(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20230303BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230303BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20230303BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20230303BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20230303BHJP
B62D 1/06 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/09 F
G01C21/34
G08G1/09 V
G08G1/14 A
B60W40/02
B62D1/06
(21)【出願番号】P 2020568550
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2020093825
(87)【国際公開番号】W WO2020233726
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】201910549396.8
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】孟 濬
(72)【発明者】
【氏名】王 少▲帥▼
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-176324(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109741617(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-25/00
G08G 1/00-99/00
B62D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システムであって、
車両情報収集及び識別モジュール、マルチセンサ測位モジュール、建物情報モデルモジュール、分類処理モジュール、経路計画及びナビゲーションモジュール、駐車スペース状態判断モジュール、デュアルマスフライホイールによるステアリング装置及び機械式動力装置を備え、
前記車両情報収集及び識別モジュールは、駐車場に取り付けられる
複数のカメラと、車両ルーフに取り付けられる二次元コードとを備え、車両情報収集及び識別モジュールによって車両の情報を取得し、各車両に唯一のIDを割り当て、
前記マルチセンサ測位モジュールは、車両情報収集及び識別モジュールによって収集された車両情報を受信して、車両位置を測位し、
前記建物情報モデルモジュールは、駐車場の建物情報に対して空間モデルを構築して、GIS電子地図を生成し、且つ駐車場における駐車スペース及び車両位置を電子地図に表記することに用いられ、
前記駐車スペース状態判断モジュールは、駐車スペースに車があるかどうかを判断して、駐車スペース状態情報を取得することに用いられ、
前記経路計画及びナビゲーションモジュールは、場所内の車両分布及び駐車スペース状態情報に基づき、最適な経路を計画し、車両が駐車スペースに入るようにナビゲーションすることに用いられ、
前記デュアルマスフライホイールによるステアリング装置は、ハンドルの最大直径箇所に取り付けられており、デュアルマスフライホイールにはジャイロセンサが含まれており、デュアルマスフライホイールの慣性モーメント及び2つのフライホイールにおける速度差を利用して、ハンドルを所定方向及び角度に従って回転させることができ、2つのフライホイールの高度差、並びにハンドルが位置する平面と水平面との間の角度及びハンドルの直径によってハンドルの偏向角を算出し、
前記機械式動力装置は、アクセルペダルを持ち上げたり押し下げたりすることを制御するための第1モータと、ブレーキペダルを持ち上げたり押し下げたりすることを制御するための第2モータとを備え、
前記分類処理モジュールは、収集された車両情報を手動運転車両、半自動運転車両及び全自動運転車両の3種類の情報に分け、
前記手動運転車両は、車両ルーフに二次元コードが取り付けられ、かつ
通信装置、機械式動力装置及びデュアルマスフライホイールによるステアリング装置が取り付けられており、デュアルマスフライホイールの慣性モーメント及び2つのフライホイールの協調制御を利用してハンドルを回転させることにより、手動運転車両の自動駐車を実現し、
前記半自動運転車両は、自動運転のための動力装置及び制御装置を有し、車両ルーフに二次元コードが取り付けられ
、かつ通信装置が取り付けられることで、駐車場と車両との間の位置情報及び環境情報の通信を実現し、更に車両自体の半自動運転装置を利用することで、自動駐車機能を実現できるようにし、
前記全自動運転車両は、完全な動力装置、制御装置及び環境を識別できるセンサを有し、駐車場が該種類の車両と通信を構築して、経路計画、駐車スペース状態情報、車両分布等の情報を車両に送信することで、自動駐車機能を実現できるようにすることを特徴とする環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【請求項2】
