(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
B65D 63/10 20060101AFI20230302BHJP
C09J 7/30 20180101ALI20230302BHJP
E04H 15/64 20060101ALI20230302BHJP
C09J 7/10 20180101ALI20230302BHJP
C09J 153/02 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65D63/10 M
C09J7/30
E04H15/64
C09J7/10
C09J153/02
(21)【出願番号】P 2021523996
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019055793
(87)【国際公開番号】W WO2020101827
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-08-15
(32)【優先日】2018-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521185941
【氏名又は名称】シンプル ストラップ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エベレスト,ジョナサン,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】コウマー,ベンジャミン
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02105881(US,A)
【文献】特開平07-003601(JP,A)
【文献】米国特許第05945060(US,A)
【文献】米国特許第06230711(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0185059(US,A1)
【文献】国際公開第2015/102083(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/105113(WO,A1)
【文献】特開昭52-128796(JP,A)
【文献】実開平04-021469(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 61/00-63/18
C09J 7/30
E04H 15/64
C09J 7/10
C09J 153/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物体を第2物体に関して固定するための固定具であって、前記第1及び第2物体と前記固定具自身を所定位置に摩擦で保持する様に構成された前記固定具において、
第1端と、前記第1端と反対の第2端と、ある断面積を有する固定具本体であって、前記固定具本体が600パーセント~800パーセントの伸長を示すような材料から形成される固定具本体を含み、
前記固定具本体を形成する前記材料は、それ自体に関して1.35~1.60の平均動摩擦係数を有し、
前記伸長(パーセント)対前記断面積(平方ミリメートル)の比は3:1~20:1である、固定具。
【請求項2】
前記固定具本体の前記断面積は30平方ミリメートル~200平方ミリメートルである、請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記固定具本体の前記断面積は80平方ミリメートル~120平方ミリメートルである、請求項1に記載の固定具。
【請求項4】
前記固定具本体は1ミリメートル~4ミリメートルの本体厚さを有する、請求項1に記載の固定具。
【請求項5】
前記固定具本体は30ミリメートル~50ミリメートルの本体幅を有する、請求項4に記載の固定具。
【請求項6】
前記固定具本体は、前記固定具本体が4500kPa~9300kPaの引張強さを示すような前記材料から形成され、前記引張強さ(kPa)対前記断面積(平方ミリメートル)の比は50:1~85:1である、請求項1に記載の固定具。
【請求項7】
前記固定具本体を形成する前記材料は熱可塑性エラストマを含む、請求項1に記載の固定具。
【請求項8】
前記固定具本体を形成する前記材料はスチレンを含む、請求項7に記載の固定具。
【請求項9】
前記固定具本体は長方形の断面を有する、請求項1に記載の固定具。
【請求項10】
第1物体を第2物体に関して固定するための固定具であって、前記第1及び第2物体と前記固定具自身を所定位置に摩擦で保持する様に構成された前記固定具において、
第1端と、前記第1端と反対の第2端と、ある断面積を有する固定具本体であって、前記固定具本体が4500kPa~9300kPaの引張強さを示すような材料から形成される固定具本体を含み、
