてもよい。ここで、上記の第1の制御指令は、警報情報の送信を無人運転車両が実行するように制御するためのものである。例えば、第1の制御指令により、無人運転車両は、警報情報を所定のデバイス(例えば、車両の安全を担当する関連者が使用する端末)に送信して、上記の無人運転車両内に所定の乗員がいない旨をデバイス側のユーザに通知するように制御される。ここで、上記警報情報は、上記の無人運転車両の識別子や、位置等の情報を含んでもよい。これにより、普通の関連者は、上記の無人運転車両を迅速に測位することができる。本実施形態によれば、無人運転車両内に所定の乗員がいないことを判定した後、無人運転車両を警報情報を適時に送信するように制御することができ、それにより、無人運転車両の安全性を向上させる。
【0047】
いくつかの選択可能な実現形態において、上記の、無人運転車両を制御するための上記方法は、さらに以下のステップを含んでも良い。
【0048】
まず、無人運転車に所定の乗員がいると判定したことに応答して、所定の乗員が異常状態であるか否かを判定する。
【0049】
本実施形態において、上記実行部は、上記無人運転車両に所定の乗員がいると判定したことに応答して、上記所定の乗員が異常状態であるか否かをさらに判定するようにしてもよい。例えば、上記の実行主体は、上記の車内映像情報に基づいて、上記所定の乗員に対して人体動作の認識を実行することにより所定の乗員の動作を認識してもよい。そして、認識された動作に基づいて、所定の乗員が異常状態であるか否かを判定する。ここで、異常状態とは、携帯電話の利用や、眠りなどの動作をするなどの、非動作状態であってもよい。なお、人体動作の認識は、現在広く研究及び応用されている公知技術であり、ここでは、説明を省略する。
【0050】
そして、所定の乗員が異常状態であると判定したことに応答して、第2の制御指令を無人運転車両に送信する。ここで、上記の第2の制御指令は、予め設定された提示情報の再生を上記の無人運転車両がするように制御するためのものであってもよい。該提示情報は、上記の所定の乗員が異常状態にあり、無人運転車両と他の乗員の不安全状態を引き起こす旨を、当該乗員に提示するために用いられる。本実施形態によれば、所定の乗員が異常状態である時、即時に提示することができ、それにより、無人運転車両と他の乗員の安全性を向上させる。
【0051】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、上記の環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含んでもよい。
【0052】
上記の無人運転車両を制御するための方法は、さらに以下のステップを含んでもよい。
【0053】
まず、車内映像情報に基づいて、無人運転車両内に行動異常の乗員が含まれるか否かを判断する。例えば、上記の実行主体は、上記の車内映像情報に基づいて、無人運転車両内の各乗員の動作を認識し、認識された動作に基づいて、乗員が所定の異常動作(例えば、危険動作)をしているか否かを判断し、乗員が所定の異常動作をしている場合には、当該乗員を動作異常の乗員として判定するようにしてもよい。
【0054】
その後、上記の実行主体は、無人運転車両に行動異常の乗員がいると判定したことに応答して、第3の制御指令を無人運転車両に送信するようにしてもよい。ここで、上記の第3の制御指令は、予め設定された乗員の異常行動への緊急対応動作を、無人運転車両が実行するように制御するための制御指令であってもよい。上記の異常行動への緊急対応動作は、例えば、車両の識別子や位置などを含む警報情報を警察機関に送信するなど、予め設定された行動異常緊急動作であってもよい。
【0055】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、上記の環境情報は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び車内温度情報を有する車内環境情報を含んでもよい。
【0056】
上記の無人運転車両を制御するための方法は、さらに以下のステップを含んでもよい。
【0057】
まず、上記の実行本体は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び/又は車内温度情報に基づいて、無人運転車両内に物の燃焼があるかを判定するようにしてもよい。ここで、上記の車室内煙濃度情報及び車室内温度情報は、無人運転車両に搭載されたセンサによって取得されたものであってもよい。一例として、上記の実行主体は、車内映像情報に基づいて無人運転車両内に火炎の有無を検出し、そして、火炎検出の結果、車内煙濃度情報及び/又は車内温度情報に基づいて、無人運転車両内に物の燃焼が発生するか否かを判定することができる。理解できるように、実際の必要に応じて、上記の実行主体は、車内映像情報、車内煙濃度情報及び車内温度情報のうちの一つに基づいて物の燃焼があるかを判定してもよく、また、そのうちの二つに基づいて、物の燃焼がいるかを判定してもよく、さらに、全ての情報を統合して物の燃焼があるかを判定してもよい。
【0058】
その後、上記の実行主体は、無人運転車両において物の燃焼があると判定したことに応答して、第4の制御指令を上記の無人運転車両に送信するようにしてもよい。ここで、第4の制御指令は、所定の物の燃焼への応急動作を上記の無人運転車両が実行するように制御するための指令であってもよい。例えば、上述した物の燃焼への緊急動作は、例えば、車両の識別子や位置を含む物の燃焼警報情報を消防署に送信することなど、予め設定されたものであってもよい。
【0059】
続けて、
図3を参照する。
図3は、本実施例に係る無人運転車両を制御するための方法の適用シーンの概略図である。
