(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】表示基板、表示装置、表示基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230303BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230303BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230303BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20230303BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230303BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20230303BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20230303BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230303BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230303BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20230303BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 309
G09F9/30 338
G09F9/30 308Z
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H05B33/04
H05B33/22 Z
H10K59/12
H05B33/10
H05B33/12 B
H05B33/02
H10K59/124
(21)【出願番号】P 2019545774
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2018109622
(87)【国際公開番号】W WO2020073226
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョンユアン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ジンカイ・ニ
(72)【発明者】
【氏名】ジンシャン・シュエ
(72)【発明者】
【氏名】グアンカイ・ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンチ・リュウ
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-191891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0012237(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221982(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034935(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108281458(CN,A)
【文献】特開2016-136515(JP,A)
【文献】特開2018-045873(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106981584(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0211483(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
表示基板において複数のクラックバリア領域を画成する、前記ベース基板上に位置するクラックバリア層と、
前記複数のクラックバリア領域にそれぞれ位置する、前記ベース基板上に位置する複数の封止アイランドと、を含む表示基板であって、
前記複数の封止アイランドの各々は、
バリアブロックと、
前記バリアブロックの前記ベース基板から離れた側の複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子と、
前記バリアブロックの外周全体と直接接して、封止層と前記バリアブロックとの間の空間内に複数の発光素子のうちの少なくとも1つを封止する封止層と、を含み、
前記クラックバリア層は、前記複数の封止アイランドの外部に位置する前記表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、前記複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁を形成
し、
前記バリア壁の高さが、前記複数の封止アイランドの対応する1つの高さよりも大きい、表示基板。
【請求項2】
前記バリア壁は、前記ベース基板に面する第1の側、前記第1の側と実質的に対向し、前記ベース基板と逆側に位置する第2の側、前記第1の側と前記第2の側をそれぞれ接続する第3の側および第4の側を有し、
前記第3の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第1の平均傾斜角度を有し、
前記第4の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第2の平均傾斜角度を有する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1の平均傾斜角度は約120度から約160度の範囲にあり、
前記第2の平均傾斜角度は約120度から約160度の範囲にある、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1の側と前記第2の側の間における前記バリア壁の高さは、約2μmから約6μmの範囲にある、請求項2から3のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項5】
前記バリア壁は、前記複数の封止アイランドのうちの対応する1つの封止アイランドの側面からギャップにより離間される、請求項1から4のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項6】
互いに離間している複数の平坦化ブロックを含む、前記ベース基板上に位置する平坦化層をさらに含み、
前記複数の封止アイランドの各々は、