前記固定具本体を形成する前記材料は、それ自体に関して1.35~1.60の平均動摩擦係数を有し、
前記引張強さ(kPa)対前記断面積(平方ミリメートル)の比は
50:1~80:1である固定具。
【請求項11】
前記固定具本体の前記断面積は30平方ミリメートル~200平方ミリメートルである、請求項10に記載の固定具。
【請求項12】
前記固定具本体の前記断面積は80平方ミリメートル~120平方ミリメートルである、請求項10に記載の固定具。
【請求項13】
前記固定具本体は1ミリメートル~4ミリメートルの本体厚さを有する、請求項10又は11に記載の固定具。
【請求項14】
前記固定具本体は30ミリメートル~50ミリメートルの本体幅を有する、請求項13に記載の固定具。
【請求項15】
前記固定具本体は、前記固定具本体が600パーセント~800パーセントの伸長を示すような材料から形成される、請求項10に記載の固定具。
【請求項16】
前記固定具本体を形成する前記材料は熱可塑性エラストマを含む、請求項10に記載の固定具。
【請求項17】
前記固定具本体を形成する前記材料はさらにスチレンを含む、請求項16に記載の固定具。
【請求項18】
前記固定具本体は長方形の断面を有する、請求項10に記載の固定具。
【請求項19】
第1物体を第2物体に関して固定するための固定具において、
1ミリメートル~4ミリメートルの本体厚さ、30ミリメートル~50ミリメートルの本体幅、及び30平方ミリメートル~120平方ミリメートルの断面積を有する固定具本体であって、前記固定具本体が600パーセント~800パーセントの伸長を示し、前記固定具本体が4500kPa~9300kPaの引張強さを示すように熱可塑性エラストマを含む材料から形成される固定具本体を含み、
前記伸長(パーセント)対前記断面積(平方ミリメートル)の比は5:1~10:1であり、
前記引張強さ(kPa)対前記断面積(平方ミリメートル)の比は50:1~85:1であり、
前記固定具本体を形成する前記材料はそれ自体に関して1.35~1.60の平均動摩擦係数を有する固定具。
【請求項20】
前記固定具本体を形成する前記材料はさらにスチレンを含む、請求項19に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年11月17日に出願された、“SECURING DEVICE”と題する米国仮特許出願第62/768,881号の優先権を主張する。本願はまた、2019年8月19日に出願された、“SECURING DEVICE”と題する米国特許出願第16/544,514号の優先権も主張する。可能な限り、米国仮特許出願第62/768,881号及び米国特許出願第16/544,514号の内容の全体を参照によって本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の固定具が、複数の物体をまとめて固定し、及び/又は1つの物体が他の物体に関して移動するのを阻止するために使用されている。このような固定具は、ロープ、ケーブル、伸縮性ロープ、ナイロン紐、チェーン、又は他の各種の縛付手段の形態をとることができる。残念ながら、既存の固定具には色々な欠点があり、これには例えば、適切若しくは適当なサイズ、長さ、及び/又は強度の固定具を見つけにくいこと、所定の場所に保持すべき物体に関する固定具の位置を固定しにくいこと、及び使用後に固定具を取り外しにくい(それによって取り外している間に固定具が損傷を受けて、再使用できなくなる)こと等が含まれる。このような欠点から、使用者はそうした固定具が必要となる様々な状況に対応するために利用できるように幾つもの固定具を持つ必要がある。したがって、取付けと取外しのどちらについても使用が容易且つ便利で、簡単に再使用可能で、形状と大きさがばらばらの物体の固定に使用できる柔軟性を有し、費用効率の高い固定具を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、第1物体を第2物体に関して固定するための固定具に関する。各種の実施形態において、固定具は、ある断面積を有する固定具本体を含む。固定具本体は、固定具本体が600パーセント~800パーセントの伸長を示すような材料から形成される。それに加えて、伸長(パーセント)対断面積(平方ミリメートル)の比は約5:1~10:1である。
【0004】
幾つかの実施形態において、固定具本体の断面積は約30平方ミリメートル~200平方ミリメートルである。それに加えて、特定の実施形態において、固定具本体の断面積は約80平方ミリメートル~120平方ミリメートルである。さらに、幾つかの実施形態において、固定具本体は約1ミリメートル~4ミリメートルの本体厚さを有することができる。このような特定の実施形態において、固定具本体は約30ミリメートル~50ミリメートルの本体幅を有することができる。
