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特許7236711プログラム、方法、情報処理装置、システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20230303BHJP
【FI】
G06Q10/105
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022006054
(22)【出願日】2022-01-19
【審査請求日】2022-01-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021年3月16日 ソフトウェアテストシンポジウム2021 東京(オンライン開催)で発表
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507179553
【氏名又は名称】株式会社SHIFT
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丹下 大
(72)【発明者】
【氏名】小林 元也
(72)【発明者】
【氏名】佐相 真也
(72)【発明者】
【氏名】野島 治輝
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰宏
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185126(JP,A)
【文献】特開2021-157258(JP,A)
【文献】特開2002-215857(JP,A)
【文献】特開2003-015514(JP,A)
【文献】特開2004-246507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列が、素養を含む複数の能力発露の傾向と関連付けて記憶されており、前記複数の文字列から、前記素養と関連付けられている文字列を分類するステップと、
素養としての能力についての所定の要素を抽出した文字列、素養としての能力を総括的に表す文字列、又は素養としての能力の上位概念を表す文字列を含む複数の能力指標が、当該能力指標の概要と関連付けて記憶されており、分類された前記文字列と、前記能力指標に含まれる文字列及び前記概要に含まれる文字列との相関性に基づき、分類された前記文字列についての能力指標を設定するステップと、
能力指標に含まれる文字列を入力データ、当該能力指標に沿った能力を測るために過去に作成された問題を正解出力データとして学習された学習済みモデルに、設定された前記能力指標を入力することで、入力した前記能力指標に沿った能力を測るための問題を、前記学習済みモデルから出力させて作成するステップと
を実行させ、プログラム。
【請求項2】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列が、素養を含む複数の能力発露の傾向と関連付けて記憶されており、前記複数の文字列から、前記素養と関連付けられている文字列を分類するステップと、
素養としての能力についての所定の要素を抽出した文字列、素養としての能力を総括的に表す文字列、又は素養としての能力の上位概念を表す文字列を含む複数の能力指標が、当該能力指標の概要と関連付けて記憶されており、分類された前記文字列と、前記能力指標に含まれる文字列及び前記概要に含まれる文字列との相関性に基づき、分類された前記文字列についての能力指標を設定するステップと、
能力指標に含まれる文字列を入力データ、当該能力指標に沿った能力を測るために過去に作成された問題のパーツを正解出力データとして学習された学習済みモデルに、設定された前記能力指標を入力することで、入力した前記能力指標に沿った能力を測るための問題を作成するためのパーツを、前記学習済みモデルから出力させ、出力された前記パーツと所定の接続詞とを組み合わせて問題を作成するステップと
を実行させ、プログラム。
【請求項3】
前記分類するステップにおいて、前記素養と関連付けられている複数の文字列を分類し、分類した複数の前記文字列を、それぞれの類似度に基づいて文字列群に分類し、
前記設定するステップにおいて、前記字列群と、前記能力指標に含まれる文字列及び前記概要に含まれる文字列との相関性に基づき、前記文字列群についての能力指標を設定する請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記問題を作成するステップにおいて、作成される問題は、正誤が判断される問題である請求項1乃至のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記問題を作成するステップにおいて、作成した前記問題を複数集約し、試験問題又は検定問題を作成する請求項1乃至4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1乃至5のいずれかに係る発明において実行されるステップを実行する方法。
【請求項7】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1乃至5のいずれかに係る発明において実行されるステップを実行する情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかに係る発明において実行されるステップを実行する手段を具備するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
求人と求職者とをマッチングする技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-018274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、求職者の自己分析と、求人側企業が求める人材像との適合度を算出することで、最適な人材を選出するようにしている。しかしながら、特許文献1で記載される設問はアンケート形式であるため、選出した人材についての実際の能力を測ることはできない。人材の減少が予想される現状において、業務を遂行する能力の高い人材を高精度に抽出可能な試験が望まれている。
【0005】
本開示の目的は、所定の業務について就労した経験のない者の中から、当該業務を遂行する能力の高い人材を高精度に抽出可能な試験を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類するステップと、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、所定の業務について就労した経験のない者の中から、当該業務を遂行する能力の高い人材を高精度に抽出可能な試験を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図2図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図3】サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
図4】人材情報テーブル2021のデータ構造を示す図である。
図5】能力テーブル2022のデータ構造を示す図である。
図6】能力指標テーブル2023のデータ構造を示す図である。
図7】問題テーブル2024のデータ構造を示す図である。
