IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イシダの特許一覧

<>
  • 特許-製袋包装機 図1
  • 特許-製袋包装機 図2
  • 特許-製袋包装機 図3
  • 特許-製袋包装機 図4
  • 特許-製袋包装機 図5
  • 特許-製袋包装機 図6
  • 特許-製袋包装機 図7
  • 特許-製袋包装機 図8
  • 特許-製袋包装機 図9
  • 特許-製袋包装機 図10
  • 特許-製袋包装機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 41/12 20060101AFI20230303BHJP
   B65B 41/00 20060101ALI20230303BHJP
   B65B 9/20 20120101ALI20230303BHJP
   B65H 21/00 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
B65B41/12 501A
B65B41/12 502A
B65B41/12 502J
B65B41/12 502K
B65B41/00 501E
B65B9/20
B65H21/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018189571
(22)【出願日】2018-10-04
(65)【公開番号】P2020059507
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】下田 崇史
(72)【発明者】
【氏名】トウ 宇川
(72)【発明者】
【氏名】長島 良太
(72)【発明者】
【氏名】小池 伸治
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-127092(JP,A)
【文献】特開2017-165524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 41/12
B65B 41/00
B65B 9/20
B65H 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のフィルムを筒状に成形し、筒状に成形された前記フィルムをシールして袋状に成形する、製袋包装部と、
シート状の前記フィルムが巻き回されたフィルムロールを保持し、前記フィルムロールから繰り出される前記フィルムを前記製袋包装部に供給するフィルム供給部と、
を備えた製袋包装機であって、
前記フィルム供給部が保持する前記フィルムロールには、前記フィルムとしての第1フィルムが巻き回された第1フィルムロールと、前記フィルムとしての第2フィルムが巻き回された第2フィルムロールと、を少なくとも含み、
前記フィルム供給部は、
前記第1フィルムロールを保持する第1フィルムロール保持部と、
前記第2フィルムロールを保持する第2フィルムロール保持部と、
前記第1フィルムの終端部と前記第2フィルムの始端部とを接合する接合機構と、
前記第1フィルムの前記終端部が、前記接合機構により前記第2フィルムの前記始端部との接合が行われるフィルム接合位置に向かうように、前記第1フィルムを第1方向に搬送する、搬送速度可変のフィルム搬送機構と、
前記第1フィルムに付された位置調整用のマークを検出する第1センサと、
前記第1方向において前記第1センサよりも下流側で、前記第1フィルムの前記マークを検出する第2センサと
記フィルム搬送機構の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1センサによる前記マークの検出前の前記フィルム搬送機構による前記第1フィルムの搬送速度である第1搬送速度が、前記第1センサによる前記マークの検出後の前記フィルム搬送機構による前記第1フィルムの搬送速度である第2搬送速度よりも速くなるように、前記フィルム搬送機構を制御
その後、前記第1センサが前記マークを検出すると前記第1フィルムを前記第1搬送速度より低速の前記第2搬送速度で搬送し、
さらに、前記第2センサによる前記マークの検出に基づいて、前記第1フィルムの前記終端部が前記フィルム接合位置に到達したと判断し、前記フィルム搬送機構による前記第1フィルムの搬送を停止する、
製袋包装機。
【請求項2】
前記フィルム搬送機構による前記第1フィルムの搬送経路に沿って見た時に、前記第1センサが前記マークを検出する位置と前記第2センサが前記マークを検出する位置との距離は、10mm以上90mm以内である、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記第1フィルムロールの終端を検出する第3センサを更に備え、
前記制御部は、前記第3センサが前記第1フィルムロールの終端を検出した時に、前記第1フィルムの前記第1方向への搬送が開始されるよう前記フィルム搬送機構を制御する、
請求項1又は2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記フィルム供給部は、前記第1フィルムを前記製袋包装部に供給する際には、前記第1フィルムロールから繰り出される前記第1フィルムを、前記第1方向とは逆の第2方向に搬送する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機、特には、フィルム供給部から繰り出されるシート状のフィルムを製袋包装部で袋状に成形し、被包装物の充填された袋を生産する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルム供給部から繰り出されるシート状のフィルムを製袋包装部で袋状に成形し、被包装物の充填された袋を生産する製袋包装機が知られている。このような製袋包装機には、特許文献1(特開2008-127091号公報)のように、包装用のフィルムが巻き回されたフィルムロールを複数保持し、使用していたフィルムロールのフィルムを使い切ると、そのフィルムの終端部と、新たなフィルムロールのフィルムの始端部とを自動的に接合し、製袋包装部に新たなフィルムロールのフィルムを供給し始めるフィルム供給部が用いられる場合がある。このようなフィルム供給部を利用することで、フィルムロールを使い切るタイミングでオペレータがフィルムロールのセッティングを手動で行う必要がなく、フィルムロールの交換のための停止時間の短い効率のよい製袋包装機を実現できる。
【0003】
このようなフィルム供給部において、使用済みのフィルムロールのフィルム(ここでは説明の煩雑化を防ぐため第1フィルムと呼ぶ)の終端部と、新たなフィルムロールのフィルム(ここでは説明の煩雑化を防ぐため第2フィルムと呼ぶ)の始端部とを自動で接合する時には、フィルムを袋状に成形した時に、各袋の適切な位置にフィルムの印刷が配置された状態になるように、第1フィルムと第2フィルムとの位置合わせが必要となる場合が多い。このような第1フィルムと第2フィルムとの位置合わせには、通常、第1フィルムの位置調整が必要となる。第1フィルムの位置調整は、従来、第1フィルムに予め付された位置調整のためのマークをセンサで検出しながら、そのマークが所定の位置に配置されるように第1フィルムを搬送機構により搬送することで行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような第1フィルムの位置調整の際には、製袋包装機による袋の製造は一時停止される。そのため、第1フィルムの位置調整は、できるだけ短時間で行われることが好ましく、第1フィルムは、位置調整の際にできるだけ高速で搬送されることが好ましい。しかし、第1フィルムの搬送速度を高速にし過ぎると、マークが所望の位置に配置されるように第1フィルムを精度良く位置調整することが困難になりやすい。
【0005】
本発明の課題は、使用していたフィルムロールのフィルムを使い切ると、そのフィルムの終端部と、新たなフィルムロールのフィルムの始端部とを自動的に接合し、製袋包装部に新たなフィルムロールのフィルムを供給し始めるフィルム供給部を備えた製袋包装機であって、使用していたフィルムロールのフィルムと新たなフィルムロールのフィルムとの位置合わせのために、使用していたフィルムロールのフィルムの位置調整を迅速かつ高精度に実施可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、製袋包装部と、フィルム供給部と、を備える。製袋包装部は、シート状のフィルムを筒状に成形し、筒状に成形されたフィルムをシールして袋状に成形する。フィルム供給部は、シート状のフィルムが巻き回されたフィルムロールを保持し、フィルムロールから繰り出されるフィルムを製袋包装部に供給する。フィルム供給部が保持するフィルムロールには、フィルムとしての第1フィルムが巻き回された第1フィルムロールと、フィルムとしての第2フィルムが巻き回された第2フィルムロールと、を少なくとも含む。フィルム供給部は、第1フィルムロール保持部と、第2フィルムロール保持部と、接合機構と、搬送速度可変のフィルム搬送機構と、第1センサと、第2センサと、フィルム搬送機構の動作を制御する制御部と、を備える。第1フィルムロール保持部は、第1フィルムロールを保持する。第2フィルムロール保持部は、第2フィルムロールを保持する。接合機構は、第1フィルムの終端部と第2フィルムの始端部とを接合する。フィルム搬送機構は、第1フィルムの終端部が、接合機構により第2フィルムの始端部との接合が行われるフィルム接合位置に向かうように、第1フィルムを第1方向に搬送する。第1センサは、第1フィルムに付された位置調整用のマークを検出する。第2センサは、第1方向において第1センサよりも下流側で、第1フィルムのマークを検出する。制御部は、第2センサによるマークの検出に基づいて、第1フィルムの終端部がフィルム接合位置に到達したと判断し、フィルム搬送機構による第1フィルムの搬送を停止する。制御部は、第1センサによるマークの検出前のフィルム搬送機構による第1フィルムの搬送速度が、第1センサによるマークの検出後のフィルム搬送機構による第1フィルムの搬送速度よりも速くなるように、フィルム搬送機構を制御する。
【0007】
本発明の第1観点に係る製袋包装機では、第1及び第2センサのうち、フィルム搬送方向における上流側に配置される第1センサが第1フィルムの位置調整用のマークを検出するまでは比較的高速で第1フィルムが搬送され、第1センサがマークを検出すると第1フィルムが比較的低速で搬送される。そのため、本製袋包装機では、第1フィルムと第2フィルムとの接合の際の両フィルムの位置合わせのための第1フィルムの位置調整を、迅速かつ高精度に実施することができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点の製袋包装機であって、フィルム搬送機構による第1フィルムの搬送経路に沿って見た時に、第1センサがマークを検出する位置と第2センサがマークを検出する位置との距離は、10mm以上90mm以内である。
【0009】
ここでは、第1センサの検出位置と第2センサの検出位置との距離が90mm以内と短いため、第1フィルムが比較的高速で搬送される時間を比較的長く確保可能で、第1フィルムの位置調整を迅速に実施することができる。一方で、第1センサの検出位置と第2センサの検出位置との距離が10mm以上確保されているため、第2フィルムの始端部に接合される第1フィルムの終端部の位置調整を高精度に行うことも可能である。
【0010】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第1観点又は第2観点の製袋包装機であって、第1フィルムロールの終端を検出する第3センサを更に備える。制御部は、第3センサが第1フィルムロールの終端を検出した時に、第1フィルムの第1方向への搬送が開始されるようフィルム搬送機構を制御する。
【0011】
ここでは、第1フィルムロールの終端を自動で検出して、効率よく、第2フィルムロールへのフィルムロールの切り替えを行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る製袋包装機では、第1及び第2センサのうち、フィルム搬送方向における上流側に配置される第1センサが第1フィルムの位置調整用のマークを検出するまでは比較的高速で第1フィルムが搬送され、第1センサがマークを検出すると第1フィルムが比較的低速で搬送される。そのため、本製袋包装機では、第1フィルムと第2フィルムとの接合の際の両フィルムの位置合わせのための第1フィルムの位置調整を、迅速かつ高精度に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を含む組合せ計量/製袋包装システムの概略斜視図である。
図2図1の組合せ計量/製袋包装システムが有する製袋包装機の概略構成図である。
図3図2の製袋包装機のブロック図である。
図4図2の製袋包装機で用いられるフィルムの一例を示す図である。
図5図2の製袋包装機のフィルム供給部の概略斜視図である。
図6図5のフィルム供給部の保持機構支持フレーム周りの拡大斜視図である。
図7図6の保持機構支持フレームを回転可能に支持するフレーム用シャフトの内部構造を示す断面斜視図である。
図8】第1保持機構に第1フィルムロールが取り付けられた状態の図5のフィルム供給部の主要部分の拡大側面図である。
図9】第1保持機構がフィルムロール待機位置に移動させられた状態の図5のフィルム供給部の主要部分の拡大側面図である。
図10】フレーム用シャフト、第1シャフト及び第2シャフトに対する駆動力の伝達を説明するための、図5のフィルム供給部のフレーム用シャフト周りの概略平面図である。
図11図6の保持機構支持フレームの姿勢を検出するための姿勢検出機構を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら、本発明に係る製袋包装機の一実施形態の製袋包装機1000について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0015】
なお、以下の説明では、方向や位置関係等を説明するために、垂直、直交、水平、鉛直等の表現を用いる場合があるが、これらは厳密に垂直、直交、水平、鉛直等である場合だけではなく、実質的に垂直、直交、水平、鉛直等である場合を含む。