複数のバリアブロックのうちの対応する1つのバリアブロック上に位置する少なくとも1つの薄膜トランジスタと、
前記少なくとも1つの薄膜トランジスタの前記複数のバリアブロックのうちの対応する1つのバリアブロックから離れた側に位置する、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックと、をさらに含み、
前記複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子は、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックの前記ベース基板から離れた側に位置する、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項7】
前記複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子の各々は、第1の電極と、前記第1の電極上に位置する発光層と、前記発光層の前記第1の電極から離れた側に位置する第2の電極と、を含み、
前記表示基板は、前記バリア壁の下方を通って前記複数の封止アイランドのうちの隣接する封止アイランドにおける電子部品を接続する、複数本の信号線をさらに含み、
前記第2の電極は、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックを貫通するビアを介して前記複数本の信号線のうちの1つの信号線に電気的に接続される、請求項
6に記載の表示基板。
【請求項8】
前記平坦化層の前記ベース基板から離れた側に位置し、互いに離間し各々が画素開口を定義する複数の画素定義ブロックを含む、画素定義層をさらに含み、
前記複数の封止アイランドの各々は、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックの前記ベース基板から離れた側に位置する、前記複数の画素定義ブロックのうちの対応する1つの画素定義ブロックをさらに含む、請求項
7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記クラックバリア層は、互いに離間している複数のバリア囲いを含み、
前記複数のバリア囲いの各々単独のバリア囲いは、前記複数のクラックバリア領域のうちの対応する1つのクラックバリア領域を画成し、
前記複数のバリア囲いのうちの隣接するバリア囲いのバリア壁は、ギャップにより互いに離間している、請求項1から
8のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項10】
前記表示基板は、前記複数の封止アイランドのうちの隣接する封止アイランドの間に位置する前記クラックバリア層の3つ以上のバリア壁を含み、前記3つ以上のバリア壁はギャップにより互いに離間している、請求項1から
9のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項11】
前記複数の封止アイランドの各々単独の封止アイランドにおける複数の発光素子の総数は1つである、請求項1から
10のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項12】
前記封止層は、少なくとも1つの無機封止サブ層を含み、
前記クラックバリア層は、前記複数の封止アイランドの外部に位置する前記少なくとも1つの無機封止サブ層のクラックが前記複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐように構成される、請求項1から
11のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項13】
前記ベース基板は、伸長性のあるベース基板であり、
前記表示基板は、実質的に伸長していない状態と伸長している状態を有する伸長性のある表示基板であり、
前記複数のクラックバリア領域の外部に位置する前記表示基板の前記1つ以上のサブ層のクラックは、前記実質的に伸長していない状態と前記伸長している状態の間を前記表示基板が遷移したために生じたものである、請求項1から
12のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項14】
前記バリア壁は、前記ベース基板と直接接する、請求項
13に記載の表示基板。
【請求項15】
請求項1から
14のいずれか1項に記載の表示基板を含む表示装置。
【請求項16】
表示基板において複数のクラックバリア領域を画成するクラックバリア層をベース基板上に形成するステップと、
前記複数のクラックバリア領域にそれぞれ位置する複数の封止アイランドを前記ベース基板上に形成するステップと、を含む表示基板の製造方法であって、
前記複数の封止アイランドの各々を形成するステップは、
バリアブロックを形成することと、
前記バリアブロックの前記ベース基板から離れた側に、複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子を形成することと、
前記バリアブロックの外周全体と直接接して、封止層と前記バリアブロックとの間の空間内に複数の発光素子のうちの少なくとも1つを封止する封止層を形成すること、を含み、
前記クラックバリア層は、前記複数の封止アイランドの外部に位置する前記表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、前記複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁を構成するように形成され
、
前記バリア壁の高さが、前記複数の封止アイランドの対応する1つの高さよりも大きい、表示基板の製造方法。
【請求項17】
前記封止層は、前記クラックバリア層を形成した後に封止材を積層して形成される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記クラックバリア層は、アンダーカットプロフィールを有するように形成され、
前記バリア壁は、前記ベース基板に面する第1の側、前記第1の側と実質的に対向し、前記ベース基板と逆側に位置する第2の側、前記第1の側と前記第2の側をそれぞれ接続する第3の側および第4の側を有するように形成され、
前記第3の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第1の平均傾斜角度を有し、
前記第4の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第2の平均傾斜角度を有する、請求項
