(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】レジスト除去方法およびレジスト除去装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230302BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230302BHJP
G03F 7/42 20060101ALN20230302BHJP
【FI】
H01L21/30 572A
H01L21/302 104H
G03F7/42
(21)【出願番号】P 2022096953
(22)【出願日】2022-06-16
(62)【分割の表示】P 2017177975の分割
【原出願日】2017-09-15
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】宗徳 皓太
(72)【発明者】
【氏名】鰍場 真樹
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-100613(JP,A)
【文献】特開2017-015770(JP,A)
【文献】特開平06-037059(JP,A)
【文献】特開2005-217232(JP,A)
【文献】特開平11-067738(JP,A)
【文献】特開昭63-032928(JP,A)
【文献】特開2001-223206(JP,A)
【文献】特開2008-300704(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101571678(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0074577(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H01L 21/3065
G03F 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に変質層が形成されたレジストのパターンを主面上に有する基板の前記レジストを除去するレジスト除去方法であって、
A)外部から遮断された処理空間に、前記基板および所定の温度に加熱されたホットプレートを配置しつつ、前記主面に対してオゾンガスを供給することにより、前記変質層を除去する工程と、
B)前記A)工程に並行して、前記処理空間から排出されるガスにおけるオゾンガスの濃度を測定することにより、前記変質層の除去の終点を検出する工程と、
C)前記A)工程の後、前記主面に対してオゾンガスを供給することにより、前記レジストを除去する工程と、
を備えることを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレジスト除去方法であって、
前記B)工程において、前記オゾンガスの濃度の変化率に基づいて前記変質層の除去の終点が検出されることを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレジスト除去方法であって、
前記C)工程に並行して、前記処理空間から排出されるガスにおける所定成分の濃度を測定することにより、前記レジストの除去の終点を検出する工程をさらに備えることを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載のレジスト除去方法であって、
前記A)工程において、前記基板を前記ホットプレートに対して隙間を空けた第1処理位置に配置して前記変質層の除去を行い、
前記C)工程において、前記第1処理位置よりも前記隙間が小さい第2処理位置に前記基板を配置して、前記レジストの除去を行うことを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項5】
請求項4に記載のレジスト除去方法であって、
前記処理空間が開閉可能であり、
前記処理空間を開放した際に、前記第1処理位置よりも前記ホットプレートから離れた位置に前記基板を配置した状態において、前記基板を保持する保持部から外部の搬送機構に対して前記基板が渡されることを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載のレジスト除去方法であって、
前記処理空間を形成する処理空間形成部において、前記オゾンガスの供給口の周囲に加熱部が設けられることを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載のレジスト除去方法であって、
前記ホットプレートの前記所定の温度が、前記変質層が形成された前記レジストにおいて、内部の膨張による前記変質層の破裂が発生する温度以上であることを特徴とするレジスト除去方法。
【請求項8】
レジスト除去装置であって、
外部から遮断された処理空間を形成する処理空間形成部と、
前記処理空間に配置され、所定の温度に加熱されるホットプレートと、
表面に変質層が形成されたレジストのパターンを主面上に有する基板を前記処理空間において保持する保持部と、
前記主面に対してオゾンガスを供給するオゾンガス供給部と、
