IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新華三技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図1
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図2
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図3
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図4
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図5
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図6
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図7
  • 特許-アンテナシステム及びネットワーク機器 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】アンテナシステム及びネットワーク機器
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/02 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
H01Q3/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021543217
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2020073211
(87)【国際公開番号】W WO2020156322
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】201910093105.9
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 国軍
(72)【発明者】
【氏名】楊 培坤
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/120202(US,A1)
【文献】特表2013-514033(JP,A)
【文献】特表2009-519668(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/262911(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナシステムであって、
前記アンテナシステムは、ネットワーク機器に用いられ、
少なくとも1つのアンテナユニットと、前記少なくとも1つのアンテナユニットの回転を制御するための制御装置と、各アンテナユニットに対応する少なくとも1つの制限構造と、を備え、
前記制御装置は、前記少なくとも1つのアンテナユニットと外部制御機器とにそれぞれ接続され、前記外部制御機器から送信された回転指令を受信し、受信した回転指令に基づいて、前記少なくとも1つのアンテナユニットが目標角度まで回転するように制御し、
前記少なくとも1つの制限構造は、非接触型であり、前記アンテナユニットの回転経路上に設けられ、前記アンテナユニットの位置をキャリブレーションし、制限イベントを検出したときに状態を変換し、
前記制限イベントは、前記少なくとも1つの制限構造とこれに対応する前記アンテナユニットとの間の距離が所定条件を満たすことを含み、
前記少なくとも1つの制限構造が前記外部制御機器に接続されることにより、前記外部制御機器は、何れかの前記制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、当該状態変換が発生した前記制限構造の位置に基づいて、当該制限構造に対応する前記アンテナユニットの現在位置を特定し、制御指令を生成して当該制限構造に対応する前記アンテナユニットに接続された前記制御装置へ送信し、前記制御指令は、当該アンテナユニットが前記制限イベントの後で引き続き元の回転方向に沿って回転することを阻止するために用いられる、
ことを特徴とするアンテナシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、少なくとも1つのモータを備え、
前記少なくとも1つのモータの数は、前記少なくとも1つのアンテナユニットの数に等しく、各モータは、1つのアンテナユニットに接続され、接続されたアンテナユニットの回転を駆動することを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
各モータの回転軸は、1つのアンテナユニットに固定接続され、
各モータは、受信した回転指令に基づいて当該モータの回転軸の回転を制御することにより、当該モータの回転軸に固定接続されたアンテナユニットが目標角度まで回転するように駆動することを特徴とする請求項2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記モータは、ステッピングモータであり、
前記回転指令には、回転方向及び回転ステップ数が付加され、
前記目標角度は、前記回転ステップ数に対応する角度であることを特徴とする請求項2又は3に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
各アンテナユニットは、単入力単出力(SISO)システムに用いられる1つのアンテナによって構成され、又は、多入力多出力(MIMO)システムに用いられる複数のアンテナによって構成されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
