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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】ピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20230303BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20230303BHJP
   C07D 417/04 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D403/04
C07D417/04
A61K31/506
A61P9/10 101
A61P17/00
A61P19/02
A61P25/00
A61P25/04
A61P25/28
A61P27/02
A61P27/06
A61P29/00
A61P29/02
A61P35/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019539556
(86)(22)【出願日】2018-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2018031859
(87)【国際公開番号】W WO2019044868
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】P 2017165049
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002990
【氏名又は名称】あすか製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】岡田 亮
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】能勢 卓
(72)【発明者】
【氏名】西本 恭博
(72)【発明者】
【氏名】前田 智史
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 友章
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073709(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/059618(WO,A1)
【文献】Database REGISTRY,2014年,RN 1523307-89-2, Retrieved from STN international [online]; retrieved on 25 October 2018
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1):
【化1】
(式中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を示し;R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルカノイル基、シアノ基、又はカルボキシル基を示し;R2はアルキル基、置換基を有していてもよい炭素環基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し;R3は水素原子、又は環A上に置換する1ないし3個の置換基(該置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で置換されていてもよい)からなる群から選択される)を示し;R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し;R6はアルキル基(該アルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシ基で置換されていてもよい)、又はアルコキシ基を示し;環Aは単環性芳香族複素環ジイル基(該複素環は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む))で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
Xがカルボニル基である請求項1に記載の一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【請求項3】
R6が分枝鎖C1-6アルキル基(該アルキル基はC1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)である請求項1又は2に記載の一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【請求項4】
R4及びR5が共に水素原子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【請求項5】
R3が水素原子であるか、又はアルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる1個の置換基である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【請求項6】
R1が水素原子、アルキル基、又はシアノ基である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【請求項7】
R2が置換基を有していてもよい飽和若しくは部分飽和の単環性3~7員環状炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい飽和若しくは部分飽和の単環性3~7員複素環基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む)、又は置換基を有していてもよい単環性芳香族複素環基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む)である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【請求項8】
請求項に記載の上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むmPGES-1阻害剤。
【請求項9】
請求項に記載の上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むPGE2生合成阻害剤。
【請求項10】
請求項に記載の上記一般式(1)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩を含む医薬。
【請求項11】
炎症、疼痛、リウマチ、変形性関節症、発熱、アルツハイマー病、多発性硬化症、動脈硬化、高眼圧症、虚血性網膜疾患、全身性強皮症、悪性腫瘍、又はPGE2産生抑制が有効性を示す疾患の予防及び/又は治療に用いるための請求項10に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なピリミジン誘導体に関する。より具体的には、mPGES-1阻害作用を有し、炎症、疼痛、及びリウマチなどの疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用なピリミジン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジンE2(PGE2)は、PGE受容体を介して炎症、疼痛、及び発熱などに関与しており、PGE2産生を抑制することにより炎症を抑制することができる。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、プロスタグランジン生合成経路の上流においてシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することにより抗炎症作用を発揮するが、プロスタグランジン生合成経路においてCOXが関与するプロスタノイド産生より下流の生合成経路をすべて抑制してしまうことから、胃粘液の分泌や胃粘膜血流の抑制による胃粘膜障害が副作用として生じる。
【0003】
COXには、COX-1とCOX-2の2つのアイソザイムが存在する。このうち、COX-2は様々な炎症促進性の刺激(例えば、interleukin-1β等のサイトカイン)により炎症組織において発現誘導される。このCOX-2を選択的に阻害する薬剤においては、血管拡張作用や血小板凝集作用を有するPGI2の産生を抑制するものの、一方でCOX-1が触媒し血管収縮・血小板凝集をおこすトロンボキサンA2(TXA2)産生を阻害しないことから血栓症のリスクを高め、さらに心血管イベントを増大させると考えられている。
【0004】
PGE2の生合成経路の下流において、PGE2はPGH2からプロスタグランジンE合成酵素(PGESynthase, PGES)により生合成されている。PGESにはmPGES-1(microsomal prostaglandin E2 synthase-1)、mPGES-2(microsomal prostaglandin E2 synthase-2)、及びcPGES(cytosolic PGE Synthase)の3種類の酵素が存在しているが、これらのうち、mPGES-1は炎症刺激によって発現が上昇する3量体の誘導型酵素であり(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, pp.7220-7225, 1999)、癌や炎症、疼痛、発熱、組織修復などに関与することが知られている。
【0005】
mPGES-1の阻害剤は、炎症部位においてPGE2の生合成経路の最終段階を選択的に抑制できることから(Pharmacol. Rev., 59, pp.207-224, 2007; J. Biol. Chem., 279,pp.33684-33695, 2004)、非ステロイド系抗炎症剤のような胃粘膜障害を引き起こさない抗炎症剤として期待されている。また、mPGES-1阻害剤は、疼痛、リウマチ、変形性関節症、発熱、アルツハイマー病、多発性硬化症、動脈硬化、緑内障などの高眼圧症、虚血性網膜疾患、全身性強皮症、大腸がんなどの悪性腫瘍、あるいはPGE2産生抑制が有効性を示す疾患の予防及び/又は治療に対する有効性が期待されている(PGE2、PGES、及びmPGES-1、並びにmPGES-1阻害剤の用途などについては国際公開WO2015/125842を参照のこと)。なお、mPGES-1阻害剤は、PGE2産生抑制に伴って他のプロスタノイド産生を増加させることも知られている(J. Biol. Chem., 280, pp.16579-16585, 2005)。
【0006】
mPGES-1阻害剤としては、特許第5601422号に開示された複素環誘導体、国際公開WO2015/59618に開示された置換ピリミジン化合物、及び国際公開WO2015/125842に開示されたトリアジン化合物などが知られている。国際公開WO2015/59618には、p-トリフルオロメチルフェニル基及び2-クロロ-5-イソブチルアミドベンジル基で置換されたピリミジン化合物(実施例2)が開示されており、国際公開WO2015/125842 にはp-トリフルオロメチルフェニル基及び2-クロロ-5-イソブチルアミドベンジル基で置換されたトリアジン化合物が開示されている(実施例1-28)。国際公開WO2017/073709にはフェニル基で置換されたピリミジン誘導体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5601422号
【文献】国際公開WO2015/59618
【文献】国際公開WO2015/125842
【文献】国際公開WO2017/073709
【非特許文献】