16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術に関し、特に、表示基板、表示装置、並びに表示基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可撓性のある電子デバイスおよび伸長性のある電子デバイスが開発されている。可撓性のある電子デバイスは、折り曲げまたは折り畳み可能なデバイスであり、一般的に、可撓性のあるベース基板に電子装置を取り付けて製造される。伸長性のある電子デバイスは、1つ以上の次元でその長さを増大可能なデバイスである。伸長性のある電子デバイスは、表示装置およびセンサアレイを含む様々な用途に利用できる。
【発明の概要】
【0003】
ひとつの方面において、本発明は、ベース基板と、表示基板において複数のクラックバリア領域を画成する、前記ベース基板上に位置するクラックバリア層と、前記複数のクラックバリア領域にそれぞれ位置する、前記ベース基板上に位置する複数の封止アイランドと、を含む表示基板であって、前記複数の封止アイランドの各々は、複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子と、複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子を封止し、前記複数の封止アイランドのうちの対応する1つの封止アイランドの側面を形成する封止層と、を含み、前記クラックバリア層は、前記複数の封止アイランドの外部に位置する前記表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、前記複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁を形成する、表示基板を提供する。
【0004】
前記バリア壁は、前記ベース基板に面する第1の側、前記第1の側と実質的に対向し、前記ベース基板と逆側に位置する第2の側、前記第1の側と前記第2の側をそれぞれ接続する第3の側および第4の側を有し、前記第3の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第1の平均傾斜角度を有し、前記第4の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第2の平均傾斜角度を有してもよい。
【0005】
前記第1の平均傾斜角度は約120度から約160度の範囲にあり、前記第2の平均傾斜角度は約120度から約160度の範囲にあってもよい。
【0006】
前記第1の側と前記第2の側の間における前記バリア壁の高さは、約2μmから約6μmの範囲にあってもよい。
【0007】
前記バリア壁は、前記複数の封止アイランドのうちの対応する1つの封止アイランドの側面からギャップにより離間されてもよい。
【0008】
前記表示基板は、互いに離間している複数のバリアブロックを含む、前記ベース基板上に位置するバリア層をさらに含み、前記複数の封止アイランドの各々は、前記複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子の前記封止層から離れた側に位置する、前記複数のバリアブロックのうちの1つのバリアブロックをさらに含んでもよい。
【0009】
前記封止層は、前記複数のバリアブロックの各々と直接接して前記複数の発光素子を封止してもよい。
【0010】
前記表示基板は、互いに離間している複数の平坦化ブロックを含む、前記ベース基板上に位置する平坦化層をさらに含み、前記複数の封止アイランドの各々は、前記複数のバリアブロックのうちの対応する1つのバリアブロック上に位置する少なくとも1つの薄膜トランジスタと、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタの前記複数のバリアブロックのうちの対応する1つのバリアブロックから離れた側に位置する、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックと、をさらに含み、前記複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子は、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックの前記ベース基板から離れた側に位置してもよい。
【0011】
前記複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子の各々は、第1の電極と、前記第1の電極上に位置する発光層と、前記発光層の前記第1の電極から離れた側に位置する第2の電極と、を含み、前記表示基板は、前記バリア壁の下方を通って前記複数の封止アイランドのうちの隣接する封止アイランドにおける電子部品を接続する、複数本の信号線をさらに含み、前記第2の電極は、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックを貫通するビアを介して前記複数本の信号線のうちの1つの信号線に電気的に接続されていてもよい。
【0012】
前記表示基板は、前記平坦化層の前記ベース基板から離れた側に位置し、互いに離間し各々が画素開口を定義する複数の画素定義ブロックを含む、画素定義層をさらに含み、前記複数の封止アイランドの各々は、前記複数の平坦化ブロックのうちの対応する1つの平坦化ブロックの前記ベース基板から離れた側に位置する、前記複数の画素定義ブロックのうちの対応する1つの画素定義ブロックをさらに含んでもよい。
【0013】
前記クラックバリア層は、互いに離間している複数のバリア囲いを含み、前記複数のバリア囲いの各々単独のバリア囲いは、前記複数のクラックバリア領域のうちの対応する1つのクラックバリア領域を画成し、前記複数のバリア囲いのうちの隣接するバリア囲いのバリア壁は、ギャップにより互いに離間していてもよい。
【0014】
前記表示基板は、前記複数の封止アイランドのうちの隣接する封止アイランドの間に位置する前記クラックバリア層の3つ以上のバリア壁を含み、前記3つ以上のバリア壁はギャップにより互いに離間していてもよい。
【0015】
前記複数の封止アイランドの各々単独の封止アイランドにおける複数の発光素子の総数は1つであってもよい。
【0016】
前記封止層は、少なくとも1つの無機封止サブ層を含み、前記クラックバリア層は、前記複数の封止アイランドの外部に位置する前記少なくとも1つの無機封止サブ層のクラックが前記複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐように構成されてもよい。
【0017】