図3の適用シーンにおいて、サーバ301は、無人運転車両302から送信された環境情報を受信し、ここで、環境情報は、車外環境情報を含む。その後、サーバ301は、車外環境情報と、無人運転車両302が実行している動作の動作情報とに基づいて、無人運転車両302が異常動作状態であるか否かを判定する。最後に、無人運転車両302が異常動作状態であると判定したことに応答して、サーバ301は、制動制御指令とデータ取得指令を無人運転車両302に送信し、ここで、制動制御指令は、上記の無人運転車両を制動させるように制御するために用いられ、データ取得指令は、無人運転車両内のドライブレコーダのデータを取得するために用いられる。
【0060】
本出願の上述した実施例いよる方法は、無人運転車両が異常動作状態である場合、無人運転車両を適時に制動させることで、安全性を向上させ、同時に無人運転車両内のドライブレコーダのデータを適時に取得することで、異常処理の効率を向上させることができる。
【0061】
さらに、
図4を参照する。
図4に、無人運転車両を制御するための方法の他の実施例のフロー400が示される。該無人運転車両を制御するための方法のフロー400は、以下のステップを含む。
【0062】
ステップ401において、無人運転車両から送信された車両制御要求を受信する。
【0063】
本実施例において、無人運転車両を制御するための方法の実行主体(例えば
図1に示すサーバ105)は、無線接続方式に介して無人運転車両(例えば
図1に示す無人運転車両101、102、103)から送信された車両制御要求を受信することができる。ここで、上記の車両制御要求は、実行主体に対し、無人運転車両の制御を要求するものである。一例として、上記車両制御要求は、無人運転車両内の乗員が所定の装置(例えば、プリセットボタン)をトリガすることにより、送信されてもよい。例えば、乗員が無人運転車両に走行異常が発生すると感じた場合、該プリセット装置をトリガして、クラウド側から無人運転車両を制御することを実行主体に対し要求することにより、無人運転車両の走行安全を確保する。他の例として、上記車両制御要求は、無人運転車両により送信されてもよい。例えば、無人運転車両は、車両パラメータ(例えば、加速度、速度等)に基づいて、無人運転車両に走行異常が発生したと判断した場合、車両制御要求を実行主体に送信して、クラウド側から無人運転車両を制御することを実行主体に対して要求することにより、無人運転車両の走行安全を確保する。
【0064】
ステップ402において、無人運転車両から送信された環境情報を受信する。
【0065】
本実施例において、ステップ402は、
図2に示す実施例のステップ201と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0066】
ステップ403において、車外環境情報と無人運転車両が実行している動作の動作情報に基づき、無人運転車両が異常動作状態であるか否かを判定する。
【0067】
本実施例において、ステップ403は、
図2に示す実施例のステップ202と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0068】
ステップ404において、無人運転車両が異常動作状態であると判定したことに応答して、制動制御指令及びデータ取得指令を無人運転車両に送信する。
【0069】
本実施例において、ステップ404は、
図2に示す実施例のステップ203と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0070】
図4から分かるように、本実施例に係る無人運転車両を制御するための方法のフロー400は、無人運転車両から送信された車両制御要求を受信するステップが強調される。これにより、本実施例に記載の解決手段によれば、車両制御要求を送信する無人運転車両に対して制御を行うことができ、このように、実行主体は、制御が必要な無人運転車両を迅速に特定することができ、それにより、狙いがある制御を行うことができ、効率的に制御することができる。
【0071】
さらに
図5を参照し、上記各図に示す方法に対する実現として、本願は無人運転車両を制御するための装置の一実施例を提供し、該装置の実施例は
図2に示す方法の実施例に対応し、該装置は具体的に各種の電子機器に適用することができる。
【0072】
図5に示すように、本実施形態の無人運転車両制御装置500は、第1の受信手段501と、第1の判定手段502と、送信手段503とを備える。第1の受信手段501は、無人運転車両から送信された、車外環境情報を含む環境情報を受信するように構成される。第1の判定手段502は、前記車外環境情報と前記無人運転車両が実行している動作の動作情報に基づき、前記無人運転車両が異常な動作状態であるか否かを判定するように構成される。送信手段503は、前記無人運転車両が異常な動作状態であると判定したことに応答して、前記無人運転車両を制動させるように制御するための制動制御指令と、前記無人運転車両に備えられたドライブレコーダのデータを取得するためのデータ取得指令とを、前記無人運転車両に送信するように構成される。
【0073】
本実施例において、無人運転車両を制御するための装置500の、第1の受信手段501、第1の判定手段502、及び送信手段503の実行する具体的な処理及びその奏する技術的効果については、それぞれ
図2に対応する実施例におけるステップ201、ステップ202及びステップ203の関連する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0074】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、前記装置500は、無人運転車両から送信された車両制御要求を受信するように構成された第2の受信手段(図示せず)を更に備える。
【0075】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態では、前記環境情報は、車内映像情報を有する車内環境情報を含み、装500置は、前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に所定の乗員がいるか否かを判断するように構成された第2の判定手段(図示せず)と、前記無人運転車両内に所定の乗員がいないと判断したことに応答して、警報情報の送信を前記無人運転車両が実行するように制御するための第1の制御指令を、前記無人運転車両に送信するように構成された第1の制御指令送信手段(図示せず)と、を更に備える。
