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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】運搬用台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/10 20060101AFI20230303BHJP
   E01F 9/654 20160101ALI20230303BHJP
   E01F 9/70 20160101ALI20230303BHJP
   E01F 13/02 20060101ALN20230303BHJP
【FI】
B62B3/10 Z
E01F9/654
E01F9/70
E01F13/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020002629
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021109546
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-11-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519435278
【氏名又は名称】常陸警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165135
【弁理士】
【氏名又は名称】百武 幸子
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-212123(JP,A)
【文献】特開2015-067948(JP,A)
【文献】特開2005-271687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/10
E01F 9/654
E01F 9/70
E01F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に穴が空いた物品を載置して手動で運搬するための運搬用台車であって、
荷台と、該荷台の略中央部に備えられ、上方へ略直立に起立された保持棒と、
前記荷台に備えられる少なくとも2個の車輪と、
前記荷台の下方に設けられ、前記車輪と共に、水平面上で前記荷台を水平な状態に保持する保持部と、
を有し、
前記物品の穴に前記保持棒が通されて前記物品が載置され、作業者が前記保持棒の一端部を把持して運搬することを特徴とする運搬用台車。
【請求項2】
請求項1に記載の運搬用台車であって、前記保持棒の一端部には固定手段が設けられていることを特徴とする運搬用台車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の運搬用台車であって、前記車輪は、前記荷台の一辺側に車軸を介して備えられていることを特徴とする運搬用台車。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の運搬用台車であって、前記物品は先端が空いたコーンであることを特徴とする運搬用台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央に穴が空いた物品、特に先端が空いたコーン型標識具を積み重ねて運搬する運搬用台車に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や工事現場などの規制や区分けをする際に、コーン型の標識具(以下、コーンと略称する)が用いられている。一般に、コーンは合成ゴム、合成樹脂等の比較的柔軟な材料により形成された中空円錐状のもので、底も開いているため、複数個を重ね合わせて運搬することや収納することが多い。また、コーンは、工事現場や道路の規制等で路面上に配列して設置するため、複数個使用する場合が多い。
【0003】
コーンは、風などで容易に倒れないようにするため、ある程度重量があり、両手で持ち上げて運搬する場合が多いが、円錐状のコーンは手掛りとなる部分が少ないため取扱いにくく、運搬や配列作業が容易ではなかった。そのため、近年、円錐状のコーンの先端部が空いた形状のコーンが使用されている。それにより、コーンの手掛りとなる部分が増え、重量も僅かではあるが減少し、従来よりもコーンの取り扱いが容易になってきた。
【0004】
従来、重量がある複数のコーンを効率よく運搬するために、コーン台車や運搬具など様々な工夫がなされてきた。例えば、特許文献1には、複数個のコーンを肩や腰に掛けて、手を自由にしながら楽に運搬することのできるコーン運搬具が開示されている。また、特許文献2には、台車上にコーンを多数段積み得る複数の支持突部が設けられ、台車の車輪の回転数により走行距離を積算表示する測距計などを備えたコーン型道路標識運搬車が開示されている。それにより、コーンを安定した状態で運搬でき、また1個ずつ設置しながら移動させることにより移動距離が測距されるので、コーンを一定の間隔に配設できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3195598号公報
【文献】実公平06-000292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のコーン運搬具は、2~3個程度のコーンを運ぶ場合であれば、容易に運ぶことができるが、例えば5個以上の数のコーンを運ぶ場合には、相当の重量があるため、肩や腰に負担がかかり、運搬することが困難になる。
