IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7237010HDAC6選択的阻害剤およびその製造方法と使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】HDAC6選択的阻害剤およびその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/16 20060101AFI20230303BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20230303BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20230303BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/4427 20060101ALI20230303BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230303BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
C07D307/16
A61K31/341
C07D405/04 CSP
C07D405/14
A61K31/443
A61K31/506
A61K31/4427
A61K31/4433
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P35/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019557669
(86)(22)【出願日】2018-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2018072088
(87)【国際公開番号】W WO2018130155
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】201710017287.2
(32)【優先日】2017-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519250338
【氏名又は名称】シーストーン・ファーマスーティカルズ・(スージョウ)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CSTONE PHARMACEUTICALS (SUZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】BUILDING A1 E168, 218 XINGHU ST., SUZHOU INDUSTRIAL PARK, SUZHOU, JIANGSU 215123, CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519250349
【氏名又は名称】シーストーン・ファーマスーティカルズ・(シャンハイ)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CSTONE PHARMACEUTICALS (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM 211‐20, 2F, BUILDING 1, 38 DEBAO ROAD, SHANGHAI PILOT FREE TRADE ZONE, SHANGHAI 200000, CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519250350
【氏名又は名称】シーストーン・ファーマスーティカルズ
【氏名又は名称原語表記】CSTONE PHARMACEUTICALS
【住所又は居所原語表記】P.O. BOX 31119, GRAND PAVILION, HIBISCUS WAY, 802 WEST BAY ROAD, GRAND CAYMAN KY 1‐1205, CAYMAN ISLANDS, UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲ハオ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 昌青
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲貴▼芬
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 斌
(72)【発明者】
【氏名】廖 勇▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】肖 瑶
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 曙▲輝▼
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-502983(JP,A)
【文献】国際公開第2015/007870(WO,A1)
【文献】特表2013-542994(JP,A)
【文献】特表2011-529504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物、薬学的に許容される塩およびその立体異性体。
【化1】

【化2】
は単結合または二重結合から選ばれる。
nは0または1から選ばれる。
、Tはそれぞれ独立にCH、CH、-C(=O)-、Nから選ばれる。
はCまたはNから選ばれる。
、Z、Zはそれぞれ独立にCHまたはNから選ばれる。
は単結合、-NH-、-C(=O)-NH-から選ばれる。
は任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、フェニル基、6員ヘテロアリール基から選ばれる。
はH、F、Cl、Br、Iから選ばれる。
A環は4~7員ヘテロシクロアルキル基から選ばれる。
RはF、Cl、Br、Iから選ばれる。
前記6員ヘテロアリール基、4~7員ヘテロシクロアルキル基の「ヘテロ」はそれぞれ独立に-NH-、N、-O-から選ばれる。
以上のいずれの場合においても、ヘテロ原子またはヘテロ原子団の数はそれぞれ独立に1、2または3から選ばれる。)
【請求項2】
は、任意に1、2または3個のRで置換された、
【化3】
から選ばれる、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項3】
A環は、
【化4】
から選ばれる、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項4】
構造単位
【化5】

【化6】
からなる群から選ばれる請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項5】
構造単位
【化7】

【化8】
から選ばれる請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項6】
構造単位
【化9】
は、
【化10】
から選ばれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項7】
構造単位
【化11】
は、
【化12】
から選ばれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項8】
構造単位
【化13】
は、
【化14】
から選ばれ、
または、構造単位
【化15】
は、
【化16】
から選ばれる請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項9】
構造単位
【化17】
は、
【化18】
から選ばれる請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【請求項10】
以下から選ばれる請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【化19】
(ただし、
A環、R、R、Lおよびnは、請求項1で定義された通りである。
は請求項1~4のいずれかで定義された通りである。)
【請求項11】
以下から選ばれる請求項10に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【化20】
(ただし、
、Eはそれぞれ独立に-O-、-CH-および-CH-CH-から選ばれる。
R、R、Lおよびnは、請求項1で定義された通りである。)
【請求項12】
以下から選ばれる請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化21】
【請求項13】
以下から選ばれる請求項12に記載の化合物、薬学的に許容される塩またはその立体異性体。
【化22】
【請求項14】
活性成分として治療有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物。
【請求項15】
HDAC6関連疾患の治療における使用のための、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
多発性骨髄腫の治療における使用のための、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2017.01.10に出願された中国特許出願CN201710017287.2の優先権を要求し、その内容をここで本願に取り入れる。
【0002】
技術分野
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤としての化合物、およびHDAC6関連疾患を治療する薬物の製造におけるその使用に関する。具体的に、式(I)で表される化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
WHOの専門家は、2020年に全世界の人口は80億に達し、癌の発症は2000万人に達し、死亡は1200万人に達すると予測している。癌は新世紀で人類の一番の致死原因になり、人類の生存に最も脅威になる。工業化が進んでいる中国は、米国に継ぎ、世界2位の癌高発症国で、癌発症率および死亡率が顕著に上昇する傾向にある。都市では、癌はすべての死亡原因の1位で、農村では、癌はすべての死亡原因の2位である。我が国の癌発症率および死亡率の高速の上昇につれ、全国の毎年の癌に使用される医療費用は1500億人民元を超えている。
【0004】
HDAC阻害剤は幅広く多くの癌に使用され、そして多くの薬物と併用して当該薬物の治療効果を強化させることができ、十分に証明された抗腫瘍標的である。細胞核内において、ヒストン脱アセチル化酵素(histone deacetylase、HDAC)およびヒストンアセチル基転移酵素(histone acetyl transferase、HAT)は共同で遺伝子の転写を調節する。癌細胞では、HDACの過剰発現によって脱アセチル化作用が強化されることで、DNAとヒストンの間の結合力が向上し、ヌクレオソームが非常に緻密になり、癌抑制遺伝子の発現に不利である。阻害剤(HDACi)はヒストン脱アセチル化を向上させることによって、細胞のアポトーシスおよび分化に関連するタンパク質の発現を調節し、細胞のアポトーシスおよび分化を誘導することができ、新しい抗腫瘍薬物になっている。これだけでなく、HDACは多くの代謝性疾患、たとえばアルツハイマー病(Alzheimer)、パーキンソン病(Parkinson)などの疾患の調節に関与する。
【0005】
合計18種の脱アセチル化酵素のサブタイプのうち、HDAC6は唯一の細胞質における脱アセチル化酵素のサブタイプで、ほかの17種のHDACはいずれも細胞核に存在する。HDAC6は、直接ヒストンを触媒することなく、チューブリン(tubulin)および熱ショックタンパク質(Hsp90)を基質とし、これらによって細胞の輸送、粘着および運動を調節する(すなわち、遺伝子調節ではない)ため、遺伝子に関連する生理機能に対する作用がより少ないことで、副作用がより小さいと思われる。現在の臨床実験の結果では、HDAC6選択的阻害剤は安全で有効であることが証明された(POC)。初めてのHDAC6選択的阻害剤ACY-1215(Acetylon)の臨床研究では、HDAC6選択的阻害剤はより優れた安全性があることが証明されたため、商業的により良い将来性がある。
【0006】
【化1】
【0007】
プロテアソーム阻害剤(非特許文献1:Drug Design,Development and Therapy、2016:10 217-226)は大量の調節タンパク質の分解を阻害し、細胞内におけるシグナルシステムの失調や過負荷を引き起こし、細胞成長の抑制につながり、最終的に腫瘍の進展を遅延させ、ひいては停止させる。HDAC阻害剤は幅広く多くの癌に使用され、そして多くの薬物と併用して当該薬物の治療効果を強化させることができ、たとえばHDAC阻害剤パノビノスタットとプロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)の併用は多発性骨髄腫の治療効果を向上させて顕著に毒性を低下させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Drug Design,Development and Therapy、2016:10 217-226
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)選択的阻害剤としての化合物、およびHDAC6関連疾患を治療する薬物の製造におけるその使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、式(I)で表される化合物、薬学的に許容される塩およびその互変異性体を提供する。
【化2】

【化3】
は単結合または二重結合から選ばれる。
nは0または1から選ばれる。
、Tはそれぞれ独立にCH、CH、-C(=O)-、Nから選ばれる。
はCまたはNから選ばれる。
、Z、Zはそれぞれ独立にCHまたはNから選ばれる。
は単結合、-NH-、-C(=O)-NH-から選ばれる。
は任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、フェニル基、6員ヘテロアリール基から選ばれる。
はH、F、Cl、Br、Iから選ばれる。
A環は4~7員ヘテロシクロアルキル基から選ばれる。
RはF、Cl、Br、Iから選ばれる。
前記6員ヘテロアリール基、4~7員ヘテロシクロアルキル基の「ヘテロ」はそれぞれ独立に-NH-、N、-O-から選ばれる。
以上のいずれの場合においても、ヘテロ原子またはヘテロ原子団の数はそれぞれ独立に1、2または3から選ばれる。)
【0011】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ピリジル基から選ばれる。
【0012】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
【化4】
から選ばれる。
【0013】
本発明の一部の形態において、上記Rは、
【化5】
から選ばれる。
【0014】
本発明の一部の形態において、上記A環は、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、1,3-ジオキソラニル基、1,4-ジオキセパニル、1,4-ジオキサニル基、1,4-オキサゼパニル基、モルホリル基から選ばれる。
【0015】
本発明の一部の形態において、上記A環は、
【化6】
から選ばれる。
【0016】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化7】
は、
【化8】
から選ばれる。
【0017】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化9】
は、
【化10】
から選ばれる。
【0018】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化11】
は、
【化12】
から選ばれる。
【0019】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化13】
は、
【化14】
から選ばれる。
【0020】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化15】
は、
【化16】
から選ばれる。
【0021】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化17】
は、
【化18】
から選ばれる。
【0022】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化19】
は、
【化20】
から選ばれる。
【0023】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化21】
は、
【化22】
から選ばれる。
【0024】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化23】
は、
【化24】
から選ばれる。
【0025】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化25】
は、
【化26】
から選ばれる。
【0026】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化27】
は、
【化28】
から選ばれる。
【0027】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化29】
は、
【化30】
から選ばれる。
【0028】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、メチル基、エチル基、フェニル基、ピリジル基から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0029】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
【化31】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0030】
本発明の一部の形態において、上記Rは、
【化32】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0031】
本発明の一部の形態において、上記A環は、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、1,3-ジオキソラニル基、1,4-ジオキセパニル、1,4-ジオキサニル基、1,4-オキサゼパニル基、モルホリル基から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0032】
本発明の一部の形態において、上記A環は、
【化33】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0033】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化34】
は、
【化35】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0034】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化36】
は、
【化37】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0035】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化38】
は、
【化39】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0036】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化40】
は、
【化41】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0037】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化42】
は、
【化43】



から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0038】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化44】
は、
【化45】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0039】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化46】
は、
【化47】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0040】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化48】
は、
【化49】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0041】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化50】
は、
【化51】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0042】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化52】
は、
【化53】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0043】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化54】
は、
【化55】



から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0044】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【化56】
は、
【化57】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0045】
本発明の別の一部の形態は上記各変量の任意の組み合わせからなる。
【0046】
本発明の一部の形態において、上記の化合物、薬学的に許容される塩およびその互変異性体は、以下から選ばれる。
【化58】
(ただし、A環、R、R、Lおよびnは本発明で定義された通りである。)
【0047】
本発明の一部の形態において、上記の化合物、薬学的に許容される塩およびその互変異性体は、以下から選ばれる。
【化59】
(ただし、
、Eはそれぞれ独立に-O-、-CH-および-CH-CH2-から選ばれる。
R、R、Lおよびnは本発明で定義された通りである。)
【0048】
また、本発明は、以下の化合物およびその薬学的に許容される塩を提供する。
【化60】
【0049】
本発明の一部の形態において、上記の化合物、薬学的に許容される塩およびその互変異性体は、以下から選ばれる。
【化61】
【0050】
また、本発明は、活性成分として治療有効量の上記化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。
【0051】
また、本発明は、HDAC6関連病症を治療する薬物の製造における、上記の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0052】
また、本発明は、HDAC6関連病症を治療する薬物の製造における、上記組成物の使用を提供する。
【0053】
本発明の一部の形態において、上記の使用は、前記薬物は多発性骨髄腫を治療する薬物であることを特徴とする。
【0054】
技術効果
新規なヒストン脱アセチル化酵素6(HDAC6)の選択的阻害剤として、本発明の化合物は、顕著な体外活性を有し、HDAC6酵素に対する阻害作用が顕著で、同時にHDAC1に対する阻害が弱く、選択性が高いという特徴を有する。また、イキサゾミブとの併用は多発性骨髄腫の治療効果を向上させて毒性を顕著に低下させる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
定義と説明