【0016】
また、以下の説明では、方向等を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。特記無き場合、ここでの「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図面に付された矢印の向きに従う。
【0017】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機1000を含む組合せ計量/製袋包装システム1の概略斜視図である。図2は、製袋包装機1000の概略構成図である。図3は、製袋包装機1000のブロック図である。図4は、製袋包装機1000で用いられるフィルムFの一例を示す図である。
【0018】
組合せ計量/製袋包装システム1は、組合せ計量装置2000と、製袋包装機1000と、を含む(図1参照)。
【0019】
製袋包装機1000は、シート状のフィルムFから袋状の包装材を製袋し、内部に物品Cが収容された袋Bを作る装置である(図2参照)。
【0020】
ここで使用されるフィルムFは、袋Bに成形された時に外面側に配置される印刷面Fa(図4参照)と、印刷面Faの裏側の非印刷面Fbとを含む。印刷面Faには、印刷Pが施されている。非印刷面Fbには印刷は施されていない。印刷Pは、製品としての物品Cの広告・販促や、物品Cに関する情報提供のために印刷される文字、図形及び写真等である。印刷面Faには、印刷Pの他、フィルムFの位置検出のために用いられるレジマークMも印刷されている。
【0021】
物品Cは、例えばポテトチップスである。ただし、物品Cの種類はポテトチップスに限定されるものではない。物品Cは、製袋包装機1000の上方に設置された組合せ計量装置2000から供給される(図2参照)。
【0022】
製袋包装機1000は、製袋包装部200と、フィルム供給部100と、コントローラ300と、を備える(図2及び図3参照)。コントローラ300は、製袋包装部200及びフィルム供給部100の各種構成機器の動作を制御する。フィルム供給部100は、シート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールFRを保持し、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFを製袋包装部200に供給する。製袋包装部200は、シート状のフィルムFを筒状に成形し、筒状に成形されたフィルムFtをシールして袋状に成形する。
【0023】
フィルム供給部100は、フィルムFの供給に関する機構として、第1保持機構110a及び第2保持機構110bと、フィルム繰り出し機構116と、張力調整機構180と、を主に有する(図2及び図6参照)。保持機構110a,110bのそれぞれは、シート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールFRを保持する(図2参照)。具体的には、第1保持機構110aは、フィルムロールFRが装着され、装着されたフィルムロールFRを回転可能に保持するシャフト111aを有する(図6参照)。第2保持機構110bは、フィルムロールFRが装着され、装着されたフィルムロールFRを回転可能に保持するシャフト111bを有する(図6参照)。
【0024】
なお、フィルムロールFRは、図4のようなシート状のフィルムFが巻き芯(図示省略)に巻き回されたものである。フィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの巻き芯側の末端は、例えば巻き芯に図示しないテープにより貼り付けられたり、巻き芯に接着剤等により接着されたりして、巻き芯に連結(固定)されている。
【0025】
フィルム繰り出し機構116は、複数の保持機構(第1保持機構110a及び第2保持機構110b)のそれぞれのシャフト(第1シャフト111a及び第2シャフト111b)を回転させて、保持機構のシャフトに装着されたフィルムロールFRから、それぞれ独立してフィルムFを繰り出す機構である。フィルム繰り出し機構116は、第1保持機構用モータ114aと、第2保持機構用モータ114bと、を有する。第1保持機構用モータ114aは、シャフト111aを回転させて、シャフト111aに装着されたフィルムロールFRからフィルムを繰り出す機構である。第2保持機構用モータ114bは、シャフト111bを回転させて、シャフト111bに装着されたフィルムロールFRからフィルムを繰り出す機構である。つまり、本製袋包装機1000では、複数の保持機構110a,110bのシャフト111a,111bに装着されたフィルムロールFRから、単一のフィルム繰出し機構(例えば、フィルムFの搬送方向において、フィルムロールFRの下流側に配置されたピンチローラ)を用いてフィルムFを繰り出すのではなく、それぞれ独立した保持機構用モータ114a,114bを用いて、フィルムFが繰り出される。
【0026】
製袋包装部200は、フォーマ本体212及びチューブ214を有するフォーマユニット210、フィルム搬送ベルト220、縦シール機構230、及び横シール機構240を主に有する(図2参照)。
【0027】
製袋包装機1000は、コントローラ300により製袋包装部200及びフィルム供給部100の各種構成機器の動作が制御されることで、概ね以下のような流れで、物品Cが収容された袋Bを製造する(図3参照)。
【0028】
製袋包装部200には、フィルム供給部100の2つの保持機構110a,110bの一方が保持するフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される。第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着されたフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される場合には、第1保持機構用モータ114aによりフィルムFが繰り出される。保持機構110bの第2シャフト111bに装着されたフィルムロールFRからシート状のフィルムFが供給される場合には、第2保持機構用モータ114bによりフィルムFが繰り出される。フィルムロールFRから引き出されたシート状のフィルムFは、製袋包装部200のフィルム搬送ベルト220により搬送される。製袋包装部200へと搬送されるシート状のフィルムFは、後述する張力調整機構180の可動ローラ185及び固定ローラ182を含む複数のローラ170にガイドされ、フォーマユニット210のフォーマ本体212へと搬送される。張力調整機構180では、可動ローラ185によりフィルムFに力が作用させられ、搬送されるフィルムFの張力が調整される。フォーマ本体212では、シート状のフィルムFが筒状に成形され、筒状フィルムFtとなる。筒状フィルムFtは、フィルム搬送ベルト220により下方に搬送され、フォーマ本体212の下方に配置された縦シール機構230により筒状フィルムFtの重なり部分が縦方向にシールされる。縦シール機構230により縦方向(フィルム搬送方向)にシールされた筒状フィルムFtは、フィルム搬送ベルト220により更に下方に搬送され、縦シール機構230の下方に配置された横シール機構240により、筒状フィルムFtの搬送方向と交差する方向(特にここでは直交する方向)にシールされる。さらに、横シール機構240では、筒状フィルムFtの横シール部分が、筒状フィルムFtの搬送方向における中央部で横方向に切断され、上下端の封止された袋Bが製袋される。なお、袋Bとなる筒状フィルムFtの内部には、横シール機構240による筒状フィルムFtの封止前に、フォーマユニット210のチューブ214内を通って物品Cが供給される。その結果、製袋包装機1000では、物品Cが収容された袋Bが作られる。製袋包装機1000により作られた物品Cが収容された袋Bは、例えば、横シール機構240の下方に配置された図示されないコンベア等により、下流側の工程へと搬送される。
【0029】
(2)詳細構成
製袋包装機1000の製袋包装部200、フィルム供給部100、及びコントローラ300について、詳細を説明する。
【0030】
(2-1)製袋包装部
製袋包装部200の、フォーマユニット210、フィルム搬送ベルト220、縦シール機構230、及び横シール機構240について説明する。
【0031】
(2-1-1)フォーマユニット
フォーマユニット210は、主に、フォーマ本体212と、チューブ214と、を有する(図2参照)。
【0032】
フォーマ本体212は、円筒状のチューブ214を周方向に取り囲むように配置されている。フォーマ本体212は、フィルムロールFRから引き出されてフォーマ本体212へと搬送されてくるシート状のフィルムFを、フィルムFの左端部と右端部が重なるように曲げて筒状に成形する。フォーマ本体212により成形された筒状フィルムFtは、円筒状のチューブ214の下部側の外周面に巻きつくように案内され、チューブ214に巻き付いた状態で下方に搬送される。
【0033】
チューブ214は、鉛直方向に延び、上下の端部が開口した円筒状の部材である。チューブ214の上部は、上端側ほど径が大きくなる漏斗状に形成されている(図2参照)。チューブ214の下部は、径が一様に形成されている(図2参照)。チューブ214は、落下してくる物品Cを、上部の開口から受け入れる(図2参照)。チューブ214の上部の開口から投入された物品Cは、チューブ214の内部を通過して、チューブ214の下部の開口から筒状フィルムFtの内部に供給される。
【0034】
(2-1-2)フィルム搬送ベルト
製袋包装部200は、一対のフィルム搬送ベルト220を有する。一対のフィルム搬送ベルト220は、フォーマユニット210の下方に配置される(図2参照)。一対のフィルム搬送ベルト220は、筒状フィルムFtが巻き付いたフォーマユニット210のチューブ214の左側及び右側にそれぞれ配置される。図2では、右側のフィルム搬送ベルト220のみを描画している。
【0035】
一対のフィルム搬送ベルト220は、フィルムロールFRから引き出されるフィルムFをフォーマ本体212へと搬送する。また、フィルム搬送ベルト220は、フォーマ本体212で成形された筒状フィルムFtを横シール機構240へ搬送する。具体的には、フィルム搬送ベルト220は、チューブ214に巻き付いた筒状フィルムFtを吸着して下方に搬送する。
【0036】
各フィルム搬送ベルト220は、駆動ローラ222、従動ローラ224及びベルト226を有する(図3参照)。ベルト226は、吸着機能を有する。ベルト226は、駆動ローラ222及び従動ローラ224に巻き掛けられている。駆動ローラ222は、図示しないローラ駆動モータと連結され、ローラ駆動モータにより駆動される。ベルト226がフィルムを吸着した状態で、駆動ローラ222がローラ駆動モータにより駆動されると、筒状フィルムFtは下方に搬送される。
【0037】
(2-1-3)縦シール機構
縦シール機構230(図2参照)は、チューブ214に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分を縦シールする(上下方向にシールする)機構である。
【0038】
縦シール機構230は、図示されないヒータと、筒状フィルムFtの重なり部分に接触するヒータベルト(図示せず)と、ヒータベルトを駆動する駆動機構(図示せず)と、を有する。ヒータは、ヒータベルトを加熱する。駆動機構は、ヒータベルトをチューブ214に近づくように、あるいは、チューブ214から遠ざかるように前後方向に駆動する。ヒートベルトが、駆動機構によりチューブ214に近づくように駆動されることで、チューブ214に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分が、ヒータベルトとチューブ214との間に挟まれる。縦シール機構230は、加熱されたヒータベルトを、筒状フィルムFtの重なり部分に所定の圧力でチューブ214に押しつけることで、筒状フィルムFtの重なり部分を縦方向に熱シールする。
【0039】
(2-1-4)横シール機構
横シール機構240は、フィルム搬送ベルト220及び縦シール機構230の下方に配置されている(図2参照)。横シール機構240は、フィルム搬送ベルト220により下方に搬送されてくる、縦シール機構230による縦シール後の筒状フィルムFtを、横シールする機構である。言い換えれば、横シール機構240は、筒状フィルムFtの搬送方向と交差する方向(より具体的には直交する方向)に筒状フィルムFtをシールする機構である。
【0040】
横シール機構240は、筒状フィルムFtの前後にそれぞれ配置される一対の回転体242を有する(図2参照)。各回転体242には、ヒータを内蔵するシールジョー244a及びシールジョー244bが取り付けられている(図2参照)。両回転体242のシールジョー244aは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。また、両回転体242のシールジョー244bは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。一対のシールジョー244aと、一対のシールジョー244bとは、搬送されてくる筒状フィルムFtを交互に横シールする。
【0041】
シールジョー244aによる筒状フィルムFtの横シール及び筒状フィルムFtの切断について説明する。
【0042】
図示しない駆動機構が駆動され、一対の回転体242が旋回すると、各回転体242に取り付けられたシールジョー244aは、側面視において互いに対称な軌跡を描きながら旋回する(図2の点線で描画された軌跡を参照)。そして、旋回する一対のシールジョー244aは、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFtを挟持し、袋Bの上下の端部となる筒状フィルムFtの一部分に圧力及び熱を加えて横シールする。シールジョー244aの一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。カッターは、筒状フィルムFtの横シール部分を、筒状フィルムFtの搬送方向における中心位置において切断し、袋Bと後続の筒状フィルムFtとを切り離す。