前記処理空間から排出されるガスにおけるオゾンガスの濃度を測定する濃度測定部と、
前記濃度測定部の測定値に基づいて前記変質層の除去の終点を検出し、その後オゾンガスによる前記レジストの除去を行う制御部と、
を備えることを特徴とするレジスト除去装置。
【請求項9】
請求項8に記載のレジスト除去装置であって、
前記制御部が、前記オゾンガスの濃度の変化率に基づいて前記変質層の除去の終点を検出することを特徴とするレジスト除去装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載のレジスト除去装置であって、
前記制御部が、前記濃度測定部の測定値に基づいて前記レジストの除去の終点を検出することを特徴とするレジスト除去装置。
【請求項11】
請求項8ないし10のいずれか1つに記載のレジスト除去装置であって、
前記保持部を前記ホットプレートに対して相対的に移動する移動機構をさらに備え、
前記制御部が、前記ホットプレートに対して隙間を空けた第1処理位置に前記基板を配置して前記オゾンガスによる前記変質層の除去を行い、続いて、前記移動機構を制御することにより、前記第1処理位置よりも前記隙間が小さい第2処理位置に前記基板を配置して前記オゾンガスによる前記レジストの除去を行うことを特徴とするレジスト除去装置。
【請求項12】
請求項11に記載のレジスト除去装置であって、
前記処理空間を開閉する開閉機構をさらに備え、
前記処理空間を開放した際に、前記制御部が、前記第1処理位置よりも前記ホットプレートから離れた位置に前記基板を配置し、前記保持部から外部の搬送機構に対して前記基板が渡されることを特徴とするレジスト除去装置。
【請求項13】
請求項8ないし12のいずれか1つに記載のレジスト除去装置であって、
前記処理空間形成部において、前記オゾンガスの供給口の周囲に加熱部が設けられることを特徴とするレジスト除去装置。
【請求項14】
請求項8ないし13のいずれか1つに記載のレジスト除去装置であって、
前記ホットプレートの前記所定の温度が、前記変質層が形成された前記レジストにおいて、内部の膨張による前記変質層の破裂が発生する温度以上であることを特徴とするレジスト除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト除去方法およびレジスト除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板表面の材料にイオンを注入して当該材料の特性を変化させるイオン注入が行われている。イオン注入では、不要な部分へのイオンの注入を防止するため、感光性材料であるフォトレジスト(以下、単に「レジスト」という。)のパターンがマスクとして基板表面に形成される。イオン注入後、レジストのパターンは、レジスト剥離液を用いてレジスト除去処理により除去される。
【0003】
近年、イオン注入におけるイオンのドーズ量が高くなっている。高ドーズ量(例えば、1015ions/cm2以上)のイオン注入が行われた場合、レジスト剥離液による除去に時間を要する変質層(硬化層)がレジストの表面に形成される。そこで、特許文献1では、基板の表面に対する紫外線の照射により、レジストにおける炭素と水素との結合を切断し、その後に、レジスト剥離液を基板の表面に供給して、レジストを速やかに除去する手法が提案されている。
【0004】
なお、特許文献2では、基板上のレジストを加熱下にてオゾンにより除去する装置が開示されている。当該装置では、密閉可能な反応室内に支持台が設けられ、基板が支持台に載置される。また、反応室と、下流側のオゾン分解器との間にはCO2濃度測定器が設けられる。レジストの除去では、支持台を加熱するとともに反応室にオゾンが流される。また、CO2濃度測定器によりCO2濃度が測定され、CO2濃度が予め定めた値を下回ると、レジストが完全に分解除去されたと判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-286830号公報
【文献】特開平1-186619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、高ドーズ量のイオン注入が行われた基板に対して、特許文献2のように、オゾンガスの供給および基板の加熱によるレジストの除去を行う場合、変質層が形成されたレジストにおいて、内部(変質層よりも内側の部分)の膨張により変質層が破裂する現象が発生することがある。当該現象は、ポッピングと呼ばれ、ポッピングにより、基板上のパターンが倒壊したり、飛散した変質層の破片が基板の表面および装置の内部に付着してしまう。基板の加熱温度を低くすることにより、ポッピングを防止することも考えられるが、レジストの除去に要する時間が長くなってしまう。