【0008】
【文献】Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, pp.7220-7225, 1999
【文献】Pharmacol. Rev., 59, pp.207-224, 2007
【文献】J. Biol. Chem., 279, pp.33684-33695, 2004
【文献】J. Biol. Chem., 280, pp.16579-16585, 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、mPGES-1阻害作用を有し、炎症、疼痛、又はリウマチなどの疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用な新規化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記の課題を解決すべき鋭意研究を行った結果、下記の一般式(1)で表されるピリミジン誘導体がmPGES-1に対して強い阻害作用を有しており、炎症、疼痛、又はリウマチなどの疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明により、下記の一般式(1):
【化1】
(式中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を示し;Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルカノイル基、シアノ基、又はカルボキシル基を示し;R2はアルキル基、置換基を有していてもよい炭素環基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し;R3は水素原子、又は環A上に置換する1ないし3個の置換基(該置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で置換されていてもよい)からなる群から選択される)を示し;R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し;R6はアルキル基(該アルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシ基で置換されていてもよい)、又はアルコキシ基を示し;環Aは複素環ジイル基を示す)で表される化合物又はその塩が提供される。
【0012】
上記発明の好ましい態様によれば、Xがカルボニル基である上記一般式(1)で表される化合物又はその塩;R6が分枝鎖C1-6アルキル基(該アルキル基はC1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)である上記一般式(1)で表される化合物又はその塩;R4及びR5が共に水素原子である上記一般式(1)で表される化合物又はその塩;R3が水素原子であるか、又はアルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる1個の置換基である上記一般式(1)で表される化合物又はその塩;R1が水素原子、アルキル基、又はシアノ基である上記一般式(1)で表される化合物又はその塩;R2が置換基を有していてもよい飽和若しくは部分飽和の単環性3~7員環状炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい飽和若しくは部分飽和の単環性3~7員複素環基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む)、又は置換基を有していてもよい単環性芳香族複素環基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む);環Aが単環性芳香族複素環ジイル基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む)である上記一般式(1)で表される化合物又はその塩;環Aが単環性の5員又は6員芳香族複素環ジイル基(該複素環基は1又は2個の環構成ヘテロ原子を含む)が提供される。
【0013】
別の観点からは、本発明により、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むmPGES-1阻害剤;及び上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含むPGE2生合成阻害剤が提供される。
【0014】
さらに別の観点からは、本発明により、上記一般式(1)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬が提供される。上記の医薬は、例えば、炎症、疼痛、リウマチ、変形性関節症、発熱、アルツハイマー病、多発性硬化症、動脈硬化、緑内障などの高眼圧症、虚血性網膜疾患、全身性強皮症、大腸がんなどの悪性腫瘍、あるいはPGE2産生抑制が有効性を示す疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。
【0015】
また、本発明により、上記mPGES-1阻害剤、上記PGE2生合成阻害剤、又は上記医薬の製造のための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用;ヒトを含む哺乳類動物の生体内においてmPGES-1を阻害する方法であって、上記一般式(1)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;ヒトを含む哺乳類動物の生体内においてPGE2の生合成を阻害する方法であって、上記一般式(1)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;及びヒトを含む哺乳類動物の生体内においてPGE2の生合成を阻害することにより他のプロスタノイドの産生を促進する方法であって、上記一般式(1)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明により提供される上記一般式(1)で表される化合物又はその塩は、mPGES-1に対して強い阻害作用を発揮し、PGE2の生合成を阻害することができるので、例えば、炎症、疼痛、リウマチ、変形性関節症、発熱、アルツハイマー病、多発性硬化症、動脈硬化、緑内障などの高眼圧症、虚血性網膜疾患、全身性強皮症、大腸がんなどの悪性腫瘍、あるいはPGE2産生抑制が有効性を示す疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記一般式(1)において、Xはカルボニル基又はスルホニル基を示す。Xがカルボニル基であることが好ましい。
Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルカノイル基、シアノ基、又はカルボキシル基を示す。本明細書において、ハロゲン原子の用語には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が包含される。ハロゲン原子としては、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
【0018】
本明細書において、アルキル基の用語には、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基が包含され、炭素数は特に限定されないが、例えば1~12個、好ましくは1~6個、特に好ましくは1~4個である。アルキル部分を有する他の置換基(例えばアルコキシ基)のアルキル部分についても同様である。R1としては、水素原子、アルキル基、又はシアノ基が好ましく、水素原子、メチル基、又はシアノ基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0019】
R2はアルキル基、置換基を有していてもよい炭素環基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。炭素環基としては、例えば、芳香族炭化水素基又は飽和若しくは部分飽和の環状炭化水素基を用いることができる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基又はナフチル基などを用いることができ、飽和若しくは部分飽和の環状炭化水素基としては、例えば、飽和又は部分飽和の単環性又は双環性3~12員環状炭化水素基を用いることができる。好ましくは、芳香族炭化水素基としてフェニル基を用いることができる。また、好ましくは、環状炭化水素基として飽和の単環性3~7員環状炭化水素基を用いることができ、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基などがより好ましい。
【0020】
複素環基としては、1又は2以上の環構成ヘテロ原子を有する飽和又は部分飽和の複素環基、あるいは1又は2以上の環構成ヘテロ原子を有する芳香族複素環基を用いることができる。環構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子などを用いることができる。1又は2以上の環構成ヘテロ原子を有する飽和又は部分飽和の複素環基としては、例えば、飽和又は部分飽和の単環性3~7員複素環基又は双環性8~12員複素環基を用いることができる。飽和又は部分飽和の単環性3~7員複素環基としては、例えば、1-アジリジニル基、1-アゼチジニル基、1-ピロリジニル基、2-ピロリジニル基、3-ピロリジニル基、2-テトラヒドロフリル基、3-テトラヒドロフリル基、チオラニル基、1-イミダゾリジニル基、2-イミダゾリジニル基、4-イミダゾリジニル基、1-ピラゾリジニル基、3-ピラゾリジニル基、4-ピラゾリジニル基、1-(2-ピロリニル)基、1-(2-イミダゾリニル)基、2-(2-イミダゾリニル)基、1-(2-ピラゾリニル)基、3-(2-ピラゾリニル)基、ピペリジノ基、2-ピペリジニル基、3-ピペリジニル基、4-ピペリジニル基、1-ホモピペリジニル基、2-テトラヒドロピラニル基、モルホリノ基、(チオモルホリン)-4-イル基、1-ピペラジニル基、1-ホモピペラジニル基などを挙げることができ、飽和又は部分飽和の双環性8~12員複素環基としては、例えば、2-キヌクリジニル基、2-クロマニル基、3-クロマニル基、4-クロマニル基、5-クロマニル基、6-クロマニル基、7-クロマニル基、8-クロマニル基、1-イソクロマニル基、3-イソクロマニル基、4-イソクロマニル基、5-イソクロマニル基、6-イソクロマニル基、7-イソクロマニル基、8-イソクロマニル基、2-チオクロマニル基、3-チオクロマニル基、4-チオクロマニル基、5-チオクロマニル基、6-チオクロマニル基、7-チオクロマニル基、8-チオクロマニル基、1-イソチオクロマニル基、3-イソチオクロマニル基、4-イソチオクロマニル基、5-イソチオクロマニル基、6-イソチオクロマニル基、7-イソチオクロマニル基、8-イソチオクロマニル基、1-インドリニル基、2-インドリニル基、3-インドリニル基、4-インドリニル基、5-インドリニル基、6-インドリニル基、7-インドリニル基、1-イソインドリニル基、2-イソインドリニル基、4-イソインドリニル基、5-イソインドリニル基、2-(4H-クロメニル)基、3-(4H-クロメニル)基、4-(4H-クロメニル)基、5-(4H-クロメニル)基、6-(4H-クロメニル)基、7-(4H-クロメニル)基、8-(4H-クロメニル)基、1-イソクロメニル基、3-イソクロメニル基、4-イソクロメニル基、5-イソクロメニル基、6-イソクロメニル基、7-イソクロメニル基、8-イソクロメニル基、1-(1H-ピロリジニル)基、2-(1H-ピロリジニル)基、3-(1H-ピロリジニル)基、5-(1H-ピロリジニル)基、6-(1H-ピロリジニル)基、7-(1H-ピロリジニル)基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0021】