該システムは、更に、測位を支援するための
前記通信装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【請求項3】
前記マルチセンサ測位モジュールが多眼カメラであってもよく、車両上の二次元コードが複数のカメラによりキャプチャされ、マルチセンサフュージョン方法により誤差調整算出を行って車両の空間における位置の座標値を取得することができることを特徴とする請求項1に記載の環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【請求項4】
前記経路計画及びナビゲーションモジュールは、各経路上の車両密度状況を算出し、更に幅優先探索アルゴリズムと組み合わせて駐車待ち車両の最適な経路を算出し、各車両の最適な経路情報に基づいて対応する制御アルゴリズムを生成し、更に制御命令を遠隔通信によって車両のデュアルマスフライホイールによるステアリング装置及び機械式動力装置に送信し、車両をナビゲーションすることを特徴とする請求項1に記載の環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【請求項5】
該システムは、更に、車両が元の計画した経路から外れるとき、車両ルーフ上の二次元コードを識別することにより、この時点での車両の位置を測位して、この位置と正しい位置との誤差を算出し、更にPIDフィードバック制御アルゴリズムによって車両位置、姿勢の修正を行うためのフィードバック自己較正モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【請求項6】
前記機械式動力装置は、車両の移動及び停止を制御し、車速及び方向の信号をフィードバック自己較正モジュールにフィードバックすることに用いられることを特徴とする請求項1に記載の環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【請求項7】
前記デュアルマスフライホイールによるステアリング装置におけるジャイロセンサは、2つのフライホイールの高度差hを算出することができ、2つのフライホイールの高度差のハンドルの平面での投影がh’であり、ハンドルが位置する平面と水平面との間の角度がαであり、ハンドルの直径がLであり、これによりハンドルの偏向角θを算出し、その計算式は、
【数5】
【数6】
であることを特徴とする請求項1に記載の環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両自動運転技術分野に関し、特に環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
経済の継続的な発展に伴い、自動車の数が持続的に増加し、駐車場の建設も日々拡大しており、従来の駐車場の内部構造が複雑になり、多層構造の駐車場もあるため、ユーザーが車を見つけることができない場合が多くなっている。トラヒック分散が行われないため、駐車場のトラフィック量が多い場合、駐車場の内部道路が渋滞、ひいては麻痺になる場合が多い。これらの問題によりユーザーの駐車・出車に不便をもたらしてしまう。
【0003】
自動運転技術は将来のインテリジェン交通技術のコアであり、駐車場は無人自動車技術を用いることにより、上記駐車・出車が困難であるという問題を解決することができるが、現在、市場における無人自動車及び関連センサはコストが高いため、一般的なユーザーに受け入れられにくい、このため、無人自動車の普及率が依然としてより低く、且つ地下駐車場の環境が悪いため、無人自動車のレーザーレーダー等のセンサの精度が大幅に低下してしまい、車両が駐車場環境を感知できず、ひいては擦り、衝突等の事故が発生する恐れがある。
【0004】
従って、高価な費用を払わずにユーザーが迅速且つ正確に駐車・出車できる新型駐車場自動駐車システムを必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠点に対して、従来の車両がその自身のセンサで環境をセンシングするモードを、環境がアレイセンサで車両の位置を能動的にセンシングするモードに変換する環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システムを提供することにある。環境中に大量の低価のセンサがマルチセンサフュージョン技術により車両の正確な測位を実現することでき、このような方法は無人自動車のセンサのコストがより高く、精度がより低いという問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、以下の技術案により実現される。環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システムであって、車両情報収集及び識別モジュール、マルチセンサ測位モジュール、建物情報モデルモジュール、分類処理モジュール、経路計画及びナビゲーションモジュール、駐車スペース状態判断モジュール、デュアルマスフライホイールステアリング装置及び機械式動力装置を備え、
前記車両情報収集及び識別モジュールは、駐車場に取り付けられる若干のカメラと、車両ルーフに取り付けられる二次元コードとを備え、車両情報収集及び識別モジュールによって車両の情報を取得して、各車両に唯一のIDを割り当て、