【0005】
それに加えて、特定の実施形態において、固定具本体を形成する材料は、それ自体に関して約1.35~1.60の平均動摩擦係数を有する。
【0006】
さらに、幾つかの実施形態において、固定具本体は、固定具本体が4500kPa~9300kPaの引張強さを示すような材料から形成される。このような実施形態において、引張強さ(kPa)対断面積(平方ミリメートル)の比は約50:1~85:1である。
【0007】
特定の実施形態において、固定具本体を形成する材料は熱可塑性エラストマを含む。それに加えて、固定具本体を形成する材料はさらに、スチレンを含むことができる。
【0008】
他の実施形態において、本発明は第1物体を第2物体に関して固定するための固定具に関し、固定具はある断面積を有する固定具本体を含み、固定具本体は、固定具本体が4500kPa~9300kPaの引張強さを示すような材料から形成され、引張強さ(kPa)対断面積(平方ミリメートル)の比は約50:1~85:1である。
【0009】
それに加えて、また別の実施形態において、本発明は第1物体を第2物体に関して固定するための固定具に関し、固定具は、約1ミリメートル~4ミリメートルの本体厚さ、約30ミリメートル~50ミリメートルの本体幅、及び約30平方ミリメートル~120平方ミリメートルの断面積を有する固定具本体を含み、固定具本体は、固定具本体が600パーセント~800パーセントの伸長を示し、また、固定具本体が4500kPa~9300kPaの引張強さを示すように熱可塑性エラストマを含む材料から形成され、伸長(パーセント)対断面積(平方ミリメートル)の比は約5:1~10:1であり、引張強さ(kPa)対断面積(平方ミリメートル)の比は約50:1~85:1であり、固定具本体を形成する材料はそれ自体に関して約1.35~1.60の平均動摩擦係数を有する。
【0010】
本発明はさらに、第1物体を第2物体に関して固定する方法に関する。
【0011】
図面の簡単な説明
本発明の新規な特徴のほか、本発明自体は、その構造とその動作の両方に関して、添付の説明と併せて参照される下記のような添付の図面から最もよく理解され、図中、同様の参照文字は同様の部品を示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の特徴を有する固定具の実施形態の簡略化された概略斜視図である。
【
図2A】
図1に示される固定具を得ることのできる材料ロールの実施形態の簡略化された概略側面図である。
【
図2B】
図2Aに示される材料ロールの簡略化された概略上面図である。
【
図3A】第1物体と第2物体との間の相対的移動を阻止するための、
図1に示される固定具の1つの代表的な用途の簡略化された概略斜視図である。
【
図3B】複数の物体をまとめて固定するための、
図1に示される固定具の他の代表的な用途の簡略化された概略斜視図である。
【
図4】固定具の取付け方法の1つの代表例を説明するフローチャートである。
【
図5】固定具の取外し方法の1つの代表例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、本明細書において、使用者が第1物体を第2物体に関して固定するという一般的目的のために使用可能な固定具に関して説明されている。例えば、固定具は使用者により、複数の物体をまとめて素早く容易に固定し、結束し、及び/又は縛付けるため、及び/又は第1物体が第2物体に関して移動するのを阻止するために使用できる。より具体的には、各種の実施形態において、固定具は、大きさと形状がばらばらの物体を適正且つ有効に固定するように色々な長さで容易に提供でき、取付けと取外しが容易且つ便利であり、1回の固定作業から次へと容易に再使用可能である。それゆえ、本発明の固定具は、使用者が遭遇しがちな様々な固定作業に対する容易で費用効果の高い解決策を提供する。さらに、幾つかの実施形態において、固定具はまた、リサイクルでき、及び/又は他の作業の実現における使用に再利用できる。
【0014】
それに加えて、本明細書において詳しく説明する固定具は、その他の種類の固定具で経験することの多い各種の具体的な欠点を克服できる。例えば、(i)ロープやケーブルとは異なり、固定しにくい可能性があり、及び/又は解きにくい可能性があって、ロープやケーブルを取り外すためにロープやケーブルを切らなければならなくなり得るような結び目を作る必要がない、(ii)伸縮性ロープとは異なり、何れの端にも、ロープを固定するために必要で、伸縮性ローブが特定の作業での使用に適当なサイズ/長さであるか否かに関する限定要因となり得るフックがない、(iii)ナイロン紐とは異なり、紐をきつくして固定するために必要なラチェットシステムがない、及び(iv)チェーンとは異なり、端を固定する容易で便利な方法があり、所望の、及び/又は必要な各種の長さで提供することがはるかに容易である。さらに、本明細書に記載されているように、固定具は取付けのためにいかなる接着剤も必要とせずに上記のような欠点を克服でき、均一な材料(例えば、識別可能な材料の層又は部分を持たない)から形成される。