各アンテナユニットは、2つの制限構造に対応し、一方の制限構造は、当該アンテナユニットの所定回転角度範囲のうちの最大角度に対応する位置に設けられ、他方の制限構造は、前記所定回転角度範囲のうちの最小角度に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
ネットワーク機器であって、
前記ネットワーク機器は、プロセッサと、請求項1からの何れか一項に記載のアンテナシステムとを備え、
前記プロセッサは、前記アンテナシステムの外部制御機器として前記アンテナシステムに接続され、回転指令を前記アンテナシステムにおける制御装置へ送信することを特徴とするネットワーク機器。
【請求項8】
前記プロセッサは、アンテナユニットごとに、当該アンテナユニットに関連するパラメータを収集し、前記パラメータに基づいて指定のアルゴリズムを用いて当該アンテナユニットが回転して到着すべき目標角度を特定し、前記目標角度を前記回転指令に付加して、当該アンテナユニットに接続された制御装置へ送信し、前記パラメータは、当該アンテナユニットの放射方向に関することを特徴とする請求項に記載のネットワーク機器。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記アンテナシステムにおける何れかのアンテナユニットに対応する制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、当該状態変換が発生した制限構造の位置に基づいて、対応するアンテナユニットの位置を特定することを特徴とする請求項に記載のネットワーク機器。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記アンテナシステムにおける何れかのアンテナユニットに対応する制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、更に制御指令を生成して前記アンテナシステムにおける当該アンテナユニットに接続された制御装置へ送信し、前記制御指令は、前記アンテナユニットが制限イベントの後で引き続き元の回転方向に沿って回転することを阻止するために用いられることを特徴とする請求項に記載のネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク通信技術に関し、特にアンテナシステム及びネットワーク機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートアンテナの動作原理は、アンテナの主ビームを移動端末信号の到着方向に合わせ、且つサイドローブ或いはゼロ方向を干渉信号の到着方向に合わせることで、移動端末信号を十分に効果的に利用しながら干渉信号を削除や抑制する目的を果たすことにある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示しつつ、明細書の記載とともに本発明の仕組みを解釈するために用いられる。
図1】本発明に係るアンテナシステムの模式図である。
図2】本発明に係るアンテナシステムの別の模式図である。
図3】本発明に係るアンテナシステム100におけるモータとアンテナユニットの接続構成図である。
図4】本発明に係るアンテナシステム100におけるアンテナユニット101に対応する2つの制限構造と外部制御機器との接続構成図である。
図5】本発明に係るアンテナの回転角度範囲の模式図である。
図6】本発明に係るネットワーク機器の構成図である。
図7】本発明に係るネットワーク機器におけるプロセッサ601とモータとの接続模式図である。
図8】本発明に係るネットワーク機器の実施例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
現在、スマートアンテナは、主にビーム切替アンテナと適応アンテナアレイとに分けられる。
【0005】
ビーム切替アンテナは、複数の狭ビームアンテナによって構成される。ここでの狭ビームアンテナとは、放射パターンのビーム幅が所定ビーム幅よりも小さいアンテナを指す。ビーム切替アンテナのうちの各狭ビームアンテナは、ゲインが相対的に大きく、カバー距離が相対的に遠い。1人のユーザは、ビーム切替アンテナのうちの1つ又は1群の狭ビームアンテナを選択して当該ユーザへサービスを提供してもよい(即ち、動作状態である)。ユーザが変更され、又はユーザの位置が変更されたときに、前に当該ユーザへサービスを提供した1つ又は複数の狭ビームアンテナをオフにし、当該ユーザへサービスを提供するために、前にオフ状態であった少なくとも1つの狭ビームアンテナをオンにする。ビーム切替アンテナの放射角度は、ビーム切替アンテナを構成する狭ビームアンテナの数にマッピングする。しかし、ハードウェアの設計制限により、ビーム切替アンテナを構成する狭ビームアンテナの数が多すぎることができないため、ビーム切替アンテナは、切り替え可能な放射角度を多く持つことが不可能であり、ビーム切替アンテナの放射方向制御は、制限されてしまう。
【0006】
適応アンテナアレイは、複数のアンテナによってアレイが形成される。適応アンテナアレイは、動作時に動作環境及びユーザ位置を基に信号処理システムを介して、最適なアンテナ組み合わせ方式を算出可能である。算出された最適なアンテナ組み合わせ方式で動作するように各アンテナを制御することにより、異なる動作環境、異なるユーザの位置に適応可能であり、非必要な干渉も回避することができる。適応アンテナアレイが異なるアンテナ組み合わせ方式で多放射方向を実現したが、アンテナ組み合わせ方式は、専門の信号処理システムによって特定される必要があり、コストが高い。