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語および連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語または連語は、特別に定義されない場合、不確定または不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品またはその活性成分を指す。本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対するもので、これらは信頼できる医学的判断の範囲内にあり、ヒトおよび動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応またはほかの問題または合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0056】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸または塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液または適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アンモニアまたはマグネシウムの塩あるいは類似の塩を含む。本発明の化合物に比較的に塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液または適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩および有機酸塩、さらにアミノ酸(たとえばアルギニンなど)の塩、およびグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、前記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、ベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む(Bergeら,“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science 66:1-19(1977)を参照)。本発明の一部の特定の化合物は、塩基性および酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩または酸付加塩に転換することができる。
【0057】
好ましくは、通常の方法で塩を塩基または酸と接触させ、さらに母体化合物を分離することによって、化合物の中性の形態に戻す。化合物の母体の形態とその各種類の塩の形態との違いは、一部の物理的性質、例えば極性溶媒における溶解度が違うことにある。
【0058】
本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の誘導体に属し、酸と塩を形成することまたは塩基と塩を形成することによって前記母体化合物を修飾する。薬学的に許容される塩の実例は、アミンのような塩基性基の無機酸または有機酸の塩、カルボン酸のような酸基のアルカリ金属塩または有機塩などを含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、通常の無毒性の塩または母体化合物の4級アンモニウム塩、例えば無毒の無機酸または有機酸で形成する塩を含む。通常の無毒性の塩は、無機酸および有機酸から誘導される塩を含むが、これらに限定されず、前記の無機酸または有機酸は、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸水素イオン、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルセプチン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシ基、ナフトール、ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、ラクトース、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、フォリン酸、コハク酸、アミノスルホン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、硫酸、タンニン、酒石酸およびp-トルエンスルホン酸から選ばれる。
【0059】
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基または塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水または有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸または塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基または酸と反応させて製造する。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水媒体が好ましい。
【0060】
塩の形態以外、本発明によって提供される化合物は、プロドラッグの形態も存在する。本明細書で記載される化合物のプロドラッグは、生理条件で化学的変化が生じて本発明の化合物に転化しやすい。また、プロドラッグ薬物は、体内環境で化学または生物化学の方法で本発明の化合物に転換される。
【0061】
本発明の一部の化合物は、非溶媒和物の形態または溶媒和物の形態で存在してもよく、水和物の形態を含む。一般的に、溶媒和物の形態は非溶媒和物の形態と同等であり、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0062】
本発明の一部の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有してもよい。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体および単独の異性体はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【0063】
別途に説明しない限り、
楔形の結合および破線の結合
【化62】
は立体中心の絶対配置を表し、
波線
【化63】

楔形の結合または破線の結合
【化64】
を表し、
【化65】
で立体中心の相対配置を表す。
【0064】
本明細書に記載された化合物がオレフィン系の二重結合またはほかの幾何学的不斉中心を含有する場合、別途に定義しない限り、これらは、E、Z幾何異性体を含む。同様に、すべての互変異性形態も本発明の範囲内に含まれる。
【0065】
本発明の化合物は、特定の幾何または立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、すべてのこのような化合物を想定し、シスおよびトランス異性体、(-)-および(+)-鏡像異性体、(R)-および(S)-鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、およびそのラセミ混合物ならびにほかの混合物、たとえばエナンチオマーまたはジアステレオマーを多く含有する混合物を含み、すべてのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル基などの置換基にほかの不斉炭素原子が存在してもよい。すべてのこれらの異性体およびこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0066】
光学活性な(R)-および(S)-異性体ならびにDおよびL異性体は、不斉合成またはキラル試薬またはほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つの鏡像異性体を得るには、不斉合成またはキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要の鏡像異性体を提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(たとえばアミノ基)または酸性官能基(たとえばカルボキシ基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸または塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、さらに本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離された鏡像異性体を得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィー法はキラル固定相を使用し、かつ任意に化学誘導法(たとえばアミンからカルバミン酸塩を生成させる。)と併用する。
【0067】
本発明の化合物は、当該化合物を構成する一つまたは複数の原子には、非天然の比率の原子同位元素が含まれてもよい。たとえば、三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)またはC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。本発明の化合物のすべての同位元素の構成の変換は、放射性の有無を問わず、いずれも本発明の範囲内に含まれる。「任意の」または「任意に」とは後記の事項または状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項または状況が生じる場合およびその事項または状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0068】
用語「置換された」とは、特定の原子における任意の一つまたは複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素および水素の変形体を含んでもよい。置換基がケトン基(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケトン置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換された」とは、置換されてもよく、置換されていなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0069】
変量(たとえばR)のいずれかが化合物の組成または構造に1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0~2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0070】
連結基の数が0の場合、たとえば-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
【0071】
そのうちの一つの変量が単結合の場合、それで連結している2つの基が直接連結しており、たとえばA-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA-Zになる。
【0072】
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、たとえばA-XにおけるXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。一つの置換基の結合は交差に一つの環における2つの原子に連結する場合、このような置換基はこの環における任意の原子と結合してもよい。挙げられた置換基に対してどの原子を通して化学構造一般式に連結するか明示しない場合、具体的に挙げられていないが含まれる化合物も含め、このような置換基はその任意の原子を通して結合してもよい。置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。たとえば、構造単位
【化66】
または
【化67】
は、シクロヘキシル基またはシクロヘキサジエンにおける任意の位置に置換されることを表す。
【0073】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ」とはヘテロ原子またはヘテロ原子団(すなわち、ヘテロ原子を含有する原子団)を表し、炭素(C)と水素(H)以外の原子およびこれらのヘテロ原子を含有する原子団、たとえば酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、-O-、-S-、=O、=S、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O)、-S(=O)-、および任意に置換された-C(=O)N(H)-、-N(H)-、-C(=NH)-、-S(=O)N(H)-または-S(=O)N(H)-を含む。
【0074】
別途に定義しない限り、「環」は置換または無置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基あるいはヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、連結環、スピロ環、縮合環または橋架け環を含む。環における原子の数は、通常、環の員数と定義され、たとえば「5~7員環」とは環状に並ぶ5~7個の原子を表す。別途に定義しない限り、当該環は任意に1~3個のヘテロ原子を含む。そのため、「5~7員環」はたとえばフェニルピリジンおよびピペリジル基を含む。一方、用語「5~7員ヘテロシクロアルキル基環」はピリジル基およびピペリジル基を含むが、フェニル基を含まない。用語「環」はさらに少なくとも一つの環を含む環系を含み、その中の各「環」はいずれも独立に上記定義に準じる。
【0075】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環基」とは安定したヘテロ原子またはヘテロ原子団を含有する単環または二環または三環で、飽和、部分不飽和または不飽和(芳香族)のものでもよく、炭素原子と1、2、3または4個の独立にN、OおよびSから選ばれる環ヘテロ原子を含み、ここで、上記任意のヘテロ環がベンゼン環と縮合して二環を形成してもよい。窒素および硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNOおよびS(O)pで、pは1または2である)。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちNまたはNRで、ここで、RはHまたは本明細書で定義されたほかの置換基である)。当該ヘテロ環は、任意のヘテロ原子または炭素原子の側基に結合して安定した構造を形成してもよい。形成した化合物が安定したものであれば、ここに記載されたヘテロ環は炭素または窒素の位置における置換が生じてもよい。ヘテロ環における窒素原子は任意に第四級アンモニウム化されてもよい。一つの好適な形態は、ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計が1を超える場合、これらのヘテロ原子はお互いに隣接しない。もう一つの好適な形態は、ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計が1以下である。本明細書で用いられるように、用語「芳香族ヘテロ環基」または「ヘテロアリール基」とは、安定した5、6、7員の単環または二環あるいは7、8、9または10員の二環式ヘテロ環基の芳香環で、炭素原子と1、2、3または4個の独立にN、OおよびSから選ばれる環ヘテロ原子を含む。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちNまたはNRで、ここで、RはHまたは本明細書で定義されたほかの置換基である)。窒素および硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNOおよびS(O)pで、pは1または2である)。注意すべきのは、芳香族ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計が1以下であることである。橋架け環もヘテロ環の定義に含まれる。一つまたは複数の原子(すなわちC、O、NまたはS)が2つの隣接しない炭素原子または窒素原子と連結すると橋架け環になる。好適な橋架け環は、一つの炭素原子、二つの炭素原子、一つの窒素原子、二つの窒素原子および一つの炭素-窒素基を含むが、これらに限定されない。注意すべきのは、一つの架け橋はいつも単環を三環に変換させることである。橋架け環において、環における置換基も架け橋に現れてもよい。
【0076】
ヘテロ環化合物の実例は、アクリジニル基、アゾシニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾメルカプトフリル基、ベンゾメルカプトフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾテトラゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリニル基、カルバゾリル基、4aH-カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾジヒドロピラニル基、クロメン、シンノリニルデカヒドロキノリニル基、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフリル基、フリル基、フラザニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリル基、1H-インダゾリル基、インドールアルケニル、ジヒドロインドリル基、インドリジニル基、インドリル基、3H-インドリル基、イソベンゾフリル基、イソインドリル基、イソジヒドロインドリル基、イソキノリニル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、モルホリル基、ナフチリジニル基、オクタヒドロイソキノリニル基、オキサジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、オキサゾリジニル基、オキサゾリル基、ヒドロキシインドリル基、ピリミジニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、ベンゾヒポキサンチニル基、フェノキサジニル基、フタラジニル基、ピペラジル基、ピペリジル基、ピペリドニル基、4-ピペリドニル基、ピペロニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリル基、ピリダジル基、ピロロオキサゾール、ピロロイミダゾール、ピロロチアゾール、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリニル基、2H-ピロリル基、ピロリル基、キナゾリニル基、キノリニル基、4H-キノリジジニル基、キノキサリニル基、キヌクリジン環基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラゾリル基,6H-1,2,5-チアジアジニル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、チアントレニル基、チアゾリル基、イソチアゾリルチエニル基、チエノオキサゾリル基、チエノチアゾリル基、チエノイミダゾリル基、チエニル基、トリアジル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、1,2,5-トリアゾリル基、1,3,4-トリアゾリル基およびキサンテニル基を含むが、これらに限定されない。さらに、縮合環およびスピロ環の化合物を含む。
【0077】
特別に定義しない限り、用語「炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基など)そのものまたは別の置換基の一部として、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和のもの(たとえばアルキル基)、単不飽和のもの(たとえばアルケニル基、アルキニル基、アリール基)または多不飽和のものでもよく、単置換のもの(たとえばメチル基)、二置換のもの(メチレン基)または多置換のもの(メチン基)でもよく、2価または多価の原子団を含んでもよく、所定の数の炭素原子を有する(たとえばC-C12は1~12個の炭素を表し、C1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12から、C3-12はC、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12から選ばれる。)。「炭化水素基」は、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基を含み、前記脂肪族炭化水素基は鎖状および環状を含み、具体的にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含むが、これらに限定されず、前記芳香族炭化水素基は6~12員の芳香族炭化水素基、たとえばベンゼン、ナフタレンなどを含むが、これらに限定されない。一部の実施例において、用語「炭化水素基」は直鎖、分枝鎖の原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和、単不飽和または多不飽和のものでもよく、2価または多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素原子団の実例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、(シクロヘキシル)メチル基、シクロプロピルメチル基、およびn-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などの原子団の同族体および異性体などを含むが、これらに限定されない。不飽和炭化水素基は一つまたは複数の二重結合または三重結合を有し、実例は、ビニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、クロチル基、2-イソペンテニル基、2-(ブタジエニル)基、2,4-ペンタジエニル基、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル基、1-及び3-プロピニル基、3-ブチニル基、及びより高級の同族体と異性体を含むが、これらに限定されない。
【0078】
特別に定義しない限り、用語「ヘテロ炭化水素基」またはその下位概念(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基など)そのものまたはもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、所定の数の炭素原子および一つ以上のヘテロ原子からなる。一部の実施例において、用語「ヘテロアルキル基」そのものまたはもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、所定の数の炭素原子および一つ以上のヘテロ原子からなる。一つの典型的な実施例において、ヘテロ原子はB、O、NおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロ原子またはヘテロ原子団はヘテロ炭化水素基の内部の任意の箇所に位置してもよく、当該炭化水素基の分子のほかの部分に付着する箇所を含むが、用語「アルコキシ基」、「アルキルアミノ基」および「アルキルチオ基」(またはチオアルコキシ基)は通常の表現で、それぞれ一つの酸素原子、アミノ基またはイオン原子を通して分子のほかの部分と連結するアルキル基を指す。実例は、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-CH-CH=N-OCHおよび-CH=CH-N(CH)-CHを含むが、これらに限定されない。多くとも二個のヘテロ原子が連続してもよく、例えば、-CH-NH-OCHが挙げられる。
【0079】
別途に定義しない限り、用語の「環状炭化水素基」、「ヘテロ環状炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基など)そのものまたはほかの用語と合わせて、環化した「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を表す。また、ヘテロ炭化水素基またはヘテロ環状炭化水素基(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基)について、ヘテロ原子は当該基が分子のほかの部分に付着した位置を占めてもよい。環状炭化水素基の実例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、3-シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロ基の非制限的な実例は、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)基、1-ピペリジニル基、2-ピペリジニル基、3-ピペリジニル基、4-モルホリニル基、3-モルホリニル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロフリルインドール-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル基、テトラヒドロチエン-3-イル基、1-ピペラジル基および2-ピペラジル基を含む。