【0015】
当業者であれば、本発明の以下の詳細な説明は例示にすぎず、如何様にも限定的ではないことがわかるであろう。本発明のその他の実施形態は、本開示の利益を利用するこのような当業者により容易に着想されるであろう。ここで、添付の図面に示される本発明の実施例を詳しく参照する。
【0016】
明瞭にするために、本明細書に記載の実施例の通常の特徴の全てが図示され、説明されるとはかぎらない。もちろん、何れかのこのような実施例の開発において、開発者の具体的な目標、例えば用途に関する、及び業務に関する制約との適合等を達成するために、実施例ごとに数多くの意思決定が下されなければならず、これらの具体的な目標は実施例ごとに、及び開発者ごとに異なると理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかり得るものの、本開示の利益を利用する当業者にとっては通常の技術的作業であることも理解されたい。
【0017】
図1は、本発明の特徴を有する固定具10の実施形態の簡略化された概略斜視図である。本明細書に記載されているように、本発明の固定具10は多岐にわたる固定作業に使用可能であり得、これは一般に、(少なくとも)第1物体を第2物体に関して固定すること、と称することができる。例えば、特定の非排他的な各種の応用において、固定具10は、キャンプ若しくはその他の屋外レジャー活動のため(例えば、テントのポールを杭に固定する)、様々な自動車関連の目的のため(例えば、自動車のルーフラック又はルーフに色々な物体を固定する)、各種の建設及び/又は家屋改装工事のため(例えば、材木、鉄筋、及び/又はその他の建設材料を結束する)、及び/又は各種の運搬目的のため(例えば、船舶のデッキの緩んだ品目を固定する、若しくは船舶や航空機の貨物保持において)に使用できる。それに加えて、又は代替案として、固定具10は、複数の物体をまとめて固定すること、及び/又は第1物体と第2物体との間の相対移動を阻止することが望ましい他の何れの適当な作業のためにも使用できる。
【0018】
固定具10の設計は変更できる。特定の実施形態において、
図1に示されるように、固定具10は固定具本体12を含み、これは、一般的に利用可能な固定具に対して本明細書で指摘されるような各種の利点を提供するように構成される。例えば、本明細書に記載されているように、固定具10及び/又は固定具本体12は、所望の弾性(例えば、伸長)、強度(例えば、引張強さ)、及び摩擦特性を有する材料から形成でき、本明細書で指摘されるような各種の利点を提供するための所望の本体厚さ及び本体幅に形成できる。しかしながら、固定具10及び/又は固定具本体12の大きさ、例えば本体厚さと本体幅は、固定具10の具体的な所望の用途に応じて望ましい弾性、強度、及び摩擦特性を提供するために変更できると理解されたい。さらに、各種の実施形態において、本明細書に記載されているように、固定具10を形成するために使用される材料は、固定具10が希望に応じて再使用及び/又はリサイクル可能となる材料である。さらにまた、固定具10に利用される材料は均一に(例えば、相互に結合される別々の材料層又は部分がないように)提供でき、固定具は、固定具本体12に連結及び/又は固定される特定の接着材料を一切必要とせずに十分に動作可能である。
【0019】
固定具10及び/又は固定具本体12に利用される特定の材料は変更できるが、一般に、本明細書に記載されるような各種の仕様、特徴、及び属性に適合することが意図される。例えば、各種の実施形態において、固定具10及び/又は固定具本体12は、ポリプロピレン、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS、タイプ“S”TPE(TPEプラススチレンとも呼ばれることがある)、炭酸カルシウム、及びゴム軟化オイルを含む1つ又は複数の材料から形成できる。より具体的には、幾つかの実施形態において、固定具10及び/又は固定具本体12は熱可塑性エラストマ(又は熱可塑性ゴム、一般に“TPE”とも呼ばれる)からも形成できる。1つのこのような例がタイプ“S”TPE材料であり、これは合成ブロックコポリマから形成される。代替的に、他の実施形態において、固定具10及び/又は固定具本体12は天然ゴムから形成でき、及び/又はそれを含むことができる。さらに代替的に、また別の実施形態において、固定具10及び/又は固定具本体12はポリイソブチレン(「ブチルゴム」と呼ばれることもある)から形成でき、及び/又はそれを含むことができる。このような材料は、イソブチレンとイソプレンのコポリマである合成ゴムである。さらに代替的に、固定具10及び/又は固定具本体12は、1つ又は複数の他の適当な材料、及び/又は本明細書に記載の材料の何れの組合せから形成することもできる。