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、変質層の除去の終点を適切に検出して基板上のレジストを効率よく除去することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、表面に変質層が形成されたレジストのパターンを主面上に有する基板の前記レジストを除去するレジスト除去方法であって、A)外部から遮断された処理空間に、前記基板および所定の温度に加熱されたホットプレートを配置しつつ、前記主面に対してオゾンガスを供給することにより、前記変質層を除去する工程と、B)前記A)工程に並行して、前記処理空間から排出されるガスにおけるオゾンガスの濃度を測定することにより、前記変質層の除去の終点を検出する工程と、C)前記A)工程の後、前記主面に対してオゾンガスを供給することにより、前記レジストを除去する工程とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレジスト除去方法であって、前記B)工程において、前記オゾンガスの濃度の変化率に基づいて前記変質層の除去の終点が検出される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のレジスト除去方法であって、前記C)工程に並行して、前記処理空間から排出されるガスにおける所定成分の濃度を測定することにより、前記レジストの除去の終点を検出する工程をさらに備える。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のレジスト除去方法であって、前記A)工程において、前記基板を前記ホットプレートに対して隙間を空けた第1処理位置に配置して前記変質層の除去を行い、前記C)工程において、前記第1処理位置よりも前記隙間が小さい第2処理位置に前記基板を配置して、前記レジストの除去を行う。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のレジスト除去方法であって、前記処理空間が開閉可能であり、前記処理空間を開放した際に、前記第1処理位置よりも前記ホットプレートから離れた位置に前記基板を配置した状態において、前記基板を保持する保持部から外部の搬送機構に対して前記基板が渡される。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のレジスト除去方法であって、前記処理空間を形成する処理空間形成部において、前記オゾンガスの供給口の周囲に加熱部が設けられる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のレジスト除去方法であって、前記ホットプレートの前記所定の温度が、前記変質層が形成された前記レジストにおいて、内部の膨張による前記変質層の破裂が発生する温度以上である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、レジスト除去装置であって、外部から遮断された処理空間を形成する処理空間形成部と、前記処理空間に配置され、所定の温度に加熱されるホットプレートと、表面に変質層が形成されたレジストのパターンを主面上に有する基板を前記処理空間において保持する保持部と、前記主面に対してオゾンガスを供給するオゾンガス供給部と、前記処理空間から排出されるガスにおけるオゾンガスの濃度を測定する濃度測定部と、前記濃度測定部の測定値に基づいて前記変質層の除去の終点を検出し、その後オゾンガスによる前記レジストの除去を行う制御部とを備える。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のレジスト除去装置であって、前記制御部が、前記オゾンガスの濃度の変化率に基づいて前記変質層の除去の終点を検出する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載のレジスト除去装置であって、前記制御部が、前記濃度測定部の測定値に基づいて前記レジストの除去の終点を検出する。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれか1つに記載のレジスト除去装置であって、前記保持部を前記ホットプレートに対して相対的に移動する移動機構をさらに備え、前記制御部が、前記ホットプレートに対して隙間を空けた第1処理位置に前記基板を配置して前記オゾンガスによる前記変質層の除去を行い、続いて、前記移動機構を制御することにより、前記第1処理位置よりも前記隙間が小さい第2処理位置に前記基板を配置して前記オゾンガスによる前記レジストの除去を行う。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のレジスト除去装置であって、前記処理空間を開閉する開閉機構をさらに備え、前記処理空間を開放した際に、前記制御部が、前記第1処理位置よりも前記ホットプレートから離れた位置に前記基板を配置し、前記保持部から外部の搬送機構に対して前記基板が渡される。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項8ないし12のいずれか1つに記載のレジスト除去装置であって、前記処理空間形成部において、前記オゾンガスの供給口の周囲に加熱部が設けられる。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項8ないし13のいずれか1つに記載のレジスト除去装置であって、前記ホットプレートの前記所定の温度が、前記変質層が形成された前記レジストにおいて、内部の膨張による前記変質層の破裂が発生する温度以上である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、変質層の除去の終点を適切に検出して基板上のレジストを効率よく除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】処理空間を開放した状態のレジスト除去装置を示す図である。