前記マルチセンサ測位モジュールは、車両情報収集及び識別モジュールによって収集された車両情報を受信して、車両位置を測位し、
前記建物情報モデルモジュールは、駐車場の建物情報に対して空間モデルを構築して、GIS電子地図を生成し、且つ駐車場における駐車スペース及び車両位置を電子地図に表記することに用いられ、
前記駐車スペース状態判断モジュールは、駐車スペースに車があるかどうかを判断して、駐車スペース状態情報を取得することに用いられ、
前記経路計画及びナビゲーションモジュールは、場所内の車両分布及び駐車スペース状態情報に基づき、最適な経路を計画し、車両が駐車スペースに入るようにナビゲーションすることに用いられ、
前記デュアルマスフライホイールステアリング装置は、ハンドルの最大直径箇所に取り付けられており、デュアルマスフライホイール装置にはジャイロセンサが含まれており、デュアルマスフライホイールの慣性モーメント及び2つのフライホイールにおける速度差を利用してハンドルが所定方向及び角度に従って回転させることができ、2つのフライホイールの高度差、並びにハンドルが位置する平面と水平面との間の角度及びハンドルの直径によってハンドルの偏向角を算出し、
前記機械式動力装置は、アクセルペダルを持ち上げたり押し下げたりすることを制御するための第1モータと、ブレーキペダルを持ち上げたり押し下げたりすることを制御するための第2モータとを備え、
前記分類処理モジュールは、収集された車両情報を手動運転車両、半自動運転車両及び全自動運転車両の3種類の情報に分け、
前記手動運転車両は、車両ルーフに二次元コード、機械式動力装置及びデュアルマスフライホイールステアリング装置が取り付けられており、デュアルマスフライホイールの慣性モーメント及び2つのフライホイールの協調制御を利用してハンドルを回転させることにより、手動運転車両の自動駐車を実現し、
前記半自動運転車両は、自動運転のための動力装置及び制御装置を有し、車両ルーフに二次元コードが取り付けられることで、駐車場と車両との間の位置情報及び環境情報の通信を実現し、更に車両自体の半自動運転装置を利用することで、自動駐車機能を実現できるようにし、、
前記全自動運転車両は、完全な動力装置、制御装置及び環境を識別できるセンサを有し、駐車場が該種類の車両と通信を構築して、経路計画、駐車スペース状態情報、車両分布等の情報を車両に送信して、自動駐車機能を実現できるようにすることを特徴とする環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システム。
【0007】
更に、前記車両情報収集及び識別モジュールによって収集された車両情報は、車両の入場時間、ナンバープレート番号等の情報を含み、ナンバープレート番号に基づいて各車両に唯一のIDを割り当て、車両情報収集及び識別モジュールの若干のカメラが死角なしに駐車場内の各隅の車両情報を収集して識別する。
【0008】
更に、前記車両情報収集及び識別モジュールにおいて、更に、車両ルーフ上の二次元コードの代わりに偏光受信装置を車両の周囲に取り付けてもよい。
【0009】
更に、環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システムは、更に、測位を支援するためのWIFi、ブルートゥース及びZigBee等の通信装置を備える。
【0010】
更に、前記マルチセンサ測位モジュールが両眼カメラであってもよく、車両位置の真の座標値の計算式は、以下の式のとおりである。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
式中、fがカメラの焦点距離であり、左側カメラ及び右側カメラの座標がそれぞれ(xl,yl)、(xr,yr)であり、2つのカメラの高度値が同じであり、従って、yl=yr=ytであり、Bが2つのカメラの基線距離であり、dが左側カメラ及び右側カメラのx軸の座標差の絶対値である。
【0011】
更に、前記マルチセンサ測位モジュールが多眼カメラであってもよく、車両上の二次元コードが複数のカメラによりキャプチャされ、マルチセンサフュージョン方法により誤差調整算出を行って車両の真の座標値を取得することができる。
【0012】
更に、前記経路計画及びナビゲーションモジュールは、各経路上の車両密度状況を算出し、更に幅優先探索アルゴリズムと組み合わせて駐車待ち車両の最適な経路を算出し、各車の最適な経路情報に基づいて対応する制御アルゴリズムを生成し、更に制御命令を遠隔通信によって車両のデュアルマスフライホイールステアリング装置及び機械式動力装置に送信し、車両をナビゲーションする。
【0013】
更に、環境アクティブセンシングタイプの駐車場自動駐車システムは、更に、車両が元の計画した経路から外れるとき、車両ルーフ上の二次元コードを識別することにより、この時点での車両の位置を測位し、この位置と正しい位置との誤差を算出し、更にPIDフィードバック制御アルゴリズムによって車両位置、姿勢の修正を行うためのフィードバック自己校正モジュールを備える。
【0014】
更に、前記機械式動力装置は車両の移動及び停止を制御して、車速及び方向の信号をフィードバック自己校正モジュールにフィードバックすることに用いられる。
