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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/1053 20230101AFI20230303BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022115443
(22)【出願日】2022-07-20
【審査請求日】2022-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518182508
【氏名又は名称】株式会社Matchbox Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-026702(JP,A)
【文献】特開2013-077300(JP,A)
【文献】国際公開第2004/057508(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0161566(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するためのプログラムであって、
前記メモリは、前記登録者の情報を記憶し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記事業者からの就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップと、
前記登録者が、前記事業者からの承認により前記就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、
前記勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている前記登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行させ、
前記就業募集情報を受け付けるステップにおいて、前記就業募集情報とともに、前記就業募集情報に関連するスキル情報を受け付け、
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記受け付けた前記就業募集情報に関連するスキル情報を、前記勤務情報に基づくスキル情報として付与する、プログラム。
【請求項2】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するためのプログラムであって、
前記メモリは、前記登録者の情報を記憶し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記事業者からの就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップと、
前記就業募集情報への応募を希望する前記登録者から、前記就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、前記事業者へ提示するステップと、
前記登録者が、前記事業者からの承認により前記就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、
前記勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている前記登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行させ、
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記勤務情報に基づくスキル情報を、前記事業者に特有の第1のスキル、及び、前記事業者に限定しない第2のスキルに分類して付与し、
前記就業募集情報に対する就業希望情報を前記事業者へ提示するステップにおいて、前記登録者に付与されているスキル情報を、前記第1のスキル、及び前記第2のスキルごとに分類して提示し、
前記提示されたスキル情報を閲覧する前記事業者の閲覧可能な範囲を、前記第1のスキル、及び前記第2のスキルそれぞれについて設定する、プログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、さらに、
前記就業募集情報への応募を希望する前記登録者から、前記就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、前記事業者へ提示するステップと、
前記事業者から、前記受け付けた前記就業希望情報に係る前記登録者の就業を承認する就業承認情報を受け付け、前記登録者へ提示するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップにおいて、前記受け付けた前記就業募集情報に関連するスキル情報を有する前記登録者のみに対して前記就業募集情報を提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記就業募集情報に対する就業希望情報を受け付けるステップにおいて、前記受け付けた前記就業募集情報に関連するスキル情報を有する前記登録者のみから前記就業希望情報を受け付ける、請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記勤務情報に基づくスキル情報を、前記第1のスキルとして、前記第2のスキルとして、または、前記事業者を含む団体に特有の第3のスキルとして、前記取得したスキル情報を付与する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記就業募集情報に対する就業希望情報を前記事業者へ提示するステップにおいて、前記登録者に付与されているスキル情報を、前記第1のスキル、前記第2のスキル、または前記第3のスキルそれぞれごとに提示する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記スキル情報を閲覧する前記事業者の閲覧可能な範囲を、前記第1のスキル、前記第2のスキル、または前記第3のスキルそれぞれについて設定する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記就業希望情報を前記事業者へ提示するステップにおいて、前記就業希望情報に係る前記登録者について、前記登録者に付与されているスキル情報から、前記就業募集情報に関連するスキル情報に基づく優先順位を決定し、前記就業希望情報に係る前記登録者の一覧を、前記優先順位に基づいて提示する、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記優先順位に基づき、前記就業希望情報に係る前記登録者を提示する態様を変化させる、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記勤務情報に応じて、前記登録者に付与されているスキル情報に関連する数値、前記登録者に付与されているスキル情報に係る就業期間のいずれかまたは両方を更新する、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項12】
制御部と、記憶部とを備え、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理する情報処理装置であって、
前記記憶部は、前記登録者の情報を記憶し、
前記制御部は、
前記事業者からの就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップと、
前記登録者が、前記事業者からの承認により前記就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、
前記勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている前記登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行し、
前記就業募集情報を受け付けるステップにおいて、前記就業募集情報とともに、前記就業募集情報に関連するスキル情報を受け付け、
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記受け付けた前記就業募集情報に関連するスキル情報を、前記勤務情報に基づくスキル情報として付与する、情報処理装置。
【請求項13】
制御部と、記憶部とを備え、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理する情報処理装置であって、
前記記憶部は、前記登録者の情報を記憶し、
前記制御部は、
前記事業者からの就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップと、
前記就業募集情報への応募を希望する前記登録者から、前記就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、前記事業者へ提示するステップと、
前記登録者が、前記事業者からの承認により前記就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、