図8】本実施形態に係るサーバ20が試験問題を作成する際の動作の例を表すフローチャートである。
図9】本実施形態に係るサーバ20が試験問題を作成する処理の例を表す概念図である。
図10】解答が自由記述式である場合の問題の表示例を表す模式図である。
図11】解答が選択式である場合の問題の表示例を表す模式図である。
図12】解答が数値解答式である場合の問題の表示例を表す模式図である。
図13】本実施形態に係るサーバ20が第2試験問題を作成する際の動作の例を表すフローチャートである。
図14】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステムは、所定の業務において必要とされる能力のうち、人の素養に係る能力を測るための問題を用いた試験問題を作成する。試験問題は、例えば、入社試験として利用され得る。
【0011】
本実施形態において、素養とは、人が有する土台としての能力を表す。素養は、例えば、読み、書き、そろばん、思考力、認識力、共感力等の能力を含み、いわゆるヒューマンスキルとも称される。素養の中には、教育で意図的に伸ばすことが困難な能力もある。言い換えると、素養は、業務知識(知識)、又は技術領域(スキル)に寄らない、共通する土台となる能力を意味する。
【0012】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10、及びサーバ20を含む。端末装置10、及びサーバ20は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0013】
図1において、システム1が端末装置10を1台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、1台に限定されない。システム1に含まれる端末装置10は、1台以上であってもよい。
【0014】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。また、サーバ20は、有する機能に応じ、複数のサーバから構成されていてもよい。
【0015】
図1に示す端末装置10は、例えば、試験問題を作成する作成者が操作する端末である。端末装置10は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCにより実現される。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現されてもよい。端末装置10は、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0016】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0017】
サーバ20は、例えば、作成者からの指示に応じ、試験問題を作成する情報処理装置である。サーバ20は、例えば、以下の情報を管理する。
・人材に関する情報(試験問題が作成される企業の従業員に関する情報であってもよい)
・この企業における所定の業務で重要であると想定される能力に関する情報
・能力をまとめる(集約する)ための能力指標に関する情報
・問題に関する情報
【0018】
サーバ20は、管理している情報を参照し、業務に必要とされる能力のうち、人の素養に係る能力に基づいて問題を作成する。サーバ20は、作成した問題を用い、試験問題を作成する。
【0019】
サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される。図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対して情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0020】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。端末装置10、及びサーバ20のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0021】
<1.1 端末装置の構成>
図2は、図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0022】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0023】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。端末装置10がPC等である場合には、入力装置13は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0024】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0025】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0026】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0027】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0028】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、ユーザ情報181を記憶する。
【0029】
ユーザ情報181は、例えば、端末装置10を使用するユーザについての情報を含む。ユーザについての情報には、例えば、ユーザの氏名、年齢、住所、生年月日、電話番号、emailアドレス等が含まれる。
【0030】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、提示制御部193と、としての機能を発揮する。
【0031】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0032】
また、操作受付部191は、カメラ160から入力される画像を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、カメラ160により撮影された画像信号を受信する。
【0033】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声情報を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。
【0034】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された指示をサーバ20へ送信する。また、送受信部192は、指示に基づいて作成された問題を、サーバ20から受信する。
【0035】
提示制御部193は、問題の作成に関する情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。例えば、提示制御部193は、問題の作成を開始させるための情報を提示する。具体的には、例えば、提示制御部193は、問題の作成を開始させるための画面をディスプレイ141に表示させる。提示制御部193は、例えば、問題の作成を開始させるためのガイダンスをスピーカー172から出力させてもよい。また、提示制御部193は、作成した問題に関する情報を提示する。具体的には、例えば、提示制御部193は、作成した問題をディスプレイ141に表示させる。提示制御部193は、作成した問題をスピーカー172から出力させてもよい。