前記ベース基板は、伸長性のあるベース基板であり、前記表示基板は、実質的に伸長していない状態と伸長している状態を有する伸長性のある表示基板であり、前記複数のクラックバリア領域の外部に位置する前記表示基板の前記1つ以上のサブ層のクラックは、前記実質的に伸長していない状態と前記伸長している状態の間を前記表示基板が遷移したために生じたものであってもよい。
【0018】
前記バリア壁は、前記ベース基板と直接接してもよい。
【0019】
別の方面において、本発明は、本開示で述べる、または本開示で述べる方法により製造される表示基板を含む表示装置を提供する。
【0020】
別の方面において、本発明は、表示基板において複数のクラックバリア領域を画成するクラックバリア層をベース基板上に形成するステップと、前記複数のクラックバリア領域にそれぞれ位置する複数の封止アイランドを前記ベース基板上に形成するステップと、を含む表示基板の製造方法であって、前記複数の封止アイランドの各々を形成するステップは、複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子を形成することと、前記複数の発光素子のうちの前記少なくとも1つの発光素子を封止し、前記複数の封止アイランドのうちの対応する1つの封止アイランドの側面を形成する封止層を形成すること、を含み、前記クラックバリア層は、前記複数の封止アイランドの外部に位置する前記表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、前記複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁を構成するように形成される、表示基板の製造方法を提供する。
【0021】
前記封止層は、前記クラックバリア層を形成した後に封止材を積層して形成されてもよい。
【0022】
前記クラックバリア層は、アンダーカットプロフィールを有するように形成され、前記バリア壁は、前記ベース基板に面する第1の側、前記第1の側と実質的に対向し、前記ベース基板と逆側に位置する第2の側、前記第1の側と前記第2の側をそれぞれ接続する第3の側および第4の側を有するように形成され、前記第3の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第1の平均傾斜角度を有し、前記第4の側は、前記第1の側に対して約90度より大きい第2の平均傾斜角度を有してもよい。
【0023】
以下の図面は開示された様々な実施形態の例にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態におけるバリア壁の構造を示す模式図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態におけるバリア壁の構造を示す模式図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
【
図12A】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の製造方法を示している。
【
図12B】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の製造方法を示している。
【
図12C】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の製造方法を示している。
【
図12D】本開示のいくつかの実施形態における表示基板の製造方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、実施形態を参照しつつ、本開示について具体的に説明する。なお、いくつかの実施形態に関する以下の説明は例示および説明としてのものにすぎない。開示されるそのままの形態はすべてを網羅している訳ではなく、また、本開示はこれらに限定されるものでもない。
【0026】
本開示は、特に、従来技術における制限および欠点に起因する1つ以上の課題を実質的に解消する、表示基板、表示装置、および表示基板の製造方法を提供する。ひとつの方面において、本開示は表示基板を提供する。いくつかの実施形態において、表示基板は、ベース基板と、表示基板において複数のクラックバリア領域を画成する、ベース基板上に位置するクラックバリア層と、複数のクラックバリア領域にそれぞれ位置する、ベース基板上に位置する複数の封止アイランドと、を含む。複数の封止アイランドの各々は、複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子と、複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子を封止し、複数の封止アイランドのうちの対応する1つの封止アイランドの側面を形成する封止層と、を含んでもよい。クラックバリア層は、複数の封止アイランドの外部に位置する表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁を形成してもよい。
【0027】
図1は、本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
図2は、
図1のA-A’線に沿った断面図である。
図3は、
図1のB-B’線に沿った断面図である。
図1~3を参照すると、いくつかの実施形態における表示基板は、ベース基板10と、表示基板において複数のクラックバリア領域Rを画成する、ベース基板10上に位置するクラックバリア層20と、複数のクラックバリア領域Rにそれぞれ位置する、ベース基板10上に位置する複数の封止アイランドIと、を含む。
図2に示すように、いくつかの実施形態における複数の封止アイランドIの各々は、複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子と、複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子を封止し、複数の封止アイランドIのうちの対応する1つの封止アイランドの側面LSを形成する封止層30と、を含む。クラックバリア層20は、複数の封止アイランドIの外部に位置する表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、複数の封止アイランドI各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁Wを形成する。
【0028】
図4は、本開示のいくつかの実施形態におけるバリア壁の構造を示す模式図である。