【0043】
シールジョー244bによる筒状フィルムFtの横シール及び筒状フィルムFtの切断については、シールジョー244aと同様であるので、説明は省略する。
【0044】
(2-2)フィルム供給部
フィルム供給部100について、更なる図面を参照しながら説明する。
【0045】
図5は、フィルム供給部100の概略斜視図である。図6は、フィルム供給部100の保持機構支持フレーム120周りの拡大斜視図である。図7は、保持機構支持フレーム120を回転可能に支持するフレーム用シャフト130の内部構造を示す断面斜視図である。図8は、第1保持機構110a及び第2保持機構110bにフィルムロールFRが取り付けられた状態のフィルム供給部100の主要部分の拡大側面図である。図9は、第1保持機構110aがフィルムロール待機位置A3に移動させられた状態のフィルム供給部100の主要部分の拡大側面図である。図10は、フレーム用シャフト130、第1シャフト111a及び第2シャフト111bに対する駆動力の伝達を説明するための、フィルム供給部100のフレーム用シャフト130周りの概略平面図である。
【0046】
フィルム供給部100は、フィルムロールFRに巻き回されたフィルムFを製袋包装部200へと供給するユニットである。フィルム供給部100では、フィルムFの搬送路に沿って配置される複数のローラ170によりフィルムFが製袋包装部200へとガイドされる。ローラ170には、張力調整機構180の固定ローラ182及び可動ローラ185を含む。
【0047】
フィルム供給部100は、搬送されるフィルムFに作用する張力を調整する張力調整機構180を有する。また、フィルム供給部100は、第1保持機構110a及び第2保持機構110bと、保持機構支持フレーム120と、フレーム用シャフト130と、移動機構139と、フィルム繰り出し機構116と、を有する。また、フィルム供給部100は、始端部位置調整機構140を有する。また、フィルム供給部100は、終端位置調整/フィルム接合機構160を有する。
【0048】
また、始端部位置調整機構140は、始端部位置調整用センサ142と、フィルム仮置部143と、仮押さえ機構144と、末端位置調整用エアノズル146と、を主に含む。始端部位置調整機構140は、第1保持機構110aや第2保持機構110bに交換用の新たなフィルムロールFRが装着された時に、フィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの始端部やフィルムFの末端の近傍部の位置を調整するために主に用いられる。
【0049】
なお、ここでは、フィルムFの始端部、終端部及び末端を以下の様に定義する。
【0050】
まず、定義にあたり、第1保持機構110a及び第2保持機構110bの一方が保持するフィルムロールFR(説明の便宜上、以後では使用済フィルムロールFRと呼ぶ)のフィルムFが使い切られ、第1保持機構110a及び第2保持機構110bの他方が保持するフィルムロールFR(説明の便宜上、以後では交換用フィルムロールFRと呼ぶ)のフィルムFが後述する接合機構162により使用済フィルムロールFRのフィルムFと接合される場合を想定する。
【0051】
この時、交換用フィルムロールFRのフィルムFの、使用済フィルムロールFRのフィルムFと接合される部分をフィルムFの始端部と呼ぶ。また、使用済フィルムロールFRのフィルムFの、交換用フィルムロールFRのフィルムFの始端部と接合される部分を、フィルムFの終端部と呼ぶ。また、ここでのフィルムFの末端は、交換用フィルムロールFRに巻かれたフィルムFの引き出し側(図示しない巻き芯に接続される側とは反対側)の端を意味する。例えば、図8及び図9を例にすれば、符号F1Lで示された部分が(交換用フィルムロールFRの)フィルムFの始端部を、符号F2Tで示された部分が(使用済フィルムロールFRの)フィルムFの終端部を、符号F1Eで示された部分が(交換用フィルムロールFRの)フィルムFの末端を意味する。
【0052】
なお、後述するように、交換用フィルムロールFRのフィルムFの始端部と、使用済フィルムロールFRのフィルムFの終端部と、の位置調整は、交換用フィルムロールFRのフィルムFと使用済フィルムロールFRのフィルムFとを接合機構162により接合した時に、フィルムFの印刷Pの位置ずれが起こることを抑制するために行われる。
【0053】
なお、以下の説明の中で、上記の表現に加え、フィルムロールFRの終端を検知するという表現を使用する場合がある。フィルムロールFRの終端を検知するとは、フィルムロールFRに巻き回されたフィルムFがフィルムロールFRから全て引き出された状態を検知することを意味するものとする。
【0054】
終端位置調整/フィルム接合機構160は、接合機構162、第1クランプ163、第2クランプ164、ナイフ166、ピンチローラ168、終端部位置調整用第1センサ152、終端部位置調整用第2センサ154、及び冷却用エア電磁弁161aを主に含む。終端位置調整/フィルム接合機構160は、保持機構110a,110bの一方が保持するフィルムロールFR(説明の便宜上、以下では使用済フィルムロールFRと呼ぶ)のフィルムFが使い切られた時に、これを検知し、使用済フィルムロールFRのフィルムFの終端部の位置を適切な位置に調整し、保持機構110b,110aの他方が保持するフィルムロールFR(説明の便宜上、以下では交換用フィルムロールFRと呼ぶ)のフィルムFと接合するために主に用いられる。
【0055】
以下に、フィルム供給部100の各機器・機構・部材について説明する。
【0056】
なお、保持機構110a,110bが保持するフィルムロールFRは、同種のシート状のフィルムFが巻き回された同種のフィルムロールである。しかし、以下では、説明の便宜上、第1保持機構110aの保持するフィルムロールをシート状の第1フィルムF1が巻き回された第1フィルムロールFR1と呼ぶ場合がある。また、第2保持機構110bの保持するフィルムロールを第2フィルムF2が巻き回された第2フィルムロールFR2と呼ぶ場合がある。
【0057】
(2-2-1)保持機構
第1保持機構110a及び第2保持機構110bは、シート状のフィルムF(第1フィルムF1及び第2フィルムF2)が中空の巻き芯(図示せず)に巻き回されたフィルムロールFR(第1フィルムロールFR1及び第2フィルムロールFR2)を保持する機構である(図6参照)。
【0058】
第1保持機構110aは、第1フィルムロールFR1が装着され、装着された第1フィルムロールFR1を回転可能に保持する第1シャフト111aを有する(図6参照)。第1シャフト111aは、一端が保持機構支持フレーム120側で支持されている片持ちのシャフトである。第1フィルムロールFR1の中空の巻き芯に第1シャフト111aが挿通させられた状態で、連結機構111a1(例えばエアチャック)が駆動されると、第1フィルムロールFR1は第1シャフト111aに固定される(図6参照)。この状態で、第1保持機構用モータ114aにより第1シャフト111aが回転させられると、第1シャフト111aと共に第1フィルムロールFR1が回転する。
【0059】
好ましくは、第1保持機構110aは、第1シャフト111aに第1フィルムロールFR1が装着された後、第1フィルムロールFR1に巻き回された第1フィルムF1の始端部F1Lの位置調整を行う際に、第1フィルムF1が所定経路に沿って配置されるように、第1フィルムF1をガイドする第1ガイド部材119を有することが好ましい(図8参照)。また、第1保持機構110aは、第1シャフト111aに第1フィルムロールFR1が取り付けられ、後述するような態様で第1フィルムロールFR1に巻き回された第1フィルムF1の始端部F1Lが正規位置(始端部F1Lが配置されるべき位置)に位置合わせされた時に、第1フィルムF1の始端部F1Lと第2フィルムF2の終端部F2Tとの接合が行われるまで第1フィルムF1を押さえる第1フィルム押さえ機構117を有することが好ましい(図8参照)。第1フィルム押さえ機構117は、固定ローラ112と、ロッドの先端に可動ローラ118が取り付けられたエアシリンダ118aと、を含む(図8参照)。エアシリンダ118aが駆動され、可動ローラ118が固定ローラ112に押し付けられることで、可動ローラ118と固定ローラ112との間に配置される第1フィルムF1は、可動ローラ118と固定ローラ112(特には、3つ並べて配置されたローラのうち、図8に描画した状態において中央に配置される固定ローラ112a)との間で押さえられる。なお、ここでは可動ローラ118を移動させるための機構の例としてエアシリンダ118aを上げたが、可動ローラ118を移動させるための機構は、油圧シリンダやモータであってもよい。第1ガイド部材119、固定ローラ112及びエアシリンダ118aは、保持機構支持フレーム120から延びるアーム122aに取り付けられている(図8参照)。
【0060】
第2保持機構110bは、第2フィルムロールFR2が装着され、装着された第2フィルムロールFR2を回転可能に保持する第2シャフト111bを有する(図6参照)。第2シャフト111bは、一端が保持機構支持フレーム120側で支持されている片持ちのシャフトである。第2フィルムロールFR2の中空の巻き芯に第2シャフト111bが挿通させられた状態で、連結機構111b1(例えばエアチャック)が駆動されると、第2フィルムロールFR2は第2シャフト111bに固定される(図6参照)。この状態で、第2保持機構用モータ114bにより第2シャフト111bが回転させられると、第2シャフト111bと共に第2フィルムロールFR2が回転する。
【0061】
また、説明の簡素化のため、詳細な説明は省略するが、第2保持機構110bも、第1ガイド部材119及び第1フィルム押さえ機構117と同様の構造・機能を有する第2ガイド部材及び第2フィルム押さえ機構(図示せず)を有することが好ましい。
【0062】
なお、第1保持機構110a又は第2保持機構110bが保持するフィルムロールFRからフィルムFが繰り出されると、繰り出されたフィルムFはフィルム搬送ベルト220により搬送される。フィルムロールFRから引き出されたフィルムFは、張力調整機構180の可動ローラ185及び固定ローラ182を含む複数のローラ170にガイドされ、製袋包装部200のフォーマユニット210のフォーマ本体212へと搬送される(図2参照)。
【0063】
(2-2-2)張力調整機構
張力調整機構180は、搬送されるフィルムFに作用する張力の大きさを調整する機構である。張力調整機構180は、主に、3つの固定ローラ182と、可動ローラ機構184と、シャフト184aと、可動ローラ機構用エアシリンダ187と、エンコーダ188と、を有する(図3及び図8参照)。可動ローラ機構184は、2つの可動ローラ185と、一対のアーム186と、を有する(図7参照)。アーム186は、2つの可動ローラ185を支持する部材である。一対のアーム186は、左右方向に延びる可動ローラ185を挟むように、可動ローラ185の左側及び右側に配置され、可動ローラ185の端部を支持する。アーム186は、左右方向に延びるシャフト184aにより回転可能に支持されている。可動ローラ機構用エアシリンダ187は、ロット(図示せず)の先端が、シャフト184aから径方向に延びるアーム(図示せず)に連結される。可動ローラ機構用エアシリンダ187が駆動されることで、シャフト184aを回転させる力が発生する。
【0064】
固定ローラ182及び可動ローラ185は、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFの搬送路に配置される。固定ローラ182及び可動ローラ185は、フィルムFの搬送方向において、フィルムロールFRとフォーマ本体212との間に配置される(図2参照)。固定ローラ182及び可動ローラ185は、いずれも回転自在のローラである。固定ローラ182及び可動ローラ185は、いずれも左右方向に延びる。固定ローラ182は、製袋包装機1000の図示しないフレームに固定され、その位置は変化しない。一方、可動ローラ185は、上記のようにシャフト184aの軸心周りを回転可能なアーム186に固定されているため、アーム186の動きによりその位置が変化する(すなわち可動である)。
【0065】
固定ローラ182及び可動ローラ185は、フィルムロールFRから搬送されてくるフィルムFに接触し、フィルムFをガイドする。フィルムFは、フィルムロールFRからの搬送時に、上流側から、固定ローラ182、可動ローラ185、固定ローラ182、可動ローラ185、固定ローラ182の順にフィルムFと接触するよう、固定ローラ182及び可動ローラ185に巻き掛けられている(図8参照)。フィルムFは、固定ローラ182が搬送されるフィルムFの下面(印刷面Fa)に接触し、可動ローラ185が搬送されるフィルムFの上面(非印刷面Fb)に接触するように、固定ローラ182及び可動ローラ185に巻き掛けられている(図8参照)。
【0066】
搬送されてくるフィルムFの上面に接触する可動ローラ185は、可動ローラ機構184の自重と、可動ローラ機構用エアシリンダ187が生じさせるシャフト184aを回転させる力との合力により、フィルムFを下方に押す。その結果、可動ローラ185は、フィルムFに張力を作用させる。なお、可動ローラ機構用エアシリンダ187の動作を制御することで、可動ローラ185がフィルムFを下方に押す力は変化し、フィルムFに作用する張力が変化する。
【0067】
なお、シャフト184aの一端には、シャフト184aの回転角度を検出するためのエンコーダ188(図3参照)が取り付けられている。エンコーダ188の検出結果は、後述するコントローラ300による可動ローラ185の位置の制御に用いられる。また、エンコーダ188の検出結果は、後述するコントローラ300によりフィルムロールFRの終端の検出にも利用可能である。
【0068】
製袋包装機1000の運転中にフィルムFが搬送される際、後述するようにコントローラ300は、エンコーダ188の検出結果に基づいて、そのフィルムFが繰り出されるフィルムロールFRを保持する保持機構110a,110bのシャフト111a,111bの回転速度(言い換えればフィルムFの繰り出し速度)を調整し、フィルムFをガイドする可動ローラ185の位置を所定位置に制御する。例えば、フィルムFが繰り出されるフィルムロールFRが第2フィルムロールFR2であれば、コントローラ300は、第2フィルムロールFR2を保持する第2保持機構110bのシャフト111bの回転速度を調整することで、第2フィルムF2をガイドする可動ローラ185の位置を所定位置(所定位置領域)に制御する。
