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特許7236874エレベーターのかごの照明装置の調光装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】エレベーターのかごの照明装置の調光装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20230303BHJP
【FI】
B66B11/02 E
B66B11/02 W
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019022793
(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公開番号】P2020132277
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】立木 保奈美
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/129010(WO,A1)
【文献】特開2017-016747(JP,A)
【文献】特開2016-119147(JP,A)
【文献】特開2014-211968(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175873(WO,A1)
【文献】特開2010-155706(JP,A)
【文献】特開2014-005116(JP,A)
【文献】特開2012-174353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごの照明装置に適用される調光装置であり、透過させる可視光を拡散させる前記照明装置の照明板は前記かごの内側で前記照明装置より下方のかご室内空間に露出し、
前記照明装置の光源の発光面から前記かご室内空間に至るまでの光路に固定されて配置され、前記光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する透過率が前記光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に対する透過率より低い吸光部材
を備え
前記吸光部材は、前記照明板の上面に固定されて設けられる
エレベーターのかごの照明装置の調光装置。
【請求項2】
透過させる可視光を拡散させ、前記吸光部材を上方から覆い、前記照明板の外周部に取り付けられる押さえ板
を備え、
前記吸光部材は、前記照明板の前記外周部の内側において前記外周部より下方に設けられ、前記押さえ板によって前記照明板に押さえられることで前記照明装置に固定される
請求項1に記載のエレベーターのかごの照明装置の調光装置。
【請求項3】
前記光源がLED光源である場合に、前記LED光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する前記吸光部材の透過率は、前記LED光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に対する前記吸光部材の透過率より低い
請求項1または請求項2に記載のエレベーターのかごの照明装置の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターのかごの照明装置の調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にエレベーターの照明装置の例が記載されている。照明装置は、光線拡散部材を備える。光線拡散部材は、光源を覆う。光線拡散部材は、光線を透過させる材料で形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-75991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明装置において、光線拡散部材は、波長によらずに光線を透過させる。このため、光源の性質によっては、かご室内空間における光のスペクトルについてブルーライトの割合が高くなる場合がある。この場合に、ブルーライトを好まない利用者は、ブルーライトを低減させる器具を個別に用意する必要がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされた。本発明の目的は、ブルーライトを低減させる器具を利用者が個別に用意する必要のないエレベーターのかごの照明装置の調光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエレベーターのかごの照明装置の調光装置は、エレベーターのかごの照明装置に適用される調光装置であり、透過させる可視光を拡散させる前記照明装置の照明板は前記かごの内側で前記照明装置より下方のかご室内空間に露出し、前記照明装置の光源の発光面から前記かご室内空間に至るまでの光路に固定されて配置され、前記光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する透過率が前記光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に対する透過率より低い吸光部材を備え、前記吸光部材は、前記照明板の上面に固定されて設けられる