前記勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている前記登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行し、
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記勤務情報に基づくスキル情報を、前記事業者に特有の第1のスキル、及び、前記事業者に限定しない第2のスキルに分類して付与し、
前記就業募集情報に対する就業希望情報を前記事業者へ提示するステップにおいて、前記登録者に付与されているスキル情報を、前記第1のスキル、及び前記第2のスキルごとに分類して提示し、
前記提示されたスキル情報を閲覧する前記事業者の閲覧可能な範囲を、前記第1のスキル、及び前記第2のスキルそれぞれについて設定する、情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するための方法であって、
前記メモリは、前記登録者の情報を記憶し、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記事業者からの就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップと、
前記登録者が、前記事業者からの承認により前記就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、
前記勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている前記登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行し、
前記就業募集情報を受け付けるステップにおいて、前記就業募集情報とともに、前記就業募集情報に関連するスキル情報を受け付け、
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記受け付けた前記就業募集情報に関連するスキル情報を、前記勤務情報に基づくスキル情報として付与する、方法。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するための方法であって、
前記メモリは、前記登録者の情報を記憶し、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記事業者からの就業募集情報を受け付けて前記登録者へ提示するステップと、
前記就業募集情報への応募を希望する前記登録者から、前記就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、前記事業者へ提示するステップと、
前記登録者が、前記事業者からの承認により前記就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、
前記勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている前記登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行し、
前記取得したスキル情報を付与するステップにおいて、前記勤務情報に基づくスキル情報を、前記事業者に特有の第1のスキル、及び、前記事業者に限定しない第2のスキルに分類して付与し、
前記就業募集情報に対する就業希望情報を前記事業者へ提示するステップにおいて、前記登録者に付与されているスキル情報を、前記第1のスキル、及び前記第2のスキルごとに分類して提示し、
前記提示されたスキル情報を閲覧する前記事業者の閲覧可能な範囲を、前記第1のスキル、及び前記第2のスキルそれぞれについて設定する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
事業者(雇用者)が労働者を確保する場合、当該労働者に就業してもらう業務の内容によって必要なスキルが、事業者の業種、職種や就業内容によってそれぞれ異なるため、当該業務に応じたスキルを有する労働者を確保することが重要である。そのため、労働者の過去の就業に応じたスキルを管理することが行われている。
【0003】
特許文献1には、社員のスキルを推定して管理する管理システムが開示されている。この管理システムは、社員の構造化データ(所属組織、業務、案件、顧客、資格等の属性情報)及び非構造化データ(メール、スケジュール、ドキュメント、フリーコメント等の行動履歴情報)を解析し、社員のスキルを推定して管理することにより、個々の社員のスキルを正確に把握することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-155074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような事業者のもとで就業するために必要なスキルは、実際に就業することで身につくスキルや、公的資格のように就業上必要ではあるが就業することで身につくとは限らないスキルもある。このような性質の異なるスキルを一元管理するのは容易ではない。さらに、上記のような実際に就業することで身につくスキルは、就業の頻度や時間等によっても異なり、さらに日々更新されるものでもあるため、最新の状態で管理するのは容易ではない。
【0006】
そこで、本開示では、労働者のスキルを管理することを容易にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するためのプログラムが提供される。メモリは、登録者の情報を記憶する。プログラムは、プロセッサに、事業者からの就業募集情報を受け付けて登録者へ提示するステップと、登録者が、事業者からの承認により就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、事業者に対する就業のために登録されている登録者の情報を記憶し、事業者の就業募集情報に応募して勤務した勤務情報から、スキルに関するスキル情報を取得し、登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与する。これにより、登録者のスキルを管理することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の就業登録者管理システム1の全体の構成を示す図である。
図2】実施の形態1の就業登録者管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1の就業登録者管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】実施の形態1の就業登録者管理システム1を構成するサーバ20が記憶する登録者データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5】実施の形態1の就業登録者管理システム1を構成するサーバ20が記憶する就業データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図6】実施の形態1の就業登録者管理システム1による登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1の就業登録者管理システム1による就業承認処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1の就業登録者管理システム1によるスキル情報付与処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】端末装置10に表示する就業募集を受け付ける画面例を示す図である。
図10】端末装置10に表示する就業希望者を表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<概要>
以下、本開示に係る就業登録者管理システムについて説明する。本開示に係る就業登録者管理システムは、事業者の下で就業を希望する就業希望者の情報をあらかじめ登録しておき、事業者からの就業募集(求人)があった場合に登録されている登録者からの応募を受け付けるためのシステムである。就業登録者管理システムは、例えば、事業者から就業募集情報(求人情報)を受け付けると、登録者に示して就業希望(応募)を受け付け、事業者に提示する。そして、事業者からの承認により、登録者は実際に勤務する。就業登録者管理システムは、このような構成により、円滑な求人募集及び就業者の確保を可能にするためのシステムである。この就業登録者管理システムは、例えば、短期(単発)の就業を想定した小売店等におけるアルバイトやパートタイマー等の労働者が就業する労働時間、いわゆるシフトの求人情報を提供するものとして説明するが、正規雇用のような長期の雇用を想定したものであってもよい。また、シフトの希望を受け付け、事業者が調整するシステムであってもよい。本開示に係る就業登録者管理システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、事業者に対する就業のために登録されている登録者、または事業者であるユーザが、所定の認証によりアクセス可能に構成されている。
【0012】