【
図5】基板を第1処理位置に配置した状態のレジスト除去装置を示す図である。
【
図6】排出ガスにおけるオゾン濃度の変化を示す図である。
【
図7】排出ガスにおける二酸化炭素濃度の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一の実施の形態に係るレジスト除去装置1の構成を示す図である。レジスト除去装置1は、レジストのパターンを主面上に有する基板の当該レジストを除去する装置である。レジスト除去装置1は、チャンバ2と、蓋部昇降機構31と、ホットプレート4と、複数のリフトピン51と、ピン昇降機構32と、オゾンガス供給部6と、ガス排出部71と、濃度測定部72と、制御部10とを備える。制御部10は、レジスト除去装置1の全体制御を担う。
【0025】
チャンバ2は、チャンバ本体21と、チャンバ蓋部22とを備える。チャンバ本体21は、円板状の底板部211と、円筒状の本体側部212とを備える。底板部211は、水平方向に広がり、底板部211の外縁部から本体側部212が上方に延びる。チャンバ蓋部22は、円板状の天板部221と、円筒状の蓋側部222とを備える。天板部221は、水平方向に広がり、天板部221の外縁部から蓋側部222が下方に延びる。天板部221の下面には、水平方向に広がるシャワープレート223が、プレート支持部224を介して固定される。シャワープレート223は、天板部221とホットプレート4との間に配置される。シャワープレート223には、多数の貫通孔が形成される。蓋側部222の下端面は、全周に亘って本体側部212の上端面と上下方向に対向する。本体側部212の上端面には、環状凹部が設けられており、環状凹部にはOリング23が設けられる。チャンバ本体21およびチャンバ蓋部22(シャワープレート223を含む。)は、例えばステンレス鋼により形成される。
【0026】
蓋部昇降機構31は、チャンバ蓋部22を上下方向に昇降し、チャンバ蓋部22を
図1に示す下位置と
図2に示す上位置とに選択的に配置する。
図2では、チャンバ蓋部22が、チャンバ本体21から上方に離れており、蓋側部222の下端面と本体側部212の上端面との間に大きな隙間が形成される。
図1では、蓋側部222の下端面と本体側部212の上端面とがほぼ接触しており、チャンバ本体21の上方がチャンバ蓋部22により閉塞される。
図1の状態では、蓋側部222の下端面と本体側部212の上端面との間が、Oリング23により密閉され、チャンバ2の内部において、外部から遮断された処理空間20が形成される。チャンバ2は、処理空間20を形成する処理空間形成部である。また、処理空間20は開閉可能であり、蓋部昇降機構31は、処理空間20を開閉する開閉機構である。蓋部昇降機構31では、モータや、モータ以外のアクチュエータが利用されてよい。当該開閉機構は、チャンバ本体21を移動する機構であってもよい。
【0027】
ホットプレート4は、処理空間20に配置される。ホットプレート4は、厚い円板状であり、ホットプレート4の直径は、円板状の基板9の直径よりも大きい。ホットプレート4には、電熱線を含むヒータ40が設けられる。外部の電源からヒータ40に供給される電流により、ホットプレート4が、所定の設定温度に加熱される。設定温度は、例えば200℃以上であり、ポッピングが発生する後述のポッピング温度以上である。
図1のホットプレート4における設定温度の上限は、例えば300℃である。ホットプレート4は、図示省略の部材を介してチャンバ本体21に対して固定される。円板状である底板部211、天板部221およびホットプレート4の中心軸はほぼ同じである。以下の説明では、当該中心軸を中心とする周方向を、単に「周方向」という。
【0028】
ホットプレート4には、複数の貫通孔41が周方向に一定の角度間隔で配置される。底板部211には、上下方向において各貫通孔41と重なる位置に貫通孔213が設けられる。複数のリフトピン51のそれぞれは、貫通孔41および貫通孔213のいずれかの組合せに挿入される。リフトピン51の個数は、典型的には3個であり、この場合、リフトピン51は、周方向に120度の間隔で配置される。リフトピン51の個数は、4個以上であってもよい。複数のリフトピン51の下端は、ピン支持板52に固定される。底板部211の下方において、各リフトピン51の周囲は、ベローズ53により囲まれる。ベローズ53の上端は、底板部211の下面に固定され、ベローズ53の下端は、ピン支持板52の上面に固定される。ベローズ53およびピン支持板52により、チャンバ2の内部と外部との間にて、底板部211の貫通孔213を介して、気体または液体が通過することが防止される。