【0036】
<1.2 サーバの機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0037】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0038】
記憶部202は、例えば、人材情報テーブル2021と、能力テーブル2022と、能力指標テーブル2023と、問題テーブル2024と、学習済みモデル2025等とを有する。
【0039】
人材情報テーブル2021は、試験問題を作成する際に参照する人材に関する情報を記憶するテーブルである。人材情報テーブル2021は、試験問題を作成する企業の従業員に関する情報に限らず、企業外部の人材に関する情報を記憶していてもよい。
【0040】
能力テーブル2022は、この企業における所定の業務で重要であると想定される能力に関する情報を記憶するテーブルである。
【0041】
能力指標テーブル2023は、能力をまとめる(集約する)ための能力指標に関する情報を記憶するテーブルである。
【0042】
問題テーブル2024は、問題に関する情報を記憶するテーブルである。問題は、例えば、能力指標に沿った問題を含む。また、問題は、例えば、能力指標に沿い、解答者の能力を測ることが可能な問題を含む。問題は、該当する程度を所定の値で入力するようなアンケート形式の問題ではなく、正誤を付すことが可能な形式の問題である。問題の解答形式は、例えば、自由記述式、選択式、数値解答等を採用可能である。問題テーブル2024は、例えば、能力指標テーブル2023に記憶されている能力指標を参照して作成された問題を記憶していてもよい。ここでの問題は、過去に試験問題を作成したときに作成した問題であってもよい。また、問題テーブル2024は、問題を作成可能な単語(キーワード)等を記憶していてもよい。
【0043】
学習済みモデル2025は、例えば、能力に基づいて問題を作成するためのモデルである。学習済みモデル2025は、サーバ20がサービスを提供するにあたり、予め記憶されている。学習済みモデル2025は、モデル学習プログラムに従い、機械学習モデルに機械学習を行わせることで生成される。学習済みモデル2025は、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る学習済みモデル2025は、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよい。
【0044】
例えば、学習済みモデル2025が順伝播型の多層化ネットワークを用いて生成される場合、パラメータ付き合成関数は、例えば、重み行列を用いた各層間の線形関係、各層における活性化関数を用いた非線形関係(又は線形関係)、及びバイアスの組み合わせとして定義される。重み付行列、及びバイアスは、多層化ネットワークのパラメータと呼ばれる。パラメータ付き合成関数は、パラメータをどのように選ぶかで、関数としての形を変える。多層化ネットワークでは、構成するパラメータを適切に設定することで、出力層から好ましい結果を出力することが可能な関数を定義することができる。
【0045】
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。DNNとしては、例えば、時系列情報等を対象とする再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)を用いてもよい。
【0046】
学習済みモデル2025は、例えば、能力指標設定モデル、問題決定モデル等を有する。
【0047】
能力指標設定モデルは、例えば、入力される回答に対し、所定の応答を出力するように学習されている。このとき、能力指標設定モデルをトレーニングするための学習用データは、例えば、予め設定されている少なくとも1つの能力を入力データとし、入力した能力と対応する能力指標を正解出力データとする。正解出力データとして入力される能力指標は、例えば、能力指標テーブル2023に記憶されている能力指標である。能力指標設定モデルは、新たに追加される能力、及び能力指標に基づき、随時再学習されてもよい。
【0048】
問題決定モデルは、例えば、入力される回答に対し、所定の応答を出力するように学習されている。このとき、問題決定モデルをトレーニングするための学習用データは、例えば、能力指標を入力データとし、入力した能力指標と対応する問題を正解出力データとする。正解出力データとして入力される問題は、例えば、問題テーブル2024に記憶されている問題である。問題決定モデルは、新たに追加される能力指標、及び問題に基づき、随時再学習されてもよい。
【0049】
問題決定モデルは、問題そのものを出力するモデルに限定されない。問題決定モデルは、例えば、能力指標と関連するキーワード(オブジェクト)を出力するモデルであってもよい。
【0050】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、分類モジュール2033、設定モジュール2034、及び作成モジュール2035として示す機能を発揮する。
【0051】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0052】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0053】
分類モジュール2033は、能力の分類を制御する。例えば、分類モジュール2033は、能力テーブル2022に記憶されている能力から、素養に関する能力を分類する。分類モジュール2033は、分類した、素養に関する能力を類似する能力毎に分類する。分類モジュール2033は、能力同士の類似度を、例えば、自然言語処理を用いて算出する。具体的には、例えば、分類モジュール2033は、能力に含まれるキーワードを抽出しておき、キーワードの一致度をキーワード毎の重み等も用いて類似度とする。また、分類モジュール2033は、能力に含まれる単語をベクトル化し、コサイン類似度を用いて類似度を算出してもよい。分類モジュール2033は、例えば、類似度が所定値以上の能力をまとめ、能力群とする。
【0054】
設定モジュール2034は、能力群について能力指標の設定を制御する。例えば、設定モジュール2034は、類似する能力毎に分類された能力群を表す文字列を能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、入力した能力群に対応する能力指標が出力される。能力指標設定モデルから出力される能力指標は、一つに限定されない。能力指標設定モデルから複数の能力指標と、それぞれの能力指標がどれだけ確からしいかを表す値とが出力されてもよい。設定モジュール2034は、例えば、最も確からしいと判断される能力指標を、入力された能力群についての能力指標とする。能力指標の選択は、ユーザからの入力に基づいてもよい。
【0055】
設定モジュール2034による能力指標の設定は、能力指標設定モデルによるものに限定されない。設定モジュール2034は、能力に含まれる文字と、能力指標に含まれる文字との文字相関等の関連性に基づき、能力から能力指標を選択してもよい。また、設定モジュール2034は、入力された能力に含まれる文字を解析し、複数の能力に含まれる文字の相関性から能力指標を作成してもよい。