【0007】
上記ビーム切替アンテナ及び適応アンテナアレイの欠陥を解決すべく、本発明は、図1に示すアンテナシステムを提供する。当該アンテナシステムは、ネットワーク機器に用いられ、ここでのネットワーク機器は、例えば、アクセスポイント(AP:Access Point)であってもよい。
【0008】
図1に示すアンテナシステム100は、主に、アンテナユニット101と、アンテナユニット101の回転を制御するための制御装置200とを備える。
【0009】
一例では、アンテナユニット101は、単入力単出力(SISO:Single-Input Single-Output)システムに用いられる1つのアンテナによって構成され、又は多入力多出力(MIMO:Multiple-Input Multiple-Output)システムに用いられる複数のアンテナによって構成されてもよい。
【0010】
制御装置200は、アンテナユニット101と外部制御機器300とにそれぞれ接続されている。制御装置200は、外部制御機器300から送信された回転指令を受信し、受信した回転指令に基づいて、アンテナユニット101が目標角度まで回転するように制御する。一例では、ここでの外部制御機器300は、上記ネットワーク機器におけるプロセッサ、例えばCPUであってもよい。
【0011】
これによって分かるように、本発明では、制御装置200を介してアンテナユニット101の回転を制御することにより、アンテナユニット101の放射方向を変更可能であり、アンテナユニットの多放射角度の切替を実現する。
【0012】
更に、本発明では、制御装置200を介してアンテナユニット101の回転を制御するので、多放射方向を実現するために狭ビームアンテナを別途追加する必要がなくなり、ビーム切替アンテナに比べて、少ないアンテナ(群)でより多くの放射方向を実現可能であり、スマートアンテナ効果を達成する。
【0013】
より更に、本発明では、制御装置200を介してアンテナユニット101の回転を制御するので、信号処理システムを専ら利用して多放射方向を実現するための最適なアンテナ組み合わせ方式を算出する必要がなくなり、適応アンテナアレイよりも、コストが大幅に低減される。
【0014】
図1に、アンテナシステム100が1つのみのアンテナユニット101を含むことは、例として示される。具体的に実施する際に、アンテナシステム100におけるアンテナユニットの数は、1以上であってもよく、詳細は、実際の需要及びシナリオ空間に応じて設置され得る。例えば、実際の需要及びシナリオ空間に応じて、アンテナシステム100が最大10個のアンテナユニットを収容することを許容すると特定されれば、アンテナシステム100におけるアンテナユニットの数は、10以下となる。図2は、アンテナシステム100がN個のアンテナユニットを含む例示を示す。
【0015】
説明すべきことは、アンテナシステム100におけるアンテナユニット101の数が1よりも大きいときに、アンテナシステム100における異なるアンテナユニットは、その放射パターン、ローブ幅が同じであってもよく異なってもよい。本発明では、具体的に限定されない。
【0016】
また、アンテナシステム100におけるアンテナユニット101の数が1よりも大きいときに、アンテナシステム100における異なるアンテナユニットは、アンテナの動作可能な周波数帯が同一のバンドに属してもよく、異なるバンドに属してもよい。本発明では、具体的に限定されない。
【0017】
アンテナシステム100がN(Nは、1よりも大きい)個のアンテナユニットを含むときに、本発明において、制御装置200は、N個のアンテナユニットを同時に制御可能である。ただ、その際、外部制御機器300からの回転指令に制御すべきアンテナユニットの識別子を付加する必要がある。このように、制御装置200が対応するアンテナユニットを的確に制御することは、保証される。
【0018】
図1又は図2において、制御装置200は、モータを備えてもよい。
【0019】
一例では、モータの数がアンテナユニットの数に等しく、各モータが、一つのアンテナユニットに接続され、接続されたアンテナユニットの回転を駆動する。図3は、図2に示すアンテナユニットを例として、アンテナシステム100におけるモータ及びアンテナユニットの接続構造を示す。
【0020】
具体的に実施する際に、各モータが一つのアンテナユニットに接続されるとは、具体的に言えば、各モータの回転軸が一つのアンテナユニットに固定接続されることを指す。一例では、各モータの回転軸は、固定構造を介して1つのアンテナユニットに固定接続されてもよい。ここでの固定構造は、例を挙げると、釘等であってもよい。
【0021】
一例では、各モータは、受信した回転指令に基づいて当該モータの回転軸の回転を制御することにより、当該回転軸に固定接続されたアンテナユニットが目標角度まで回転するように駆動する。本発明では、各モータの回転軸が一つのアンテナユニットに固定接続された後、各モータは、回転指令を受信すると、回転軸の回転を制御する。回転軸が1つのアンテナユニットに固定接続されたため、モータが回転軸の回転を制御するときに、回転軸の回転により、回転軸に固定接続されたアンテナユニットの回転を連動させて、アンテナユニットの回転に対する制御は、最終的に実現される。
【0022】
説明すべきことは、本発明において、1つの実施例として、上記モータが具現化するときにステッピングモータであってもよい。これに応じて、上記回転指令には、回転方向、回転ステップ数が付加される。各モータは、回転指令を受信すると、回転指令に付加された回転方向、回転ステップ数に応じて回転軸の回転を制御することにより、回転軸に固定接続されたアンテナユニットが回転ステップ数に対応する目標角度まで回転するように駆動する。