【0029】
ピン昇降機構32は、ステッピングモータを備え、ピン支持板52を上下方向に昇降する。これにより、複数のリフトピン51が上下方向に移動する。ステッピングモータの駆動により、ピン支持板52および複数のリフトピン51は、上下方向において、例えば
図1に示す位置と
図2に示す位置との間の任意の位置に配置可能である。
図1では、複数のリフトピン51の先端(上端)がホットプレート4の貫通孔41の内部に配置される。
図2では、複数のリフトピン51の先端がホットプレート4の上面よりも上方に配置される。複数のリフトピン51の先端は、半球状であり、上下方向において同じ高さに位置する。ピン昇降機構32では、他の種類のモータや、モータ以外のアクチュエータが利用されてもよい。
【0030】
レジスト除去装置1では、複数のリフトピン51の先端が貫通孔41の内部に配置される際には、基板9がホットプレート4の上面に載置され、水平な姿勢にて保持される。また、複数のリフトピン51の先端がホットプレート4の上面よりも上方に配置される際には、基板9が複数のリフトピン51により下方から支持され、水平な姿勢にて保持される。このように、レジスト除去装置1では、処理空間20において基板9を保持する保持部が、ホットプレート4と複数のリフトピン51とで切り替わる。ピン昇降機構32は、保持部が複数のリフトピン51である場合に、当該保持部をホットプレート4に対して相対的に移動する移動機構である。なお、ホットプレート4の上面に複数の突起部が設けられてもよい。この場合、複数のリフトピン51の先端が複数の突起部の上面よりも下方に位置する際に、基板9が複数の突起部により下方から支持される。
【0031】
図1のオゾンガス供給部6は、オゾンガス供給源61と、ガス供給管62と、ガス供給弁63と、ガスノズル64とを備える。ガスノズル64は、天板部221の中央に設けられ、ホットプレート4の上方にて処理空間20に開口するガス供給口641を有する。ガスノズル64は、ガス供給管62を介してオゾンガス供給源61に接続される。ガス供給管62には、ガス供給弁63が設けられる。ガス供給弁63を開くことにより、ガスノズル64から処理空間20にオゾン(O
3)ガスが供給される。
【0032】
既述のように、天板部221とホットプレート4との間には、シャワープレート223が配置される。オゾンガスは、シャワープレート223の多数の貫通孔を通過し、基板9の上側の主面91(以下、単に「上面91」という。)に対して一様に供給される。天板部221では、複数のガスノズル64が分散して設けられてもよい。この場合に、シャワープレート223が省略されてもよい。本実施の形態では、オゾンガスは、オゾンを所定のガスで希釈したものである。オゾンガスには、他の種類の酸化性ガス等が混合されてもよい。
【0033】
ガス排出部71は、ガス排出口711と、ガス排出管712とを備える。ガス排出口711は、底板部211の中央に設けられ、ガス排出管712の一端に接続される。ガス排出管712の他端は、フィルタ等のオゾン分解部(図示省略)に接続される。処理空間20のガスは、ガス排出口711およびガス排出管712を介して外部に排出される。レジスト除去装置1では、複数のガス排出口711が設けられてもよく、ガス排出口711は、底板部211の外縁部や本体側部212等に設けられてもよい。ガス排出管712には、濃度測定部72が接続される。濃度測定部72は、処理空間20から排出されるガス(以下、「排出ガス」という。)における所定成分の濃度を測定する。本実施の形態では、濃度測定部72により、排出ガスにおけるオゾンの濃度、および、二酸化炭素(CO2)の濃度が測定される。
【0034】
次に、基板9上に形成されるレジストについて説明する。
図3は、基板9の上面91に形成されたレジスト95の断面を抽象的に示す図である。レジスト除去装置1において処理が行われる基板9には、前段の処理において高ドーズ量のイオン注入が行われており、レジスト95の表面に変質層96が形成されている。換言すると、レジスト95において、変質層96よりも内側の部分である未変質部97の全体が、基板9の上面91および変質層96により覆われる。変質層96は、硬化層とも呼ばれる。
【0035】
ここで、変質層96が形成されたレジスト95を有する基板9を加熱すると、内部の膨張(例えば、未変質部97から発生するガスの充満)により、変質層96が破裂するポッピングが発生することがある。ポッピングは、基板9の加熱温度が低い場合には発生しない。ポッピングが高頻度(例えば、50%以上)で発生する基板9の温度は、ポッピング温度として、実験等により特定可能である。以下、変質層96が形成されたレジスト95を、ポッピングを防止しつつ効率よく除去する処理について説明する。
【0036】
図4は、レジスト除去装置1におけるレジスト除去処理の流れを示す図である。レジスト除去処理では、まず、チャンバ蓋部22が
図2に示す上位置に配置される。続いて、外部の搬送機構により、蓋側部222の下端面と本体側部212の上端面との間の隙間を基板9が通過して、チャンバ蓋部22とチャンバ本体21との間に配置される。また、ピン昇降機構32により、複数のリフトピン51が