【0080】
特別に定義しない限り、用語「アルキル基」は直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を表し、単置換のもの(たとえば-CHF)でも多置換のもの(たとえば-CF)でもよく、1価のもの(たとえばメチル基)、2価のもの(たとえばメチレン基)または多価のもの(たとえばメチン基)でもよい。アルキル基の例は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(たとえば、n-プロピル基やイソプロピル基)、ブチル基(たとえば、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基)、ペンチル基(たとえば、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)などを含む。
【0081】
特別に定義しない限り、「アルケニル基」とは鎖の任意の箇所に1つまたは複数の炭素-炭素二重結合があるアルキル基をいうが、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。アルケニル基の例は、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基などを含む。
【0082】
特別に定義しない限り、用語「アルキニル基」は鎖の任意の箇所に1つまたは複数の炭素-炭素三重結合があるアルキル基をいうが、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。アルキニル基の例は、エチニル基、プロパギル基、ブチニル基、ペンチニル基などを含む。
【0083】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、炭素原子のいずれも飽和のもので、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。このようなシクロアルキル基の実例は、シクロプロピル基、ノルボルナニル基、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロデカンなどを含むが、これらに限定されない。
【0084】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルケニル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、当該炭化水素基は環の任意の箇所に1つまたは複数の不飽和の炭素-炭素二重結合を含有し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。このようなシクロアルケニル基の実例は、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0085】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキニル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、当該炭化水素基は環の任意の箇所に1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含有し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。
【0086】
別途に定義しない限り、用語「ハロ」または「ハロゲン」そのものまたはもう一つの置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基とポリハロアルキル基を含む。例えば、用語「ハロ(C-C)アルキル基」とは、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-クロロブチル基および3-ブロモプロピル基などを含むが、これらに限定されない。別途に定義しない限り、ハロアルキル基の実例は、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基およびペンタクロロエチル基を含むが、これらに限定されない。
【0087】
「アルコキシ基」とは酸素橋で連結された特定の数の炭素原子を有する上記アルキル基を表し、別途に定義しない限り、C1-6アルコキシ基はC、C、C、C、CおよびCのアルコキシ基を含む。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基およびS-ペントキシ基を含むが、これらに限定されない。
【0088】
別途に定義しない限り、用語「アリール基」とは、多不飽和の芳香族炭化水素置換基を表し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよく、単環または多環(たとえば1~3個の環で、ここで、少なくとも1個の環が芳香族のものである)でもよく、一つに縮合してもよく、共役結合してもよい。用語の「ヘテロアリール基」とは1~4個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)である。一つの例示的な実例において、ヘテロ原子はB、N、OおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロアリール基はヘテロ原子を通して分子のほかの部分と連結してもよい。アリール基またはヘテロアリール基の非制限的な実施例は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、フェニルオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キノリル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-ビフェニル基、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、3-ピラゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、ピラジニル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、2-フェニル-4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、3-イソオキサゾリル基、4-イソオキサゾリル基、5-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、4-チアゾリル基、5-チアゾリル基、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、5-ベンゾチアゾリル基、プリニル基、2-ベンゾイミダゾリル基、5-インドリル基、1-イソキノリル基、5-イソキノリル基、2-キノキサリニル基、5-キノキサリニル基、3-キノリル基および6-キノリル基を含む。上記アリール基およびヘテロアリール基の環系の置換基はいずれも後記の許容される置換基から選ばれる。
【0089】
別途に定義しない限り、アリール基はほかの用語と合わせて使用する場合(たとえばアリーロキシ基、アリールチオ基、アルアルキル基)上記のように定義されたアリール基およびヘテロアリール基環を含む。そのため、用語「アルアルキル基」とはアリール基がアルキル基に付着した原子団(たとえばベンジル基、フェネチル基、ピリジルメチル基など)を含み、その炭素原子(たとえばメチレン基)がたとえば酸素に置換されたアルキル基、たとえばフェノキシメチル基、2-ピリジルオキシメチル3-(1-ナフトキシ)プロピル基などを含む。
【0090】
用語「脱離基」とは別の官能基または原子で置換反応(たとえば求核置換反応)で置換されてもよい官能基または原子を指す。たとえば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、塩素、臭素、ヨウ素、たとえばメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、p-ブロモベンゼンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル基、たとえばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基などのアシルオキシ基を含む。
【0091】
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」または「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基、トリクロロアセチル基またはトリフルオロアセチル基)ようなようアシル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基のようなアルコキシカルボニル基、ベントキシカルボニル(Cbz)基および9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基のようなアリールメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、トリフェニルメチル(Tr)基、1,1-ビス(4’-メトキシフェニル)メチル基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル基、エチル基およびt-ブチル基のようなアルキル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基)ようなようアシル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、9-フルオレニルメチル(Fm)基およびジフェニルメチル(DPM)基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。
【0092】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態および当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0093】
本発明に使用される溶媒は市販品として入手可能である。本発明は下記略号を使用する。aqは水を、HATUはO-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを、EDCはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N‘-エチルカルボジイミド塩酸塩を、m-CPBAは3-クロロ過安息香酸を、eqは当量、等量を、CDIはカルボニルジイミダゾールを、DCMはジクロロメタンを、PEは石油エーテルを、DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを、DMSOはジメチルスルホキシドを、EtOAcは酢酸エチルを、EtOHはエタノールを、MeOHはメタノールを、CBzはアミン保護基のベントキシカルボニル基を、BOCはアミン保護基のt-ブチルカルボニル基を、HOAcは酢酸を、NaCNBHはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを、r.t.は室温を、O/Nは一晩行うことを、THFはテトラヒドロフランを、BocOはジカルボン酸ジ-t-ブチルを、TFAはトリフルオロ酢酸を、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを、SOClは塩化チオニルを、CSは二硫化炭素を、TsOHはp-トルエンスルホン酸を、NFSIはN-フルオロ-N-(ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホニルアミドを、NCSは1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを、n-BuNFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを、iPrOHは2-プロパノールを、mpは融点を、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを、EAは酢酸エチルを、DPPFは1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを、Etはエチル基を、Meはメチル基を、DCMはジクロロメタンを、TMSCHNはトリメチルシリルジアゾメタンを、DCEはジクロロエタンを、BSAはウシ血清蛋白を、TCEPはトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンを、BH-MeSはボラン-ジメチルスルフィドを、Pd(OAc)は酢酸パラジウムを、DPPPは1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを、TEAはトリエチルアミンを、TMSClはトリメチルクロロシランを、EDCIは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩を、EtNはトリエチルアミンを、MeIはヨードメタンを、KHMDSはカリウムヘキサメチルジシラジドを、n-BuLiはn-ブチルリチウムを、Pd(dba)はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを、t-BuXPhOSは2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルを、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを表す。
【0094】
化合物は人工的にまたはChemDraw(登録商標)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。
【実施例
【0095】
具体的な実施形態
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の何らの不利な制限にもならない。ここで、本発明を詳しく説明し、その具体的な実施例の形態も公開したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に様々な変更や改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
【0096】
実施例1
【化68】
【0097】
【化69】
【0098】
工程1:化合物1-1(11.30g、80.14mmol)を無水THF(120.00mL)に入れ、-78℃でiPrMgCl(2M、40.07mL)を滴下し、窒素ガスの保護において15℃で16時間撹拌した。反応終了後、飽和NHCl(50mL)を入れ、抽出・濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して化合物1-2を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ3.57(t、J=6.0Hz、2H)、2.59~2.66(m、3H)、2.02~2.07(m、2H)、1.11(d、J=6.8Hz、6H).
【0099】
工程2:化合物1-2(3.70g、24.89mmol)および2-クロロ-4-ブロモピリジン(4.79g、24.89mmol)を無水THF(50.00mL)に入れ、-78℃でn-BuLi(2.5M、9.96mL)を滴下し、窒素ガスの保護において20℃で18時間撹拌した。反応終了後、飽和NHClを入れ、抽出・濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して化合物1-3を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.31(d、J=6.8Hz、1H)、7.33(d、J=1.6Hz、1H)、7.15~7.19(m、1H)、3.92~3.98(m、1H)、3.75~3.81(m、1H)、2.08~2.17(m、2H)、1.89~2.01(m、2H)、1.60~1.72(m、2H)、0.78(d、J=6.8Hz、3H)、0.72(d、J=6.8Hz、3H).
【0100】
工程3:化合物1-3(1.60g、7.09mmol)、KOH(795.64mg、14.18mmol)をジオキサン(15.00mL)/HO(5.00mL)の混合溶媒に入れた後、Pd(dba)(324.62mg、354.50μmol)およびtBuXPhOS(301.07mg、709.00μmol)を入れ、窒素ガスの保護において115℃で18時間撹拌した。反応終了後、水で希釈して酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水および無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物1-4を得た。MS ESI計算値C1216ClNO[M+H]208、実測値208.
【0101】
工程4:化合物1-4(200.00mg、964.92μmol)を無水DMF(50.00mL)に入れ、0℃でNaH(60%、57.90mg、1.45mmol)を入れ、25℃で0.5時間撹拌した後、0℃で4-ブロモメチル安息香酸メチル(221.04mg、964.92μmol)を入れ、25℃で0.5時間撹拌した。反応終了後、20mLの水を入れ、ろ過してろ過残渣を乾燥した後、カラムクロマトグラフィーによって精製して化合物1-5を得た。MS ESI計算値C2125NO[M+H]356、実測値356.
【0102】
工程5:化合物1-5(100mg、281.35μmol)をDCM/HO(15.00mL)の混合溶媒に入れ、0℃で2MのNaOH(2mL)を入れた後、50%のNHOH(2mL)を入れ、25℃で0.5時間撹拌した。分取HPLCによって分離して目的の化合物1-6を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ7.74(d、J=8.0Hz、2H)、7.68(d、J=6.8Hz、1H)、7.40(d、J=8.0Hz、2H)、6.61(d、J=0.8Hz、1H)、6.46(dd、J=6.8Hz&0.8Hz、1H)、5.25(s、2H)、3.91~3.97(m、1H)、3.79~3.84(m、1H)、2.10~2.19(m、3H)、2.01~2.05(m、1H)、1.79~1.94(m、1H)、0.95(d、J=7.2Hz、3H)、0.83(d、J=7.2Hz、3H).MS ESI計算値C2024[M+H]357、実測値357.
【0103】
実施例2
【化70】
【0104】
【化71】
【0105】
工程1:-78℃で、窒素ガスの雰囲気において、化合物2-1(10.00g、51.96mmol、1.00eq)および5-クロロ-2-ペンタノン(6.27g、51.96mmol、1.00eq)のテトラヒドロフラン(100.00mL)にn-ブチルリチウム(2.5M、24.94mL、1.20eq)を滴下した後、さらに窒素ガスの環境において-78~15℃で5時間撹拌した。当該反応液を濃縮し、水(100mL)および酢酸エチル(100mL)に分散させ、有機相を抽出して合併し、飽和食塩水(100mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物2-2を得た。MS ESI計算値C1012ClNO[M+H]198、実測値198.
【0106】
工程2:窒素ガスの雰囲気において、化合物2-2(3.00g、15.18mmol、1.00eq)および水酸化カリウム(1.28g、22.77mmol、1.50eq)のジオキサン(15.00mL)および水(3.00mL)溶液にPd(dba)(1.39g、1.52mmol、0.10eq)およびt-BuXphos(1.29g、3.04mmol、0.20eq)を入れた。窒素ガスで3回置換した後、さらに窒素ガスの環境において110℃で12時間撹拌した。反応液を吸引ろ過し、水に注ぎ、ジクロロメタン:メタノール(10:1、20mL×3)で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムによって精製して化合物2-3を得た。MS ESI計算値C1013NO[M+H]180、実測値180.
【0107】
工程3:化合物2-3(230.00mg、1.28mmol、1.00eq)、4-(ブロモメチル)安息香酸メチル(293.97mg、1.28mmol、1.00eq)、炭酸セシウム(627.21mg、1.93mmol、1.50eq)、ヨウ化カリウム(10.65mg、64.17μmol、0.05eq)のテトラヒドロフラン(20.00mL)を窒素ガスで3回置換した後、さらに窒素ガスの環境において66℃で12時間撹拌した。当該反応液を濃縮した後、水に溶解させ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物2-4を得た。MS ESI計算値C1921NO[M+H]328、実測値328.
【0108】
工程4:窒素ガスの環境において、0℃で、化合物2-4(300.00mg、916.39μmol、1.00eq)のメタノール(15.00mL)に水酸化ナトリウム(2M、2.29mL、5.00eq)水溶液を滴下した。当該反応液を15℃で2.5時間撹拌した。反応液を濃縮し、水(15mL)に溶解させた後、ジクロロメタン:メタノール(10:1、15mL×3)で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、分取HPLCによって分離・精製して化合物2-5を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.40(m、2H)、7.19(d、J=7.2、1H)、6.87(m、2H)、6.72(s、1H)、6.27(d、J=5.6Hz、2H)、4.01(m、2H)、3.86(d、J=6.0、2H)、2.46(m、2H)、2.16(s、2H)、1.96(m、2H)、1.65(m、4H)、1.32(s、4H).MS ESI計算値C1820[M+H]329、実測値329.
【0109】
実施例3
【化72】
【0110】
【化73】
【0111】
工程1:-65℃~75℃で、4-ブロモ-2-クロロピリジン(20.00g、103.93mmol、1.00eq)のトルエン(30.00mL)溶液にn-ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(2.5M、49.89mL、1.20eq)を滴下し、-65℃~75℃で1時間撹拌した後、反応系に化合物3-1(20.85g、103.93mmol、17.09mL、1.00eq)のトルエン(100.00mL)溶液を入れ、25℃に昇温させて2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を入れ、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物3-2を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.29(d、J=5.3Hz、1H)、7.43-7.37(m、3H)、7.24(dd、J=1.6、5.2Hz、1H)、7.06-7.00(m、2H)、4.13-4.00(m、2H)、2.64-2.56(m、1H)、2.46(m、1H)、2.04-1.91(m、2H)。MS ESI計算値C1513ClFNO[M+H]+278、実測値278.
【0112】
工程2:化合物3-2(8.50g、30.61mmol、1.00eq)、水酸化カリウム(3.44g、61.22mmol、2.00eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(5.61g、6.12mmol、0.20eq)、2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2.60g、6.12mmol、0.20eq)のジオキサン(2.00mL)および水(1.00mL)の反応液を100℃に昇温させ、2時間撹拌した。反応液に1M希塩酸を滴下してpHを7に調整し、水を入れ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して粗製品を得た。スラリー晶析による精製を行って化合物3-3を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ12.84(brs、1H)、7.40(dd、J=5.3、8.7Hz、2H)、7.25(d、J=6.8Hz、1H)、7.01(t、J=8.8Hz、2H)、6.69(s、1H)、6.29(dd、J=1.4、6.8Hz、1H)、4.12-3.98(m、2H)、2.48(t、J=7.2Hz、2H)、1.98(m、2H)、1.25(dd、J=6.9、9.5Hz、2H)。MS ESI計算値C1514FNO[M+H]260、実測値260.