本開示に係る就業登録者管理システムを利用するユーザは、就業希望者を受け付ける小売店等の事業者だけではなく、事業者を含む団体であってもよい。ここで、事業者とは、例えば企業、小売店や飲食店のような店舗の経営者や、小売店や飲食店のような店舗を運営する企業の従業員として店舗を運営する者であり、フランチャイズチェーンビジネスを行う店舗のオーナー事業者でもよい。また、団体とは、1または複数の小売店や飲食店のような店舗を運営する企業や、小売店や飲食店のような店舗に対して人材を提供するサービスを提供する者であり、フランチャイズチェーンビジネスを行う企業でもよい。なお、団体は、1または複数の種類の(業態が異なる)小売店や飲食店のような店舗を運営する企業であってもよい。以下、総称して事業者として説明する。
【0013】
上記のように労働者を採用する事業者(雇用者)にとって、所定の時間帯に必要な労働者に勤務してもらうことが重要である。このとき、業務の内容によって必要なスキルが、事業者の業種、職種や就業内容によってそれぞれ異なるため、当該業務に応じたスキルを有する労働者を確保し、就業してもらうことが重要である。そのため、就業を希望する就業希望者が有するスキルを適切に管理する必要がある。しかし、このようなスキルは、実際に就業することで身につくスキルや、公的資格のように就業上必要なスキルもある。このように、性質の異なるスキルを一元管理するのは容易ではない。さらに、上記のような実際に就業することで身につくスキルは、就業の頻度や時間等によっても異なり、さらに日々更新されるものでもあるため、最新の状態で管理するのは容易ではない。
【0014】
そこで、本開示に係る就業登録者管理システムは、就業希望者の情報を、事業者に対する就業のために登録して記憶する。事業者の就業募集情報に応募して勤務した勤務情報から、スキルに関するスキル情報を取得し、登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与する。そのため、登録者の就業情報をリアルタイムにスキル情報として反映させることができる。これにより、登録者のスキルを詳細かつリアルタイムに管理することを可能にしている。
【0015】
また、本開示に係る就業登録者管理システムは、就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、事業者へ提示する。このとき、就業を希望する登録者のスキル情報も事業者へ提示する。これにより、適切なスキルを有する登録者に就業してもらうことを可能にしている。
【0016】
さらに、本開示に係る就業登録者管理システムは、スキル情報を、事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、または事業者を含む団体に特有の第3のスキルとして付与する。これにより、スキルを階層的に管理することができるので、登録者のスキルを適切に管理することを可能にしている。
【0017】
なお、本開示に係る就業登録者管理システムでは、登録者を、当該事業者に直接雇用されている雇用者(内部雇用者)以外に、過去に当該事業者に常勤として雇用されていたが既に退職している、いわゆるOBやOGと呼ばれる元内部雇用者や、短期的(例えば、1日のみでも可能)に当該事業者に雇用されて就業した者が外部経験者として登録され、さらには、就業するために登録のみしており、実際には就業したことがない者の情報も、外部者として区別して管理している。
【0018】
<実施の形態1>
以下、就業登録者管理システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0019】
<1 就業登録者管理システム1の全体構成>
図1は、就業登録者管理システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、就業登録者管理システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0020】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して就業登録者管理システム1の機能である、就業希望のための登録、就業募集情報の提示、及び就業募集情報への応募を行う者であり、例えば上記の登録者(これから登録しようとする者も含む)、事業者等をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0021】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0022】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
サーバ20は、就業希望者として登録された登録者に関する情報等を管理する装置である。サーバ20は、就業希望者であるユーザから登録情報を受け付け、登録者として登録する。サーバ20は、事業者であるユーザから就業募集情報を受け付けて登録し、就業募集情報を提示して登録者からの応募を受け付け、登録者の就業を承認する入力を受け付ける。また、サーバ20は、登録者の勤務情報から、スキルに関するスキル情報を取得し、登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与する。
【0024】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0025】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0026】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の就業登録者管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0027】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0028】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0029】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0030】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0031】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0032】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0033】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0034】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0035】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0036】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して就業登録者管理システム1の機能である、就業希望のための登録、就業募集情報の提示、就業募集情報への応募等を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれる。
【0037】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、通知制御部173と、データ処理部174としての機能を発揮する。
【0038】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0039】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0040】
通知制御部173は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部173は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0041】
データ処理部174は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0042】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の就業登録者管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0043】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0044】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、登録者データベース2021と、就業データベース2022等を記憶する。
【0045】
登録者データベース2021は、就業登録者管理システム1における就業希望のために登録された登録者の情報を保持するためのデータベースであり、例えば、登録者のスキル情報がタグ情報として付与され、登録するように構成されている。詳細は後述する。
【0046】
