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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】荷重の分析方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021096492
(22)【出願日】2021-06-09
(62)【分割の表示】P 2019500989の分割
【原出願日】2017-02-27
(65)【公開番号】P2021129124
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】河口 浩二
(72)【発明者】
【氏名】杉原 康平
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 秀範
(72)【発明者】
【氏名】畔▲柳▼ 光孝
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-166944(JP,A)
【文献】特開2006-086515(JP,A)
【文献】特開2005-114553(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129116(WO,A1)
【文献】特開2015-002230(JP,A)
【文献】特開2015-220294(JP,A)
【文献】特開2009-188002(JP,A)
【文献】国際公開第2005/027614(WO,A1)
【文献】特開2016-86084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して部品を装着する装着ヘッドを有する実装機に配置され、装着の際に前記装着ヘッドが前記部品に付与する荷重を計測する荷重計測装置と、前記実装機とネットワークを介して通信可能に接続された分析装置と、を用いた荷重の分析方法であって、
前記装着ヘッドが前記荷重計測装置に付与する荷重を計測する際の許容する荷重値の範囲を示す荷重幅として、基準とする荷重値に対する差分の割合により定められた荷重幅を設定する設定工程と、
前記荷重計測装置によって計測された荷重の計測データを保存する保存工程と、
前記分析装置が、前記荷重幅を前記実装機から前記ネットワークを介して取得する取得工程と、
設定された前記荷重幅に基づいて、前記計測データの荷重の良否を判定する判定工程と、
判定された荷重の良否の判定結果を表示する表示工程と、
を有する、荷重の分析方法。
【請求項2】
前記表示工程は、前記判定結果とともに前記実装機のシリアルナンバーを表示する、請求項1に記載の荷重の分析方法。
【請求項3】
前記表示工程は、前記判定結果とともに前記装着ヘッドのシリアルナンバーを表示する、請求項1又は請求項2に記載の荷重の分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装機の装着ヘッドが付与する荷重を分析する荷重の分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品(以下、単に「部品」という場合がある)を回路基板(以下、単に「基板」という場合がある)に実装する実装機では、基板の破損や電気的な接続の不具合などを抑制するため、部品を基板に対して押圧する荷重を適正な値に設定することが要求される。また、近年の部品の高集積化、小型化、薄型化等によって、部品を押圧する荷重を、より高精度に管理することが望まれている。これに対し、部品を基板に装着する際に、装着ヘッドの吸着ノズルによって部品を押圧する荷重を計測する荷重計測装置がある(例えば、特許文献1など)。
【0003】
特許文献1に開示される荷重計測装置(文献では、「実装荷重測定装置」)は、吸着ノズルによって付与される荷重を検出するロードセルと、ロードセルの検出結果に基づいて荷重を計測するデータロガーとを備えている。荷重計測装置は、実装機における基板を搬送する搬送路の幅に合わせて形成されている。そして、荷重計測装置は、基板と同様に搬送路上を搬送させられ、所定の実装位置で荷重を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-220294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した荷重計測装置は、実装機から搬出された後に回収され、パーソナルコンピュータと接続されて計測データを読み出される。しかしながら、上記した特許文献1には、パーソナルコンピュータが、荷重計測装置の計測データをどのような基準やデータに基づいて分析するのかについて具体的に記載されていない。このため、計測データを分析する処理について改善の余地があった。
【0006】
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、荷重の計測データを分析できる荷重の分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本明細書は、基板に対して部品を装着する装着ヘッドを有
する実装機に配置され、装着の際に前記装着ヘッドが前記部品に付与する荷重を計測する荷重計測装置と、前記実装機とネットワークを介して通信可能に接続された分析装置と、を用いた荷重の分析方法であって、前記装着ヘッドが前記荷重計測装置に付与する荷重を計測する際の許容する荷重値の範囲を示す荷重幅として、基準とする荷重値に対する差分の割合により定められた荷重幅を設定する設定工程と、前記荷重計測装置によって計測された荷重の計測データを保存する保存工程と、前記分析装置が、前記荷重幅を前記実装機から前記ネットワークを介して取得する取得工程と、設定された前記荷重幅に基づいて、前記計測データの荷重の良否を判定する判定工程と、判定された荷重の良否の判定結果を表示する表示工程と、を有する、荷重の分析方法を開示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、荷重幅に基づいて、計測データの荷重を分析できる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】対基板作業システムの構成を示す模式図である。
図2】実装機の平面図である。
図3】実装機の作業位置に基板を配置した状態における断面図である。
図4】荷重計測装置の平面図である。
図5】実装機の作業位置に荷重計測装置を配置した状態における断面図である。
図6】荷重計測装置のブロック図である。
図7】荷重計測用の制御データの生成から、計測データの分析までの一連の処理手順を示すフローチャートである。
図8】荷重計測処理を示すフローチャートである。
図9】分析コンピュータに表示される分析結果の一例を示す図である。
図10】条件データを選択する表示画面の一例を示す図である。
図11】別例の荷重計測装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の荷重計測システムの実施形態の一例として対基板作業システム10について、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0011】
(対基板作業システムの構成)