図4を参照すると、いくつかの実施形態におけるバリア壁Wは、ベース基板10に面する第1の側S1、第1の側S1と実質的に対向し、ベース基板10と逆側に位置する第2の側S2、第1の側S1と第2の側S2をそれぞれ接続する第3の側S3および第4の側S4を有する。バリア壁Wは、アンダーカットプロフィールを有するように形成される。具体的には、いくつかの実施形態において、第3の側S3は、第1の側S1に対して第1の平均傾斜角度α1を有し、第1の平均傾斜角度α1は約90度より大きく、例えば、約100度より大きく、約110度より大きく、約120度より大きく、約130度より大きく、約140度より大きく、約150度より大きく、約160度より大きい。第4の側S4は、第1の側S1に対して第2の平均傾斜角度α2を有し、第2の平均傾斜角度α2は約90度より大きく、例えば、約100度より大きく、約110度より大きく、約120度より大きく、約130度より大きく、約140度より大きく、約150度より大きく、約160度より大きい。第1の平均傾斜角度α1は約120度から約160度の範囲にあってもよい。第2の平均傾斜角度α2は約120度から約160度の範囲にあってもよい。
【0029】
第1の側S1と第2の側S2の間におけるバリア壁Wの高さはhである。高さhは、約1μmから約40μmの範囲、例えば、約1μmから約30μmの範囲、約2μmから約20μmの範囲、約5μmから約15μmの範囲、約2μmから約10μmの範囲にあってもよい。高さhは、約2μmから約6μmの範囲にあってもよい。
【0030】
図1から4を参照すると、いくつかの実施形態におけるバリア壁Wは、複数の封止アイランドIのうちの対応する1つの封止アイランドの側面LSから第1のギャップG1により離間されている。バリア壁Wと複数の封止アイランドIのうちの対応する1つの封止アイランドの側面LSの間の第1のギャップG1は、任意の適切なギャップ距離を有してよい。第1のギャップG1の距離は、約10μmから約200μmの範囲、例えば、約10μmから約150μmの範囲、約10μmから約100μmの範囲、約10μmから50μmの範囲にあってもよい。
【0031】
図2と
図3を参照すると、いくつかの実施形態における表示基板は、ベース基板10上に位置するバリア層40をさらに含む。バリア層40は、互いに離間している複数のバリアブロック40bを含む。複数の封止アイランドIの各々は、複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子の封止層30から離れた側に位置する、複数のバリアブロック40bのうちの1つのバリアブロックを含んでもよい。複数の封止アイランドIの各々は、複数の発光素子LEのうちの複数の発光素子の封止層30から離れた側にそれぞれ位置する、複数のバリアブロック40bのうちの複数のバリアブロックを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、封止層30とバリア層40は協働して複数の発光素子LEを封止する。例えば、封止層30は、バリア層40と直接接して複数の発光素子LEを封止する。封止層30は、複数のバリアブロック40bの各々と直接接して、複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロック上の、複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子を封止してもよい。一実施例において、封止層30は、複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロックの外周全体に直接接して、封止層30と複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロックの間の空間内に、複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子を封止してもよい。
【0033】
図2と
図3を参照すると、いくつかの実施形態における表示基板は、ベース基板10上に位置する平坦化層50をさらに含む。平坦化層50は、互いに離間している複数の平坦化ブロック50bを含む。複数の封止アイランドIの各々は、複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロック上に位置する少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTと、少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTの複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロックから離れた側に位置する、複数の平坦化ブロック50bのうちの対応する1つの平坦化ブロックとを含んでもよい。複数の封止アイランドIのうちの対応する1つの封止アイランドにおける複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子は、複数の平坦化ブロック50bのうちの対応する1つの平坦化ブロックのベース基板10から離れた側に位置してもよい。
【0034】
図2と
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子の各々は、第1の電極60(例えば、アノード)と、第1の電極60上に位置する発光層70と、発光層70の第1の電極60から離れた側に位置する第2の電極80と、を含む。複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子は有機発光ダイオードであり、発光層70は有機発光層であってもよい。
【0035】
図1と
図2を参照すると、いくつかの実施形態において、表示基板は、複数本の信号線90をさらに含む。複数本の信号線90の例には、ゲート線、データ線、コモン電圧信号線、タッチ信号線などが含まれる。複数の封止アイランドIの内部に封止された表示基板の電子部品(例えば、少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTおよび複数の発光素子LE)は、複数本の信号線90を介して互いに接続されてもよい。例えば、ゲート線は表示基板内の1行の薄膜トランジスタに接続されてもよく、データ線は表示基板内の1列の薄膜トランジスタに接続されてもよい。
図2を参照すると、複数本の信号線90は、バリア壁Wの下方を通って複数の封止アイランドIのうちの隣接する封止アイランドにおける電子部品に接続してもよい。第2の電極80は、複数の平坦化ブロック50bのうちの対応する1つの平坦化ブロックを貫通するビアVを介して複数本の信号線90のうちの1本の信号線に電気的に接続してもよい。
【0036】
図2と
