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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】室内物干し具
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/12 20060101AFI20230303BHJP
【FI】
D06F57/12 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020098646
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021191369
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000152572
【氏名又は名称】株式会社日中製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】相田 昇一
(72)【発明者】
【氏名】上村 慎二郎
【審査官】家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-158467(JP,A)
【文献】実開昭50-031024(JP,U)
【文献】実開平07-027349(JP,U)
【文献】実開平02-136542(JP,U)
【文献】特開昭64-017610(JP,A)
【文献】実開平03-090789(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0233163(US,A1)
【文献】特開平11-309034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁面に垂下状に設けられた左右一対の取り付け体と、
基端部が壁面に隣接し且つ先端部が壁面から離れるように前方へ延びる左右一対の横棒体と、
前記左右一対の横棒体間に架け渡され、物品を載置することを可能とする載置棒体と、
端部が前記取り付け体に係合し、且つ載置棒体が前記壁面に沿った水平状となるように、前記横棒体を上方へ引き上げる引き上げ棒体と、を有する物干し具であって、
一端側が前記横棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされ、他端側が前記引き上げ棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされた左右一対の中間リンク体が設けられ、
前記引き上げ棒体の先端部に、前記左右一対の中間リンク体間に架け渡された掛け棒体が配設され
前記横棒体の先端側と前記中間リンク体の一方側の先端側が連結され、前記引き上げ棒体の先端部が前記中間リンク体の他方側の先端側と連結されている
ことを特徴とする室内用の物干し具。
【請求項2】
室内の壁面に垂下状に設けられた左右一対の取り付け体と、
基端部が壁面に隣接し且つ先端部が壁面から離れるように前方へ延びる左右一対の横棒体と、
前記左右一対の横棒体間に架け渡され、物品を載置することを可能とする載置棒体と、
端部が前記取り付け体に係合し、且つ載置棒体が前記壁面に沿った水平状となるように、前記横棒体を上方へ押し上げる押上棒体と、を有する物干し具であって、
一端側が前記横棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされ、他端側が前記押上棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされた左右一対の中間リンク体が設けられ、
前記押上棒体の先端部に、前記左右一対の中間リンク体間に架け渡された掛け棒体が配設され
前記横棒体の先端側と前記中間リンク体の一方側の先端側が連結され、前記押上棒体の先端部が前記中間リンク体の他方側の先端側と連結されている
ことを特徴とする室内用の物干し具。
【請求項3】
長尺で下方開口の溝部を有する吊り下げレールが、壁面に水平方向に取り付けられており、
前記取り付け体の上端部に設けられた被係合部が、前記吊り下げレールの溝部に形成された係合体に係合することで、取り付け体が壁面に接するように配備される構成とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の室内用の物干し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の壁面に取り付けて使用する室内用の物干し具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内の壁に棚などを設置し、この棚を使用して、畳まれたタオル、洗濯洗剤、箱型のティッシュペーパーなど日用品等の様々な小型の載置物を整理整頓することが行われている。