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、調光装置は、吸光部材を備える。吸光部材は、エレベーターのかごの照明装置の光源の発光面からかごの内側で照明装置より下方のかご室内空間に至るまでの光路に固定されて配置される。光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する吸光部材の透過率は、光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に対する吸光部材の透過率より低い。これにより、利用者は、ブルーライトを低減させる器具を個別に用意する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエレベーターのかごの内側の図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置の垂直断面図である。
図3】実施の形態1の変形例に係る照明装置の垂直断面図である。
図4】実施の形態2に係る照明装置の垂直断面図である。
図5】実施の形態2の変形例に係る照明装置の垂直断面図である。
図6】実施の形態3に係る照明装置の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターのかごの内側の図である。
【0011】
エレベーターは、建築物に設けられる。建築物は、複数の階を備える。エレベーターにおいて、図示されない昇降路は複数の階を貫く。エレベーターは、かご1を備える。かご1は、昇降路の内部を鉛直方向に走行することで、複数の階の間で利用者を輸送する装置である。かご1は、例えば直方体状の形状である。かご1は、照明装置2を備える。照明装置2は、例えばかご1の天井に設けられる。照明装置2は、かご室内空間3を照らす装置である。かご室内空間3は、かご1の内側で照明装置2より下方の空間である。かご室内空間3は、利用者が乗車する空間である。
【0012】
図2は、実施の形態1に係る照明装置の垂直断面図である。
【0013】
照明装置2は、光源4と、カバー5と、照明板6と、を備える。
【0014】
光源4は、光を発する装置である。光源4は、発光面7を有する。発光面7は、光源4の表面である。この例において、光源4は、LED(Light Emitting Diode)光源である。LED光源は、複数のLED素子8を備える。発光面7は、複数のLED素子8の各々の表面である。光源4は、かご1の天井に設けられる。発光面7は、下方に向けられる。この例において、LED素子8は、蛍光体を含有する樹脂に封入されたLEDチップによって形成される。ここで、蛍光体は、例えば黄色の蛍光体である。LEDチップは、例えば青色LEDである。LED素子8は、青色LEDの発光と黄色の蛍光体の蛍光とによって、照明用の擬似白色光を発する。
【0015】
カバー5は、光源4を覆う部材である。カバー5は、例えば下方から光源4を覆う。カバー5は、可視光を透過させる材料で形成される。カバー5は、透過させる可視光を拡散させてもよい。
【0016】
照明板6は、かご室内空間3に露出する部材である。照明板6は、例えばカバー5の下方に設けられる。照明板6のかご室内空間3に露出する部分の形状は、例えば矩形状である。照明板6は、可視光を透過させる材料で形成される。照明板6は、透過させる可視光を拡散させてもよい。
【0017】
ここで、例えばエレベーターの利用者または管理者などが、かご室内空間3における光のうちのブルーライトの割合の低減を望むことがある。このとき、調光装置9が照明装置2に取り付けられる。ここで、ブルーライトの波長の範囲は、380nmから500nmまでの波長の範囲である。
【0018】
調光装置9は、吸光部材10と、押さえ板11と、を備える。
【0019】
吸光部材10は、例えば樹脂からなるシートである。光源4から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する吸光部材10の透過率は、光源4から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に吸光部材10の透過率より低い。ここで、透過率は、吸光部材10に対する入射光と透過光との強度比である。吸光部材10は、照明板6の上面に固定されて設けられる。吸光部材10の形状は、照明板6のかご室内空間3に露出する部分の形状に合わせられる。吸光部材10の形状は、例えば矩形状である。