1又は2以上の環構成ヘテロ原子を有する芳香族複素環基としては、単環性の芳香族複素環基として、例えば、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、3-イソオキサゾリル基、4-イソオキサゾリル基、5-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、4-チアゾリル基、5-チアゾリル基、3-イソチアゾリル基、4-イソチアゾリル基、5-イソチアゾリル基、1-イミダゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、5-イミダゾリル基、1-ピラゾリル基、3-ピラゾリル基、4-ピラゾリル基、5-ピラゾリル基、(1,2,3-オキサジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-オキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,4-オキサジアゾール)-3-イル基、(1,2,4-オキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,5-オキサジアゾール)-3-イル基、(1,2,5-オキサジアゾール)-4-イル基、(1,3,4-オキサジアゾール)-2-イル基、(1,3,4-オキサジアゾール)-5-イル基、フラザニル基、(1,2,3-チアジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-チアジアゾール)-5-イル基、(1,2,4-チアジアゾール)-3-イル基、(1,2,4-チアジアゾール)-5-イル基、(1,2,5-チアジアゾール)-3-イル基、(1,2,5-チアジアゾール)-4-イル基、(1,3,4-チアジアゾリル)-2-イル基、(1,3,4-チアジアゾリル)-5-イル基、(1H-1,2,3-トリアゾール)-1-イル基、(1H-1,2,3-トリアゾール)-4-イル基、(1H-1,2,3-トリアゾール)-5-イル基、(2H-1,2,3-トリアゾール)-2-イル基、(2H-1,2,3-トリアゾール)-4-イル基、(1H-1,2,4-トリアゾール)-1-イル基、(1H-1,2,4-トリアゾール)-3-イル基、(1H-1,2,4-トリアゾール)-5-イル基、(4H-1,2,4-トリアゾール)-3-イル基、(4H-1,2,4-トリアゾール)-4-イル基、(1H-テトラゾール)-1-イル基、(1H-テトラゾール)-5-イル基、(2H-テトラゾール)-2-イル基、(2H-テトラゾール)-5-イル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、3-ピリダジニル基、4-ピリダジニル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、5-ピリミジニル基、2-ピラジニル基、(1,2,3-トリアジン)-4-イル基、(1,2,3-トリアジン)-5-イル基、(1,2,4-トリアジン)-3-イル基、(1,2,4-トリアジン)-5-イル基、(1,2,4-トリアジン)-6-イル基、(1,3,5-トリアジン)-2-イル基、1-アゼピニル基、2-アゼピニル基、3-アゼピニル基、4-アゼピニル基、(1,4-オキサゼピン)-2-イル基、(1,4-オキサゼピン)-3-イル基、(1,4-オキサゼピン)-5-イル基、(1,4-オキサゼピン)-6-イル基、(1,4-オキサゼピン)-7-イル基、(1,4-チアゼピン)-2-イル基、(1,4-チアゼピン)-3-イル基、(1,4-チアゼピン)-5-イル基、(1,4-チアゼピン)-6-イル基、(1,4-チアゼピン)-7-イル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0022】
縮合多環式芳香族複素環基としては、例えば、2-ベンゾフラニル基、3-ベンゾフラニル基、4-ベンゾフラニル基、5-ベンゾフラニル基、6-ベンゾフラニル基、7-ベンゾフラニル基、1-イソベンゾフラニル基、4-イソベンゾフラニル基、5-イソベンゾフラニル基、2-ベンゾ[b]チエニル基、3-ベンゾ[b]チエニル基、4-ベンゾ[b]チエニル基、5-ベンゾ[b]チエニル基、6-ベンゾ[b]チエニル基、7-ベンゾ[b]チエニル基、1-ベンゾ[c]チエニル基、4-ベンゾ[c]チエニル基、5-ベンゾ[c]チエニル基、1-インドリル基、2-インドリル基、3-インドリル基、4-インドリル基、5-インドリル基、6-インドリル基、7-インドリル基、(2H-イソインドール)-1-イル基、(2H-イソインドール)-2-イル基、(2H-イソインドール)-4-イル基、(2H-イソインドール)-5-イル基、(1H-インダゾール)-1-イル基、(1H-インダゾール)-3-イル基、(1H-インダゾール)-4-イル基、(1H-インダゾール)-5-イル基、(1H-インダゾール)-6-イル基、(1H-インダゾール)-7-イル基、(2H-インダゾール)-1-イル基、(2H-インダゾール)-2-イル基、(2H-インダゾール)-4-イル基、(2H-インダゾール)-5-イル基、2-ベンゾオキサゾリル基、4-ベンゾオキサゾリル基、5-ベンゾオキサゾリル基、6-ベンゾオキサゾリル基、7-ベンゾオキサゾリル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-3-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-4-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-5-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-6-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-7-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-3-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-4-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-5-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-6-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-7-イル基、2-ベンゾチアゾリル基、4-ベンゾチアゾリル基、5-ベンゾチアゾリル基、6-ベンゾチアゾリル基、7-ベンゾチアゾリル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-3-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-4-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-5-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-6-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-7-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-3-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-4-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-5-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-6-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-7-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-6-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-7-イル基、(2,1,3-ベンゾオキサジアゾール)-4-イル基、(2,1,3-ベンゾオキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-5-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-6-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-7-イル基、(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)-4-イル基、(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)-5-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-1-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-4-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-5-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-6-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-7-イル基、(2H-ベンゾトリアゾール)-2-イル基、(2H-ベンゾトリアゾール)-4-イル基、(2H-ベンゾトリアゾール)-5-イル基、2-キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1-イソキノリル基、3-イソキノリル基、4-イソキノリル基、5-イソキノリル基、6-イソキノリル基、7-イソキノリル基、8-イソキノリル基、3-シンノリニル基、4-シンノリニル基、5-シンノリニル基、6-シンノリニル基、7-シンノリニル基、8-シンノリニル基、2-キナゾリニル基、4-キナゾリニル基、5-キナゾリニル基、6-キナゾリニル基、7-キナゾリニル基、8-キナゾリニル基、2-キノキサリニル基、5-キノキサリニル基、6-キノキサリニル基、1-フタラジニル基、5-フタラジニル基、6-フタラジニル基、2-ナフチリジニル基、3-ナフチリジニル基、4-ナフチリジニル基、2-プリニル基、6-プリニル基、7-プリニル基、8-プリニル基、2-プテリジニル基、4-プテリジニル基、6-プテリジニル基、7-プテリジニル基、1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、9-カルバゾリル基、2-(α-カルボリニル)基、3-(α-カルボリニル)基、4-(α-カルボリニル)基、5-(α-カルボリニル)基、6-(α-カルボリニル)基、7-(α-カルボリニル)基、8-(α-カルボリニル)基、9-(α-カルボリニル)基、1-(β-カルボニリル)基、3-(β-カルボニリル)基、4-(β-カルボニリル)基、5-(β-カルボニリル)基、6-(β-カルボニリル)基、7-(β-カルボニリル)基、8-(β-カルボニリル)基、9-(β-カルボニリル)基、1-(γ-カルボリニル)基、2-(γ-カルボリニル)基、4-(γ-カルボリニル)基、5-(γ-カルボリニル)基、6-(γ-カルボリニル)基、7-(γ-カルボリニル)基、8-(γ-カルボリニル)基、9-(γ-カルボリニル)基、1-アクリジニル基、2-アクリジニル基、3-