加えて、室内の壁などに存在する出っ張りや窓枠などの横桟にハンガーを掛けて、洗濯物を乾かしたりすることもよく行われている。このように、室内で洗濯物を乾燥させるためにハンガーを掛けるハンガー掛け(言い換えれば、物干し具)に関する技術は、既に幾つも開発されており、例えば、特許文献1に開示される物干し具がある。
【0003】
特許文献1に開示されている物干し具は、パイプ、木材などの材料で組み合わされ、窓や戸の上から天井までの壁部の空間を利用する物干し具となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平01-25095号公報(図3など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のような室内用物干し具は、壁に止めネジを用いて固定するものとなっているため、高さが一定のものとなり、ある人にとっては丁度良い高さかもしれないが、他の人にとっては高すぎるものとなりかねない。例えば、母親にとっては丁度良い高さに物干しがあるとしても、子供にとっては高すぎる位置になり、洗濯物自体や洗濯物が吊るされたハンガーを掛けることが困難になる虞がある。
【0006】
また、前述したように、室内の壁面に棚などを設置し、この棚を使用して、畳まれたタオルなど日用品等の様々な小型の載置物を整理整頓することが行われている。このような棚が壁面に既に設置してあった場合、その横や別の場所に物干しを取り付け、ハンガーを掛ける必要が生じる事となり、設置場所に関する問題が発生する虞も否めない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、壁面に取り付けられる室内用の物干し具を提供することを目的とする。その室内用物干し具は、使用者の背の高さに対応でき、また、畳んだタオルなどの日用品を収納するスペース(載置台)も備えたものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる室内用物干し具は、室内の壁面に垂下状に設けられた左右一対の取り付け体と、基端部が壁面に隣接し且つ先端部が壁面から離れるように前方へ延びる左右一対の横棒体と、前記左右一対の横棒体間に架け渡され、物品を載置することを可能とする載置棒体と、基端部が前記取り付け体に係合し、且つ載置棒体が前記壁面に沿った水平状となるように、前記横棒体を上方へ引き上げる引き上げ棒体と、を有する物干し具であって、一端側が前記横棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされ、他端側が前記引き上げ棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされた左右一対の中間リンク体が設けられ、前記引き上げ棒体の先端部に、前記左右一対の中間リンク体間に架け渡された掛け棒体が配設され、前記横棒体の先端側と前記中間リンク体の一方側の先端側が連結され、前記引き上げ棒体の先端部が前記中間リンク体の他方側の先端側と連結されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる室内用物干し具は、室内の壁面に垂下状に設けられた左右一対の取り付け体と、基端部が壁面に隣接し且つ先端部が壁面から離れるように前方へ延びる左右一対の横棒体と、前記左右一対の横棒体間に架け渡され、物品を載置することを可能とする載置棒体と、基端部が前記取り付け体に係合し、且つ載置棒体が前記壁面に沿った水平状となるように、前記横棒体を上方へ押し上げる押上棒体と、を有する物干し具であって、一端側が前記横棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされ、他端側が前記押上棒体の先端部と前記壁面に沿った水平方向軸心周りに回動可能とされた左右一対の中間リンク体が設けられ、前記押上棒体の先端部に、前記左右一対の中間リンク体間に架け渡された掛け棒体が配設され、前記横棒体の先端側と前記中間リンク体の一方側の先端側が連結され、前記押上棒体の先端部が前記中間リンク体の他方側の先端側と連結されていることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、長尺で下方開口の溝部を有する吊り下げレールが、壁面に水平方向に取り付けられており、前記取り付け体の上端部に設けられた被係合部が、前記吊り下げレールの溝部に形成された係合体に係合することで、取り付け体が壁面に接するように配備さ