【0076】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態では、前記装置500は、前記無人運転車両内に所定の乗員がいると判断したことに応答して、前記所定の乗員が異常状態であるか否かを判断するように構成された第3の判定手段(図示せず)と、前記所定の乗員が異常状態であると判断したことに応答して、予め設定された提示情報の再生を前記無人運転車両が実行するように制御するための第2の制御指令を、前記無人運転車両に送信するように構成された第2の制御指令送信手段(図示せず)と、を更に備える。
【0077】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態では、前記環境情報は車内映像情報を有する車内環境情報を含む。前記装置500は、前記車内映像情報に基づいて、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいるか否かを判断するように構成された第4の判定手段(図示せず)と、前記無人運転車両内に行動異常の乗員がいると判断したことに応答して、第3の制御指令を前記無人運転車両に送信するように構成された第3の制御指令送信手段(図示せず)であって、前記第3の制御指令は、予め設定された乗員の異常行動への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、第3の制御指令送信手段と、を更に備える。
【0078】
本実施例のいくつかの選択可能な実現形態において、前記環境情報は車内煙濃度情報及び車内温度情報を有する車内環境情報を含む。前記装置500は、前記車内映像情報、車内煙濃度情報、及び/又は車内温度情報に基づいて、前記無人運転車両内に物の燃焼があるかを判定するように構成された第5の判定手段(図示せず)と、前記無人運転車両内に物の燃焼があると判定に応答して、第4の制御指令を前記無人運転車両に送信するように構成された第4の制御指令送信手段であって、前記第4の制御指令は、予め設定された物の燃焼への緊急対応動作を、前記無人運転車両が実行するように制御するための制御指令である、第4の制御指令送信手段(図示せず)と、を更に備える。
【0079】
次に、
図6を参照して、本願の実施形態に係るサーバを実現するために好適なコンピュータシステム600の構成を説明する。なお、
図6に示したサーバはあくまで一例であり、本願の実施形態の機能や使用範囲を何ら限定するものではない。
【0080】
図6に示すように、コンピュータシステム600は、CPU(Central Processing Unit)601を備えており、ROM(Read Only Memory)602に記憶されているプログラム、または記憶部608からRAM(Random Access Memory)603にロードされたプログラムに従って各種の動作および処理を実行することが可能である。RAM603にはまた、システム600の動作に必要な各種のプログラムやデータが記憶されている。CPU601、ROM602、およびRAM603は、バス604を介して相互に接続されている。バス604にはまた、入出力インタフェース605が接続されている。
【0081】
入出力インタフェース605には、キーボード、マウスなどよりなる入力部606、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる出力部607、ハードディスクなどより構成される記憶部608、LANカード、モデムなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部609が接続されている。通信部609は、インターネット等のネットワークを介した通信処理を行う。入出力インタフェース605にはまた、必要に応じてドライブ610が接続される。ドライブ610には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア611が適宜装着され、読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部608にインストールされる。
【0082】
特に、本開示の実施例によれば、上記のフローチャートを参照しながら記載されたプロセスは、コンピュータのソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ可読記録媒体に具現化されるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を備え、該コンピュータプログラムは、フローチャートで示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例では、該コンピュータプログラムは、通信装置609によりネットワークからダウンロードされてインストールされることが可能であり、又は記憶部608からインストールされ得る。該コンピュータプログラムがプロセッサ601によって実行されると、本開示の実施例の方法で限定された上記の機能を実行する。
【0083】
