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特許7236814液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置
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  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図1
  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図2
  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図3
  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図4
  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図5
  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図6
  • 特許-液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】液体状又は半液体状食品を製造するための装置用の空圧制御バルブ及びこのようなバルブを備える装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/126 20060101AFI20230303BHJP
   B67D 1/04 20060101ALI20230303BHJP
   A23G 9/22 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
F16K31/126 Z
B67D1/04 E
A23G9/22
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018093405
(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公開番号】P2019052749
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】102017000060646
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-189117(JP,A)
【文献】特開2017-038593(JP,A)
【文献】実開昭54-037534(JP,U)
【文献】実開平04-105661(JP,U)
【文献】特開昭50-015127(JP,A)
【文献】特開昭58-017272(JP,A)
【文献】米国特許第03902696(US,A)
【文献】米国特許第04694848(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/12 - 31/165
F16K 31/36 - 31/42
B67D 1/04
A23G 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空圧制御バルブ(19)であって、バルブ本体(29)と、前記バルブ本体(29)に接続された流入ダクト(22)と、同じく前記バルブ本体(29)に接続された流出ダクト(21)と、前記流入ダクト(22)と前記流出ダクト(21)との間の接続を選択的に遮断しまたは許可するよう作用する遮断手段(7、20)と、前記バルブ本体(29)と関連する制御チャンバ(27)であって、前記制御チャンバ(27)内の密閉閉鎖空間の境界を定める変形可能な壁を形成するよう設計され、前記遮断手段(7、20)に動作可能に作用する第一変形可能膜(28)を備える制御チャンバと、を備え、前記密閉閉鎖空間は、加圧流体源に選択的に接続されて前記第一変形可能膜(28)を変形させ前記遮断手段(7、20)を動作させ、
前記第一変形可能膜(28)には第二変形可能膜(24)が関連し、前記第二変形可能膜も前記密閉閉鎖空間の境界を定めて前記遮断手段(7、20)に動作可能に作用するよう設計され
前記制御チャンバ(27)は、前記バルブ本体(29)に連結される第一外殻部(12)と前記第一外殻部(12)に関連する第二外殻部(13)とを備え、
前記第一及び第二外殻部(12、13)の間の前記連結によって、流体シールを有さずに前記第一膜(28)と前記第二膜(24)との間に空間が形成され、
前記第二変形可能膜(24)の一面は、前記第一変形可能膜(28)の対応する面に接着するよう配置されることを特徴とする、バルブ(19)。
【請求項2】
前記第一及び第二外殻部(12、13)のうちの一方が突起(40)を備えており、前記第一及び第二外殻部(12、13)のうちの他方が前記突起(40)を受け入れるよう構成された取り付け部(41)を備え、前記第一外殻部(12)と前記第二外殻部(13)との間の連結を形成する、請求項に記載のバルブ。