アクリジニル基、4-アクリジニル基、9-アクリジニル基、1-フェノキサジニル基、2-フェノキサジニル基、3-フェノキサジニル基、4-フェノキサジニル基、10-フェノキサジニル基、1-フェノチアジニル基、2-フェノチアジニル基、3-フェノチアジニル基、4-フェノチアジニル基、10-フェノチアジニル基、1-フェナジニル基、2-フェナジニル基、1-フェナントリジニル基、2-フェナントリジニル基、3-フェナントリジニル基、4-フェナントリジニル基、6-フェナントリジニル基、7-フェナントリジニル基、8-フェナントリジニル基、9-フェナントリジニル基、10-フェナントリジニル基、2-フェナントロリニル基、3-フェナントロリニル基、4-フェナントロリニル基、5-フェナントロリニル基、6-フェナントロリニル基、7-フェナントロリニル基、8-フェナントロリニル基、9-フェナントロリニル基、10-フェナントロリニル基、1-チアントレニル基、2-チアントレニル基、1-インドリジニル基、2-インドリジニル基、3-インドリジニル基、5-インドリジニル基、6-インドリジニル基、7-インドリジニル基、8-インドリジニル基、1-フェノキサチイニル基、2-フェノキサチイニル基、3-フェノキサチイニル基、4-フェノキサチイニル基、チエノ[2,3-b]フリル基、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、イミダゾ[11,2-a]ピリジル基、イミダゾ[1,5-a]ピリジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル基、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル基、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジル基、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリダジニル基などの8員ないし14員の縮合多環式芳香族複素環基を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0023】
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」という場合には、特に言及する場合を除き、その官能基は無置換であるか、あるいは化学的に可能な位置に1個又は2個以上の置換基を有する場合があることを意味する。官能基に存在する置換基の種類、置換基の個数、及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。官能基に存在する置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、オキソ基、チオキソ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、スルファニルカルボニル基、オキサロ基、メソオキサロ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィノ基、スルフィナモイル基、スルフェノ基、スルフェナモイル基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホニル基、炭化水素基、複素環基、炭化水素-オキシ基、複素環-オキシ基、炭化水素-スルファニル基、複素環-スルファニル基、アシル基、アミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ジアゼニル基、ウレイド基、チオウレイド基、グアニジノ基、カルバモイミドイル基(アミジノ基)、アジド基、イミノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、アミノオキシ基、ジアゾ基、セミカルバジノ基、セミカルバゾノ基、アロファニル基、ヒダントイル基、ホスファノ基、ホスホロソ基、ホスホ基、ボリル基、シリル基、スタニル基、セラニル基、オキシド基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0024】
このような置換基は、該置換基上の化学的に可能な位置で他の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類、置換基の個数、及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基で置換される場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。そのような例として、例えば、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基など)、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基など)、ハロゲン化アルキル-カルボニル基(例えば、トリフルオロアセチルなど)、ハロゲン化アルキル-スルホニル基(例えば、トリフルオロメタンスルホニルなど)、アシル-オキシ基、アシル-スルファニル基、N-炭化水素基-アミノ基、N,N-ジ(炭化水素)-アミノ基、N-複素環-アミノ基、N-炭化水素-N-ヘテロ環-アミノ基、アシル-アミノ基、ジ(アシル)-アミノ基などの基が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0025】
R2としては置換基を有していてもよい飽和若しくは部分飽和の単環性3~7員環状炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい飽和若しくは部分飽和の単環性3~7員複素環基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む)、又は置換基を有していてもよい単環性芳香族複素環基(該複素環基は1ないし3個の環構成ヘテロ原子を含む)が好ましい。R2としてシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基などの飽和環状炭化水素基、フェニル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、ピラゾリル基若しくはベンゾチオフェン基などが好ましく、これらの環に置換する置換基としては、例えばメチル基、イソブチル基、塩素原子、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、トリフルオロエトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシプロポキシ基、メチルスルファニル基、シクロプロピル基などから選択される1個又は2個以上の置換基を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0026】
R3は水素原子を示すか、あるいは環A上に置換する1ないし3個の置換基を示し、該置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びアルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で置換されていてもよい)からなる群から選択される。アルキル基又はアルコキシ基に置換するハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。好ましくはR3は環A上に置換する1個の水素原子又は1個の置換基を示し、該置換基はメチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、フッ素原子、又は塩素原子であることが好ましい。R3の置換位置は特に限定されないが、R3が環A上に置換する1個の置換基を示す場合には、環A上に置換するピリミジニル基に対して隣接位(環Aが6員環の場合にはオルト位)であることが好ましく、さらにこの置換基は環A上に置換するピリミジニル基に対して隣接位(環Aが6員環の場合にはオルト位)であって、かつアミノメチル基に対して最遠隔位(環Aが6員環の場合にはパラ位)であることがより好ましい。
【0027】
R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示す。好ましくはR4及びR5は共に水素原子である。
R6はアルキル基(該アルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシ基で置換されていてもよい)、又はアルコキシ基を示す。好ましくはR6は分枝鎖又は環状C1-6アルキル基であり、該分枝鎖C1-6アルキル基はC1-6アルコキシ基で置換されていてもよい。R6として、好ましくはイソプロピル基又は1-メチル-1-メトキシエチル基、シクロプロピル基、t-ブチル基などを用いることができ、特に好ましくはイソプロピル基を用いることができる。
【0028】
環Aは複素環ジイル基を示す。複素環ジイル基には、R1及びR2が置換する4-オキソ-ピリミジン-2-イル基、並びにR4、R5、及びR6が置換するアミノメチル基が結合しており、その環上にはR3が結合する。複素環ジイル基としては、1又は2以上の環構成ヘテロ原子を有する飽和又は部分飽和の複素環ジイル基、あるいは1又は2以上の環構成ヘテロ原子を有する芳香族複素環ジイル基を用いることができる。環構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子などを用いることができる。
【0029】
これらの複素環ジイル基を構成する複素環構造は特に限定されないが、例えば、上記に説明した複素環基を構成する複素環構造を例示することができ、上記に説明した複素環基から任意の位置の水素原子をさらに1個除いた構造を例示することができる。好ましくは単環性の芳香族複素環ジイル基であり、より好ましくは環構成ヘテロ原子として1個又は2個の窒素原子及び/又は硫黄原子を含む単環性の5又は6員の芳香族複素環ジイル基であり、さらに好ましくはピリジンジイル基、ピラジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピロールジイル基、イミダゾールジイル基、ピラゾールジイル基、チアゾールジイル基、又はイソチアゾールジイル基などを挙げることができる。特に好ましくは、ピリジンジイル基、ピラジンジイル基、又はチアゾールジイル基である。
【0030】
一般式(1)に包含される本発明の化合物として、例えば、
N-{[6-(ジフルオロメチル)-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル] -1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド;
N-[(6-{4-[4-(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピラジン-2-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(6-エトキシ-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(4-メチル-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}チアゾール-2-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(6-メチル-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{4-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-4-{トリフルオロメチル}チアゾール-2-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-4-{トリフルオロメチル}チアゾール-2-イル)メチル]イソブチルアミド;