【0113】
工程3:0~5℃で、化合物3-3(7.00g、27.00mmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(70.00mL)の溶液に水素化ナトリウム(1.08g、27.00mmol、純度60%、1.00eq)を入れ、0~5℃で10分間撹拌した後、反応系に4-ブロモメチル安息香酸メチル(6.18g、27.00mmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(20.00mL)溶液を入れ、10~25℃で2分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を入れ、酢酸エチルで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮後、化合物3-4を得てそのまま次の工程の反応に使用した。
【0114】
工程4:化合物3-4(11.00g、27.00mmol、1.00eq)、ヒドロキシルアミン水溶液(100.00mL、純度50%)、メタノール(20.00mL)およびジメチルメタン(10.00mL)の混合溶液に水酸化ナトリウム水溶液(2M、27.00mL、2.00eq)、ヒドロキシルアミン水溶液(1.00mL、純度50%)を入れ、40~50℃に昇温させ、1時間撹拌した。反応液を濃縮した後、1M塩酸でpHを7に調整し、ジクロロメタンで抽出し、濃縮後、逆相分取HPLCによって精製して化合物3-5を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.17(s、1H)、9.04(brs、1H)、7.74-7.64(m、3H)、7.55-7.45(m、2H)、7.32(d、J=8.3Hz、2H)、7.14(t、J=8.9Hz、2H)、6.50(d、J=1.9Hz、1H)、6.25(dd、J=2.0、7.2Hz、1H)、6.29-6.22(m、1H)、5.05(s、2H)、3.98-3.83(m、2H)、2.48-2.41(m、2H)、1.85(m、2H)。MS ESI計算値C2321FN[M+H]409、実測値409.
【0115】
実施例4
【化74】
【0116】
【化75】
【0117】
工程1:化合物4-1(1.50g、5.79mmol)のジメチルホルムアミド(20.00mL)溶液に水素化ナトリウム(347.13mg、8.69mmol、純度60%)を入れ、0℃で30分間撹拌した後、さらに4-ブロモメチル安息香酸メチル(1.99g、8.69mmol)を入れ、室温に昇温させ、そして2時間撹拌した。0℃で飽和の塩化アンモニウム水溶液(15mL)でクエンチングして水(20mL)で希釈し、酢酸エチルEtOAc(20mL×4)で抽出した。合併した有機相を水(20mL×2)および飽和の食塩水(20mL×1)で洗浄し、乾燥・ろ過・濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(PE/EtOAc=3/1、1:1~0/1)粗製品の混合物を得た。粗製品の混合物をキラル分割し(キラルカラム型番:OJ(250mm×30mm、10μm);移動相:A:CO、B:0.05%ジエチルアミン/EtOH、EtOH(0.05%のジエチルアミン)と臨界流体CO:5%~40%、流速60mL/min)、分割後、化合物4-2と化合物5-1を得たが、保持時間はそれぞれ2.226min、2.835minであった。化合物4-2のH NMR(400MHz、DMSO-d)δ=7.95-7.88(m、2H)、7.71(d、J=7.2Hz、1H)、7.54-7.46(m、2H)、7.38(d、J=8.4Hz、2H)、7.19-7.09(m、2H)、6.51(d、J=2.0Hz、1H)、6.27(dd、J=2.0、7.2Hz、1H)、5.09(s、2H)、3.98-3.85(m、2H)、3.83(s、3H)、2.49-2.41(m、2H)、1.91-1.75(m、2H).MS ESI計算値C2422FNO[M+H]407.43、実測値408.1.
【0118】
工程2:化合物4-2(700.00mg、1.72mmol)のメタノール(5.00mL)溶液に水酸化ナトリウム(103.20mg、2.58mmol)およびヒドロキシルアミン(5.00mL、50%水溶液)を入れ、室温で30分間撹拌し、濃縮後、希塩酸(1M)でpHを7に調整し、逆相分取HPLC(0.225%FA)によって分離・精製して化合物4-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=11.49-10.50(br s、1H)、9.04(br s、1H)、7.69(m、3H)、7.49(m、2H)、7.33(m、2H)、7.14(m、2H)、6.50(m、1H)、6.25(m、1H)、5.05(s、2H)、3.90(m、2H)、2.45(m、2H)、1.85(m、2H)。MS ESI計算値C2321F[M+H]408.42、実測値408.9.
【0119】
実施例5
【化76】
【0120】
【化77】
【0121】
工程1:化合物5-1(900.00mg、2.21mmol)のメタノール(5.00mL)溶液に水酸化ナトリウム(132.60mg、3.32mmol)およびヒドロキシルアミン(5.00mL、50%水溶液)を入れ、室温で30分間撹拌した。濃縮し、希塩酸(1M)でpHを7に調整し、酢酸エチル(50mL×4)で抽出し、有機相を合併して濃縮し、逆相分取HPLC(0.225%FA)によって精製して化合物5-2を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ12.07-10.09(br s、1H)、9.08(br s、1H)、7.68(m、3H)、7.56-7.44(m、2H)、7.32(m、2H)、7.14(m、2H)、6.50(m、1H)、6.25(m、1H)、5.01(s、2H)、4.09-3.74(m、2H)、2.45(m、2H)、1.94-1.76(m、2H).MS ESI計算値C23H21FN2O4[M+H]408.42、実測値408.8.
【0122】
実施例6
【化78】
【0123】
【化79】
【0124】
工程1:5℃で、化合物6-1(809.15mg、7.09mmol、697.54μL、1.00eq)および三塩化アルミニウム(633.60mg、4.75mmol、259.67μL、0.67eq)の混合物に4-クロロブチリルクロリド(500.00mg、3.55mmol、396.83μL、0.50eq)を入れ、25℃で3時間撹拌した後、反応液を氷水に入れ、撹拌し、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を濃縮し、化合物6-2を得た。当該液をそのまま次の工程に使用した。
【0125】
工程2:-68℃で、4-ブロモ-2-クロロピリジン(527.29mg、2.74mmol、1.00eq)のトルエン(5.00mL)溶液にn-ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(2.5M、1.21mL、1.10eq)を滴下し、-68℃で10分間撹拌した後、反応系に化合物6-2(600.00mg、2.74mmol、1.00eq)のトルエン(5.00mL)溶液を入れ、-68℃で1時間撹拌し、25℃で14時間撹拌した。反応液に順に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を入れ、酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮後、TLCプレートによって精製して化合物6-3を得た。MS ESI計算値C1512ONCl[M+H]296、実測値296.
【0126】
工程3:化合物6-3(87.00mg、294.21μmol、1.00eq)のジオキサン(2.00mL)および水(1.00mL)の溶液に、水酸化カリウム(33.02mg、588.42μmol、2.00eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(26.94mg、29.42μmol、0.10eq)、2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(12.49mg、29.42μmol、0.10eq)を入れ、80℃で3時間撹拌した。反応液に水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮後、TLCプレートによって精製して化合物6-4を得た。MS ESI計算値C1513N[M+H]278、実測値278.
【0127】
工程4:0℃で、化合物6-4(60.00mg、216.40μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)の溶液に水素化ナトリウム(17.31mg、432.80μmol、純度60%、2.00eq)を入れた後、反応系に4-ブロモメチル安息香酸メチル(49.57mg、216.40μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)溶液を入れ、25℃で2時間撹拌した。反応液に水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮後、TLCプレートによって精製して化合物6-5を得た。MS ESI計算値C2421NO[M+H]426、実測値426.
【0128】
工程5:化合物6-5(32.00mg、75.22μmol、1.00eq)のメタノール(2.00mL)溶液に水酸化ナトリウム水溶液(6M、50.00μL、3.99eq)、ヒドロキシルアミン水溶液(1.00mL、50%水溶液)を入れ、25℃で17時間撹拌した。反応液を濃縮した後、逆相分取カラムによって精製して化合物6-6を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δppm1.89-2.08(m、2H)2.48-2.74(m、2H)3.93-4.11(m、2H)5.20(s、2H)6.46(dd、J=7.09、1.82Hz、1H)6.66(s、1H)6.88-7.03(m、2H)7.37(d、J=8.16Hz、2H)7.63(d、J=7.15Hz、1H)7.67-7.72(m、2H)7.72-7.75(m、1H)。MS ESI計算値C2320[M+H]427、実測値427.
【0129】
実施例7
【化80】
【0130】
【化81】
【0131】
工程1:化合物7-1(70.00mg、269.99μmol)のジメチルホルムアミド(5.00mL)溶液に水素化ナトリウム(21.60mg、539.98μmol、純度60%)を入れ、0℃で30分間撹拌し、さらに混合物に6-ブロモメチルピリジン-3-カルボン酸メチル(124.23mg、539.98μmol)を入れ、0℃で30分間撹拌した。室温に昇温させ、続いて30分間撹拌した。混合物は飽和塩化アンモニウム水溶液(1mL)を使用し、水(15mL)を入れ、酢酸エチル(10mL×4)で抽出した。有機相を合併し、水(10mL×3)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥し、ろ過し、濃縮した。プレートによって分離して(PE/EA=1/1)化合物7-2を得た。MS ESI計算値C2321FN[M+H]409、実測値409.
【0132】
工程2:化合物7-2(70.00mg、161.11μmol)のメタノール(5.00mL)溶液にヒドロキシルアミン(1.00mL、50%水溶液)および水酸化ナトリウムNaOH(6.44mg、161.11μmol)を入れ、室温で30分間撹拌した。混合物を希塩酸(1M)でpHが7なるように調整し、精製して化合物7-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.77(d、J=1.8Hz、1H)、8.05(dd、J=2.4、8.2Hz、1H)、7.69(d、J=7.2Hz、1H)、7.57-7.48(m、2H)、7.30(d、J=8.2Hz、1H)、7.21-7.11(m、2H)、6.48(d、J=1.8Hz、1H)、6.28(dd、J=2.0、7.2Hz、1H)、5.14(s、2H)、4.01-3.83(m、2H)、2.49-2.44(m、2H)、1.92-1.79(m、2H).MS ESI計算値C2220FN[M+H]410、実測値410.
【0133】
実施例8
【化82】
【0134】
【化83】
【0135】
工程1:化合物8-1(70.00mg、269.99μmol)のジメチルホルムアミド(5.00mL)溶液に水素化ナトリウム(21.60mg、539.98μmol、純度60%)を入れ、0℃で30分間撹拌した後、2-ブロモメチルピリミジン-5-カルボン酸メチル(132.33mg、539.98μmol)を入れ、続いて0℃で30分間撹拌し、室温に昇温させて続いて30分間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム(1mL)でクエンチングし、水(15mL)を入れ、酢酸エチル(10mL×4)で抽出した。合併した有機相を水(5mL×3)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥し、ろ過して濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(PE/EA=1/1)によって分離・精製して化合物8-2を得た。MS ESI計算値C2220FN[M+H]424、実測値424.
【0136】
工程2:化合物8-2(70.00mg、160.72μmol)のメタノール(5.00mL)溶液にヒドロキシルアミン(1.00mL、50%水溶液)および水酸化ナトリウムNaOH(6.43mg、160.72μmol)を入れ、室温で30分間撹拌した。混合物を希塩酸(1M)でpHが7なるように調整し、精製して化合物8-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.97(s、2H)、7.69(d、J=7.2Hz、1H)、7.59-7.51(m、2H)、7.20-7.13(m、2H)、6.47(d、J=2.0Hz、1H)、6.31(dd、J=2.0、7.2Hz、1H)、5.26(s、2H)、4.00-3.87(m、2H)、2.53(m、2H)、1.93-1.82(m、2H).MS ESI計算値C2119FN[M+H]411、実測値411.
【0137】
実施例9
【化84】
【0138】
【化85】

【0139】
工程1:化合物9-1(70.00mg、269.99μmol)のジメチルホルムアミド(5.00mL)溶液に水素化ナトリウム(21.60mg、539.98μmol、純度60%)を入れ、0℃で30分間撹拌した後、5-ブロモメチルピリジン-2-カルボン酸メチル(124.23mg、539.98μmol)を入れ、続いて0℃で30分間撹拌し、室温に昇温させて続いて30分間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム(1mL×1)でクエンチングし、水(15mL)を入れ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合併した有機相を水(10mL×2)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥し、ろ過して濃縮し、分取TLC(PE/EA=1/1)によって分離・精製して化合物9-2を得た。MS ESI計算値C2321FN[M+H]409、実測値409.
【0140】
工程2:化合物9-2(50.00mg、粗製品)のメタノール(5.00mL)溶液にヒドロキシルアミン(1.00mL、50%水溶液)および水酸化ナトリウムNaOH(3.06mg、76.39μmol)を入れ、室温で30分間撹拌した。混合物を希塩酸(1M)でpHが7なるように調整し、精製して化合物9-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.53(s、1H)、7.97-7.87(m、1H)、7.86-7.72(m、2H)、7.50(m、2H)、7.14(m、2H)、6.51(m、1H)、6.28(m、1H)、5.10(s、2H)、4.01-3.81(m、2H)、2.48-2.42(m、2H)、1.92-1.76(m、2H).MS ESI計算値C2220FN[M+H]410、実測値410.
【0141】
実施例10
【化86】
【0142】
【化87】
【0143】
工程1:化合物10-1(4.68g、35.46mmol、3.66mL、2.00eq)および三塩化アルミニウム(3.14g、23.58mmol、1.29mL、1.33eq)の混合物に4-クロロブチリルクロリド(2.50g、17.73mmol、1.98mL、1.00eq)を滴下し、30℃で6時間撹拌した後、反応液を氷水に入れ、撹拌し、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物10-2を得た。当該液をそのまま次の工程に使用した。
【0144】
工程2:-68℃で、4-ブロモ-2-クロロピリジン(488.80mg、2.54mmol、1.00eq)のトルエン(3.00mL)溶液にn-ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(2.5M、1.12mL、1.10eq)を入れた後、反応系に化合物10-2(600.00mg、2.54mmol、1.00eq)のトルエン(1.00mL)溶液を入れ、昇温させて25℃で6時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を入れ、酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物10-3を得た。MS ESI計算値C1511ONCl[M+H]314、実測値314.