【0020】
固定具10及び/又は固定具本体12は、何れの適当な大きさ、例えば本体厚さ、本体幅、及び本体長さ等の寸法と形状を有することもできると理解されたい。例えば、特定の実施形態において、固定具10及び/又は固定具本体12は実質的に長方形の断面を有することができ、それを所望の本体長さにカットできる。代替的に、固定具10及び/又は固定具本体12は、他の適当な断面形状を有することができる。
【0021】
固定具10が各種の代替的な所望の長さで提供されるようにするために、幾つかの実施形態において、製品は当初、材料ロールの形態で提供でき、そこから固定具10を取得できる。例えば、
図2Aは、
図1に示される固定具10を得ることのできる材料ロール214のある実施形態の簡略化された概略側面図である。より具体的には、固定具10は材料ロール214から何れの所望の固定作業にも使用できるように何れの所望の長さにもカットできる。それに加えて、
図2Bは、
図2Aに示される材料ロール214の簡略化された概略上面図である。図示されているように、
図2A及び
図2Bは、固定具10及び/又は固定具本体12の特定の追加的な特徴、例えば固定具10及び/又は固定具本体12の特定の寸法を示している。
【0022】
固定具10及び/又は固定具本体12の寸法は、固定具10の特定の所期の用途に適合するように変更できる。それに加えて、固定具10及び/又は固定具本体12の特定の寸法は、弾性と強度の所望の組合せを提供するように選択できると理解されたい。例えば、
図2Aに示されるように、固定具本体12は特定の本体厚さ216を有するように構成できる。特定の非排他的な実施形態において、固定具本体12は、約1ミリメートル~4ミリメートルの本体厚さ216を有することができる。より具体的には、1つの非排他的な実施形態において、例えば太い紐の場合、固定具本体12は約3ミリメートルの本体厚さ216を有することができる。他の非排他的な実施形態において、例えば細い紐の場合、固定具本体12は約2ミリメートルの本体厚さ216を有することができる。また別の非排他的な実施形態において、例えば極細の紐の場合、固定具本体12は約1ミリメートルの本体厚さ216を有することができる。また別の非排他的な実施形態において、例えば極太の紐の場合、固定具本体12は約4ミリメートルの本体厚さを有することができる。代替的に、固定具本体12は4ミリメートルより厚い、又は1ミリメートルより薄い本体厚さ216を有することができる。
【0023】
各種の実施形態において、固定具本体12が厚すぎる本体厚さ216で設計された(すなわち、固定具本体12が厚すぎる)場合、固定具10はその所望の弾性の一部を失うと理解されたい。逆に、固定具本体12が薄すぎる本体厚さ216で設計された(すなわち、固定具本体12が薄すぎる)場合、固定具10はその所望の強度の一部を失う。しかしながら、使用される具体的な材料に応じて、固定具本体12の本体厚さ216は4ミリメートルより厚く、又は1ミリメートルより薄くすることができると理解されたい。
【0024】
それに加えて、
図2Bに示されるように、固定具本体12はまた、弾性と強度の所望の組合せも提供する特定の本体幅218を有するように構成することもできる。幾つかの非排他的な実施形態において、固定具本体12は、約30ミリメートル~50ミリメートルの本体幅218を有することができる。このような本体幅16の範囲は、所望の弾性及び強度特性を提供することがわかっている。特定のこのような実施形態において、固定具本体12は約40ミリメートルの本体幅218を有することができる。しかしながら、使用される特定の材料に応じて、固定具本体12の本体幅218は50ミリメートルより広く、又は30ミリメートルより細くてもよいと理解されたい。
【0025】
それゆえ、本体幅218及び本体厚さ216に関する上述の範囲で、各種の実施形態において、固定具本体12は約7.5:1~50:1の本体幅対本体厚さの比を有することができる。例えば、特定の非排他的な代替的実施形態において、固定具本体12は、約7.5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、又は50:1の本体幅対本体厚さの比を有することができる。代替的に、他の実施形態において、固定具本体12は50:1より大きい、又は7.5:1より小さい本体幅対厚さの比を有することができる。
【0026】