図1は、本実施形態の実装機11を備える対基板作業システム10の概略構成を示している。対基板作業システム10は、回路基板(以下、「基板」という)CBに部品を実装するシステムである。対基板作業システム10は、1つの部品実装ライン12と、生産管理コンピュータ18と、分析コンピュータ19と、後述する荷重計測装置81とを備えている。基板CBは、図1における左側から右側に向かって部品実装ライン12を搬送され、各種装置によって作業が行われる。部品実装ライン12は、複数(本実施形態では4台)の実装機11と、半田印刷機13と、検査装置14と、リフロー装置15と、基板ハンドリング装置17とを接続して構成されている。各装置等は、隣接した状態で1列に配設され、生産管理コンピュータ18によって統括的に制御される。なお、以下の説明では、各装置等の並ぶ方向をX軸方向、その方向に直交し基板CBの平面と平行な方向をY軸方向と称して説明する。
【0012】
半田印刷機13は、基板CBに対して半田ペーストを印刷する。実装機11は、半田ペーストを印刷された基板CBに部品を装着する。なお、実装機11の詳細については、後述する。検査装置14は、基板CBに装着した部品の状態や異物の有無などを検査する。リフロー装置15は、ペースト状の半田を加熱して再溶融した後に冷却固化して、部品の装着を完結させる。基板ハンドリング装置17は、実装機11等に対して部品実装ライン12における上流及び下流に設けられている。基板ハンドリング装置17の各々は、基板CBを次の装置に搬送したり、待機させたり、あるいは上下を反転させたりする。
【0013】
生産管理コンピュータ18は、CPU、RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されている。生産管理コンピュータ18は、実装機11等とネットワークNW1を介して接続されている。生産管理コンピュータ18は、実装機11等の動作を制御するための制御データD1を、実装機11等に送信する。実装機11等は、生産管理コンピュータ18から受信した制御データD1に基づいて装着作業等を実行する。生産管理コンピュータ18には、複数の制御データD1や、制御データD1を生成するための各種データ(後述する目標荷重値や荷重幅など)が保存されている。
【0014】
生産管理コンピュータ18には、ネットワークNW2を介して分析コンピュータ19が接続されている。分析コンピュータ19は、CPU、RAM等を備えたコンピュータを主体として構成され、操作部19Aと、表示部19Bとを有している。操作部19Aは、例えば、キーボードやマウス等の入力デバイスである。表示部19Bは、例えば、各種情報を表示するディスプレイである。
【0015】
ユーザは、分析コンピュータ19の操作部19Aを操作することで、例えば、ネットワークNW2を介して生産管理コンピュータ18に保存された制御データD1の内容を変更することができる。また、ユーザは、操作部19Aを操作することで、生産管理コンピュータ18から特定の実装機11等に、制御データD1を送信することができる。これにより、ユーザは、分析コンピュータ19の操作部19Aを操作することで、荷重を計測するための装着作業を行う制御データD1の生成や、生成した制御データD1を計測対象の実装機11へ送信する処理を行うことができる。
【0016】
また、本実施形態の分析コンピュータ19は、後述する荷重計測装置81で荷重を計測した実装機11から生産管理コンピュータ18を介して、荷重を計測する際の条件である条件データD2を取得する(第一取得処理)。即ち、条件データD2は、実装機11からネットワークNW1、生産管理コンピュータ18、及びネットワークNW2を介して分析コンピュータ19へ転送される。
【0017】
また、本実施形態の分析コンピュータ19は、荷重計測装置81と接続するための外部インターフェース19Cを有している。外部インターフェース19Cは、荷重計測装置81の外部インターフェース101(図6参照)と接続するためのインターフェースである。外部インターフェース19C,101としては、特に規格等を限定されないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したインターフェースを採用することができる。なお、分析コンピュータ19は、荷重計測装置81と無線通信可能な構成でもよい。
【0018】
分析コンピュータ19は、外部インターフェース19Cを介して、荷重を計測した計測データD3を荷重計測装置81から取得する(第二取得処理)。分析コンピュータ19は、条件データD2に基づいて計測データD3を分析し、分析結果を表示部19Bに表示する。
なお、荷重計測装置81の詳細については後述する。
【0019】
(実装機の構成)
図2は、実装機11の平面図を示している。図2に示すように、実装機11は、搬送装置20、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)22、装着ヘッド24、供給装置26を有している。
【0020】
搬送装置20は、X軸方向に延びるコンベア31を有している。基板CBは、コンベア31によって支持され、X軸方向に搬送される。図3は、実装機11の作業位置を示しており、X軸方向に垂直な平面に沿って切断した断面図を示している。図3に示すように、コンベア31は、コンベアベルト33と、ストッパ35と、クランパ36とを有している。コンベアベルト33は、Y軸方向において所定の距離だけ離間した一組が設けられ、基板CBを上に載せた状態で周回し、基板CBを所定の作業位置(例えば、図2に示す位置)まで搬送する。クランパ36は、作業位置において基板CBを間に挟んでストッパ35と上下方向で対向する位置に設けられている。コンベア31は、コンベアベルト33を周回させて基板CBを作業位置まで搬送すると、クランパ36を上昇させる。基板CBは、クランパ36とストッパ35との間に挟み込まれ、作業位置において固定的に保持される。
【0021】
また、実装機11の作業位置には、駆動部41(例えば、エアシリンダ)によって昇降可能な昇降台43が設けられている。昇降台43の上には、昇降台43に対して取り替え可能なバックアップベース44が設けられている。バックアップベース44の上面には、複数のバックアップピン46が立設している。実装機11は、部品を装着する際に、駆動部41を駆動して昇降台43を上昇させ、ストッパ35及びクランパ36によって位置を保持された基板CBの下面にバックアップピン46を当接させる。これにより、バックアップピン46は、部品装着時に基板CBを撓まないように支持する。
【0022】
また、図2に示すように、移動装置22は、X軸方向スライド機構50と、Y軸方向スライド機構52とを有している。X軸方向スライド機構50は、X軸方向に移動可能にベース54上に設けられたX軸スライダ56を有している。X軸スライダ56は、電磁モータ(図示省略)の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸方向スライド機構52は、Y軸スライダ60を有している。Y軸スライダ60は、Y軸方向に移動可能にX軸スライダ56の側面に設けられている。Y軸スライダ60は、電磁モータ(図示省略)の駆動により、Y軸方向の任意の位置に移動する。装着ヘッド24は、Y軸スライダ60に取り付けられている。このような構造により、装着ヘッド24は、移動装置22によってベース54上の任意の位置に移動する。なお、装着ヘッド24は、Y軸スライダ60に着脱可能とされており、作業に応じたヘッドに交換可能とされている。
【0023】
装着ヘッド24は、基板CBに対して部品を装着するものである。装着ヘッド24は、下面に設けられた複数(図2においては1つのみ図示)の吸着ノズル70を有している。各吸着ノズル70は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。吸着ノズル70は、負圧によって部品を吸着保持し、保持した部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド24は、吸着ノズル70を昇降させる昇降装置(図示省略)を有している。その昇降装置によって、装着ヘッド24は、部品を保持する吸着ノズル70の上下方向の位置を変更する。なお、吸着ノズル70は、装着ヘッド24に着脱可能とされており、保持対象の部品に応じた吸着ノズルや多の保持部材(チャックなど)に交換可能とされている。