【0069】
(2-2-3)保持機構支持フレーム
保持機構支持フレーム120は、複数のフィルムロール保持機構を支持するフレームの一例である。本実施形態では、保持機構支持フレーム120は、第1保持機構110a及び第2保持機構110bを支持する。特に、保持機構支持フレーム120は、第1保持機構110aの第1シャフト111aを回転可能に支持し、第2保持機構110bの第2シャフト111bを回転可能に支持する。
【0070】
また、保持機構支持フレーム120からは、アーム122a及びアーム122bが延びる。アーム122aには、第1保持機構110aが保持する、第1ガイド部材119と、第1フィルム押さえ機構117の固定ローラ112及びエアシリンダ118aと、が取り付けられている。アーム122bには、第2ガイド部材と、第2フィルム押さえ機構の固定ローラ及びエアシリンダが取り付けられている(図示省略)。第2保持機構110bの第2ガイド部材及び第2フィルム押さえ機構は、第2保持機構110b用である点を除き、第1保持機構110aの第1ガイド部材119及び第1フィルム押さえ機構117と同様の構造・機能を有する。
【0071】
(2-2-4)フレーム用シャフト
フレーム用シャフト130は、保持機構支持フレーム120を回転可能に支持するシャフトである。
【0072】
保持機構支持フレーム120がフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転することで、第1保持機構110aの第1シャフト111a及び第2保持機構110bの第2シャフト111bもフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転する。また、保持機構支持フレーム120がフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転することで、保持機構支持フレーム120のアーム122a及びアーム122bもフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転する。なお、保持機構支持フレーム120がフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転しても、第1保持機構110aの第1シャフト111aと保持機構支持フレーム120のアーム122aとの相対的な位置関係は変化しない。また、保持機構支持フレーム120がフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転しても、第2保持機構110bの第2シャフト111bと保持機構支持フレーム120のアーム122bとの相対的な位置関係は変化しない。
【0073】
フレーム用シャフト130は、多層軸構造を有する。ここでは、フレーム用シャフト130は、3層軸構造を有する。フレーム用シャフト130は、最外層に配置される最も大径の第1層軸132と、最内層に配置される最も小径の第3層軸136と、第1層軸132と第3層軸136との間に配置される第2層軸134と、を含む(図7参照)。第1層軸132、第2層軸134、及び第3層軸136は、それぞれ独立して回転可能である。
【0074】
第1層軸132は、保持機構支持フレーム120を回転させるための軸である。第1層軸132の一端は、保持機構支持フレーム120に固定されている。第1層軸132が後述するようにして移動機構139により回転させられることで、保持機構支持フレーム120が回転する。
【0075】
第2層軸134は、第1保持機構110aの第1シャフト111aを回転させるための軸である。第2層軸134が後述するようにしてフィルム繰り出し機構116により回転させられることで、第1保持機構110aの第1シャフト111aが回転する。具体的には、第2層軸134がフィルム繰り出し機構116の第1保持機構用モータ114aにより回転させられることで、第1保持機構110aの第1シャフト111aが回転させられ、第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1から第1フィルムF1が繰り出される。
【0076】
第3層軸136は、第2保持機構110bの第2シャフト111bを回転させるための軸である。第3層軸136が後述するようにしてフィルム繰り出し機構116により回転させられることで、第2保持機構110bの第2シャフト111bが回転する。具体的には、第3層軸136がフィルム繰り出し機構116の第2保持機構用モータ114bにより回転させられることで、第2保持機構110bの第2シャフト111bが回転させられ、第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2から第2フィルムF2が繰り出される。
【0077】
(2-2-5)移動機構
移動機構139は、保持機構支持フレーム120を回転させることで、第1保持機構110a及び第2保持機構110bを、少なくともフィルムロールセット位置A1とフィルム供給位置A2との間で移動させる。また、好ましくは、移動機構139は、保持機構支持フレーム120を回転させることで、第1保持機構110a及び第2保持機構110bの一方を、フィルムロール待機位置A3に移動させ、第1保持機構110a及び第2保持機構110bの他方を、フィルム供給位置A4にも移動させる。なお、第1保持機構110a及び第2保持機構110bのフィルムロールセット位置A1は、図8において第1保持機構110aが配置されている位置である。第1保持機構110a及び第2保持機構110bのフィルム供給位置A2は、図8において第2保持機構110bが配置されている位置である。第1保持機構110a及び第2保持機構110bのフィルムロール待機位置A3は、図2及び図9において第1保持機構110aが配置されている位置である。第1保持機構110a及び第2保持機構110bのフィルム供給位置A4は、図2において第2保持機構110bが配置されている位置である。フィルムロール待機位置A3は、右側面視において、フレーム用シャフト130の中心軸周りを、フレーム用シャフト130周りにフィルムロールセット位置A1から反時計回りに所定角度だけ(例えば45°)回転した位置である。また、限定するものではないが、フィルム供給位置A2は、右側面視において、フレーム用シャフト130の中心軸周りを、フレーム用シャフト130周りにフィルムロール待機位置A3から反時計回りに所定角度だけ(例えば135°)回転した位置である。また、フィルム供給位置A4は、右側面視において、フレーム用シャフト130の中心軸周りを、フレーム用シャフト130周りにフィルム供給位置A2から反時計回りに所定角度だけ(例えば45°)回転した位置である。
【0078】
フィルムロールセット位置A1は、第1保持機構110aの第1シャフト111a及び第2保持機構110bの第2シャフト111bにフィルムロールFRが装着される位置である。つまり、本製袋包装機1000では、第1保持機構110a対しても、第2保持機構110bに対しても、同一位置でシャフト111a,111bにフィルムロールFRが装着される。
【0079】
フィルム供給位置A2,A4は、製袋包装機1000の製袋包装動作時に、シャフト111a,111bに装着されたフィルムロールFRから、製袋包装部200に供給されたフィルムFが繰り出される位置である。つまり、製袋包装部200にフィルムFを供給するフィルムロールFRを保持している保持機構110a,110bの一方は、製袋包装部200で製袋包装動作が行われる時には、フィルム供給位置A2及びフィルム供給位置A4の一方に主に配置される。
【0080】
フィルムロール待機位置A3は、フィルムロールセット位置A1において第1フィルムロールFR1が第1シャフト111aに装着された第1保持機構110aが、第2保持機構110bの保持している第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2が使い切られるまで待機する位置である。また、フィルムロール待機位置A3は、フィルムロールセット位置A1において第2フィルムロールFR2が第2シャフト111bに装着された第2保持機構110bが、第1保持機構110aの保持している第1フィルムロールFR1の第1フィルムF1が使い切られるまで待機する位置である。
【0081】
また、フィルムロール待機位置A3は、後述する接合機構162により、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1の第1フィルムF1の始端部F1Lが、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2の終端部F2Tに接合される時に第1保持機構110aが配置される位置である。つまり、第1保持機構110aがフィルムロール待機位置A3に移動させられた時には、第1フィルムF1の始端部F1Lは、接合機構162により第2フィルムF2の終端部F2Tと接合される位置(接合位置と呼ぶ)へと移動させられる。同様に、フィルムロール待機位置A3は、後述する接合機構162により、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2の始端部(図示せず)が、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1の終端部(図示せず)に接合される時に第2保持機構110bが配置される位置である。第2保持機構110bがフィルムロール待機位置A3に移動させられた時には、第2フィルムF2の始端部は、接合機構162により第1フィルムF1の終端部と接合される位置(接合位置)へと移動させられる。
【0082】
移動機構139の構造について説明する。
【0083】
移動機構139は、フレーム回転用モータ138と、フレーム回転用伝達機構137と、を主に含む。フレーム回転用モータ138は、保持機構支持フレーム120を回転させるためのモータである。フレーム回転用伝達機構137は、フレーム回転用モータ138の駆動力をフレーム用シャフト130の第1層軸132に伝達する機構である。
【0084】
フレーム回転用伝達機構137は、ベルト137aと、駆動ローラ137bと、従動ローラ137cと、を含む。ベルト137aは、駆動ローラ137b及び従動ローラ137cに巻き掛けられている。駆動ローラ137bは、フレーム回転用モータ138と連結され、フレーム回転用モータ138により駆動される。従動ローラ137cは、フレーム用シャフト130の第1層軸132の一端(第1層軸132の、保持機構支持フレーム120とは連結されていない側の端部)と連結されている。フレーム回転用モータ138が駆動されると、駆動ローラ137bが回転し、ベルト137aを介して従動ローラ137cが回転し、更には第1層軸132も回転する。そして、第1層軸132が回転する結果、保持機構支持フレーム120が回転させられ、第1保持機構110a及び第2保持機構110bが移動させられる。
【0085】
なお、移動機構139により回転させられた保持機構支持フレーム120の姿勢の検出は、例えば以下のような機構400により安価に実現することができる。
【0086】
保持機構支持フレーム120の姿勢の検出のための機構400は、図11に示すように、第1層軸132の端部に固定された(第1層軸132と共に回転する)、第1部材402,第2部材404及び第3部材406と、2つの光電センサ408A,408Bと、を有する。第1部材402は、第1部材402が取り付けられた第1層軸132の端部を側方から見た時に、第1層軸132の回転軸Oを中心とする半径R1の扇形形状に形成されているプレートである。第2部材404は、第2部材404が取り付けられた第1層軸132の端部を側方から見た時に、外周側が第1層軸132の回転軸Oを中心とする半径R2(>R1)の円弧で囲まれ、内周側が第1層軸132の回転軸Oを中心とする半径R1の円弧で囲まれ、これらの円弧が回転軸Oに対して経方向に延びる2本の直線で接続された、図11のような形状を有するプレートである。第3部材406は、第3部材406が取り付けられた第1層軸132の端部を側方から見た時に、第1層軸132の回転軸Oを中心とする半径R2の扇形形状に形成されているプレートである。光電センサ408Aは、第1部材402が取り付けられた第1層軸132の端部を側方から見た時に、回転軸Oから距離K1(K1<R1)だけ離れた位置で第1部材402及び第3部材406の存在の有無を検知する。光電センサ408Bは、第1部材402が取り付けられた第1層軸132の端部を側方から見た時に、回転軸Oと光電センサ408Aとを結んだ直線上に配置され、回転軸Oから距離K2(R1<K2<R2)だけ離れた位置で第2部材404及び第3部材406の存在の有無を検知する。2つの光電センサ408A,408Bの位置は、第1層軸132の回転によらず一定である。
【0087】
第1部材402,第2部材404及び第3部材406は、図11のように2つの光電センサ408A,408Bを用いて部材402,404,406の検知を行った時に、第1層軸132の回転角度によって、2つの光電センサ408A,408Bの一方だけが部材を検知している状態と、2つの光電センサ408A,408Bの両方が部材を検知している状態と、2つの光電センサ408A,408Bの両方が部材を検知していない状態と、が生ずるように配置されている。そして、この2つの光電センサ408A,408Bの検知結果の組み合わせを利用することで、第1層軸132の大まかな回転角度、ひいては保持機構支持フレーム120の姿勢を検出することが可能である。
【0088】
なお、ここでは、第1層軸132の端部に3つの部材402,404,406を取り付け、2つの光電センサ408A,408Bを用いる場合を例に説明したが、上記の検出原理を用いて、部材及び光電センサの数量を増やすことで、より精度良く保持機構支持フレーム120の姿勢を検出することが可能である。
【0089】
(2-2-6)フィルム繰り出し機構