それに加えて、固定具10及び/又は固定具本体12は、何れの適当な断面積(すなわち、本体厚さ216かける本体幅218として計算される)を有することができる。例えば、特定の実施形態において、本体厚さ216と本体幅218の上述の範囲で、固定具本体12は約30平方ミリメートル~200平方ミリメートルの断面積を有することができる。より詳しくは、約1ミリメートルの本体厚さ216と約30ミリメートルの本体幅218を有する実施形態の場合、固定具本体12は約30平方ミリメートルの断面積を有し、約4ミリメートルの本体厚さ216と約50ミリメートルの本体幅218を有する実施形態の場合、固定具本体12は約200平方ミリメートルの断面積を有する。1つの非排他的な代替的実施形態、すなわち細い紐の場合、固定具本体12は、約2ミリメートルの本体厚さ216、約40ミリメートルの本体幅218、及び約80平方ミリメートルの断面積を有することができる。他の非排他的な代替的実施形態、すなわち太い紐の場合、固定具本体12は、約3ミリメートルの本体厚さ216、約40ミリメートルの本体幅218、及び約120平方ミリメートルの断面積を有することができる。
【0027】
さらに、材料ロール214は、固定具10の所期の用途に適した何れの適当な本体長さを有するように構成することもできる。例えば、特定の非排他的実施形態において、材料ロール214の本体長さが約6メートルであることが望ましい可能性がある。このような本体長さによって、使用者は希望に応じて長い固定具10を有することができ、他方で、所期の用途に固定具10についてより短い長さしか必要ない場合、使用者は材料ロール214からより短い断片にカットすることもできる。代替的に、材料ロール214は何れの適当な本体長さを有することもでき、これは6メートルより長くすることも短くすることもできる。
【0028】
本明細書に記載されているように、固定具10及び/又は固定具本体12に適した材料を選択する中で、材料は、固定具10及び/又は固定具本体12の形態で使用されたときに特定の特性、例えば弾性(すなわち伸長)、強度(例えば、引張強さ)、及び摩擦を示すか、有することができることが望ましい。
【0029】
例えば、選択された材料は、固定具10及び/又は固定具本体12の形態で利用されたときに、特定の弾性特性(すなわち伸長)を有することが望ましい。より具体的には、特定の実施形態において、このような形態での選択された材料は約600パーセント~800パーセントの伸長特性を示すことができる。材料の伸長によって、固定具10は固定対象の物体の周囲で容易に引き伸ばし、それと同時に応力を受けて破壊されないような所望の、及び必要な強度特性を保持することができる。代替的に、他の実施形態において、このような形態での選択された材料の伸長は800パーセントより大きくすることも、600パーセントより小さくすることもできる。
【0030】
材料の伸長はまた、固定具本体12の断面積の要素でもあると理解されたい。例えば、1つの非排他的な実施形態、例えば2.0mm×40.0mmの細い紐において、材料は約655%~768%(平均伸長710%)の伸長特性を示した。他の非排他的な実施形態、例えば3.0mm×40.0mmの太い紐において、材料は約633%~779%(平均伸長707%)の伸長特性を示した。
【0031】
それに加えて、材料の伸長及び/又は固定具10及び/又は固定具本体12の伸長はまた、伸長(パーセント)対固定具本体12の断面積(平方ミリメートル)の比の点で評価することもできると理解されたい。例えば、各種の実施形態において、伸長(パーセント)対断面積(平方ミリメートル)の比は約3:1~30:1とすることができる。より具体的には、このような実施形態において、伸長対断面積の比は約3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、10:1、12:1、15:1,20:1、25:1、又は30:1とすることができる。1つの非排他的な実施形態、例えば2.0mm×40.0mmの細い紐において、伸長対断面積の比は約8:1~10:1とすることができる。他の非排他的な実施形態、例えば3.0mm×40.0mmの太い紐において、伸長対断面積の比は約5:1~7:1とすることができる。代替的に、伸長対断面積の比は本明細書に記載の具体的な数値とは異なることができ、すなわち、約30:1より大きく、又は約3:1より小さくすることができる。
【0032】
前述のように、選択された材料は、固定具10の所期の用途に応じて、特定の強度特性を有することがさらに望ましい。特に、特定の実施形態において、選択された材料が、固定具10及び/又は固定具本体12の形態で利用されたときに特定の引張強さを有することが望ましい可能性がある。より詳しくは、このような実施形態において、選択された材料は、このような形態で約4500キロパスカル(kPa)~約9300kPa(及び/又は約650ポンド/平方インチ(psi)~約1350psi)の引張強さ特性を示すことができる。材料の引張強さによって、固定具10は、固定具10が固定対象の物体の周囲で容易に引き伸ばされるため、破壊されることなく、より高い固定能力を示すことができる。代替的に、他の実施形態において、このような形態での材料の引張強さは9300kPaより高く、又は4500kPaより小さく(及び/又は1350psiより大きく、又は650psiより小さく)することができる。