【0024】
供給装置26は、フィーダ型の供給装置であり、複数のテープフィーダ72を有している。テープフィーダ72は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、部品をテーピング化したものである。テープフィーダ72は、送り装置(図示省略)によってテープ化部品を送り出し、部品を供給位置に供給する。
【0025】
(実装機による装着作業)
実装機11は、上述した構成によって、基板CBに対する部品の装着作業を行う。より具体的には、実装機11は、上流側の基板ハンドリング装置17から搬入された基板CBを、搬送装置20によって作業位置まで搬送する。ストッパ35及びクランパ36は、作業位置において、基板CBを固定的に保持する。また、テープフィーダ72は、テープ化部品を送り出し、部品を供給位置に供給する。装着ヘッド24は、テープフィーダ72の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル70によって部品を吸着保持する。装着ヘッド24は、作業位置に配置された基板CBの上方に移動し、保持している部品を基板CBに装着する。下流側の基板ハンドリング装置17は、実装機11による部品の装着作業が完了すると、下流側の他の装着に基板CBを搬送する。
【0026】
(荷重計測装置の構成)
次に、本実施形態の荷重計測装置81の構成について説明する。図4は、本実施形態の荷重計測装置81の平面図を示している。図5は、荷重計測装置81の断面図であり、荷重計測装置81を実装機11の作業位置に配置した状態を示している。即ち、図5は、図3に対応し、基板CBに替えて荷重計測装置81を配置した状態となっている。また、図6は、荷重計測装置81の電気的な構成を示している。
【0027】
なお、本実施形態の荷重計測装置81の構成は一例であり、荷重を計測可能な他の構成でもよい。また、図5では、バックアップベース44は、バックアップピン46を取り外した状態となっている。これにより、バックアップベース44とコンベア31との間には、より大きな空間を確保することが可能となる。また、以下の説明では、荷重計測装置81を搬送する際の方向(X軸方向及びY軸方向)を用いて、荷重計測装置81の各部材の位置等について説明する。
【0028】
図4及び図5に示すように、荷重計測装置81は、筐体83と、筐体83の上面に取り付けられた被挟持板85,86とを有している。筐体83は、上方から視た場合に略正方形状をなしている。筐体83は、X軸方向及びY軸方向に伸び、上下方向に所定の厚みをもった厚い板状をなしている。筐体83の上下方向の厚みL2(図5参照)は、例えば、50mmである。なお、荷重計測装置81を薄型に構成した場合は、バックアップピン46をバックアップベース44に取り付けたまま、荷重計測装置81をコンベア31で搬送してもよい。
【0029】
被挟持板85,86は、筐体83の上面83AにおけるY軸方向の両端のそれぞれに設けられている。被挟持板85,86は、Y軸方向の幅を略同一としながらX軸方向に延設された板状をなしている。被挟持板85,86の上下方向の厚みL3は、図3に示す基板CBの厚みL1と同一(例えば、2mm)となっている。被挟持板85,86は、筐体83のY軸方向における側縁部から外側に向かって、且つ、上面83Aの平面に沿って延設されている。コンベアベルト33は、この被挟持板85,86のY軸方向の外側に突出した部分の下面を支持している。また、被挟持板85,86の各々は、複数(本実施形態では、5個)のネジ88によって筐体83に対して固定されている。コンベア31は、被挟持板85,86の筐体83からY軸方向の外側に突出した部分を、コンベアベルト33に乗せた状態で荷重計測装置81を搬送する。荷重計測装置81のY軸方向に沿った幅W2は、基板CBの基板幅W1(図3参照)と略同一となっている。
【0030】
図6に示すように、荷重計測装置81は、電源91と、電源スイッチ93と、残量メータ94と、荷重センサ95と、データロガー97と、計測開始スイッチ99と、外部インターフェース101等を有している。電源91は、例えば、充電式のバッテリーであり、荷重センサ95及びデータロガー97へ直流の電圧V1を供給する。
【0031】
電源スイッチ93は、電源91から荷重センサ95等への電圧V1の供給の開始、又は停止を切り替えるスイッチである。電源スイッチ93は、筐体83の底面83E(図5参照)に取り付けられている。電源スイッチ93は、例えば、スライドスイッチやタクトスイッチ(登録商標)等であり、ユーザからの操作に応じたON/OFF信号S1を電源91へ出力する。電源91は、電源スイッチ93からのON/OFF信号S1に応じて、荷重センサ95等への電圧V1の供給を開始、又は停止する。残量メータ94は、筐体83の底面83Eに取り付けられている。残量メータ94は、電源91と接続されており、電源91のバッテリーの残量を表示する。
【0032】
荷重センサ95は、装着ヘッド24の吸着ノズル70によって押圧される荷重(部品を押圧する力など)を検出するセンサである。荷重センサ95は、例えば、水晶圧電式の荷重センサであり、上下方向の荷重のみを検出する1軸センサとして構成されている。なお、荷重センサ95は、歪みゲージ式等の他の方式の荷重センサでもよい。歪みゲージ式の荷重センサは、応答性の観点から水晶圧電式のものに比べて衝撃荷重(動的な力)を精度よく検出できない可能性がある。このため、荷重センサ95としては、水晶圧電式の荷重センサが好ましい。また、荷重センサ95は、複数の方向の荷重を検出可能な複数軸の荷重センサでもよい。
【0033】
荷重センサ95は、筐体83の上面83Aに取り付けられた荷重入力部95Aを有する。図4に示すように、上面83Aには、被挟持板86に近接する位置に計測板83Cが設けられている。計測板83Cには、上下方向に貫通する貫通孔83Dが形成されている。荷重入力部95Aは、略円柱形状をなし、貫通孔83D内を上下方向に挿通されている。
【0034】
ここで、ユーザは、例えば、荷重の計測を行う際、テープフィーダ72に部品をセットしない。そして、実装機11は、制御データD1に基づいて装着ヘッド24を駆動し、部品を吸着保持していない吸着ノズル70によって荷重入力部95Aを押圧する。荷重センサ95は、吸着ノズル70によって荷重入力部95Aを下方へ押下されると、その荷重で水晶圧電素子(図示略)の内部に圧縮応力を生じさせ、応力の大きさに応じたアナログの検出電圧V2を出力する。荷重センサ95は、検出電圧V2をデータロガー97に出力する。なお、荷重センサ95は、検出電圧V2を増幅するアンプ等を備えてもよい。
【0035】
本実施形態の荷重センサ95は、例えば、静荷重と動荷重とを計測可能となっている。ここでいう静荷重とは、例えば、吸着ノズル70から荷重センサ95(実装時には部品や基板CB)に加わる荷重のうち、時間の経過に対して変化せず一定の値となる荷重である。また、動荷重とは、吸着ノズル70から荷重センサ95に加わる荷重のうち、時間の経過に対して変化する荷重である。具体的には、動荷重は、例えば、吸着ノズル70を荷重入力部95Aに接触(衝突)させた際に発生する衝突荷重である。静荷重は、例えば、接触後に吸着ノズル70によって荷重入力部95Aを押圧する際に発生する押圧荷重である。データロガー97は、この装着動作において荷重センサ95から出力される動荷重及び静荷重(検出電圧V2)を連続的に記録する。この記録された動荷重及び静荷重(検出電圧V2)が、基板CBや部品の耐荷重の条件を満たしているか否かを分析することで、荷重の良否を判定できる。