図3を参照すると、いくつかの実施形態における表示基板は、平坦化層50のベース基板10から離れた側に位置する画素定義層100をさらに含む。画素定義層100は、互いに離間する複数の画素定義ブロック100bを含む。複数の画素定義ブロックの各々は、画素開口を定義する。複数の封止アイランドIの各々は、複数の平坦化ブロック50bのうちの対応する1つの平坦化ブロックのベース基板10から離れた側に、複数の画素定義ブロック100bのうちの対応する1つの画素定義ブロックをさらに含んでもよい。封止層30は、複数の画素定義ブロック100bのベース基板10から離れた側に位置する。
【0037】
いくつかの実施形態において、ベース基板10は、伸長性のあるベース基板であり、表示基板は、実質的に伸長していない状態と伸長している状態を有する伸長性のある表示基板である。複数の封止アイランドIは、表示基板の相対的に剛性な領域である。表示基板が伸長動作を受けたとき、複数の封止アイランドIは実質的に変形せず、またはわずかに変形するにすぎない。複数の封止アイランドIの間の表示基板の領域(例えば、複数の封止アイランドIのうちの隣接する封止アイランドの側面の間の領域)は、相対的に弾性のある領域である。表示基板が伸長動作を受けたとき、複数の封止アイランドIの間の表示基板の領域は可逆的に変形する。複数の封止アイランドIを比較的剛性にすることで、伸長動作中に複数の封止アイランドIが損傷するのが回避され、複数の封止アイランドI内の電子部品は堅く封止されたままとなる。複数のクラックバリア領域Rの外部に位置する表示基板の1つ以上のサブ層のクラックは、実質的に伸長していない状態と伸長している状態の間を表示基板が遷移したために生じたものであってもよい。クラックバリア層20により、実質的に伸長していない状態と伸長している状態の間を表示基板が遷移して生じるクラックが、複数の封止アイランドI各々の内部に伝わるのが防がれる。
【0038】
本明細書において「伸長性のある」とは、材料、構造、デバイスまたはデバイス部品の、(例えば、長くおよび/または広くなるような)張力によりひずむものの断裂などの永久変形または故障が生じない能力、例えば、永久変形、引裂、破断することなくその長さの少なくとも10%を引き伸ばすことのできる能力を指す。この用語は、伸長可能、膨張可能または拡張可能な表面に適応し、それぞれ伸長、膨張または拡張した伸長可能、膨張可能または拡張可能な表面に応用されたときに正常な作動を維持するように構成される部品(部品それ自体が単独で上記のように伸長可能か否かを問わない)を有する基板も含む。この用語は、弾性および/または塑性変形可能な基板(つまり、伸長後に伸長させる力が解除されると基板がその元のサイズに戻ってもよく、または基板がその元のサイズ戻らなくてもよく、いくつかの例においては、伸長した形状のままであってもよい)も含み、(例えば、基板が伸長され、選択的に折り曲げられてその最終形状を形成する)基板の製造中、(製造工程の一部とみなすことができる)基板を含むデバイスの組み立て中、および/または(例えば、ユーザが基板を伸長させ、選択的に折り曲げることの可能な)使用中に変形(つまり、伸長および選択的折り曲げ)が生じてもよい。
【0039】
表示基板の剛性な領域は、表示基板の弾性のある領域よりもヤング率が大きい。弾性のある領域のヤング率に対する剛性な領域のヤング率の比は2より大きく、例えば、3より大きく、4より大きく、5より大きく、7.5より大きく、10より大きく、20より大きく、30より大きく、40より大きく、50より大きく、60より大きく、70より大きく、80より大きく、90より大きく、100より大きくてもよい。弾性のある領域のヤング率は、約0.001GPaから約1.5GPaの範囲、例えば、約0.001GPaから約0.1GPaの範囲、約0.1GPaから約0.2GPaの範囲、約0.2GPaから約0.3GPaの範囲、約0.3GPaから約0.4GPaの範囲、約0.4GPaから約0.5GPaの範囲、約0.5GPaから約1.0GPaの範囲および約1.0GPaから約1.5GPaの範囲にあってもよい。剛性な領域のヤング率は、2.0GPaより大きく、例えば、約2.0GPaから約10GPa、約10GPaから約20GPa、約20GPaから約40GPa、40GPaより大きく、100GPaより大きく、200GPaより大きく、400GPaより大きくてもよい。
【0040】
図5は、本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
図6は、
図5のC-C’線に沿った断面図である。
図5を参照すると、いくつかの実施形態におけるクラックバリア層20は、互いに離間している複数のバリア囲い20eを含む。
図5に示すように、複数のバリア囲い20eは互いに分離されていてもよい。複数のバリア囲い20eは、互いに離間していながら、例えば、1つ以上のブリッジによりつながっていてもよい。
図5と
図6を参照すると、複数のバリア囲い20eの各々単独のバリア囲いは、複数のクラックバリア領域Rのうちの対応する1つのクラックバリア領域を画成する。
【0041】
図7は、本開示のいくつかの実施形態におけるバリア壁の構造を示す模式図である。
図7を参照すると、複数のバリア囲い20eのうちの隣接するバリア囲いのバリア壁Wは、第2のギャップG2により互いに離間している。複数のバリア囲い20eのうちの隣接するバリア囲いの間の第2のギャップG2は、適切なギャップ距離を有してもよい。第2のギャップG2の距離は、約10μmから約200μmの範囲、例えば、約10μmから約150μmの範囲、約10μmから約100μmの範囲、約10μmから50μmの範囲にあってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、ベース基板10は、伸長性のあるベース基板であり、表示基板は、実質的に伸長していない状態と伸長している状態を有する伸長性のある表示基板である。複数の封止アイランドIは、表示基板の相対的に剛性な領域であり、複数の封止アイランドIの間の表示基板の領域は相対的に弾性のある領域である。複数のバリア囲い20eを互いに離間することで、剛性な領域と弾性のある領域をさらに画成する。
【0043】
複数の封止アイランドIの各々は、様々な適切な数の発光素子を含むことができる。
図2、
図3および
図6に示すように、いくつかの実施形態において、複数の封止アイランドIの各々は複数の発光素子LEのうちの単一の発光素子を含み、つまり、複数の封止アイランドの各々単独の封止アイランドにおける複数の発光素子LEの総数は1つである。それ故、いくつかの実施形態において、複数の封止アイランドIの各々は、単一のサブ画素に対応する。
【0044】