【0007】
また、特許文献2のコーン型道路標識運搬車は、台車上に支持突部が設けられているが、支持突部によって支持されるのは一番下のコーンのみであり、その上のコーンはすぐ下のコーンに支持されるため、積み上げるコーンの数が増えていく程、不安定で倒れやすくなる(特許文献2の第1図参考)。また、車輪の回転数により走行距離を積算表示する測距計などを備えるため、構成が複雑でメンテナンスに手間がかかり、導入費や維持費等もかかる。そのため、より簡易な構成で、コーンを複数積み重ねても安定した状態で効率よく運搬できる運搬用台車が望まれている。また、コーンに限らず、中央に穴が空いた物品(例えば浮輪やタイヤ)を安定した状態で運搬できる運搬用台車が望まれている。
【0008】
本発明は上記課題に鑑み、簡易な構成で、中央に穴が空いた物品、特に先端が空いたコーンを複数個積み重ねても、安定して効率よく運搬できる運搬用台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、中央に穴が空いた物品を載置して手動で運搬するための運搬用台車であって、荷台と、該荷台の略中央部に備えられ、上方へ略直立に起立された保持棒と、前記荷台に備えられる少なくとも2個の車輪と、前記荷台の下方に設けられ、前記車輪と共に、水平面上で前記荷台を水平な状態に保持する保持部と、を有し、前記物品の穴に前記保持棒が通されて前記物品が載置され、作業者が前記保持棒の一端部を把持して運搬することを特徴とする運搬用台車である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運搬用台車であって、前記保持棒の一端部には固定手段が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の運搬用台車であって、前記車輪は、前記荷台の一辺側に車軸を介して備えられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれかに記載の運搬用台車であって、前記物品は先端が空いたコーンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の運搬用台車は、中央に穴が空いた物品、特に先端が空いたコーンを複数個積み重ねても、安定して効率よく運搬できる。また、運搬用台車は簡易な構成であるため、安価に製造でき、メンテナンスも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例に係る運搬用台車の斜視図である。
図2図1に示す運搬用台車の平面図である。
図3図1に示す運搬用台車の側面図である。
図4図1に示す運搬用台車を運搬する際の使用態様を示す説明図である。
図5図1に示す運搬用台車を標識具として使用する際の使用態様を示す説明図である。
図6図1に示す運搬用台車を保管する際の使用態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態(以下実施例と略称する)を、図面に基づいて説明する。以下の図面において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。なお、以下では中央に穴が空いた物品(以下、物品と略称する)として先端が空いたコーン(以下、コーンと略称する)を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
[運搬用台車1の構成]
本発明の運搬用台車1は、物品を載置して手動で運搬するための台車である。まず、本発明の一実施例に係る運搬用台車1の構成について、図1~3を参照して説明する。図1は運搬用台車1の斜視図、図2は平面図、図3は側面図である。図1~3に示すように、運搬用台車1は、荷台10と、荷台10上に備えられる保持棒14と、車輪12と、荷台10の下方に設けられた保持部11を基本的な構成とする。
【0014】
図1図2に示すように、荷台10は、公知の台車と同様に物品が載る大きさの長方形等の形状で構成される。荷台10の積荷面の面積は物品が載る大きさであれば、いかなる大きさでもよいが、本実施例では、積荷面の面積はコーンの底面積と同程度か僅かに大きな面積になるように形成されている。このようにコーンの形状に合わせて、荷台10の積荷面に構成することで、コーンを載置して運びやすくなり、保管の際にも場所を取らず、さらに軽量に構成することができる。
【0015】
また、荷台10は鉄鋼材や木材など、いかなる材料で構成されてもよいが、強度を有する鉄鋼材を使用することが好ましい。本実施例の荷台10は軽量で耐食性に優れたステンレス材で構成される。また、本実施例の荷台10は、略正方形状の枠組みとその間を放射状に橋渡しするような細い板で構成されている(図2参照)。それにより、荷台10に重量のあるコーンを重ねて載置しても、その荷重を支えることができ、かつ運搬用台車1の重量を軽量にできる。
【0016】
荷台10上の略中央部には、上方へ略直立に起立するように保持棒14が備えられている。この保持棒14をコーンの穴に通すことによって、コーンが荷台10に保持される。荷台10に複数のコーンを積み重ねる場合であっても、保持棒14を通して積み重ねるため、安定して荷台10に保持される。
【0017】
保持棒14をコーンの穴に通すため、保持棒14の径はコーンの先端部に空いた穴の径よりも小さい必要がある。また、保持棒14の径がコーンの先端の穴の径よりも小さ過ぎると、運搬する際にコーンが左右と前後に揺れて安定して運ぶことができないため、コーンの先端の穴の径よりも僅かに(数ミリ程度)小さいことが好ましい。例えば径が30~40mm程度の保持棒14が使用される。