【0036】
計測開始スイッチ99は、吸着ノズル70によって操作可能な押圧スイッチ99Aを有する。押圧スイッチ99Aは、計測板83Cにおいて荷重入力部95Aに近接した位置に設けられている(図4参照)。計測開始スイッチ99は、例えば、吸着ノズル70によって押圧スイッチ99Aを押下されていない状態ではオフ状態となり、ローレベルの記録開始信号S2(図6参照)をデータロガー97に出力する。また、計測開始スイッチ99は、例えば、吸着ノズル70によって押圧スイッチ99Aを一定の基準位置まで下方に押下されると、ハイレベルの記録開始信号S2をデータロガー97に出力する。
【0037】
データロガー97は、ローレベルの記録開始信号S2を入力する間は、荷重センサ95から入力された検出電圧V2の記憶を実行しない。また、データロガー97は、計測開始スイッチ99からハイレベルの記録開始信号S2を入力したタイミングから所定時間だけ検出電圧V2を記録する。この所定時間は、吸着ノズル70の動作シーケンス、より具体的には、部品を基板CBに装着する際の実際の動作時間や動作状態に応じて設定される。例えば、実装機11は、吸着ノズル70によってまず押圧スイッチ99Aを押下した後、次に荷重入力部95Aを押下する。所定時間は、この吸着ノズル70の動作シーケンスに必要な時間を設定される。そして、データロガー97は、吸着ノズル70によって押圧スイッチ99Aを押下されてから所定時間だけ荷重センサ95から出力される検出電圧V2を記録する。データロガー97は、入力した検出電圧V2を計測データD3として記録する。これにより、荷重計測の前後における不要なデータ(振動による荷重など)を極めて少なくすることが可能となっている。なお、データロガー97は、検出電圧V2の記録を終了するタイミングを別の方法により検出してもよい。例えば、データロガー97は、記録を開始した後、押圧スイッチ99Aを再度押下され、ハイレベルの記録開始信号S2を入力するまで検出電圧V2の記録を継続してもよい。
【0038】
外部インターフェース101は、上記した分析コンピュータ19と接続するためのインターフェースである。図5に示すように、外部インターフェース101は、例えば、側面83Bに取り付けられている。ユーザは、外部インターフェース101を介して荷重計測装置81と接続した分析コンピュータ19(操作部19A)を操作し、データロガー97から計測データD3を読み出すことができる。これにより、ユーザは、計測データD3(荷重の計測結果)を分析コンピュータ19の表示部19Bに表示等することができる。例えば、分析コンピュータ19は、計測データD3(検出電圧V2を荷重に変換した値)のピーク値が所望の値の範囲内に収まっているか否かに基づいて、吸着ノズル70による荷重が正常であるか否かを判定する。
【0039】
また、図4に示すように、上面83Aには、作業位置に固定した荷重計測装置81の正確な位置、換言すれば、荷重入力部95A及び押圧スイッチ99Aの正確な位置を検出するための2つのフィデューシャルマーク111が設けられている。フィデューシャルマーク111は、計測板83CをX軸方向の両側で挟む位置の各々に設けられている。また、上面83Aには、被挟持板85に近接する位置にコード部113が設けられている。コード部113は、例えば、2次元コードであり、荷重計測装置81を基板CBと識別するためのものである。なお、コード部113は、荷重計測装置81と基板CBとを識別可能なものであれば、バーコード等の他の識別情報でもよい。
【0040】
実装機11は、荷重計測装置81の上面83Aに設けられたフィデューシャルマーク111やコード部113を、装着ヘッド24のカメラ(図示略)によって撮像し、画像データを取得する。実装機11は、フィデューシャルマーク111を撮像した画像データを画像処理することによって、位置決めされた荷重計測装置81や押圧スイッチ99Aなどの正確な座標位置(X軸方向及びY軸方向における位置)を検出する。また、実装機11は、コード部113を撮像した画像データを画像処理することによって、荷重計測装置81であるか否かを判定することができる。
【0041】
(荷重の計測及び分析について)
次に、荷重計測装置81による荷重の計測、及び分析コンピュータ19による分析の方法について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、荷重計測用の制御データD1の生成から、計測データD3の分析までの一連の処理手順を示している。図8は、荷重計測処理の手順を示している。なお、図7及び図8に示す手順は、一例であり、対基板作業システム10の構成等に応じて適宜変更可能である。
【0042】
まず、図7のステップ(以下、単に「S」と表記する)11において、ユーザは、荷重を計測する対象の実装機11を動作せる制御データD1、即ち、計測用の制御データD1を生成する。例えば、ユーザは、分析コンピュータ19の操作部19Aを操作して制御データD1を生成する。この制御データD1は、例えば、部品をセットしていないテープフィーダ72から部品を取得するかのような動作(実際には取得しない動作)を実行し、作業位置(例えば、図2に示す位置)に固定された荷重計測装置81に対して装着作業を実行するデータである。荷重計測装置81は、この装着作業にともなって、吸着ノズル70に荷重入力部95Aを押圧され、荷重を計測・保存する。
【0043】
また、この制御データD1には、装着作業において吸着ノズル70から部品や基板CBに付与する荷重、即ち、計測の際に荷重計測装置81に付与する荷重が設定される。この荷重は、例えば、目標とする目標荷重値や許容する荷重値の範囲を示す荷重幅である。目標荷重値や荷重幅は、生産する基板CBの種類や実装する部品の耐荷重などに基づいて設定される。これにより、計測対象の実装機11は、この目標荷重値や荷重幅の範囲で装着作業を行う。その結果、後述する荷重計測装置81の計測データD3と、制御データD1(条件データD2)の目標荷重値等を比較することで、荷重の良否を判定できる。
【0044】
特に、本実施形態の荷重計測装置81は、実装機11と通信する手段や機能を備えていない。このため、荷重計測装置81の計測データD3は、実装機11から干渉を受けずに計測したデータとなる。より具体的には、荷重計測装置81は、実装機11と通信を実行できないため、実装機11から計測データD3を上書きや書き替えられる可能性がなく、実装機11から物理的に付与された荷重をそのまま計測データD3として記録できる。これにより、ユーザから見た計測データD3の客観性を担保し、計測データD3の信頼性を向上できる。
【0045】
次に、S13において、ユーザは、分析コンピュータ19を操作して、生産管理コンピュータ18から計測対象の実装機11へ制御データD1を送信させる。本実施形態の実装機11は、荷重の計測に先立って、生産管理コンピュータ18から制御データD1を受信した場合に、ユーザからの開始指示を受け付けるまで、受信した制御データD1に基づく装着作業を開始するのを待機する。例えば、実装機11は、制御データD1を受信すると、計測のための装着作業を実施するか否かを選択する画面を表示パネル11A(図1参照)に表示する。この表示パネル11Aは、例えば、静電容量方式のタッチパネルと、液晶表示式の表示パネルを厚さ方向に重ねた構成であり、タッチパネル上に表示された操作キーを押圧操作することで、各種の入力操作を行うことが可能な構成となっている。実装機11は、ユーザから表示パネル11Aに対して実行を指示する入力を受け付けると、制御データD1に基づく装着作業を開始する。なお、実装機11は、制御データD1を受信した際に、ユーザの指示を待たずに実行する設定でもよい。
【0046】