就業データベース2022は、就業登録者管理システム1を利用する事業者により登録された就業募集情報、具体的には短期の就業を想定したシフトの情報等を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0047】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、登録受付モジュール2033、就業募集受付提示モジュール2034、就業希望受付提示モジュール2035、就業承認受付提示モジュール2036、勤務情報受付モジュール2037、及びスキル情報付与モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0048】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0049】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0050】
登録受付モジュール2033は、就業登録者管理システム1のユーザである就業を希望する者が、端末装置10から、事業者に対する就業のために登録するための登録情報の入力を行うので、端末装置10から登録情報を受け付ける処理を制御する。登録受付モジュール2033は、例えば、小売店や飲食店のような店舗の経営者または運営者である事業者に属する登録者としての登録情報を受け付ける。ここで、事業者に属する登録者とは、当該事業者に直接雇用されている雇用者(内部雇用者)でもよく、過去に当該事業者に常勤として雇用されていたが既に退職している、いわゆるOBやOGと呼ばれる元内部雇用者でもよく、短期的(例えば、1日のみでも可能)に当該事業者に雇用されて就業した者、さらには、当該事業者のもとで就業するために登録のみしており、実際には就業したことがない者でもよい。当該登録者は、例えば、既に当該事業者に属する登録者として登録されている他の登録者(内部雇用者、外部経験者、または外部者のいずれでもよい)からの紹介により、登録情報を受け付けてもよく、その場合、紹介者である登録者の情報も受け付けてもよい。
【0051】
登録受付モジュール2033が受け付ける登録者は、上記のような事業者に属する登録者以外に、例えば、1または複数の小売店や飲食店のような店舗を運営する企業等の団体や、フランチャイズチェーンビジネスを行う企業に属する者でもよく、特定の事業者や団体に属しない登録者であってもよい。
【0052】
登録受付モジュール2033は、登録情報を受け付けると、登録者データベース2021に格納して記憶させる。このとき、登録受付モジュール2033は、例えば、登録者の氏名、住所、住所以外の登録場所(通学先や通常の勤務先等)、連絡先、性別、年齢、等の情報を受け付ける。なお、登録受付モジュール2033は、登録情報を受け付けると、それぞれの登録者を内部雇用者、外部経験者、または外部者のいずれかに応じて異なる属性として区別して登録してもよい。
【0053】
さらに、登録受付モジュール2033は、登録者の過去の経歴に基づくスキルの情報、または就業に関連する資格の情報をスキル情報として受け付ける。ここで、スキル情報とは、特定の業務(接客、飲食店の調理経験、等)についての就業経験の情報や、公的な資格や免許の情報である。スキル情報は、例えば、小売店や飲食店のような店舗を運営する事業者に特有の第1のスキル、このような事業者に限定しない第2のスキル、事業者を含むフランチャイズチェーンのような団体に特有の第3のスキルに分類してもよい。第1のスキルの具体例は、事業者の中で有効なスキルであり、限定イベント(クリスマスの時期における店舗イベント)等における店頭販売経験を有すること、シフトリーダーのような時間帯責任者である。第2のスキルの具体例は、事業者や団体に限定せずに汎用的に有効なスキルであり、公的資格である酒類販売責任者、食品衛生責任者や、汎用的なスキルである調理経験、接客経験等である。第3のスキルの具体例は、フランチャイズチェーンのように同一のブランドで展開されている店舗の中で共通に有効なスキルであり、厨房業務の経験、精算業務の経験、在庫発注の経験を有することである。登録受付モジュール2033は、受け付けたスキル情報を、当該登録者に紐づけて例えばタグ情報として登録者データベース2021に格納して記憶させる。このとき、当該スキル情報について関連する数値(例えば、就業回数等)、就業期間のいずれかまたは両方を登録してもよい。
【0054】
就業募集受付提示モジュール2034は、事業者から就業募集情報を受け付ける処理を制御する。就業登録者管理システム1のユーザである事業者は、端末装置10から、就業募集情報の入力を行う。就業募集受付提示モジュール2034は、端末装置10から送信された就業募集情報を受け付ける。事業者が入力する就業募集情報は、自己の事業に係る労働者を募集する情報であり、例えば、短期(単発)の就業を想定した小売店や飲食店等におけるアルバイトやパートタイマー等の労働者が就業する労働時間、いわゆるシフトの就業募集情報でもよく、不足しているシフトへの追加募集の情報でもよく、正規雇用のような長期の雇用を想定した求人情報であってもよい。就業募集情報は、事業者に雇用されるために(当該事業者に雇用されていない登録者向けに)募集する情報でもよく、事業者にすでに雇用されている登録者向けにシフトを募集する情報でもよく、事業者に過去に雇用されていた(長期間の雇用でも短期間の雇用でもよい)登録者向けにシフトを募集する情報でもよい。就業募集受付提示モジュール2034は、具体的には、就業募集情報として、事業者の会社名や店舗名称、就業に係る職種名や作業の名称、募集人数、所定期間における給与の単価(時給、日給等)の情報等を受け付ける。このとき、就業募集受付提示モジュール2034は、就業募集情報とともに、当該就業募集情報に関連するスキル情報を受け付けてもよい。就業募集情報に関連するスキル情報とは、当該就業募集情報に係る就業に必須のスキル情報、就業に必須ではないがあると望ましいスキル情報等であり、事業者により設定される。就業募集受付提示モジュール2034は、就業募集情報を受け付けると、就業データベース2022に格納して記憶させる。
【0055】
また、就業募集受付提示モジュール2034は、受け付けた就業募集情報を、登録受付モジュール2033が受け付けた登録者へ提示する処理を制御する。就業募集受付提示モジュール2034は、具体的には、就業募集情報として、事業者の会社名や店舗名称、就業に係る職種名や作業の名称、募集人数、所定期間における給与の単価(時給、日給等)の情報、就業募集情報に関連するスキル情報等を提示する。このとき、就業募集受付提示モジュール2034は、当該就業募集情報に関連するスキル情報を有する登録者のみに対して就業募集情報を提示してもよい。
【0056】
なお、就業募集受付提示モジュール2034は、事業者からの就業募集情報を受け付けるとき、当該就業募集情報を閲覧できるように提示する登録者の属性の範囲を示す情報を受け付け、その範囲に対応して、内部雇用者にのみ提示するか、内部雇用者、外部経験者及び外部者にまで提示するか、事業者に属する登録者の範囲まで提示するか、団体に属する登録者の範囲まで提示するか、または特定の事業者や団体に属しない登録者の範囲まで提示するか、を制御して該当する登録者へ提示してもよい。
【0057】
就業希望受付提示モジュール2035は、登録者から、就業募集情報に対する就業希望情報を受け付ける処理を制御する。就業登録者管理システム1のユーザである登録者は、端末装置10から、就業募集受付提示モジュール2034が提示した就業募集情報への応募を希望する就業希望情報の入力を行う。就業希望受付提示モジュール2035は、端末装置10から送信された就業希望情報を受け付ける。就業希望受付提示モジュール2035は、就業希望情報として、例えば、登録者を識別するユーザID、就業を希望する事業者の会社名や店舗名称、就業を希望する職種名や作業の名称、当該就業募集情報が短期の就業を想定した就業募集情報(シフト)の場合における勤務開始日時及び勤務終了日時、等の情報を受け付ける。このとき、就業希望受付提示モジュール2035は、登録者が有するスキル情報を受け付けてもよい。このとき、就業希望受付提示モジュール2035は、当該就業募集情報に関連するスキル情報を有する登録者のみから就業希望情報を受け付けてもよい。
【0058】
また、就業希望受付提示モジュール2035は、就業希望受付提示モジュール2035が受け付けた就業希望情報を、当該就業募集情報を入力した事業者の端末装置10へ送信して提示する処理を制御する。なお、就業希望受付提示モジュール2035は、就業希望情報を、当該就業希望の登録者の属性に応じて内部雇用者、外部経験者、外部者ごとに区別して事業者に提示してもよい。また、就業希望受付提示モジュール2035は、就業希望情報を、当該就業希望の登録者の属性に応じて、当該事業者に属する登録者、団体に属する登録者、特定の事業者や団体に属しない登録者ごとに区別して事業者に提示してもよい。
【0059】