れる構成とされているとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の室内用物干し具によれば、使用者の背の高さに対応でき、また、タオルなどの日用品を容易に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の室内用の物干し具の斜視図である(下向き設置)。
図2】本発明の室内用の物干し具の側面図である(下向き設置)。
図3】本発明の室内用の物干し具の斜視図である(上向き設置)。
図4】本発明の室内用の物干し具の側面図である(上向き設置)。
図5】本発明の室内用の物干し具の斜視図である(垂下設置)。
図6】本発明の室内用の物干し具の側面図である(垂下設置)。
図7】(a)は収納状態とされた本発明の室内用の物干し具の側面図であり、(b)は本発明の室内用の物干し具の側面図である(上向き設置へと組み立てる状況)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明にかかる室内用物干し具の第1実施形態を、図1図2を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
【0013】
図1図2に示す如く、本発明にかかる室内用物干し具1は、様々なもの(例えば、乾燥後の折りたたんだタオルT、箱状のティッシュなど)を載せることができる載置台2を有し、さらには、濡れた洗濯物が掛けられたハンガーHを吊るすことのできるハンガー棒体3(掛け棒体)を有するものである。
図2に示す如く、本実施形態の室内用の物干し具1は、室内の壁面Wに設置されるものであるため、物干し具1自体を壁面Wに設置するための取り付け体4を有する。
【0014】
取り付け体4は、上下方向に細長い平板から構成されていて、壁面Wに沿って左右に一対設けられる。この取り付け体4は、例えば、壁面Wなどに固定されるようになっていたり、吊り下げレール20に吊り下げられるものとなっている。なお、取り付け体4が吊り下げレール20に吊り下げられる実施形態の詳細は、第4実施形態でまとめて述べる。
左右一対にある取り付け体4の水平方向の間隔は、物干し具1の横幅より幅狭なものとなっている。また、取り付け体4は、上下方向を向くように壁面Wに取り付けられるため、その裏面は、壁面Wに面接するように平坦なものとなっている。取り付け体4の表面に関しては、上下方向の上部と下部のそれぞれにU字係合部材6が形成されている。
【0015】
この係合部材は、図2に示されているように、側面視でU字型であり、上方が開口された形状(所謂、フック型)を有している。取り付け体4の上部に形成されたU字係合部材6の開口径は、後述する載置棒体7が嵌合可能なものとなっており、取り付け体4の下側に形成されたU字係合部材6の開口径は、後述する支持棒体8が嵌まり込み可能な直径となっている。
【0016】
図1図2に示すように、本実施形態の室内用の物干し具1は、折りたたんだタオルTなどを載置することのできる載置台2を備えている。
載置台2は、壁面Wに対して直角な方向を向くように前方側(壁面Wから離れる側)に延びる左右一対の横棒体9を有している。詳しくは、横棒体9は、基端部が壁面Wに隣接しており、その先端部が壁面Wから離れるように前方へ延びている。横棒体9はその長さが約20cm程度のリンク体である。
【0017】
この左右一対の横棒体9の間には、載置棒体7が壁面W方向に沿うように複数本架け渡されている。本実施形態の場合は、4本の載置棒体7が架け渡されている。載置棒体7の長さは、約60cm程度である。横棒体9と載置棒体7により載置台2が形成されている。
横棒体9の基端側(壁面Wに最も近い側)に架け渡された載置棒体7の左右両端が、取り付け体4のU字係合部材6の上から嵌まり込むようになる。
【0018】
横棒体9の先端側(壁面Wに最も遠い側)においては、長さが約5cmの中間リンク体10が設けられ、中間リンク体10の一方側と横棒体9の先端側とが、横棒体9の最先端に設けられた載置棒体7により、壁面W方向に沿った水平軸心周りに回動自在に取り付けられている。
中間リンク体10の他方側(先端側)と引き上げ棒体11の先端部とは、横棒体9の最先端に設けられた水平方向を向く掛け棒体(ハンガー棒体3)により、壁方向に沿った水平軸心周りに回動自在に取り付けられている。引き上げ棒体11は長さが約30cmほどであり、その基端部は、左右方向に延びる支持棒体8により、左右一対の引き上げ棒体11の基端部同士が連結されるものとなっている。
【0019】
載置台2を構成する一番奥側の載置棒体7を、取り付け体4の下部にあるU字係合体に嵌め込んだ上で、この引き上げ棒体11により横棒体9を上方へ引き上げ、載置棒体7が床面に対して並行とな位置へ持ってくると、丁度その位置に、取り付け体4の上部に設けられたU字係合部材6が存在し、そのU字係合部の上部開口から、支持棒体8を当該U字係合部に嵌め入れると、載置台2は平行状態となり、載置台2の位置より、やや下側にハンガー棒体3が位置する室内用の物干し具1が形成されることとなる。