【0020】
吸光部材10は、例えばブルーライトを選択的に吸収する材料で形成される。吸光部材10は、例えばブルーライトを選択的に反射させる材料で形成されてもよい。吸光部材10は、例えばブルーライトを選択的に吸収する物質を分散させた樹脂であってもよい。吸光部材10は、例えばブルーライトを選択的に吸収する物質をコーティングなどによって塗布した樹脂であってもよい。吸光部材10は、例えばブルーライトを選択的に反射させる物質をコーティングなどによって塗布した樹脂であってもよい。
【0021】
押さえ板11は、吸光部材10を押さえる板である。押さえ板11は、取付け部の例である。押さえ板11は、吸光部材10を上方から覆う。押さえ板11の形状は、例えば吸光部材10より大きい矩形状である。押さえ板11は、可視光を透過させる材料で形成される。押さえ板11は、透過させる可視光を拡散させてもよい。押さえ板11は、例えば照明板6の外周部に取り付けられる。押さえ板11は、例えば接着、ネジ止め、またはリベット止めなどによって照明板6に取り付けられる。
【0022】
続いて、調光装置9の機能を説明する。
【0023】
光源4から発せられた光は、発光面7からかご室内空間3に至るまで伝播する。光源4から発せられた光の光路12は、発光面7から、例えばカバー5、押さえ板11、吸光部材10、および照明板6の順に通過して、かご室内空間3に至る。すなわち、吸光部材10は、光路12に設けられている。
【0024】
吸光部材10は、透過率の波長依存性によって、透過させる光のうちのブルーライトの割合を低減させる。吸光部材10を透過した光は、かご室内空間3に伝播する。これにより、かご室内空間3における光のブルーライトの割合は、光源4が発する光のブルーライトの割合より低くなる。
【0025】
なお、押さえ板11は、例えば吸光部材10の四辺を押さえる枠または板であってもよい。このとき、押さえ板11は不透明な材料で形成されていてもよい。また、調光装置9は、押さえ板11を備えなくてもよい。吸光部材10は、例えば接着、ネジ止め、またはリベット止めなどによって照明板6に直接的に取り付けられてもよい。
【0026】
また、LED素子8の蛍光体は、例えば赤色および緑色などの複数の色の蛍光体であってもよい。LED素子8は、LEDチップの表面に蛍光体を塗布したものであってもよい。LED素子8は、例えば赤色、緑色、および青色などの複数の色のLEDチップによって形成されていてもよい。
【0027】
次に、図3を用いて、調光装置9の他の例を説明する。
図3は、実施の形態1の変形例に係る照明装置の垂直断面図である。
【0028】
照明装置2は、光源4と、照明板6と、を備える。
【0029】
調光装置9は、吸光部材10を備える。
【0030】
吸光部材10は、例えば下方から光源4を覆う。この例において、吸光部材10は、例えば樹脂により形成されるカバー5である。吸光部材10は、例えば照明装置2のカバー5に代えて設けられる。
【0031】
続いて、この例における調光装置9の機能を説明する。
【0032】
光源4から発せられた光は、発光面7からかご室内空間3に至るまで伝播する。光源4から発せられた光の光路12は、発光面7から、例えば吸光部材10、および照明板6の順に通過して、かご室内空間3に至る。
【0033】
吸光部材10は、透過率の波長依存性によって、透過させる光のうちのブルーライトの割合を低減させる。吸光部材10を透過した光は、かご室内空間3に伝播する。これにより、かご室内空間3における光のブルーライトの割合は、光源4が発する光のブルーライトの割合より低くなる。
【0034】
なお、吸光部材10は、照明装置2の照明板6に代えて設けられる板状の部材であってもよい。
【0035】
以上に説明したように、実施の形態1に係る調光装置9は、吸光部材10を備える。吸光部材10は、エレベーターのかご1の照明装置2の光源4の発光面7からかご室内空間3に至るまでの光路12に固定されて配置される。かご室内空間3は、かご1の内側で照明装置2より下方の空間である。光源4から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する吸光部材10の透過率は、光源4から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に対する吸光部材10の透過率より低い。
【0036】
光源4から発せられた光は、吸光部材10を通過してかご室内空間3に至る。吸光部材10は、透過率の波長依存性によって、透過させる光のうちのブルーライトの割合を低減させる。このため、かご室内空間3におけるブルーライトの割合は、光源4が発する光のブルーライトの割合より低くなる。これにより、利用者は、ブルーライトを低減させる器具を個別に用意する必要がなくなる。また、かご室内空間3における紫外線の割合も低減される。このため、調光装置9は、紫外線によって誘引される虫のかご室内空間3への侵入を抑制できる。