なお、本開示の実施例に記載されたコンピュータ可読記録媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体、又はこれらの選択可能な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置もしくはデバイス、又はこれらの選択可能な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1本又は複数の導線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光メモリ、磁気メモリ、又はこれらの選択可能な適切な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。本開示の実施例において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用可能な、又はそれらに組み込まれて使用可能なプログラムを包含又は格納する任意の有形の媒体であってもよい。本開示の実施例において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンド内の、又は搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含むことができ、その中にコンピュータ可読プログラムコードが担持されている。かかる伝搬されたデータ信号は、様々な形態をとることができ、電磁信号、光信号、又はこれらの選択可能な適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、更にコンピュータ可読記憶媒体以外の選択可能なコンピュータ可読記録媒体であってもよい。当該コンピュータ可読記録媒体は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用されるか、又はそれらに組み込まれて使用されるプログラムを、送信、伝搬又は伝送することができる。コンピュータ可読記録媒体に含まれるプログラムコードは任意の適切な媒体で伝送することができ、当該任意の適切な媒体とは、電線、光ケーブル、RF(無線頻度)など、又はこれらの選択可能な適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0084】
なお、本開示の実施例の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1種以上のプログラミング言語、又はそれらの組み合わせで作成されることができ、プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されることも、単独のソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されながら部分的にリモートコンピュータで実行されることも、又は完全にリモートコンピュータもしくはサーバで実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダによるインターネットサービスを介して)外部のコンピュータに接続することができる。
【0085】
図面のうちのフローチャート及びブロック図は、本出願の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品によって実現できるアーキテクチャ、機能及び動作の表示例である。これについては、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができる。当該モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部には、所定のロジック機能を実現するための1つ又は複数の実行可能命令が含まれている。さらに注意すべきなのは、一部の代替となる実施態様においては、ブロックに示されている機能は図面に示されているものとは異なる順序で実行することも可能である。例えば、連続して示された二つのブロックは、実際には係る機能に応じて、ほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよい。さらに注意すべきなのは、ブロック図及び/又はフローチャートにおけるすべてのブロック、ならびにブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実現することもできれば、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現することもできる。
【0086】
本願の実施例に関連して説明したユニットはソフトウェアの形態によって実現でき、ハードウェアの形態によって実現できる。記述されたユニットはプロセッサに設けられてもよく、例えば、以下のように記述することができる。一種類のプロセッサは第1の取得ユニット、第1の決定ユニット及び第1の送信ユニットを含む。ここで、これらのユニットの名称はある場合に該ユニット自体を限定するものではなく、例えば、第1の受信ユニットはさらに「無人運転車両から送信された環境情報を受信するユニット」と記述することができる。
【0087】
他の態様として、本願は、さらにコンピュータ可読記録媒体を提供し、該コンピュータ可読記録媒体は、上記実施例に記載の装置に組み込まれてもよく、または、該装置に組み込まれず単独で存在してもよい。上記コンピュータ可読記録媒体に一つ又は複数のコンピュータプログラムが搭載され、上記一つ又は複数のコンピュータプログラムが該装置に実行されると、該装置に無人運転車両から送信された、車外環境情報を含む環境情報を受信するステップと、前記車外環境情報と前記無人運転車両が実行している動作の動作情報に基づき、前記無人運転車両が異常な動作状態であるか否かを判定するステップと、前記無人運転車両が異常な動作状態であると判定したことに応答して、前記無人運転車両を制動させるように制御するための制動制御指令と、前記無人運転車両に備えられたドライブレコーダのデータを取得するためのデータ取得指令とを、前記無人運転車両に送信するステップと、を含む動作を実行させる。
【0088】
以上の記載は、本出願の好ましい実施例、及び使用された技術的原理に関する説明に過ぎない。当業者であれば、本出願に係る発明の範囲が、上記の技術的特徴の特定の組み合わせからなる解決策に限定されるものではなく、上記の本出願の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の技術的特徴又はそれらの同等の特徴の選択可能な組み合わせからなる他の解決策も含むべきであることを理解すべきである。例えば、上記の特徴と本出願に開示された類似の機能を有する技術的特徴(それらに限られない)とを相互に置き換えてなる解決策が該当する。