S13において、ユーザから表示パネル11Aへの入力を受け付けると、実装機11は、荷重計測処理を開始する(S15)。実装機11は、例えば、図1に示す部品実装ライン12の上流側から荷重計測装置81を搬入する旨の表示を表示パネル11Aに行う。図8のS31において、ユーザは、荷重計測装置81の電源スイッチ93を操作してオン状態とする。電源91は、オン状態を示すON/OFF信号S1を入力することに応じて、荷重センサ95及びデータロガー97への電圧V1の供給を開始する。
【0047】
ユーザは、電源を起動した荷重計測装置81を部品実装ライン12の上流側に配置する(S31)。対基板作業システム10は、制御データD1に基づいて、例えば、荷重を計測したい実装機11のみを選択的に動作させる。対基板作業システム10は、部品実装ライン12の上流側(半田印刷機13側)から、計測対象の実装機11の作業位置まで荷重計測装置81を搬送する。また、対基板作業システム10は、荷重計測装置81を搬送する間、半田印刷機13等による作業を実行しない。そして、計測対象の実装機11は、生産管理コンピュータ18から取得した制御データD1に基づいて、装着ヘッド24及び吸着ノズル70を動作させ、荷重計測装置81に対する装着作業を実行する。なお、荷重計測装置81の搬送中において、データロガー97は、ローレベルの記録開始信号S2を入力しているため、仮に荷重センサ95から検出電圧V2を入力したとしても記録しない。これにより、荷重計測装置81は、搬送中の振動等を誤って荷重としてデータロガー97に記録するのを抑制することが可能となる。
【0048】
次に、計測対象の実装機11は、上流側の基板ハンドリング装置17から荷重計測装置81を搬入し作業位置に位置決めする(S33)。次に、計測対象の実装機11は、制御データD1に基づいて装着ヘッド24を移動させ、作業位置に保持された荷重計測装置81のコード部113を撮像する。実装機11は、撮像した画像データからコード部113を検出する(S35)。実装機11は、検出したコード部113が荷重計測装置81を示す識別情報であるか否かを判定する(S37)。
【0049】
実装機11は、検出したコード部113が荷重計測装置81の識別情報でないと判定した場合(S37:NO)、例えば、表示パネル11Aにエラー表示し、ユーザに異常を報知した後(S39)、図8に示す処理を終了する。この場合、ユーザは、例えば、図7のS11からの処理を再度やり直すこととなる。
【0050】
一方、実装機11は、検出したコード部113が荷重計測装置81の識別情報と一致する場合(S37:YES)、2つのフィデューシャルマーク111を撮像する(S41)。実装機11は、撮像データから検出したフィデューシャルマーク111の位置に基づいて、位置決めされた荷重計測装置81の正確な座標位置を検出する。実装機11は、検出したフィデューシャルマーク111の位置に応じて、装着ヘッド24を移動させる座標位置の補正を実行する(S41)。
【0051】
次に、実装機11は、装着作業を実行する(S43)。装着作業では、実装機11は、装着ヘッド24を押圧スイッチ99Aの上方に移動させる。実装機11は、装着ヘッド24を下降させ、吸着ノズル70によって押圧スイッチ99Aを押下する。計測開始スイッチ99は、押圧スイッチ99Aを押下されることで、ハイレベルの記録開始信号S2をデータロガー97へ出力する。データロガー97は、この時点から所定時間だけ検出電圧V2の記録を開始する。実装機11は、装着ヘッド24を荷重入力部95Aの上方に移動させ、吸着ノズル70によって荷重入力部95Aを押下する。荷重センサ95は、吸着ノズル70による押圧荷重に応じた検出電圧V2をデータロガー97に出力する。データロガー97は、ハイレベルの記録開始信号S2を入力してから所定時間だけ経過したタイミングで、検出電圧V2の記録を終了する。従って、このデータロガー97による記録時間は、装着ヘッド24や吸着ノズル70の動作に応じて、より具体的には上記した動作に応じて、予め適切な時間を設定することができる。
【0052】
なお、実装機11は、複数の吸着ノズル70によって荷重計測装置81に対する装着作業(荷重の計測)を実行する場合には、上記した装着作業を、複数の吸着ノズル70の各々を用いて順番に実行する。データロガー97には、吸着ノズル70ごとの荷重が順番に記憶される。
【0053】
また、全ての吸着ノズル70の計測が終了すると、実装機11は、荷重を計測した際の条件データD2を保存する。この条件データD2は、計測を実施した際の様々な条件を示すデータである。具体的には、条件データD2は、例えば、計測を実施した日時、実装機11の識別情報(図9のモジュールのシリアルナンバー)、装着ヘッド24の識別情報(図9のヘッドシリアルナンバー)、ノズル種(図9参照)、目標荷重値、荷重幅等の情報である。実装機11は、制御データD1等に基づいて条件データD2を生成及び保存する。なお、実装機11は、新たな計測を実施するごとに、古い条件データD2を削除する設定でもよい。これにより、1台の実装機11における最新の条件データD2を特定し易くなる。また、実装機11に不要な過去の条件データD2が蓄積されメモリ等を圧迫するのを抑制できる。
【0054】
次に、計測対象の実装機11は、荷重計測装置81を下流側へ搬出する(S49)。対基板作業システム10は、計測対象の実装機11から搬出した荷重計測装置81を、最下流(リフロー装置15側)まで搬送する(S49)。そして、ユーザは、部品実装ライン12から搬出された荷重計測装置81を取り出す。
【0055】
図7に戻り、ユーザは、分析コンピュータ19を操作して、計測を実行した実装機11から条件データD2を取得する(S17)。分析コンピュータ19は、生産管理コンピュータ18を介して実装機11から条件データD2を取得する(図1参照)。例えば、分析コンピュータ19は、ユーザから条件データD2を取得したい旨の操作を操作部19Aに受け付けると、部品実装ライン12に設置された複数の実装機11のうち、条件データD2を保存する実装機11を選択する画面を表示部19Bに表示する。
【0056】
図10は、表示部19Bの表示画面121の一例を示している。図10に示すように、表示画面121には、モジュールS/N(シリアルナンバー)、条件データ取得日時、及びダウンロードボタン123が表示されている。分析コンピュータ19は、例えば、これらの情報を生産管理コンピュータ18に問い合わせて表示を行う。モジュールS/Nは、複数の実装機11を互いに識別するためのユニークなナンバーである。条件データ取得日時は、条件データD2を取得した日時を示している。例えば、条件データ取得日時に示される時間情報125は、計測終了後に実装機11によって条件データD2を保存した日時であり、条件データD2を特定するのに利用できる情報である。なお、時間情報125は、条件データD2を保存した時間に限らず、他の条件データD2を特定できる情報、例えば、実装機11で荷重の計測を開始した時間でもよい。ダウンロードボタン123は、条件データD2のダウンロードの開始を分析コンピュータ19に指示するボタンである。例えば、分析コンピュータ19は、ユーザによって操作部19A(マウス)を操作され、いずれかのダウンロードボタン123をクリックされると、選択されたモジュールの条件データD2を生産管理コンピュータ18(実装機11)からダウンロードする。これにより、ユーザは、条件データD2を取得したいと考えている実装機11を表示画面121に表示されるモジュールS/Nで確認しながら、ダウンロードボタン123で条件データD2をダウンロードできる。
【0057】
分析コンピュータ19による条件データD2のダウンロードが完了すると(図7のS17)、ユーザは、荷重計測装置81を分析コンピュータ19に接続する(S19)。ユーザは、荷重計測装置81の外部インターフェース101と、分析コンピュータ19の外部インターフェース19CとをUSBケーブルで接続する。分析コンピュータ19は、荷重計測装置81を接続されると、荷重を分析可能な状態となる。