就業希望受付提示モジュール2035は、当該就業希望の登録者の一覧を提示し、登録者ごとに、当該登録者が有するスキル情報を提示する。このとき、就業希望受付提示モジュール2035は、当該登録者が有するスキル情報について、上記の事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、団体に特有の第3のスキルごとに分類して提示してもよい。具体的には、第1のスキル、第2のスキル、第3のスキルごとに表示枠を設け、登録者が有する1または複数のスキル情報をタグ情報として表示し、または1または複数のスキル情報を表形式や箇条書き等により表示する。また、就業希望受付提示モジュール2035は、当該就業希望の登録者の一覧を提示する際、登録者が有するスキル情報に基づく優先順位を決定し、登録者の一覧を、優先順位に基づいて(例えば、優先順位の高い順に)提示してもよく、優先順位が高い登録者の表示態様を変化させて(例えば、優先順位が高い登録者を、色彩を変更する等により強調表示して)提示してもよい。さらに、就業希望受付提示モジュール2035は、提示する事業者について、事業者の属性(店舗運営者、団体管理者等)に応じて、当該登録者が有する第1のスキル、第2のスキル、及び第3のスキルのいずれかまたは複数(すべてを開示する場合も含む)を開示するか、事業者が閲覧可能な範囲を設定してもよい。具体的としては、店舗を運営する事業者には、当該事業者のもとで登録されている登録者について、当該事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、団体に特有の第3のスキルのすべてを閲覧可能にする。当該事業者ではない事業者のもとで登録されている登録者について、事業者に限定しない第2のスキルのみを閲覧可能にする。フランチャイズチェーンのような団体には、第2のスキル、第3のスキルのみを閲覧可能にする。
【0060】
就業承認受付提示モジュール2036は、事業者が端末装置10から、就業希望受付提示モジュール2035が提示した就業希望情報に係る登録者の就業を承認する就業承認情報の入力を行うので、端末装置10から就業承認情報を受け付ける処理を制御する。就業承認受付提示モジュール2036は、就業承認情報として、例えば、登録者を識別するユーザID、就業を承認する事業者の会社名や店舗名称、職種名や作業の名称、勤務開始日時及び勤務終了日時等の情報を受け付ける。
【0061】
また、就業承認受付提示モジュール2036は、承認された登録者に対して、受け付けた就業希望情報を、当該就業希望情報を入力した登録者の端末装置10へ送信して提示する処理を制御する。
【0062】
勤務情報受付モジュール2037は、就業承認受付提示モジュール2036が就業承認情報を送信した登録者が、実際に就業したことを示す勤務情報を端末装置10から受け付ける処理を制御する。勤務情報受付モジュール2037は、勤務情報として、例えば、登録者を識別するユーザID、就業した事業者の会社名や店舗名称、職種名や作業の名称、勤務開始日時及び勤務終了日時、当該就業に関連するスキル情報等の情報を受け付ける。勤務情報受付モジュール2037は、上記のような勤務情報を、サーバ20の機能として事業者から受け付けてもよく、外部のWebサーバからAPI連携等により取得してもよい。ここでいう外部のWebサーバは、例えば、勤怠情報を管理するサービスをSaaSとして提供するWebサーバである。
【0063】
勤務情報受付モジュール2037が受け付ける、当該就業に関連するスキル情報とは、当該就業における、当該登録者が行った作業の名称、作業時間等である。当該就業に関連するスキル情報の具体例は、「限定イベント等における店頭販売」、「厨房業務」、「精算業務」、「在庫発注」のような具体的な作業の名称である。
【0064】
スキル情報付与モジュール2038は、勤務情報受付モジュール2037が受け付けた勤務情報に基づき、スキルに関するスキル情報を取得し、登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与する処理を制御する。スキル情報付与モジュール2038は、例えば勤務情報に含まれる当該就業に関連するスキル情報を抽出し、登録者データベース2021に格納されている登録者の情報に紐づけてスキル情報をタグ情報として付与して記憶させる。ここで、スキル情報とは、例えば上記のように特定の業務(接客、飲食店の調理経験、等)についての就業経験の情報や、事業者の内外における認定資格、公的な資格や免許の情報である。なお、スキル情報付与モジュール2038は、事前に就業募集情報を登録した際に登録したスキル情報を、勤務情報に基づくスキル情報として取得してもよい。また、スキル情報付与モジュール2038は、当該登録者のスキル情報として、上記の事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、団体に特有の第3のスキルごとに分類して付与する。また、スキル情報付与モジュール2038は、勤務情報に基づき、当該登録者のスキル情報について関連する数値(例えば、就業回数等)、就業期間のいずれかまたは両方を更新する。
【0065】
スキル情報付与モジュール2038は、具体的には、以下のようにスキル情報を取得する。例えば、勤務情報受付モジュール2037が受け付けた勤務情報に、上記のように「限定イベント等における店頭販売」、「厨房業務」、「精算業務」、「在庫発注」の情報があったとする。すると、スキル情報付与モジュール2038は、当該勤務情報の対象である登録者の登録情報を参照して、スキル情報としてこれらの情報がタグ情報として付与されていない場合、新たにこれらの情報をタグ情報として付与する。また、スキル情報付与モジュール2038は、スキル情報としてこれらの情報がタグ情報としてすでに付与されている場合、スキル情報について関連する数値、就業期間について、今回の勤務情報分を加算して更新する。
【0066】
スキル情報付与モジュール2038は、例えば、スキル情報を付与する場合、登録者または事業者が当該スキル情報について申請を行い、当該事業者または他の者(管理者等)の承認によりスキル情報を付与してもよい。このときのスキル情報の例としては、事業者の内外における認定資格のような場合である。
【0067】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶する登録者データベース2021のデータ構造の例を示す図である。また、図5は、サーバ20が記憶する就業データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0068】
図4に示すように、登録者データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「登録者ID」と、項目「登録者名」と、項目「住所」と、項目「登録者詳細情報」等を含む。
【0069】
項目「登録者ID」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために受け付ける登録者それぞれを識別する情報である。
【0070】
項目「登録者名」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために受け付ける登録者の氏名である。
【0071】
項目「住所」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために受け付ける登録者の住所である。なお、当該項目には、住所以外の登録場所(通学先や通常の勤務先等)を格納してもよい。
【0072】
項目「登録者詳細情報」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために受け付ける登録者に関する情報であり、具体的には、項目「登録元」と、項目「スキル/資格情報」と、項目「回数」等を含む。
【0073】
項目「登録元」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために登録した登録者の属性を示す情報である。具体的には、その登録者が特定の事業者に属する登録者、または団体に属する登録者である場合、その事業者または団体の情報が格納されている。
【0074】
項目「スキル/資格情報」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために登録した登録者が有するスキルまたは資格についての情報が格納されている。項目「スキル/資格情報」に格納される情報は、図4に示すように特定の業務についての就業経験の情報や、公的な資格や免許の情報であり、具体例として「精算業務」、「厨房」、「在庫発注」のような具体的な作業の名称や、公的資格等の名称が格納されている。また、図4に示す「自社」は事業者に特有の第1のスキルであり、「公的」は事業者に限定しない第2のスキルであり、「チェーン」は団体に特有の第3のスキルであることを示している。これらのスキルまたは資格についての情報は、項目「登録者ID」に紐づけて、それぞれ1または複数格納されている。
【0075】
項目「回数」は、就業登録者管理システム1にて就業希望のために登録した登録者が、項目「スキル/資格情報」に格納されているスキル情報について関連する情報の例である、当該スキル情報に係る就業をした回数である。
【0076】
なお、登録者データベース2021は、当該スキル情報に係る就業期間を含んでもよいが、図示を省略する。
【0077】
サーバ20の登録受付モジュール2033は、ユーザから登録情報を受け付けることに伴って、登録者データベース2021にレコードを追加する。
【0078】
図5に示すように、就業データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「事業者ID」と、項目「事業者名」と、項目「求人詳細情報」等を含む。
【0079】