【0018】
保持棒14の長さは、コーンを通しやすく運びやすい長さであれば、特に限定されないが、例えば100~140cm程度の保持棒14が使用される。保持棒14の長さは、必要に応じて変更できるように構成してもよい。例えば、保持棒14をスーツケースの伸縮ハンドルのように、長さを変更可能に構成することもできる。それにより、少量のコーンを運ぶときには保持棒14を短くし、運搬の際には保持棒14を長くして、保管の際にはまた短くするなど調整することができる。
【0019】
更に、保持棒14を荷台10付近で着脱可能に構成することもできる。例えば、保持棒14の径よりも僅かに大きな径の筒を荷台10に溶接し、その筒に保持棒14を通して、ボルト及びナット等で固定することで、着脱可能に構成できる(図示せず)。また、盗難防止を考慮して、保持棒14の下方に掛止部を備え、荷台10の中央に保持棒14を通す穴(又は筒)を配設し、その穴に保持棒14を荷台10の下方から通して掛止させ、荷台10の上方で固定手段を設けて固定する方法も考えられる(図示せず)。このように保持棒14を荷台10付近で着脱可能に構成することで、運搬や保管の際にコンパクトに収納でき、必要なときに容易に組み立てることができるため、利便性が高い。
【0020】
コーンは保持棒14に通された状態で運搬されるが、コーンを運搬する際に保持棒14が倒れないように安定させるため、保持棒14は荷台10に強固に固定される必要がある。保持棒14を荷台10に固定する方法としては、荷台10の上に支柱受けを設けるなど、いかなる方法を用いてもよいが、コーンを保持棒14に通して載置する際に妨げにならないような物を使用することが必要である。本実施例では、保持棒14が安定して固定されるように4本の支柱141が溶接されている。これらの支柱141はコーンを載置する際に妨げとならないような形状で構成されている。なお、保持棒14を荷台10付近で着脱可能に構成する場合には、前述の筒に4本の支柱141を備える構成としてもよい。
【0021】
保持棒14は通されたコーンを保持するだけではなく、その一端部は、作業者が運搬用台車1を運搬するための把持部(グリップ)となる。本実施例では、保持棒14の一端部は棒状でグリップカバーを取り付けていないが、手で握りやすく、力が掛けやすいように布製や樹脂製のグリップカバーを取り付けてもよい。また、作業者は保持棒14を引いて運搬用台車1を運搬するため、引きやすいように保持棒14の一端部を傘の手元(ハンドル)のように曲がった形状にしてもよいし、T字やリング状の形状にしてもよい。ただし、保持棒14の一端部をコーンの先端の穴に通すため、一端部の形はコーンの先端の穴の径よりも小さくするか、着脱可能に構成する必要がある。
【0022】
また、運搬用台車1は、コーンを運搬するだけではなく、コーンを保管するためにも用いられる。保管の際に、保持棒14に通したコーンが盗まれないようにするため、保持棒14の一端部に、フェンス等に固定できる固定手段を設けることができる。固定手段は、本発明の必須の構成ではないが、物品の盗難防止のために設けることが好ましい。固定手段には、例えばリング状のボルト(アイボルト)やリング状に形成された針金や鎖などが使用される。アイボルト等に、紐4(例えば自転車で使用するワイヤー錠又はチェーンロック等)を通してフェンス等に固定することで、運搬用台車1を簡単にフェンス等に固定できる。本実施例では、図1~3に示すように保持棒14の一端部にアイボルト15を備えている。アイボルト15等を設ける場合であっても、その径はコーンの先端の穴の径よりも小さいものを使用するか、着脱可能に構成する必要がある。
【0023】
運搬用台車1を移動させる手段として、荷台10には少なくとも2個の車輪12が備えられている。作業者が保持棒14を把持して安定的に運ぶためには、1個では不安定なため、少なくとも2個の車輪12が必要である。本実施例では、図1図2に示すように、荷台10の一辺側に車軸130を介して2個の車輪12が備えられている。公知の車輪構造と同様に、2個の車輪12は車軸130の両端に軸受け13を介して固定されている。このように、荷台10の一辺側に車軸130を有することにより、一般的な台車よりも大きなサイズの車輪12(例えば200~300mm径の車輪)を備えることができる。このような大きさの車輪12を使用することで、アスファルト等で舗装されていない砂利道などでも、効率的に運搬できる。また、作業者が保持棒14を把持して、車軸130を中心に一辺側と対向する他辺側を持ち上げ、荷台10を傾けることで、一辺側の方向に容易に移動可能となる。
【0024】
なお、車輪12は、本実施例のように荷台10の一辺側に車軸130を備え、比較的大きな車輪を用いる構成が最も機能的であるが、この構成に限定されず、様々な構成が可能である。例えば荷台10の下面の四隅にキャスター(車輪)を備える構成としてもよい。水平方向への回動が自在なキャスター(車輪)を使用すれば、移動の際に方向転換が容易にできる。ただし、重量のある物を運搬する際には、方向が固定されたキャスター(車輪)の方が安定して運搬できるため好ましい。また、荷台10には少なくとも2個の車輪12が必要であるが、荷台10の下面略中央に補助輪を備えるなど、より多くの車輪12を備えてもよい。
【0025】