【0058】
この状態において、分析コンピュータ19は、例えば、ユーザによって操作部19Aを操作され分析を開始する旨の入力を受け付けると、荷重計測装置81のデータロガー97に保存された計測データD3を読み込んで、読み込んだ計測データD3(検出電圧V2の値)を荷重に変換する。分析コンピュータ19は、変換後の荷重の値を、ダウンロードした条件データD2に基づいて分析する(S21)。従って、本実施形態の分析コンピュータ19は、S17においてユーザによって選択された実装機11からダウンロードした条件データD2と、荷重計測装置81から読み込んだ計測データD3とが対応するものとして分析を実行する。
【0059】
なお、分析コンピュータ19は、条件データD2と計測データD3との関連性を示す情報に基づいて、条件データD2に対応する計測データD3を判定してもよい。例えば、分析コンピュータ19は、条件データD2の時間情報125(図10参照)と、計測データD3の時間情報とに基づいて、条件データD2に対応する計測データD3を判定してもよい。ここでいう計測データD3の時間情報とは、例えば、荷重計測装置81によって荷重を計測した(取得した)時間である。また、時間情報125に基づいて対応関係を判定する場合、実装機11と荷重計測装置81との基準時間を予め一致させておくことが好ましい。例えば、荷重計測装置81は、計測前に分析コンピュータ19に接続されることで、実装機11と基準時間を一致させる構成でもよい。そして、分析コンピュータ19は、計測後の荷重計測装置81を接続されると、荷重計測装置81から読み込んだ計測データD3の時間情報に基づいて、計測データD3に対応する(時間情報が一致する)条件データD2を実装機11から検索してもよい。これにより、ユーザに条件データD2を選択させる手間をなくし、分析コンピュータ19が読み込んだ計測データD3に対応する条件データD2を自動で判定し、関連付けることができる。
【0060】
また、分析コンピュータ19は、時間情報125以外の他の情報(条件データD2と計測データD3との関連性を示す情報)に基づいて、条件データD2に対応する計測データD3を判定してもよい。例えば、実装機11は、荷重計測装置81と通信可能に構成され、計測時に荷重計測装置81に対して識別情報(関連性を示す情報)を通知してもよい。そして、荷重計測装置81は、実装機11から通知された識別情報を計測データD3と関連付けて記憶してもよい。これにより、分析コンピュータ19は、荷重計測装置81から読み込んだ計測データD3の識別情報に基づいて、計測データD3に対応する条件データD2を実装機11から検索できる。
【0061】
また、荷重計測装置81は、計測データD3の識別情報(関連性を示す情報)を入力可能な入力部を備えてもよい。ユーザは、例えば、荷重の計測前に実装機11の表示パネル11A(図1参照)に表示された識別情報(モジュールや計測日時を特定できる数字など)を確認し、荷重計測装置81の入力部を使用して確認した識別情報を入力する。荷重計測装置81は、入力された識別情報を計測データD3と関連付けて記憶してもよい。この場合にも、分析コンピュータ19は、荷重計測装置81から読み込んだ計測データD3の識別情報に基づいて、計測データD3に対応する条件データD2を実装機11から検索できる。
【0062】
また、分析コンピュータ19は、条件データD2と計測データD3との対応関係を判定しなくともよい。例えば、荷重計測装置81を、1回の計測データD3のみデータロガー97に記憶できる構成としてもよい。そして、対基板作業システム10は、計測データD3の分析を分析コンピュータ19によって実行されるまで次の荷重の計測を実行できない構成でもよい。これにより、ユーザは、荷重の計測を1回実施するごとに、必ず分析コンピュータ19による分析を実施する。即ち、ユーザは、計測から分析までの作業を一連の処理として行うなどの制約が生じる。この場合、荷重計測装置81から取得した計測データD3と、生産管理コンピュータ18から取得した条件データD2とは、一対一の関係となり、対応関係の判定が不要となる。従って、分析コンピュータ19は、生産管理コンピュータ18から取得した条件データD2と、荷重計測装置81から取得した計測データD3とを、対応関係を判定せずに関連付けることができる。
【0063】
次に、分析コンピュータ19は、条件データD2に基づいて計測データD3を分析すると、分析結果を表示部19Bに表示させる(S23)。なお、分析コンピュータ19は、分析結果を表示部19Bに表示させずに、例えば、分析結果を印刷等してもよい。
【0064】
図9は、分析結果の一例を示している。図9の左上には、荷重計測装置81のシリアルナンバー(図9中の計測装置S/N)、実装機11のシリアルナンバー(図9中のモジュールS/N)、装着ヘッドのシリアルナンバー(図9中のヘッドS/N)が表示されている。これらの情報は、条件データD2に設定されており、分析コンピュータ19によって表示される。
【0065】
また、各シリアルナンバーの下には、吸着ノズル70の情報が表示されている。図9に示す例では、装着ヘッド24に12個の吸着ノズル70が装着されていた場合を示している。吸着ノズル70の情報には、吸着ノズル70のノズルホルダに保持される位置に応じた番号(図9中のNO)、吸着ノズル70の型番(図9中のノズル種)、吸着ノズル70のシリアルナンバー(図9中のS/N)、荷重の良否の判定結果(図9中の結果)が表示されている。上記したNO、型番、シリアルナンバーは、条件データD2に設定されており、分析コンピュータ19によって表示される。また、判定結果は、分析コンピュータ19によって分析される。
【0066】
吸着ノズル70の情報の下には、荷重の分析結果の情報が表示されている。図9に示す例では、12個の吸着ノズル70の各々について8回ずつ荷重を計測した結果が表示されている。実装機11は、例えば、複数の吸着ノズル70によって荷重計測装置81に対する荷重の計測を実行する場合には、複数の吸着ノズル70の各々を用いて順番に装着作業(荷重入力部95Aの押下)を実行する。実装機11は、複数の吸着ノズル70の計測について、例えば、1番目のノズル→2番目のノズル→・・・・12番目のノズル→1番目のノズル・・・のサイクルを8回だけ順番に繰り返す。あるいは、実装機11は、複数の吸着ノズル70の計測について、例えば、1番目のノズルを8回→2番目のノズルを8回→・・・・12番目のノズルを8回といったノズルごとに8回順番に繰り返してもよい。
【0067】
荷重計測装置81は、複数の吸着ノズル70の各々について順番に荷重を計測し、順番ごとに荷重を計測データD3として保存する。データロガー97には、吸着ノズル70ごとの荷重が順番に記憶される。また、例えば、実装機11は、条件データD2を保存する際に、制御データD1に基づいて計測を実行した吸着ノズル70の順番を条件データD2に保存する。これにより、上記したS21において、分析コンピュータ19は、複数の吸着ノズル70の計測の順番を条件データD2に基づいて検出し、検出した順番に従って計測データD3を関連付けて分析することができる。そして、図9に示すように、分析コンピュータ19は、関連付けた順番で荷重値を表示する。
【0068】
また、上記したように、条件データD2には、荷重を計測する際に装着ヘッド24の吸着ノズル70が付与する荷重を実装機11によって制御するための目標となる目標荷重値、及び許容する荷重値の範囲を示す荷重幅が設定されている。図9に示すように、荷重の分析結果の情報には、吸着ノズル70ごとの目標荷重値や荷重幅が表示されている。分析コンピュータ19は、この条件データD2の目標荷重値及び荷重幅に基づいて計測データD3の荷重の良否を分析する(S21)。