項目「事業者ID」は、就業登録者管理システム1にて就業募集情報を登録する事業者それぞれを識別する情報である。
【0080】
項目「事業者名」は、就業登録者管理システム1にて就業募集情報を登録する事業者の名称を示す情報であり、例えば、店舗の名称、フランチャイズチェーンの名称、法人名称が格納されている。
【0081】
項目「求人詳細情報」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した就業募集情報に関する情報であり、具体的には、項目「求人ID」と、項目「募集職種」と、項目「時給」と、項目「人数」と、項目「日時」と、項目「スキル」等を含む。この項目「求人詳細情報」は、項目「事業者名」が示す事業者が就業募集情報を登録するごとにレコードが登録されるように構成されている。
【0082】
項目「求人ID」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した就業募集情報それぞれを識別する情報である。
【0083】
項目「募集職種」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した就業募集情報に係る職種を示す情報である。具体的には、当該求人で実際に就業する場合の作業内容であり、図4に示す例では、コンビニエンスストアの店舗内で各種作業を行う「店舗クルー」や、飲食店の店舗内で接客の作業を行う「店舗接客」が格納されている。
【0084】
項目「時給」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した求人で実際に就業した場合の、所定時間における給与の単価を示す情報であり、例として時給を示している。
【0085】
項目「人数」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した就業募集情報の募集人数を示す情報である。
【0086】
項目「日時」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した就業募集情報におけるシフトの就業予定の日時を示す情報が格納されている。
【0087】
項目「スキル」は、就業登録者管理システム1にて事業者が登録した就業募集情報に関連するスキル情報であり、就業募集情報に関連するスキル情報の例として、当該就業募集情報に係る就業に必須のスキル情報が格納されている。項目「スキル」には、登録者データベース2021の項目「スキル/資格情報」に対応する、特定の業務についての就業経験の情報や、公的な資格や免許の情報が格納されている。項目「スキル」に格納される情報は、登録者データベース2021の項目「スキル/資格情報」に対応するスキル情報であり、具体例として「精算業務」、「廃棄登録」、「厨房」のような具体的な作業の名称や、公的資格等の名称であり、上記のように、事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、団体に特有の第3のスキルが、1または複数格納されている。
【0088】
サーバ20の就業募集受付提示モジュール2034は、ユーザから就業募集情報を受け付けることに伴って、就業データベース2022の項目「求人詳細情報」にレコードを追加する。
【0089】
<3 動作>
以下、図6ないし図8を参照しながら、第1の実施の形態における就業登録者管理システム1による登録処理、就業承認処理、及びスキル情報付与処理について説明する。なお、図6ないし図8においては、登録者が使用する端末装置を端末装置10A、事業者が使用する端末装置を端末装置10Bとする。
【0090】
図6は、実施の形態1の就業登録者管理システム1による登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS111の処理を行う前提として、端末装置10Aの入力操作受付部171は、事業者に対する就業のために登録者として登録するユーザから、就業登録者管理システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うためのユーザID及びパスワードを入力する操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたユーザID及びパスワード、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。端末装置10Aの送受信部172は、サーバ20から送信された認証完了の情報、及び登録情報を受け付けるための登録情報入力画面の表示データを受け付ける。通知制御部173は、受け付けた認証完了の情報、及び登録情報入力画面を、ディスプレイ150に表示させ、ステップS111の処理が開始される。
【0092】
ステップS111において、端末装置10Aの入力操作受付部171は、ユーザによる登録情報入力画面からの操作により、ユーザが登録する登録情報、具体的には登録者の個人情報、スキル情報等の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた登録情報を、サーバ20へ送信する。
【0093】
ステップS121において、サーバ20の登録受付モジュール2033は、端末装置10Aから送信された登録情報を、通信部201を介して受け付ける。また、登録受付モジュール2033は、登録者の過去の経歴に基づくスキルの情報、または就業に関連する資格の情報、具体的には特定の業務(接客、飲食店の調理経験、等)についての就業経験の情報や、公的な資格や免許の情報を、スキル情報として受け付ける。また、登録受付モジュール2033は、登録情報を受け付けると登録者データベース2021に格納し、受け付けたスキル情報を、当該登録者に紐づけるタグ情報として、登録者データベース2021に格納する。
【0094】
以上のように、就業登録者管理システム1では、事業者に対する就業のために登録者として登録するユーザから登録情報を受け付けると、それぞれの登録者を登録する。また、登録者の過去の経歴に基づくスキルの情報、または就業に関連する資格の情報をスキル情報として受け付ける。
【0095】
図7は、実施の形態1の就業登録者管理システム1による就業承認処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS211において、端末装置10Bの入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、ユーザが登録する就業募集情報、具体的には就業募集情報として、事業者の会社名や店舗名称、就業に係る職種名や作業の名称、募集人数、所定時間における給与の単価の情報、当該就業募集情報に関連するスキル情報(例えば、必須のスキル情報、就業に必須ではないがあると望ましいスキル情報)等の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた就業募集情報を、サーバ20へ送信する。
【0097】
ステップS221において、サーバ20の就業募集受付提示モジュール2034は、端末装置10Bから送信された就業募集情報を、通信部201を介して受け付ける。就業募集受付提示モジュール2034は、受け付けた就業募集情報を、就業データベース2022に格納する。就業募集受付提示モジュール2034は、受け付けた就業募集情報を、通信部201を介して登録者データベース2021に格納されている登録者の端末装置10Aへ送信する。
【0098】
ステップS231において、端末装置10Aの送受信部172は、サーバ20から送信された就業募集情報(または就業募集情報が更新され、新たな就業募集情報が登録された旨の情報)を受け付ける。通知制御部173は、受け付けた就業募集情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0099】
ステップS232において、端末装置10Aの入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、ディスプレイ150に表示されている就業募集情報に対する応募である、就業希望情報の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた就業希望情報及び回答期限を、サーバ20へ送信する。
【0100】
ステップS222において、サーバ20の就業希望受付提示モジュール2035は、端末装置10Aから送信された就業希望情報を、通信部201を介して受け付ける。就業希望受付提示モジュール2035は、受け付けた就業希望情報を、通信部201を介して当該就業募集情報を入力した事業者の端末装置10Aへ送信する。
【0101】
ステップS212において、端末装置10Bの送受信部172は、サーバ20から送信された就業希望情報を受け付ける。通知制御部173は、受け付けた就業希望情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0102】
ステップS213において、端末装置10Bの入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、ディスプレイ150に表示されている就業希望情報について、登録者の就業を承認する就業承認情報の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた就業承認情報を、サーバ20へ送信する。