【0015】
更に、前記デュアルマスフライホイールステアリング装置におけるジャイロセンサは、2つのフライホイールの高度差hを算出することができ、2つのフライホイールの高度差のハンドルの平面での投影がh’であり、ハンドルが位置する平面と水平面との間の角度がαであり、ハンドルの直径がLであり、これによりハンドルの偏向角θを算出し、その計算式は、以下の式のとおりである。
【数5】
【数6】
【0016】
更に、デュアルマスフライホイールステアリング装置及び機械式動力装置が車両を制御する方式は具体的に以下のとおりである。
【0017】
左折命令を受信した場合、左右のフライホイールは逆時計回りに加速回転し始め、2つのフライホイールの回転によってハンドルが左へ回転する慣性モーメントを得るようにし、第1モータはコンロッドがアクセルペダルを押し下げるように制御し、第2モータはコンロッドがブレーキペダルを持ち上げるように制御することにより、車体が一定のコーナリング速度を維持するようにする。
【0018】
右折命令を受信した場合、左右のフライホイールは時計回りに加速回転し始め、2つのフライホイールの回転によってハンドルが右へ回転する慣性モーメントを得るようにし、第1モータはコンロッドがアクセルペダルを押し下げるように制御し、第2モータはコンロッドがブレーキペダルを持ち上げるように制御することにより、車体が一定のコーナリング速度を維持するようにする。
【0019】
直進命令を受信した場合、左右のフライホイールが一定速度で回転するように維持することにより、車の先端部分が元の姿勢を維持するようにし、第1モータはコンロッドがアクセルペダルを押し下げるように制御し、第2モータはコンロッドがブレーキペダルを持ち上げるように制御することにより、車両が一定の前進速度を得るようにする。
【0020】
ブレーキ命令を受信した場合、左右のフライホイールが一定速度で回転するように維持することにより、車の先端部分が元の姿勢を維持するようにし、第2モータはコンロッドがブレーキペダルを押し下げるように制御し、第1モータはコンロッドがアクセルペダルを持ち上げるように制御することにより、車体が停止状態まで減速するようにする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0022】
1、本発明は従来の車両が環境を識別する方法の代わりに、環境が車両情報を能動的にセンシングする方法を用いる。このような環境センシング方法を用いることにより、無人自動車のコストを大幅に削減することができ、各車にいずれもセンサを取り付ける必要がなく、環境にセンサを取り付ければ、複数の車両の測位を実現でき、再利用を実現できる。
【0023】
2、本発明はアレイセンサフュージョン技術で地下での車両の測位を実現し、従来の単一車両のセンサに比べて、測位精度を向上させる。
【0024】
3、本発明の機械式動力装置は従来の改装された無人自動車動力装置に比べて、取り付けやすく、取り外しやすいという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】デュアルマスフライホイールステアリング装置及び機械式動力装置の制御論理を示す図である。
【
図3】本発明の駐車場の動作フローチャートである。
【
図4】本発明の駐車場のカメラ配置及び測位を示す模式図である。
【
図5】本発明の駐車場の内部構造及び駐車スペースを示す模式図である。
【
図6】
図6の(a)は本発明のハンドル箇所のデュアルマスフライホイールステアリング装置の取付模式図であり、
図6の(b)は本発明の機械式動力装置の取付模式図である。
【
図8】本発明の後退して駐車スペースに入る模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明し、本発明の模式的な実施形態及びその説明は本発明を解釈するためのものであって、本発明を制限するためのものではない。
【0027】
実施例1
図1~
図6に示すように、手動運転車両C1が駐車スペースP1に駐車する場合、次のステップを順番に実行する。
1)入口では、車両に二次元コード又は偏光受信機、通信装置、機械式動力装置及びデュアルマスフライホイールステアリング装置を取り付けて、位置、ナンバープレート番号及び時間等の情報を含む駐車待ち車両の身元情報を取得し、車両にIDを割り当てる。
2)駐車スペースが空いているか否かの情報を含む駐車場における駐車スペースの状態情報を取得する。
3)現在の駐車スペース情報、車両分布情報に基づき、C1が最適な駐車スペースであることを算出し、このときの最適な経路が左折して駐車スペースに入ることである。
4)上記最適な経路に基づいて対応する制御計画を算出し、つまり、先ずにデュアルマスフライホイールステアリング装置を制御して、右ホイールの回転速度が左ホイールよりも速くなるように差動回転を行い、ハンドルを左へ回転させ、PIDアルゴリズムによって回転角度を制御し、その後、アクセルの機械式動力装置Aを起動して、車両が動力を持つようにし、PIDアルゴリズムによってアクセルを踏む力を制御し、車両を設定速度で前進する。
5)走行過程において、駐車場には2つ又は2つ以上のカメラが車体上の二次元コードをキャプチャしたが、視差補正及び測位公式によって車両の連続測位を実現できる。