【0020】
中間リンク体10が存在するため、ハンガー棒体3は載置台2よりやや高い場所に位置することに、載置台2上に乾燥後の畳んだタオルTや箱状のティッシュなどが置かれていたとしても、ハンガー棒体3が障壁となり、それらタオルTが落下したりすることが可及的に防止される。このように、使い勝手のよい物干し具1となる。また、この実施形態での物干し具1においては、載置台2は、比較的低い位置に設置されることになるため、女性など背の低い人が使用するには好適なものとなる。
【0021】
なお、上記した取り付け体4、横棒体9、載置棒体7、中間リンク体10、引き上げ棒体11、支持棒体8は、アルミ材で構成することが好ましいが、他の材料、例えばプラスチックや木材で構成しても何ら問題はない。
[第2実施形態]
次に、本発明にかかる室内用物干し具の第2実施形態を、図3図4を参照して説明する。第2実施形態が第1実施形態と大きく異なるのは、第1実施形態における物干し具1本体(取り付け体4以外)を「上下方向に反転して設置」する点にある。
【0022】
図3図4に示す如く、本発明にかかる室内用物干し具1は、第1実施形態と同様に載置台2を有し、さらには、濡れた洗濯物が掛けられたハンガーHを吊るすことのできるハンガー棒体3を有する。
図3図4に示す如く、本実施形態の室内用の物干し具1は、室内の壁に設置されるものであるため、物干し具1自体を壁面Wに設置するための取り付け体4を有する。
【0023】
取り付け体4は、上下方向に細長い平板から構成されていて、壁面Wに沿って左右に一対設けられる。左右一対にある取り付け体4の水平方向の間隔は、物干し具1の横幅より幅狭なものとなっている。また、取り付け体4は、上下方向を向くように壁面Wに取り付けられるため、その裏面は、壁面Wに面接するように平坦なものとなっている。取り付け体4の表面に関しては、上下方向の上部と下部のそれぞれにU字係合部材6が形成されている。これらの構成は第1実施形態と同様である。
【0024】
図1図2に示すように、本実施形態の室内用の物干し具1は、折りたたんだタオルTなどを載置することのできる載置台2を備えている。
載置台2は、壁面Wに対して直角な方向を向くように前方側(壁面Wから離れる側)に延びる左右一対の横棒体9を有している。詳しくは、横棒体9は、基端部が壁面Wに隣接しており、その先端部が壁面Wから離れるように前方へ延びている。横棒体9はその長さが約20cm程度のリンク体である。
【0025】
この左右一対の横棒体9の間には、載置棒体7が壁面W方向に沿うように複数本架け渡されている。本実施形態の場合は、4本の載置棒体7が架け渡されている。載置棒体7の長さは、約60cm程度である。横棒体9と載置棒体7により載置台2が形成されている。
横棒体9の基端側(壁面Wに最も近い側)に架け渡された載置棒体7の左右両端が、取り付け体4のU型係合部材の上から嵌まり込むようになる。
【0026】
横棒体9の先端側(壁面Wに最も遠い側)においては、長さが約5cmの中間リンク体10が設けられ、中間リンク体10の一方側と横棒体9の先端側とが、横棒体9の最先端に設けられた載置棒体7により、壁面W方向に沿った水平軸心周りに回動自在に取り付けられている。
中間リンク体10の他方側(先端側)と押上棒体12の先端部とは、横棒体9の最先端に設けられた水平方向を向く掛け棒体(ハンガー棒体3)により、壁方向に沿った水平軸心周りに回動自在に取り付けられている。押上棒体12は長さが約30cmほどであり、その基端部は、左右方向に延びる支持棒体8により、左右一対の引き上げ棒体11の基端部同士が連結されるものとなっている。
【0027】
図7(b)に示す如く、載置台2を構成する一番奥側の載置棒体7を、取り付け体4の上部にあるU字係合体に嵌め込んだ上で、押上棒体12により横棒体9を上方へ押し上げ、載置棒体7が床面に対して並行とな位置へ持ってくると、丁度その位置に、取り付け体4の下部に設けられたU字係合部材6が存在し、そのU字係合部の上部開口から、支持棒体8を当該U字係合部に嵌め入れると、載置台2は平行状態となり、載置台2の位置より、やや下側にハンガー棒体3が位置する室内用の物干し具1が形成されることとなる。
【0028】
中間リンクが存在するため、ハンガー棒体3は載置台2よりやや低い場所に位置することになり、載置台2上に乾燥後の畳んだタオルTやティッシュ箱などが置かれていたとしても、ハンガーH自体を引っ掛けることに支障はなく、非常に扱いやすい物干し具1となる。また、この実施形態での物干し具1においては、載置台2は、比較的高い位置に設置されることになるため、男性など背の高い人が使用するには好適なものとなる。
【0029】