【0103】
ステップS223において、サーバ20の就業承認受付提示モジュール2036は、端末装置10Bから送信された就業承認情報を、通信部201を介して受け付ける。就業承認受付提示モジュール2036は、受け付けた就業承認情報を、通信部201を介して当該就業希望情報を入力した登録者の端末装置10Aへ送信する。
【0104】
ステップS233において、端末装置10Aの送受信部172は、サーバ20から送信された就業承認情報を受け付ける。通知制御部173は、受け付けた就業承認情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0105】
以上のように、就業登録者管理システム1では、事業者であるユーザから就業募集情報を受け付けると、当該就業募集情報を登録者へ提示する。就業募集情報に対する就業希望情報を登録者から受け付けると、当該就業募集情報を登録した事業者へ提示する。就業希望情報に対する就業承認情報を事業者から受け付けると、当該就業希望情報を登録した登録者へ提示する。これにより、事業者に対する登録者の就業をスムーズに行うことが可能になる。
【0106】
図8は、実施の形態1の就業登録者管理システム1によるスキル情報付与処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
ステップS311において、端末装置10Bの入力操作受付部171は、事業者であるユーザからの操作により、登録者が実際に就業したことを示す勤務情報を送信する入力操作を受け付ける。送受信部172は、ユーザからの入力操作に従い、勤務情報をサーバ20へ送信する。
【0108】
ステップS321において、サーバ20の勤務情報受付モジュール2037は、端末装置10Bから送信された登録者の勤務情報を、通信部201を介して受け付ける。
【0109】
ステップS322において、サーバ20のスキル情報付与モジュール2038は、ステップS321で受け付けた勤務情報に基づき、スキルに関するスキル情報を取得する。スキル情報付与モジュール2038は、例えば、勤務情報から具体的な作業の内容である、「限定イベント等における店頭販売」、「厨房業務」、「精算業務」、「在庫発注」のような情報を抽出する。
【0110】
ステップS323において、サーバ20のスキル情報付与モジュール2038は、ステップS322で抽出したスキル情報を、登録者の情報に紐づけて、タグ情報として付与する。スキル情報付与モジュール2038は、例えば、ステップS322で抽出した、「限定イベント等における店頭販売」、「厨房業務」、「精算業務」、「在庫発注」のような情報をタグ情報として付与する。このとき、スキル情報付与モジュール2038は、当該勤務情報の対象である登録者の登録情報を参照して、スキル情報としてこれらの情報がタグ情報として付与されていない場合、新たにこれらの情報をタグ情報として付与する。また、スキル情報付与モジュール2038は、スキル情報としてこれらの情報がタグ情報としてすでに付与されている場合、スキル情報について関連する数値、就業期間について、今回の勤務情報分を加算して更新する。
【0111】
例えば、図5に示す就業データベース2022に格納されている例のように、項目「求人ID」が「#0311」に格納されている就業募集情報に、登録者が応募して就業した場合において、登録者が項目「スキル」に格納されている「精算業務」を就業中に実際に行ったとする。この場合、ステップS322では、勤務情報として「精算業務」の情報を抽出する。
【0112】
この例において、就業した登録者が、図4に示す登録者データベース2021に格納されている例のように、項目「登録者ID」が「#0102」の登録者であった場合、項目「スキル/資格情報」に「精算業務」が格納されていないので、ステップS323では、項目「スキル/資格情報」に新たなタグ情報である「精算業務」を付与する。また、項目「登録者ID」が「#0101」の登録者であった場合、項目「スキル/資格情報」に「精算業務」が格納されているので、ステップS323では、項目「スキル/資格情報」の「精算業務」に紐づく、項目「回数」の値「28」に1を加算して更新する。
【0113】
以上のように、就業登録者管理システム1では、事業者の就業募集情報に応募して勤務した勤務情報から、スキルに関するスキル情報を取得する。そして、取得したスキル情報を、登録者の情報に紐づけて付与する。これにより、登録者のスキルを詳細かつリアルタイムに管理することが可能である。
【0114】
<4 画面例>
以下、図9及び図10を参照しながら、就業登録者管理システム1による、事業者から就業募集を受け付ける画面例、及び就業希望者を表示する画面例について説明する。
【0115】
図9は、端末装置10に表示する就業募集を受け付ける画面例を示す図である。図9の画面例は、事業者であるユーザが、就業募集情報(求人情報)を入力するため、就業募集入力画面に情報入力している状態の画面例を示す。図7のステップS211に相当する。
【0116】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、事業者が就業募集情報を入力するための就業募集入力画面が表示されている。この就業募集入力画面には、事業者名入力欄1031aと、募集職種入力欄1031bと、募集日時入力欄1031cが表示されている。また、就業募集入力画面には、当該就業募集情報に関連するスキル情報を受け付けるためのスキル選択ボタン1031d,1031e,1031f,1031gが設けられている。
【0117】
図9に示す画面において、スキル選択ボタン1031d,1031e,1031f,1031gは、登録者のスキルとして希望するスキル情報を選択するためのラジオボタンである。このスキル選択ボタン1031d,1031e,1031f,1031gで選択可能なスキル情報は、登録者データベース2021の項目「スキル/資格情報」に格納される情報、及び就業データベース2022の項目「スキル」に格納される情報に対応している。ユーザである事業者は、当該就業募集において、図9に示されている例のような「厨房」、「FF作成」、「精算業務」、「廃棄登録」のスキル情報を希望する場合、それぞれスキル選択ボタン1031d,1031e,1031f,1031gをクリック等してチェックを入れる。これにより、就業募集情報のスキル情報に反映させるように構成されている。
【0118】
スキル選択ボタン1031d,1031e,1031f,1031gにて選択可能なスキル情報は、具体例として「精算業務」、「廃棄登録」、「厨房」のような具体的な作業の名称や、公的資格等の名称が表示される。これらの表示情報は、上記のように、事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、団体に特有の第3のスキルであり、それぞれ1または複数のスキル情報を選択可能に構成されている。なお、図示は省略するが、第1のスキル、第2のスキル、及び第3のスキルごとに表示欄を区別し、それぞれに該当するスキル情報を選択可能に構成してもよい。また、例えば、店舗を運営する事業者は、当該事業者に特有の第1のスキルのスキル情報を新たに作成することが可能であるが、第2のスキル、及び第3のスキルについては、新たに作成することはできず、選択のみ可能に構成してもよい。さらに、フランチャイズチェーンのような団体は、当該団体に特有の第3のスキルのスキル情報を新たに作成することが可能であるが、第1のスキル、及び第2のスキルについては、新たに作成することはできず、選択のみ可能に構成してもよい。
【0119】
図10は、端末装置10に表示する就業希望者を表示する画面例を示す図である。図10の画面例は、事業者であるユーザが、就業募集情報に対して応募した登録者の詳細情報を表示させた状態の画面例を示す。図7のステップS213に相当する。
【0120】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、就業募集情報に対して応募した就業希望者の詳細情報を示す就業希望者表示画面が表示されている。この就業希望者表示画面には、登録者の氏名表示欄1032aと、登録者の属性を示す属性表示欄1032bと、登録者の勤務実績を示す勤務実績表示欄1032cが表示されている。また、就業希望者表示画面には、登録者に付与されているスキル情報の例として、スキルを示すタグ情報1032d,1032e,1032fが表示されている。
【0121】
タグ情報1032d,1032e,1032fに示されているスキル情報は、上記のように、事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、団体に特有の第3のスキルに分類され、図4に示すように登録者データベース2021にそれぞれ分類されて格納されている。これに合わせて、図10に示す画面の例のように、自社のスキル(第1のスキル)を表示させるための自社スキル表示欄1032g、チェーン内のスキル(第3のスキル)を表示させるためのチェーンスキル表示欄1032h、自社の資格(第1のスキル)を表示させるための自社資格表示欄1032i、チェーン内の資格(第3のスキル)を表示させるためのチェーン資格表示欄1032j、公的資格(第2のスキル)を表示させるための公的資格表示欄1032kが設けられている。これにより、登録者のスキル情報を一目で把握することができるように構成されている。