【0056】
作成モジュール2035は、能力指標に基づく問題の作成を制御する。例えば、作成モジュール2035は、設定された能力指標を表す文字列を問題決定モデルに入力する。問題決定モデルからは、入力した能力指標に対応する問題が出力される。問題決定モデルから出力される能力指標は、一つに限定されない。問題決定モデルから複数の問題と、それぞれの問題がどれだけ確からしいかを表す値とが出力されてもよい。作成モジュール2035は、例えば、最も確からしいと判断される問題を、入力された能力指標についての問題とする。問題の選択は、ユーザからの入力に基づいてもよい。
【0057】
問題決定モデルは、問題を作成するためのパーツ(オブジェクト)を出力してもよい。問題決定モデルから、問題のパーツが出力される場合、作成モジュール2035は、出力されたパーツと所定の接続詞とを組み合わせ、問題を作成する。
【0058】
作成モジュール2035による問題の決定は、問題決定モデルによるものに限定されない。作成モジュール2035は、能力指標に含まれる文字と、問題に含まれる文字との文字相関等の関連性に基づき、能力指標から問題を選択してもよい。また、作成モジュール2035は、能力指標と関連付けられている問題を選択してもよい。
【0059】
<2 データ構造>
図4図7は、サーバ20が記憶するテーブルのデータ構造を示す図である。なお、図4図7は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のテーブルに記載されるデータであっても、記憶部202において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0060】
図4は、人材情報テーブル2021のデータ構造を示す図である。図4に示す人材情報テーブル2021は、人材IDをキーとして、氏名、部署、役職、評価情報、実績情報等のカラムを有するテーブルである。人材情報テーブル2021は、人材が携わっている業務内容を記憶するカラムを有していてもよい。
【0061】
人材IDは、人材を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。氏名は、人材の名前を記憶する項目である。部署は、人材が属する部署を記憶する項目である。役職は、人材に任ぜられている役目、又は職務を記憶する項目である。評価情報は、人材に対して与えられた評価のログを記憶する項目である。評価情報は、評価と、その評価が与えられた時期とが関連付けられていてもよい。評価情報は、過去に受けた試験の成績を含んでもよい。実績情報は、人材が挙げた実績を記憶する項目である。実績情報は、実績と、その実績が挙げられた時期とが関連付けられていてもよい。
【0062】
図5は、能力テーブル2022のデータ構造を示す図である。図5に示す能力テーブル2022は、能力IDをキーとして、能力、分野、プロセス/タスク、傾向のカラムを有するテーブルである。
【0063】
能力IDは、能力を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。能力は、能力の内容を記憶する項目である。能力は、例えば、人材の評価、実績等に基づいて設定される。具体的には、例えば、所定の評価が与えられ、所定の実績を挙げている人材が、業務毎に複数に選別される。このとき選別される人材は、評価が高く、実績がある人材に限定されない。評価が低く、実績がない人材が選別されてもよいし、評価が平均で、ある程度の実績がある人材が選別されてもよい。選別された人材の素行、仕事の仕方、業務中に気を付けているポイント等に基づき、該当する業務を良好に遂行するに当たり、重要であると想定される能力が抽出される。選別された人材は、例えば、ロールモデルと称されてもよい。なお、所定の選択基準では、高評価かつ高実績である人材が、異なる選択基準では、低評価かつ低実績な人材として選択されることもあり得る。
【0064】
分野は、能力が抽出された業務が属する仕事上の領域を記憶する項目である。分野は、例えば、テスト分野、プロジェクトマネージメント分野、営業分野等を含む。試験問題は、例えば、この分野毎に作成される。プロセス/タスクは、能力が必要となるプロセス、又はタスクを記憶する項目である。プロセスは、例えば、業務を遂行する際の工程の表し、意識、事前準備、ヒアリング、説明・提案、交渉等を含む。タスクは、解決するべき課題を表し、例えば、確認項目の設定、提案モデルの選択、要求項目の優先度付け、効果分析等を含む。
【0065】
傾向は、発露される能力の由来を記憶する項目である。傾向は、例えば、分類と称されてもよい。傾向は、例えば、素養、知識、スキル、活用判断、応用等を含む。知識は、例えば、概念、及び用語を正しく理解していることによる能力を表す。知識には、例えば、一般的な知識、技術領域についての知識、業界・業務についての知識等を含む。スキルは、例えば、知識に思考及び判断が加わった、フレームワーク、プロセス、思考法、方法論等の技術を適切に使用できる能力を表す。活用判断は、例えば、遭遇した状況、又は場面を適切に把握し、目的達成のために保有している知識、又はスキルを適切に活用できる能力を表す。応用は、例えば、目的達成のために保有している知識、又はスキルを状況に合わせて組み合わせたり、カスタマイズしたりして成果を出せるように使いこなす能力を表す。
【0066】
図6は、能力指標テーブル2023のデータ構造を示す図である。図6に示す能力指標テーブル2023は、能力指標IDをキーとして、能力指標、サブ指標、分野、傾向、概要のカラムを有するテーブルである。
【0067】
能力指標IDは、能力指標を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。能力指標は、能力指標の名称を記憶する項目である。能力指標は、例えば、関連する(紐付けられている)複数の能力から、共通する要素を抽出した内容を表す。また、能力指標は、例えば、関連する複数の能力の総括的な内容を表す。また、能力指標は、例えば、関連する複数の能力の上位概念を表す。能力指標は、例えば、能力テーブル2022に記憶されている能力を参照して作成された内容を記憶していてもよい。このとき、能力指標は、過去に試験問題を作成したときに作成された内容を記憶してもよい。また、能力指標は、能力指標を作成可能な単語(キーワード)等を記憶していてもよい。
【0068】
サブ指標は、能力指標を分解した際の内訳を記憶する項目である。サブ指標の上位概念が能力指標となる。サブ指標は、例えば、能力テーブル2022に記憶されている能力を参照して作成された内容であり、能力指標よりも下位の概念の内容を記憶していてもよい。このとき、サブ指標は、過去に試験問題を作成したときに作成された内容を記憶してもよい。また、サブ指標は、サブ指標を作成可能な単語(キーワード)等を記憶していてもよい。能力指標には必ずしもサブ指標が設定されていなくてもよい。
【0069】
概要は、能力指標の要点をまとめた内容を記憶する項目である。概要は、例えば、能力指標毎に記憶される。能力指標にサブ指標が設定されている場合には、概要は、サブ指標毎に記憶されていてもよい。
【0070】
図7は、問題テーブル2024のデータ構造を示す図である。図7に示す問題テーブル2024は、問題IDをキーとして、問題名、問題概要、能力指標、サブ指標、分野、問題データのカラムを有するテーブルである。
【0071】