【0037】
また、光源4がLED光源である場合に、LED光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長の光に対する吸光部材10の透過率は、LED光源から発せられる光のうちブルーライトの範囲の波長より長い波長の可視光に対する吸光部材10の透過率より低い。
【0038】
一般に照明用のLED光源は、可視光のうちの短波長領域の光を発するLED素子を必要とする。可視光のうちの短波長領域は、ブルーライトの波長の範囲に重なる。このため、照明用のLED光源から発せられる光は、ブルーライトの成分を多く含む。また、蛍光体の蛍光によって擬似白色光を発するLED光源は、蛍光体を励起する短波長の光を発するLED素子の他に異なる波長の光を発するLED素子を備えない場合がある。当該LED光源において、LED素子の発光の制御によってLED光源のスペクトルの制御をすることは困難である。このようなLED光源を備える照明装置2についても、調光装置9は、かご室内空間3におけるブルーライトの割合を効果的に低減させる。
【0039】
また、調光装置9は、取付け部を備える。取付け部は、吸光部材10を照明装置2に取り付ける。
【0040】
これによって、吸光部材10は、より確実に照明装置2に取り付けられる。また、吸光部材10は、取付け部によって容易に照明装置2に取り付けられる。これにより、調光装置9は、既設の照明装置2に対しても容易に適用される。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で開示された例と相違する点について詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0042】
図4は、実施の形態2に係る照明装置2の垂直断面図である。
【0043】
この例において、照明装置2は、間接照明の装置である。照明装置2は、支持部13と、光源4と、を備える。
【0044】
支持部13は、かご1の天井に設けられる。この例において、支持部13は、支持板14を備える。支持板14は、かご1の天井から吊り下げられる板状部材である。支持板14の形状は、例えば矩形状である。支持板14の下面は、かご室内空間3に向く。支持板14は、不透明な材料により形成される。
【0045】
光源4は、支持部13に支持される。光源4は、支持板14の上面に設けられる。この例において、光源4は、LED光源である。LED光源は、複数のLED素子8を備える。発光面7は、複数のLED素子8の各々の表面である。発光面7は、上方に向けられる。
【0046】
調光装置9は、例えば4枚の吸光部材10を備える。吸光部材10は、例えば樹脂からなる板状部材である。吸光部材10の形状は、例えば台形状である。吸光部材10の下端は、支持板14の一辺に沿って設けられる。吸光部材10は、支持板14の内側に向かって傾けられる。吸光部材10の上端は、天井に固定される。調光装置9は、4枚の吸光部材10によって四方から光源4を囲う。
【0047】
続いて、この例における調光装置9の機能を説明する。
【0048】
光源4から発せられた光は、発光面7から天井によって反射された後に、かご室内空間3に至るまで伝播する。光源4から発せられた光の光路12は、発光面7から吸光部材10を通過して、かご室内空間3に至る。
【0049】
吸光部材10は、透過率の波長依存性によって、透過させる光のうちのブルーライトの割合を低減させる。吸光部材10を透過した光は、かご室内空間3に伝播する。これにより、かご室内空間3における光のブルーライトの割合は、光源4が発する光のブルーライトの割合より低くなる。
【0050】
次に、図5を用いて、調光装置9の他の例を説明する。
図5は、実施の形態2の変形例に係る照明装置の垂直断面図である。
【0051】
この例において、かご1の側面は、例えば鉄などの強磁性体を含む材料で形成される。
【0052】
この例において、照明装置2は、間接照明の装置である。照明装置2は、支持部13と、光源4と、を備える。
【0053】
支持部13は、かご1の壁面の上部に設けられる。支持部13は、かご1の四方の側面に設けられる。支持部13の下面は、かご室内空間3に向く。支持部13は、かご1の水平方向の内側に遮光板15を備える。遮光板15は、支持部13の下面から上方に向かって立ち上がる板状部材である。遮光板15は、例えば鉄などの強磁性体を含む材料で形成される。
【0054】
光源4は、支持部13に支持される。光源4は、遮光板15よりかご1の水平方向の外側に設けられる。この例において、光源4は、管状のLED光源である。LED光源は、例えば可視光を透過させる管の内部に複数のLED素子8を備える。発光面7は、可視光を透過させる管の側面である。