フィルム繰り出し機構116は、複数の保持機構(第1保持機構110a及び第2保持機構110b)のそれぞれのシャフト(第1シャフト111a及び第2シャフト111b)を回転させて、複数の保持機構のシャフトに装着されたフィルムロール(第1フィルムロールFR1及び第2フィルムロールFR2)から、それぞれ独立してフィルム(第1フィルムF1及び第2フィルムF2)を繰り出す。フィルム繰り出し機構116は、製袋包装部200における製袋包装動作時に、第1フィルムロールFR1や第2フィルムロールFR2の繰り出し速度を変更可能に構成されている。
【0090】
フィルム繰り出し機構116は、第1保持機構用モータ114aと、第2保持機構用モータ114bと、第1伝達機構115aと、第2伝達機構115bと、第3伝達機構115cと、第4伝達機構115dと、を含む。
【0091】
第1保持機構用モータ114aは、複数の保持機構110a,110bのうち、第1保持機構110aの第1シャフト111aを回転させる。第1保持機構用モータ114aは、好ましくはサーボモータである。第1伝達機構115aは、第1保持機構用モータ114aの駆動力を、フレーム用シャフト130の第2層軸134に伝達する。第2伝達機構115bは、フレーム用シャフト130の第2層軸134に伝達された駆動力を、第1保持機構用モータ114aの駆動対象の第1保持機構110aの第1シャフト111aに伝達する。
【0092】
なお、第1伝達機構115aは、ベルト115a1と、駆動ローラ115a2と、従動ローラ115a3と、を含む。ベルト115a1は、駆動ローラ115a2及び従動ローラ115a3に巻き掛けられている。駆動ローラ115a2は、第1保持機構用モータ114aと連結され、第1保持機構用モータ114aにより駆動される。従動ローラ115a3は、フレーム用シャフト130の第2層軸134の一端と連結されている。第1保持機構用モータ114aが駆動されると、駆動ローラ115a2が回転し、ベルト115a1を介して従動ローラ115a3が回転し、更には第2層軸134も回転する。
【0093】
第2伝達機構115bは、ベルト115b1と、駆動ローラ115b2と、従動ローラ115b3と、を含む。ベルト115b1は、駆動ローラ115b2及び従動ローラ115b3に巻き掛けられている。駆動ローラ115b2は、フレーム用シャフト130の第2層軸134の一端(従動ローラ115a3が連結される側とは別の端部)と連結され、第2層軸134が回転すると、駆動ローラ115b2も回転する。従動ローラ115b3は、第1保持機構110aの第1シャフト111aの一端(保持機構支持フレーム120により支持されている側の端部)と連結されている。第2層軸134が回転すると、駆動ローラ115b2が回転し、ベルト115b1を介して従動ローラ115b3が回転し、更には第1保持機構110aの第1シャフト111aも回転する。
【0094】
以上のように構成されることで、第1保持機構用モータ114aが駆動されると、第1伝達機構115a及び第2伝達機構115bを介して、第1保持機構用モータ114aの駆動力が第1保持機構110aの第1シャフト111aに伝達され、第1シャフト111aが回転させられる。その結果、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1から第1フィルムF1が繰り出される。
【0095】
第2保持機構用モータ114bは、複数の保持機構110a,110bのうち、第2保持機構110bの第2シャフト111bを回転させる。第2保持機構用モータ114bは、好ましくはサーボモータである。第3伝達機構115cは、第2保持機構用モータ114bの駆動力を、フレーム用シャフト130の第3層軸136に伝達する。第4伝達機構115dは、フレーム用シャフト130の第3層軸136に伝達された駆動力を、第2保持機構用モータ114bの駆動対象の第2保持機構110bの第2シャフト111bに伝達する。
【0096】
なお、第3伝達機構115cは、ベルト115c1と、駆動ローラ115c2と、従動ローラ115c3と、を含む。ベルト115c1は、駆動ローラ115c2及び従動ローラ115c3に巻き掛けられている。駆動ローラ115c2は、第2保持機構用モータ114bと連結され、第2保持機構用モータ114bにより駆動される。従動ローラ115c3は、フレーム用シャフト130の第3層軸136の一端と連結されている。第2保持機構用モータ114bが駆動されると、駆動ローラ115c2が回転し、ベルト115c1を介して従動ローラ115c3が回転し、更には第3層軸136も回転する。
【0097】
第4伝達機構115dは、ベルト115d1と、駆動ローラ115d2と、従動ローラ115d3と、を含む。ベルト115d1は、駆動ローラ115d2及び従動ローラ115d3に巻き掛けられている。駆動ローラ115d2は、フレーム用シャフト130の第3層軸136の一端(従動ローラ115c3が連結される側とは別の端部)と連結され、第3層軸136が回転すると、駆動ローラ115d2も回転する。従動ローラ115d3は、第2保持機構110bの第2シャフト111bの一端(保持機構支持フレーム120により支持されている側の端部)と連結されている。第3層軸136が回転すると、駆動ローラ115d2が回転し、ベルト115d1を介して従動ローラ115d3が回転し、更には第2保持機構110bの第2シャフト111bも回転する。
【0098】
以上のように構成されることで、第2保持機構用モータ114bが駆動されると、第3伝達機構115c及び第4伝達機構115dを介して、第2保持機構用モータ114bの駆動力が第2保持機構110bの第2シャフト111bに伝達され、第2シャフト111bが回転させられる。その結果、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2から第2フィルムF2が繰り出される。
【0099】
(2-2-7)接合機構
接合機構162は、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1に巻き回された第1フィルムF1と、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2に巻き回された第2フィルムF2と、を接合する機構である。接合機構162は、第1ガイド部材119又は第2ガイド部材(図示せず)との間で第1フィルムF1と第2フィルムF2とを挟み込み、加圧した状態で図示しないヒータにより加熱して第1フィルムF1と第2フィルムF2を熱溶着させる機構である。ただし、接合の方式は熱溶着に限定されるものではなく、超音波溶着により第1フィルムF1と第2フィルムF2とを接合する機構であってもよい。
【0100】
なお、第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2が使い切られた時には、接合機構162は、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2に巻き回された第2フィルムF2の終端部F2Tと、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1に巻き回された第1フィルムF1の始端部F1Lと、を接合する。また、第1フィルムロールFR1の第1フィルムF1が使い切られた時には、接合機構162は、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1に巻き回された第1フィルムF1の終端部(図示せず)と、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2に巻き回された第2フィルムF2の始端部(図示せず)と、を接合する。
【0101】
(2-2-8)始端部位置調整機構
始端部位置調整機構140は、第1保持機構110aや第2保持機構110bに交換用のフィルムロールFRが装着された時に、フィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの始端部やフィルムFの末端近傍部の位置を調整するために主に用いられる機構である。始端部位置調整機構140には、始端部位置調整用センサ142と、フィルム仮置部143と、仮押さえ機構144と、末端位置調整用エアノズル146と、を含む(図8参照)。
【0102】
(2-2-8-1)始端部位置調整用センサ
始端部位置調整用センサ142は、フィルムロールセット位置A1に配置された第1保持機構110a及び第2保持機構110bの、第1シャフト111a及び第2シャフト111bにフィルムロールFRが装着され、そのフィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの始端部を正規位置にセットする時に、フィルムFの始端部が正規位置に位置していることを検出するセンサである。なお、フィルムFの始端部の正規位置とは、フィルムロールセット位置A1に位置するフィルムロールFRがセットされた保持機構110a,110bが、移動機構139によりフィルムロール待機位置A3に移動された時に、フィルムFの始端部が接合機構162によるフィルムFの接合位置に配置される位置を意味する。始端部位置調整用センサ142は、フィルムFの始端部が正規位置に位置していることを直接的に検出してもよいし、フィルムFの所定箇所(始端部以外の箇所)が目標位置(フィルムFの所定箇所がその位置に存在する場合に、フィルムFの始端部が正規位置に位置することになる位置)に配置されたことを検出してもよい。
【0103】
始端部位置調整用センサ142は、フィルム仮置部143より上方に配置される。
【0104】
始端部位置調整用センサ142は、例えば、フィルムFの印刷面Faに印刷されたレジマークMを検出するレジマークセンサである。ここでは、始端部位置調整用センサ142は、レジマークMが目標位置(始端部位置調整用センサ142の検出位置)に位置することを検出することで、検出結果に基づいてフィルムFの始端部が正規位置に位置していることを検出する。
【0105】
なお、始端部位置調整用センサ142の種類は、レジマークセンサに限定されるものではなく、例えばカメラを利用したセンサであってもよい。例えば、始端部位置調整用センサは、カメラで撮像されるフィルムFの印刷面Faの印刷Pの位置に基づいて、フィルムFの始端部が正規位置に位置することを検出してもよい。
【0106】
(2-2-8-2)フィルム仮置部
フィルム仮置部143は、製袋包装機1000のオペレータが、保持機構110a,110bに交換用のフィルムロールFRを取り付ける際に、すなわち保持機構110a,110bのシャフト111a,111bに交換用のフィルムロールFRを装着する際に、フィルムロールFRから引き出されるフィルムFの始端部近傍が手動で仮置きされる部材である。フィルム仮置部143は、フィルムFが仮置きされる仮置面143aを有する。
【0107】
製袋包装機1000のオペレータが、第1保持機構110aに交換用のフィルムロールFR(第1フィルムロールFR1)を取り付ける際に行うフィルムF(第1フィルムF1)のセット動作を例に、フィルム仮置部143に関連する内容について更に説明する。なお、第2保持機構110bに交換用のフィルムロールFR(第2フィルムロールFR2)を取り付ける際に行われるフィルムF(第2フィルムF2)のセット動作は、第1フィルムF1のセット動作と同様であるため、説明は省略する。
【0108】
製袋包装機1000のオペレータは、第1保持機構110aに交換用の第1フィルムロールFR1を装着した後、第1フィルムロールFR1の第1フィルムF1が所定の経路を通るように第1フィルムF1を案内する。具体的には、オペレータは、第1フィルムロールFR1を第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着した後、第1フィルムロールFR1から引き出される第1フィルムF1が、第1ガイド部材119の上面に沿って延び、第1フィルム押さえ機構117の固定ローラ112と可動ローラ118との間を通過するように、第1フィルムF1を案内する。さらに、オペレータは、フィルムロールFRから引き出されるフィルムFの始端部の近傍をフィルム仮置部143の仮置面143aに手動で仮置きする。好ましくは、オペレータは、第1フィルムF1の末端F1Eの近傍にある第1フィルムF1の印刷面F1aに印刷されたレジマークMがフィルム仮置部143の所定位置範囲内(例えば、第1フィルムF1の長さ方向において50mm程度の位置範囲内)に配置されるように、第1フィルムF1をフィルム仮置部143の仮置面143aに仮置きする。なお、フィルム仮置部143の位置は、第1保持機構110aに第1フィルムロールFR1を取り付ける際、第1フィルムF1の印刷面F1aに印刷されたレジマークMをフィルム仮置部143の所定位置範囲内に仮置きすれば、後述するように第1保持機構用モータ114aによって第1フィルムF1が搬送される搬送経路において第1フィルムF1の始端部F1Lが正規位置に対して所定位置範囲内に配置されるように設計されることが好ましい。より好ましくは、フィルム仮置部143の位置は、第1保持機構110aに第1フィルムロールFR1を取り付ける際、第1フィルムF1の印刷面F1aに印刷されたレジマークMをフィルム仮置部143の所定位置範囲内に仮置きすれば、第1保持機構用モータ114aによって第1フィルムF1が搬送される搬送経路において、第1フィルムF1の始端部F1Lが、正規位置より上流側に、にかつ、正規位置対して所定位置範囲内に配置されるように設計されることが好ましい。
【0109】
なお、本実施形態では、フィルムロールセット位置A1に配置される保持機構110a,110bのフィルムロールFRから引き出されるフィルムFは、図8のように、その非印刷面Fb(図8では、第1フィルムF1の非印刷面F1b)が、フィルム仮置部143の仮置面143aを向いた状態で、フィルム仮置部143に仮置きされる。言い換えれば、本実施形態では、フィルムロールセット位置A1に配置されるフィルムロールFRから引き出されるフィルムFは、図7のように、その印刷面Faが上方側(オペレータから目視可能な側)を向いた状態で、フィルム仮置部143に仮置きされる。そのため、オペレータがレジマークMをフィルム仮置部143の所定位置に仮置きすることが容易である。なお、フィルム供給位置A2に配置される保持機構110a,110bのフィルムロールFRから引き出されるフィルムFは、図8のように、非印刷面Fbを背面側に向けることになる。そのため、フィルム供給位置A2に配置される保持機構110a,110bのフィルムロールFRから引き出されるフィルムFについて仮にオペレータが位置合わせ作業を行うとすると、その作業は煩雑になりやすい。