【0145】
工程3:化合物10-3(410.00mg、1.31mmol、1.00eq)のジオキサン(5.00mL)および水(1.00mL)の溶液に、水酸化カリウム(146.67mg、2.61mmol、2.00eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(119.96mg、131.00μmol、0.10eq)、2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(55.50mg、130.70μmol、0.10eq)を入れ、80℃で4時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物10-4を得た。
【0146】
工程4:化合物10-4(100.00mg、338.68μmol、1.00eq)、4-ブロモメチル安息香酸メチル(155.16mg、677.36μmol、2.00eq)、炭酸セシウム(220.70mg、677.37μmol、2.00eq)のアセトニトリル(2.00mL)溶液を80℃に昇温させ、2時間撹拌した。反応液に水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮後、分取薄層クロマトグラフィーによって精製して化合物10-5を得た。
【0147】
工程5:化合物10-5(40.00mg、90.21μmol、1.00eq)のメタノール(2.00mL)溶液に水酸化ナトリウム(3.61mg、90.21μL、1.00eq)、ヒドロキシルアミン水溶液(1.00mL、純度50%)を入れ、25℃で17時間撹拌した。反応液を濃縮した後、逆相分取カラムによって精製して化合物10-6を得た。H NMR(400MHz、MEOD)δppm1.75-2.11(m、2H)2.53-2.84(m、2H)3.90-4.20(m、2H)5.41(s、2H)6.79-6.88(m、2H)6.92(s、1H)6.97(dd、J=5.40、1.25Hz、1H)7.54(d、J=8.28Hz、2H)7.76(d、J=8.28Hz、2H)8.05(d、J=5.40Hz、1H)、MS ESI計算値C2319[M+H]445、実測値445.
【0148】
実施例11
【化88】
【0149】
【化89】
【0150】
工程1:Nの保護において、-70℃で、4-ブロモ-2-クロロ-3-フルオロピリジン(4.00g、19.01mmol、1.00eq)のトルエン(20.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、9.12mL、1.20eq)を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で30分間撹拌した後、化合物11-1(3.81g、19.01mmol、819.67μL、1.00eq)を上記懸濁液に入れた。反応系の温度をゆっくり40℃に昇温させ、12時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc(40mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)にかけて化合物11-2を得た。MS ESI計算値C1512ClFNO[M+H]296、実測値296.
【0151】
工程2:Nの保護において、化合物11-2(3.86g、13.05mmol、1.00eq)、t-BuXPhOS(554.16mg、1.31mmol、0.10eq)、Pd(dba)(1.20g、1.31mmol、0.10eq)およびKOH(1.46g、26.10mmol、2.00eq)のジオキサン(100mL)およびHO(20mL)混合物を100℃に加熱して2時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc/MeOH(10/1、30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(40mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をPE(20mL)でスラリー状にし、ろ過し、乾燥して化合物11-3を得た。MS ESI計算値C1513NO[M+H]278、実測値278.
【0152】
工程3:Nの保護において、0℃で、化合物11-3(3.20g、11.54mmol、1.00eq)のDMF(60mL)溶液にNaH(553.97mg、13.85mmol、純度60%、1.20eq)を入れて当該温度で20分間撹拌した後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(2.64g、11.54mmol、1.10eq)を上記懸濁液に入れて系の温度を20℃に昇温させて続いて1時間撹拌した。反応液をHO(250mL)に注ぎ、そしてEtOAc/MeOH(10/1、50mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(100mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=3/1)にかけて化合物11-4を得た。MS ESI計算値C2421NO[M+H]426、実測値426.
【0153】
工程4:0℃で化合物11-4(2.00g、4.70mmol、1.00eq)のMeOH(20.0mL)およびDCM(10.0mL)溶液に順にNHOH・HO(20.0mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、20.0mL)水溶液を滴下した後、反応液を続いて0℃で1時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶液を0℃に冷却して濃塩酸でpH=7~8になるように調整した後、処理して化合物11-5を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.18(s、1H)、9.90-9.90(m、1H)、9.04(brs、1H)、7.98(d、J=6.78Hz、1H)、7.70(d、J=8.03Hz、2H)、7.44(dd、J=8.41、5.65Hz、2H)、7.37(d、J=8.03Hz、2H)、7.15(t、J=8.91Hz、2H)、6.60(d、J=7.53Hz、1H)、4.90-5.15(m、2H)、3.80-4.05(m、2H)、2.60-2.75(m、1H)、2.38-2.44(m、1H)、1.93(q、J=7.09Hz、2H).MS ESI計算値C2320[M+H]427、実測値427.
【0154】
実施例12
【化90】
【0155】
【化91】
【0156】
工程1:Nの保護において、-70℃で、4-ブロモ-2-クロロピリジン(515.62mg、2.68mmol、1.00eq)のトルエン(3.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、1.29mL、1.20eq)を滴下し、滴下完了後、当該温度で続いて20分間撹拌した後、化合物12-1(500.00mg、2.68mmol、1.00μL、1.00eq)を上記懸濁液に入れた。反応系の温度をゆっくり25℃に昇温させ、6時間撹拌した。減圧で濃縮してトルエンを除去し、残った固体をDMF(3.00mL)に溶解させ、25℃でNaH(160.76mg、4.02mmol、純度60%、1.50eq)を入れた後、系を60℃に加熱して2時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)にかけて化合物12-2を得た。MS ESI計算値C1411ClFNO[M+H]264、実測値264.
【0157】
工程2:Nの保護において、化合物12-2(320.00mg、1.21mmol、1.00eq)、t-BuXPhOS(102.76mg、242.00μmol、0.20eq)、Pd(dba)(221.60mg、242.00μmol、0.20eq)およびKOH(135.79mg、2.42mmol、2.00eq)のジオキサン(10.00mL)およびHO(3.00mL)混合物を100℃に加熱して2時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(60mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=3/1)にかけて化合物12-3を得た。MS ESI計算値C1412FNO[M+H]246、実測値246.
【0158】
工程3:Nの保護において、0℃で、化合物12-3(290.00mg、1.18mmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液にNaH(56.80mg、1.42mmol、純度60%、1.20eq)を入れて当該温度で20分間撹拌した後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(297.33mg、1.30mmol、1.10eq)を上記懸濁液に入れて系の温度を20℃に昇温させて続いて2時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc/MeOH(10/1、30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=1/1)によって分離・精製して化合物12-4を得た。MS ESI計算値C2320FNO[M+H]394、実測値394.
【0159】
工程4:0℃で化合物12-4(150.00mg、381.28μmol、1.00eq)のDCM(2.00mL)およびMeOH(2.00mL)溶液に順にNHOH・HO(150.00μL、50%水溶液)およびNaOH(2M、150.00μL)水溶液を滴下した後、反応液を続いて0℃で2時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶液を分取HPLC(0.1%NHOH)によって分離・精製して化合物12-5を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ10.99(brs、1H)、8.67-9.79(brs、1H)、7.77(d、J=7.28Hz、1H)、7.69(d、J=8.03Hz、2H)、7.46(dd、J=8.66、5.40Hz、2H)、7.34(d、J=8.03Hz、2H)、7.20(t、J=8.91Hz、2H)、6.52(d、J=1.51Hz、1H)、6.18(dd、J=7.03、1.76Hz、1H)、5.08(s、2H)、4.39-4.58(m、2H)、3.01-3.19(m、2H).MS ESI計算値C2219FN[M+H]395、実測値395.
【0160】
実施例13
【化92】
【0161】
【化93】
【0162】
工程1:Nの保護において、-70℃で、4-ブロモ-2-クロロ-3-フルオロピリジン(450.32mg、2.14mmol、1.00eq)のトルエン(8.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、1.03mL、1.20eq)を滴下し、滴下完了後、当該温度で続いて20分間撹拌した後、化合物13-1(400.00mg、2.14mmol、1.00eq)を上記懸濁液に入れた。反応系の温度をゆっくり25℃に昇温させて6時間撹拌した。減圧で濃縮してトルエンを除去し、残った固体をDMF(8.00mL)に溶解させ、25℃でNaH(128.40mg、3.21mmol、純度60%、1.50eq)を入れた後、系を60℃に加熱して2時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)にかけて化合物13-2を得た。MS ESI計算値C1410ClFNO[M+H]282、実測値282.
【0163】
工程2:Nの保護において、化合物13-2(440.00mg、1.56mmol、1.00eq)、t-BuXPhOS(132.49mg、312.00μmol、0.20eq)、Pd(dba)(285.70mg、312.00μmol、0.20eq)およびKOH(175.06mg、3.12mmol、2.00eq)のジオキサン(10.00mL)およびHO(3.00mL)の混合物を100℃に加熱して2時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(60mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=3/1)にかけて化合物13-3を得た。MS ESI計算値C1411NO[M+H]264、実測値264.
【0164】
工程3:Nの保護において、0℃で、化合物13-3(380.00mg、1.44mmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液にNaH(69.29mg、1.73mmol、純度60%、1.20eq)を入れて当該温度で20分間撹拌した後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(363.74mg、1.59mmol、1.10eq)を上記懸濁液に入れて系の温度を20℃に昇温させて続いて2時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc/MeOH(10/1、30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=1/1)によって分離・精製して化合物13-4を得た。MS ESI計算値C2319NO[M+H]412、実測値412.
【0165】
工程4:0℃で化合物13-4(350.00mg、850.75μmol、1.00eq)のDCM(3.00mL)およびMeOH(3.00mL)溶液に順にNHOH・HO(3.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、3.00mL)水溶液を滴下した後、反応液を続いて0℃で1時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶液を分取HPLC(0.1%TFA)によって分離・精製して化合物13-5を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.19(brs、1H)、8.06(d、J=6.52Hz、1H)、7.71(d、J=8.28Hz、2H)、7.38-7.50(m、5H)、7.22(t、J=8.91Hz、2H)、6.65(d、J=7.28Hz、1H)、4.98-5.08(m、2H)、4.49-4.59(m、2H)、3.25-3.34(m、1H)、3.05-3.15(m、1H).MS ESI計算値C2218[M+H]413、実測値413.
【0166】
実施例14
【化94】
【0167】
【化95】
【0168】
工程1:Nの保護において、-70℃で、4-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロピリジン(3.00g、14.26mmol、1.00eq)のトルエン(80.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、6.84mL、1.20eq)を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で続いて30分間撹拌した後、化合物14-1(2.86g、14.26mmol、2.34mL、1.00eq)を上記懸濁液に入れた。反応系の温度をゆっくり40℃に昇温させて12時間撹拌した。反応液をHO(300mL)に注ぎ、そしてEtOAc(100mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(100mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)にかけて化合物14-2を得た。MS ESI計算値C1512ClFNO[M+H]296、実測値296.
【0169】
工程2:Nの保護において、化合物14-2(300.00mg、1.01mmol、1.00eq)、t-BuXPhOS(85.78mg、202.00μmol、0.20eq)、Pd(dba)(184.98mg、202.00μmol、0.20eq)およびKOH(113.34mg、2.02mmol、2.00eq)のジオキサン(10.00mL)およびHO(3.00mL)の混合物を100℃に加熱して2時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(60mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=3/1)にかけて化合物14-3を得た。MS ESI計算値C1513NO[M+H]278、実測値278.
【0170】
工程3:Nの保護において、0℃で、化合物14-3(200.00mg、721.32μmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液にNaH(34.62mg、865.58μmol、純度60%、1.20eq)を入れて当該温度で20分間撹拌した後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(165.23mg、721.32μmol、1.00eq)を上記懸濁液に入れて系の温度を20℃に昇温させて続いて1時間撹拌した。反応液をHO(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc/MeOH(10/1、20mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(30mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=1/1)によって分離・精製して化合物14-4を得た。MS ESI計算値C2421NO[M+H]426、実測値426.
【0171】
工程4:0℃で化合物14-4(100.00mg、235.06μmol、1.00eq)のDCM(2.00mL)およびMeOH(4.00mL)溶液に順にNHOH・HO(2.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2.00M、2mL)水溶液を滴下した後、反応液を続いて0℃で1時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶液を0℃に冷却して濃塩酸でpH=6~7になるように調整した後、処理して化合物14-5を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.17(brs、1H)、9.05(brs、1H)、8.61-9.43(m、1H)、7.64-7.73(m、3H)、7.46(dd、J=8.5、5.5Hz、2H)、7.34(d、J=8.0Hz、2H)、7.16(t、J=8.9Hz、2H)、6.48(t、J=6.9Hz、1H)、5.07-5.18(m、2H)、3.90(t、J=7.2Hz、2H)、2.64-2.70(m、1H)、2.41-2.47(m、1H)、1.82-1.97(m、2H).MS ESI計算値C2320[M+H]427、実測値427.
【0172】
実施例15
【化96】
【0173】
【化97】
【0174】
工程1:0℃で、化合物15-1(6.20g、64.50mmol、6.08mL、2.00eq)および三塩化アルミニウム(4.73g、35.48mmol、1.10eq)を100mLの三口瓶に入れ、さらに5-クロロバレリルクロリド(5.00g、32.25mmol、4.17mL、1.00eq)を入れ、混合物を室温に昇温させ、2時間撹拌した。当該混合物を氷水(20mL)でクエンチングし、水(100mL)を入れ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して化合物15-2を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.08-7.91(m、2H)、7.13(m、2H)、3.63-3.55(m、2H)、2.99(m、2H)、1.98-1.82(m、4H).
【0175】
工程2:-78℃の窒素ガスの雰囲気において、4-ブロモ-2-クロロピリジン(5.83g、30.28mmol、1.00eq)のトルエン(100.00mL)溶液にゆっくりt-ブチルリチウム(2.5M、13.32mL、1.10eq)を滴下し、10分間撹拌した後、ゆっくり化合物15-2(6.50g、30.28mmol、1.00eq)を滴下し、続いて30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム(20mL)でクエンチングし、水(100mL)を入れ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、合併した有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、カラムによって分離して(シリカゲルカラム、石油エーテル/酢酸エチル=10/1)化合物15-3を得た。MS ESI計算値C1616ClFNO[M+H]328.2、実測値328.2.