なお、上記した取り付け体4、横棒体9、載置棒体7、中間リンク体10、押上棒体12、支持棒体8は、アルミ材で構成することが好ましいが、他の材料、例えばプラスチックや木材で構成しても何ら問題はない。
[第3実施形態]
図5図6には、本発明にかかる室内用の物干し具1の第3実施形態が示されている。
【0030】
第3実施形態における物干し具は、床面方向に向けて垂れ下がるようにして用いられるものである。
具体的には、横棒体9の基端側(壁面Wに最も近い側)に架け渡された載置棒体7の左右両端を、取り付け体4の上部に設けられたU型係合部材に嵌め込み、それ以外の部材は壁面Wに沿って垂れ下がるように配備する。これにより、載置台2は使用できなくはなるが、載置台2を構成する載置棒体7やハンガー棒体3の全てにハンガーHをかけることができ、多くの衣類をハンガーHを介して吊り下げることができる。この際、図5に示すように、S字状フック13を用いることで、ハンガーH体を容易に載置棒体7やハンガー棒体3に引っ掛けることが可能となる。
[第4実施形態]
図1図6における室内用物干し具1の取り付け体4は、実際には壁面Wに固定(例えば、ネジ止め)されていない。取り付け体4の上端部がフック状になっており、壁面Wに別途固定された吊り下げレール20に吊り下がるものとなっている。
【0031】
この使用態様を、本発明の室内用物干し具1は採用することが好ましい。
具体的には、まず、図1図6に示す如く、吊り下げレール20は、壁面Wに水平方向に取り付けられた長尺な部材であって、下面に開口された溝部21が形成されている。溝部21は吊り下げレール20の長手方向に沿って連続して形成されている。この溝部21の形状の詳細は後述するが、この溝部21に取り付け体4の上縁が取り付けられる。
【0032】
具体的には、例えば、図2に示す如く、吊り下げラック1は、長手方向に中空であり、下部が下方に向けて開放状であり前述の溝部21となっている。この溝部21の前側(吊り下げレール20を形成する前板の下端)は、壁面W側に向かってL字形状に屈曲され、屈曲部22が形成されている。
一方、取り付け体4の上縁は、吊り下げレール20の溝部21から当該溝部21の内部に侵入可能とされており、且つ取り付け体4の上縁には、前方へ向けて鍵状に突出する鍵片14を有している。この鍵片14が吊り下げレール20の屈曲部22に係合することで、物干し具1が吊り下げラックに引っかかり、ひいては、壁面Wに揺動することなく取り付けられるものとなる。
【0033】
このような構造のため、物干し具1は、吊り下げレール20に沿って、壁面W上を左右に移動できることになり、者星具を使用したい位置に容易に持ってゆくことが可能となる。なお、取り付け体4を吊り下げレール20に取り付ける方法としては、吊り下げレール20の左右に存在する端部開口から取り付け体4の上縁部を摺動させつつ差し入れてもよいし、吊り下げレール20の溝部21から取り付け体4の上縁を斜めに差し入れ、壁面W側へ押すようにして、吊り下げレール20の内部空間へ取り付け体4の上縁を差し込むことも可能である。
【0034】
好ましくは、この吊り下げレール20は、アルミ材や樹脂で形成されるとよい。吊り下げレール20の左右両端部は開放状となっているため、キャップ体24を差し入れて閉蓋することも可能である。こうすることにより、見栄えが良くなるばかりか、取り付け体4が左右方向に大きく移動して吊り下げレール20から外れ、ひいては物干し具1が落下するなどの不都合を可及的に防ぐことが可能となる。キャップ体24は、例えば、シリコン樹脂やゴムなど軟質の材料で形成されているとよい。
【0035】
なお、図7(a)は、本発明の物干し具1を使用しない状態を示したものであるが、載置台2と引き上げ棒体11と中間リンク体10が積み重なるように折りたたむことができ、物干し棚を使用しない場合、外してコンパクトに片付けができるようになる。
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
【0036】
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
例えば、実施の形態において示した「本発明の物干し具1」の各部位の寸法は、あくまでも例示であり、他の寸法であっても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0037】
1 室内用物干し具
2 載置台
3 ハンガー棒体
4 取り付け体
6 U字係合部材
7 載置棒体
8 支持棒体
9 横棒体
10 中間リンク体
11 引き上げ棒体
12 押上棒体
13 S字状フック
14 鍵片
20 吊り下げレール
21 溝部
22 屈曲部
24 キャップ体
H ハンガー
T タオル
W 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7