【0110】
なお、第1フィルムF1の末端F1Eの近傍にあるレジマークMがフィルム仮置部143の所定位置範囲内に配置されるように第1フィルムF1を仮置きした時にフィルム仮置部143から後方側に延びる第1フィルムF1の長さが長過ぎる場合には、第1フィルムF1がフィルム供給部100内の機器等に絡みつくことを防止するため、フィルム仮置部143より後方側の第1フィルムF1の一部が手動又は自動で切断されてもよい。
【0111】
(2-2-8-3)仮押さえ機構
仮押さえ機構144は、フィルム仮置部143の近傍に配置されている。仮押さえ機構144は、フィルム仮置部143にフィルムFが仮置きされた時に、フィルムFの位置ずれを抑制するために仮押さえする機構である。なお、仮押さえ機構144は、後述するように保持機構用モータ114a,114bによってフィルムFが搬送される際に、フィルムFが搬送可能な程度の力でフィルムFを仮押さえする。限定するものではないが、仮押さえ機構144は、バネ等の弾性部材の力でフィルムFを仮押さえする。仮押さえ機構144は、手動で操作されるものであってもよいし、ボタン操作等により自動で仮押さえするように駆動されてもよい。
【0112】
(2-2-8-4)末端位置調整用エアノズル
末端位置調整用エアノズル146は、移動機構139により、保持機構110a,110bをフィルムロールセット位置A1からフィルムロール待機位置A3に移動させる際に、言い換えればフィルムFの始端部を接合機構162による接合位置へと移動させる際に、フィルムFの始端部側の末端近傍に空気を吹き付けて、フィルムFの末端近傍の位置調整をする。末端位置調整用エアノズル146からの空気の吹き出しは、末端位置調整用エア電磁弁146aにより制御される(図4参照)。
【0113】
例えば、第1フィルムF1の末端近傍の位置調整を例に、末端位置調整用エアノズル146によるフィルムFの末端近傍の位置調整を説明する。
【0114】
移動機構139が、フィルムロールセット位置A1からフィルムロール待機位置A3に第1保持機構110aを移動させるために、保持機構支持フレーム120を反時計回りに所定角度だけ回転させる際に、末端位置調整用エアノズル146は、第1フィルムF1の始端部F1L側の末端F1E近傍の印刷面F1a(後方側の面)に前向きに空気を吹き付ける。その結果、第1フィルムF1は、固定ローラ112や製袋に利用されている第2フィルムF2に巻き付いたりすることなく、第1フィルム押さえ機構117から下方に垂れた状態に位置調整される(図9参照)。
【0115】
(2-2-9)終端位置調整/フィルム接合機構
終端位置調整/フィルム接合機構160は、接合機構162、第1クランプ163、第2クランプ164、ナイフ166、ピンチローラ168、終端部位置調整用第1センサ152、終端部位置調整用第2センサ154、及び冷却用エア電磁弁161aを含む(図4及び図9参照)。
【0116】
(2-2-9-1)接合機構
接合機構162は、保持機構110a,110bのシャフト111a,111bの一方に装着されたフィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの終端部と、他方の保持機構110b,110aのシャフト111b,111aに装着されたフィルムロールFRに巻き回されたフィルムFの始端部と、を接合する機構である。接合機構162は、図示しないヒータを熱源としてフィルムFを熱溶着する機構である。ただし、フィルムFの接合の方式は、熱溶着に限定されるものではなく、例えば超音波溶着によりフィルムFを接合するものであってもよい。
【0117】
接合機構162は、例えば、図9を参照して説明すると、第2保持機構110bの第2シャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2に巻き回された第2フィルムF2の終端部F2Tと、第1保持機構110aの第1シャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1に巻き回された第1フィルムF1の始端部F1Lと、を、アーム122aに固定されたガイド部材119との間で挟み込んだ状態で加熱して熱溶着する。
【0118】
(2-2-9-2)第1クランプ及び第2クランプ
第1クランプ163及び第2クランプ164は、製袋包装部200に対してフィルムFを供給する際のフィルムFの搬送経路に沿って配置される。第1クランプ163及び第2クランプ164は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部を、接合機構162の接合位置に位置調整した後に、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部の位置ずれを抑制するためにフィルムFを挟み込んで固定する部材である。第1クランプ163及び第2クランプ164の動作(フィルムFの挟み込み/挟み込み解除)は、それぞれ、第1クランプ駆動機構163a及び第2クランプ駆動機構164aの動作/動作停止により制御される。なお、第1クランプ駆動機構163a及び第2クランプ駆動機構164aは、駆動源として空気圧を利用するものであってもよいし、駆動源としてモータを利用するものであってもよい。
【0119】
(2-2-9-3)ナイフ
ナイフ166は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部と、交換用のフィルムロールFRのフィルムFの始端部とが接合機構162により接合された後に、不要なフィルムFを切断する部材である。ナイフ166による切断の実行/停止は、ナイフ駆動機構166aの動作/停止により制御される。なお、ナイフ駆動機構166aは、駆動源として空気圧を利用するものであってもよいし、駆動源としてモータを利用するものであってもよい。
【0120】
なお、フィルム供給部100は、ナイフ166が動作したこと(本実施形態であれば、ナイフ166がフィルムFの切断のために下方に駆動されたことを検知するためのナイフ動作検知センサ166bを有する(図3参照)。ナイフ動作検知センサ166bは、ナイフ166と同じ側(本実施形態では、フィルム接合機構160等が配置される上方側)に配置されてもよいし、第1ガイド部材119側に設けられてもよい。
【0121】
ナイフ動作検知センサ166bは、例えば光電センサである。ただし、ナイフ動作検知センサ166bの種類は、ナイフ166の動きを検知可能なセンサであればよく、例えば誘導型や静電容量型の近接センサであってもよい。
【0122】
(2-2-9-4)ピンチローラ
ピンチローラ168は、他の固定ローラとの間にフィルムFを挟み込み、ピンチローラ168を回転させることでフィルムFを搬送する。ピンチローラ168は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部が、接合機構162により新たな交換用のフィルムロールFRのフィルムFの始端部との接合が行われるフィルム接合位置に向かうように、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFを第1方向D1(図9参照)に搬送する、ピンチローラ168は、フィルムFの搬送速度を変更可能な機構である。
【0123】
図9に描画されている、第2フィルムロールFR2が使用済みのフィルムロールFRで、第1フィルムロールFR1が新たな交換用のフィルムロールFRである場合を例により詳しく説明する。
【0124】
ピンチローラ168は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部(ここでは、第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2の終端部F2T)の位置調整を行うタイミングで、ピンチローラ用エアシリンダ168aにより第1保持機構110aの固定ローラ112(図9においては、3つの固定ローラ112のうち、最上方に配置される固定ローラ112b)に向かって押し付けられる。その結果、第2フィルムF2は、ピンチローラ168と固定ローラ112bとの間に挟み込まれる。この状態で、ピンチローラ168は、ピンチローラ駆動機構168bにより右側面視において時計回りに回転させられる(図9の矢印参照)。ピンチローラ駆動機構168bは、例えばサーボモータである。ピンチローラ駆動機構168bによりピンチローラ168が回転させられると、第2フィルムF2は、第2フィルムロールFR2側に向かって第1方向D1に(製袋包装動作時とは逆方向に)搬送される。ピンチローラ168は、第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2の終端部F2Tが、接合機構162により第1フィルムロールFR1の第1フィルムF1の始端部F1Lとの接合が行われるフィルム接合位置に到達するまで、第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2を第1方向D1に搬送する。ピンチローラ駆動機構168bによるピンチローラ168の駆動制御の態様については後述する。
【0125】
(2-2-9-5)終端部位置調整用センサ
終端部位置調整用第1センサ152及び終端部位置調整用第2センサ154は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFに付された位置調整用のレジマークMを、フィルムFが搬送されている状態で検出するセンサである。
【0126】
終端部位置調整用第1センサ152及び終端部位置調整用第2センサ154は、ピンチローラ168によるフィルムFの搬送路に沿って配置されている。特に、終端部位置調整用第1センサ152及び終端部位置調整用第2センサ154は、ピンチローラ168によって搬送されるフィルムFの印刷面Faの側に、フィルムFの搬送路に沿って配置されている。終端部位置調整用第2センサ154は、ピンチローラ168によるフィルムFの搬送方向(第1方向D1)において、終端部位置調整用第1センサ152よりも下流側でフィルムFに付された位置調整用のレジマークMを検出する。
【0127】
ピンチローラ168によるフィルムFの搬送経路に沿って見た時に、終端部位置調整用第1センサ152がフィルムFに付されたレジマークMを検出する位置と、終端部位置調整用第2センサ154がフィルムFに付されたレジマークMを検出する位置との距離は、10mm以上90mm以内であることが好ましい。
【0128】
終端部位置調整用第1センサ152及び終端部位置調整用第2センサ154は、例えば、レジマークセンサである。ただし、終端部位置調整用第1センサ152及び終端部位置調整用第2センサ154の種類は、レジマークセンサに限定されるものではなく、例えばカメラを利用したセンサであってもよい。例えば、終端部位置調整用第1センサ及び終端部位置調整用第2センサは、それぞれ搬送されるフィルムFの印刷面Faをカメラで撮像し、フィルムFの印刷面FaのレジマークM又は印刷Pを位置調整用のマークとして検出してもよい。
【0129】
終端部位置調整用第1センサ及び終端部位置調整用第2センサを利用したピンチローラ駆動機構168bによるピンチローラ168の駆動制御の態様については後述する。
【0130】
(2-2-9-6)冷却用エア電磁弁
冷却用エア電磁弁161aは、接合機構162の近傍に形成された空気吹出口161からの空気の吹き出しの実行/停止を制御するための電磁弁である。空気吹出口161から吹き出す空気は、接合機構162によるフィルムFの接合箇所を冷却する。
【0131】
(2-3)コントローラ
コントローラ300は、製袋包装機1000の各部(製袋包装部200及びフィルム供給部100の各種構成)の動作を制御する。
【0132】
コントローラ300は、CPUやメモリ等の部品を有するマイクロコンピュータを有する。コントローラ300では、CPUがメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装機1000の各部の動作を制御する。
【0133】
なお、コントローラは、本実施形態のコントローラ300が発揮する機能と同様の機能を、論理回路等のハードウェアにより実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実現してもよい。
【0134】
コントローラ300は、製袋包装機1000の各部、例えば、製袋包装部200のフィルム搬送ベルト220、縦シール機構230、及び横シール機構240と電気的に接続されている。また、コントローラ300は、フィルム供給部100の、フレーム回転用モータ138、第1保持機構用モータ114a、第2保持機構用モータ114b、エアシリンダ118a、始端部位置調整用センサ142、末端位置調整用エア電磁弁146a、接合機構162、第1クランプ駆動機構163a、第2クランプ駆動機構164a、ナイフ駆動機構166a、ピンチローラ用エアシリンダ168a、ピンチローラ駆動機構168b、終端部位置調整用第1センサ152、終端部位置調整用第2センサ154、冷却用エア電磁弁161a、可動ローラ機構用エアシリンダ187及びエンコーダ188と、電気的に接続されている。
【0135】
コントローラ300は、始端部位置調整用センサ142、終端部位置調整用第1センサ152、及び終端部位置調整用第2センサ154の検出結果を受け付ける。また、コントローラ300は、エンコーダ188の検出結果(可動ローラ185の固定されたアーム186と連結されるシャフト184aの回転角度)を受け付ける。エンコーダ188の検出結果は、可動ローラ185の位置の制御に用いられる。また、エンコーダ188の検出結果は、後述するフィルムロールFRの終端の検知に用いられてもよい。
【0136】
(3)コントローラによる製袋包装機1000の動作の制御
(3-1)通常運転