【0176】
工程3:0℃の窒素ガスの雰囲気において、化合物15-3(6.00g、18.28mmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(30.00mL)の溶液にNaH(877.49mg、21.94mmol、純度60%、1.20eq)を入れ、0~5℃で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム(30mL)でクエンチングし、水(100mL)を入れ、酢酸エチル(80mL×3)で抽出し、合併した有機相を水(100mL×3)、飽和食塩水(50mL×1)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して化合物15-4を得た。MS ESI計算値C1615ClFNO[M+H]291.75、実測値292.0.
【0177】
工程4:窒素ガスの保護において、水(5.00mL)および1,4-ジオキサン(10.00mL)の混合溶液に化合物15-4(1.00g、3.43mmol、1.00eq)、水酸化カリウム(384.64mg、6.86mmol、2.00eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(627.74mg、686.00μmol、0.20eq)および2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(291.10mg、686.00μmol、0.20eq)を入れ、混合物を90℃に加熱し、3時間撹拌した。混合物を濃縮し、水(50mL)を入れ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合併した有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、カラムによって精製して(シリカゲルカラム、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1、ジクロロメタン/メタノール=20/1)化合物15-5を得た。MS ESI計算値C1616FNO[M+H]273.30、実測値274.1.
【0178】
工程5:0℃の窒素ガスの保護において、化合物15-5(150.00mg、439.08μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(5.00mL)溶液に水素化ナトリウム(17.56mg、439.08μmol、純度60%、1.00eq)を入れ、混合物を10分間撹拌した後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(125.72mg、548.85μmol、1.00eq)を入れ、混合物を室温に昇温させ、続いて30分間撹拌した。系に飽和塩化アンモニウム(2mL)を入れ、水(15mL)を入れ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、合併した有機相を飽和食塩水(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した後、精製して化合物15-6を得た。MS ESI計算値C2524FNO[M+H]421.46、実測値422.2.
【0179】
工程6:化合物15-6(145.00mg、292.44μmol、1.00eq)のメタノール(10.00mL)溶液にヒドロキシルアミン水溶液(2.00mL、50%水溶液)および水酸化ナトリウム(35.09mg、877.32μmol、3.00eq)を入れ、室温で1時間撹拌し、混合物を濃縮した後、分取HPLC(0.225%FA)によって分離して化合物15-7を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ=7.73-7.62(m、3H)、7.46(m、2H)、7.32(d、J=8.2Hz、2H)、7.16(t、J=8.8Hz、2H)、6.47(d、J=1.6Hz、1H)、6.20(dd、J=1.6、7.2Hz、1H)、5.04(s、2H)、3.71-3.53(m、2H)、2.34-2.07(m、2H)、1.65-1.46(m、4H).MS ESI計算値C2423FN[M+H]422.45、実測値423.4.
【0180】
実施例16
【化98】
【0181】
【化99】
【0182】
工程1:-78℃の窒素ガスの保護において、化合物16-1(38.76g、201.43mmol、1.00eq)のトルエン(250.00mL)溶液にゆっくりn-ブチルリチウム(2.5M、88.63mL、1.10eq)を滴下し、30分間撹拌した後、反応系にゆっくりp-フルオロベンズアルデヒド(25.00g、201.43mmol、21.19mL、1.00eq)を滴下し、30分間で系をゆっくり室温に昇温させ、系に飽和塩化アンモニウム(100mL)溶液を入れ、さらに水(200mL)を入れ、酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、カラム(シリカゲルカラム、石油エーテル/酢酸エチル=5:1)によって分離・精製して化合物16-2を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.30(d、J=5.2Hz、1H)、7.43-7.37(m、1H)、7.35-7.29(m、2H)、7.20(dd、J=0.8、5.2Hz、1H)、7.11-7.03(m、2H)、5.78(d、J=2.6Hz、1H)、2.67(d、J=3.4Hz、1H).MS ESI計算値C12ClFNO[M+H]237.66、実測値238.2.
【0183】
工程2:0℃で、化合物16-2(23.00g、96.78mmol、1.00eq)のジクロロメタン(230.00mL)にデス・マーチン酸化剤(45.15g、106.46mmol、32.96mL、1.10eq)を入れ、系を25℃に昇温させ、2時間撹拌した。混合系をろ過し、ろ過したろ液を濃縮し、シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)クロマトグラフィーによって精製して化合物16-3を得た。MS ESI計算値C12ClFNO[M+H]235.64、実測値236.2.
【0184】
工程3:化合物16-3(3.00g、12.73mmol、1.00eq)のトルエン(100.00mL)溶液にp-トルエンスルホン酸(7.27g、38.19mmol、3.00eq)およびエチレングリコール(1.58g、25.46mmol、1.42mL、2.00eq)を入れ、反応系を110℃に加熱し、5時間撹拌した。混合系を濃縮した後、カラムによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)化合物16-4を得た。MS ESI計算値C1411ClFNO[M+H]279.69、実測値280.0.
【0185】
工程4:化合物16-4(100.00mg、336.09μmol、1.00eq)の1,4-ジオキサン(5.00mL)混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(61.55mg、67.22μmol、0.20eq)、水酸化カリウム(40.12mg、715.08μmol、2.00eq)および2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(28.54mg、67.22μmol、0.20eq)を入れ、系を90℃に加熱して3時間撹拌した。混合物を濃縮し、水(10mL)を入れ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、精製して化合物16-5を得た。MS ESI計算値C1412FNO[M+H]261.25、実測値262.2.
【0186】
工程5:0℃の窒素ガスの保護において、化合物16-5(80.00mg、281.72μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(10.00mL)混合物に水素化ナトリウム(22.54mg、563.44μmol、純度60%、2.00eq)を入れ、系を10分間撹拌した後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(129.07mg、563.44μmol、2.00eq)を入れ、続いて30分間撹拌した。混合物を水(5mL)でクエンチングし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、合併した有機相を水(10mL)、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した後、精製して化合物16-6を得た。MS ESI計算値C2320FNO[M+H]409.41、実測値410.3.
【0187】
工程6:化合物16-6(70.00mg、141.91μmol、1.00eq)のメタノール(5.00mL)溶液にヒドロキシルアミン水溶液(1.00mL、50%水溶液)および水酸化ナトリウム(17.03mg、425.73μmol、3.00eq)を入れ、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮した後、分取HPLC(0.225%TFA)によって分離・精製して化合物16-7を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ=7.77(d、J=7.2Hz、1H)、7.68(d、J=8.2Hz、2H)、7.53-7.45(m、2H)、7.33(d、J=8.2Hz、2H)、7.19(t、J=8.8Hz、2H)、6.48(d、J=1.8Hz、1H)、6.20(dd、J=1.8、7.2Hz、1H)、5.08(s、2H)、3.99(m、4H).MS ESI計算値C2219FN[M+H]410.40、実測値411.1.
【0188】
実施例17
【化100】
【0189】
【化101】
【0190】
工程1:Nの保護において、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(2.83g、7.01mmol、1.10eq)およびt-BuOK(1M、7.01mL、1.10eq)のTHF(20.00mL)溶液を加熱して1時間還流させた。その後、当該懸濁液を0℃に冷却して化合物17-1(1.50g、6.37mmol、1.00eq)を入れ、さらに得られた反応液を20℃で12時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/1)によって分離・精製して化合物17-2を得た。MS ESI計算値C13ClFN[M+H]234、実測値234.
【0191】
工程2:化合物17-2(800.00mg、3.42mmol、1.00eq)およびOsO(869.47mg、3.42mmol、177.44μL、1.00eq)のTHF(10.00mL)およびHO(2.00mL)溶液を20℃で4時間撹拌した。その後、反応液を2MのNaSO水溶液(80mL)で振とう洗浄し、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮して化合物17-3を得た。MS ESI計算値C1311ClFNO[M+H]268、実測値268.
【0192】
工程3:化合物17-3(800.00mg、2.99mmol、1.00eq)、1,2-ブロモエタン(561.45mg、2.99mmol、225.48μL、1.00eq)およびt-BuOK(503.03mg、4.49mmol、1.50eq)のDMSO(10.00mL)を70℃に加熱して6時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc/MeOH(10/1、50mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(80mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=2/1)によって分離・精製して化合物17-4を得た。MS ESI計算値C1513ClFNO[M+H]294、実測値294.
【0193】
工程4:Nの保護において、化合物17-4(180.00mg、612.83μmol、1.00eq)、t-BuXPhOS(26.02mg、61.28μmol、0.10eq)、Pd(dba)(56.12mg、61.28μmol、0.10eq)およびKOH(68.77mg、1.23mmol、2.00eq)のジオキサン(10.00mL)およびHO(2.00mL)溶液を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そして2MのHClでpH=6になるように調整し、EtOAc(30mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=3/1)によって分離・精製して化合物17-5を得た。MS ESI計算値C1514FNO[M+H]276、実測値276.
【0194】
工程5:Nの保護において、0℃で、化合物17-5(90.00mg、326.95μmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液にNaH(15.69mg、392.34μmol、純度60%、1.20eq)を入れて当該温度で20分間撹拌した。その後、4-ブロモメチル安息香酸メチル(74.89mg、326.95μmol、1.00eq)を上記懸濁液に入れ、得られた反応液を15℃に昇温させて1時間撹拌した。反応液をHO(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(20mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた固体を分取TLC(PE/EtOAc=1/2)によって分離・精製して化合物17-6を得た。MS ESI計算値C2422FNO[M+H]+424、実測値424.
【0195】
工程6:0℃で化合物17-6(100.00mg、236.17μmol、1.00eq)のDCM(1.00mL)およびMeOH(2.00mL)溶液に順にNHOH・HO(1.00mL、50%水溶液)およびNaOH水溶液(2M、1.00mL)を滴下した。滴下完了後、反応液を0℃で6時間撹拌した。減圧で濃縮し、溶媒の大半を除去した。残った溶液を0℃に冷却して2MのHClでpH=8になるように調整し、ろ過してHO(5mL×3)で繰り返して洗浄し、最後に真空乾燥して化合物17-7を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.17(brs、1H)、9.04(brs、1H)、7.74(d、J=7.28Hz、1H)、7.69(d、J=8.28Hz、2H)、7.46(dd、J=9.03、5.52Hz、2H)、7.33(d、J=8.28Hz、2H)、7.19(t、J=8.91Hz、2H)、6.57(d、J=1.76Hz、1H)、6.13(dd、J=7.15、1.88Hz、1H)、5.07(s、2H)、4.11-4.24(m、1H)、3.99-4.08(m、1H)、3.54-3.71(m、4H).MS ESI計算値C2321FN[M+H]425、実測値425.
【0196】
実施例18
【化102】
【0197】
【化103】
【0198】
工程1:0℃で、1,4-ブチロラクトン(3.45g、40.11mmol、3.05mL、1.10eq)のトルエン(30.00mL)溶液に水素化ナトリウム(1.75g、43.75mmol、純度60%、1.20eq)を入れ、0℃で化合物18-1(5.00g、36.46mmol、4.39mL、1.00eq)のトルエン(10.00mL)溶液を入れ、20℃で12時間撹拌して反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を入れ、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して化合物18-2を得てそのまま次の工程の反応に使用した。
【0199】
工程2:化合物18-2(3.22g、16.84mmol、1.00eq)、36%塩酸(10.20g、100.71mmol、10.00mL、5.98eq)の混合物を80℃に昇温させ、3時間撹拌して反応させた。反応液を0℃の飽和炭酸カリウム水溶液に注ぎ、水を入れ、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにかけて化合物18-3を得てそのまま次の工程の反応に使用した。
【0200】
工程3:-68℃で、2-クロロ-4-ヨードピリジン(730.20mg、3.05mmol、1.00eq)のトルエン(5.00mL)溶液にn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(2.5M、1.34mL、1.10eq)を滴下した後、化合物18-3(560.00mg、3.05mmol、1.00eq)のトルエン(1.00mL)溶液を入れ、反応系を次第に20℃に昇温させ、2時間撹拌して反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を入れ、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムによって精製して化合物18-4を得た。MS ESI計算値C1413ClNO[M+H]+261.0、実測値261.0.
【0201】
工程4:化合物18-4(750.00mg、2.88mmol、1.00eq)のジオキサン(5.00mL)および水(1.00mL)の溶液に、水酸化カリウム(322.82mg、5.75mmol、2.00eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(263.42mg、287.66μmol、0.10eq)、2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(122.15mg、287.66μmol、0.10eq)を入れ、100℃で4時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム、水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物18-5を得た。MS ESI計算値C1414[M+H]243、実測値243.
【0202】
工程5:0℃で、化合物18-5(163.00mg、672.80μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)の溶液に水素化ナトリウム(32.29mg、807.36μmol、純度60%、1.20eq)を入れた後、反応系に4-ブロモメチル安息香酸メチル(154.12mg、672.80μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)溶液を入れ、20℃で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物18-6を得た。MS ESI計算値C2322[M+H]391.0、実測値391.0.
【0203】
工程6:化合物18-6(220.00mg、563.48μmol、1.00eq)のメタノール(2.00mL)溶液に水酸化ナトリウム(22.54mg、563.48μL、1.00eq)、ヒドロキシルアミン水溶液(1.00mL、50%水溶液)を入れ、20℃で6時間撹拌した。反応液を濃縮した後、逆相分取HPLCによって精製して化合物18-7を得た。H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ=8.53(dd、J=0.8、4.8Hz、1H)、7.82-7.74(m、1H)、7.70(d、J=8.2Hz、2H)、7.67(d、J=7.9Hz、1H)、7.60(d、J=7.1Hz、1H)、7.36(d、J=8.3Hz、2H)、7.27(ddd、J=1.1、4.9、7.5Hz、1H)、6.79(d、J=1.8Hz、1H)、6.60(dd、J=2.0、7.1Hz、1H)、5.18(s、2H)、4.17-3.96(m、2H)、3.04-2.91(m、1H)、2.38(td、J=7.6、12.6Hz、1H)、2.06-1.80(m、2H).MS ESI計算値C2221[M+H]392、実測値392.