【0033】
材料の引張強さは固定具本体12の断面積により影響を受けると理解されたい。例えば、1つの非排他的な実施形態、例えば2.0mm×40.0mmの細い紐において、材料は約650psi~950psi(平均引張強さ約800)(及び/又は約4500kPa~6550kPa)の引張強さを示した。他の非排他的な実施形態、例えば3.0mm×40.0mmの太い紐において、材料は、約950psi~1350psi(平均引張強さ約1100psi)(及び/又は約6550kPa~9300kPa)の引張強さを示した。
【0034】
それに加えて、材料の引張強さ及び/又は固定具10及び/又は固定具本体12の引張強さはまた、引張強さ(kPa)対固定具本体12の断面積(平方ミリメートル)の比の点で評価することもできるとさらに理解されたい。例えば、各種の実施形態において、引張強さ(kPa)対断面積(平方ミリメートル)の比は約50:1~85:1とすることができる。より詳しくは、このような実施形態において、引張強さ対断面積の比は約50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、又は85:1とすることができる。代替的に、引張強さ対断面積の比は、本明細書に記載されている具体的な数値と異なるようにすることができ、すなわち約85:1より大きく、又は約50:1より小さくすることができる。
【0035】
さらに、前述のように、選択された材料は特定の摩擦特性を有することも望ましい。本明細書に記載されているように、固定具10の使用中、固定具本体12の一部は、固定対象物体の周囲に巻き付けられることに加えて、それ自体の周囲に巻かれ得る。それゆえ、材料は、材料がそれ自体に関するその位置(すなわち、それ自体の周囲に巻かれた部分)を保持するだけでなく、固定対象物体に関するその位置を保持するのに十分な摩擦特性を有することが望ましい。例えば、特定の非排他的な実施形態において、材料はそれ自体に関する(すなわち、固定具本体12上の固定具本体12)約1.35~1.60の平均動摩擦係数を示すことができる。それに加えて、このような実施形態において、材料はスチールに関する(すなわち、スチール上の固定具本体12)約1.25~1.50の平均動摩擦係数を示すことができる。さらに、このような実施形態において、材料は木材に関する(すなわち、木材の上の固定具本体12)約0.65~0.90の平均動摩擦係数を示すことができる。代替的に、材料は本明細書中で上述したものとは異なる、すなわちそれより大きい、又はそれより小さい摩擦品質を示すことができる。
【0036】
本明細書に記載されているように、選択された材料に関する各種の仕様は、固定具10及び/又は固定具本体12の大きさと形状に応じて変更できると理解されたい。例えば、前述のように、選択された材料の伸長、引張強さ、及び/又は平均動摩擦係数のうちの1つ又は複数は、固定具10及び/又は固定具本体12の本体厚さ216及び本体幅218に応じて変更できると理解されたい。
【0037】
それに加えて、固定具10及び/又は固定具本体12は、各種の考え得る色の何れに設計することもできる。例えば、特定の非排他的な実施形態において、固定具10及び/又は固定具本体12は黒、赤、青、緑、及び黄色等の色で提供できる。代替的に、固定具10及び/又は固定具本体12は他の所望の色で提供することもできる。
【0038】
図3Aは、第1物体320を第2物体322に関して固定するため、すなわち第1物体320と第2物体322との間の相対的移動を阻止するための、
図1に示される固定具10の1つの代表的な用途の簡略化された概略斜視図である。特に、
図3Aは、第1物体320、例えばテントのポールと、第2物体322、例えば地中に固定できる杭との間の相対移動を阻止するために利用されている固定具10を示している。図のように、固定具10がテントのポール320と杭322の両方の周囲に巻き付けられ、固定具10の一方の端が挟み込まれた状態で、テントのポール320は杭322に関して固定され、及び/又は杭322に関して移動することが阻止される。
【0039】
図3Bは、複数の物体324をまとめて固定するための、
図1に示される固定具10の他の代表的な用途の簡略化された概略斜視図である。特に、