コントローラ300は、製袋包装部200が製袋包装動作を行う通常運転時に、製袋包装機1000の各部、例えば、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bと、可動ローラ機構用エアシリンダ187と、フィルム搬送ベルト220と、縦シール機構230と、横シール機構240との動作を以下の様に制御する。
【0137】
コントローラ300は、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bを用いてフィルムロールFRから引き出されるシート状のフィルムFが所定速度(製袋包装機1000の運転負荷等から決定される速度)で搬送されるよう、フィルム搬送ベルト220を制御する。なお、製袋包装機1000の運転方式には、フィルムF(筒状フィルムFt)を一定速度で連続的に搬送する連続運転と、フィルムF(筒状フィルムFt)の搬送/停止を交互に繰り返す間欠運転とがある。製袋包装機1000の運転方式は、運転条件に応じて適宜選択される。
【0138】
コントローラ300は、フィルムFの搬送状態や、エンコーダ188の検知結果に基づき、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bの起動/停止や、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bによるフィルムロールFRの回転速度を制御する。つまり、コントローラ300は、フィルム繰り出し機構116を制御して、製袋包装部200における製袋包装動作時に、フィルムFの繰り出し速度を変更する。
【0139】
例えば、コントローラ300は、フィルム搬送ベルト220の運転/停止のタイミングに合わせて、フィルムFを繰り出しているフィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bを起動/停止させる。言い換えれば、コントローラ300は、製袋包装部200における製袋包装動作時に、フィルム搬送ベルト220の搬送速度に基づいて、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bによるフィルムFの繰り出し速度を変更する。
【0140】
また、コントローラ300は、エンコーダ188の検出結果に基づいて、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bによるフィルムロールFRを保持するシャフト111a,111bの回転速度を制御する。言い換えれば、コントローラ300は、製袋包装部200における製袋包装動作時に、エンコーダ188の検出結果、すなわち可動ローラ185の位置に基づいて、フィルム繰り出し機構116の保持機構用モータ114a,114bによるフィルムFの繰り出し速度を変更する。
【0141】
また、コントローラ300は、可動ローラ185が搬送中のフィルムFに一定の力を作用させるよう、可動ローラ機構用エアシリンダ187を制御する。
【0142】
また、コントローラ300は、縦シール機構230が所定のタイミングで筒状フィルムFtの縦シールを行い、横シール機構240が所定のタイミングで筒状フィルムFtの横シールを行うよう、縦シール機構230及び横シール機構240の動作を制御する。
【0143】
(3-2)フィルムロールの自動継ぎ動作
以下では、製袋包装機1000のフィルムロールFRの自動継ぎ(自動接合)に関連する動作について説明する。
【0144】
(3-2-1)交換用フィルムロールのセット動作
交換用のフィルムロールFRを保持機構110a,110bにセットする際の、オペレータの作業及び製袋包装機1000の動作について説明する。
【0145】
なお、ここでは、第1保持機構110aに第1フィルムロールFR1をセットする際のオペレータの作業及び製袋包装機1000の動作を例に説明する。第2保持機構110bに第2フィルムロールFR2をセットする時の動作については、第1保持機構110aに第1フィルムロールFR1をセットする時の動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0146】
まず、オペレータは、フィルムロールセット位置A1に配置されている第1保持機構110aの第1シャフト111aに、第1フィルムロールFR1を装着する。次に、オペレータは、第1フィルムロールFR1から第1フィルムF1を引き出し、第1フィルムF1を第1ガイド部材119の上面に沿った後、第1フィルム押さえ機構117の固定ローラ112と可動ローラ118との間を通過するように、第1フィルムF1を案内する。さらに、オペレータは、フィルムロールFRから引き出されるフィルムFの始端部の近傍をフィルム仮置部143の仮置面143aに手動で仮置きする。好ましくは、オペレータは、第1フィルムF1の末端F1Eの近傍にある第1フィルムF1の印刷面F1aに印刷されたレジマークMがフィルム仮置部143の所定位置範囲内に配置されるように、第1フィルムF1をフィルム仮置部143の仮置面143aに仮置きする。次に、オペレータは、仮押さえ機構144を操作して、フィルム仮置部143の仮置面143aに仮置きされた第1フィルムF1を仮押さえする。その後、オペレータは、フィルム供給部100の背面側に設けられたスイッチ102を操作し、コントローラ300に対し、第1フィルムF1の始端部F1Lの位置合わせを指示する。
【0147】
なお、仮にオペレータが第1保持機構110aに第1フィルムF1が適切にセットされていない状態(例えば、第1フィルムロールFR1が第1シャフト111aに装着されていない状態)でスイッチ102を押した場合には、サーボモータである第1保持機構用モータ114aのトルク等の変化により、これを検知可能である。つまり、本製袋包装機1000では、別途センサを設けることなく、第1保持機構110aに第1フィルムF1が適切にセットされていないことを検知可能である。
【0148】
コントローラ300は、第1フィルムF1の始端部F1Lの位置合わせの指示に応じて、第1シャフト111aの連結機構111a1を動作させて、第1フィルムロールFR1を第1シャフト111aに連結・固定する。また、コントローラ300は、エアシリンダ118aを駆動して、可動ローラ118を固定ローラ112(特に中央の固定ローラ112a)に押し付けて第1フィルムF1を固定ローラ112との間に挟み込み、第1フィルムF1を押さえる。この結果、第1フィルムF1の位置ずれが抑制される。なお、可動ローラ118が第1フィルムF1を押さえている状態でも、第1保持機構用モータ114aによる第1フィルムF1の搬送は可能である。次に、コントローラ300は、フィルム繰り出し機構116の第1保持機構用モータ114aを回転させ、右側面視において第1シャフト111aを反時計回りに回転させる。その結果、第1フィルムF1は、第1フィルムロールFR1に巻き取られ、第1フィルムF1の末端F1Eが始端部位置調整用センサ142側に搬送される。コントローラ300は、始端部位置調整用センサ142が搬送される第1フィルムF1に付されたレジマークM(第1フィルムF1の末端F1Eの近傍に存在する第1フィルムF1の印刷面F1aに印刷されたレジマークM)を検出すると、第1保持機構用モータ114aによる第1フィルムF1の搬送を停止する。この状態で、第1フィルムF1の始端部F1Lは、正規位置に配置されている。なお、第1フィルムF1の始端部F1Lが正規位置に位置調整された後の第1フィルムF1の位置ずれは、第1フィルムF1が可動ローラ118に押さえられていることで抑制される。以上まとめると、コントローラ300は、第1フィルムF1の始端部F1L近傍がフィルム仮置部143に仮置きされた後に、第1保持機構用モータ114aにより第1フィルムロールFR1を回転させてことで、第1フィルムF1を所定の搬送経路に沿って搬送する。コントローラ300は、始端部位置調整用センサ142が正規位置に第1フィルムF1の始端部F1Lが位置していることを検出するまで、第1フィルムF1を所定の搬送経路に沿って搬送する。
【0149】
以上で、コントローラ300は、第1フィルムF1の始端部F1Lの位置合わせを終了する。
【0150】
次に、移動機構139は、接合機構162により、第1保持機構110aのシャフト111aに装着された第1フィルムロールFR1の第1フィルムF1の始端部F1Lが、第2保持機構110bのシャフト111bに装着された第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2の終端部F2Tに接続される前に、第1保持機構110aを、フィルムロールセット位置A1からフィルムロール待機位置A3へと移動させる。フィルムロール待機位置A3は、フレーム用シャフト130周りにフィルムロールセット位置A1から所定角度だけ回転した位置である。言い換えれば、コントローラ300は、第1フィルムF1の始端部F1Lが接合機構162による接合箇所に配置されるよう、移動機構139を制御して(フレーム回転用モータ138を制御して)、保持機構支持フレーム120を所定角度回転させ、第1保持機構110aを、フィルムロールセット位置A1からフィルムロール待機位置A3へと移動させる。フィルムロール待機位置A3へと移動させられた第1保持機構110aは、第2保持機構110bの第2フィルムロールFR2の第2フィルムF2の終端が検知されるまで、特に何も動作せず、その場で待機する。
【0151】
なお、移動機構139により第1保持機構110aがフィルムロールセット位置A1からフィルムロール待機位置A3へと移動させる際に、第2保持機構110bはフィルム供給位置A2からフィルム供給位置A4へと移動する。コントローラ300は、第2保持機構110bのフィルム供給位置A4への移動を原因とした第2フィルムF2の弛みやフィルムF2に作用する張力が適正値から外れる等の不具合を、エンコーダ188により検知される可動ローラ185の位置の変化等により検知し、検知結果に基づいて、検知した不具合を解消するようにフィルム繰り出し機構116の第2保持機構用モータ114b等を制御する。
【0152】
なお、コントローラ300は、第1保持機構110aを、フィルムロールセット位置A1からフィルムロール待機位置A3へと移動させる際に、末端位置調整用エア電磁弁146aを制御して、末端位置調整用エアノズル146から第1フィルムF1の始端部F1L側の末端F1E近傍に空気を吹き付けて、第1フィルムF1の末端F1E近傍の位置調整を行うことが好ましい。第1フィルムF1の末端F1E近傍の位置調整の態様については前述のとおりである。
【0153】
また、フィルム繰り出し機構116は、移動機構139が、第1保持機構110aがフレーム用シャフト130周りにフィルムロールセット位置A1から所定角度だけ回転させられてフィルムロール待機位置A3へと移動させられる時に、第1保持機構110aの回転方向と同方向に、第1保持機構110aの第1シャフト111aを所定角度に応じた角度(例えば所定角度と同じ角度)だけ回転させる。このような制御が行われることで、第1シャフト111aとフレーム用シャフト130の第2層軸134とが第2伝達機構115bのベルト115b1を介して接続されていることを原因として、第1保持機構110aの回転時に生じる、第1フィルムF1の弛み等を抑制することができる。このような第1フィルムF1の弛みが抑制されることで、例えば、第1フィルムF1の始端部F1Lの位置のずれ等の不具合の発生を抑制することができる。
【0154】
(3-2-2)使用済みフィルムロールのフィルムの終端部と交換用フィルムロールの始端部との自動継ぎに関する動作
フィルムロールFRの自動継ぎに関する製袋包装機1000の動作について説明する。なお、ここでは、第2フィルムロールFR2が使用済フィルムロール(製袋包装に使用してきたフィルムロール)で、第1フィルムロールFR1が交換用フィルムロールである場合を例に説明を行う。なお、第1フィルムロールFR1が使用済フィルムロールであり第2フィルムロールFR2が交換用フィルムロールである場合も、第2フィルムロールFR2が使用済フィルムロールであり第1フィルムロールFR1が交換用フィルムロールである場合も、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFが交換用のフィルムロールFRのフィルムFと接合される際の動作は同様である。そこで、ここでは、明細書の簡素化のため、第1フィルムロールFR1が使用済フィルムロールであり第2フィルムロールFR2が交換用フィルムロールである場合についての説明は省略する。
【0155】
フィルムロールFRの自動継ぎは、使用中のフィルムロールFRの終端の検知をトリガーとして行われる。
【0156】
コントローラ300は、例えば、エンコーダ188の検出結果に基づいて第2フィルムロールFR2の終端を検知する。コントローラ300は、エンコーダ188の検出する可動ローラ185の位置に関する物理量、具体的には、可動ローラ185の固定されたアーム186が連結されたシャフト184aの回転角度に基づき、第2フィルムロールFR2の終端を検出する。
【0157】
製袋包装機1000の通常運転中、可動ローラ185の位置は、所定の位置(所定の領域)に制御されている。しかし、フィルムロールFRの終端では、フィルムロールFRからフィルムFをそれ以上引き出すことができないため、コントローラ300が製袋包装機1000の各部の動作を制御したとしても、可動ローラ185はフィルムFに持ち上げられて上方へと所定の領域を超えて移動する。そこで、コントローラ300は、エンコーダ188の検出するシャフト184aの回転角度が所定の閾値を超えているか(アーム186が、通常の運転中には取り得ない位置まで回転しているか)否かを判定する。そして、コントローラ300は、シャフト184aの回転角度が所定の閾値を超えている場合に、フィルムロールFRの終端を検知する。
【0158】
なお、本実施形態では、エンコーダ188をセンサとして用いてフィルムロールFRの終端が検知されるが、このような態様に限定されるものではない。例えば、他の形態では、フィルム供給位置A2,A4の近傍に配置された光電センサ190(図2参照)が、フィルムFに付されたフィルムロールFRの終端を表すエンドマーク(図示せず)を検知することでフィルムロールFRの終端を検知してもよい(図4では光電センサ190を省略)。また、例えば、フィルム供給位置A2,A4の近傍に配置された図示しないカメラやセンサを用いてフィルムFを検知することでフィルムロールFRの終端を検知してもよい。