【0031】
N-[(5-{4-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-メチルピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{4-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド;
N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
N-[(5-{4-[4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0032】
一般式(1)で表される化合物は、塩の状態であってもよい。塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩;メチルアミン、エチルアミン、ジエタノールアミンなどの有機アミン塩など、あるいは塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、p-トルエンスルホン酸塩やマレイン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。
【0033】
一般式(1)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物の状態として存在していてもよい。溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、エタノール、酢酸エチル、アセトンなどを例示することができる。一般式(1)で表される化合物は、置換基の種類に応じて光学異性体、ジアステレオ異性体、又は幾何異性体として存在する場合があるが、純粋な形態の任意の異性体のほか、任意の異性体の混合物も本発明の範囲に包含される。
【0034】
一般式(1)で表される化合物又はその塩は、当業者に容易に入手可能な原料化合物から当業者に汎用されている一般的な化学反応を行うことにより容易に合成することができる。本発明の化合物の具体的な製造方法を本明細書の実施例に示した。当業者はそれらの合成方法を参照することにより、一般式(1)に包含される本発明の化合物を容易に製造することが可能である。
【0035】
一般式(1)で表される本発明の化合物はmPGES-1阻害作用を有しており、その阻害作用に基づいてPGE2生合成を阻害することができる。従って、一般式(1)で表される本発明の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む本発明の医薬は、mPGES-1阻害作用に基づいて、例えば、炎症、疼痛、リウマチ、変形性関節症、発熱、アルツハイマー病、多発性硬化症、動脈硬化、緑内障などの高眼圧症、虚血性網膜疾患、全身性強皮症、大腸がんなどの悪性腫瘍、あるいはPGE2産生抑制が有効性を示す疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。
【0036】
より具体的には、本発明の医薬は、例えば、炎症性大腸炎、過敏性腸症候群、偏頭痛、頭痛、腰痛、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、顎関節症、頚肩腕症候群、頸椎症、子宮内膜症、子宮腺筋症、早産、切迫早産、月経困難症、過活動膀胱、前立腺肥大に伴う排尿障害、夜間頻尿、尿失禁、神経因性膀胱、間質性膀胱炎、膀胱痛症候群、尿路結石、前立腺肥大症、慢性前立腺炎、骨盤内疼痛症候群、勃起障害、認知障害、神経変性疾患、アルツハイマー病、肺高血圧症、乾癬、関節リウマチ、リウマチ熱、線維筋痛、神経痛、複合性局所疼痛症候群、筋膜障害、虚血性心疾患、高血圧、狭心症、ウイルス感染症、細菌性感染症、真菌感染症、火傷、手術後、外傷後並びに抜歯後の炎症・痛み、悪性腫瘍、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、血栓症、塞栓症、I型糖尿病、II型糖尿病、脳卒中、痛風、関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、強直性脊椎炎、腱鞘炎、靭帯骨化症、全身性エリテマトーデス、脈管炎、膵炎、腎炎、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ブドウ膜炎、創傷治療、皮膚炎、湿疹、骨粗鬆症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、アレルギー性疾患、家族性大腸腺腫症、強皮症、滑液包炎、子宮筋腫又は癌における痛みの予防及び/又は治療のための医薬として用いることができる。mPGES-1阻害作用と医薬用途との関連については、例えば、国際公開WO2015/125842を参照することができる。上記国際公開の開示及びそこに引用された文献の全てを参照により本明細書の開示に含める。
【0037】
本発明の医薬としては、有効成分である上記一般式(1)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩を投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法によって経口用又は非経口用の医薬組成物を調製して投与することができる。経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、散剤、カプセル剤、細粒剤、液剤、顆粒剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、静脈内注射剤や筋肉内注射剤などの注射剤、点滴剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0038】
上記の医薬組成物は、当業界で医薬組成物の調製に汎用される製剤用添加物を用いて当業者に周知の方法により製造することができる。製剤用添加物は特に限定されず、医薬組成物の形態や徐放性の付与などの目的に応じて適宜選択することができる。例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜剤、希釈剤などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0039】
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、予防又は治療すべき疾患の種類、予防又は治療の目的、有効成分の種類、患者の体重や年齢、症状、投与経路などに応じて適宜選択することができるが、例えば、経口投与の場合には成人一日あたり有効成分の重量として0.01~500 mg程度の範囲で用いることができる。もっとも投与量は当業者に適宜選択可能であり、上記の範囲に限定されることはない。
【実施例
【0040】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例化合物については表1に化学構造式を示す。
【0041】
参考例1:2-(ジフルオロメチル)-5-(イソブチルアミドメチル)ピリジン-3-カルボキサミド
【化2】
【0042】
2-(ジフルオロメチル)-5-(イソブチルアミドメチル)ピリジン-3-カルボン酸1.36gの塩化メチレン20mL溶液へ、二塩化オキサリル0.64mL及びN,N-ジメチルホルムアミドを数滴加え、3時間撹拌した。溶媒及び過剰な二塩化オキサリルを減圧下除去した。氷冷下、アンモニア水3mLをTHF10mLに溶解した液に、先に調製した酸塩化物をゆっくりと滴加した。室温に戻し、3時間撹拌した。生じた固体を分取し、表題化合物562mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.04(6H,d,J=6.8Hz),2.4-2.5(1H,m),4.36(2H,d,J=6.0Hz),7.19(1H,t,J=54.4Hz),7.76(1H,s),7.85(1H,s),8.17(1H,s),8.37(1H,t,J=5.6Hz),8.61(1H,d,J=2.0Hz)
MS(m/z):272(M++1)。
【0043】
参考例2:N-{[5-シアノ-6-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド
【化3】
【0044】
2-(ジフルオロメチル)-5-(イソブチルアミドメチル)ピリジン-3-カルボキサミド414mgのN,N-ジメチルホルムアミド10mL溶液へ、トリエチルアミン0.51mLを加えた。氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物0.25mLを滴加し、室温に昇温して一夜撹拌した。酢酸エチルを加え、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体を減圧下乾燥して、表題化合物300mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.04(6H,d,J=6.8Hz),2.4-2.5(1H,m),4.38(2H,d,J=6.0Hz),7.42(1H,t,J=53.2Hz),8.34(1H,s),8.39(1H,t,J=5.6Hz),8.80(1H,d,J=2.0Hz)
MS(m/z):253(M+)。
【0045】
参考例3:N-{[5-カルバミミドイル-6-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩
【化4】
【0046】
氷冷下、N-{[5-シアノ-6-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド334mgのメタノール4mL溶液に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液26μLをゆっくりと滴加した。室温に昇温し、一夜撹拌した。塩化アンモニウム78mgを加え、5時間還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過し、ろ液の溶媒を減圧下留去して表題化合物357mgを得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0047】
参考例4:N-[(6-シアノピラジン-2-イル)メチル]イソブチルアミド
【化5】
【0048】
6-クロロピラジン-2-カルボニトリル977mg、カリウムN-[(トリフルオロボレート)メチル]イソブチルアミド2.9g、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)クロリド 551mg、炭酸カリウム2.9g、1,4-ジオキサン50mL、水10mLを混ぜ、100℃で一夜撹拌した。室温まで冷却し、セライトろ過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をヘキサン-酢酸エチル10%液で加熱懸濁し、室温まで冷却後ろ過し、減圧下乾燥して表題化合物313mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.07(6H,d,J=6.8Hz),2.4-2.5(1H,m),4.52(2H,d,J=5.6Hz),8.48(1H,t,J=5.6Hz),8.65(1H,s),9.37(1H,s)
MS(m/z):204(M+)。
【0049】
参考例5:N-[(6-カルバミミドイルピラジン-2-イル)メチル]イソブチルアミド塩酸塩
【化6】
【0050】