【0204】
実施例19
【化104】
【0205】
【化105】
【0206】
工程1:0℃で、1,4-ブチロラクトン(1.00g、11.62mmol、884.96mL、1.00eq)のテトラヒドロフラン(5.00mL)溶液に水素化ナトリウム(1.06g、26.38mmol、純度60%、2.27eq)を入れ、0℃で30分間撹拌した後、0℃で化合物19-1(2.39g、17.43mmol、2.06mL、1.50eq)のテトラヒドロフラン(2.00mL)溶液を入れ、20℃で2時間撹拌して反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液、水、酢酸エチルを入れた。水相を濃縮してアセトンを入れ、撹拌してろ過し、母液を濃縮・乾燥して化合物19-2を得てそのまま次の工程の反応に使用した。
【0207】
工程2:化合物19-2(1.50g、7.85mmol、1.00eq)、36%塩酸(15.30g、151.11mmol、15.00mL、19.26eq)の混合物を80℃に昇温させ、2時間撹拌して反応させた。反応液を0℃の氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにかけて化合物19-3を得てそのまま次の工程の反応に使用した。
【0208】
工程3:-68℃で、2-クロロ-4-ヨードピリジン(782.97mg、3.27mmol、1.00eq)のトルエン(5.00mL)溶液にn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(2.5M、1.44mL、1.10eq)を滴下した後、化合物19-3(600.00mg、3.27mmol、1.00eq)のトルエン(1.00mL)溶液を入れ、反応系を次第に20℃に昇温させ、12時間撹拌して反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を入れ、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムによって精製して化合物19-4を得た。MS ESI計算値C1413ClNO[M+H]261.0、実測値261.0.
【0209】
工程4:化合物19-4(513.00mg、1.97mmol、1.00eq)のジオキサン(5.00mL)および水(1.00mL)の溶液に、水酸化カリウム(221.07mg、3.94mmol、2.00eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(180.40mg、197.00μmol、0.10eq)および2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(83.65mg、197.00μmol、0.10eq)を入れ、100℃で2時間撹拌した。反応液に水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルカラムによって精製して化合物19-5を得た。MS ESI計算値C1414[M+H]243、実測値243.
【0210】
工程5:0℃で、化合物19-5(240.00mg、990.63μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(5.00mL)の溶液に水素化ナトリウム(47.55mg、1.19mmol、純度60%、1.20eq)を入れた後、反応系に4-ブロモメチル安息香酸メチル(226.92mg、990.63μmol、1.00eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)溶液を入れ、20℃で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を入れ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、クロマトグラフィープレートによって精製して化合物19-6を得た。MS ESI計算値C2322[M+H]391.1、実測値391.1.
【0211】
工程6:化合物19-6(66.00mg、169.04μmol、1.00eq)のメタノール(5.00mL)溶液に水酸化ナトリウム(13.52mg、338.08μL、2.00eq)およびヒドロキシルアミン水溶液(1.00mL、純度50%)を入れ、20℃で12時間撹拌した。反応液を濃縮した後、逆相分取カラムによって精製して化合物19-7を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ8.51(d、J=6.1Hz、2H)、8.45(brs、1H)、8.47-8.41(m、1H)、7.71(d、J=8.3Hz、2H)、7.65(d、J=7.2Hz、1H)、7.62-7.56(m、2H)、7.37(d、J=8.3Hz、2H)、6.76(d、J=1.9Hz、1H)、6.49(dd、J=1.9、7.2Hz、1H)、5.20(s、2H)、4.13-3.99(m、2H)、2.58(t、J=7.2Hz、2H)、2.09-1.88(m、2H).MS ESI計算値C2221[M+H]392、実測値392.
【0212】
実施例20
【化106】
【0213】
【化107】
【0214】
工程1:Nの保護において、-70℃で、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン(15.00g、53.02mmol、1.00eq)のTHF(150.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、23.33mL、1.10eq)を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で30分間撹拌した。その後、化合物20-1(10.64g、53.02mmol、8.72mL、1.00eq)を上記黄色の懸濁液に滴下し、滴下完了後、反応系を次第に20℃に昇温させて12時間撹拌した。反応完了後、水(300mL)を入れてクエンチングし、そしてEtOAc(100mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(100mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮し化合物20-2を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.25-7.50(m、6H)、6.90-7.00(m、2H)、4.03(t、J=6.8Hz、2H)、2.40-2.55(m、2H)、1.85-2.00(m、2H).
【0215】
工程2:Nの保護において、-70℃で、化合物20-2(1.00g、3.11mmol、1.00eq)のTHF(15.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、1.24mL、1.00eq)を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で30分間撹拌した。その後、ドライアイス(約5g)を上記反応系に入れて次第に20℃に昇温させて2時間撹拌した。反応完了後、反応液をHO(30mL)に注ぎ、2MのKOHでpH=9になるように調整し、EtOAc(10mL×2)で抽出した。その後、水相を2MのHClでpH=5になるように調整し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。当該抽出液を食塩水(30mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮し化合物20-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ7.87(d、J=8.0Hz、2H)、7.56(d、J=7.6Hz、2H)、7.40-7.50(m、2H)、7.12(t、J=8.8Hz、2H)、3.90-4.00(m、2H)、2.51-2.60(m、2H)、1.75-1.90(m、2H).
【0216】
工程3:化合物20-3(100.00mg、349.28μmol、1.00eq)、HATU(159.37mg、419.14μmol、1.20eq)およびDIEA(67.71mg、523.92μmol、91.50μL、1.50eq)のMeCN(10.00mL)溶液を20℃で30分間撹拌した後、4-(アミノメチル)安息香酸メチル(70.43mg、349.28μmol、1.00eq、HCl塩)を上記溶液に入れて20℃で続いて12時間撹拌した。反応完了後、反応液を濃縮し、残留物をHO(3mL)でスラリー状にし、ろ過後、真空乾燥して化合物20-4を得たが、そのまま次の工程の反応に使用した。MS ESI計算値C2624FNO[M+H]434、実測値434.
【0217】
工程4:20℃で化合物20-4(150.00mg、346.04μmol、1.00eq)のDCM(4.00mL)およびMeOH(2.00mL)溶液に順にNHOH・HO(3.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、1.50mL)水溶液を滴下した。滴下完了後、反応液を加熱して6時間還流させた。その後、そのまま分取HPLC(0.1%のTFA)によって分離・精製して化合物20-5を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.15(brs、1H)、8.95-9.05(m、2H)、7.80(d、J=8.0Hz、2H)、7.67(d、J=8.0Hz、2H)、7.52(d、J=8.4Hz、1H)、7.40-7.50(m、2H)、7.33(d、J=8.4Hz、2H)、7.02-7.10(m、2H)、4.67(d、J=5.6Hz、2H)、3.92(t、J=6.8Hz、2H)、2.51-2.60(m、2H)、1.85-1.95(m、2H).MS ESI計算値C2523FN[M+H]435、実測値435.
【0218】
実施例21
【化108】
【0219】
【化109】
【0220】
工程1:化合物21-1(1g、2.31mmol)を分取SFCによって分離し(キラル分割カラム型番:OJ(250mm×30mm、5um)、溶離剤:A:臨界流体CO、B:0.1%NHO MeOH、5.5分間内でB相を5%から40%に上昇させて40%B相のままにして3分間溶離させ、最後に5%B相を1.5分間維持し、流速60mL/min)、二つの異性体21-2(P1)と22-1(P2)を得たが、保持時間はそれぞれ6.474min、7.256minであった。
【0221】
工程2:0℃で化合物21-2(P1)(450.00mg、1.04mmol、1.00eq)のDCM(4.00mL)およびMeOH(4.00mL)溶液に順にNHOH・HO(4.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、4.00mL)水溶液を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で2時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶媒を0℃に冷却して8MのHClでpH=7~8になるように調整し、析出した固体をろ過し、ケーキをHO(5mL×2)で洗浄した後、減圧で乾燥して化合物21-3を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ7.79(d、J=8.4Hz、2H)、7.71(d、J=8.4Hz、2H)、7.54(d、J=8.4Hz、2H)、7.40-7.05(m、4H)、6.95-7.05(m、2H)、4.60(d、J=4.0Hz、2H)、4.02(t、J=7.2Hz、2H)、2.50-2.60(m、2H)、1.85-2.00(m、2H).MS ESI計算値C2523FN[M+H]435、実測値435.
【0222】
実施例22
【化110】
【0223】
【化111】
【0224】
工程1:0℃で化合物22-1(P2)(450.00mg、1.04mmol、1.00eq)のDCM(4.00mL)およびMeOH(4.00mL)溶液に順にNHOH・HO(4.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、4.00mL)を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で2時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶媒を0℃に冷却して8MのHClでpH=7~8になるように調整した後、処理して化合物22-2(P2)を得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ7.79(d、J=8.4Hz、2H)、7.71(d、J=8.4Hz、2H)、7.54(d、J=8.4Hz、2H)、7.40-7.05(m、4H)、6.95-7.05(m、2H)、4.60(s、2H)、4.02(t、J=7.2Hz、2H)、2.50-2.60(m、2H)、1.85-2.00(m、2H).MS ESI計算値C2523FN[M+H]435、実測値435.
【0225】
実施例23
【化112】
【0226】
【化113】
【0227】
工程1:化合物23-1(1.00g、3.11mmol、1.00eq)、t-ブトキシカルボニルアミン(546.50mg、4.67mmol、1.50eq)、Xantphos(179.95mg、311.00μmol、0.10eq)、Pd(dba)(142.39mg、155.50μmol、0.05eq)およびCsCO(1.52g、4.67mmol、1.50eq)のDMF(15.00mL)溶液をNの保護において100℃に加熱して12時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(80mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた産物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=9/1)にかけて化合物23-2を得た。MS ESI計算値C2124FNO[M+H]358、実測値358.
【0228】
工程2:25℃で、化合物23-2(250.00mg、699.46μmol、1.00eq)のDCM(5.00mL)溶液にTFA(2.00mL)を滴下して30分間撹拌した。その後、減圧で濃縮して化合物23-3を得た。MS ESI計算値C1616FNO[M+H]258、実測値258.
【0229】
工程3:化合物23-3(250.00mg、673.26μmol、1.00eq、TFA塩)、4-(ブロモメチル)安息香酸メチル(154.22mg、673.26μmol、1.00eq)およびKCO(139.58mg、1.01mmol、1.50eq)のDMF(5.00mL)溶液を25℃で6時間撹拌した。その後、反応液をHO(50mL)に注ぎ、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(30mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮して化合物23-4を得てそのまま次の工程の反応に使用した。MS ESI計算値C2524FNO[M+H]406、実測値406.
【0230】
工程4:25℃で化合物23-4(250.00mg、616.58μmol、1.00eq)のDCM(4.00mL)およびMeOH(2.00mL)溶液に順にNHOH・HO(3.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、1.50mL)水溶液を滴下した後、反応系を50℃に昇温させて2時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去し、残った溶液を分取HPLC(0.1%のNHOH)によって分離・精製して化合物23-5を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.04(brs、1H)、9.03(brs、1H)、7.67(d、J=8.0Hz、2H)、7.35-7.45(m、4H)、6.95-7.05(m、4H)、6.45(d、J=8.4Hz、2H)、6.28(t、J=5.6Hz、1H)、4.25(d、J=6.0Hz、2H)、3.70-3.90(m、2H)、2.20-2.45(m、4H)、1.65-1.90(m、2H).MS ESI計算値C2524FNO[M+H]406、実測値406.
【0231】
実施例24
【化114】
【0232】
【化115】
【0233】
工程1:化合物24-1(300.00mg、934.06μmol、1.00eq)、4-アミノ安息香酸メチル(141.19mg、934.06μmol、1.00eq)、Xantphos(108.09mg、186.81μmol、0.20eq)、CsCO(456.50mg、1.40mmol、1.50eq)およびPd(dba)(85.53mg、93.41μmol、0.10eq)のDMF(15.00mL)溶液をNの保護において100℃に加熱して8時間撹拌した。反応液をHO(150mL)に注ぎ、そしてEtOAc(80mL×2)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(50mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた産物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離・分析して(PE/EtOAc=5/1)化合物24-2を得た。MS ESI計算値C2422FNO[M+H]392、実測値392.
【0234】
工程2:25℃で化合物24-2(250.00mg、638.67μmol、1.00eq)のDCM(2.00mL)およびMeOH(4.00mL)溶液に順にNHOH・HO(2.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、2.00mL)水溶液を滴下した。滴下完了後、反応液を20℃で続いて12時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去した後、DMSO(5mL)で完全に溶解させ、得られた溶液を分取HPLC(0.1%のNHOH)によって分離・精製して化合物24-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ10.88(brs、1H)、8.85(brs、1H)、8.50(brs、1H)、6.90-7.80(m、12H)、3.80-4.00(m、2H)、2.30-2.45(m、2H)、1.80-1.90(m、2H).MS ESI計算値C2321FN[M+H]393、実測値393.
【0235】
実施例25
【化116】
【0236】
【化117】
【0237】
工程1:化合物25-1(800.00mg、2.79mmol、1.00eq)、HATU(1.59g、4.19mmol、1.50eq)およびDIEA(722.26mg、5.59mmol、976.03μL、2.00eq)のMeCN(5.00mL)溶液を20℃で20分間撹拌した後、4-アミノ安息香酸メチル(422.38mg、2.79mmol、1.00eq)を上記溶液に入れて当該温度で続いて12時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒を除去した後、残った固体をEtOAc(80mL)で溶解させ、そして2M NaOH水溶液(30mL×2)、食塩水(50mL)で順に洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮・乾燥した。得られた産物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)にかけて化合物25-2を得た。MS ESI 計算値C2522FNO[M+H]420、実測値420.