問題IDは、問題を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。問題名は、提供される問題の名称を記憶する項目である。問題概要は、問題の要点をまとめた内容を記憶する項目である。問題データは、問題についてのテキストデータ、及び画像データを記憶する項目である。問題データは、他の場所に配置されたデータファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしてもよい。
【0072】
<3 動作>
試験問題を作成する際のサーバ20の動作について説明する。
【0073】
図8は、本実施形態に係るサーバ20が試験問題を作成する際の動作の例を表すフローチャートである。図9は、本実施形態に係るサーバ20が試験問題を作成する処理の例を表す概念図である。
【0074】
まず、試験問題の作成者は、例えば、端末装置10を操作し、試験問題の作成を開始する旨を入力する。端末装置10は、作成者からの指示に応じ、サーバ20にアクセスし、試験問題の作成を開始する。
【0075】
ステップS11において、サーバ20の制御部203は、受信制御モジュール2031により、作成する試験問題の分野に関する情報の入力を受け付ける。具体的には、例えば、端末装置10の制御部190は、例えば、試験問題の作成が開始されると、作成する試験問題の分野に関する情報を入力させるための画面をディスプレイ141に表示させる。作成者は、画面内に表示される入力ボックスに、作成を希望する分野を入力する。また、作成者は、画面内に提示される複数の分野のうち、希望する分野を選択するようにしてもよい。端末装置10は、作成者から分野が入力されると、入力された分野に関する情報をサーバ20へ送信する。
【0076】
ステップS12において、制御部203は、分類モジュール2033により、素養に関する能力を分類する。具体的には、例えば、分類モジュール2033は、能力テーブル2022に記憶されている複数の能力から、「分野」が作成者により選択された分野である能力を抽出する。分類モジュール2033は、抽出された複数の能力から、「傾向」が素養である能力を分類する。
【0077】
ステップS13において、分類モジュール2033は、分類した能力を、類似する能力毎に分類する。具体的には、例えば、分類モジュール2033は、能力同士の類似度を、例えば、自然言語処理を用いて算出する。分類モジュール2033は、例えば、類似度が所定値以上の能力をまとめ、能力群とする。分類モジュール2033は、同一の能力群に属する能力が多い場合には、この能力群内でサブグループを作成してもよい。
【0078】
より具体的には、例えば、能力として、
・相手を理解する力
・利用者の価値観に基づく評価ができる力
・客観的目線で判断する力
・細部までこだわって確認できる力
・構造を理解する力
・機能、使用を把握し、正確に評価できる力
・状況を理解した上での決断に必要な思慮深さ
・判断した内容を適切に発信、伝達できる力
・細部まで丁寧に評価、確認できる力
・詳細を見ながら、全体の流れを一歩引いた位置から観察する力
・課題が発生した原因を結果と結びつけて論理的に考える力
・誰もが理解できる表現で伝える力
が能力テーブル2022に記憶されている場合、分類モジュール2033は、例えば、文字列の類似度に基づき、
・相手を理解する力
・利用者の価値観に基づく評価ができる力
・客観的目線で判断する力
を第1能力群とする。また、分類モジュール2033は、
・細部までこだわって確認できる力
・細部まで丁寧に評価、確認できる力
・構造を理解する力
・機能、使用を把握し、正確に評価できる力
・詳細を見ながら、全体の流れを一歩引いた位置から観察する力
・状況を理解した上での決断に必要な思慮深さ
・課題が発生した原因を結果と結びつけて論理的に考える力
を第2能力群とする。また、分類モジュール2033は、
・判断した内容を適切に発信、伝達できる力
・誰もが理解できる表現で伝える力
を第3能力群とする。そして、分類モジュール2033は、第2能力群のうち、
・細部までこだわって確認できる力
・細部まで丁寧に評価、確認できる力
を第2能力群の第1グループとし、
・構造を理解する力
・機能、使用を把握し、正確に評価できる力
・詳細を見ながら、全体の流れを一歩引いた位置から観察する力
を第2能力群の第2グループとし、
・状況を理解した上での決断に必要な思慮深さ
・課題が発生した原因を結果と結びつけて論理的に考える力
を第2能力群の第3グループとする。
ステップS14において、制御部203は、設定モジュール2034により、能力群について能力指標を設定する。具体的には、例えば、設定モジュール2034は、類似する能力毎に分類された能力群を表す文字列を能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、入力した能力群に対応する能力指標が出力される。
【0079】
より具体的には、設定モジュール2034は、第1能力群に分類された能力の文字列を、能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、例えば、入力した第1能力群に対応する「ユーザ理解力」が能力指標として出力される。
【0080】
また、設定モジュール2034は、第2能力群に分類された能力の文字列を、能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、例えば、入力した第2能力群に対応する「課題発見力」が能力指標として出力される。
【0081】
また、設定モジュール2034は、第2能力群の第1グループに分類された能力の文字列を、能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、例えば、入力した第1グループに対応する「綿密さ」が能力指標として出力される。
【0082】
また、設定モジュール2034は、第2能力群の第2グループに分類された能力の文字列を、能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、例えば、入力した第2グループに対応する「構造力」が能力指標として出力される。
【0083】
また、設定モジュール2034は、第2能力群の第3グループに分類された能力の文字列を、能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、例えば、入力した第3グループに対応する「思考力」が能力指標として出力される。
【0084】
また、設定モジュール2034は、第3能力群に分類された能力の文字列を、能力指標設定モデルに入力する。能力指標設定モデルからは、例えば、入力した第3能力群に対応する「伝達力」が能力指標として出力される。
【0085】
なお、設定モジュール2034は、能力に含まれる文字と、能力指標テーブル2023の「能力指標」に記憶される文字、又は「概要」に記憶される文字との文字相関等の関連性に基づき、能力から能力指標を選択してもよい。また、設定モジュール2034は、入力された能力群に含まれる能力の文字を解析し、複数の能力に含まれる文字の相関性から能力指標を作成してもよい。
【0086】
ステップS15において、制御部203は、作成モジュール2035により、能力指標に基づいて問題を作成する。具体的には、例えば、作成モジュール2035は、設定された能力指標を表す文字列を問題決定モデルに入力する。問題決定モデルからは、入力した能力指標に対応する問題IDが出力される。