【0055】
調光装置9は、吸光部材10と、磁石16と、を備える。
【0056】
吸光部材10は、例えば樹脂からなる板状部材である。吸光部材10は、かご1の側面から支持部13の遮光板15にわたって設けられる。吸光部材10は、光源4を上方から覆う。
【0057】
磁石16は、吸光部材10の端部に設けられる。磁石16は、磁力によってかご1の側面および支持部13の遮光板15に吸着する。磁石16は、取付け部の例である。
【0058】
続いて、この例における調光装置9の機能を説明する。
【0059】
遮光板15は、光源4が発する直接光をかご室内空間3から遮蔽する。光源4から発せられた光は、発光面7から天井または遮光板15などによって反射された後に、かご室内空間3に至るまで伝播する。光源4から発せられた光の光路12は、発光面7から吸光部材10を通過して、かご室内空間3に至る。
【0060】
吸光部材10は、透過率の波長依存性によって、透過させる光のうちのブルーライトの割合を低減させる。吸光部材10を透過した光は、かご室内空間3に伝播する。これにより、かご室内空間3における光のブルーライトの割合は、光源4が発する光のブルーライトの割合より低くなる。
【0061】
以上に説明したように、実施の形態2に係る調光装置9の取付け部は、磁力により吸光部材10を照明装置2に取り付ける。
【0062】
これにより、調光装置9の照明装置2への適用は、より容易になる。
【0063】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1または実施の形態2で開示された例と相違する点について詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0064】
図6は、実施の形態3に係る照明装置2の垂直断面図である。
【0065】
この例において、照明装置2は、間接照明の装置である。照明装置2は、支持部13と、光源4と、を備える。
【0066】
支持部13は、かご1の壁面の上部に設けられる。支持部13は、かご1の四方の側面に設けられる。支持部13の下面は、かご室内空間3に向く。支持部13は、かご1の水平方向の内側に遮光板15を備える。遮光板15は、支持部13の下面から上方に向かって立ち上がる板状部材である。
【0067】
光源4は、支持部13に支持される。光源4は、遮光板15よりかご1の水平方向の外側に設けられる。この例において、光源4は、管状のLED光源である。LED光源は、例えば可視光を透過させる管の内部に複数のLED素子8を備える。発光面7は、可視光を透過させる管の側面である。
【0068】
調光装置9は、吸光部材10を備える。
【0069】
吸光部材10は、例えば樹脂からなる熱収縮フィルムである。吸光部材10は、光源4の発光面7に密着して設けられる。吸光部材10は、例えば光源4に被せられた後に、加熱によって収縮することで光源4に密着させられる。
【0070】
続いて、この例における調光装置9の機能を説明する。
【0071】
遮光板15は、光源4が発する直接光をかご室内空間3から遮蔽する。光源4から発せられた光は、発光面7から天井または遮光板15などによって反射された後に、かご室内空間3に至るまで伝播する。光源4から発せられた光の光路12は、発光面7から吸光部材10を通過して、かご室内空間3に至る。
【0072】
吸光部材10は、透過率の波長依存性によって、透過させる光のうちのブルーライトの割合を低減させる。吸光部材10を透過した光は、かご室内空間3に伝播する。これにより、かご室内空間3における光のブルーライトの割合は、光源4が発する光のブルーライトの割合より低くなる。
【0073】
以上に説明したように、実施の形態3に係る調光装置9の吸光部材10は、発光面7に密着する。
【0074】
これにより、調光装置9は、吸光部材10を支持する部材を別途必要としない。このため、調光装置9がコンパクトになる。これにより、かご1の重量の増加が抑えられる。また、ブルーライトのかご室内空間3への漏れが低減される。特に光源4がLED光源である場合に、光源4の発光面7からの発熱量は小さい。このため、発光面7への密着による吸光部材10の劣化は起こりにくくなる。
【0075】
また、吸光部材10は、熱収縮フィルムにより形成される。
【0076】
これにより、吸光部材10の発光面7への装着が容易になる。特に、既存の照明装置2への調光装置9の適用が容易になる。
【符号の説明】
【0077】
1 かご、 2 照明装置、 3 かご室内空間、 4 光源、 5 カバー、 6 照明板、 7 発光面、 8 LED素子、 9 調光装置、 10 吸光部材、 11 押さえ板、 12 光路、 13 支持部、 14 支持板、 15 遮光板、 16 磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6