【0023】
上述した通り、アンテナユニットがモータの回転軸の駆動によって回転し、モータ自身は、アンテナユニットの現在位置が分からず、更に、仮にアンテナユニットの初期位置が特定されても、モータの回転軸の長期回転により、誤差が蓄積される。また、非正常な運転、例えば停電により、誤差も引き起こされる。したがって、アンテナユニットの位置を便利にキャリブレーションするために、アンテナユニットの回転経路にアンテナユニットに対応する少なくとも1つの制限構造を設けてもよい。
【0024】
一例では、各アンテナユニットは、2つの制限構造に対応する。各制限構造は、制限イベントを検出したときに状態を変換し、前記制限イベントは、制限構造がアンテナユニットにタッチすることと、制限構造とアンテナユニットとの間の距離が所定条件を満たすこととを少なくとも含む。ここでの所定条件は、実際の状況に応じて設定される。
【0025】
本発明では、アンテナユニットに対応する制限構造は、上記外部制御機器300に接続されている。図4は、アンテナシステム100におけるアンテナユニット101に対応する2つの制限構造と外部制御機器300との接続構造を示す。アンテナユニット101の回転経路に制限構造が設けられた後、当該制限構造を設置した位置を、外部制御機器300に記録する。外部制御機器300は、何れかの制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、当該状態変換が発生した制限構造の位置に基づいて、アンテナユニットの現在位置を特定する。即ち、アンテナユニットの位置キャリブレーションは、実現される。
【0026】
説明すべきことは、本発明において、外部制御機器300は、制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、更に制御指令を生成して当該制限構造に対応するアンテナユニットに接続された制御装置へ送信してもよい。制御指令は、アンテナユニットが制限イベントの後で引き続き元の回転方向に沿って回転することを阻止するために用いられる。当該制御指令により、アンテナユニットが制限構造に到着した後でも引き続き元の回転方向に沿って回転することは、禁止可能であり、アンテナユニットの破損は、回避される。
【0027】
本発明では、アンテナユニット(例えば、図1に示すアンテナユニット101)は、360度の範囲内で回転するのではなく(実際の応用にそんな必要もない)、その回転の角度が物理空間及びモータの制御精度の制限を受ける。そこで、本発明では、予め物理空間及びモータの制御精度に応じてアンテナユニットへ回転角度範囲を設定し、アンテナユニットを当該設定された回転角度範囲内で回転させる。例えば、回転角度が45°以下であり、回転精度が約1°である。図5は、アンテナの回転角度範囲を例示する。
【0028】
アンテナの回転角度範囲に基づくと、一例において、上記アンテナユニットの回転経路にアンテナユニットに対応する制限構造を設けるとは、具体的に、アンテナユニットに対応する一方の制限構造を当該アンテナユニットの所定回転角度範囲における最大角度に対応する位置に設け、他方の制限構造を前記所定回転角度範囲における最小角度に対応する位置に設けることを指す。具体的に実施するときに、1つの例として、上記所定の回転角度範囲における最小角度に対応する位置とは、アンテナユニットが回転を開始していない初期位置を指す。
【0029】
1つの実施例として、上記制限構造は、制限スイッチであってもよい。制限スイッチは、具体的に、接触型のスイッチ又は非接触型のスイッチであってもよい。制限スイッチが接触型のスイッチであるときに、アンテナユニットが制限スイッチにタッチすると、制限スイッチの状態は、変化し、例えば、元の第1状態から第2状態に変換される。制限スイッチが非接触型のスイッチ(例えば、リードスイッチ、光電スイッチ、誘導スイッチ等)であるときに、制限スイッチは、所定距離内でアンテナユニットを感知すると、制限スイッチの状態が変化する。
【0030】
以上では、本発明に係るアンテナシステムについて記述したが、以下では、本発明に係るアンテナシステムが用いるネットワーク機器について記述する。
【0031】
図6は、本発明に係るネットワーク機器の構成図である。本発明では、当該ネットワーク機器は、具現化するときにAPであってもよい。
【0032】
図6に示すネットワーク機器は、主にプロセッサ601及び上述したアンテナシステム100を備える。
【0033】
プロセッサ601は、アンテナシステム100の外部制御機器としてアンテナシステム100に接続され、アンテナシステム100における制御装置へ回転指令を送信する。
【0034】
アンテナシステム100における制御装置200は、アンテナユニット101に接続され、プロセッサ601から送信された回転指令を受信し、受信した回転指令に基づいてアンテナユニット101が目標角度まで回転するように制御する。
【0035】
具体的に実施するときに、プロセッサ601は、アンテナシステム100における各アンテナユニット101の放射方向に関連するパラメータに基づいて、指定のアルゴリズムを用いて、各アンテナユニットが回転して到着すべき目標角度を算出し、その後、目標角度情報を回転指令に付加してアンテナシステム100における制御装置200へ送信する。このように、制御装置200は、受信した回転指令に基づいて、アンテナユニット101が目標角度まで回転するように制御する。
【0036】
一例では、上記のパラメータは、信号強度、チャネル占有率、信号対雑音比、サービスされる端末の数等を含むが、それらに限定されない。