N-[(6-シアノピラジン-2-イル)メチル]イソブチルアミドを用い、参考例3と同様の操作を行い、表題化合物を得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0051】
参考例6:5-クロロ-2-ヨードピリジン-3-カルボニトリル
【化7】
【0052】
2,5-ジクロロピリジン-3-カルボニトリル1.73g、ヨウ化ナトリウム10.49gの2-ブタノン40mL溶液に、ヨウ化水素酸1.2mLを加え、一夜加熱還流した。室温まで冷却し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、2回水洗、1回亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧下乾燥して表題化合物520mgを得た。
1H-NMR(CDCl3,δ):7.78(1H,d,J=2.8Hz),8.52(1H,d,J=3.2Hz)
MS(m/z):264(M+)。
【0053】
参考例7:5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニトリル
【化8】
【0054】
5-クロロ-2-ヨードピリジン-3-カルボニトリル1.17gのN,N-ジメチルホルムアミド35mL溶液に、ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチル2.2mL、ヨウ化銅3.35gを加え、80℃で一夜撹拌した。室温まで放冷した後、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧下乾燥して表題化合物693mgを得た。
1H-NMR(CDCl3,δ):8.17(1H,d,J=2.4Hz),8.85(1H,d,J=2.0Hz)
MS(m/z):206(M+)。
【0055】
参考例8:N-{[5-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド
【化9】
【0056】
5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニトリルを用いる以外は、参考例4と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(CDCl3,δ):1.21(6H,d,J=6.8Hz),2.46(1H,sept,J=6.8Hz),4.56(2H,d,J=6.0Hz),6.0-6.1(1H,m),8.09(1H,d,J=1.2Hz),8.79(1H,d,J=1.6Hz)
MS(m/z):271(M+)。
【0057】
参考例9:2-(5-クロロピリジン-3-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化10】
【0058】
5-クロロピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩384mgのメタノール溶液15mLに4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド348mg、フェニルスルホニル酢酸エチル457mg、炭酸カリウム553mgを加え、50℃で4日間撹拌した。溶媒を留去し、得られた残渣を塩化アンモニウム水溶液、クロロホルムで洗浄し、表題化合物638mgを得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):6.61(1H,s),7.81(2H,d,J=8.4Hz),8.31(2H,d,J=8.4Hz),8.6-8.7(2H,m),9.42(1H,d,J=1.2Hz)
MS(m/z):351(M+)。
【0059】
参考例10:5-クロロ-2-エトキシピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩
【化11】
【0060】
5-クロロ-2-エトキシピリジン-3-カルボニトリル262mgのメタノール溶液5mLにナトリウムメトキシド8mgを加え、室温で一夜撹拌した後、塩化アンモニウム84mgを加え、4時間半加熱還流した。溶媒を留去し、得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0061】
参考例11:2-(5-クロロ-2-エトキシピリジン-3-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化12】
【0062】
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド及び5-クロロ-2-エトキシピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩を用い、参考例9と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):1.3-1.4(3H,m),4.4-4.5(2H,m),7.06(1H,s),7.86(2H,d,J=8.4Hz),8.3-8.4(3H,m),8.43(1H,d,J=2.4Hz),12.56(1H,brs)
MS(m/z):395(M+)。
【0063】
参考例12:2-ブロモ-4-メチルチアゾール-5-カルボキシミドアミド塩酸塩
【化13】
【0064】
氷冷下、塩化アンモニウム1.39gのトルエン25mL懸濁液にトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(1.8M)10mLを加え、室温で30分間撹拌した。2-ブロモ-4-メチルチアゾール-5-カルボニトリル1.02gを加え、一夜加熱還流した。反応液を氷冷し、メタノールを加え、室温で30分間撹拌した。不溶物をろ去し、ろ液を溶媒留去して表題化合物を得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0065】
参考例13:2-(2-ブロモ-4-メチルチアゾール-5-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化14】
【0066】
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド及び2-ブロモ-4-メチルチアゾール-5-カルボキシミドアミド塩酸塩を用い、参考例9同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):2.87(3H,s),7.24(1H,s),7.91(2H,d,J=8.4Hz),8.35(2H,d,J=8.4Hz),12.51(1H,brs)
MS(m/z):417(M++1)。
【0067】
参考例14:5-クロロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ) ピリジン-3-カルボニトリル
【化15】
【0068】
2,5-ジクロロピリジン-3-カルボニトリル865mgの2,2,2-トリフルオロエタノール溶液10mLに炭酸カリウム1.38gを加え、70℃で一夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、表題化合物1.16gを得た。
1H-NMR(CDCl3,δ):4.87(2H,q,J=8.0Hz),7.94(1H,d,J=2.4Hz),8.32(1H,d,J=2.4Hz)
MS(m/z):236(M+)。
【0069】
参考例15:5-クロロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩
【化16】
【0070】
5-クロロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-3-カルボニトリルを用い、参考例10と同様の操作を行い、表題化合物を得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0071】
参考例16:2-[5-クロロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-3-イル]-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化17】
【0072】
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド及び5-クロロ-2-エトキシピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩を用い、参考例9と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):5.06(2H,q,J=8.8Hz),7.10(1H,s),7.85(2H,d,J=8.4Hz),8.33(2H,d,J=8.4Hz),8.38(1H,d,J=2.4Hz),8.50(1H,d,J=3.2Hz),12.77(1H,brs)
MS(m/z):449(M+)。
【0073】
参考例17:5-クロロ-2-メチルピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩
【化18】
【0074】
5-クロロ-2-メチルピリジン-3-カルボニトリルを用い、参考例12と同様の操作を行い、表題化合物を得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0075】
参考例18:2-(5-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化19】
【0076】
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド及び5-クロロ-2-メチルピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩を用い、参考例9と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):2.63(3H,s),7.13(1H,s),7.86(2H,d,J=8.4Hz),8.20(1H,d,J=2.4Hz),8.32(2H,d,J=8.0Hz),8.68(1H,d,J=2.4Hz),12.95(1H,brs)
MS(m/z):365(M+)。
【0077】
参考例19:2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド
【化20】
【0078】
エチル2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキシレート3.32 gのテトラヒドロフラン6 mL溶液へ、25%アンモニア水溶液を30mL加え、一夜撹拌した。酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、表題化合物2.90 gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):8.12(1H,brs),8.31(1H,brs)
MS(m/z):274(M+-1),276(M++1)。
【0079】
参考例20:2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボニトリル
【化21】
【0080】
2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド2.90gの塩化メチレン50mL溶液へ、トリエチルアミン5.9mLを加えた。氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物2.9mLを滴加し、室温に昇温して一夜撹拌した。水30 mL を加え10分間撹拌後、塩化メチレンで抽出した。水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物1.07 gを得た。