【請求項3】
前記遮断手段(7、20)は、前記流入ダクト(22)に作用して前記第一及び第二膜(28、24)に動作可能に連結されるシャッター(20)を備え、前記第一及び第二膜(28、24)に作用して前記流入ダクト(22)を閉鎖する位置に前記シャッター(20)を戻し及び/又はこの位置に保持する弾性手段を備える、請求項1または2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記シャッター(20)は、前記バルブ本体(29)に沿って延びる軸部(7)によって前記第一及び第二膜(28、24)に接続され、前記弾性手段は、前記第一外殻部(12)の内側大径端部によって支持されたカップばね(23)を備え、小径端部が前記第一又は第二膜(28、24)のいずれかの側で前記軸部(7)と対向する、請求項に記載のバルブ。
【請求項5】
前記シャッター(20)は、前記流入ダクト(22)の端壁に動作可能に作用する、請求項又はに記載のバルブ。
【請求項6】
前記空圧制御バルブ(19)が通常は閉鎖されるバルブ(19)である、請求項1からのいずれかに記載のバルブ。
【請求項7】
前記密閉閉鎖空間は、前記第二外殻部(13)から発しチューブ(18)に通じる栓(6)を介して前記加圧流体源に接続され、前記チューブは、動作制御ユニット(11)によって動作可能に制御される圧縮空気分配器(17)と接続し、前記動作制御ユニット(11)は、前記バルブ(19)を開く必要がある場合には前記圧縮空気分配器を使用可能とする指令を出し、前記バルブ(19)を閉じるべき場合には、無効とする指令を出す、請求項1からのいずれかに記載のバルブ。
【請求項8】
前記バルブが液体状又は半液体状の食品を製造するための装置(1)に設置されるよう意図され、前記液体状又は半液体状の食品は、対応する供給容器(3)の内部に収容された基本及び/又は添加製品から前記液体状又は半液体状の食品の加工チャンバ(5)へと続く取り出し用のダクト(8)のネットワーク(15)を介して得られ、一のバルブ(19)の前記流入ダクト(22)は、基本及び/又は添加製品を収容する対応する供給容器(3)に接続され、前記バルブ本体(29)に接続された前記バルブ(19)の前記流出ダクト(21)は、前記ダクトのネットワーク(15)の対応する取り出し用のダクト(8)に接続され、前記バルブ(19)は、他のバルブ(19)とは独立して起動及び停止して、各供給容器(3)と取り出し用ダクトのネットワーク(15)及び加工チャンバ(5)とを接続及び切断する、請求項1からのいずれかに記載のバルブ。
【請求項9】
液体状又は半液体状食品を製造するための装置であって、
-フレーム(2)と、
-液体状又は半液体状の基本混合物を収容する複数の変形可能供給容器(3)であって、各供給容器(3)が占める体積は、この供給容器(3)の内部の基本混合物の量によって決まる供給容器(3)と、
-前記基本混合物用の加工チャンバ(5)であって、前記基本混合物を加工する熱処理手段と撹拌機とを備え、前記撹拌機と熱処理手段とが協働して前記基本混合物を液体状又は半液体状製品へと変える加工チャンバと、
-前記供給容器(3)と前記加工チャンバ(5)とをつなぐ取り出し用のダクト(8)のネットワーク(15)であって、前記各供給容器(3)を前記加工チャンバ(5)に動作可能に接続し、前記基本混合物を前記各供給容器(3)から前記加工チャンバ(5)へと移送するよう構成されたダクトのネットワークと、
-前記供給容器(3)用の支持手段(9)であって、前記フレーム(2)に動作可能に関連する支持手段と、
-前記装置(1)を動作させて制御する動作制御ユニット(11)と、を備え、
前記取り出し用ダクト(8)のネットワーク(15)は、複数の空圧制御バルブ(19)に接続され、前記供給容器(3)のうちの一つに関連する前記各バルブは、他のバルブ(19)とは独立して起動及び停止して、対応する前記供給容器(3)を前記加工チャンバ(5)と接続可能とし、
前記各バルブ(19)は請求項1からいずれかに記載したように形成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項10】
前記動作制御ユニット(11)に接続され、制御コマンドを備えたインタフェースを備え、前記供給容器(3)のうちの一つを前記加工チャンバ(5)と選択的に流体連通させるよう前記バルブ(19)を制御するよう操作可能である、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記供給容器(3)と前記加工チャンバ(5)との間に動作可能に挿入された少なくとも一つの移送ポンプ(25)を備え、前記供給容器(3)から前記加工チャンバ(5)へと流体を移送する、請求項又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つの移送ポンプ(25)は蠕動ポンプである、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイスクリーム、より正確にはソフトアイスクリームであって、より一般的に言えば液体状又は半液体状の食品を製造するための装置に関する装置製造分野を取り扱う。