図3Bは、複数の物体324、すなわち木材片をまとめて固定し、物体324を容易に1カ所から別の場所にまとめて移動し、又は1カ所にまとめて保管できるようにするために利用されている固定具10を示している。図のように、複数の木材片324の周囲に巻かれ、固定具10の一方の端が挟み込まれた状態で、木材片324は容易に相互にまとめて所定の位置に保持できる。固定具10のこの特定の用途の最も単純な形態において、固定具10は単に2つの物体324をまとめて固定するため、例えば単に第1物体324を第2物体324に関して固定するために使用されていると理解されたい。
【0040】
図4及び5は、固定具の考え得る使用方法を示すフローチャートである。これらの方法に関いて本明細書で例示され、説明されている順序及び/又は順番は、必ずしもどのように固定具を時系列的に使用するかを示しているわけではないと理解されたく、これは、ステップのうちの1つ又は複数を合体させ、入れ替え、繰り返し、及び/又は同時に実行しても、本発明の所期の広さと範囲から逸脱しないからである。
【0041】
図4は、固定具の取付けの、すなわち第1物体を第2物体に関して固定する目的の1つの代表的な例を説明するフローチャートである。
【0042】
ステップ401で、使用者はある長さの固定具及び/又は固定具本体を巻き出すことができる。使用者は次に、所期の用途に応じて固定具本体から適当な所望の長さをカットすることができる。
【0043】
ステップ403で、使用者はその長さの固定具及び/又は固定具本体の第1端をそれ自体の周囲のほか、固定対象の第1物体の周囲に巻き付けることができる。使用者はその後、その長さの固定具及び/又は固定具本体を固定対象の物体全部の周囲で引き伸ばすことができる。次に使用者はその長さの固定具及び/又は固定具本体の第2端をそれ自体の周囲のほか、固定対象の物体のうちの1つの周囲に巻き付けることができる。
【0044】
ステップ405で、使用者はその長さの固定具及び/又は固定具本体の第2端を、その長さの固定具及び/又は固定具本体の第2端をそれ自体の周囲に巻き付けることによって形成されたループの下に第2端を挟み込むことによって固定する。この時点で、物体は、物体間の相対移動が阻止するように有効に固定されている。固定具の高い摩擦係数特性により、固定具は有効な自己把持性を有するため、端に結び目を作ったり、フック、クランプ、又はその他の外的部品等、固定具を所望の位置に保持するための追加の部品を使用したりする必要がないと理解されたい。本明細書で使用される限り、「自己把持性」という用語は、固定具の一部分が、使用される材料及び固定具の比較的高い摩擦係数によって固定具の何れかの他の部分を有効に把持し、又はそれ以外の方法で他の部分に付着することができ、そうでなければ固定具に取り付けられることになる追加の部品を必要としないことを意味するものとする。
【0045】
図5は、固定具の取外しの1つの代表例を説明するフローチャートである。
【0046】
ステップ507で、使用者はその長さの固定具及び/又は固定具本体の第2端を、その長さの固定具及び/又は固定具本体の第2端をそれ自体の周囲に巻き付けることによって形成されたループの下にそれが挟み込まれていた所から外す。
【0047】
ステップ509で、使用者はその長さの固定具及び/又は固定具本体の第2端をそれ自体の周囲及びそれが巻き付けられていた物体の周囲から解く。使用者はその後、その長さの固定具及び/又は固定具本体を、固定されていた物体の全部の周囲で緩めることができる。使用者はその後、その長さの固定具及び/又は固定具本体の第1端を、それ自体の周囲及び第1物体の周囲から外す。固定具及び/又は固定具本体は、このようにして物体から取り外すことができる。
【0048】
ステップ511で、使用者はその長さの固定具及び/又は固定具本体を再び巻いて、その長さの固定具及び/又は固定具本体を保管及び再使用の可能性のために容易に片付けることができる。
【0049】
固定具の使用及び取外しのための上述のプロセスは、実行が迅速且つ容易であり、それと同等に取外しも迅速且つ容易であり、しかも少なくともロープ、伸縮性ロープ、又はナイロン紐と同等であるが、各種の様々な固定プロセスに使用するのにはるかに容易でより好都合な縛付け又は結束効果、すなわち固定具を提供する。
【0050】
固定具の様々な実施形態を本明細書で例示し、説明したが、何れか1つの実施形態の1つ又は複数の特徴を他の実施形態のうちの1つ又は複数の1つ又は複数の特徴と組み合わせることが、その組合せが本発明の意図を満たす限り、可能であると理解されたい。
【0051】
固定具の様々な例示的態様及び実施形態を上で説明したが、当業者であれば、その特定の改良、順列、追加、及び部分的組合せを着想するであろう。したがって、以下の付属の特許請求の範囲及び今後導入される特許請求項は、これらの改良、順列、追加、及び部分的組合せの全てを、それらの実際の主旨と範囲内にあるものとして包含すると解釈される。