【0087】
より具体的には、作成モジュール2035は、第1能力群に対して設定された「ユーザ理解力」を、問題決定モデルへ入力する。問題決定モデルからは、例えば、入力した「ユーザ理解力」に対応する問題の問題IDが出力される。
【0088】
また、作成モジュール2035は、第2能力群に対して設定された「課題発見力」、「綿密さ」、「構造力」、「思考力」を、問題決定モデルへ入力する。問題決定モデルからは、例えば、入力した「課題発見力」、「綿密さ」、「構造力」、「思考力」に対応する問題の問題IDが出力される。作成モジュール2035は、「課題発見力」、「綿密さ」、「構造力」、「思考力」を、問題決定モデルへそれぞれ入力し、「課題発見力」に対応する問題の問題ID、「綿密さ」に対応する問題の問題ID、「構造力」に対応する問題の問題ID、「思考力」に対応する問題の問題IDを出力させてもよい。
【0089】
また、作成モジュール2035は、第3能力群に対して設定された「伝達力」を、問題決定モデルへ入力する。問題決定モデルからは、例えば、入力した「伝達力」に対応する問題の問題IDが出力される。
【0090】
問題決定モデルは、問題を作成するためのパーツ(オブジェクト)を出力してもよい。問題決定モデルから、問題のパーツが出力される場合、作成モジュール2035は、出力されたパーツと所定の接続詞とを組み合わせ、問題を作成する。
【0091】
なお、作成モジュール2035は、能力指標に含まれる文字と、問題テーブル2024の「問題名」に記載される文字、又は「問題概要」に記載される文字との文字相関等の関連性に基づき、能力指標から問題を選択してもよい。また、作成モジュール2035は、能力指標と関連付けられている問題を選択してもよい。
【0092】
ステップS16において、制御部203は、作成した問題を作成者に提示する。具体的には、例えば、制御部203は、送信制御モジュール2032により、作成された問題の問題ID、問題名、問題データを端末装置10へ送信する。受信制御モジュール2031は、複数の問題が作成された場合、例えば、試験問題を構成する問題群として、複数の問題に関する情報を端末装置10へ送信する。なお、受信制御モジュール2031は、作成された問題を1問ずつ端末装置10へ送信してもよい。端末装置10は、例えば、受信した問題データに基づく問題文を、問題ID、及び問題名と共にディスプレイ141に表示させる。
【0093】
図10図12は、作成された問題を作者に表示する表示例を表す模式図である。図10図12では、問題名、問題文、解答欄、問題を選択した際に用いられた能力指標に関する情報が表示される。問題を選択した際に用いられた能力指標に関する情報が表示されることで、作成者は、表示された問題がどの能力指標に基づく問題かを把握することが可能となる。なお、能力指標に関する情報の表示は必須ではない。
【0094】
図10は、解答が自由記述式である場合の問題の例を表す。図10に示す問題は、例えば、「能力指標:ストーリー力」を問う問題の例を表す。
【0095】
図11は、解答が選択式である場合の問題の例を表す。図11に示す問題は、例えば、「能力指標:問題の察知・解決力」を問う問題の例を表す。
【0096】
図12は、解答が数値解答式である場合の問題の例を表す。図12に示す問題は、例えば、「能力指標:プロジェクト完遂力」を問う問題の例を表す。
【0097】
作成者は、作成された問題を確認する。例えば、作成者は、作成された問題に対し、文言を微修正したり、事例を変更したりする。場合によっては、作成者は、所定の能力指標に関する問題を、他の問題に入れ替えるようにサーバ20へ指示を出す。サーバ20は、該当する能力指標に関する問題IDを複数出力し、出力した問題IDに係る問題を作成者へ提示する。作成者は、例えば、提示された問題から所望の問題を選択する。
【0098】
また、作成者は、能力指標自体を入れ替えるようにしてもよい。作成者は、設定されている他の能力指標をサーバ20に提示させ、提示されている能力指標から所望の能力指標を選択する。サーバ20は、選択された能力指標に対応する問題IDを出力し、出力した問題IDに係る問題を作成者へ提示する。
【0099】
作成者は、問題に修正箇所がない場合、その旨を端末装置10に入力する。端末装置10は、問題が確定した旨をサーバ20へ送信する。作成者は、問題の順序を指定してもよい。問題の順序は、能力指標に基づき、予め設定されていてもよい。
【0100】
ステップS17において、作成モジュール2035は、作成者から承諾のあった問題に基づき、試験問題を作成する。具体的には、作成モジュール2035は、複数の問題に関するデータを用い、試験問題としての一つのデータファイルを作成する。
【0101】
以上のように、上記実施形態では、サーバ20の制御部203は、分類モジュール2033により、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類する。制御部203は、作成モジュール2035により、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成する。これにより、所定の職種で必要な素養としての能力の有無を問うための問題を含む試験を作成することが可能となる。当該試験では、知識及びスキルを有していない者であっても、素養があれば高い得点を出すことが可能となる。
【0102】
したがって、本実施形態によれば、所定の業務について就労した経験のない者の中から、当該業務を遂行する能力の高い人材を高精度に抽出可能な試験を作成できる。
【0103】
また、上記実施形態では、制御部203は、設定モジュール2034により、分類された文字列に、当該文字列に基づく能力指標を設定する。作成モジュール2035は、能力指標に基づいて問題を作成する。これにより、能力を一般化させることが可能となり、能力と問題とを結びつける精度が向上することになる。つまり、能力の有無を確認するのに適した問題が作成される精度が向上することになる。
【0104】
また、上記実施形態では、分類モジュール2033は、素養としての能力を表す文字列を、それぞれの類似度に基づいてさらに分類する。設定モジュール2034は、さらに分類した文字列に、当該文字列に基づく能力指標を設定する。これにより、複数の能力を所定の能力群に分類することが可能となる。また、能力群毎に能力を一般化させることが可能となる。このため、能力が複数ある場合であっても、複数の能力の有無を確認するのに適した問題を選択することが可能となる。
【0105】
また、上記実施形態では、設定モジュール2034は、能力を入力データ、当該能力に対応する能力指標を正解出力データとして学習された学習済みモデルを用いて能力指標を設定する。これにより、能力指標を設定する際の処理速度を向上させることが可能となる。
【0106】
また、上記実施形態では、作成モジュール2035は、正誤が判断される問題を作成する。これにより、業務を遂行することが性格的に向いている人材でなく、業務を遂行する能力の有無を測る問題を作成することが可能となる。
【0107】
また、上記実施形態では、作成モジュール2035は、作成した問題を複数集約し、試験問題を作成する。これにより、作成した問題から試験問題を自動で作成可能となるため、作成者の負担がより軽減されることになる。
【0108】