【0122】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、事業者に対する就業のために登録者として登録するユーザから登録情報を受け付けると、登録者の過去の経歴に基づくスキルの情報、または就業に関連する資格の情報をスキル情報として受け付け、登録者のスキル情報として登録する。また、事業者であるユーザから就業募集情報を受け付けると、当該就業募集情報を登録者へ提示し、就業募集情報に対する就業希望情報を登録者から受け付けると、当該就業募集情報を登録した事業者へ提示し、就業希望情報に対する就業承認情報を事業者から受け付けると、当該就業希望情報を登録した登録者へ提示する。その後、事業者が勤務した勤務情報から、スキルに関するスキル情報を取得し、取得したスキル情報を、登録者の情報に紐づけて付与する。そのため、登録者の勤務情報を、リアルタイムなスキルを示すタグ情報として反映させることができる。これにより、登録者のスキルを詳細かつリアルタイムに管理することが可能である。
【0123】
また、本実施形態によると、事業者から就業募集情報を受け付ける際、当該就業募集情報に関連するスキル情報を受け付け、登録者に提示する。また、登録者から就業希望情報を受け付ける際、当該登録者が有するスキル情報を事業者に提示する。そのため、登録者は当該就業に必要なスキル情報を把握し、事業者は登録者が有するスキル情報を把握することができる。これにより、適切なスキル情報による就業のマッチングを提供することが可能である。
【0124】
さらに、本実施形態によると、スキル情報を、事業者に特有の第1のスキル、事業者に限定しない第2のスキル、または事業者を含む団体に特有の第3のスキルとして付与して管理する。これにより、スキルを階層的に管理することができるので、登録者のスキルを適切に管理することが可能である。
【0125】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0126】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0127】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するためのプログラムであって、メモリ25は、登録者の情報を記憶(2021)し、プログラムは、プロセッサ29に、事業者からの就業募集情報を受け付けて登録者へ提示するステップ(S221)と、登録者が、事業者からの承認により就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップ(S321)と、勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップ(S323)と、を実行させる、プログラム。
【0128】
(付記2)プログラムは、さらに、就業募集情報への応募を希望する登録者から、就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、事業者へ提示するステップ(S222)と、事業者から、受け付けた就業希望情報に係る登録者の就業を承認する就業承認情報を受け付け、登録者へ提示するステップ(S223)と、を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0129】
(付記3)就業募集情報を受け付けるステップにおいて、就業募集情報とともに、就業募集情報に関連するスキル情報を受け付ける、(付記1)に記載のプログラム。
【0130】
(付記4)取得したスキル情報を付与するステップにおいて、受け付けた就業募集情報に関連するスキル情報を、勤務情報に基づくスキル情報として付与する、(付記3)に記載のプログラム。
【0131】
(付記5)就業募集情報を受け付けて登録者へ提示するステップにおいて、受け付けた就業募集情報に関連するスキル情報を有する登録者のみに対して就業募集情報を提示する、(付記3)に記載のプログラム。
【0132】
(付記6)就業募集情報に対する就業希望情報を受け付けるステップにおいて、受け付けた就業募集情報に関連するスキル情報を有する登録者のみから就業希望情報を受け付ける、(付記2)に記載のプログラム。
【0133】
(付記7)取得したスキル情報を付与するステップにおいて、勤務情報に基づくスキル情報を、事業者に特有の第1のスキルとして、または、事業者に限定しない第2のスキルとして、取得したスキル情報を付与する、(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
【0134】
(付記8)勤務情報に基づくスキル情報を、第1のスキルとして、第2のスキルとして、または、事業者を含む団体に特有の第3のスキルとして、取得したスキル情報を付与する、(付記7)に記載のプログラム。
【0135】
(付記9)就業募集情報に対する就業希望情報を事業者へ提示するステップにおいて、登録者に付与されているスキル情報を、第1のスキル、第2のスキル、または第3のスキルそれぞれごとに提示する、(付記8)に記載のプログラム。
【0136】
(付記10)スキル情報を閲覧する事業者の閲覧可能な範囲を、第1のスキル、第2のスキル、または第3のスキルそれぞれについて設定する、(付記9)に記載のプログラム。
【0137】
(付記11)就業希望情報を事業者へ提示するステップにおいて、就業希望情報に係る登録者について、登録者に付与されているスキル情報から、就業募集情報に関連するスキル情報に基づく優先順位を決定し、就業希望情報に係る登録者の一覧を、優先順位に基づいて提示する、(付記10)に記載のプログラム。
【0138】
(付記12)優先順位に基づき、就業希望情報に係る登録者を提示する態様を変化させる、(付記11)に記載のプログラム。
【0139】
(付記13)取得したスキル情報を付与するステップにおいて、勤務情報に応じて、登録者に付与されているスキル情報に関連する数値、登録者に付与されているスキル情報に係る就業期間のいずれかまたは両方を更新する、(付記1)に記載のプログラム。
【0140】
(付記14)制御部203と、記憶部202とを備え、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理する情報処理装置であって、記憶部202は、登録者の情報を記憶(2021)し、制御部203は、事業者からの就業募集情報を受け付けて登録者へ提示するステップ(S221)と、登録者が、事業者からの承認により就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップ(S321)と、勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップ(S323)と、を行う、情報処理装置。
【0141】
(付記14)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、事業者に対する就業のために登録されている登録者を管理するための方法であって、メモリ25は、登録者の情報を記憶(2021)し、方法は、プロセッサ29が、事業者からの就業募集情報を受け付けて登録者へ提示するステップ(S221)と、登録者が、事業者からの承認により就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップ(S321)と、勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップ(S323)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0142】
1 :就業登録者管理システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :通知制御部
174 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :登録者データベース
2022 :就業データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :登録受付モジュール
2034 :就業募集受付提示モジュール
2035 :就業希望受付提示モジュール
2036 :就業承認受付提示モジュール
2037 :勤務情報受付モジュール
2038 :スキル情報付与モジュール
【要約】
【課題】労働者のスキルを管理することを容易にする技術を提供する。
【解決手段】就業登録者管理システム1のサーバ20は、その機能として、事業者からの就業募集情報を受け付けて登録者へ提示するステップと、就業募集情報への応募を希望する登録者から、就業募集情報に対する就業希望情報を受け付け、事業者へ提示するステップと、事業者から、受け付けた就業希望情報に係る登録者の就業を承認する就業承認情報を受け付け、登録者へ提示するステップと、登録者が、就業承認情報により就業募集情報に係る就業をしたことを示す勤務情報を取得するステップと、勤務情報に基づくスキルに関するスキル情報を取得し、記憶されている登録者の情報に紐づけて取得したスキル情報を付与するステップと、を実行する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10