また、運搬用台車1の荷台10を水平な状態に保持するため、荷台10の下方に保持部11が設けられている。本実施例では図1図3に示すように、保持部11は、車輪12(車輪軸130)が備えられている荷台10の一辺側と対向する他辺側に備えられている。保持部11は、車輪12の寸法に大きさに合わせて、荷台10を水平な状態に保持できるように設計されている。それにより、荷台10を水平面上で水平な状態に設置することができる。また、保持部11は板状で、荷台10と同様に、軽量かつ耐食性に優れたステンレス材が使用される。
【0026】
保持部11は、本実施例の構成が最もシンプルで軽量に構成できるため機能的であるが、この構成に限定されず、様々な構成が可能である。例えば、車輪12が備えられている荷台10の一辺側(前方向)と対向する他辺側(後方向)ではなく、両側面側(左右方向)の下面に2つ備える構成としてもよい。また、本実施例の保持部11は板状であるが、どのような形状であってもよいし、固定機能付きのキャスターであってもよい。
【0027】
[運搬用台車1の使用方法]
次に運搬用台車1の使用方法について、図4~6を参照して説明する。図4は、運搬用台車1を運搬する際の使用態様を示す説明図であり、図5は、運搬用台車1を標識具として使用する際の使用態様を示す説明図である。また、図6は、運搬用台車1を保管する際の使用態様を示す説明図である。
【0028】
運搬用台車1を運搬する際には、まず、中央に穴が空いた物品、本実施例ではコーン2を保持棒14に通して荷台10に載置する。コーン2は1つでもよいが、図4に示すようにコーン2を複数個重ねることができる。コーン2を荷台10に載置した後、前述のように、作業者は保持棒14の一端部を把持して、荷台10の車軸130を有する一辺側と対向する他辺側を持ち上げて荷台10を傾けて一辺側の方向に保持棒14を引いて移動させる。なお、荷台10の水平面に対する傾き角度は、90度(直角)を超えない範囲まで傾けることが可能である。荷台10の傾き角度が90度を超えてしまうと、保持棒14に通されているコーン2が作業者の手の方向へ移動し得るからである。
【0029】
従来の台車であれば、複数のコーン2を重ねた荷台を傾けて運搬することは困難であるが、本実施例では、複数のコーン2が保持棒14に通されているため、荷台10を傾けて運搬しても、複数のコーン2は安定して保持される。また、荷台10を一辺側(進行方向)に傾けて保持棒14を引いて運搬することで、荷台10を押して運搬するよりも容易に、かつ効率よく運搬することができる。
【0030】
前述のように、運搬用台車1の荷台10は、水平面に対して水平な状態で設置できように構成されている。そのため、コーン2を保持棒14に通して積み重ねた状態で垂直に立てられ、その状態のまま標識具として使用することができる。特に本実施例の荷台10の載置面はコーン2の底面積と同程度か僅かに大きな面積で形成されているため、運搬用台車1はコンパクトで場所を取らず、通常のコーンの設置状態と同じような状態で設置できる。また、台車のハンドルが別途備えられておらず、ハンドルが保持棒14であることも
コンパクトに載置できる要因となっている。更に、使用しない余分なコーン2があっても重ねて載置することで散らかることなく、標識具として使用することができる。
【0031】
図5は、運搬用台車1を2台使用して、コーン2を重ねて載置し、コーン同士に渡すコーン用バー3(交通規制バー)を設置した状態を示す説明図である。通常、コーン用バー3は、進入禁止や境界用として2個のコーンの間に使用されるが、本実施例の運搬用台車1にコーン2を載せた状態で、通常のコーンのみの場合と同様に使用できる。図5に示すように、2台の運搬台車1に同じ数(図5では4個)のコーン2を重ねることにより、コーン用バー3を水平な状態で設置することができる。
【0032】
また、運搬用台車1に、コーン2を積み重ねた状態で垂直に立てられるため、標識具として使用しない場合には、その状態のまま保管できる。コーン2を複数個重ねた状態でも保持棒14に通しているため倒れず、公共の場に集積してもコンパクトで奇麗に保管できる。さらに、図6に示すように、保持棒14の先端部のアイボルト15に、紐4(例えばワイヤー錠やチェーンロック)を通して錠41をかけることで、運搬用台車1を簡単にフェンスに固定することができる。それにより、保持棒14に通したコーン2の盗難を防止することができ、運搬用台車1の盗難も防止できる。
【0033】
以上説明した様に、本発明の運搬用台車は、簡易な構成で、コーンを複数個積み重ねても、安定した状態で効率よく運搬できる。また、本発明の運搬用台車は、荷台が水平面に対して水平な状態で設置できるため、コーンを保持棒に通して積み重ねた状態のまま標識具として使用することができる。また、荷台に複数個のコーンを重ねた状態のまま綺麗に保管でき、盗難防止の手段も容易に取り付けることもできる。さらに、本発明の運搬用台車は簡易な構成であるため、安価に製造でき、メンテナンスも容易である。
【0034】
なお、上述した実施例の運搬用台車は一例であり、中央に穴が空いた物品として先端が空いたコーンを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、あらゆる穴が空いた物品に適用できるものである。例えば浮輪やタイヤに適用できる。また、本発明の運搬用台車の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 運搬用台車
2 コーン
3 コーン用バー
4 紐
10 荷台
11 保持部
12 車輪
13 軸受け
14 保持棒
15 アイボルト(固定手段)
41 錠
141 支柱
130 車軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6