図2に示す位置まで上方に移動する。そして、搬送機構が基板9を僅かに下方に移動することにより、搬送機構の支持部から複数のリフトピン51に基板9が渡され、基板9が、複数のリフトピン51により下方から支持される(ステップS11)。
図2に示す基板9の位置を、以下、「受け渡し位置」という。なお、複数のリフトピン51の先端が当該支持部よりも上方に移動することにより、当該支持部から複数のリフトピン51に基板9が渡されてもよい。
【0037】
搬送機構の支持部が、チャンバ本体21およびチャンバ蓋部22の外側へと移動すると、複数のリフトピン51が下降することにより、基板9が受け渡し位置から
図5に示す位置(以下、「第1処理位置」という。)まで下方に移動する(ステップS12)。第1処理位置では、基板9の下面とホットプレート4の上面との間に、所定の幅(例えば、数mm)の隙間が空いている。また、チャンバ蓋部22が、蓋部昇降機構31により下降し、
図5に示す下位置に配置される。これにより、外部から遮断された処理空間20が形成される(ステップS13)。換言すると、処理空間20が閉じられる。
【0038】
ホットプレート4は一定の設定温度に加熱されており、基板9が隙間を空けてホットプレート4と近接する
図5の状態では、基板9が、ホットプレート4の設定温度よりも低い温度に加熱される。実際には、基板9の温度が既述のポッピング温度よりも低くなるように、上記設定温度および上記隙間の幅が、実験等により決定される。
【0039】
続いて、オゾンガス供給部6においてガス供給弁63が開かれ、ガス供給口641から処理空間20内に予め定められた供給流量にてオゾンガスが噴出される。すなわち、基板9の上面91に対するオゾンガスの供給が開始される(ステップS14)。オゾンガスの供給は、ホットプレート4による基板9の加熱と並行して連続的に行われる。実際には、
図1に示すガス排出管712に設けられた図示省略の排出弁が開かれ、処理空間20内のガスの排出動作も開始される。基板9の上面91の近傍では、オゾンガスが加熱されて分解され、酸素ラジカル等が生成される。酸素ラジカル等により、レジスト95の最表面である変質層96の分解が徐々に進行する。濃度測定部72では、排出ガスにおけるオゾン濃度、および、二酸化炭素濃度の測定が常時行われており、測定値が制御部10に出力される。
【0040】
図6は、排出ガスにおけるオゾン濃度(O
3濃度)の変化を示す図であり、
図7は、排出ガスにおける二酸化炭素濃度(CO
2濃度)の変化を示す図である。
図6および
図7では、排出ガスにおけるオゾン濃度および二酸化炭素濃度の変化を実線L1,L2にて示している。また、
図6では、比較用として、仮に処理空間20に基板9を配置しない場合に得られるオゾン濃度の変化を破線L3にて示し、基板9上のレジスト95が変質層96を有していない場合に得られるオゾン濃度の変化を一点鎖線L4にて示している。
図6および
図7の下段には、チャンバ蓋部22の開閉状態、および、オゾンガス(ガス供給弁63)の開閉状態も示している。
図6および
図7では、時刻T1において、基板9の上面91に対するオゾンガスの供給が開始される。
【0041】
処理空間20内の空気は、オゾンガスにより少しずつ置換される。
図6中の実線L1に示すように、排出ガスにおけるオゾン濃度は、オゾンガスの供給開始から次第に増加する。このとき、オゾンガスの一部は、基板9上のレジスト95の除去、正確には、変質層96の分解に利用される。したがって、処理空間20に基板9を配置しない場合のオゾン濃度の変化(破線L3)に比べて、各時刻におけるオゾン濃度は小さくなる。また、
図7中の実線L2に示すように、変質層96の分解により、二酸化炭素濃度も次第に増加する。レジスト除去の初期では、除去されるレジスト95の大部分は変質層96であり、以下の説明では、このような期間を、「変質層除去期間」という。なお、仮に、基板9上のレジスト95が変質層96を有していない場合には(この場合、基板9は
図1に示す位置に配置される。)、より多くのオゾンガスがレジスト95の分解に利用されるため、各時刻におけるオゾン濃度(一点鎖線L4)は、実線L1よりも小さくなる。
【0042】
オゾンガスの供給により変質層96の分解が進行すると、レジスト95において未変質部97の一部が露出する。未変質部97は、変質層96よりも分解しやすいため、変質層除去期間よりも多くのオゾンガスが消費され、オゾン濃度の変化率が小さくなる。制御部10では、レジスト除去中、オゾン濃度の変化率が常時求められる。オゾン濃度の変化率が所定の閾値以下となると、大部分の変質層96の除去が終了したものと判定される(ステップS15)。このように、オゾン濃度の変化率に基づいて変質層96の除去の終点が検出される。
図6および
図7では、時刻T2において、変質層96の除去がほぼ完了する。
【0043】
変質層96の除去の終点が検出されると、または、当該終点の検出から所定時間が経過すると、複数のリフトピン51が下降することにより、基板9が、第1処理位置から