また、上記実施形態では、作成モジュール2035は、能力指標を入力データ、当該能力指標に対応する問題を正解出力データとして学習された学習済みモデルを用いて問題を作成する。これにより、問題を作成する際の処理速度を向上させることが可能となる。
【0109】
<変形例>
上記実施形態では、所定の業務において必要とされる能力のうち、人の素養に関する能力を測るための問題を作成する例について説明した。本実施形態に係るサーバ20は、素養以外の能力を測るための問題を作成してもよい。素養の能力を測るための問題と、素養以外の能力を測るための問題とを含む試験問題(以降、第2試験問題と称する)は、例えば、昇進試験、又は所定の能力を有することを証明するための試験として利用され得る。具体的には、例えば、第2試験問題は、テストスキル、プロジェクトマネージメントスキル、コンサルティングスキル、SAPに関するスキル、データサイエンティストとしてのスキルを有することを証明するための専門性の高い試験として利用され得る。
【0110】
図13は、本実施形態に係るサーバ20が第2試験問題を作成する際の動作の例を表すフローチャートである。
【0111】
まず、第2試験問題の作成者は、例えば、端末装置10を操作し、第2試験問題の作成を開始する旨を入力する。端末装置10は、作成者からの指示に応じ、サーバ20にアクセスし、第2試験問題の作成を開始する。
【0112】
ステップS11において、サーバ20の制御部203は、受信制御モジュール2031により、作成する第2試験問題の分野に関する情報の入力を受け付ける。
【0113】
ステップS21において、制御部203は、分類モジュール2033により、「傾向」に基づいて能力を分類する。具体的には、例えば、分類モジュール2033は、能力テーブル2022に記憶されている複数の能力から、「分野」が作成者により選択された分野である能力を抽出する。分類モジュール2033は、抽出された複数の能力から、「傾向」毎に能力を分類する。具体的には、例えば、分類モジュール2033は、「傾向」に「素養」と記憶されている能力、「知識」と記憶されている能力、「スキル」と記憶されている能力、「活用判断」と記憶されている能力、「応用」と記憶されている能力をそれぞれ分類する。
【0114】
制御部203は、ステップS13~ステップS15を実行し、問題を作成する。制御部203は、ステップS16を実行し、作成した問題を作成者へ提示する。制御部203は、作成者による問題の確認が完了すると、ステップS17を実行し、作成した問題データに基づき、試験問題に関するデータファイルを作成する。
【0115】
図13では、ステップS21において、「傾向」に基づいて能力を分類する例について説明したが、第2試験問題を作成する際のフローはこれに限定されない。図8に記載される処理を実行した後、素養以外の分類の能力を測るための問題を作成するようにしてもよい。
【0116】
以上のように、上記変形例では、制御部203は、素養以外の能力の有無を判断するための問題を作成する。これにより、所定の業務における専門的な能力を問う、高度な試験問題を作成することが可能となる。
【0117】
また、上記変形例では、設定モジュール2034は、素養以外の能力として分類された文字列に、当該文字列に基づく能力指標を設定する。作成モジュール2035は、能力指標に基づいて問題を作成する。これにより、素養以外の能力を一般化させることが可能となり、能力と問題とを結びつける精度が向上することになる。つまり、素養以外の能力の有無を確認するのに適した問題が作成される精度が向上することになる。
【0118】
また、上記変形例では、作成モジュール2035は、素養に係る能力を問う問題と、素養以外の能力を問う問題とを複数集約し、第2試験問題を作成する。これにより、作成した問題から第2試験問題を自動で作成可能となるため、作成者の負担がより軽減されることになる。
【0119】
また、本実施形態では、サーバ20が試験問題を作成する場合を例に説明した。しかしながら、試験問題は、端末装置10が作成してもよい。ただし、この場合、図3に示す分類モジュール2033、設定モジュール2034、作成モジュール2035の機能を端末装置10が有する必要がある。また、図3に示す能力テーブル2022、能力指標テーブル2023、問題テーブル2024、学習済みモデル2025を、端末装置10が記憶している必要がある。
【0120】
また、本実施形態では、サーバ20が試験問題を作成する場合を例に説明した。しかしながら、サーバ20が作成するのは試験問題に限定されない。サーバ20は、検定問題を作成してもよい。
【0121】
また、本実施形態では、サーバ20は、図8に示すように、能力テーブル2022に記憶されている能力を参照して処理を実施する。しかしながら、サーバ20の処理はこれに限定されない。サーバ20は、人材情報テーブル2021から抽出された人材に基づいて能力を出力してもよい。
【0122】
例えば、サーバ20の制御部203は、プログラムに従って動作することにより、能力設定モジュールとして示す機能を発揮してもよい。
【0123】
能力設定モジュールは、例えば、人材情報テーブル2021から抽出された人材と関連する能力の出力を制御する。例えば、能力設定モジュールは、人材情報テーブル2021に記憶されている人材のうち、ユーザにより選択された人材に関する情報を、学習済みモデル2025としての能力設定モデルに入力する。能力設定モデルからは、入力した人材と関連する能力が出力される。能力設定モデルから出力される能力は、一つに限定されない。能力設定モデルから複数の能力と、それぞれの能力がどれだけ確からしいかを表す値とが出力されてもよい。能力設定モジュールは、例えば、確からしさが所定値を超える能力を、入力された人材と関連する能力とする。
【0124】
能力設定モデルは、例えば、入力される回答に対し、所定の応答を出力するように学習されている。このとき、能力指標設定モデルをトレーニングするための学習用データは、例えば、予め設定されている人材に関する情報を入力データとし、入力した情報と対応する能力を正解出力データとする。正解出力データとして入力される能力は、例えば、能力テーブル2022に記憶されている能力である。
【0125】
入力データとして入力される情報は、例えば、評価が高く、実績がある複数の人材に関する情報であってもよい。また、入力データとして入力される情報は、例えば、評価が低く、実績がない人材に関する情報であってもよいし、評価が平均で、ある程度の実績がある人材に関する情報であってもよい。また、評価が高く、実績がある人材に関する情報、評価が低く、実績がない人材に関する情報、評価が平均で、ある程度の実績がある人材に関する情報の組であってもよい。
【0126】
また、入力データとして入力される情報は、選択された人材が有している能力、選択された人材が有している所定の分野についての能力等、所定の能力に関する文字列であってもよい。所定の能力に関する文字列が能力設定モデルに入力されることで、能力設定モデルから、システムであらかじめ想定されている能力が出力される。能力設定モデルは、新たに選択される人材、及び能力に基づき、随時再学習されてもよい。
制御部203が能力設定モジュールとして示す機能を発揮することにより、図8のステップS11で、作成する問題の分野が入力される代わりに、所望の人材が入力されることになる。これにより、欲しい人材像を入力すると所望の試験問題が作成されることになるため、試験の作成者の負担はより低減されることになる。