【0069】
例えば、分析コンピュータ19は、1つの吸着ノズル70を対象とし、8回の計測により得た8個の荷重値が、目標荷重値を基準として荷重幅の範囲に入っているか否かを判定する。例えば、NO1の吸着ノズル70では、目標荷重値として181gf(グラムフォース)が設定され、荷重幅として20%が設定されている。この場合、分析コンピュータ19は、例えば、8回計測した荷重値の全てが、上限値(217.2gf=181gf*1.2)以下で、且つ下限値(144.8gf=181gf*0.8)以上の場合に、荷重が良好であると判定する。
【0070】
なお、良否の判定基準はこれに限らず、例えば、8回計測した荷重値の一部(過半数など)が、上限値と下限値との間に含まれている場合に、荷重が良好であると判定してもよい。また、分析コンピュータ19は、目標荷重値又は荷重幅の一方で荷重の良否を判定してもよい。例えば、分析コンピュータ19は、計測した荷重が目標荷重値と一致するか否かによって荷重の良否を判定してもよい。あるいは、分析コンピュータ19は、計測した複数の荷重が、その平均値を基準として一定の荷重幅内に収まっているか否かによって荷重の良否を判定してもよい。
【0071】
また、図9に示すように、分析コンピュータ19は、上記した目標荷重値や荷重幅の他、ユーザにとって有益となる情報として、例えば、8回計測した荷重幅の平均値、3シグマ値、最小値、最大値を分析し(S21)、表示部19Bに表示する(S23)。なお、ユーザにとって有益な情報は、これに限らず、他の荷重値を用いて演算した値などでもよい。
【0072】
また、分析コンピュータ19は、図9の右上に示すように、各吸着ノズル70について8回計測した荷重値を散布図として表示する。分析コンピュータ19は、横軸にノズルNO(1~12)を設定し、縦軸に荷重値(gf)を設定し、8回計測した荷重値をプロットする。これにより、ユーザは、各吸着ノズル70の荷重値を視覚的に容易に認識することができる。なお、グラフは、散布図に限らず、棒グラフや折れ線グラフでもよい。
【0073】
また、分析コンピュータ19は、分析の終了や(S21)、結果の表示(S23)に合わせて、分析に用いた条件データD2を実装機11から削除する処理を実行してもよい。例えば、分析コンピュータ19は、分析を終了させたタイミングで(S21)、ダウンロードした条件データD2と、実装機11に保存された元データとを削除する。分析コンピュータ19は、実装機11の条件データD2(元データ)を削除する旨を、生産管理コンピュータ18に通知する。これにより、実装機11に保存された条件データD2は、分析で使用され不要になったタイミングで削除される。
【0074】
因みに、上記実施形態において、対基板作業システム10は、荷重計測システムの一例である。表示パネル11Aは、受付部の一例である。生産管理コンピュータ18は、管理装置の一例である。分析コンピュータ19は、分析装置の一例である。S17の処理は、第一取得処理の一例である。S21の処理は、第二取得処理及び分析処理の一例である。
【0075】
上記実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(効果1)本実施形態の対基板作業システム10(荷重計測システム)は、基板CBに対して部品を装着する装着ヘッド24を有する実装機11に配置され、装着の際に装着ヘッド24が部品に付与する荷重を計測する荷重計測装置81と、分析コンピュータ19(分析装置)と、を備える。分析コンピュータ19は、荷重を計測する際の実装機11の条件である条件データD2を取得する第一取得処理(図7のS17)を実行する。また、分析コンピュータ19は、荷重を計測した結果である計測データD3を、荷重計測装置81から取得する第二取得処理(図7のS21)を実行する。そして、分析コンピュータ19は、第一取得処理で取得した条件データD2に基づいて、第二取得処理で取得した計測データD3を分析する分析処理(S21)を実行する。
【0076】
これによれば、分析コンピュータ19は、荷重の計測時における実装機11の条件データD2を取得する。また、分析コンピュータ19は、荷重計測装置81から荷重の計測データD3を取得する。そして、分析コンピュータ19は、条件データD2に基づいて計測データD3を分析する。即ち、分析コンピュータ19は、荷重の計測時における実装機11の条件に基づいて計測データD3を分析する。ここでいう、条件データD2とは、例えば、計測日時、実装機11を制御する制御データD1の設定値、実装機11に装着された機器の種類、実装機11の機器の装着状態、気温、湿度などである。また、分析とは、計測データD3に実装機11のシリアルナンバーを追加する処理、計測した荷重の最大値やシグマ値の演算、その演算結果をグラフ化する処理、あるいは荷重の良否を判定する処理などである。また、分析とは、例えば、ノズルホルダに保持された複数の吸着ノズル70の各々(保持された位置や番号)と、計測した計測データD3との対応付けである。これにより、計測した荷重の分析を、実装機11の計測時の条件に基づいて分析することが可能となる。
【0077】
(効果2)また、条件データD2には、荷重の計測において装着ヘッド24が付与する荷重を、実装機11が制御する際に目標とする目標荷重値(図9参照)、及び許容する荷重値の範囲を示す荷重幅(図9参照)のうち少なくとも一方が設定される。分析コンピュータ19(分析装置)は、条件データD2の目標荷重値及び荷重幅のうち少なくとも一方に基づいて計測データD3の荷重の良否を分析する。
【0078】
これによれば、条件データD2には、計測時において実装機11が実際の制御に用いた目標荷重値や荷重幅が設定される。分析コンピュータ19は、この目標荷重値や荷重幅に基づいて計測データD3の荷重の良否を判定する。例えば、分析コンピュータ19は、計測データD3の荷重値が目標荷重値に一致しているか否かを判定することで、制御上の荷重値と、計測した荷重値との一致、即ち、荷重の良否を判定できる。
【0079】
(効果3)また、分析コンピュータ19は、ユーザからの操作を受け付ける操作部19Aを備え、第一取得処理(図7のS17)において、操作部19Aにより選択された実装機11に応じた条件データD2を取得する(図10参照)。
【0080】
これによれば、ユーザは、操作部19Aを操作することで、荷重計測装置81の計測データD3を分析するのに必要な条件データD2を、どの実装機11から取得すべきなのかを選択できる。このため、ユーザは、計測データD3を、その計測データD3を計測した実装機11の条件データD2とより確実に関連付けることができる。
【0081】
(効果4)また、分析コンピュータ19は、条件データD2と計測データD3との関連性を示す情報に基づいて、条件データD2に対応する計測データD3を判定してもよい。
【0082】
複数の実装機11で荷重を計測した場合や、時間や日時を変えて同じ実装機11で荷重を計測した場合、条件データD2と計測データD3との対応関係が不明となる虞がある。これに対し、分析コンピュータ19は、条件データD2と計測データD3との関連性を示す情報に基づいて対応関係を判定する。これにより、複数の実装機11で荷重を計測した場合等でも、条件データD2と計測データD3とを適切に関連付けることができる。
【0083】
(効果5)また、分析コンピュータ19は、条件データD2と計測データD3との関連性を示す情報として、条件データD2の時間情報125及び計測データD3の時間情報を用いてもよい。
【0084】