図1に示す位置(以下、「第2処理位置」という。)まで下方に移動する(ステップS16)。第2処理位置では、基板9が、ホットプレート4の上面に載置され、基板9の下面とホットプレート4の上面との間に隙間が設けられない。換言すると、当該隙間の幅が0となる。第2処理位置に配置された基板9の温度は、第1処理位置への配置時よりも高くなる。実際には、基板9の温度が、ホットプレート4の設定温度近傍まで上昇する。したがって、基板9の上面91近傍におけるオゾンガスの分解が、基板9が第1処理位置に配置される変質層除去期間よりも促進される。その結果、残りのレジスト95(主として未変質部97)の分解も促進される。レジスト除去装置1では、第2処理位置に配置された基板9とホットプレート4との間の隙間が、第1処理位置における当該隙間よりも小さくなるのであるならば、第2処理位置の基板9がホットプレート4から離れていてもよい。
【0044】
基板9上に残存するレジスト95が少なくなるに従って、排出ガスにおける二酸化炭素濃度が小さくなる。その後、オゾン濃度がある一定の値にて飽和するとともに、二酸化炭素濃度がほぼ0となる。制御部10では、二酸化炭素濃度が所定の閾値以下となると、未変質部97の除去が終了したものと判定される(ステップS17)。このように、二酸化炭素濃度を測定することにより、レジスト95の除去の終点が検出される。レジスト除去装置1では、変質層96の除去後、基板9を第2処理位置に配置することにより、仮に基板9を第1処理位置に配置したままで処理を継続する場合に比べて、レジスト95の除去を短時間にて完了することが可能となる。
【0045】
時刻T3において、レジスト95の除去の終点が検出されると、時刻T3から所定時間が経過した時刻T4に、ガス供給弁63が閉じられ、オゾンガスの供給が停止される(ステップS18)。これにより、基板9に対するオゾンガスによる処理が終了する。時刻T3から時刻T4までの時間は、基板9上のレジスト95をより確実に除去するために設定される時間(オーバーエッチング時間)である。実際には、ガス排出管712に設けられた図示省略の排出弁が閉じられ、処理空間20内のガスの排出動作も停止される。なお、オゾンガスの供給停止後に、窒素ガス等が処理空間20に供給され、処理空間20内のオゾンガスが窒素ガスに置換されてもよい。
【0046】
続いて、チャンバ蓋部22が、蓋部昇降機構31により上昇し、
図2に示す上位置に配置される。これにより、処理空間20が開放される(ステップS19)。また、複数のリフトピン51が上昇することにより、基板9が第2処理位置から
図2に示す受け渡し位置まで上方に移動する(ステップS20)。さらに、搬送機構の支持部が、基板9とホットプレート4との間に配置される。そして、当該支持部が上方に移動することにより、複数のリフトピン51から当該支持部に基板9が渡される(ステップS21)。レジスト除去装置1では、
図5に示す第1処理位置よりもホットプレート4から離れた位置に基板9を配置した状態において、基板9を保持する複数のリフトピン51から搬送機構に対して基板9が渡される。その後、基板9が蓋側部222の下端面と本体側部212の上端面との間の隙間を通過して、レジスト除去装置1の外部に搬出される。これにより、基板9に対するレジスト除去処理が完了する。次の処理対象の基板9が存在する場合には、当該基板9に対してステップS11~S21の処理が繰り返される。
【0047】
ここで、比較例のレジスト除去装置について説明する。比較例のレジスト除去装置では、基板9の搬入後、基板9が
図1に示す第2処理位置に配置されて、レジスト95(変質層96および未変質部97)の除去が行われる。既述のように、変質層96が形成されたレジスト95において、内部の膨張による変質層96の破裂が発生する温度をポッピング温度として、ホットプレート4の設定温度は、ポッピング温度以上である。したがって、比較例のレジスト除去装置では、レジスト95のポッピングが発生する場合がある。
図3では、未変質部97の膨張を、矢印A1により示している。
【0048】
ポッピングが発生すると、基板9上のパターンが倒壊したり、飛散した変質層96の破片が、基板9の上面91およびチャンバ2の内部に付着してしまう。ホットプレート4の設定温度をポッピング温度よりも低くすることにより、ポッピングを防止することも考えられる。しかしながら、レジスト95の除去レートは、基板9の温度の影響を受けるため、レジスト95の除去に要する時間が長くなる。また、基板9が過度に酸化される可能性もある。なお、レジスト除去中にホットプレート4の設定温度を変更することも考えられるが、ホットプレート4では、温度を急激に変化させることが困難である。
【0049】
これに対し、レジスト除去装置1では、ホットプレート4に対して隙間を空けた第1処理位置に基板9を配置してオゾンガスによる変質層96の除去が行われる。続いて、ピン昇降機構32を制御することにより、ホットプレート4との間の隙間が第1処理位置よりも小さい第2処理位置に基板9を配置してオゾンガスによるレジスト95の除去が行われる。これにより、温度を急激に変化させることが困難であるホットプレート4を用いて、ポッピングを防止しつつ基板9上のレジスト95を効率よく(短時間で)除去することができる。その結果、基板9の過度な酸化も抑制することができる。また、第2処理位置が、基板9がホットプレート4の上面に接する位置であることにより、基板9を効率よく高温に加熱することが可能となる。