MS(m/z):256(M+-1),258(M++1)。
【0081】
参考例21:2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボニトリル
【化22】
【0082】
2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミドを用い、参考例20と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
MS(m/z):212(M+),214(M++2)。
【0083】
参考例22:2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキシミドアミド塩酸塩
【化23】
【0084】
塩化アンモニウム293mgのトルエン10mL溶液へ、氷冷下トリメチルアルミニウムのトルエン溶液(1.8M)2.3mLを滴下し、室温に昇温した。30分撹拌後、2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボニトリル300mg加え、120℃に昇温して一夜撹拌した。氷冷下まで冷却した後、メタノール15mL 加え、30分間撹拌した。不溶物をセライトろ過し、ろ液の溶媒を減圧下留去して表題化合物396mgを得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0085】
参考例23:2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキシミドアミド塩酸塩
【化24】
【0086】
2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボニトリルを用い、参考例22と同様の操作を行い、表題化合物を得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0087】
参考例24:2-[2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-イル]-6-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化25】
【0088】
2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキシミドアミド塩酸塩552mgのメタノール20mL溶液に、フェニルスルホニル酢酸エチル280mg、4-(シクロプロピルエチニル)ベンズアルデヒド210mg及び炭酸カリウム510mgを加え、55℃で一夜撹拌した。室温まで冷却し、減圧下溶媒を留去した。酢酸エチルで3回抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製後、ジエチルエーテルで懸濁してろ取し、表題化合物489mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):0.77(2H,m),0.92(2H,m),1.59(1H,tt,J=8.4Hz,4.8Hz),7.25(1H,s),7.50(2H,d,J=8.4Hz),8.12(2H,d,J=8.4Hz),8.31(1H,s)
MS(m/z):465(M+-1),467(M++1)。
【0089】
参考例25:2-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-イル]-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化26】
【0090】
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド及び2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキシミドアミド塩酸塩を用い、参考例24と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):7.31(1H,s)7.73(2H,m),7.92(2H,d,J=8.0Hz),8.31(1H,s)
MS(m/z):425(M+)。
【0091】
参考例26:2-(5-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-6-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン
【化27】
【0092】
5-クロロ-2-メチルピリジン-3-カルボキシミドアミド塩酸塩を用い、参考例24と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):0.76(2H,m),0.91(2H,m),1.57(1H,tt,J=7.6Hz,5.6Hz),2.61(3H,s),6.98(1H,s),7.46(2H,d,J=8.4Hz),8.06(2H,d,J=8.4Hz),8.17(1H,d,J=2.4Hz),8.66(1H,d,J=2.4Hz)
MS(m/z):361(M+)。
【0093】
参考例27:N-{[5-カルバミミドイル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩
【化28】
【0094】
N-{[5-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミドを用い、参考例22と同様の操作を行い、表題化合物を得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0095】
実施例1:N-{[6-(ジフルオロメチル)-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル] -1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド
N-{[5-カルバミミドイル-6-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩357mgのメタノール10mL溶液に、フェニルスルホニル酢酸エチル301mg、4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド230mg及び炭酸カリウム365mgを加え、55℃で一夜撹拌した。冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液に空け、クロロホルムで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物66mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.05(6H,d,J=7.2Hz),2.3-2.5(1H,m),4.42(2H,d,J=5.6Hz),7.2-8.2(4H,m),8.33(2H,d,J=8.0Hz),8.40(1H,t,J=6.0Hz),8.73(1H,d,J=1.6Hz),13.13(1H,s)
MS(m/z):466(M+)。
【0096】
実施例2:N-[(6-{4-[4-(シクロヘキシルメトキシ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピラジン-2-イル)メチル]イソブチルアミド
4-シクロヘキシルメトキシベンズアルデヒドを用い、実施例1と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.0-1.3(11H,m),1.6-1.9(6H,m),2.5-2.6(1H,m),3.88(2H,d,J=6.4Hz),4.60(2H,d,J=5.6Hz),6.94(1H,s),7.06(2H,d,J=8.8Hz),8.19(2H,d,J=8.8Hz),8.53(1H,t,J=5.6Hz),8.81(1H,s),9.55(1H,s),12.40(1H,s)
MS(m/z):461(M+)。
【0097】
実施例3:N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
2-(5-クロロピリジン-3-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン211mgの1,4-ジオキサン25mL、水5mL溶液に、カリウム N-[(トリフルオロボレート)メチル]イソブチルアミド248 mg、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)17mg、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル28mg、炭酸ナトリウム127mgを加え、100℃で一夜撹拌した。反応後、セライトでろ過し、溶媒を留去した後、得られた残渣を水とクロロホルムで洗浄し、表題化合物160mgを得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):1.07(6H,d,J=6.8Hz),2.46(1H,sept,J=6.8Hz),4.40(2H,d,J=6.0Hz),7.13(1H,s),7.87(2H,d,J=8.0Hz),8.3-8.5(4H,m),8.64(1H,d,J=1.6Hz),9.27(1H,s),12.95(1H,brs)
MS(m/z):416(M+)。
【0098】
実施例4:N-[(6-エトキシ-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
2-(5-クロロ-2-エトキシピリジン-3-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オンを用い、実施例3と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):1.03(6H,d,J=6.8Hz),1.36(3H,t,J=6.8Hz),2.3-2.5(1H,m),4.29(2H,d,J=6.0Hz),4.44(2H,q,J=6.8Hz),7.03(1H,s),7.85(2H,d,J=8.4Hz),8.16(1H,d,J=2.4Hz),8.24(1H,d,J=2.0Hz),8.3-8.4(3H,m),12.38(1H,brs)
MS(m/z):460(M+)。
【0099】
実施例5:N-[(4-メチル-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}チアゾール-2-イル)メチル]イソブチルアミド
2-(2-ブロモ-4-メチルチアゾール-5-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン296mgの1,4-ジオキサン15mL、水3mL溶液に、カリウム N-[(トリフルオロボレート)メチル]イソブチルアミド294mg、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)クロリド56mg、炭酸カリウム294mgを加え、100℃で3日間撹拌した。反応後、セライトでろ過し、溶媒を留去した。水を加え、酢酸エチルで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物30mgを得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):1.08(6H,d,J=6.8Hz),2.47(1H,sept,J=6.8Hz),2.81(3H,s),4.50(2H,d,J=6.0Hz),7.15(1H,s),7.90(2H,d,J=8.0Hz),8.34(2H,d,J=8.4Hz),8.69(1H,t,J=6.0Hz),12.37(1H,brs)