6)車体の一部が駐車スペースに入って、車体が停止線に平行する場合、アクセルの機械式動力装置Aを停止し、ブレーキの機械式動力装置Bを起動して車両の速度を徐々に減速させ、更にデュアルマスフライホイールステアリング装置を制御して、左ホイールの回転速度が右ホイールよりも速くなるように差動回転を行い、ハンドルを徐々に元の位置に戻し、この2つの過程が同様にPIDフィードバック制御によって制御精度及び安定性を確保する。
7)車体が安全に駐車スペースに入る場合、この時にブレーキの機械式動力装置の制御信号が迅速に強化され、車両を直ちに現在位置に停止させ、駐車が完了し、駐車スペース状態情報がアイドルからビジーになる。
【0028】
実施例2
半自動運転車両C2を出車して、EXIT出口箇所に運転する場合、次のステップを順番に実行する。
1)車両C2のIDに基づき、通信装置によってウェイクアップ機能を実現し、更に多眼カメラによって車両の位置を測位し、具体的な測位方法は実施例1と類似し、視差及び測位公式によって車両の位置を算出でき、C2が半自動運転自動車であるため、車両自体の動力、制御装置を利用してもよい。
2)駐車場における車両分布状況及び駐車スペース状態情報に基づき、場所内の各線路上の密度を算出してGIS地図に表示させる。
3)上記情報に基づき、経路計画及びナビゲーションモジュールによって駐車待ち車両に最適な出場経路を計画し、このときの最適な経路が
図2の矢印に示される。
4)駐車場におけるサーバが車両へ左後折信号を送信し、車両が指定された位置1に到達する場合、サーバが再び前向き直進命令を送信し、車両が指定された位置2に到達する場合、サーバが前向き左折命令を送信し、車両が指定された位置3に到達する場合、サーバが直進命令を送信し、出口箇所までサーバが駐車信号を送信する。
5)上記行進過程において、駐車場におけるカメラが現在の車両を連続的に測位し、車両が計画経路から外れるかどうかを判断する。
6)車両がスムーズに出口に到達する場合、元の駐車スペース信号がビジー状態からアイドル状態になり、地図情報を更新し、このときの出場時間を記録して入場時間及び出場時間に基づいて課金する。
【0029】
実施例3
図7に示すように、車両がサイドパーキング(横パーキング)を完了する必要がある場合、車両は、図中の次のステップを順次に実行する。
Step1:前へ所定距離rを進み、車両テールと駐車スペースラインとの横距離をl、車両と駐車スペースとの縦距離をW、車両自体の幅をW
C、駐車場における駐車スペースの幅をW
Pとする。
Step2:車輪の偏向角度が最大転向角β
1であるように維持し、後へ距離S
1を移動し、このとき、車体が円心を中心として回転する角度がθ
0である。
Step3:ステアリングホイールが反方向に偏向し、角度がβ
2であり、且つ|β
2|=|β
1|であり、β
2角度を維持し、後輪が後へ運動する距離がS
2であり、車体が円心を中心として回転する角度がθ
1であり、θ
1の絶対値がθ
0に等しく、このとき、車体の運動半径が車の最小コーナリング半径R
minである。
Step4:車体が完全に駐車スペース内に駐車しており、車体が駐車スペースに平行する場合、車両を前へ適切な距離移動して駐車スペースの中間位置に停止する。
【0030】
以下の式によって車両テールと駐車スペースラインとの横距離l及び車体が円心を中心として回転する角度θ
0を算出する。
【数7】
【数8】
【数9】
式中、Rmaxが車両の最大コーナリング半径である。
【0031】
実施例4
図8に示すように、車両が後退して駐車スペース(縦パーキング)に入る操作を完了する必要がある場合、車両は、図中の次のステップを順次に実行する。
Step1:車両が駐車スペースに平行するように維持し、前へ所定距離Sを運転し、車の先端部分と駐車スペースラインとの距離がWrであって、車両後退の安全距離であり、車両と駐車スペースとの縦距離がWであり、車両自体の幅がW
Cである。
Step2:車輪の偏向角度が最大転向角β
1であるように維持し、後へ距離S
1を移動し、このとき、車体が円心を中心として回転する角度がθ’であり、車体が駐車スペースに平行する場合、ハンドルを元の位置に戻す。
Step3:車両が後へ所定距離を運動し、車体全体が駐車スペースの中間位置に入る。
【0032】
車の先端部分と駐車スペースラインとの距離W
r及び車体が円心を中心として回転する角度θ’の計算式は、以下の式のとおりである。
【数10】
【数11】
【0033】
本発明において、環境が車両を能動的にセンシングする技術的思想によって、駐車場にカメラ又は偏光源、赤外線センサ等の装置を一度取り付けれると、車両の地下での高精度測位を実現でき、各車にいずれも高価のレーザーレーダーセンサを取り付ける必要がない。探索最適化アルゴリズムによって、車両が即座に最適な駐車スペースに駐車できるように確保することができ、駐車時間を節約し、駐車場の運営効率を向上させる。
【0034】
以上に記載した具体的な実施形態は本発明の目的、技術案及び有益な効果を更に詳しく説明したが、理解されるべきのように、以上の説明は本発明の具体的な実施形態であって、本発明の保護範囲を制限するためのものではなく、本発明の趣旨や原則内に行われたいかなる修正、等価置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。