【0002】
具体的には、本発明は、このような装置において、基本製品を供給し、その後そこから完成した液体又は半液体を得て提供する回路のバルブ形成部に関する。
【背景技術】
【0003】
このようなアイスクリームの業界において、冷却システムと関連し撹拌機を備えるバッチフリージングシリンダ(又はチャンバ)を備えた(ソフト)アイスクリーム装置が知られている。
【0004】
バッチフリージングシリンダによれば、別の容器から供給された、適切に計測され準備された基本混合物から、完成品(アイスクリーム又はソフトアイスクリーム)を製造可能である。
【0005】
基本混合物は、適切な容器、即ち「バッグインボックス」として知られる種類の柔軟性のある供給容器からこのバッチフリージングシリンダに供給される。このような容器は基本的に、製品を外に出すための(貫通する)開口部を含む壁を有する柔軟性のあるバッグを備える。
【0006】
このような柔軟性のある供給容器は、製品がそこから出ていくと変形するよう構成されており、即ち、容器の体積は収容する製品の量によって決まる。
【0007】
柔軟性のある容器から取り出された製品は、供給容器と加工(バッチフリージング)チャンバとをつなぐダクト系からなる回路によって、装置内のバッチフリージングシリンダへと運ばれる。
【0008】
各ダクトは、周知の方法で各容器と関連する空圧で動作する遮断バルブを用いて、各供給容器に取り付けられる。
【0009】
各バルブは、装置の主制御ユニットが駆動する挿入された制御手段を介して圧縮空気源に接続された各ダクトを介して受け取る空圧制御信号によって、他のバルブがもしあれば、これらのバルブとは独立して起動したり停止したりすることができる。
【0010】
バルブには、変形可能な膜(membrane)が備わっており、遮断システムを駆動する空圧制御システムによって発生した空気圧を受ける。この業界のオペレータは、バルブの品質の問題について不満を訴えることが多い。
【0011】
言い換えると、バルブが(例えば、制御駆動システムの操作ミスが理由で)過度な圧力を受けた場合や、バルブ材料構造の摩耗や問題又は突然の圧力変化によって、空気圧下で膜が破れる危険性が常にあり、加圧空気がバルブ本体を流れ、柔軟性のある供給容器に到達して、容器が破裂したりその内容物が装置内部にこぼれたりしてしまうことになる。
【0012】
このような非常に望ましくない事態が起こると、正しい衛生状況を取り戻して装置の動作を正常化するために、装置を停止して完全に清掃せねばならない。更に、無駄になった製品のことや破損した容器を製品で満たした新しい容器と交換する必要性等の要因についても考慮する必要がある。
【0013】
このように、より耐久性のある駆動系を保証可能であって、バルブの駆動に使用する圧縮空気が、接続される柔軟性のある容器に全く到達しないようにすることができる頑丈なバルブの必要性がこの業界で強く感じられている。
【発明の概要】
【0014】
従って、本開示は、上述の欠点を克服するものであって、即ち上述の必要性を満たすことを目的とする。
【0015】
具体的に、本開示の目的は、アイスクリーム又は液体状又は半液体状の製品を製造するための装置内の対応する柔軟性のある容器から取り出した製品の供給を制御するためのバルブであって、動作時に使用する加圧空気が、接続された容器に到達しないよう常に即ちどんな場合にも正しい動作を保証するような構造上の構成を備えたバルブを提供することである。
【0016】
本開示の更なる目的は、上述のバルブを備えた液体状又は半液体状製品を製造するための装置であって、動作時に使用する加圧空気によって柔軟性のある容器が破損したり容器内の基本製品が装置内にこぼれたりしないようにして、装置の停止時間が長引くことがないようにする装置を提供することである。
【0017】
本開示によれば、本開示の対象物を形成し添付の請求項の一以上に記載の技術的特徴を備える、バルブ及び装置によってこのような目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
上述の目的に関する本開示の技術的特徴は、以下に記載の請求項に明示されており、その利点は好ましいが非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照しながら以下の詳細な記載により明らかとなる。
図1】本開示のバルブを備える液体状又は半液体状製品を製造するための装置の概略側面図。
図2】液体状又は半液体状製品を製造するための図1の装置に搭載するバルブの概略斜視図。
図3図2のバルブの全体側面図。
図4図2のバルブの側面断面図。