MS(m/z):436(M+)。
【0100】
実施例6:N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
2-[5-クロロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-3-イル]-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オンを用い、実施例5と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):1.03(6H,d,J=6.8Hz),2.42(1H,sept,J=6.8Hz),4.32(2H,d,J=5.6Hz),5.05(2H,q,J=9.2Hz),7.06(1H,s),7.85(2H,d,J=8.4Hz),8.13(1H,d,J=2.4Hz),8.27(1H,d,J=2.4Hz),8.32(2H,d,J=8.0Hz),8.35(1H,t,J=5.6Hz),12.62(1H,brs)
MS(m/z):514(M+)。
【0101】
実施例7:N-[(6-メチル-5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
2-(5-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オンを用い、実施例5と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(d6-DMSO,δ):1.03(6H,d,J=6.8Hz),2.42(1H,sept,J=6.8Hz),2.60(3H,s),4.32(2H,d,J=6.0Hz),7.08(1H,s),7.8-7.9(3H,m),8.2-8.4(3H,m),8.49(1H,d,J=2.0Hz),12.96(1H,brs)
MS(m/z):430(M+)。
【0102】
実施例8:N-[(5-{4-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-4-{トリフルオロメチル}チアゾール-2-イル)メチル]イソブチルアミド
2-[2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-イル]-6-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-3H-ピリミジン-4-オン489mg、カリウム N-[(トリフルオロボレート)メチル]イソブチルアミド435mg、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)クロリド 165mg、炭酸カリウム435mg、1,4-ジオキサン8mL、水1.5mLを混ぜ、100℃で一夜撹拌した。室温まで冷却し、セライトろ過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジエチルエーテルで懸濁してろ取した。得られた結晶を減圧下乾燥して表題化合物154mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):0.77(2H,m),0.92(2H,m),1.07(6H,d,J=7.2Hz),1.58(1H,tt,J=8.0Hz,5.2Hz),2.45(1H,m),4.57(2H,d,J=6.0Hz),7.20(1H,brs),7.49(2H,d,J=8.4Hz),8.11(2H,d,J=6.0Hz),8.81(1H,t,J=6.0Hz)
MS(m/z):486(M+)。
【0103】
実施例9:N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-4-{トリフルオロメチル}チアゾール-2-イル)メチル]イソブチルアミド
2-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-イル]-6-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オンを用い、実施例8と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.08(6H,d,J=6.8Hz),2.47(1H,m),4.58(2H,d,J=6.0Hz),7.32(1H,brs),7.91(2H,d,J=8.0Hz),8.35(2H,d,J=8.0Hz),8.82(1H,t,J=6.0Hz)
MS(m/z):490(M+)。
【0104】
実施例10:N-[(5-{4-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-メチルピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
2-(5-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-6-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]ピリミジン-4(3H)-オン66.2mg、カリウム N-[(トリフルオロボレート)メチル]イソブチルアミド76mg、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)クロリド 29mg、炭酸カリウム76mg、1,4-ジオキサン5mL、水1mLを混ぜ、100℃で一夜撹拌した。室温まで冷却し、セライトろ過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジエチルエーテルで懸濁してろ取し、減圧下乾燥して表題化合物30mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):0.76(2H,m),0.91(2H,m),1.03(6H,d,J=6.8Hz),1.57(1H,tt,J=8.4Hz,4.8Hz),2.42(1H,m),2.58(3H,s),4.31(2H,d,J=6.0Hz),6.94(1H,brs),7.45(2H,d,J=8.4Hz),7.81(1H,s),8.05(2H,d,J=8.4Hz),8.31(1H,t,J=6.0Hz),8.48(1H,s)
MS(m/z):426(M+)。
【0105】
実施例11:N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド及びN-{[5-カルバミミドイル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩を用い、参考例24と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.05(6H,d,J=6.8Hz),2.46(1H,m),4.45(2H,d,J=6.0Hz),7.16(1H,brs),7.85(2H,d,J=8.0Hz),8.14(1H,s),8.28(2H,d,J=7.2Hz),8.47(1H,t,J=6.0Hz),8.78(1H,s),13.26(1H,brs)
MS(m/z):484(M+)。
【0106】
実施例12:N-[(5-{4-[4-(シクロプロピルエチニル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
N-{[5-カルバミミドイル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩を用い、参考例24と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):0.76(2H,m),0.91(2H,m),1.04(6H,d,J=7.2Hz),1.57(1H,tt,J=8.4Hz,4.8Hz),2.45(1H,m),4.44(2H,d,J=5.6Hz),7.01(1H,brs),7.44(2H,d,J=8.4Hz),8.02(2H,d,J=8.0Hz),8.10(1H,s),8.44(1H,t,J=6.0Hz),8.77(1H,s)
MS(m/z):480(M+)。
【0107】
実施例13:N-[(5-{6-オキソ-4-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド及びN-{[5-カルバミミドイル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩を用い、参考例24と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):1.04(6H,d,J=6.8Hz),2.43(1H,m),4.45(2H,d,J=5.6Hz),7.08(1H,brs),7.47(2H,d,J=8.4Hz),8.12(1H,s),8.20(2H,d,J=8.4Hz),8.44(1H,t,J=6.0Hz),8.77(1H,s)
MS(m/z):500(M+)。
【0108】
実施例14:N-[(5-{4-[4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル]イソブチルアミド
4-(2-ブトキシエトキシ)ベンズアルデヒド及びN-{[5-カルバミミドイル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル}イソブチルアミド塩酸塩を用い、参考例24と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6,δ):0.87(3H,t,J=7.2Hz),1.04(6H,d,J=6.8Hz),1.32(2H,qt,J=7.2Hz,7.2Hz),1.49(2H,tt,J=6.8Hz,6.8Hz),2.45(1H,m),3.45(2H,t,J=6.4Hz),3.70(2H,dd,J=4.4Hz,4.4Hz),4.15(2H,dd,J=4.4Hz,4.4Hz),4.45(2H,d,J=6.0Hz),6.91(1H,brs),7.03(2H,d,J=8.8Hz),8.02(2H,d,J=8.4Hz),8.09(1H,s),8.43(1H,t,J=6.0Hz),8.76(1H,s)
MS(m/z):532(M+)。
【0109】
試験例1:mPGES-1阻害活性試験
ヒトmPGES-1 cDNAをコードするプラスミドを一過性にトランスフェクトしたCOS-1細胞からミクロソームを調製し、mPGES-1酵素として用いた。mPGES-1酵素を還元型グルタチオン(2.5 mM)及びEDTA(1 mM)を含んだリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.2)にて希釈し、DMSO又は試験化合物のDMSO溶液(DMSOの終濃度1%)を加え、4℃で15分間プレインキュベートした。次に、基質であるPGH2(Prostaglandin H2)を終濃度1μMとなるよう添加して酵素反応を開始させ、4℃で4分間インキュベートした後、塩化第二鉄(25 mM)及びクエン酸(50 mM)溶液を加えて酵素反応を停止させた。生成したPGE2(Prostaglandin E2)をProstaglandin E2 Express EIA kit (Cayman Chemical)を用いて測定した。標準的な方法を用いてIC50値を測定した。結果を以下の表2に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】