【0159】
コントローラ300は、エンコーダ188や光電センサ190等のセンサがフィルムロールFRの終端を検知した時、フィルム搬送ベルト220、縦シール機構230及び横シール機構240の動作を停止する。また、コントローラ300は、エンコーダ188や光電センサ190等のセンサがフィルムロールFRの終端を検知した時、フィルム繰り出し機構116の第2保持機構用モータ114bの動作を停止する。
【0160】
また、コントローラ300は、エンコーダ188や光電センサ190等のセンサがフィルムロールFRの終端を検知した時、ピンチローラ用エアシリンダ168aを駆動して、ピンチローラ168を、第1保持機構110aの固定ローラ112の1つ(固定ローラ112b)に向かって押し付け、第2フィルムF2をピンチローラ168と固定ローラ112bとの間で挟持する。さらに、コントローラ300は、ピンチローラ駆動機構168bを右側面視において図9のように時計回りに駆動して、第2フィルムF2の第1方向D1(通常運転時のフィルムFの搬送方向とは逆方向)への搬送を開始する。第1保持機構110aの固定ローラ112のうち、図9に描画した状態で、最下方かつ最前方に配置される固定ローラ112cは、ピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送時のガイドとして利用される。
【0161】
この時、コントローラ300は、終端部位置調整用第1センサ152が第2フィルムF2の印刷面F2aに印刷されたレジマークMを検知するまで、第1方向D1に、搬送速度V1で第2フィルムF2を搬送するようにピンチローラ駆動機構168bを制御する。終端部位置調整用第1センサ152がレジマークMを検知した後、コントローラ300は、第1方向D1に、搬送速度V2で第2フィルムF2を搬送する。そして、終端部位置調整用第2センサ154がレジマークMを検出すると、コントローラ300は、第2フィルムF2の終端部F2Tが接合機構162により接合が行われるフィルム接合位置に到達したと判断する。そして、コントローラ300は、ピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送を停止させるため、ピンチローラ駆動機構168bを停止させる制御を行う。なお、上記の搬送速度V1と搬送速度V2との間には、搬送速度V1>搬送速度V2という関係がある。例えば、限定するものではないが、搬送速度V1は、搬送速度V2の2倍以上の速度である。つまり、本実施形態では、コントローラ300は、終端部位置調整用第1センサ152がレジマークMを検出する前のピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送速度V1が、終端部位置調整用第1センサ152によるレジマークMの検出後のピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送速度V2よりも速くなるように、ピンチローラ168(より具体的にはピンチローラ駆動機構168b)を制御する。
【0162】
終端部位置調整用第2センサ154が第2フィルムF2の印刷面F2aに印刷されたレジマークMを検知し、これに基づいてピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送が停止させられた時、第2フィルムF2の終端部F2Tは、接合機構162による接合位置に移動させられている。この状態で、コントローラ300は、第2フィルムF2の終端部F2Tの位置ずれを抑制するため、第1クランプ駆動機構163a及び第2クランプ駆動機構164aを駆動し、第1クランプ163及び第2クランプ164で第2フィルムF2を押さえる。また、コントローラ300は、接合機構162を制御して、第2フィルムF2の終端部F2Tと、第1フィルムF1の始端部F1Lとを接合する。例えば、コントローラ300は、第1クランプ駆動機構163a及び第2クランプ駆動機構164aの駆動と、接合機構162による第2フィルムF2の終端部F2Tと第1フィルムF1の始端部F1Lとの接合とを、概ね同一のタイミングで実行する。次に、コントローラ300は、不要な第1フィルムF1及び第2フィルムF2を通常運転に用いるフィルムFから切り離すため、ナイフ駆動機構166aを駆動して、ナイフ166でフィルムFを切断する。
【0163】
次に、通常運転に備えて、コントローラ300は、第2クランプ駆動機構164aを制御して、第2クランプ164による第2フィルムF2の押さえを解除する。また、コントローラ300は、冷却用エア電磁弁161aを制御して、空気吹出口161から第1フィルムF1と第2フィルムF2との接合箇所に空気を吹き付ける。さらに、コントローラ300は、第1クランプ駆動機構163aを制御して、第1クランプ163によるフィルムFの押さえを解除する。また、コントローラ300は、ピンチローラ用エアシリンダ168aを制御して、ピンチローラ168が固定ローラ112bから離れるように制御して、ピンチローラ168によるフィルムFの押さえを解除する。
【0164】
その後、コントローラ300は、フィルムロール待機位置A3に位置している第1保持機構110aを移動機構139によりフィルム供給位置A2に移動させつつ、フィルム搬送ベルト220、縦シール機構230及び横シール機構240を動作させて、通常運転に復帰する。なお、第1保持機構110aがフィルム供給位置A2へと移動させられると、第2保持機構110bはフィルムロールセット位置A1へと移動する。そして、第2保持機構110bには新たな(交換用の)第2フィルムロールFR2がセットされればよい。
【0165】
(4)特徴
(4-1)
実施形態の製袋包装機1000は、製袋包装部200と、フィルム供給部100と、を備える。製袋包装部200は、シート状のフィルムFを筒状に成形し、筒状に成形されたフィルムFtをシールして袋状に成形する。フィルム供給部100は、シート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールFRを保持し、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFを製袋包装部200に供給する。フィルム供給部100が保持するフィルムロールFRには、第1フィルムの一例としての第2フィルムF2が巻き回された第2フィルムロールFR2と、第2フィルムの一例としての第1フィルムF1が巻き回された第1フィルムロールFR1と、を少なくとも含む。
【0166】
フィルム供給部100は、第1フィルムロール保持部の一例としての第2保持機構110bと、第2フィルムロール保持部の一例としての第1保持機構110aと、接合機構162と、搬送速度可変のフィルム搬送機構の一例としてのピンチローラ168と、第1センサの一例としての終端部位置調整用第1センサ152と、第2センサの一例としての終端部位置調整用第2センサ154と、ピンチローラ168の動作を制御する制御部の一例としてのコントローラ300と、を備える。第2保持機構110bは、第2フィルムロールFR2を保持する。第1保持機構110aは、第1フィルムロールFR1を保持する。接合機構162は、第2フィルムF2の終端部F2Tと第1フィルムF1の始端部F1Lとを接合する。ピンチローラ168は、第2フィルムF2の終端部F2Tが、接合機構162により第1フィルムF1の始端部F1Lとの接合が行われるフィルム接合位置に向かうように、第2フィルムF2を第1方向D1に搬送する。終端部位置調整用第1センサ152は、第2フィルムF2に付された位置調整用のマーク(レジマークM)を検出する。終端部位置調整用第2センサ154は、第1方向D1において終端部位置調整用第1センサ152よりも下流側で、第2フィルムF2のレジマークMを検出する。コントローラ300は、終端部位置調整用第2センサ154によるレジマークMの検出に基づいて、第2フィルムF2の終端部F2Tがフィルム接合位置に到達したと判断し、ピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送を停止する。コントローラ300は、終端部位置調整用第1センサ152によるレジマークMの検出前のピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送速度V1が、終端部位置調整用第1センサ152によるレジマークMの検出後のピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送速度V2よりも速くなるように、ピンチローラ168を制御する。
【0167】
本実施形態の製袋包装機1000では、終端部位置調整用第1センサ152及び終端部位置調整用第2センサ154のうち、フィルム搬送方向における上流側に配置される終端部位置調整用第1センサ152が第2フィルムF2の位置調整用のレジマークMを検出するまでは比較的高速で第2フィルムF2が搬送され、終端部位置調整用第1センサ152がレジマークMを検出すると第2フィルムF2が比較的低速で搬送される。そのため、本製袋包装機1000では、第2フィルムF2と第1フィルムF1との接合の際の両フィルムの位置合わせのための第2フィルムF2の位置調整を、迅速かつ高精度に実施することができる。
【0168】
(4-2)
本実施形態の製袋包装機1000では、ピンチローラ168による第2フィルムF2の搬送経路に沿って見た時に、終端部位置調整用第1センサ152がレジマークMを検出する位置と終端部位置調整用第2センサ154がレジマークMを検出する位置との距離は、10mm以上90mm以内である。
【0169】
ここでは、終端部位置調整用第1センサ152の検出位置と終端部位置調整用第2センサ154の検出位置との距離が90mm以内と短いため、第2フィルムF2が比較的高速で搬送される時間を比較的長く確保可能で、第2フィルムF2の位置調整を迅速に実施することができる。一方で、終端部位置調整用第1センサ152の検出位置と終端部位置調整用第2センサ154の検出位置との距離が10mm以上確保されているため、第1フィルムF1の始端部F1Lに接合される第2フィルムF2の終端部F2Tの位置調整を高精度に行うことも可能である。
【0170】
(4-3)
本実施形態の製袋包装機1000は、第2フィルムロールFR2の終端を検出する第3センサの一例としてのエンコーダ188や光電センサ190等を備える。コントローラ300は、第3センサが第2フィルムロールFR2の終端を検出した時に、第2フィルムF2の第1方向D1への搬送が開始されるようピンチローラ168を制御する。
【0171】
ここでは、第2フィルムロールFR2の終端を自動で検出して、効率よく、第1フィルムロールFR1へのフィルムロールFRの切り替えを行うことができる。
【0172】
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0173】
(5-1)変形例A
上記実施形態では、交換用フィルムロールのフィルムの始端部の位置合わせは、製袋包装機1000により自動で行われるが、これに限定されるものではなく、交換用フィルムロールのフィルムの始端部の位置合わせは、手動で行われてもよい。
【0174】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、製袋包装機1000は、2つの保持機構110a,110bを有するが、これに限定されるものではなく、3つ以上の保持機構を有するものであってもよい。
【0175】
(5-3)変形例C
上記実施形態では、フィルム搬送機構の一例としてのピンチローラ168は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部が、接合機構162により新たな交換用のフィルムロールFRのフィルムFの始端部との接合が行われるフィルム接合位置に向かうように、第2フィルムF2を、第2フィルムロールFR2側に向かう方向(製袋包装動作時とは逆方向)に搬送する。
【0176】
ただし、これに限定されるものではなく、ピンチローラ168は、使用済みのフィルムロールFRのフィルムFの終端部が、接合機構162により新たな交換用のフィルムロールFRのフィルムFの始端部との接合が行われるフィルム接合位置に向かうように、第2フィルムF2を製袋包装部200に向かう方向(製袋包装動作時と同方向)に搬送してもよい。つまり、フィルム搬送機構としてのピンチローラ168がフィルムを搬送する第1方向は、製袋包装動作時とは逆方向に限定されるものではなく、製袋包装動作時と同方向であってもよい。なお、第1方向が製袋包装動作時と同方向である場合には、終端部位置調整用第2センサ154が第1センサとして、終端部位置調整用第1センサ152が第2センサとしてそれぞれ機能すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は、製袋包装機に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0178】
100 フィルム供給部
110a 第1保持機構(第2フィルムロール保持部)
110b 第2保持機構(第1フィルムロール保持部)
152 終端部位置調整用第1センサ(第1センサ)
154 終端部位置調整用第2センサ(第2センサ)
162 接合機構
168 ピンチローラ(フィルム搬送機構)
188 エンコーダ(第3センサ)
190 光電センサ(第3センサ)
200 製袋包装部
300 コントローラ(制御部)
F フィルム
F1 第1フィルム(第2フィルム)
F2 第2フィルム(第1フィルム)
F1L 始端部
F2T 終端部
FR フィルムロール
FR1 第1フィルムロール(第2フィルムロール)
FR2 第2フィルムロール(第1フィルムロール)
M レジマーク(マーク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0179】
【文献】特開2008-127091号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11