【0050】
オゾンガスによる変質層96の除去に並行して、処理空間20から排出されるガスにおける所定成分の濃度を測定することにより、変質層96の除去の終点を基板9毎に適切に検出することができる。これにより、比較的低い温度で基板9が加熱される期間(基板9が第1処理位置に配置される期間)が不必要に長くなることを防止して、基板9上のレジスト95の除去に要する時間を短くすることができる。また、ポッピングをより確実に防止することができる。
【0051】
オゾンガスによるレジスト95(主として、未変質部97)の除去に並行して、処理空間20から排出されるガスにおける所定成分の濃度を測定することにより、レジスト95の除去の終点も基板9毎に適切に検出することができる。その結果、基板9が加熱される期間が不必要に長くなることを防止して、基板9の過度な酸化をより確実に抑制することができる。また、レジスト95をより確実に除去することができる。
【0052】
ステッピングモータを有するピン昇降機構32では、基板9とホットプレート4との間の隙間を自在に変更することができる。その結果、変質層除去期間における基板9の温度を容易に調整することが可能となり、ポッピングをより確実に防止することができる。
【0053】
図8は、レジスト除去装置1の他の例を示す図である。
図8のレジスト除去装置1では、チャンバ蓋部22の天板部221に加熱部24が設けられる。他の構成は、
図1のレジスト除去装置1と同様であり、同じ構成に同じ符号を付す。
【0054】
チャンバ蓋部22に設けられる加熱部24は、オゾンガスを噴出するガス供給口641の周囲を囲む。したがって、オゾンガスを基板9の上面91に対して供給する際に、加熱部24により天板部221が加熱され、ガス供給口641から噴出されるオゾンガスも加熱される。これにより、オゾンガスの温度が高くなり、酸素ラジカル等の生成が促進される。その結果、基板9の温度を過度に高くすることなく、第1処理位置に配置された基板9に対する変質層96の除去、および、第2処理位置に配置された基板9に対する未変質部97の除去を、短時間にて行うことができる。このように、
図8のレジスト除去装置1では、レジスト95の除去を促進することができる。なお、加熱部24による天板部221の加熱により生じる基板9の温度上昇は僅かであるため、変質層96の除去の際に、第1処理位置に配置された基板9におけるポッピングの発生が防止可能である。
【0055】
上記レジスト除去装置1およびレジスト除去方法では様々な変形が可能である。
【0056】
第1処理位置において基板9を保持する保持部は、複数のリフトピン51以外であってもよい。例えば、基板9の外縁部を把持する機構を有する保持部が、レジスト除去装置1において採用されてもよい。この場合に、レジスト除去装置1の設計によっては、レジスト95が形成された主面を下方または側方に向けて、レジスト95の除去が行われてもよい。また、保持部は、ホットプレート4に対して相対的に移動すればよく、ホットプレート4を上下方向に移動する移動機構が採用されてもよい。
【0057】
オゾンガス供給部6のガス供給口641は、チャンバ蓋部22の天板部221以外の部位に設けられてもよく、例えば、蓋側部222に設けられてもよい。
【0058】
濃度測定部72において、オゾン濃度および二酸化炭素濃度の一方の濃度のみが測定され、当該一方の濃度の測定値に基づいて、変質層96の除去の終点、および、レジスト95の除去の終点が検出されてもよい。また、レジスト95のパターンを利用して行われたイオン注入における当該イオンの濃度が、濃度測定部72により検出されてもよい。
【0059】
処理空間20から排出されるガスにおける所定成分の濃度が実質的に測定可能であるならば、濃度測定部72が、ガス排出管712以外に設けられてもよい。例えば、濃度測定部72を、底板部211におけるガス排出口711の近傍に設けることも可能である。
【0060】
制御部10による変質層96の除去の終点の検出は、濃度測定部72の測定値に基づく様々な手法にて行われてよい。例えば、変質層96の除去の開始から終了までにおける、オゾン濃度または二酸化炭素濃度の典型的な変化を示す基準プロファイルが準備され、実際に得られる濃度変化のプロファイルと基準プロファイルとのフィッティングにより、変質層96の除去の終点が検出されてもよい。同様に、制御部10によるレジスト95(未変質部97)の除去の終点の検出が、濃度測定部72の測定値に基づく様々な手法にて行われてよい。
【0061】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0062】
1 レジスト除去装置
2 チャンバ
4 ホットプレート
6 オゾンガス供給部
9 基板
10 制御部
20 処理空間
24 加熱部
31 蓋部昇降機構
32 ピン昇降機構
51 リフトピン
72 濃度測定部
91 上面
95 レジスト
96 変質層
641 ガス供給口
S11~S21 ステップ