【0127】
<4 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図14は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0128】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0129】
主記憶装置92とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0130】
補助記憶装置93とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0131】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
【0132】
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0133】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0134】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図14に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0135】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0136】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0137】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0138】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0139】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0140】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0141】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類するステップと、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
分類された文字列に、当該文字列に基づく能力指標を設定するステップをプロセッサに実行させ、問題を作成するステップにおいて、能力指標に基づいて問題を作成する(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
分類するステップにおいて、素養としての能力を表す文字列を、それぞれの類似度に基づいてさらに分類し、設定するステップにおいて、さらに分類した文字列に、当該文字列に基づく能力指標を設定する(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
設定するステップにおいて、能力指標を、能力を入力データ、当該能力に対応する能力指標を正解出力データとして学習された学習済みモデルを用いて設定する(付記2)又は(付記3)に記載のプログラム。
(付記5)
問題を作成するステップにおいて、作成される問題は、正誤が判断される問題である(付記1)乃至(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
問題を作成するステップにおいて、作成した問題を複数集約し、試験問題又は検定問題を作成する(付記1)乃至(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
問題を作成するステップにおいて、問題を、能力指標を入力データ、当該能力指標に対応する問題を正解出力データとして学習された学習済みモデルを用いて作成する(付記2)乃至(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
人材に関する情報に基づき、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を設定するステップをプロセッサに実行させる(付記1)乃至(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
問題を作成するステップにおいて、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、素養以外の能力として分類された文字列に基づき、対応する能力が備わっているか否かを判断するための第2問題を作成する(付記1)乃至(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
素養以外の能力として分類された文字列に、当該文字列に基づく能力指標を設定するステップをプロセッサに実行させ、問題を作成するステップにおいて、能力指標に基づいて第2問題を作成する(付記9)に記載のプログラム。
(付記11)
問題を作成するステップにおいて、作成した問題と、第2問題とを複数集約し、第2試験問題又は第2検定問題を作成する(付記9)又は(付記10)に記載のプログラム。
(付記12)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類するステップと、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成するステップとを実行する方法。
(付記13)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類するステップと、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成するステップとを実行する情報処理装置。
(付記14)
所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類する手段と、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成する手段とを具備するシステム。
【符号の説明】
【0142】
1…システム
10…端末装置
12…通信IF
120…通信部
13…入力装置
131…タッチ・センシティブ・デバイス
14…出力装置
141…ディスプレイ
15…メモリ
150…位置情報センサ
16…ストレージ
160…カメラ
17…音声処理部
171…マイク
172…スピーカー
180…記憶部
19…プロセッサ
190…制御部
20…サーバ
【要約】
【課題】所定の業務について就労した経験のない者の中から、当該業務を遂行する能力の高い人材を高精度に抽出可能な試験を作成する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、所定の職種で実施される業務を遂行するのに必要とされる能力を表す複数の文字列のうち、土台となる素養としての能力を表す文字列を分類するステップと、分類した文字列に基づき、素養としての能力が備わっているか否かを判断するための問題を作成するステップとを実行させる。
【選択図】図9
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