【0238】
工程2:20℃で化合物25-2(1.10g、2.62mmol、1.00eq)のDCM(10.00mL)およびMeOH(20.00mL)溶液に順にNHOH・HO(11.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、10.00mL)水溶液を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で12時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去した後、DMSO(5mL)で完全に溶解させ、得られた溶液を分取HPLC(0.1%のHCl)によって分離・精製して化合物25-3を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.14(brs、1H)、10.39(brs、1H)、7.86(d、J=8.4Hz、2H)、7.82(d、J=8.4Hz、2H)、7.40(d、J=8.8Hz、2H)、7.61(d、J=8.8Hz、2H)、7.45-7.55(m、2H)、7.13(t、J=8.8Hz、2H)、3.96(t、J=7.6Hz、2H)、2.58(t、J=6.8Hz、2H)、1.80-1.95(m、2H).MS ESI計算値C2421FN[M+H]421、実測値421.
【0239】
実施例26
【化118】
【0240】
【化119】
【0241】
工程1:Nの保護において、-70℃で、化合物26-1(5.00g、25.98mmol、1.00eq)のトルエン(50.00mL)溶液にn-BuLi(2.5M、12.47mL、1.20eq)を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で30分間撹拌した。その後、4-クロロ-1-(4-フルオロフェニル)ブタン-1-オン(5.21g、25.98mmol、4.27mL、1.00eq)を上記黄色の懸濁液に入れた。そして反応系を15℃に昇温させて続いて12時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(80mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。得られた産物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)によって分離・精製して化合物26-2を得た。MS ESI計算値C1513ClFNO[M+H]278、実測値278.
【0242】
工程2:化合物26-2(1.00g、3.60mmol、1.00eq)、DPPP(148.51mg、360.00μmol、0.10eq)、Pd(dba)(164.86mg、180.00μmol、0.05eq)およびTEA(546.54mg、5.40mmol、748.68μL、1.50eq)のDMSO(10.00mL)およびMeOH(3.00mL)溶液の混合物を80℃に加熱してCO(50psi)雰囲気において12時間撹拌した。反応液をHO(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(50mL×3)で抽出し、合併した抽出相を食塩水(80mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮して化合物26-3を得た。MS ESI計算値C1716FNO[M+H]302、実測値302.
【0243】
工程3:化合物26-3(1.00g、3.32mmol、1.00eq)およびNaOH(265.60mg、6.64mmol、2.00eq)のMeOH(10.00mL)およびHO(10.00mL)混合物溶液を還流まで加熱して2時間撹拌した。その後、減圧で濃縮してMeOHを除去し、得られた水相をEtOAc(10mL×2)で抽出した後、水相を濃塩酸でpH=6になるように調整し、最後に減圧で濃縮・乾燥して化合物26-4を得た。MS ESI計算値C1614FNO[M+H]288、実測値288.
【0244】
工程4:化合物26-4(900.00mg、3.13mmol、1.00eq)、HATU(1.79g、4.70mmol、1.50eq)およびDIEA(1.21g、9.40mmol、3.00eq)のMeCN(15.00mL)溶液を20℃で30分間撹拌した。その後、4-(アミノメチル)安息香酸メチル(631.71mg、3.13mmol、1.00eq、HCl塩)を上記溶液に入れて続いて20℃で3時間撹拌した。減圧で濃縮・乾燥した。反応液をHO(80mL)に注ぎ、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出し、合併した抽出液を食塩水(30mL)で振とう洗浄した後、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=5/1~3/1)によって分離・精製して化合物26-5を得た。MS ESI計算値C2523FN[M+H]435、実測値435.
【0245】
工程5:0℃で26-5(200.00mg、460.34μmol、1.00eq)のDCM(2.00mL)およびMeOH(4.00mL)溶液に順にNHOH・HO(47.04mg、460.34μmol、2.00mL、50%水溶液)およびNaOH(2M、230.17μL)水溶液を滴下し、滴下完了後、続いて当該温度で3時間撹拌した。減圧で濃縮して溶媒の大半を除去した後、DMSO(5mL)で完全に溶解させ、得られた溶液を分取HPLC(0.05%のHCl)によって分離・精製して化合物26-6を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.15(brs、1H)、10.22(brs、1H)、9.35(t、J=6.4Hz、1H)、8.72(d、J=1.5Hz、1H)、8.01-8.07(m、1H)、7.94-8.00(m、1H)、7.68(d、J=8.3Hz、2H)、7.49-7.56(m、2H)、7.34(d、J=8.3Hz、2H)、7.15(t、J=8.9Hz、2H)、4.51(d、J=6.3Hz、2H)、3.98(t、J=7.2Hz、2H)、2.62(t、J=7.2Hz、2H)、1.89(qd、J=7.2、5.1Hz、2H).MS ESI計算値C2422FN[M+H]436、実測値436.
【0246】
実験例1:体外評価
EnVision(登録商標)マルチラベルプレートリーダーで384ウェルマイクロプレートにおける蛍光信号の強度の変化を検出することによって、アセチル化基質の脱アセチル化の程度を測定し、化合物阻害剤の半数阻害濃度IC50値を指標とし、化合物のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に対する阻害作用を評価した。
【0247】
1.実験手順および方法:
1-1.化合物の希釈と仕込み:
DMSOで化合物を2mMに希釈して384ウェル化合物プレートに入れ、Bravo全自動液体ワークステーションで10段の勾配に3倍希釈し、2つの重複ウェルを設けた。Echo超音波液体ハンドラー(Echo liquid handler)でさらに384ウェル化合物プレートから0.15μLの化合物を384ウェル実験プレートに移した。
【0248】
1-2.アッセイ緩衝液の調製:
最終濃度が20mMのHepes、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、1mMのMgCl、0.05%BSA、0.5mMのTCEPである1×アッセイ緩衝液を調製した。
【0249】
1-3.5×酵素混合液の調製:
ヒストン脱アセチル化酵素を素早く溶解させて1×アッセイ緩衝液に入れ、均一に混合した。1.5×酵素混合液20μLを384ウェル実験プレートに入れ、遠心して混合し、23℃インキュベーターに置き、酵素を化合物と20分間インキュベートした。
【0250】
1-4.3×基質混合液の調製:
1×アッセイ緩衝液で3×基質溶液を調製し、均一に混合した。10μLを384ウェル実験プレートに入れ、遠心して混合し、23℃インキュベーターに置いて90分間インキュベートし、反応させた。
【0251】
1-5.停止混合液の用意:
1×アッセイ緩衝液でトリプターゼと陽性化合物SAHA(Vorinostat、ボリノスタット)の停止混合液を調製し、均一に混合した。30μLを384ウェル実験プレートに入れて反応を停止させ、遠心して混合し、23℃インキュベーターに置いて60分間インキュベートした。
【0252】
1-6.数値の読み取り:
反応の停止から60分間後、384ウェル実験プレートをEnVisionマルチラベルプレートリーダーにセットし、蛍光値を読み取った。
【0253】
1-7.データの分析:
XLfit5ソフトでデータを分析し、化合物のIC50値を計算した。
【0254】
表1.本発明の化合物の体外選別の試験結果
【0255】
【表1】
【0256】
注:A≦10nM;10nM<B≦50nM;50nM<C≦200nM;D>200nM;
【0257】
結論:
本発明の化合物のHDAC6に対する阻害作用が顕著であるが、HDAC1に対する阻害が弱く、選択性が高いという特徴を有する。
【0258】
実験例2:化合物の薬物動態学の評価
【0259】
実験目的:
被験化合物の雄ビーグル犬の体内における薬物動態学
【0260】
実験材料:
ビーグル犬(雄、6~15キロ、6か月~4年齢、Marshall Bioresources、北京、中国)
【0261】
実験操作:
標準プロトコールで化合物の経口投与後のビーグル犬の薬物動態学の特徴を測定し、実験において候補化合物を均一な懸濁液に調製し、ビーグル犬に単回で経口投与した。経口投与溶媒は一定の比率のポリエチルグリコール-ポリオキシエチレンヒマシ油水溶液である。24時間内の全血サンプルを収集し、3000gで10分間遠心し、上清を分離して血漿サンプルを得、30μLの血漿サンプルを取って300μLの内部標準品を含有するアセトニトリル溶液に入れてタンパク質を沈殿させ、ボルテックス遠心して30μLの上清液を取って等体積の水を入れ、さらにボルテックス遠心して上清を取って仕込み、LC-MS/MS分析方法で血漿における薬物濃度を定量的に分析し、そして薬物動態学的パラメーター、たとえばピーク到達濃度、ピーク到達時間、半減期、薬物-時間曲線下面積などを計算した。
【0262】
実験結果は表2に示す。
【0263】
表2.薬物動態学の測定結果
【0264】
【表2】
【0265】
結論:
本発明の化合物は優れたイヌの薬物動態学の単一または部分の指標を有する。
【0266】
実験例3:イキサゾミブとの併用のヒト骨髄腫MM.1S細胞皮下異種移植腫瘍CB-17 SCIDモデルに対する体内薬力学の研究
1.実験目的:
HDAC阻害剤は幅広く多くの癌に使用され、そして多くの薬物と併用して当該薬物の治療効果を強化させることができ、十分に証明された抗腫瘍標的である。HDAC阻害剤は幅広く多くの癌に使用され、そして多くの薬物と併用して当該薬物の治療効果を強化させることができ、たとえばパノビノスタットとプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(bortezomib)の併用は多発性骨髄腫の治療効果を向上させて顕著に毒性を低下させることができる。
【0267】
本実験の目的は、本発明の化合物とプロテアソーム阻害剤であるイキサゾミブの併用のヒト骨髄腫MM.1S細胞皮下異種移植腫瘍CB-17 SCIDモデルに対する体内における薬物効果を評価することである。
【0268】
2.実験方法と手順
2.1.細胞培養
ヒト骨髄腫MM.1S細胞を体外で単層培養し、培養条件はRPMI-1640培地(メーカー:Gibco;商品番号:22400-089)に10%ウシ胎児血清を入れ、37℃、5%COインキュベーターで培養した。週に2回トリプシン-EDTAで通常処理を行って継代した。細胞の飽和度が80%~90%になると、細胞を回収し、計数し、接種した。
【0269】
2.2.腫瘍細胞の接種
0.2mLの5×10個のMM.1S細胞を各マウス(北京VITAL RIVER生物科技株式有限公司、雌、6~8週齢)の右側の背部(PBS:Matrigel=1:1)に皮下移植した。腫瘍の平均体積が約100~150mmに達したら群分けして投与した。
【0270】
2.3.被験物の調製
【0271】
表3.被験物の調製方法
【0272】
【表3】
【0273】
注:動物に投与する前に軽く薬物を十分に均一に混合した。
【0274】
2.4.実験動物の日常観察
毎日動物の健康状况および死亡状況をモニタリングし、定期検査は腫瘍生長および薬物治療の動物の日常行為表現に対する影響、たとえば行為・活動、摂食飲水量(目測のみ)、体重変化(1日おきに1回測量する)、外観所見またはほかの異常状況の観察であった。各群の動物の数に基づいて群内の動物の死亡数および副作用を記録した。
【0275】
2.5.腫瘍の測量と実験指標
実験指標は腫瘍生長が抑制、遅延または治癒することができるかどうかという考察である。週に3回腫瘍直径をノギスで測定した。腫瘍体積の計算公式は、V=0.5a×bで、aおよびbはそれぞれ腫瘍の長径および短径を表す。
【0276】
化合物の腫瘍阻害治療効果はTGI(%)または相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。TGI(%)は、腫瘍生長阻害率を反映する。TGI(%)の計算:TGI(%)=[(1-(ある処理群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該処理群の投与開始時の平均腫瘍体積))/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
【0277】
相対腫瘍増殖率T/C(%):計算式は、T/C%=TRTV/CRTV×100%(TRTV:治療群RTV、CRTV:陰性対照群RTV)である。腫瘍の測量の結果から相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式は、RTV=V/Vである。ここで、Vは群分けして投与する時点(即ちd)で測定された平均腫瘍体積で、Vはある回の測量の時点における平均腫瘍体積で、TRTVとCRTVは同じ日に取ったデータである。
【0278】
実験終了後、腫瘍重量を検出し、そしてT/C(重量)百分率を計算し、T(質量)およびC(質量)はそれぞれ投与群および溶媒対照群の腫瘍重量を表す。
【0279】
3.統計分析
統計分析は、各群の各時点における腫瘍体積の平均値および標準誤差(SEM)を含む。治療群は、試験終了の時点で、投与後21日目に最も優れた治療効果を示したため、このデータに基づいて統計学分析で群間の差を評価した。2つの群の間でT-testで分析し、3つの群または複数の群の間で一元配置分散分析(one-way ANOVA)で分析し、F値に有意差がある場合、Games-Howell法によって検定した。F値に有意差がない場合、ダネット(両側)法によって分析した。SPSS 17.0ですべてのデータ分析を行った。p<0.05は有意差があることを示す。
【0280】
4.実験結果および検討
本実験において、実施例26の化合物とイキサゾミブの併用のヒト骨髄腫MM.1S細胞皮下異種移植腫瘍CB-17 SCIDモデルにおける薬物効果を評価した。当該群は異なる時点の腫瘍体積のデータで表す。投与開始から21日目に、溶媒対照群では、腫瘍担持マウスの腫瘍体積が2611mmに達し、被験物であるイキサゾミブ(4mg/kg)の単独投与群は溶媒対照群と比べて顕著な腫瘍阻害作用を有し(T/C=34.97%、TGI=68.65%、p=0.030)、腫瘍体積は916mmであった。実施例26の化合物(30mg/kg)とイキサゾミブ(4mg/kg)の併用投与群は溶媒対照群と比べて顕著な腫瘍阻害作用を有し(T/C=8.34%、TGI=96.88%、p=0.001)、腫瘍体積は218mmであった。
【0281】
上記のように、ヒト骨髄腫MM.1S細胞皮下異種移植腫瘍モデルにおいて、実施例26の化合物(30mg/kg)とイキサゾミブ(4mg/kg)の併用投与群は溶媒対照群と比べて腫瘍阻害効果が良く、マウスは優れた耐性を示し、かつ顕著な体重減少がなかった。