いくつかの実施形態において、複数の封止アイランドIの各々は、複数の発光素子LEのうちの複数の発光素子を含み、つまり、複数の封止アイランドの各々単独の封止アイランドにおける複数の発光素子LEの総数は1つより大きい。複数の封止アイランドの各々単独の封止アイランドにおける複数の発光素子LEの総数は3つであり、複数の封止アイランドIの各々は、3つのサブ画素(例えば、赤色サブ画素、緑色サブ画素および青色サブ画素)を有する画素に対応してもよい。
図8は、本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、複数の封止アイランドIの各々は、複数の発光素子LEのうちのm×n個の発光素子を含み、つまり、複数の封止アイランドの各々単独の封止アイランドにおける複数の発光素子LEの総数はm×n個である。
図9は、
図8のD-D’線に沿った断面図である。
図9は、複数の封止アイランドIの各々が複数の発光素子LEのうちの3つの発光素子、例えば、赤色発光素子、緑色発光素子および青色発光素子を含む例を示したものである。
【0045】
いくつかの実施形態において、表示基板は、複数の封止アイランドIのうちの隣接する封止アイランドの間に位置するクラックバリア層20の3つ以上のバリア壁を含み、3つ以上のバリア壁はギャップにより互いに離間している。
図10は、本開示のいくつかの実施形態における表示基板の構造を示す模式図である。
図11は、
図10のE-E’線に沿った断面図である。
図10と
図11を参照すると、表示基板は、複数の封止アイランドIのうちの隣接する封止アイランドの間に位置する、クラックバリア層20の3つのバリア壁を含む。バリア壁Wは、複数の封止アイランドIのうちの対応する1つの封止アイランドの側面LSと第1のギャップG1により離間している。複数の封止アイランドIのうちの隣接する二つの封止アイランドの間の領域におけるバリア壁Wは、第3のギャップG3により離間している。第1のギャップG1の距離は、約10μmから約200μmの範囲、例えば、約10μmから約150μmの範囲、約10μmから約100μmの範囲、約10μmから約50μmの範囲にあってもよい。第3のギャップG3の距離は、約10μmから約200μmの範囲、例えば、約10μmから約150μmの範囲、約10μmから約100μmの範囲、約10μmから約50μmの範囲にあってもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、封止層30は、少なくとも1つの無機封止サブ層を含む。封止層30は、1つ以上の無機封止サブ層と1つ以上の有機封止サブ層を含んでもよい。クラックバリア層20は、複数の封止アイランドIの外部に位置する少なくとも1つの無機封止サブ層のクラックが複数の封止アイランドI各々の内部に伝わるのを防ぐように構成される。
【0047】
本発明の表示基板では、様々な適切な発光素子を用いることができる。適切な発光素子の例には、有機発光ダイオード、量子ドット発光ダイオードおよびマイクロ発光ダイオードが含まれる。
【0048】
別の方面において、本開示は複数のサブ画素エリアを有する表示基板の製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記方法は、表示基板において複数のクラックバリア領域を画成するクラックバリア層をベース基板上に形成するステップと、複数のクラックバリア領域にそれぞれ位置する、複数の封止アイランドをベース基板上に形成するステップと、を含む。複数の封止アイランドの各々を形成するステップは、複数の発光素子のうちの少なくとも1つを形成することと、複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子を封止する、複数の封止アイランドのうちの対応する1つの封止アイランドの側面を形成する封止層を形成すること、を含んでもよい。クラックバリア層は、複数の封止アイランドの外部に位置する表示基板の1つ以上のサブ層におけるクラックが、複数の封止アイランド各々の内部に伝わるのを防ぐバリア壁を構成するように形成されてもよい。
【0049】
図12Aから12Dは、本開示のいくつかの実施形態における表示基板の製造方法を示す。
図12Aを参照すると、互いに離間している複数のバリアブロック40bを含むように、ベース基板10上にバリア層40を形成する。複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロック上に少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTを形成する。複数本の信号線90は、複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロックを有する領域から当該領域外へ延びるように形成される。複数本の信号線90は、例えば、少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTに接続されるゲート線およびデータ線を含む。様々な適切な導電性材料を用いて複数本の信号線90を作製することができる。複数本の信号線90を作製するのに適切な導電性材料の例には、金属、合金、グラフェン、カーボンナノチューブ、可撓性のある導電性ポリマーおよびその他の可撓性のある導電性材料が含まれる。複数本の信号線90は、弾性が比較的高い可撓性の信号線または金属製の信号線であってもよい。複数本の信号線90は、様々な適切なパターンを有するように作製されてもよい。複数本の信号線90の適切なパターンの例には、直線、曲線およびそれらの任意の組み合わせが含まれる。複数本の信号線90の各々は、少なくとも複数のバリアブロック40bを有する領域の外部にジグザグ状のパターンを有してもよい。ジグザグ状のパターンは、丸い角を有するパターンまたは鋭い角を有するパターンであってもよい。
【0050】
様々な適切な可撓性材料を用いてベース基板10を作製することができる。ベース基板10を作製するのに適切な可撓性材料の例には、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートおよび炭素繊維強化プラスチックが含まれる。ベース基板10は、透明ベース基板であってもよい。ベース基板10は、不透明ベース基板であってもよい。
【0051】
様々な適切な絶縁材および様々な適切な製造方法によりバリア層40を製造することができる。例えば、プラズマ強化化学気相成長法(PECVD)処理により基板上に絶縁材を積層し、パターニングしてもよい。バリア層40を製造するのに適切な絶縁材の例には、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNy、例えば、Si3N4)および酸窒化ケイ素(SiOxNy)が含まれるが、これらに限らない。バリア層40は無機材料により作製してもよい。
【0052】
次に、