図5】バルブの概略図であって、その部品がよくわかるように分解図において幾つかの部品を取り外した図。
図6】以上の図に示したバルブの斜視図であって一部を組み立てた状態を示す図。
図7】以上の図に示したバルブの断面図であって一部を組み立てた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面を参照すると、参照符号1は、液体状又は半液体状の製品を製造するための機器又は装置を表す。
【0020】
特に、装置1によってアイスクリーム製品の製造が可能である。より正確には、装置1によって、次の製品、つまり手作りジェラート、ソフトアイスクリーム、ソルベのうちの一以上を製造可能である。
【0021】
より詳細には図1を参照すると、装置1は、供給容器3を搭載するフレーム2を備える(例えば、図1には3つのこのような容器を示しているが、容器の数は任意であってよい)。各供給容器3は、変形可能な壁を有し、液体状又は半液体状の基本混合物を収容する。従って、各第一容器3が占める体積は、内部に収容する基本混合物又は添加する製品の量によって決まる。
【0022】
容器3は、フレーム2に動作可能に関連し、取り出し用のダクト8のネットワーク15に接続された適切な支持手段9上に配置される。
【0023】
ダクト8のネットワーク15内で動作する、(少なくとも一つの)ポンプ25があり、例えば蠕動ポンプであって、供給容器3から基本混合物または添加製品を取り出して、ダクト8のネットワーク15の端部を介して加工チャンバ5(具体的にはバッチフリージングチャンバ)に送る。
【0024】
尚、図示しない実施形態において、各供給容器3はそれぞれの対応する接続ダクト8と関連するポンプ25とによってバッチフリージングチャンバ5に接続されてもよい(接続ダクト8と関連ポンプ25とが特に唯一の供給容器3の専用となっている)。
【0025】
移送ポンプ25が各供給容器3と動作可能に接続されていることが好ましく、バルブ19が開位置にあると、各供給容器3とポンプ25との間の流体接続が得られ、バルブが閉位置にあると、供給容器3とポンプ25との間の流体接続が妨げられる。
【0026】
加工チャンバ5において、撹拌機6によって基本混合物を混合し、熱処理手段7が撹拌機と協働して基本混合物を液体状又は半液体状製品へと変えるよう作用する。
【0027】
但し、基本混合物を熱処理する手段は、加工チャンバ5と関連する少なくとも一つの熱交換器(蒸発器)を備えた(図示しない)熱力学系を含む。
【0028】
熱システムが、熱交換流体を備え、熱力学サイクルに応じて動作する流体回路(hydraulic circuit)を備えることが好ましい。
【0029】
移送ポンプ25は、供給容器3と加工チャンバ5との間に動作可能に挿入されており、製品を供給容器3から加工チャンバ5へと移送する。
【0030】
図1に示した実施形態において、供給容器3と加工チャンバ5とをつなぐ取り出し用のダクト8は、各供給容器3を(選択的に)加工チャンバ5に動作可能に接続し、それぞれの状況において要求される必要な量の基本混合物又は添加する製品を各供給容器3から取り出し可能とするよう構成される。
【0031】
装置1及びその部品の全体的な動作は、電子動作制御ユニット11によって保証及び制御される。
【0032】
具体的には、供給容器3と取り出し用のダクト8とを選択的に接続するために、複数の空圧制御バルブ19があり、各空圧制御バルブが供給容器3のうちの一つに対応する。
【0033】
(図示しない)インタフェースが、装置1の動作制御ユニット11とその部品に接続されていて制御コマンドを備えており、供給容器3のうちの一つと加工チャンバ5とを(選択的に)流体連通させるようバルブ19を制御するよう操作可能である。
【0034】
実際には、このインタフェースによって、動作制御ユニット11に制御信号を送ることができ、これによって受け取った制御信号に応じて、(なされた選択に基づいて)バルブ19のうちの一つを選択的に開く。
【0035】
図2から図4を参照すると、各空圧制御バルブ19は、流入ダクト22と流出ダクト21とを備えたバルブ本体29を備える。バルブ19の流入ダクト22は、基本製品又は添加物を収容する対応する供給容器3に接続される。一方、バルブ19の流出ダクト21は、バルブ本体29に取り付けられて、ネットワーク15の取り出し用ダクト8に接続される。
【0036】
バルブ19の内部で動作する遮断手段7、20があり、流入ダクト22と流出ダクト21との間の接続を選択的に遮断しまたは許可するためのものである。遮断手段7、20は、流入ダクト22の端壁に作用するシャッター20と、バルブ本体29内部で長手方向に延びる軸部7とを備える。
【0037】
軸部7によってシャッター20を作動させるために、流入ダクト22の反対側にバルブ本体29と関連する制御チャンバ27がある。
【0038】