分析コンピュータ19は、条件データD2の時間情報125と、計測データD3の時間情報とに基づいて対応関係を判定する。条件データD2の時間情報125とは、例えば、荷重を計測する装着作業を実行した時間である。計測データD3の時間情報とは、例えば、荷重計測装置81によって荷重を計測した(取得した)時間である。実装機11と荷重計測装置81との基準時間が一致している場合、実装機11の装着ヘッド24が荷重計測装置81に荷重を付与した時間と、荷重を付与された荷重計測装置81が荷重を取得した時間とは一致するはずである。これにより、複数の実装機11で荷重を計測した場合等でも、条件データD2と計測データD3とを適切に関連付けることができる。
【0085】
(効果6)また、装着ヘッド24は、部品を吸着して保持する複数の吸着ノズル70を備える。荷重計測装置81は、複数の吸着ノズル70の各々から順番に荷重を付与され、その順番に計測した荷重を計測データD3として保存する。分析コンピュータ19は、複数の吸着ノズル70の計測の順番を条件データD2に基づいて検出し、検出した順番に従って計測データD3を複数の吸着ノズル70の各々に関連付けて分析する。
【0086】
これによれば、分析コンピュータ19は、条件データD2に基づいて複数の吸着ノズル70の計測の順番を検出し、検出した順番に従って計測データD3を複数の吸着ノズル70の各々に関連付けて分析する。このため、複数の吸着ノズル70を順番に計測し、計測した複数の荷重値をまとめて荷重計測装置81に保存した場合であっても、分析コンピュータ19は、複数の吸着ノズル70が荷重を付与した順番に従って、吸着ノズル70と計測データD3とを適切に関連付けできる。
【0087】
(効果7)また、実装機11は、制御データD1に基づいて部品を装着する作業を実行するものである。対基板作業システム10は、実装機11に接続され、荷重を計測するための装着作業の内容を設定した制御データD1を、計測対象の実装機11に送信する生産管理コンピュータ18(管理装置)を、さらに備える。分析コンピュータ19(分析装置)は、生産管理コンピュータ18を介して条件データD2を実装機11から取得する。
【0088】
これによれば、当該対基板作業システム10(荷重計測システム)では、分析コンピュータ19とは別に、実装機11の制御データD1を管理する生産管理コンピュータ18(管理装置)を備える。生産管理コンピュータ18は、例えば、実装機11を設置した部品実装ライン12(図1参照)付近や、部品実装ライン12とは別の場所にあるサーバルームに設置される。分析コンピュータ19は、生産管理コンピュータ18を介して条件データD2を実装機11から取得する。このため、実装機11(生産ライン)側と、分析コンピュータ19(分析装置)側のネットワークを生産管理コンピュータ18によって分断することができる。例えば、一方のネットワークで発生したエラーが、他方のネットワークに波及することを抑制できる。
【0089】
(効果8)また、実装機11は、ユーザからの指示を受け付ける表示パネル11A(受付部)を備える。実装機11は、荷重の計測に先立って、荷重を計測するための装着作業の内容を設定した制御データD1を生産管理コンピュータ18から受信した場合に、ユーザから表示パネル11Aに対して開始の指示を受け付けるまで、受信した制御データD1に基づく装着作業を開始するのを待機する。
【0090】
これによれば、実装機11は、生産管理コンピュータ18から制御データD1を受信した場合に、荷重を計測するための装着作業を直ちに開始せず、ユーザからの開始指示を待つ。このため、ユーザは、実装機11の現状を目視等で確認した上で、表示パネル11A(受付部)を操作し荷重計測装置81を配置して計測を開始できる。
【0091】
(効果9)また、分析コンピュータ19は、分析に用いた条件データD2を、分析作業の終了に合わせて実装機11から削除してもよい(図7のS23)。
【0092】
これによれば、分析コンピュータ19による分析の終了に合わせて実装機11の条件データD2を削除することで、不要な条件データD2が実装機11に蓄積されるのを抑制できる。
【0093】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において、荷重計測装置81は、条件データD2と計測データD3との関連性を示す情報を表示する構成でもよい。例えば、図11に示すように、荷重計測装置81は、上面83Aに表示画面131を備え、表示画面131に関連性を示す情報として2次元コード133を表示する構成でもよい。荷重計測装置81は、電源スイッチ93や他のスイッチを操作されることで、操作後に初めて計測した計測データD3を識別可能な2次元コード133を表示画面131に表示する。そして、荷重計測装置81は、計測を終了させると、計測データD3と2次元コード133とを関連性付けて保存する。一方、実装機11は、計測の開始や計測後に2次元コード133を、装着ヘッド24に設けたカメラなどによって撮像して処理し、2次元コード133の情報を条件データD2と関連付ける。これにより、分析コンピュータ19は、荷重計測装置81から読み込んだ計測データD3の2次元コード133の情報に基づいて、計測データD3に対応する条件データD2を実装機11から検索できる。
また、上記実施形態において、複数台の荷重計測装置81を用いて荷重の計測を実施してもよい。この場合、実装機11は、例えば、各荷重計測装置81のコード部113(図4参照)を計測の開始時に撮像し、コード部113の情報を条件データD2と関連付けてもよい。これにより、例えば、分析コンピュータ19は、荷重計測装置81を接続する際に、荷重計測装置81のコード部113をバーコードリーダで読み込むことで、コード部113の情報をキー情報として、計測データD3に対応する条件データD2を実装機11から検索できる。
【0094】
また、上記実施形態では、本願の荷重計測システムとして、実装機11、半田印刷機13、生産管理コンピュータ18等を備えた対基板作業システム10を採用した場合について説明したが、これに限らない。本願の荷重計測システムは、例えば、分析コンピュータ19と、荷重計測装置81のみを備える構成でもよい。
また、分析コンピュータ19は、生産管理コンピュータ18を介さずに、任意の実装機11から条件データD2を直接取得してもよい。
また、本願における実装機11の受付部は、表示パネル11Aに限らず、例えば、スイッチやボタンでもよい。
また、生産管理コンピュータ18及び分析コンピュータ19は、パーソナルコンピュータに限らず、サーバ装置でもよい。
【0095】
また、本願の荷重を計測する対象は、吸着ノズル70に限らない。上記実施形態では、装着ヘッド24は、吸着ノズル70によって押圧スイッチ99A等を押下した。しかしながら、例えば、装着ヘッド24は、部品を保持する他の部材(チャックなど)によって押圧スイッチ99Aを押下してもよい。
また、上記実施形態の荷重計測装置81の構成は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、フィデューシャルマーク111は、2つに限らず、1つ又は3つ以上でもよい。また、例えば、押圧スイッチ99Aと荷重入力部95Aとを離れた位置に設けてもよい。また、例えば、電源スイッチ93及び外部インターフェース101を、上面83Aに設けてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 対基板作業システム(荷重計測システム)、11 実装機、11A 表示パネル(受付部)、18 生産管理コンピュータ(管理装置)、19 分析コンピュータ(分析装置)、19A 操作部、24 装着ヘッド、70 吸着ノズル、81 荷重計測装置、125 時間情報、CB 基板、D1 制御データ、D2 条件データ、D3 計測データ。
図1
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