図12Bを参照すると、バリア層40のベース基板10から離れた側に平坦化層50が形成されている。平坦化層50は、互いに離間している複数の平坦化ブロック50bを含むように形成される。複数の平坦化ブロック50bの各々は、少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTの複数のバリアブロック40bのうちの対応する1つのバリアブロックから離れた側に形成されてもよい。そして、平坦化層50、例えば、複数の平坦化ブロック50bのうちの対応する1つの平坦化ブロックの上に、第1の電極60を形成する。平坦化層50上に画素定義層100を形成し、画素定義層100は、互いに離間している複数の画素定義ブロック100bを含むように形成され、複数の画素定義ブロック100bの各々は、画素開口を定義する。画素開口の内部には、発光層70が形成される。前記方法は、平坦化層50を貫通するビアVを形成することを含む。発光層70のベース基板から離れた側に第2の電極80を形成して、複数の発光素子LEを形成する。ビアVを介して複数本の信号線90のうちの対応する1つの信号線に接続されるように第2の電極80を形成する。少なくとも1つの薄膜トランジスタTFTのうちの1つの薄膜トランジスタのソース電極に電気的に接続されるように第1の電極60を形成する。
【0053】
様々な適切な絶縁材および様々な適切な製造方法により平坦化層50および画素定義層100を製造することができる。例えば、プラズマ強化化学気相成長法(PECVD)処理により絶縁材を基板上に積層し、パターニングしてもよい。平坦化層50および画素定義層100を製造するのに適切な絶縁材の例には、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNy、例えば、Si3N4)および酸窒化ケイ素(SiOxNy)、様々な樹脂、ならびに様々な有機ポリマーが含まれるが、これらに限らない。
【0054】
図12Cを参照すると、封止層を形成する前に、ベース基板10上にクラックバリア層20を形成して複数のクラックバリア領域Rを画成している。様々な適切な材料を用いてクラックバリア層20を作製することができる。クラックバリア層20は、ヤング率が比較的小さい材料により作製してもよい。いくつかの実施形態において、クラックバリア層20は、ヤング率が約2.0から約20GPaの範囲、例えば、約2.0から約4.0GPaの範囲、約4.0から約6.0GPaの範囲、約6.0から約8.0GPaの範囲、約8.0から約10GPaの範囲、約10から約12.5GPaの範囲、約12.5から約15GPaの範囲、約15から約17.5GPaの範囲および約17.5から約20GPaの範囲にある材料により作製される。クラックバリア層20は、ヤング率が、約0.5GPaから約1.5GPaの範囲、例えば、約0.5GPaから約1.0GPaの範囲、約1.0GPaから約1.5GPaの範囲にある材料により作製してもよい。
【0055】
図12Dを参照すると、クラックバリア層20を形成した後、ベース基板10上に封止層30を形成して複数の発光素子LEのうちの少なくとも1つの発光素子を封止している。
図12Dに示すように、複数のクラックバリア領域Rの各々に封止層30を形成して、複数のクラックバリア領域Rそれぞれに複数の封止アイランドIを形成する。バリア壁Wがあるため、封止層30を不連続の部分に形成する、例えば、不連続の部分の各々をクラックバリア層20のある位置で中断させてもよい。このため、マスク板を必要とせずに表示基板に封止層30を形成することができ、例えば、表示基板の表面全体に1つ以上の封止材を積層して封止層30を形成することができる。封止層30が無機サブ層を含むとき、無機サブ層は複数の不連続の部分に分けられる。複数の封止アイランドIの外部に位置する無機サブ層におけるクラックは複数の封止アイランドI各々の内部に伝わらない。その結果、表示基板を耐湿性および耐酸性の高いものにすることができる。
【0056】
別の方面において、本開示は、本開示で述べる、または本開示で述べる方法により製造される表示基板を含む表示パネルを提供する。いくつかの実施形態において、複数の発光素子は、複数の有機発光ダイオードであり、表示パネルは、有機発光ダイオード表示パネルである。いくつかの実施形態において、複数の発光素子は、複数の量子ドット発光ダイオードであり、表示パネルは、量子ドット発光ダイオード表示パネルである。いくつかの実施形態において、複数の発光素子は、複数のマイクロ発光ダイオードであり、表示パネルは、マイクロ発光ダイオード表示パネルである。
【0057】
別の方面において、本開示は本開示で述べる表示パネルを有する表示装置を提供する。適切な表示装置の例には、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートパソコン、電子アルバム、GPSなどが含まれるが、これらに限らない。
【0058】
本発明の実施形態に関する上記の記述は、例示および説明を目的とする。開示されるそのままの形態或いは開示した例示的な実施形態はすべてを網羅している訳ではなく、また、本発明はこれらに限定されるものでもない。それ故、上記記載は限定ではなく例示を目的としていると見なすべきであり、多くの変更や変形は当業者にとって明らかであろう。本発明の原理とそれが実際に適用される最良の形態を最も説明しやすいような実施形態を選択しそれについて記載することで、特定の用途または想定される適用に適した本発明の様々な実施形態および様々な変更を当業者に理解させることを目的としている。本開示に付した請求項およびその均等物により本発明の範囲を定義することが意図され、別途示唆しない限り、すべての用語は合理的な範囲内で最も広く解釈されるべきである。従って、「本発明」、「本開示」またはこれに類する用語は請求項の範囲を必ずしも特定の実施形態に限定せず、本発明の例示的実施形態に対する参照は本発明への限定を示唆するものではなく、かかる限定を推論すべきではない。本発明は付属する請求項の構想と範囲のみにより限定される。さらに、これらの請求項では後に名詞または要素を伴って「第1の」「第2の」などという表現を用いる場合がある。特定の数量が示されない限り、このような用語は専用語であると理解すべきであり、修飾された要素の数量が上記専用語により限定されると解釈してはならない。記載した効果や利点はいずれも本発明のすべての実施形態に適用されるとは限らない。当業者であれば、以下の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱せずに、記載した実施形態を変形できることが理解されよう。さらに、以下の請求項に明記されているか否かを問わず、本開示の要素および部品のいずれも公衆に捧げる意図はない。