制御チャンバ27は、バルブ本体29に(一体化するよう形成して)取り付けられた第一外殻部12と、第一外殻部12と関連する第二外殻部13とを、第一変形可能膜28の-第一外殻部と第二外殻部との間に挿入された-、外周端部を介して備える。第一変形可能膜28は、制御チャンバ27内の密閉閉鎖空間の境界を定める柔軟性のある壁を構成する。
【0039】
密閉閉鎖空間は、変形可能膜28を変形させて軸部7によってシャッター20を作動させるように、加圧流体源、具体的には圧縮空気源に選択的に接続可能である。
【0040】
本開示によれば、第一変形可能膜28は、この膜に関連する第二変形可能膜24を有し、この膜も閉鎖空間の境界を定めるものであって動作可能に作用するよう軸部7に機械的に接続されており、シャッター20を作動させるよう設計される。
【0041】
但し、第二変形可能膜24の一面は、第一膜28の対応する面に接着している。
【0042】
第一及び第二膜28、24双方の外周端部は、第一外殻部と第二外殻部との間に挿入されており、閉鎖空間の密閉部を形成するものであることを強調する。
【0043】
第一外殻部12の内側大径端部によってカップばね23を備える弾性手段が支持されており、この弾性手段は、軸部7に対向する第一又は第二膜部28、24の側の小径端部に作用する。このばね23は、膜28、24に作用して、シャッターが流入ダクト22を閉じる位置にシャッター20を戻す、及び/又はシャッターをその位置に保持するよう作用する。
【0044】
このように、空圧制御バルブ19が形成されるが、通常はカップばね23の弾性反応の影響によって閉じている。
【0045】
閉鎖空間は、第二外殻部13から発しホース等のチューブ18に接続する栓6を介して、加圧流体源に接続される。
【0046】
チューブ18は、制御ユニット11によって制御される圧縮空気分配器17へと通じており、制御ユニットは、バルブ19を開く必要がある場合には圧縮空気分配器を使用可能とする指令を出し、バルブ19を閉じるべき場合には、無効とする指令を出す。
【0047】
但し、通常、即ち、圧縮空気をバルブ19に供給していない場合(より正確には、圧縮空気を制御ダクト18に供給していない場合)には、シャッター20は、流入ダクト22トと流出ダクト21との間の接続を遮るような位置にある。
【0048】
閉鎖空間を密閉するためにこのような第一及び第二の二つの膜28及び24を設けると、これらの膜によって構成する変形可能なアセンブリにより強い構造的強度を与えるだけでなく、更にバルブに対する安全なシステムがもたらされる。即ち、第一又は第二バルブ28、24のうちの一方の破損によってこの閉鎖空間の密閉が外側へと向かって開放され、これによって全体的に残った膜によって保護されている流入又は流出ダクト22、21を加圧流体が流れることが防がれる。
【0049】
特に、膜のうちの一方が破損した場合に、加圧空気が流入ダクト22を流れて供給容器3に到達しないようになっており、従って、供給容器が破裂したり内容物が装置1のフレーム2内へとこぼれたりすることがない。本明細書の導入部で述べた問題はこのようにして回避される。
【0050】
このように、ここまで述べたバルブ19は、液体状又は半液体状の食品を製造するための装置1に設置される。この液体状又は半液体状の食品は、対応する供給容器3に収容された基本及び/又は添加製品から得られ、加工チャンバ5に通じる取り出し用ダクト8のネットワーク15によって取り出される。
【0051】
バルブ19は、他のバルブ19とは独立して起動したり停止したりすることができ、それぞれの供給容器3を取り出し用ダクトのネットワーク15及び加工チャンバ5に接続し及びこれらから切断するものである。
【0052】
装置1は更に、圧縮機16を備え、この圧縮機は、動作制御ユニット11によって受信された指令に応じて圧縮空気を発生させ、圧縮機16に接続された圧縮空気分配器17へと選択的に送るよう構成される。
【0053】
複数の供給ホース(service hose)18によって圧縮空気分配器17とバルブ19とが接続しており、圧縮空気流を各バルブへと届ける。実際には、圧縮空気分配器17は、各バルブ19へと独立して空気流を放出可能なように構成される。
【0054】
独立して制御可能である各バルブ19に対して異なる供給容器3があるので、非常に迅速、簡単且つ信頼性の高い方法で各供給容器を次々に切り替え可能であり、これにより、装置の停止時間が長引かないようにすることができる。
【0055】
バルブ19が空圧式であって装置1が圧縮機16と圧縮空気分配器17とを備えているので、全ての一般的な店舗作業条件下において、任意の種類の基本アイスクリーム製品を特に信頼性高く加工チャンバ5に供給することができる。
【0056】
更なる態様によれば、装置1は、加工チャンバ5から製品を提供するために加工チャンバ5に接続されたディスペンサ39を備える。
【0057】
従って上述の目的の全てが達成される。
【0058】