【0037】
一例では、上記指定のアルゴリズムは、ビーム切替アンテナの切替アルゴリズムに類似してもよい。
【0038】
これで、図6に示すネットワーク機器の構造記述は、完了する。
【0039】
本発明では、上述したように、アンテナシステム100は、各アンテナユニットに対応する制限構造を更に備える。
【0040】
本発明では、プロセッサ601は、アンテナユニットに対応する制限構造に接続され、制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、当該状態変換の発生した制限構造の位置に基づいてアンテナユニットの現在位置を特定することにより、アンテナユニットの位置キャリブレーションを実施する。
【0041】
更に、本発明では、プロセッサ601は、制限構造の状態変換が発生したと検出したときに、更に制御指令を生成して当該制限構造に対応するアンテナユニットに接続された制御装置へ送信し、前記制御指令は、アンテナユニットが制限イベントの後で引き続き元の回転方向に沿って回転することを阻止するために用いられる。当該制御指令により、アンテナユニットが制限構造に到着した後でも引き続き元の回転方向に沿って回転することは、禁止可能であり、アンテナユニットの破損は、回避される。
【0042】
本発明では、プロセッサ601は、制御バス(Control Bus)を介してアンテナシステム100における制御装置200に接続されることにより、制御バスを介して制御装置200へ回転指令を送信する。アンテナシステム100における制御装置200がモータを含み、モータの数がアンテナの数に等しいことを例とすると、図7は、ネットワーク機器におけるプロセッサ601とモータとの接続模式図を例示する。
【0043】
以下では、1つの具体的な実施例により、本発明のネットワーク機器においてアンテナの多放射方向の制御を如何に実現するかについて記述する。
【0044】
図8は、本発明に係るネットワーク機器の実施例の構成図である。図8に示すように、当該ネットワーク機器は、プロセッサ801及びアンテナシステム802を備えてもよい。プロセッサ801は、CPU801であってもよい。
【0045】
図8において、アンテナシステム802は、N個のアンテナユニット(802a_1~802a_N)及びN個のステッピングモータ(802b_1~802b_N)を含む。アンテナシステム802では、各ステッピングモータの回転軸が一つのアンテナユニットに固定接続されている。
【0046】
一例では、ネットワーク機器は、N個の無線周波数送受信手段(図8ではRF TRで表される)(803c_1~802c_N)を更に備え、各無線周波数送受信手段の一端はプロセッサ801に接続され、他端は無線周波数ケーブルを介してアンテナシステム802における対応する1つのアンテナユニットに接続され、プロセッサ801とアンテナユニットとの間でアンテナ情報を転送する。
【0047】
アンテナユニット802a_1を例とし、他のアンテナユニットの仕組みは、類似する。
【0048】
プロセッサ801は、アンテナユニット802a_1の放射方向に関連するパラメータを収集する。一例では、ここでのパラメータは、信号強度、チャネル占有率、信号対雑音比、サービスされる端末の数等を含むが、それらに限定されない。
【0049】
プロセッサ801は、収集されたパラメータを基に指定のアルゴリズムを用いてアンテナユニット802a_1の回転の方向(例えば、時計回り又は反時計回り)及びステップ数を算出する。一例では、上記指定のアルゴリズムは、ビーム切替アンテナの切替アルゴリズムに類似してもよい。
【0050】
プロセッサ801は、回転方向、回転ステップ数を回転指令に付加してステッピングモータ802b_1へ送信する。
【0051】
ステッピングモータ802b_1は、回転指令を受信し、回転指令に付加された回転方向、回転ステップ数に応じて回転軸の回転を制御する。通常、ステッピングモータの各ステップに対応する回転角度は、一定である。1ステップに対応する回転角度が2度であることを例とし、回転方向が時計回りであり、且つ回転ステップ数が5であると仮定すれば、ステッピングモータ802b_1が回転軸を制御して時計回りに10度回転させることは、表される。
【0052】
アンテナユニット802a_1は、ステッピングモータ802b_1の回転軸に固定接続されている。ステッピングモータ802b_1は、回転軸の回転を制御すると、アンテナユニット802a_1の回転を駆動する。例えば、ステッピングモータ802b_1は、回転軸を制御して時計回りに10度回転させると、アンテナユニット802a_1が時計回りに10度回転することを連動させる。
【0053】
アンテナユニット802a_1の回転がアンテナユニット802a_1の放射方向を変更するため、アンテナユニット802a_1の放射方向の多角度制御が実現され、スマートアンテナ効果が達成される。
【0054】
ステッピングモータを介してアンテナユニットの回転を制御するため、アンテナユニット802a_1の放射方向が変更可能であり、アンテナユニットの多放射方向が実現される。以上は、アンテナユニット802a_1を例としたが、他のアンテナユニットについても原理が類似するため、ここで一々繰り返し説明しない。
【0055】
これで、実施例の記述は、完了する。
【0056】
上述したのは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神及び原則内でなされた如何なる変更、均等物による置換、改良等も、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8