具体的に、アイスクリーム又は液体状又は半液体状の製品を製造するための装置内の対応する柔軟性のある容器から取り出した製品の供給を制御するためのバルブであって、動作時に使用される加圧空気が、接続された容器に到達しないよう常に即ちどんな場合にも正しい動作を保証するような構造上の構成を備えたバルブが提供される。
【0059】
このように、上述のようなバルブを備えた液体状又は半液体状製品を製造するための装置であって、動作時に使用される加圧空気によって柔軟性のある容器が破損したり、容器内の基本製品が装置内にこぼれたりしないようにして、装置の停止時間が長引くことがないようにする装置が提供される。
【0060】
図6及び図7からわかるように、第一変形可能膜28は第一外殻部12に連結される。
【0061】
第一変形可能膜28が第一外殻部12に強固に連結されて(溶接されて)いることが好ましい。
【0062】
第一変形可能膜28が第一外殻部12に誘導溶接されていることが好ましい。
【0063】
再び図6及び図7を参照すると、第二変形可能膜24は第二外殻部13に連結される。
【0064】
第二変形可能膜24が第二外殻部13に強固に連結されて(溶接されて)いることが好ましい。
【0065】
第二変形可能膜24が第二外殻部13に誘導溶接されていることが好ましい。
【0066】
従って、図6及び図7に示すように、第一変形可能膜28に連結された第一外殻部12は、第二膜24に連結された第二外殻部13に機械的に接続される。
【0067】
具体的には、第一外殻部12と第二外殻部13とのうちの一方が突起40を備えており、第一外殻部12と第二外殻部13とのうちの他方が突起40を受け入れるよう構成された取り付け部(seat)41を備える。
【0068】
突起40を取り付け部41に挿入することで、第一外殻部12を第二外殻部13に連結させる。
【0069】
但し、第一及び第二外殻部12、13が互いに連結された時点では、これらの連結は密閉されていない(流体密ではない)。
【0070】
従って、第一の膜28が破損した場合には、供給容器3内部に収容された基本液体は(第一外殻部と第二外殻部との間の連結ゾーンを介して)バルブ19から流れ出る。
【0071】
このように、破損はオペレータにはすぐに分かるものであって、オペレータはバルブ19の故障に直ちに気が付く。
【0072】
同じ様に、第二の膜24が破損した場合には、加圧空気が(バルブが起動していれば)第一外殻部12と第二外殻部13との間の連結ゾーンを介して流れ出る。ここでも、この場合にはバルブ19を介して流出する加圧空気によって起こる異常な音により、オペレータにはこのような故障がすぐに分かる。
【0073】
このように、第一外殻部12と第二外殻部13との間の機械的な連結は流体密な連結ではなく、この特定の場合においては、突起40と受け入れる取り付け部41とを互いに嵌め合わせることで行われる。
【0074】
より正確には、第一外殻部12と第二外殻部13との間の連結によって、図6及び図7に示すように、流体シールを有さずに第一の膜28と第二の膜24との間に空間が形成される。
【0075】
圧力によって又は(例えば特別な道具を用いた)変形によって、突起40を取り付け部40に連結させることが好ましい。
【0076】
第一及び/又は第二の膜28、24がエラストマーからなることが好ましい(熱可塑性エラストマーからなることが更に好ましい)。
【0077】
第一及び/又は第二の膜28、24に熱可塑性エラストマーを使用することによって、各外殻部12、13への溶接が可能になるという利点を有する。
【0078】
第一外殻部12及び/又は第二外殻部13について、第一外殻部12及び/又は第二外殻部13が樹脂製である(アセタール樹脂(acetalic resin)製であることが好ましい)。更なる態様によれば、本開示は、液体状又は半液体状食品を製造するための装置に関し、この装置は、
-フレーム2と、
-液体状又は半液体状の基本混合物を収容6する複数の変形可能な供給容器3であって、各第一容器3が占める体積は、この第一容器3の内部の基本混合物の量によって決まる容器と、
-基本混合物用の加工チャンバ5であって、基本混合物を加工する熱処理手段と撹拌機とを備え、撹拌機と熱処理手段とは協働して基本混合物を液体状又は半液体状製品へと変えるよう動作する加工チャンバと、
-供給容器3と加工チャンバ5とをつなぐ取り出し用のダクト8のネットワーク15であって、各供給容器3を加工チャンバ5に動作可能に接続し、基本混合物を各供給容器3から加工チャンバ5へと移送するよう構成されたダクトのネットワークと、
-供給容器3用の支持手段9であって、フレーム2に動作可能に関連する支持手段と、
-装置1を動作及び制御する電子制御ユニット11と、を備え、取り出し用ダクト8のネットワーク15は、(上述したような種類の)複数の空圧制御バルブ19に接続され、供給容器3のうちの一つに関連する各バルブは、他のバルブ19とは独立して起動及び停止して、対応する容器3を加工チャンバ5と接続可能とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7